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賽の目の放る音にぞ鐘霞む

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●春出水猛く鳴りたる阿賀野川
 越後国、村上藩、現代日本でいうところの三面川の河原にて。
 お殿様に率いられた集団が、河原で句会に興じていた。
「よたよたと倒木越しけり孕み鹿」
「んんーっよいぞー!孕み鹿の季語が特に雰囲気を出しておる!」
 やたらとハイテンションでまくしたてるお殿様。既にだいぶ盛り上がっているようだ。
「東風吹かば春外套の温む昼」
「季語重なり!なんと高度、その才覚が輝いておるな!……んんん?」
 句を詠んだ小姓の後ろ、何やら川の水面から何かが立ち上ったように見えて、お殿様は目を凝らした。
 見間違いではない、何やらハイカラな着物をまとった河童が、ずんずんと足音荒くこちらに向かってくるではないか。
 河童の後ろには小さくてもこもこした怪しい動物もたくさん見える。
 切れ長の瞳をぎらぎらと輝かせて、河童が嘴を大きく開いて叫んだ。
「この川で僕以上に輝くなんぞ、ゆるさーーーん!!」
「ギャーーー!!出たーーー!?」

●夢うつつ稲荷祭の笛の音
「皆さん、俳句にご興味ありませんかねぇ?」
 阿瀬川・泰史(酒と杯さえあればよし・f02245)は首をこきりと鳴らしつつ、グリモアベースにてそう切り出した。
「いやね。越後の国の河原で開かれている句会を、オブリビオンが襲撃する予知が見えたんですよ」
 泰史の話曰く、エンパイアの越後国村上藩のとある河原にて、お殿様が句会を催したのだが、河童の怪異が川から這い出て邪魔をしに来るそうなのだ。
 ただの河童でもよろしくないのに、オブリビオンなので余計性質が悪い。手下を引き連れているから猶更だ。
「放置していたら、お殿様以下、お付きの方々も軒並み。河童率いるオブリビオン集団に蹴り殺されてしまいますからねぇ。退治をお願いします」
 戦闘の舞台となるのは三面川の河原だ。秋には鮭の遡上で有名なこの川の河原で開かれている句会を、件のオブリビオンたちが襲撃しに来る。
 まずは河童の怪が引き連れている「黄泉の本坪鈴」という怪異を相手取ることになる。
 この怪異は鈴の音によって黄泉の国への扉を開く、生者を操って自らの手で命を断つよう操る存在だ。
 今回は河童の怪が召喚主となり、彼によって使役されているようだ。
 黄泉の門を開いて呼び出す炎や、多数放って個別に操作ができる人魂によって攻撃してくるほか、後悔の念を強制的に呼び起こし、過去の幻を見せることで動きを封じる術も持つ。
「黄泉の本坪鈴は、河童の怪を守るようにして布陣します。そいつらを片付けないと、河童には手が出せないでしょうねぇ」
 それらを残らず倒したら、いよいよ首魁である河童の怪との戦闘だ。
 河童の怪の主な攻撃手段は、やたらとスタイリッシュな蹴りだ。また、「河童には負けられない!」と感情を抱いた相手に、「No.1決定戦への招待状」を投げつけてくることもある。
 空中を何度も蹴ってジャンプする技能も持つため、相手の動きに翻弄されないよう注意が必要だろう。
「オブリビオンを倒した後ですけれど……折角ですから、お殿様たちの開く句会に混ぜてもらってはどうです?きっと快く輪に加えてくれると思いますよぉ」
 オブリビオンの襲撃を受ける前からハイテンションになっていたお殿様だ。猟兵たちの戦う姿を前にして、盛り上がらないとも思えない。むしろそれをヒントに一句ひねり出すかもしれない。
 句会と言えど、季語だの五七五の定型だの、難しいことを考える必要はない。所詮俳句は心が動いたその感情を切り取ったものなのだ。
 お殿様たちもその辺りを口うるさくいってくるタイプではなさそうだし、好きに詠むのがいいだろう。
「お手数をおかけしますけれど。何卒、よろしくお願いいたしますねぇ」
 泰史は一つ頭を下げると、腰に下げた徳利から一口酒を含んで、ぽつりと。
「胡瓜蒔く 丘の照る陽ぞ 眩しけれ……ってとこですかねぇ」


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 俳句は某テレビ番組で地味にハマってますが、季語とかその辺難しいですよね。
 このシナリオではその辺気にせず楽しんでもらえればと思います。

●目標
 ・サムライエンパイア絵巻『河童の怪』×1体の撃破。

●戦場・場面
(第1章)
 三面川の河原です。
 地面は砂利で覆われていますが、そこそこの広さがあります。
 句会を開いていたお殿様たちは離れたところで震えながら見ています。
 黄泉の本坪鈴が10匹ほどおります。

(第2章)
 第1章と同様です。
 『河童の怪』は自分より輝いていると認識した人に敵意を向けます。

(第3章)
 第1章、第2章と同様です。
 お殿様やお付きの小姓たちが、オブリビオン襲撃で中断した句会を再開しています。
 俳句のルールは特に難しく考えなくて大丈夫です。川柳のノリでどうぞ。
 お呼びいただければ泰史が句会に加わります。

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『黄泉の本坪鈴』

POW   :    黄泉の門
【黄泉の門が開き飛び出してくる炎 】が命中した対象を燃やす。放たれた【地獄の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    人魂の炎
レベル×1個の【人魂 】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ   :    後悔の念
【本坪鈴本体 】から【後悔の念を強制的に呼び起こす念】を放ち、【自身が一番後悔している過去の幻を見せる事】により対象の動きを一時的に封じる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

モッチ・モチ
モッチ・モチ お餅を食べて もっちもち♪(季語:お餅 季節:冬)
俳句って楽しいデスヨネ♪ワタシ、結構好きなんデス♪

もっちもっちと和菓子セットから取り出したお餅を食べつつ、ユーベルコード「バトルモッチリフォーム」を使用

敵が吐いた炎でお餅を焼き、それを食べることでさらにぱわーあっぷ!もし、炭になってしまったらしょんぼりしつつ、食べれるところだけ頂きマス

「肌ちょっと焦げてまセンカ?!大丈夫デスカ!?」

「技能:クイックドロウ」羽をねらって投擲ナイフを投げ、落ちてきたとこをモチっとなぐって倒しマスヨ

どんどんいきマスヨ!次のすずめさんはどこデスか?



