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闇の救済者戦争⑮〜交差する刃と刃

#ダークセイヴァー #闇の救済者戦争 #第五の貴族

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 第五層に秘されていた生体研究所、そこで創り出されていた「紋章」はこの地に君臨するヴァンパイア達に恐るべき力を与えていた。
 それぞれが大量に犠牲の上に作り出されているので数はそうない代わりに一つ一つの持つ力は規格外の物が多いというのは周知の事実。

 そしてこの地にもその「紋章」を持つモノがいる、鮮血剣ダインスレイヴによる戦いに誇りを持つ一人の騎士が。
 血塗られた『鮮血の骸騎士アインソード』という天才剣士がそれを所持することで、ある意味では使い勝手の悪い「紋章」を己の望みのために使い続けているのだ。

「私の心臓を貫いてみよ!強者よ!」
 強者との戦いのみを求めそう宣言する躯騎士は愛剣を手にし研究所の前で逃げも隠れもせずに立ちはだかっていた。
 『第五の貴族』と呼ばれる彼らこそがこの地で残虐な『紋章』を造り出していた張本人、そしてこの守り突破せねば研究所内の祭壇を破壊することは叶わない。

 遠くから矢を放った者がいた、だがそれは紋章の力により届く前に地に堕ち何故か届かない。
 それは魔法であろうと変わりはなかった、鮮血の躯騎士アインソードの所持する『紋章』の力はとてもシンプルなものだ。
『近接攻撃以外の全ての攻撃を無効化する』という物であり、剣を交え合うことこそが唯一の勝機。
 だがそれはアインソードの剣技とまともに闘う事を意味している、猟兵達に残された選択肢はもとより少ないようだ。

●グリモアベース
「お集まりいただきありがとうございます。第五層の紋章についてまた新たな研究所が発見されまして……」
 一同を出迎えユウラ・キッペンベルグは祈るように一礼してからゆっくりと説明を始めた。
 恐るべき方法で創り出される紋章を造り出している研究所を破壊したいのだがそれにはどうやら強力な守護者を倒さねばならないとユウラは示していく。
 そこには黒衣の恐るべき騎士の姿が描かれており、これが今回のターゲットなのだと皆はすぐに理解したようだ。
「この方はこの地を守る鮮血の骸騎士アインソードと呼ばれる超一流の剣士です。強者との戦いのみを求め、弱者を虐げる事には興味がないというだけマシに見えるのですが……」
 ユウラはそれでも紋章を造り出すために幾多の犠牲を放置しているこの騎士を赦すことにはならないと断言する。
「騎士としての力も確かに強力です。ですがそれ以上に恐ろしいのは紋章による副次効果……近接戦闘以外は全て無効化されてしまうという搦め手が通用しない相手ということです」
 飛び道具も射撃魔法やデバフ系も通じない為、互角の条件で戦うには近接戦闘を挑むしかないということらしい。
 ユウラなどは自分などでは敵わないですよと首を振ってその相性の悪さを語るほどだ。
「なのでこの恐るべき騎士と戦うために、挑むのは近接戦闘の得意な方が相性がいいと思います。その状態であれば躯騎士には何のバフ効果も無いままに戦えるはずですから」
 ようはこの恐るべき剣士と斬り合ってこいとそう言っているわけだ、一同はそれを理解すると己の獲物を確認する。
 グリモアの輝きが増していき一同は覚悟を決めた、この強者のみを求める騎士と如何に戦うかを考えながら。
 そして転送の光と共に舞台は恐るべき暗闇の世界へと移っていく、命を削り合う戦いの時はすぐそこまで迫っていた。


轟天
 これは闇の救済者戦争の1章完結戦争シナリオです。

 敵は『紋章』により超強化されており勝利するにはその弱点を突くしかありません。

 それは『自らの手で武器を取り近接戦闘で戦う事』というシンプルなもの。

 強者との決闘を望む信念が『紋章』にこの力を与えたのでしょうか。

●プレイングボーナス
 紋章の「弱点」を突いて戦う。
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第1章 ボス戦 『鮮血の骸騎士アインソード』

