3
銀河帝国攻略戦㉗~独りなれど全て

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #オブリビオン・フォーミュラ #銀河皇帝

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦
🔒
#オブリビオン・フォーミュラ
🔒
#銀河皇帝


0




●銀河帝国旗艦インペリウム
 決戦の時。
「銀河帝国は、我一人から始まった」
『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザーは、ひとりであった。
「オブリビオン・フォーミュラとなり、この世界に蘇った時も我は一人であった」
 しかし、彼は全てでもあった。
「銀河帝国が巨大になるにつれ、多くの配下が付き従うようになったが銀河帝国の本質は変わっていない」
 彼はひとり、迫り来る『解放軍』と対峙する。
「我一人がいれば、それが銀河帝国なのだ」

●グリモアスペース
「ついに『銀河皇帝』に決戦を挑む時が来たようでござる」
 鬼照は、長い宇宙での戦いを経て、歴戦の勇士となった猟兵たちを見回した。
「旗艦インペリウム内へ、解放軍艦艇が入り込むことは今のところ出来ておりませぬ。ワープを皇帝が封じていると思われまする」
 仮にスペースシップワールドの戦艦が全力砲撃を行ったとしても、インペリウムを外から破壊するのは1週間以上かかると予想されている。
 勿論、スペースシップワールドの艦隊も、インペリウムへの攻撃が可能なように最善を尽くしている。それでも、カタストロフ開始までにインペリウムの撃破が可能かは不明瞭な状況である。
 つまり、銀河皇帝の撃破は、グリモアの転移によってインペリウム内に侵攻が可能な『猟兵』達の活躍にかかっているのだ。
「銀河皇帝は『増援に現れた配下達を吸収し、自らの力に変え』猟兵達を迎え撃とうとしております」
 もはや、配下など信用できず、銀河帝国最強が銀河皇帝なのは間違いないので、この戦略は間違いではないのだろう。
 インペリウム内の全てを掌握している為、銀河皇帝は、侵入した猟兵達に対して、転移による奇襲攻撃を行う事が可能である。
 つまり、猟兵たちは必ず銀河皇帝の先制攻撃にさらされてしまうということでーー。
「まず銀河皇帝の攻撃に対処した上で、反撃を図ってもらわねばならぬということになりまする」
 鬼照は苦渋を滲ませた表情で。
「銀河皇帝は言うまでもなく大変強力な敵……その攻撃に必ず身をさらさねばならぬ場に赴いて頂かねばなりませぬ……しかし、ここまで勝利を重ねてきた貴殿らならば、必ずや撃破が叶いましょう。拙僧はそう信じておりまする」
 鬼の掌の上で、赤い炎が燃え上がる。
 見えてきたのは、がらんとした広い空間に大量の椅子だけがずらりと並んだ場所。前方にステージやスクリーンのようなものも見える。講堂のような場所だろうか……。


小鳥遊ちどり
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
====================
 銀河皇帝は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
====================
 このシナリオでは、講堂で戦って頂きます。椅子だけは残っていますが、気にしなくていいです。もしかしたら小道具として使えるかもしれませんが。 

 成功に近づくには、敵の先制攻撃をのりきる方法と、そこからの反撃方法の両方を、具体的に書く必要があります。
 オープニングや、敵戦力をよく読んでから、色々工夫して考えてみてください。
 どうぞよろしくお願い致します。
 
90




第1章 ボス戦 『『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー』

POW   :    マインド・クリエイション
【銀河皇帝を不老としている生命維持機能】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【白騎士と同性能の人型兵器『マインド』】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    フォース・インベイジョン
【銀河最強のサイキックエナジー】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【意志とユーベルコードを奪う洗脳念波】で攻撃する。
WIZ   :    ワープドライブ・ペネトレーション
【外宇宙から、知られざる『黒き槍の船』】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑14
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

出水宮・カガリ
【異形の花畑】どくたー(ナハト)、ヴィサラ、あい、と

自らを犠牲に…それが有効である事を願おう

どくたーから【鉄門扉の盾】に武器改造を受ける
転移後すぐにオーラ防御を
洗脳されたヴィサラが回復するよう声をかける(鼓舞)
起きろ、起きろ、まだ寝てはいけない
あいがヴィサラを背負う時に手伝おう
カガリは槍を避けるのに手一杯になりそうだしな