●モッチ・モチお餅を食べてもっちもち♪
「ギャー!物の怪だぁー!」
「ひぃーっ、こっち来るなぁー!」
 短冊も筆も放り捨てて、一目散に逃げていくお殿様に小姓、女房方。
 それと入れ替わるようにして、怪異の前に姿を見せたのはモッチ・モチ(ボス専門バスター・f09023)だ。
 その手には和菓子セット。団子にあんころ餅、饅頭、ともちもちした甘味が揃い踏みだ。
「俳句って楽しいデスヨネ♪ワタシ、結構好きなんデス♪」
 あんころ餅をもちもちと食べながら、にっこり笑って黄泉の本坪鈴を見つめるモッチに、怪異はピィッ!と一声鳴いた。
 その声色に籠もるのは生者への憎しみと、怒り。途端に怪異の鈴がぱっくりと開き、中から紅蓮の炎が溢れ出した。
 溢れた炎が河原の石を熱しながらモッチへと迫るが、もっちは動じずに伸し餅を取り出した。
 伸し餅を炎で炙り、程よく柔らかくなったところでパクリ。もちもちパワーが更にアップである。
 そうしてお腹が満たされたところで、モッチはぐっと拳を握った。
「流儀変化・戦闘弾力形態(モードチェンジ・バトルモッチリフォーム)!行きますヨー!」
 戦闘力と細胞の弾力を増したところで、素早く放たれるのは投擲ナイフ。ナイフは正確に黄泉の本坪鈴の翼を貫き、その身体がぐらりと傾いで地面へと落下する。
「そこデス!」
「ピィッ!?」
 石の上に鈴がつこうかというところで、モッチの拳がもちっと怪異の頭を捉えた。
 そのままひっくり返りながら、鈴を抱えたスズメは消えていく。
「どんどんいきマスヨ!次のすずめさんはどこデスか?」
 戦闘弾力形態のモッチはまだまだ止まらない。地面を軽やかに蹴って次なる怪異へ突撃した。

成功 🔵​🔵​🔴​

白雨・七彩
句会か、それは楽しそうだ。
日差しも暖かくなって来たし、冬の頃とはまた違った賑やかな句を聞けそうだな。

相手が邪気と火の気を得意とするなら、此方は破魔と水の刃で行かせてもらおう。
弍の舞【水刃】に技能の[破魔]を上乗せして数で攻撃していく。

元はしがない御使だったとはいえ荒事の真似くらいは出来るつもりだ。
それにこの季節に黄泉門を開けようとは、些かせっかち過ぎだと思わないか?
季節が一つ移ろい、地獄の釜が開く時まで待つと良い。



●春の池微睡む狐の目に朝日
 先を行く猟兵の後を追うようにして、白雨・七彩(水狐・f06113)は地を蹴った。
「この時期の句会は楽しそうだ。日差しも暖かくなって来たし、冬の頃とはまた違った賑やかな句を聞けそうだな」
 安全な場所まで逃げてこちらを遠巻きに見ているお殿様にちらりと目を向け、すぐさまに正面に視線を戻した七彩の眼前には、こちらをねめつけて口を開く怪異が二体。
 その二体が同時に、鈴から呼び出した靄のような後悔の念を、七彩に浴びせかけようとこちらに鈴を向けてくる。
 邪念には破魔の力を。七彩の握る薙刀に破魔の力が宿った。
 引いて構えた薙刀の刃が、刹那煌くと。
「弍の舞――水刃」
 振るわれた薙刀に合わせるように、河原の地面から無数の水の刃が立ち上った。
 破魔の力と共に振るわれた刃が、二体の黄泉の本坪鈴を串刺しにせんとその身体と鈴に迫る。
「それにこの季節に黄泉門を開けようとは、些かせっかち過ぎだと思わないか?
 季節が一つ移ろい、地獄の釜が開く時まで待つと良い」
 餞の言葉が投げられた頃には、二体の怪異の姿は既になく。
 返答の囀りさえ、ありはしなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ペイン・フィン
【ヤド箱】で参加。
ステラとファンと一緒に、妖怪退治に来たよ。

……思ったよりも、可愛い、かな?
でも、悪いことしているわけだし……。しっかり倒さないと、ね。

コードを使用。
拷問具を複製して展開するよ。
今回複製するのは、膝砕き、石抱き石、毒湯の三種。
まずは、膝砕きで敵の足止めをするよ。
でもこっちは、あくまで動きを止めることが狙い。
本命は、ステラ、ファンとの連係。
二人が作った水渦に、複製した毒湯を投入。
毒の水渦に変化させるよ。
石抱き石の方は、皆の前に展開。
武器としてじゃなく、盾として、敵の攻撃や水渦の余波から身を守るよ。

……さて、こんな感じで、どうかな?


ファン・ティンタン
【ヤド箱】で参戦

えっと…何でここに来たんだっけ
あぁ、河童
河童を斬るんだった
そのためには、まず…雑魚散らし、かな


重要な敵の行動の阻害はペインに一任
その間、自身は魔【力溜め】で次の行動に備える

初手が肝心要だから、頼んだよ

敵の捕縛後、【精霊使役術】で風【属性攻撃】
鎌鼬(風精)に魔力を与えることで敵群を竜巻で吸い寄せ、一箇所に閉じ込める
術の発動後はステラと協力して渦の安定化
自身は渦を維持、毒湯投入後はペインと協力して渦を安定化

3人がかりの毒水渦、抜け出せるものなら試してごらん?

締めはステラの一撃にお任せ

お膳立ては済んだよ―――ステラ、やっちゃえ


※敵のWIZ技が飛んできたら【覚悟】と【呪詛耐性】で耐える


ステラ・アルゲン
【ヤド箱】でファン殿とペイン殿と参戦

俳句というものをよく知りませんが会場を荒らす者を許してはおけません
妖怪退治と行きましょうか

まずは手下の排除

ペイン殿の行動が終わるまで私は【全力魔法】【高速詠唱】にて水【属性攻撃】による豪雨を降らす
これで敵の炎が飛んできても消火できるはずだ

敵の拘束後、ファン殿が敵を纏めたら協力して水と風の【属性攻撃】を扱い渦の安定化をする
ペイン殿が毒湯を投入したら私は流星剣を構えて攻撃の準備
どの方向から攻撃すれば敵を効率よく倒せるか【情報収集】

さぁ、これで終わりだ!