POW   :    鮮血剣ダインスレイヴ
【血液で作り出した血を吸収する長剣】が命中した対象を切断する。
SPD   :    鮮血の外套
【自由自在に形を変える血液で出来たマント】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    悠久の時が流れても
戦闘用の、自身と同じ強さの【血液で出来た巨大コウモリ】と【かつて愛した人間の女性を模した血液人形】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。

イラスト:ヤマモハンペン

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アーデルハイド・ルナアーラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

願祈・叶慧
猟兵に目覚めて間もない俺は多種多様な戦い方にはまだ慣れていませんが、純粋な近接戦であれば少しは役に立てそうです。

あなたが血で出来た剣を使うのであれば、こちらは夢で出来た剣でお相手しましょう。
首に掛けていたネックレスから十字架を外し『夢現剣』へと形を変えます。

流石は強者との戦いを望む騎士ですね。こちらは受け流すだけで精一杯です。
ですが、俺もこの地獄で耐え忍んできた魂人……常に逆境を生き抜いてきた中で培った戦い方があります。
そして戦いたいというあなたの願い以上に、俺はこの戦争で勝ちたいと願っています!

敵の攻撃を受け流しながら願いと祈りの力を込め続けていた『夢現剣』による【願祈十字撃】で反撃します!




「ほう、我が紋章の力を知りつつも挑む者がまだおったとはな」
「えぇ、俺に出来るのはこれぐらいですから……」
 剣を地に突き刺したまま招かねざる侵入者へと視線を送る鮮血の躯騎士アインソード、その視線の先で緊張を隠せず思わず唾を飲みこんでしまった願祈・叶慧(夢の続き・f38848)。
 それもそのはず猟兵として目覚めまだ日が浅い叶慧にとってこのような相手と戦うのは初めてに等しいからだ。
(とはいえ、純粋な近接戦であればお役にたてそうですしね)
 近づいていき実感するのは『紋章』の力そのものよりも躯騎士が手にした禍々しい剣から伝わるプレッシャーだ。
 血液で創り出した長剣を静かに構える相手に対し、叶慧もまた首にかけていたネックレスをゆっくりと外し“開放”を意味する言葉を呟いた。
 小さな十字架が形を変えあっという間に一振りの長剣に姿を変える。夢の力を宿すことで形を成すその武器に願うのは勝利。
 それを胸の前で構え一礼すると互いの間合いへと無造作に詰めていく両者。
「礼を弁えた相手にはそれ相応の戦いを見せる事をここに約束しよう、我が剣……ダインスレイヴに賭けてな!」
「たぁぁぁぁっ!!」
 叶慧の踏み込みと共に繰り出される縦一文字の斬撃と鮮血剣とがぶつかり合い、たった一合で理解したことがある。
 剣圧にしろその重みにしろ、今の時点では叶慧の力では互角に戦うのはまだ無理だと……。
 二刀目の横一文字の一閃を剣を両手で握りしめ眼前に構えた事でどうにか防ぐもたった一撃で数メートル以上後退させられたのだからその威力がわかろうというものだ。
「どうした? まだこれは序の口だぞ」
「こちらもこの地獄で耐え忍んできた魂人、常に逆境を生き抜いてきた剣をお見せしましょう」
 剣を胸に当てまるで祈るかのように静かに目を細めると強く強く神へと祈りその集中力には奇跡が宿っていく。
「願いと、祈りの力……それがあなたを斬る剣の名です」
「面白い、その剣……我が鮮血剣に喰らわせてやるとしよう!」
 勝利するという強い願いをこめられた夢現剣に神力が満ちていくと真逆に躯騎士の刃には魔性の気が満ち満ちていく。
 ジリジリと少しずつ狭まる間合いはとある瞬間に0へと変わる。
「これを全て受けきったら天位をやろう!」
「望むところですっ!」
 それはあまりにも激しい連打だった、剣の重みをまるで感じさせないほどの腕力なのだろうか?
 躯騎士の右に左に変幻自在の剣は常に叶慧の急所を狙い続けもしも一刀でも受け損ねたら即死というまさに死の刃。
 だがしかしただ受け流す以外の方法を見つけた叶慧だからこそこれに耐えれるのだ。受け止めきれないならば叩き落とせばいい……攻撃これすなわち防御の極意なり。
 祈りと共に放つ刃が相手の刃を弾くように振るわれ相殺しているからこその無傷。
 両者の剣速はさらに増していき次第に服の袖などに増え始めた細かい切り傷、まるで高め合うような攻防の中……初めて見えた領域に身体は勝手に反応し剣を振るう。
 必殺の十字撃が躯騎士の胸甲を切り裂き飛び散る鮮血と狂気を秘めて高笑いするアインソードの甲高い声。
「これだ、これこそが我の求めた闘争……身体が、心が欲していたのだ、強者を!」
 あぁ、この男はその全てをそのために使い尽くそうというのか……、相手の魂の拠り所を見たような気がして叶慧は神へと祈る。
 あの哀れな男に、ここで引導を渡してやることはきっと慈悲であるとそう思って……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
弱者を虐げることに興味がない……
字面はいいが、紋章を創り出す過程の被害者をそもそも犠牲とすら認識していない、無自覚な邪悪そのもの

