【妬鬼姫戦線A1】第4話 月詠と妬鬼姫邂逅
誰もいない、皇居の奥にある洞窟から、パイプをくゆらせ、一人の女性が姿を現した。
「さて、そろそろ行くとしようか」
真紅の髪をなびかせ、赤い瞳を瞬かせる。その頭には、人ではないことを示す、鬼の角が二本。
「それに……アレの気配も感じるな……」
次に手にしたのは、巨大な鉈。無骨ではあるが、一度当たれば無事では済まないだろう。
「まあ、なんにせよ、宴の準備は整った。予想に反して、死人が多く作れたからのう」
わらわらと無限に湧き出るほどのゾンビ達。腐敗が進んでいるものの、今までのものよりも、力と体力が強化されている。
「待っておれ、人間共よ……」
そういって、女の鬼……いや、妬鬼姫は、迎賓館へと先へ進むのであった。
「皆様、とうとう妬鬼姫が動き出しましたわ」
響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)は、真剣な眼差しで、今回の事件のあらましを述べていく。
「妬鬼姫が狙うのは、皆様の拠点でもある迎賓館となります。今は、桜塚特務部隊のお陰で、ゾンビの出現を抑制していますが……今回はその前哨戦となりますね。恐らくそのときに妬鬼姫も姿を現します」
また、今までのゾンビとは比べ物にならないくらい、強化されているらしい。
「ですが、猟兵の皆さんにとっては、普段の、ちょっと強い集団敵と思ってくださって問題ないかと思います。ただ、その量が半端ないんですが……広範囲に一気に倒せる力があると、より戦いやすくなると思いますわ」
その所為か、迎賓館内部は少々人々が不安になっているらしい。
「迎賓館で活動する方は、人々のケアと万が一に備えて、準備をしておく……感じになるかと思いますわ」
それと……と、リズは付け加える。
「桜塚特務部隊より、帝名義で、月詠の捜索依頼を出したとの報告が届いています。ただ、神社にあることは分かっているのですが、その正確な場所に関しては、不明なままだそうです。神主とは連絡が取れないので……もしかしたら、その神社の神主は……」
リズは少し悲しげな表情を浮かべながらも、話を続ける。
「恐らく神社には、ゾンビが潜んでいるでしょう。そちらにも気を付けて充分に探索してくださいませ」
ゾンビの危険性を示唆して、リズはまだ続けた。
「英雄の海斗様とキヨ様の話によると、恐らく次回あたり、妬鬼姫との決戦となるのではと聞いていますわ。それまでに、試したいこと、やりたいこと、やるべきことを今のうちに済ませておくのも良いかもしれません。しっかり事前準備をお願いしますわ」
そういって、リズは過去の帝都への道を開いたのだった。
柚葵チハヤ
どうも、こんにちは。柚葵です。前回よりも少し間が空いてしまいましたが、ようやく、妬鬼姫戦線の続きをお届けできました。
今回は、決戦の前哨戦ですね。ここで失敗してしまうとちょっと面倒なことになりますので、しっかりと対策をお願いします。
今回、参加できるのは【コンバート】【猟兵】のみとなります。他の方も参加できなくもないですが……英雄の条件が満たされないので、避けた方が良いかと思います。ご了承ください。
あ、それと、場合によっては、今回、ある条件がクリアされる可能性があります。
新たな力を得るきっかけにぜひどうぞ!
今回もまた、指針を用意しました。番号だけでOKですので、どちらに向かうか記載をお願いします。
(1)ゾンビ襲撃戦!
妬鬼姫が強化ゾンビと共に、迎賓館周辺にやってきます。
ここを落とされると桜塚特務部隊がヤバい状況になってしまうので、しっかり押し返してください。
妬鬼姫と戦えますが……まだ、討伐に必要なものがすべてそろっていません。一つだけでは、すぐに復活しちゃいますので、ご注意ください。
重造、涼介はこちらに参加予定ですが、状況によっては、海斗も参戦します。
(2)迎賓館で活動。
今回は上記状況に備えるべく、円滑に避難できるよう準備したり、不安がっている人々を勇気づけたりする流れとなります。
ここには、晴美、桜子、キヨがいます。また、桜塚特務部隊の本部には、グラウェルとカレンがいます。
(3)月詠捜索部隊!
