総天然色空想科学特撮シナリオ シン・アイスエイジ
●(お好きな極太明朝体のテロップをどうぞ)
「機は熟した。我らはこれよりこのアリスラビリンスを滅ぼし、オウガ・オリジンの遺した全てを手に入れる。そして……さらなる闘争を求め、獣人戦線へと向かうとしよう!」
自らをユミルの直系たる等身大オブリビオンマシンと嘯くオウガ・フォーミュラ、「鉤爪の男」。彼は自らが持つ侵略蔵書の力、「カーテンコール・ラビリンス」を以てこの場にオブリビオンマシンを展開させた。
「さぁ、来るが良い猟兵たちよ!」
\デスワァァァァァ!!/
「……ん?」
鉤爪の男は突如自分の背後から聞こえてきた咆哮に思わず芸術的なまでの二度見をキメた。
\デスワァァァァァ!!!/
「……何あれ」
いくら不思議の国とは言えそこにいたのはあまりにも不思議すぎる存在だった。いや、不思議を通り越して胡乱な存在であった。でっかい氷の女性型のバケモンがのっしのっしと闊歩しており、鉤爪の男が展開したはずの闘争の世界を片っ端から氷漬けにして回っている。なんか口から冷凍ビームまで吐き始めた。流石にあんなモン自分は関与していない。思わず迎撃をしようとしていた動物型の愉快な仲間たちに視線を向けるが、彼らも違う違うと首を振る。
「え、じゃあアレ何なの? このへん一帯シメてるオウガの大ボスか何か?」
「知らないよ僕らも! というかあんなでっかいオウガいたら流石にこの辺で噂になるって!」
ですよねー、と鉤爪の男と愉快な仲間たちは顔を見合わせ。
次の瞬間、どちらからともなく悲鳴を上げながら逃げ惑う羽目になった。
「助けてー!!」
「変な氷の女の姿した巨大不明|生物《ナマモノ》が出たー!!」
\デスワァァァァァ!!!/
闘争ではなく単なる破壊の限りを尽くす巨大不明|生物《ナマモノ》。かくして、オウガ・フォーミュラですら手に負えない存在が突如アリスラビリンスに解き放たれたのであった……。
●大変だ!! トンチキだ!!
「皆様! アリスラビリンスで緊急事態ですわ!!」
グリモアベースにこいつが現れるとだいたいロクでもねぇことが起きている証である、と猟兵の間で密かに噂されるようになって久しいお騒がせのグリモア猟兵、南六条・ヴィクトリア三世(株式会社UAI最高経営責任者(現職)・f30664)が息を切らして駆け込んできた。先日のバレンタインでもUDCアースアメリカ合衆国はニューヨークの自由の女神像にとんでもねぇことをしやがったばっかりである。故に猟兵たちも不審さを隠せない目つきでヴィクトリアを見る。ただ、今回「アリスラビリンス」という単語が出てきたところで猟兵たちはひとまず胸をなでおろした。確かあそこには鉤爪の男がいる。そろそろ奴も猟兵との決戦に向けて動き出すはずだ。そこに胡乱な事態が発生する余地などは無いはずだ。
無いはず、だった。
「アリスラビリンスに巨大不明生物が出ましたわ」
|なんつった今《Pardon》?
「もう一度言いますわね。アリスラビリンスに!! 巨大不明生物が!! 出ましたわァァァァァァ!!」
ヴィクトリアの扇子が開かれる。そこには「総天然色」と書かれている。いや待って欲しい。確かに鉤爪の男はアリスラビリンスで侵略蔵書を展開、クロムキャバリア世界のオブリビオンマシンが続々と出現している事態だと聞いている。もしかしてジャイアントキャバリアを素体にしたオブリビオンマシンが現れたことを言っているのだろうか。
答えはNOである。
「ご覧遊ばせ! これが現在のアリスラビリンスで発生している状況ですわ!!」
ヴィクトリアがその言葉と共にスクリーン上に投影した光景は一瞬見た限りではアリスラビリンスに見えなかった。街並みがどう見てもUDCアース等の日本国東京都23区であったのだ。スカイツリーとか東京タワーとか都庁ビルとかが見える。だが、クロムキャバリア世界アンサズ地方での依頼に参加したことがある猟兵たちはぴんと来た。これは侵略蔵書によって再現された「桜嵐市国」の街並みであると。桜嵐市国はその成立経緯から、東京都23区を模して作られた都市国家なのである。だが、桜嵐市国は戦火とは無縁であり、どちらかというと民生用キャバリアを用いた犯罪行為が問題になっている特異な国家であった。
何故鉤爪の男の侵略蔵書が桜嵐市国の光景を再現したのだろうか。彼の望みは終わりなき闘争。だが桜嵐市国は先述したとおり戦火とは無縁で、終わりなき闘争とは程遠い世界なのだ。
と、その時画面の右端に何か映った。その瞬間、一部の──これまでヴィクトリア、及び某大統領と某氷河期の女王様を含めた3人衆にトンチキな方向での煮え湯を飲まされた──猟兵たちはトラウマを刺激されたのか揃って悲鳴を上げた。
なんかすっげぇ見覚えのある巨大な女性のようなナマモノが大暴れしているのである。
\デスワァァァァァ!!!!/
──とかいう珍妙な鳴き声と共に周囲に冷気を放ち、冷凍ビームを吐き散らかし、ビルをなぎ倒し、アスファルトを踏み砕いているのである。この巨大不明|生物《ナマモノ》が大暴れする中、恐らく鉤爪の男が呼び出したであろうオブリビオンマシンが巨大不明|生物《ナマモノ》相手に迎撃している。だが全く歯が立たない様子。
なんでこんなん現れたんだろう、と思いきや、いつの間にか例によってデビルキングワールドからビデオ電話を寄越してきたアイスエイジクイーンがヴィクトリアとともに目をざっぶんざっぶん泳がせている。何やらかしたんだよ吐けよ、と猟兵たちが圧を強め、観念して2人は話し始めた。
「その、元はわたくしの絶晶を更に強化しようと考えておりまして」
「その件で相談を受けた時、アリスラビリンスに『アイスの国』というのがあることを思い出したんですの」
つまりこういうことらしい。
アイスの国を訪れたヴィクトリアは、アイスエイジクイーンとビデオチャットしながら絶晶の強化試験を始めようとしたらしい。その時、偶然近くに本を広げた謎の男が「終わりなき闘争を求める」と言っていたのを聞きつけたアイスエイジクイーンが「それならわたくしと絶晶が巨大化して大暴れすれば解決ではございませんの」などとぼやいてしまったらしい。謎の男──鉤爪の男が侵略蔵書を広げて術式を展開する際にアイスエイジクイーンがビデオチャット越しに余計な一言を放ったことで、それに侵略蔵書が引っ張られてしまったのが事の真相らしかった。
「……わたくしたちなーんにも悪くありませんわ、ねぇ?」
「えぇ、そもそもあんな所で侵略蔵書広げる鉤爪の男さんサイドに全責任がございますわ、でしょう?」
ついに開き直る高飛車女2名。猟兵たちはついに頭を抱えてしまった。
なお、巨大不明|生物《ナマモノ》(仮称:シン・アイスエイジクイーン)は強力無比な存在で、まともに戦っても勝ち目がない。というか搦手も正面からの対抗もまとめて無力化するヤバい存在らしい。猟兵のユーベルコードも全く通用しないようなのだ。つまりアレを直接なんとかするのは不可能である。
あの胡乱なナマモノを止めるためには、鉤爪の男を侵略蔵書ごと処すしかないのだ。
「と、いうことで……頑張ってきてくださいまし」
「なんとかなるのではないかしら……多分」
かくして。
猟兵たちは馬鹿2名の後始末のためまたしても死んだ目をしながらポータルを潜る羽目になったのである。
バートレット
どうも、バートレットです。
※WARNING※
このシナリオはトンチキシナリオです。深く考えると脳がばくはつします。
頭を空っぽにしてご参加ください。
まずね、言い訳させて欲しい。
今回ばっかりは最初に引き当てたフラグメントが悪いんよ。アイス怪獣って文字見た瞬間僕の頭の中では大東京の街並みをのっしのっしと歩きながら冷凍ビームをそこら中に吐き散らかす巨大不明アイスエイジクイーンという絵面が浮かんだんよ。もうこの時点でシリアスなシナリオ書こうと構想してたのぜーんぶ頭から吹っ飛んだよね。だからヴィクトリアやアイスエイジクイーンはともかくとして少なくとも僕は悪くない。なーんにも悪くない。な?
ということで巨大不明|生物《ナマモノ》から逃げ惑いながら鉤爪の男と決着をつけるシナリオです。ぶっちゃけた話巨大不明|生物《ナマモノ》は正面からどうこうすることはできません。止めるためには鉤爪の男を倒すしか無いのです。
第1章ではオブリビオンマシンを処すところからスタートです。巨大不明|生物《ナマモノ》を倒すにはまず侵略蔵書が拡大する世界を食い止めないといけません。そのためにはオブリビオンマシンが邪魔なので片付ける必要があります。ただし、気がつくとオブリビオンマシンは巨大不明|生物《ナマモノ》の手によって粉々に粉砕されているので巨大不明|生物《ナマモノ》からの攻撃に対処するだけでもOKです。冷凍ビームとか強烈な吹雪を伴うダウンバーストとかが襲いかかってくるので頑張って逃げてください。
第2章では鉤爪の男の元へと向かいつつ巨大不明|生物《ナマモノ》の大暴れから逃げ惑います。食い止めることは可能ですが倒すことは不可能です。
第3章では鉤爪の男との決戦です。無差別に襲い来る巨大不明|生物《ナマモノ》の攻撃と鉤爪の男の攻撃の両方に対処しましょう。鉤爪の男を撃破すれば、侵略蔵書の影響がなくなり、巨大不明|生物《ナマモノ》は姿を消します。
1章はOP公開後即座にプレイング受付を開始します。2章・3章は断章公開後に受付開始です。募集状況や再送の有無についてはタグをご確認ください。また諸注意等がMSページに記載しておりますのでそちらもご一読頂けますと幸いです。
それでは、皆様のアツいプレイングをお待ちしております!
……ぼくもうしーらないっ!!!
