闇の救済者戦争⑬〜月光の城と忘れん坊の花畑〜
月の満ち欠けに呼応して輝く城塞、月光城。
かの城塞には「月光城の主」と呼ばれる強大なオブリビオンが君臨しており、第五の貴族の干渉すら阻み、あらゆる存在の侵入を遮断している。
その堅牢さから、おそらくは異端の神々と戦う為に建造されたのだろう……と思われていた。
「卵が先か鶏が先か、という話になってしまいますが……その城塞群の中央に『ケルベロス・フェノメノンの欠落』を隠されていることが判明しました」
ルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は煌々と輝く月光城の様子を中継する画面の横にケルベロス・フェノメノンの画像を貼り付けた。
「それを破壊しなければ、ケルベロス・フェノメノンの持つ無敵能力を無効化できません。なのでこれを早急にぶっ壊す必要があり、そのために急いで捜索しなければならない……というのが現在の状況です」
今回捜索するのは月光城内に広がる大庭園。
ここには「花粉を吸った物に幻覚を見せる花」や「近づいて来た物の頭に齧り付いてそのまま丸呑みする食肉植物」などが大量に植えられている。
そんな庭園の主が「死薔薇のモンストル」と呼ばれている少女だ。
死薔薇のモンストルは何者かの手によって「月の如く煌々と輝く、大木の根のような脚」を移植されている。
「おそらく五卿六眼の誰かだと思われますがね」
これによりモンストルは自由に動けなくなった代わりに庭園内に張り巡らせた根でどこからでも敵を拘束できるという、およそ通常の生物では不可能な、生命体の構造を無視した奇怪な挙動で襲い掛かってこれるようになった。
「危険極まりない植物に対処しつつモンストルを討伐し、邪魔者がいなくなったところで大庭園の捜索を行うというのが、今回の作戦の概要となります。ひょっとしたら土の中に欠落が埋められている可能性もありますので」
何も全ての欠落が綺麗に祀られて、最奥に置かれているとは限らない。
月光城全てをひっくり返さんばかりのガサ入れが今、始まろうとしていた。
平岡祐樹
画像は移植前の様子です。お疲れ様です、平岡祐樹です。
このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。
今案件にはシナリオギミック「異形の身体部位から繰り出される攻撃に対処する」「城内のトラップ(多種多様な花々)に対処する」がございます。
これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。
第1章 ボス戦
『死薔薇のモンストル』
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POW : 食事にしましょう
自身の装備武器に【触れたものの体力を吸う茨】を搭載し、破壊力を増加する。
SPD : なんでしたっけ、これ
自身の【つけているリボン】を代償に、【巨大な動く薔薇】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【猛毒の花粉、茨の鞭】で戦う。
WIZ : 刈り取りましょうね
【種子の弾丸】が命中した対象に対し、高威力高命中の【発芽した茨による拘束を行い、更に鎌の斬撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:kae
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠アリエル・ポラリス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バーン・マーディ
成程
月の光の城…この世界の支配者…正義に相応しき城よ
ならば…彼の城にて叛逆の刃を突き立てん
【戦闘知識・オーラ防御】
周囲の城の構造と…オーラを広範囲に展開し
敵の攻撃の察知と欠片の存在も解析
UC発動
【武器受け・カウンター・怪力】
木の根と融合したことによる攻撃と罠や宝剣で受け止めカウンターで切り捨てて迎撃
また城の構造からモンストルの居場所の推測も行う
