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闇の救済者戦争⑱〜三つ首ケルベロス

#ダークセイヴァー #ダークセイヴァー上層 #闇の救済者戦争 #禁獣『ケルベロス・フェノメノン』

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#禁獣『ケルベロス・フェノメノン』


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●禁じられし獣
 ――我らが|惑星《ほし》には、何人たりとも近付かせぬ。
 そう、三つ首の獣――『ケルベロス・フェノメノン』は断言する。
 例え悪心無き勇者であっても、我らが|惑星《ほし》に到達する可能性もある者は全て打ち砕く、と。
 それは六番目の猟兵とて例外なく、と。
 いずれ『|重力の鎖《グラビティ・チェイン》』が猟兵を導くならば、その前にここで殲滅してくれる! と、咆哮したのだ。

●グリモアベースにて
 ダークセイヴァーの戦争もいよいよ佳境に向かいつつある中、祈りの双子によって封印を解かれた『究極禁獣』の一体である『ケルベロス・フェノメノン』への道が開かれたと、深山・鴇(黒花鳥・f22925)が集まった猟兵に告げる。
「こいつがね、数百mの巨体を誇り、強靭な肉体、無尽蔵の魔力と呪詛、オーバーテクノロジーの機械兵器など、ありとあらゆる軍事兵器を保有する三つ首の獣だそうだ。なんでもあり、ってところだね」
 しかも禁獣は無敵、制圧しても滅ぼすことはできない――と言われていたのだが、月光城砦群を制圧し、隠されていた『欠落』が破壊されたことにより無敵能力は無効化されている。
「とはいえ、桁外れの強さと生命力を持つ事に変わりはない。通常通りに戦えば苦戦は必至……なんだけれどね、どうやらこの敵は攻撃を放つと同時に時折体内から一振りの『|小剣《グラディウス》』を落とすらしい」
 通常の武器としては使えないものらしいが、何故かケルベロス・フェノメノンに対して放つユーベルコードの力を大幅に増幅させる力を持っているのだ。
「つまりね、こいつを利用して増幅させてユーベルコードを叩き込み続ければ勝ちの目もあるってことさ」
 まずは敵の攻撃を何とか対処し、小剣を拾わなければならないのだけれど。
「お前さん方なら出来るだろう?」
 出来なければ、などと彼は言わない。出来ると信じているからだ。
「ああ、それとね。この戦場を制圧すると、光り輝く大量の小剣が残るそうだ。これがどうやら『どこかの世界』に繋がる力を秘めているようでね」
 獲得すれば、この戦争が終結したあとに調査が行われることだろう。
「持って帰っても構わないんだが、調査の時には貸して貰うことになるからね」
 その点だけよろしく頼むよ、と鴇が笑う。
「さて、それじゃ準備はいいかい?」
 手の中に煙のように形を変えるグリモアを呼び出して、鴇が猟兵達を見遣る。開かれたゲートの先は、恐るべき三つ首が待ち受ける戦場。
「気を付けていっておいで」
 そう言って、鴇はゲートへと向かう猟兵達を見送った。


波多蜜花
 閲覧ありがとうございます、波多蜜花です。
 何とか戦争依頼に滑り込みです、よろしくお願いします。

●プレイングボーナス
 |小剣《グラディウス》を拾い、ユーベルコードを増幅する。
 以上となります。小剣は敵が攻撃をしてからぽろっと落とすので、まずは一撃何とか凌いでいただけるようなプレイングですと判定が有利になります。

●プレイング受付期間について
 公開されてからすぐの受付となります。〆切は特に設けず完結成功数+書けるだけの採用になりますが、プレイングが送れる間は送ってくださって大丈夫です、先着順ではありません。
 できるだけ早く完結させたいと思いますので、全採用できるかはわかりません。頑張りたいとは思いますが、その点だけご了承くださいませ。

●同行者について
 同行者が三人以上の場合は【共通のグループ名か旅団名+人数】でお願いします。
 例:【闇戦3】
 プレイングの失効日を統一してください、失効日が同じであれば送信時刻は問いません。朝8:31~翌朝8:29迄は失効日が同じになります(プレイング受付締切日はこの限りではありません、受付時間内に送信してください)
 未成年者の飲酒喫煙、公序良俗に反するプレイングなどは一律不採用となりますのでご理解よろしくお願いいたします。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『禁獣『ケルベロス・フェノメノン』』

POW   :    グラビティブレイク・フェノメノン
【自身の肉体または武装】に触れた対象の【肉体を地表にとどめている重力】を奪ったり、逆に与えたりできる。
SPD   :    インフェルノファクター・フェノメノン
命中した【機械兵器】の【弾丸や爆風】が【炎の如く燃え盛る『地獄』】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ   :    サイコフォース・フェノメノン
着弾点からレベルm半径内を爆破する【呪詛と魔力の塊】を放つ。着弾後、範囲内に【消えざる『地獄』の炎】が現れ継続ダメージを与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

