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銀河帝国攻略戦㉗~金色の明星

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #オブリビオン・フォーミュラ #銀河皇帝

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●銀河の暴君
「我こそが銀河帝国、我こそがこの宇宙の支配者である」
 その金色の王――銀河皇帝は、侵入者の知らせを伝えに来た部下へと耳を傾けながら静かに呟いた。
 跪く部下を冷たい瞳で眺め、指を触れると部下は恍惚とした様子で溶け、文字通り王へと『吸収』されていく。
「銀河帝国のあるべき姿は一つ」
 銀河皇帝はゆっくりと立ち上がると背中の生命維持装置の電源を落とし、鎧の様な人型兵器へと変形させていく――老化を再開してでも、来るべき脅威をたった一人で排除するために。
「我一人が居る所、それこそが銀河帝国だ」

●反撃の狼煙
「捕虜の科学者の皆さんの助力もあり、遂に銀河皇帝への道が開けました」
 緊迫した様子のグリモアベースで、星宮・亜希(双星の守護天使・f00558)が猟兵の皆へ呼びかける。
「銀河皇帝は帝国旗艦インペリウムの最深部に一人でいるという情報が戦場から入っています。皆さんは現場へ移動後、直ちに銀河皇帝と接触し、交戦をお願いします……ただ」
 これだけなら簡単な話なのですが、と亜希は前置きをして続ける。
「一つ問題があって……銀河皇帝は自由自在に空間跳躍を行えるワープドライブを持っています」
 銀河皇帝の血族のみが持つ、超光速で移動しスペースシップにワープ能力を与えるユーベルコード。その脅威はその持ち主たる銀河皇帝自身が同じ能力を持つ自らの『子孫』を滅ぼすべく全勢力を以て動いている事からも明らかであろう。
「インペリウムへ一歩でも足を踏み入れれば、銀河皇帝は即座に猟兵の皆さんを排除するべく攻撃に出ると思われます……私は少しでも皆さんのお役に立てるように頑張ってみたんですが……」
 不甲斐なさそうに、亜希が言葉を絞り出す。
「私達の予知でもインペリウムの詳しい内部構造はわからないんです。予知に出てくる光景はどれも複雑で……とんでもなく広いのか、実際に形状が変化しているのかすら」
 右も左もわからない迷宮にて行われる空間跳躍能力を持つ男との戦闘。対して銀河皇帝にとってインペリウムは庭と言っても過言ではない、侵入者の場所など手に取るようにわかるだろう。
 神出鬼没のその男に『先手』を打とうなどと言う希望を抱いてはならない。不意を突き現れた銀河皇帝の攻撃を凌ぎ、反撃の一撃を以て奴を倒す。それが猟兵達に残された勝利への唯一の方法であった。
「そんな危険な戦いをさせるのは正直気が引けるのですが……それでも、宇宙の平和の為に……皆さん、どうかお力を貸してください!」
 転移の準備を始めながらも、亜希は猟兵の方へ深々と頭を下げるのであった。


糸こんにゃく
●ご挨拶
 こんばんは、糸こんにゃくです。
 遂にやってまいりました銀河皇帝戦となります。

●警告
 このシナリオは、「戦争シナリオ ㉗銀河皇帝」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 また、以下の特殊な条件下で戦う事となります。

●特殊ルール
 銀河皇帝は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され。敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

●補足
 神出鬼没の皇帝と交戦するという都合上『連携プレイング』以外は必ず個別での戦闘、返却になります。
 この依頼では『防御や回避に関するユーベルコード』は発動に間に合いこそしますが無策に撃つだけでは確実ではなく、効果的な反撃に繋がらない場合は同様苦戦や失敗の恐れがあります。こちらもご了承の上ご参加をお願いします。
 難しい依頼となりますが、皆様ならば必ずやスペースシップワールドから脅威を取り除いてくれると信じています。
 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー』

