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闇の救済者戦争⑮〜天に唾す者滅ぶべし~

#ダークセイヴァー #闇の救済者戦争 #第五の貴族

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●嘗て法則を覆された者
 ――嘗て他ならぬそれ自身が治め守っていた地があった。
 それ自身の守る土地の民ならば、それが喰らい襲うもまた摂理であり、道理でもあったのかもしれない――例え何かに汚されたのかは定かでなくも。
 人の身では、神に敵わない。天に唾すれば己に跳ね返るのだから。

 されどそれは覆され、神は滅び神を鎮める神官もまた、長きを経て蘇った亡霊と成り果て、嘗て鎮めていた神と命を共にする鬼となり果てて。
 そして今、嘗て守護の神であった記憶も誇りも消え去り、神は第五の貴族と化して其処に立っていた。

 ――その額に、人は神に抗えぬという摂理を示すような紋章を輝かせて。

●天に唾するものは……
「天に唾を吐けば、必ず自分に返ってくるものだ。それが物理然り、概念然り、法則というものだからね」
 尤も、その法則を覆す力すら持っているのが、|罪深き刃《ユーべルコード》でもあるのだが――とグリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは語り出した。
「それを定めた神とやらが、その法則を宿してしまっている。しかし……そのような法則すら、覆し得る力を、私も、君達も持っている。そうだろう?」
 薄金のグリモアが、悍ましき神の姿をグリモアベースの目まぐるしい空間の中に映し出していった。

 第五の貴族と呼ばれるダークセイヴァーの強力なオブリビオンは、【紋章】と呼ばれる寄生型オブリビオンの力を宿して強大な力を振るう者もいる。
 今回猟兵達に向けて案内しているのは、その紋章を宿した第五の貴族が一体。
 かつて己の土地に住まう民を襲い、逆に返り討ちにされた神と、それを鎮めていたダンピールの神官が二体で一体の強大なオブリビオンとなった存在だ。

「まあ、敵の経緯は兎も角だ。倒すことに変わりはないからね。問題なのは、彼等が宿している【紋章】の力なのだよ」
 そう言って示すは、十字架を背景に、唇より吐かれた唾と、それに裁きの雷を下す紋章――異形なる神の額に描かれたそれを示す。
 曰く【|天唾《てんだ》の紋章】と呼ばれるらしく、受けたダメージを蓄積し、それを増幅して強大な矢として返してくるのだそうだ。
 正に天に唾すれば己に跳ね返る、という摂理を体現するかのように。

「過去にも同様の紋章はあったが、改良型だ。隙を狙うのも楽な仕事じゃない」
 ただし、矢を放った直後に隙が出来る点、また、一度に許容量を超えた攻撃を与えられればダメージの蓄積が上手くいかず、余波で暴発する点が弱点だ。
 されど過去にも相手にしたことのある猟兵に注意するように、放たれる矢の威力は強化されていることと、許容量が増えていることを告げる。
「それでも……基本は変わらない。下手に攻撃を加えず、協力し合ってキツイのを叩き込んでやるか、ダメージ覚悟で反撃を凌いで反撃を更に返してやるか、さ」
 矢の反撃を制して反撃を叩き込むならば、より強力となった反撃を凌ぐ力を。
 そして許容量を超えるのならばまず個人での攻撃で出来る訳もなく、複数人で協力して一気に攻撃を叩き込む――それも一人一人が相応の力を以てせねばとも語った。

「さて、話は以上だ。|基本《セオリー》に則り、そして|真理《セオリー》を覆す。言うは易し、行うは難しではあるけれども……」
 一通りの語りを終え、以前よりも難易度の増した状況に後頭部を申し訳なさそうに掻きながらも、スフィーエは決意を改めるようにグリモアを輝かせる。
「天に吐いた唾が返ると誰が決めた。人は神に敵わないなど、誰が決めた……終焉を覆す力、期待しているよ」
 それこそが終焉を打ち破り神をも滅する罪深き刃を持つ猟兵だから――と大袈裟に語りながら、グリモアの描いた門が戦場に続く扉を開くのだった。


