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【サポート優先】ヲークサモナーの卒業

#デビルキングワールド #戦後 #7thKING決定戦 #魔界学校 #ヲークサモナーの大冒険

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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

●グリモアベースにて
 グリモア猟兵のジミーが告げる。

「カオスバイクに……乗れ」

 やぶからぼうになにを!?
 さすがに端的すぎると説明を求める|猟兵《イェーガー》。

「乗らないのならカエレ!!」

 しかし、そのウサンクサイの男はにべもない。
 実に一年ぶりくらいの出番だったが、どうやらまともに仕事する気はないようだ。

「……お前の考えている通りだ」

 そこで同意を示されても何も分からない!

「カオスに対して通常のユーベルコードは役に立たんよ」

 カオス……カオスがキーワードなのだろうか?
 だから、カオスに対抗するためにカオスバイクに乗れ……ってコト!?

「もちろんだ。カオスを倒さぬ限り、我々に卒業は無い……」

 何の卒業だろう。
 あとスズメの獣人階梯5っぽい少女が「キュゥ……」と呻きながら目を回して倒れているが、一体何があったのだろう……。

「死んでいるわけではない」

 その、カオスとやらにやられたのだろうか。
 これで猟兵たちが行かなければ、「予備が使えなくなった」とか言ってもう一度アレする気か。

「そんなことよりおうどんたべたい」

 何もかもぜんぜん分からないが、これ以上問い合わせてもグリモア猟兵はAIチャットより役に立ちそうもない。
 猟兵はとりあえず現地へと飛んだ。

●卒業試験
「暴走? たしかに、そういう見方もあるかもしれませんな」

 猟兵たちのインタビュー(?)に答えたのは|大草萌名《おおくさもな》さん。魔界学園きっての|優等生《筋金入りのワル》だ。
 彼はかつての7thKING候補『スーパーカオスドラゴン』さんの舎弟でもあり、今は亡き(※死んでません)スーパーカオスドラゴンさんの遺志(※死んでません)を継いで魔界にカオスの暴走を顕現させるべく、カオスエネルギーで変形合体する『カオスバイク』にまたがり『カオスライダー軍団』を率いて日夜暴走行為を繰り広げているのだ。

「つまり、『ゲヒャー。味方がよい子過ぎてカオスに徹していたスーパーカオスドラゴン、それを知らないガチデビルに「全ての世界にカタストロフを」と言われて追放されてしまう~今更帰ってこいと言われてももう遅い。お空の国でお前たちのことを見守ってるぜェ!』 ……と言うわけなのですぞ」

 ……??? なにが???
 アレかな? 自分は|追放モノ《ナロー系》の、主人公の理解者ポジションって……コト?

「違いますぞ。今のは我が執筆中の同人誌のタイトルですぞ。そして、猟兵さんたちは学園から依頼を受け、暴走行為を繰り返す我らと戦うのですぞ。これは我らの卒業試験であり、猟兵さんに勝てば我ら卒業できるのですぞ!」

 ……はい。

「そんなわけで、猟兵さんたちはカオスライダーに対抗するため、カオスエネルギーを放つベルト等を学園から貸与され、レースバトルを行うのですぞ。これで『カオスライダー』等に変身し、同様に貸与されたカオスバイク等に乗って戦うのですぞー!」

 …………はい。

「我思うに、卒業難度高すぎですぞ」

 ……そうでもない気がするよ?

 そう、豚の獣人階梯4みたいな格好のヲークサモナーさんはでっぷりたるんだお腹に、ツインテ少女のプリントTシャツがはちきれんばかり。見るからに破廉恥っぽい表紙のウスイ=ホンや魔法少女ステッキを粋に構えるその姿は、猟兵さんたちと比べても色んな意味で勝るとも劣らない存在感。
 そしてビン底眼鏡の奥に隠された野獣のごとき眼光は、猟兵さんたちに妙な不安感を搔き立てる。

「グフフ……大丈夫。我ら現実の美少女には紳士的にノータッチなのですぞ……ハァハァ」

 にちゃり。
 ヲークサモナーさんが笑った――それはいわゆる“捕食者”の笑みだった。


常闇ノ海月
 紳士的にノータッチだけど、脳内では遠慮なくぐっちょぐっちょに辱めてやりますぞ! 常闇ノ海月です。
 お久しぶりです。復帰しましたが、執筆できるかどうかの様子見でまずはリハビリ的にサポートシナリオから。

●第一章
 カオスライダー軍団とカオスバイクレースで勝負します。
 勝ちに行ってもいいし、負けても特になにもありません。
 ヲークサモナーはゲートから色々召喚して妨害(?)してきます。
 ヲークサモナーさんが一位を取ったら手術を受けると決めた病弱な美少女とか、故郷が邪竜に焼かれて空賊になって今は奴隷にされてるエルフさんとか、そんな感じの変化球が多めになる予定。プレイングで創作もOK。
 乗り物はカオスバイク以外でもOKですが、数値的な優劣はほとんど無意味だと思ってください。

 ヲークサモナーたちは美女美少女ロリショタ等に幅広くハァハァしてきますが、(えちぃ描写は)ないです。彼らの脳内でどんな目にあわされたかはPLさんの脳内セルフサービスでどうぞ。
 尚、うっかり|精神感応《テレパシー》で妄想を覗いてしまったりすると、キュゥ……ってなるみたいです。

●第二章
 ヲークサモナーさんたちの卒業式に出席予定です。
 猟兵が負ける前提? はっ! 猟兵がヲークサモナーさんに勝てるわけないでしょう!(予定は未定です)

 ではでは、宜しければ参加をご検討ください。
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第1章 冒険 『ゲート突破大作戦』

POW   :    腕力、暴力、気合で強引に突破

SPD   :    偽造のチケットや身分証でスマートに突破

WIZ   :    姿を消したりしてさっさと突破

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シフォン・メルヴェイユ(サポート)
『楽しい世界が待っていたらいいなぁ。』
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 怒った時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびりとして、無邪気な性格をしています。
基本的に常に笑顔で人に接して、
敵以外なら誰に対しても友好的な性格です。
因みにトランプを使った手品が得意で、必要に応じて皆を楽しませます。
 あとはお任せします。宜しくお願いします。



●混ぜるな! 危険!
「カオスバイクレース? なんだか楽しそうね!」

 春風に踊る桜の花びらのような、明るい桃色の髪が楽し気に揺れていました。シフォン・メルヴェイユ(夢見る少女・f19704)さんが危機感の無い無邪気な様子で、ガレージに並ぶレース用のマシンを検分しています。レースバトルに必要なカオスエネルギーは『プリンセスハート』に充填してもらったので、あとはマシンを選んだら変身してスタートするだけです。

「でも、どうしてどのマシンも女の子の絵が描いてあるのかな……?」

 |大草萌名《おおくさもな》さんに案内された魔界学園のガレージには、ボディに萌え絵が描かれたいわゆる痛バイクか痛車しかありませんでした。そこでは整備士らしきツナギ姿のヲークサモナーさんたちが、手塩にかけたカオスマシンを選ぶシフォンさんを凝視していました。

「ハァ……ハァ……」

 ところで、シフォンさんの種族はエルフで、それもなんとプリンセスでした。
 うら若きエルフの美少女で、|魔法のお姫さま《プリンセス》にして、|少女騎士《アリスナイト》でした。なんだそのオーク欲張りセットみたいな属性の詰め込みは……(驚愕)。これではそうツッコまれても仕方ありません。
 そんな、ヲークサモナーさんたちの大好物詰め合わせみたいな美少女をガレージという閉鎖空間で一緒にしてしまったら、どうなるか……。

「ハァ、ハァ……そんなに……ボクたちの(カオス!↑)が見たいのですかな……」

 整備士ヲークサモナーさんが荒い息を吐きながら、眼鏡を青白く光らせています。紳士的に案内してくれた大草萌名さんが一言も発さぬまま、静かにガレージのドアを閉めて、誰も入って来ないように鍵をかけました。

「ちょ、挑発してくる……猟兵さんが……悪いのですぞ……!」

 そこに居たのがエルフの美少女というだけなら、ヲークサモナーさんも耐えられたでしょう。そこにプリンセスが付加されても、或いはぎりぎりで踏み止まれたかもしれません。けれど、更に少女騎士までが加わったのです。オーク必殺の急所を容赦なく抉るような鋭い三連撃――これでは、いくら厳しい修行の末に魔法使い(意味深)となったヲークサモナーさんでも一たまりもありません。

「あれ? どうしたの? なんだか怖い顔……」

 そんな危機的な状況に、楽観的なシフォンさんもようやく気付き始めます。バイク選びを中断して周りを見回すと、フゥーフゥーと息を荒げながらにじり寄ってくるヲークサモナーさんたち。

「な、なに……?」

 思わず後ずさるシフォンさんが、とうとう壁際に追い詰められます。

「ハァ、ハァ……どうせ、ボクたちは卒業できないんですぞ……なら……」

 |彼ら《ヲークサモナー》の中の|野獣《オーク》が目覚め、理性の鎖を引き千切って暴走しようとしていました。思考回路はショート寸前。このままではスーパーカオスではなく、スーパーエロスな展開になってしまいかねません。

「フゥ、フゥ……や、|ヤられる《留年喰らう》前に、|ヤって《卒業して》やるのですぞ……!!」
「な、なにをです……!?」

 そうしてヲークサモナーさんたちが|アスロック《艦載用対潜》ミサイルを発射しようとボタンに手をかけた……その時!

