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闇の救済者戦争⑫~Rinascita

#ダークセイヴァー #ダークセイヴァー上層 #闇の救済者戦争

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#闇の救済者戦争


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●血の空に、祈りは尽きて
 血脈樹の毒々しい赤が天蓋を成す。
 人類敗北以来、あるいはそれよりずっと前から。
 ダークセイヴァーは死と闇に満たされた世界であったが、ここに稀有な例外がある。

 巨大な繭の玄室に灯る、眩き光。
 人々の間で伝説となりゆく『太陽』を思わす輝きだが、光の眩しさを快く思う前によく見るべきだ。
 繭の中に眠るは蛇王、万の蛇を従える闇の種族。
 そして周囲に連なる幾つもの、ちいさな繭の小部屋を誰かが覗き見たなら、
 すぐにでも血相を変えるだろう。

 繋がれた半透明の体の人間、人狼、オラトリオ――魂人。
 幸福な思い出をいまだ持つ、彼、彼女らが一つ所に集められた理由は儀式の贄とするためだ。

 繭が光を増すごとに、周囲の繭とを繋ぐ枝が脈打ち、莫大な負荷が魂人に圧しかかる。
 羽化の――更なる存在への進化の儀式。
 闇の種族ですら危険を伴う儀式の負荷を魂人は一手に背負わされ、
 無数のちいさな光、永劫回帰の輝きが放たれる。

 ――ねえ……おかあさん、あいたい。
 ――しにたく、ないよ……。
 死に抗う祈りの強まるほどに闇の種族の儀式は成就し、蛇王の心臓は輝きを増す。

 やがて、祈りが尽きたのだろう。
 ぼろり……と繭の中の影が人の形を手放し、手足から炭のようにくずれて積もる。
 次々と光の消える、数々の繭。その最後の一片までを吸い上げ、
 蛇王だったモノは鮮烈な輝きと共に暗黒世界の空へと昇っていった。

●阻止せよ、再誕
 見えた未来の幻視を振り払おうと、一度はきゅっと目を瞑るも消えそうにない。やがて自分が告げねばならぬのだと悟り、ロジータ・プラウディンは震える喉で、救援を請うた。
「ダークセイヴァー、の……闇の種族。蛇王、ペイヴァルアスプという強力な個体が、さらなる上位の存在、太陽……へと進化しようとしています」
 その話を聞き、一部の者は険しい表情を見せた。囚われの身となった魂人の『花嫁』たちが繭の中で命を吸われ、闇の種族の儀式に贄として捧げられる出来事に聞き覚えがあるらしい。
「事態は、急を要します。ペイヴァルアスプが羽化してしまえば、文字通り太陽となってダークセイヴァー、全土を焼き尽くすでしょう……私たちの手に負える、代物ではなくなってしまいます」
 ただでさえ幾つもの難敵を相手取る戦いだ。戦争の最中にそのようなことを許せば、最早第三層以下を守り切ることは難しくなるだろう。
「今ならまだ、間に合います……闇の種族が、羽化する前に。どうか、一気に仕掛けて、倒してきて下さらないでしょうか……?」
 戦いの不得手な身で、死地に送り出すことには重責が伴う。それでも予知を視た者の責務を果たすべく、ロジータは己が依頼を次のように語った。

 蛇王は猟兵たちの到達時点で羽化目前であり、魂人の救出にあたる時間はない。助け出したい気持ちはあるだろうが、敵が手に負えなくなる前に最初から全力を叩き込んでほしいとの事だった。
「蛇王を倒せば繭との繋がりは解け、魂人さんを助け出せる見込みもあるでしょう……ですが、苦しいながら、逆を……救出の優先を許されるほどの時間的猶予は、ありそうにないのです」
 大元を断ってしまいさえすれば、これ以上命を吸い上げられることもない。故に、今回は戦いのことだけを考えるぐらいがちょうどいいとの事だった。

 蛇王の攻撃手段は三つ。
 一、選んだ対象に巨万の大蛇を向かわせ、一斉に巻き付きと毒牙で襲う戦術。大蛇は海のように大地を埋め尽くし、飲み込んだ獲物の骨を軟体動物になるまでへし折るだろう。
 二、偽りの太陽の加護を受けての無数の触手腕による鞭打。腕は一本一本が巨木のように突き立ち、無対策なまま狙われれば通る隙間もないまま降り注ぐ蛇鞭に圧死するのがオチだ。
 三、翼ある蛇の飛翔。竜の翼を宿した蛇の大群は空を埋め尽くし、犠牲者へと次々と襲い掛かるだろう。