裏山薬草
 どうも、裏山薬草です。
 天に唾すれば己に跳ね返るといいますが、まさか実行した人はハイ私の知り合いにいましたし無謀な人だったと思います。
 しかし何事も実践大事といいますかなんといいますか。

 というわけで、今回は紋章を宿した強敵のオブリビオンを撃破しに行って貰います。
 相手にする紋章は「|天唾《てんだ》の紋章」を宿したオブリビオンです。

 過去作(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=35666)にもありますが、この紋章は改良型で、一度に溜め込めるダメージの許容量が大幅に上がっております。
 まず個人でオーバーフローを起こすのは不可能であり、一人一人の攻撃も相応の威力が求められるので協力し合うのがベターです。

●プレイングボーナス
 紋章の「弱点」を突いて戦う。
 この場合の弱点とは、「カウンター直後の隙を狙う」もしくは「複数の猟兵で強い攻撃を同時に叩き込む」のどちらかです。

 プレイングの受付状況に関しては、タグにてお知らせします。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
 裏山薬草でした。
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第1章 ボス戦 『土地神『アウルゥム』と半魔神官『カナヤ』』

POW   :    神は此処に在り。地に墜ちよ、血を捧げよ
自身が装備する【金属を司る神の覇気】が形成する【重力結界】から【高威力の重力波】と【地面から無数の金属刃】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【飛行及び高速移動不能、体内侵入した金属毒】の状態異常を与える。
SPD   :    我が血を捧ぐ。封印解除・血統極限覚醒
自身の【神とヴァンパイアの力を封じる神官のケープ】を捨て【全技能が「100レベル」の魔神と魔人】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
WIZ   :    征け、下僕達。メタリック・ゴッド・クリエイション
レベル×1体の【自身に隷属する精霊や死霊を宿す金属の下僕】を召喚する。[自身に隷属する精霊や死霊を宿す金属の下僕]は【破壊されれば再召喚】され【金属+あらゆる】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。

イラスト:タヌギモ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はルパート・ブラックスミスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夜刀神・鏡介
天に唾を吐けば返ってくるのは当然の摂理
とはいえ猟兵もオブリビオンも半ば摂理からはみ出しているようなもの。攻略手段もあるだろう

神刀の封印を解除。神気を纏って身体能力を強化
どう攻略するにしても、とりあえず反撃の矢がどんなものか確認してみないといけないし
とりあえず試しに程々の威力で攻撃して、反撃の矢に対応

その後は弐の型【朧月:周】の構え(指定技能:見切り+心眼、カウンター、受け流し、落ち着き、継戦能力)
相手からの攻撃を捌いてカウンターで攻撃。それに対応して矢が撃ち返されるのを防いで、次の攻撃に備える……尤も、全て完璧に対処するのは無理だろうから致命傷にならない分は自分で受ける事も覚悟しておこう



