七星儀事変〜複製妖狐と蝉時雨〜
ぎゅうぎゅう詰めの電車から降りて、改札にICカードを押し付けて抜け、欠伸を浮かべながら通学路をいつも通り歩いていく。
「武曲さんおはようございます!」
追い抜きざまにかけられた、部活動に勤しむために早出してきた生徒達の元気な挨拶にはにかみながら応える。
私が銀誓館学園と血で血を洗う戦いを交わしたことを実体験として知っている生徒も10年もの時が経ち、だいぶ少なくなった。
だが、だからといって私が行った事実が無くなることはない。過去の間違いを贖うために私は生まれ故郷を離れ、ここで働き続けている。
今日も一日頑張ろうかと校門をくぐると職員室の方が何やら騒がしい。
何事かと思いながら扉を開けると、私の姿に気づいた文曲が怖い顔をしてこちらを睨みつけながら足音を立てて詰め寄ってきた。
「武曲! あなたあれだけのことをしていてよくものこのこと来れましたわねぇ!」
「な、なんだ文曲!? 何を言っているのかさっぱりだぞ私は!?」
懐から出した護符を今にも投げつけてきそうな文曲を私は慌てて制した。
「昔、僕と一緒に月で封印されていた『夢魔随筆』っていう二冊一組のメガリスがあって、上巻が無くなっちゃったから僕が探す任務を押しつけられたんだけどー、いない間に下巻もオブリビオンとして蘇った『ジャック・マキシマム』に奪われちゃった、って話はしたよね?」
とある川床にて、妖狐七星将が1人・巨門はガラスの器に盛られた抹茶のアイスクリームを美味しそうに突っつきながらルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)に語りかけた。
「で、ジャックはそれを使って『僕達の複製』を作ってる、っていうのは……知らないわけないか。実際に戦ってるし」
欧州にて存命の人狼騎士団員の複製体が、金沢では異界のオブリビオン・フォーミュラであるプレジデントの複製体がジャックの手によって現れ、大暴れしたのは記憶に新しいところである。
「ジャックが作った僕達の複製は『銀誓館学園と戦っていた時代』の僕達だ。銀誓館学園、そしてそれに与する猟兵を複製体は敵として認識して、立ちはだかってくる」
今回現れたのは「鳳・武曲」の複製体。
大陸妖狐の中でも有数の実力者で、妖狐七星将の後継者候補の1人であった彼女の複製はその評判通りの力を発揮して京都・伏見稲荷神社を占領し、そこで「尾」と呼ばれる強力なゴーストを作り出すための儀式「七星儀」を決行しているという。
「現地には武曲の七星儀を守る為に何十人もの狂信者達が配置されていて、ゴースト自体ももうすでに湧き出しているらしいんだ。で、夢魔随筆にまつわる騒ぎだからこの僕が鎮圧のために派遣された、ってワケ。……まったく、貪狼とか破軍とかでも別にいいじゃんねー」
毎回担ぎ出されることに対して不満そうな言葉とは対照的に、堂々と暴れられる口実が出来て楽しそうな表情を見せる巨門に対して、ルウは納得しつつも首を傾げた。
「なるほど。……それにしてもジャックはあの戦争で倒されたはずなんですけどね」
「らしいねー。でも君達と出会した時点で11人に増えてたんでしょ? どうせもう何十人か別にコピーしてたんじゃないの?」
巨門からの答えにルウは何とも言えない表情を浮かべた。実際にあり得そうな話だったからだ。
「とにかく! 僕らの嘗ての罪は到底償えるものではないけど! でもそれを一々引っ張り出して蒸し返してくるのはむかつくんだよねー!」
そう言って巨門は空になった皿の縁をスプーンで一度叩くと、甲高い音が辺りに響いた。
「ちなみにこのことって銀誓館学園にお伝えしました?」
「え? なんで?」
「本物の武曲さんは銀誓館学園で勤務されてるんですよね? 多分今頃何も知らない人からの抗議とか苦情の電話が鳴り響いてますよ」
ルウの指摘に巨門は目を丸くしてしばらく思案し……舌を出した。
「そうだったね、すっかり忘れてたや☆」
平岡祐樹
6人目の公式名前有りNPC大陸妖狐さん(本物)の出番はOPでおしまいです。ツヨクイキロ。
お疲れ様です、平岡祐樹です。
当シナリオはシルバーレインの決戦シナリオです。
今シナリオの第1章・第2章では大陸妖狐「妖狐七星将」が1人「大門」とその尾「餓魔王」の助力を受けることが出来ます。プレイング内で言及されていれば必ず助けに来てくれます。
1人と1匹の力量や特性はタグ「#妖狐七星将『巨門』」のついたシナリオで確認することが出来ます。お暇でしたらご確認ください。
なお、彼らの力を借りずにオブリビオンを蹂躙しても構いません。呼ぶことに囚われず、自由にお考えくださいませ。
伏見稲荷には登山するくらいの気概で参りましょう。(実体験)
第1章 集団戦
『狂える能力者たち』
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POW : 黒影剣
自身と武装を【闇のオーラ】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[闇のオーラ]に触れた敵からは【生命力】を奪う。
SPD : 除霊建築学・陰陽八卦
戦場内に、見えない【陰陽の気】の流れを作り出す。下流にいる者は【八卦炉結界】に囚われ、回避率が激減する。
WIZ : 狂気の開放
自身の【正気】を代償に【様々な属性の攻撃エネルギー】を創造する。[様々な属性の攻撃エネルギー]の効果や威力は、代償により自身が負うリスクに比例する。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
儀水・芽亜
ごきげんよう。巨門様はまたお疲れ様です。
武曲さんとは、昔からの付き合いですからね。頑張りませんと。
これまでの二回では当人の耳に入っていないようにしましたが、本人と文曲さんの知るところになりましたね。これからどうなるか。
さて、蝦蟇王が出てくる前に始めましょうか。あの臭いは苦手ですので。
「先制攻撃」「騎乗」「騎乗突撃」でナイトメアライド。
伏見稲荷の千本鳥居を、ナイトメアに乗って駆け上がります。
アリスランスで「ランスチャージ」を繰り出し、ナイトメアもオブリビオンを「蹂躙」しながら上へと進みます。
目指すは敵中突破。巨門様、お先に行っておりますわね! そちらは囮役しっかりお願いします!
