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無貌の王

#ダークセイヴァー #ダークセイヴァー上層 #『欠落』

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#ダークセイヴァー上層
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#『欠落』


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 それは、王であった。
 いつからか、どうしてか、そんな疑問を抱くこともなく。
 生まれたその瞬間から座していたそれは、しかし更なるモノを求めていた。

 力だ。

 治める為の力ではない。
 救うための力ではない。
 蹂躙し、虐殺し、支配を拡げる為の圧倒的な力だ。

 故に彼の王は、自らの弱味を捨て去ることにした。
 下々の訴えを聴いてしわないように耳を、香りに惑わされないように鼻を、美醜に狼狽えないように目を、語るに落ちないように口を。
 だから王は、顔を捨てた。
 固めて、締めて、虚飾を塗り、絶対不変の王の像を作り上げ、そうして。
 誰にも侵されはしない宮の奥へと、仕舞いこんだ。


「ダークセイヴァー上層にいる闇の種族は強大だった。でも、無敵じゃない」
 そういう肆陸・ミサキ(黒白を弁ぜず・f00415)は、グリモアベースに集まっていた猟兵達を見る。
 今回判明した、強大である所以を改めて語るためだ。
「奴らは自らの弱点を肉体の一部に凝縮し、抉り出す事で完璧な存在を確立させていた。でも、だからって繋がりが無くなったわけじゃない」
 むしろより強く、明確な弱味としての存在感がある。
 誰にも知られたくないソレは、知られる事すら恐ろしく、破壊などされようものなら圧倒的だという前提すら歪む程だ。
「つまり、弱点さえ潰せば、奴等に届く。逃げるしかなかった相手だろうと、殺せるってことだ」
 今までを考えれば、大きな一歩と言えるだろう。

 そのためにまずは、弱点が隠されている迷宮へと侵入することから始まる。
 侵入者を排除するトラップはもちろん、警備のためにオブリビオンの集団がいるだろう。
 首尾よく弱点を破壊でても、今度は迷宮そのものが侵入者を排除しようとし、かつ、弱点が壊されたことに気づいた闇の種族は闘争を試みるはずだ。

 対処するのは相当な苦労があるだろう。
「だけど、行ってくれるかい、闇の種族を倒すために」
 浮かぶグリモアの導きは、猟兵の決断を待っていた。


ぴょんぴょん跳び鯉丸
 ダークセイヴァー上層のシナリオとなります。

 一章は『欠落』が隠されたダンジョンに配置された、闇の種族の配下オブリビオンと戦います。敵の攻撃は勿論、ダンジョンの危険な罠にも対処が必要です。
 罠に関しては断章に。

 二章はダンジョンを踏破した結果崩落を始めるそこから脱出し、闇の種族を追いかけることになります。

 三章はボス戦です。

 それではよろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『アイソレイティッド・ナイト』

POW   :    インターフィアレンス
【手にした鞭】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、手にした鞭から何度でも発動できる。
SPD   :    ギャンビット
自身の【仲間一体】を代償に【当たれば確実に相手を絶命させる魔槍】を創造する。[当たれば確実に相手を絶命させる魔槍]の効果や威力は、代償により自身が負うリスクに比例する。
WIZ   :    スキュア
自身の身長の2倍の【機動力特化の機械馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。

イラスト:クラコ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 その道は、光に溢れていた。
 一歩足を踏み入れれば、対象を自動で敵か味方を判断した上で、レーザーで焼き殺す。

 またある道は、錆びた臭いが満ちていた。
 指先程の穴がそこかしこにあり、無作為な毒の鏃が放たれ侵入者をもがき苦しませる。

 それらは全て、彼の王のためにある。

「我が主は誰にも侵せぬ」

「我が主は誰にも倒せぬ」

「我が主は永久に不滅故に」
リーヴァルディ・カーライル
…どれだけ強くなれるとしても明確な弱点が残る以上、
その強化方法は使用に危険を伴う欠陥品でしかない

…そんな手に頼るなんて闇の種族も存外、底が浅いのね

「精霊石の耳飾り」に幸運の精霊を降霊し第六感めいた視界を借り受け、
場の吉凶の流れを暗視する事で安全地帯を先読みして敵の行動や罠が発動する瞬間を見切り、
肉体改造術式により強化した身体能力を駆使した早業で攻撃を受け流しUC発動