POW   :    マインド・クリエイション
【銀河皇帝を不老としている生命維持機能】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【白騎士と同性能の人型兵器『マインド』】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    フォース・インベイジョン
【銀河最強のサイキックエナジー】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【意志とユーベルコードを奪う洗脳念波】で攻撃する。
WIZ   :    ワープドライブ・ペネトレーション
【外宇宙から、知られざる『黒き槍の船』】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑14
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●尻尾を掴み取れ
 猟兵達が転移した先は、インペリウム最深部に存在する幅がやや広い通路であった。
 その内部へと一歩踏み出した瞬間、猟兵達は背筋に強い寒気を感じる。
 背中にいたはずの他の猟兵達の姿が見えない。もしかしたら何人かはいるかもしれないが、振り向けば即座に襲われる気がしてならない。振り向けば『何か』に襲われる気がしてならず振り向く事ができないのだ。
 銀河皇帝との戦いは、既に始まっている――
暗黒騎士・アングラング
銀河帝国がこの宇宙に再び現れ、私が闇の力を身につけてから、長い時が流れた。
貴様ら帝国が、いくつの悲劇をもたらしたか、数えるのも馬鹿らしい。
だが、その悲劇を「なかった」ことにするのは、さらに馬鹿らしい。

オブリビオンフォーミュラ、貴様が時空を超えるなら、私も時を超えて戦うまでだ。
貴様や貴様の部下どもがさんざん過去や未来を使って戦っていたからな、その技を分析させてもらった。
このユーベルコードは私のサイキックエナジーで「未来の私」と感応し、この体を差し出す禁断の技。
喜ぶがいい、貴様はこの術の初めての目撃者になるのだ!

我こそ暗黒覇王アングラング。私の存在こそ、貴様の敗北の証明だ!



「銀河帝国がこの宇宙に再び現れ、私が闇の力を身につけてから、長い時が流れた」
 暗黒騎士・アングラング(光と闇の剣を自在に操る暗黒宇宙騎士・f08676)の静かな、それでもなお情熱のこもった声が廊下に響く。
「貴様ら帝国が、いくつの悲劇をもたらしたか、数えるのも馬鹿らしい。だが、その悲劇を『なかった』ことにするのは、さらに馬鹿らしい」
 アングラングはフォースセイバーを抜き光の刃を実体化させると、周囲の景色が歪み、彼の目の前に銀河皇帝が降臨する。
「オブリビオンフォーミュラ、貴様が時空を超えるなら、私も時を超えて戦うまでだ……見せてやろう」
 銀河皇帝はただ無言でアングラングを眺め、静かに自らの両手にサイキックエナジーを束ねていく。正々堂々、ということだろうか。
「喜ぶがいい、貴様はこの術の初めての目撃者になるのだ!」
 アングラングはサイキックエナジーを極限まで高め、銀河帝国の幹部達がやってきたように、未来へ干渉――覇王となった自分自身の魂を召喚する。
 直後アングラングの全身から黒いオーラが噴き出し、同時に彼の持つフォースセイバーもまたその出力を増していく。
「ぬ……!」
 まさしくそこに具現していたのは未来の自分自身、覇王アングラングその人であった。
「我こそ暗黒覇王アングラング。私の存在こそ、貴様の敗北の証明だ!」
 高らかな叫びと共に、アングラング自身も驚くべき速度で刃が振り下ろされ、そして……手ごたえのある一撃が入った。
「なるほど……これが『未来の貴様』の力ということか。確かに目を見張るものがある」
 静かに語る銀河皇帝に対し、笑みを浮かべるアングラング。
 だが……倒れたのはアングラングであった。
「馬鹿な……!」
「……フォース・インベイジョン」
 確かにアングラングは『未来の自分自身である暗黒覇王を召喚する』事には成功していた。だが、銀河最強を自称する程の銀河皇帝のサイキックエナジーはアングラング本人では無く『アングラング本体を操る未来のアングラング』を操作し、アングラング自身を傷付けさせたのだ。
「小癪な……真似を!」
 銀河皇帝は動けずにいるアングラングに背を向け、ゆっくりとその場を後にする。
「お前のその素晴らしい太刀筋に免じて、命までは奪わないでやろう……そして、ここで私が殺さず生かしておくことが、未来のお前の『存在の証明』になる」
 皇帝は再びアングラングの方を振り向くと、ワープドライブを発動し、この場を後にしたのであった。
「何人たりとも我が存在を歪めることは出来ぬ……我一人こそが、未来永劫、銀河皇帝だ」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ワズラ・ウルスラグナ
遂に銀河皇帝との戦闘か。
最強に最狂として挑ませて貰おう。

