ぱらいそを求めた果てに
●サムライエンパイア・|魔空原城《まくうはらじょう》
「超・魔軍転生……陰陽師『安倍晴明』よ、選ばれし者である私、クルセイダーに宿れ」
猟書家「クルセイダー」が「陰陽師『安倍晴明』」を憑装してその力を得んとする――。
「……これはこれは。何処の誰が貴方を『選んだ』というのでありましょうか……」
「私の体が動かない! 馬鹿な、ぱらいそ預言書には、このような事一言も……!」
晴明の声が響くと、クルセイダーの自由が奪われた。
「意外な事などありましょうか。大した|業《カルマ》も無き貴方の躰を奪うなど、造作もありませぬ」
「何が目的なのです……私の乱を、防ごうとでも……?」
身動きできぬクルセイダーが自らの意思がどんどんと薄れるのに気付き、晴明の思惑を問う。
「少し、興が乗りましてね。私の生殖ゾンビに憑装を施した『魔軍将ゾンビ』を拵えようと思いまして。これを速やかに量産化すれば、エンパイアにゾンビ日野富子や上杉謙信が跳梁跋扈するようになるでしょう。その滑稽にて無様な景色、見てみたくはありませんか?」
「………………」
晴明がそう尋ねるがクルセイダーから返事はない。
「もう死にましたか。誇り高きグレイズモンキーに連なる者と聞きましたが、取るに足らぬ最期でございましたな」
つまらぬ者を相手にしては興醒めだと、晴明は愉快な景色を生み出さんと動き出した……。
●グリモアベース
「戦争が終わったばかりだが新たな事件だ。猟書家「クルセイダー」が憑装した「陰陽師『安倍晴明』」に肉体を奪われた」
バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が猟書家に動きがあったと猟兵達に伝える。
「肉体を奪った安倍晴明は、自らを「晴明クルセイダー」と名乗り、自身の尖兵である「生殖型ゾンビ」に、魔軍将を憑装させるクルセイダーのユーベルコード「超・魔軍転生」を使ったようだ。その結果、魔軍将は自我無きゾンビの肉体を奪い、「魔軍将ゾンビ」として復活してしまった。さらにはこのゾンビを「量産化」しようとしている」
知らぬ間に恐るべき事態が進行していた。もし量産化されてしまえばエンパイアは地獄と化すだろう。
「それを察知した江戸幕府は、首塚の一族の頭領でもある将軍様御局「斎藤・福」に命じ、呪詛の鎖の力を使い、天空に浮かぶ「魔空原城」を地上に引きずり降ろすことに成功した。諸君には鎖が壊され逃げられる前に、魔空原城に乗り込み晴明クルセイダーを討伐してもらいたい」
今ならば晴明クルセイダーを討てば量産化を止められる。
「まずは魔空原城に乗り込まねばならんが、城からは「島原一揆軍」のオブリビオン軍勢『葉隠妖忍軍』が無数に湧きて来るようだ。異常な信仰心で士気は極めて高い。さらには晴明によって密かにゾンビ化も施されていて、頭や手足を吹き飛ばした程度では死なん。完全に破壊して城ヘの道をこじ開けろ」
ゾンビとなっている葉隠妖忍軍を倒すには、徹底的な破壊が必要だ。
「城に乗り込めたなら、道中で魔軍将ゾンビ「上杉謙信」が待ち構えている。かつて「軍神」と呼ばれた時と同等の力と理性を取り戻した強敵だ。12本の毘沙門刀を巧みに操る攻撃を凌ぎ倒さねばならん。だがかつて一度は倒した敵だ。恐れることはない」
強敵ではあれど油断せねば倒せる相手だと過去の謙信の戦闘データを提示する。
「謙信を倒し、最奥にある「ぱらいそ礼拝堂」に「晴明クルセイダー」が居る。クルセイダーの肉体と霊体の晴明による2種類のユーベルコードによる「2回攻撃」を行う強敵だ。何とか2回攻撃に対処して晴明クルセイダーを討たねばならん」
1回の行動につき合計2回、フラグメントのユーベルコードを好きな組み合わせで使用してくる。それに対処出来なくては勝利は困難だろう。
「ユーベルコードを連続で使用するなど恐るべき敵だが、これを討たねばエンパイアに大きな被害が出る。戦争に勝利した勢いで晴明クルセイダーも撃破せよ!」
バルモアが激励し地上に引きずり降ろされている魔空原城の近くへとゲートを開いた。
天木一
こんにちは天木一です。
憑装猟書家『晴明クルセイダー』との決戦となります。
第1章は城から迎撃に現れる『葉隠妖忍軍』との戦闘になります。ゾンビ化していて致命傷を受けても動くほどタフになっています。
第2章は城内で『上杉謙信』との戦闘になります。軍神の異名を持つ武人で堂々と戦います。
第3章では『晴明クルセイダー』との決戦です。ユーベルコードによる2回攻撃を行います。どのユーベルコードが来るかは予測したものになります。
2回攻撃を打ち破ることが出来ればプレイングボーナスを得られます。
複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
戦争が終わったばかりで息つく暇もないですが、エンパイアの平和を守りに城攻めといきましょう!
第1章 集団戦
『葉隠妖忍軍』
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POW : 葉隠手裏剣乱舞
【手裏剣】が命中した対象に対し、高威力高命中の【超巨大手裏剣】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 葉隠忍び七つ道具
【自身へ注意】を向けた対象に、【様々な忍具】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 葉隠隠れ身の術
肉体の一部もしくは全部を【木の葉】に変異させ、木の葉の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
イラスト:橘茅つくも
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●狂信者
「幕府め! 我らが邪魔するか!」
「何人たりとも城には近づかせぬ!」
オブリビオンの軍勢『葉隠妖忍軍』は信仰に命を懸けるように、決死の覚悟で魔空原城から飛び出し猟兵を迎撃せんと手裏剣を構えた。
「この命、我らが主クルセイダー様に捧げる!」
「命を惜しむな! 死しても我らが魂をぱらいそに導いてくださる!」
葉隠妖忍軍は狂信し死を恐れずに捨て身の意思を示す。その身が既にゾンビと化しているとも知らずに……。
明・金時
若い内は色々と間違うモンだしそっから色々学ぶモンだが
……一回の間違いが取り返しのつかねェことになっちまうとはな
オブリビオンである以上、肩入れは出来ねェが同情はするぜ
ん?
……ああ、忘れてないぜお嬢さん方
ただまァ、こっちにもプライベヱトってモンがあるんでね
木の葉の一枚だろうが――立入禁止だぜ!
UC発動
何処から入ろうとしたって、光は俺を護るように動くぜ
そんで少しでも触りゃ……バン! だ
耳が長いし破裂音もよく聞こえそうだな
……ん? 関係ない?