金剛不壊を携えた、セーラー服の姿に変身
魔法は使えなくなるが、近接物理戦闘に最も特化した姿
お望みの勝負に乗ってやる――行くぞっ!

鍛え上げた俊足で疾駆(ダッシュ)
一気に間合いを詰め、【居合】で刀を抜き放つ
極限の【集中力】と【心眼】で【見切り】、激しい斬撃の応酬を繰り広げる
鮮血剣の太刀筋を【学習】し、適応
【怪力】を以って鍔迫り合いを押し切り(こじ開け)、神速の超連続斬撃【閃光無窮の太刀】で滅多斬りにする




 ゆらりと風が吹いた気がする。その軽い砂塵にスカートを揺らしながら現れたセーラー服を着た銀髪の美女。
 このあまりにも酷く穢れた地に颯爽と降臨した神気纏う可憐な乙女、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は握りしめた愛刀の鞘を握りしめ眼前の敵へと殺意を迸らせた。
「弱者を虐げる事に興味が無い、字面がいいが、紋章を造り出すのに被害者を必要とするならば……」
「ならば何とするか? 奇妙な衣を纏う女よ」
 両者は一歩ずつ近づいているがまだ間合い外、紋章の力により遠距離での戦いそのものが封じられている以上はさらに死の領域へと踏み込む必要がある。
 そんな両者は今、眼力がぶつかりあいその戦意は今にも爆発しそうなぐらいに膨らみ切っていた。
「それは無自覚な邪悪そのものだ躯騎士!」
「言い得て妙だな小娘。目的のための犠牲は問わん、ただそれだけのこと」
 その一言はもはや両者が殺し合うに十分な思想の違いを認識させた。
「ならば、お望み通り勝負に乗ってやるっ!」
「応っ、来るがいい小娘っ!」
 ならばもはや言葉はいらぬ、剣を持つ者同士がめぐり逢い対峙したならば語り合うべきは刃によってであると両者は知っている。
 少し前屈みになりながらオリヴィアの手が柄へと伸びていく……頬を伝う汗がポトリと地面に落ちた。

 斬!