月詠が収められているであろう、神社に行って、確保することになります。
ただ、神社にあることは確定していますが、詳しい場所に関しては、分かっていません。それも踏まえて、確保できるよう準備をお願いしますね。
(4)それ以外の活動を。
何か試したいこと、上記以外の準備がしたい方は、こちらで自由に活動していただければと思います。他の選択肢より自由度は増していますが、内容が伴わないと、若干、失敗の可能性が生まれてしまいますので、ご注意を。
それと、NPCの動向は上記に記載されていますが、「何もなければこうする」という形となります。プレイング内容によりますが、他の選択肢に誘うことも不可能ではありません。試したい方は試してみて下さい。
また、複数で参加する方は、お相手の名前やID、グループ名もお忘れなく。
皆さんの熱いプレイング、お待ちしていますね。
第1章 日常
『プレイング』
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POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アルフィナーシャ・ミェーチ
(1)
アルフィンレーヌ・ティタンルミエールとともに行動。
「いざというときは、わたくしがアルフィンレーヌ様をお守りいたしますの。騎士の務めですの」
「ここでは、フレイアとよんでくださまし」
ユーベルコードで一点突破。戦闘馬『ラスターシア』を駆り、一気に駆け抜ける。妬鬼姫と桜塚特務部隊が対峙しないよう、深入りしないように部隊員に通達。自分たちは妬鬼姫に切り込む。現時点で倒せないのはわかっている。目的は足止め。こちらの相手をしている間は、他の行動には移れないだろうと踏んでのことである。前の歴史でどのような攻撃を繰り出してきたか
、思い出しながら戦う。あの頃の自分と比べ、どの程度腕を上げたのか、試金石になる
アルフィンレーヌ・ティタンルミエール
(1)
アルフィナーシャ・ミェーチとともに行動。
「ブッブー。不正解よ。アーシャさんを守るのはわたしの役目です。こう見えても、神様なので」
アルフィナーシャとともに一点突破で妬鬼姫に迫る。
「あらら〜かわいいお馬ちゃんね。でも、わたしのスピードについてこられるかしら?」
「あなたが妬鬼姫さんですか。駄目な方向にいってしまった、鬼子母神ってところかしらねぇ」
特定の神器なしに倒せないことは情報として知らされているので、倒すことは考えず、最終決戦に備えて、相手の力や能力を見極めるように戦う。
「残念ながら、神も完全無欠というわけではのないのよね。無理なものは無理。そもそも、わたしの権能はどっちかというと創る系」
◆妬鬼姫・ファーストコンタクト
目の前には、溢れんばかりのゾンビ達が迫ってきていた。
恐らく、前回対峙したときよりも、その数は多く感じられる。
「いざというときは、わたくしがアルフィンレーヌ様をお守りいたしますの。騎士の務めですの」
そう告げるのは、アルフィナーシャ・ミェーチ(美徳令嬢・f39600)だ。戦闘用に調教された白毛の牝馬、戦闘馬『ラスターシア』の背に跨り、その手には、愛用のミェーチ式銃剣を携えている。
「ブッブー。不正解よ。アーシャさんを守るのはわたしの役目です。こう見えても、神様なので」
そう、えっへんと胸を張るのは、アルフィンレーヌ・ティタンルミエール(ユルティムママン・f28065)。その言葉通り、アルフィンレーヌは、神である。
「ここでは、フレイアと呼んでくださいまし」
「あら、そうだったかしら? わかったわ、フレイアさん」
負けたわと両手を振って、降参のポーズを出しながら、アルフィンレーヌは、自分のマントを翻すと、愛用の両手槌である神代兵器『ユミルのうでまくら』をその手に宿す。
「ここはわたくし達が先陣を斬っていきますわ。特務部隊の皆様は、わたくし達が打ち漏らしたゾンビの対応をお願いいたしますわね」
「で、ですが……」
幼い姿の二人を見て、特務部隊の隊員達はそれでいいのかと戸惑っているようではあるが、彼らを今はまだ倒せない強力な相手である妬鬼姫に遭遇させては、かなり危険なことになるだろう。
「では、わたくし達の戦い振りを見て、判断してくださいませ」