気持ちの問題ってヤツだ
気絶した相手は起きねェ内に山吹光を手槍に変形させてトドメを
気は引けるが手心加えてられる状況でもないんでね
なるべく手っ取り早く終わらせようか
●魔空原城への道
「若い内は色々と間違うモンだしそっから色々学ぶモンだが……一回の間違いが取り返しのつかねェことになっちまうとはな」
城の前に立った明・金時(アカシヤ・f36638)は一度の失敗で全てを失ったクルセイダーを憐れに思う。
「オブリビオンである以上、肩入れは出来ねェが同情はするぜ」
敵である以上助けることはできないが同情の念を抱く。
「猟兵だな! ここは通さぬ!」
「葉隠隠れ身の術!!」
その前に立ち塞がった葉隠妖忍軍が木の葉となって襲い掛かる。
「ん? ……ああ、忘れてないぜお嬢さん方」
金時は意識を目の前の敵に向けて柔らかな笑みを浮かべる。
「ただまァ、こっちにもプライベヱトってモンがあるんでね。木の葉の一枚だろうが――立入禁止だぜ!」
ユーベルコード『|其ハ神ノ裁也《ソハカミノサバキナリ》』を発動し、自身から後光を発して無数の光球が召喚された。
「何処から入ろうとしたって、光は俺を護るように動くぜ。そんで少しでも触りゃ……バン! だ」
木の葉が光球に当たった瞬間、爆発して激しい衝撃に葉っぱが吹き飛んで元の姿に戻る。
「これは!?」
「耳が長いし破裂音もよく聞こえそうだな」
次々と爆発が起こり驚いた顔で葉隠妖忍軍が気絶して、術を途切れさせて地に倒れていった。ゾンビの耐久力でも状態異常の効果はしっかりと出ていた。
「このような、至近距離で……耳の長さなど関係あるまい!」
「……ん? 関係ない? 気持ちの問題ってヤツだ」
耳から血を流してもゾンビ化されていて痛みを感じず、意識を混濁させる葉隠妖忍軍が睨みつけ怒鳴るが、金時は涼し気な顔で受け流し後光とカリスマオーラを融合させた【山吹光】を手槍に変形させる。
「気は引けるが手心加えてられる状況でもないんでね。なるべく手っ取り早く終わらせようか」
そして意識のある者の身体をもう動かぬように幾重にも切断して仕留め。続けて気絶してる者も次々と止めを刺していった。
大成功
🔵🔵🔵
ネルコ・ネルネコネン
強固な信仰心、それはとても強い武器でございます。
眼の前に広がる困難も確かな信仰を拠り所にすることで、立ち向かっていけます。
……私自身オブリビオンに囚えられた際には正義の心と信仰心があったからこそ自分を保つことが出来ました。
ですので、すべきことは理解っております。引かぬのであれば徹底的に、信仰心を口実に狼藉を働こうとするものに対して私は聖者として力を振るうことは厭いません!
祈りを捧げ【焼き尽くすは翠の宝玉】を発動し、敵を焼き尽くしましょう。
生半可な負傷では問題ないゾンビであろうと、体を風に乗って攻撃を回避してしまうような木の葉に変えようと、全てを焼き尽くす光からは逃れることは出来ません!
「何人倒れようとも我らは引かぬ!」
「死しても我らの魂はぱらいそに至る!! 死を恐れる事なかれ!!」
「強固な信仰心、それはとても強い武器でございます。眼の前に広がる困難も確かな信仰を拠り所にすることで、立ち向かっていけます。……私自身オブリビオンに囚えられた際には正義の心と信仰心があったからこそ自分を保つことが出来ました」
聖者であるネルコ・ネルネコネン(呪いを宿した聖者・f13583)は信仰によって今があるからこそ、その強さをよく理解していた。
「ですので、すべきことは理解っております。引かぬのであれば徹底的に、信仰心を口実に狼藉を働こうとするものに対して、私は聖者として力を振るうことは厭いません!」
信仰は決して何をしてもいいことにはならないと、手を組み祈りを捧げてユーベルコード『|焼き尽くすは翠の宝玉《エメラルドジェム》』を発動する。
「天より来たれり尊き宝玉よ。翠の光をもって悪を焼き尽くし給え」
宝玉を召喚すると、翠の光を放って葉隠妖忍軍を照らす。するとその身が燃え上がっていく。
「この光! 熱線のようなものか!」
「散れ!!」
葉隠妖忍軍は木の葉となって飛び、木々に紛れて光線から逃れようとする。だが光から完全に逃れることは難しい。木の葉が次々と燃えて焦げ落ちていく。それは葉隠妖忍軍の手であったり足であったり、頭であったりと普通なら致命傷を受けて術が解けて地面に墜落した。
「これでは逃れられん!」
「ならば一矢報いよう!! まだ身体は動く! これこそ信仰の力なり!!」
回避できないならと、既に致命傷を受けているのにも気付かずゾンビ葉隠妖忍軍が木の葉特攻で突風に乗って突っ込む。
「生半可な負傷では問題ないゾンビであろうと、体を風に乗って攻撃を回避してしまうような木の葉に変えようと、全てを焼き尽くす光からは逃れることは出来ません!」
ネルコは葉隠妖忍軍を強い翠色の光で照らし、木の葉を燃やして塵に変えてしまった。
大成功
🔵🔵🔵
煙草・火花
……倒すべき相手とはいえ、その身も信仰も知らぬ内に良い様に使われてしまっているのは些か偲びないであります
その妄執から解放して差し上げましょう!
敵が忍具ならばこちらは燃え盛る軍刀にてお相手をば!
さぁさ、どれに斬られるのがお好みでありますかな?
忍具に合わせて、生み出した軍刀を合わせて切り払っていくでありますよ
そして、古今東西……ゾンビと言えば火葬と相場が決まっているでありますな!