第1章 集団戦
『ドランギム』
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POW : バレット・ストリーム・アタック
【ジャイアントバズーカ】と【マシンガン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : アックス・ストリーム・チャージ
【ヒートアックスで斬りかかるホバー機動の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【同型機】の協力があれば威力が倍増する。
WIZ : ホバー・ストリーム・アタック
【敵を惑わす複数機での連携機動による幻惑】が命中した対象に対し、高威力高命中の【複数機の連携による連続攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:純志
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
オッズ・チェイス
アドリブ連携◎
なんッッでやねん!!!
メルヘンは?お茶会は!?
ここってそういうワールドじゃなかったかい!?
「なるほど。つまりこの世界はなんでもアリスという事でございますね」
サーベイお前いまなんつった???
▶行動【ハズレ続きの大円卓】
いちいち突っ込んでいても仕方がないね。要するにアタシに当たらなければいいんだろう?
【ハズレ続きの大円卓】でロボットと巨大不明生物の行動失敗確率を上げて『瞬間思考力』でその攻撃を予測してみようか。
予測出来たら空飛ぶ箒よろしくサーベイに跨がって『空中機動』で避けていくよ!
「曲芸飛行。いまの私はちょっぴりブルー。いえ、気落ちしているという訳ではなくインパルs」
黙って飛びな!
●それは身を切るような寒さで
「なんッッでやねん!!!」
オッズ・チェイス(賭博神・f33309)、アリスラビリンスに突如現れたコンクリートジャングルの中心で思わず絶叫しながら空中めがけて裏拳を繰り出す。吐き出される言葉は全猟兵の総意だったに違いない。新宿のビル街を片っ端からなぎ倒し、氷漬けにしていく巨大不明|生物《ナマモノ》を前にして引きつった笑みを浮かべていた。
「メルヘンは? お茶会は!? ここってそういうワールドじゃなかったかい!? なんで大都会のど真ん中で怪獣が大暴れするとかいう明らかに何かを間違えた光景が繰り広げられてるんだい!?」
恐ろしいことに、発端はオウガ・フォーミュラであるにも関わらず、この惨状に至ったのがオブリビオンが一切関係ない「不運な事故」であったことが混乱に拍車をかけていた。何故ならば元凶であるはずの鉤爪の男ですら予想外の事態に原住民である愉快な仲間たちと共に右往左往して逃げ惑っているのだから。しかも本来戦火を広げるはずだったオブリビオンマシンが「事態収拾のために怪獣へ攻撃している」という点もまた涙を誘う。
「なるほど、つまりこの世界はなんでもアリスという事でございますね」
「サーベイお前今なんつった!? ただでさえあのデカブツが吐き散らかす冷凍ビームのせいで寒いんだからこれ以上温度を下げるんじゃないよ!」
「そんな、場を温めようとしましたのに」
「逆効果だよ馬鹿!!」
喋る天秤のサーベイが吐くギャグがさらに場の空気の温度を下げるに至り、もはやカオスの極み。だがこの状況の収拾を行う猟兵という立場においては混乱してばかりもいられず、ともかくこの状況をどうにか乗り切らなければならない。
「ま……いちいち突っ込んでいても仕方がないね。要するに流れ弾とかがアタシに当たらなければいいんだろう?」
忘れてはならないのが、この混沌の状況の「引き金」を引いたのが馬鹿2名であり、「引き金」の持ち主である「銃」であるところの「侵略蔵書」は鉤爪の男が持っている。そしてこの銃は弾丸を発射し続けている状況であり、銃を壊せば弾丸も止まる。だからこそ鉤爪の男を倒すのがこの状況を収拾する最善の手段であるのだ。つまるところ、今は大暴れする怪獣がオブリビオンマシンを駆逐してくれればそれでいい。
「さて、そんじゃあ弾除けの悪運をもらいに行きますか」
ギャンブルの女神の権能、「ハズレ続きの大円卓」。カジノチップを弾けば、たちまちそこは胴元有利の賭場となる。即ち、オブリビオンマシンや巨大不明|生物《ナマモノ》の放つ攻撃が当たる確率は著しく下がるのだ。
「んー、でっかいのの方は、距離さえ取ってしまえば冷凍ビームだけ気にしてればいいってことか。んでオブリビオンマシンの方はマシンガンにバズーカ……まぁこっちも流れ弾にさえ気をつけてればOKさね」
ある程度こちらに被害を齎す攻撃にアタリをつけ、空飛ぶ箒よろしくサーベイに跨がり離陸した。
「曲芸飛行。いまの私はちょっぴりブルー。いえ、気落ちしているという訳ではなくインパルs」
「くっちゃべってないで黙って飛びな!」
はぁ、とため息をつきつつ空から地上を見回す。今まさにオブリビオンマシンの1機が冷凍ビームの餌食になったところであった。
「ホントに勝手に撃墜されてってるよ……」
本来ならあのオブリビオンマシンを相手にしていたはずだったのに、とオッズは再び引きつった笑みを浮かべるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
鈴乃宮・影華
※アドリブどんと来い
E『にゃーっはは凄い馬鹿と冗談が大都会で|踊《ダンス》ってるにゃーっはは!!』
……ごめんE.N.M.A、もうちょっとボリューム下げて頭痛がますます痛くなるから
やだなぁ、真面目に戦闘プラン考えたくない……
という訳でせっかく召喚した『レガリア・ベルクス』ですが操縦はE.N.M.Aに丸投げ
私自身は指定UCを起動し(ほぼ)無敵バリアで機体の全身を覆います
これでバズーカやマシンガンは勿論、ビームもものともしない(はず)
移動は『Dグラディウス』を使用、吹雪やダウンバーストもこれで回避する方向で
後は見ざる言わざる聞かざるを決め込むのだ……!
じゃあE.N.M.A、後よろしく!
●死(に方がロクでもねぇ状況)と隣合わせ(になるどころか顔面ストレート)の青春
「にゃーっはは凄い馬鹿と冗談が大都会で踊ダンスってるにゃーっはは!!」
大爆笑が響き渡る中、こめかみを押さえる女性が一人。銀誓館学園の卒業生、鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)である。流石に目の前の現実は映画か何かか、と思う。何しろグリモア猟兵が掲げてたのが「総天然色」と書かれていた扇子であった。かつて銀誓館学園に在学していた頃から様々な事件を経験しており、猟兵になって以降は様々なトンチキな状況にも巻き込まれてきた。
だが、その経験をもってしても、今回の一件に関しては完全に自分の理解を超えていた。
「……ごめんE.N.M.A、もうちょっとボリューム下げて頭痛がますます痛くなるから」
それはもう、頭痛薬を喉に流し込むことを余儀なくされるくらいには。キャバリアの武装を統括するAI「E.N.M.A.」のけたたましい大爆笑が頭痛に拍車をかけている。
「やだなぁ、真面目に戦闘プラン考えたくない……」
あまりにもアホらしい状況下ということもあり、正直影華にとってはこんなことで頭を使いたくないという思いであった。仕方ないので呼び出した機神「レガリア・ベルクス」についてはE.N.M.A.に操縦を丸投げしつつ、自分はユーベルコード「黒燐憑依法(鎧装型)」によって身体を黒燐蟲の群れと化し、レガリア・ベルクスの機体を覆わせる。
「これでマシンガンとバズーカは防げるし……冷凍ビームは……どうなるかわからんけど」
「まぁあたったらマズいし最低限それは避けとくかにゃー」
機械化超巨大剣魚「Dグラディウス」に飛び乗り、サーフィンの要領で空中を飛ぶレガリア・ベルクス。吹雪やダウンバーストに巻き込まれれば機体の制御を失ってしまうため、それらを回避しつつすいすいと移動を続ける。後は見ざる聞かざるを貫けば、行き場を失った巨大不明|生物《ナマモノ》の暴力がオブリビオンマシンに襲いかかるのだ。
「あー、また1機吹っ飛んだ! うっわ惨いにゃーコレ、チョップ一発で爆散しとるにゃ」
「知らない知らないなーんにも知らない……」
もはや悲惨な状況の中で、影華は外界の情報をとにかくシャットアウトすることに務めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
竜眼号搭乗
…ええと…ヴィクトリアとアイスエイジクィーンを処せばいいのか?
「え?富倫にひっかかちゃう感じに?♥」
それもわるくねーがまずはかぎ爪野郎をシメてからだ(ぷんすこ
「ご主人サマ☆災害だよ☆災害祭りだよ☆もうこれはあれの出番だね♥」
をいこらぁぁぁぁぁあああ!!??(絶望のUC発動
【属性攻撃・迷彩】
光風属性を戦艦に付与
光学迷彩で隠れつつ風の障壁で音や匂い隠蔽
幼女軍団
10師団は竜眼号の護衛
取り合えずキャバリア達は群がって分解
資源を強奪
愉快な仲間達は保護しつつもふもふ
半分はシン・生物の足止め☆
「分かるぞ☆」
「勝てないけど☆」
「負けたりもしないぞ☆」
シン・物量vsシン・巨大不明生物の地獄戦闘開始!!