槍が来る予兆(仲間の反応や音の響きなど)から、方角を判断
襲い来る衝角を、盾受け・オーラ防御・念動力・怪力で受け流す
正面でなく、側面からなぞるように
どくたーもいるからな、二人でカバーし合う

皇帝に毒が回り、槍から逃げる必要が無くなったなら追想城壁で槍を消す
さすがに、これだけ見ればな


紫・藍
【異形の花畑】歌よ届け、立ち上がれな願い応援虚しく! 噛まれたヴィサラさんを背負い逃走! 無視させないようにおびき寄せコミュ力挑発誘惑歌唱演奏フル活用でうざく逃げて船で追跡させるのでっす! 艦内全てがわかるならいっそ超うるさくしてやるのでっす! ミュートする気でっすかー? 逃げてる藍ちゃんくんたちから逃げるのでっすかー! 歌や楽器の音の反響届き方や、五感共有皇帝のいらだちなどで槍の船の位置探査も兼ねてたり! 挑発他藍ちゃんくん狙わせも位置絞りの一貫! アートでパフォーマンスなカラースモーク焚いて色付けや煙の動きで位置察知回避防御。真の狙いは時間稼ぎ。毒が回って五感共有槍船の動きが鈍った所に攻撃


ヴィサラ・ヴァイン
【異形の花畑】
【隠された恐怖】を皇帝に……!と言っても先制フォースインベイジョンでUCと意思を奪われるんですよねー、困りました
洗脳は頭の蛇に私の腕を噛ませ、痛みで目を覚まします
さてUC奪われると私役立たずですが……まだ出来る事はあります
皇帝に奪われた【隠された恐怖】を敢えて受けます
(毒耐性15)の私なら毒は怖くないし、逆に『噛まれる』事で皇帝に私の体内の[ゴルゴンの血]を吸わせます。五感を鈍らせる猛毒、食らって下さい?(毒使い32)
その他(第六感15)で『黒き槍の船』を探したり[異形生まれの血清]で仲間の傷を癒します
オロチに苦しめられたり、引導渡したり、色々あった戦争だけど……これで最後ですよ


ナハト・ダァト
【異形の花畑】で参加
罠使い、だまし討ちを使用してヴィサラ君のサポート

毒を付与後、皇帝が戦艦を召喚したと同時に敵に毒が回るまでの時間稼ぎ

地形の利用、罠使い、残像で藍クンのコンサートを援護

かばう、オーラ防御を出水宮クンと互いに掛け合う事で2人分の盾を構える
武器改造で変化させた液状の身体を用いカウンターによって受け流す形で防御
戦闘の傷は早業、医術で応急処置
索敵は世界知識、情報収集でサポート
地形を利用した知識から戦艦の通るルートを予測、探索の支援
ヴィサラ君の洗脳
六の叡智で仲間の気持ちを、深層心理に届ける事で洗脳解除を試みる
医術、世界知識も用いて心理療法を試みる