…来たれ、世界を揺るがす大いなる力よ。その昏き抱擁にて、星々をも打ち砕かん

瞬間的に吸血鬼化し増大した自身の生命力を吸収して限界突破した血の魔力を溜め、
超重力のオーラで防御ごと敵を捕縛して圧し潰す"重力の渦"による重力属性攻撃を放つ




 王の迷宮に足を踏み入れたリーヴァルディは、幾つかの岐路を越えていた。
 静かに息を整え、瞬きの後に目を凝らす。
「……うん」
 頷き視えるのは、流れだ。耳飾りに降霊した、幸運を司る精霊。その力を借りた、吉凶の流れは、この場に溢れる悪意の意志を現す。
「どれだけ強くなれるとしても、明確な弱点が残る以上、それは危険を伴う欠陥品でしかない」
 絶対を渇望し手に入れた力を振るう闇の種族達。それらの源泉を知った彼女は、溜め息と共に前へ進む。
「底が浅いのね、お前たちの王は」
「愚弄するか、命知らずめ」
 立ち塞がる守護者の群れは、既に臨戦態勢だ。
 巨躯の機械馬に騎乗するそいつらは、リーヴァルディの言葉を不遜だと憤り、しかし容易く踏み潰せる相手だと評価する。
 故に、行く。
 彼女の微妙に立ち位置を変え、誘うような機微に気付かないまま、嘶く騎馬を突撃させた。
 結果、
「なに……?」
 リーヴァルディの身体は宙に舞う。
 衝突の刹那に壁を蹴り、仕込まれた熱線を誘発させて越えた馬を焼かせ、それを踏み台にまた上へ。
「来たれ、世界を揺るがす大いなる力よ」
 空を泳ぐ彼女は眼下の敵を流し見て、静かな詩を口ずさむ。
「その昏き抱擁にて、星々をも打ち砕かん」
 瞬間、赤い瞳が見下ろす先、渦巻く様な力があらゆる存在を圧し潰した。
 軽やかに降り立ち、揺れた髪を払う彼女の歩みを遮るモノは、今はもう無い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エレコ・レムグランデ(サポート)
 ウェアライダーの自宅警備員×錬金術士、16歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、団員には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!





「う~ん」
 欠落が隠された迷宮の中を進むエレコは、道中で一度首を捻った。
 なるほど。うん。まあよし。と、罠をモノともしない彼女が、十字路にさしかかって不意に立ち止まり、一息。
「そういうこと、なのパオ?」
 無造作に大きく一歩、身体を後ろへずらした。
 その瞬間に起こるのは、目の前を通り抜けていく機馬からの突風だ。
 二歩、三歩と続けて下がると、反転したのだろう機馬がこちら側へと進路を取ってくる。
「我が主を暴こうとする侵入者よ、貴様はここで潰える」
 声はその馬上、迷宮を守護するオブリビオンから聞こえるものだ。
 エレコの背後を指し示すソイツから目を逸らさず、耳を澄ますと聞こえてくるのは地響きのような音。
「やっぱり罠だったパオ」
 チラリと身体を捻って後ろを盗み見ると、通路を塞ぐ様な大玉が転がってきているのが見える。
 前のオブリビオンが突撃の体勢に入ったことを考えるに、どうやら確実な死を与えるつもりのようだった。
「我輩、追い詰められてる……?」
「今さら悔やんでももう遅い!」
 咄嗟に身を屈めるエレコを嘲笑し、オブリビオンは機馬を駆った。自身の身一つを代価に猟兵を仕留められるなら安いものだと、そう示すように。
 だから行き、そうして、
「まあ問題はないなのパオ」
 迎撃の衝撃を叩きつけられた。
 それは、エレコの小さな錬金工房が成した力。大玉をゴーレム化させ、彼女を飛び越える動きで拳をぶちこませたのだ。
 その直後に大玉へと姿を戻せば、転がる勢いはそのままに通路の邪魔物を全て排除してくれる。
「我輩の工房へようこそ、なのパオ」
 消滅したオブリビオンを横目に、彼女の歩みは進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルナ・ステラ(サポート)
 人間のウィザード×ビーストマスターの女の子です。
 口調は基本丁寧で、1人称は『わたし』です。
 全属性の魔法が使えて、特に星と月に関する魔法が得意。困っているものを放っとけない優しい性格です。また、動物好きです。
 基本的にどんな依頼でも受けます。怖いものや気持ち悪いものは苦手で少し嫌がりますが、誰かの助けになるなら勇気を出して依頼を受ける強い面ももっています。
 UCは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 連携、ピンチからの逆転、アドリブ等歓迎です。
 よろしくお願いします。