敵の体を斬るというよりは刺して燃やしていくのを狙って軍刀を振るっていくであります
「……倒すべき相手とはいえ、その身も信仰も知らぬ内に良い様に使われてしまっているのは些か偲びないであります」
煙草・火花(ゴシップモダンガァル・f22624)は信仰に死んでいく葉隠妖忍軍に憐れみを覚える。
「その妄執から解放して差し上げましょう!」
ここで倒すのがせめてもの慈悲だと【七◯◯式軍刀丙】をすらりと抜刀した。
「葉隠忍び七つ道具を見せてくれる!」
葉隠妖忍軍がさまざまな忍具を取り出す。クナイを投げ毒を塗った吹き矢を飛ばす。それを火花は軍刀で弾く。
「畳みかけよ!」
葉隠妖忍軍は忍者刀を抜き接近戦を仕掛ける。
「敵が忍具ならばこちらは燃え盛る軍刀にてお相手をば! さぁさ、どれに斬られるのがお好みでありますかな?」
対して火花がユーベルコード『|帝都桜學府流剣術 桜火ノ型 壱式 菊先紅《オウカノカタ・イチシキ・キクサキクレナイ》』を発動し、自身の体である可燃性ガスから100を超える燃える軍刀を生み出した。
「恐れるな! 我らは死してぱらいそにゆく!」
葉隠妖忍軍が斬り掛かると、それを浮ぶ軍刀が受け止め、数に物を言わせて次々と切り払っていく。だがゾンビ化されている葉隠妖忍軍は手足を失おうとも戦い続ける。
「そして、古今東西……ゾンビと言えば火葬と相場が決まっているでありますな!」
動きが鈍ったところへ火花は無数に軍刀を矢のように飛ばして貫き、内部から燃やして身体を焼き払い崩壊させる。
「身体が燃える……!!」
「まだ……うごけ……」
葉隠妖忍軍は這うように火花に近付こうとするが、刃が地面に縫い付けて動きを止め、さらに炎を浴びせて全身を燃やした。
「望み通りぱらいそに送って差し上げましょう!」
「ああ……ぱらいそが……見え………」
炎の中で葉隠妖忍軍は幻影を見て、穏やかな顔で燃え尽きていった。
「信仰の元を断たねば信者は増え続けるのであります」
信者を増やすクルセイダーを討たねばと、火花は城に向かう道を突き進み炎で切り開く。
大成功
🔵🔵🔵
霧島・絶奈
◆心情
厄介なものです
とは言え、退かぬ兵を相手取るのも存外愉しめそうです
◆行動
【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別する指向性散弾」を複数設置
【範囲攻撃】による徹底的な面制圧をお見舞いしましょう
是だけで殺し切れるとは思っていませんが…
手足が飛べば戦闘力や機動力が落ち、頭が飛べば此方の捕捉が困難となるでしょう?
『涅槃寂静』にて「死」属性の「濃霧」を行使し【範囲攻撃】
霧に呑まれれば須らく死在るのみです
多少の傷をものともせずに狂進すれど、貴女方の望む地に至る事は無いでしょう
更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し駄目押し
負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
「死など恐れぬ! 我らが恐れるは信仰が揺らぐこと!」
「信仰を胸に死して猟兵を止める!!」
葉隠妖忍軍は死を覚悟して道を塞いだ。
「厄介なものです。とは言え、退かぬ兵を相手取るのも存外愉しめそうです」
霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は敵の決死の覚悟を見て愉しそうに笑みを浮かべ、罠を設置し終えると敵の前に出る。
「木の葉で覆い尽くせ!」
「四方八方からの必殺の一撃を受けてみよ!」
葉隠妖忍軍は木の葉に変身し、絶奈を包み込むように舞い飛ぶ。
「本来ならば変幻自在の動きで圧倒する術なのでしょうが、徹底的な面制圧をお見舞いしましょう」
絶奈の仕掛けておいた指向性散弾が弾をあちこちにばら撒き木の葉を吹き飛ばす。
「がっ!?」
「銃弾など構うものか!」
被弾しようともゾンビ化されている葉隠妖忍軍は気にせずに攻撃に出る。
「是だけで殺し切れるとは思っていませんが……手足が飛べば戦闘力や機動力が落ち、頭が飛べば此方の捕捉が困難となるでしょう?」
穴の開いた木の葉は元の肉体に戻り、あちこちに銃弾の空いた葉隠妖忍軍の肉片がばら撒かれた。ゾンビ化していても部位を失えば動きは鈍る。
「手の内が分かっていれば搦め手など恐れる必要はありません」
その隙に絶奈はユーベルコード『|涅槃寂静《ヨクト》』を発動し、黒き死の濃霧を広げて木の葉となっている敵を包み込んだ。
「霧?」
「いかん! 身体が崩れて――」
濃霧に入った葉隠妖忍軍の木の葉の身体は生命力を奪われて枯れ果てて落下し、元の姿に戻ると干乾びて砕け散る。
「霧に呑まれれば須らく死在るのみです。多少の傷をものともせずに狂進すれど、貴女方の望む地に至る事は無いでしょう」
絶奈はさらに白槍と黒剣を振るい、衝撃波をお見舞いして弱った敵に止めを刺す。
「死しても……我らが魂は………」
普通なら即死のダメージを受けてもゾンビ化している葉隠妖忍軍は足掻き、絶奈へと手を伸ばすがぼろぼろと死の濃霧に飲まれて崩れ去った。
「信じたまま死ねるなら本望でしょう」
絶奈は叶わぬ夢を見ながら果てる敵を見下ろし、さらに前へと城に向かって進んだ。
大成功
🔵🔵🔵
サツキ・ウカガミ
信仰、信条、色々あるし、それでぶつかることもあるんだけど……知らずにゾンビ化されてるのは可哀想だね。信じたまま、終わりにしてあげる。
[斬撃波]や[武器受け・見切り]で対応しつつ、敵の動きを[情報収集]。相手も忍者だし、どんな事してくるかも見ておきたいから、術を使わせてから対応しようかな。
なるほど、木の葉の術が得意な感じだ!変化はボクにないレパートリーだ。面白いね。ところで、ボクは……木の葉を竜巻で巻き上げて、炎上させる術が昔から得意でね?