「ごきげんよう。巨門様はまたお疲れ様です」
「おつかれー。なんかそっちも色々あったみたいだけど、大丈夫だったー?」
「ええ、一人たりと逃すことなく終わらせてきました」
巨門からの問いかけに澄ました顔で答えた儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)は日中にも関わらず深い闇に包まれた伏見稲荷を見遣る。
これまでは当人の耳に入らないうちに片付けてきたが、今回は本人と文曲の知るところになってしまった。はてさてこれからどうなるか。
「武曲さんとは、昔からの付き合いですからね。頑張りませんと」
「そだねー。ちなみにさ」
「はい?」
「ルウの言ってた苦情の電話? 無言着信? が来てるの、銀誓館だけだって」
普通だったら警察とか役所とかにも通報なり何なりがいくよねー、と巨門はマスク越しに笑う。
世界結界が半壊したことによる辻褄合わせの限界をルウは心配している様子だったが、ピンポイントで|銀誓館学園《そこ》だけ集中砲火を受けているとなると。
「……何らかの意図があると?」
「もちろん通報している人の頭から銀誓館以外の選択肢が抜けてるだけかもしれないけどねー」
口調は笑っているが巨門の目からハイライトは消えていた。どうやら彼も今回の騒動については少々お冠のようだ。
なら、早急にガス抜きをしてもらわなくては。
「さて、蝦蟇王が出てくる前に始めましょうか。あの臭いは苦手ですので」
「ひどいなぁ」
わざとらしく泣き真似をし始める巨門を無視して、芽亜は純白の白馬型来訪者を召喚してその背に跨る。
「巨門様、お先に行っておりますわね! そちらは囮役しっかりお願いします!」
「あいあーい」
口調こそ軽薄だが圧しか感じられない返事を受け、芽亜はナイトメアの腹を蹴って伏見稲荷の名物たる千本鳥居に向けて階段を駆け上がっていく。
狙いは敵中突破ただ一点。見えない陰陽の気の流れ———八卦炉結界に囚われ、回避率が激減しようとこちらが常に先手を取り続ければ何の問題もない。
鳥居の周りに屯していた人々に向けて芽亜はアリスランスを突き出し、ナイトメアも強靭な前脚で蹴り飛ばす。
手に握っていた何かに集中し過ぎた結果芽亜達に対して肉壁以外のことを何一つ出来なかった哀れな者達を捨て置いて、1人と1匹は七星儀の現場にまで走り続けた。
大成功
🔵🔵🔵
アルドラ・カリオストロ
面白そうな事件ね
私の退屈を少しでも晴らしてくれるかしら
雑兵には、さして興味が惹かれないわね
私の奏でる死の魔術で速やかに命の灯を刈り取りましょう
死の力に耐えたとしても、その身に染み入る<呪詛>は死の宣告となり、貴方たちに死の訪れを約束するわ
正気を代償にした属性の力ね
そうした特定の方向性を有する力には耐性があるのよ
貴方たちが操る属性が火炎や氷結や電撃、あるいは毒や呪詛の類であれば、それらは殆ど効果を発揮しないと思って頂戴
仮に此の身を傷つけることが出来たとしても、私の命を速やかに奪わない限りは<生命力吸収>と<魔力吸収>により、周囲の者たちから奪った命で、たちどころに傷は癒えてしまうのだけれども
「面白そうな事件ね。私の退屈を少しでも晴らしてくれるかしら」
アルドラ・カリオストロ(死棘の薔薇・f41057)が伏見稲荷を歩いていると階段の傍で人々は一心不乱に携帯を弄っていた。
すぐそばを通り過ぎても画面から一切顔を上げようとしない様はまさに「狂っている」という表現が適切であっただろう。
雑兵にはさして興味は惹かれない。ただ何かをやっているのは明白。故に死の魔術を奏でて速やかに命の灯を刈り取ることにした。
「お逝きなさい」
アルドラが取り出した宝珠から放たれた波動が周囲にいた人々の魂を消し飛ばす。
もし死の力に耐えられたとしても、その身に染み入る呪詛は死の宣告となり、死の訪れを約束する。
そうして転がるように座った体勢から倒れていく仲間達の姿を偶然見かけたのか、剣を抜いた集団がこちらに近づいてきた。どうやら今あの世に行かせた彼らは荒事の担当では無かったらしい。
フードの下から見える人々の目は正気を失っており、その代償に得た魔力を刃に纏わせていた。だがアルドラは涼しい顔で人々に語りかけた。
「正気を代償にした属性の力ね。申し訳ないけど私、そうした特定の方向性を有する力には耐性があるのよ。貴方たちが操る属性が火炎や氷結や電撃、あるいは毒や呪詛の類であれば、それらは殆ど効果を発揮しないと思って頂戴」
そう忠告したにも関わらず、人々は常軌を逸した笑い声をあげながら切り掛かってきた。
だが今の精神状態を反映しているかのように軸がブレている剣筋はいくら魔力を纏っているとは言えアルドラの体に当たらない。
仮に傷つけることが出来たとしても、アルドラの命は速やかに奪わない限り生命力と魔力の吸収により、周囲の者たちから奪ったばかりの命でたちどころに全ての傷を癒やしてしまうのだけれども。
「せめて苦しむことなく逝かせてあげるわ。感謝なさい」
1つの国を治める当主として、寛大な対応を見せるアルドラの前で、人々は喉を掻きむしったり痙攣したり断末魔を上げたりすることなく生きる上で必要な全ての動きを止めた。
大成功
🔵🔵🔵
シルヴィ・フォーアンサー
……詳しい事情は知らないけど邪魔するやつをふっ飛ばせば良いんだよね。
『そういう事だ、ただし建物までふっ飛ばしたりしないように。』
はーい、姿消してるみたいだけど体温までは隠せないよね。
ヨルに索敵してもらって場所を割り出したらバースト・テンペストで壊しちゃおう。
「……詳しい事情は知らないけど邪魔するやつをふっ飛ばせば良いんだよね」
『そういう事だ、ただし建物までふっ飛ばしたりしないように』
「はーい」
サポートAIのヨルからの注意に、シルヴィ・フォーアンサー(自由を求めた脱走者・f41427)は生返事をした。
伏見稲荷神社は古都京都の文化財の対象たる寺社仏閣から外れている。認定当時は独創的あるいは原初的な建築様式であること、オーセンティシティと呼ばれる建築当初からの部材構成などが重要視されており、歴史的景観保護に関する法的基準がなかったことが要因とされている。
だからと言って壊して良いわけではない。この鳥居一つ一つが奉納者の願いを込められた大事な代物であるからだ。
「姿消してるみたいだけど体温までは隠せないよね。ヨル、索敵」
シルヴィからのリクエストを受け、ヨルが伏見稲荷を覆う闇から隠れて何らかの作業をしている者の位置を割り出していく。
それらをヨルから手渡されたシルヴィは一瞥した後、敵がもっとも多い位置に向かって指差した。
『ヨル、全武装一斉発射、どかーん。』
無邪気な命令にヨルは天を仰ぐ。建物が壊れるか否かは自分の匙加減だと言われたような気がして。
「……かしこまりました、お嬢様」
子供扱いされたような気がして頬を膨らますシルヴィの後ろで鎮座していたキャバリアが静かに動き出し、搭載されている銃火器の砲口が全て開かれる。
そして一斉に掃射されたそれらは全て闇の中で屯していた者達に注がれ、周囲の建造物に弾傷はつかなかった。
成功
🔵🔵🔴
暗都・魎夜
【心情】
あちゃー
とうとう本人の耳に入ったか
当人の気質考えると早々に乗り込んできそうな気もするし、そうなる前に片させてもらいますか
※武曲・文曲は学生時代から友人付き合いがある
【巨門に】
蝦蟇王の脂、そろそろ避けるのが面倒になってきたので、レインコートだけかぶっておく
「動きだけ止めておいてくれ。そうすりゃこっちでケリはつける」
【戦闘】
ここにいる連中、姿は能力者だが、儀式遂行のために召喚されたオブリビオンってことだな?