 進む足取りを微かに震わせながら、ルナは迷宮を静かに進んでいく。
 足元、壁、天井と、どこにどのような罠が仕掛けられているかわからない道だ。
 緊張もある。だがなによりも、怖いという感情は、どうしても無くしきれないまま胸の内に巣くっていた。
「……ううん、大丈夫」
 それでも歩みを止めないのは、この世界で苦しむ人を一人でも救いたいと、そう思っているからだ。
 だから。
「貴様、侵入者か!」
 罠を回避した先、曲がり角で出くわした巡回するオブリビオンとの対面に、驚きよりも前に自然と行動が起こった。
「ふ……!」
 角を曲がりきり相手の正面を位置取ると、ファイアボルトの柄頭に備えたコメットブースターを点火。
 敵を吹き飛ばし、自身は壁際に足を掛けて体勢を確保。
「天体の力を授かりし剣よ」
 そのまま壁を蹴り、前へ踏み出すと同時に、一息。
「敵を貫いて!」
 狭い通路を埋め尽くす剣の怒涛が、息吐く暇すら与えずに敵を飲み込んだ。
 ユーベルコードの残滓が散る後には何も残らず、ルナはまた、少しだけ震えが収まった歩みを再開した。

成功 🔵​🔵​🔴​

リィンティア・アシャンティ(サポート)
「数は多いですが……負けないのです。守るためにがんばるのです」

妖精ルノを連れた、礼儀正しくほわほわな雰囲気の妖精騎士
穏やかながらエンドブレイカーとして戦っていたので
助けるために武器を持ち、ルノと一緒に勇敢に戦います
栗鼠がいることも。団栗投げます

自分の世界と似ているところ違うところ様々な文明があるけれど
助けなくてはいけないものがあるから大切に思い
自分ができることを精一杯に
諦めることなく戦います

複数の敵に一度にダメージを与えるよう範囲攻撃を試みたり
周囲の人達を補助するよう行動したり
UCや武器はその時に一番有効そうなものをどれでも使用します

アドリブや連携は歓迎
迷惑行為、公序良俗に反する行動はNGです




「わ……!」
 と、驚嘆の息を漏らしたリィンティアは、縺れそうになる足をなんとか戻して、迷宮の廊下を走っていく。
 その背後には機械馬にのったオブリビオンの群れが迫っており、彼女との距離はどんどん狭まっていた。
「っははは、無駄な足掻きはやめることだ! 我が主に仇為し生き残ることなど出来ない!」
 迫る死の気配に息を乱されながらも、リィンティアは前だけを見据えて走る。
 その先にある、目当ての地点を目指して行く彼女の傍らには、妖精のルノが付き添っていた。
「うん……行きましょう、ルノ」
 力強く頷いた彼女は、廊下の終わりを飛び込むようにして抜け、身体を反転。
 たどり着いた、ドーム状の空間でリィンティアは、ソードハープを静かに構え、
「無駄なんかじゃ、ありませんから」
 ルノと心体を重ね合わせ、背中に輝く翅の羽ばたきを合図に行った。
「な――」
 オブリビオンの驚きを置き去りに、飛翔した刃の閃きでたどり着いた敵を両断。
 開けた空間にひしめく敵の群れを見下ろして、リィンティアは呼吸を整え、一拍。
「ここなら存分に、動けますね」
 踊るように空を征き、逃げ惑うオブリビオン達を殲滅した。

