【ホワイトデーにお返しを】甘いお菓子のお返しは
帝都を駆けてゆく、青年が一人。
「うわ、やっべ……遅刻するっ!!」
彼は約束していた。けれど、仕事が長引き、待ち合わせ場所に向かうのに時間がかかってしまった。
その手には、豪華な花束とお返しに渡すためのプレゼントがあった。
この日の為にとしっかり選んだものだ。
「間に合え、間に合えっ!!」
もうすぐ、待ち合わせ場所にたどり着く。そこにはきっと……。
「もうすぐ、ホワイトデーですわね。先日はバレンタインデーでしたので、お返しを用意している方もいるかと思います。今回もまた、基地のキッチンや会議室を借りることが出来ましたので、何か作りたい方は、良ければお使いくださいませ」
そうにっこり微笑むのは、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)。
「お相手のことも考えて、リクエストなどもあると、助かるかもしれません。そうそう、素敵な場所でお返しをお渡しするのも、ロマンティックで素敵ですわね」
帝都の夜は、とってもムードが素敵ですからと、リズは付け加える。
「待ち合わせには、帝都の駅前や公園、劇場前がよく使われるそうです。私達であれば、迎賓館や基地での待ち合わせも良いと思いますわ。いずれにしても、お相手のことを考えて決めるのが良いかと思います」
そう、ホワイトデーのお返しを渡すのには、お相手が主役なのだから。
「あ、成功した暁には、その時のお話も聞かせていただけると……嬉しいですわ」
無理にとは言いませんけど……ちょっと、気になるお年頃なのか、リズは興味津々な様子。
もしかすると、今後の役に立てたいの……かも?
「とにかく、皆様が素敵なホワイトデーを過ごせることを祈っていますわ」
そういって、リズは嬉しそうにエールを送るのだった。
柚葵チハヤ
どうも、こんにちは。柚葵チハヤです。
アナリフ3回目の日常シナリオは、ホワイトデーです!! あ、リズにわざわざ話さなくても大丈夫ですのでご安心を!! 聞かせてくれたら、リズも喜びますがなくて大丈夫です!!
まずは、今回のシナリオでは、参加できる方に制限はありません。新規に作ったキャラさんもすぐに投入できますので、ぜひどうぞ! 日常シナリオですので、危険な状況には絶対になりませんので、安心です!!
というわけで、改めて。ホワイトデーのお返しをするシナリオとなります。
以下のどれかを選んで、プレイングをお願いしますね。
(1)ホワイトデーのお返しを渡す。
ホワイトデーのお返しをお相手にプレゼントします。どんなプレゼントを持って手渡すのか、場所はどこなのかを書いていただけると幸いです。
(2)ホワイトデーにお返しするものを用意する。
ホワイトデーのお返しのものを作ったり、買ったりして用意します。基地の会議室やキッチンも使えますので、良ければどうぞ。何を作るのか、何を買うのか等をお願いしますね!
(3)ホワイトデーのお返しを受け取る。
どこで受け取るのか、どんな気持ちで受け取るのかを書いておいてください。また、相手がNPCの際は何を受け取りたいかもあると、助かります。それらを加味してプレゼントも考えたいと思います。
(4)その他。
上記の選択肢にないものは全てこちらに。その代わり、どんな風にホワイトデーを過ごすのか、書いておいてくださいね。
また、複数で参加する際は、お相手の名前やID、グループ名もお忘れなく。
あ、今回の選択肢も数字だけで大丈夫ですので、その分、プレイングにしっかり盛り込んでくださいね。
皆さんの甘いホワイトデーなプレイング、お待ちしていますね!!
第1章 日常
『プレイング』
|
POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
狐々愛・アイ
今日は待ちに待ったホワイトデーです!
バレンタインの時とは違った形で、帝都が浮き足立っていますね。
待ち合わせ場所は帝都の駅前です。
おや、涼介さんの姿が見えましたね。手を振って合図……って、全力ダッシュ中ですか!?