「……そこまでですぞー!」
「!?」

 ガシャーン!! と、ガレージの窓が割れる音が響き、痛バイクに乗ったちょっとビンテージ感と気品の漂うヲークサモナーさんが乱入してきました。

「あ、あなたは……エロフスキー男爵!!」

 エロフスキー男爵です。地獄のあらゆる土地を駆け巡った上、月世界の探検にも成功した冒険家。そしてなによりエr……エルフをこよなく愛好することで知られている、ヲークサモナー界きっての重鎮でした。

「我らを邪魔立てする気ですかな……?」
「エロフスキー男爵、あなたなら、ボクたちのこの|気持ち《衝動》が理解できるはずですぞ……!」

 剣呑な気配を発しながら詰め寄るヲークサモナーたちに、エロフスキー男爵が静かに首を振ります。
 ヲークサモナーさんたちが、ハッとしました。
 磔にかけられた聖者のように両手を広げ、シフォンさんを後ろ手に庇うエロフスキー男爵――彼は、食いしばりすぎた歯が砕けた口から血を吐き、充血しすぎた目から血の涙を流していたのです。

「お嬢さん……お逃げなさい……ですぞ」
「は、はぁ……」
「そう……ですぞ……|ボクたち《ヲークサモナー》が、まだ、|ボクたち《魔法使い》と呼べるうちに……っ!!」

 ニゴリ……と微笑み、森で出会ったくまさんみたいなことを言って逃亡を促すエロフスキー男爵。シフォンさんは促されるまま、窓から外に脱出します。ヲークサモナーさんたちも何か感じ入って改心したのか、ゲフゥっと吐血しながらそれを見送ります。
 ガレージの外では、エロフスキー男爵が召喚していたのでしょうか、ブルーアルカディアの空賊っぽい恰好をした|同族《エルフ》の少女が小型飛空艇と共に待機していました。

「行こ。……レース、スタート」
「い、良いのでしょうか……」

 流されるままに飛び立ったシフォンさんが一度だけ後ろを振り返ると、ヲークサモナーさんたちが皆で空を見上げ、手を振って送り出してくれていました。

「行ってくだされ……ボクたちのために……行ってくだされ……ですぞ!」
「森の人を救えるのは、貴女だけですぞ……!」

 こうして、シフォンさんは彼らの声援を背に、危機が迫る森の仲間を救うべく急ぐのでした……でした?

成功 🔵​🔵​🔴​

赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可

合わせ等も自由にどうぞ



●あなたは、そこにいますか
「ふはははははー、私さんじょーう!」

 どっかーん! とド派手な爆発を潜り抜け、街中を疾駆する一台のカオスバイク。
 うさぎのように真っ赤なおめ目と、同色のボーイッシュな赤髪が良く似合う、赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)さんの登場です。緋色さんはすでにカオスエネルギーによりバニーさんスタイルに変身し、魔界の道路をノーヘルで爆走中でした。

「ウサギガニゲテマスゾー!」
「あら本当……ですぞー!!」

 先行するそのバイクをヲークサモナーさんたちがアクセル|全開《フルスロットル》で追いかけますが、少女のように華奢な緋色さんとの体重差は歴然。いくらヲークサモナーさんたちが実は動けるタイプの……横に大きい悪魔と言っても、|バイク《乗騎》の性能が同じならどちらが速いかは自明でした。

「ひゃっはー!!」
「ひゃっはー!! ですぞー!!」

 これぞ|暴走《様式美》!
 フリーダムかつアグレッシブなアドリブ力に優れる緋色さんは、カオスエネルギーとの相性もばっちりだったのでしょう。ぶっちぎりとはいきませんが、カオスエネルギーの取り扱いには一日の長があるはずのヲークサモナーさんを抑えて、いまだぐんぐんと加速していきます。

「ここには制限速度も道交法も確定申告も締切もなにもない……私は、自由だーっ!!」

 バイクで事故ったくらいではビクともしない悪魔たちの、そんな世界で。
 緋色の|うさぎさん《先導者》を先頭に減速しないままコーナーへ突っ込み、傾けた車体の側面から無駄に火花を散らしてギュンギュンと飛ばすカオスライダーの一団は、脳内でドーパミンを大量に分泌させながら“スピードの向こう側”へ近づいていました。

 ――それはどこまでもどこまでも、果てなく広がる無限の空間。空隙、巨大な虚――絶対たる真空が那由多に広がっている、虚無の世界。

「!? な、なにっ?」
「来ます……コレ!!」

 突然、世界から全ての音と色が消え失せ、一瞬後に重力を失くした身体が投げ出されます。
 ……そう、カオスエネルギー的なアレのアレがアレして、全てを振り切った緋色さんとヲークサモナーさんたちは遂に宇宙空間へと到達していたのです。
 そこは――圧倒的な無が無限に横たわる死の空間は、けれど美しい光で溢れていました。エメラルドの輝きを放つ銀河、光年の彼方に輝く星々は、いまもそこに在るのでしょうか、それとも……。

(……ああ)

 緋色さんの存在が、宇宙へと広がり、混じり合い、溶けていきます。
 それは決して恐ろしいことでは無く、どこか満ち足りたような、悟りにも似た境地でした。

(この心地よい静けさと心の高揚は……きっとあの地上では、決して感じられないものだね)

 ブヒィ……。

(あの、ちっぽけな人間たちの欲望が渦巻き、人間同士が醜くいがみ合い傷つけあう、穢れた地上では、決して……だから、アイツらがひとりも居ないから、この世界はこんなにも美しいんだ……)

 ブヒィィイイイ!!!

 宇宙うさぎと化したそんな緋色さんを、ヲークサモナーさんが呼んでいました。そうして、何気なく振り返った緋色の瞳に映ったのは――

「………………」

 それは、墨色の暗闇にぽっかりと浮かぶ、蒼く輝く星――水の星と呼ばれる、美しい惑星でした。
 まばたきひとつもせず、食い入るようにその蒼い星を見つめる緋色さんの瞳からは、この世界で一番きれいなしずくが、わけもなく滴り落ちていくのでした。
 引き合う力なんて届かないはずの、|地球《故郷》へと――。

「……ところでこれ、何の話だっけ?」
「ん? |何でもする《自由にどうぞ》っていったのですぞ?」

 ――二人は幸せなキスをして終了!

成功 🔵​🔵​🔴​

四条・眠斗(サポート)
ぅゅ……くぅ~……あらぁ?
いつの間にか始まってましたかぁ~?
さっさと事件を解決しないとぉ、安心してもうひと眠りできませんからねぇ~。
ユーベルコードは出し惜しみしても仕方ありませんからぁ、
一気に片づけるつもりでやっちゃいましょう~。
案ずるより産むがやすしともいいますしぃ、躊躇うよりはいいですよねぇ~?
こう見えてもぉ、腕には少し自信があるのですよぉ~。
それにぃ、様子を見てる間にまた眠くなっちゃっても困っちゃいますしぃ。
荒事じゃなくてぇ、楽しいことならめいっぱい楽しんじゃいましょう~。
のんびりできるところとかぁ、動物さんがたくさんいるところなんか素敵ですよねぇ~。
※アドリブ・絡み歓迎



●※事前のあいさつ回りと打ち合わせを元に実行された破壊活動です
「ぅゅ……くぅ~……あらぁ?」

 四条・眠斗(白雪の眠り姫・f37257)さんが目をさましたのは、どうやら移動中の乗り物の車内(?)のようでした。レース前に寝落ちしてしまったのですが、ヲークサモナーさんが気を利かせて一緒に乗せてくれていたようです。

「あ、起きたでござるな……大丈夫、ハイ〇ースではござらん故に……」

 眠斗さんは、年齢こそ既に成人でしたが、その容姿はとてもロリータでした。和ロリの装いに雪のようなツーサイドアップが実に可愛らしい、眠れる森の|姫《ロリ》でした。
 そんな彼女が、いつの間にか乗せられていた知らない場所で目をさましたのです。
 けれど、「ペロリ……! これは|ハイエー〇《拉致事件》!」 などと慄く死神探偵少年はどこにもいません。

「あふぅ…………ハ〇エース? あ、レースが……いつの間にか……始まってましたかぁ~?」
「のんびりでござるなぁ……でも、拙者ものんびりでござるよ。皆も……もっとのんびりするでござる」

 随分と広い空間を湛える室内。その中心にしつらえられた円形のベッドの上で、雪の妖精のような眠斗さんに語り掛けてきたのは、となりでゴロゴロしていた竜神と思しき少女でした。聞けば、|不治の病《働きたくないでござる》に冒されて|絶望し《骸の海に堕ちかけ》ていた彼女を、親切なヲークサモナーさんが助けて面倒を見てくれているそうです。

「拙者……このレースでヲークサモナーさんが一位を取ったらシュ……シュルツ? を受けるのでござる……。きっと、勇気が湧いてくるような……そんな気がする? のでござる……」

 全然感情のこもってない声でそう言って、ちらちらっと眠斗さんの様子を窺います。

「えとぉ……今回は別に、事件を解決しなくても大丈夫そうですしぃ……」
「やったでござる。任務……完了でござる……」

 スヤァ……安心した竜神は力尽きたのか(?)眠ってしまいましたが……明らかにヤラセでした。
 眠斗さんは釣られてもうひと眠りしそうになるのを堪えて、周囲の様子に目を向けました。たくさんの計器やモニター等が設置されたその場所は、戦艦などの|CIC《戦闘指揮所》によく似ています。そこで働くヲークサモナーさんたちが、眠斗さんが目を覚ましたのに気づいて様子を見守っていました。