なら、手加減は無用だ
姿が見えないのなら、いそうな場所をUCの「捨て身の一撃」で根こそぎぶっ潰す
巨門の力で十分に回避できねえだろ
ただの頭の変な能力者がまぎれてたら「気絶攻撃」で無力化を
「あちゃー、とうとう本人の耳に入ったか」
鳴り止まない電話に阿鼻叫喚になっている銀誓館学園の様子を聞いた暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は天を仰いだ。
武曲も文曲も学生時代から友人付き合いがある仲だ、当人の気質を考えると事態を把握した途端電話応対をほっぽり出して早々に乗り込んできそうな気がする。
「そうなる前に片させてもらいますか」
敵の姿を視聴嗅覚で感知することを不可能にする闇の中で暴れ回る巨門と合流した魎夜は後ろから殴られないように背中合わせになりつつ話しかける。
「ここにいる連中、姿は能力者だが、儀式遂行のために召喚されたオブリビオンってことだな?」
「そうだねー、殴り飛ばした途端消滅してったから」
「なら、手加減は無用だ」
そう呟いて魎夜はレインコートを被り直す。敵の接近を肉壁となって防いでいる蝦蟇王の脂を避けるのがそろそろ面倒になってきたからであった。
「動きだけ止めておいてくれ。そうすりゃこっちでケリはつける」
「りょーかい」
巨門を中心として吹き荒れる突風が人々の足を強引に止める。そして魎夜は周囲で燃えていた火の力を我が身に全部取り込んで、巨門が起こした風に乗った。
『全力で行くぜ、耐えられるかどうか試してみやがれ!』
自らを「太陽の爆弾」に変えて行われた捨て身の突撃が炸裂し、周囲に立ち込めていた闇を払う。同時にその余波によって人々は地面に倒され、その先にあった蝦蟇王の落とした脂がローブに染み込んでいった。
そして爆発によって身に纏わされた熱が引火して全身を包み込んだ。
地面を転がって消火しようとしたところで新たな脂がついて勢いがさらに増すだけ。水を生成して被っても火の気は収まらず、喚きながら道連れにしようと駆け寄っても風の壁が接触を許さない。
「ただの頭の変な能力者がまぎれてなくてよかったぜ」
言葉を発した際に一緒に出た空気の代わりに口と鼻へ入ってくる人と脂が焦げた悪臭に吐きそうになりつつも魎夜は巨門と共に、足元で蠢く人々の傍を通って千本鳥居に乗り込んで行った。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『セミキノコ』
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POW : 炸裂毒胞子
自身の【キノコ】から、戦場の仲間が受けた【攻撃の威力】に比例した威力と攻撃範囲の【毒胞子】を放つ。
SPD : 抗体化
【セミの幼虫の殻】を脱ぎ、【「セミ人間」形態】に変身する。武器「【ガトリングガン】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
WIZ : セミシャウト
【耳をつんざくようなセミの鳴き声】を聞いて共感した対象全てを治療する。
イラスト:かざいエモ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
人間大の大きさのセミの幼虫が石段をよじ登る。
その背中には複数種のキノコが生え、その根本にはセミが本来持たない薄橙色が垣間見える。
幼虫達の目的はただ1つ。尾になるためにこの山の頂へ最初に到達すること。
そのためには同胞を殺すことも厭わない。
大きな鎌が前にいたセミの背中を裂く。そこから飛び出してきたセミと人間が混ざった見た目をした怪物はどこからともなくガトリングガンを取り出して、後に続いていた物達を一斉に撃ち払う。
その弾幕を空を飛ぶことで上から眺めつつ別のセミ人間が一気にごぼう抜きを図る。
そんな蠱毒のレースの最後尾に猟兵がたどり着く様を、武曲の複製体は携帯片手にのんびりと眺めていた。
儀水・芽亜
阿鼻叫喚ですね、これ。『七星儀』は七星将を生み出す儀式。そのついでに尾も調達しようというつもりでしょうか。
とにかく同士討ち上等なくらいに混乱しているなら、ナイトメアライドで駆け抜ける方が良さそうです。
もう少し頑張ってくださいね、ナイトメア。
「騎乗」「騎乗突撃」でオブリビオンの群れに突っ込み、「ランスチャージ」。ナイトメアは敵の背を踏み台に「蹂躙」しながら駆け抜けなさい。
ガトリングガンを向けられたら、「軽業」で高く跳んでかわしましょう。
どうせ彼らに理性などありません。味方同士で殺し合ってくれるなら楽というもの。
|複製体《コピー》武曲、まもなくそこへ参ります。本人の償いを台無しにはさせません!