毒水禍が晴れ敵が混乱している隙を狙って【流星撃】にて一網打尽にしてくれる!



●はなむけに花散らすなり針供養
 味方の数を減らされ憤る怪異たちに立ち向かうのは、【ヤド箱】の三人だ。
「……思ったよりも、可愛い、かな?でも、悪いことしているわけだし……しっかり倒さないと、ね」
 こちらに大きく嘴を開けるスズメを見て、ぽつりとペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)が呟くと。
「あぁ、河童。河童を斬るんだった。そのためには、まず……雑魚散らし、かな」
 ファン・ティンタン(天津華・f07547)がスズメたちの奥に仁王立ちする河童の怪異を無感情に見遣って。
「俳句というものをよく知りませんが会場を荒らす者を許してはおけません。妖怪退治と行きましょうか」
 流星剣を携えたステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)が、その手に握る剣をしっかと構えた。
「ピィー!」
「ピィッ!」
 口々に囀ると、スズメたちの抱えた鈴から開かれる黄泉の門。そこからぶわりと炎が噴き出す。
 地を走るその炎が猟兵たちに到達する前に、ステラが両腕を高く掲げた。
「豪雨よ、ここに来れ!」
 全力で、高速で詠唱された水属性魔法によって、作り出された豪雨が、怪異の炎をかき消した。
 その豪雨で思うように動けずにいる怪異をちらと見て、ペインが取り出すのは膝砕き機。
「……ほんと、嫌だな……」
 ぽつりと呟くと、膝砕き機がぞろりと増えた。怪異の数だけ増えたそれは、スズメの身体に食いつくと、ひとりでにギリギリとその身体を締め上げ始めた。
「ピィ!?」
「ピィー!!」
 突然に行動を封じられ、身を裂くような痛みに襲われた怪異が混乱した声を上げる。それ故に、自分たちが次第に一つの場所に集められていることに気付く様子はなかった。
「風の精霊、鎌鼬よ、私の声を聞いて頂戴」
 そして一分も経たないうちに、ファンが行使する風の魔術で発生した竜巻が、怪異を一ヶ所に集めてその中に閉じ込めていた。
 豪雨と竜巻。それは局所的な嵐となりて、竜巻を立ち上る水の渦と化していく。
「あとは、これを安定させればいいかな」
「そうですね……ペイン殿!お願いします!」
 ファンとステラが竜巻を安定させるために魔力を行使しながら後ろを向くと、そこには複製した毒湯を多数構えたペインの姿があった。
 既に石抱き石を盾のように自分たちの前に置き、万一こちらに飛沫が飛んでも防げるようにした後である。
「……さて、こんな感じで、どうかな?」
 ファンの仮面の奥の瞳が、きらりと光る。
 そして大量の毒湯が、怪異の閉じ込められた水渦に叩き込まれた。
 ただの水の渦だったものが、途端に毒水の渦へと変貌する。それもただの毒水ではない、猟兵が三人がかりで協力し、連携して作り上げた毒水だ。
「これでよし、と。お膳立ては済んだよ――ステラ、やっちゃえ」
「承知です!」
 ファンに声をかけられたステラが、ぐっと体勢を低くして流星剣を構えた。その剣へと、見る間に力が蓄えられていく。
 そして毒水が消失し、あとには折り重なるようにぐったりする怪異が残されたかと思うと。ステラが高々と跳躍した。
「さぁ、これで終わりだ――墜ちろ!」
 跳躍から振り下ろされる、流星剣の一撃。隕石の衝突にも匹敵するその莫大で膨大な威力が、強烈な風圧を猟兵たちに叩きつけてくる。
 そして、砂煙が晴れた時には、スズメたちの姿は完全に掻き消えて、河原の地面が大きくえぐれた真ん中に、剣を振り下ろしたままのステラが一人、いるのだった。
「雑魚の掃除は完了です……次は、あの河童が相手ですね!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『サムライエンパイア絵巻『河童の怪』』

POW   :    『私の華麗なる一撃を受けよ!』
【 スタイリッシュな蹴り】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    『水も地も、空さえも克服した私に不可能は無い!』
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    『誰がNo.1か決めようじゃないか!』
【『河童には負けられない』】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【特設ステージ】から、高命中力の【No.1決定戦への招待状】を飛ばす。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は雛月・朔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●雛流し緑の内裏打ち捨てて
「ゲホッ、ゴホッ……全く、こんな荒々しい戦い方、実に美しくないね!」
 黄泉の本坪鈴に守られて、安全な場所にいたはずの河童の怪。しかし猟兵たちの攻撃の余波を受けてその白いスーツは埃まみれの砂だらけだ。
 河童の怪は咳き込みつつスーツの埃や塵を落とすと、その手に持った薔薇をびしりとこちらに突き付けてくる。
「美しさの何たるかも知らない君達に、この僕が!本当の美しさというものを教えてやろうじゃないか!
 さあ、どこからでもかかってくるがいい!!」
 なんとも偉そうに、高らかに宣言する河童の怪。猟兵たちは手に手に、愛用の武器を構えて首魁に相対したのだった。
ペイン・フィン
【ヤド箱】で、ステラとファンと一緒に妖怪退治(?)

……さて、じゃあ、後はカッパだけだね。
準備しようか……。

コードを使用。
実体化する拷問具は、スタンガンの“ニコラ・ライト”。
実体化した姿は、無機質な仮面を付けた、メイド姿のアンドロイドだよ。
で、実体化したニコラには、”解説”のポップを渡しておくよ。
自分は、”実況”ね。

(以降、ペインは戦闘の実況をするが、途中からほぼ味方の応援となる)
(一方、ニコラはカッパの分の解説を任せられるが、そもそも話すことができず、解説できない)
(最終的に、突如カッパにドロップキックを行い、以降、戦闘に参加し始める)
……あ、ニコラも戦うの?
頑張って、ね。


ステラ・アルゲン
【ヤド箱】でファン殿とペイン殿と参戦

さて、あとは河童を倒すだけでしたか

……美しくない? 確かに少々手荒い真似をしてしまいましたね
そういうのであれば真の美しさとはなんなのか、この私と勝負といきましょう!
No1決定戦への招待状を華麗に受け取り、特設ステージの上に颯爽と降り立つ(風【属性攻撃】でマントをはためかせつつ)

今日の私は全ての者を虜にしよう!