「デュフフ……まだ寝ていても良いのですぞ? もうすぐ、全部が片付きますからな……コポォ」

 ゴロゴロとくつろぐ竜神の少女や、寝起きの眠斗さんに向けられるヲークサモナーさんたちの目は、とてもやさしく、なまあたたかく、穏やかなものでした。

「そうですかぁ……? ひょっとして、もうレース終盤なのですかねぇ……」

 たくさんの動物さん(?)に囲まれて、のんびりしていても良いと言われるこの環境は、眠斗さんにとっても捨てがたいものです。今から無理してレースに参加するよりも、このままのんびりでも良いかも……そんなことを考える彼女の耳に、

「艦長……着弾まであと20秒ですぞ……」
「ドローンからの映像、映しますですぞ……」

 眠斗さんたちに配慮して小声で話すヲークサモナーさんたちの会話が届きます。

「着弾……ですぅ?」
「そう……魔界学園を……ぶっ壊すのですぞ」

 大型モニターに映し出された魔界学園の校舎に、|トマホーク《艦載用巡行》ミサイルが突き刺さりました。無音でありながらも現地を襲う爆音、轟音、衝撃波が伝わるような映像。解放されたカオスが魔界学園の内部で幾度と無く大爆発を引き起こし、やがて崩壊を続ける“カオスの渾沌領域”が発生します。

 ――魔界学園は跡形もなく消滅してしまいました。

「やったぜ……ですぞ!」
「んゅ……えと……?」

 ……夢かな?
 目をこしこしとこすって二度見する眠斗さん。

 ゆ め じゃ ない!↑↑ ですぞ!

「な、なにしてるですかぁ~!」
「心の一つもわかりあえない大人たちを断・罪……してやったのですぞ!」
「抗う大人はみなごろし! ですぞー!」

 ヲークサモナーさんたちは、大人しいいい子たちかと思ったら、とんでもない|優等生《ワル》でした。学園の窓ガラスを意味もなく割って回るどころか、学園そのものを爆砕! 粉砕! 大喝采! してしまったのです。

「ぅゅ~……なんで……なんでぇ~……?」

 見習いとはいえ、今は教師でもある眠斗さんは眠気が吹っ飛んでしまいました。木っ端微塵になった校舎に、かつて自分が通っていた銀誓館学園の思い出が過り――なんだかとっても悲しい気分です。
 そんな、ちょっと涙目な眠斗さんに、集まってきたヲークサモナーさんたちがやさしく語り掛けます。

「我らどんな時も思考停止……いえ、|よい子ワルい子《善悪二元論》で行動を決めることはしたくないのですぞ。あなたの想いを聞かせてくだされ……マイスイートベイビー」
「だれがマイスイートベイビーですかぁ~! それにそんなちょっと賢そうなこと言うなら、こういうことはやる前に相談するのですぅ~っ!!」
「き、気持ちよさそうに寝てたので……起こすのわるいと思って……ですぞ……」

 そう言われては何も言えず、

「ぅゅ……もぅ……もぉぅ……っ!」

 眠斗さんはとりあえず猛烈な吹雪を発生させてヲークサモナーさんたちを冷やしました。

「ちょっと、頭冷やそうか……というわけですな!」

 それでも、ロリロリな眠斗さんにお仕置きされたヲークサモナーさんたちは心底嬉しそうでした。
 ――もしかしたら、眠斗さんのような先生ともっと早くに出会えていたなら、あるいは違った未来もあったのかもしれません。

「ふ、ふぇぇ……こ、これはぁ~……」

 けれど、無数のカオスバイクが変形合体した『超巨大バイク戦艦』による“地ならし”――地獄|浄化《クリーン》作戦は、既に始まってしまっていたのです。
 眠斗さんが! のんきに! 寝てる間に!

「スゲー!!」
「半端ネぇ……なんてワルなんだ!!」

 悪魔たちはただ、やがて聞こえてくる終末の跫音に震え、逃げ惑うのみ。あらゆる都市や文明、動植物は尽く踏み潰され、文字通り全ては平らな地表と化すでしょう……まさに、悪魔の所業です。

「んゅぅ……レースバトルじゃなかったのですかぁ~……? これじゃ、安眠できませんよぅ……」

 もはや、このカオスの暴走から魔界を救えるのは猟兵でも、|スーパーカオスドラゴン《彼らの親分》でもありません。ヲークサモナーさんの性癖に刺さるエッチなお姉さんとかお嬢さんの|愛《エロス》……だけなのです。

「ご参加お待ちしておりますぞー!!」

 ――|ぐへへ《つづく》。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
内容にもよるけど、行動指針となる確実な情報を得るのが有意義だと思うわ。
着替えるなり変装するなり色仕掛けなり、手段は状況に寄りけりかしら。
それとどんなときも落ち着いて行動ね。
あと、物証とか何かを集める必要があればうまく詰め込んで、
効率よく運びたいわね。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.潜入・変装・誘惑等で確実な情報一つの入手を試みる
 (または情報の裏を取る)
2.斥候・探索役として周囲を探り、情報収集を行う。
3.戦闘にて囮役または攻撃補助に徹する。

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎



●指針と疑問
「いけいけボクらのバイク戦艦! ですぞー!」

 ヲークサモナーさんたちの秘密兵器、カオスバイク――その合体変形機能をフル活用した『バイク戦艦』が森の木々をなぎ倒しながら爆走しています。
 きっと道路を作る予定だったのです。生態系への影響が懸念されますが、魔界の生き物は頑丈なので大丈夫でしょう。……たぶん。

「オブリビオンでもないのに……流石、魔界の住民。異世界に送りだせばカタストロフ待ったなしと言われるだけのことはあるわね」

 それを遠目から眺めるラムダ・ツァオ(影・f00001)さんはちょっと呆れ顔ですが、しかしどんな時でも落ち着いて行動する彼女は焦ってはいませんでした。まだ慌てるような時間じゃないのです。

「私たちが勝とうが負けようが、被害とか無いようだしね……力の差を“分からせ”てあげるっていうのもいいかもしれないけれど、それも何かねぇ……」

 ヲークサモナーさんたちは猟兵に負ければ留年してしまうようなのです。勿論、勝負に全力を尽くすことは否定しませんが、束縛を嫌うラムダさんとしては、卒業したいというのなら自由にさせてあげるのも良い気がしていました。

「それよりも気になるのは、ヲークサモナーたちの目的ね……」

 流石に、レースに勝つためだけにバイク戦艦を造り出したり、森を切り開いて道を作ったりはしないでしょう。彼らにはレースの勝利以外にも何か目的がある……そう考えた方が自然でした。

(……なら、まずは自らの行動指針となる確実な情報を得るのが有意義ね)

 どんな強力な兵器も、ユーベルコードも、攻めるべき敵が……またその弱点が見えていなければ効果を発揮しません。そして、そもそもがその“刃”を振り下ろすべき『敵』であるかどうかを見極めることも、戦士として重要な資質なのです。さもなくば、疑わしきもの全てに躊躇うことなく凶器を振りかざすならば、自ら進んで地獄を作り出すことになりかねません。

「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり――ってね」

 強い力を手にした者は、力に振り回されてしまうことも多々あるのですが、それはラムダさんには当てはまらないようです。事態に動じず淡々と対処するラムダさん。彼女のかける丸|メガネ《サングラス》は、強キャラの証なのかもしれません。

「そして、まず、何より知らなければいけないのは」

 爆走するヲークモナーさんのバイク戦艦と、それを追走する猟兵さんたちのカオスバイク。エキサイティーン↑ するレースを眺めながら、ラムダさんがつぶやきます。

「……ゴールってどこなのよ!?」

 なし崩しでスタートしたレースでは、猟兵さんたちの誰もゴールがどこなのかを知りませんでした。皆、今の今までノリと勢いだけで走っていたのです。

●誘惑と真意
「キテ……ハ……イケマ……セン……ゾ……!」
「ええと……オブリビオンじゃない、のよね?」

 ほんとにぃ~? 思わずそう言いたくなるような、禍々しい気配を抑えきれずに、下腹部を抑えて苦しむ(?)ヲークサモナーさん。かの有名な、エルフ大好きエロフスキ―男爵その人です。
 エロフスキー男爵は、ヲークサモナーたちから情報をヌキ取ろうと彼に近づいてきた黒い肌のエルフ――すなわち、ラムダさんの『誘惑』をマトモに食らってしまい、爆発しそうになっていました。

「ぐ、がァぁァ……ッ。ダメ……モゥ……エッ……スギル……デスゾ……!」

 ラムダさんが常に纏う外套で隠していた肢体は、今は惜しげもなくその大部分を露出し晒していました。変・し……はっやーい! とか言っている間に、黒タイツのバニーさんが現れていたのです!!
 その姿は、エロフスキー男爵曰く、控えめに言ってとても|最高《えっち》ですぞー! でした。

「ああっ、男爵が……!」
「……もう、助かりませんぞ――グワーッ!」
「えっちすぎる……のですぞ――グワーッ!」

 レースから脱落したエロフスキー男爵。
 仲間のヲークサモナーさんが心配ていそうな、見捨てそうな雰囲気を醸し出しつつ、|よそ見運転をした《ラムダさんをガン見してた》せいでガンガンクラッシュしていきました。

「……楽になりたかったら、答えなさい。カオスエネルギーの暴走……そして、猟兵まで巻き込んで……あなたたちはナニをするつもりなの?」
「あっ 大規模な召喚術には儀式が あっ 必要で あっあっ 一般的なあっ あっあっ」

 今にも爆発四散しそうなエロフスキー男爵にしなだれかかり、耳にそっと息を吹きかけながら尋問を開始するラムダさん。
 エロフスキー男爵は脳みそクチュクチュされる幻獣ハンターみたいになってしまいました。