使うのは戦獄龍狂嵐。
対象は選べなくなるが、何方を叩き潰しても続く猟兵の利になるだろう。
だが本命は戦獄龍逆燐だ。
戦闘前から事前に使用し、技能の武器改造や防具改造も駆使して万全を期す。
加えて戦獄龍狂嵐で得られる超耐久に、激痛耐性、捨て身の一撃、カウンターまで全て注ぎ込む。
無論自ら進んで攻撃を喰らう気は無い。逆燐は飽くまで対策、不意打ち狙いの隠し玉だ。
敵の攻撃は武器受けや盾受けまで駆使して捌き切る。
その上で攻撃を受け、反撃を放ったのなら、それを好機と狂嵐の一撃を叩き込む。

俺は好んで後手に回る戦闘狂だ。
先手必勝を覆す、戦狂いの戦い方を見せてやる。



 ワズラ・ウルスラグナ(戦獄龍・f00245)は回廊を歩きながら、来るべき強敵の思念に闘争心を滾らせていた。
「遂に銀河皇帝との戦闘か。最強に最狂として挑ませて貰おう」
 猟兵達が分散されてしまったこの不利な状況こそ、ワズラにとって都合がいい。仲間へ攻撃が行ってしまうという懸念が一切ないこの状況だからこそ、理性を捨て全力で戦う事が出来る。
『戦獄龍狂嵐』――全ては銀河皇帝の先手の有利を崩し、戦狂いの戦い様を見せつける為に――ワズラは吠え、全身の古傷から地獄の業炎と爆風を纏う竜と化すと背後を振り向き、接近していた銀河皇帝の両腕を激しく弾き飛ばす。
 地獄の炎と『マインド』の装甲がぶつかり、激しく散る火花。大きく退いた銀河皇帝は自らの手を眺めるとワズラの方へと向き直り、押しつぶさんとマインドの出力を上げ突貫する――!
 敵であると認識したのかワズラもまた痛みを知ることなく唸り、対銀河皇帝用に鍛え上げた鱗の鎧をぶつけ、攻撃を捌きつつ巨大な牙をむき皇帝の装甲をかみ砕かんとする。
 激しくぶつかる拳と竜。その激しい肉弾戦は、同時に放たれた二つのユーベルコードによって終焉を迎える。
 肉弾戦の果てに、ワズラが放った反撃の嵐『戦獄龍逆燐』は銀河皇帝の更に出力を増したマインドの左手によって受け止められ、その隙にもう右の拳による正拳突きを刺される形となってしまったのだ。
「……」
 言葉の無い死闘の末、銀河皇帝は大きく破損したマインドの腕部の装甲を眺めながらしばらく沈黙する。もしユーベルコードを再起動する程の時間を与えられていなければこちらがやられていただろうと思考し、だが決してその焦りを表に出す事は無い冷たい眼差しでワズラを眺めて。そして再び次の侵入者を撃退するべく静かにワープドライブを起動するのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ロバート・ブレイズ
「皇帝を肯定するなど。過去は否定するものだ。兎角。此度の私は『再び』王と化す」
防御や回避が『間に合う』ならば冒涜王で賭けを行う
自らを『普遍的無意識の領域』に変える事で『領域=空間』と成り、視認されても『認識』されない状態を保つ。情報を即座に収集する事で『背景』に溶け込もう。否。背景と成ろう
攻撃されなければそのまま近寄り『魂を取り込む』
可能ならば空となった肉体に鉄塊剣を突き刺そう。その際に鎧砕きを行い装甲を削る
恐怖を与える事は難しいだろうが、不意に『魂』を抜かれたならば怯むだろう。隙を晒したならば追撃だ。拳を叩き込む
「傷を負うのも。傷を齎すのも。何方も冒涜ならば『俺』は悦んで受け入れる」



