闇の救済者戦争②〜KABE・BOOK
●壁ドンの壁本
紋章つかいが築き上げた巨大な書庫城、その一角。
冒涜的な魔術知識の詰まった本棚には、大きな空洞があった。普段なら城主が机に平積みし続けているはずの本の山も、消えている。
中に詰まっていたはずの禁書達は、あたり一面を飛んでいる。
あっ蝶とか鳥とかその辺を浮かべた猟兵、すみません。これはもっとヘンテコで。
……矢ではなく榴弾。華やかなる蝶や鳥でもなく、誰かが投げたフリスビー。或いはボールというか。
見えない手に投げつけられんばかりの勢いで、壁に向かって飛んでいる。
●グリモアベース
「なりふり構わない……っていうか、なんというか……。」
飛ぶにしても勢い良すぎるんだよなぁ、と伊能・為虎(天翼・f01479)は呆れ笑いを零す。猟兵達に気づくと向き直り、此度の『闇の救済者戦争』にまつわる予知を伝えだした。
「ダークセイヴァーのご案内だよっ!ヤバーい禁書を捕まえて破壊してほしいんだ。」
「場所は『紋章つかい』が築き上げた城のなかでも最大の書庫城。今も増築っていうか侵食の止まらない城にね、『紋章つかい』の書いた「意志を持つ禁断の魔導書」……禁書があって。そいつらみーんな、著者の吸血鬼の元に行こうとしているんだ。そんな大移動を止めて破壊してって感じかな。」
野放しにしたままでは禁書が吸血鬼の元に集結し、戦力拡大は避けられない。だから書庫へ攻め入り、可能な限り多くを破棄しないといけないのだという。
「その禁書、飛んでるんだけどなんかおかしくて……飛ぶっていうとこうさ、ひらひらって思ったんだけど」
為虎は手で蝶の影絵のポーズをする。彼の言うには、そうひらひらと飛んでいるものではないらしい。
「ひらひら、っていうか、どーん!!て感じ。とにかくブッ飛んでいるんだ。壁にぶつかってるのもいるし、多分こっちの侵入が分かったら君達にもぶつかってくる。角とか多分痛そうだから気をつけてね。」
角がぶつかってくるのはとても痛そうだ。だが、逆に考えると自ら寄ってきてくれるともいう。書庫を走り、(物理的に)ブッ飛ぶ本をどうにか破棄していくことになるだろう。
為虎はグリモアの転移準備を始める。埃と古書の匂いが漂ってきた。
……あと爆速で風を切る禁書の音も。
佃煮
どうも、勢いが大事な佃煮です。
闇の救済者戦争のシナリオにご案内します。
●本シナリオについて
このシナリオは「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結する、特殊なシナリオとなります。
ブッ飛んでいる禁書を破棄していく形となります。スピード感。
迷宮からブッ飛んでくるから迷宮の罠も兼用できるし、わざわざ本棚をうろつかなくてもいいとか城主は思っていたのかもしれません。
プレイングボーナスがあります。ご参考ください。
●プレイングボーナス
書庫の迷宮を攻略する/逃げ出そうとする禁書を確実に壊す。
第1章 冒険
『禁書庫迷宮』
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POW : 力任せに禁書を破壊する
SPD : 逃げ回る禁書を素早く捕まえる
WIZ : 禁書の魔力を感知して先回りする
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
穂積・直哉
なんで???
いや、本が飛ぶ事自体が可笑しいっちゃ可笑しいけど
普通もっとこう、アリラビとかカクリヨにありそうな優雅な飛び方想像するじゃん?
なんで剛速球みたいに飛んでんのバカなの??
あー、まぁ……
こっちや壁に向かって飛ぶなら対処しやすい、か?
とにかく走り回れば沢山こっちに本が向かってくるだろ!
UCの為に上着を脱いで身軽になっておいて、と
ジャンプやスライディングも使い、飛んでくる気配を察知して動きを見切って避けて
【シーブズ・ギャンビット】で一気に本を切り刻む!
視覚外から飛んできた奴は第六感でどうにか切り抜けるか
万が一本の角がぶつかってもまぁ痛いだけだ!耐える!涙目にはなるけど!
(アドリブ連携歓迎!)