 これら圧倒的な質量の攻撃を掻い潜り、あなたたちは蛇王の命を刈り取らねばならない。
「気が重い、戦いになるかもしれません……ですが、ここにいる皆さんで力とタイミングを合わせれば、きっと……何とか道は見える、と思うのです」
 説明を終えたロジータは、グリモアの転送ゲートを開いた。桜の花びらがふわりと散り、向こう側に無数の繭らしきものが覗く。
「あの……月並み、ですけれど。皆さんの無事を……勝利、を願っています。勝って……生きて帰って、くださいね」
 今回ばかりは無事や安寧を願うだけでは駄目だと悟ったのだろう。
 言い慣れぬ単語にはにかみながらも、決然と告げる二文字の響き。その言葉を聞き届け、あなたたちの意識は暗黒世界へと向かっていった。


晴海悠
 お世話になっております。晴海悠です。
 地底世界に非ざる太陽の光、その実体は闇の種族の繭。
 多数の贄を喰らいて生まれ出づる禍々しき命、降誕を許せば破滅のみ。

 魂人を救い破滅の未来を防ぐためにも、皆様どうぞお力添えをいただければと思います。

◇依頼概要
 一章のみの戦争シナリオとなります。
 目的はただ一つ。闇の種族、蛇王ペイヴァルアスプの早期殲滅。
 プレイングボーナス……敵が完全に羽化する前に、一気呵成に攻撃する。

◇執筆形式
 シナリオ公開直後から一定数参加があるまで受付をし、複数の猟兵たちが入り乱れる形でのリプレイを予定しています(従来型PBWに近いリプレイ形式となります)。
 人数によっては全採用でなく、一定の採用基準を満たした順に、章の必要人数+α名までの採用とさせて頂きます(先着順とは限りません)。

◇蛇王ペイヴァルアスプ
 万の蛇を意味する名の、強大な闇の種族。
 蛇王は多数の魂人の『花嫁』を生け贄により大きな存在、「かつてダークセイヴァーから奪われた太陽そのもの」へと生まれ変わろうとしています。
 防ぐには羽化前に集中砲火で本体を叩き、撃破するしかありません。

 蛇王は皆様が使用するユーベルコードの「POW/SPD/WIZ」の種別に呼応した攻撃を放ちます。乱戦の都合上複数受ける描写になるかもしれませんが、判定的には「自身の選んだ種別(POWならPOW)のユーベルコード1種について対策が書かれていればOK」とします。

 戦いの前に魂人を救う時間的余裕はありません。羽化前に討伐を成し遂げれば彼らは救われた扱いとしますので、蛇王討伐のみに全力を傾けてください。

◇プレイングの採用方針
 参加者多数の場合、以下のいずれかを満たしたものを優先して採用します。
・敵ユーベルコードへの対処が具体的である
・早期撃破を意識している
・キャラの個性がよく表れている
・技能やアイテム、ユーベルコードの活用方法が的確である

◇その他
 断章は設けません。プレイングはいつお送り頂いても大丈夫です!
 執筆形式の都合、プレイングに問題がなくとも不採用となる場合もございます。あしからずご了承ください。

 それでは、リプレイにてお会いしましょう。ご武運を。
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第1章 ボス戦 『蛇王ペイヴァルアスプ』

POW   :    一万の蛇の王
敵1体を指定する。レベル秒後にレベル×1体の【大蛇】が出現し、指定の敵だけを【巻き付き締め付け】と【毒牙】で攻撃する。
SPD   :    ヴァイパースマイト
自身の【胸に埋め込まれた『偽りの太陽』】が輝く間、【蛇鞭状の両腕】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    有翼の蛇龍
召喚したレベル×1体の【大蛇】に【龍翼】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。

イラスト:佐渡芽せつこ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

サク・ベルンカステル
「失われた太陽となり全てを焼き尽くすだと、、、不条理にすぎる」
平穏を奪われた過去、それが世界全体に広がるかと思うと歯軋りをするほどに噛みしめながら呟く。

胸元から熱を放ち輝く闇の種族を見つけると颶風を纏い走り出す。
最初から温存などしない
背の随行大剣を先攻させ体勢を崩し概念をも断つ必殺のUCを叩き込む、、、はずが突如現れた大蛇の群れに阻まれる

ここで時間を奪われる訳にはいかない。
舌打ちと共に使用するUCは虚空破断(POW)。空間ごと大蛇の群れを凪ぎ払い肉薄し技能オーラ防御で黒剣を覆いさらに切断を併用し胸の核と思われる部位に斬りかかる


キアラ・ドルチェ
魂人さん達助けたい
でも倒さなきゃ、それは叶わない
なら…全力全開でやるっきゃないでしょうっ!