そうアルフィナーシャが言うより先に、ゾンビ達が襲ってきた。
「では……行きますわよ!!」
愛馬と共に、アルフィナーシャは|西比利亜超特急《シベリアエクスプリエース》を発動。ミェーチ式銃剣から、長い距離で直線上に雹嵐を放出し、一気にゾンビを薙ぎ払って見せたのだ。その切り開いた道を愛馬と共に駆けていく。
「あらら~かわいいお馬ちゃんね。でも、わたしのスピードについてこられるかしら?」
アルフィンレーヌもまた。
「そは生命のきらめき。そは魂のささやき。星の光よ、われを目覚めさせよ! この身に宿りし、いにしえの神の血を!」
リュミエール・デ・エトワールを発動させ、全身をやわらかな星の光で覆い、自身の戦闘力増強と飛翔能力を得て、先に走るアルフィナーシャの後を追いかけていく。もちろん、ゾンビ達をその両手槌で薙ぎ払いながらだ。
「あの二人……本当に強い……」
自分達の力の及ばない強さに、隊員達は二人の言い残した言葉に従い、打ち漏らしたゾンビ達を迎撃していくのであった。
「……ほう。妾の死人達を蹴散らしてくるとは……難儀よのう」
そんな勢いの二人だからこそ、妬鬼姫との接触も早かった。
「妾と遊んでくれるのかえ? もっとも、妾を倒せるとは思わなんだが」
「わたくしも倒せるとは思っていませんわ。ですが!」
言うより先にもう一度、直線上に、妬鬼姫へと雹嵐を放ったのだ。
「足止めくらいはさせていただきますのっ!!」
「くっ……良い嵐を持ってるようじゃの?」
そういう妬鬼姫に別方向から両手槌を打ち落とす者がいる。アルフィンレーヌだ。
「はっ!! ……危うい所じゃった!」
直撃かと思ったのだが……妬鬼姫の腕を掠めることしかできなかった。
けれど、その掠めた腕は、血に染まっているようだ。
「あなたが妬鬼姫さんですか。駄目な方向にいってしまった、鬼子母神ってところかしらねぇ」
「何が言いたい、小娘め」
「そうね……」
何度も両手槌を振り下ろすが、先ほどよりも当たらない。もちろん、アルフィナーシャも雹嵐を放っているのだが、それでも当てることはできなかった。やはり、神器かあの刀のうちの一つかがないと、致命傷を与えることができないようだ。
だが……考えてもみれば、前回は神通力と神器があって、初めて戦うことが出来た。
それに比べて、強化された神通力のお陰か、それとも今までのゾンビとの戦いがそうさせてくれたのか、神器がなくとも、足止めくらいならば、何とかなっている。
「これは……良いことと捉えるべきでしょうか」
どちらにせよ、妬鬼姫を倒すには、あの刀と神器が必要だ。
「ふふふ、まだ続けるのか、小娘達」
「ええ」
「戦いますわ!」
妬鬼姫が引くまで、二人はなおも果敢に戦い続けるのであった。
※称号「守り合う絆」を獲得しました。後ほど、獲得リストをご確認ください。
大成功
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ベスティア・ジェヴォーダン
(4)帝に草薙の剣を借りる
妬鬼姫を迎撃するために草薙の剣があれば百人力だ。
「たのもー!」
帝のところに行き、八尺瓊勾玉と皇后の日記と引き換えに草薙を貸してくれるように頼む。
日記は知識だけでなく母の思い出でもあり、帝の心の支えになるのではないか。
また、一度妬鬼姫を倒しているにもかかわらず、リフレインにあることを告げ、真の解決のために妬鬼姫やその背後、リフレインについて教えて欲しいとお願いする。
神器や神剣の使用法など前回の妬鬼姫退治のときに何か足りなかったのかもしれない。国を守護する帝であれば何か知っているのではないか。
草薙を借りることができてもできなくても、迎賓館に急いで戻り、全力で戦いに参加。
◆帝と思い出の日記
妬鬼姫を迎撃するために、草薙の剣があれば百人力だと、ベスティア・ジェヴォーダン(ふぁいとでーの勝者?・f39599)は考えた。
だからこそ、今、彼女は……帝のいる帝国ホテルにやってきていた。
エレベーターで向かえる階まで登り、後は自力で最上階で踏破。
「たのもー!」
ずばーんと、帝のいる部屋の扉を開いた。壊さなかった分、ベスティアは成長している……はず。
「貴様、何奴!?」
帝の侍従がサーベルに手をかけ、声をかけると。