 まだ間合いはかなり残っていたはずだ。だがその距離を瞬時に踏み込み気合一閃、抜き放った刃が躯騎士の胴を狙う。
 だが躯騎士の手に瞬時に形成された鮮血剣がそれを受け流し、その勢いのままに切り上げてきた死の刃を紙一重でバックステップし切り抜けた。
 上体がそれバランスを崩したところに追撃の袈裟斬りが襲い掛かるも逆袈裟に振り上げた刃がそれを正面から受け止め全力で鍔迫り合いへと持ち込んだ。
 鮮血剣に比べ細身の日本刀ではあるがその丈夫さは折り紙付き、伊達に左衛門次郎貞光の銘は背負っていないということだ。
「なかなかにやるが……力で我に勝てるとでも……むぅっ!?」
「すでにあなたの力はぁ……覚えましたっ!」
 その体躯からは想像できない怪力で一気に鍔迫り合いを制すると必殺の気はこのときのためにと前屈みに身体を丸めそして一気に踏み込み閃光が走った。
「繚乱せよ、剣閃の嵐――!」
「なんのっ! 喰らい尽くせダインスレイヴ!」
 躯騎士が剣を振るおうとするも秒間700撃近くが襲い掛かる神速の剣を捌き切れるわけもない。
 鮮血が飛び刃も砕けそして数十メートルも吹き飛ばされてしまう渾身の一撃、肩で息をしながらオリヴィアは敵を見る。

 ……未だ健在なれどその全身に刻まれた無数の斬撃の痕を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:借りた黒曜山(鞘つきの刀)

ふむ、わかりやすくてよいな!
近接での斬り合い。それならば、わしの領分よ!
というわけで、兄者(慕ってそう呼んでる。血の繋がりなし)からより近接な武器も借りた。
それが近接にて対等となるからな。いざ、勝負である。

はは、その血液の長剣に当たるわけにはいかぬな!
故に足を使っての回転回避、そこから斬りよな!
さらに、一度納刀してからの…抜刀。まあつまりは居合いなんじゃが、そこにUCつけよう。
このUCな、武器を選ばぬから便利なのよ。
※『侵す者』の才あってできること※




「ふむ、わかりやすくてよいな!」
 フンと鼻を鳴らし意気揚々と戦場へと至った着流しの男は前方を見据えると、これから斬り合うべき相手が律義にそこにいることを見届け歩み寄っていく。
 紋章の力によって近接戦闘以外は封じられたこの戦いにおいて遠距離での警戒など無用、ただひたすら剣気を高め切り裂くただそれだけなのだ。
(兄者から借り受けた|黒曜山《漆黒の打刀》も血を吸いたがっておろう)
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)、は顎を摩りニヤリと笑い鮮血の躯騎士と間合い寸前で向かい合う。
 互いに細かい策など無用、ただここにあるのは剣に執念を手向けた鬼たちがいるだけ。

「その足運び、貴公と戦えることを感謝するぞ!」
 鮮血で作られた剣を掲げ大仰に声を上げる鮮血の躯騎士、その表情にあるのはこの地を守ることで強者と切り結べることへの感謝しかない。
「ならばわかっていよう。一たび剣を交えれば我らに必要なのは言葉ではなく刃のみであると」
 ゆっくりと鞘から抜刀し漆黒の刀身が姿を現した、両者の間に静かでありながら激しい攻防がお互いのイメージの中で繰り広げられありとあらゆる応酬が繰り広げられた。
 だが実際にはまだ動いてはいない……先の先を互いに予想し合っていたからだ。