【二回攻撃・切断・貫通攻撃・鎧砕き・属性攻撃】
死薔薇がいるなら魔剣を以て蹂躙し
茨や根は己のオーラに炎を纏わせてぶつけて焼き払う
貴様らを彩る花々もまた焼き尽くそう
死を齎す薔薇であるならば
炎による死もまた受け入れるが良い
戦闘後はオーラを利用して欠片創作
「月の光の城……この世界の支配者……正義に相応しき城よ」
仄かに光る門扉を前にしてバーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)は暫しの静寂の元、目を瞑っていた。
「ならば……彼の城にて叛逆の刃を突き立てん。『悪とされたる者達よ。正義という暴力に蹂躙されし者達よ。我はバーン・マーディ。我は今ここに宣言しよう。悪には悪の…正義があると!』」
禍々しい紅きオーラがバーンの体から放たれ、月光城全体に行き渡る。
「あは、美味しそうな肥料がこちらから来てくれますか」
力の奔流を全身で感じ取ったモンストルが笑顔を浮かべる中、直接庭園に降り立ったバーンは静かに魔剣を抜くと同時に紅きオーラに炎を交えて周囲にあった有象無象の花々を一瞬で焼き払った。
その熱を浴びながらも一切形を変えていないレンガが弾け飛び、その下から巨大な木の根がまるで生き物のようにうねってバーンに襲いかかる。
だがバーンは平然と魔剣で受け止めるとそれが巻き付いてくる前に弾き返し、八つ裂きに切り払った。
「ちょっとー。焼き畑農業は後々面倒くさいんですよー」
あっさりと自分の脚の一部を切られたにも関わらず、モンストルは口を尖らせて非難する。だがバーンは一切悪びれることなく、平然と言い切った。
「死を齎す薔薇であるならば、炎による死もまた受け入れるが良い」
「嫌だね。せっかくこんな立派に成長したんだから」
そう言ってモンストルは鎌を構えると、その刃に触れたものの体力を吸う茨を添える。
火の粉を浴びても即座に新しい茨を生やすモンストルに向け、バーンは重厚な質量を持つ魔剣を横薙ぎに払う。
安易に鎌で鍔迫り合おうとしたモンストルはあっさりと伐採され、飛ばされた上半身が新しい根を地面に這わせる前にバーンは上段から真っ二つに斬り伏せた。
真っ赤な血の代わりに透明な水を吹き出したモンストルが火の海の中に沈む中、バーンは魔剣についた雫を指で拭う。
「……これで|この地《・・・》の死薔薇は払えたか」
先程オーラを広範囲に展開した際に、周囲の城の構造と共に全く同じ姿の植物人間の存在が複数いることは確認済みだ。
だが「欠落」については分からない。そもそもどんな形だかグリモア猟兵ですら把握してないのだから当然だ。
ともかく、地面に埋まっている怪しい物全てを持ち帰ればいいだろうという大雑把な判断の元、バーンはこの庭園の地中に埋まっている「何か」を掘り出すべく動き出した。
大成功
🔵🔵🔵
サク・ベルンカステル
「闇の種族の庭園とはなかなかに悪趣味だな、、、」
目に見えぬ花粉を警戒し【オーラ防御】を発動する
そして死角を防ぐように周囲に随行大剣を展開し食虫植物ならぬ食肉植物を警戒する
そして突如足元から襲いくる地中から月の如く煌々と輝く大木の根のような脚には、UC赫血黒刃で黒き刃を生やし切り裂き拘束されぬよう立ち回り、【切断】を発動した黒剣と随行大剣で敵をしとめる
「闇の種族の庭園とはなかなかに悪趣味だな……」
こんなのを眺めながらお茶会をしたりお互いに褒め称えたりしているのかと、サク・ベルンカステル(幾本もの刃を背負いし剣鬼・f40103)は闇の種族達の価値観に辟易した。
彼らにとっては素晴らしい庭なのかもしれないが、一般市民からしてみればおどろおどろしい伏魔殿でしかない。
サクはそれらが放つ目に見えぬ花粉の対策としてオーラによる防壁を、食虫植物ならぬ食肉植物の強襲に警戒して死角を防ぐように随行大剣をそれぞれ展開して、庭園脇の通路を進んでいた。
庭園の世話をするために庭師がわざわざ柵を乗り越えて行くことはあり得ない。恐らくちゃんとした入口があるはずだ、と手当たり次第に進んでいると通路の奥から巨大な根が、まるで蛇のようにこちらへ近づいてきた。
「あちらからお迎えを寄越してくるとは……なんて出来た庭なんだろうか」