【火輪竜巻の術・改】の消えない炎で、葉の1枚も残さず燃やしてあげる。ぱらいそ、とやらがどんな所か知らないけれど……せめて、ゾンビ化を知らずに死ねると良いね。
「我ら信仰に命を懸けている!」
「ぱらいそにこそ我らの救いがある! ここで負けられぬ!!」
城を間近にして葉隠妖忍軍は決してここは通さないと命懸けで戦おうとしていた。
「信仰、信条、色々あるし、それでぶつかることもあるんだけど……知らずにゾンビ化されてるのは可哀想だね。信じたまま、終わりにしてあげる」
サツキ・ウカガミ(|忍夜皐曲者《しのびよるめいはくせもの》・f38892)は信じたまま終わらせようと対峙する。
「ゆくぞ!!」
葉隠妖忍軍が次々と手裏剣を投げ、腕を木の葉に変えて回り込ませ手裏剣を四方八方から投げる。それをサツキは飛び退き躱しながら抜き放った太刀【月牙】で切り払う。
「なるほど、木の葉の術が得意な感じだ! 変化はボクにないレパートリーだ。面白いね。ところで、ボクは……木の葉を竜巻で巻き上げて、炎上させる術が昔から得意でね?」
サツキは敵の術を見極め、不敵な笑みを浮かべて|忍術《ユーベルコード》『|火輪竜巻の術・改《カリンタツマキノジュツ・アラタメ》』を発動し【大天狗の羽団扇】を一振りした。すると凄まじい風が吹いて竜巻を起こし、そこへ火炎が混じって炎の嵐が敵を呑み込んだ。
「忍術だと!?」
「お主も忍者か!!」
木の葉となっていた葉隠妖忍軍の身体が燃え上がり、あっという間に燃え尽きて灰となっていく。燃えてしまえばゾンビ化のタフさなど意味がない。
「身体が! 燃えていく!!!」
「燃えようと死なば諸共! 我らはぱらいそにゆくのだ!」
特攻覚悟で燃えながら木の葉が迫る。だがサツキの巻き起こす突風は木の葉を容易く巻き上げてしまった。
「消えない炎で葉の1枚も残さず燃やしてあげる。ぱらいそ、とやらがどんな所か知らないけれど……せめて、ゾンビ化を知らずに死ねると良いね」
せめてもの慈悲とゾンビ化の効果も意味を成さぬ炎に包む。
「ま、だ……戦え…………」
燃やされた葉隠妖忍軍はそれでもと抗おうとするが、炎の竜巻はそれを許さない。
「クルセイダー様。我らも共にぱらいそに……」
炎の渦に包まれた葉隠妖忍軍は燃え滓だけを残して消え去った。
そうして忍軍の決死の防衛線を突破し、猟兵達は魔空原城の中へと突入した……。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『軍神『上杉謙信』』
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POW : 毘沙門刀連斬
【12本の『毘沙門刀』】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 毘沙門刀車懸かり
対象の攻撃を軽減する【回転する12本の『毘沙門刀』】に変身しつつ、【敵の弱点に応じた属性の『毘沙門刀』】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 毘沙門刀天変地異
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
イラスト:色
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●魔空原城の軍神
「一度は破れし私が再び猟兵と相まみえる事と成ろうとは」
軍神『上杉謙信』が城の奥へと通じる広間で待ち構えていた。
「戦場で誰の邪魔もなく戦えるは僥倖。この仮初の命が果てるまでお相手致そう」
ゾンビ化された上杉謙信はそれでも生前の誇りを失わず、己よりも強き猟兵と再び戦えることに喜びを感じて12本の毘沙門刀を構えた。
軍神を破らねばクルセイダーの居る「ぱらいそ礼拝堂」へは辿り着けない。
猟兵達は再び上杉謙信を撃破しようと攻撃を仕掛ける――。
霧島・絶奈
◆心情
久し振りですね、強敵
聞きたい事は多々ありますし、互いに思う所が無い訳では無いでしょうけれど…
今は只、愉しみましょう
再びの邂逅と、この『逢瀬』を
◆行動
【罠使い】の技を活かし、複数の「魔法で敵を識別する指向性散弾とサーメート」を【衝撃波】で戦場に散布
不規則且つ徹底的な面制圧で、一本でも多くの毘沙門刀を迎撃に回させます
『涅槃寂静』にて「死」属性の「劫火」を行使し【範囲攻撃】
劫火とは世界の終焉にして始原を齎す自然現象です
12の属性を操る貴方とて、此れを覆す事は困難でしょう
更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】で追撃
負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
●命果てるまで
「久し振りですね、強敵」
絶奈は再び強敵とまみえたことに嬉しそうな笑みを浮かべる。
「聞きたい事は多々ありますし、互いに思う所が無い訳では無いでしょうけれど……今は只、愉しみましょう。再びの邂逅と、この『逢瀬』を」
語るは口ではなく戦いでと、戦場に指向性散弾とサーメートを衝撃波で散布し、白槍と黒剣を構える。
「ゆくぞ」
それを見て謙信は真っ直ぐ駆け出し、正面突破せんと浮かぶ毘沙門刀が飛び交う。
「不規則且つ徹底的な面制圧で、一本でも多くの毘沙門刀を迎撃に回させます」
次々と罠が作動して散弾が撒き散らされ爆発が起こる。それを浮ぶ毘沙門刀は防いでいく。
「この程度で私は止められん!」
謙信の足は止まらずに絶奈へと距離を詰める。
「其れらは露払いに過ぎません。本命は此方です」
絶奈がユーベルコード『|涅槃寂静《ヨクト》』を発動し、黒き死の劫火を行使する。巻き起こる黒い炎に謙信が包み込まれた。
「劫火とは世界の終焉にして始原を齎す自然現象です。12の属性を操る貴方とて、此れを覆す事は困難でしょう」
炎に焼かれて謙信の身体が燃え上がる。だがその足はまだ止まらない――。
「燃え尽きる前に、斬り捨てるのみ!」
迷いなく炎を突っ切ると、燃えながら絶奈に向けて斬撃を浴びせる。それを絶奈は黒剣で受け止めた。
「迷わず最適解を見出す判断力。軍神の名は伊達ではありませんね」
絶奈は微笑みながらも衝撃波を放ってもう一度劫火の中へと押し返す。
「地よ裂けよ!」
謙信は床に毘沙門刀を飛ばして突き立て、天変地異を起こして広間を大きく揺らす。すると部屋が崩れて炎ごと埋まり、謙信は瓦礫の山に立った。
「やはり強敵との戦いは心躍るものです」
絶奈は攻撃を抜けられたことを嬉しそうに見て、反撃に矢のように飛来する毘沙門刀を白槍と黒剣で弾いた。
大成功
🔵🔵🔵
ネルコ・ネルネコネン
過去の戦いにおける強敵ということは聞いております。強大であろうと立ちふさがるというのであれば容赦はしません!
12本の刀を巧みに操る剣術、長期戦になればなるほどこちらは不利になっていく事でしょう。
ここは危険を冒してでも短期決戦で挑みます。
【封印解除・悪を貫く聖なる短槍】を発動し、封印されし短槍に施されたオブリビオンを滅ぼす刃の封印を解いていきます。
あちらは私の攻撃を軽減できる状態。であれば出し惜しみは出来ません。寿命が削られるのは覚悟し封印を解除していき突撃します。
敵の回転する刀の攻撃を被弾覚悟で肘に装着した聖者のバックラーを使い強引に受け流しつつ、そのまま槍の一撃で敵を貫いてみせましょう!
