闇の救済者戦争⑮〜たたかえ従者さん!
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第五層、紋章の祭壇。
ここに『第五の貴族』として呼び出しを受けたのは、メイド服を纏った少女だった。
彼女の腕には金の篭手が嵌められ、禍々しく輝きを放っている。
そんな彼女に授けられたのは、一つの紋章だ。
身につければ立ち所に力が溢れ、一騎当千の強者と化す優れもの。少女は迷わず紋章を身に着け、ぐっと拳を握る。
「これで猟兵をボコボコにすればよろしいのですね! ええ、お任せ下さい!」
少女はシュッシュッとシャドーボクシングをしつつ、猟兵達を待ち構える。
さあいつでもかかってこい。この篭手の錆にしてやる。そんな感じで。
しかし少女は気付いていない。
自分に与えられた『紋章』が何なのか。
そして――殴り合うだけが戦いではないということを!
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「集合に感謝する。今回は紋章の祭壇に向かい、そこを守るオブリビオンと戦って欲しい、のだが……」
猟兵達を出迎えたカイ・シュリック(紫苑の殺戮代行者・f02556)は微妙に歯切れの悪い調子で説明を開始する。何があったのだろうか。
「とりあえず状況を説明しよう。紋章の祭壇は第五層に存在する『紋章』を作るための空間だ。第五の貴族達によって作られた紋章はオブリビオンに力を与え、何度も猟兵を苦しめてきた。今回はその根本を叩くための戦いだな」
猟兵の中には『紋章』を宿したオブリビオンや『第五の貴族』と戦った者もいるだろう。
ダークセイヴァーを巡る戦いならば、彼らとの戦いも避けられない。きっと過酷な戦いになるはずだ。
「祭壇を守るオブリビオンには当然『紋章』を装備している。これを攻略しない限り、勝つことは難しいだろう」
話を続けつつ、カイはグリモアを起動する。
そうして映し出されたのは、メイドのようなオブリビオンだ。
「彼女が今回の敵である『金の篭手のゴルトベルク』だ。手に装着した呪い武具である金の篭手を身に着け、必殺拳とナイフ投擲術で戦う豪傑だな」
ただでさえ強力な武人が『紋章』により強化されている。きっとすごく過酷な戦いになるはずだ。
しかし――カイは続く言葉を述べる際、猟兵達からちょっぴり顔を背けた。
「彼女が装備しているのは『従者の紋章』。メイドや執事といった従者に相応しい者に強化を与える紋章だ。この紋章には弱点があってな。より従者っぽい相手と戦う時、その効力を失うんだ。そしてゴルトベルクは見た目こそメイドさんだが、性質としては武人に近い……つまり、無力化するのはたぶん難しくない」
ゴルトベルクと対峙した際、メイドさんや執事さんのように振る舞えば強化は簡単に無効化出来る。
自分達もメイド服や執事服を着込んで優雅に振る舞ったり、飲食物を給仕してみたり、炊事洗濯を華麗にこなしたり。
思うままに行動すれば、紋章もOK判定を出してくれるだろう。
「誰かが主人役をやって、誰かが従者役をするのもいいかもしれないな。とにかくゴルトベルクの前で従者っぽい行動をすればいいんだから。やり方は皆に任せるが、どうにか戦いを有利に運んで欲しい」
なんだかふざけた話だが、紋章を装備したオブリビオンは間違いなく強敵だ。
苛烈な戦いを制するためにも、紋章の無力化は必要になるだろう。心して挑まねば。
「説明としてはこのくらいだろうか。その、厄介な戦いになるだろうが、よろしく頼みたい」
カイは猟兵達に頭を下げて、転移の準備を進めていくのだった。
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
コミカルな感じのお話も一つ。
●プレイングボーナス
紋章の「弱点」を突いて戦う。
敵が身につけているのは『従者の紋章』です。
装着者より従者(メイドさんや執事さん等)っぽい相手を前にすると効力を失います。
●『豪傑従騎士女中『金の篭手のゴルトベルク』』
金の篭手を装着した豪傑系のメイドさんです。
メイドさんとしてもしっかりとした技量を持っていますが、戦場にいるためか武人さんモードです。
紋章を無力化しなければ、強化も相まって危険な相手です。
彼女より従者っぽい雰囲気を出せば紋章は無力化出来るでしょう。
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オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。
シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『豪傑従騎士女中『金の篭手のゴルトベルク』』
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POW : お見せしましょう、ゴルトベルク必殺拳の神髄!