「皇帝を肯定するなど。過去は否定するものだ。兎角。此度の私は『再び』王と化す」
 ロバート・ブレイズ(シャドウ・f00135)は静かに手記を畳むと、自らの肉体を『普遍的無意識の領域』へと変え、『領域=空間』へと溶け込ませていく。初めは何もない空間に存在する大きな時空の揺らぎとなっていたロバートの姿は、次第に情報を取り込み――銀河皇帝がたどり着いたその時には文字通り『何もない空間』その物といっても差し支えないような風貌となっていた。
 銀河皇帝はロバートが広がる空間を眺めると、大きく首を振る。
「……何もない、だと?」
 動揺と言うよりは否定の感情がその言葉には込められていた。まるで銀河皇帝の声色はまるで自分の把握能力が絶対であると、猟兵の同行を全て掌握しているはずだと言わんばかりでいるようであった。銀河皇帝はそのまま二歩、三歩と前へ歩き――四歩目を踏み込んだ瞬間、その体は大きくよろめいた。
 決して背中の生命維持装置が予想以上に重かったという訳ではない、銀河皇帝のサイキックエナジーが、そして魂そのものが、空間に存在していた『何か』に引きずり込まれかけたのだ。それはロバートが張り巡らし、『領域=空間』に敷いた罠であった。
「……まさか!」
 魂を引きずり込まれたとは言え、銀河皇帝に出来た隙はほんの一瞬、だがその一瞬を、ロバートが見逃す事は無かった。
『領域=空間』が裂け、虚無より振り下ろされた漆黒の碑は、皇帝の装甲の一部――腹部の横を大きく砕き去り、薄い布1枚で覆われた無防備な肌を曝け出させたのだ。
 銀河皇帝は咄嗟に向き直りその攻撃の主を目撃しようとも、その瞳に映るのは『何もない空間』があるだけ。そこに、更に銀河皇帝の背後より具現したロバートの追撃が突き刺さった。
「……!」
 猟奇的に突き出されたロバートの拳は銀河皇帝の脇腹を抉り取り、銀河皇帝の身体全体を大きく吹き飛ばす。無表情で空を舞う皇帝は、その拳の主を操り化けの皮を剥がすべく強く目を見開くも、そこに『在る』のはやはり何の変哲もない長年眺め続けていたインペリウムの外観そのままで或った。
 銀河皇帝は冷静な目で傷口を抑えながら体勢を整え、装甲を即座に修復すると一度身を引くように次の位置へと跳躍するのであった。
「傷を負うのも。傷を齎すのも。何方も冒涜ならば『俺』は悦んで受け入れる」
 銀河皇帝が姿を消したと同時に、ユーベルコードを解除したロバートは静かに呟きながら拳に着いた返り血を拭うと、再び姿を現した事を勘づかれる前に一時撤退するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シェイド・レーム
くく、ポンコツどものボスのお出ましだ。スカしてねえで僕は戦線を突破されて怒ってますって言えよ、ヒャハハハ!世界を賭けた殺し合いだ!行くぜ!!

まずは【第六感】だ!洗脳念波とやらを感知!【呪詛】により念波の中和を試み、【オーラ防御】を組み合わせた「絶望の福音」で回避する!ろくに攻撃に転じれねえがぶっ飛ばされちゃ意味がねえ、ヤツのユーベルコードを上記防御行動で受けつつ【情報収集】で特性の理解に努めるぜ!

やられっ放しもムカつくぜ、チャンスさえあれば俺の武器『闇の探剣』を【怪力】を用いてブン投げてやる!倒せるとは思っちゃいねえが、少しでもペースを乱す事を目標にするぜ。



「くく、ポンコツどものボスのお出ましだ」
 シェイド・レーム(ナイトハンター・f13612)は仲間の不在から分断されたことを悟ると、自分の事を探知しているであろう銀河皇帝を煽りながら感覚を研ぎ澄まし、銀河皇帝のサイキックエナジーを防ぎ中和する呪言を唱える。
 ほんのわずかでも銀河皇帝の超能力に対し効力を発揮すれば躱し、自らのユーベルコードを発動するまでの時間を稼ぐ、それがシェイドの狙いであった。
「どうした、スカしてねえで僕は戦線を突破されて怒ってますって言えよ、ヒャハハハ――」
 シェイドは煽りながらも銀河皇帝が自分に狙いを定めたことを察知した瞬間飛び退き……現れた銀河皇帝のユーベルコードが自らへ影響を及ぼすまでのわずかな時間にその視界から辛うじて逃れる事が出来た。
「世界を賭けた殺し合いだ! 行くぜ!!」
 そのままシェイドは煽り続けながら自らユーベルコードを発動させると、彼の意識に投影された映像は銀河皇帝の視界に入った瞬間念波に押し負け、自らの喉を短剣で掻き切る自らの姿。
(一体どんな方法でやってるが知らねえが、俺を操って自殺でもさせる気か? 趣味悪いぜ)
 シェイドは悪態をつきながら眼力で支配しようとする銀河皇帝の視界へ入らぬ様に回り込み、反撃の機会を狙い続ける。相手はこちらを見て支配しようとするだろう。背後から攻撃するにも銀河皇帝の背後には生命維持装置が心臓や頭を保護するように存在している。
 ならば大胆に攻めるしかあるまい、シェイドは闇の短剣を握りしめると、逃げる事をやめ、敢えて銀河皇帝の前へと躍り出る。見られる前にぶん投げてしまえば、後は物理法則によって突き進むのみだ。
「そのキモイ目がムカつくんだよ!」
 力強く投げられたシェイドの短剣は手から離れる寸前、銀河皇帝の視界に入り、意志を支配されたシェイド自身の手によって大きく方向を逸らされることとなる。だが、幸か不幸か、その刃は銀河皇帝の右目へと直進し、命中。
「貴様……!」
 思わず右目を抑え、滝の様にあふれ出す血を食い止める銀河皇帝をあざ笑うシェイド。銀河最強を自称するこのポンコツの親玉の自信をへし折り、ペースをかき乱してやったのだ、これ以上にスカッとする事などそうそうあるまい。
 たとえ見開かれた銀河皇帝の左目に体の意志を縛られ、戦闘不能にされるのを待つだけのこの状況であってもシェイドは笑いが止まらなかった。
「右目を潰してやっただけでこのザマだ、次は左目か?」
「図に乗るな……小僧!」
 銀河皇帝は短剣を引き抜くと、表情は氷の板の様に強張りつつも荒々しくシェイドへと投げ返す。そしてその刃先がシェイドに当たったことを確認する事なく、銀河皇帝は他の分断された猟兵達の元へと向かうのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​