「過去の戦いにおける強敵ということは聞いております。強大であろうと立ちふさがるというのであれば容赦はしません!」
ネルコは噂に聞く軍神を前にしても怯まずに立ち向かう。
「ここを通りたくば来るがいい」
上杉謙信は立ち塞がる鉄壁のように闘気を放ち威圧した。
(12本の刀を巧みに操る剣術、長期戦になればなるほどこちらは不利になっていく事でしょう。ここは危険を冒してでも短期決戦で挑みます)
ネルコはユーベルコード『|封印解除・悪を貫く聖なる短槍《ホーリースピア》』を発動し、【封印されし短槍】に施されたオブリビオンを滅ぼす刃の封印を解除していく。
「その力……感じるぞ、我等を滅ぼせるものを。ならばこちらも相応に、車懸かりで応じよう」
謙信は警戒して剣を構え、自らを回転する12本の『毘沙門刀』へと変えると命を削りながら一気に襲い掛かった。
「あちらは私の攻撃を軽減できる状態。であれば出し惜しみは出来ません」
生半可な攻撃では通じないと、ネルコは寿命が削られるのは覚悟して短槍の威力を高めて突撃する。
「切り刻む!」
そこへ次々と毘沙門刀が浴びせられる。それをネルコは小型の円盾【聖者のバックラー】を叩き付けるように強引に受け流し、多少斬撃を食らうのも覚悟の上で、毘沙門刀へと突きを放って刃にひびを入れさらに押し込み折った。
「なんとっ! 毘沙門刀と化した私に傷を付けるか! だが一本砕かれようともまだ11本の刃が残っている!」
ここで引けば負けると感じた謙信は刃を繰り出し、ネルコの身体を切りつける。
「最後の一本まで貫いてみせましょう!」
ネルコもまた一歩も引かず、致命傷は盾で逸らし、槍を振るって毘沙門刀を砕いていった。
「これほどか!」
数本となった毘沙門刀が大きく弾かれると謙信が人の姿に戻った。その身体のあちこちに穴が穿たれて出血し、槍で受けたダメージが刻まれていた。
大成功
🔵🔵🔵
明・金時
お、ちゃんと|猟兵《あいつら》のこと評価してくれてンだな
実力者は敵でも評価する……天晴だぜ
(※本業はグリモア猟兵という自己認識のため、余り自分を前線で戦う猟兵と思っておらず他人事)
あいつらの評価、落とさねェように
俺も出来ることはやろうかね
だが正直、正攻法で勝てる気はしねェ
搦手をどう受け取るかは解らねェが……これが俺の戦い方なんでね!
UC発動
如何な智勇兼備のアンタでも、俺の映画は見たことねェだろう?
……アンタ程の奴なら、ある程度制約跳ね除けちまいそうだが
コントロオルを失えば上々だ
俺はアドリブ許されてるんでね
自然現象の暴走でこっち来ないかだけちゃんと見て回避しつつ
薙刀で刀を★受け流しつつ攻撃するぜ
「お、ちゃんと|猟兵《あいつら》のこと評価してくれてンだな。実力者は敵でも評価する……天晴だぜ」
グリモア猟兵を本業とする金時は、他人事のようにいつも前線で戦う猟兵が褒められたことを喜んでいた。
「あいつらの評価、落とさねェように。俺も出来ることはやろうかね」
常に命を張っている猟兵のことを自分の所為で侮られる訳にはいかないと気合を入れ、上杉謙信と対峙する。対する謙信はただ自然体で立っているだけ。しかし付け入る隙がどこにも見つからぬ程の技量を感じられた。
「一見優男に見えようとも猟兵を見た目では判断せぬ。全力で参ろう」
謙信が剣を掲げると、自然へと干渉して凄まじい突風を吹かせ竜巻を起こす。それが猟兵達の方へと迫ってきた。
「だが正直、正攻法で勝てる気はしねェ。搦手をどう受け取るかは解らねェが……これが俺の戦い方なんでね!
正面からが難しいなら自分が得手とする方法でいくだけだと、ユーベルコード『|其ハ神ノ劇也《ソハカミノブタイナリ》』を発動し、戦場を自身が主演を務めたことがある銀幕の世界に交換する。
(これは……世界へ干渉したか……喋れない――否、動けんのか?)
謙信は自身の行動が縛られているのに気付く。その世界は脚本に則らない言動を封印する法則を持っていた。
「如何な智勇兼備のアンタでも、俺の映画は見たことねェだろう? ……アンタ程の奴なら、ある程度制約跳ね除けちまいそうだが。コントロオルを失えば上々だ」
謙信が生み出した竜巻はコントロールを失い、荒れ狂って謙信自身をも巻き込んだ。
(ならば、この風を利用する)
竜巻の制御に集中し、自らの身体を金時に向けて飛ばしその勢いで刀を突き出す。
「俺はアドリブ許されてるんでね」
役者らしく様になる動作で金時は薙刀【草凪】で刺突を受け流し、横一閃に振るって胴を薙いだ。
「見事っ、されどまだ私の間合いだ!」
法則に違反しながらも謙信は精度の落ちた斬撃を放つ。
「流石世に名を遺した名将。舞台に立っても華があるぜ。だけど舞台の上じゃあこっちが上手だ」
その斬撃を金時は薙刀で捌き、演舞のように剣戟を交わした。
大成功
🔵🔵🔵
煙草・火花
異なる世界とはいえ、歴史に名を残した戦国武将と刃を交えることになるとは些か心が躍りますな
ですが、勝利は小生が戴かせてもらうであります!
技量も力も相手が上
なれば下手な小細工を頼みにするよりも全力の一撃に賭けるのが吉と見たであります!
12本すべてと切り結ぶのが難しいのなら、すべてを一度に!
毘沙門刀に軍刀を叩きつけるのに合わせて、最大火力でガスを爆発!
自爆も覚悟で一気に吹き飛ばすのであります!
學徒の覚悟、ご照覧あれ!
「以前に戦った時よりも強くなっている!」
金時と剣を打ち合わせていた謙信が大きく飛び退き、猟兵が記憶にあるものよりも強くなっていると感じた。
「異なる世界とはいえ、歴史に名を残した戦国武将と刃を交えることになるとは些か心が躍りますな」
火花は誰もが聞いたことがある有名な武将との戦いを前に炎のように戦意を滾らせる。
「ですが、勝利は小生が戴かせてもらうであります!」
どれほどの強敵であろうとも勝利してみせると【七◯◯式軍刀丙】を構えた。
「我が毘沙門刀を受けてみるか!」
駆け出した上杉謙信は12本の毘沙門刀を操り、火花へと攻撃を仕掛ける。
「技量も力も相手が上。なれば下手な小細工を頼みにするよりも全力の一撃に賭けるのが吉と見たであります!」
それぞれの刀が意志を持ったように迫るのを見て、小細工は無用とユーベルコード『|帝都桜學府流剣術 桜火ノ型 弐式 号砲《オウカノカタ・ニシキ・ゴウホウ》』に全てを賭ける。
「12本すべてと切り結ぶのが難しいのなら、すべてを一度に!」
毘沙門刀に軍刀を叩きつけるのに合わせて、軍刀の刀身を覆う可燃性ガスを最大火力で爆発させる。
「學徒の覚悟、ご照覧あれ!」
「刺し違えるつもりか!」
覚悟を決めた火花と驚いた謙信が操る毘沙門刀ごと爆発に巻き込まれ、両者は反対方向に大きく吹き飛んだ。
「まだ……猟兵の覚悟を侮っていたか……」
爆発の直撃を受けぼろぼろになった謙信が立ち上がる。ゾンビ化していなければ死んでいただろうダメージを負っていた。
「どれほど強くとも、覚悟があれば乗り越えられるであります!」
覚悟の分だけ先に体勢を立て直していた火花が接近し軍刀で斬り掛かる。
「然り、見事な覚悟成り!」
それを謙信は毘沙門刀で受け止めた。
「ならば私も覚悟しよう。命を燃やしてでも勝利すると!!」
そして浮かぶ毘沙門刀が一斉に襲い掛かり、軍刀で受けようとする火花を吹き飛ばした。
大成功
🔵🔵🔵
サツキ・ウカガミ
ゾンビ化されて、色々思うところでもあるかな、と懸念してたんだけど……落ち込んでないなら何よりだよ。気兼ねなく戦えるね!