「いくぞ異郷の剣士よっ!」
 先に動いたのは躯騎士のほうであった、鮮血の剣が無数のフェイントを見せてくるかのよう、だが実際にはそれらを越える剣速で強烈な突きからの払い、さらには足元からの膝蹴りが次々と義透へと襲い掛かる。
 一撃でも喰らえば深手を負うそれらを受け流すのではなく上体を逸らし足さばきのみで躱し続ける義透の妙技。
 流れを詠み自然と一体になるかのように心静かに大きく真後ろへと跳び即座に剣を鞘へと納刀した。
「はは、その剣に当たるわけにはいかぬな!」
「なんだ! 戦意喪失かっ!」
 風のように舞う義透の気の流れに揺らぎが生じた、躯騎士から見れば戦いの最中に剣を収めるなどありえない行為。
 だがしかしあれてそれを為すのが抜刀術、世界でも類を見ない最速のみを追い求める剣。
 それを知らぬ躯騎士にとってはバカにされたかのように思えたのか大上段からの大振りで出来てしまった胴の大きな隙。
「わしの一撃、受けきれるかっ!」
「なっ、なんだとっ!?」
 刃一閃……抜き放たれた刃は吸い込まれるように躯騎士の胴鎧に直撃し大きな炸裂音が響き吹っ飛ばされていく。
 |それは火のように《爆発するかのように》激しい必殺の一撃、吹き飛ばされた躯騎士が叩きつけられた壁面にできる大きなクレーター。
 大きく息を吐き出しながら残心を忘れない義透は口元を歪めニヤリと笑って見せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
近接戦闘のみでやりあえ、か。そこは望むところだが……
俺も遠距離攻撃の対処には苦慮しているが、だからといってそういう紋章に頼るのは違うと思うんだよな

神刀の封印を解除。神気を纏って身体能力を強化しつつ、澪式・捌の型【炎舞】の構え
相手の動きを見極め、刀で受け流してから反撃

カウンターのみに終始すれば相手も警戒してくるだろうから、反撃の後は一気に畳み掛けつつも、相手の反撃が来る前に素早く攻撃を切り上げて、再度備える

敵の攻撃は鋭いが、相手が一流の剣士だからこそ読みやすくなる点もある
そして、基本的な能力は相手の方が上だが、俺が僅かに上回れるものがあるとすれば
遠距離攻撃にも対処してきた経験と直観、かな




「斬り合うのは|吝《やぶさ》かではな。俺も遠距離攻撃の対処には苦慮してるんだが……紋章に頼るのはどうかと思うのだが?」
「何、貴公らと直接刃を交えてみたいと思う我が浅慮の極みよ。気を悪くしたのならばこの剣技にて詫びるとしよう」
 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)と躯騎士は互いの|得物《愛剣》を手に睨み合い気を当て合い殺気を隠そうともしない。
 だがそこにあるのは卑劣な手で陥れるのではなくこの状況を作り出すというもの、剣そのものを振るう技量も何もかもが互いの力量次第。
 鏡介は刃の封印を解き放ち静かに息を吐き出していく、そうして互いが間合いまで入ると同時に周囲に砂塵と土埃が舞い上がった。

「噴っ!」
「はっ!!」
 強烈な躯騎士の一刀を神刀で受け止めそのまま受け流し反撃に転じる。横薙ぎの一刀を屈んで避けた躯騎士……そのまま足払いをしかけてくるもこれは読んでいたので後ろへと飛び跳ね間合いを取り直し刃を構えなおす鏡介。
 今の一合だけでもわかる、躯騎士の実力は力によるものではなく鍛錬の末に行き着いた技にこそ本領が秘められていると。
 ただただ鮮血剣ダインスレイヴと呼ばれる剣に斬られると一気に気力体力が吸われてしまい敗北するだろうという事実もわかろうというものだ。
「ならば使わせてもらおう、焔の如く――澪式・捌の型」
鏡介の構えが変化し柔剛混ざり合った不思議な構えに躯騎士は寒気が走っているようだ。
(こ、こやつ……若さのわりに、やるっ!)
 だがそこで様子見をするなど何のための紋章の加護なのか! 躯騎士は歓喜に奮えながら一気に突き進んでいく。
未知の剣技の恐怖とその在り方をその身で味わい喰らい尽くしたいがために。
「唸れっダインスレイヴッ!!」
「因果を断ち切れっ無仭!!」
 鮮血の剣の強烈な一刀、それに刃を合わせるかのように放たれた鏡介の一刀がぶつかり合い鋼の音が響く。
だがこの時こそが鏡介の真骨頂、刃交えると同時に巻き付くように刀身を捻ると逆手で剣の柄へと伝える熟練の技。
 躯騎士の刃が跳ね上げられガラ空きの胴へと貫く必殺の突き、それが鎧の隙間へと突き刺さり飛び散る血潮と大きな絶叫。
「……捌の型『炎舞』」
「|見事也《みごとなり》っ……ぐはっ」
 己よりも相手が一枚上だったのは承知していた鏡介、だがしかし僅かに上回っていた強者相手への経験と直感がその差を埋めこの一刀に繋げた。
 だが致命にはまだ至ってはいない、これはまだまだ斬り甲斐があるぞと引き抜いた刃を構えなおし鏡介は自然とその口元に笑みを浮かべていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
私も|剣術の心得《サブ:剣豪》は有りますので。
お相手願いますぅ。