 幾多の猟兵達が銀河皇帝に挑み、倒れていく。だが、猟兵達は確実にそのサイキックエナジーを、そしてその生命力を削っていく。
「……我一人ある限り……銀河帝国は不滅……!」
 銀河皇帝は無限にも等しいそのサイキックエナジーを走らせ、傷ついた右目と左の脇腹の痛みを消し去ると『マインド』を起動し侵入者の背後より次々と襲い掛かる――!
コロッサス・ロードス
●奇襲
物音にも注意し、直撃回避の為に後背は大盾[不退転]を背負い『盾受け』、前方は常に抜剣して『武器受け』で対応、『オーラ防御』で補助

●捨て身
マインドとの挟撃に注意
皇帝を挑発で『おびき寄せ』る

「人形の後ろに隠れるとは……銀河皇帝を僭称する輩は余程俺が怖いと見える。それとも貴様の力は味方は滅せても、敵は殺せぬ鈍らか?」

成功時は皇帝の動きを素早く『見切り』、『カウンター』の為に相討ち『覚悟』で懐に飛び込み『捨て身の一撃』を放つ

●捨て身・真
攻撃の成否問わず瀕死になるまで戦い、必ずや【Colossus of Rhodes】発動
皇帝に一矢報いる

「元より戦力差は承知の上、この命を惜しんでは勝機も無し…!」



「ぬ……!」
 ロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)の意識の外より襲い掛かるは銀河皇帝が操る人型兵器『マインド』の奇襲。だが、その無慈悲な一撃はコロッサスが不退転の覚悟で背負っていた大盾とコロッサス自身の闘気によって妨げられ、深い傷には至らなかった。
 コロッサスは攻撃を受け身を翻すと抜剣していた剛剣を構え、銀河皇帝の操るマインドを見据える。
「人形……」
 そのまま襲い掛かるマインドの攻撃をその怪力で支えた剣で受け止め、その主たる銀河皇帝を見据えるもその姿は彼の視界には映らない。
 ならばおびき寄せてやろうではないか。コロッサスはマインドの攻撃を押し返すと前方に向かって、高らかに呼びかける。
「人形の後ろに隠れるとは……銀河皇帝を僭称する輩は余程俺が怖いと見える。それとも貴様の力は味方は滅せても、敵は殺せぬ鈍らか?」
 そして、その挑発を言いきらぬうちに咄嗟に跳躍し――背後からつめ寄る銀河皇帝の腕を華麗に翻しつつ背後に回り込み……捨て身の反撃。
「ほう……我の攻撃を防ぎきるか」
 銀河皇帝は咄嗟にコロッサスの攻撃をサイキックエナジーで防御すると、褒めたたえてやろうとばかりにコロッサスを見据え――今度はマインドと共に正面より迫り来る。
 コロッサスはその圧倒的オーラと暴力にも屈せず、吠えるとマインドの攻撃を敢えてその身に受けつつ、銀河皇帝の懐へ剣を勢いよく叩き込み返す。
「愚かな……自ら命を捨てるとは」
「元より戦力差は承知の上、この命を惜しんでは勝機も無し……!」
 銀河皇帝は自らの胸元に付いた傷を思慮する事もなく、マインドの傷を深く受け、今にも倒れそうな身のコロッサスへ哀れみの言葉を投げかける。そしてコロッサスへトドメを刺すべくその両腕を振り上げた瞬間――コロッサスのその肉体から巨大な闘気が噴出した!
「我が血と魂魄を以て……古き御力の一つ、今この地に来臨す」
 闘気は形を作りそれは巨大で無骨な剣を持つ太古の巨像として具現化すると、銀河皇帝の懐へと忍び込み、マインドごとその剣圧で吹き飛ばす。
「ごはっ……!」
 その剣はコロッサスが銀河皇帝へと付けた胸元の傷を更に深くえぐり……銀河皇帝は血を吐きながらワープドライブを作動し、その場から退散した。
「……逃げられたか……それも止む無し……」
 銀河皇帝ほどの男ならばこの傷であっても致命傷とはなることはないだろう。自分のすべき事はこれで終わった。だがコロッサスは強者相手に為すべきことをした事に強い満足感を抱く。後は仲間達がその野望を打ち砕いてくれるだろう。
 コロッサスはその表情に笑みを浮かべると意識を失い、インペリウムの床へと倒れ込むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイ・エイド
転移前に【気付け水薬】をカプセルに入れ
口ん中で噛まねえように咥えとく!

