狼は紅き月に欠落を求める
●第二層、血管の大地
天蓋血脈樹を登った先にある、ダークセイヴァー第二層。
一切の生物の気配の存在しない血管で構成された大地に、第五層よりの来訪者が足を踏み入れた。
周囲に鎖で繋いだクリスタルの球体――生きている人間を捕らえた檻である|人間画廊《ギャラリア》を浮かべた喪服を纏う人狼の老婦人は、空を見上げる。
彼女の右手の甲に輝く月の眼の紋章、それによく似た紋様を浮かべた禍々しく輝く六つの赤き月。
それらをしばし見て、そしてどこかを目指すように|人間画廊《ギャラリア》の水晶と共に狂気の大地を歩き始めるのであった。
グリモアベース。
「闇の救済者戦争おつかれさま。皆の頑張りで鮮血の洪水は防がれて|五卿六眼《ごきょうろくがん》にも大きな打撃を与えられたみたいだね」
集まった猟兵達を前に、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)というシャチのキマイラはそう切り出す。
「それで早速なんだけど、第二層の方でちょっと事件の予知を拾ったんだ。第五層にある月光城……この戦争でも城塞群があったり魔空回廊とかいうのが究極禁獣の欠落に繋がってたりしてたけど、その月光城の城主が何故か突如何かの目的をもって第二層に集まってきているみたいなんだ」
生き残りの|五卿六眼《ごきょうろくがん》も姿を隠してるみたいだから、火事場泥棒か何かしにきたのかなと、シャチのキマイラは冗談めかして言う。
「今回はその月光城城主の一体である『人狼院院長アメリア』を撃破してきてほしい。月光城の主は全員眼球と満月を組み合わせたような『月の眼の紋章』と融合してるんだけど、このアメリアも当然融合していて紋章から棘鞭が飛び出して攻撃してくる以外に素の戦闘力が無茶苦茶強化されてる。具体的には66倍。そのエネルギー源は周囲に数十個ほど浮かべている人間たちを閉じ込めたクリスタルの|人間画廊《ギャラリア》で、輝く鎖で繋がったそこから人間を解放する事で強化は徐々に解除されるみたいだよ」
大体半数救出できれば強化効果は完全に消えるみたいだけど、紋章から棘鞭が飛び出す力は変わらないままだからそれも合わせて対策があった方が良いだろうとヴィクトルは説明する。
「頑張って倒せてもそれで終わりじゃない。倒した時点で何かが起こって月光城の主が別の姿……今回は巨大な狼だね、その姿に生まれ変わるって予知されてるんだ。月の如く煌々と輝く異形の身体部位が見えたから、以前予知した崩壊した月光城の主みたいな感じだと思う。変身後は闇の種族と同等の力を得て襲ってくるんだけど、急激な強化の代償か力の制御は今一つで、まだ欠落を見つけずとも撃破する事は可能だ。だから不完全な今のうちにさっくり仕留めて欲しい」
そうヴィクトルは説明を終えて、鍵型のグリモアを手に取って転送の準備を開始する。
「あ、あともう一つ。究極禁獣ケルベロス・フェノメノンを撃破した時に出現した大量の|小剣《グラディウス》の研究も急ピッチで進んでるみたいで、事件を解決すればするほど研究は進行していくみたいなんだ。何が出るかはよくわからないけども、もしかしたら急いで多く解決した方がいいかもしれないね。まあ今は目の前の事件を一つ一つ解決していくしかないからね」
頑張っていこう、と締め括ったヴィクトルの手のグリモアから光が溢れ出す。
その光は猟兵達を、赤き月が煌々と輝く生命の気配のない血管の大地へと導いた。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
第五層から第二層に来るのも大変そうです。
第一章は遮蔽物の無い血管の大地での『人狼院院長アメリア』との戦闘です。
月光城の主であるアメリアは手の甲に月の眼の紋章を融合させており戦闘力が66倍に、また紋章から棘鞭を飛び出させ攻撃してきます。
ですが、空中を浮遊する数十個の人間を閉じ込めたクリスタルである|人間画廊《ギャラリア》から人間を解放(生死問わず)する毎に弱体化し、50%救出できれば月の眼の紋章の戦闘力強化の効果は完全に失われるようです。
第二章は冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらをご確認下さい。
また、ダークセイヴァーの戦後シナリオと並行してケルベロス・フェノメノン撃破で入手した|小剣《グラディウス》の研究が進められており、研究の進行度は戦後シナリオの成功本数に比例します。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 ボス戦
『人狼院院長アメリア』
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POW : 医療者の妄執