手数勝負で指向性ありな攻撃手段…ヤドリギ使いの必殺技!
【高速詠唱・多重詠唱・全力魔法・魔力溜め】での森王の槍を受けなさいっ!
数百本の槍で翼ある蛇達を貫く! 足りないなら多重詠唱分も追加!
またもし魂人さん達を害しようとする蛇がいるなら、優先的に攻撃を
この手で助けられるものは、全て助ける!

そしてペイヴァルアスプへも植物の槍を突き立て
「悪しき太陽よ、産まれ出ずる前に自然に還るが良い」

少しでも疾く速く早く!
打てる限り全力で槍を叩き込む!
一人でも助けられる方を増やせるなら、この生命使いのいのち、燃やし尽くす覚悟っ!


仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

…偽りの太陽め!
…時は来たれり!さぁ行くぞ!私は…処刑人だッ!!!

地獄の炎を全身に纏い【ゲヘナ・フレイム】を発動
オーラ防御と毒耐性の加護を得て敵と相手しよう

地獄の炎纏う鉄塊剣と宝石剣を抜き振るい
鉄塊剣での怪力と鎧砕き、宝石剣での炎属性攻撃と鎧無視攻撃で敵を攻撃しよう
敵が召喚する大蛇共は剣をなぎ払い引き裂き、地獄の炎を操り範囲攻撃で焼却して蹂躙してやろう
ダメージを受けようとも肉体より生じる地獄の炎で修復し不眠不休と継戦能力で攻撃を続けよう

ジャンプとダッシュで敵に飛びこみ
胸に埋め込まれた偽りの太陽目掛け宝石剣を突き刺し傷口をえぐり魔力を吸収してやろう…!


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【蛇殺】

そんな形で地表を焼き尽くされてたまるかよ!
行くよレモンちゃん(f05152)、最初から全力だ!
飛び立たせてなるものかよ……ッ!

なるべく繭を避けつつSMGでの弾幕を張って触手を抑え込みつつこう問うよ。
『お前の羽化まであとなんどきだ!?』ってね。
そうして【時縛る糸】で蛇王の意思を縛りつつ、
弾幕を【骸弔う雨】の電撃を交えた神経麻痺ウィルス弾に変化させる。
触手と翼生えた蛇の群れどもを巻き込む制圧射撃で吹っ飛ばせれば蛇王も丸裸に出来るだろ、
偽りは偽りのまま地に堕ちやがれ!
レモンちゃん!あとは蛇神様の本気を見せてやんな!
他の皆も一気に畳みかけちまえ!


蛇塚・レモン
【蛇殺】

蛇王には蛇神様をっ!
勝つよ、多喜(f03004)さんっ!

敵UCに即対抗
UC詠唱っ!

そっちが空を埋め尽くすなら
あたいは地を埋め尽くすよっ!

680体の埴輪兵の霊剣が斬撃波で蛇龍群を切断
水盾の密集陣形と空飛ぶ巨大化蛇神様を盾にして
繭のど真ん中へ全隊一点突撃!
生贄の被害は最小限に本命を叩くよっ!

あたいも黄金霊波動を最大展開
オーラ結界に全力炎魔法をプラス
広域霊障炎壁で攻防一体

多喜さん、お願いっ!

多喜さんのコンボUCが発動後
埴輪兵達の手数で速攻押し切るっ!
あたいも蛇腹剣から衝撃波を乱れ撃ち

任せて多喜さんっ!
やっちゃえ蛇神様っ!
これが神罰だあっ!

最後は蛇神様の八首から大呪殺弾幕発射!
埴輪兵団も殺到!


神樹・鐵火
有無言わさず叩き潰す
一撃で大打撃を与えて出鼻を挫いてやる

『陰陽魔弾』の詠唱を開始、敵に接するまで発動を保留、戦女神の神鏡で力を開放する
放たれた飛び交う蛇共の一匹の尻尾を掴み、轟拳の【覇気】のエネルギー体を纏わせ、【怪力】任せで鈍器にし、他の蛇共を叩き潰し、時には頭を踏み潰し足場にしながらながら急接近する

敵の頭部にたどり着いたら聖拳と魔拳の力を衝突させた【全力魔法】を込めた『陰陽魔弾』を奴の体内の中心目掛けて打ち込む様に【貫通攻撃】で流し込み、内部崩壊での爆散を狙う