【礼儀作法】と【誘惑】を剣技に織り交ぜ、まるで踊っているかのように河童と対決する

嘆かわしい…あなたの輝かしさはその頭の皿だけですか!

【凍星の剣】から雪の結晶を振りまき、私の美しさを上げる。見とれて動けませんか?
ふふ、この勝負は私が頂きます!


ファン・ティンタン
【ヤド箱】で参戦

斬る…河童を、斬る……
…なんて思ってたら、何、この…何?

流れに身を任せてどうかしていると、気付けば解説席に着座することに
隣にいる二コラが河童の分の解説を担当してくれそう(な気がするだけ)だから、私はステラ担当かな
【スピリット・オブ・サウンド】込みで、馴染みのマイク【名も無き歌人の残響】を使い事細かにステラの一挙一動に感じられる魅力を解説しつつ【鼓舞】

ステラの凄い所はね (MSに一任) と、思うんだけど、どう?二コラ
二コラも、河童の解説を…(二コラを見て)あぁ…そだね、キュウリだね(察し)

解説中、【天華】に【力溜め】
決着かな…そんなタイミングになればステージを魔力光でライトアップ



●金の眼に誰見るものぞ猫の恋
 河童の怪は薔薇を手に持ち、それを猟兵たちの方にびしっと突き付けた、その姿勢のままでプルプルと震えていた。
 何故か。
 猟兵たちが準備中だったからである。
 変身中や準備中に攻撃を仕掛けるのはマナー違反だ、そう持論を述べる輩が出てくるのはもっとずっと先の未来のことだけれど。
 いずれにせよ戦闘態勢にない輩の不意を突くのは美しくない。
 そういう理屈で河童はじっと耐えていた。耐えていた。
「はいニコラ、これ持って……あとファンもこれね……」
「えーと、椅子はこれでいいのかな?あ、ニコラありがと」
「お二人とも、マイクテストは大丈夫ですか?」
 河童がプルプルしているのなんてお構いなしに、【ヤド箱】の三人とペインが呼び出したメイド服着用のアンドロイド、ニコラ・ライトはのんびりと解説・実況席の準備をしていた。
 ちなみにマイクはファンが持参した馴染みのマイクである。
「オーケー?」
「オーケー……」
「(こくり)」
「大丈夫そうですね。河童さん、お待たせしました!」
「待たせ過ぎにも程があるだろう!どれだけ僕が耐え忍んだと思っている!
 準備は迅速にかつ丁寧に、が鉄則だろう!全く美しくない、あぁ美しくないとも!」
 ステラに声をかけられ、ようやく脱力した河童が盛大に文句を述べた。
 準備をたらたらと進めていては後の進行に影響も出る、さもありなん。理性的に考えれば一理ある河童の主張だが、主張しているのが河童な時点で一理も何もなかった。
 嘴を大きく開いてがなり立てる河童に、ステラがびしりと剣の切っ先を突きつけた。
「美しさを標榜する者として、河童さん、貴方には負けられません!真の美しさとは何なのか、この私と勝負と行きましょう!」
「そちらから勝負を申し込んでくるとは面白い。誰がNo.1か決めようじゃないか!」
 河原の石砂利を割って、ズモモモとせり上がってくる特設ステージ。その上に飛び乗った河童が、ステラ目掛けて一通の招待状を投げつけた。
 それを二本指ではっしと掴んだステラが、マントを(風属性攻撃で意図的に)はためかせつつ、特設ステージに颯爽と降り立つ。
「今日の私は全ての者を虜にしよう!」
「いいや、虜にするのは君ではない、僕だ!」
 びしり、と二人が指を突きつけ合った次の瞬間。まるで舞いを踊るように二人が交差し立ち位置を入れ替えた。
 互いに視線を送り、再び交差、と同時に数度の剣撃と蹴撃の応酬。
 それはまるで殺陣のようでもあり、舞踏のようでもあった。
「おぉっとー、またも交差した、と思いきや目にも留まらぬステラの剣閃と河童の蹴りが交錯しているー!
 早い、早すぎて、見えなーい!解説のファンさん、ステラの動きをどう見ますか!?」
「ステラの凄いところはね、やっぱりあの瞬時に流星剣を振るってそれを制御する腕前と、すぐさまに方向転換を出来る足捌きだと思うんだよね。
 加えて、ほら、マントでしっかり河童の蹴りをいなしながら戦っている。あれをあの一瞬のうちにやり切るのは並大抵のことじゃないよ」
「なるほど!さすがファンさん、よく見えていらっしゃる!自分には両者が何をどうしているのかさっぱり見えません!」
 実況・解説席ではペインがマイクを握って立ち上がらんばかりに熱狂的な実況を行い、その隣でファンがいつも通りの右目を閉じた表情のままでしっかり解説を行っていた。その隣ではニコラがこくこくと頷いている。
 戦闘をステラに任せっぱなしで何をしてるんだって?大丈夫、ファンさんは解説をしながら【スピリット・オブ・サウンド】を織り込んでステラを鼓舞しています。
「対する河童はどうでしょう、彼の動きをどう見ますか、ニコラさん」
「(両手をバッと広げて大きく円を書くように動かした後、右腕をシャキーンと伸ばす)」
「あぁ、うん……そだね、キュウリだね」
「おぉっとまたステラの剣が河童の肩を捉えたー!いいぞー頑張れステラー!」
 言葉を発することの出来ないニコラは、精一杯ボディランゲージで河童のダメダメっぷりを解説しようとしているが、その意図は伝わっているのか否か。
 ペインの実況はもはや実況というより、ステラの応援になってしまっている。
 ペインの応援とファンの密かな鼓舞もあり、どんどんと動きのキレを増していくステラが、軽やかにステージに降り立つと同時に、河童ががくりと片膝をついた。
「嘆かわしい……あなたの輝かしさはその頭の皿だけですか!」
「ふっ、ふふ……僕の蹴りを尽く躱しいなすその技量こそ見事だが、これで僕に勝ったとおもぐぼほぉっ!?」
「なんとーっ!ここで解説のニコラさんがステージに乱入、河童のあまりにも不甲斐ない戦いぶりにご立腹だー!!」
 いつの間にか解説席から飛び出し、膝をついた河童の頬に華麗なドロップキックをキメにいくニコラの姿に、ペインがダンと実況席のテーブルを叩いた。
 そして始まる乱闘戦。美しさなどかなぐり捨てた河童とニコラの取っ組み合いに、困惑しながらもしっかり河童を切りつけていくステラが、ステージ上で暴れまわる。
 そんな有り様を見て、大人しく解説席に座っていたファンが、ぽつりと。
「斬る……河童を、斬る……なんて思ってたら、何、この……何?」
 何なんでしょうね。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