「なるほど……ガチデビルが異世界の魔王を召喚していたのに触発されて、『界渡り』に興味を持ってしまったのね」
「『|なんでも《万物を》女の子にしてしまう』魔王も呼んだと聞いてますぞ。大変興味深いのですぞ!」

 ヲークサモナーたちはどうやら、『魔王パラダルク』にも対抗心を燃やして日夜研究に励んでいたようです。巨大バイク戦艦の運用もかの『実験戦艦ガルベリオン』に触発されたのかもしれません。また、その研究の過程でどこかから竜神を召喚したりもしていたとか。

「今のところ、界を渡る能力は猟兵さんや一部の強敵だけが独占していますぞ。我ら、猟兵さんと勝負し上回ることでその権能をも喰らい、まだ見ぬ世界へと旅立つのですぞー!!!」
「そうだったのね……そう言うことなら」
「ヴッ! ……ブ、ブヒ……ィイイイ……」

 ラムダさんは、エロフスキー男爵のお耳をカプッと甘噛みしました。エロフスキー男爵は、秘孔を突かれたヒャッハーのように、全身から血を吹いて爆発して死にました(※死んでません)。
 魔法使い(意味深)には、刺激が強すぎたのです。

「これは、簡単に負けてあげられないわね……」

 ヲークサモナーたちに悪意はまるで無いのでしょうが、万が一にでも異世界に旅立たれたら、カタストロフ級の危機を引き起こしかねません。つまり――猟兵さんの仕事が増えるのです。
 これはできるなら予防した方が良さそうでしたが、とはいえ、情報収集に徹したラムダさんでは今からトップ争いに加わるのは無理そうです。

「……あとは、頼んだわよ」

 森の彼方で激しいデッドヒートを繰り広げる仲間へとこの情報を伝え。
 ラムダさんは、幸せそうな顔で息を引き取ったエロフスキー男爵やスケベそうな顔でクラッシュしたヲークサモナーさんたちを道路脇によけると、ほどほどに介抱してあげるのでした。

成功 🔵​🔵​🔴​

禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
 人間の人形遣い×ビーストマスター、13歳の女の子です。
 普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●カワイイってことさ
「そもそも。カオスって……なに?」

 胡散臭いお兄さんに「乗れ」と言われてうっかり乗ってしまったカオスバイクに跨り、もっともな疑問を口にするのは禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)さん。
 黒で統一されたゴスロリドレスにあわせたシックなモノトーンのカオスバイクを駆って、切り拓かれた森の不整地をギュンギュン疾駆するその姿は、案外と様になっています。

「だれかのm'aiderが聞こえた気がしたのですぞ……だから、我らは!」
「……」

 妹姫騎士が描かれたカオスバイクに乗った|大草萌名《おおくさもな》さんは、黒絵さんの疑問には答えてくれません。
 あるいは、答えが無いことこそが答えなのかもしれませんが……。

「あまねく異世界の! 妹姫騎士の為に……ゆかねばならぬ、ゆかねばならぬのですぞー!!」
「……妹姫騎士って……なに?」

 ご存じ……無いのですか?
 バイク戦艦を母艦として直掩についたヲークサモナーたちは、妹萌えなのです! そして! それはつまり……。

「そろそろ狩るか……🐽 ですぞ」
「……?」

 悲しい生い立ちながらも今は良いところのお嬢さまとして大切に育てられている黒絵さん。物憂げ無表情が基本なダウナー系ゴスロリ少女な彼女も、当然のようにヲークサモナーさんたちの|射程範囲内《妹候補》でした。

「……クロエと遊んでくれるの?」
「クロエたん……もちろんですぞ!」
「お兄さまと呼んでくれたって良いのですぞー!!」

 首を傾げる14歳の少女にブヒブヒとカオスバイクを寄せてくるヲークサモナーさんたち。

「……それは、なんかイヤ」
「ブッヒィイイイイ……!」
「フォカヌポウwww」

 ゴッ!! グシャバキ、ゴキン……ズザザザー!!

「ボンレー! ロー!!」
「なんてこった……ですぞ……」

 あっさりとお断りを受けたボンレ&ローのスハム兄弟がハンドリングを誤り、あえなくクラッシュ。森の藻屑となってしまいました。何故かバイクは無事っぽいのですが、乗っていた二人は大ダメージを受けています。

「『美少女精霊を宿したさいきょうのそうび』と合体し、あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になった我らを倒すとは、さすが猟兵さんですぞ……!」
「くっ……ほぼ無敵とはいえ、倒されてしまえば、解除時には蓄積したダメージを全て受けるのですぞ」
「……クロエ、なにもやってないよ?」

 まぁ実際その通りなのですが、ヲークサモナーさんたちは黒絵さんを取り囲み、勝手に盛り上がっていきます。

「こうなったら……仕方ないのですぞ! 皆の衆、フォーメーションBで行くのですぞー!」
「萌名殿……ヤるのですな、いま! ここで……!」

 悪魔たちはその一人一人が『猟兵に匹敵する強大なユーベルコード使い』です。それも、ヲークサモナーさんたちは恐らく集団でこそ威力を発揮する特殊なユーベルコードを発動しているのでしょう。何だか下手なボス・オブリビオンよりもヤバイ気配を漂わせる彼らに本気で狙われれば、歴戦の猟兵とて一たまりもありません。
 ……危うし、黒絵さん!

「あ。……そう、なのね。……クロエは、いじめられるんだ……クロエは、呪われた子、だから……」

 なんだかちょっと病んでそうな、か細い独り言が漏れ聴こえます。キュッと引き結んだ唇に垂れ下がった眉、光の無い悲し気な瞳。何かに耐えるように、諦めているようにボソボソと呟く言葉に、

「ぐっはぁああああ……!!」
「はうあ! ごめんよクロエたんおにいさまがまちがtt――グワーッ!!!」
「ああっ、でもしょんぼりしたお顔もかわいらしいですz――グワーッ!!!」

 我ら生まれた日と世界と種族と親は違えど心はお兄さま! なヲークサモナーさんたちは、良心の呵責に耐えられず爆発四散して死にました(※死んでません)。彼らは悪魔らしく基本的に良い子なので、こういった精神的負荷には耐性が無かったのです。次々と連鎖的に事故ってはバイクはそのまま、ライダーだけがオシャカになっていきました。

「……!! 今なの!」

 包囲が崩れた直掩機を振り切って、黒絵さんが最後の勝負に出ます。バイク戦艦は未だ健在でしたが、これは戦闘力を競う勝負ではありません。アクセルフルスロットルで追い上げるカオスバイク、それに宿る精霊がこう……中二的な秘められた力をなんかこう……解放、解放した……? え、知らない……? じゃぁなにこれ……ですぞ。

「クロエの本気、見せてあげる……」

 結局、カオスって何だろう。黒絵さんには分かりません。この世界には分からないことだらけです。
 けれど、今はこうしなければいけないと思い――

「カオス……解放なの!」
「……!? アレは……まさか、|初代総長《スーパーカオスドラゴン》の……ですぞ!?」

 黒絵さんの宣言に、カオスバイクからモヤモヤァ、と滲み出た影が一つの形を取りました。これはまさか―――スーパーカオスドラゴン!? ……と見せかけて、黒いクマさんでした。
 そしてクマさんが、気合の声をあげて吼えます。

 ――ゲッヒャァアアアア!!!!

「クマさんはそんな鳴き方しないの!」

 思わず、ちょっと大きな声が出ました。そのままバイク戦艦に並び、競りかける黒絵さんのカオスバイク。ゴール的なラインっぽい場所へ向けて必死の逃げ切りを図るバイク戦艦。
 追い越されては、また追い越して――熾烈なデッドヒートを繰り広げる猟兵とヲークサモナーの勝負は、

「――勝者、」

 どちらが勝ったのか、ほとんど並んでゴールした当事者たちにも分かりませんでした。ついでに言うと、どこがゴールだったのかも実は分かりませんでした。
 ゲストとしてスポット参加してくれたジャッジメントガールの判定を、固唾をのんで見守ります。

「勝者――シバベロスっス!!」
「わぅーん!!」

 優勝は、シバベロスでした。
 だって……犬が、好きだから! かわいいから!!

「お、お前の仕業だったのか……ですぞ!」
「わんわん! きゃん!」
「……おいで」

 野望を挫かれたヲークサモナーさんたちが膝をつきうなだれます。
 ビーストマスターでもある黒絵さんは、遊びたそうなシバベロスと遊んであげました。
 すると――

「尊い……のですぞ」
「守りたい、こんな景色……ですな」

 敗れたヲークサモナーさんたちもやがて立ち上がると、寿司を握り、とんかつを揚げていきます。

 ――そして、ついに卒業式が始まったのです。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『ヲークサモナー』

POW   :    “同志”よ、助太刀するぞ!
【同じ性癖を持つ者】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[同じ性癖を持つ者]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    この女の子の姿になる装備と合体する設定は使える!
【黒歴史ノート】に封じた【美少女精霊を宿したさいきょうのそうび】と合体し、あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になる。ただし解除時にダメージを全て受ける。
WIZ   :    出ませい、妹姫騎士!
自身の【生命力(社会的な意味で)】を代償に、1〜12体の【妹姫騎士】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

田貫・喜常
ヒャア! 我慢できねえ参戦だァー! あ、なんかこう、基本自由に改変してくれてもいいメタネタ上等スラップスティックな感じで宜しくオナシャス。
ところでヲ(タ)ークくんさぁ……(説明TOP画像から)何か浮いてね?
なるほどね……これも|骸の海《過去作品》から蘇った弊害《UIとか画像の基本サイズが変わった影響》ってコトね……
ゑ、なんでそんなコト識ってるのか? こう、|レプリカント的に受信した電波の影響《中の人が同じだから》……ですかね……
ともあれ、貴様が呼び出した|妹姫騎士《シスタープリンセスナイト》……中々の力のようだなァ!
さぁ来い! アタシはオブリビオンマシンに乗って約10秒で死ぬぞォォォォォ!!