●
「なんで?????」
転移し、書庫へ降り立つやいなや目の前をカッ飛んでいった本に、穂積・直哉(星撃つ騎士・f06617)は思わずそんなことを零した。右目だけの視界でも分かる剛速球(※本)。しかも結構しっかりした表紙、豪奢な装丁でそんな飛び方なのが猶更シュールな気がして、溜息をついた。
(もうちょっと優雅な飛び方を想像するじゃん普通……!)
なんで剛速球なんだよ。なんでスピード感に全振りなんだよ。城主なにかんがえてんだよ。
ツッコミどころが多すぎる。そう内心で思いつつ、直哉は禁書の幾つかがこっちを(頭とか無いのに)向いたのを確認すると上着を脱ぎ、書庫の床を蹴って走りだした。
(こっちや壁に向かって飛ぶんなら、対処しやすい気がするのが救いだな)
軌道もまぁ読みやすく、逃げ回る訳でもないからその辺では楽かもしれない。
直哉は低く飛んでくる本を跳躍で躱し、中身の無い本棚や机を盾に足場に使いながら軽やかに動く。
更に飛んでくる本の勢いを、持っていたダガーで制御して一閃すれば、紙屑が舞う後方から、丁度複数の禁書が向かってくるのが見えた。
(ちょうどいい!一気に切り刻むか!)
集まってきた本に素早い一閃を繰り出せば、禁書はばらばらと崩れていく。直哉はその紙屑を払って、次へと向かうのだった。
成功
🔵🔵🔴
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎、四天霊障
深く考えないタイプだが
うむ、飛んどるまでは理解した。が…そのな…その…さすがにその勢いはないじゃろ。
(理解を放棄した)
まあよい、UC(攻撃力強化)使って。ああ、『馬県』認識は影におる陰海月と霹靂がやっておる。
そうしてまあ…ぶつかってきた=攻撃。つまりは強化にしかならん。
で、そのまま黒燭炎で薙いで…焼いてしまおう。
禁書なのであろ?なら、躊躇いなく焼く。
また、逃がさぬように四天霊障を壁のように見えぬ刺つきで展開しておるから…まあその、下手すれば自滅ぞ?
アスカ・ユークレース
あぶな?!(転移早々飛んできた本を咄嗟に交わし)
や、危ないでしょこれ普通に?!これどうやって読んでたの元の持ち主?!
とはいえ慣れれば目で捉えられない速度でないのはラッキー
迷宮を逃げ回って一ヶ所に集めつつ、ギリギリまで引き付けてからのジャンプ回避
その先にはあらかじめ仕掛けておいた、UCと地形を利用した罠
流体金属弾を操縦した刃を付けて切り裂くオプション付き
紙吹雪レベルまで徹底的に切り裂きます
あのスピードですから、きっと急には止まれないでしょう
慣性の法則って凄いですよねぇ
アドリブ絡み歓迎
●
本棚の並ぶ奥まった所に転移して、初っ端見たのは文字通り、物理的にブッ飛んだ禁書だった。
「あぶな?!」
まっすぐ此方に向かってくる一冊を咄嗟に退いて躱し、アスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)は思わずといった様子で声を上げる。
「や、危ないでしょこれ普通に?!これどうやって読んでたの元の持ち主?!」
「ほんとにの。さすがにその勢いはないじゃろうて」
アスカが飛び交う本の軌道を観察していると、本棚の一角からぬっ、と人影が現れた。
ブッ飛んできた禁書を槍で貫き、ほぼ炭になったそれを軽く払って。人影……馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の人格の一人『侵す者』は、アスカに会釈をする。アスカもぺこり、と頭を下げて、思わすといった様子で言葉を零した。禁書の群れの動向も注視しつつ、周辺に罠をしかけながら。
「よかった、持ち主どうやって此処使ってたんだろうって思ってるの、私だけじゃなかったんだ……」
「暇を持て余した末の奇行じゃろ。深く考えない方がいいかもしれんな」
「奇行?奇行かぁ……そうかも」
奇行に及ぶ吸血鬼は少数だと思いたいな、とツッコミどころ満載の光景にどちらからともなく内心で呟いた。
そうして、改めて飛んできた禁書の群れへと相対する。
「一か所にまとめるね!」
「応、頼んだぞ」