【レベル分の1秒で繰り出す怒涛の連続拳打】が命中した部位に【自身の生命力を込めた金の篭手の呪詛】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
SPD : これが『絶望の福音』に耳を傾けるということです
【10秒先の未来を予知する能力の連続使用】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。
WIZ : 常在戦場はメイドの基本でありますので。
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【格闘術とステーキナイフ投擲術】の威力と攻撃回数が3倍になる。
イラスト:森乃ゴリラ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ルパート・ブラックスミス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
榊・ポポ
ポポちゃんも平社員だからいい勝負だけどさー!
もっと下手に出ればオッケーね!
アイヒョーンのおシリ『借用条件、オデコに家賃支払い督促状を張り付け』
督促状?底なし肩掛け集金袋の中に...あったー!(クッシャクシャの督促状)
オデコにビターン!
『銭湯の清掃員宇宙の掃除スキルを借用』
清掃員!キタコレ!
よっしゃ綺麗にしてやっからな!
集金袋からデッキブラシや洗剤や高圧洗浄機取り出してェ!
掃除している体でさりげなくボコるZO
デッキブラシを棍棒の様にぶん回したり、洗剤ぶちまけて転ばせてー
風呂桶でボコって高圧洗浄機ぶっぱで消毒だー!
(蹂躙・連続コンボ・バーサーク)
はいはいは掃除しますよー!邪魔だから退けオラァン!!
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禍々しい雰囲気を纏う祭壇に、響くはバタバタとした足音。
その正体はカカポの猟兵、榊・ポポ(|デキる事務員《トンチキカカポ》・f29942)だ。
「従者の紋章ね! ポポちゃんも平社員だからいい勝負だけどさー!」
社員というのは会社の従者。事務だけでなく営業や会計の仕事まで行うポポはそれは立派な勤め人だと考えていいだろう。
しかし相対するメイドさん・ゴルトベルクからはパワーの減っている気配はない。
「もっと下手に出ればオッケーね! という訳でおシリ! どの宇宙のポポちゃんでもいいから参考になりそうなアイデアちょーだい!」
ポポは業務用アイヒョーンを取り出すと、バーチャルアシスタントへと声をかける。
果たしてどうすれば良い感じになるか。平行世界も加味して考えてもらえば、いい答えが出るはずだ。
『借用条件、オデコに家賃支払い督促状を張り付け』
「督促状? えーっと、確かこの辺に……」
機械音声の返答を確認するや否や、ポポが漁るのは愛用の集金袋。翼を器用に使って弄れば、目的のものもすぐ出てくるはずだ。
「あったー!」
びたーん!
ポポは勢いよくクッシャクシャの督促状を取り出すと、自らの額にそれを叩きつける。
その光景を前にして、ゴルトベルクは完全に混乱していた。
「……何をされてるので? 自分に督促されてるので?」
「ノンノン! 今ポポちゃんは……銭湯の清掃員宇宙のスキルを借用したのだッ!」
しゃきーん!
ポポは再び集金袋に手を突っ込み、デッキブラシと洗剤を構える。
「この部屋よく見たらきったねー! ポポちゃんがサクッと掃除してやるZE!」
そのまま洗剤をぶちまけて、デッキブラシを振り回して。
勢いよく掃除するポポを見遣り、ゴルトベルクも本分を思い出したらしい。
「はっ! ここは私達の区域、猟兵はご退場願います!」
ゴルトベルクはステーキナイフを取り出すと、動き回るポポ目掛けてその刃を投げつける。
しかしポポは華麗なデッキブラシ捌きでナイフを弾き返し、そのまま洗剤を周囲へとぶちまけた!
ゴルトベルクも洗剤によって足をとられ、満足に動き回ることが出来ない。
それにに部屋を掃除する人と食器を投げる人、どちらが従者っぽいかは答えも明白。パワーアップも解かれたメイドはもう強敵ではない!