月の如く煌々と輝く大木の根はサクの右脚に巻きつこうとしてきたが、突然生えてきたサクの魔の血液を凝縮された超硬度の黒き刃によって締め付ける前に輪切りにされた。
突然の仕込み刃に驚いたのか、慌てて退散していく根が落としていった土に沿って追いかければ庭園への入口が茨によって封鎖されていた。
あちらからしてみれば精一杯の物であろう抵抗を鼻で笑ったサクは黒剣であっさり伐採してみせる。
そして随行大剣が先導するように庭園へ雪崩れ込み、サクの行方を阻むであろう花々を尽く狩り始めた。
「わーわーわー、お兄さんちょっと張り切りすぎじゃない? どれだけ大きな花束を作るつもりなのさ」
自分の脚で先制を狙ってきたにも関わらず、さも無関係かのようにすっとぼけるモンストルへサクは冷めた視線を送る。
そして一歩踏み出した瞬間に地面から飛び出した大量の大木のような根を一息に撫で切ると歩調を早め、モンストルに肉薄しながら告げた。
『何があろうと斬ると言ったはずだ』
モンストルは反論すべく口を動かそうとしたが、サクに聞くつもりは毛頭ない。
有無を言わさず顔面を真っ二つに裂かれたモンストルは、モンストルを除く全ての草花の伐採を終えた随行大剣の手によって八つ裂きにされた。
大成功
🔵🔵🔵
フォルク・リア
「厄介な月光城だけど。
ケルベロス・フェノメノンと戦う為に必要とあれば
攻略に行かなければならないだろうね。」
花粉を吸い込まない様に口を抑えながら
生者の輪環の生命を高める効果で幻覚効果を防御。
大型の植物は襲って来る可能性を考慮して注意し
自分の周囲にはファントムレギオンの死霊を漂わせ
食肉植物からの攻撃を防御。
敵を発見したらシャイントリガーを発動。
攻撃される前に熱線で敵の脚を攻撃し
乾燥効果で自由に動かせなくすると共に燃えやすくさせ
種子の弾丸の出どころを【見切り】注意し回避。
敵が乾燥して動きが鈍ったら此方は敵の周囲を移動し
的を散らして多方向から攻撃。
敵が弱ってきたら足を止め魔力を集中した熱線で仕留める。
「厄介な月光城だけど。ケルベロス・フェノメノンと戦う為に必要とあれば攻略に行かなければならないだろうね」
首に巻いた布を伸ばして口元を隠しつつ、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は庭園を進む。
もちろん、この程度で全ての花粉を遮断できないのは分かっており生者の輪環の生命を高める効果で幻覚効果を無効化していた。
そんな中、まるで人間の唇のような巨大な花が首をもたげてフォルクを飲み込もうと迫ってくる。
だがフォルクの周りに集まっていた死霊の集合体が花の中に押し入ることで、フォルクの元にたどり着くまでにはすでに満員の状態だった。
よく知るチューリップと違って花の中には溶解液が詰まっているのだろうが、実体の無い死霊には通用しないだろうとフォルクは膨らんだ花弁に手をやって燃やした。
「お兄さんの手袋、変なのー。触れただけで全部燃やしちゃうなんて」
クスクスと笑われたことで、チューリップの後ろに隠れていたモンストルに気づいたフォルクは答えるついでにその真価を発揮させた。
『この掌に在りしは天の日輪放つ撃鉄。降り注ぐは浄戎の炎。我に仇為す汝らに、等しく光あれ。』
フォルクを中心として放たれた熱線がモンストルを含める周辺の植物から水分を蒸発させる。
するとモンストルの体から何か茶色い物体が飛んだ。フォルクはその不審な動きを見逃さず、最低限の足捌きだけで避けた。
「ごめんごめんあまりの暑さに種が出てきちゃったぁ。大事になる前に『刈り取りましょうね』」
奥にあった柱に当たった種が発芽して茨となって巻き付くと、地面から飛び出した根が持っていた鎌がそれを一刀両断にする。
「あれ、お兄さんに当たったんじゃなかったんだ。……種が割れちゃった」
乾燥によって視界が不明瞭になったモンストルは断末魔が聞こえないことで初めて種がフォルクに当たらなかったことに気づき、手持ちの札を見せてしまったことに焦りの色を見せる。
しかしそうでなくても警戒していたフォルクは的を絞らせないためにモンストルの周りをぐるぐる回りながら弱い熱線を照射し続けた。
最初こそ根を突き出してその行く手を阻もうとしたモンストルであったが、肌が乾燥していくのに比例して口の動きも根の動きも鈍化していく。