●法則を超えるか超えぬか
「…………」
 見上げる程の巨体、頑強な金属の塊のような姿とその威容。
 嘗て神であったと言われても納得できる存在感と、その近くに抱えられ侍る神官の、冷たく見下ろす視線に抗うように彼は視線を交わしていた。
 彼――夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は神の力には神の力とばかりに、神刀の万象を斬る力を解き放ち、同じくして己の力を高める神の気を纏い、神の放つ威容にも一切怯まぬ様相を見せていた。
 互いに無言のままの睨み合いは時にして僅か――されど永きのようにも感じられた緊張感を破るように、鏡介が力強く一歩を踏み出し袈裟掛けに斬り付ける。
 異端の神も神官も、何も言葉を発さずにただ、鏡介の斬撃を頑強な腕で受け止め――額に戴く紋章が煌めけば、鏡介に向けて光の矢が放たれる。
 それを寸での所で、身体を横に逸らし矢を回避する鏡介であったが。
「……それだけで、|これ《・・》か」
 鏡介からすれば、紋章の反撃が如何なるものか分からぬ以上、攻撃は彼の基準からすれば程々でしかなかった。
 その上で――横を過ぎ去った矢の帯びていた気迫で十分に分かってしまう。
「天に唾すれば己に跳ね返る。神に逆らう物の当然の帰結、神罰と知れ」
 正に神罰――全力をぶちかましておかなくて、本当に良かったと鏡介は感じていた。
 淡々と告げる神官へと、体勢を立て直しながら踏み込みつつ鏡介は言葉を返す。
「俺達はそんな摂理なんて、半ばはみ出しているものだと思うが」
 天に唾すれば必ず己に跳ね返る。
 重力という|法則《神》には逆らえないのだから、投げ出した唾は|重力の法則《神の導き》に従って落ちて己の顔に掛かる。
 尤も――その摂理に嘗て神であった身は覆され、そしてまた摂理を超越する|法則《ユーベルコード》を扱うならば有って無きようなもの。
 再びに踏み込みと共に放たれた斬撃を神は腕で受け、紋章を輝かせぬままカウンターの拳を突き出す。
「逸脱した先が、都合の良いものばかりではないと知れ」
「ああ。……あんた達もな」
 だがその拳が彼を押し潰すことはなく、鏡介は刀を軽く捻り、峰の方を以て突き出された拳を受けとめ――立てられた音は僅かに、緩やかに拳を受け流しつつ。
 逆に神の腕を滑りながらの鋭く、金属めいた身体をも深く斬り裂く強かな斬撃を叩き込む――!
 されどそれは、天唾の紋章への餌、懲りぬ者への神罰をと言わんばかりの、先程の矢よりも強く、激しい矢が放たれ――
「その周くを、見切った」
 ――今度は恐れず、怯まず。
 当たらなければ、どうということはない――解き放たれた矢のギリギリを、掠っても大丈夫なラインを見極め最低限の動きを以て躱し。
「――弐の型【朧月:周】」
 滑り込むように神の脚を、それはそれは鋭く、美しく斬り裂いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐藤・和鏡子
天唾の紋章の効果は貯めたダメージを矢にして撃ち返す、ならばその矢を回避してしまえば問題なし。
1270レベルの運転技能を駆使して矢を回避しながら救急車で轢いて攻撃します。
運転技能に蹂躙(轢く)+重量攻撃(車体の重量)+吹き飛ばし(超高速の救急車)を乗せてさらに威力を高めておきます。
私一人では倒せなくてもこうやって削っていけば他の人が続いてくれるはずですから。


ジード・フラミア
ジード「相手の弱点を突く……カウンター直後の隙……」
メリア『ハ、危ないデスネ。素直に攻撃を他の猟兵と合わせた方がいいデショウ。サァ、タイミングはワタシが見計らいマスカラ、行ってきてクダサイ!』
ジード「ちょっ、メリア!」

UC【人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー】を使用

メリアは少し後ろに立ちながらジードを操ります。 他の猟兵の動きも見計らって、単純ながら、戦闘力の上がった状態のバラックスクラップを使った攻撃をします。
アドリブ・連携は歓迎です。