「ベス、これを持ってきた! 緊急事態だから、草薙の剣、貸してほしい」
「なんだと!?」
ベスが取り出したのは、先日、皇居で見つけた八尺瓊勾玉と皇后の日記だ。
「それは……母上の……」
帝はすぐさまベスの側に行き、その日記を受け取った。帝はすぐさま中身を確かめる。
「陛下……」
「これは本物です。そして、その勾玉も本物です……持ってきてくださってありがとうございます」
涙を零しながら、日記を抱きしめて、帝は丁寧に頭を下げた。
「けれど……緊急事態とは? 詳しく話を聞かせていただけませんか?」
ソファーに座るよう指示しながら、帝はベスティアの話を聞く。
「ベス達、一度、妬鬼姫を倒した。けど、リフレインの影響でまた事件が繰り返されてる。ベスも詳しい話聞きたい」
たどたどしくも、ベスティアは今の状況を帝に説明した。その間も侍従達が嘘だとかデタラメだとか言ってきたが、帝はベスティアの言葉を静かに受け止めている様子。
「僕が……いえ、私が知っているのは、『妬鬼姫に対しては、全ての神器と二本の刀を持って事に当たれ』と父上から教えられています。以前は三本の刀だけで封印したため、復活するようなことがあれば、更に神器も加えて……と。ですが、リフレイン……と言いましたか? それは初めて聞く言葉です」
どうやら、帝は前回同様の言葉しか教えられていないようだ。
「とにかく、あの鬼が蘇ったのであれば、草薙の剣が必要なのはわかります。勾玉と日記を持ってきてくださった恩ある方に、報いるべきでしょう」
「で、ですが、陛下……」
言い淀む侍従に帝は告げる。
「あなた達にはできなかったことを、彼女はしてきたのです。それに、母上の日記も持ってきてくださいました。……それに嫌な予感がするのです。あなたも急いで戻らねばならないのでしょう? ならば、急ぎ草薙の剣を持ってきなさい」
その帝の言葉に、侍従は大人しく持ってきてくれた。
「帝、感謝する」
「いいえ、現地に行くことが出来ない私ができることは、これらを貸し出すだけの事。他にも必要なものがあれば、またここに来てください」
「わかった」
帝の手みずから、ベスティアは草薙の剣を受け取った。
「あなたの無事を祈っています」
「帝も元気でな!」
笑顔の帝に見送られ、ベスティアは草薙の剣を携えて、妬鬼姫と対峙している仲間の元へと急ぐのであった。
※アイテム「草薙の剣」を獲得しました。その引き換えに「八尺瓊勾玉」と「皇后の日記」がなくなりました。後程、獲得リストをご確認ください。
なお、妬鬼姫討伐には、八尺瓊勾玉も必要となりますので、ご注意ください。(現状では封印はできても討伐はできません)
大成功
🔵🔵🔵
役所・太助
2で医療・防衛を中心に準備
具体的には、この時代のグラヴェル(今グラ)と打ち合わせ、5年前のグラヴェル(昔グラ)が自分でワクチンを開発したような気になってくれる流れを作る。
そのため、昔グラと現地医療スタッフがそれとなくワクチンのアイデアを思いつくようなメモの作成を、今グラに依頼。
現地では【指揮経験】を発動し、2話・3話の取組をさらに推進
元々帝都で培ったツテで現地の医者達に助力を求め、ワクチン開発と前線・避難民医療の体制を構築
今グラメモを渡し開発推進
避難所内物資・労力を効率的に配分し
避難所の生活環境充実
物資の余剰と手伝い志願者を募り部隊の後方支援に貢献
※オーバーロード分で、取得済ユーベルコード「大局を見る目」の復活演出を希望
5年前の勝利で役割を終え消えたはずの神通力が
ふとした瞬間に発動(ユーベルコードとして選択していないのですが、フレーバー演出で採用下されば幸いです)
この神通力がまた必要になるのか…
激戦を予感し、今回もこの力で大切なものを守ることを誓う
長時間使用は視力を犠牲にするが覚悟の上
◆過去と未来の二人と、再び目覚めた力と
「たのもーでござるよっ!!」
そう声を掛けて、エンディカ達のいる時代のグラウェル氏のいる研究所を訪ねたのは、役所・太助(人間の公務員・f39613)。
「……珍しいですね。貴方がここに来るなんて」
「いらっしゃいませ、太助さん」
グラウェルだけでなく、カレンもいるようだ。
「あれ? カレン殿もいるのでござるか?」
確かカレンには、恋人がいたと思ったのだが……。