アスカが通路を走り出した直後、『侵す者』もユーベルコードの準備を終えた。四悪霊の総意と認識補助の術式で、悪霊の体を再構築する。黒燭炎の槍を握り直し、周辺に飛ぶ禁書を燃やしていく。自分の視界からも、アスカの仕掛けた罠からも逃げられぬよう展開した四天霊障によって、禁書の群れはここに留められ、アスカを追うだけになっていく。
本の群れといったその群体が、アスカの背後からすごい音を立てて飛んでくる。
ユーベルコードで張り巡らせた鋼鉄糸に引っかかりバラバラになる本や、四天霊障の結界に突き刺さり自滅する本もあって、その間にも禁書は着実に数を減らしている。そろそろ一区切り、仕上げだと、アスカは禁書をぎりぎりまで引きつけて、大きく跳んだ。『侵す者』もタイミングを合わせ、炎で禁書を包み燃やす。
剛速球(※本です)といった様子で飛ぶ禁書は、その速度ゆえに急には止まれない。罠になだれ込み紙吹雪になっていくページや、炭となって崩れる表紙を見ながらアスカは呟いた。
「慣性の法則って、凄いですよねぇ」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ロラン・ヒュッテンブレナー
・アドリブ歓迎
猟コレ2023お仕事着の旅団統一衣装で登場
えっと、そんなにぶっ飛んでるの?(困惑)
なんにしても、魔導書の事なら魔導書庫の司書であるぼくの出番なの
でも、角がぶつかるのはやだなぁ…
うん、この書庫の空気はよく知ってるの
おっと!結界を張ってぶっ飛んでくる禁書を防ぐね
うーん、動きが激しくて、下手な攻撃だと他の本を傷つけちゃうの…
なら、凍らせるしかないね
UC発動、2個1セットで合体
ぶっ飛んできた禁書を結界で止めてから炎魂たちを差し向けて、熱を奪って凍結させちゃうね
ある程度溜まったら、今度は奪った熱を増幅して注ぎ直すね
これで形象崩壊するはずなの
結界に当たる音、けっこう怖いね…
早く終わらせるの
●
「わぁ……」
風圧で、狼耳と前髪がほんの少しふわっ、とした気がした。本当にぶっ飛んでるな……と、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は困惑した様子でぶっ飛びまくる禁書を見る。
(なんにしても、魔導書の事なら魔導書庫の司書であるぼくの出番なの)
縁あって、封じられていた魔導書庫の司書もしているロラン。今回も魔導書の対処ということで、学士帽とアカデミックなケープコート姿でこの禁書たちの在る所へ赴いていた。
空を切りぶっ飛んでいた本がいくつか、ロランの姿を感知するとふわりと浮いて軌道を変える。そうして、ぎゅん、と音を立てて真っすぐに飛んできた。
「おっと! ふぅ、危なかった」
ロランに当たる寸前、魔術の結界が本をはじき飛ばす。本は突撃を止めることなく、ごんごんと大きな音を立ててぶつかり続けている。それらに反撃……する前に、ロランは結界の奥でほんの少し、困ったように眉をさげた。
(さっきも見たけど、やっぱり禁書は動きが激しい……。下手な攻撃だと他の、禁書じゃない本を傷つけちゃうの……。)
なんとかしないと、と考えを巡らせれば、思い当たる魔術があった。
(なら、禁書を凍らせるしかないね)
「エントロピー移動術式、展開。」
ロランの口から響く、機械音声に似た淡々とした声。
ふわり、魔術の炎が浮かび上がる。
丁度結界の両脇、禁書を挟撃する形で火がともる。
「リアライズ完了。分離、解放。」
炎は二個一セットとされ、合体した炎は大きさを増す。同時、禁書の組まれていた魔術から熱が消えていく。
「オペレーション、スタート。」
炎が一層燃え盛れば、禁書が凍結していく。かちかちに凍った禁書がある程度増えたのを確認すると、ロランは魔術を更に練り上げる。禁書から奪った熱を増幅し、凍ったそれらに注ぎ直せば禁書の本たる形は崩れていく。
ごんっごんっと結界に当たる新手の禁書の音。結構怖くて、ロランは耳をぺたんと伏せる。早く終わらせないと、と改めて意思を固めた。
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
飛んでくる禁書・・・危険な本が飛び回るなんて非常事態じゃないか!!本って厚いと普通に鈍器になるし、本の角って痛いんだよ。怪我しないように気をつけようか。
飛んでくる禁書を【残像】【心眼】【見切り】で回避。回避しきれなくて本が直撃したダメージは【オーラ防御】で軽減。案外痛いね!?