「はいはいは掃除しますよー! 邪魔だから退けオラァン!!」
「ギャーッ!!」
ポポは風呂桶でゴルトベルクをぶん殴りつつ、高圧洗浄機で追い打ちもかけていく。
暴れ回る清掃員と化したポポちゃんに敵なし! 為すすべもなくなったゴルトベルクはひたすらボコられるのであった。
大成功
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バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!
お任せくだサーイ!
メイドにはメイドをぶつけるのがベストデスネ!
はじめましてお嬢様。メイドのバルタンであります。(カーテシー)
ワタシの奉仕技能レベルは100を超えているので、立派なメイドデース!
お見せしマショー、バルタン式奉仕術!
格納型メイド用キッチンを展開して料理をセット!
ティータイムでもランチタイムでも対応可能デース!
ささ、戦いに疲れた身体を労ってくだサーイ!
フッ。ただバトルするだけがメイド道ではありマセーン。
こうしておもてなしするのがメイドの嗜みでありますよ!
紋章が無力化されたところで、カウンターUC!
「六式武装展開、煙の番!」
|拳打《グー》には貫通デース!
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「お任せくだサーイ! メイドにはメイドをぶつけるのがベストデスネ!」
愛用のメイド服を翻しつつ、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は祭壇へと足を踏み入れる。
そんな彼女を前にして、ゴルトベルクが構えたのは拳だ。
「猟兵ですね。この私、ゴルトベルクがお相手します」
「挨拶して頂きありがとうございます。はじめましてお嬢様。メイドのバルタンであります」
流れるような所作でバルタンが返すのは優雅なカーテシー。
その様子にゴルトベルクも思わずペコリとお辞儀を返し、拳を下ろした。
今ならメイドさんアピールだって出来るはず。バルタンはささっと格納型メイド用キッチンを展開すると、調理器具を手に取った。
「戦う前にこちらをどうぞデース! お見せしマショー、バルタン式奉仕術!」
そのまま始まるのはバルタンによる華麗なティータイム。
それなりの茶葉だって工夫をすれば美味しく淹れることが出来るし、温かなお菓子や軽食も用意すれば夜闇の世界でも楽しい時間を過ごせる。
さっと用意されたお茶会セット一式に、ゴルトベルクも目を丸くしていた。
「ささ、戦いに疲れた身体を労ってくだサーイ!」
「わ、私もいいのですか? ありがとうございます、凄いですね……」
お茶を差し出されれば、ゴルトベルクも無碍には出来ない。
暫く二人のメイドさんは温かなお茶やお菓子を楽しみ、穏やかな時間を過ごしていく――。
「……って、うわ! 紋章が!」
二杯目のお茶を飲みきった瞬間、ゴルトベルクが悲鳴をあげる。
そう、今の彼女は完全にもてなされる側。バルタンの奉仕技能レベル100のティータイムを前に、従者パワーを失っているのだ!
「フッ。ただバトルするだけがメイド道ではありマセーン。こうしておもてなしするのがメイドの嗜みでありますよ!」
「こ、この! それならせめて、今のうちに……!」
優雅に道具一式を片付けるバルタンに、ゴルトベルクが向けるのは金の拳。
しかし焦って飛び出したゴルトベルクは知らないのだ。バルタンも――近接戦闘が得意なのだと!
「六式武装展開、煙の番! |拳打《グー》には貫通デース!」
バルタンは瞬時に煙を射出すると同時に、恐れることなくゴルトベルクの懐へと飛び込む。
そして彼女の胴に拳を押し当て、放つは必殺のパイルバンカー!
キャバリア用のものを改造したこの兵器、至近距離で喰らえばただでは済まない。
ゴルトベルクは全力で胴を打たれ、メイド服を真っ赤に染める。
戦うメイドさん勝負、制したのはバルタンの方であった――。
大成功
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紫・藍
すごいのでっす、上手いのでっす!
壁を蹴ったり、柱を盾にしたり、調度品を投擲に織り交ぜて囮にしたりと地の利を活かしに活かしているのでっす!
やや?
よくよく考えてみれば確かにすごいのはすごいのでっすがー。
これ、攻撃にも防御にも祭壇周りを酷使していませんかー?
必然的に汚したり壊したり荒らしたりし放題でっすよねー?
メイドさんなのに!
つまりつまりメイド服な藍ちゃんくんがお掃除したり調度品を整えたりすれば今この瞬間はお嬢さんよりも藍ちゃんくんのほうがメイドさんっぽいのでは!?