「二人で生活するにも、仕事は必要ですから。こうやって、グラウェルさんの手伝いをしているのです」
やってきた太助にお茶を出しながら、カレンはそう答えた。
「ああ、なるほど……」
「ところで、うちのグラウェルに用事、ですよね?」
「ああ、そうでござった!!」
ずずっとお茶をすすってから、太助は目の前のグラウェルに告げる。
「グラウェル殿、過去のグラウェル殿にゾンビの研究をよりよく進められるようなメモとか、作ってほしいのでござるよ」
「えっ……研究がよりよく進められそうな資料……ですか?」
太助の言葉に、グラウェルの顔は暗い。
「あー、グラウェルさん、それ、私が作りましょうか? グラウェルさん、研究のことはかなり得意なんですが、それ以外のことは本当にダメなんですよね……」
「えっ……そうでござるか?」
「うう、面目ないです……」
というわけで、カレンの作成した資料を手に、太助は今度は、過去のリフレインしている世界へと向かったのだった。
その後も太助は、せっせと働いていく。
まずは、カレンが作ってくれた書類を過去のグラウェルに手渡し、研究の促進を促していく。
それだけではない。
「そっちの食べ物は、やわらかくて食べやすいものでござるから、老人や子供達優先で配布をお願いするでござるよ」
迎賓館に届けられていく物資を効率的に、人々へと手渡していく。
また、人々が寝る所には、外部から得た畳を敷いたり、ふかふかのふとんを敷いたりして、避難所の環境をより良くしていく。
「ありがとうね、太助さん」
避難所の人達にそう感謝されて、太助は照れるやらむず痒いやら。
「あっと、他にも物資が届いていたので、持ってくるでござるよ!」
そそくさとその場を後にして、太助は更なる物資を分配すべく、物資倉庫の方へと向かう……その途中だった。
――ズキリッ!!
「痛っ!?」
この痛み、太助は良く知っている痛みでもあった。
その太助の両目を燃やすような熱く滾るような、鋭い痛み。
「この……痛みは、まさか……」
目を抑えながら、太助は5年前の、事件のことを思い出していた。
なぜなら、そのときに発現した神通力と同じ痛みだったのだ。
視界がぶれて、あのときの同じ力が発動しかけている……。
「この神通力が、また必要になるのでござるか……?」
いや、必要になるのだろう。だからこそ、この力が再び目覚めたのだから。
しかし、この力は強力過ぎる力の為、使用した自身の視力までも奪う力だった。
今回も同じ力……なのだろうか?
「どちらにせよ、このことはふわには内密に、でござるな」
なにより、心配させたくない。
視力がなくなったとき、悲しんだのは、今の妻であるふわなのだから。
「けれどこれで……いざという時には、なんとかできるでござる」
あのときと同じ……いや、それ以上になるかもしれない、厳しい決戦を前に太助は、改めて身を引き締めるのであった。
※称号「再び目覚めし力と」を獲得しました。後ほど獲得リストをご確認ください。
大成功
🔵🔵🔵
狐々愛・アイ
月詠の確保の依頼(I0032)を受けていますので、事前の情報提供をお願いします。
脇差しとは伺っておりますが、他に刃渡りや意匠、特徴……どんなものでも構いません。
それと、連絡の途絶えた神主様の情報も。ご存命なら、お助けすれば月詠の在処を伺えるでしょう。
全て|電脳《あたま》に叩き込んでから神社へ向かい、月詠と神主様の捜索を始めます。
迎賓館のことは気にかかりますが……涼介さんがいれば、きっと大丈夫。ぼくの分まで、皆さんを頼みます。
さて、月詠の在処に関する手がかりは殆ど無い状態です。
貴重なものを保管するに相応しい、最も厳重な場所といえば……やはり、本殿でしょうか。罰当たりかもしれませんが、中を覗かせて頂きましょう。
既にゾンビ達に持ち去られている可能性も考え、彼らの持ち物にも気を配ります。
武器には小型のアサルトライフル(I0010)を使用、特務部隊の装備としては自然でしょう。
弾の節約兼、生存者の方に見られることに備えて『L.O.V.E.Lock』で射撃を行います……ぼくが、あなた達を愛しますから。
国護・拓哉
(3)
神社にて月詠の捜索?任務了解。
なんて言ったのは良いけど、神社って初めて行くし、神主さんが生きてて、護れたら月詠の事以外にも色々聞けそう?