なるほど、お仕事が長引いて間に合わなくなりそうで……気になさらなくても、全然待っておりましたのに。
……でも、そのお気持ちは嬉しいです。ありがとうございます。
それではちょっぴり恐縮ですが、プレゼントを受け取ります。なにぶん、あまり貰う経験をしていなかったもので。
けれど、きっと戸惑いなんかより、嬉しさが勝ってくれます。
なにせ、涼介さんが選んでくれたものですから……どんなものでも、嬉しいです。
◆嬉しい待ち合わせ
「今日は待ちに待ったホワイトデーです! バレンタインの時とは違った形で、帝都が浮き足立っていますね」
狐々愛・アイ(愛は優しさ、愛は力・f36751)は、帝都の駅まで待っていた。
アイの前を通る人々もなにやら、嬉しそうな笑顔を見せているようだ。特にカップル達は手をつないで楽しげな様子。
そんな姿を見ていると、アイも思わずそわそわしてしまう。
何故なら、アイもまた。
「うおおお、急げ急げ……!!」
「おや、涼介さんの姿が見えましたね。手を振って合図……って、全力ダッシュ中ですか!?」
そう、涼介と待ち合わせ中で……。
「どわあああ!!」
豪快にすっころんだ。
「ちょ、涼介さん!? 大丈夫ですか!?」
すぐさまアイが駆け寄る。
「だ、だいじょーぶ。花束とプレゼント……死守したぜ……がくっ」
「涼介さーーんっ!!」
というわけで、駅前のベンチで涼介は目を覚ました。
「あ……あっ!! アイ!?」
「まだ寝てた方がいいですよ」
アイに膝枕されながら、涼介はもごもごしている。
「ごめん。仕事でさ、遅くなりそうになって……」
「なるほど、そういうことだったんですね……気になさらなくても、全然待っておりましたのに」
くすりと笑みを浮かべて、アイは続ける。
「……でも、そのお気持ちは嬉しいです。ありがとうございます」
その言葉に涼介も膝枕されたまま笑みを浮かべた。と、はっと思い出したかのように。
「そ、それよりも……こんなんで格好つかないけどさ……コレとコレ、アイに渡すよ」
そういって、涼介は両手に持っていた花束と小さな紙袋のプレゼントを手渡した。
「涼介さん……本当にありがとうございます」
と、涼介のくれたプレゼントをアイは、しっかりと受け取った。
「あの、開けてみてもいいですか?」
「大したもんじゃないけど……いいよ」
そう断りを入れて、アイは紙袋からそのプレゼントを取り出した。
「ブローチ?」
中には、羽の付いた可愛らしいブローチが入っていた。
すぐさま、つけて見せ、涼介に尋ねた。
「あの……似合いますか?」
「よかった、とっても似合ってるぜ」
そう笑みを浮かべる涼介にアイは少し照れたような笑顔を見せて。
「なにせ、涼介さんが選んでくれたものですから……どんなものでも、嬉しいです」
アイはもう一度、ありがとうと愛を込めて、涼介へと伝えたのだった。
※アイテム「涼介からのブローチ」を獲得しました。後ほど、獲得リストををご確認ください。
大成功
🔵🔵🔵
ベスティア・ジェヴォーダン
(4)その他。
「今日は『ふぁいとでー』らしい。……ところで『ふぁいとでー』ってなんだ?」
人生経験が少ない上にお馬鹿なベスには、一般常識が大きく欠けている。
「『ふぁいと』は『たたかう』……つまり、『たたかうひ』だな!」よし!
一人おかしな納得をしたベスは、拠点のとある通路(トイレ前? 食堂前?)を占領し、通行する者の前に立ちふさがる。
「ここを通りたかったら、ベスを倒していくのだ!」
そして両手に持った竹刀の片方を不運な通行人に投げて渡す。
「準備はいいな? さあいくぞ!」
その日、拠点に謎の追いはぎが出たとの噂が広まるが、真相を知るものは少ない。
(アドリブ・NPCや他参加者との絡みは大歓迎です)
◆ベスティアの『ふぁいとでー』?