●混沌は加速する
「……ええと……ヴィクトリアとアイスエイジクイーンを処せばいいのか?」
「え? なんかこう、レーティングにひっかかちゃう感じに?♥」
クックっと笑うメルシーに、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)はうーむと首を傾げた。
「なんだろう、あの2人そういう方向性には絶対に行かない気がするんだよなぁ」
「……うん、言ってて思ったけど確かにそうだ。なんでか知らないけどあの2人からは色気というものをまるで感じない。解せぬ」
途端にメルシーとカシムは真顔になった。今回の事態の原因の一端である馬鹿2名に関しては正直なところ「そういう方向」に行くことの想像が何故か極めて難しい。
「……ともかく、まずはかぎ爪野郎をシメてからだ」
「うむ」
カシムの言葉に、メルシーは重々しく頷く。そしてそのまま分裂を始めようとした。
「……おい待てコラ」
「あっしれっと分裂しようとしたのに」
これを目ざとく見とがめたカシムが静止し、メルシーは抗議の声を上げる。
「だって考えてもみてよご主人サマ!? 災害だよ! 災害祭りだよ!? もうこれはあれの出番しか無くない!?」
「お前はいっつもいっつもそうだ!! カオスな状況にカオスをさらにぶっこむ悪癖ホントどうにかならねーの!? 他の猟兵の皆さんの頭痛とか胃痛の種が増えるってことを考えたことがあんのか!?」
「その辺は今回の場合鉤爪の男とヴィクトリア社長とアイスエイジクイーンに全責任があるんじゃない? メルシーだってさぁ! 本当は諸々に配慮してやらないほうが良いとは思うんだけども!! この状況を収めるためには仕方なーくやってるわけで!!」
「……なるほど? そういう建前か?」
「……|Exactly《そのとおりでございます》」
果たして。
建前上は仕方なく、しかし本音はノリノリで始まる|対軍撃滅機構『戦争と死の神』《メルシー春の幼女祭り》。1370個師団、人数にして2740万人の幼女が大挙して現れる。逃げ惑う愉快な仲間たちや必死の抵抗を続けるオブリビオンマシンをクラウドサーフして安全な場所へと避難させつつ、どさくさに紛れてオブリビオンマシンを分解する幼女達。よく見るとスパナとかドライバーとかが入った工具箱を持参して手際よくやっているあたりが非常に手慣れている。
そして巨大不明|生物《ナマモノ》に対して物量で対抗すべく群がっていく幼女メルシー達。
「分かるぞ☆」
「勝てないけど☆」
「負けたりもしないぞ☆」
\デスワァァァァァ!!!!/
群体となって襲いかかる幼女とこれを圧倒しようとする巨大不明|生物《ナマモノ》。地獄のような光景にカシムは思わず遠くを見つめる。
「帰りたい 今すぐおうちに 帰りたい」
カシム、目幅涙を滝のように流しつつ心の川柳。地獄は終わらない。
大成功
🔵🔵🔵
尾守・夜野
…ここ元アイスの国って聞いてた気がすんだが?
…あちいんだが?あ?
(※アイスの国という言葉だけ聞いて意識飛ばしてた奴
眼の前の巨大生物に言葉を無くす)
いつものじゃねぇか!
(※無言で首切り御免。破壊大好き俺様の人格に交代)
あ゛?(理解し難い光景に固まり次の瞬間文字通り尻尾巻いて逃走)
俺様達が熱いの苦手で涼しい所が好きといえど限度があんだが?
そして俺様が破壊好きだといえど限度あんだが?!
ラスティに乗りとりあえず倉庫とか雪とかビームが当たらねぇ場所を目指し逃亡
外の駆動部はUCにより凍っても溶かし
敵がいれば走り抜けざまに前足側装甲部で敵足関節部を破壊し盾とし逃げる
ついで黒鉄まき散らしひたすら妨害と逃走
メンカル・プルモーサ
(改造装甲車【エンバール】に搭乗)
……なんだあれ……いやほんとなんだあれ……
…オブリビオンマシンが片っ端から処されてるのは楽だけど…
…そのオブリビオンマシンを軽々と処す相手から逃げる必要があるんだよね…
【彩り失う五色の魔】を発動……冷気に対する耐性をがっつりと上げて…
…エンバールを運転して逃げるとしようか……逃げ遅れそうな猟兵がいたら拾っていくよ…
…ある程度はビームの冷気は防ぐし…ダウンバーストの対応も出来るけど…
…直撃は避けたいところだね…上手いとこ現影投射術式【ファンタスマゴリア】でデコイを出して攪乱・回避しながらかぎ爪の男まで巨大不明生物をトレインして行くとしようか……
●これはあくまで序章にすぎない
「ここ元アイスの国って聞いてた気がするんだが……あちいんだが? あ?」
どうなってんだこりゃ、と辺りを見回す尾守・夜野(|墓守《うせものさがし》・f05352)。アイスの国かと思いきやそこはコンクリートジャングル。そして唐突にぶちまけられる冷気。途端に夜野は思考停止。
「……いつものじゃねぇか!!」
ずしーんずしーんと地響きも高らかにビルの影から現れた巨大不明|生物《ナマモノ》の姿を見てげんなりとため息をつく。
「……なんだあれ……いやほんとなんだあれ……」
普段大概のことでは動じないメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)も今回のトンチキな事態には流石に二度見を禁じ得なかった。思わず眼鏡を外し、目をこすり、またかける。それでも見間違いでも何でも無く、目の前には西のラスボスの姿をした巨大不明|生物《ナマモノ》。
「俺様達が熱いの苦手で涼しい所が好きといえど限度があんだが? そして俺様が破壊好きだといえど限度あんだが?!」
夜野が文句をつけると、返答とばかりに冷凍ビームが飛んできた。ヒエッ、と声を上げてこれを紙一重で回避すると、愛機の四足歩行キャバリア・ラスティバーゲストに飛び乗って脱兎のごとく逃げ出す。
その様子を見てメンカルも改造装甲車「エンバール」に飛び乗ると急発進させる。
「……オブリビオンマシンが片っ端から処されてるのは楽だけど……そのオブリビオンマシンを軽々と処す相手から逃げる必要があるんだよね……」
「三十六計逃げるに如かずってか!? んでどうすんだよ!?」
「とにかくまずは逃げることだけ考えよう……できるだけ多くのオブリビオンマシンを巻き込みつつ、鉤爪の男まで巨大不明|生物《ナマモノ》をトレインして行くとしようか……」
「どのみち奴さんが余計なことしなきゃこの状況は無いわけだしな! 奴さんにとってもコレは不本意だろうけど!」
メンカルはユーベルコード「彩り失う五色の魔」で向上させた火炎属性によってエンバールに冷気対策を施し、幻影投射術式「ファンタスマゴリア」でエンバールとラスティバーゲストの無数の幻影を作り出して並走させる。冷凍ビームや巨大不明|生物《ナマモノ》の直接攻撃は避けたいところ。
一方、夜野もラスティバーゲストを走らせつつ、周囲に印をばらまく。印からは炎の蝶が飛び出して冷気への抵抗を行っていた。目の前にドランギムが立ちはだかる場合は炎の蝶が直接攻撃しつつ、錆の呪いで動きを止める。
「本番はオブリビオンマシンが全滅してからかな……」
「あぁ、その時は完全にこっちに矛先が向くわけだからな……」
2人は次なる局面を見据えて暗澹たる気分になりながらも、ひとまずは生存のためにひたすら逃走を続けるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※ギャグ連携他アドリブ歓迎
…マジで何してくれてるのさ、クイーン
全員分の処方料は別途払ってもらうよ、社長…
※怪獣映画風ポスターの集団幻覚を見た模様
本物の|桜嵐市国《街》も「解せぬ」とか思いそう
※PC強奪阻止依頼での啖呵想起
◆戦闘
※愛機搭乗済
ああもう、邪魔邪魔邪魔っ
DA56号【カンダタ】始動
主腕部に展開着装した擬似引力アンカーで強引にドランギムを捕縛
そして引力場崩壊を利用して千切っては投げ…狙いは当然ナマモノの眼前
気を取られ|噛み砕いたりする《あそんでる》隙に《操縦》テクで逃げるのさ
隊列を崩す事で突進戦法を弱体化する副次効果もあるけど
ソレは《瞬間思考力》で状況分析してる最中に気づく感じ?
ノーラン・ハイドリヒ
【アドリブ連携歓迎】
『報酬全額前払い。私の好きな言葉です』
なるほど理解した。
依頼者のグリモア猟兵はどこぞのCEO。
俺がこの、熱出た時の悪夢みたいな状況に放り込まれたのはそういう訳か。
おのれリーブラ。
あの氷の巨人はなんかこう、|理屈を超えた力《カイジュウ補正》に守られてあらゆる攻撃が通じないらしい。
推力移動で逃げ回りつつ、UCでドローンを展開。律儀に襲ってくるオブリビオンマシンを空爆する。
ついでに、巨人の顔や背中にドローンをぶつけて嫌がらせしよう。
ドローンの操作はリーブラに任せる。
背後は見ない。あたまがおかしくなる。
『慣れなさい。これが猟兵のおしごとです』
|冗談《ウソ》だと言ってくれ、リーブラ。
●これが猟兵である
「マジで何してくれてるのさ、クイーン……全員分の処方料は別途払ってもらうよ、社長……」
リーゼロッテ・ローデンヴァルト(|KKS《かわいくかしこくセクシー》なリリー先生・f30386)は特大の宇宙を背負っていた。依頼概要を聞かされた途端に怪獣映画風ポスターの集団幻覚を見てしまった挙げ句実際に来た途端にこの始末。特に怪しいおクスリとかキメてないにも関わらずバッドトリップしているかのような惨状に、リーゼロッテは後で引き金を引いた馬鹿2名から治療費名目で相応にふんだくってやる、と誓う。
『報酬全額前払い。私の好きな言葉です』
「なるほど理解した。依頼者のグリモア猟兵はどこぞのCEO。俺がこの、熱出た時の悪夢みたいな状況に放り込まれたのはそういう訳か」
一方、自身の保有するキャバリアの搭載AIがいつの間にか馬鹿2名に報酬全額前払で買収されていたことを知りがっくりと膝をつくのは、この3月に発見された新世界「獣人戦線」よりやってきた新米の猟兵、ノーラン・ハイドリヒ(エンダーベリー・アウトポスツ:契約実動社員・f39988)。突然カオスな状況に投げ込まれてこちらも宇宙を背負う。
「しっかしまぁ本物の|桜嵐市国《街》も「解せぬ」とか思いそうだなぁ」
リーゼロッテは以前、桜嵐市国で受けた依頼での出来事を思い出しつつ、げんなりとした様子でため息をついていた。ともかく、今はあの巨大不明|生物《ナマモノ》から逃れなくてはならない。
「ノーランさん大丈夫?」
「あぁ、状況は理解している。あの巨大不明|生物《ナマモノ》にはなんかこう、|理屈を超えた力《カイジュウ補正》に守られてあらゆる攻撃が通じないのだろう?」
「うん、まぁそういうことさね……ともかく適当なオブリビオンマシンを囮にして逃げるよ」
リーブラとナインス・ラインがそれぞれスラスターを全力展開して逃げ出す。通りを2つ3つ曲がった所で、オブリビオンマシンが巨大不明|生物《ナマモノ》を迎撃しているところに出くわした。
「あーもう、通行の邪魔!」
リーゼロッテは主腕部に展開着装した擬似引力アンカーで強引にドランギムを捕縛、巨大不明|生物《ナマモノ》めがけて放り投げる。ノーランはリーブラAIに命じてドローンでオブリビオンマシンを撃破しつつ、いくつかのドローンは巨大不明|生物《ナマモノ》にちょっかいをかけさせた。
「これで少しでも気を反らせればいいが」
だが、巨大不明|生物《ナマモノ》の力は圧倒的であった。飛んできたドランギムが目の前に来るやいなや、チョップの一閃で一刀両断してしまったのである。
「……いやいやいやおかしい!!」
「よしもう背後は見ないあたまがおかしくなる」
リーゼロッテがあまりの無法ぶりに思わずツッコミを入れ、ノーランは操縦桿にしがみついて全力でその場から逃げ出すことに集中した。
『慣れなさい。これが猟兵のおしごとです』
「嘘だと言ってくれ、リーブラ」
「んー……あながち嘘でもないんだよねぇ、その、今回のはイレギュラーの部類には入るけども」
ノーランはこれから猟兵としてやっていけるのか、と暗澹たる気分になる。リーゼロッテはそんな彼をなんとか慰めようと務めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
何方かというと『逃走の世界』になっている様な?
