|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》退治
「来たぞ、ゴブリンスレイヤーだ」
(自称)レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)がいつもの如くゆったりと椅子に座って手を組んでいる。
「だが、これは……どういう事だ」
猟兵達は集落から一旦グリモアベースに戻っている。情報共有だ。
表示された映像は、鎧兜の男、司祭女、森人狩人、鉱人導師、蜥蜴僧侶。これまでのSFめいた環境スーツとは明らかな別物だ。
「まるでアックス&ウィザーズの冒険者めいた姿だ。明らかに今までの人間の姿とは違う。と言うかそもそも人間じゃないのも混じってる。この事実が今何を意味するかは分からないが……敵であることは確かだ」
見た目上人間に近付きはしても、会話が出来るとは限らない。今までの環境スーツは防御力こそ高かったものの明らかに機動力に欠けていた。だが、この冒険者チームは違う。
「使用するデモンズコードはこんな感じだな」
●現地調達
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【戦場で拾った武器になる物】の威力と攻撃回数が3倍になる。
●|聖壁《プロテクション》
【錫杖】を構えた自分の後方レベルmまでの範囲を【防衛結界】で覆い、内部にいる全員の防御力と治癒力を増強する。
●木の芽鏃
【一拍の呼吸】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【木の芽矢】で攻撃する。
●|呪文使い《スペルスリンガー》
【触媒鞄】から、対象の【行動を阻害したい】という願いを叶える【呪文】を創造する。[呪文]をうまく使わないと願いは叶わない。
●爪爪牙尾
【爪】【牙】【尾】で攻撃し、ひとつでもダメージを与えれば再攻撃できる(何度でも可/対象変更も可)。
「五人がそれぞれ別のデモンを使う。当然の様に通常の武器も使う。だが、これではまるで」
そう、完全に『冒険者』にしか見えず、『冒険者』のような戦い方をする事は自明だ。
「まあ、猟兵諸君にとっては慣れた物だろうが……ともかく、なるべく被害は出したくない。その上で出来れば情報収集か」
戦う相手に関する情報はこんな所か、と一区切りし。
「相手はやはり命の儀の最中を狙って来る。命の儀に注目が集まっている最中、後ろから一人ずつ仕留めていく、と言う具合か……まあ、ナヴァリアの予見した通りだ」
で、あるならば。
「来るタイミングも場所も分かっているなら罠を張る事も出来るんじゃないか? 別に命の儀は毎晩行わなければならない物ではない。だから、命の儀を行う振りをして、奇襲に来た人間を返り討ちにする、と言う案も取れそうだ」
当然ながら集落の協力が必要になるが、事情は大体分かって貰えたので協力は取り付けられるだろう。
「違う案があるならそれでもかまわんがな。こちら側もゴブリン以外にもミノタウロス、オーク、オーガの巨漢|前衛戦力《クラッシャー》と|馬人《セントール》|機動戦力《アサルト》、それにアラクネ|妨害手《ジャマー》等々が協力してくれる」
それだけの戦力があれば別に助けなくても大丈夫なのでは? と思わなくも無いが。
「私が予知している事件はな、介入しないと人間側が勝つ致命的盤面だ」
その戦力差を覆す実力を持つ五人と言う事だ。
椅子に深く座って偉そうに手を組むレイリス。
「私は見えた事件を解説するだけ……まあ、いつも通りにすればいい。今はな」
そして、集落へ戻る転送用のゲートを開く。
「では、往くがよい」
Chirs
ドーモ、Chirs(クリス)です。ゴブリンが出たのでゴブリンた退治する話を阻止するお話になります。
今回は第二章、ボス戦寄りの集団戦です。冒険者もどきを返り討ちにしましょう。え、モロにアレだって? そうだよ。
今回もいつも通りアドリブも連携もマシマシになります。ある程度の人数が集まってから書き始めたいです。皆さんに強敵冒険者狩りを提供出来れば良いなと思う所存でございます。
第1章 日常
『プレイング』
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POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
イラスト:仁吉
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ビッグ・サン
冒険者ですか
私も冒険者ですから、あのゴブリンゴブリン言ってる子鬼殺しは知ってますよ
あのパーティは鎧兜の男がリーダーですから、あれを何とかすれば、残りの4人はミノタウロス、オーク、オーガがいるなら十分に何とかなるでしょう