神臣・薙人
こんなの…あまりにも酷い
助ける術が無いのなら
太陽が生まれる前に全力で叩き潰しましょう

開戦と同時に血風紅桜を使用
騎乗して空中で戦います
飛翔する大蛇に向かって桜花を飛ばして攻撃
龍翼を狙って、剥がせないか試します
無駄であれば当たりやすい位置への攻撃に切り替え
周りの皆さんとタイミングを合わせて
立て続けに攻撃が当たるよう意識
余裕があれば
蟲笛で白燐蟲を呼び出し追い打ちをかけます

大蛇の動きには注意を払い
口を開く等、攻撃の予兆が見られた際は
周囲に注意喚起を行うと共に
距離を取って回避するようにします
難しければUCを再使用し
新たな桜花の上へ移動します
自分を含めて
負傷者が出た際は桜花で治療
敵により近い人を優先します


ヴィリヤ・カヤラ
他人の命を使うのはちょっとダメだけど太陽が作れたら良いよね、
この世界の生活も変わりそうだし。
っと、戦いに集中しないとね。

急がないといけないから『高速詠唱』と『全力魔法』の
【四精儀】で氷の隕石を大蛇の上から降らせていくよ。
敵の数が多そうなら隕石の数を多めにしておこうかな、
倒せなくても落ちてくれれば倒しやすくなるしね。
あ、一緒に戦ってる仲間に当たらないように
出来るだけ調整はしたいけど難しいから
危なそうなら声もかけるね。
隕石で倒せなかった大蛇も宵闇とUDCの月輪で倒していくね、
位置が遠かったら宵闇も月輪も範囲広げられるし。

敵の本体を攻撃するタイミングがあれば、
大きめの氷の隕石を落としてみようかな。



●神座を占める偽りの太陽
 明滅する繭は、何ら前情報もなく見たならば生命の鼓動を宿しているかに見えた。漏れ出づる白熱の光は暗黒の地底に久しく見えない、太陽の輝きを思わせる。
 これが真に太陽の再来ならばどれほど喜べたろう。だが、周囲に繋がる無数の枝の分かれた先、繭の小部屋に眠るものを見れば、この光の正体は即座に看破できる。
「こんなの……あまりにも酷い」
 半ば言葉を失い、神臣・薙人(落花幻夢・f35429)は痛みに目を瞑るように瞼を伏せた。柔く繊細な睫毛が耐え難い現実に震える。かつて運命を視る側だった薙人も凄惨な光景を見たことは何度かあったが、敵を倒すまで打つ手がないとは歯がゆいものだ。
「本当に太陽が作れたら良かったんだけどね。この世界の生活も変わりそうだし……他人の命を使うのはちょっとダメだけど」
 肩をすくめながら話すヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)は、薙人に比べれば幾らかは割り切れた様子だ。世界の有様がこうだと幼少期より擦り込まれた身としては、順応も早いのだろう。術式のもたらす莫大な負荷に耐えられるよう、黒い鎖状の模様から刻印が伸び、色白の手首と腕を覆い尽くしていく。素肌に滲むような模様は人間性の鎧を纏っても隠し切れぬ本性、吸血鬼の容赦なき血統を仄めかすようだった。
「失われた太陽となり、全てを焼き尽くす……あまりにも、不条理にすぎる」
 サク・ベルンカステル(幾本もの刃を背負いし者・f40103)の端正な顔立ちは憎悪に歪み、引き結んだ口の奥で歯がぎちりと軋る音を立てた。家族と故郷、幼馴染を奪い、己を地獄に落とした異端の神、あれ以上の惨劇が全世界へ及ぶことを思えば不愉快極まりない。更に悪いことに、眼前の蛇王はおそらく悪意でそうするのではない。あれは本能――息をするのと同じ感覚で、数多の命を滅ぼそうとしている。
 サクの高揚する戦意を受け、四振りの随行大剣が呪いの刃を仇敵へと振り向ける。彼が味方である頼もしさに一瞬、口元を緩めた数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、すぐに戦の緊張感を取り戻して戦友へと告げた。
「あんなふざけた野郎に地表を焼き尽くされてたまるかよ……行くよ、レモンちゃん!」
「うん。やるからには勝つよ、多喜さんっ!」
 呼ばれた蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)は勢いよく頷き、すぐに詠唱に入る。これよりレモンの執り行うは大がかりな口寄せの儀、万軍に匹敵する敵の強さを思えば少しでも多く味方を呼び寄せねばならない。
 猟兵たちの領域侵入を認め、繭の明滅が不規則に脈動した。偽りの太陽の周りに浮かぶ無数の小さな黒点、あれが翼もつ蛇であると思うと敵の巨大さに身の毛がよだつ。
 仮にも戦神として遅れをとるわけには行くまい。神樹・鐵火(脳筋駄女神・f29049)は戦女神の神鏡に触れて煌びやかな戦装束を纏い、火の粉のような神気を撒き散らしながら短く告げる。
「有無を言わさず叩き潰すさ。一撃で大打撃を与えて、出鼻を挫いてやる」
 これ以上くれてやる言葉はない。代わりに唇は陰陽魔弾の詠唱を唱え、ほどなくその声は翼持つ蛇の羽ばたきの渦に飲まれていった。