使用技能毒耐性、激痛耐性、呪詛耐性



●【異形の花束】の戦い
 船内の講堂へと転移した『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザーの目に入ったのはヴィサラ・ヴァイン(大蛇を殺すゴルゴン・f00702)のみであった。
 竦んだように立ち尽くす少女に向けて、皇帝は無雑作にフォース・インベイジョンを放った。視認している対象から意志とユーベルコードを奪う洗脳念波だ。
 ヴィサラはその念波を受け、がくん、と全身を痙攣させた。急速に失われていく力と自我。
 だが。
「……私だからこそ、できることがあります!」
 ヴィサラは白く薄れていく最後の意志を振り絞り、頭の蛇に自分の腕に咬みつくよう命じた。
「……いたっ」
 蛇の牙による激痛と急速に体内に巡る毒の苦痛が、彼女の意志の最後の一片をつなぎとめた――そこに。
「――藍ちゃんくんでーすよー?  ひゃあっははのはー!」
 ヴィサラの足下からがばりと立ち上がった人影があった。講堂の椅子の陰に身を潜めていた紫・藍(覇戒へと至れ、愚か姫・f01052)だ。皇帝の視界に入っていなかった彼は、洗脳念波の影響を受けていない。
 藍は倒れかけたヴィサラを背負うと、派手に逃走をはじめた。ずらりと並んだ椅子の間を縦横無尽に駆け巡り、しかも、
「歌よ届け!」
 おびき寄せコミュ力挑発誘惑歌唱演奏……技能の全てをフル活用で、大音響のステージを繰り広げはじめた。
「艦内全てがわかるなら、いっそ超うるさくしてやるのでっす! ミュートなんかさせないですよ、仮にも皇帝なんだから、逃げてる藍ちゃんたちから逃げたりしないはずでっす!」
 朦朧としているヴィサラは、やはり講堂の隅の方に隠れ、盾で防御している出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)とナハト・ダァト(聖泥・f01760)のところにさりげなく振り落とし、藍は大音響を背負ったまま講堂前方のステージに駆け上る。
「サポート、シマス……!」
 その背中にナハトはユーベルコード【六ノ叡智・美麗】を授けた。
 仲間からの応援も受けて、アートの技能で仕掛けておいたカラースモークが立ちこめるステージで、藍は全力で絶叫する。
「藍ちゃんくんワンマンショー! 貴方の為に歌いまっす! というやつでっすよー! 永遠にアンコーッルなのでっすよー!」
 皇帝の整った鉄面皮が僅かだが不快そうに歪んだ。そして同時に、藍の至近にいきなり『黒き槍の船』が出現した。船は大きく、そして速く、こんなに至近に出現させられては、幾らすばしこい藍だとしても避けることは難しいだろう……だが。
 藍は、皇帝の表情を見て、ギザ歯を剥き出して笑い。
 そして皇帝に召喚したマイクを向けた。
「ざまーみろ、ってヤツですよーーーーー!」
 マイクから大音響の衝撃波が発生し、皇帝を直撃した。
 実はステージ上での藍の絶叫はユーベルコードの発動詠唱。藍のパフォーマンスをうるせえ、と思った対象に収束された衝撃波を飛ばすというものなのだ。しかも藍は先ほど、ナハトによる【六ノ叡智・美麗】を受けている。このユーベルコードは共感する仲間の戦闘力を増強するというもの。衝撃波は破壊力を増しているはずだ――!
 華奢な胴に槍による強烈な衝撃を感じた瞬間、皇帝も腹を見えない何者かに殴られたようによろめくのが見え……藍は。
「上手くいったでっすよ……」
 にんまりしながら意識を手放した。

