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ちびっこなかよし、はるあそび

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城野・いばら



冴島・類




 魔法の店見つけて買ったのは、ころんと不思議な飴が入った小瓶。
 それをふたりで一粒ずつ、はむりと口にしつつも。
 お互い内緒で巡らせるのは、こんな秘密の企み。
 ――小さな彼を抱っこしたい。
 ――小さな彼女を抱っこもしてみたい。
 でも今回は、ふたりいっしょ。
 そう……仲良く同じ、5さいじに。

 🐣🐣

 ちいさなおててをつないで……とてててーっと。
 冴島・類(公孫樹・f13398)くんと城野・いばら(白夜の魔女・f20406)ちゃんは、今日もふたり、とっても仲良し。
「おしょら、みて! きれいなの!」
「さくら、つかまえられるかな?」
 もうちょっとで、とどきそう……! って。
 にぱっと嬉しそうに、おそろいの笑顔を咲かせながら。
 ぴょこぴょこふたりでとびはねてみたり、えいえいっとおててを伸ばしてみたり。
 桜の花弁たちと、追いかけっこしながら。
 やって来たのは、荒屋の近くにある大きな桜の木の下。
 それから、とてとてきゃっきゃと桜の下に到着したふたりは、早速元気にお遊び!
 ……いつかしたいねって、そう話していたから。
 刹那、類くんへとびしっと言い放つ、いばらちゃん。
「しぇいしぇいどうどうひょうぶするの!」
 体格差もない今……意気揚々、しぇんしぇんふこく、なのです!
 ということでまずは、大きな桜さんにお邪魔して、木登り競争!
 よーいどん! して、はやくのぼった方が勝ち! ……なのだけれど。
 ――よじよじ、んしょんしょ。
 短い手足では、なかなか思ったようにうまく登れなくて。
「う、のぼれないの……」
 うわぁんって、いばらちゃんはギャン泣きしちゃうけれど。
 とててててっと、近くにかけよって。
「だいじょうぶ、もいっかいやってみよ?」
 泣いちゃったいばらちゃんの頭を、よしよししてあげる類くん。
 それから今度は、ふたり一緒に挑戦!
 そうっと今日は保護者な瓜江にも手伝ってもらって。
「わ、のぼれた!」
「がんばったね!」
 満開桜の特等席は、ふたりだけのひみつきち。
 そしてひみつきちで、おうたをうたったり、ないしょのおはなしをしたりしてから。
 おじゃましましたって、ちゃんと桜さんにぺこりとごあいさつして。
 んしょんしょって、木から降りれば。
 ――もーいいかい、まぁだだよ、って。
 次はかくれんぼするけれど……でも、お互い離れたら、ちょっぴり不安になって。
「るい、いっちょじゃなきゃダメなのよ」
「うんっ。じゃあつぎは、かけっこやろ!」
「いいよ、まけないよ!」
 やっぱり、よーいどん! って、競争です!
 そんな5さいじたちは、まだまだ元気いっぱい。
 そして、勢いあるいばらちゃんをとてとて追いかけて。
 にこにこ駆けていた類くんだったけれど。
 ひとがたをとった時は既に大人の姿で。
 実際の幼い頃……鏡であった時は、こんな風に遊ぶこともなかったから。
「……っ」
 嬉しくて体力配分とか考えず全力で走っていたら、こてりと転んじゃって。
 負けちゃったことが悔しくて、おひざもちょっぴり痛くて――ぺしょり。
 眉下げて、目に見えて凹んじゃった類くんだけれど。
 今度はいばらちゃんが、彼を助ける番!
 全力全開でちいさなおててを、はいっ! って差し伸べて。
「いっちょに、はしろ? こんどは、はなびらしゃんとかけっこ!」
 さっきしてもらったように、彼をよしよししてあげれば。
 ふと、いばらちゃんは、きょとりとしてしまう。
 はわわ……! と両頬に手をやって、うずくまってしまった類くんに。
 だって――おかおあちちなのを、隠さなきゃっておもったから。
 それから少しだけ、うーんうーんと考えて。
「るい、ねんねする?」
「ねんね?」
 今度は、いばらちゃんの言葉に、類くんがきょとんとするけれど。
「ん、おひるねしよっか」
 こくりと頷いて……ぽかぽかおひさまの下で、いっしょに、おひるねタイム。
 それからうとうと、おねむになりながらも。
 類くんは――あのね、って。
「めざめたあとも、いっしょにいてね」
 そうにぱっと笑えば、いばらちゃんもこくこく頷き返して。
「うん、やくしょく!」
 ……ずーっといっちょよ、って。
 やっぱりにこにこの笑顔で、やくそくげんまん。
 そしてすやり、たのしい夢の中でも――もちろんふたり、なかよくいっしょ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年04月25日


挿絵イラスト