●空覆う、翼持てる蛇
 空をうねるように泳ぐ蛇は、そのどれもが大の大人を絞め殺せる巨体の大蛇だ。鎌首の付け根から生やした龍の翼は些か不釣り合いではあったが、羽ばたくたびに速度を増し、喉元まで速やかに蛇を運んで敵を死に至らしめるだろう。
 それら個体が目算でも数百。厄介だが、攻めあぐねていればいずれ蛇王は魂人の命を欠片も残さず吸い尽くし、輝く太陽となって天に至る。大群に|慄《おのの》いている暇は片時もなかった。
「偽りの太陽め……時は来たれり! さあ行くぞ……私は、処刑人だッ!!」
 戦意猛る仇死原・アンナ(地獄の炎の花嫁御 或いは 処刑人の娘・f09978)が刑の執行を叫び、身を裂いて噴き上げる獄炎が漆黒の闘気として纏わった。蛇毒をも焼き切る|地獄の炎《ゲヘナ・フレイム》はアンナの跳躍力を限界まで引き上げ、錆鉄の塊と深紅の玉石の二振りの剣が螺旋の残像を宙に描く。
 蛇と斬り結んで道を切り拓くアンナ、その逞しい後姿を見ながら、キアラ・ドルチェ(ネミの白魔女・f11090)の目は一瞬、魂人の眠る繭へと注がれた。
(「叶うなら今すぐ魂人さん達を助けたい、でも」)
 それは違う、とキアラの理性は告げていた。どの道諸悪の根源を倒さねば、一人二人を救い出したとて何にもならぬのだ。
 ドルイド魔術の|詠唱《チャント》を唱える唇が、渇きと重圧に引き攣りそうだ。唱えながら頬をぴしゃりと打って震えを鎮め、幾重にも呪文を重ねがけして植物たちの意志を統率する。
「最初から全力全開で……金枝祀るネミの裔の名において乞う! 森王の槍よ!」
 聖木を削り出した杖を突きあげた瞬間、地響きと共に植物の巨大な蔓が次々と地を割り姿を現した。ダークセイヴァーの痩せた大地の何処に、これほどの活力が眠っていたのか――あるいはヤドリギ使いの到来を待っていたのだろうか。数百もの槍は翼ある蛇の胴体を次々と撃ち抜き、二度と塞がらぬ風穴を開けていく。
「癒しなら、私が。戦線を維持します……皆さんは振り返らず、進んでください」
 薙人の呼び寄せる紅色の桜花が、抜けてくる蛇の個体の眼球に貼りつき視界を塞ぐ。あわよくば龍の翼――後付けの『生態異常』ともとれる飛翔の加護を剥ぎ取れないかと狙うも、この個体には翼が馴染んでいるのかそれほど効き目はないらしい。
(「なら……」)
 身を翻して空を流るる花筏に乗り、敵の横っ面を桜花吹雪で叩くことに専念する。活殺自在の紅桜、花|一片《ひとひら》に目を見張る威力はなくとも、攻勢に出るついでに味方に癒しがもたらせるのだから誰も文句は言うまい。遊撃かつ治癒要員として駆け巡れば、同じように乱戦を挑む鐵火と目が合った。
 真紅の瞳がこちらを見、口元が大胆不敵に笑みを作る。念仏のように詠唱を|口遊《くちずさ》みながら大蛇を手繰り寄せた鐵火の手の中、哀れにも道具扱いとなった蛇に多重の|強化魔法《エンチャント》が注がれる。
「地の果てまで吹き飛べ……|唵《オン》!!」
 命を絶たれ物言わぬ鈍器と化した蛇を手に、鐵火は他の蛇どもの頭を踏みつけて宙へと跳び上がる。振り回して殴打を見舞うたびに群れの中央には穴が空き、図らずとも蛇は鐵火に道を譲る形となった。
 一度は振り払われた蛇の群れが、続けて飛び込む仲間めがけて殺到する。咬みつき、集団戦術で八つ裂きにしようとする群れめがけ、多喜は友より賜ったサブマシンガンの銃口を向けた。
「させるかよ……!」
 味方や魂人を避けながら、銃弾は蛇の側頭部へ蜂の巣の銃創を刻みこむ。|再装填《リロード》に使える猶予は多くない、親玉の元へ辿り着く前に弾切れしては作戦が台無しだ。無駄遣いだけはせぬよう乱射を秒数でコントロールしながら、多喜は機を見計らって傍らの友へと叫んだ。
「レモンちゃん!」
 空を埋めていた大群に切れ目が見えたのを確かめ、レモンがため込んだ召喚術式の力を解き放つ。
「蛇王には蛇神様をっ! 村のみんな……あたいに力を貸して!」
 旭日思わす黄金の波動が散り、輪郭を成した微細な粒子はやがて巨大な蛇の頭部を象る。一つではない。六、七……八つ。島国の神話に伝わる八岐大蛇は銘々の頭を高く掲げて敵を睥睨し、頭上に乗せる埴輪の兵卒、信者たちの霊と共に地を突き進む。
「そっちが空を埋め尽くすなら、あたいたちは地を埋め尽くすよっ!」
 大蛇の蛇行のたび土煙があがり、その砂埃は埴輪兵の掲げる水の盾に飲まれてかき消えた。砂煙だけではない、密集陣形を組んだ兵たちは大蛇に及ぶ危害の|悉《ことごと》くを防ぎ止め、霊剣の衝撃波を返礼と見舞って有翼の蛇たちを退けていく。
「ハハッ、ざまぁ見やがれ……皆、一気に畳みかけちまえ!」
 威勢のいい多喜の声に背中を押され、まばらに駆ける音が繭の方へと消えていく。煌々と輝きを増す巨大な球体は戦場の喧騒を意に介さず、悠然と死の秒読みを愉しんでいるかに見えた。