『FAS』により飛行、『FMS』のバリアと『FLS』の空間歪曲障壁、『FES』の結界を展開しますねぇ。
更に【鴻鉀】を発動、『祭礼の女神紋』により『F●S』各種共々『天鎧』で覆い『極寒環境耐性』と『即時修復』を付与しますぅ。
機体の攻撃は三重の防御で対処、バリア破壊狙いも『即時修復付与』『防御強化』が有る以上、高確率で防げるでしょう。
後は『FPS』を超巨大生物に向け『行動把握』と『情報複製』を行い、何かに使える可能性を踏まえて記録、緊急時は『FIS』の転移で退避しますねぇ。
機体への攻撃は『FGS』の重力弾を中心に、余力の範囲で。
櫻井・クロ
「なんという凄い光景にゃねー特撮もびっくりなのにゃ」
(恋人に借りたエミリアちゃんというペガサスに乗って飛びつつ)
UCの猫の集団攻撃でエミリア召喚を使い、ペガサスに乗った猫軍隊と一緒に戦うのにゃ!
「それじゃエミリアちゃんも猫ちゃん達もよろしくにゃね♪」
猫達と連携して相手に【早業】【2回攻撃】でさらに攻撃
攻撃(特にナマモノ)は【オーラ防御】【第六感】【野生の勘】を総動員して対処
「巨大不明ナマモノの攻撃でカチコチもぺちゃんこも嫌にゃしね、オブリビオンマシンだけ巻き込ませるのにゃ!」
※ネタやアドリブや他の人の連携などはお任せなのにゃ!
●闘争というよりも
「どちらかというと『逃走』の世界ですよねぇ」
「なんという凄い光景にゃねー……特撮もびっくりなのにゃ」
逃げ惑う群衆。必死に応戦するオブリビオンマシン。荒れ狂う巨大不明|生物《ナマモノ》。モンスターパニック映画さながらの光景に、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)と櫻井・クロ(トラベルキャット・f12090)の2人は苦笑いを禁じえない。というか、笑うしかない。
2人は空中を飛んでいた。るこるは神器FASの力で、クロは恋人より借り受けたペガサスの「エミリア」で飛行を可能としていた。もっとも、街並みの様子から勘違いしそうにはなるが、ここはクロムキャバリアのいち国家を再現した場所。高度制限には気を遣う。
「|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》がいつ飛んでこないとも限りませんからねぇ」
「にゃ。高度を上げたときは速度落とさないとだにゃ」
るこるはここまでの状況を神器FPSで記録していた。膂力はデストロイキングボスを遥かに凌駕する。接近しすぎると凄まじい反応速度で必殺のチョップが飛んでくる。さらに実体弾による射撃は元々直撃しても痛くも痒くもなさそうな上に身体に纏う冷気が瞬間凍結させてそもそも届いていない。光学系の攻撃も空気中の水分を凍結させた氷の微粒子で拡散と乱反射を繰り返すことで威力を減衰させて受け止める。冷凍ビームと周囲に放出する冷気はあらゆる物を瞬間凍結させるほどの威力であった。
「……見れば見るほど怪獣映画の住人では?」
つまり|絶対に手を出すべきではない《アンタッチャブルな》存在として君臨しているのがあの巨大不明|生物《ナマモノ》なのである。放置はできないがあまりにも打つ手がなさすぎる存在であった。
「ひとまず冷気対策は施しましたし、逃げの一手ですねぇ」
「巨大不明ナマモノの攻撃でカチコチもぺちゃんこも嫌にゃしね、オブリビオンマシンだけ巻き込ませるのにゃ! というわけでエミリアちゃんも猫ちゃん達もよろしくにゃね♪」
ペガサスに乗った猫軍団を召喚し、るこるの神器によって冷気対策を施してもらう。ドランギムのみに対して攻撃を行いつつ、時折飛んでくる冷凍ビームには持ち前の野生の勘でひらりと避け、自身のオーラ防御で余波すらも防ぎ切る。
「まだオブリビオンマシンに注意が向いている今がチャンスにゃね」
「えぇ、なんとか鉤爪の男を見つけ出さなければ……でも逃げ足早いですねぇ」
巻き込まれていればいいが、と2人は考えるが世の中そんなに甘くはないらしい。ひとまずは巨大不明|生物《ナマモノ》には手を出さずにどうにかしよう、と頷きあうのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎
お、おう。なんかスゲーことになってんな
とりあえずオブリビオンマシンを片付け……○ムだこれー!?
しかもなんか勝手にやられていってるし
えーととりあえずイグニシオンに[騎乗]してUC展開
原初の焔で味方を癒し敵を[焼却]する領域
その焔で冷凍光線からも身を守る[氷結耐性]を付与した[結界術]で
自身や味方をなんかやばい冷気から守るぜ
あ、一応敵のアックスは[心眼]で[見切]って踏み台にする形で避けとくな
あとはとりあえず倒し切れてない敵を焔の太刀とUC思念誘導焔刃兵装による[範囲攻撃]で蹴散らしてくぜ
蹴散らしてからが本当の地獄のような気がする、たぶん
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
…は?
……は??
………はぁあ!?
ここアリラビだよな!?!?
いやクロムキャバリアは分からないけどまだギリわかる。
なんでデビキンのクイーンが出張ってきてるんだよどうなってんだジャッジメントガール!!……居ねぇのかよ!!
そりゃそうだよな!?
チクショウこういう時はさっさとずらかるに限る!
この流れ、絶対ェ後からアレな事が起こるって決まってるんだ!
攻めろ?転移してきたからにゃ後退するな?
わーったよ前に向かって全力逃亡してやらぁ!?
春先でようやく雪解けしたと思ったのに、アタシも何が悲しゅうて吹雪の中を突っ切らなきゃいけないのさ!?
必死でカブを『操縦』してカオスの中を駆け抜けるよ!
●本当の地獄はまだ先
「…は?
……は??
………はぁあ!?」
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)、芸術的な三度見である。いくら目をこすってもアリスラビリンスの不思議の国の光景はどこにもなく、東京──正確には桜嵐市国だが──の街並みの中を西のラスボスの姿をした巨大不明|生物《ナマモノ》が闊歩する光景のみが広がっているのであった。
「お、おう。なんかスゲーことになってんな」
久遠寺・遥翔(焔の機神イグニシオン/『黒鋼』の騎士・f01190)は引きつった笑みを浮かべていた。これはなんか、色々とヤバい。なんか、こう、世界の法則的なのが乱れている。
「ここアリラビだよな!?!? いやクロムキャバリアは分からないけどまだギリわかる。なんでデビキンのクイーンが出張ってきてるんだよどうなってんだジャッジメントガール!! ……居ねぇのかよ!! そりゃそうかチクショウめ!!」
何しろ本物のアイスエイジクイーンはデビルキングワールドから一歩も出ていない。グリモア猟兵とビデオチャットしてただけなのである。そこにたまたま鉤爪の男がいて、たまたまカーテンコール・ラビリンスを発動し、その文言にたまたまグリモア猟兵とアイスエイジクイーンが(後者はビデオチャット越しに)余計な茶々を入れた結果爆誕したのがこの惨状なのだ。つまり、悲しき事故である。
「とりあえずオブリビオンマシンを片付け……○ムだこれー!? しかもなんか勝手にやられていってるし」
ドランギムのあまりにも見覚えのありすぎる風貌にさらにツッコミを重ねる遥翔。しかも巨大不明|生物《ナマモノ》に抵抗虚しく散っていっている。
「チクショウマズい、これ以上ツッコミどころが増える前にさっさとずらかるに限る! この流れ、絶対ェ後からさらにアレな事が起こるって決まってるんだ!」
「あー、まぁ、うん、確かに。蹴散らしてからが本当の地獄のような気がする」
つまり余力を残すことが求められているのだ。ひとまず脱兎のごとく逃げ出す2人。遥翔はイグニシオンから原初の焔で味方を癒し敵を焼却する領域を展開。結界術を多喜にも施すことで冷凍ビームや冷気からの守りを万全にする。巨大不明|生物《ナマモノ》には一切手を出さない。触らぬ神に祟りなしなのだ。
「春先でようやく雪解けしたと思ったのに、アタシも何が悲しゅうて吹雪の中を突っ切らなきゃいけないのさ!?」
「よいしょっと、うん踏み台にすれば倒せるなコレ……でもほら、3月ってまだ寒の戻りとかあるし」
「ホワイトアウトするほどの猛吹雪とダウンバーストは寒の戻りってレベルじゃないんだよ!!」
バイクを右へ左へ振りながら、桜嵐市国の街並みを疾走する多喜。桜嵐市国に張り巡らされた高速道路に乗り、さらに加速。目指すは高層ビルの多い新宿方面だ。
「くそっ、ダメだ完全にUDCアースの東京で怪獣と戦ってる感じがする! 頭がどうにかなりそうだ……!」
混乱の極みにある多喜を、遥翔が援護。2人が必死の形相で逃げ惑う中、ついにひっそりとドランギム部隊は全滅する。それは、巨大不明|生物《ナマモノ》の注意が猟兵たちに向くことを意味していたのだ──。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『アイス怪獣襲来』
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POW : 力技で食い止める
SPD : トラップを仕掛けておびき寄せる
WIZ : 怪獣の弱点や対策を練る
イラスト:V-7
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●Who will know?