成功 🔵​🔵​🔴​

日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です

戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります

普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)

性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります

ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




 迷宮の守り人として、集団として在るアイソレイティッド・ナイトというオブリビオンは、その数を減らしていた。
 迷宮内に張り巡らされた罠は看破され、ならばと仕留めにかかれば返り討ちに合う。
 そんな最中、消耗が一気に加速していくのを、集団に群れる一体が察知した。
「なんだ」
 巡回にあたった仲間の一人が不意に消えたのだ。
「報告は」
 報せも無く、恐らくは消されたのだと直ぐにわかる。
「どうしたというんだ」
 一人、また一人と消えていく仲間達を置き去りに、ソイツは逃げるように迷宮を進み。
「え」
 その首を地に落とされた。

 ナイフを払って、彼方は行く。
 静かに、素早く、始末する。バイトの流儀を重んじた彼女の動きに、淀みは一切無い。
 隠れる場所に乏しい迷宮内だが、その実明かりの届かない影となるポイントがある。
 身を紛れさせ、背後から一刺し。
 曲がり角に潜み、出会い頭に一刺し。
 天井付近に浮遊し、落ち様に一刺し。
 音を漏らさないように喉元を裂き、頭を身体から離す様にして処理を進めていく。
 故に、消滅するオブリビオンの残滓が彼女の足跡だ。
「まあ、バイトよりは容易い」
 所在不明なUDCを追うよりはと、そう思いながら。
「それじゃあな」
 塵へと変じていくオブリビオンの残骸を踏み越えて、彼方は迷宮の先へと歩いていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『無形の追跡者』

POW   :    真っ向から立ち向かう

SPD   :    攻撃を身軽に回避し、反撃する

WIZ   :    周囲にあるものを使って臨機応変に対処する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵の活躍により、迷宮は踏破された。
 そこに隠されていた、王の欠落は、猟兵の到着と同時に自然消滅を果たす。
 しかしそれは、最後の罠が起動する鍵でもあった。
 侵入者であり、王の秘密を暴いた者を亡き者にしようと、迷宮は自壊を始めたのだ。
 猟兵は一路、出口へと駆けていくことになった。
グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)




「やれやれ、随分ともてなしが下手くそじゃあないか」
 地響きに軋む迷宮の中、王の追撃に来たグレナディンは呆れたように息を吐いた。
 崩壊までのカウントダウンは無いが、それほど猶予が無いのは言うまでもない。
 だが、
「慌てる程でもないねぇ」
 瓦礫に埋め尽くされるより速く、出口を抜けられる。
 重ねてきた経験と、自らの能力を照らし合わせて、その実現が難くない事を理解しているのだ。
「だから、そう慌てることはない。そうだろう?」
 確実に仕留める為に起動した、無形の追跡者の影に、グレナディンはそう言った。
 別に言葉が通じると思った訳ではない。
 ただ、まあ。
「年寄りっていうのは、そういうもんだろう」
 と、そう思う。
 明確な殺意を持って迫る追跡者に、ふぅ、と一息を吐き出して、一瞬。
「下がらなきゃ怪我するよ」
 炸裂するオーラの塊がぶちこまれ、刹那の後には残骸も残らぬままに消え去った。
「ああ、違った。下がっても怪我してたよ、こりゃ」
 そうして悠々と、グレナディンは迷宮からの脱出路を抜けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エダ・サルファー(サポート)
アックス&ウィザーズ出身の聖職者で冒険者です。
義侠心が強く直情的な傾向があります。
一方で、冒険者としての経験から割り切るのも切り替えるのも早いです。
自分の思想や信条、信仰を押し付けることはしません。
他人のそれも基本的に否定はしません。
聖職者っぽいことはたまにします。
難しいことを考えるのが苦手で、大抵のことは力と祈りで解決できると言って憚りません。
とはいえ、必要とあらば多少は頭を使う努力をします。
戦闘スタイルは格闘で、ユーベルコードは状況とノリで指定のものをどれでも使います。
ただ、ここぞでは必殺聖拳突きを使うことが多いです。