白雨・七彩
戦闘に美しいも何も無いだろうとは思うが…。
そういった見方をする者がいる事も知っている。
それはそれとして、そもそもお前達は句会が気に入らなかったから邪魔しに来たのではなかったのか?
今度は美しさの指南とは…河童とはこんなにも自由奔放だったか。

敵の白羽の矢が自分に向けば対応し、向かなければ事の成り行きを見守る。

戦闘になれば弐の舞【炎月】で9つの炎を並べ自分を守るように展開。
残りの10の炎を[属性攻撃]を上乗せして一塊にし敵目掛けて放つ。

相手は河童。
誰が見ても相性が最悪なのは見て取れるだろうが…。
なに、水妖といえど炙られれば火傷位するだろう。



 召喚したステージがズモモモと河原の中に沈んでいき、一仕事終えたという具合に実況・解説席の片付けに入る【ヤド箱】の面子と傷だらけでボロ雑巾の状態で河原の石を噛む河童を見て。
「戦闘に美しいも何も無いだろうとは思うが……いや、そういった見方をする者がいる事も知っているが」
 七彩は目の前で繰り広げられていた切った張ったを思い返しつつ首を振った。
 そのまま、悔し気に歯ぎしりをする河童の傍まで歩み寄り、徐にその背中を踏んだ。
「ぎゃっ!?」
「そもそもお前達は句会が気に入らなかったから邪魔しに来たのではなかったのか?今度は美しさの指南とは……」
 全く理解できん、と言いたげに眉を顰める七彩を、踏まれたままで河童は睨みつけた。
「句会が気に入らないわけじゃない!普通に俳句を詠むんなら、そりゃあ僕だって放っておいて別のところを探して襲撃したさ!
 僕が気に入らないのは「この河原で誰かが僕以上に輝くこと」そのものなんだからね!」
「独りよがりにも程があるな、それなら二目と見られぬ顔にしてくれようか……なに、水妖といえど炙られれば火傷位するだろう」
「踏みつけにしておいてそれを言うのかい!?ちょ、熱っ、やめっ、熱っつ!!」
 弐の舞【炎月】で狐火を呼び出し、それを河童の顔にぐいぐいと押しつけにかかる七彩は、さながら処刑人のようであった。
「何なら頭の皿をあぶって、カラッカラに乾かしてやってもいいんだぞ?」
「ギャァァァァァ鬼ー!非人間ー!河童虐待断固反対ー!!」
 哀れ河童は顔を焦がされ、七彩の気が済むまで甚振られ続けたのであった。南無。

成功 🔵​🔵​🔴​

モッチ・モチ
すごい!頭のお皿が金ぴかデス!絶対に持ち帰りタイ!これはもう『河童さんには負けられません』!

と、特設ステージ!?№!決定戦!?
輝かしさを競う勝負とか仕掛けてきそうデスヨネ
ま、負けまセン!

【グッドナイス・ブレイヴァー】発動!撮影ドローン展開!
生配信で視聴者にどちらが輝かしいか判断してもらいましょう!

ワタシが一番輝いている時。それはやっぱり食べている時でしょうか
どちらがキュウリをおいしそうに食べれるか対決デス!
「ん、おっきいっ、こんな大きいの一度には食べきれまセン////」

ワタシの輝かしさに隙を見せた河童に、素手、もしくは武器を使って【盗み】【盗み攻撃】で頭のお皿を奪い取ってジエンド、デス!



●茂る草内に隠しむ千鳥の巣
 ボロボロになった河童が倒れ伏すさまを見て、モッチは目をキラキラと輝かせた。
「すごい!頭のお皿が金ぴかデス!絶対に持ち帰りタイ!」
「えっちょっと待って、なんか僕の頭の皿が狙われてる!?」
 思いもよらないところを狙われ、狼狽する河童。しかしそんな彼の身体を持ち上げるように、再び地面からせり上がる特設ステージが、河童の身体を再び立ち上がらせた。
 同時に展開される動画撮影ドローンが、特設ステージの周囲に浮かんでいく。
「ふ、ふふ……いいだろう、勝負をしたいというなら受けて立とうじゃないか!さぁ、今度はどんな形で……」
「ワタシが一番輝いている時。それはやっぱり食べている時デス!どちらがキュウリをおいしそうに食べれるか対決デス!」
「……へ?」
「さあ、ここにキュウリを持ってきました!食べるのデス!」
 ポカンと口を開く河童に、モッチは手に持ったキュウリを思い切り突っ込んだ。突然ねじ込まれたキュウリが河童の口の中を抉る。
「がっ……!?」
「ん、おっきいっ、こんな大きいの一度には食べきれまセン……!」
 何故かちょっと扇情的に頬を赤らめながらキュウリを齧るモッチ。もはや勝敗は明らかだろう。というより河童は食べる前に悶絶しているので勝負にすらなっていない。
 喉を押さえて頽れる河童の頭の皿に、モッチの手が無慈悲に伸びていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

來米良亭・ぱん太
「まあまあ落ち着いてくださいよ。スタイリッシュ河童さんともあろう方が、なんとも見苦しいことで」
 リンゴ箱と座布団持参で河原に即席高座を作り、
「気を静めて頂くために、おひとつ俳句絡みの噺でもいかがです? え、それどこじゃない? そんなことおっしゃらずにい~~!」
 強引に『雑俳』を演じる。
 聞き入ってくれたところで(聞き入ってくれなかったらそれはそれで/笑)オリジナル雑俳を混入。
「三面の花をいざなう俳句会、活発な河童がかっぱらったぁ!」
『活発な~』以降のダジャレがUCとなっており、凍り付いたところをスパカーン! と扇子で一撃したい。
 雑俳としては大変アレで恐縮です。
※アドリブ連携ネタ大歓迎。


上月・衒之丞
ふふ、雅を解すものと思いなんしが、ただの野暮でありんすか。
ようざんす、真に輝くとは如何なる者か、あちきが見せてやりんしょう。

糸を手繰り、河童を雁字搦めに絡め取る。
動作は常にたおやかに、無駄なく優美に、淑やかに、可憐に、華やかに。
「無明弦月流、如月。その動き、封じいす。とくとご覧あそばせ」