●闇の中の火花
 巌のような見た目にそぐわぬ、唇より唾液の垂れる紋章が額に輝いていた。
 蓄積された損傷そのものは決してこの戦いに於いては消えず、痛みを蓄積すればするほどに、より強い神罰となってそれは跳ね返る。
「天に唾すれば己に跳ね返る。その摂理を思い知るが良い」
 侍る神官のような吸血鬼が冷たく宣言をすれば、滅多なものを言わぬ神が重たげに腕を突き出し――解き放った。
「……まぁ」
 嘗て何かしらの救いを齎していた神の放った矢を、救いを求める者に駆け付ける救急車の|急速な旋回《ドリフト》を伴いながら、寸での所で回避した佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)は緊張感のあるようなないような、どうとでも取れるような声を漏らした。
「相手の弱点を突く……カウンター直後の隙……」
 同様にして、丁度二手に分かれるように飛びのいたジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)は一旦放たれたそれと、僅かな硬直を狙おうとはしたものの、傍らの人形――というには精巧に過ぎて一見それと分からぬが――が口のみを動かし語る。
『ハ、危ないデスネ。素直に攻撃を他の猟兵と合わせた方がいいデショウ。サァ、タイミングはワタシが見計らいマスカラ、行ってきてクダサイ!』
 メリア――ジードの中に眠るもう一つの人格が、人形を腹話術という形で介してジードを制すれば言うが早いか、彼の少し後ろに立ちながら彼の身体の動きの主導権を握り。
「ちょっ、メリア! お、押さないで!」
 慌てふためくジードの身体を完全に操り、彼に攻撃の機を伺わせようとするものの。
「――我が血を捧ぐ。封印解除・血統極限覚醒」
 その瞬間、黒いケープがひらひらと宙を舞っていた。
 それは神と神官の力を抑えつける軛、解き放たれれば鋼の如き神の肌が艶めき、見るだけで更に硬質となったかのように。
 否――実際に硬質化した防御は、それはそのまま叩き付けられれば、如何に猟兵といえど耐え難い攻撃力とも転じる。
 咄嗟にバックステップで躱し、和鏡子の救急車の上へと飛び乗ったジードであったが、陥没する地面に背筋へと嫌なものが走った。
「こちらで普通に攻めて来られても厄介、ということですか」
『一筋縄では行かないということデスネ』
 向かってくる、或いは紋章よりの矢を解き放とうとする神より、常に射線をずらすように車を走らせながら和鏡子は冷静に分析する。
 普通に攻撃してくるし、かといって攻めれば攻めたで、それ以上の威力の矢が返される状況は楽ではない、が。
「――しかし当たらなければ、どうということはないのですよ」
「……どちらも?」
「どちらも」
 ジードの問いかけに頷きを一つ返し、ハンドルへと改めて和鏡子は手を添え。
「プロドライバーの本領を見せてあげますね」
 ――救いを求める者の元に迅速に駆け付け、そして安全に然るべき場所に送り届けるのが、救急車というものの本領。
 そして看護の為に存在していた|千年人形《ミレナリィドール》の目が一瞬――光ったようにも見えれば。
 ハンドルを切り、アクセルを吹かす――救急車の車輪がダークセイヴァーの硬い大地を抉りながら軽快に駆け、豪快、かつ繰り出される矢や拳の叩きつけの合間を巧みに縫いながら。
 矢の放たれた一瞬の硬直へと、一気にアクセルを踏み込み――救急車の質量と加速度を一気に叩き付ける。
 如何に防御を高めたといえど、マトモに喰らえば轢殺されて致し方なしの威力ではあったが――
「あら……?」
「再生した……!?」
 ――神の力は防御だけではなく、重傷を負おうとも再生する力。
 しかも厄介なことに、紋章の輝きは更に増し、より強い矢を解き放とうとしているのが伺える。
「ならば何度でも削っていきましょう。……続いてくれるのでしょう?」
「!!」
『ジード、この突撃と合わせマショウ。紋章の弱点ハ変わらない筈デス!』
「……わかった!」
 されど慌てるでもなく、余裕を崩さぬような穏やかな笑みと共に和鏡子が問えば、ジードは目を見開き、メリアは畳みかける。
 紋章の弱点――攻撃の放出直後の隙と、許容量を超えた攻撃を一度に喰らえば暴発する、という点は変わらない。
 そして――傷を叩き込み続ければ、これで倒せずとも他の誰かが必ず続いてくれると信じている、故に。
 神が紋章を輝かせ、より強大な気配を放つ矢を解き放っても。
「しっかり捕まっててくださいねー」
「わわっ……!」
 上に乗るジードに警告を一つ、彼とメリアの身を振り乱す勢いで、車を滑らせ、矢の横を一気に摺り抜け――
『――今デス!』
「はぁぁぁぁっ!」
 メリアの合図を皮切りに、救急車の上から飛び掛かる――無論操作の主導権を握られ、その代価に力を高めているのだが、位置エネルギーをも乗せて。
 和鏡子の救急車がアクセルのベタ踏みから放つ突進が、ジードの振り下ろす奇怪な得物が、同時に神へと叩き込まれる。
 重なるのは、救急車の轢殺と|芥《スクラップ》と還すほどの重たい一撃――それぞれが必殺の威力を以て、同時に重なれば。
 紋章に性質の異なる二つの、それも強烈な攻撃はそれぞれ蓄積することも能わず、溢れかえった力の奔流が神の身を焼いていく。
 天に唾すれば己に跳ね返るという摂理を掲げた紋章は、逆にその唾を更に返され溺れる自滅の末路を辿るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と