「今日は『ふぁいとでー』らしい。……ところで『ふぁいとでー』ってなんだ?」
人生経験も少なく、勉強もロクにしていないベスティア・ジェヴォーダン(辛い過去を乗り越えて・f39599)は、一般常識が大きく欠けていた。だからこそ……。
「『ふぁいと』は『たたかう』……つまり、『たたかうひ』だな! よし!」
残念な結論を導き出したベスティアの前に、可愛そうな犠牲者が現れた。
「あれ? 確かベスティアさん?」
偶然通りかかった海斗に、ベスティアは、彼の前にばーんっ!! と立ちはだかり。
「ここを通りたかったら、ベスを倒していくのだ!」
「は、はあっ!? ど、どうしてベスティアさんを!?」
困惑する海斗にぽーんと投げられたのは、竹刀。思わず投げられた竹刀を受け取ってしまったから、この戦いには逃げられなかった。
「準備はいいな? さあいくぞ!」
「ちょ、ちょっとまっ……あああああっ!!!」
どかばきどかばきっ!!
ぴしゅうっと海斗は、その場で倒れ込む。
「海斗、腰が入ってないぞ!」
「いや……格闘家なベスティアさんに……勝てる人って……少ない……がくっ」
ぱたりと気を失ってしまった。
「負けたなら、食べ物だ!」
「…………」
「海斗?」
再び、目を覚ました際に、ベスティアはこう告げた。
「お前負けた! だから、ベスに勝者の美味しいご馳走、しなくてはいけないっ!!」
「え、ああ……うん……」
疲れた顔で海斗は、仕方なくベスティアに美味しいステーキを奢らされて。
なお、この『ふぁいとでー』で、他にも数人の犠牲者が出て、美味しいご馳走を無理やり奢らされた……らしい。
「なあなあ、知ってるか? 勝負に負けるとご馳走しなきゃならなくなるって、本当か?」
と、桜塚特務部隊で新たな噂が広まったのだが、それは別の話。
「ベス、毎日『ふぁいとでー』でもいい……」
満足げな笑みを浮かべながら、ベスティアは、満腹のお腹を擦りながら、カレンの膝枕で寝ているのであった。
※称号「ふぁいとでーの勝者?」を獲得しました。後ほど、獲得リストをご確認ください。
大成功
🔵🔵🔵
ミッドナイト・フェアリーズ
4.ホワイトデーのお返し商品を露店にて販売。
この世界は初参加だわ。
コイネガウの世界とは違って、レトロなロマンの世界よね。
今は、ホワイトデーの季節だったら、商品が売れるかしら?
帝都界隈の公園広場辺りで露店を開くわ。
商売内容は、フェアリー・キャンディの多彩な風味を発売よ!
UCフェアリーランドの遊園地から直送した妖精が夢見る甘美な飴ね。
さぁさぁ、ホワイトデーでお返しが必要な人、必見!
希少品のフェアリー・キャンディがお安く手に入るわよ!
うふふ、流石はホワイトデー当日なだけあって大繁盛ね。
またそのうち、この世界にも仕事をやりに来ようかしら?