●万の蛇を束ねる王
 飛翔する個体が軒並み片付けられ、彼我の距離の間には澱んだ大気が横たわるのみ。その空いた間隙を埋めるように、蛇王の繭から無数の触手が突き出した。
 触手のうち数十は螺旋状の触手腕として手元に留まり、それ以外の|夥《おびただ》しい量の触手はぼとりぼとりと千切れて地に落ちた。肉体の構成が不完全だったのか――否。あれは独立して動く蛇だ。巨万の蛇の王として君臨する、ペイヴァルアスプの忠実なるしもべがこちらへ迫っていた。
「……」
 無言のまま、サクが|颶風《ぐふう》を纏い疾駆する。険しい双眸は熱を放つ光球を|睨《ね》めつけていたが、突如現れた大蛇の群れを、立ち往生する味方を見て視線を足元へと向けた。
(「概念斬りの一撃、くれてやる気でいたが……ここで時間を奪われる訳にもいくまい」)
 やむを得んと舌打ちを零し、随行大剣を操る手を螺旋を描くように一度、大きく捩じった。
「面倒だ……手短に済ませるぞ」
 溜めた回転の勢いと共に剣に意思を籠めれば、空間そのものに断裂を及ぼす、四振りの剣閃。黒、血の紅、蛇腹の剣、竜巻のように入り乱れる多種多様な剣が蛇たちを捉え、大気ごと千々に断ち切っていく。
 ぼとぼとと零れ落ちる蛇の肉片に一瞥もくれず、サクとその後に続く者たちが駆け抜ける。足元を這う蛇はそれでもすぐに群がり咬みつかんとするが、獄炎を纏うアンナに蛇の毒は届かない。振るう鉄塊剣のリーチは無論アンナの味方であり、たとえ毒牙が届こうとも獄炎の護りが毒を焼き切り、無力化する。そして開けたばかりの傷口は、炎の舌が舐めた後には綺麗に塞がっていた。
「その程度で終わりか……? なら、まとめて蹂躙してやろう……!」
 いちいち斬り裂いていては手間だと、アンナの掲げた巨大剣が大地に深々と突き立った。火山の噴出と見紛うばかりの炎が大地より噴き上げ、蛇の|悉《ことごと》くを飲み込んでいく。
「急がないと……だね。私も倣おうか」
 告げるヴィリヤの手元で、黒鎖環が術の行使に呼応し収縮した。自然現象を司る世界の構成物質、それらをパズルのように組み合わせる四精の儀は、此度は氷と天界の石――隕石を招来した。オールトの雲の向こうより飛来する、氷点より遥か低温に凍てる隕石。それらはいずれも錘状に尖る切先を蛇たちへ向け、鋭利なナイフのように突き立てて大蛇の頭上へと降り注ぐ。
(「危なければ声をかけようと思ったけれど……その心配は要らなさそうかな」)
 見れば仲間たちは慣れた様子で避けるばかりか、タイミングよく降った隕石の上から剣を叩き込む者さえいた。流石は歴戦の猟兵、己の心配は杞憂に終わったらしい。ならばと残る個体にUDCから成る影の輪を嵌め込み、スパンと捩じ切って仕留める。