して、この場は句会でありんしたか。
では、河童は放っておいて一句ひねりんしょ。
「雪解けに 逸る河童の 川流れ」
光が差して今が自分の出番と気を急いた河童も、鉄砲水の勢いに流されてしまいなんしなあ。

然らば。
詠んでいる間に張り巡らせた糸を流してやりんしょ。
「無明弦月流、睦月。主も鉄砲水に流された河童に違いありんせんな」



●春水に足取られゆく河童かな
 河童の叫び声が響く中、上月・衒之丞(泡沫の遊女・f11255)は煙管片手に嫋やかに、ゆるりと微笑んで見せた。
「ふふ、雅を解すものと思いなんしが、ただの野暮でありんすか。ようざんす、真に輝くとは如何なる者か、あちきが見せてやりんしょう」
「いよっ、姐さん優美だね!こりゃあ河童の足も取られようってもんだ!」
 衒之丞の後ろで、即席の高座を拵えた來米良亭・ぱん太(魔術落語家・f07970)も扇子をパンと鳴らす。
 既にズタボロ、雑巾もかくやという有り様になった河童が、地面の石を支えにしながら身体を起こしながら身を震わせる。
「ふ、ふふ……今度は何だい、どんな形で僕を虚仮にしようって……」
 河童の怪、いいように弄ばれたせいか既に心もボロボロの卑屈っぷりである。そんな河童を憐れむように見つめながら、ぱん太が扇子の先を河童へと向けた。
「まあまあ落ち着いてくださいよ。スタイリッシュ河童さんともあろう方が、なんとも見苦しいことで。気を静めて頂くために、おひとつ俳句絡みの噺でもいかがです?」
 突然に始まろうとする小噺。これまで散々予想外の展開に持って行かれた河童も、これには度肝を抜かれた。
「は?いや、何を悠長な……」
「え、それどこじゃない? そんなことおっしゃらずにい~~!」
 呆気に取られつつもぱん太に手を伸ばす河童だったが、その声はぱん太の被せるような言葉に遮られた。かくして始まる來米良亭の寄席である。
「したらば前句付と参りましょう。折角なんで姐さん、一句詠んでいただけます?」
 ぱん太の視線が衒之丞へと向く。唐突に話を振られた衒之丞は目を見開くが、すぐさま口元に指をあてて思案を始めた。
「ふむ?では一句ひねりんしょ……雪解けに逸る河童の川流れ。光が差して今が自分の出番と気を急いた河童も、鉄砲水の勢いに流されてしまいなんしなあ」
 まるで今の河童の怪の惨状を物語ったかのような一句。聞かされた河童は目に涙を浮かべている。むべなるかな。
 そしてぱん太は再びパンと扇子を手に打ち付けた。
「なるほどなるほど!そこで河童を使ってきますかぁ……んんー、閃いた!雪解けに逸る河童の川流れ、活発な河童がかっぱらったぁ!!」
 ダジャレも加えた短句、まぁ下手ではない、下手ではないのだろうが。なんとも言えない出来栄えに、場の空気が物理的に凍る。
 そう、物理的にである。これぞぱん太のユーベルコード、スベテガサムクナル。
 事実河童は地に伏せたまま凍えていた。髪の端がところどころ凍り付いている。嘴がカチカチと鳴らされてちょっと五月蠅い。
 そんな河童は寒さのあまり、自分がいつの間にか糸で雁字搦めにされていることに気付かなかった。震える嘴が糸でキュッと締められる。
「なんっ、むぐぐっ!?」
「終いでありんす。せめて華やかに散りなんせ――無明弦月流、睦月」
 衒之丞が河童に背を向けた瞬間、絞られた糸が河童の身体を細切れに寸断した。ばらばらと、赤い染みに彩られたスーツの布地が零れ落ちては風に消えていく。
「……主も、鉄砲水に流された河童に違いありんせんな」
 衒之丞がふぅ、と吐き出した煙管の煙と共に、鉄錆の匂いが午後の空に溶けていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『ここで一句』

POW   :    とにかく思いついた案を沢山出し、いい感じに組み合わせて詠む

SPD   :    己の感覚をフル活用し、オリジナリティある俳句を生み出す

WIZ   :    意味深な言葉遣いで味わい深い一句を詠む

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●芥子菜の咲き誇るなり川の岸
「いやー、各々方、まっことお見事!実に素晴らしい!」
 いつの頃からか程々の距離に近づいて観戦していたお殿様が快哉を上げながら近づくと。
「皆さん、お疲れ様でしたねぇ。いやぁなんとも鮮やかな手際でございました」
 いつもの柔和な笑みを浮かべながら、泰史が河原に姿を見せつつ手を叩いた。
 小姓もお姫様も戻ってきて、毛氈引いて傘を立てて、改めての準備を猟兵たちもお手伝いして、楽しい句会の再会である。
「ところでその方ら、俳諧や雑排は嗜むくちであるか?なに嗜んでおらずともよい、手解きして進ぜよう!こういった催しは人数が多い方が楽しいものよ!」
 お殿様らも猟兵たちを迎え入れて句会をする気マンマンである。ここまで言われると断るのも野暮というもの。
「こう仰ることですし、一緒に一句、詠んでいきません?俳句でもよし、川柳でもよし。お気軽にやっていいと思いますよ」
 早速毛氈の上に草履を脱いで胡坐をかきながら、泰史がにこりと目を細めた。


●追記
 ここからは句会タイムです。第二章までに参加されていない方も、お気軽にご参加ください。
 一句詠まれる際は「十七音」の文字数を守っていれば何でもいいです。破調してもいいですし、季語なしでも構いません。
 泰史はプレイングでお呼ばれされた際に登場いたします。
上月・衒之丞
ふぅむ、先に詠んだ句では足りぬと。
ふふ、ようざんすよ。あちきも風流なんはよう好みいす。
また一句ひねりんしょ。

季語は難しゅう物に思いなんしが、難しく捉える必要はありんせん。
そん季節らしい言葉を使うのみにありんす。どれ、一句。
「花開く 淡い想いと 恋桜」

もう一つ、大事なことがありんすな。
詠み手は多くを語らず。
俳句に限らず、この手のものは想像して楽しむものでありんす。
それを、詠み手が語りすぎなんせば、想像の余地が狭まりなんし。
詠んだ想いや景色が、共感されれば嬉し。共感されずとも、思いもよらぬ情景が浮かぶのもまた一興でありんすよ。
「盃に ひらり飛び込む 雪の華」

さぁ、主の句も聞かせておくんなまし。


モッチ・モチ
【SPD】

ワタシのセンスに惚れ惚れすること間違いなし、デス!

