デビトリスマラソン24時間耐久しないと出られない部屋
「突然デビが、お前たち二人にはデトリスのマラソンモードを24時間ぶっ通しでやってもらうデビ」
「なあ今何て言った??????」
乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は突然何もない部屋に響き渡ったオブリビオンであろう敵の説明に宇宙猫顔をした。
「だーかーら、デビトリスマラソン24時間耐久デビ」
「いやデビトリスって何だよ」
「デビトリスはデビトリスデビ。ほら、アルファベットっぽーい形をした悪魔をこう、うまいこと組み合わせて……」
「あ、俺わかった。それアレでしょ?UDCアースにあるテ●リスのパチモンって奴」
「綾!!発言には気をつけろ!!!ギリギリすぎるぞ!?」
「えー、でも名前が既に隠す気なくない?」
「そうだけどそうじゃなくて!!!」
梓の冷や汗を流しながらの忠告に相変わらずあはは、と笑う相棒、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)。
いやまあ綾さんの仰る通りこのオブリビオン隠す気全くないんですけども。
「ともかく、それを24時間耐久してもらうデビ!24時間デビトリスをやり続けなければお前たちは一生ここから出ることは敵わんデビ!はーっはっはっは!!」
「く、オブリビオンめ変な罠を仕掛けてきたな……!というか何もないのにどうやれと」
「あっ忘れてた。今用意するからしばらく待つデビ」
「最初から用意しとけよ!!!!!」
流石オブリビオンとはいえデビルキングワールドなだけあって迂闊である。
すると二人の眼の前にぽん、とテレビとゲーム機が出現した。
まあ何となく察してはいたが、UDCアースにある某携帯可能な最新ゲーム機を丸々パk……げふん、リスペクトしたようなゲーム機の外観に梓は思わずクソデカため息をついた。
「わー、これもUDCアースのアレにそっくりじゃん。面白いね」
「まあデビルキングワールドでも同じ文化があるってことか……?しかし何でパズルを24時間耐久……」
「いいからやれデビ、何ならDeviTubeに生放送で流してもいいデビ」
「何で生放送をする必要があるんだ」
「え、でも24時間耐久本当にやりきったらバズるんじゃない?新し親分も大喜びなぐらい」
「いやバズりを脱出より優先するなよ」
「何言ってるの梓、これバズる=脱出だよ?」
「いつの間にそんな方程式が出来上がってるんだよ!!!!」
ツッコんでもツッコんでも出てくるのはツッコミどころばかり、そろそろ梓は考えるのをやめようと思い立った。
やらねば脱出できない以上やるしかないのは事実である。
ここを出たら絶対こんなこと強いたオブリビオンをぶちのめす――そう心に誓いいざテレビとゲーム機を起動。
すると画面に堂々と現れる「DEVITRIS」の文字。タイトルもなんか明らかにパチモノっぽい。
いやデビルキングワールドだとパチモノも何もなくこれが本家本元であろうが先にUDCアースにあるかのゲームを知っている以上は何とも言えない気持ちになる梓。
その隣で「じゃあやろっか」と綾は迷わずコントローラーを手に取る。
流石、スマホをバリバリ使いこなしているだけあってダークセイヴァー出身とは思えない機械の使いこなしようだ。
「……ところで綾、お前操作方法わかるのか?」
「まあチュートリアルの時間は用意してくれるんじゃない?多分」
「多分って……一応この状況、オブリビオンの罠だぞ?」
「だってデビキンだし」
「デビキンだしで許され……いや許されそうな気がしてくるな……いやダメだ、デビキンに毒される前に何とか終わらせるぞ!」
「24時間しなきゃいけないから受け入れた方が楽になると思うよー。あ、お腹すいた時のご飯はよろしくねー」
罠で閉じ込められたというのに一切焦りを見せない綾。
肝が据わっているのかそれとも……とため息をつく。
ただ確かにわかっていることは、この手のものは自分より綾の方が適応力が高いということ。
互いの適正を考えると主なプレイヤーは綾が、その間の補給諸々の担当は梓が、と配分した方が効率が良いのは間違いないのである。
とはいえこんなトンチキ状況、頭を抱えずにはいられないワケだが……
「『なんかやれって言われたので今からデビトリスマラソン24時間耐久始めます』……っと」
「お前その状況でもイェスタ投稿は忘れないんだな????」
「いい感じにバズったらイェスタやってる猟兵たちが事態に気づいてオブリビオンを倒しにくるかもしれないよ」
「…………確かに一理あ――^いや待て実際にそれやってる猟兵って何人いるんだ!?」
「まあともかく、配信して損はないと思うよ。だってデビキンだよ?」
「その一言だけで雑に片付けようとするのもどうかと思うんだけどな????」
「梓は真面目だねえ。もうちょっと肩の力抜いてもいいんじゃない?」
「う゛――――――ん……」
解せぬ、という顔をしながら梓は綾がゲームを始めるのを見守るのであった――。
◆
それから24時間後、何やかんやあって何とかクリアし、無事に出られた梓と綾はオブリビオンを討伐しに向かったのだが……
マラソン中に綾が器用にも梓の作ったおいしい食事を片っ端から写メってうpりまくった飯テロが何故か功を奏したのか、オブリビオンの胃袋を著しく刺激し、骸の海に還っていくのを目の当たりにし、梓は何度目になるかわからない宇宙猫顔をせざるを得ないのであった。
そして綾は、その隣でどの世界のオブリビオンにも飯テロってダメージになるのかと興味深そうに呟きながらイェスタにまた一つ投稿していた――。
成功
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