●平和だったヲークの卒業式に
 |田貫《たぬき》・|喜常《きつね》(愉快な仲間の賢い動物・f30581)さんが攻め込んできました。

「ヒャア! 我慢できねえ参戦だァー!」
「キャァァァァァァッ! ですぞー!!」

 絹を裂くような、野太い悲鳴が響き渡ります。
 |公式な式典《サポートシナリオ》の隙を|卑劣な裏切り《通常プレイング》によって急襲されたヲークサモナーさんたちが、為す術もなく蹂躙されていきます。平和だったはずのヲークの村は、瞬く間に凄惨な|戦場《リプレイ》へと変わり果ててしまいました。
 それは、目を覆いたくなるような、とてもとてもひどい光景でした。

 ――ノリ、スモークサーモン、スシ飯、しょうゆ。
 上手に巻けなかった具材が、虚しくテーブルの上に散乱しています。

「ちくしょう! 台無しにしやがった! お前はいつもそうですぞ……!」

 そのスシは、まるでヲークサモナーさんたちの人生そのもののようでした。
 いつも肝心なところで失敗ばかり。ヲークサモナーさんは色んな女の子に萌えますが、一人だってヤり遂げられません。だれもヲークサモナーさんを愛さないのです。
 ヲークサモナーさんはあまりの悲しさに、両手で顔を覆ってテーブルの下に転がってしまいました。

「きっと、ボクらは、生まれてきたこと自体が間違いだったの……ですぞ……ひぃん、ひぃん……」
「ヲークサモナーさん……」

 胸が締め付けられるような痛ましい光景に、ワルぶることがなかば義務と化している悪魔たちでさえ、思わず言葉を失います。

「トンチキシナリオに来たみたいだァ……テンションあがるなァ~~」
「ぶひぃ……ぶひぃん……」
「おっ。ヲークサモナーに叡智本か、こりゃまた懐かしいな~」

 一方でこの惨劇を作り出した張本人は、言葉裏腹に無感情な殺し屋のような冷たい目でヲークサモナーさんを見下し、一切の慈悲なく、容赦なく――うろちょろしていました。
 喜常さんは先刻からずっと、実はうろちょろしていたのです。それは、自分をキマイラだと思い込んでいる西洋妖怪である彼女が、うろちょろしていたことを意味していました。
 しかしてその正体はレプリカントであり、実は――うろちょろしていました。
 ロボットヘッドじゃねーか!!1!1!1!1! それとどれだけうろちょろしてるんだいい加減にs

「……はああああ? どう見ても人狼なんですけどおおおお?」

 たしかに。よく見たら人狼でした。
 けれどもしかしたら……バイオモンスターという説もあります。それともケットシーなのでは? 今なら獣人設定もイけそうです。まぁ、公式には一応レプリカントのどろんバケラーさんのようですが。
 そんな彼女が、今や萌えない粗大ごみと化したヲークサモナーさんに追い打ちをかけるように、心無い言葉の暴力で切り刻みます。

「ところでヲ(タ)ークくんさぁ……(説明TOP画像から)何か浮いてね?」
「エッ!?」
「アッ……」
「アッアッ……」

 たしかに。ヲークサモナーさんのオープニング画像は不自然でした。「デュフフ空中浮遊ーwww 」と笑い飛ばすにも、何か違和感ある画像でした。本人もちょっと気にしていたポイントでした。
 ヲークサモナーさんたちはそんな欠点を指摘されて、陽キャに絡まれ固まってアッアッとしか言えないヲタクみたいになってしまいました。

「か、かにピー、本人の努力でどうにもならないことは、言わない方が良いと思うな……」

 それを見かねて、本日の食材として召喚されていたサイバーかにのかにピーが、恐る恐る喜常さんに注意します。
 サイバーなんとか世界の『暗く濁り、泡立って異臭がする海』で生まれ育ったかにピーは、けれど心の綺麗なかにピーだったのです。

「なるほどね……これも|骸の海《過去作品》から|蘇った弊害《UIとか画像の基本サイズが変わった影響》ってコトね……」
「!? どういうこと……ですぞ……?」
「つまり……どういうこと……ですぞ?」
「まさか……ヲークサモナーは、トミーウォーカーの過去作品にも登場してた……ってコト!?」

 明かされた衝撃の真実!
 混乱のるつぼに叩き込まれたヲークサモナーさんたちに代わって、他人に流されず冷静沈着なかにピーが問いただします。嘘だと言ってよ|猟兵《イェーガー》! ……そんな願いもむなしく。

「そこに気付くとは……さすがかにピーちゃんだ。その通りだよ……ゑ、なんでそんなコト識ってるのか? こう、|レプリカント的に受信した電波の影響《中の人が同じ》だから……ですかね……」
「そ、そんな……」
「…………………」

 重苦しい沈黙が場を支配します。
 やがて、プルプルと震える左手でビン底眼鏡を外して、ヲークサモナーさんが告げました。

「……エルフは最高ですぞ。バニーさんも合法ロリも唯一無二ですぞ。クールなのも、病んだ美少女もいとおかしですぞ。だけど、このリプレイには純粋にケモ耳っ娘成分が不足していたと思う者だけ、残るのですぞ……」
「………」

 一般善良な悪魔たちが顔を見合わせ会場から去り、ヲークサモナーさんたちは全員が残りました。

「だいっきらいですぞ!!!」
「ちくしょうめェェェェェ……!!!」

 あの温厚なヲークサモナーさんたちが、珍しく激昂していました。相当カッカしているようです。
 どちらかというとたぬきなケモ耳でたぬきも連れている|喜常《きつね》さん。彼女の言動は豚の尻尾を踏んでしまったのでしょう。けれどそれは、あまりに危険すぎる挑発行為だったのです。

「ワカラセてやるのですぞ……いま! すぐに!」
「いくら猟兵さんとはいえ、レベル10が集団敵に勝てるわけないのですぞー!」
「そうですぞ。レベルが……タランカッター!!」

 そしてその言動はともかく、喜常さんは見た目は快活で健康的なケモ耳美少女であり、しかもちょっと|えっちな《叡智を感じる》格好でした。ずっとずっと……ふとももとかおっぱいとかのチラリズムがうろちょろうろちょろしては、ヲークサモナーさんたちのヲークサモナーをイライラさせていたのです。
 もはや、ヲークサモナーさんたちのヲークサモナーはヲークを召喚寸前でした。

「|und betrogen worden! 《そして騙されてきただけなのですぞ!》」
「!? なんで急にドイツ語……!?」

 リアルでは卒業シーズンが過ぎて入学シーズンに入ってしまい、野獣センパイと化したヲークサモナーさん。その鋭い眼光が、欲望の煮えたぎった目が、喜常さんのはだけた胸元を凝視していました。

「出ませい、妹姫騎士!」

 そして、ヲークサモナーさんは自身の社会的な意味での生命力を代償に、妹姫騎士たちを召喚しました。ともすれば|危険《アブノーマル》な性癖が白日の下に晒されてしまうという|諸刃の剣《ユーベルコード》――それでも、彼らは本気で喜常さんをワカラセようとしているのでしょう。

「最っ低! ……こんなことで呼ばないで!!」
「は? お兄様? 誰が? アンタ馬鹿ぁ!?」
「もう! もう!! 恥ずかしいから、外で声かけないでって言ったでしょおーーー!!!!」
「「「ぐっはぁああああああああああ!!!!」」」

 激しいビンタの音、容赦ないストンピング攻撃や果ては真剣での斬撃に、戦場は見る間に戦闘不能者の屍で死屍累々となっていきました。やはり妹姫騎士たちは、恐ろしい戦闘能力を秘めているようです。

「ボクらの|妹姫騎士《シスタープリンセスナイト》は『お兄ちゃんなんて大っ嫌い!💢』と『お兄ちゃんの……バカぁ……❤』の両方の性質を併せ持つのですぞ🐽」
「ほぅ……なるほど。貴様が呼び出した|妹姫騎士《シスタープリンセスナイト》……中々の力のようだなァ! だが!」
「お前もその|仲間《妹姫騎士》に入れてやるってんだよ! ですぞォォォォォオオー!!!」

 喜常さんはこの恐ろしいユーベルコードにも怯まず、自らの愛機――禍々しき気配を放つオブリビオンマシンを呼び出しました。推定レプリカントである彼女は、キャバリアを遠隔操作可能なのです。
 そして起動するユーベルコード――《オブリビオン・ヴォイド》によって、乗り込んだオブリビオンマシンから『骸の海』が放出され、|戦場内全ての『射撃武器』を無効化していきます《ただし1日にレベル秒以上使用すると死にます》。

 お互いが切り札を切ったこの勝負、決着の時は――もうすぐ!!!