私の魔剣ソウルイーターは、鉄兜のガチガチ武装には通じないでしょうし、一つ精神攻撃で行きますか
噂によると、子供のころに村がゴブリンに襲われ、姉を失ってるそうなのでその辺をつついてみますか
殺された姉になじられて茫然自失となったら、兜の隙間から剣を差し込んでやりましょう
ちなみに男はフレッシュゴーレムなので、切られようが本体には影響しません
一緒にいる少女の人形に本体が隠れています
(これまでのあらすじ)
命の儀を逆手に取り奇襲をかける|小鬼殺し一党《ゴブリンスレイヤーパーティー》を罠に嵌める事に成功した猟兵達。
ウタとナヴァリアの奇襲で|一党《パーティー》を分散させることに成功。ビッグ・サン(永遠を求める研究者ナイスガイ・f06449)は首魁の|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》と|一対一《タイマン》に持ち込む事に成功したが。
「冒険者ですか。私も冒険者ですから、あのゴブリンゴブリン言ってる子鬼殺しは知ってますよ」
どうやら、アックス&ウィザーズに実物が居るらしい。とは言え、知っているなら尚更に目の前の相手はよく似た別人と言う印象を受ける。
「ゴブリン共は皆殺しだ」
面皰の奥の目が光る。視線だけでも心停止しかねない程の濃密な|殺気《キリングオーラ》。
「所で、お姉さんは元気にしてますか?」
ビッグは手の中の魔剣ソウルイーターを誘うように揺らめかせながら問いかけた。
「ああ、ゴブリンに殺されたんでしたっけ? それとも、素の中に連れ込まれて慰み物に」
からん、と。|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》の手にした半端な長さの剣が落ちた。
(勝機ッ!)
|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》の防具は継ぎ目の無いフルプレートなどではない。主要部分を金属で覆い、それ以外は革で覆っている軽量寄りの中装甲だ。軽い斬撃で切り裂く事は出来なくても刺突ならば貫ける。
踏み出して、突き破れる。その確信を持ちながら、ビックは激しく警鐘を鳴らす己の猟兵第六感に従い大きく仰け反って緊急ブリッジ回避! 直後、正確にビックの喉の位置を|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》の手にしていた剣が突き抜けていった。
「ゴブリン共は皆殺しだ」
落とした、と見せかけた剣を蹴り飛ばしての不意打ち。もし踏み込んでいれば喉を突き破られていただろう。
(今のは精神攻撃が効いた振り、ですか)
ブリッジから側転に切り替え、体制を立て直す。尋常の精神を持たない相手に精神攻撃は効くのだろうか。目の前の相手はオブリビオンではなく、人間だ。その精神を|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》に似せてプログラムされた人間だ。記憶が無い、過去が無い。
「つまるところそれは」
|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》は既に拾った短剣を手にしている。
「私と同じような存在って事ですよね」
ビックは鋭く踏み込み刺突を放った。ビックの肉体はフレッシュゴーレム。例え先の攻撃が当たっても致命傷にはならない。
刺突は届く距離。だが、兜を狙えば逸らされる程度の間合い。故に狙いは低く、腹を狙った。|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》は左手の小盾で|武器弾き《パリィ》を狙う!
甲高い金属音が二つ響いた。
ビックの魔剣が小盾に当たった音。続けて、外に弾かれる前に剣を引き、兜に剣先が当たった音。フェイントでパリィを誘い、本命の刺突を当てたのだ! だが命中の瞬間、|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》は面皰のスリットに差し込まれた剣先を首を捻って弾いた!
「イヤーッ!」
ビックは後ろ足を蹴り、体重を乗せた逆袈裟で切り込む! この間合いなら皮鎧に浅くない傷を刻む事は出来る!
「ゴブリン共は」
|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》は踏み込み、ビックの胸に短剣を突き立てる!
鮮血が飛ぶ。フレッシュゴーレムの血は鮮血と呼べるかは分からないが、心臓に近い致命部位。対して、|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》は肩の皮鎧が裂け、右肩を切り裂いた。
「皆殺しだ」
痛み分けか? 否である。ビックの攻撃はここからが本番!
(過去が無ければ心の傷は無い?)