そうだそうだと壁や建造物の皆様もお思いのようでっしてー!
藍ちゃんくんのファンになった皆様は利用されてはくださらないようでっすよー?
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「な、なんだか紋章がうまく動きません! 従者としての仕事が! 果たせていない!」
猟兵達との戦いが進み、ゴルトベルクの顔に焦りの色が滲み出す。
そんな彼女の前に現れたのは、メイド服を着込んだ紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)だ。
「藍ちゃんくんでっすよー!」
「猟兵ですか! 逃しませんよ!」
ゴルトベルクは藍の姿を確認するや否や、室内を縦横無尽に立ち回る。
時に壁を蹴り、時に調度品を投げつけたりもしたりしつつ、彼女は少しずつ藍との距離を詰めようとしているようだ。
「あや~っ! いきなりすごいのでっす、上手いのでっす!」
藍も瞬時に状況を理解して、迫る攻撃をどうにか潜り抜ける。
壁が蹴られたのなら距離を取り、物を投げつけられたら家具の影に身を隠し。
二人の追いかけっこは付かず離れず、暫く続くこととなった。
「はぁ、はぁ……逃げ足の速い……!」
いつまで経っても藍を捕らえられないことでゴルトベルクも疲労困憊。少し冷静になって立ち止まったようだ。
そこで藍も逃げるのを止め、その場へと屈み込んだ。
「やや? 先程までの大立ち回り、確かにすごかったのでっすがー……」
藍が拾い上げたのは、ゴルトベルクがぶん投げた何かしらの瓶の欠片だ。恐らく綺麗な装飾が施されたそれは、粉々になってしまっている。
「お嬢さん、攻撃にも防御にも祭壇周りを酷使していませんかー?」
「え?」
「ほら、もうぐっちゃぐちゃなのでっす!」
事実を指摘しつつ、藍はそそくさと周囲を片付け始める。着込んだメイド服も相まって、彼の方がよっぽどメイドらしいだろう。
ゴルトベルクもそのことに気付いた瞬間、彼女の装備する紋章も効力を失う。攻め込むなら今がチャンスだ。
そこで藍が味方につけるのは――この部屋全体だ。
「皆さんも藍くんちゃんの方がメイドさんっぽいとおっしゃっているのでっす!」
パチンと可愛くウインクしてみせれば、部屋も調度品も藍に夢中。
藍ドルは無機物すら魅了してみせるのだ。それに無機物達も、酷使してくる相手より気遣ってくれる相手の方が好ましいだろう。
「という訳で、藍ちゃんくんのファンになった皆様は利用されてはくださらないようでっすよー?」
返事の代わりに床が揺れ、瓶や家具は飛び回り。彼らはゴルトベルクを攻めるように暴れまわり、更に部屋を混沌に変えていく。
よりメイドさんらしく、より楽しく。藍はメイド服の裾をくるりと回しつつ、ゴルトベルクへ攻撃する|無機物《ファン》達を応援するのであった。
大成功
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瀬河・辰巳
人なんて従者どころかお猫様の下僕だよ。
事前に打ち合わせをしておいたフェーくんを連れて行き、猫に使える人の演技をする。もちろんどんだけ踏まれても無表情。
あ、抱っこより肩の上の方をお望みなのですね。ふむ、おやつ?もちろん準備していますよ。
…暴れたいのですか?承知しました。
危ないのでフェーくんを仕舞うため、杖に変えてUC発動。雷×暴風で周りにあるものを利用できないように吹き飛ばし、雷で感電させて死角からざっくり大鎌で切ってやろう。
いつもより扱いやすいってことは…フェーくんご機嫌だね?…これじゃあ良いおやつを食べたから、帰ったらカリカリのみとは言いにくいじゃん…。
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祭壇へと足を踏み入れた瀬河・辰巳(宵闇に還る者・f05619)は、ゴルトベルクと顔を合わせるとすぐに自らの考えを宣言した。
「人なんて従者どころかお猫様の下僕だよ」
「えっと……お猫様? 確かに猫は可愛いですが……」
ちょっぴり困惑するゴルトベルクに対し、辰巳が掲げるのは――猫のフェーくん。
可愛い猫を前にして、ゴルトベルクもおずおずと拳を下ろす。だって可愛いから。
「ほら、こんな風に仕えるんだよ」
辰巳はフェーくんを丁重に抱っこして、その身体をそっと撫でる。