「さぁ来い! アタシはオブリビオンマシンに乗って約10秒で死ぬぞォォォォォ!!」
「馬鹿め! ですぞ! WIZ成功率たったの19%でイk……えっ?」

 喜常さんのオブリビオンマシンがガクリと膝をつき、そのまま力なく倒れ伏しました。

「……し、死んでる……っス」

 し、……|死亡判定《ジャッジメント》!
 呆然とするヲークサモナーさんたち。
 けたたましいパトカーのサイレンが鳴り響き、お巡りさんたちがそこら中で忙しなく動き回ります。

「どうして、こんなことに……ですぞ……」
「ほら、キリキリ歩くっス!」
「ヲ、ヲタークがまだ食べてるでしょうが!」

 喜常さんの抗議も甲斐なく、やがてスシを食べ終えたヲークサモナーさんたちからパトカーに連れていかれました。
 これから彼らは、長い刑務所暮らしの中で、犯してしまった罪を償っていくのです……。

●それから八つ、季節は過ぎて
「うん……いい出来デス! ……これなら、彼らも喜んで食べてくれるデショウカ……」

 喜常さんは、ヲークサモナーさんがあとを継ぐはずだった魔界の食堂でうどんをこねていました。
 一時は死んだと思われた彼女ですが、実はシステムの都合で死んでなかったのです。ヲークサモナーさんは完全に刑務所ぶち込まれ損でしたが、魔界なので無問題でした。
 そして、今日はようやく彼らが出所してくる、お祝いの日なのです。

「この粉は万棒殿のものを使ったうどんデス。こうすれば生地がしっとりとしていて、それでいてべたつかないスッキリとした甘さに仕上がるのデス……」

 ここ数年でメキメキと腕をあげた喜常さん。こうして一心不乱にうどんをこねていると、不思議と以前までこだわっていた種族のことなんか、本当にちっぽけな悩みだったように思えてきます。

 ――こねこね、こねこね。

「わふ……わふー、わふーん……」

 ……そう、うどんをこねる彼女は、その本当のすがたは――ねこでした。
 うどん……宇宙……ねこ……。すべての真理は、うどんをこねるこの手のねこです。います。
 人間、ヴァンパイア、金持ち、貧乏人、猟兵、オブリビオン、正義の味方、世界の敵。
 ――そんなことよりおうどんたべたかったのです。ねこだもの。

「たぬきにしようかな。それとも、きつねかな……」

 そうしてふふっと柔らかく微笑む喜常さんは、叡智がなくてもとても魅力的でした。
 けれど、ああ……そんな彼女を快く思わないモノが、すぐ目の前に迫っていました……。そして、技能が計3点しかない喜常さんは、ついに最後までそれに気づくことが出来なかったのです。

「えっ……これはまさか、うどんが動いて……いえ、これはぁっ……」

 突如として喜常さんに襲い掛かって来たものの正体――意外! それは、うどん! ……ではなく、なんとうにょうにょ蠢く触手さんでした。
 魔法使いになったヲークサモナーさんが最初に召喚した、『リュックのお友達』。
 その危険性から封印されていたこのお友達は、ヲークサモナーさんと永らく会えなかったことで、寂しさからついに闇落ちしてしまったのです。

「あっ ちょっと、そこはぁ…… あっ 宇宙 あっあっ 真理 あっ 脳みそ あっ 脳みそをつなげて……待って、本当にダメ! こわいこわいこわい! あっあっ やだやめてカオス同人誌即売会文字数増えすぎたとんかつ あっあっあっ ブタメンライダーわっしょいゴリランド何も見なかったことにしたい あっあっ ……アーッ!!」

 同じ中の人が生み出した、悲しきモンスターたち。
 あるいは、彼女がその犠牲の犠牲になったのは、何かの因果なのかもしれません。
 その一本一本が意思を持って動く触手につかまり、ぐちょぐちょに嬲……お仕置きされ、壊されていく意識の中で、喜常さんは思いました。

(――その為の……触手!!!)

 完全勝利ですぞー!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

シフォン・メルヴェイユ(サポート)
『楽しい世界が待っていたらいいなぁ。』
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 怒った時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびりとして、無邪気な性格をしています。
基本的に常に笑顔で人に接して、
敵以外なら誰に対しても友好的な性格です。
因みにトランプを使った手品が得意で、必要に応じて皆を楽しませます。
 あとはお任せします。宜しくお願いします。



●エルフのお姫様と銃士
 卒業式……というより卒業パーティは、魔界学園の跡地にバイク戦艦を停泊させて行われていました。
 立食形式がとられ、各テーブルにはヲークサモナーさんたちが腕を振るった料理やデザートが並んでいます。また、大型モニターが設置されたステージでは出し物やショーなどもやっているようでした。

「ええと、何か大変そうなことになってた気がしたけど……大丈夫?」
「だいじょうぶ、ぜんぶ気のせいですぞ!」

 小型飛空艇に乗って戻ってきたシフォン・メルヴェイユ(夢見る少女・f19704)さんは何かトラブルが無かったかエロフスキー男爵に尋ねましたが、ぜんぶ気のせいだったようです。これで一安心です。
 ただ、学園はバイク戦艦の攻撃によって跡形もなく吹き飛んでしまっていましたが。

「ちなみに魔界“学校”と魔界“学園”で表記ゆれが見られますがの。創作ではソフ倫に抵触しないよう“学園”を使うのが一般的なのですぞ。つまり、学園に通う生徒は皆18歳以上……と言うことですぞ!」
「?? なぜ、18歳以上じゃないといけないのでしょうか」
「それはですな……なんていうか……その……下品なんですが……フフ……ゴホォォォォ!!!」
「!?」

 ニチャァアア、と笑って何か言おうとしたエロフスキー男爵が何者かに昏倒させられます。
 先刻シフォンさんを連れ出したエルフの少女が、マスケットの銃床で後頭部を強打したようです。

「……あなたみたいな子は、こいつらと話しちゃ、ダメ。下手をするとヲークが召喚される……」
「召喚?? お喋りでどうやって……?」
「…………キャベツ畑から、生えてくる」
「そ、そうなんだ。ヲークってすごいね」

 流石にそれが嘘だということくらい、シフォンさんにも分かりましたが……どうやら彼女は自分を守ろうとしてくれているようです。とはいえ、召喚主をしばいてしまって大丈夫なのかどうか……。

「これも一種のご褒美ですぞー!」

 大丈夫そうでした。ヲークってすごいね。

「あなたの名前……シフォン? おいしそう」

 シエルという名前のその少女――森人とも呼ばれる|種族《エルフ》の仲間は、この魔界でマトモな同族に会えたことがよほど嬉しかったのか、シフォンさんと仲良くなりたそうでした。

「シフォンケーキね。ふわふわでおいしいよね……」

 ちなみにシフォン自体には別の意味もあるのですが、『メルヴェイユ』もメレンゲで作るお菓子なあたり、非常にあまくてふわふわで美味しそうな名前のシフォンさんなのでした。|ヲークサモナー《捕食者》さんたちが思わず暴走しそうになってしまうのも、致し方ないことなのかもしれません。

「そう。ケーキは、素晴らしい……私も、誕生日ケーキを代償にこの世界に召喚された」
「誕生日ケーキの代わりに雇われたの?」
「違う。でもケーキは食べた。おいしかった……」

 ちょっと変わった子みたいですが、エロフスキー男爵にも何だかんだ良くしてもらっているようです。シフォンさんは彼女と一緒に他愛もない会話に花を咲かせ、卒業パーティの会場を回りました。
 カオスバイクレースで優勝したシバベロス(在校生ではない)がお腹を見せて催促してくるのをモフり倒し、ヲークサモナーさんたちが腕によりをかけたスイーツを食べ比べます。

「シエルは森や、犬が大好きなのね」
「ん。豊かな森、大地……知らなかったから」

 そう言ってほんの少しだけ寂し気な目で空を見上げたシエルさんが、シフォンさんに尋ねます。

「……あなたは、シフォンは、何が好き?」
「私は公園や……あ、あとトランプを使った手品が好きで得意だよ」
「!! じゃ、お披露目しよう。私も、手伝う」

 そうして促されて上がったステージでシフォンさんがトランプマジックを披露すれば、

「エ、エルフの魔法ですぞー!!!」
「ゴブリンや我らのカス魔法とはわけが違いますぞー!!!」
「いや、それよりも驚嘆すべきはあの繊細なお手々の芸術的な無駄のない動き、すなわち技術……我じゃなきゃ見逃しちゃうのですぞ!」

 ヲークサモナーさんたちは大いに萌り上がり。
 シフォンさんの世界線では卒業式は終始和やかに、平和な時間が過ぎていったのでした。

成功 🔵​🔵​🔴​

バルタン・ノーヴェ
全員リクエストによる、各シナリオへの救援プレイングです。
長らく滞っていたり人手が足りてない時など、ご自由にご利用ください。
アレンジ、アドリブ、連携歓迎。自作PBWも採用歓迎です。
ユーベルコードも指定外の、公開中から適当なものを使用してもらって構いません。

HAHAHA!
グリモア猟兵殿の要請に応じて参上デース!
お困りのようデスネー? ドントウォーリー! ワタシが手伝いマスヨー!
アタック、ディフェンス、他の方への支援! おまかせくだサーイ!

白兵戦、射撃戦、集団戦もボス戦もオーライ!
冒険の踏破や日常への奉仕活動も得意であります!
|臨機応変に対処可能《好きに動かしてOK》デース!
よろしくお願いしマース!



●“|同志《とも》”よ
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)さんにとって|マブダチ《親友》とも呼べるスーパーカオスドラゴンさん。その舎弟がカオスの暴走行為を働いていると聞いて訪れた魔界学園で、彼女を待っていたのは――

「メイドさんですぞ! 囲め囲めー!!」
「逃がすな! 囲めー! ですぞー!!」

 猟兵(レベル10)に完全勝利したヲークサモナーさんたちによる、|猟兵《イェーガー》|狩り《ハント》でした。
 コンバットメイド服に身を包んだバルタンさんを次の獲物と定め襲い掛かってくる彼らは、とても集団敵とは思えないポテンシャルを秘めているようです。

「HAHAHA! よろしくお願いシマース! それではエブリワン、レッツパーティ!」

 ―――ガガガガガガ!!!!!