堕ちた神と神官か
凄まじい神威を感じる
いや、堕ちたからこそ強まっているのか

けど怖気づく訳にはいかない
この世界には護るべき者が居る
相棒と不退転の決意で挑む
「必ず倒そう、陸井!」

真正面から向き合い錫杖で敵を指し
UC詠唱
同時に筆耕を始める相棒の前に立ち防御戦闘開始
結界術やオーラ防御など持てる全ての防御技能を全て駆使し
苛烈な攻撃を防ぎ耐え抜いて見せる!

139秒後に来る俺の​|光使《ククルカン》と
書き上げられた相棒の戦文字の同時着弾で
敵にまだ息があれば
縫い留められていようが毒を喰らっていようが
全力で継戦能力等を励起し
通常攻撃を叩き込む

「去れ!此処はもうお前たちの座所じゃない!」


凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と参加

近づくだけで強さを感じる
隠すつもりもない強者の覇気か
でも、気圧されるわけにはいかない
此処で倒し切らないと犠牲者も増える
「あぁ、行くぞ。時人」

時人と同時に武器を構え
【戦文字「死龍葬弾」】の文字を画き始める
時人は詠唱が、俺は画き上げる事が
どうしても時間はかかるが、今は相棒を信じて
「一画一画、全力で…本気で叩き込む為に」