 一方。
 藍が体を張って攻撃を一身に引き受けてくれていた間、カガリとナハトは必死に防御態勢を整えながら、ヴィサラの介抱を行っていた。
 ナハトは技能の限りを尽くして治療を試み、カガリは必死に声をかける。
「起きろ、起きろ、まだ寝てはいけない」
 ヴィサラが自ら咬ませた蛇の毒については、彼女は毒耐性が強いのでさほど心配ない。問題は洗脳念波だ。
 だが、それも皇帝が『黒き槍の船』を発動すると洗脳が緩んだようで、ヴィサラは仲間2人に支えられ、身を起こした。
 藍は倒れてしまったが、皇帝も少なからぬダメージを受けた様子……だが、黒い船は舳先を残った彼ら3人の方に向けた。船の機能上、真っ直ぐやってくるようなことはないだろう。極めて察知し難い方法で接近してくることだろう。
 しかし、こちらにも更なる対処方法はある。
「仲間の犠牲を無駄にはしない……されど亡都の扉は此処に在り」
 カガリが素早くユーベルコード【追想城壁】を発動した。現れたのは半径20メートル余りの城壁の幻影。
「くるぞ、さあ、がんばれ」
「はい」
 カガリに励まされ、城壁に護られた中で、ナハトに支えられたヴィサラは、集中力を振り絞ってユーベルコード【隠された恐怖】を発動した。
「シュー、シュー……」
 ヴィサラの頭から蛇が滑り下り、椅子の間をすばしこく這っていった瞬間。
 ハッと息を飲むほどの近さに、黒い船が表れ――そして、消滅した。城壁に相殺されたのだ。
 3人の猟兵は、皇帝と対峙した。城壁は船を消してくれたが、皇帝にダメージを与えるものではない。衝撃波から立ち直った皇帝は、彼らを無表情な眼差しで見つめている――。
 現れたのは『白騎士』。
 白騎士は10秒先を予見して攻撃してくるという。現在、技能と武器以外身を守る術のない猟兵たちが、その攻撃を避けきれるものではないだろう。
 だが。
 白騎士が動こうとした、その時。
「――!」
 突然皇帝の表情が変わった。
 無防備な爪先を、忍び寄っていたヴィサラの蛇が咬んだのだ。
 皇帝は蛇を振り落としたが、その毒はあっという間に総身にまわる。端正な顔が強張っていく。ヴィサラの蛇の持つ毒は五感を鈍らせるのだ。
「ここは……」
 皇帝は嗄れた声で呟き――白騎士と共に消えた。
 猟兵たちはホッと息を吐く。チームワークが生きた。致命傷とはいかなかったかもしれないが、かなりのダメージを皇帝に与えられたようである。
「……サア、手当をしなけれバ」
「ああ。どくたー、頼むよ」
 カガリとナハトは、まずはステージの上に倒れている藍の元へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ハル・パイアー
「配下の能力すらも己が物、成る程。だが未来については如何か。」

小官はこれより皇帝への戦闘行為を仕掛けます。
まずはN=ムーバー、これにAIによる回避などの自動[操縦]のセッティングをして転送、その直後から[騎乗]し発進。
AIに操作を任せ、自身は敵の変身に[ハッキング]で敵の未来予知や兵器機能にバグを混入し[時間稼ぎ]。
敵のバグ修正の隙に、乗りながら自身は待機し《ディスインテグレータ》を5秒セット。
待機時間経過と射程距離25m内に入った瞬間敵の動きを[見切り]、[早業][クイックドロウ]で[誘導弾]式事象崩壊因子射出。
予知する事象諸共対象を崩壊させます。

「聞こえただろうか?さて、どうなるかな。」


マリア・テミルカーノヴァ
【連携歓迎です】
とうとうここまで来ましたか……スペースシップワールドの平和を守る、ということで決戦に赴きます。

私はエレクトロレギオンを使って約100体の戦闘機械を呼び出しますが、皇帝も同じ戦闘機械を呼び出してくるわけです。
対抗策としては、攻撃は集中こそ重要という考えに則ることです。戦闘機械を遠距離型に調整した上で全ての攻撃を皇帝に集中させます。
皇帝が私に攻撃を集中させるとしたら、相討ちを期待できますからね。
戦闘機械を各個撃破するのであっても、時間稼ぎにはなり得ます。
いいんです、私は、誰かの役に立てば。
そのために生まれてきたようなものですから。


トリテレイア・ゼロナイン
言葉は不要
ただ騎士として皇帝を討ち果たすのみ

防具改造でUCの発振器のダミー発射機を追加

未来位置に的確に攻撃してくるマインドには下手に動かず攻撃位置を見切り遠隔操縦する機械馬にかばわせます。それで不足なら武器受け、盾受けを駆使し戦闘続行できるよう急所をかばい、ルールによるダメージで停止しないよう己自身をハッキング、リミッターを解除して無理矢理動きます

マインドに盾を投げつけ目潰し、その隙に頭部銃で皇帝をだまし討ち。当然予測しかばうマインドに対しダミーを混ぜながらUCを発動。防御重視の障壁で閉じ込めます

障壁がもつ間にスラスターでのスライディングで皇帝に接近、怪力を活かしたクロスカウンターでの一撃を!