夥しい量の弾丸に射抜かれたことで儀式から脱落し、すでに息がない亡骸がナイトメアの脚で蹴り飛ばされる。
大量の抜け殻と幼虫の死骸で埋め尽くされた道中には、死にかけながらも四つん這いでひたすら前に進もうとする人間の姿もあったが、芽亜は介抱することなく一切の躊躇なくキノコが生えた背中を踏み抜かせた。
「阿鼻叫喚ですね、これ」
本来、七星儀は七星将を生み出す儀式。そのついでに尾も調達しようという腹積もりなのだろうか。
「どうせ彼らに理性などありません。味方同士で殺し合ってくれるなら楽というもの」
とにかく同士討ち上等なくらいに混乱しているなら、【ナイトメアライド】で駆け抜ける方が良さそうだと判断した芽亜はナイトメアの首筋を撫でて語りかけた。
「もう少し頑張ってくださいね、ナイトメア」
ナイトメアが鼻を鳴らす。それは当然だと言わんばかりのやる気に満ちた物か、仕方ないなという諦観か。
そうして1人と1匹はセミの幼虫の群れの最後尾に突っ込んだ。
ナイトメアが幼虫の背を踏み抜くたびに人の物とは違う血がまるで水風船のように広がり、その音に驚いたかの如く背中の亀裂から飛び上がったセミ人間を芽亜は馬上から槍で貫いた。
突然の乱入者にセミ達は互いに争うのを止め、芽亜達へ攻撃の矛先を変える。どうやら第三者からの妨害を無視しない程度の知能は有していたらしい。
「ですが、ずっと私達に執着出来るほどのおつむは維持できますかね!」
振り上げた鎌が石畳から少し外れた土を大きく抉り取り、次々と脱皮して人間体となったセミ人間が抜け殻の中から取り出したガトリングガンの引き金を引き、鳥居に弾痕を刻みつけていく。
だが脚に力を込めて鳥居の貫とセミ人間の頭の間にある僅かな空間を潜り抜けるように跳んだナイトメアの体を捉えた物は1つも無かった。
「|複製体《コピー》武曲、まもなくそこへ参ります。本人の償いを台無しにはさせません!」
出来れば鳥居の上に登って駆け抜けたかったところだったがナイトメアの全身が抜けられる隙間は千本鳥居の間には無く、ナイトメアは偶然落ちた先にいたセミを押し潰しつつ再び駆け出す。
自分達を悠々と飛び越えたナイトメアの背中を追うため、まだ湿り気が残る翅を広げられないセミ人間達は重いガトリングガンを引きずるように走り出す。
そしてその銃声に気付いて先行していたセミ達も一斉に振り返り、向かってくる芽亜達に向けて臨戦態勢を取り始めた。
成功
🔵🔵🔴
シルヴィ・フォーアンサー
……なんていうか見た目がとにかく気持ち悪いね。
『ならさっさと片付けるしかないな』
はーい、同士討ちOKな仲間意識どころか理性もどっかやっちゃってるみたいだからブレイン・ウォッシュ。
洗脳電波でお互いを攻撃しあうようコントロール。
倒した生き残りの方や洗脳に抵抗する個体を自分で処理していくね。
「……なんていうか見た目がとにかく気持ち悪いね」
幼虫の時点で気持ち悪いのにその大きさが人並み、しかも背中からはキノコが生えていて。脱皮したら人とセミが混ざり合った化け物が出てくると来たもんだ。生理的嫌悪を抱くな、という方が酷ではないかとシルヴィは主張する。
『ならさっさと片付けるしかないな』
それを右から左に流しつつも、それが生き物として異質であることは認定したヨルは早急な排除を薦める。
「はーい」
大義名分を得たシルヴィは同士討ちOKな仲間意識どころか理性もどっかやっちゃってるみたいなセミ達に向けてシルヴィは【ブレイン・ウォッシュ】をお見舞いした。
放たれた洗脳電波によりセミ達は自分達とは違う種の存在が通りかかろうと、お互いを攻撃しあうよう再定義される。
すると屈んでないと頭部を貫にぶつけかねないため舗装されていない山道を登っていたミドガルズに視線を向けていたセミ達は向かい合って、誰が最も尾となるのに相応しいかの潰し合いを再開させた。
脚に齧り付き、頭を鎌で潰し、背中を切り裂かれた物の傷口から生えるように現れたセミ人間がガトリングガンを辺り一面に掃射し出す。
『おめでとう、君がこの集団のNo.1だ』
「良かったな、死ね」
それによって周囲の同胞を一掃し終え、先に進もうとしたセミ人間をミドガルズは鳥居の隙間を縫うように伸ばした拳で叩き潰した。
赤くない液体が石畳に広がる中、腕に幾つもの弾丸が当たる。射線の先を見れば、複眼でこちらを睨みつけるセミ人間達がこちらに銃口を向けていた。
「ちょっとヨル。ちゃんと電波届けられてないよ?」
『いや、奴らは電波の範囲内にちゃんと入っている。おそらくは洗脳に対する耐性がある個体なのだろう』
ヨルが冷静に分析している間にもセミ人間は鳥居の外に出て、乾いた羽を羽ばたかせてミドガルズに向かって襲い掛かろうとしている。
「……しょうがない。一体一体処理していくかぁ」
ため息をついたシルヴィはセミ人間達と同じように、ミドガルズに内蔵された砲塔を敵に向けてから一斉に放った。
成功
🔵🔵🔴
アルドラ・カリオストロ
蝉の声も、これだけ集まると流石に煩いわね
私が好む音色は、完璧に調和した優美なる旋律なのよ
貴方たちの鳴き声は、私の美意識からは、かけ離れているわ
聞くに堪えない騒音は、すべて、沈黙のうちに封じ込めましょう
『氷属性』の『薄明光線』――天使の梯子と言ったほうが、趣があるかしらね
天空より降り注ぐ冷凍光線よ
山頂を目指して周囲を顧みずに暴走する貴方たちは、自ら、冷凍光線へと突進していくことでしょう
凍てつき、物言わぬ氷像と化して、無音のままに砕け散りなさい
互いを蹴落とし合うことを止めたセミ達は猟兵と対峙した同胞を応援、鼓舞するが如くキノコの根元からけたたましい鳴き声を響き渡らせる。
「蝉の声も、これだけ集まると流石に煩いわね」
何の情緒もへったくれもない耳をつんざくかのような爆音にアルドラは片耳を塞ぎつつ、顔を顰めた。
「私が好む音色は、完璧に調和した優美なる旋律なのよ。貴方たちの鳴き声は、私の美意識からは、かけ離れているわ」