それも否だ。プログラム通りに動くだけの人形なら精神攻撃が効いた振り等と言う手は使えない。人形の様に刻まれた精神だが、その素体は人間である。
「過去が無ければ作ればいいんですよ」
|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》の名に相応しい過去を作り出す! 【メンタル・アタック】によるニューロン潜航攻撃!
「「「GOBUGOBUGOBUGOBU!!」」」
捏造されたゴブリンの怨霊! 数を頼りに雑多な武器で襲い掛かる! かすり傷からでも毒が沁み込み危険!
「ゴブリン共は皆殺しだ!」
|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》は猛った! 手にした短剣をゴブリンに叩き込み棍棒を奪う! 小盾の縁で首を切断。蹴り飛ばし、頭蓋を砕く!
「そうでしょうね、ゴブリンが沸いたらあなたは対応するしかない」
だからこそ、背面に回り込んだビックの刺突は対処できない!
「ゴブリンでなくとも殺せますか?」
背から腹を貫く。|致命的《クリティカル》な手応え。だが、|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》はこれをこそ待っていた。
「ゴブリンは」
視線もむけずに振りぬかれた棍棒がビックの腕を叩く。棍棒が砕ける程の強打。ビックは魔剣を手放さるを得なかった。
「皆殺しだ」
自分の身に深々と突き刺さった魔剣を抜き、|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》は構えた。
「……私の魔剣を、調達したとでも?」
「ゴブリン共は皆殺しだ」
成功
🔵🔵🔴
ビッグ・サン
ふむ、どうやらあのパーティーが召還されたわけでなく、そっくりに作られた物のようですね
少女が言う
彼女もビッグが使っているフレッシュゴーレムだ
男はやられたようだが、仲間と切り離すことはできただろう
あとは、残った四人を倒しに行くとしよう
ゾンビとゴースト、そしてストーンゴーレムを連れて行く
ゾンビの爪や歯で攻撃を受けると呪毒でダメージを受け、死ぬとゾンビになる
ゴーストは触れればゾクッとする
少し生命力を奪うのだ
ただ、生命体かどうかわからないのでゾンビもゴーストも微妙だ
本命はゴーレムだ
エメスの文字を削られない限り圧倒的な質量で相手を叩き潰してくれるだろう
さあ、巨大なストーンゴーレム相手にどう戦いますかね
●人形達の戦い
「ふむ、どうやらあのパーティーが召還されたわけでなく、そっくりに作られた物のようですね」
後方に控えた少女が言った。彼女もビックが使っているフレッシュゴーレムの一人。そもそもビッグ・サンはヒーローマスクでありマスクが本体だ。本体は少女が隠し持っているらしい。
「アンタ、本体じゃなくてもその傷はマズいだろ。引き受けるぜ!」
「そうさせてもらいましょう」
魔剣を奪った|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》との間にウタが割り込んで前衛の|接敵《エンゲージ》を引き受けた。その間に男のフレッシュゴーレムは後退させる。
「さて、一人欠けましたがあっちも仲間とは切り離せましたし」
ビックは追加のユーベルコードを起動する。錬金術士であり死霊術士でもあるビックの真骨頂とも呼べるユーベルコードを。
【クリエイト・ゴーレム】により作られたゾンビとゴーストが鉱人導師と蜥蜴僧侶へと迫る。
「おお! 恐るべき竜よ、大いなる父祖よ! 末裔の戦働きを御照覧あれ!!」
蜥蜴僧侶は所謂|司祭《プリースト》の類ではなく、竜を祖として崇め、自らを竜へと至らしめんとする|武僧《モンク》の類、という設定だ。
「っていうか、アイツはこっち側じゃねーのかよ」
|鉱人《ドワーフ》や|森人《エルフ》はまだわかる。だが|蜥蜴《リザードマン》はどう見てもケモノ側に属している筈の種族である。だが、どういう訳か人間側として戦っている。
だが、そんな事は知った事かと言わんがばかりに群がるゾンビを爪で切り裂き、尾で打撃し、牙で嚙み砕く。
「この程度では些かの徳にもなりませぬな!」
鎧袖一触。ゾンビの爪も歯も触れるより早く砕かれる嵐の如きカラテである。だが、触れられぬゴーストならばどうか。ゾンビを砕かせている間に忍ばせたゴーストを接触させる!