画き上げたら弾を装填し、相棒の行動に合わせて構える
相棒の力と俺の力、最大の威力で叩き込む力に
「さぁ、打ち返せるもんなら…やってみな!」

打ち込んで安心はしない
敵がそれだけで倒れなくとも
心折れずに前へ出て攻撃を
「悪いな。そこから退いてもらおうか!」



●神に刻む破滅への紋
 一時傷ついて膝を着いていた筈の神が、ゆっくりと立ち上がっていた。
 垂れ下がった前髪にて表情に陰りを帯び、自らの身を包んでいたケープを改めて放り――
「――唾する者を許さぬ為に、我が血を捧ぐ。封印解除・血統極限覚醒」
 巨大な神と、それに仕える神官――それぞれが堕ちた証であり、魔と為ったことを証明するような魔神と魔人の威容が放たれていく。
 近づくだけでも圧倒されてしまいそうな、凄まじい神の威光とはこのことか――相対していた葛城・時人(光望護花・f35294)と凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)は、その場から一歩も動けずにいた。
 堕ちて尚、否、堕ちたからこその魔神と魔人の神威の凄まじさがあるのだろうか。それでも時人と陸井はそれぞれに顔を付き合わせ。
「必ず倒そう、陸井!」
「あぁ、行くぞ。時人」
 ――ここで気圧され、退いてしまえばより多くの民が犠牲となるのだから。
 錫杖を手に真っ直ぐに向き合い、魔神に立ちはだかる時人の一方で、その後ろで陸井が筆を取り出した。
 そう簡単に攻め込む気配のない、一撃の準備を整え始める彼等に魔人の神官が嗤う。
「迂闊に攻めぬは良き判断だ。されど」
 ――されども、此方からも攻める手など幾らでもあり、それだけでも猟兵達を圧するに容易いことだと魔人と化した神官は顔を歪めた。
「汝らを堕す神は此処に在り。地に墜ちよ、血を捧げよ」
 結界を巡らせていた時人の全身を圧し、彼の骨肉を嫌な音を立てて軋ませる、神すら逆らえぬ圧倒的な重力。
 金属を司る神の威容が象る重力の軛が時人を押し潰しにかかり、その一方で地面から生え揃う刃が容赦なく飛び彼の身を刻みに掛かる。
「光使となりて来い! ククルカン!」
「一画一画、全力で……本気で叩き込む為に」
 それでもここぞという時の攻撃に向けての準備を整えだす時人と、その後ろで空中に画数の多い字を描き始めていく陸井。
 詠唱と文字、それぞれ違えど準備には――苛烈な戦闘に於いてあまりにも永き時間を要するのだが。
(――信じている、相棒)
(応えてくれる、分かっているさ)
 こうして攻撃を引きつけ続けてくれている相棒の痛みを想像すれば、我がことのように身の刻まれる感覚にすら陥る。
 されど、ここで文字を描くことを崩せば、|相棒《時人》の痛みを全て無に帰すこと――故に一筆一筆、確実に描くことこそ最短の道と信じ陸井は筆を走らせる。
「神罰は紋章に依るものだけに非ず。それでも尚抗うか、人の子よ」
「……耐え抜いて見せる。勝つために、必ず。それに今で――」
 重力の圧と、走る金属の刃、そして流し込まれる金属毒が容赦なく体力を奪っている。
 結界を始めとする、ありとあらゆるリソースを防御に費やして尚、準備に向けて時間を稼ぐのは永劫のようにも思えたが。
「――丁度139秒! 準備は出来てる!?」
「ああ……耐え抜いてくれたお陰だな」
 だがこれで、全ての準備は整った。一度だけ振り返り、時人が|相棒《陸井》に問えば、その陸井は頷き今の今まで描いていた文字の力を凝縮した弾丸を銃に込めた。
「さぁ、打ち返せるもんなら……やってみな!」
 そして解き放たれる銃弾――描かれた【龍】を四つも繋げたそれ。
 画数に比して威力を際限なく高めるそれは、正に|死《四》を刻む必殺の弾丸。
 されど堕ちた神に襲うは、龍の与える死だけに非ず。
 詠唱を終えた時人の呼び出した、百を優に超える眩き白、翼を生やした御使いが如き燐光を放つモノが光る剣を振るい堕ちた神を刻む。
 それぞれに膨大な準備の末に解き放たれたそれが、二つ同時に重なるものの、魔神と化した耐久力を以てそれを耐え、紋章に着実に吸収を試みる。
「無駄だ……浴びせる唾は増えれば増える程……何っ……?!」
 魔と堕ちた力は、神と神官に莫大な防御力と、吸血鬼さながらの不死の耐久力を授ける――此処に太陽の光もなく、あるのは眩い燐光のみ。
 決して耐え切れぬ攻撃ではない――耐え切り、再生し、その上で天に唾する摂理を逆に叩き込む。
 彼等の動きは既に、重力という名の神が縫い留め、猛毒が時人の方を犯している以上、残る陸井も同様にすれば良い。
 故に堕ちた神は紋章を額に輝かせたが――
「「うおぉぉぉぉおっ!!」」
 重なり合う二人の声と、決して怯まない果敢な攻め込み。
 重力の軛も有って無きが如く、寧ろ重力の圧が逆に彼等の踏み込みに力強さすら与えていたような錯覚にすら陥るほどに、彼等の踏み込みはあまりにも強く。
 最後の最後まで、勝利を絶対に諦めない強き意志の元に放たれた二人の攻撃が、幾度となく重なり――
「馬鹿なっ……! あれだけやって、まだ……あ、も、紋章が……神よ……!」
 抑えきれなかった何かが溢れるかのように、神の額に刻まれていた紋章の内側より、幾つもの光の条が花開く。
 吐きかけられた|唾《ダメージ》を抱えることのできなくなった故の、紋章の暴走。
「悪いな。そこから退いてもらおうか!」
「去れ! 此処はもうお前たちの座所じゃない!」
 堕ちた神は、人に仇為す神は、これからの人の世に必要はない――天に唾する者を罰する筈の紋章を、逆に仇とした神の絶叫が響き渡り、堕ちた神の身を烈しい閃光が包み|灼《や》いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
撃った攻撃を蓄積して、増幅して撃ち返す能力、ね
一見凄そうだけど、ボクとウィーリィくんなら打ち破れる
行くよ、ウィーリィくん!

