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円形の台地があった。
中空へと伸びる柱に支えられてあるそれは、無数の剣が生え散らかった地上の上にある。
広く大きく、平坦なそこは、闇の種族達の遊技場。
遊ばせられるのは奴隷達で、抗う様をただ見せ物として消化されている場だ。
この戦場は一見、なにもないように見える。
だが、この地を制圧しようと猟兵が訪れた瞬間、無数の大量の下級オブリビオンが押し寄せ、剣の台地へ敵を叩き落とそうとしてくるのだ。
落とされないように立ち回り、かつ、大量のオブリビオンを殲滅しなければならない。
それは言うほどに容易くなく、キツイ戦いになるのは、誰の目にも明らかであった。
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「闘技場という定められた場所で、君たちは大量の敵を相手にしなければならない」
肆陸・ミサキ(黒白を弁ぜず・f00415)はグリモアベースで、集まった猟兵にそう告げた。
今から向かう先は、闇の種族の闘技場。
シンプルな作りのそこは、やはりシンプルな力押しをされる場だ。
「今までの集団戦とは比べ物にならない数の暴力が君たちを襲うだろうね。けれど、力押ししかしない相手ならやりようはいくらでもあるはずさ」
でも、油断は禁物だ。
相手はこちらを追い落とそうと全力で、それこそ後先考えずに突っ込んでいくだろう。
時としてそういう勢いは、なにより恐ろしいものになる。
「だから、くれぐれも気をつけて。君たちなら大丈夫だと思うけど、念のために……ね?」
そう言葉を締めくくったミサキの手、黒く輝くグリモアが道を開いた。
ぴょんぴょん跳び鯉丸
戦争シナリオです。
全1章で構成されております。
今回のシナリオでは、敵の大群を限られた足場で戦う状況となります。
プレイングボーナス……剣の草原に落ちないように立ち回る。
よろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『地獄の亡者』
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POW : 堕落
自身の【欠片ほどに遺されたわずかな正気や人間性】を捨て【紋章の力をさらに引き出した、完全なる亡者】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
SPD : レギオン
【別の亡者】と合体し、攻撃力を増加する【2つ目の紋章】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【亡者弾(肉体の一部を引きちぎったもの)】が使用可能になる。
WIZ : 呼び声
自身が戦闘で瀕死になると【10倍の数のさらなる地獄の亡者】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:V-7
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夜刀神・鏡介
戦いの規模が大きくなればなるほど、個人の戦力は重要視されなくなる……なんて事を言ったのは誰だったか
とはいえ、それを乗り越えてこその猟兵ではあろうが
まずは神刀の封印を解除して、陸の秘剣【緋洸閃】を発動
神気によって形成した緋色の刀を一気に降り注がせて敵を攻撃
地面に突き刺さった刀は敵の接近を阻む壁になるし、刀の柄頭を踏んでジャンプする事で敵の頭上を飛び越える事で押し込まれた状況から逃れたり、もしくは包囲を突破しよう
敵は多く、かつ力も強いとは。だが、こういう時こそ落ち着いて堅実に立ち回ろう
斬撃波で牽制しつつ適度に距離を取り、突出してきた個体を狙って直接の斬撃を叩き込んで少しずつ数を減らしていく
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戦いの規模が大きくなればなるほど、個人の戦力は重要視されなくなる。
「なんて事を言ったのは誰だったか」
鏡介は、闘技場に降り立った途端にわらわらと出迎えて出てきた大群にそんなことを思う。
見渡す限りに亡者が見えるここは、闘技場の端側だ。
視認できる範囲では、既に床すら見えない時点で、その量は最早常識で測ることは出来ないだろう。
「とはいえ、それを乗り越えてこその猟兵だろう」
だが出来ないとは思わない。
ひしめく肉の押し寄せに慌てず、神刀の封印を解き放つと、天に掲げて振り下ろす。
「斬り穿て、千の刃」
そうして起こるのは、緋に染まった刀の雨だ。
闘技場全体に満遍なく降るそれは、あっという間に亡者達を刺し貫く。
「それでも止まらないか」
押し合い圧し合い、突き立つ刃に仲間の身体が引き裂かれようとも気にしない亡者の進軍は一切緩まない。
むしろ死体からもぎ取った肉体の一部を握り丸めて、鏡介へ目掛けて投げつけたりもしている。
「想定内だ」
それでも慌てない。
寄ってくる個体は空を撫でる斬撃の衝撃波で刻み、それでも近付いてくる奴等は直接断ち切って処理を進める。
「っ」
だが、物量は死体を押し付けるように動いて迫っていた。
数でごり押しが出来る亡者達は、元々少ない思考力を更に失くしているのだ。
「やれやれ」
だから、後ろがなくなった鏡介は、一瞬の脱力で膝を曲げ、溜めを作らず跳躍した。
投げつけられる肉の球を斬り裂きながら、床に突き刺さった刀の柄尻を足場にして亡者の包囲網を抜けながら、ひたすらに斬りまくった。
大成功
🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
…時は来たれり!