ではさっそく。

冬河童 マジ半端ねぇ ナルシスト

河童さんのこだわりや印象の強さ、ギャグっぽいところ。そういう部分を表現してみまシタ。

あ、こちらお茶受けにどうぞ、と言って、和菓子をみなさんに配りマス
お殿様に媚びることも忘れまセン
つまらないものですが、と言いながら、お殿様の分の和菓子はちょっと高級なものにしておきマスヨ
(和菓子はアイテムの和菓子セットから出し放題なので不足となる心配もありまセン♪


ペイン・フィン
【ヤド箱】で参加。他の人との絡みもOK。

……さてと、
俳句。どうしようかな……。

カッパ退治で、すっかり忘れてた、よ。
……全く考えてなかった、訳じゃ無いから、1つあるけど……恥ずかしい、ね。

でも、これしかないし、新しく考える時間も無いし、
……読んだら、すぐに帰っちゃ、駄目かな……?

黒白に
 重ね春待つ
  フユザクラ
 
       ペイン・フィン

……読み終えたら、オコジョになって、どこかに隠れよう。
恥ずかしい、ね……。


ステラ・アルゲン
【ヤド箱】でファン殿とペイン殿と参戦

やっと河童退治も終わって無事に句会を始められますね。
とりあえず私は俳句というものを分からないので皆さんの様子を眺めつつ、考えておきましょう。
泰史殿も何か一句詠んでみてください。参考にしますので。

ふむふむ、五・七・五で歌を詠むと……。

鮮やかな、花の蕾は、マカロンだ

……箱に入った色とりどりのマカロンって花の蕾に見えるなぁと思ったもので。こうやって考えているとマカロンが食べたくなってしまいますね。

ちなみにこの三人の中だと泰史殿はどれが良かったと思いますか?


白雪・小夜
【SPD】人見知り・対人不信の為、交流低
俳句ねぇ…やった事ないけれど…やってみたい気もするわ。
これもまたこの世界の文化よね。

春の一句なら…
『風薫る 桜仰げば 春の山』とか?
『鶯が 梅枝乗りて 春告げる』とか…。
うーん…捻りも少ないし、季語が複数になってしまって難しいわね。
まぁこれが私のセンス?の限界…なのかしら。

俳句…もう少し勉強してみたいわね。
どこかで参考書か何か買っていこうかしら?
ボソリ『終わる夜 私の冬を 溶かす人』…なんて
これは私の中だけで留めておくの…理由なんて…そう、秘密よ。

人が多いのは苦手
人の少ないうちに帰りましょう。


ファン・ティンタン
【WIZ】この句会には必勝法がある(意味深)

【ヤド箱】で参戦

雀倒して、河童倒して……始まっちゃったよ、句会
私、こーゆー頭使うこと苦手なんだけど……でも

ちらりと見れば、ペインとステラが句を作ってる
ここで、私だけ句を詠み上げられないなんて、
“負けず嫌いの私が何もせず勝負を降りる”なんて、出来る訳が無い

……仕方ない、奥の手だよ

ちょっと…お花摘みに―――(私、“そーゆーの”不要系ヤドリガミだけど)


物陰で、【千呪鏡『イミナ』】の【真の姿】を解放
紫手鏡から投影されるは江戸時代の大奥風の女性、足無しの幽鬼

イミナ、その文化人っぽい見た目由来の力を私に!

【大怨声】でなんやかんや天啓を得る


霞往く

くすむ血霧と

河太郎



●雪晒真白き布の目に泪
 河原で繰り広げられていた戦闘が終わり、句会の準備が改めて整えられて。
 再び始まった句会に、戦闘に参加していた猟兵たちも加わって車座になっていた。
「ふっふっふ、ワタシのセンスに惚れ惚れすること間違いなし、デス!」
 短冊を手に持ったモッチは実に自信ありげである。その口元は傍目から見ても分かるようににんまりと。
 その表情を見てお殿様はご機嫌である。そしてお殿様や小姓やお姫様、その他猟兵たちの前にはモッチの用意したお茶請けの和菓子が据えられている。
 お殿様の前の和菓子はちょっと高級な品を用意している辺り、抜け目のないモッチである。
 そうして事前に手回しをした上で、彼女の詠む句は。
「では早速。えー……冬河童 マジ半端ねぇ ナルシスト」
 一瞬、シーンと沈黙が場を支配した。ナルシストという単語の理解に時間を要したとか、そう言うんではないんだと思いたい。きっとそうだ。
 しかして沈黙を破るようにお殿様が声を上げた。
「うむ、うむ……!や、確かにあの河童はなんとも半端者ではないものであった!下五音の単語はいま一つ意味の掴めないところであるが……あの河童のハイカラな風がよう伝わっておる!」
 お殿様の票を受けて、手を叩く小姓やお姫様。喝采を受けてモッチは小さく頭を傾げるのであった。

●昼下がり貝母の花の葉に雫
 白雪・小夜(雪は狂い斬る・f14079)は悩んでいた。
 俳句を詠む経験は無いながらも、折角の機械だからと飛び込んだ句会。
 これもまたサムライエンパイアという世界の文化、と意気込んでみたはいいものの。
 なかなかいい具合に句が浮かばない。
 しかして何も書かれていない短冊を持ったままに、首を捻るばかりの時間が過ぎる。
「風薫る 桜仰げば 春の山、とか……?いや、安直すぎるかしら。
 それとも、鶯が 梅枝乗りて 春告げる、か……」
 なかなか、上手い具合に捻りを加えられて、かつ俳句の体裁を保っている句が思いつかない小夜に、隣に座る姫が声をかけた。
「もし、そちらのお方。何も『春』をそのままに詠みこまなくともよいのですよ」
「そのまま、詠みこむ……?」
 首をかしげる小夜に、姫はゆるりと頷いた。
「鶯も、梅も、それだけで春を連想させる単語でございます。わざわざ春という字を使わなくとも、春のうららかな日が思い起こされるもの。
 それでございますれば、春の二文字に使うところを別の言葉に用いても、春を連想させる句に出来るのでございます」
「なるほど……そうなると」
 姫のアドバイスを受けて、筆を口元に寄せて思案を巡らせる小夜。
 そしてしばしの後にさらさらと、短冊に筆を走らせ記した句は。
「鶯や 梅枝乗りて 告げる朝……かな」
 書き記した句を見て、ふぅと息をついた小夜。
 これが終わったら、俳句の参考書でも買っていこうか。サムライエンパイアにあるかどうかは分からないが、無ければ別の世界にもあることだろう。
 もう一句、実は心の中で詠んだ句があるのだが……これは、自分の心の中に留めておくだけにしよう。
 人の多くならないうちに場を抜け出そう、そう心に決めつつ、句会を楽しむ小夜なのだった。