 銀河皇帝が白騎士『マインド』を出現させた時、射程内には大きなウォーマシンと巨大な【機械馬】が視認できた。
 ――機械の馬はウォーマシンによって遠隔操作され、本体を護るのだろう。
 と、マインドは瞬時に予測したが、それは大した問題ではない。確実に機械馬を避け、それからウォーマシンを屠ればよいだけの話である。ウォーマシンに反撃の機会を与えていしまうかもしれないが、攻撃力では圧倒的にこちらが勝る。猟兵1体に被るダメージなど大したものではない。
 そう分析した次の瞬間、マインドは機械の馬に【収束する運命の白光】を浴びせかけ、
「そこから動くな」
 ルールを与えた。
 これで機械の馬は、ウォーマシンにとって単純な盾にしか使えなくなった。さて、次は本体を……と、分析を始めた瞬間。
 ゴオッ!
 巨大な機械馬の後ろの大きなウォーマシン、そのさらに後ろから飛び出してきたものがある。
 スターライダーと、シスター服の女性だ。
 視認していなかった存在に虚を突かれたマインドの視界を、ウォーマシンが投げた大きな盾が遮る。

 ウォーマシン、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)の陰から飛び出した、マリア・テミルカーノヴァ(電子の海を彷徨う光・f00043)とハル・パイアー(スペースノイドのブラスターガンナー・f00443)は、このたった一度きりの好機を逃さずにユーベルコードを発動した。
「スペースシップワールドの平和を守るため――エレクトロレギオン!」
 マリアのコードは、100体近くもの戦闘用機械兵器を召喚した。
 ハルの方は、
「WARNING DISINTEGRATION ALARM……CHARGE COMPLETE. STANDBY READY?」
 装備武器の封印を解いて砲塔に変化させ、『マインド』に向けて狙いをつけ、
「5秒セット。射程距離25m……!」
 代償とする待機時間と警告音の鳴る射程を宣言した。

 トリテレイアの盾を叩き落とした白騎士の目に、ユーベルコードを発動する2人の猟兵の姿が映った。
 ――確実に止めなければならない。
 未来を予見するホワイトライト・トゥルーライトを発動し、まずはちょろちょろと動き回るスターライダーに狙いをつける。床すれすれまで降りてきたスターライダーは、何やら叫びながら砲塔をこちらに向けている……。

「当たれ……ッ」
 警告音の鳴り響く中、ハルは歯を食いしばり砲台の引き金を引いた。
 次の瞬間、白騎士のセイバーにN=ムーバ-ごと叩き斬られたが、それでも確かに手応えはあった……!

 白騎士はスターライダーが発射した弾が命中したのを自覚していたが、戦闘行動を止めようとはしなかった。実際、受けたダメージ自体は事を憂慮するほどではなかったからだ。
 スターライダーはまだ意識はあるようだが、戦線復帰は無理であろう。ならば、予測通りに返す刀で……と、セイバーを構えたまま流れるように振り返ったそこに。
 ――次のターゲットと目していたシスターの姿はなかった。シスターはまたウォーマシンの背後へと素早く隠れている。
 何故。
 予測した時点では、2体纏めて斬れるはずだったのに――。

 傷の痛みと、ともすれば手放しそうになる意識を堪えながら、ハルは目だけでにんまりと笑った。
「……配下の能力すらも己が物、成る程。だが未来については如何か」
 彼が決死で撃ち込んだ弾は【射程内事象を崩壊させる因子】を纏っているのだ。つまり、白騎士の25m以内の予測は――崩壊する。

 セイバーが空を切った白騎士をかすめるように、ウォーマシンが頭部銃を開いて銃撃を始めた。それは白騎士を狙ったものではなく、皇帝に照準を合わせたもの。
 しかもシスターの召喚した戦闘機械も続々と皇帝を囲みつつある。
 白騎士はやむを得ず、主を護るために退いた。