攻撃では無く『移動』に使うなら、装備も問題無いでしょう。
【懸禧】を発動し『靈』を宿すと共に『FIS』の転移で接敵、『FAS』の飛行も併せて『刀』による接近戦を挑みますねぇ。
『鮮血剣』の攻撃は『靈』による『無敵化』が有る以上、どれ程威力が高くても解除時まで影響は受けませんし『祭礼の女神紋』により『祭器』である『刀』も同様ですぅ。
技量は相手が上、『無敵化』が有効な間に、捨て身の[カウンター]から[追撃]を仕掛け、ダメージを気にせず削れるだけ削りますねぇ。

問題は、ダメージ量に比例し置換した帰還後の『反動』ですが。




「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『憑代の加護』をお与え下さいませ」
 祝詞と共に女神の権能が働き全てのダメージは後回しにするという保険をかけ夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は覚悟を決めたようだ。
 霊が宿りその加護を得ると同時に装備類を使って転移を試み斬りかかるるこる、そして愛刀を振るうも鮮血の躯騎士はそれを受け流してしまう。
「奇襲は通じませんかぁ」
「無作法だが、それもまたよし……ただ斬るのみだ」
 高度を飛行して距離を取っていくるこる、今の一合でわかるが通常であれば一撃で刀身が折れていてもおかしくないほどの威力。
 だがそれならばと上段からの力任せの剣撃で襲い掛かるも剣で受けられ即座に一撃を喰らってしまうも今の時点ではるこるは無敵状態、それを利用し肩口へと刃を突き立てた。
「む? なにやら搦め手を使っているな小娘?」
「女神様のご加護ですよぅ!」
 勝負を仕掛けるならば今だと右に左に刃を叩きつける、躯騎士もならばとばかりに鮮血剣ダインスレイヴを何度も何度もるこるの身体に斬りつけ続けたが血すら出ない事にさすがに苛立ち何度も何度もノコギリのように斬りつけたがまるで効果がない。
 それを利用しさらにるこるが刃で斬りつけこちらは鮮血が飛び出しダメージはさらに蓄積されていってしまう。
(さすがにこれ以上傷を負うと後で死んでしまいますからねぇ……)
 るこるにしてもいつまでも無敵でいられない以上はこれ以上斬り合いに付き合うのは危険、一気に距離を取り直し起死回生の一撃に備え刃を正面に固定し一気に突撃。
「正面から来るか!」
「えぇ……来るなら来いっ……ですぅ!」
 大上段に構えた隙だらけの腹へと致命傷レベルの一撃が叩き込まれた、だがそれは今の時点では無敵ゆえ耐えきることが出来る。
 それを見越して肉を切らして骨を断つ……ありったけの一撃を再び叩き込みめり込む刃。

 互いの命を削り合うこの戦い、その真価は後に両者がわかり合うことになる……それは足元に飛び散った大量の鮮血が全てを物語っていたのだから。
 帰還後同じように倒れる事になったるもるもまた致命傷を負い緊急治療を受けることになったのは言うまでもない……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィルジニア・ルクスリア
近接攻撃以外を無効化するとか、厄介ね。
でも、戦争に勝つ為にはなんとかしないとね。