以上を基本の傾向として、状況に応じて適当に動かしていただければ幸いです。




「急な脱出劇ってどうかと思う!」
 降ってきた瓦礫を拳で砕きながら、エダは迷宮を走っていく。
 欠落を暴かれ、迷宮ごと封殺しようとするオブリビオンを追いかけ、しかしそれを阻止しようとさらに追い掛けてくる追跡者を背中にして、
「――ああいやめんどくさい!」
 急ブレーキで足を滑らせ身体を反転。
 停止したことで追跡者との距離は一気に縮まり、そして。
「……祈りだッ!」
 握り込んだ拳を無形の追跡者へぶちこんだ。
「あぁ……?」
 だが返ってくる感触は、靄を殴ったように手応えが無い。
 煙が空気に溶けるように消えた追跡者を訝しみつつ、片眉を吊り上げ、芳しくない効果に嘆息し、崩れていく道を再度駆けていく。
 ……実体がない、のか?
 そう自問しながらも、答えはそうじゃない気がする。
 とはいえ正しいと思える候補がない以上、悩んだところで仕方がない、とも思う。
 なら、
「そうだな」
 思考に伏していた顔を上げれば、目の前に追跡者が回り込んでいた。
 拳が効かない事で正面から突っ込んで来たソイツに、エダは吐き出すように笑うと、一息。
「必殺の、聖拳突き、だ!」
 渾身の祈りを込めた拳でもって、追跡者に一撃を叩き込んだ。
 今度は靄ではない、確かに殴った手応えに彼女は笑って駆ける。
「うん、やっぱり。さっきは祈り、足りなかったね!」

成功 🔵​🔵​🔴​

下原・知恵(サポート)
「話は聴かせてもらった。つまり……ここは|戦場《ジャングル》だな!」
◆口調
・一人称は俺、二人称はお前
・ハードボイルド調
◆癖・性質
・公正と平等を重んじ、己を厳しく律する理想主義者
・自分の現況を何かにつけてジャングルとこじつけたがる
◆行動傾向
・己を顧みず同志の安全と任務遂行を優先する(秩序/中立)
・UDC由来の人工心臓が巨大ゴリラの変身能力をもたらす
・ジャングルでの戦闘経験から過酷な環境を耐え抜く屈強な精神力と意表を突くゲリラ戦術を体得している
・とりあえず筋力で解決を試みる。力こそパワー
・手軽に効率よく栄養補給できるバナナは下原の必需品
・生真面目がたたり、意図せずとぼけた言動や態度をとることがある




 崩壊する迷宮からの脱出路。
 落石を右へ左へと避けながら、知恵は鼻を鳴らして前へと進んでいく。
「――ふぅん?」
 進む先は、瓦礫や傾いた壁の悪路だ。
 サングラス越しに見るそれは、走破するには難しそうに映るだろう。
「だが俺の過ごしたジャングルよりは、容易い」
 問題は無い。
「オ」
 呻き一音。
 知恵の身体は、筋骨逞しい――元々の逞しさに更に磨きをかけた逞しさの――ゴリラへと変じる。
 そうして行う突破方法は、
「オォンッ!」
 拳による破壊だ。
 肩からの突撃での破壊でもある。
 足裏を叩きつけての粉砕も加えていく。
 ここがジャングルならば、こうはならなかっただろう。
 太くそびえ立つ木々の強さ、広く根を張る隆起、その強大さとは比べるまでもない脆さだと、そう思う。
 だから、彼は止まらない。
 例え目の前に、逃さないと立ちはだかる追跡者が現れたとしても、だ。
「お前に止められるモノではない。この歩みも、この高鳴る胸の鼓動でさえも……!」
 鍛え上げられた大胸筋が誇りを称えるように脈動し、邪魔する全てを弾き飛ばす。
 ここは最早、彼にとってのジャングル足り得ないのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像で目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ




「――参る」
 崩壊まで秒読み段階である悪路の迷宮を、真峰は一息を整えて行く。
 人が一人、身体を捩じ込んで通れそうな隙間へ、複製した太刀を突き刺し、飛び蹴りする要領で衝撃を加えて破砕。
 塞がる間一髪で通りすぎ、前傾姿勢で足場を蹴って更に前。
 積み重なった瓦礫の上へは、壁を駆ける様に足を掛けて上り、飛び越えてもっと前へと行き、
「む」
 そこに正面からの追跡者が突っ込んでくる。
 ちらり、と後ろを見れば、追い縋る追跡者もいて、挟み込むような状況が認識出来た。
「では」
 だから、
「斬ろうか」
 そうした。
 念力で操作した太刀を二振り使用する。
 身体を芯とイメージして、宙へ横になるようくるりと跳び、縦への一回転で刃を放った。
 進む速度は落とさず、前後の敵を断ち、行く。
 前、天井を突き破って降ってくる岩石へ、直接太刀を両手で握り、両断して行く。
「行こうか」
 視界の先に微かに見える出口の光を頼りに、増やした太刀を重ねて引き絞り、一瞬の間隙を挟んでぶっぱなした。
 邪魔する全てを刃で貫き、光へ飛び込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『聖王プラグマ・ケイオス』

POW   :    聖王武装
無敵の【『聖王の武具』】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    聖王の御使い
レベル×1体の、【胸元】に1と刻印された戦闘用【天使】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    破魔の闇撃
【聖王の法力】を込めた武器で対象を貫く。対象が何らかの強化を得ていた場合、追加で【猛毒】の状態異常を与える。

イラスト:鹿人

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 欠落を暴かれ、破壊されたダークセイヴァーのオブリビオン。
 聖王プラグマ・ケイオスはその不死性を失い、追い詰めに来た猟兵との相対を余儀なくされた。
 自らが生き残るか、それとも敵に討ち滅ぼされるか。
 最後の戦いが、始まる。
六島・風音(サポート)
ガレオノイドのスターライダーです。
スピードなら誰にも負けません。

基本的に人の話を聞かず、スピード勝負に持ち込みます。
そんなことより駆けっこです。
普通に駆けるか、天使核ロケットエンジン搭載の宇宙バイクで駆けるか、ガレオン船形態で駆けるかは状況によります。

ユーベルコードは使えそうなものはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。




「我が御使いどもよ、仇を為す敵を討ち払え!」
 聖王の号令に呼応して、召喚された天使の集団は統べられる。
 全は一となり、強大な使徒となって猟兵へと差し向けられた。
「んー……うん、つまり駆けっこ、ってことだね?」
 目の前に、猛スピードで迫ってくるソレを見た風音は、首を傾げた後にそう結論付けて、にこりと笑う。
「それだったら私、誰にも負けないから」
 正面からの突撃を、迂回するようにして跳ぶ事で回避。
 地に足が付くと同時に走り出し、重心を倒して加速する。
 その瞳に、聖王を映さず、ただ追い掛けてくる天使だけを意識して、駆ける。
「あはは」
 風を切る音が耳を揺らして聞こえる。
 背後には敵の気配。見えるのはただ誰もいない景色だけ。
 止まれないし、止められることもない、自分だけの世界だった。
「君じゃ私には追い付けないようだね」
 軽やかな足取りの軌跡を残す様に、噴進弾が天使へ向けて設置される。
 無数に現れるそれらは、一拍を置いて発射され、王の御使いを跡形もなく吹き飛ばした。