さぁ行くぞ…私は…処刑人だッ…!
全身に地獄の炎を身に纏い敵群と戦おう
鉄塊剣をなぎ払い範囲攻撃と怪力で敵群を蹂躙
敵の攻撃をジャンプとダッシュの軽業で回避、亡者弾は切り裂き吹き飛ばそう
剣の草原…!
道がないなら…造るのみッ!!!
【炎獄の大地】を発動
剣の草原の真上に炎の道を造り、行動範囲を広げて
道を駆け抜けながら攻撃、さらに地獄の炎で焼却してやろう…!
…ここで止まる訳にはゆくまいぞ…!
私は…処刑人だッ!!!
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うぞうぞと、亡者が蠢く。
みちみちと、肉がひしめく。
「……時は来たれり!」
その中心地点、肉に囲まれた状態で、アンナは居た。
地獄の炎をその身に纏い、鉄の処女を思わせる巨大剣を水平に構える。
「さぁ、行くぞ……私は、処刑人だッ……!」
水平の剣をぐるりと身体ごとぶん回し、周囲に寄ってくる亡者をぶった斬って、行く。
遠心力を無理やり引き留め、重心を前にして突撃をする。
「!」
薙ぎ払い、薙ぎ払い、薙ぎ払って、薙ぎ払う。
その猛襲は亡者を一気に殲滅するが、しかし殺しきれない取りこぼしがユーベルコードを発動させてさらなる亡者が生まれ沸いていた。
アンナの突き進みはやがて、闘技場の端まで辿り着く。進めば剣の台地へ真っ逆さまで、戻れば押し寄せる亡者に襲われる。
「道が、無い……なら、造るのみッ!」
振り払う地獄の炎は周囲を燃やし、やがて闘技場を越えた空間へと延焼する。
それは、アンナだけが渡れる炎の道だ。
逃れたアンナを追った亡者は、地を掴むこと無く剣の台地へ落ちていく。
「ここで止まる訳にはゆくまいぞ」
一息の呼吸を整え、
「私は……処刑人だッ!」
アンナは再度、亡者の群れを斬り潰しに行った。
大成功
🔵🔵🔵
琉輝愛・シェイナ
【アドリブOK】
シェイナ…戦場…得意。
命令なら、やる…
(無数の敵に飛び込むことはシェイナにとっては慣れ親しんだ光景である)
【戦闘】
戦場に来るなり、シェイナは可憐に踊り始める。
ユーベルコードの効果を発動させるためである。
華麗なダンスと受け流しを繰り返すことで
敵の同士討ちさえも誘って見せる。
やがてシェイナの動きが激しさを増し始めたところで
背負っていた武器を回し始め、
一気に血風舞い散る舞踏を始めた。
ゾーヤ・ヴィルコラカ
なんて数なの……! こんなのうかうかしてたら、押し出されたりぺしゃんこにされちゃったり、とにかく大変なことになっちゃうわ。
咎人さん達を足場にするように〈ジャンプ〉したり、闘技場の地面に〈属性攻撃〉を放って氷塊を作りだしたり、ともかく押し出されないように〈地形の利用〉で何かに掴まりながら、魔力弾の〈乱れ撃ち〉で戦うわね。掴んで投げられそうになったり囲まれたりしたら【UC:魔獣咆哮】(SPD)を発動して、みんなまとめて〈吹き飛ばし〉て仕切り直すわ。
咎人さん達はとんでもない大軍だけど、数が多いってだけなら、ゾーヤさんにも分があるわね。さぁ、まだまだ行くわよ!