「そろそろか」
十分に干上がったと判断したフォルクは足を止め魔力を集中した熱線をモンストルの体に送り込む。
するとモンストルの髪から出た火は瞬く間に全身に燃え広がった。
巨大な火柱へと変貌したモンストルの口から渾身の悲鳴が上がる。
しかし煙や熱に反応して水を撒く他世界の機械はこの庭園には無く、モンストルが燃え尽きるまで炎は煌めき続けた。
大成功
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ロラン・ヒュッテンブレナー
・アドリブ歓迎
月光城の城主が強化されてるんだね
周辺の植物も危険、戦場全体が城主の根の範囲内…
めちゃくちゃだけど、全部植物関係だから、そこを突こうかな
一つで多くをする、魔術の真骨頂で挑むの
桃の精さん、ぼくを守ってね。
桃の香りで花粉の幻覚に対抗しながらUC発動
周囲に配置した炎魂たちに城内の熱量を全部吸収させて極寒の地に変えるよ
草花は凍り付かせちゃうの
ぼく自身には球形結界で拘束を一瞬防げれば、根に炎魂を取り付かせて凍結、破砕なの
種子の弾丸も結界で弾いて棘は凍結、鎌が来れば炎魂10個合成して氷の盾で防御
鎌も凍らせてそのままモンストルさんに炎魂たちを殺到させて、一気に体温を奪って攻撃なの
「月光城の城主が強化されてるんだね。周辺の植物も危険、戦場全体が城主の根の範囲内……」
屋根からロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は庭園を見下ろす。
ロランの存在にモンストルも気づいている様子で見上げているが、根を伸ばしても届かないことが分かっているのか無理に根を伸ばしたくないのか、何もしてこない。
だがその他の植物達は建物を取り囲むように自らの体を伸ばし、ロランが降りてくるのを今か今かと待ち構えていた。植物の概念がもうめちゃくちゃである。
「めちゃくちゃだけど、全部植物関係だから、そこを突こうかな。……『エントロピー移動術式、展開。リアライズ完了。分離、解放。オペレーション、スタート。』」
息継ぎをせず機械的に言い切ったロランは桃の精から授けられた花びらを入れたサシェを懐から取り出し、深く深く息を吸い込む。
すると庭園のあちこちに青い炎が生じ、周囲の温度を上げるのではなくありとあらゆるエネルギーを吸い込み始めた。
周囲が明るくなる代わりに温度が下がり、極寒となった庭園に住まう植物達が一斉に萎れていく。その中で厚手の服に身を包んでいたロランは滑り落ちるように屋根から庭園へ飛び移る。
待ち侘びた獲物がやってきたというのに、葉に霜を降ろした植物達の動きは鈍い。それでも巨大なハエトリグサめいた植物がロランに噛みつこうとしたが、一瞬で氷漬けにされて砕け散った。
だが一度ばら撒かれた花粉はモンストルの放った種子の風圧によって再び舞い上がり、種子を結界で弾いたロランはトロンとした目つきになって棒立ちになる。
しかしモンストルが拘束しようと地中から根を突き出した瞬間に舞った桃の香りで正気に戻り、球形結界を咄嗟に張って根から身を守りつつ炎魂を取り付かせて凍結、破砕させる。
「だー! 次から次へとなんなのもー!」
苛立ったようにモンストルが喚く。だが一つで多くをする、それこそが魔術の真骨頂だ。
完全に意固地になったモンストルはロランを何としてでも拘束しようと種子を地面にわざと当てて発芽させ、茨にまで成長させる。
せめて拘束は出来ずとも目眩しにはなるだろうと、凍結した茨を壁にしてモンストルは自分の脚を急激に伸ばしながら鎌を振る。
しかし砕けた茨の先にあったのは炎魂が重なって作られた氷の壁。
壁を砕けず突き刺さった刃から急激に氷に包まれる鎌から咄嗟に手を離したモンストルだったが、壁の裏に陣取っていたロランは目前に自ら迫ってきたモンストルに向けて集めていた炎魂を一斉に放つ。
ありとあらゆるエネルギーを奪われたモンストルはその場で氷像も化し、ロランが人差し指で触れた瞬間に粉々に砕け散った。
大成功
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