「……キョムー」
隙だらけで緩慢なネガティブ・カラテは振れた相手のカラテを奪う。しかも、相手の物理攻撃は受け付けない。
「呑めや歌えや|酒の精《スピリット》。歌って踊って眠りこけ、酒呑む夢を見せとくれ」
だからこそ、鉱人導師がバックアップに付いているのだ。物理攻撃を受け付けないという事は逆に魔法攻撃への抵抗が低い事を意味する。高位であればそうでも無い事もあるが、作られたゴースト程度では抵抗もままならない。
口に含んだ酒を吹き出し詠唱すればたちまちゴーストは酔って踊り始める始末。そこにカラテを込めたセイケン・ツキを叩き込まれればゴーストといえど雲散霧消するしかない。物理攻撃が効かなくてもカラテを込めれば通るのだ。
「元から、これでどうにかなるとは思ってませんとも。|二手番《2ターン》封じられれば悪くは無いでしょう」
だが、使役するビックは一切動揺は無い。実際、これは本命を十全に動かす為の時間稼ぎに過ぎなかった。
岩盤が屹立した。その岩盤は意思を持ったかの如く歩き出す。【クリエイト・ゴーレム】の名の通りに作られた鈍重で巨大なストーンゴーレムだ!
ストーン・ゴーレムのビックカラテが猛威を振るう! 実際、遠目に見ればその動きは緩慢に見えるだろう。だが、それは大きさの誤認による錯覚に過ぎない。近くに立つ者であればそのような誤解はする間もなく重量物に潰されネギトロになるだろう。大きさ相応に早いのだ。
剛腕を側転で躱し、反撃の爪を突き立てる蜥蜴僧侶! 続けて牙! 尾! だが、文字通りに歯が立たない!
「|土精《ノーム》、|水精《ウンディーネ》、素敵な褥をこさえてくんろ」
鉱人導師が地面を泥沼化させゴーレムを地面に沈める! 重量物であるが故に沼地には弱い。
「これも、捌かれますか」
ビックは自身が本命としていたゴーレムすら実質的に無力化されても動じてはいなかった。
「ええ、知ってますよ? その厄介な呪文は一日に何回も使えない事は」
【|呪文使い《スペルスリンガー》】の鉱人導師は実際厄介だ。直接的な打撃力はあまり持たないが、相手を無力化するには様々な手練手管を用いてくる。だからこそ、真っ先に無力化したい相手でもあった。
だが、相手がビックの知る通りの存在であればその呪文は一日に使える回数は数回しかない筈だ。その数回の二手を切らせたのは決して小さくは無い。
「今日の残り呪文回数は何回ですかねぇ? 最も」
「それ以上使わせる気は無ぇけどなぁ!」
横合いからオーガの棍棒が鉱人導師を|打撃《スマッシュ》した! 元よりビック一人で五人と戦っている筈も無し!
「お前はこっちだぜ!」
鋭い槍捌きのオークが蜥蜴僧侶に躍りかかる!
「待たせたな、女子供の避難は終わったぜ!」
「護衛も付けてある。遠慮なくこっちを叩けるぜ!」
「やあ、助かりましたよ」
ビックはただ時間を稼ぐだけでよかったのだ。その意味では落ち度など何もある筈もなく、相手の資源を確実に削っている。
「じゃあ、おかわりと行きましょうか」
再度の【クリエイト・ゴーレム】でストーンゴーレムをもう一体追加する。
「圧倒して蹂躙いたしますよ」
大成功
🔵🔵🔵
ナヴァリア・エキドナ
アドリブ連携歓迎
ふぇっふぇっふぇ、おのれ人間!
しかしなんじゃのう。
人型ではあるが、生気が無さそうな……珍妙な輩じゃのぅ。
まあ良い。待ち伏せはバッチリじゃからのぅ。返り討ちにしてくれよう!
アラクネ系と協力して、森人狩人を潰しに向かおうかの。
草木に紛れて近づけばたぶんうまく不意を打てるじゃろう。
とはいえ……射手だから接近したら勝てる、などと油断は禁物。こいつらは、手強いじゃろうな。
ならば、ここはマキナたちの力も借りよう。
見張りを討とうとする瞬間を狙おうぞ。……せーの、とりゃあ!
マキナのフレンズを動員して一斉攻撃よ!
木の芽矢ならばマキナの装甲で防げるはずよ!
このまま数の暴力で押しつぶしてアイタァ!?