ゾンビも居るらしいし、気配に気を配って散策しよう。
急がず、焦らず、何かに会えば聞く事は1つ。
月詠の場所、知ってる?知らないなら、此処は危ないからどっか行ってて?
知りたい事を知らないなら、いらない。
ゾンビはお土産にもならないから、斬り捨てる。
神主さんが敵になってたら、ユーベルコードで正気に戻せないか試して見て、ダメなら仕留める。
弔うついでに身体を探らせて貰って、月詠に繋がる物があれば幸運。
深く考えるのは大人の任務だし、興味もあんまり無いから、任務が最優先。
◆月詠を探して
「神社にて月詠の捜索? 任務了解」
と、格好よく言って現地にやってきた国護・拓哉(居眠り学生(仮)・f40174)。……だったのだが。
「なんて言ったのは良いけど、神社って初めて行くし、神主さんが生きてて、護れたら……月詠の事以外にも色々聞けそう?」
ゾンビもいるらしいということも聞いているので、十分気を付けながら、幼いながらも、神社での探索を進めていく。
と、前方に人がいるのを見つけた。
「もしかして、神主さん!? すみませーんっ!!」
彼はまだ知らない。自分以外の猟兵がこの地に来ているとは……。
時間は少し遡る。
「脇差しとは伺っておりますが、他に刃渡りや意匠、特徴……どんなものでも構いません。それと、連絡の途絶えた神主様の情報も。ご存命なら、お助けすれば月詠の在処を伺えるでしょう」
そういって、神社に向かう前に、帝の元へ情報を得ようとやってきたのは、狐々愛・アイ(愛は優しさ、愛は力・f36751)。
迎賓館のことは気にかかるが……涼介がいれば、きっと大丈夫と、後ろ髪惹かれる想いで、ここに来ていた。
「正直僕も……いえ、私も良く知らないんです。まず、月詠の形状ですが……脇差しを持っている従者がいるので、彼女に見せてもらってください。大体の大きさがわかると思います。それと話によると月詠の柄には、三日月の意匠が刻まれているそうです。それと神主についてですが……」
帝の話によると、どうやら、神主は男性だそうだ。彼には家族があり一人娘もいるらしい。
「苗字は小森というそうです。どんな顔をしているか……今回の事件の混乱で、それもよくわからないそうです。けれど、みればすぐに分かるかと……」
それだけの情報をその|電脳《あたま》に刻んで、アイは神社へと向かった。
「……やはり、ゾンビがいますね」
襲ってくるゾンビを小型のアサルトライフル……と、|L.O.V.E.Lock《ラブロック》を使って、即座に殲滅。その力であれば、弾の節約にもなるし、傍から見ても問題ない攻撃に見える。
と、そのときだった。
「もしかして、神主さん!? すみませーんっ!!」
アイに拓哉が声をかけたのは。
「なんだ、一緒に探索してる仲間か」
「はいそうですよ。それにしても可愛らしい方とご一緒できるなんて、とっても嬉しいです」
にこやかにアイに微笑まれて、なんだか拓哉、恥ずかしくなる。
「で、神主とか見つかったの?」
「いえ、まだゾンビしか会って……あれは!!」
と、前方に神主らしき人影を見つけた。二人は即座に頷くと、すぐそちらに駆けだして……。
「……やはり、ゾンビになってしまっていますね」
「それなら、俺に任せて!」
霊力を籠めた退魔刀による一撃で、肉体を傷つけずに対象の邪心のみを攻撃する強制改心刀で、ゾンビを一閃!