ダメージが積み重なる前に赫灼の闘気で纏めて吹っ飛ばす。ええい、ヒラヒラ飛んでてまどろっこしい!!さっさと消し飛びな!!
何か凄く疲れた・・・家の片付けを思い出したり。
●
「……危険な本が飛び回るなんて非常事態じゃないか……!」
数が減りつつあるが、尚も残り、そしてブッ飛んでいる(物理的にも)危険な本を槍でいなし、紙屑を穂先で払って真宮・響(赫灼の炎・f00434)は危機感そのままにつぶやいた。
飛んでくる何冊かを切り払いながら、彼女は思う。……ここまで元気よく飛び交う物こそ無いが、ちらかりまくる様を片づけていくのは家の片づけを思い出すな、と。
分厚い表紙に角を見れば、本は普通に鈍器のようなもの。なるべく当たりはすまい、と響は軌道を見切りながら槍の一撃で穴を開けていく。……その途中、思う。そもそも何故この禁書は猛スピードで飛ぶのか?中々片づけなかった頃の子を思い起こす母の直感が推測したのは、城主の『本棚をうろうろするのめんどっちぃし本の方からブッ飛んでくればいいのに』というものだ。
(……めんどくさいかもしれないけど、片づけなって!)
そうしないとお母さんまとめて捨てるよ!というべき子はもう成長したし、城主にその言葉をぶつけるには当人(吸血鬼)は不在。ふぅ、と溜息をついた。
禁書が数冊飛んでくる。角が直撃する寸前に残像で軌道を逸らし、概ね軌道を見切ったところで響はゆらりと闘気を纏う。槍を一振り、衝撃でぶわりと弾け飛んだ赫灼の闘気が、禁書をまとめて呑み込んだ。
成功
🔵🔵🔴
シャオ・フィルナート
飛んでくる、本……
元気なのは、良い事…なのかもしれないけど
常に【気配感知】で周囲の様子を探り
飛んでくる気配を察知したら雹燕を振るう事で
風を起こしつつ氷柱をぶつけ受け止め兼攻撃
別に、痛いとかそんなに感じない体ではあるけど…
あんまりぶつかられると、面倒だから…
更にUC、蒼魔を発動
敢えて無防備に進みぶつかってくるのを強烈な冷気で凍らせる【凍結攻撃】
飛んでくる前に【暗殺】の要領で素早く接近、纏めて凍結させていく【範囲攻撃】
…今、向こうから飛んで来たね…
なら、そっちに行ってみようか…
もしかしたら、巣じゃないけど…密集してる場所も、あるかもしれないし…
念のため生成した氷の盾と共に
禁書を凍らせながら移動
●
(……わ、)
ごうごうと風を切り飛んできた本を、燕の翼のような扇で逆風を起こして軌道を逸らす。直後死角から飛んできた別の一冊を躱し、逸れた軌道の本とぶつけてまとめて氷柱に巻き込む。
意識を集中し気配を辿れば、何冊かが一か所から飛んでいるのがわかった。
(元気なのは、良い事……なのかもしれないけど)
限度がある気がする。そんなことを思いつつ、シャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)は自らに冷気を纏わせる。角がぶつかってもあまり痛くは無いものの、かといって執拗に攻撃されることは避けたい。
敢えて、シャオは無策に空洞の本棚を出る。行く先は先ほど本が飛んできた場所。さっきの一冊は確かに、何処かから飛び出すような軌道だった。
(もしかしたら、巣じゃないけど……密集している場所も、あるかもしれない)
とびかかってくる禁書を、纏った強烈な冷気で凍らせる。余波で読書机に霜が降りたところに、氷に包まれた禁書が落ちて割れていく。その様子を見ないまま、シャオは軽やかに素早く走り出し、ブッ飛んでくる前の禁書をまとめて凍らせた。
(あたってる、みたい……この先にありそう)
氷の盾を作り出し進めば、残りの禁書は此処にあるだけだろう、平積みの本が見えてきた。それらが皆こちらにブッ飛んでくる前、シャオは冷気を放つ。
紙が凍る音と共に、此処の書庫の禁書は破棄されるのだった。
成功
🔵🔵🔴