洗脳電波が来たら抗おうと
歯ァ食い縛ってカプセルを砕くぜ!
一瞬でも正気に戻ったら
すぐに【腐れ人狼】を発動させる!

オレはなァ…あの人をぶん殴るまで!
この力にも…アンタにも負けねェ
生き続けなきゃいけねェんだよォ!!

人狼病にも絶対に負けねェ不屈の精神で
耐え切ってみせる!

耐えたはいいが、流血が止まらねぇ
時間はねぇな…
レガリアスシューズの大気を圧縮して
駆動力に変える仕組みにウイルスを
流し込んでさらにスピードを上げる!

感覚を研ぎ澄まし
敵の位置に気付いたら
師匠から教わったこの体術で
必ずお前に効果的な毒を食らわせてやる!!

連携、アドリブお任せ



 満身創痍となってもなお銀河皇帝のその驚異的なサイキックエナジーは健在で、猟兵達が油断したその瞬間に襲い掛かる。
 銀河皇帝は人狼の男――アイ・エイド(腐れ人狼・f10621)を隠し通路からその視界に捉えると、洗脳念波によってその精神を捕らえ……支配する。
 そしてアイの心身の支配が済んだことを確認すると、腕にサイキックエナジーを込め瞬時に急所へと近寄りトドメを刺そうとする――が。
「甘ェんだよ!」
 銀河皇帝の一撃がアイの傷を深くえぐり、完全に戦闘不能にするその前にアイの右手に刻印が走り、裏拳が銀河皇帝の顔へと炸裂した!
「!」
 それを咄嗟に防ぎ、アイと距離を取る銀河皇帝。銀河皇帝はアイが何かを噛みしめ、口から血を流している事に気付き、その表情から冷静に自らの技を打ち破った物を推測する。
「気付け、か」
 その言葉にアイは歯を見せ笑うとさらに自身に眠る腐れ狼の因子を発現させ、銀河皇帝へと殴り掛かる。
「オレはなァ…あの人をぶん殴るまで! この力にも…アンタにも負けねェ! 生き続けなきゃいけねェんだよォ!!」
 銀河皇帝はとっさにワープドライブを発動し、その拳が炸裂する前にアイから一度身を引き、気付け薬が無くなった今再びその意識を支配しようと試みる……だが、アオイの研ぎ澄まされた感覚が、銀河皇帝の位置を把握する方が先だった。
「そこだァ!」
 アイはその方向へと的確に振り返るとレガリアスシューズの一撃を銀河皇帝へと叩き込み、師匠直伝の体術を駆使しその手に持った毒をさらに打ち込んだ。
「……っ!」
 その毒は胸元についていた傷へと染み込むと銀河皇帝はよろめき――負傷していた部位から一気に血が噴き出す。
「この、毒は……」
 それは意識を混濁させる、対サイキッカー用の痺れ毒。その毒により銀河皇帝の意識は混濁し、減衰したサイキックエナジーは今までの交戦で負傷した部位の出血を抑えきることが出来なくなったのだ。
「ぼーっとしてきたろ! 洗脳電波のお前にはァ……効果的だぜ……」
「……ぐっ……」
 銀河皇帝は再び立ち上がると、今度こそアイの元からワープドライブにより離脱する。流血と狼の因子により意識が混濁する中、アイは勝ち誇ったように銀河皇帝が居たその場所を眺め続けていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