\デスワァァァァァァァ!!!/
巨大不明|生物《ナマモノ》の咆哮が響き渡る。練馬方面から新宿へと向かっていた巨大不明|生物《ナマモノ》は、途中のオブリビオンマシンによる防衛線を軽々と蹴散らし、引き続き辺りに冷気を撒き散らしつつ冷凍ビームを吐き散らかしていた。
「ちくしょう、どうにか対抗策は……っ、そうだ|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》!」
それでも殲禍炎剣なら、殲禍炎剣ならなんとかしてくれる。クロムキャバリアの戦乱と絶望の象徴であるそれは、今この瞬間、皮肉にも希望の星としての活路が見出されていた。
「ここで出すことになろうとは……行け、ブラック・クロウ……!」
出現したのはオブリビオンマシンの中でもハイエンドの部類に属する空戦機。漆黒の機体が限界高度を越えて巨大不明|生物《ナマモノ》の上空を飛翔し、殲禍炎剣の砲撃を誘う。
果たして虎の子のブラック・クロウを使った殲禍炎剣の誘発は成功し、高出力ビームが放たれ……たかと思いきや。
\デスワァァァァァァァ!!!/
咆哮が響き渡ったかと思うと、「み゛ーーーー」という音と共に背中から収束率が高い冷凍ビームが飛んでいく。そしてあろうことか、殲禍炎剣のビームを「迎撃した」。冷凍ビームと殲禍炎剣のビームが激突して雲散霧消。さらに余波を食らったブラック・クロウが煙を吹いて落下していく。
「殲禍炎剣が迎撃されてるゥー!?」
これには思わず鉤爪の男も盛大に顔芸を披露する。しかし、すぐに冷静さを取り戻した。
「うん、もう無理だ! 逃げよう!」
選ばれたのは、逃走でした。
鉤爪の男はこの再現された桜嵐市国のどこかにいる。東京都23区そのままのメガロポリスの中で、巨大不明|生物《ナマモノ》の攻撃をかわしながらも界渡りをしようと足掻く鉤爪の男を見つけ出さなければならない。猟兵たちはこの絶望的な戦いに、どこまで足掻けるのだろうか。
尾守・夜野
「…あ゛ぁん?
逃げただぁ?!
闘争を望んどいてどういう了見してやがる!」
…あの生物見てたら戦闘とか馬鹿らしくなるけどブチギレた瞬間スンと
「…ぜってぇ潰す」
だがそれも奴の責任だと怒りが再燃
とりあえず式をあちこちに放つ
凍るっても水撒いては無さそうだから影響少なそうだし
視覚・聴覚以外の感覚全部対価に
気づかぬうちに凍傷なるとか面倒くせぇから気をつける
…結局フィードバックで負いそうだが
広域無線により情報は共有するぜ
内部は弄って貰ってねぇから旧式
だから暗号方式とか既に解析し尽くされてて相手にも伝わる可能性がある
生物の場所に関してはダミーを混ぜて隠れた奴をあぶり出す
…問題は古すぎて気づかれない可能性がある事
●責任を取らせるために
「……あ゛ぁん? 逃げただぁ?! 闘争を望んどいてどういう了見してやがる!」
夜野は鉤爪の男が逃走を選んだことに対して怒りを顕わにする。元々鉤爪の男が「カーテンコール・ラビリンス」を発動しなければ今回の事態は発生していないのである。つまり鉤爪の男にも今回の後始末をする責任はあるのだ。ただでさえグリモア猟兵とアイスエイジクイーンに手を焼かされているのに自分だけ逃げるという無法が許されて良いはずがない。
「ぜってぇ潰す! アイツにケツ拭かせねぇと我慢ならねぇ!!」
巨大不明|生物《ナマモノ》の姿を見ると馬鹿らしくはなるのだがそれはそれとして鉤爪の男の無責任ぶりは腹に据えかねるものがある。故に夜野は式を放ち一帯の捜索を開始した。代償は五感の一時的な譲渡だが、渡しすぎて気づかぬうちに凍傷を受けるというリスクはやや危険だ。しかし、そうは言ってもどのみちフィードバックで冷気による被害は受けるのだ。ならば四の五の言っていられない。
「どこ行きやがった……!」
巨大不明|生物《ナマモノ》からはできるだけ離れたいのが人情だろう。誰だってそうする、夜野もそうする。となれば、巨大不明|生物《ナマモノ》練馬区から中野区経由で新宿へと向かいつつある今、鉤爪の男が向かう先と言えば。
「……品川区~江東区のベイエリアあたりか? 凍らせちまうから海を渡れないってのはおそらくあり得ないだろうが……いや、自重で沈むのを狙ってる可能性もあるな」
夜野はアタリをつけた場所に式を放つ。水場は近いがそこまではまだ巨大不明|生物《ナマモノ》の手は及んでいない。果たして、愉快な仲間たちが話す噂を式のひとつがキャッチした。
「なんか港の方に向かわなかったか? 鉤爪のやつ」
「いたね……元はあいつが余計なことしたせいなんだからなんとかして欲しいよ」
夜野はこれを聞いて口の中で「ビンゴ」と呟く。
「皆聞いてくれ、アイツは港の方に逃げた! 探すなら品川区~江東区の臨海副都心だ!」
ラスティバーゲストの広域無線を使用して他の猟兵に呼びかける。後は他の猟兵が随時絞り込みをかけてくれることだろう。夜野は自身も鉤爪の男を見つけ出すべく臨海副都心に向かうのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
この|怪獣《ナマモノ》、ダークセイヴァー上層に飛ばして「闇の種族」にぶつけられませんかねぇ?
『FAS』による飛行と先程の『三重の防御』は継続しまして。
まだ何か有りそうですし、『FPS』による|怪獣《ナマモノ》の情報収集と行動の確認も継続しますねぇ。
そして【酷郭】を発動し『裁域』を形成、戦場全体に『律』を流し込みますぅ。
何しろ|怪獣《ナマモノ》が暴れている関係で、射程内になる一帯はほぼ戦場と言って良く、かなり広域へ展開出来ますぅ。
『律』への抵抗の差で相手の位置は探査可能、鉤爪の男は|怪獣《ナマモノ》から逃げる為離れる方向に移動するでしょうから、其方側を主体に探しますねぇ。
●不思議な世界
「なるほどぉ、やはり臨海副都心ですかぁ」
夜野の広域無線を聞いたるこるは自身の読みと一致したことを知る。鉤爪の男は巨大不明|生物《ナマモノ》から逃げる方向に進むのは必定。そうなれば、一番確実なのは港だ。あの巨大不明|生物《ナマモノ》がどれだけの体重を誇るのかは定かではないが、見た目はアイスエイジクイーンを相似形に大きくしているのだから体重も比例しているはずである。であれば、海を凍らせた所で氷に乗れば割れる。いや、あの冷凍ビームだと海底まで凍らせてしまいそうではあるのだが。
より確実に探査をするために、るこるは戦場全域に「律」を流し込む。巨大不明|生物《ナマモノ》が暴れている以上、新宿を中心とした一帯は戦場と言って差し支えないだろう。そして、「律」への抵抗が激しい反応があればそこに鉤爪の男はいる。
果たして、極めて強い抵抗が見られたのが江東区の豊洲の方角であった。直前に移動する様子が見られる。このコースはおそらく。
「電車のレール沿いに逃げましたねぇ。これは……臨海新交通?」
おそらくさらに西、そして南へと移動するつもりだ。路線図がるこるの知っているものと一致すれば、おそらくは品川方面に向かっているものと考えられる。だが、等身大オブリビオンマシンとは言え移動速度はたかが知れているだろう。うまく行けば台場あたりで捕まえられる。
ここまで考えて、るこるはふと、この世界がアリスラビリンスであることを思い出す。なのにクロムキャバリア世界の産物が飛び出すわ、巨大不明|生物《ナマモノ》の姿はデビルキングワールドの住人の姿を取っているわ、街並みは完全にUDCアースの東京とそっくり同じであるわと、自分がどこの世界で活動しているのかわからなくなるほど混沌とした状況。
「この|怪獣《ナマモノ》をダークセイヴァー上層部にぶつけたらどうなるか……とか考えちゃいますねぇ。発想がグリモア猟兵さんたちと似通ってしまうのも困りものですがぁ」
やれやれ、と頭を振り、るこるも臨海副都心へと向かう。確実に包囲を狭めるために。
大成功
🔵🔵🔵
久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎
殲禍炎剣の砲撃を武器として使用……それ自体はまぁ猟兵でもやってる奴いるし驚きはないんだけども
え、あれって迎撃できんの?
……よし、ナマモノはそっとしておこう。やっぱ根元を断つしかない
引き続きイグニシオンに[騎乗]
UCで姿を消して敵からもナマモノからも隠れながら鉤爪の男を探す
これまでの[戦闘知識]を総動員して現在のこの戦域から離脱するための経路になりうる箇所を想定し
この戦域に開いた[結界術]の中で蠢く気配を[心眼]で[見切り]、標的と思われる地点から優先的に調べて回るぜ
ナマモノの攻撃が来たら[第六感]で察知して回避しかないな
視聴覚では察知されないけど攻撃が飛んでくることはあるだろう
鈴乃宮・影華
※アドリブ連携歓迎
E『ねぇねぇ影華ちゃん、|尊い犠牲要員《オブリビオンマシン》がいなくなったみたいなんだけどどうする?』
ぐッ……もう逃げられませんか
仕方ない、|鉤爪の男討伐任務《現実》に戻りましょう
鉤爪の男を対象に指定しUC起動
|生物《ナマモノ》から全力で遠ざかる彼、それを追尾する『腕』に騎乗する事で
結果的に私も怪獣から距離を取れるという寸法です
これで吹雪やチョップや踏みつけはひとまず気にしなくていいはず
冷凍ビームの方は……E.N.M.A、軌道を計算して
|『Dセグメンタータ』《身代わりの装甲板》を置いてピンポイント防御するよ!
「機体に当たらなければどうということはありません――!」
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
殲禍炎剣を迎撃!?
やっぱアイスっても氷河期の災厄的なアレだよな!?
こんなのから三発どころか一発でもイイのを貰ったらお陀仏だ!
農場?に送る?送り返す?のもおかしな話だよなぁ!?