【自身にとって保護、治療すべき患者】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[自身にとって保護、治療すべき患者]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : 狂月の獣
【最後の人間性の象徴であった喪服】を脱ぎ、【月の狂気に飲まれた巨大な狼獣人】に変身する。武器「【巨獣の爪牙】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
WIZ : ぬくもりの灯火
【ランプから狂気や敵意を和らげる温かな光】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
イラスト:麻風
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「メアリー・ベスレム」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
タカシ・セイヒ(サポート)
元アルダワの生徒異端児セイヒです
感心は魔術探求にありますが猟兵としての仕事を疎かには致しません
場を乱さず他の猟兵の皆さまと協力して事件の解決に従事して参ります
魔術師なのであまり前に出ての近接戦は得意ではありませんが魔術の撃ち合いや後方支援や援護等で皆さまのお役に立ちたいと思います
珍しい魔術や遺跡等には好奇心が先走りたまに暴走することもありますが出来るだけ自制して参ります
腕が四本も有りますので素早い作業等もお役に立てると思います
本業は魔術研究者なのでその知識をいかして対魔術や対魔獣でもお役に立つと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。
●
生物の気配一つもない第二層の血管の大地で、猟兵と第五層よりやってきた月光城の城主『人狼院院長アメリア』は対峙する。
この生き物の気配すらない第二層には当然患者もいない、故にそのユーベルコードも力を発揮しないはずだ。
だがそうではない。意志こそ統一されなくてもここに人狼――アメリアにとっての患者は多く連れてこられていた。
「|人間画廊《ギャラリア》ですか」
青いドレス姿のタカシ・セイヒ(探究者の成れの果て・f37132)というミレナリィドールが魔術を宿した赤い瞳で眼前の月光城の主である人狼を冷静に分析し呟く。
|人間画廊《ギャラリア》――月の眼の紋章の力を最大限に発揮させている、宙に浮かぶ水晶に閉じ込められた人間達が、この人狼にとっては保護すべき患者なのだ。
月光城城主である人狼が手をタカシに向ける。次の瞬間、人狼の手の甲の紋章から放たれた棘鞭が血管の地平を薙ぎ払った。
紋章とユーベルコードの力で強化された鞭をタカシはギリギリで回避しつつ前に飛び出す。
普段なら魔術師であり接近戦が苦手なタカシにはこのフルスペック状態の月光城城主と接近戦でやり合うのは分が悪いが、あの紋章から放たれる鞭は恐ろしく射程距離が長く、距離を取ったほうが逆に危険だと瞬時に判断したのだ。
鞭が振り抜かれた直後の人狼の懐へと飛び込む。この間合いなら棘鞭を威力を乗せて振るうことも不可能だろう至近距離からユーベルコード【魔腕の呪創】を起動する。
「触れるだけで苦痛はもたらされるのです」
アメリアの胴体に魔力を籠めた指先を触れさせる。それによりアメリアの体内にある臓器を模した疑似臓器が生成され、魔力によりそれが砕かれる。
すると本物の臓器の方も疑似臓器と同じように破壊され、苦痛に人狼の体がわずかに硬直。すぐさま腕で直に殴りつけようとしてくるが、硬直の隙にタカシは人狼の腕の間合いから逃れていた。
魔術というよりは類感呪術の類だが、そちらにも通じているのはタカシの飽くなき探究心故か。
再び振るわれた棘鞭の直撃を浮遊盾で防ぎつつ一旦距離を取るタカシ。
――向こうの敵意はこちらに向かっている。その間に他の猟兵が|人間画廊《ギャラリア》解放のために動き出しているのを彼の瞳はちゃんと捉えていて。
後は解放完了までこの猛攻をどう凌ぎ切るか、それを思案しつつ、異端児のミレナリィドールは棘鞭を凌ぎ時間を稼ぐことに専念するのであった。
成功
🔵🔵🔴
アリス・セカンドカラー(サポート)
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい♥
ヴィジランテの説明と初期UCを根拠に技能値100以上の技能はUC並に鍛え上げたと主張。
|狂言回し《サポート》。あると便利な|舞台装置《デウス・エクス・マーキナー》
|先制攻撃《時間質量操作》に、己の裡の世界観を瞬間的に切り替える|瞬間思考力《魔術的パラダイムシフト》をコンセプトとする|多重詠唱結界術化術《混沌魔術》の使い手。既存の技術を実在フィクション問わず|借用《Sampling》し|混合《MIX》し|自作《DIY》することで戦闘、諜報、輜重とマルチに動けます。
依頼の成功を大前提に、あわよくば己の欲望を満たそうとするかも?