エドワルダ・ウッドストック
アドリブ連携歓迎。
来ましたか、ゴブリンスレイヤー。
そちらの事情を斟酌するつもりはありませんわ。
如何なる理由があろうとも、生まれた子どもの命を狙うというのは見過ごせません。
……命の儀の邪魔はさせません。ここで散っていってもらいますわ。
ガーター騎士団、出撃!
シカで構成されている、わたくしと十二名の団員たちで各戦場を臨機応変に巡りましょう。
必要ならば軍用ヘリも飛ばしますわよ!
A&Wという世界観の装備ならば、銃火器への対処は不慣れなはず……。
弾幕を張って防御を削り、あるいは味方の援護射撃を行いましょう。
しかし、多様な面子ですわね……一部ケモノの方も混じっておられませんこと?
何か、きな臭いですわね……。
ビッグ・サン
【アドリブも負けRPも歓迎】
さて、最後はとある魔法使いが使ってた魔法を試してみますか
ゾンビを連れてきたのはこの魔法の為ですからね
(こんどは少女の頭の上の人形がしゃべる
この人形の中にビッグの本体が隠れているのだ
ビッグが呪文を唱えるとゾンビが集まり一つの大きな塊になる
巨大なゾンビである)
ふふふ、とある世界で、その世界の著名な戦士や勇者が束になってもかなわなかったという強力なゾンビを模倣して作ったこの超魔導ゾンビの力を試させてもらうとしましょう
圧倒的な力で冒険者を蹂躙しましょう
鉄兜に超魔ゾンビをどうにかする策があるならおとなしく負けて、マスクだけでかさかさと逃げ帰るとしましょう
●これまでのあらすじだった部分
「人間が来るんなら命の儀を中止した方がいいか?」
「そうですね。動かせないのならば格好の標的になってしまう物かと」
エドワルダ・ウッドストック(金雀枝の黒太子・f39970)は手元の情報を統合して見解を述べる。
「ふぇふぇふぇ……儀式自体はやるんじゃよぉ」
が、それに待ったをかけたのはナヴァリア・エキドナ(ナヴァリア婆さん・f37962)だ。
「儀式をすれば小賢しい人間共はその最中を狙ってきよる! おのれ卑劣なる人間め!」
「ですが、それでは母体に危険が……ああ、いえ、そう言う事ですか」
ナヴァリアの意図に気付いたエドワルダが訂正した。
「儀式を偽装して儀式をしている振りをする。これならば襲撃タイミングを固定した上で護衛対象を避難させる事ができます」
「―――ッ!!」
くぐもった悲鳴。短剣が、膨らんだ胎に突き立てられた。深々と、根元まで。ヴェールを纏った司祭は刺したままの短剣を左右に捻る。
「―――――ッッ!!」
目隠しで覆われた少女の目は見開いて涙を流しているだろう。そんな悲鳴だ。司祭は、厳かにその短剣を引き抜いた。
まるで、その声を合図にしていたかのように。はるか彼方から鳥の如き一矢が正確に司祭の頭を串刺しにせんと飛来した。だが、その矢は当たる事無く直前で燃え尽きた。
「来るって分かってるならさせるかよ」
獄炎の防護壁だ。木の芽鏃ならば全てを燃やし尽くせる。続けて飛来する矢も燃やし尽くしてしっかりとブロック。
「でも、どこから撃たれた?」
相手は弓で発砲の音も光も無い。飛んできた方向からおおよその見当は付かなくも無いが元よりこの数をたったの五人で狩り尽くせる程の相手だ。一発目が通らなかった時点でその後の射撃は陽動の可能性が高い。
「ふぇっふぇっふぇっ、ここはわしに任せておくがよい。おのれ人間め!」
夜目が効くというのは通常少ない光源でも昼間の様に見通せる能力を指す。その場合、逆に昼間は明る過ぎて見え難かったり、そうでなくてもカメラのフラッシュのような瞬間的な光には弱いという欠点を抱える。|森人《エルフ》は夜目の効く種族として知られている為、夜間でも狙撃が可能だったのだろう。
一方、ラミア種のナヴァリアはピット器官で赤外線を見る事が出来る。通常の視界とは別の器官でそれを捉えている為、光源由来の弱点を持たない。
「そこにおるのは分かっているぞ」
「そこってどこよ」
「こっちじゃ。まずは小癪な射手を仕留めるぞ」
●|達人《スペシャリスト》
ナヴァリアはアラクネの女性を連れて近くの木立に向かった。射点はそこで間違いない。
「私に弓は通じないわ」