クラフトするにも在来線っぽい爆弾とかデカすぎて作れねぇし、
苔っぽい何かから抽出できそうな薬品もたぶん|怪獣《クイーン》を追い払うだけだ。
うん、どう対策していいか分かんねぇなこれ!
そもそも鉤爪のォ!
手前ェが呼んだ張本人だろ!
責任ってもんがあんだろーが!
カブを必死で操縦しながら、
でっかい声とコミュ力で喚いて鉤爪の男に”猟兵!”と反論させようとするよ。
耳聡く聞きつけたら転移して奴を怪獣からの盾にする!
●驚天動地の殲禍炎剣迎撃
「殲禍炎剣を迎撃したァ──!?」
多喜は愕然としてその光景を見上げた。遥翔もその蛮行に思わずひっくり返る。
「いやいやいや本来アレって迎撃のための物だよな、なんでミイラ取りがミイラになってんだ!? 殲禍炎剣の砲撃を武器として使用すること自体はまぁ猟兵でもやってる奴いるし驚きはないんだけども、いや、その、えっ……あれって迎撃できんの?!」
色々とあってはならんことが起きている。レーザービームを迎撃するという離れ業で、しかもそれをたやすく実現した巨大不明|生物《ナマモノ》。さらにブラック・クロウがひゅるひゅると音を立てながら神田川方面へと落ちていく。その様子を確認したE.N.M.Aが恐るべき事実を口にした。
「ねぇねぇ影華ちゃん、|尊い犠牲要員《オブリビオンマシン》がいなくなったみたいなんだけどどうする?」
「ぐっ……!」
絶望的な現実を聞かされた影華は天を仰いだ。もう逃げ場はない。次の獲物は鉤爪の男か猟兵だ。そして単純な人数で猟兵が狙われる可能性が高い。今のところは海の方へと向かっているようだがいつ矛先がこちらに向くとも限らないのだ。
「ダメだぁアイスっつっても氷河期の災厄の象徴だよアイツは!! 三発どころか一発殴られただけでお陀仏確定だっての! 農場? に送る? 送り返す? のもおかしな話だよなぁ!?」
「ダメです多喜さん! 現実に戻りましょう!!」
「落ち着け多喜! お前何を口走ってんだ!!」
ぐるぐると目を回す多喜に影華と遥翔は必死で呼びかける。はっと我に返った多喜はブンブンと頭を振った。このトンチキ空間は色々と危険だ。
「しかし……打つ手なんてあるのかい?」
「ナマモノはそっとしておこう。やっぱ根元を断つしかない」
「そもそも元凶は鉤爪の男です。つまり鉤爪の男さえ処してしまえばこのトンチキは終わります」
結局のところ、鉤爪の男を倒すしか無いのだ。正直猟兵側のトンチキに巻き込まれた鉤爪の男にはちょっと悪いなーとは思うのだがそもそも鉤爪の男がカーテンコール・ラビリンスを発動しなければ今回の事態は発生しなかったのだ。しかもこの期に及んで鉤爪の男は全ての責任を放棄し逃げ出そうとしている。
「あぁ、そうだ元はと言えば鉤爪の男が原因なんだ! 手前ェが呼んだ張本人のはずだろ、責任ってもんがあんだろーが! 何ケツまくろうとしてんだアイツは!!」
多喜は敢えて「非常用の回線」で呼びかけた。そう、この回線はオブリビオン側にも届く。即ち、
「いや私のせいか!? そちらも原因を作ったという意味では責任があるだろう猟兵!!」
鉤爪の男のツッコミが飛んでくるのである。そうなればしめたもの。
「よぉし一足先に行ってくる!」
多喜のユーベルコード「|応える声《フー・コール・イェーガー》」。猟兵と呼びかけた者の場所を感知してその場所に転移する。
「こちらも位置をキャッチ! 彼の力を以て世界へ解き放つ――鬼の手よ、我に敵を示せ!」
影華も同様に位置を特定し、鉤爪の男を対象に発動した「黒燐幻想劇弾・擬似宝具『栄光鬼手』」。鉤爪の男を追尾する『腕』に飛び乗り、巨大不明|生物《ナマモノ》から遠ざかる。
「こっちは逃げるところを先回りする! おそらく新木場で地下に逃げるはずだ!」
地上から地下に逃げることを予想し、遥翔はイグニシオンを駆って新木場の駅へと向かった。そこには地下鉄の駅がある。巨大不明|生物《ナマモノ》の猛威から逃れるならば地下に向かうだろうと考えての先回りだった。
\デスワァァァァァァァ!!/
冷凍ビームが咆哮と共に遥翔と影華目掛けて飛んでくる。動くものに対して反応したらしい。
「おわっあぶねっ!!」
「E.N.M.A.!!」
「機体に当たらなければどうということはないのにゃー!!」
イグニシオンが紙一重で回避し、影華の命を受けたE.N.M.A.は瞬時に軌道を計算して『|Dセグメンタータ《身代わりの装甲板》』を盾にする。
「ちっ、もう嗅ぎつけてきたか!」
「待てコラァ!!」
逃げる鉤爪の男、追う多喜。臨海副都心を舞台に、大捕物が始まろうとしていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カシム・ディーン
よ、よし!
あのかぎ爪との直接対決ならもう普通のバトルだから問題な…
「あ、逃げちゃった☆」
おいこらふざけんなてめぇぇぇぇ!!??
なんでフォーミュラが逃げてんだよ!?
「捜索してあのシン・クィーンに対抗するならもう…続いてのあれだね♥」
うっがぁぁぁぁ!!!
絶望のUC継続
10師団は竜眼号の護衛
【属性攻撃・迷彩】
光水属性による光学迷彩で戦艦を隠し
水の障壁で熱源も隠蔽
369師団
【情報収集・視力・戦闘知識】
桜嵐市国の構造把握
隠れそうな場所と砲撃状況分析し
捜索開始☆
1000師団
生物の足止め?
「皆ー☆ヤシ◎リ作戦いっちゃうぞー☆」
「「おー☆」」
【念動力・集団戦術・弾幕・空中戦・盗み・スナイパー】
一部がクィーンの上空を飛び回り殲禍炎剣と内閣総◎職冷凍ビームを暴発させる
戦艦に向いそうなのは念動障壁で庇って防衛
盗んだ列車に爆弾積んで突撃☆
怒ったクィーンをビルに誘導☆
飛行部隊は継続して念動光弾乱射
盗んだ兵器とかミサイルでビルも倒壊させて動きを止めて
盗んだタンクローリーに超大量の日本酒を入れ
生物の口に注ぎ込む☆
●新宿駅の激闘
「よ、よし! あのかぎ爪との直接対決ならもう普通のバトルだから問題な……」
「あ、逃げちゃった☆」
「おいこらふざけんなてめぇぇぇぇ!!??」
いよいよ鉤爪の男と戦えるかと思いきや、当の本人が脱兎のごとく逃げ出したのを見て思わず絶叫するカシム。
「なんでオウガ・フォーミュラが逃げてんだよ!?」
「そりゃコレからは逃げるよね☆」
メルシーが親指で指した先には進撃を続ける巨大不明|生物《ナマモノ》。納得するしか無い。
「捜索してあのシン・クィーンに対抗するならもう……続いてのあれだね♥」
「うっがぁぁぁぁ!!!」
メルシーが引き続き幼女祭りを継続すると宣言した結果、カシムは考えるのをやめた。やめざるを得なかった。
◆◆◆
と、いうことで引き続き2740万人の幼女祭りが挙行される。一部をカシムたちが乗る竜眼号の護衛に回し、また一部はこの架空の桜嵐市国全域に散らばって偵察。ベイエリアを中心に鉤爪の男の動向も把握する。現在他の猟兵に追い回されている最中らしい。どうにも逃げ足は早いようだが囲まれるのも時間の問題に思えた。
そして、残る1000師団で総力を挙げて巨大不明|生物《ナマモノ》を食い止めるべく作戦を実行。一応元ネタはメルシーがこの間サブスクで見た映画らしいのだが果たして効果はあるのか。
「無人新幹線爆弾、突撃ー!」
「おー☆」
(BGM:例のあの曲)
一部が巨大不明|生物《ナマモノ》の冷凍ビームの狙いを逸らすべく飛び回る中、どっかから持ってきた新幹線N700系に爆弾を大量に突っ込んで新宿駅にいたクイーン目掛けて突っ込ませる。ちゅどーん、と巨大不明|生物《ナマモノ》の足元で爆発させたところ巨大不明|生物《ナマモノ》は激怒。
\デスワァァァァァァァ!!!!/
「はいこっちー!!」
メルシーたちが誘導させる中、手近にあったビルを爆破させて倒壊に巻き込ませる。流石にこれにはさしもの巨大不明|生物《ナマモノ》も足を止めざるを得ない。
「この機を逃すな! 無人在来線爆弾全車投入!」
「それいけー☆」
さらに爆弾を搭載させた列車が5両ほど一斉に並走、巨大不明|生物《ナマモノ》に絡みつくように直撃し転倒させる。
\デスワァァァァァァァ!?!?/
「今だ、タンクローリー部隊ー☆」
そして現れたのは日本酒満載のタンクローリーとはしご車の集団。倒れた巨大不明|生物《ナマモノ》の口にホースを突っ込み日本酒を強制的に飲ませる。酔いつぶれさせる作戦であった。
「……なぁ、思いの外うまく行ってるところアレなんだけど」
「なぁに?」
カシムはその様子を見てうーむ、と唸る。ひとつだけ懸念事項があった。
「これ、巨大不明|生物《ナマモノ》が酒にどれだけ強いのかによるよね」
「……そうだね☆」
「……アイスエイジクイーンって」
その時、カシムの乗る竜眼号の通信ウインドウにドアップで現れたのはアイスエイジクイーン御本人であった(※巨大不明|生物《ナマモノ》ではない)。
「ご安心くださいませ!」
「わっ、びっくりした!! え、何アンタ意外と酒は──」
次の瞬間。
「えぇ、100人四天王から西の大ウワバミと呼ばれたことがありますわ」
アイスエイジクイーンのその言葉とともに、巨大不明|生物《ナマモノ》再起動。
\デスワァァァァァァァ!!!!/
冷凍ビームを吐き散らかしてふたたびすっくと立ち上がると幼女たちを蹴散らして港の方に向かって歩き出した。
「ぎゃーちべたーい!」
「やっぱ睡眠薬とか混ぜるべきだったかなぁ?」
ふっ飛ばされながら反省会を始める幼女達。カシムはその様子を見て思わずツッコミを入れる。
「……いや、なんでお前らも大したことなさそうなツラしてんだ!?」
真のバケモノは果たしてどちらなのだろうか……。
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!