 万の蛇の軍勢を踏み越え、ついに王の宿る繭を目前に捉えた。だが猟兵たちの到来を阻むように、無数の鞭腕が地を穿って進む足を竦ませる。
 偽りの太陽が輝く間とはよく言ったものだ。元より永劫を生きる闇の種族には寿命の対価など踏み倒せるものでしかない。
 ハナから払う気なしとは笑わせてくれるぜ、と多喜は嘯きながらサブマシンガンの銃口を振り向けた。余すカートリッジは大方使い切るだろうが、突破のためなら構わない。勢いよく撃鉄に手をかけ、同時に問いを発した。
「飛び立たせてなるものかよ……よォ、お前の羽化まであとなんどきだ!? |静止《フリーズ》したお|頭《つむ》の中で数えてな!」
 問いはもう一つの引き金、時縛る糸の感応波が空間に広がり触手を止めた。実際に時を止めたのではなく、凍り付いたのは蛇王の意思。闇の種族相手では効果は十全に発揮できたとは言い難いが、本来の数分の一でも鞭打つ触手が止まったのは大きかった。
「ダメ押しだ、持ってけ!」
 同時発動の負荷に焼き切れそうな脳の悲鳴を無視し、電撃のサイキックを放った弾丸に纏わせる。ただの弾ではない、神経麻痺をもたらすウィルス弾だ。骸弔う雨は動きを止めた触手へ深々と食い込み、無数の腕を機能不全へと追い込んでいく。
「ようやっと丸裸……ご対面ってわけだ」
 遮るものを全て削ぎ落し、露わになった蛇王の繭。ゆっくりと明滅する輝きは深く呼吸を整える様を思わせ、そこに宿る知性は人智の及ばぬ類のものだと窺えた。

●不死にあらず
 重圧が、物理的な力として大気を震わす。これまで上層にて猟兵を苦しめてきた蛇王の纏う気は、相対しようと傍に立つだけで骨の軋むほどの圧を伴った。
 |罪深き刃《ユーベルコード》を使わずして、この力、存在感。だが臆してはならない――逃げてきたこれまでと違い、今日、自分たちはこれを|斃《たお》すのだ。