強調するように分けて言い放つがセミ達は声を絶やさない。敵の言うことなど聞く価値がないと思っているのか、自ら起こす爆音でそもそも聞こえてないのか。
どちらにせよやることは決まっていた。
「聞くに堪えない騒音は、すべて、沈黙のうちに封じ込めましょう」
耳に当ててない方の手を振るうと、闇を作り出していた麓の人々が軒並みやられたことで太陽が覗くようになった空から一筋の光が降り注いでくる。
後方にいる物達を応援するセミ達を尻目に、自分より後方にいる物達のことなど考える価値もないと山頂を目指して周囲を顧みずに暴走するセミ達は自ら光の元へと突進していった。
そして光の中を駆け抜け終えたところで、表面を白くさせてその場で静止した。
「『氷属性』の『薄明光線』――『天使の梯子』と言ったほうが、趣があるかしらね」
天空より降り注ぐ光の正体はあらゆる物を冷凍させる光線。いくら体内にガトリングガンを仕込んでいようが人の体に変体出来ようが、それらを含めてまとめて凍りつかせる存在の前には風の前の塵に等しい。
下で繰り広げられている戦いの余波を受けてバランスを崩し、倒れた体は石畳に触れた瞬間に粉々に砕け散った。
「凍てつき、物言わぬ氷像と化して、無音のままに砕け散りなさい」
鳥居と鳥居の間を埋めていくかのように光線の量が増えていく。
音が段々減っていったことで違和感を覚えて振り返り、状況を理解したセミ達は氷漬けにはなりたくないとその射線から逃げるように下山し始める。
だがその足は目前にいるアルドラの手に握られた水晶から発せられる死の空気を感じ取ったことで止まってしまった。
「どうされたの? はやく、いらっしゃいな」
すっかり静かになった山中で不敵な笑みを浮かべるアルドラの前でセミの体は新たに放たれた光線に貫かれ、視界と意識は霜に覆われてホワイトアウトした。
「つまらない虫ね。ちょっと匂わせただけで足を竦ませてしまうなんて」
砕け散った体が日光に照らされ、少しずつ解凍されていく。細かく分けられたことで増した断面からは少なくない量の液体が漏れ出し、地面に吸われていった。
大成功
🔵🔵🔵
暗都・魎夜
【心情】
ジャック・マキシマム
性格がアレなせいで忘れがちだけど、「個人としてみれば最強最悪」「世界一危険な個人」って所だ
裏で陰謀企ませた場合に限っては『伯爵』よりも危険だぜ
それだけに第二次聖杯戦争で倒せて、心底ほっとしてたけど、夢魔随筆のこと考えると消えてないんだろうなあ
先が思いやられるぜ
【戦闘】
それはさておき目の前の相手だな
この景色、蝉時雨というには風情に欠けるところだぜ
巨門には蝦蟇王で敵の射撃への牽制と黄竜の風による動き封じをお願い
「次も頼む、信頼してるぜ、巨門!」
「高速詠唱」「魔力溜め」からUCを放って焼き尽くす!
レインコート(2枚目)で防いでいるが、セミよりも蝦蟇王の脂の方が俺には怖いね
ジャック・マキシマム。
性格がアレなせいで忘れがちだが、個人としてみれば最強最悪、世界一危険な人物であると魎夜は認識していた。
特に裏で陰謀を企ませた場合に限っては「伯爵」よりも危険だと。
それだけに第二次聖杯戦争で倒せて心底ほっとしていたが、夢魔随筆に纏わる事件が後を絶たないことを考えるとおそらくオクタンスと同じように「消えて」はないのであろう。
「……先が思いやられるぜ」
「どうしたの、話聞こうか?」
「いや、何でもねぇ」
それはさておき、目の前の相手に集中しなければ。
「にしてもこの景色、蝉時雨というには風情に欠けるところだぜ」
「確かに、もうちょっと侘び寂びというか慎ましさが欲しいよね」
蝉の鳴く声が時雨の雨粒が落ちるようだと例えた言葉には似つかわしくない騒音に魎夜は顔を顰め、巨門はわざとらしく両耳を手で押さえつけている。
そんな音の波が少し弱まったかと思えば、目前にいるセミの幼虫の背中が裂けてセミの成虫と人間が混ざったような見た目をした怪人が現れる。
そしてセミ人間は自分が出てきたばかりの抜け殻に手を突っ込ませると、そこから巨大なガトリング砲を取り出して来た。
「次も頼む、信頼してるぜ、巨門!」
「ふふん、そう言われちゃったら僕も張り切らざるを得ないねぇ!」
耳から手を離した巨門はそのまま両腕を上に挙げて凄まじい風を巻き起こす。
ガトリング砲から放たれた弾丸を全て受け止めたことで宙に舞っていた蝦蟇王の脂が黄竜の風に乗って、逆に風に圧されて動けなくなっていたセミ人間に降りかかってガトリング砲の砲口を塞ぐ。
自らの体臭よりも強烈な悪臭にセミ人間達は複眼を白黒させて悶え苦しむ。だがその場でじたばたするだけでは脂は落ち切らない。
「正味、レインコートで防いでいるが、セミよりも蝦蟇王の脂の方が俺には怖いね」
早くも2着目がダメになりかけているレインコート越しに呟きつつ、魎夜は回転動力炉を回し続ける。
そして十分な量が貯まったところで、その封を切った。
『待たせたな、これでも喰らえ!』
放たれた電光はガトリング砲を伝ってセミ人間達の全身を駆け巡り、表層も内臓もまとめて破壊する。そして黒焦げになるどころか炭の山となって崩れ落ちていったセミ人間達の体は地面に伸び広がっていた蝦蟇王の脂に溶けるように包まれていった。
その上に着ていたレインコートを投げ捨てるように被せた魎夜は3枚目を羽織り直すと、巨門の起こす風が蝦蟇王の脂を跳ね返しているうちにさっさと山頂へ向かおうと歩調を速めた。
大成功
🔵🔵🔵
樂文・スイ(サポート)
一人称:俺
二人称:君、お前
女性、子供にはくん、ちゃん付け、男性には呼び捨て
口調は~だね、~だよ系で飄々としている
人助けは完全にヒトへの好意から。
ヒトの死を見るのも好きだが、あくまで自分の手で殺してこそと思っているので敵の殺戮を許すようなことはない。立場上殺人衝動は敵を倒すことで紛らわせている(我慢してる)
表向きは人好きのする明るいお兄さんで楽しいこと大好き!なノリ
残酷な面は敵対した相手にしか見せないようにしている
攻撃としては傷口をえぐる、誘惑、威圧など
防御としては毒耐性、医術など使用
物騒なキャラだがシナリオ内で一般人や仲間に危害を加えるなど迷惑行為はしない