日紫樹・蒼
性格:弱気
性質:ヘタレ
※どんな酷い目に遭っても構いません

「あわわ……な、なんで僕が、こんな強そうなのと戦わなきゃいけないの!?
敵の巨体にビビりまくって、まともに動けません
しかし、瀕死にならないとUC発動できないので、攻撃を避けたり耐えたりしなくてもある意味OK
攻撃を食らってズタボロの蒼に代わって、グラディウスはUCで出現した水の悪魔ウェパルが拾ってくれるでしょう

なお、ウェパルはドSなので、蒼をブン投げることに躊躇いはありません
グラディウスは蒼の尻にでもブッ刺して、そのまま魚雷として敵に投げつけます
『うふふ……この小剣の力を上乗せしたら、物凄い威力になりそうね
「うわぁぁぁん! 嫌だぁぁぁぁ!



●逆境アンモラル
 あんぐりと口を開け、日紫樹・蒼(呪われた受難体質・f22709)は山とも見紛うようなケルベロス・フェノメノンを見上げた。
「あわわ……な、なんで僕が、こんな強そうなのと戦わなきゃいけないの!?」
 そも、どうしてこの戦場に来てしまったのか――話せば長くなるので割愛するが、だいたい水の悪魔のせいである。
「そうだ、今からでも逃げれば……」
 戦略的撤退というやつだ、何せこの場には自分よりも強い猟兵が大勢いる、自分なんか足手纏いもいいところ……と、そろりと足を後ろに向けようとしたところでケルベロス・フェノメノンと目が合った。
「ひ……っ」
 地獄に覗き込まれるような、眼光鋭きその瞳が蒼を猟兵と判断する。
「あ、あ……」
 逃げなければ、という思いはあれど恐怖のあまり蒼の身体は言う事を聞いてくれない。だから、その三つ首の獣の前足が己を圧し潰そうと動いたとしても、避けることなど――。
 あ、死んだなと蒼は走馬灯が巡るかの如く、ゆっくりと巨大な影が自分を圧し潰すのを感じながら、自分はここで終わるのかと閉じかけた赤い瞳で、自動召喚により水影の腕輪より現れ出でた水の悪魔ウェパルが|小剣《グラディウス》を拾うのを見ていた。
『うふふ、やっと出られた。あらやぁね、ズタボロね?』
「うわぁぁぁぁん!!!」
 戦場に蒼の泣きの入った声と、ウェパルの楽しそうな声が響く。
「やだやだやだやだぁぁぁ! 酷い事する気だよね、知ってるんだからね!」
『うふふ……この小剣の力を上乗せしたら……物凄い威力になりそうね?』
「嫌だぁぁぁぁ!!!」
『もう、うるさいお口ね』
 ちょっと黙ってて、くらいの軽い口調でウェパルが小剣を蒼の無事だったお尻へと真っ直ぐに落として突き刺す。
「ひ!?」
『はい、いってらっしゃい』
 首根っこを掴み、ウェパルが蒼をケルベロス・フェノメノンに向かって――魚雷よろしく投げつけた。
「うわぁぁぁぁん!! どうして僕はいつもいつもこんな目に合うんだぁぁぁぁ」
『そういう星の元に生まれたからよ』
 ドップラー効果で響く蒼の声を心地よさげに聞きながら、『ああ、ほら。綺麗に風穴が開いたじゃない』とウェパルは艶然と微笑むのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フォルク・リア
グラビティテンペストを発動して敵の攻撃を斥力で防御し。
重力の方向を操作し【残像】を発生させつつ反転、
加速を繰り返して敵を攪乱。
移動時も敵が放った地獄の炎は極力避け、
敵が小剣を落とす瞬間を見逃さない様に攻撃時の動きを【見切り】、
小剣を見つけたら見失わない様に常にその場所を把握。

小剣を拾う時にも敵にその瞬間を狙い撃ちされない様に
直線的には行かずに重力操作で小剣を空中に跳ね上げて
自らも跳躍。空中で小剣を手にして落下しながら加速、
小剣にグラビティテンペストの力を込めて
敵に叩き付け、着地後も重力で切り裂く様に連続して攻撃。
「確かに頑強な身体だが。
無敵じゃないなら希望はある。倒れるまで攻撃するのみだ。」