 白騎士の予測が乱れ、且つ皇帝の間近まで退く、そのタイミングをトリテレイアは待っていた。
「攻勢電磁障壁発振器射出ユニット――いわゆる【檻】というものです」
 瞬時に白い杭が敵主従を取り囲んだ。発動したユーベルコードにより、エネルギーの壁が皇帝と白騎士を閉じ込めたのだ!
「皇帝を狙うのです!」
 すかさず、身動きの取れなくなった主従を、マリアの、遠距離射撃に調整された機械兵器が集中攻撃する。兵器は一撃で消滅するが、生命維持装置を白騎士の代償にしている皇帝にとっては、それなりの痛手になるはずだ。
「例え相打ちになっても……私は、誰かの役に立つために生まれてきたようなものなのですから!」
 耐えかねたように皇帝が、檻の中で白騎士を解除した。
 その瞬間をも、トリテレイアは待っていた。
 ジャッ。
 スラスターで巨体を機敏に滑らせ、皇帝の至近に滑り込む。怪力を生かした一発を叩き込むために――!
 しかし。
 皇帝の姿は、唐突に消えた。
 転移か!? と2人は慌てて講堂を見回すが、その姿はない。この戦場から離脱したようだ

 一瞬の激しい攻防が、終わった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リグレース・ロディット
あーこのまま終わるのはかっこ悪いよね……またやられちゃったらもっとかっこ悪いかぁ……うぅ……顔見る所くらいまで頑張ろ……傷つけれたら皆ほめてくれるかな?
【WIZ】僕の周囲を囲むように『ドロップシャドウ』を展開。黒い塊が来たら皇帝は警戒……してくれると良いなぁ。僕は僕の『第六感』を信じるよ。槍の船がドロップシャドウにふれたら、貫いたら『カウンター』『2回攻撃』でUCの『赤く煌く影が散る』を使うよ。前後左右どこから来ても対応できるようにね。
敵からの攻撃は『オーラ防御』で防げるように頑張ってみるけど無理だったら『激痛耐性』で我慢する。痛いとか苦しいとか言ってられないんだよ!!

(絡み・アドリブ大歓迎)


土斬・戎兵衛
オロチには溶かされかけるし、釣り合いのとれねー仕事に入っちゃったな
そろそろ侍ごっこしてる余裕もない……かな?

並ぶ椅子の真ん中の方で待機
不可知の黒船って言っても、椅子に当たったら椅子の方が砕けて分かるでしょ
プラスして、自信のある【視力】と【第六感】で黒船の存在を【見切り】ってみせるとも

黒船の突撃は小太刀・定切で防御(本差しの方は脆いので船を止めるのはキツい!)
同業がいたら協力して身を守ろう
たぶんそのままじゃ押しつぶされるだろうし、借用が可能になり次第、黒槍には黒剣──定切を使って【早業】でUCの剣技を使用、反撃に転ずる
強技の模倣なら、こっちも強力な剣技が使えるだろーさ

(絡み・アドリブ歓迎)