 バルタンさんは迫る彼らにガトリングをお見舞いします。が、面制圧に適した――無秩序にばらまかれる激しい砲弾の雨をすら、片手に持ったステッキでファルファルッと捌きながら前進してきます。

「Oh……これほどの化け物だったとは……スーパーカオスドラゴン殿め、あえて隠していたのデスネ!!」
「ファルファルファル……ファルッ! ですぞー!」
「螺旋の力、というわけデスネー!」

 避けきれなかった砲弾に身を抉られ血を流し血を吐きながら。
 それでも、ヲークサモナーさんは力強く叫びます。

「我ら……緑髪が好きですぞ! メイドさんが好きですぞ!」

 そう、ヲークサモナーさんは緑髪の女の子が描かれたTシャツを愛用するほど、好きでした。メイドさんを嫌いなヲタクなど居るのでしょうか?
 彼らの心は、意思は、バルタンさんを前にして今や一つ。

「でっかい銃器をぶん回すお嬢さんが好きですぞ! 用済みになって追放される展開が好きですぞ! 明るいお姉さんとの出会いで無機質な心に変化が生まれるのが好きですぞ! 生まれた感情を言葉に出来ずに戸惑った時など心がおどりますぞ!」
「HAHAHA! チョコレート、おいしかったであります!!」

 そんなバルタンさんを打倒し! 辱めてやろうよ!
 ……コホン。

「ドントウォーリー! ワタシが手伝いマスヨー! アタック、ディフェンス、他の方への支援! なんでもおまかせくだサーイ!(なんでもとは言ってない)」

 ご本人は案外こんな感じですが、これは、何気に大ピンチでした。

「このままではウ=ス異本に新しいページが加わるのですぞ!」
「バルタンさんを代償に、ヲークが合体召喚されるのですぞ!」
「エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!! ですぞー!!」

 シズマリタマエー↓
 なぜそのように荒ぶるのか!!

「それが……|エロス《愛》だからですぞ!」

 たしかに。|愛《エロス》ならばそうでしょう。
 ですが、このままでは4年ぶりの『GW縦断オフ』でバルタンさんの薄い本が頒布されてしまう可能性もゼロとは言い切れません(※ないです)。そうなってしまえば、|キャラ崩壊《ウチノコハコンナジャナイ!》にもほどがあります。

「エロース……たしかギリシア神話で|カオス《原初神》から生まれたと言われるのが、|大地《ガイア》、|冥界《タルタロス》、そして|エロース《愛の神》デシタカ」

 ヘシオドスの『神統記』によればカオスと共に世界の始まりから存在した“原初の神”であり、本来は性愛というだけではなくもっと根源的な引き合う力――結び付ける力そのものを司っていました。その権能が、恋人同士を結び付ける力にもなったのです。

「つまり――……あなたと! 合体したいのですぞー!!!」
「なるほど。アナタたちがそこまでカオスを使いこなしている理由が分かりマシタ。デスガ!!」

 バルタンさんとて、伊達にスーパーカオスドラゴンさんを何度も何度も何度も何度もボコりまくっていません。こんな所で集団敵相手に敗れ、ウ=ス異本の中で合体されてしまっている場合では無いのです。

「――カオスメモリ、ロゴスイグニッション!」
「バ、バカな……カオスベルトも無しで……だと!? ですぞーー!」

 エロスの衝動をカオスに変換してカオスの波を乗りこなす優秀なカオスライダーたち。けれど、カオスは何も彼らの専売特許というわけではありません。《|模倣様式《イミテーションスタイル》・|混沌魔法《スーパーカオスマジシャン》》が起動し、バルタンさんがカオスを具現させる混沌魔術師の姿へと変身していきます。

「そんな|道具《オモチャ》に頼っているから、アナタたちはいつまでも半人前なのデース!!」
「ぐ、ぐぬぬ……!! ですぞ!」

 早くも勝ちムーブの態勢に入るバルタンさん。

 ――いまここに、カオス魔法の使い手同士の同門対決が幕を開けたのでした。

 屈強であるが故に単調になりがちな魔界の住民にしてはインテリジェントに優れ、そして魔法使いでありながら武器の扱いにも長ける。
 でも、実はヲークらしくシンプルに数の暴力と種族特性の身体能力でぶん殴った方が強い――そんな理不尽なヲークサモナーさんたちとの戦いは、熾烈を極めました。

「|超克《オーバーロード》したのか……ボク以外のヤツと……! ですぞー!!」
「HAHAHA! はじめての相手は、|プレジデント《合衆国大統領》デシタナ!」
「ぐぬぬぅ……プレジデントめぇ」

 愛、憎しみ、戦場で芽生えた敵味方を超えた友情――そして突然の裏切り。
 そんな展開が繰り広げられたり、られなかったりしていきます。

「……とはいえ、そろそろ決着しないと拙いことになりそうデース」

 ユーベルコードの効果により巨大化していくバルタンさん。無数のカオスバイクが合体変形したバイク戦艦とのバトルは、このまま激化していけばカタストロフをも招きかねません。
 エロフスキー男爵が召喚したハイパーエルフさんも、白旗をぶんぶん振りながらメッセージを伝えてきます。

『そろそろ巻いて』

「OKデース! Hey! エブリワン、聞くデース! ワタシはあと三回変身を残してマース!」
「!?」

 多くも少なくもなく……4では多すぎるし2では少なすぎる、5などもってのほかのその数字をバルタンさんが宣言します。カァーカァー(カラスの鳴き声)。

「つまり……あと三回変身できるということですかな?」
「どんな姿になるんですぞ……!(わくわく)」

 しかし、宣言した以上、三回の変身を使い切ったらそれ以上は変身できないということ。
 何故、わざわざ不利になる情報を……?

「ハッ……そうか! と、虎ビキニですぞ! がおーッてしてほしいのですぞー!」
「よろしい! ならば、がおー♪ デース!!」

 ――イヤッフゥゥゥゥ!!↑ と盛り上がるヲークサモナーさんたちですが、すぐに仕掛けられたその巧妙なトラップに気付きます。泣いても喚いても、変身はあと二回しか残ってないのです……。

「しまった……そう来たか、ですぞ……」
「抜け駆けしたのは誰ですぞー!」
「次は巫女さん! 巫女さんですぞ!」
「落ち着くのですぞ! これは罠ですぞ! マザーは外せませんぞ!」
「ちくわ大明神」
「素人どもめ和服の趣が分からんのかですぞ!」
「スク水は……かわいいだろうが! ですぞ!」
「まて、話せばわかるのですぞ! チャイナ!」
「だれだ今のですぞ!?」

 バルタンさんが、ちくわ大明神に変身します。
 これで、残すのは最後の変身のみ――ヲークサモナーさんたちは、パニックに陥ってしまいました。

「久しぶりに……キレちまったのですぞ……屋上へいくのですぞ……」

 ヲークサモナーさんたちはいくつもの派閥に分かれ、相争い始めました。
 意思を一つにすることで鉄壁を誇っていたバイク戦艦が、徐々に崩壊していきます。

「今デース! GO! ミニ・バルタンは伊達じゃありマセーン!!」
「バルバルバル♪」

 それから先はあっという間でした。艦内に侵入したミニ・バルタンたちがHDDとSSDを押収し、隠しフォルダを暴いてしまえば、もはや彼らの(社会的な)生命はバルタンさん次第です。

「くっ……殺せ、ですぞ……」
「良いでしょう。あの世でスーパーカオスドラゴン殿とエンケロニエル殿の裸体でも眺めるがいい」

 囚われの身となったヲークサモナーさん。
 軍装姿の冷徹なバルタンさんがファルシオン風サムライソードを振り上げます。

「全裸は……なんか違うんだよなぁ……ですぞ」
「それよりバルタン殿に制服姿で、『お兄ちゃん❤』って呼んでほしかったのですぞ……」

 その、ヲークサモナーさん最期の言葉を聞き届け。
 バルタンさんは肉切り包丁のように無骨なその刀を、躊躇いなく振り下しました。

 ――こうして、バルタンさんとヲークサモナーさんは、おいしいとんかつを作りはじめたのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四条・眠斗(サポート)
ぅゅ……くぅ~……あらぁ?
いつの間にか始まってましたかぁ~?
さっさと事件を解決しないとぉ、安心してもうひと眠りできませんからねぇ~。
ユーベルコードは出し惜しみしても仕方ありませんからぁ、
一気に片づけるつもりでやっちゃいましょう~。
案ずるより産むがやすしともいいますしぃ、躊躇うよりはいいですよねぇ~?
こう見えてもぉ、腕には少し自信があるのですよぉ~。
それにぃ、様子を見てる間にまた眠くなっちゃっても困っちゃいますしぃ。
荒事じゃなくてぇ、楽しいことならめいっぱい楽しんじゃいましょう~。
のんびりできるところとかぁ、動物さんがたくさんいるところなんか素敵ですよねぇ~。
※アドリブ・絡み歓迎



●か弱きヲークの代弁者
「巻いていきますぞー!!」
「そろそろスシを食べないと……死ぬのですぞ!」

 いろいろとやりたい放題やったヲークサモナーさんは、カリフォルニアロールを巻きはじめました。
 ――ノリ、酢飯、スモークサーモン、アボガド、キュウリ、かにピー。
 色んな具材が巻かれたカリフォルニアロールにイクラを添えて、彩り豊かな美しいお寿司が出来上がっていきます。