森人狩人は姿を見せる事無く木の上を曲芸めいて飛び回りながら矢継ぎ早に放つ。対するアラクネの女性は周囲に糸を飛ばして結界を作る。アラクネの使う糸の結界は単なる防護柵ではなく知覚範囲の拡張も兼ねている。糸を伝う音と振動で何がどこから飛んでくるかを把握するのだ。飛んでくる矢を空中で絡め捕るのは造作も無い事。
それはアラクネ側にも攻め手が無い事を意味する。糸を硬質化して作る糸の矢で反撃をしてはいるが、正確な位置も分からず動き続ける相手に撃ち返して当てるのは不可能に近い。だが、多少時間をかけて相手を追い詰める罠を張る事にかけてはアラクネに優る者はそうそう居ない。直接矢を当てる事は出来なくても、狙った場所に相手を追い込むのは得意分野だ。
「……せーの、とりゃあ!」
そして、ラミアは隠密行動の達人だ。見る為の光を必要とせず、殆ど音もたてずに移動できるラミアは恐るべき暗殺者である。ナヴァリアは追い込まれた森人狩人に頭上からの|奇襲《アンブッシュ》ノコギリ斬撃を放つ! 鋸は僅かに血肉を削り取るも手応えは浅い。
「不意は打てたがアレを避けるか。やはり……射手だから接近したら勝てる、などと油断は禁物。こいつらは、手強いじゃろうな」
不意打ちにデモンズコードを用いなかった辺りナヴァリアもこれで仕留める気は無かったように思えるが、選んだデモンズコードがコレなので殺意は十二分だ。
「ならば、ここはマキナたちの力も借りよう。目覚め、働け! 仕事じゃぞ!」
けものマキナではそこら中に転がっている残滓の残骸が形を成し、かつての残滓の姿を蘇らせる【コープス・マキナ】。
「狩り立てぇい!」
BTARATATATATATATATATATATATATATATATA!!
雑多な銃火器の一斉掃射が樹上を穴だらけにしていく! デモンズコードを最大限に生かし気付かれずに全周囲を包囲できる場所に追い込んでいたのだ。
「ふぇーっふぇっふぇ! このまま数の暴力で圧倒してくれるわぁ!」
それでも森人狩人は樹上を舞うように動き続けながら反撃の矢を投じてくる。
「木の芽矢ならばマキナの装甲で防げアイタァ!?」
確かに、マキナには効かないかもだけど、あなたには通るんじゃないかな。普通に。いやまあ、ここまで接近しないつもりだったのかもしれないが、ナヴァリアが位置を認識していなければコープス・マキナも照準を付けられないからある程度近付く必要はあった訳で。
だが、それでも。ここまで詰んだ状況でいつまでも逃げ続けられるはずも無し。逃げ場を無くし、一発当たって足が鈍ればもうそれまでだ。森人狩人はなす術もなく胞状分解していった。
「ふーむ、やはり泡になって死んだか。であれば、ちょーっと耳が長い位は誤差じゃろう! やはり人間!」
そう、胞状分解が起きたという事は紛れもなくこの世界の人間勢力の一員であったという事だ。
「しかしなんじゃのう。人型ではあるが、生気が無さそうな……珍妙な輩じゃのぅ」
●余儀無き選択
「来ましたか、ゴブリンスレイヤー」
エドワルダは音に聞いた。既に初撃はビックが受けている。作戦通りに。
「よし、今だ!」
「運べ運べー!」
祭壇の上の妊婦と司祭をオークが抱え、オーガが他の重そうな母体を抱えた。まるで荷物扱いだが、その位で流産するほどやわではないらしい。まあ、妊娠しててもイクサには行ってるし、それで子供まで普通に埋めているのだから問題は無いんだろう。
時折矢が飛んでくるが、ウタの獄炎幕が空中で焼き払う。魔法などかかっていない筈だが鳥か何かの様に何度も空中で向きを変えながら飛んでくる矢は広域防御でなければ受け止め難い。
まばらに飛んでいた矢がぴたりと止んだ。ナヴァリア達が|接敵《エンゲージ》したんだろう。なら、あっちはもう大丈夫だ。
「……私の魔剣を、調達したとでも?」
「ゴブリン共は皆殺しだ」
ちょうどこっちも一段落と言った所か。
「アンタ、本体じゃなくてもその傷はマズいだろ。引き受けるぜ!」
「そうさせてもらいましょう」
魔剣を奪った|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》との間にウタが割り込んで前衛の|接敵《エンゲージ》を引き受けた。その間にビックのフレッシュゴーレムは後退させる。