暗黒騎士・アングラング
【エクリプス作戦】
なんと強大で、神々しく、美しい…間違いなく、銀河最強のサイキックパワーの持ち主は貴君だ。
だが、だからこそ、わかるまい。落ちこぼれて別の世界に力を求めたものの想いも、技も。

「未来の私」を切りつけた黒剣によって[生命力吸収]。未来の私から吸収したサイキックパワーで、真の姿が纏う暗黒のオーラを「帝国旗艦」すべてに展開する。そして貴様の黄金のオーラを抑え込み、銀河最強のUC、ワープドライブを封じ込める。
この力は私が帝国から逃げ、ダークセイヴァーで身につけた。あの時と同じことを告げよう。

「まだ終わりではない!」

マインドの対策などしている余裕はない。仲間たちに、すべて任せた!


才堂・紅葉
【エクリプス作戦】
アングラング(f08676)さんの作戦に乗ります。
銀河皇帝は無策で挑むには強過ぎます。

絶対の先制攻撃に対し、UCの【蒸気王】を操縦して対応します。
銀河最強の攻撃力相手では、いかに堅牢な蒸気王の装甲でも持ちません。せめて転移が無ければ……。
戦闘知識に見切り、野生の勘をもって耐えます。そして、援護射撃と庇うで我等が黒騎士には指一本触れさせません。機体の大破を覚悟で絶対に守ります。

黒騎士の策が成った時が勝機。
生身にて忍び足で近接し、一息にジャンプしグラップルと怪力の飛び関節技のマヒ攻撃で動きを封じ、二回攻撃で蒸気王の最後の力、渾身の鉄拳を叩き込みます。
「打ち砕きなさい、蒸気王!!」


ニィ・ハンブルビー
【エクリプス作戦】!なんかカッコいい響き!
アングラング(f08676)の作戦、ボクも乗らせてもらうよ!

とりあえず、要のアングラングを全力で防御だね!
アングラングを対象に、【絆と誓いの魔法】を発動!
ボク自身の意思じゃ動けなくなるけど、
自動的にアングラングを守るようになる!
この身が砕けるまで…いや!この身が砕けても!攻撃は通さない!

敵の初手に間に合わない場合は、
『ビームシールド』と『ナノマシンアーマー』を起動!
背中の『ウェポンエンジン』で自分を【吹き飛ばし】て、
アングラングを【かばう】よう敵の射線に割り込むよ!

発動しちゃえばこっちの物だー!
アングラング!紅葉!後は好き放題暴れていいよ!