さて、武芸者として立ち会ってみたい気持ちもあるけど……軍神相手に真っ向勝負出来るかは、不安かも。今回は、搦め手から攻めさせてもらうよ。
手裏剣の[ナイフ投げ]や刀での[斬撃波]で攻めて、毘沙門刀の間合いに入らないように立ち回る。天変地異をおこされたら[気配感知]で初動を[見切り]、【瞳術『忍夜皐曲者』】。天変地異と謙信自身の無意識に干渉したら、さてどうなるかな?
現象が謙信に向かって自滅させられるなら御の字、そうでなくても暴走したり、制御困難に陥ったりするなら、その隙に[ダッシュ]で近づき、[不意打ち]の[急所突き・2回攻撃]。
ちょっとした感情の揺らぎで、完璧に見えた作戦も崩れちゃうんだよね。さぁ、ここは通らせて貰うよ!
「この仮初の命、戦い燃え尽きるまで死合おうぞ!」
既に死してもおかしくない傷を負った上杉謙信は、果てるまで戦わんと毘沙門刀を構えた。
「ゾンビ化されて、色々思うところでもあるかな、と懸念してたんだけど……落ち込んでないなら何よりだよ。気兼ねなく戦えるね!
サツキは笑顔で死闘を楽しんでいる謙信の前に立つ。
「さて、武芸者として立ち会ってみたい気持ちもあるけど……軍神相手に真っ向勝負出来るかは、不安かも。今回は、搦め手から攻めさせてもらうよ」
12の毘沙門刀を操る謙信と真っ向からやり合うのは危険と感じ、手裏剣を投げ太刀【月牙】を振るって斬撃波を飛ばす。それを謙信は浮かべる毘沙門刀で受け止めた。
「間合いに入らせぬつもりか」
謙信がじりじりと詰め寄ろうとするが、サツキは遠距離攻撃をしながら距離を保つ。
「ならば全てを消し飛ばすのみ」
謙信が毘沙門刀を掲げて天変地異を起こす。炎と風が渦巻き地獄のような紅蓮の光景が生み出された。
「視えてるよ」
その初動を見切ったサツキもユーベルコード『|瞳術『忍夜皐曲者』《ドウジュツ・シノビヨルメイハクセモノ》』を発動し、瞳をサツキ模様に変化させて見つめ天変地異と謙信の無意識に干渉する。
「さてどうなるかな?」
巻き起こる炎の渦はサツキを傷つけまいと遠ざかる方向に動く――それは謙信が居る方向に進み自身が起こした炎の渦に呑み込まれた。
「――これは! 私の心に干渉したか!」
想定外の動きをする炎に謙信は己が心に揺らぎを感じ、サツキへと鋭い視線を向ける。
「ならば!!」
謙信は炎の中を駆け抜け、サツキに向けて接近することで炎の嵐から飛び出す。
「自滅してくれるほど甘い相手じゃないか。それなら止めはボクの手で――」
対するサツキも逃げずに月牙を振るって斬撃波を飛ばす。それを謙信は毘沙門刀を振るって弾く。
「我が一撃、受けてみよ!」
間合いに入った謙信が手にした毘沙門刀を大上段から、そして浮かべる毘沙門刀を左右から振り抜く。だがサツキと眼が合い無意識に狙いが逸れる。
「瞳術か!!」
謙信は瞳術に抗い剣を振り抜く。しかし僅かなずれが起こりサツキはすり抜けるように攻撃を躱して背後に回り込む。
「ちょっとした感情の揺らぎで、完璧に見えた作戦も崩れちゃうんだよね。さぁ、ここは通らせて貰うよ!」
サツキは月牙を振り下ろし、謙信の身体を袈裟斬りに断ち切った。
「……見事」
力の限りを尽くした謙信は満足そうにそう告げると、倒れて跡形もなく消滅する。
「後は晴明クルセイダーだけだね。急ごう!」
仲間と共にサツキは城の奥にある『ぱらいそ礼拝堂』へと向かった――。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『憑装猟書家『晴明クルセイダー』』
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POW : 十字槍「人間無骨」
【十字型の槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【体内の骨を溶かす光線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 憑装侵略蔵書「ぱらいそ預言書」
【預言書に書かれた未来の記述を読むことで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 『魔軍転生』秀吉装
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:kawa
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ぱらいそ礼拝堂
「謙信が破れましたか」
晴明クルセイダーが上杉謙信が破れたのを感じ取る。
「やはりゾンビ化していては能力は劣りますか。ですがいずれ量産して数で押し切れば猟兵といえども蹴散らせるようになるでしょう」
魔軍将ゾンビの量産化という恐ろしい計画を実行せんとしていた。
「ともあれ、乗り込んで来た猟兵は私が相手をしましょう。晴明クルセイダーとなった私の連続ユーベルコードによる攻撃に耐えられる者などいるはずがありません」
クルセイダーの身体を乗っ取った晴明が新たに得た力で猟兵を蹴散らそうと楽しそうに嗤った。
ミヤビクロン・シフウミヤ
※アドリブ大歓迎、UCの秘密設定や自己紹介を見てくれると嬉しいです。
さて、まずはUCの為にあの鬱陶しい雑魚をある程度減らす必要があるな。
雷神炉心で雷撃の威力の限界を越えた雷霆煌剣で秀吉装を斬り減らす。
敵の攻撃は金煌眼とNSSで躱し切る。金煌眼の前では全てが遅い、そしてNSSで超加速、超速移動が可能。敵の攻撃はまず当たらない。
ある程度減らしたらクルセイダーに急接近し雷霆煌剣を雷花の嵐に変える。無数の「因果を斬る金色の雷属性の鋼のカトレア」の花びらに変えられた花びらで、私から半径131m内の指定した全ての対象を攻撃する。勿論、範囲内の全ての敵が対象だ。私に攻撃は当たらない、攻撃予測は数で押し切る。
●決戦
「猟兵を盛大に出迎えねばなりませんね」
晴明クルセイダーは毛むくじゃらの動物のような姿をした豊臣秀吉を無数に連続召喚して軍勢を作り出した。
「フェンフェン!」
元気に秀吉軍は晴明クルセイダーを護るように陣を築く。