HAHAHA!
この惨状に、ワタシ参上!
お任せくだサーイ鉤爪の男!
安全なところまで退避して、落ち着いてから白熱したバトルを満喫しマショー!
巨大な不明の生物にこの世界は滅ぼさせはしマセーン!(違
「カオスメモリ、ロゴスイグニッション!」
知見をお貸しくだサーイ、スーパーカオスドラゴン殿!
この状況に最適な混沌魔法をインストールして、臨機応変に柔軟な対応を行いマース!
(※増えたり、混乱して起動の予測が困難になったり、状態異常付与でナマモノを飛行状態にしたりと、さらに状況をカオスにします)
おやおやおや。……HAHAHA!
まー、なんとかなるデショー!
鉤爪の男、今会いに行きマース!
ノーラン・ハイドリヒ
※アドリブ連携歓迎
『アレが|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》ですか。クロムキャバリア世界に来たみたいです。テンション上がりますね』
もうやだかえりたい。
ともかく、あのデカブツを自由に暴れさせると元凶を追うどころじゃない。
機体を反転、全速後退しつつ、ライフルと肩部ミサイルを斉射。
引き撃ちで陽動する。
同時に、|偽装装甲トレーラー《デコトラ》をリーブラAIに【遠隔操縦】させ、奴の側面に回す。
タイミングを見て、横合いからフルスロットルで突撃させたい。
足の小指に。
搭載した予備弾薬や燃料が誘爆すれば相当な威力のはずだ。
傷を付けられずとも、ヒト型生物なら泣き所は同じとみた。
悶絶してくれることを期待して今は退く!
●カオスは加速する
「アレが|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》ですか。クロムキャバリア世界に来たみたいです。テンション上がりますね」
「もうやだかえりたい」
リーブラAIの呑気な声を聞き流しながらノーランは宇宙を背負う。衛星兵器が出てきたと思ったら迎撃されていた。じゃあ、ということで今度は恐ろしくアナログで力技な作戦が猟兵側から飛び出したがそれも蹴散らされた。つまりアレを倒すのは無理か。だが、このままあのバケモノが好き勝手するのも考えものである。
ひとまず爆破はある程度効果があることがわかった。そして「酒に異常なほど強い」ことを除けば概ね身体構造は人間に近い。であれば「泣き所」も共通なわけであり。
「よし……やるぞ」
ノーランは悲壮な覚悟を固めた。
◆◆◆
リーブラを駆り、全速力で後退させながら引き撃ちを敢行するノーラン。搭載火器を打ち尽くしながら陽動を行い、あるポイントへと誘導する。時折飛んでくる冷凍ビームを右に左に避けながら、時期を待った。
「よし、今だリーブラ!」
「お任せを」
号令一下、リーブラAIが遠隔操縦する|偽装装甲トレーラー《デコトラ》が巨大不明|生物《ナマモノ》の側面から勢いよく突っ込んでいく。狙い過たずトレーラーはクリーンヒットした。
足の小指に。
\デスワァァァァァァァ!?!?/
「よ、よし効いている! 今のうちに撤退だ!」
足止めに成功したと判断しノーランは引き下がる。そこへさらに援護にかけつけた猟兵がいた。
「HAHAHA、もう大丈夫デース! この惨状に、ワタシ参上!」
現れたのはバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。このままでは捜索もままならないと考えたのはバルタンも同じであった。殿を務めるべく、逃げるノーランと入れ替わるようにしてバルタンが立ちふさがる。
「巨大な不明の生物にこの世界は滅ぼさせはしマセーン!」
「目的はあくまで鉤爪の男だからな!? 履き違えるなよ!?」
「……大丈夫デース忘れてまセーン」
「今の間は何だ今の間は」
ノーランの突っ込みもどこ吹く風、バルタンは懐から緑色に輝くメモリを取り出し起動する。
「あちらが西の巨大不明|生物《ナマモノ》なら! 東の大怪獣でお相手しマース! カオスメモリ、ロゴスイグニション! 知見をお貸しくだサーイ、スーパーカオスドラゴン殿!」
デビルキングワールドの「西のラスボス」たるアイスエイジクイーンに対抗できるのは「東のラスボス」のスーパーカオスドラゴンである。だからこそバルタンは混沌魔術を駆使することに決めた。この状況に最適な混沌魔法をインストールして、臨機応変に柔軟な対応を行う。
ところでちょっと待って欲しい。ただでさえ混沌なところに混沌魔術をブチ込んだ結果どうなるのか。
数刻後、そこはエラいことになっていた。
氷の翼が生えてばっさばっさと空を飛ぶ巨大不明|生物《ナマモノ》。増えるバルタン。物理法則が狂ったのか上に落ちるビルの残骸。冷凍ビームの軌道も予測不能になりどこに当たるかわからなくなった。
「……バルタンさん? 状況、悪化してるね?」
「……デスネー」
ノーランが震え声で指摘し、バルタンは|菩薩のごとき笑顔《アルカイックスマイル》を浮かべた。
「まー、なんとかなるデショー! 鉤爪の男、今会いに行きマース!」
「いやいやいやどうすんだこれ!」
見なかったことにしようとするバルタン、悲鳴を上げるノーラン。混沌は終わらず、ただ加速するのみ──。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※色々お任せギャグ可
※愛機搭乗
いつか殲禍炎剣もどうにかデキるけど
流石にコレはモデルケースになんないね
や、唯の対空砲撃じゃ無理な証明になる?
あ、鉤爪さんは逃げないでほしいな♪
コレ放置したら躯の海にも乗り込むよ?多分
だってトンチキだし…
ともあれ奴が等身大Oマシン…ユミル直系なら
EN反応や生体兆候は猟兵/仲間達/キャバリアの何れとも別
ナマモノが冷気撒いたから熱源反応は特に際立つ筈さ
全力ホバーで逃げつつ上記観測情報と【カイルス】測距経路を照合
《瞬間思考力》算定座標にオペ61番【FH・エコー】の思念波照射
捉えたら潜伏先近傍までワープで急速接近っ
※ネタとして怯える鉤爪を猟兵~生物間に強制転移も可
メンカル・プルモーサ
(引き続き改造装甲車【エンバール】に乗って巨大不明生物トレイン中)
……逃げの一手に出られると面倒だな……
…あの冷凍ビーム威力ならあっさりビルが粉々になるだろうし……と言う事は建物に隠れてる可能性だけは薄いか…
【夜飛び唄うは虎鶫】を発動……広域に偵察ガジェットを散らして一網打尽にされないようにしながら鉤爪の男を捜すとしようか…
…念のためガジェットの数機は限界高度で待機…巨大正体不明生物に追いつかれそうになったらガジェットを利用して殲禍炎剣を起動…迎撃させて足止めしよう…
…それにしても……鉤爪の男もあの生物と闘争すれば良いのに根性が無い…みつけたら盛大に巻き込むとしよう…
●猟兵とオブリビオンに逃げ場なし
「あー……これ下手すると骸の海に逃げても追いかけてきそうというか単独で界渡り始めてもなんにも驚かない」
リーゼロッテは殲禍炎剣を迎撃した巨大不明|生物《ナマモノ》の暴れっぷりを見て引きつった笑いを浮かべた。
「流石にコレはモデルケースになんないね……あー、対空砲撃だと無理な証明になる?」
「いや……殲禍炎剣の射撃のタイミングに合わせて軸線合わせてる節があるね……」
「えっもしかしてナマモノ側は撃墜は考えてない?」
メンカルの分析結果にリーゼロッテは寒気を覚えた。これはきっとさっきから巨大不明|生物《ナマモノ》側が吐き散らかしている冷気のせいだそうに違いない。
「で、奴さん今はベイエリアにいるって?」
「そうだね……逃げの一手に出られると面倒だけど確実に追い込んでる……地下鉄の駅から品川方面に抜けようとしたみたいだけど諦めたみたい……多分猟兵が一人張ってたね……」
「地下鉄……ってーと新木場か。メンカルさん今どこ?」
「高速乗った……湾岸線に入る……」
その言葉通り、メンカルの駆るエンバールは高速道路をひた走っている。巨大不明|生物《ナマモノ》がベイエリアを目指しているのは、メンカルの誘導も原因の一つであった。海側に迎えば必然的に逃げる場所は限られてくる。戦闘エリアをベイエリアに限定すれば戦いやすくなるだろう。
「じゃ……広域展開してた偵察ガジェットはベイエリアに集中させようか……」
メンカルはコンソールを叩いて偵察ガジェットを移動させる。巨大不明|生物《ナマモノ》もそろそろ新宿を抜ける頃合いだ。ビルが多いため足止めには最適だった。念のため限界高度ぎりぎりに偵察ガジェットを待機させて殲禍炎剣にも足止めを担ってもらおうと考えていたが、予想以上にビル街を抜けるのに手こずっていたようだ。一部の猟兵が迎撃に動いたのも大きい。
「よし、こっちもカイルスが猟兵以外の熱源を捉えた! 冷気を吐き出しているせいか熱源キャッチが楽でいいね……新木場から有明に向かったか!」
「有明……国際展示場があるとこかな……」
桜嵐市国にも国際展示場は存在する。一年を通して様々な催し物が行われていて多くの人で賑わっているのだ。現在、鉤爪の男は国際展示場前へと逃げ込んでいるらしい。
「よし、そこで囲んじゃおうか……」
「オッケー、先イッてるよ」
探知用思念波が鉤爪の男を捉え、リーゼロッテはナインス・ラインごとワープする。果たして、国際展示場前の広場に鉤爪の男は観念したように両手を挙げて立っていた。他の猟兵たちも続々と集まっている。
「……それにしても……鉤爪の男もあの生物と闘争すれば良いのに根性が無い……」
メンカルも高速を降り、国際展示場へと向かう。決戦の時は近い。一方で、リーゼロッテはひとつの引っ掛かりを覚えていた。
「……そういえば。なんで『桜嵐市国』なんだろ?」
その問いに答えられるものは、今はいない──。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『猟書家『鉤爪の男』』
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POW : プラズマ・クロウ
命中した【左腕】の【鉤爪】が【超電撃放出モード】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD : インサニティ・ブレイド
自身に【体を失っても極限の闘争を求める狂気】をまとい、高速移動と【鉤爪からの真空波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 量産型侵略蔵書
【侵略蔵書で書き換えた『不思議の国』の太陽】から、【奴隷を捕縛する鎖】の術を操る悪魔「【アリス狩りオウガ】」を召喚する。ただし命令に従わせるには、強さに応じた交渉が必要。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●猟兵×猟書家×巨大不明|生物《ナマモノ》 お台場頂上決戦!!