●重力よ、吹き荒れろ
 飾りの付いたフードを目深に被った男が、その瞳を覗かせることなくケルベロス・フェノメノンに視線を向ける。
「随分と大きな獣だな」
 数百メートルもある巨体、それは普通であれば成す術なく蹂躙される圧倒的な力――けれど、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)にとってはそれこそが突くべき隙であった。
 轟、と空気が震えると同時に隕石かと見紛うような呪詛と魔力の塊がフォルクに向かって放たれる。
「黒砂の陣風よ」
 発動するはクラビティテンペスト、この戦場に影響する重力と斥力を操る力。
 互いに反発しようとする力を用いてケルベロス・フェノメノンの攻撃を凌ぎ、重力の方向を指定し操作を繰り返せば反転と加速を繰り返し敵の目を撹乱していく。
「地獄の炎……ケルベロスといえば地獄の番犬だったな」
 その炎をみすみすくらうつもりはないと、重力を操りながらフォルクは|小剣《グラディウス》がケルベロス・フェノメノンから落ちる瞬間を待った。
「……あれだ」
 きらりと光りを帯びた何かが落ちてくるのを目視すると、フォルクは小剣を拾う瞬間を狙い撃ちされぬように重力を操作し、小剣を空中へと跳ね上げる。それと共に、自身も地面と反発するように跳躍すると落下する小剣へと手を伸ばした。
「これが|小剣《グラディウス》」
 猟兵がケルベロス・フェノメノンにのみ放つユーベルコードの力を増幅する、『どこかの世界』に繋がる力を秘めた小剣。
「力を借りるよ」
 落下する速度をあげると、フォルクがケルベロス・フェノメノンに向かってユーベルコードの力を発動する。
「押し潰せ、引き千切れ、黒砂の陣風を以て。其の凄絶なる狂嵐の前には何者も逃れる事能わず。ただ屍を晒すのみ。吹き荒れよ、滅びの衝撃」
 重力の力をケルベロス・フェノメノンへと叩きつけ、斥力によって着した後も間断なく重力で切り裂くさまをイメージし、連続した攻撃を放った。
「確かに頑強な身体だが。無敵じゃないなら希望はある」
 欠落を破壊された今ならば、あの獣を地に伏せることも可能だとフォルクが小剣を手に重力を操って。
「倒れるまで攻撃するのみだ」
 有言実行とばかりに、フォルクはかの獣が地に伏せるまで攻撃の手を止めることはなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィルヘルム・スマラクトヴァルト
まずは、小剣を拾うところからですね。
ケルベロス・フェノメノンの攻撃を誘発するべく、
その攻撃が当たりそうで当たらない位の位置で、
【第六感】を働かせながら攻撃を【見切り】回避します。
耐久力には自信はありますが、序盤は敢えて回避重視で行きますよ。
よしんば被弾しても緑の大盾による【盾受け】などを駆使し、
【継戦能力】を発揮します。

そして、小剣を拾えたらUCを発動して、敵のUCを緑の大盾に当てます。
「千倍返しだ!」
実際に威力が千倍になっているかどうかはわかりませんが、
ただでさえ強力なUCの威力を大幅に増幅して反射されれば、
これだけの巨体を有するケルベロス・フェノメノンとて
ひとたまりも無いでしょう。



●禁獣のものは禁獣へ
 さて、とウィルヘルム・スマラクトヴァルト(緑の騎士・f15865)はケルベロス・フェノメノンを見上げ、僅かに微笑む。
「まずは|小剣《グラディウス》を拾うところからですね」
 そうでなくては話にならないのだ、やるしかあるまいとエメラルドの化身のようなクリスタリアンは神経を研ぎ澄ませた。それから、敵の攻撃を誘発するべく自らの存在をアピールするかのように、攻撃が当たるか当たらないかの位置を探る。
「……とはいえ、あの大きさですからね」
 当たらない、というのは無理があるだろう。それでも被害を最小限に抑えることはできるはずだと、距離を見極めるべく敵の動きを窺った。
 その動きに気付いたケルベロス・フェノメノンがウィルヘルムに向かい、己の背後から弾丸を放つ。遠くから見てもその大きさはかなりのもの、直撃を避ける為に弾道を読みつつ戦場を駆ける。
「……っ!」
 弾丸の直撃は避けた、けれどその弾丸が地面に当たった直後――炎の如く燃え盛る『地獄』へと変形し、ウィルヘルムへ襲い掛かるなどは想定外だ。
「けれど、私にはこの盾がある!」
 パラディンたる自身を、そして仲間を守ってきた緑の大盾を構え、獣にも負けぬ咆哮と共に『地獄』を受け止める!
「さすが、惑星を守る番犬といったところか……っ」
 その威力に身を焦がそうとも、ウィルヘルムに後退の文字はない。大盾を構えながら戦場を駆け抜け、ケルベロス・フェノメノンが落とした|小剣《グラディウス》をその手に拾い上げた。
「今度はこちらの番だ」
 ウィルヘルムが手にした小剣はケルベロス・フェノメノンに対して放つユーベルコードを増幅する――お手並み拝見といこう、とウィルヘルムは避けることも無く、ケルベロス・フェノメノンが放った弾丸から生まれた地獄を真っ向から手にした緑の大盾で受け止めた。
「さあ、この緑の大盾で受け止めたユーベルコード、そっくりそのまま返してやる!」
 緑の大盾から敵が放ったものよりも大きな弾丸が生み出され、ケルベロス・フェノメノンに向かって放たれる。
「千倍返しだ!」
 実際に威力が千倍になっているかどうかはわからないけれど、これだけ強力な力を大幅に増幅し返すとなれば、いかな巨体を有するケルベロス・フェノメノンとて無傷ではいられまい。
「己が地獄に焼かれるがいい」
 燃え盛る炎を前にして、緑の騎士は三つ首の獣へと言い放つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
これだけの巨体が相手だと
ちょっと体の一部が当たっただけで致命傷になりかねないね…