UCは活性化されたものどれでも使用可
「虫だからって敬遠してたんだが……なんだなんだ。ずいぶんと面白いもん隠しもってんじゃねぇか」
素手で登りに来て不敵な笑みを浮かべる樂文・スイ(欺瞞と忘却・f39286)の姿にセミ人間はガトリング砲の引き金を押すことなく、複眼を忙しなく動かして臼歯を強めに噛み締める。
互いに相手の出方を窺っているのか、しかし心境的に追い詰められているのは強大な武器を持っている方のようであった。
「なあ主さま、あんたらのお社が乗っ取られてるぞ? このまま我が物顔で走り回られてもいいのかい?」
「良いわけがなかろう」
スイの呼びかけに応え、白銀の毛並みの狐がどこからともなく現れる。
「お主らと違って儂等は変な結界が張られていたせいで入れなかったのだよ。外には今か今かと待ち構えている同胞がごまんといるぞ」
「ふうん、大陸妖狐は通れたってのに? ……七星儀とやらの影響なのかね?」
そこのところどうなんだい、と無言で視線を送って問いかける。帰って来たのはセミのさざめきに似た雄叫びと大量の銃弾だった。
「おっと来た来た!」
スイは狐を押し退けると上着の下から取り出したナイフで真っ向から弾幕に突っ込んでいく。
「お主、めちゃくちゃじゃのう!?」
自殺行為にも思える行動であったが、勝手に追い詰められて発狂状態に陥っているセミ人間の銃口はあっちこっちにブレて見当違いの方向を薙ぎ払う。
そうして悠々と懐に潜り込んだスイはガラ空きの首を一振りで斬り払った。
「おっ、しっかり赤いねぇ! 半人半虫のくせに!」
首から噴き出した色味に気分を良くしながら、スイは石段に屍をどんどん積み重ねていった。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『妖狐『武曲』複製体』
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POW : 龍王顕現
自身の【ゴースト軍団「オブリビオン百鬼夜行」 】から、自身の技能どれかひとつを「100レベル」で使用できる、9体の【東洋龍型ゴースト『龍王』】を召喚する。
SPD : 武曲九尾扇
【九尾扇 】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。
WIZ : 七星百鬼大夜行
【オブリビオンゴースト軍団 】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[オブリビオンゴースト軍団 ]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
イラスト:みずの瑚秋
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
伏見稲荷のある稲荷山。
標高233mの頂上は木が生い茂っており、その道中から見た方が見晴らしが良かったりするのだが。
稲荷山に「複製の武曲」の姿は|なかった《・・・・》。
「ひたすらこの番号に電話し続けろと言われたが、たったそれだけのために七星儀を開けとは」
複製の武曲は麓にある、千本鳥居のある参道から少し離れた田の近くに座り、眉を顰めながら折りたたみ式の携帯を開け閉めしていた。
ゴースト達を頂上に向かって登らせたのはそちらに敵の注目を集中させるための罠。
本命は能力者が作った闇の中に紛れ込んで、ひたすらにどこかへ電話をかけ続けることだった。
もちろん運良く生き残って頂上を経由してここまで辿り着けたら尾に取り立てる気はあるが、銀誓館学園とそれに連なる者達相手では生還者は出ないだろうと「立案者」は言っていた。
こんなことで七星儀を開いたら九尾様や年長者達に何を言われるか、と渋ったものの立案者に一冊の本を見せられた瞬間にその抵抗感は消え失せた。
しかしこの作戦に対する不信感だけは根深く残り続けていた。
「いったい何の意味があるんだか」
「はーい! これ以上真っ暗闇にするの禁止ー!」
打撃音と共に空を舞う能力者が視界を横切ったかと思えば周囲の闇が晴れていく。飛んできた方を見るとそこには見知った顔が立っていた。
「巨門!? なぜお前がそっちについている!」
「うるさいんだよ、偽物風情がさー。僕達を名乗った迷惑行為はさっさと辞めてもらえますー?」
山を無駄に一周させられ、ご機嫌斜めの巨門に続いて猟兵達が集まってくる。
「偽物? 何を言い出すか。どうせ我々に付いてるのがつまらないとか宣って裏切ったのであろう!」
現役七星将とその候補では実力に差があり過ぎるが……見つかってしまったからには背に腹はかえられない。
「そのねじ曲がった性根を銀誓館ごと叩き潰してくれる! 行くぞ、同胞よ!」
武曲の呼びかけに応えて新たなゴーストや別の所で活動していて無事だった能力者達が続々と集まってくる。
「周りのゴーストとか暗くしてくる輩とかは僕がぶちのめしとくから! 武曲の方はよろしく!」
1人を殴り続けるより複数体薙ぎ払った方が楽しい、という狂戦士はお供の蛙を連れて群衆の中へ自ら飛び込んでいく。
呼び止める間もなく、置いてかれる形になった猟兵達は改めて偽物の武曲へ向き直った。
儀水・芽亜
つまり、コピー武曲さん、あなたが銀誓館学園への電話攻撃の主犯だったと?
よくも業務妨害してくれましたね。その上、本物の武曲さんや文曲さんに事態を知らせてしまって。
報いを受けてもらいますよ。
リズミカルにナイトメア召喚の呪文を口ずさみ、コピー武曲の周囲に『尾』がどれだけ集まるかのペースも読み取り。
敵の数が多くなりすぎないうちに、「全力魔法」「蹂躙」でナイトメアランページ!
コピー武曲をナイトメアの突進で蹴散らしてくれます。
敵陣が立ち直る前に速攻。拷問具『鎖蛇』でコピー武曲を打ち据えます。
あなたの後ろの黒幕、吐いてもらえませんか?
妖狐七星儀、候補でしかなかったあなた一人で用意出来るものではないでしょう?