●懐かしや祖母の炊ぎし五加飯
 【ヤド箱】の三人も、句会に参加しながら各々頭を悩ませていた。
「俳句、どうしようかな……カッパ退治で、すっかり忘れてた、よ」
 真っ白な短冊を手に持ちながらペインが独り言ちると。
「とりあえず私は、俳句というものをそもそも分からないのでありますが……泰史殿、泰史殿、何か一句詠んでみてください。参考にしますので」
 ステラは傍らに座る泰史に助けを求めている。
「私、こーゆー頭使うこと苦手なんだけど……」
 その傍らでファンは難しい顔をして唸っていた。
 しかしてステラに助けを求められた泰史である。まったく何も思い浮かばないというその様子に苦笑しながら、手元の短冊にさらさらと筆を走らせた。
「じゃ、こんなのはいかがでしょう。春出水 御灯祭の 火の如く。
 春の川の氾濫は、まるで御灯祭で松明を持った男共が階段を駆け下りる、勢いそのままのようだ、って具合ですね」
「なんとも抒情的!その勢いの様がありありと瞼の裏に浮かぶようであるな!」
 泰史の詠んだ一句に、お殿様も興奮を抑えきれぬようである。
 しかし問題は、ある程度俳句に造詣が深い泰史はともかくとして、助けを乞うた三人がそんなにパッと一句捻りだすことが出来ないことである。
 しばし頭を捻る頃合いに、ファンが静かに立ち上がった。
「あー、ごめん、ちょっとお花摘みに……」
「む、厠か?気にせず済ませてくると良い」
 唐突な中座だが、お殿様は気にするふうでもない。しかしてファンは何の抵抗もなくその場を離れられたわけで。
 そうする合間にも、ペインとステラは一句詠みあげていた。揃って短冊を手に持ち、記した句を読み上げる。
「黒白に 重ね春待つ フユザクラ」
 詠み終えたペインが恥ずかしさのあまりにオコジョに変身すると。
「鮮やかな 花の蕾は マカロンだ」
 ステラも一句詠みあげて、ちらりと泰史を見やった。
 オコジョ姿のままで逃げて隠れようとするペインをステラが捕まえて抱きかかえると、ファンが毛氈の上へと戻ってきた。
「む、その方、厠はもうよいのか?随分と手早く済ませてきたようだが」
「あぁ、うん、大丈夫。もう済んだから」
 お殿様が首をかしげる中で、ファンは表情を崩さぬままに短冊を手に取った。
 そしてそのままさらさらと筆を走らせる。トイレに立つと見せかけておいて、物陰で千呪鏡『イミナ』の知恵を借りていたことは、彼女だけの秘密である。
 そして、句を短冊に書き上げたファンが一句詠みあげる。
「霞往く くすむ血霧と 河太郎」
 ファンの詠む句に、車座を作る全員が一様に頷いた。まさしく、霞み往くわけである。
「ちなみにこの三人の中だと泰史殿はどれが良かったと思いますか?」
 ステラが傍らの泰史に、ペインを逃がさぬようにしてそわそわしながら問いかけると、泰史は苦笑しながらこう答えるのだ。
「いやはや、いずれもそれぞれの良さが出ていてよかったと思いますよぉ?俳句はそもそも、優劣を競う遊びじゃありませんからねぇ」

●春過ぎてなお渋くあり八朔柑
 各々が思い思いに俳句を詠む中で、自然と視線を集めるのは衒之丞である。先の戦いにて一句、さらりと詠んでみせたその技量は折り紙付き。
 しかして妖狐はふわりと笑みを浮かべて、小筆を手に取った。
「ふふ、ようざんすよ。あちきも風流なんはよう好みいす。また一句ひねりんしょ」
 俳句につきものの季語も、そう難しく捉える必要があるものではない。それは小夜にアドバイスを授けた姫も述べた通りのこと。その季節らしい言葉を使うだけで、季節を連想させられるのだ。
 口元に柔らかな笑みを浮かべつつ筆を動かした衒之丞が、短冊の句を読み上げる。
「花開く 淡い想いと 恋桜」
 詠まれた句に、その場の全員が瞠目した。
 春らしい、なんとも麗かで可愛らしさに溢れる句だ。それが、なんとも嫋やかで淑やかな衒之丞の口から紡がれたわけである。
 驚きに動きを止める句会の面々をちらりと見やって、衒之丞はもう一枚、短冊を手に取った。
 先の句がどのように受け取られるか、それは受け手次第。
 詠み手がどう思い、どう思考して読んだかを語るのは無粋というもの。そういうのは俳句の勉強会などでやればよいのだ。
 詠み手の想像によって世界が広がるのも、また俳句の楽しみなのである。
 ふっと小さく息を吐いて、口元に笑みを浮かべながら、衒之丞が詠むもう一句。
「盃に ひらり飛び込む 雪の華」
 先の句とは打って変わって雅な風合いを出すその句が醸し出す雰囲気に、全員がほぅと息を吐く。
 その面々を見やって、衒之丞が視線を止めるのは句会を催した主、お殿様である。
「さぁ、主の句も聞かせておくんなまし?」
「お、おぉ!お客人に詠ませてばかりでは句会を催した意味が無いというもの。一句、詠んで進ぜよう」
 衒之丞に促されたお殿様はすぐさまに傍らに置いていた短冊を手に取った。
 既に考えて記してあったのだろう。その詠む口には淀みなく。
「陽傾ぎて 麦踏む足の また重く」
 三面川の河原に、句を詠む声が響いていく。
 高く抜ける空を、河烏が数羽、囀りながら飛んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月07日


挿絵イラスト