……だが、ゾンビの原因は体内に入り込んだゾンビウイルスの所為である。サクラミラージュの敵には有効かもしれないが、既に腐敗が始まっているゾンビには、元に戻す効果はなかった。
「ううう、やっぱ倒さないとダメか」
「そのようですね。行きますよ!」
二人は、その神主に二度目の眠りを与えたのだった。
ばさり。
神主を倒した際に何かが落ちた。古い書籍で、紐を使って括られている様子。
「これって、月詠の在り処に繋がるかも!!」
「あ、勝手に見てはいけませんよ?」
アイの制止も聞かずに、拓哉はペラペラとページを捲る。どうやら、古文書……ではなく、彼の日記のようだ。
「〇月×日 本殿にある月詠の様子を見に行く。特に異変はない。ただ……鬼切丸が収められている裏の洞窟で大きな物音が聞こえた。もしかしたら、何かあったのかもしれない。しかし、洞窟内へ入れるのは、ごく限られた者のみ。私には入る資格はない。せめて、入れる資格の者に願い出るしかないだろう」
「月読は本殿にあるようですね」
「ねえ、この鬼切丸って刀なのか?」
「そうですね、誰かか所持しているとは聞いていましたが……洞窟にもあるみたいですね……どうしましょう?」
新たに出てきた回収物にアイも困惑していると。
「それなら、俺が鬼切丸を取ってきてやるよ。アイは、月詠よろしく!!」
「わかりました。まだ周りにゾンビが多くいますから、気を付けて」
二人は別れて、突き進む。
いち早く目的地にたどり着いたのは、アイ。
「これが……月詠」
アイの言葉に反応するかのように淡い、月の光のようなオーラを纏った脇差しが収められていた。本殿を守るようにゾンビになった少女がいたが……もしかしたら、先ほどの少女は神主の一人娘かもしれない。
「皆さんの気持ちごと……お借りしますね」
そっとその美しい脇差しを手に入れると、アイはすぐさま拓哉の向かった洞窟へと駆け出したのだった。
一方その頃、洞窟内を突き進むのは、拓哉。
「全く、ゾンビだらけじゃないか!!」
ちょっとくらい、寝れる時間ができるかと淡い希望を持っていたのだが、早々にそれは諦めざるを得なかった。
愛用の刀でもって、次々と首を刎ねて、倒していく。
と、洞窟の奥できらりと光るものを見つけた。
「もしかして、これが……鬼切丸?」
身長よりも大きな黒い太刀を見つけて拾い上げる。
「えっ!?」
と、自分の背よりも大きかったはずの鬼切丸の刃が、すっと拓哉に合わせるように短くなった。
「ええ? これって……俺が使っていいの?」
それに反応するように、鬼切丸がきらりと光ったように感じた……。
落ちていた鞘に納めて、鬼切丸を手にする拓哉。と、その刀の側に合った巨大なしめ縄の付いた岩が真っ二つに割れているのに気づいた。
「えっと……この岩、なんで割れてるんだ?」
「拓哉さーんっ!!」
「あ、アイ!!」
そこに月詠を手に入れたアイと合流を果たす。
「……なあ、あの岩って何だと思う?」
「ぼくもよくわからないですが……」
そこで区切って、アイは告げる。
「とっても、嫌な気分になりました。あの場所はあまり良くない場所なのかもしれません」
「だよな……俺もそんな気がした。あそこじゃおちおち寝れない……」
こうして、アイと拓哉は、無事、二本の刀を手にしたのだった。
※アイさん:アイテム「月読」を獲得しました。後ほど、獲得リストをご確認ください。
※拓哉さん:アイテム「鬼切丸」を獲得しました。後ほど、獲得リストをご確認ください。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
山田・ふわ
(1)
ふわは気合を入れるため、誕生日に太助さんからもらった「ふわり舞う桜織衣」を肩にかける。
そして、相棒・鬼斬丸に語り掛けた。
「まさか、もう一回妬鬼姫を倒さないといけないなんて」
鬼斬丸が心配してくれているような、そんな気配。
「大丈夫だよ。あの女はお母さんじゃない。私は鬼の血とは決別したんだ。太助さん、和、太美、皆と一緒に人間でいることを決めたの。だから、」
刀を握り、迫りくるゾンビの集団を睨みつける。
「絶対に刃を迷わせない。家族や友達を守る」
もうウォーミングアップは済ませてある。あとは必要なものが揃うまで守り抜くだけ。
戦場に桃色の流星が駆け巡る。
ゾンビ達を倒しながら、その流星が進む先には──。
ベスティア・ジェヴォーダン
(1)ゾンビ襲撃戦!