えっちなのうみそおいしいです♥
●
アメリアの手の甲の月の眼の紋章より生やされ振るわれる棘鞭は容易く血管の地平を抉り、鮮血が溢れ再び地に吸収されていく。
青いミレナリィドールに攻撃を集中させつつも他の猟兵達も牽制する戦闘技術は流石は月光城城主といったところだろう。
それでも僅かに隙は生じてしまうもの、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)にとってはそれは十分に致命的にこじ開けられるモノだ。
時間質量を操作しその隙を介入可能な程度に引き延ばし接近、アメリアにしてみれば瞬きの間に距離を詰められワープされたかのような錯覚を覚えただろう。
だが対応も速い、ランプから温かな光を放ち猟兵を眠りへと落とし込み体制を立て直そうとする。
しかしここはアリスの手が先に人狼の手を捉える。
「シッ!」
間合いを測るジャブでランプを叩き落し輝きを妨害すると、次の瞬間閃光のようなストレートで人狼の顎を打ち抜く。細腕に見合わぬ破壊力のアリスの渾身の一撃は66倍に強化されている筈のアメリアの意識を数秒刈り取ることに成功する。
混沌魔術の使い手ではあるが割と無法なアリス、ボクシングも相当にやれるようで、外見と繰り出された技のキレの落差に虚を突かれたこともあったのかもしれない。数秒後月光城の城主は意識を取り戻し体勢を立て直すが、状況はその時点でアメリアにとって致命的なものへと推移していた。
成功
🔵🔵🔴
チェチーリア・メアゲーディシオン(サポート)
エルフ/殺人鬼×咎人殺し
24歳/女
口調【魔性の蝶『私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、かしら?』
演技時【(表)まるでメイド】『私、~様、です、ます、でしょう、でしょうか?』
■暗殺者で快楽殺人鬼
■無駄なリスクはおわない
獲物や裏の性格以外で本性を見せるのは、同類・見知った間柄・問題ないと確信した相手だけ。
■表の世界
本来の姿は見せず常に演技。一般常識は身につけてはいるので基本的にまるで優秀なメイドの様に表のルールに沿って動く。
■行動
情報収集は欠かさず、奇襲や素早い動きが得意。
【アドリブ◎】
●
見事に少女の拳が顎を捉え人狼アメリアが動きを止めた瞬間、無音でプラチナブロンドのエルフの女が人狼と|人間画廊《ギャラリア》の水晶を繋ぐ鎖の一本目掛け駆け出した。
(「あの人狼と真っ向勝負なんて真っ平ごめんよ」)
思考するチェチーリア・メアゲーディシオン(魔性の蝶・f13662)という名の彼女のスタンスは、無駄なリスクを負わない事である。
月の眼の紋章とやらで66倍に強化されているあの人狼とそのままやり合うのは、快楽殺人鬼としての本性をもつ彼女でも選択肢にはない。
弱体化する術があるのであればそれをこなしてからリスクを減らした上で仕留める――暗殺者としてはそう行動すべきと判断する。
(「あの鎖を断ち切ればいいのかしら?」)
|人間画廊《ギャラリア》に閉じ込められた人間達によりエネルギーが供給されている月の眼の紋章、住民を解放する事ができればあの人狼の強化も弱まっていき半分解放できれば通常のオブリビオンと大差なくなるということだ。
だがその弱点はあの人狼も理解している。意識が途切れている今こそが絶好のチャンスであり、チェチーリアはそれを見逃さずに仕掛けたのだ。
「さあ、これから始まるのはとっても楽しい|喜劇《地獄》よ」
その言葉を人狼に向けて、純粋な殺意をチェチーリアは解き放つ。妖しく輝く魅惑的な瞳を細め、愛用の『Bloody Moon』というダガーを構えて人狼と|人間画廊《ギャラリア》を繋ぐ鎖を斬りつける。
瞬時に九度の斬撃を叩き込まれた鎖は切断され鎖が弾け|人間画廊《ギャラリア》の水晶が血管の大地へと落下し転がっていく。
離れる前に仕込み鞭を抜いて水晶に一撃、その衝撃で水晶に罅が入り輝きを失って砕け散った。
どうやらこの手法で|人間画廊《ギャラリア》を無効化する事はできそうだ。中から転がり出てきた人間は戦闘に巻き込まぬよう鞭を巻きつけ遠くへと投げ飛ばし離脱させる。
ただ、空に浮かぶ水晶はまだ十程度見える。急がないと、と動き出そうとした瞬間、意識を取り戻したアメリアが即座に喪服を脱ぎ捨てた。
みるみる内に狂気に呑まれた巨大な狼獣人と化したアメリアは自身の力を削ごうとするエルフに向かって即座に爪牙を振り下ろす。
食らえば一溜りもない一撃、しかしチェチーリアは冷静に見切り、黒いゴシックドレスを優雅に揺らしながら回避し次の鎖へと近づき連撃。
再び力を弱められたアメリアが怒り狂い吼える間にエルフは速やかに離脱、更なる追撃を仕掛ける機を伺うのであった。
成功
🔵🔵🔴
ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