しかしフェーくんちょっぴり不満げ。微妙に唸り声をあげて、辰巳の方を睨んでいた。
「おっと、すみません。抱っこより肩の上の方をお望みなのですね、はいどうぞ」
辰巳が腕の力を緩めれば、フェーくんは素早い身のこなしで肩の上へと移る。しかし不機嫌モードは解消しきれていない様子だ。
「ああ、おやつもですね? もちろん準備していますよ」
取り出したのはちょっと高級なおやつだ。美味しいおやつにフェーくん大満足。もぐもぐ食べつつ尻尾をゆらゆらしている。
そんな光景を前にして、ゴルトベルクは目を丸くしていた。フェーくんの可愛らしさも素晴らしいし、辰巳の奉仕も素晴らしいのだから。
「す、すごい……なるほど、これがお猫様に仕える者……」
(実際は打ち合わせしてるんだけどね)
そう、打ち合わせをしているから辰巳はフェーくんにどんな扱いを受けようと丁寧に対応しているのだ。
だから満足フェーくんにふみふみされようと、尻尾を顔にぶわっとされても怒らない。むしろどんなワガママでも聞き入れモード。
従者の紋章的にもOK判定が出たようで、ゴルトベルクのパワーも弱まっている様子。チャンスだ。
フェーくんはうみゃうみゃ鳴くと、辰巳に何かを耳打ちしだす。
「……暴れたいのですか? 承知しました」
「え? 急にそんな。何か危ないものはないかしら……」
すっかり猫ちゃん対応モードのゴルトベルクは、続く光景に目を丸くする。フェーくん、精霊杖に変身しているから。
「おもちゃ等は要りませんよ。全部吹き飛ばしますので」
辰巳はごきげんフェーくんを通し雷と暴風の魔術を展開すると、ゴルトベルクごと周囲を吹き飛ばす!
そのまま追撃として大鎌で一閃してやれば、鮮やかな赤が戦場に舞い踊った。
作戦は無事に成功だ。しかし辰巳の中には一つ懸念材料も湧き上がっていた。
杖になってからもフェーくんご機嫌。確かによく働いてくれたから、それは有り難いのだけど。
(これじゃあ良いおやつを食べたから、帰ったらカリカリのみとは言いにくいじゃん……)
これは帰ってからも打ち合わせが必要だな。
けれどこうやってお猫様に振り回されることも、なんだかんだで楽しいのだ。
大成功
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夜久・灯火
戦うメイドさんが相手かー。
じゃあ、目には目を、メイドさんにはメイドさんをぶつけようか。
まずはUCで【奉仕】に特化させたアサシンメイドさん9人を召喚。
アサシンメイドさん2人に装甲車型キャンピングカーの中から紅茶とクッキーを持ってきてもらって給仕してもらうよ。
流石は奉仕に特化したメイドさん、紅茶も美味しいねー。
紅茶とクッキーを頂きつつ、相手の攻撃をサーチドローンの【索敵】で察知して、シールドドローンの【結界術】で防御。
残りの6人のアサシンメイドさん達にはこちらを守るように【集団戦術と軽業】を駆使して投げナイフで敵を攻撃してもらうよ。
サーチドローンも【援護射撃と弾幕】でアサシンメイドさんを援護。
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不気味な雰囲気を纏う祭壇に、突如不釣り合いなエンジン音が響く。
その正体は夜久・灯火(キマイラの電脳魔術士・f04331)が用意した装甲車型キャンピングカーだ。
ぱかっと扉が開いたら、中から出てくるのは灯火――だけでなく、9人のメイドさんも一緒だった。
ゴルトベルクは灯火達をちらりと見遣り、拳を構える。何故ならひと目見ただけで、灯火だけでなくメイドさん達も手練だと理解したからだ。
「常在戦場はメイドの基本、あなた達も理解しているようですね」
「うん、確かに彼女達はアサシンメイド。戦闘も得意、だけど……」
灯火がちらりと視線を送れば、2人のメイドさんが車の中へと飛び込む。
そして再び外に出た時、彼女達の手元にはお茶会セット一式が揃えられていた。
メイドさん達は優雅な所作で紅茶を淹れて、さっと灯火へ差し出す。
「ありがとう。それじゃあ頂きます」
灯火も自分のペースで紅茶を飲んで、一緒にクッキーも頂きつつほっと一息。
その穏やかな光景にゴルトベルクも思わず見入っているが――。
「おお……給仕まで完璧とは……はっ、しまった!」
感心している間に従者の紋章はパワーを失っている。だって奉仕特化なメイドさんの方が従者っぽいからね!