帰り際にリズさんの所にも寄って飴をお裾分けするわ。
アドリブ歓迎。
◆不思議な不思議なお菓子屋さん
帝都のとある公園広場で、ある露店が開かれていた。
「この世界に来るのは初めてだわ。私のいる世界とは違って、レトロでロマンな世界よね。今は、ホワイトデーの季節……だったら、商品が売れるかしら?」
ふわふわと空中を漂いながら、場所を見定めて、こうして、露店を開いたのは、小さなフェアリーのミッドナイト・フェアリーズ(フェアリーの遊園地商人なお姉さん・f36847)だ。
最近は英雄達と訪れる猟兵達のお陰で、体の小さいフェアリーでもこの帝都では、受け入れられている様子。
「可愛い妖精さんだー!」
最初に目ざとく見つけたのは、小さな女の子だった。母親と共に露店にやってきた。
「さぁさぁ、ホワイトデーでお返しが必要な人、必見! 希少品のフェアリー・キャンディがお安く手に入るわよ!」
手に取ると光の加減で不思議な色彩を放つ、可愛らしい形のキャンディーに女の子の目はくぎ付けだ。しかも手頃すぎるその価格に、母親は決めたようだ。
「すみません、このキャンディーをひとつ……いえ、三ついただけませんか?」
「はい、三つですね。お包みしますので、少々お待ちください♪」
さっそく3つも売れた。持ち帰りやすい手提げ袋に入れて、母親に渡すと、母親も女の子も嬉しそうだ。
それを皮切りに、ホワイトデーのお返しにと買う人達、自分のご褒美に買う人、それに、不思議なキャンディーに見せられた子供達とで、露店にはあっという間に人だかりができてきた。
「うふふ、流石はホワイトデー当日なだけあって大繁盛ね。またそのうち、この世界にも仕事をやりに来ようかしら?」
一通りキャンディーを売り切ったミッドナイトは、今度はリズのいる桜塚特務部隊の基地へと向かった。
「リズさーん! キャンディーのおすそ分けを持ってきたの。ちょっといかが?」
「まあ、ミッドナイト様! 来てらしたんですね。丁度、お茶が入る頃なんです。一緒にいただきませんか」
お疲れさまのリズにも、キャンディーのおすそわけ。
「このキャンディー、とっても綺麗で甘くて、美味しいですわね」
「褒めていただいて嬉しいわ。公園広場で売ったらね……」
こうして、二人の楽しいお茶会が始まったのであった。
※称号「素敵な妖精のお菓子屋さん」を獲得しました。後ほど、獲得リストをご確認ください。
大成功
🔵🔵🔵
役所・太助
太助のホワイトデーはお菓子作りに挑戦!
「帝都の特務部隊基地を守れ!」で日々のお礼を渡してくれ、初詣で困り事を頼ってきて、バレンタインで太助の救助に参加してくれ、すっかり顔馴染みになったお菓子やさんの門を叩き、クッキー作りの教えを乞う
ラッピングも習う
妻ふわの留守の間に台所で挑戦
レシピに忠実に
生真面目さも幸いし
一番簡単な素朴な味のものを何とか完成
双子や実家の親兄弟のため大量に作りつつ
ふわさんの分は大切に分け、習ったラッピングで大切に包む
渡すのが楽しみだ。喜ぶ顔が見たい
男子厨房に入らずと固く教えられてきた自分が
まさかこんな
ハッとする
生来台所だけは決して立ち入らなかった
過去改変の影響かと不安に襲われる
山田・ふわ
(3)
役所太助さんと一緒にプレイング。
詳細はマスター様にお任せします。
太助さんからプレゼントを満面の笑顔で喜ぶが、太助さんはどこか不安そう。
ふわはそっと優しく太助さんを抱きしめた。
「私はね、今、幸せなの。太助さんに出会えて、子供達に出会えて」
抱きしめる力が一層強くなる。
「色んな未来の可能性がある中で、太助さんと出会って結婚した“今”よりも幸せな未来は絶対にない。
はっきりとそう言えるの! だからね、私、もしも過去が変わったとしても、きっと何度でも太助さんを好きになるよ」
そう言って、太助さんの両頬を両手で挟んで額にキスをする。少しでも彼の不安が和らぎますようにと。
◆小さな不安とだいすきのキモチ
今日はホワイトデー当日。役所・太助(人間の公務員・f39613)は、レシピを手に台所に立っていた。
ちなみにこのレシピは、日々、お世話になってたり、お世話したりして、顔馴染みになったお菓子屋さんから貰ったクッキーのレシピだ。
太助でも作れるよう、初心者用のを書いてくれたようだ。
「……で、では……作るでござるよ!」