相手が強いのなら、削れる機会は逃さず、相手に隙は見せず、
長期戦を覚悟して着実に狙うのがいいわね。
勿論、隙があれば見逃したくないけど。
見切ったり足には自信があるけど、過信せずに落ち着いて戦況を見極めるわ。
行動指針としては以下の3通りが主。
1.囮役としてボスの注意を引き付け、味方の攻撃を当てやすくする。
2.ボスの移動手段→攻撃手段の優先順で奪っていく。
3.仕留められそうな場合は積極的に仕留めに行く。
(他に仕留めたい人がいればその手助け)
台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎
●
最後の人間性たる喪服を脱ぎ捨てた人狼アメリアの周囲をラムダ・ツァオ(影・f00001)というエルフが走り攪乱する。
シーフらしい身軽な彼女は月の狂気のままに荒れ狂う巨大人狼の爪牙を躱しつつ、愛用の白刃で攻撃直後の隙を狙い斬りつけている。
だが巨大人狼の毛皮は酷く頑丈、月の眼の紋章による強化もあって十分なダメージを刻み込むのは難しい。
(「もう少しもたせられるかしらね」)
ちらりと周囲に視線を向ければ、アメリアの体に繋がれた|人間画廊《ギャラリア》から人間を解放する為に他の猟兵が禍々しい血管の大地を駆け、飛び回っている。
この月の眼の紋章の力を失わせるためには半数以上の解放が必要、しかしアメリアの注意が救助に向かっている猟兵に再び向かえばその救助すらまともに行えなくなるだろう。
故に速度に自信のあるラムダはアメリアの攪乱――囮に徹している。
もう一つ、彼女が囮を行うのに都合のいいユーベルコードを有している事もある。
血管の大地ごと砕く巨狼の一撃を回避、冷静に見極めた上での回避であったが、あまりの速度にほんの少し体勢が崩れる。
地に手を付いた瞬間、巨大な爪が彼女目掛け水平に薙ぎ払われる。
ラムダは即座に地面を走る血管に刃を突き立て鮮血を噴出させてユーベルコード【血襖斬り】を起動し後方へと飛びのいた。
するとナイフに触れた大量の血液は巨大な鮮血の隠れ蓑に変質、アメリアの視界からラムダを一瞬遮断して、狙いを見失った爪は空を切る。
どこにいった、と周囲を見遣るアメリアの背後から、隠れ蓑に隠れたままラムダが気配を殺し忍び寄り、背に白刃で斬りつける。
今度は毛皮を通り少し深めに刃が突き刺さる。紋章の力が失われつつあるのだ。
突如走った背の痛みに怒り狂う巨大人狼は振り向きざまに腕を振るうがラムダは既に離れていて、鮮血の隠れ蓑から姿を現してわざと挑発する。
「もうちょっと付き合って貰うわよ」
駆けだした人狼とラムダの鬼ごっこは、もう少し続くようだ。
成功
🔵🔵🔴
箒星・仄々
何が目的なのかわかりませんが
良からぬことであるのは間違い無いでしょう
人々が囚われているなら尚更です
皆さんを解放してアメリアさんを倒しましょう
指笛吹いて揺らぐ影からランさんを召喚
騎乗し
自身とランさんをペロっとして
摩擦抵抗を減じて突撃です
摩擦が減っている分
超高速泳法であっという間に接敵です
棘鞭や爪牙をつるっと滑らせてダメージを減じながら
摩擦減故の速い吻で
すれ違いざま一撃離脱です
これを繰り返します
そしていつの間にかランさんに私は乗っていません
クリスタルに飛び移っています
理性を失っている分
目の前のランさんの攻撃に惹きつけられるはずです
その間に次々とクリスタルに飛び移りながら
鎖をペロっとして外して
アメリアさんから引き離します
そして
これも摩擦減の速い剣の一撃で
複数のクリスタルを一度に砕いて
人々を解放します
弱体化したアメリアさんを
私とランさんの二つの剣の攻撃で
倒します
…さて予知によれば
海へ還すまで
もう一踏ん張りが必要なようです
●
鬼ごっこを繰り広げる人狼から僅かに離れた場所で指笛の音色が響く。
その合図に影より姿を現した巨大な空飛ぶメカジキに、指笛を吹いた黒いケットシーが騎乗する。
「何が目的なのかわかりませんが、良からぬことであるのは間違い無いでしょう」
きっぱり断言する彼は箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)、血管の大地の上を滑るかのように飛翔し巨大な人狼の暴風の如き爪牙をすり抜けて攪乱するのはお手の物、だ。
ちらりと空を、鎖に繋がれた|人間画廊《ギャラリア》の数を見る。他の猟兵に随分解放されたがまだ幾ばくかは残っているようで、先に彼らを解放する為に仄々は動く。
飛翔するメカジキの『ランさん』の胴を引き裂かんと狙い澄ました人狼の爪が弧を描き襲い掛かる。その爪がランさんの胴に触れて――するりと体表を滑った。
ユーベルコードにより既に自身とランさんの摩擦抵抗を減じている。この血管の大地の上を摩擦なく加速できるのもその為だ。