だから【集中力、気配感知、聞き耳】で
僅かな動き、予備動作も察知しての回避重視
更に【破魔】と【呪詛耐性】、水魔法を乗せた【オーラ防御】を纏うことで
呪詛と炎双方のダメージを少しでも軽減

翼の【空中戦】を主軸に
なるべく一か所に留まらず飛び回る事で少しでも狙いを定めさせないようにして
それでいて一度だけでも向こうから攻撃をしかけてくれるように
【高速詠唱】で氷魔法の【属性攻撃、範囲攻撃】で凍結狙い
一瞬でも足止めしつつ気を引き
小剣を見つけ次第敵の動きを搔い潜って取得

【紅色鎌鼬】を発動し
数百と量産した鎌の遠隔操作、【なぎ払い】で攻撃



●空へと解き放て
 ケルベロス・フェノメノンの巨体を視認した栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、きゅっとその可愛らしい眉根を寄せる。
「これだけの巨体が相手だと、ちょっと体の一部が当たっただけで致命傷になりかねないね……」
 その足が……いや、尾の一振りでも容易く吹き飛ばされるだろうと澪がケルベロス・フェノメノンを見上げた。
「僕にできる精一杯で……うん、いつもと変わりなくやるだけだよね!」
 これまでにだって巨大な敵と戦ってきたのだ、今更怖気づくわけもないと澪が五感の全てを研ぎ澄ませるようにして、ケルベロス・フェノメノンの動きを見る。一挙手一投足のその全てを見逃すまいとし、全ての動きを回避行動へと振った。
「地獄の炎がどれほどのものかはわからないけど……」
 破魔の力と呪詛への耐性、更には水魔法をのせたオーラを纏い、ケルベロス・フェノメノンの攻撃に備える。
「……来るっ!」
 それは正しく呪詛と魔力の塊のような禍々しさを以って、澪目掛けて襲い掛かる。少しでもその場から離れるように、地を蹴って翼を羽ばたかせると澪が宙を舞う。
「なるべく一ヶ所に留まらないように……!」
 空中戦ならば少しはこちらにも分があると、あちらこちらに飛んでは敵の狙いを定まらせないようにしていたが、着弾した瞬間に広範囲に消えざる『地獄』の炎が燃え広がっていく。
「直撃じゃないだけマシだね」
 少しでも地獄の炎を鎮め、ついでにケルベロス・フェノメノンの足止めもできればと澪が凍結魔法を放ちながら、|小剣《グラディウス》を見つけるべく目を凝らした。
「あった!」
 燃え盛る大地に、燃える事無く突き刺さった小剣。ケルベロス・フェノメノンの動きを搔い潜るように澪が空を切り、小剣を手にすると同時に巨躯へ向かってユーベルコードの力を発動する。
「これでも鎌使いなんだよね、僕」
 手にするは透き通った美しい薄紅色をした鎌――清鎌曼珠沙華、澪は正しく敵意をケルベロス・フェノメノンへと向けて清鎌曼珠沙華を増殖させた。
「……いつもより段違いに多い!」
 澪の周囲に曼殊沙華が咲くかのように、増えた紅色の鎌が敵へとその刃を向ける。
「いくよ!」
 無数ともいえる刃は紅の花のようにケルベロス・フェノメノンに向かって解き放たれ、その鮮血を空へと咲かせた。
 繰り返し、繰り返し、何度だって。消えざる地獄の炎の中で、曼殊沙華は咲き誇る――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

…時は来たれり!
忌まわしき三つ首の禁獣よ…さぁ行くぞ…我が名はアンナ!処刑人が娘也!

敵が放つ機械兵器の弾丸や爆風を鉄塊剣による武器受けで盾代わりにして防御しよう
燃え盛る地獄が我が身に突き刺さろうとも我が身より生じる地獄の炎で取り込み力にして溜め
切断部位を接続して激痛を耐えよう
一振りの小剣を落としたら、ダッシュで駆け抜け小剣を我が手で掴もう

この一振りの小剣にその様な力が…ともかく…やるしかあるまい!

小剣を振るい【炎剣レヴァンテイン】を発動
地獄の劫火纏う斬撃波を放ち、鎧砕きと鎧無視攻撃で敵を焼却して吹き飛ばしてやろう…!