「手下を離したのは悪手ではないか」
 振りかぶる光の剣を武骨な大剣にぶつけながら、アスは聖王へと言葉を投げた。
 御使いは他の獲物を追い掛け、守られるべき主は敵との直接対決を余儀なくされた状態だ。
「なに、構わん。我が負けることなどないからな」
 だが王は、傲りも慢心も無くそう告げると、アスを弾き返して新たな武具の創造を行った。
 四本腕を器用に手繰らせて持つのは、大剣と大斧の重武器二種だ。
「なるほど」
 対してアスの武器は、サイキックエナジーで形成された光の剣だ。
 打ち合うには頼りなく、間合いとしても優位は取れない。
 と、
「やはり悪手だな」
 その思考を理解して、なお、アスの動きは微塵も揺らがない。
 叩き付けようと振り上げる二つの凶刃を見上げ、両手で支えたフォースセイバーを下から一気に打ち放つ。
「!?」
 大剣の腹を打ち据えて弾き、その勢いのままに斧を反対側へ吹き飛ばす。
 それから一歩、前への踏み込みから刃を担ぐように構え、一息。
「貴様――」
「無駄だ」
 受けに構えた武器もろとも、光の剣で斬り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のものよ、それがどうかしたの?』

アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う

ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしている
恥ずかしさ耐性のあるイネスは、周りの視線を気にしません
そのビキニアーマー姿の存在感で、無意識に誘惑してしまう事がありますが
イネスにそのつもりはありません

アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗らず生身で戦います(他の人のキャバリアを足場にする等はあり)




 巨獣槍を抱えるようにして膝を落とし、イネスは一拍の溜めと同時に弾けた。
 狙うは聖王プラグマ・ケイオス、その首だ。
 腰を捻り、引き絞った一撃を、ブン回しの要領で叩き込みに行く。
「舐めるでないわ!」
 それを、聖王の武具として具現化した盾が受け止める。
「別に、舐めてなんかいないわよ」
 続けていく動きは、腰に添えるように引いた巨獣槍による突きだ。
 間髪を入れない連撃は、しかしまたもや盾に阻まれる。
 だが今度はそこで終わらない。
 槍の穂先に使用された爪の様な湾曲を、盾の縁へと引っ掛かっけ、力の限りに振り払う。
 そうして盾を持つ腕を強引に退かし、
「っ」
 迎撃に振るわれる大剣の一刀を横跳びにして回避した。
「まだ……!」
 続けざまに、足を払うように来る刃、その刀身へと柄尻を串刺しするようにぶちこんで落とし、気合いを一発溜め込んで。
「獣の一撃、くらいなさいっ!」
 振り上げた一撃、巨獣を象るオーラの圧をもってして、聖王を叩き伏した。

成功 🔵​🔵​🔴​

月杜・屠(サポート)
大人びていて飄々としたタイプのくの一
臨機応変な柔軟さが信条ね
仕方ないわね、といいつつの面倒見のよさ有り
他の猟兵のフォローなども進んで行うわ
無益な殺生は好まず不要な争いは避ける傾向だけど、人の生き死は割り切っていて非情な態度を取ることが多いわ
・身体能力の高さを生かした身軽さや体捌きを重視した戦闘スタイル
・忍者刀や無手での接近戦と遠距離からの忍術やくないでのヒットアンドアウェイ
・スキル多用
・くの一ならではの撹乱やトリッキーな戦術

スキルとUCは使い時には使用をためらないタイプよ
NGなし、基本お任せとアドリブは大歓迎




 闇に溶け込み、意識の外から標的を刈り取る。
 くの一としての技量を遺憾無く発揮する屠は、聖王プラグマ・ケイオスを翻弄していた。
 四つ腕が持つ鎖の縦横無尽、叩き潰し間合い全てを打ち砕く斧、取り回ししやすい刀剣二本による無数の斬撃。
 それらを的確に躱し、分厚い鎧の上へと反撃を加える。
 とはいえ、刀や手裏剣が装備を超えて肉体に到達することは難しい。
 ……じり貧ね、これ。
 こちらの有効打は容易くない。
 だが敵の武装はこちらに一回でも当たれば相当の不利を招くことになるだろう。
「ま」
 だから彼女は、まず後ろへ下がって刀剣の間合いから離れる。
 その際、クナイによる牽制を敵の鎧に打ち込んでおく。
「逃すと思うか!」
「いいえ、思わないわ」
 思わないからするのよ、なんて、自らの考えをわざわざ教えて上げることはしないまま、鎖の軌道に刀を差し込んで絡ませる。
 そうすると聖王は、武器を奪うために鎖を大きく振って遠くへと離す行動を取った。
 次いで、敵の頭を目掛けて手裏剣を放ち、刀剣で防御をさせて距離を詰める。
 迎撃に振り下ろされる斧は身体を捩ってやり過ごし、踏み込みで一息。
「花天月掌」
 打ち込んでいたクナイの上から、掌底を叩き込んで鎧を砕き、聖王の肉を大きく抉り取った。