 キアラが再び植物の槍を螺旋状に束ね、|風繰り士《シルフィード》の突撃槍のように鋭く尖らせる。
「悪しき太陽よ、生まれ出づる前に自然に還るが良い!」
 胸元の核を狙った森王の槍は、辛くも念波のようなもので防がれた。触手腕の大多数は封じた筈だが、これでもまだ万策尽きてはいないらしい。
「総力戦か、望むところだッ……!」
 続くアンナが鉄塊剣に焔を纏わせ、力任せに敵の触手腕へと叩きつける。弾かれた直後にも女処刑人は再び地を蹴り、今度は宝石剣に奪命の魔力を纏わせて襲いかかった。
「あたい達もっ! やっちゃえ蛇神様……ううん、蛇神様だけじゃない。あたいだって戦うよ!」
 巨大な八岐大蛇の進撃に加え、レモンの体を黄金の霊障壁が取り囲む。滲み出る霊力のオーラは悪しき思念を遠ざけ味方を守る緩衝材の役割を果たし、その中に神域の炎を満たして敵の威を削ぐ。
「また往生際の悪いことだね……さっくり殺られるとは思ってないけど」
 悪態と共にヴィリヤの喚ぶ氷隕石は氷山の如き大きさであったが、蛇王の悪しき思念波はそれにすらも抗ってみせた。流石に全てを阻むには至らず、砕けた氷は今度は霰となって繭の玄室に降り注ぐ。
 幾度も攻防を続けるうち、上空を花筏に乗り駆けていた薙人は触手腕がぴくりと動いたことに気付く。続いて胸元の光が弱まり、光の胎動が一度は死した腕へと向かうのが見えた。
「皆さん、気を付けてください……腕が、再生しようとしています」
 読み取った予兆、またも攻めてくるのか。皆が警戒する中、ヴィリヤが「いや」と短く零し、考えるように押し黙った。推論を伸べる代わりに湾曲した黒剣で斬りつければ、核への一撃を阻むように触手腕は動いた。
「違うよ……効いているんだ」
 それは、人智及ばぬ闇の種族がはじめて見せた防衛の意思。羽化よりも優先して攻撃を防いだことは即ち、猟兵たちへの怖れの証左に他ならない。
「防戦に回ったが運の尽きだ。では、私が先鋒を務めよう」
 鐵火の全身に満ちる神々しい気は、詠唱の時間が十分に足りたことを示していた。頭部をかち割ってやろうかと思っていたが、弱っているならこれで足りよう――九字を切りながら陰と陽の相反する力を練り、両の拳の正中に爆発的な闘気を高めていく。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前……破ァ!!」
 聖拳と魔拳を打ち鳴らし、逃げ場を失った力は唯一の逃げ道、敵の触手を伝って体内へと向かう。太極図のように駆け巡る陰陽の気は蛇王の体組織をゆっくりと破壊し、みしみしと伝う重圧が敵の中枢部へと向かう。
「でかした! 皆、やっちまえ! 偽りの太陽なんざ、偽りのまま地に堕ちやがれ!」
 多喜の叫ぶ喝采は、続く銃撃の音にかき消えた。惜しまず放たれた残弾は繭の外殻へと撃ち込まれ、ついに儀式半ばの裸身と中心核が剥きだしになる。
「|疾《と》く攻め滅ぼしましょう……一人でも多く助けられるなら、この生命使いのいのち、燃やし尽くす覚悟っ!」
「ええ、キアラさん。私の力も使ってください」
 薙人の|白燐蟲《びゃくりんちゅう》の加護を受け、キアラが森王の槍を放つ。三叉に分かれた槍は蛇王の足を大地に縫い止め、身動きを封じた。
 逃れ得ぬ、死の運命。回避も叶わぬ蛇王の核へと、両脇から二つの影が飛びかかる。
「ここが弱点か……闇の種族とはいえ、脆い造りだ」
「クハハ……喰らうてやるぞ……!」
 サクの振るう魔神の顎のような黒剣と、アンナの突き立てる深紅の剣は、闇の者の核を貫き、互いを見るように交差した。かぽり、と液体の漏れ出るような音が間近で起こり、ぶうん、と苦痛をもたらす念の波が押し寄せる。
 まだ動くか――そう身構える一同が見上げた時、明滅する光球は遠ざかる幻灯のように揺れていた。やがてその輝きは日没のように遠のき、熱を失った核は次第に黒々とした硝子状のものに変わって動きを止めた。

●幻世に祈る
 繭の座にて|遍《あまね》く命を睥睨していた闇の者は、動きを止めてほどなく残骸の山と化した。
 やがて骸の海に還るだろうが、流石に闇の種族ともなれば塵と化すに時間がかかるらしい。集った猟兵たちの側も傷を負い、次の戦地へ向かうには多少の手当ては要りそうだ。
 転戦する者はこれから、蛇王よりも強大な相手に立ち向かう事となろう。巨山の如き闇の種族を一体屠り終えたところで、これは序の口に過ぎないのだとも感じられる。
 だが、それでも。これまで逃げの一手ばかり打っていた相手に一矢報いた事実は、大軍に打ち勝つのと等しき高揚をもたらした。

 気分を昂らせるのは、打倒の報せだけではない。
 小さな繭の中から目覚めた幼児が、あれ、と眼を瞬くのが見えた。
「おかあさんは……?」
 透いた手のひらで母を探し求める魂人。生前は報われることもなかった命。
 繭の殻から顔を覗かせていた幼子は、追い求める者の姿が見えないと判って目を伏せた。

 じわりと滲む、幼子の視界。
 地面ばかりを見つめていた視野が、不意に地を離れて宙へと掲げられる。
 驚き、身を竦め……自分を抱きかかえた手のあたたかさに気付いた子は、耐えかねたようにひっく、としゃくりを上げた。

 母と子。第四層で救われることなく落命した親子は、繭の中で抱き合いながら今度こそ幸福を確かめあう。
 彼女たちだけではない。繭の牢獄から這い出した幾人もの魂人たちが、あなたたちの顔をかわるがわる見つめている。

 ――ありがとう。見つけてくれて。
 ――私たちの祈りを、聞き届けてくれて。

 口々に述べられる、魂人の思い。永劫回帰の祈りは暗黒の世に空しく木霊し、祈るたび彼らの胸は癒えることのない傷で満たされゆくけれど。

 こうして報われる日が来るのならば、見知らぬあなたの為にだって祈れるのだ、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年05月10日


挿絵イラスト