「さて、まずはユーベルコードの為にあの鬱陶しい雑魚をある程度減らす必要があるな」
ミヤビクロン・シフウミヤ(|星煌冥奏《スターグリッター・オルフェウス》・f04458)は【|雷神炉心《ドンナー・ケルン》】で雷撃の威力の限界を越えた【|雷霆煌剣《ヴィブロ・ケラウノス》】を手に斬り掛かり、秀吉を片っ端から斬り捨てて消滅させていく。
「数で押し切りなさい」
命を受けて秀吉が四方八方から一斉に飛び掛かる。だがそこには既にミヤビクロンの姿はなかった。
「金煌眼の前では全てが遅い」
ミヤビクロンは【|金煌眼《ミオ・ペンタグラム》】の瞬間同時並列思考によって最適な行動を選び【|NSS《ナイトシューティングスター》】の超加速と移動で躱し金色の刀を振るって秀吉を斬り裂く。
「ほう、これだけの軍勢に果敢に切り込みますか」
その様子を晴明クルセイダーは愉しそうに眺めていた……。
「少しは減ったか。そろそろ仕掛けるとしよう」
動き回って斬撃を放ち続け道を切り開いたミヤビクロンが、晴明クルセイダーへの距離を詰めてユーベルコード『|雷花の嵐《カトレア・ドンナーブリューテンブラットシュトルム》』を発動する。
「汝、醜き|悪《オブリビオン》ならば優雅たる我が花の嵐で斬り裂く尽くそう。あぁ、斬り裂かれるあなた達は美しい。創生、雷花の嵐」
雷霆煌剣が無数の「因果を斬る金色の雷属性の鋼のカトレア」の花びらへと変わり、範囲内の秀吉を纏めて切り裂きさらには晴明クルセイダーの全身を金色が包み切り裂いていく。
「なるほど。範囲攻撃ですか。秀吉相手には正しい判断です」
晴明クルセイダーは傷つき血を流しながらも他人事のように態度を変えない。
「ではこちらも範囲攻撃といきましょう」
晴明クルセイダーは範囲外にまだまだ残っている秀吉に、花びらの射程の外から包囲させた。すると秀吉の腹部のスペードマークから漆黒の光線が一斉に放たれる。
「私に攻撃は当たらない、だが近づけないか」
ミヤビクロンは前方が全て黒く塗り潰されるような光線に後退を余儀なくされた。
大成功
🔵🔵🔵
煙草・火花
ユーベルコードの連続使用
それを活かすならば、あの預言書の力を併用する他ないでしょう
で、あれば……
槍と切り結びながら体の一部を可燃ガスに変化させながら周囲に広げていくであります
広がったタイミングを見計らい、あえて槍の直撃を受けましょう
そこから一気に体の大部分をガス化
その攻撃の弱点
それは未来予知には預言書を読む必要があること、そして槍を当てるなら近づいてなければならないこと!
であるならば、未来予知の欠点……避けれない攻撃を撃ち込むのも難しくないであります!
この距離で果たして周囲ごと吹き飛ばすことになればどうなりますかな!
軍刀の着火装置で広げた可燃ガスを一気に爆発させるであります!
「流石は猟兵。ですが私もこの身体を手に入れて強化されています。簡単にはいかせませんよ」
血を拭った晴明クルセイダーは十字型の槍を構え、ユーベルコードによって体内の骨を溶かす恐るべき光を纏わせて斬り掛かった。
「ユーベルコードの連続使用。それを活かすならば、あの預言書の力を併用する他ないでしょう。で、あれば……」
火花は続くユーベルコードを予測しながら、【七◯◯式軍刀丙】を振るって切り結び火花を散らす。
「この光に触れれば体内の骨を溶かす。さあ、どこまで凌げるか見物です」
愉しむように晴明クルセイダーが槍を振るい、それを火花は弾いて防ぐ。そうして火花は攻撃を防ぎながらユーベルコード『ファイア・ワークス』を発動し、身体の一部を可燃ガスに変化させて周囲に広げていく。
「さて、そろそろ仕留めましょうか」
詰将棋のように晴明クルセイダーが巧みに槍を操り火花の体を崩すと、スピードを上げて心臓目掛けて槍を突き出す。それを火花は敢えて受け、一気に身体をガス化させた。
「手応えが軽い……なるほど、身体を気体に変えて躱しましたか」
晴明クルセイダーは相手の動きを予測するべく「ぱらいそ預言書」へと視線を向ける。
「これは――」
それを読んだ晴明クルセイダーの眉間にしわが寄る。
「その攻撃の弱点。それは未来予知には預言書を読む必要があること、そして槍を当てるなら近づいてなければならないこと!」
火花は今から未来を知っても手遅れだと軍刀の着火装置を起動する。
「であるならば、未来予知の欠点……避けれない攻撃を撃ち込むのも難しくないであります!」
広げた可燃ガスが一気に爆発し、避けようのない攻撃に呑み込まれて晴明クルセイダーは燃えながら吹っ飛んだ。
「誘い込まれていたわけですか。油断していました」
晴明クルセイダーは起き上ると槍を一振りして炎を掻き消す。その身体は焼け焦げているが、顔は愉快そうに笑みを浮かべていた。
「いいですね。もっとこの騒乱を愉しむとしましょう」
生き死にも遊戯と思っているように猟兵と向かい合った。
大成功
🔵🔵🔵
サツキ・ウカガミ
本当、やり方が碌でもないね。ここで仕留めてやる!
連続ユーベルコードは厄介。わかるよ。
ボクも二つ同時に使えるからね!
憑装侵略蔵書「ぱらいそ預言書」対策に、
【瞳術『忍夜皐曲者』・蛇】で【火輪竜巻の術・改】を補助。
火輪竜巻のことは分かっても、瞳術での硬直まで読み取れるかな?
たとえ技が読まれていても、ボクの火輪竜巻は避けさせないよ。
初手が十字槍「人間無骨」なら、
初動を[気配感知]で[見切り]瞳術で硬直させる。
タイミングをずらせば避けるのも難しくないし、
[不意打ち]で火輪竜巻をお見舞いしてあげるよ。
次に『魔軍転生』秀吉装が来ても、竜巻で即攻撃できるね。
初手が『魔軍転生』秀吉装なら、召喚したタイミングを[気配感知]して即
晴明クルセイダーに瞳術。意思疎通される前に火輪竜巻を発動させる。
秀吉だからってわけじゃないけど……余計な茶々は入れさせないよ?
十字槍「人間無骨」が続くなら、竜巻で[武器受け]して[軽業]で避ける。
隙が出来たら、竜巻に紛れ近づき[急所突き]での[暗殺]。
反吐が出る悪行も、ここまでだ!
明・金時
……いやまあ確かに元のヤツに多少同情はしたけどよ
今となっちゃ中身アレだろ……?