…凄いな…思った以上の力だ…!
…欲しいけど…駄目か…な…



●炎獄となりて
「……時は来たれり!」
 ケルベロス・フェノメノンを前にして、仇死原・アンナ(地獄の炎の花嫁御 或いは 処刑人の娘・f09978)は逃げも隠れもしない。それが無駄であることを悟っているからだ。
「忌まわしき三つ首の禁獣よ……さぁ行くぞ……我が名はアンナ! 処刑人が娘也!」
 地獄を知る娘は、呪われし処刑人の一族の娘は、鉄塊の如き巨大剣『錆色の乙女』を手にしてそう叫んだ。
 応えるように咆哮したケルベロス・フェノメノンがアンナに向かい、背にした機械兵器に装填された弾丸を打ち放つ。その巨大さは最早天災ともいえるレベル、それでもアンナは一歩も引かずに錆色の乙女を盾のように構え、炎の如く燃え盛る『地獄』に変形した弾丸を迎え撃った。
「ぐ……っ、これしきの、地獄!」
 地獄ならば、この身にも宿っている。どちらの地獄が勝つか、試してみるがいいとばかりにアンナの身体から生じた地獄の炎が逆巻いた。
 地獄の炎が吹き荒れる中、アンナはケルベロス・フェノメノンが落とした|小剣《グラディウス》を見逃さない。落ちてくるそれへと向かい、地獄の中を駆けてその手に掴む。
「この一振りの小剣にその様な力が……」
 俄かには信じられぬ話だが、ここで躊躇してはあの三つ首の獣は倒せないと即座に判断し、アンナが小剣を手に覚悟を決める。
「ともかく……やるしかあるまい!」
 小剣を振るい、アンナが炎剣レヴァンテインの力を発動させ、錆色の乙女へ地獄の劫火を纏わせた。
「三つ首の禁獣よ、お前にも黄昏は訪れるのだ……これは運命だ……!」
 その運命を導くのは他ならぬ自分、それはあたかも世界を焼き尽くしたとされるスルトのように。
「終末の炎に焼かれるのだ……誰も彼も神すらも……逃れる事は出来ない!!!」
 たとえ地獄の番犬であったとしても!
 アンナが錆色の乙女を振り被り、ケルベロス・フェノメノンへ地獄の劫火を放った。
 地獄と地獄がぶつかり合うような凄まじいエネルギーの奔流に、アンナが息を呑む。
「……凄いな……思った以上の力だ……!」
 手の中の小剣にちらりと視線を落とし、欲しいけど……駄目か……な……? とぽつりと呟く。
 ケルベロス・フェノメノンに対して放つユーベルコートの力を増幅させる力、それがどう使えるかはまだわからないけれど。
 どこかの世界に繋がる力を秘めていると案内した猟兵は言った、持ち帰ってもいいとも。
「調査の時に……貸せばいい……かな」
 うん、多分そのはず。その為にも、未だ倒れる事無く地獄をばら撒こうとするケルベロス・フェノメノンを倒さなくてはと、アンナは再び錆色の乙女を振りかざした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎
イグニシオンに[騎乗]しての[空中戦]
無敵能力が失われたとはいえ未だ圧倒的な相手、小剣を回収するまでは敵の攻撃を誘発しつつ[残像]による回避に専念する
蓄積された[戦闘知識]と研ぎ澄まされた[心眼][第六感]で敵の機械兵器による攻撃や爆風を避けながら小剣の落下を[見切り]、右掌に回収だ
ここからは小剣で増幅したUCで反撃
増幅されていつも以上の数、いつも以上の精度で複製されたイグニシオン分身体たちとの連携波状攻撃で獣を狩る
「行くぜ、イグニシオンズ。このわんこを押し流しちまいな。忘却された獣よ、再び眠れぇ!」

回収できそうなら小剣はそのまま回収しよう



●焔を上げよ
 その巨躯を見上げてもなお、久遠寺・遥翔(焔の機神イグニシオン/『黒鋼』の騎士・f01190)は動じることなく相棒たるフェンリルをオーバーフレームとする形で再設計したクロムキャバリア、イグニシオンに騎乗していた。
「随分とでかいわんこだな」
 わんこ、と呼んでいいようなレベルではないけれど、ケルベロスといえば三つ首もつ地獄の番犬。犬に変わりはないだろうと遥翔は軽口を叩きながらも、目の前の相手が圧倒的存在であることを知覚している。侮るつもりは毛頭ないが、あれが普通の犬のサイズであれば……。
「可愛いかもしれねぇじゃん?」
 なんてな、と言いながら、相手の攻撃を誘発するべく三つ首の前へと飛んだ。
 機体の操作は全て回避に専念し、自身は今までの経験から得た戦闘知識を元にケルベロス・フェノメノンが攻撃に出る瞬間を捉え、機械兵器から弾丸が放たれた瞬間に回避行動に移る。
「とはいえ、地獄とはな!」
 イグニシオンに迫る炎の如き地獄、それを|既の所《すんでのところ》で回避し、残像を残しながらケルベロス・フェノメノンが落とした|小剣《グラディウス》へとイグニシオンの右掌を差し出した。
「これが小剣か……お手並み拝見といこうじゃねぇの」
 回収したそれを掌で弄びつつ、威力が如何ほどのものかと遥翔がユーベルコードの力を発動する。
「|CODE-MIRAGE《コード・ミラージュ》駆動」
 咆哮を戦場に響かせるケルベロス・フェノメノンに向かって、対する男は静かに囁く。その言葉に呼応するように、イグニシオンの背後に召喚限界を超えた数のイグニシオンが複製されていく。
 それらの分身体はいつも以上の精度を誇り、遥翔が操縦するイグニシオンと同等の力を持っているのを感じ取り、遥翔は思わず手の中の小剣に視線を落とした。
「わんこにだけじゃなけりゃな……っと、無駄口はここまでだな」
 大量のイグニシオンの分身体はケルベロス・フェノメノンにとって、脅威と判断されたのだろう。こちらに向かって攻撃を仕掛けようとするのが見え、遥翔がイグニシオン分身体たちへ命令を下す。
「行くぜ、イグニシオンズ。このわんこを押し流しちまいな。忘却された獣よ、再び眠れぇ!」
 ケルベロス・フェノメノンに向かい、一斉にイグニシオン達が手にした機神太刀『迦具土』で襲い掛かる姿はまるで集団演舞のようにも見えた。
「イグニスの黒焔も喰らっていきな」
 大盤振る舞いだぜ、と遥翔が言えば、機神焔砲『天照』を手にしたイグニシオン達が一斉に火炎放射を浴びせかける。それはまさに、ケルベロス・フェノメノンを押し流す焔の濁流のようでもあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル

一瞬懐かしいような気がしたがそんな事もなかったでござる
だって見た事ねぇ気しかしないし…知らないケルベロス?みたいな?

インフェルノファクター…知らん…何それ…怖…
拙者の中の何かが「ンそれは違うよォ…」と囁いている!【機械兵器】なんか出てきたっけ?わからん!まあいいや目線を向けて爆破だ!イヨーポンポン!
撃たせる前に爆風で相殺させるなり潰すなりして武器封じすればいいんでござるよ!ついでに本体は銃撃して牽制でござる

グラディウスが落ちてきたら奥の方に着弾させて爆風でこちらに飛ばすんでござるよ
UCを増幅させて特大の爆発をお見舞いしてやりますぞ!何でUCなのに増幅するんでござるかね?知らん…何これ…怖…



●知らぬ三つ首
 あっるぇ~? と、エドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)がケルベロス・フェノメノンを見上げる。
「一瞬懐かしいような気がしたが、そんな事もなかったでござる」
 でも何か知ってる気もする……でもこんなの見た事ねぇ気しかしない……という、相反する思いを抱えつつ、なんとも微妙な顔をした。
「知らないケルベロス? みたいな?」
 そもそもケルベロスなんか見た事もないでござる、とエドゥアルトがどんどん目を細くしていく。
「今生で知らんならあれか、前世とかそういうやつかもしれないでござるな! わはは!」
 わはは! じゃねぇんだよ、と言わんばかりにケルベロス・フェノメノンがエドゥアルトに向かい、背負った機械兵器から弾丸を打ち放つ。それは炎の如く燃え盛る『地獄』となって、エドゥアルトへと襲い掛かった。
「あっづ!! なん、え? なんて??」
 インフェルノファクター??? 頑健=POWだろ、とエドゥアルトが吐き捨ててから、スンッと表情を消した。
「インフェルノファクター……知らん……何それ……怖……」
 頑健ってなんでござるか、自分が怖い。
「それにあれよ、機械兵器なんか出てきたっけ?? 拙者の中の何かが『ンそれは違うよォ……』と囁いている!!」
 戦場において混乱をきたした兵士は役に立たないと相場が決まっているが、どころがどっこい彼はエドゥアルトであるからして。
「わからん! まあいいや、目線を向けて爆破だ! イヨーッ! ポンポン!!」
 こうなりゃこっちだってサイコフォースだ! じゃねぇんですよ、理力=WIZだろなんでSPDなんだよ!!
「いや理力とか知らんですしおすし……」
 独り言を言い出したのでいよいよヤバいのかもしれない、いやでも彼はいつだってヤバいし。人間の腐れ外道パイロットがヤバくないはずがないのだ。
「おっ、あれが|小剣《グラディウス》でござるか」
 きらりと光る何かを視認し、エドゥアルトがその奥の方に着弾させ、爆風を利用して小剣を自分へと飛ばす。
「はいキャッチ!」
 こいつがあればこっちのもんよ、とエドゥアルトが小剣を手にユーベルコードの力を開放する。
「UCを増幅させて特大の爆発をお見舞いしてやりますぞ! おらっ、爆発しろっ」
 ドガァン! どころではない音がした、エドゥアルトの想定以上の爆破がケルベロス・フェノメノンを襲ったのだ。
「え……怖……っていうかでござるよ、何でUCなのに増幅するんでござるかね? 知らん……何これ……怖……」
 未知の力を持つ小剣を手に、エドゥアルトは恐怖を覚えながらも見知らぬ三つ首へ爆破を仕掛けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱酉・逢真
心情)さァて、ひッさしぶりに単独行動だ。俺らしィく戦おうじゃねェの。ケルベロスねェ…番犬にふさわしい名前だね。フェノメノンってこたァ生物的なナリをとった現象ってことなンかね? マアいいさ。先輩風は鬱陶しいものと相場が決まっている。逆風程度じゃア止まらないだろ、猟兵ってモンはさ。…オット俺もいまはそうだった。
行動)その足で潰されるか重力で潰されるか、どちらでもおンなじことだけどよ。触れた部分は腐り落ちると思えよ。俺の宿は潰れかけ、ちょうどいい。行け、少陽。見目は反転カラーの幼い俺だが、強さはダンチだぜ。何ンせお前さんが巨体だからねェ。そのチカラの量×質だ。頭の一個も貰っていくよ。