宇宙バイクで敵の周りを走り回ってボクの方に注意を向ける事でウィーリィくんが隠れられるようにする
準備が整ったら【早業】【ロープワーク】【罠使い】で動きを止め、そこへウィーリィくんとタイミングを合わせて宇宙バイクを【ハイメガロドンフォーメーション】に変形させて、同時に必殺のUCを叩き込んでオーバーフローで自滅させる

これがボクたちのコンビネーションだよ!


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
確かにすげー奴だけど、残念だがシャーリーと一緒なら勝てる相手だ。
とはいえ、油断は禁物だけどな。

シャーリーが奴の注意を惹きつけている間に【地形の利用】【物を隠す】で身を隠しながら奴に接近する。
俺のUCは近距離型だからな。
そしてシャーリーの罠が作動したのを合図に二人同時にUCを放つ。
俺の【超音刀工】を【二回攻撃】で繰り出し、斬撃だけでなく無数の衝撃波での追い打ちをかけ、それにシャーリーのUCが加えて許容量を超えるダメージを与える。

お互いを信じあえば、どんな強敵にも勝てるんだ。覚えとけ!



●トモガ・イルカラ・フタタビ
「懐かしいな。確かにすげー奴だった」
「そうだね。一見凄そうだけど、あの時だって破った」
 ――思い出す。かつて同様の紋章を相手にしたことを。
 ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)の昔――というほど遠くはないかもしれないが――の声に、 シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)が続けた。
「……パワーアップはしてるみたいだけどな」
「だから?」
 確かに破った。だが今度の紋章は許容も威力も強化されている、その上で二人だけで挑むというのは――と思われたが、ウィーリィの不安を制するようにシャーリーが有無を言わせぬ口調で。
「ボクたちだってあの時よりも強くなってる。歩みは止まってない」
 その言葉に目を見開けば、すぐにウィーリィは快活に笑い。
「行くよ、ウィーリィくん!」
「応!」
 そしてまずは鮫型のバイクを豪快に駆り、シャーリーが神の周りを駆け巡る。
 スロットルを全開に吹かし、ダークセイヴァーの地面を車輪で豪快に削りながら、それでいて巧みな旋回は否応なしに神と神官の注意を惹き付ける。
 その隙にウィーリィは物陰に息を潜め、身を隠しながら徐々に、徐々にと神へと目掛けて距離を詰めていく――同時攻撃の為には、近接技であるウィーリィにとっては接近する必要がある為だった。
 そのような策にも気付かず、ただただ周囲を走り回るシャーリーに――この時注意深く見ていれば彼女が合間合間に何かを仕掛けているのが見えるのだが、原動機の轟音と煽るように視界に映り、時折後部をわざとらしく揺らし煽る姿に、神官と神は不快を隠さず。
「御前を汚す羽虫が……鬱陶しい」
 完全に彼等の術中に嵌っているということではあるが、それに彼は気付くこともなく、ケープを無造作に脱ぎ捨てた。
「我が血を捧ぐ。封印解除・血統極限覚醒」
 まずは隙を晒さぬように――全ての力を極限に高めた魔神と魔人へと神と神官は姿を変え、その身を頑強なものと為す。
 これで何が来ようとも――と思われたが、不意にその身に、一気にワイヤーが巻き付けられ神の身が縛り付けられていた。