攻撃を受け流され体勢を崩した人狼は棘鞭を巻きつけようと振るうが衰えた強化ではそれも叶わず、メカジキは見事一撃離脱に成功して距離を取っていた。
かのメカジキを追う人狼、しかしそのメカジキの背の上から仄々の姿が消えている事には気づかない。
(「このまま皆さんを解放します」)
すれ違いざまに|人間画廊《ギャラリア》を繋ぐ鎖へと飛び移りそれ伝いにクリスタルまで駆け上がった仄々は鎖を摩擦を減らした素早い『ねこのつめ』でバターのように切り裂きつつ、水晶と鎖の残りをぺろりと舐めてから他の水晶へと飛び移る。
完全に理性を失って自信を攻撃してくるメカジキを討つことに執念を燃やしているアメリアはそれにすら気付いていない。
全ての|人間画廊《ギャラリア》を繋ぐ鎖を切断し、滑り転がる水晶の元へと駆けてねこのつめで斬り裂き囚われの人々を仄々は解放する。
とっくに全ての強化は失われてしまったアメリアの動きは十分見切られる程度、丁度アメリアを中心に対称に位置取った仄々とランさんは同時に仕掛ける。
苦し紛れの爪牙と棘鞭――それらはいずれも空を切り、巨体の人狼の体はメカジキに貫かれ、ねこのつめに深々と切り裂かれたのだった。
見事な一撃を受け人狼は倒れ、元の姿へと還っていく。月光城の主故の生命力だろうか。
(「……さて予知によれば、海へ還すまでもう一踏ん張りが必要なようです」)
決して気を抜かず、ランさんに再び騎乗しつつ仄々は一旦距離を取り、向こうの変化を注視するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『月食狼マーナガルム』
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POW : 月の狼
【あらゆる干渉】を遮断する【月女神喰いの狼】に変身する。変身後の強さは自身の持つ【月光の魔力】に比例し、[月光の魔力]が損なわれると急速に弱体化する。
SPD : 月を喰らう
レベルm半径内を【血塗られた空】と【精気を啜る淀んだ空気】で覆い、範囲内のあらゆる物質を【満月の魔力】で加速、もしくは【月食の魔力】で減速できる。
WIZ : 月は欠ける
着弾点からレベルm半径内を爆破する【三日月の魔力】と大地を抉る【新月の魔力】を放つ。着弾後、範囲内に【喰らった魂から生み出した人狼の眷属たち】が現れ継続ダメージを与える。
イラスト:仁吉
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「日輪・黒玉」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●そして月は輝く
理性を脱ぎ捨て巨大化した月光城の主である人狼――それでも、猟兵は上回る。
|人間画廊《ギャラリア》を失い生命の灯も尽きようとした狼は、末期の言葉を天に向けて叫ぶ。
『されど、我は尚も、五卿六眼の欠落を求める……!』
途端、六つの赤い月の一つが呼応するように輝きアメリアに向けて赤い光を照射した。
脱ぎ捨てられる人狼、中から現れたのは月の輝き宿す異形を有した巨狼――闇の種族であった。
猟兵達は直感する。この再誕した闇の種族は未だ力の制御ができていない未熟な存在だ。完全な闇の種族は欠落を探さねば滅ぼす事は叶わないが、今ならば倒せさえすれば滅ぼす事も可能であると。
当然闇の種族としての極めて強大な力――倒す事は難しいだろうが猟兵達はこの存在を討たねばなるまい。
空に吼え月光の異形部位を蠢かせる巨狼に、猟兵達は攻撃を仕掛けるのであった。
冷泉院・卯月(サポート)
勿論お仕事は大事ですけどぉ、折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。
あ、ご一緒される方がいらっしゃればぁ、一緒に頑張りましょうねぇ~。
あまり戦闘は得意ではないですけどぉ、ぶちくんとたれちゃんの力も借りてぇ、頑張っちゃいますよぉ~。
遠距離なら二人に短杖になってもらって魔法弾を撃ったりぃ、
接近戦なら二人で力を合わせて杵になってもらって頑張っちゃいますぅ~。
パラドクスは状況に応じて臨機応変に使いましょうかぁ~。
戦闘以外なら運転なんかも得意なのでぇ、何処へでもお届けしちゃいますよぉ~。
道中も楽しいことが見つかるといいですよねぇ~。
●
赤き月光を受けた巨大狼の姿が変じていく。
あらゆる干渉を退ける忌まわしき月女神をも喰らう姿となった『月食狼マーナガルム』は、眼前の敵である猟兵に向かって一直線に駆け出した。
血管の大地にいる猟兵の一人、赤茶の毛並みの可愛らしいロップイヤーのウェアライダーである冷泉院・卯月(壱七八あーる・f40880)は二匹の愛兎『ぶちくん』と『たれちゃん』に短杖の姿に変化して貰いつつユーベルコード【インフェルノ・レイジ】を起動する。