●陰中の陽
 武器もなく、防具もなく、ただ風に煽られるままに朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)は戦場に立っていた。
「ケルベロスねェ……番犬にふさわしい名前だね」
 つい、と見上げて唇の端を持ち上げる。冥府の番犬、地獄の番犬と呼ばれるケルベロス。
「彼岸にもいるが、お前さんとはちょっとばかりナリが違うね」
 首が痛くなるとすぐに見上げる事を止め、逢真がふむ、と思考する。
「フェノメノンってこたァ生物的なナリをとった現象ってことなンかね?」
 返答を求めているわけでもない呟きのあとに、ひひ、と笑う。
「マアいいさ、先輩風は鬱陶しいものと相場が決まっている。逆風程度じゃア止まらないだろ、猟兵ってモンはさ。……オット俺もいまはそうだった」
 何が起こるかわからンものさ、と逢真が言うと、手にした煙管を吸って毒霧をふかす。
「さァて、ひッさしぶりに単独行動だ」
 元々単独行動が主だったのだが、最近は信徒にいつもの面子、ちょいと知り合った縁で誰ぞと連れ合って戦場に赴くことが多くなっていた。何もそれが悪いわけではない、誰かがいれば戦略の幅も広がるし、面白いこともある。
「マ、俺らしィく戦おうじゃねェの」
 なァ? 神殺しの剣とやら。
 そう、神たる逢真は笑った。
「ちょいと注意を引くとしようか」
 影から眷属を呼び出して、ケルベロス・フェノメノンの意識をこちらへと向ける。
「その足で潰すか、重力で潰すか」
 どちらでも同じことだが、と逢真が煙管をくるりと回す。
「触れた部分は腐り落ちると思えよ」
 逢真の全てが疫毒のカタマリ、触れたが最後全てを腐らせる病毒に戯ぶ神――病毒の神ではないが――死そのものだ。が、そんな事はケルベロス・フェノメノンには関係なく、猟兵であるならば死ねとばかりに獣の前足が逢真を潰そうと襲い掛かる。
 迫る凶爪を避ける事無く……否、避けるような身体能力は有していない。そも、避けるつもりもない。
「俺らしィくといっただろう?」
 変わらぬ笑みを浮かべたまま、逢真はぐちゃりと地面に倒れた。
 血は流れない、この|宿《からだ》はそういう風にはできていないから。
「ひ、ひ……俺の宿は潰れかけ、ちょうどいい。禍つ曲りて直と成せ、いと古き吾が一側面。行け、少陽」
 幽けき声でそう告げれば、潰れかけた宿を割き割り現れたるは逢真を反転させたような色をした幼い逢真。髪は白く、肌は黒く、瞳は青く――|あの女《イセリア》のような。
「見た目は幼いが強さはダンチだぜ」
 落ちた|小剣《グラディウス》を拾った幼き神は翼を生やし、とんっと地を蹴る。
「ひ、ひ、元気だねェ。頭の一個も貰ってこい」
 戦場すべての穢・凶災の源を喰らい、その量×質に比例した力を以って、首を落とさんと小さな陽が無邪気な笑い声を上げた。
 ――さて、彼はその結果を目にすることなく宿を廃棄する。潰れた上に、宿を割き割り少陽を表に出した宿はこれ以上持たなかったからだ。
「結果ァ? 見ずともわかるってもンだろ、猟兵の勝ちさ」
 ひひ、と何処ぞの影からするりと現れ、再び|構成した《編んだ》無傷の|宿《からだ》でそう笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

モリガン・フォーゲル

(ちょっと真面目モード。口調:真剣なとき戦争の女神参照)

アレが神殺しの剣(ブレイド)であるならば対になる甲冑(ステラ)の場所を知ってたりしないだろうか?
余裕があれば質問 ワンチャンあればぐらいの期待度

まずは小剣の確保のために回避を優先
地獄の炎を飛んでかいくぐり小剣を拾いに行く

小剣を拾ったら
UC 【ティル・ナ・ノーグの妖精】使用
ただの妖精を呼ぶだけなんていわないさ
グラディウスはこう使うんだったっか
増幅・強化により回廊を開きティル・ナ・ノーグから同族の|クラウソラス《ダーナ神族》達を呼び出す