まともに相手するだけ疲れそうだよな、お喋りタイムはここまでだ
……さて
三択問題が二回あるワケだが
一回は俺のユーベルコヲドに対抗する関係上、フェンフェンの集団が来ると見ていいだろ
問題は残り一回
後手にはなるが、相手の動きをよく見るしかねェな
槍を構えるなら草凪の薙刀で★受け流し
本を開くなら敢えてユーベルコヲドでなく、山吹光の手槍で攻撃(相手の回避行動を消費させるため)
フェンフェンが増えるようなら敢えてこれも★受け流しで倒さず往なすに専念し
産めよ増えよ地に満ちよ
なんてよく言ったモンだな
だがこっちとしちゃあ好都合――
全員、散れッ!!!!!!
(ユーベルコードで大反響)
ハハ、驚いたか?
俺の声はよォく通るんだ
相手を見誤ったのは――
果たしてそこの少年だけだったかな
「さあ、急いで私は止めないと世界は愉快なことになりますよ?」
笑みを浮かべる晴明クルセイダーは十字槍を構え、止めたくば命を懸けろと誘う。
「本当、やり方が碌でもないね。ここで仕留めてやる!」
サツキは怒りを込めて睨みつけ、絶対に止めてみせようと気合を入れる。
「連続ユーベルコードは厄介。わかるよ。ボクも二つ同時に使えるからね!」
対抗してユーベルコード『|瞳術『忍夜皐曲者』・蛇《ドウジュツ・シノビヨルメイハクセモノ・ジャ》』を発動し、瞳をサツキ模様に変化させた。
「瞳術ですか、どれほど視えているか試してみましょう」
晴明クルセイダーが踏み込み鋭く槍を突き出す。その動きをしっかりと瞳に映したサツキは瞳術で僅かな間硬直させる。そして飛び退くと遅れて槍が空を切った。
「金縛りの類ですか。では目で追えぬほどの数で攻めるとしましょう」
晴明クルセイダーは連続してユーベルコードを使い猿のような獣の姿をした秀吉を無数に呼び出す。
「フェンフェン!」
その軍勢が瞳に映らぬよう四方八方から迫る。
「瞳術が無理でも、他の手があるよ」
敵の行動を予測していたサツキはすぐに大天狗の羽団扇を振るって『|火輪竜巻の術・改《カリンタツマキノジュツ・アラタメ》』を発動し、渦巻く炎の竜巻を起こして秀吉達を飲み込んで消滅させていく。さらに炎は広がって晴明クルセイダーを呑み込んだ。
「私と同じように二つのユーベルコードを使うとは、想定以上の力です」
少々驚いた顔で晴明クルセイダーは槍で炎を切り払う。だが身体は焼けて煙が上がって消耗していた。
「ですがまだ私は倒し切れませんよ。さあ、急ぎ私を倒さなくては世界はゾンビが溢れる愉快な地獄絵図となりますよ?」
挑発するように晴明クルセイダーは両手を広げ、運良く残った秀吉達を襲い掛からせた。
「絶対に倒してやる!」
サツキはその遊び気分で世界を滅ぼそうとする敵に腹を立て、秀吉を
「……いやまあ確かに元のヤツに多少同情はしたけどよ。今となっちゃ中身アレだろ……?」
金時は乗っ取られた体の持ち主には同情できたが、世界を玩具のように壊そうとしている晴明には悪感情だけを抱いた。
「まともに相手するだけ疲れそうだよな、お喋りタイムはここまでだ」
無駄話をして相手のペースに付き合うつもりはないと薙刀【草凪】を構える。
(……さて。三択問題が二回あるワケだが。一回は俺のユーベルコヲドに対抗する関係上、フェンフェンの集団が来ると見ていいだろ)
敵の様子を窺いながら金時は敵の攻撃パターンを予測する。
(問題は残り一回。後手にはなるが、相手の動きをよく見るしかねェな)
そこはスタアとして鍛えたアドリブ力でなんとかしてみせようと魅力的な笑みを浮かべた。
「おや、何か企んでいる顔ですね。面白い。ではこちらから行きましょう」
罠があるならそれを愉しもうと、晴明クルセイダーが正面から踏み込み光纏う槍を突き出す。
「当たれば骨が溶けてしまいますよ」
「なら当たらなけりゃいいだけだろ」
金時は横に一歩動きながら薙刀で鳩尾を狙った槍を受け流す。
「次の一手でその涼し気な顔を崩してみせましょう」
晴明クルセイダーは続けてユーベルコードを使い、無数の豊臣秀吉を召喚する。
「フェン!!」
秀吉は包囲して槍を避けられないように妨害しようとする。
「産めよ増えよ地に満ちよ、なんてよく言ったモンだな。だがこっちとしちゃあ好都合――」
そんな状態でも余裕を崩さず、待ってましたとばかりに金時はユーベルコード『|其ハ神ノ威也《ソハカミノイレイナリ》』を発動する。
「全員、散れッ!!!!!!」
どこに居ても聴こえるような大声を発し、びっくりした顔の秀吉達に音が浸透してダメージを与え消滅させていく。
「ハハ、驚いたか? 俺の声はよォく通るんだ」
秀吉の群れが消え去ると金時は耳から血を流す晴明クルセイダーへと視線を向ける。
「相手を見誤ったのは――果たしてそこの少年だけだったかな」
そして薙刀を一振りして胴を薙いだ。
「音ですか……なるほど、これはしてやられたようです」
腹からどくどくと血を流す晴明クルセイダーは後退して仕切り直そうとする。
「残念だがこの戦いにはカットなんてモンはねェ」
金時が返した薙刀で再度斬撃を浴びせると、晴明クルセイダーは槍で受け止め火花が散る。
「この程度の傷ならばまだ戦えますよ」
「いいや、これで仕舞いさ」
金時が薙刀の柄を押し込み晴明クルセイダーの槍の柄と押し合い動きを止めた。
「これで決める!」
その隙を突き、背後から飛び掛かったサツキが大上段に構えた太刀【月牙】を振り下ろす。ざっくりと後頭部から背中を切り裂き血が噴き出した。
「これはしくじりましたね。ですが一人二人道連れがほしいところです」
瀕死になっても危機感のない晴明クルセイダーは、振り返りながらサツキに向けて槍を突き出す。だがその手がピタリと止まった。
「ボクの瞳術の方が速いよ」
サツキの瞳に晴明クルセイダーの姿が映り金縛りに掛ける。
「こちらが本命と思いましたが、騙されましたか――」
「道連れが欲しいんなら、その身体の持ち主と一緒に逝きな」
金時が薙刀を横一閃に薙ぎ、晴明クルセイダーの首を刎ねた。その顔は最期まで他人事のように嗤っていた……。
「どんだけ強くても油断してりゃ勝てるモンも勝てねェさ」
金時は当然の結末だと、悪党らしい最期を見届けた。
「ボクたち猟兵の勝ちだね! 勝利を報せに帰ろう!」
笑顔のサツキは共に戦った猟兵に呼びかけ、皆で意気揚々と帰還した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