彼女の尾はかつてデウスエクスに食い千切られ地獄化して補ったもの、それが地獄の炎の形へと戻り噴出し、真の姿を晒した彼女は月の狼に対し魔力弾を連続で放つ。
あらゆる干渉を跳ねのける月の狼はその攻撃を無視して突撃してくるが、僅かに速度は鈍る。その隙に卯月は血管の大地をケルベロスコートをはためかせながらウサギの脚力で走り、巨狼から距離を取りながら魔力弾で迎撃していく。
追加行動を可能にするユーベルコードの助けを借り、恐るべき連撃を凌ぐ卯月。追加行動の回数も限界が近づいてきて、もうすぐ捉えられる所まで追い込まれてしまう。
だが時間稼ぎは十分であった。マーナガルムの力が急速に衰え弱体化してしまう。
その身に宿していた月光の魔力が変身の維持と彼女の迎撃により削られてしまい、ほぼ空になってしまったのだ。
この好機を見逃さずに短杖は杵の形に再度変身し、それを構えた卯月が狼の頭目掛け高く飛び跳ねる。
「せぇ~のっ!」
ありったけの回数、巨大狼の頭部に杵を真上からフルスイングする。
強烈な打撃に怯んだマーナガルムは卯月から距離を取り低く唸り声をあげる。
「手早く倒しちゃいましょ~」
この血管の大地は少々、卯月に面白く感じるようなものに欠けている。楽しい事を見つけるべく、再び杖の形に変身した愛兎達を手にして卯月はマーナガルムに次の攻撃を仕掛けるのであった。
成功
🔵🔵🔴
タカシ・セイヒ(サポート)
元アルダワの生徒異端児セイヒです
感心は魔術探求にありますが猟兵としての仕事を疎かには致しません
場を乱さず他の猟兵の皆さまと協力して事件の解決に従事して参ります
魔術師なのであまり前に出ての近接戦は得意ではありませんが魔術の撃ち合いや後方支援や援護等で皆さまのお役に立ちたいと思います
珍しい魔術や遺跡等には好奇心が先走りたまに暴走することもありますが出来るだけ自制して参ります
腕が四本も有りますので素早い作業等もお役に立てると思います
本業は魔術研究者なのでその知識をいかして対魔術や対魔獣でもお役に立つと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。
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杵で強かに鼻面に連打を喰らったマーナガルムは距離を取って赤き月に向けて高く吼える。
魔力を帯びた咆哮により放たれるのは三日月と新月の魔力――標的の座標周囲を爆破し大地を抉り取る強烈な魔力。
その標的となったブルードレスのミレナリィドール、タカシ・セイヒ(探究者の成れの果て・f37132)は、静かにユーベルコード【|蒼月招来《サモニングブルームーン》】を起動し応戦する。
「凍てつく蒼き月よ、顕現せよ」
タカシのエンシェントワンドより蒼光が仄かに輝いて、冷気を纏った蒼く凍てつく月が狼の月の魔力と真正面から衝突した。
――かつて、月とは冷たき死の象徴であった。
このダークセイヴァー第二層のあの禍々しき赤き月とは似ているようで似ていない、惑いと冷気の月は二つの魔力を凍てつかせながらマーナガルムにまで命中してその巨大な肉体を凍てつかせる。
(「少々減衰させられましたか」)
月の魔力同士、もしかしたら干渉したのかもしれない。だが、破壊の魔力がタカシに直撃しなかったのは僥倖だろう。
マーナガルムの二つの月の魔力そのものに魔術研究者として興味はあるけれども、ここでその好奇心を昂ぶらせすぎるのはよろしくない。
月の魔力の余波により生じたマーナガルムの眷属たる人狼達を魔術で浄化しながら、青きミレナリィドールは氷を振り払わんとするマーナガルムの一挙一動を冷静に観察しながら次の出方を伺うのであった。
成功
🔵🔵🔴
向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
得意なのは近接戦闘とか、【情報収集】も兼ねた見回りとかお話を伺うのも好きですよぉ~。
非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
大丈夫ですよぉ~。手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんよぉ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談するのも良いですねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
堅実にきちんと片づけたら、皆で美味しいものでも食べて帰りましょう~。
※アドリブ・連携歓迎
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そしてその身を揺さぶる巨狼に僵尸の女が身を低くして血管の大地を走り近づいていく。