「そちらの事情を斟酌するつもりはありませんわ」
エドワルダは小銃を構える。
「如何なる理由があろうとも、生まれた子どもの命を狙うというのは見過ごせません」
そのまま引鉄を引く。三点バーストの銃弾が皮鎧を撃った。
皮鎧で銃弾を防げるのか。結論から言えば可能だ。有効射程外なら当然の様に防ぐし、有効射程内とて見た目通りのただの皮鎧ではないから防げる。そう、この皮鎧は見た目は全くの別物の様に見えるが覆う面積を狭めた事で機動力を上げたかつて人間の使っていた環境スーツと同質の物である事は疑い様がない。
「如何なる理由があろうとも、生まれた子どもの命を狙うというのは見過ごせません」
エドワルダは気にせず二度三度と三点バースト銃撃を叩き込む。下がって盾を構えて軽減しようとしているので効いていない訳では無い。
「……命の儀の邪魔はさせません。ここで散っていってもらいますわ」
結果的に今夜の儀は中止する事にはなっても、もう二度とは止めさせない。
「ガーター騎士団、出撃!」
その掛け声と共にエドワルダは跳んだ。ユーベルコードの齎す超常の力の一端。|空間跳躍《テレポート》だ。エドワルダは自らの率いる【|ガーター騎士団《ナイツ・オブ・ザ・ガーター》】隊員と共にその場所へと跳んだ。
そう、一番厄介と踏んだ鉱人導師の所へと!
「いと慈悲深き地母神よ、か弱き我らを、どうか大地の御力でお守りください!」
司祭女の【|聖壁《プロテクション》】が作り出す光の壁が片面をガード! だが四方を囲む銃撃!
「おお! 恐るべき竜よ、大いなる父祖よ! 末裔の戦働きを御照覧あれ!!」
蜥蜴僧侶も身を挺して庇う! 蜥蜴僧侶は全身の鱗で軽い攻撃なら軽減できるが、
「その鱗、頑丈ではありますが銃弾をそう何発も受けられる筈は無いでしょう」
集中される銃撃に堪え切れる程ではない! 削られていく鱗!
「駄目押しです。アックス&ウィザーズという世界観の装備ならば、銃火器への対処は不慣れなはず……ッ!」
エドワルダは戦闘ヘリを|跳躍《テレポート》させた! 対空攻撃出来た森人狩人が落ちた今、これに対処する手段は無い、かに思われたが!
「|土精《ノーム》や土精、バケツを回せ、ぐんぐん回せ、回して離せ!」
「何、それは|降下《フォーリング・コントロール》? 何を……マズい、エドワルダくん! ヘリから脱出を!」
ビックがその意図に気付いた時にはもう遅い。戦闘ヘリが、ふわりと空高く浮き上がる。本来、その推力が足りない高さまで! 蜥蜴僧侶と鉱人導師は胞状分解。解除された重力制御がその力を失った瞬間、重力の腕がヘリを掴み地面に叩き付けて爆発四散させた。幸い、警告が間に合い乗員は無事だ。
「ヘリにかかる重力を無くし、制御不能にするとは……とっさにそんな事が?」
「出来るんでしょうねぇ。ですが、厄介な術師は片付きました。後はお任せを」
●|鬼札《ジョーカー》
「ゴブリンは皆殺しだ」
「ゴブリンスレイヤーさん……!」
|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》と司祭女。五人居た人間戦力も残りはこの二人だけだ。エドワルダは想定外の事態に備えてナヴァリアを回収しに|空間跳躍《テレポート》した。さほど時間はかからずとも戻ってこれるだろう。
だが、そのさほどない時間でも|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》がゴブリンを殺すには十分過ぎる。ウタは念のためにその守りを。この場の対処は再びビッグ・サン(|永遠を求める研究者《ナイスガイ》・f06449)に委ねられた。体は少女の使ってるけど。
「さて、最後はとある魔法使いが使ってた魔法を試してみますか」
だが、ビックは気負う事無く必勝の|鬼札《ジョーカー》を切った。既に十分場は整えてある。大量のゾンビ、ゴースト、ストーンゴーレムの残骸。
「ゾンビを連れてきたのはこの魔法の為ですからね」
少女の頭の上の人形が喋った。本体はこの人形の中だ。
「「「あ わ さ れ」」」