武曲の手に握られた携帯電話と呟いていた独り言を聞き逃さなかった芽亜は顔を引き攣らせた。
「つまり、コピー武曲さん、あなたが銀誓館学園への電話攻撃の主犯だったと?」
「……これは銀誓館学園の電話番号だったのか」
武曲はようやく合点がいったかのように目を瞬かせる。
今なら携帯は携帯でもスマートフォンで、そこに内蔵されたブラウザやアプリを開いて検索すればすぐに番号が割り出せる時代だ。
だが複製武曲が持つ昔の携帯もしくは常識でそれをするにはあの携帯で見れるスペックのホームページが無くて見れなったか、そもそもそういう発想に至らなかったかのどちらかだったのだろう。
「だから能力者達にも変な金属の板で電話をさせていたのか。あの男は頑なに教えなかったのでな……」
「よくも業務妨害してくれましたね。その上、本物の武曲さんや文曲さんに事態を知らせてしまって」
「ほう。なら数刻も経たないうちに飛んでくるな」
複製武曲は楽しそうに笑う。その様は過去の自分と今の自分が戦い合った時のことを想像して、心待ちにしているかのようで。
「……報いを受けてもらいますよ」
そうはさせまいと芽亜は複製武曲の周囲に『尾』がどれだけ集まるかのペースも読み取るために、リズミカルにナイトメア召喚の呪文を口ずさみ始めた。
「その前にまずはお前達から排除せねばな!」
その声をかき消すように武曲が九尾扇を振れば、どこに隠れていたのか大量の妖狐や鬼、ムカデを始めとするゴースト達が四方八方から集い始める。
しかしその包囲網の目が大きいうちに駆けつけたナイトメアへ、芽亜は飛び乗りながら叫んだ。
『駆け抜けなさい、ナイトメア!』
全力で突進をかけたナイトメアは自分よりも大きな存在が立ち塞がる前に距離を詰め、複製武曲を周りにいた妖狐達ごと蹴散らす。
そしてその背にいる芽亜は敵陣———複製武曲が立ち直る前に速攻を仕掛け、鎖蛇で徹底的に打ち据えた。
「コピー武曲さん、あなたの後ろの黒幕、吐いてもらえませんか? 妖狐七星儀、候補でしかなかったあなた一人で用意出来るものではないでしょう?」
退却出来る隙間があるうちに問いかけると地面に這いつくばらされた複製武曲は睨みながら答えてきた。
「私も、本名は、知らん! ……自分の、ことを、『ジャック』と、言って、いたがな!」
その名乗りが偽名であることを苦虫を噛み潰したような顔で心の底から願っていると、自分の周囲が影に覆われる。
ナイトメアが自己判断で駆け出すと、先程までいた場所に巨大な刃が2つ突き刺さった。
芽亜達を逃した巨大なアミキリが悔しそうに顔を歪ませる。しかし芽亜の速攻から逃れられた武曲は起き上がると、讃えるようにその脚を小突いた。
大成功
🔵🔵🔵
シルヴィ・フォーアンサー
……頑張って登ったのに別の場所にいるとか。
『仕方がない、さっさと倒して終わらしてしまえ』
近接攻撃はお呼びじゃないとロケットパンチで吹き飛ばし。
シルエット・ミラージュで取り囲んでオーバーブースト・マキシマイザーで遠距離から一斉発射でボコボコにするよ。
偽物はお呼びじゃないらしいから早く消えてね。
見た目こそミドガルズというキャバリアに乗ってはいるシルヴィであったが、神経を機体と直結させて動かしている故に、普通に山を1つ登り下りしたのと同じくらいしっかりと疲れていた。
「……頑張って登ったのに別の場所にいるとか」
『仕方がない、さっさと倒して終わらしてしまえ』
他人事のような言い草でシルヴィに睨まれたヨルだが、この場所は最初に能力者達と対峙した楼門や本殿からは離れた場所だから検索から漏れても仕方あるまいと平然としていた。
その間に体勢を立て直し切った複製武曲はゴーストの体を借りて一息に跳ねると、九尾扇を用いた舞のような拳術でミドガルズの顔面に連撃を喰らわせる。
即座に顔の方向を変えさせるような威力や衝撃はないものの、だからといってこれを放置していれば蓄積したダメージで頭部がもげてしまうのは容易に想像がついた。
「近接攻撃はお呼びじゃないよ」
シルヴィは自身の顔の前に握り拳を置き、ロケットパンチを起動させて空中にいた複製武曲を叩き飛ばす。
ただ複製武曲も真正面から受けるような失態は犯さず、しっかりと衝撃を受け止めて最低限のダメージしか受けない体勢を取りつつ、金属製の指を蹴って着地する。
しかしその周りを囲むように大量のミドガルズが一瞬で配備された。
「偽物はお呼びじゃないらしいから早く消えてね」
それらは全てユーベルコードの力によって生成された一度動けば消えてしまう儚い存在。
だが複製武曲の退路を断つには十分。そして、それらが放つ一撃は。
「こっちは『残像だけど本物……ボコボコにする』」
搭載武装全てを用いた同時攻撃。
あまりの熱量と物量に息を飲んだ複製武曲は最初に着弾した物こそ避けたが、二発三発と数を数えるたびに弾や光線の間にある余裕が失われていく。
そして差が完全に失われた瞬間、複製武曲の体は自分の行きたい場所とは違う方向に飛んで別のミサイルに直撃し、爆風に煽られて弾幕の真っ只中に晒される。
助けに入ろうとするゴースト達が蜂の巣にされる中、全ての分身が全弾を撃ち終えて消失したことで解放された複製武曲が地面に落ちる。
その体は全身から血を流しつつも、ゴーストとは違い風穴までは開いていなかった。
「うん、まあ、この程度なら及第点だよね?」
実体を持っているとはいえあくまで残像故に見た目よりも火力が出ないことを把握していたシルヴィはこの成果に満足気に頷いた。
大成功
🔵🔵🔵
暗都・魎夜
【心情】
「一つ聞かせてくれ、武曲。お前は何のために戦っている?」
友人である武曲の模倣に過ぎない存在なら、この場で断つのがせめての情けだ
自分の生に思うところがあるのなら、一つの生命として俺は剣を向ける
【戦闘】
「立案者」ってのは気になる話だ
「立案者に騙されてるんじゃないか? もし気になるなら、手位貸すぜ?」
『龍王』の攻撃を「心眼」「見切り」で回避しつつ「魔力溜め」
「リミッター解除」して「全力魔法」のUCで一気に片を付ける
やり辛くはあるが手は抜かねえ