生前は東州兵であった彼女の名は、向・存(葭萌の幽鬼・f34837)。この闇の種族を逃せば後始末が大変で、その間に出る非道の人々の為に彼女は月喰らいの狼に接近戦を仕掛けるのだ。
ぱっと氷が砕け散り、向かってくる存に向けて月の魔力を放たんとする。
が、その前に存がユーベルコード【聖杯幻影兵団】を起動して巨狼の周囲に138体もの聖杯幻影兵を召喚した。
存が思念で号令を飛ばし、その通りに幻影兵が突撃槍や長剣で巨大狼に攻撃を仕掛ける。
斬撃、刺突、闇の種族の強靭な肉体をも傷つける幻影の兵士は只管数が多く、そして存の思念操作により非常に連携の取れた攻撃を仕掛けてくる。
『ぐるぁぁぁあ!!』
苛立ちを滲ませた咆哮と共に、マーナガルムの足元の血管の大地が抉れ強烈な爆発が生じる。
元々一撃受ければ消滅してしまう幻影兵はその爆破により全て消え去ったが、マーナガルム自身も巻き込んだ攻撃であったから巨狼自身も荒く息を吐く。
「それでおしまいじゃないですよぉ」
おっとりと、だが殺意を十分に感じさせる声がマーナガルムの耳に届くと同時、爆破直後に一気に距離を詰めてきた存が刻銘剣をマーナガルムの胴に深々と突き立てた。
爆発の余波で気配を紛らせた彼女の一撃は痛烈、大きく吼えて暴れるマーナガルムから一撃離脱で存は距離を取った。
「頑丈、ですねぇ~」
なりたての闇の種族であってもその生命力は驚くほど、感心しつつも確実に打ち倒す為に、存は剣を構え直しつつ血管の大地を駆け次の攻撃のチャンスを窺うのであった。
成功
🔵🔵🔴
アリス・セカンドカラー(サポート)
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ヴィジランテの説明と初期UCを根拠に技能値100以上の技能はUC並に鍛え上げたと主張。
混沌魔術
|タイムフォールダウン《高速詠唱早業先制攻撃》|時間質量を圧縮し時を凍結させ一切合切の活動を禁じる《重量攻撃詰め込み凍結攻撃身体部位封じマヒ攻撃気絶攻撃禁呪封印術》。
|夜の帳を下ろし私の支配領域の構築《多重詠唱拠点構築結界術》。
空間の解体切断から切断部位の接続で再構築しての空間ジャンプ、|位相ずらし《仙術》、|御都合主義《幸運》で回避。
|エナジードレイン《大食い、魔力吸収、魔力供給、エネルギー充填》し|融合《捕食、化術肉体改造》。
えっちなのうみそおいしいです❤
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僵尸の女は距離を取りつつも決して逃がさぬようにマーナガルムを牽制してくる。
じわり、じわりと削られる体力に月喰らいの巨狼に苛立ちの感情がふつふつと湧き上がってきて、そこにアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)が攻撃を仕掛けんとする。
彼女の動きを察知したマーナガルムは即座に爆破の三日月の魔力と血管の大地を抉る新月の魔力を放出。だが、それが着弾する前に彼女は得手とする混沌魔術――時を圧縮したように高速で術を紡ぐと、三日月と新月の魔力を阻む強力な結界を構築する。
夜の帳を下ろしたかのようなその結界を殴るなにかの音――マーナガルムが喰らいし魂より生み出した人狼の眷属が結界を砕かんと攻撃を仕掛けているのだ。
(「|人間画廊《ギャラリア》の人質を喰らわれていたなら大変だったでしょうね」)
実際は前の戦いで全ての人質は救出され、少なくともこの周囲一帯からは避難させている。
結界の強度は相当なものだがこのままマーナガルムの眷属の攻撃に合わせて巨大狼自身も襲い掛かって来ればその限りではない。
ならば先に仕掛ける――魔術で空間を切断、再接続。空間跳躍したかのようにマーナガルムの背後に回り込むと、アリスがユーベルコードを起動する。
「経験を奪いそれに相応しい姿に変えてさしあげましょう」
言葉と共にマーナガルムを視る。彼女の視界内の敵――月の巨狼へと|棘《ソーン》が放たれてその物質組成を改竄していく。
拒絶するように暴れるマーナガルムだが、それをねじ伏せ改竄した結果、マーナガルムの姿はどことなく可愛らしく――巨体なのは変わらないので圧は変わらない姿へと変わった。
|萌化弱体化《ナーフ》された狼の攻撃をアリスは躱し、次の交錯がラストになるだろうかと予測しながら混沌魔術で空間位相をずらし異形を生やした巨狼から一旦距離を取った。
成功
🔵🔵🔴
ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
オブリビオンに滅ぼされた都市で自分だけが生き残った過去を悔い、人々を守ることを重視して行動します。
●戦闘において
「及ばずながら、手助けさせて貰おう」
「貴様の相手は、この私だ!」