「か、神よ……!」
「どう!? いくら再生したって、縛られることは……無理だよね!?」
 圧倒的な防御力と再生力を得ようとも、捕縛そのものを無力化することは出来ない。
 シャーリーによって駆け巡る最中に仕掛けられた布石が機能し、神と神官の身は完全に縛り付けられている――尤も、抵抗に抵抗を重ねれば千切られるかもしれないが、致命的な隙を晒すことになる。
「神は此処に在り――」
 ならばこれ以上はもう、自分が動けないのならば、相手にもまた動かせない。
 纏う神の威光を結界と為し、超重力の軛を以て縛ろうとした、その時だった――
「悪いな! もうさっさと此処からオサラバして貰うぜ!」
 シャーリーの姿に完全に気を取られていた神と神官の元へ、颯爽と斬り込んでいたウィーリィ。
 シャーリーが気を惹き付けていたからこそ、物陰よりの奇襲は奇襲と相成り、振るわれる大包丁の斬撃は音を置き去りにし、神の身体に走る。
「刀工の極みに限界はない! 神だって……超えてみせるっ!」
 音を超え、そして神の金属が如き身体すらも超え。
 斬撃の軌跡が残した三日月の刃が、硬質化した身体に追い撃ちを掛け、削っていく中――
「セット・イントゥ・ハイメガロドンモード!」
 神すらも怯んだその隙を、シャーリーは決して見逃すことはなかった。
 跨っていたバイクを変形させ、一つの砲と変える――その代価に自分が動けなくなろうとも、相手が動かず狙いを付けられるのならば問題ない。
 そして――ここで必ず、決められると信じている。左目のアイパッチが照準を合わせ、砲口に粒子の束ねられていく威容の下――
「シューッ!!」
 解き放たれたシャーリーの重量子反応砲が、二度解き放たれたウィーリィの超音速の斬撃が、同時に重なった。
 三日月を描く軌跡の刃が、最初に刻まれた刃と|交錯《クロス》しては追い撃ちの斬撃として神の身を刻みつつ。
 ウィーリィの残した斬撃、その交錯点に目掛けてシャーリーの放った砲撃が、間髪を入れずに吸い込まれるように叩き込まれていき。
「ば、馬鹿な……馬鹿な、我が、我が神よ……お、おおお……!」
 それぞれが正に必殺、奇跡のような、否、明確に彼等二人の起こした必然という名の同時攻撃に紋章は許容量を超える。
 抱えきれなかった唾に、自らの身をも溺れさせるが如く、紋章から爆ぜるように光が溢れに溢れ――それは太陽のように眩く、そして只管に熱く。
 巨大な光の柱となって立ち昇り、上層をも貫く勢いで神と、神官を包み込んでいく。
 最早声すらも彼等を包む光の柱に飲み込まれ行く神と神官へと、ウィーリィとシャーリーは高らかに告げる。
「これがボクたちのコンビネーションだよ!」
「お互いを信じあえば、どんな強敵にも勝てるんだ。覚えとけ!」
 堕ちた神と、妄信し堕ちた吸血鬼と化した神官には、決して辿りつけぬ境地。
 或るいは“生前”であった頃ならば在り得たかもしれないが――亡霊と化し、堕ちた神と吸血鬼となった者達には如何に足掻いても無理なこと。
 やがて光の柱は消え、後には――何も残さず、自らの紋章に溺れ消え去った、かつての神と神官の塵だけが虚しく風に流されて。
 確かな絆の下に掴んだ勝利に、凱歌の代わりのようにウィーリィとシャーリーは手を軽やかに打ちあわせるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年05月15日


挿絵イラスト