戦場で対峙すると現れる、巨大コウモリと血液人形。
コイツ等も近接攻撃以外を無効化するみたいね。本当に厄介ね。
……良いことを思いついたわ。
目には目を歯には歯を。
敵の戦力が増えたのなら、こちらも増やせば良いだけ。

『鏡像作業』発動。指定技能は【集団戦術】
巨大コウモリと血液人形に其々4体の自分を向かわせる。
巨大コウモリにはウィザードブルーム・改に跨り、空中戦を仕掛けるわね。
【集団戦術】を駆使した近接攻撃で巨大コウモリと血液人形を足止めしている間に私と自分1体が戦えないアインソードに接近。
渾身のコンビネーション攻撃を決めるわ。




「近接戦以外を無効化するとか、厄介ね!」
「本当にね。でもこれも戦争……わかるわ」
「えぇ、だから“私達”で勝負を決めるわよっ!」
 鏡より出現した数人のヴィルジニア・ルクスリア(甘やかな毒・f36395)が一斉に鮮血の躯騎士の周囲を飛び回る巨大コウモリに空飛ぶ箒に乗ったまま突撃していった。
 あまりに非常識な光景が広がるもコウモリと飛びながら激しく戦いあいながら彼女達は少しずつ離れていき躯騎士への道が広がる。
「コウモリとじゃれあうのが好きと見えるな|淑女《レディ》」
「えぇ、あなたのような相手にはこうでもしないと刃が届かないものね」
 歯には歯を……相手が複数ならばこちらも複数で攻めてやればいいのだと残った鏡像の自分を突っ込ませるとそれに立ちふさがるように血液で出来た美女がその行く手を遮った。
 悠久の時が流れようと躯騎士アインソードの愛した女性の美しさは変わらない、そしてその力は彼を守護するに十分な力で鏡像たちと激しい戦いを繰り広げていた。
(この術は、一撃でも入れれば解けてしまう諸刃の刃のはず……ここで押し切ってみせるわ!)
 ヴィルジニアは少々の損害を気にせず切り込む覚悟をしty-エンソー剣のエンジンを全開に吹かし突撃していった。
 真正面から一直線に剣を突き立てアインソードの胸先まであと少し……。
「そう来ると思っていたよ|淑女《レディ》!」
「嘘っ!?」
 血液人間から急に伸びてきた血の槍で串刺しにされてしまうヴィルジニア。何本もの槍がか細い身体に突き刺さり飛び散る鮮血が次々と増えていく。
 さらに何本も突き刺さり壊れた人形のようにだらりと力なく垂れた手足、そして首に突き刺さりあっさりと飛んでしまった生首が宙を舞う。
「獲ったぞっ!」
 躯騎士の歓喜の声……だが一撃で絶命したかと思われたその少女の肉体が、壊れた硝子のように砕け散りその背後からもう一人のヴィルジニアが飛び込んでいく。
「連携プレイは、お手の物なのよっ」
「そ、んなバカ……な」
 響くエンジン音と共に躯騎士の身体に突き刺さり肉体を削る噴進対物流体ジェットグラインダー『贄咬』の恐ろしい爆音とゴリゴリと嫌なものを削る音。
 巨大コウモリや血液人形の姿が次々とかき消え残されたのは大量の出血で膝をついた悲しき躯騎士。
 大きく抉られた肉体はもはや修復不可能なほどの致命傷、もはや先は長くない……そうヴィルジニアには一瞬で理解できたほどに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハロ・シエラ
どうやら私向き……と言うか、私でも紋章の弱点を突ける相手のようですね。
ならば私と、私の剣がお相手しましょう。
敵の剣は恐らく私の物より長いでしょう。
まずはレイピアで攻撃を【受け流し】つつ隙を伺います。
血液で出来ていても剣は剣、腹や柄はあるはず。
そこを狙って剣を合わせればこちらの武器が切断される事はないでしょう。
反撃出来そうならこちらも突きでの【カウンター】で応戦します。
お望み通り心臓を狙い、本命がこの突きだと思わせたいですね。
敵の攻撃を鈍らせたり防御に回らせたり出来れば、そこを【だまし討ち】する隙を作る事も出来るかも知れません。
その瞬間を逃さず、ユーベルコードで【切断】してしまいましょう。