「オロチには溶かされかけるし、全くもって、釣り合いのとれねー仕事に入っちゃったでござるよ。そろそろ侍ごっこしてる余裕もない……かな?」
「あー、うん、僕もこのまま終わるのはかっこ悪いかなって……でも、またやられちゃったらもっとかっこ悪いかぁ……うぅ……皇帝の顔見る所くらいまで頑張ろ……傷つけれたら皆ほめてくれるかな?」
 講堂の椅子の間に伏せ、銀河帝国攻略戦の愚痴を囁き合っているのは土斬・戎兵衛(営業広報活動都合上侍・f12308)と、リグレース・ロディット(夢みる虚・f03337)である。
 出来るだけ敵の視界に入らないようにと小さくなっている彼らを包むように、リグレースの『ドロップシャドウ』が浮かんでいる。リグレースの影で構築された武器だ。今はボウッと大きな人影のような形をとっている……と。
 2人は同時に口を閉じて表情を強張らせた。第六感が知らせたのだ――敵がこの場に現れたことを。
 椅子の下に伏せている2人には、皇帝が講堂に出現したことは、その圧倒的な気配でしか感じ取れない。だが相手の皇帝にも、ボウッと浮かんでいるリグレースの『ドロップシャドウ』しか見えていないはずで。
 だから。
「(追跡能力のある『黒き槍の船』を発動してくるはず。そして、不可知の黒船といえども物理的な質量がある限り……!)」
 ガシャ、ガシャン……ガリッ!
 2人の思惑通り、黒き槍の船は椅子を倒し、『ドロップシャドウ』に引っかかった。ドロップシャドウのそもそもの機能は剣。触れれば切れる。
「こっちか!」
 2人は音と震動から、槍の船がやってきた方向を察知し飛び起きた。
 戎兵衛は小太刀・定切を抜き、防御のため、そしてユーベルコードのために黒船目がけて突き出した……が。
「くっ、近い!」
 船は思ったよりも近くにいた。槍のリーチも小太刀より長い。しかしユーベルコードのためには何とか防ぎきるしかない。肉を斬られて骨を断つ結果になろうとも。と、戎兵衛が一か八かの覚悟を決めた、その時。
「その目に、その夢に、この花を―――」
 無数の血と影でできた夕顔が、黒船に降り注いだ。リグレースのユーベルコード【赤く煌く影が散る】だ。花びらは敵船を包み込み、その前進が鈍る。
 リグレースは美しいユーベルコードを解き放ちながら、やっと目の当たりにできた皇帝の顔を睨み付ける。
「皇帝も随分とやられてるよ! きっとここまで大勢の仲間が、一撃ずつでもダメージを与えてくれたんだ。ここまできて痛いとか苦しいとか言ってらんない、戎兵衛、僕らもがんばろう!」
「かたじけないっ!」
 戎兵衛は仲間が作ってくれた機を逃さず、船の槍を小太刀で弾き飛ばし、
「敵から向けられた"殺し"、これもまた上質な砥石でござる――経験全テ殺刃ノ研鑽ト成ス!」
 彼もまたユーベルコードを発動した。
 皇帝は、2人の猟兵が姿を現した今となっては、この攻撃は効果的ではないと考えたのか、黒船を消した。そしてフォース・インベイジョンを発動し、洗脳念波を送ろうとした……が。
 その時には、リグレースはまた椅子の隙間に潜り込んで視界から消え、戎兵衛の姿は……ない。
 直後。
 ザッ。
「強技の模倣なら、こっちも強力な剣技が使えるでござる」
 皇帝の背中に灼熱の閃光が走った。戎兵衛の渾身の一閃である。
 彼のユーベルコードは、的の技を防御したことにより、一度限り借用するという技である。今回拝借したのは、黒き槍の船を恐ろしい敵としていた核心である不可知の能力。その力で皇帝の背後に忍び寄っていたのだ。
 深手を負った皇帝はゆっくりと振り返り。
「……不覚」
 ぎらりと戎兵衛を睨み付けながら――消えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シキ・ジルモント
◆SPD
『聞き耳』を常に立て物音と気配を探り奇襲を察知、反応する
敵ユーベルコードは視認の必要がある、視界から外れる事を最優先に行動

改良型フック付きワイヤーを『早業』で上方へ射出
『地形を利用』し天井や照明器具等に引っ掛け、一気に巻き取る事で敵頭上へ移動しつつ天井を射撃で壊して残骸を落下させ一瞬視界を阻害
その間にフックを外し敵背後の足元に姿勢を低くして着地
視線から外れて敵ユーベルコードの回避と反撃を試みる

皇帝と言えど背中に目は無いだろう、奴が一人なら背後は死角だ
少々泥臭いが手段は選んでいられない

即座に『クイックドロウ』で銃を構え、命中率と威力を考慮した『零距離射撃』の距離でユーベルコードを撃ち込む


ディスターブ・オフィディアン
アドリブ歓迎です
第一人格でローブを纏って行動
心情:ここで終わりとはいくまいが、蘇るたびに屠ってやるしかあるまい
可能ならば他の猟兵と連携
ローブに姿を隠して接近し、煙幕及び脱ぎ放ったローブで相手の視界を遮ることで相手のUCを防ぐ
洗脳念波を受けた場合は第三人格に切り替わることで洗脳の影響を軽減、オルタナティブダブルを発動
主人格である第一人格を実体化させ協力しながら銀河皇帝を攻撃
第一人格は全力魔法と属性攻撃で遠距離から攻撃し、第三人格側がグラップルや薙ぎ払いで近接攻撃
特に一方が注意を引いてもう一方が相手の背後からの攻撃などを仕掛けていく