「受けてみやがれ、ストームブリンガー最大最強の奥義!」
実の所、俺も理由も分からず起きる『再現』に付き合わされている身だ
この先に、何が待っているんだろうな
「一つ聞かせてくれ、武曲。お前は何のために戦っている?」
「何のため……?」
魎夜からの問いかけに複製武曲は口から垂れる血を拭い、怪訝な表情を浮かべる。
友人である武曲の模倣に過ぎない存在なら、この場で断つのがせめての情け。
自分の生に思うところがあるのなら、と目の前の彼女を一つの|生命《オリジナル》として魎夜は幾重にも枝分かれした剣を向ける。
質問の意図を察した複製武曲は薄ら笑いを浮かべ始めた。
「簡単だ。お前達銀誓館に七星将の力と恐怖を刻み付け、死を懇願するまで打ちのめすためだ。今回はジャックにこんな野暮用も押しつけられたがな」
何を当然のことを聞いてくる、といった反応を見せた複製武曲は服の中にしまっていた携帯を取り出し、片手で握り潰した。
「……そうかい」
佐白山で言っていたのと大体同じ台詞を吐いた複製武曲に、魎夜は片側の口角を上げた。
「それにしても『立案者のジャック』ってのは気になる話だ。立案者に騙されてるんじゃないか? もし気になるなら、手位貸すぜ? 実の所、俺も理由も分からず起きる『再現』に付き合わされている身だ。この先に、何が待っているんだろうな?」
「野暮用については騙されていたかもしれないな。だがお前達と手を組む理由にはならん。お前達の存在自体が私達の邪魔なのでな…… 行くぞ、【龍王顕現】!」
複製武曲が結んだ印に呼応して、その背後で大量に屯していたゴースト達が生贄となって東洋龍型ゴーストが召喚される。
そもそも銀誓館学園と大陸妖狐が一時休戦を結ぶに至ったのはトゥルダクを始めとする抗体ゴーストに対抗する為。
その前提条件がなければ、捕虜にして懇々と|常識教育《オハナシ》をしない限り矛を収めることは無かっただろう。だからこそ、彼女が引かなかったことを残念に思いつつも複製されたことで行動原理に異常が生じてないことにちょっとだけ安堵する自分もいた。
「やり辛くはあるが手は抜かねえ」
龍王達の振るう攻撃を心眼で見切り回避しつつ、魎夜は右腕につけた手甲に魔力を込める。
「受けてみやがれ、ストームブリンガー最大最強の奥義!【竜神爆火雷】!!」
リミッターが解除されたことで限界点を突破した魔力が練り込まれた炎と電光が右手から離れ、龍王や地面と接触した瞬間に全てを滅ぼしかねない爆発が炸裂した。
バンダナや革ジャンが大きく激しくたなびく。そして同じように衝撃波によって攻撃の構えを取れない状態で吹っ飛ばされた複製武曲に向けて、魎夜はバットをボールを当てるように剣を振るう。
打ちつけられたバットから離れた複製武曲は天高く弧を描く……ことはなく近くの土手に叩きつけられ、肺から押し出された空気を血と一緒に吐き出した。
大成功
🔵🔵🔵
政木・朱鞠(サポート)
ふーん、やっと、ボスのお出ましか…。
もし、貴方が恨みを晴らすためでなく悦に入るために人達を手にかけているのなら、不安撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ。
SPDで戦闘
代償のリスクは有るけど『降魔化身法』を使用してちょっと強化状態で攻撃を受けて、自分の一手の足掛かりにしようかな。
ボス側の弐の太刀までの隙が生まれればラッキーだけど…それに頼らずにこちらも全力で削り切るつもりで相対する覚悟で行かないとね。
得物は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。
アドリブ連帯歓迎
「ふむ。ただ七星儀をやるだけじゃなくて、その間の暇な時間を使って憎き敵対組織に嫌がらせもする。あなたに入れ知恵した奴は中々に性格が良いみたいね?」
主を守ろうと集うゴーストを牽制しつつ、政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)は複製武曲に歩み寄る。
先程の一撃で骨か内臓をやられたのか、起きた瞬間に顔を歪ませつつも複製武曲は立ち上がる。
そして九尾扇を用いた拳法を振るうが、わずかに起こる衣擦れの風から動きを予測する朱鞠は中々捉えられない。
『我が身は枝垂れる柳葉…風の吹くままにそよぎ…向かう刃は我が身に届かぬ…。』
朱鞠の微笑みを挑発の意だと判断した結果、無意識に振りが大きくなる。その瞬間脇腹から腕の付け根にかけて強烈な痛みが走った。
それによって体が止まったのはほんの一瞬であっただろう。しかしその瞬間に複製武曲は荊薔薇のような棘がついた鎖で拘束されていた。
「隙あり、ね」
切れた皮からじわじわと赤い血液が染み出し、肉の内にある骨が軋み出す。
「あなたが主導したわけじゃないけど、今回の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ。銀誓館の職員さん達、相当混乱してたそうだから」
半壊したとはいえ、一般人にゴーストやオブリビオンの所業を日常の事柄だと誤認させる世界結界の力は健在だ。だがその渦中にいる相手から直接攻撃を食らったらどうなるか、というモデルケースではあっただろう。
「もし立案者の人にまた呼ばれたら言付けをお願いするわ。こういう真似はもうしないでね、って!」
複製武曲の首の骨が折れる感触が両手を揺らす。
鎖を一振りで巻き取ると支えを失った複製武曲の体は崩れ落ちながら霧散し、周囲に屯していたゴースト達も消えていった。
「ええー、もう終わり? まだまだ暴れ足りないんだけどー」
突然開けた視界を前に、巨門は不満げな台詞を吐きながら手持ち無沙汰になった両腕を広げた。
成功
🔵🔵🔴
こうして伏見稲荷を舞台とした七星儀は阻止され、同時に銀誓館学園を襲った迷惑電話の攻勢は止んだ。
「ごめんなさいね武曲さん。少々混乱してましたわ……」
「仕方ない……私も同じ状況ならテンパって同じようなことをしていたかもしれないから」
昼食を間に挟みながら2人の妖狐はすっかり落ち着いた学内の空気に安堵するように、深々とため息を吐いた。