(アドリブ等々大歓迎です)
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無数の蠢きがある。
統一性の無い、しかし猟兵を倒すという意志だけが纏まった、沸き続けるオブリビオンの塊だ。
「シェイナ……戦場……得意」
叩き付けられる殺意と悪意は、少女の日常と変わらない。
そこに飛び込むことも、むしろ慣れ親しんだ行動だ。
グリモアによってここへ送り込まれた時点で、自身への命令はそういうことなのだと、理解している。
「命令なら、やる……」
歩き出しを爪先に、ふわりと身体を回しながら前へ。
「シェイナ……踊る……」
可憐なダンスは、誘うように指先が伸びる。
くるり、くるり。トン、トン。
ターンとステップを組み合わせ、やがて押し寄せる亡者達が眼前に。
「氷って!」
その進軍を、少し遅れて来たゾーヤの氷塊が降り注いで妨害した。
シェイナは躍りながら、そんなゾーヤをちらりと横目に見る。
「……なんて数なの……!」
彼女は、シェイナとは違って相手の数に戦いていた。
うかうかしていたら剣の台地へ真っ逆さまだし、物量で潰されて床へ痕を遺してしまうことになるだろうと、そういう想像してしまう。
しかも今、その群れの中心は小さな女の子なのだ。同じ猟兵と言えど、守るべきだ。
……同じ狼だし!
だから、冷気で生み出す氷塊を再度、戦場へと降らせていく。
平たい床に乱立するそれらは、群れの動きを細かく分散させる。
「手伝うよ!」
「命令……なら」
微妙なすれ違いで共闘が成立すると同時に、亡者がシェイナに襲い掛かる。それも、左右、前後の囲い込みだ。
しかし少女は動じない。前へ踏み込みくるりと回り、亡者の手首を掴んで入れ替わるように投げ飛ばす。
ぶつかり合うそれらはもつれあって倒れ、そこにゾーヤの魔力弾が叩き込まれた。
「うわ、わ!」
だがその重なった亡者が合身する。さらに、両手で引きちぎった自身の肉を豪速球で打ち出し、ゾーヤへ叩き込んだ。
慌てて氷塊に隠れながら移動し身を隠すと、氷を砕いて抜けた肉が腕を掠めた。
「危ないっ……でも、数が多いってだけ!」
影から躍り出て、魔力弾をばら撒きながら走り出す。
狙いなど付けなくても勝手に当たるのだから、乱れ撃ちで構わないのだ。
そうして行く先、躍りながら亡者を翻弄させるシェイナがいる。
「っ」
「……」
手を伸ばし、掴みあう。
二人で引き合いながら回って躍り、勢いのままにシェイナは手を離した。
「みんな……消す……」
ゾーヤが氷塊へ着地し、空へ跳ぶと同時。シェイナは背に負った大剣を一気に振り抜く。
周囲の亡者を薙ぎ払い、斬り飛ばしながら、不意に少女はゾーヤと入れ替わるように空へと踊る。
「全員ここから――吹っ飛びなさい!」
それは、咆哮だった。
衝撃と共に叩き付ける凍てついた気配が、再生と合体を行う亡者達を凍らせながら闘技場より吹き飛ばす。
シェイナが空より降り立つ頃にはそこに、亡者の欠片も残っては居なかった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