 銀河皇帝にとって容赦という考えはない。例え赤子であろうとも、傷つきほとんど戦闘能力のない者であろうとも、その命を奪うまでそのサイキックエナジーを止める事はない。
「まだ立ち上がるか」
 銀河皇帝の瞳に見えたのは、立ち上がり必死に何かを始めようとするアングラングの姿。
 あの男は今、自らのサイキックエナジーが疲労によって弱った今、剣を手に何かを始めようとしている。
 銀河皇帝はアングラングの目の前へとわざと転移すると、アングラングが意識を奪われた隙に背後へと転移させたマインドにより止めを刺そうとする。
「銀河皇帝……!」
「言ったはずだ……何人たりとも我が存在をゆがめる事は出来ぬと。宇宙の果てで眠るが良い――」
 硬直するアングラング、その隙にマインドの一撃がアングラングの無防備な背中へ目掛けて殴り掛かる。全てが銀河皇帝の思い通りになろうとしていたその時――
「そうはさせないよー!」
 ニィ・ハンブルビー(怪力フェアリー・f04621)が銀河皇帝の視界の外より飛び掛かり、マインドの攻撃をあえて身に受けたのだ!
「何……!?」
「この身が砕けるまで……いや! この身が砕けても! 攻撃は通さない!」
 吹き飛ばされたニィはその姿を変え、宙を舞う盾へと姿を変えるとアングラングの姿を護るように浮遊する。銀河皇帝はアングラングを睨みつけると、ニィの防御壁を打ち破るように挟み撃ちの攻撃を仕掛ける。
 だが。
「蒸気王!」
 それもまた、才堂・紅葉(お嬢・f08859)と彼女の操る蒸気機関のゴーレムによって食い止められてしまい。
「我等が黒騎士には指一本触れさせません」
「無駄だ、何をしようとも」
 ニィはマインドを、紅葉は銀河皇帝を食い止め、その強大な力を封じ込める形となってしまう。
「アングラング! 今だよ!」
 その好機を逃がすまいとニィの言葉に応じてアングラングが黒剣を構え直すと、彼から黒い嵐のようなものが吹き荒れ、インペリウム中を暗い闇で満たしていく――辺りを見渡し、周囲を見遣り。銀河皇帝は悟った。
「まさか、我のユーベルコードが!」
 アングラングと名乗るこの暗黒騎士は銀河帝国最強であるこの自らの力を――『ワープドライブ』を封じ込めたのだと。
「なんと強大で、神々しく、美しい……間違いなく、銀河最強のサイキックパワーの持ち主は貴君だ」
「……これは……貴様にその様な力など……!」
 汗一つ流さず、ただ事実だけを述べる皇帝に対し、アングラングは語る。
「確かに今の私にその様な力はない……だが、私の黒剣は斬りつけた『未来の私』の生命力を確かに吸っていたのだ……その力が貴君のワープドライブを封じ込めた!」
「銀河皇帝、先ほどあなたが未来の黒騎士を操って付けた傷ですよ!」
 動揺により気が緩んだのか、紅葉は蒸気王を操り銀河皇帝を押し返すと、生身で飛び掛かり、その四肢を拘束する。
「もう逃がしません。打ち砕きなさい、蒸気王!!」
 蒸気王から大量の蒸気が噴き出し、大きく振りかぶって銀河皇帝のその体を貫こうと最大出力で動き出す。銀河皇帝は最後のあがきとマインドを駆使し蒸気王を打ち砕こうとするも、それも蒸気王を護るように纏わりついたニィに妨げられ――。

「……ぐおお……!!!!」
 蒸気王の全身全霊を込めた渾身の鉄拳は、銀河皇帝の胸部にぶつかり――貫通した。

「やったの?!」
「はい、確実に入りました!」
 マインドが動作を停止し崩れ落ちたと同時にニィは変身を解除し、紅葉の元に駆けつける。紅葉は自分の胸部まで貫通されてないことを確認し、安堵のため息をつくと、崩れ落ちる銀河皇帝の方をみおろした。
「何故だ……我が……力が……このような男に……」
 虚ろな目で呟く銀河皇帝の元に、闇のオーラを解除したアングラングがゆっくりと歩み寄る。
「わかるまい。落ちこぼれて別の世界に力を求めたものの想いも、技も」
 銀河皇帝は血を吐くと完全に倒れ込み、動きを停止する。次第に薄れだした銀河皇帝に対し、ニィが別れの言葉を投げかける。
「もう二度と出てこないでよね!」
「愚かな……」
 それに対し、銀河皇帝は憐れむようにニィへ最期の言葉を言い残し、ゆっくりと消えていった。
「我一人がいる場所、それこそが銀河帝国なのだ。我ある限り……銀河帝国は不滅……」
 遺されたのは静寂。銀河皇帝の兵器たるマインドもまた次第に姿が薄れ、形を喪い――完全に消滅した時。そこに残っていた物は粉々になった彼の生命維持装置の残骸であった。

●終わりなき戦争
 銀河皇帝との交戦によってついた傷を癒しながら、猟兵達はインペリウムから徐々に離脱する。
 一度滅びた過去であるオブリビオンは、一度や二度の死で消滅する事は無い。銀河皇帝が骸の海へと放逐されるにはまだ数が足りないのだ。
 だが失われた過去を繋ぎとめている鎖は、確実に一つ外された。今はそれでいい。確実な一歩を踏み出す事こそが、この不毛な戦争を終わらせるための大切な道しるべなのだ。
 ともかく、新たな皇帝が現れる可能性が少しでもある以上ここにとどまり続けるのは危険が伴う――猟兵達はそう確信するとグリモアベースに戻り、次の指示を仰ぎにいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月23日


挿絵イラスト