ゴルトベルクは慌てて拳を構え、きりっとした表情を浮かべる。
「紋章がなくとも、私の方が戦えるメイドさんです! 勝負です!」
「うん。いいよ。それじゃあ残りのメイドさんも、戦闘準備してね」
灯火は紅茶を飲みつつ、サーチドローンを周囲に展開していく。
同時にメイド達もナイフを構えれば、次の瞬間からは苛烈な戦闘の始まりだ。
メイド達は隊列を組みナイフを投げて、どんどんゴルトベルクを追い立てる。
ゴルトベルクも拳を振るい抵抗を試みるが――。
「ボクのことも忘れないでね」
灯火の操るドローンが機関銃を乱射し続け、更にゴルトベルクが逃げる道を塞ぐ。
冷静で的確な灯火の行動と暗殺特化のメイドさん達。皆が力を合わせれば、どれだけ強力な相手でも追い込むことは可能なのだ。
逃げ続けたゴルトベルクも部屋の隅へと追い詰められ、顔に焦りの色を滲ませる。
一方、灯火はゆるりと微笑んで。
「メイドさん対決、面白かったよ。目には目を、メイドさんにはメイドさんを、だね」
繰り出された射撃とナイフの弾幕はゴルトベルクを蜂の巣にし、大きなダメージを負わせるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
【鯱兎】
※長袖ロング丈のメイド服の下に執事服仕込み
なんで僕だけ二重なの
普通に執事できるのにー!
あ、ハイ
ゴルトベルク様、よろしくお願いしますね(お辞儀
戦いよりもティータイムにいたしませんか?
ぼ…わ、私、お料理得意なんです
薔薇のアップルパイ作って来ました
お紅茶もご用意できますよ
ミルクやお砂糖はいかがなさいますか?
晃君の誘導で落ち着かせた頃を見計らい
クーラーボックスやタンブラーから用意してきたものを準備
言葉に甘い誘惑を乗せて、出来る限り断らせないよう
更にメイド服を脱ぎ叶夢の戯発動
喜んでいただけたのならなによりです
余興に歌でもいかがです?
楽しませてさしあげますよ(破魔による浄化&歌唱攻撃)
堺・晃
【鯱兎】
※あらかじめ執事服着用
なんでも何も、澪君メイドの方が似合いますし
さぁ、行きますよ
念のためオーラ防御は纏いつつ
基本的には敵の情報収集と気配感知、瞬間思考力で動きを予測、察知し回避行動主体
女性がそのように乱暴な振る舞いをするものではありませんよ
お怪我でもされては大変ですし
ああほら、背中のリボンが曲がってます
直してさしあげましょう
家事が得意というわけではありませんが
幼い頃商人の跡継ぎとして叩き込まれた礼儀作法や言葉使いでそれっぽく振る舞い
万一攻撃しようとしたら
指定UCで猛毒のワイヤーでの捕縛と同時に
召喚したメイデンを盾に澪君の分までナイフを防ぎます
言ったでしょう、暴れるなと
(罠使い、毒使い)
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執事服を身に纏い、祭壇へと向かう堺・晃(元龍狼師団師団長・f10769)はどこか上機嫌だ。
それは隣に立つ栗花落・澪(泡沫の花・f03165)がどこか不服そうな表情を浮かべているからだろう。
「なんで僕だけこんな格好なの……」
澪が着ているのはロング丈のメイド服。その下に執事服も仕込んでいる、というちょっと変わった状態だ。
それなら初めから執事服でいいじゃん、と思うのだけど。晃のおすすめにはどうにも逆らえなかった。
「なんでも何も、澪君メイドの方が似合いますし」
「普通に執事できるのにー!」
「ほら、もう祭壇に着きますよ。行きましょう」
晃の言葉で澪も今の状態に気づく。そうだ、いつまでも怒っていられない。
目の前には戦場が、そして敵が待ち構えているのだから。
二人を出迎えたのは金の篭手を構えるゴルトベルクだ。彼女の纏う気配からは戦意が漲っている。
しかし立ち向かう猟兵達は優雅な所作でお辞儀をすると、戦闘メイドさんへ笑顔を向けた。