ビックの持つ口が一斉に唱えた。ストーンゴーレムが骨格となり、ゴーストを触媒に、ゾンビを装甲として張り付けていく。それはあまりに冒涜的で、暴力的な合体。
|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》は一瞬の躊躇いもなくビックから奪った魔剣を本人の元に正確無比に投擲した。だが、ビックは少女の体を犠牲に魔剣を受け止めた。もはやこの肉体も今は不要。
「おやおや、返してもらえるとは。別に殺した後に回収すれば十分でしたが」
|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》は答えない。いや、そもそも。
「会話できる訳じゃないんでしょうねぇ。君達、決まった台詞しか口にしてませんからねぇ」
そう、|一党《パーティ》は一切会話はしていない。口にする言葉は|定型文《テンプレート》の言葉だけだ。それでも連携はしてくるから意思疎通は出来ているのだろうが。
「さあ、どうしますか? この絶望的状況で。それでも私を殺せますか?」
屹立する、異形の腐肉巨人。それは最初から死んでいた。故に、再度殺すのはかなり不可能に思えるほど頑丈な鎧。
「死体がたくさん必要ですが、私はゾンビの中で一切傷つかず、他人を一方的にいたぶれる。なかなか良い術でしょう♪」
【超魔導ゾンビ】とある世界で著名な勇者や戦士が束になっても敵わなかったとされる死霊術の禁呪。何故なら、本来数が取り柄のはずの死霊術が数を一切頼れず単独に絞ってしまうという事と、運用コストが色んな意味で高すぎるという欠点を持つが故である。
「さあ、蹂躙しますよ」
後はその剛腕を振りかぶり、叩き付けるだけ。
「いと慈悲深き地母神よ、か弱き我らを、どうか大地の御力でお守りください!」
光の障壁に拳が止められる。ビックは気にせず殴り続ける。二度、三度。光の壁にひびが入り、四度目で砕けた。
だが、このゾンビの欠点はまだある。自らの巨体で視覚が狭められる事。壁で防いでいる間に投げつけられた物があった事にすら気付かない程に。|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》は手にした松明を投げつけた。
轟ッ! 腐肉の巨体が燃え上がる。大量の|燃える水《ガソリン》の入った瓶を投げつけられた上に着火されたのだ。ゾンビは火に弱いのは常識レベル。
「そんな」
そう、その手はあまりに常識だ。
「それで、どうにかなるとでも?」
ビックは嗤った。確かに火には弱い。だが、それは膨大な池の水をバケツで掬っているような物だ。有り余る|耐久力《ヒットポイント》にはあまりに脆弱。
「なるとでもぉ?」
ビックは拳を叩きつけた。|飛び込み回避《ダイブロール》で避ける|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》。
ビックの知る彼ならばこの状況でも逆転してきただろう。だが、ビックにはわかる。これはただ、それを模倣しただけの紛い物に過ぎない。
この状況を逆転する手は無い。そう、|小鬼殺し《ゴブリンスレイヤー》には何一つ手は残っていない。
振り上げた拳を、振り下ろ
「Wasshoi!!」
その瞬間、何が起きたか誰にも理解できなかった。
そう、私にもだ。そいつはこの場に現れる予知すら見えなかった。グリモア猟兵の私がだ。
ならば、この場の誰かにそれを予測する事は出来たか? いや、不可能だ。
不可能で、不可解だ。
だから、結果だけを記す。
その場に突如現れた赤黒の装束を身に纏った者は腕で拳を止め、ただの一撃の拳で超魔導ゾンビを粉砕した。
ビックは辛うじてまだ動かせる人形で脱出。だが、赤黒の者は追撃をしなかった。
赤黒の影は、両手を合わせ、名乗った。
「ドーモ、イェーガースレイヤーです」
アイサツをした! 赤黒の、『猟殺』のメンポ! 禍々しい瞳に込められた殺意はまっすぐに猟兵達を射抜いていた。
「|猟兵《イェーガー》殺すべし!」
大成功
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