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ(サポート)
鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、『鎖の鞭』等装備してる物を使います

UCは指定した物をどれでも使用

普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)

処刑人として敵と戦います
同行者がいれば協力
メインは鉄塊剣で攻撃
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では刀剣をメインにして相手をします。
拷問具や鞭を使い敵の行動を阻害、鉄塊剣や刀剣で敵を攻撃します。影朧にはできる限り説得しますが説得不能と判断すれば容赦なく屠ります
キャバリアを操縦したり生身でも戦います


エジィルビーナ・ライアドノルト(サポート)
 私はエジィルビーナ、エジィでもルビーでも好きに呼んでくれていいよ。
困ってる人がいるなら助けたいし、倒さなきゃいけない強い敵がいるなら全力で立ち向かわなきゃ。全力で頑張るからね!
実は近接戦闘以外はあんまり得意じゃないんだけど……あっ、畑仕事ならチェリから教えてもらったから、少しはわかるよ!
力仕事はそんなに得意じゃないけど、足りない分は気合と根性でカバーするから任せといて!


ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




「今がチャンス……だよね」
 満身創痍のオブリビオン、聖王プラグマ・ケイオスを前に、エジィルビーナは息を整えた。
 自然と、握った盾槍の柄を強く掴み、半身を前にした構えで逸りを抑える。
「私達で始末、付けられそうね」
 その隣、淀み無い歩みで通り過ぎたアンナは、肩に担いだ鉄塊剣を無造作に下ろし、切っ先を聖王へ突き付けた。
「お前はここで終わりだ、顔亡しの王」
「ほざけ、猟兵!」
 そうして奮起するのは、聖王の方だ。
 二対四本の腕に、大剣を掲げて吼える様は、今にも命が尽きそうな弱々しさは全く無い。
「いや、むしろ尽きる前の炎、か」
 そんな感想を抱くアンナへと聖王は踊りかかり、凶刃を叩き込もうとして、
「解き放て、紅玉!」
 割り込んだエジィルビーナに阻止された。
 いや、ただ阻止されたのではない。
 四本同時に振り下ろされた大剣が、全て別方向へと弾かれたのだ。
「!?」
 自身の前に立ちはだかる小さな体躯を前に、聖王は言い知れぬ不安を抱えながら、尚も攻撃を再開する。
 だが、
「はぁっ!」
 弾かれる。
 緩急を付けようと、最高速度で刻もうと、それらは悉く防がれてしまう。
 そうして、不意に王は気付いた。
「お前……手数か!」
 エジィルビーナは、シールドスピアを用いた攻撃回数を爆発的に増やしていた。
 しかもそれは、秒間に複数回、打ち込むほどの数だ。
「ユーベルコードと気合いと根性――だよ!」
 故に、膂力で勝る聖王の攻撃が、数の暴力によって防がれる結果になった。
 加えて、
「ワタシを忘れたか?」
 エジィルビーナが弾いたタイミングで、入れ替わるように前へ出たアンナの鉄塊剣、錆色の乙女が王の腕を斬り落とす。
 反撃をしようにも、そうして放つ攻撃はまた入れ替りのエジィルビーナに阻まれ、そしてまたアンナによって別の腕を断ち落とされる。
「終わりだよ、王様」
 武器が減れば、受けに使われていたエジィルビーナの攻撃はそのまま、聖王本体への襲撃に変わっていく。
「お前も王を名乗るのなら、往生際は潔く、な」
 紅玉の連撃に膝を付いた聖王の身体を、錆色の乙女が一閃。
 両断されたその身体は、断末魔も無いままに、消滅した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年11月03日


挿絵イラスト