「なんと強力なユーベルコードだ……! (解説) 直撃すれば一たまりも無いぞ!」
・牽制攻撃
・敵の攻撃から他の猟兵や一般人を守る
・敵の攻撃を回避してカウンター
・ついでに敵の強さを解説する
など、防御的・補助的な行動を得意とします。
メイン武器は「黒剣」です。
他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。
マヤ・ウェストウッド(サポート)
「アタシの助けが必要かい?」
◆口調
・一人称はアタシ、二人称はアンタ
・いかなる絶望的状況におちいろうとも希望と軽口をたたくことを忘れない。だけどちょっとキザすぎるのが玉にキズ
◆癖・習性
・獣人特有の鋭い野生の勘で、危機を察知できる
・紅茶中毒
◆行動傾向
・おとぼけな言動や態度とは裏腹に、困っている人を放っておけず、たとえ秩序や慣習に背こうとも、自身の正義を貫こうとする
・弱者の盾になることに存在意義を見出しており、戦場では最前線で豪放に戦う。その形相は、まさに地獄の番犬
・医学に心得があり、人体の構造を知悉している。言い換えれば、人を効率よく「壊す」方法の専門家でもある
・パンジャンドラムは淑女の嗜み
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ユーベルコードにより弱体化したマーナガルム、その隙を見逃さずにマヤ・ウェストウッド(フューリアス・ヒーラー・f03710)は一気に畳みかけるべく仕掛ける。
口の悪い愛用の拳銃『Xキャリバー』を宥めすかしつつ急所目掛けて引鉄を引く。
だがその瞬間、周囲が変化して空が夜空の色から血塗られた色に、空気は淀み思わずマヤは口を覆う。
それは月喰らうマーナガルムのユーベルコードによるもの、精気を啜る澱んだ空気と、物質の加減速を操る満月と月蝕の魔力で周囲を支配する力。
弾丸は空中で急速に速度を落とし、マーナガルムに触れた時にはその威力をほぼ喪失させていた。
「これは厄介だねえ」
キマイラの女は思考する。大分弱っているあの闇の種族を討つには多少のリスクを負うべきかと。
「なら私が先に仕掛けよう」
そうマヤに言い残し走り出した黒騎士はギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)。冷静沈着な性質の彼はその冷静さのままにマーナガルムに対し躊躇なく切り込んでいく。
澱んだ空気もものともせずに先に斬り裂いてやるという強い決意は、自身の過去による贖罪意識によるものか――ともかく、生半可な減速では無意味と判断したのか闇の種族は高く吼えてその身を月女神喰いの狼へと変じさせる。
先に仕掛けた猟兵の粘り強さで使い切った月光の魔力が戦闘の間に僅かに回復したのか、胴体に生やした月光色の異形の触手でギャレットを薙ぎ払わんとする。
「あらゆる干渉を遮断する、か。だが」
その強化幅は月光の魔力量に比例する、この変身ではそれ程劇的な強化は現れていなかった。
純粋に強烈な異形の触手を漆影剣リグガガで打ち払いつつ、全身の勢いを殺さずにマーナガルムの側面へと回り込んで、
「剣よ、我が眼前の敵を斬り滅ぼせ!」
黒剣を振りかぶったギャレットのユーベルコード【漆影剣リグガガ】が起動、愛用のリグガガが変形し巨大な両手剣へと変形する。
重量のままにマーナガルムの胴に振り下ろせば超重量は干渉を遮断する力をも上回りその身に深々とめり込んで、マーナガルムは悲鳴を上げる。
そしてギャレットの攻撃に合わせてマヤも距離を詰めていた。
再び周囲の大気を変化させて月食の魔力で彼女を減速、その肉を喰らい滋養とせんと巨大狼が大顎を開いた。
だがそれをマヤの野生の勘はその行動を読み切ってた。
「今日から、お前は、アタシの一部として生きる。いいね?」
ユーベルコード【超獣技法・飢餓咬】を起動した彼女の腕はイヌの頭部に変形して、巨狼の牙がマヤに突き立てられる前にその下顎の先端を食い千切った。
減速されていようと攻撃の手段も読み切れていれば、人の知恵を以てそれに合わせる事は彼女には不可能ではなかった。
怯んだマーナガルムの首元へと潜り込み更にイヌの頭部が喰らい付く。引き裂きマーナガルムを勢いよく血管の大地に転がした。
重ねてギャレットの超重の両手剣がマーナガルムの首へと正確に叩き込まれ――その頭部は血管の大地に、ごろりと転がって。
死を拒絶するように月光色の異形部位が痙攣するように跳ねるが、それ程経たずに動きを止める。
月光城の主――闇の種族へと変身したその存在を、猟兵達は見事撃破する事に成功したのだ。
疲労感を感じながら、猟兵達は第二層を後にしてグリモアベースへと帰還したのだった。
成功
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