「一人きりで戦いを挑んだ、それがあなたの敗因です」
「これで仕舞だ」



 背中に深手を負った銀河皇帝リスアット・スターゲイザーが、講堂のステージに戻ってきた時、そこにいたのは煙幕に包まれた人影であった……いや、人影なのかさだかではなかった。煙幕で霞んでいる上に、だぶだぶのローブを纏っているのだ。
 だが、そこに潜んでいるのは猟兵に違いない。
 視認し難い敵。しかし猟兵と何度もぶつかり消耗している皇帝にとって、今発動すべきユーベルコードは、戦わずして済むフォース・インベイジョン……。

 ローブの中に潜んだディスターブ・オフィディアン(真実を 暴く/葬る モノ・f00053)は、視線を遮っていても宇宙最強のサイキック・エナジーによる念波を、ひしひしと感じていた。
 例え直接視認されていないといっても、長くは保たないだろう。ならば。
 ディスターブは思い切って皇帝への距離を詰めた。椅子の間を一直線に駆け抜ける――!

 ローブの人影が破れかぶれのように距離を詰めてきたのを見て、皇帝は身構えた。力でくるならば、弱っているとはいえ、ひとりきりの猟兵に敗れることはない。
 しかしそこで、ばさりとローブが脱げた……いや、ローブは一直線に天井向かって上がっていった。天井に仕掛けておいたワイヤーを巻き取り、急上昇している。
 接近すると見せかけ、頭上を取るつもりか……と、皇帝が思わず視線を上げた、その瞬間。
「オルタナティブ・ダブル!」
 ほんの間近で……もちろん床の上で、ユーベルコードを解除する猟兵の声がした。
 猟兵は床の上に残っている!?
 上がっていったローブはダミーだったのか……!?

 ローブを取り去ったディスターブはユーベルコードを発動し、分身を出現させていた。
 人格を入れ替わらせ、本体は第三人格、洗脳念波の影響を多少なりとも受けた第一人格を分身としている。
 分身の第一人格はそのまま皇帝に突っ込んでいき、本体は機敏に退き、遠距離から攻撃できる間合いを計る。

 天井に上ったダミーの中にも、もちろん猟兵は潜んでいた。
 ディスターブのローブに共に隠れて姿を眩まし、そして巧みなワイヤーワークで天井の梁まで上ったのはシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)であった。
 ここは講堂、天井には照明や演出道具を下げるための梁や、キャットウォークが張り巡らされている。それを利用するために改良型のフック付きワイヤーを用意してきたのだ。
 ローブを取り、ステージ上を見下ろせば、皇帝は2人のディスターブに攻められて、上を見る余裕はないようだ。
 しかしそうしている間にも、接近して攻撃していたディスターブの分身体が、皇帝に踏みつぶされるようにして消えた。
 次に、皇帝の視線は魔導書を開き、攻撃魔法を放とうとしているディスターブの本体へと向く。
「奴が一人なら背後は死角だ。少々泥臭いが手段は選んでいられない……ッ!」
 シキは今こそ、と天井から飛び降りた……皇帝の背後めがけて。

 皇帝は、椅子の陰に隠れるようにして魔導書を繰っている猟兵に向け、再度洗脳念波を送ろうとした。また見え難い位置に隠れているが、今度はその存在を認識しているので、上手くいくだろう……。
 しかし発動の瞬間。
 背後に、突然の気配を感じた。
「皇帝と言えど背中に目は無いだろう、全弾くれてやる」
 ズガガガガガガガガガガガ!!!
 振り返る間もなく、高速連射で撃ち込まれた弾丸が胸に大穴を空け。
 そして前方から飛んできた、
「一人きりで戦いを挑んだ、それがあなたの敗因です――これでお仕舞」
 古い魔法が頭を砕き――。

 ボロ布のような姿となって、皇帝は消滅しようとしていた。
 それでも――。
「……それでも……我は全てである」
 消えゆく風のような呟きを残して。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月24日


挿絵イラスト