 守りについていた鮮血の躯騎士アインソードはここまでの連戦で疲弊の限りに陥ってしまっていた。
 だがしかしこれこそ彼が求めた極限の戦い。紋章の力で飛び道具を封じあえて斬り合う非効率極まりないものだ。
「どうやら、私向きのようですねこれは……」
 妖狐の霊力が解き放たれ炎を纏った|細剣《レイピア》を手にしたハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は息を軽く吸い覚悟を決めると戦いへの第一歩を踏み出した。
 小細工を嫌い純粋な剣技にて戦うことが望みの躯騎士、ならばそれを正面から切り伏せてこその剣豪だろうとの自負もある。
 ならば迷いはない……この愛剣の錆としてやればいいいのだ。

「さあ……貴公の鍛錬を見せてみよ」
「その教官のような視線、改めさめますよ」
 躯騎士の手に集まってきた血液が深紅の剣に形造られ禍々しいその姿を現した。この刃に切り裂かれるっと吸血され一気に力を奪われてしまう凶悪な物だ。
 間合いに入り合った双方の殺気が一気に増した、そして地を蹴り地面を這うように横薙ぎの一撃をハロは軽く飛びながられ細剣を振り下ろし叩き落とそうとする。
 パァンという鋼同士の響き合う音色、まともに受ければ細剣の耐久度では折れてしまうこの勝負、このように弾いてしくしか防ぎきるのはおそらく不可能だ。
 が、いつまでも受けに回るからその発想になってしまう。攻撃こそ最大の防御ということをこの高慢な躯騎士に教えてやらねばならない。
 頭のスイッチを切り替えハロは細剣を正面に構え大きく息を吸うとその切っ先を躯騎士の心臓へと向けた。
 その殺気は躯騎士にとって心地よいものであるのか、同じく殺気を込め構えを取るもそれはカウンターを決める守りのためのもの。
 攻守の流れはすでに決まった、静寂からのハロの凄まじき突きが放たれる。
「その心臓……貰い受けますっ!!」
「タダではやれぬなっ!!」
 躯騎士はわずかに胴を逸らし細剣の鋭い突きを腋で挟み受け止めてしまう。もはや抜くの事も引くこともできないと一瞬固まったかに見えるハロの動き。
 それを見て空いた利き手で横振りに振るった鮮血剣の恐るべき斬撃、だがそれを読んでいたかのように細剣から手を放し屈んだハロ。
 頭上を通り抜けた鮮血剣、屈んだままで反撃不能であるとふんだ躯騎士はトドメを刺そうと剣を逆手に持ち……そして硬直してしまった。
「なっ、ば……バカな……どこからそんな槍が……っ」
 胴から背に貫通した槍の穂先、懐から取り出した短剣を一瞬で槍へと変形させ見事に不意を打ったハロの渾身の一撃。
 細剣こそが本命と思わせつつの不意の一撃に躯騎士は吐血するもまだ反撃を止める様子はない。
「これで終わり……ですっ!!」
「ぐおおおっ!?」
 突き刺さった槍を真上に振り上げ切り裂かれ飛び散った躯騎士の上体、下半身と永遠の別れを強いられ地面へと転がり大量の鮮血が飛び散っていく。
 剣刃一閃……一撃の元に切り裂かれた躯騎士はその力の源が流れ出してしまいその目から光が消え断末魔の声もすぐに聞こえなくなっていった。

 戦いは終わった……守り手のいなくなった研究所がこの世よりその姿を消すまでそう時間はかからない。
 もはやこの地で新たな紋章が生み出されることはしばらくはないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年05月17日


挿絵イラスト