「ゴルトベルク様、よろしくお願いしますね」
「女性がそのように乱暴な振る舞いをするものではありませんよ。お怪我でもされては大変ですし」
戦意の感じられない丁寧な挨拶。思わず毒気を抜かれたゴルトベルクは、ぱちぱちと瞬きをしていた。
「い、一体何事で。私はあなた達を倒すために……」
「ああ、ほらよく見て下さい。背中のリボンが曲がってますよ。直してさしあげましょう」
晃は流れるような仕草でゴルトベルクの後方へと回り、エプロンのリボンをさっと直す。
ここまでの戦いで衣服が乱れていたのは事実だ。そのことに気付いていなかったこと、敵対する相手が直してくれたこと、その他様々な感情が相まって、ゴルトベルクの表情がなんとも言えないものへと変わる。
その横では澪が用意してきた荷物を取り出し、優しく微笑む。
「戦いよりもティータイムにいたしませんか? ぼ……わ、私、お料理得意なんです」
ここは女性のフリをしておいた方がいいだろうか、そう判断して澪の一人称が混乱する。その一言に晃が笑ったのも見えたけど、今はぐっと我慢。
澪は笑顔を崩さずに、お手製のアップルパイと紅茶を差し出した。
「薔薇のアップルパイ作って来ました。お紅茶もご用意できますよ、ミルクやお砂糖はいかがなさいますか?」
「わ、わ。何から何まで。ありがとうございます」
ここまで丁寧にもてなされては、ゴルトベルクも簡単に手出しは出来ない。
仮に料理に毒が仕込まれていようと、毒見だって戦闘メイドの嗜みだし。それ以上に出されたお茶会一式が美味しそうだし。
ゴルトベルクは感謝の言葉を述べ、早速アップルパイを食べ始める。次の瞬間、彼女の顔がぱっと華やいだ。好評のようだ。
「何かお困りのことはありますか? 何なりとお申し付け下さいね」
ゴルトベルクがまったりしだしたのを確認し、晃も彼女に付き従う。
晃のほうは常に警戒を怠っていないし、相手が不審な動きをすればいつでも殺しに行くつもりだけれど。今はできる限りの演技をしておくほうがいいだろう。
「……ごちそうさまでした。美味しかったです!」
お茶会セットを完食し、ゴルトベルクは大満足。
けれどもてなしは終わらない。澪は突然メイド服を脱ぐと同時に、変身のユーベルコードを発動しだす。
「喜んでいただけたのならなによりです。余興に歌でもいかがです?」
そこに立っていたのは可愛い少年ではない。すらりとした印象の中性的な美青年だ。
これは澪が夢見る自身の姿。|破魔の光《イケメンオーラ》を纏う叶夢の戯だ。
その姿にも晃が生暖かい笑みを浮かべているが、やっぱりぐっと我慢。おのれ、自前の身長を持つイケメンめ。
「わわ、歌ですか?」
「ええ。どうぞゆっくり寛いで下さい」
澪はゆるく笑みを浮かべると、破魔の力を籠めた声で歌を紡ぐ。
その音色は紋章を無効化されたゴルトベルクにはよく通るだろう。彼女も最初は聞き入っていたが――。
「……なるほど。これがあなたの攻撃手段なのですね」
相手は第五の貴族に属するもの。攻撃の気配を感じ取った瞬間、ゴルトベルクは拳を構えて飛び上がる。
しかしその彼女はそこから先へと進めない。張り巡らされたワイヤーが身体を拘束し、押し留めているのだ。
「言ったでしょう、暴れるなと」
低く響く声は、人形を抱えた晃のもの。彼の顔には先程までと違う、嗜虐的な笑みが浮かんでいた。
対するゴルトベルクはどうにか拘束から逃れようとするが、滲み出す毒により満足に動くことが出来ないようだ。
彼女は毒と浄化の声、その二つに挟まれて少しずつ衰弱していく。
「騙す形になったのはごめんね。でも、僕らも真剣だから……!」
「最期に良い思い出が出来たでしょう?」
ゴルトベルクの耳に入るのは、対称的な青年達の声だった。
大成功
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セレナリア・アーチボルト
この感覚……ッ!同じタイプのメイドッッッ!