「みんな無事でいてくれ」
草薙の剣を持って、全速力で襲撃のゾンビ撃退に向かう。
PC、NPCを問わず、危険な状態の味方は積極的にかばう。
雑魚は草のように薙ぎ払う。
妬鬼姫の姿が見つけられない時は
「どこに隠れている! 草薙が怖いのか!? 鬼の姫と言っても大したことないな!」
などと挑発。
目の前にいる場合でも攻撃と挑発を繰り返し、自分の方に妬鬼姫の注意を引いて他の味方への攻撃を減らす。
妬鬼姫が退く様子を見せれば追撃はせず、味方にアイが月詠を持って帰ってくれるはずだから、次は封印に必要な三つの神剣、そして鏡と勾玉を持つメンバーも選んで皇居に乗り込もうと提案する。
アドリブや絡みは大歓迎。
◆桜駆ける戦場にて
再び、相まみえることになるとは思っていなかった。
もう、二度と会わない相手だと思っていた。
ふわりと軽やかに、桜色の桜織衣を肩に掛けて、この先にいると思われる妬鬼姫の方向を見据える。
山田・ふわ(人間のデスブリンガー・f39711)は、ふと手元の背に背負った鬼切丸へと視線を移した。
「まさか、もう一回妬鬼姫を倒さないといけないなんて」
その複雑な心境を察してか、鬼切丸は不安そうに光を帯びている……そんな気配を感じて。
「大丈夫だよ。あの|女《ひと》はお母さんじゃない。私は鬼の血とは決別したんだ。太助さん、和、太美、皆と一緒に人間でいることを決めたの。だから」
顔を上げて、するりと慣れた手つきで鬼切丸を引き抜いた。
その先には大量のゾンビの大軍。一度、切り開かれた道は既に埋まってしまっているようだ。
「絶対に刃を迷わせない。家族や友達を守る」
もうウォーミングアップは済ませてある。あとは必要なものが揃うまで守り抜くだけ。
次々と目の前にいるゾンビ達の首が刎ねられる。
足を止めることなく、まるで流星かのように。
誕生日にくれた、その桜織衣を翻しながら、ふわはあっという間に、目的の……妬鬼姫の前にたどり着いた。
「ん……お主は……不和、なのか?」
「その名で呼ばないで、妬鬼姫」
苦々しい顔で妬鬼姫は紡ぐ。
「その気配……不和だと思うのだが……まあいい。不和、妾と共に……」
「断る!!」
「お主は童の……」
「ふわは……私は決めたんだ!! 鬼の血とは決別したんだよ!! 私はもう、人間だ!!」
そう叫ぶふわの言葉に、嫌そうに瞳を細める。
「残念じゃ。共に歩める道もあったというものを」
「あなたと一緒になりたくない!! こんなにたくさんの人達を傷つけて、そんな鬼には、なりたくないよ!!」
攻撃してくるゾンビをばっさばっさと斬り裂いてみせた。その敵の意思を跳ねのけるように。
けれど……その数はかなり多い。
「くっ……」
鬼切丸だけの力では、難しいのかもしれない。
そう感じ始めた、そのときだった。
「ふわを……いじめるなっ!!!!」
ごうっ!!
草を薙ぎ払う様に、突風が吹き荒れた。
「ベスちんっ!? その剣……」
「貸してもらった!!」
そこに助っ人として現れたのは、ギリギリ決戦の場に駆け付けたベスティアだ。その手には、先ほど借りたばかりの草薙の剣が握られている。
「みんな無事でよかった」
それはベスティアの本心。心から出た言葉だった。
「ちっ……引くぞ!!」
分が悪くなったようだ。妬鬼姫は湧いて出るゾンビ達と共に戻っていく。
「ふわ、大丈夫か」
「ベスちんも、怪我はない?」
お互い、その身を案じて声をかけた。どうやら、ゾンビの返り血を浴びたがそれだけだ。
「……ちょっと汚れちゃったな」
「また洗えばいい。カレンが良い洗剤くれる」
そのベスティアの言葉に、ふわは思わず笑みを浮かべて。
「妬鬼姫、帰ってたね。この次が終わり、かな?」
そう呟きながら、ふわは皇居の方を見る。
「きっとアイが月詠を持ってきてくれる。そうすれば、また倒せる。それに……勾玉と鏡を持つ者を決めて行かないとならない」
「うん、そうだね。また倒さないとだね。……この世界を守る為にも」
覚悟を決めたふわに、ベスティアは力強く頷いてみせたのだった。
二度目になるだろう、妬鬼姫との決戦は、きっともうすぐ……。
※ふわさんへ プレイングで使用するアイテムは、必ず「活性化」して装備をお願いします。よろしくお願いします。
大成功
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