「ぅゅ……お上手ですねぇ……」

 こっくりこっくりと舟をこぎながら、四条・眠斗(白雪の眠り姫・f37257)さんはその手際に素直に感心します。
 眠斗さんは今後の進路相談も兼ねて、まずは料理の腕前を見てあげているのです。卒業レース中に学園を木端微塵に吹き飛ばしたときは、なんて不良生徒たちかと思いましたが、ちゃんと人の役に立つ特技も持っているようで一安心……といった所でしょうか。

「スシは……うまいのですぞ!」
「スシが! うますぎるのですぞー!!」
「……これで、もうちょっと落ち着いてくれれば良いんですけどねぇ……」

 彼らは他の世界にも輸出されたがっているようですが、そうなればまず間違いなくトラブルを引き起こすでしょう。悪魔たちは基本よいこではあるのですが、存在としての強度が強すぎるため、完全に独自の|文化《ノリ》を築いています。
 これは猟兵にもいえることかもしれませんが、強すぎる力というのは、たとえ悪意がなくとも周囲に多大な影響を及ぼしてしまうもので。周りとの考えや文化の違いを弁えずにひたすら自分本位に振舞うならば、それは様々なトラブルをも引き起こしてしまいかねません。

「まぁ、この子たちは相手へのリスペクトはあるみたいなので、案外大丈夫かもしれませんがぁ……」
「リスペクト大事でござるですしおすし。……海のお友だちの味がするでござる……ウマウマ」

 海のお友だちを平気でムシャムシャ味わう竜神のリラックスぶりや、エルフの態度などを見るに、ヲークサモナーさんは召喚した相手にも信頼されているようでした。それはきっと、彼らが召喚対象に対しても一個の人格として尊重し接しているからなのでしょう。

「ぅゅ……うぅぅん、なんか、もう大丈夫な気がしてきましたぁ…………」
「先生、スシもたべるのですぞ」
「あ、はいぃ……綺麗に巻けましたねぇ」
「スシとかキレイとかは良い……スシを、食べるのですぞ」

 謎の圧をかけてくるヲークサモナーさん。
 カリフォルニアロールは酢飯や生魚を食べる習慣がないアメリカの人でも食べやすい、入門用のようなお寿司です。本物のお寿司とはまた違って、けれどお店に出しても恥ずかしくないおいしさでした。

「うん、おいしいですぅ」
「こんなにもネタを巻いているのに……先生はおいしいというのですぞ……」
「? 良く分かりませんが、これなら、お店を継いでも大丈夫そうですねぇ」

 ヲークサモナーの大草萌名さんは、卒業後は魔界の大衆食堂の後を継ぐ予定なのです。けれど彼はそんな自分の進路にまだ悩みがあるらしく、眠斗さんは相談を受けている最中なのでした。

「それで、いったい何が悩みだっていうんですぅ?」
「………いえ、やっぱりいいのですぞ……きっと、もう、ダメなのですぞ」

 そう言ってうつむき、けれど悔しさを堪えきれずにじっと唇を噛む大草萌名さん。
 眠斗先生はやさしく声をかけます。

「ぅゅ……案ずるより産むがやすしともいいますしぃ……最後まで希望を捨ててはいけませんよぉ……」

 ――そう。
 諦めたら、そこでレースは終了なのです。

「眠斗先生……!!」

 顔をくしゃくしゃに歪め、目には今にも零れ落ちそうなほどいっぱいの涙をためて、

「……………………」

 大草萌名さんが――魔界学園きっての|優等生《ワル》が、懺悔するように蹲ります。
 そうして彼は、大人たちの誰にも明かすことなく、心に押し込んでいたその想いを吐き出しました。

「……彼女が……ほしいですぞ……」
「くぅ……くぅ……」

 丁度おなかもくちくなったので、眠斗さんは気持ちよく夢の国に旅立ったのでした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミルディア・ディスティン(サポート)
「サポート?請われれば頑張るのにゃ!」
 UDCでメカニックして生計を立ててるのにゃ。
 『俺が傭兵で出撃して少し足しにしてるがな?』
 ※自己催眠でお人好しで好戦的な男性人格に切り替わりますがデータは変わりません。

 ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
 痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
 公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。むしろ積極的に助ける方です。
 記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。



●螺旋の力
「|支援《サポート》が必要にゃ? 請われれば頑張るのにゃ!」
「ねこの手を借りられるなんて、こんなに嬉しいことは無いですぞ……!」

 ミルディア・ディスティン(UDCの不可思議メカニック・f04581)さんは、無数の『カオスバイク』が変形合体することで建造された『超巨大バイク戦艦』の|整備《メンテナンス》を依頼されました。
 人間ながら猫耳ヘアが可愛らしいミルディアさんがツナギ姿で登場すると、ヲークサモナーさんたちはヤんのかステップを踏みながら歓迎の意を示します。

「ねこですぞー!(カッ……タカタカタカ)」
「やったぜ! ですぞ!(ピョンピョン!)」

 特徴的な語尾のミルディアさんは、けれど、艦内の状況を調べていくうちに頭を抱えました。

「どうしてこんなになるまで放っておいたのにゃ!」
「どうしてこんなになるまで放っておいたのにゃ!」
「どうしてこんなになるまで放っておいたのにゃ!」
「マネっこするにゃー!!」

 バイク戦艦は、分裂崩壊寸前でした。
 正直、どこから何に手をつけていいか分からないほど、ボロボロでした。
 なんだかおちょくられているような気もするし、もう帰ろうかにゃぁ……。

 ――逃 が し ま せ ん ぞ!

「にゃっ!? 頭の中に直接にゃ!?」

 気付けばヲークサモナーさんたちは、艦外部へ通じる通路を封鎖していました。
 こうなってしまえば、もはやケージに囚われのぬこ。泣いても叫んでも、どうにもなりません。
 料理上手なヲークサモナーさんたちの手で、美味しく料理されて、食べられてしまうのにゃ……。

「だ、だめですにゃ……あたしにはご主人様が……」
「ブヒヒヒヒ……ですぞ!」
「ファンファンウィーヒ……ですぞ!」

 縦一列に並んで螺旋の動きを表現しながら。
 まだ知らない|ZONE《世界》を目指したいヲークサモナーさんたちが迫ってきます。

「脱ぎ捨てて自由に! なりたいのですぞー!」
「ナニをにゃぁぁぁぁ……って、あれ? 治ってってますにゃ?」
「ふっ。それは、再び我らの心が一つになった証ですぞ……にゃ」

 もう手遅れかと思っていたバイク戦艦は、ミルディアさんが弄られている内に自己修復が始まっていました。どうやらバイク戦艦は、ヲークサモナーさんたちが同じ性癖で意思を統一している間は、強化されていく仕様のようでした。 

「せ、性癖にゃあ……」

 ――そう。つまり、ヲークサモナーさんたちは紳士的にノータッチですが、彼らの脳内ではミルディアさんはエライ目にあわされているのかもしれません。
 考え出すと足が逃げたくなる状況ですが、メカニックとしては戦艦内部の構造に興味もあって。

「……折角だから、改良できるか試していきましょうかにゃあ」

 何故かそれなりに発展しているデビルキングワールドですが、猟兵として数多の世界を巡るミルディアさんから見ればまだまだ未開の地。ヲークサモナーさんたちも優等生とはいえ、その設計は粗削りでした。
 
「全速全開! ともかくやってみるのにゃ!」
「おお……これは、カオスとコスモスが合わさり最強に見えますぞ!(見えるだけ)」

 そんなわけで、艦体がダメージを受けた際に浮き彫りになった弱点を埋めながら、必要に応じて一旦分解し再度合体させることで、バイク戦艦はより強靭により強力に生まれ変わっていきました。

 そして――。

「コ、コイツはすごい出来ですぞ!」
「|衝角《ドリル》をつけておきましたにゃ。螺旋の力、存分に発揮するのにゃあ!」

 |ドリル《浪漫兵器》が、付きました!

「衝角! 順回転!」
「吶喊! ですぞー!!!」

 これにはヲークサモナーさんたちも大はしゃぎ。
 だって螺旋の力は主人公や強キャラの証明。

 螺旋……ボール。黄金の……螺旋。ファルファル。
 みんな、螺旋を使いこなしているから強いのです。

「我ら、詳しいのですぞ!」

 来年はきっと無粋なミサイルなどではなく、このドリルを使って学園を粉砕し! 破砕し! 爆砕し! 塵芥と化してくれることでしょう。

「喜んでくれてよかったですにゃあ」

 ミルディアさんも、豚に|螺旋《ドリル》って――と、何かちょっと危険な気もしましたが。
 それでも、こうして無邪気にはしゃぐ、普段は紳士な彼らを見ていると、こうも思うのです。

「大丈夫ですにゃ! 痛いのは! 気持ちイイんですにゃ!」
「!? ミルディアさん!?」

 ミルディアさんは、一生懸命働きすぎて、おめめが|ぐるぐる《螺旋回転》していました。
 そんな彼女の衝撃発言に思わず語尾をつけ忘れた大草萌名さんが、ねぎらう様に肩に手を置いて、言いました。

「我は、卒業せずに留年することにしたのですぞ。理由は、その方が女の子との出会いが多い気がするからですぞ。今日この日の我らの出会いも……」
「あ、報酬は円か、換金性の高い貴金属、宝石類でお願いしますにゃあ」

 ――我らの大冒険はまだ始まったばかりですぞー!

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年04月10日


挿絵イラスト