よろしいならばメイドバトルです!
ルールはもちろん最後まで立っていた方の勝ち!簡単ですね!
さあ勝利を我が主人に捧げましょう!(数少ないメイド要素)
拳を交えれば互いのメイド力はわかります!
手数で攻めて来ようとも防御を固めてカウンターで確実な一撃を入れるのが私のスタイルです!
主人のために耐え忍ぶ私も大変エモいですね!
必殺拳がタコ殴りだなんて笑止千万!一撃で仕留めてこそ真の必殺拳でしょう!
愛と勇気を込めた一撃!これが私のメイドパンチです!
それにほら?技名にメイドが入ってるから私の方がよりメイドらしいですよね?
アドリブ歓迎
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ゴルトベルクと目が合った瞬間、セレナリア・アーチボルト(鉄壁のお手伝いさん・f19515)は思わず拳を構えた。
ひと目見ただけで本能的に理解出来る。彼女は――同じタイプのメイドだと!
ゴルトベルクもそれは理解しているようで、篭手に包まれた拳を構えてニコリと微笑む。
「何をすべきか、お互いに分かっているようですね」
「ええ、もちろん。メイドバトルです! ルールはもちろん最後まで立っていた方の勝ち! 簡単ですね!」
同じタイプのメイド同士、勝負の内容も難しくある必要はない。
最後まで拳をぶつけ合い、どちらが真のメイドかを決める――やるべきことはただそれだけなのだから。
「それでは参ります!」
ゴルトベルクがロケットのような勢いで突進し始めたのを確認し、セレナリアが構えるのは防御の姿勢。
「さあ、勝利を我が|主人《あるじ》に捧げましょう!」
気合を入れて、叫びで自分自身を鼓舞して。
どんな攻撃が来ようと耐え忍び、打ち勝つ。それが自分のスタイルだ。その信念を支えるのは、ただ一つの強い想い。
数少ないメイド要素を引っ提げつつ、いざ闘いの幕が開く――!
「お見せしましょう、ゴルトベルク必殺拳の神髄!」
ゴルトベルクはセレナリアへと肉薄すると、迷うことなく連続拳打を叩き込む。
その拳の重みはもちろん、流し込まれる呪詛も凄まじいものだ。セレナリアは歯を食い縛りつつ攻撃を受け止め、相手の顔をじっと見据えた。
(なるほど、これが彼女のメイド力……! ですが、負けません!!)
どんな苦難が待ち受けようと、耐え忍んで進むのがメイド道。
こうして果敢に戦う姿、きっと|主人《あるじ》が見たら感動するだろう、なんて気持ちもある。
そう、顔も思い出せないけれど、|主人《あるじ》は確かに待ってくれている。その確信があるからこそ、セレナリアは殴打にも呪詛にも負けないのだ。
「そもそも! 必殺拳がタコ殴りだなんて笑止千万! 一撃で仕留めてこそ真の必殺拳でしょう!」
「何ですって!? い、いえ、これが私の闘い方ですから!」
重い攻撃を受け止めつつも不敵に笑うセレナリアを前に、ゴルトベルクが上ずった声を出す。
もう彼女の拳は十分に受け止めた。メイド力も測定出来た。チャンスを見つけて攻め込めば――勝てる!
セレナリアはラッシュの合間に身を屈め、ゴルトベルクの懐へと突っ込む。
そのまま放つのは――愛と勇気のメイドパンチ!!
「これが! 私の! メイドパンチです!」
気合も信念も技名も、どちらがメイドっぽいかは明白!
セレナリアの放つ一撃は従者の紋章を無効化し、ゴルトベルクの胴を強かに撃つ!
吹き飛ばされ消滅するゴルトベルクの表情はどこか爽やかだった。
「……あなたも良きメイドさんでした。手合わせ、感謝します」
好敵手を弔うセレナリアもまた、爽やかな笑みを浮かべていた。
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こうして猟兵達は強敵を倒し、紋章の祭壇制圧への歩を進める。
戦争は、そろそろ佳境へと突入していた。
大成功
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