君は我々を殺す者だろう
だがそれで止まるつもりは無い

神殺しの剣には神殺しの剣で応えよう

呼び出したクラウソラスたちから針剣攻撃の代わりに神剣クラウソラスの攻撃を
複数の神殺しの光線をまとめ上げてケルベロス・フェノメノンへ放つ



●神殺しの剣
 数多の猟兵の攻撃により、無敵能力が無効化されたケルベロス・フェノメノンの生命力は削られつつあった。
「アレが神殺しの|剣《ブレイド》であるならば、対になる|甲冑《ステラ》の場所を知ってたりしないだろうか?」
 ケルベロス・フェノメノンを見上げるモリガン・フォーゲル(131代目女神モリガン・f39591)が、ぽつりと呟く。それは恐らく知らないだろうが、知っていれば|幸運《ラッキー》くらいの期待度だ。
「確認されていない世界を含めれば数多あるとされるのだ、何処かにはきっとあるだろうが」
 モリガンの求める甲冑と同じではないものも、きっとあるだろう。それでも探し続ける意味が彼女にはある、それこそあの巨大な三つ首の獣にダメ元であっても聞いてみようと思う程には。
「聞いてみるにしても、まずは近付かなければだな。|小剣《グラディウス》も確保せねばならないし」
 よし、と決めたならばまずはケルベロス・フェノメノンの攻撃を避けるところから。生命力が削られているとはいえ、桁外れの強さはいまだ健在。モリガンの姿を察知したのだろう、ケルベロス・フェノメノンから呪詛と魔力の塊が避けようのない隕石のように放たれた。
「普段のぼくなら避けられなかったかもしれないけど」
 モリガンがふっと微笑み、地を蹴る。ツインテールが揺れ、呪詛と魔力の塊の着弾点より一気に距離を取った。
「今のぼくには見えている」
 |覚醒《オーバーロード》の恩恵は確かにモリガンの機動力、戦闘力を底上げしている。これならば、と着弾点から燃え広がる地獄の炎を見遣る。
「この炎も何するものぞ、だ」
 飛行しながら地獄の炎を掻い潜り、ケルベロス・フェノメノンが落とした小剣を軽々と拾い上げた。
「これが小剣……君に対抗し得る力」
 ケルベロス・フェノメノンに放つユーベルコードの力を増幅するばかりではなく、『どこかの世界』に繋がる力をも秘めた小剣。
「その力、見せてもらおうか」
 小剣を手にし、モリガンが力を開放する。それは本来であれば『ティル・ナ・ノーグの妖精』を召喚するもの、けれど今は小剣の力がある。ならば、彼女が呼ぶのは――。
「ティル・ナ・ノーグより来たれ、同胞よ。神殺しの剣を持つ者達よ、|クラウソラス《ダーナ神族》達よ!」
 モリガンの呼びかけにより、彼女の同胞達が戦場へと降り立つ。それぞれが、それぞれの神殺しの剣を持って!
「感謝する、我が同胞よ」
 モリガンの感謝の言葉に鷹揚に頷き、彼らは目の前のケルベロス・フェノメノンに向かって剣を構える。それを脅威と捉えたのだろう、ケルベロス・フェノメノンがモリガン達に視線を向け、三つ首のそれぞれが咆哮を上げる。
『六番目の猟兵よ、我らが|惑星《ほし》には近付かせぬ……!』
「それは君が決める事ではないだろう、君が言うところの|重力の鎖《グラビティ・チェイン》に導かれるのだとしたら、それは運命だ」
『黙るがいい、猟兵よ! 今ここで、殲滅してくれる!』
「逸るな、我々を殺す剣といわれる君よ」
 凛とした表情と口調を崩さぬまま、モリガンはケルベロス・フェノメノンへと問う。
「君が神殺しの|剣《ブレイド》であるならば、|甲冑《ステラ》の場所を知らないか」
 けれどその答えは言葉としては返らず、三つ首の唸り声として応えた。
「否定も肯定もなく、か。いいだろう、ケルベロス・フェノメノンよ! 神殺しの剣には神殺しの剣で応えよう!」
 呼び出した|クラウソラス《同胞》達と共に、モリガンもまたケルベロス・フェノメノンにその切っ先を向ける。放つは神剣クラウ・ソラスの光輝、神殺しの光線。
「一筋の光で届かぬのであれば、幾束にもして届けよう!」
 一斉に放たれた神殺しの光線をまとめ上げ、モリガンがケルベロス・フェノメノンへと膨大な熱量を誇るそれを叩きつけた。
「ありがとう、同胞たちよ」
 眩しいまでの光に飲み込まれ、ケルベロス・フェノメノンは崩れ去る。光り輝く大量の小剣が戦場に降り注ぐのを眺め、|戦女神《モリガン》は数多の猟兵達と共に掴んだ勝利に笑みを浮かべるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年05月22日


挿絵イラスト