ぐいっと袖をまくって、台所に立ち、太助は人生初の料理に挑戦するのであった。
ちなみに妻の山田・ふわ(人間のデスブリンガー・f39711)は、双子の太美と和を伴って、お出かけ中である。
行き先は、太助の実家。こちらも根回しして、料理の時間をしっかり確保できている。その間に、クッキーを完成し、お菓子屋さんからアドバイスを受けたラッピングもしなくてはならないのだ。
「超特急でやるでござるよ! で、でも、慎重にやらねばならぬのでござる……」
お菓子屋さんからお菓子を作るには、しっかり正確に測ることが大事なのだと言われていた。
気持ちも焦るが、急がば回れ。レシピ通りに忠実に守って……。
「完成したでござるよっ!!」
ふわの分……だけでなく、子供の分と根回し分である実家家族の分まで作っている。大量だったので、作るのに手間がかかってしまったが。
「ちょっと味見……うむ、問題ないでござるな!」
ちゃんと美味しくできているようだ。素朴な甘いクッキーがここに完成した。
太助は、満足げな笑みを浮かべ、手際よく、今度はクッキーをラッピングしていく。可愛らしい紙袋に入れて、リボンをつける。それだけで、なんだか素敵なプレゼントに見えてしまうのは、気のせいだろうか。
「ラッピングもばっちりでござるな! 早く渡して、皆の喜ぶ顔がみたいものでござる」
全てのクッキーのラッピングを終えて、太助はそろそろ帰って来るだろうふわ達を迎えに行こうと思った、そのときだった。
「ただいまぁー!」
ふわ達の楽しげな声が聞こえてきた。
「あ、えっと……もう少しゆっくりしていっても、よかったのでござるよ?」
少々早い家族の帰りに、太助はちょっと驚いている。
「それがね、太美ちゃんが早くお家に帰りたいって言いだしちゃって……ちょっと早かったかな?」
家に入って来るふわ達に太助は。
「いや、大丈夫でござるよ。ほら、太美、和。ホワイトデーのクッキーでござるよ」
「わーい!! クッキーだっ!!」
「食べていい? 食べていい?」
クッキーを貰って喜ぶ子供達に太助は。
「食べた後は、ちゃんと歯磨きするでござるよ」
「「はーーいっ!!」」
クッキーの袋を持って、子供達はぱたぱたと、丸い食卓に座って、ぱりぱりと食べ始めていた。
「わあ、クッキー美味しそ……」
「これはふわの分。先日はチョコ、ありがとうでござるよ」
「えっ……これって……」
まじまじと太助から渡されたクッキーを見て、ふわは気づいた。これが太助の手作りだということに。
「男子厨房に入らずと固く教えられてきた自分が、まさかこんな……」
照れたようにそう言った、次の瞬間、太助は、はっとあることに気づいた。
――これはもしかしたら。
そう、太助は生来、台所だけは決して立ち入らなかった。
しかし、今はその台所でクッキーを作って、妻に贈り物をしている。
「過去改変の影響……」
たちまち暗い顔になっていく太助に、ふわは、その名の通り優しく太助を抱きしめる。
「ふわ……」
「私はね、今、幸せなの。太助さんに出会えて、子供達に出会えて」
抱きしめるふわの腕に、少しだけ力が入る。
「色んな未来の可能性がある中で、太助さんと出会って結婚した『今』よりも幸せな未来は、絶対にない。はっきりとそう言えるの! だからね、私、もしも過去が変わったとしても、きっと何度でも太助さんを好きになるよ」
そういって、ふわは太助の両頬を両手で挟んで、額にキスをする。
「……ふわ」
「ねえ、太助さん。これ食べてもいいかな?」
「あ、いいでござるよ?」
そういう二人の元に、双子の子供達もやってくる。
「お父さんのクッキー、美味しいよ!」
「とっても甘くて、しあわせなのー!」
「どれどれ……もぐもぐ、わあ、ホントだあっ!! 甘くて美味しくって幸せだねー!」
「ねーっ!!」
たとえ、それが改変の影響だとしても。
「太助さん、甘いクッキー、ありがとう。大変だったでしょ?」
「え? ああ……まあ……」
照れたように頭をわしゃわしゃと掻きながら、太助は笑みを浮かべる。
――もしそうだとしても、私は何度でも、太助さんを好きになるからね。
飛び切りの笑顔で、ふわは太助の方をへと抱き付いたのだった。
※アイテム「太助の甘いクッキー」を獲得しました。後ほど、獲得リストをご確認ください。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