地獄のような様相であった。
空飛ぶ巨大不明|生物《ナマモノ》、幼女とサイボーグメイドの群れ、そこかしこで上がる火柱と垂れ下がる氷柱、いつの間にか丸められてそのへんに打ち捨てられていた九竜神火罩、物理法則を無視してあらぬ方向に吹っ飛ぶビルの残骸。
そんなアリスラビリンスの元「アイスの国」、現「偽物の桜嵐市国」は猟兵・猟書家・巨大不明|生物《ナマモノ》の3勢力に分かれて混沌を極めていた。え、愉快な仲間たち? みんなとっくに逃げたよ。
「あー……オウガ・フォーミュラとしてこれを言っちゃならんとは思うのだが、敢えて言おう。『こんなはずじゃなかった』」
半笑いの鉤爪の男は両手を挙げたまま穏やかに語りかけた。
「いやね? 本来はね? 普通にオブリビオンマシンを出してカタストロフを起こそうとしてたんだが……それが……何だアレ?」
空を飛ぶ巨大不明|生物《ナマモノ》を指さしてげんなりとため息をつく鉤爪の男。アレにすべてをしっちゃかめっちゃかにされた挙げ句世界が馬鹿の産物で滅ぼされようとしている。
「つまり原因はその、私の横でビデオチャットしてくだらん茶々を入れたどこぞの馬鹿2名だと思うのだがな? その2名は私に責任があると言ってくるわけだ。いや、どう考えても責任はあっちにあると考えていいよな!? そこんところどう思うね猟兵諸君!?」
猟兵たちはこう思ったに違いない。
なんでグリモア猟兵とオウガ・フォーミュラが責任の押し付け合いをするところを見せつけられているんだ、と。しかも怒るに怒れないのが、「一応オウガ・フォーミュラの狙いは崩壊している」という点にあるのだ。その代わりアイスの国の住人は大迷惑を被っている真っ最中なのだが。
「解決方法はわかっている! 私を倒せば細かい理屈はわからんがなんやかんやが起きてあの巨大不明|生物《ナマモノ》も綺麗さっぱり無くなるんだろう! 正直私もこれは仕切り直しが必要だし倒されるのもやむなしかと思う! しかしだ、こんな理不尽な状況で私がなんも出来ないまま骸の海に強制送還は流石に如何なものかと思うのでせめて抵抗させてはもらえまいか!」
\デスワァァァァァァァ!!!/
いやそこは大人しくやられとけよ、とツッコみたくなるが、直後に響き渡る巨大不明|生物《ナマモノ》の咆哮で猟兵たちは沈黙せざるを得なかった。流石にこれは鉤爪の男がかわいそうになってくるレベルである。そりゃあちょっとは足掻きたくなるよね。うん。でもそれを猟兵側に懇願するのはなんかおかしいんじゃないかな。
「よし、ひとつ交戦規定を設けようじゃないか」
鉤爪の男はそう言うと、半笑いを浮かべたまま親指で巨大不明|生物《ナマモノ》を指した。
「アレはひとまずどちらの味方でもないということで」
猟兵たちはその言葉に重々しく頷いた。アレはあくまで戦場のでっかい障害物というか、災害か何かと考えるべきだろう。何しろ鉤爪の男ですらコントロールできてないんだから。
今ここに、お台場ベイエリアにおいて三つ巴の一大決戦が幕を開ける──!
バルタン・ノーヴェ
POW
アドリブ連携歓迎
ダメデスワー!
そもそもアナタがアリスラビリンスを滅ぼそうとしたことが原因なので。
もう助かりマセンヨ?
カオスにさらに狂気を投入!
行きマスヨ、巨大不明生物・シン・クイーンズ!
「骸式兵装展開、狂の番!」
ヒャッハー!
東西カオスに他の猟兵エブリワンのやらかしの力!
この場に集まりしトンキチレベルの総和が我輩の攻撃力になりマース!
そして時速13700kmで鉤爪の男にダイレクトお邪魔しマース!
(万能鍋を構えて)突撃隣のオブリビオン・フォーミュラ!
兀突骨の装甲とポーシュボスの分裂機能、そこにビデオチャットのスポンサーの提供により激突ダメージがとんでもないことに!
そしてこれはまだ先陣に過ぎな
●ここまでのトンチキの総決算
「ダメデスワー! そもそもアナタがアリスラビリンスを滅ぼそうとしたことが原因なので。もう助かりマセンヨ?」
巨大不明|生物《ナマモノ》の咆哮を真似しつつも放たれたバルタンのド正論を前に鉤爪の男はうむむ、と唸らざるを得ない。
「だがしかし! 猟兵サイドがこの無法に加担したのは事実! 現にアイスの国の住人は大迷惑しているのだ! アレのせいで! というか貴様もさらに傷口を広げているではないか! 何故飛ばした!?」
「アレ」と憎々しげに巨大不明|生物《ナマモノ》を指差しつつ猛抗議する鉤爪の男。ちなみにここまでやらかしておいて驚くべきことに、なんと、死人が一切出ていない。妙な所で律儀なアイスエイジクイーンらしさが何故かにじみ出ている。いや、暴れまわっている時点でもうあの巨大不明|生物《ナマモノ》は擁護不能ではあるのだが。
「いやぁ……ここまでカオスになってるならちょっとばかしカオスを上乗せにしてもバチは当たらないかなーと思ったんデース」
「限度ってもんがあるだろうよ!?」
混沌の上乗せをしたバルタンにキレ散らかす鉤爪の男だったがバルタンは「へっへっへ」と笑うだけであった。
「ヘッヘッヘシンパイスルコトハナイ」
「その棒読みやめろォ!!」
鉤爪でツッコミ代わりのプラズマ・クロウを炸裂させようとする鉤爪の男であったが、次の瞬間──。
「骸式兵装展開、狂の番! ヒャッハー! この場のトンチキの総決算デース!!」
ドドドドドッ、という地響きと共に、ベイエリアの水平線の向こうから海を割って出現する大量のバルタン。兀突骨の装甲を揃って身に纏いつつ掲げているのは──。
「このシナリオは株式会社UAI、アイスエイジクイーン一味、トリニティ・セレブリティ・パーティの提供でお送り致します」
と書かれたプラカード。
この場にいる全員+馬鹿2名のやらかしを力に変えて時速13700kmで鉤爪の男を跳ね飛ばす。その手には何故か万能鍋が握られていた。
「突撃隣のオウガ・フォーミュラ!」
「おぶぅぅぅぅぅ!?!?」
錐揉み回転しながら飛んでいく鉤爪の男。だが、これはここまでの総決算にしてはじまりに過ぎなかった。何故ならばついに色んな物が吹っ切れた猟兵たちがそれぞれのトンチキを携えて鉤爪の男にぶつけようとしていたからである。
「自重を捨てた猟兵たちの恐ろしさを味わうが良いデース!」
「いや本気で何する気だ君ら!?」
大成功
🔵🔵🔵
尾守・夜野
…ようやくかよ
…あー…(流石に同情)
んならお望み通りにしてやんよ!
抵抗すんならすりゃあいい
元は闘争を望んでたってんなら先にへばんじゃねぇぞ!
「さぁあんたとこっちの狂気、どっちが上かのチキンレースと洒落込もうj…」
言ってる間に生物からの攻撃が直撃
吹っ飛びlostからは煽りが入りブチギレ鈎爪の男の爪受けつつUC発動
爪解除と攻撃を並列対応
「はっ!温いんだよ!殺意が!」
鈎爪の男VSlostVS生物VS俺とかいう四つ巴の地獄絵図
lostは殺意がある方が安全地帯わかんだよ
誘導露骨だから
なお、この後の修繕費からは目をそらす
錆止めの錆も飛ぶから…
でも対応俺様じゃなくて別の俺様だから
俺様壊す専門だし
しーらね!
鈴乃宮・影華
※アドリブ連携歓迎
※キャバリア搭乗中
気が付けば|生物《ナマモノ》は空を飛び
冷凍ビームはよくわからん軌道でぶっ飛び
崩壊するビルは上下左右前後へ吹っ飛び
……はて、|我々《猟兵》が守るべき平穏は何処へ?
E『ねぇ影華ちゃん、この際肩の力を抜こう?』
――そうしましょうかぁ。
指定UC起動、後は姉さん(っぽい思考)に委ねるので
E.N.M.Aは|私《姉さん》を上手く誘導してください
「くふふ……鈴乃宮・光華お姉ちゃんが華麗に見惨にゃぁーッ!」
怪獣も猟書家も召喚された悪魔も――何もかもこの暴風に飲み込まれてしまうがいいにゃー!
E『味方はサイクロンの方にするのよ~。諸々の機動はこっちでやっとくから~』
了解にゃー♪
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
ここまで理不尽ですと、抵抗はしたいですよねぇ。
尤も、『鉤爪』自体は近距離、『FIS』の転移により『生物』を間に挟む位置に転移し『生物』を盾にすれば回避は可能でしょう。
『神火罩』も破壊済み、予備が有っても同様にすれば良いですぅ。
そして、先程からずっと『生物』のデータを採取、皆さんの行動で多数の情報が得られましたので。
『FVS』の「『FPS』に情報が刻まれた物の再現」を使い『生物の再現体』を形成、鉤爪の男さんに差し向けますねぇ。
エネルギーは【瀾粮】を発動し『ギガエナジーゼリー』を摂取、『祭礼の女神紋』により全カロリーを供給し何とか。
『怪獣大決戦』に発展、挟撃になる可能性も?
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※色々お任せギャグ可
※愛機搭乗
『勝った方がナマモノの敵になるだけです』は
勘弁してほしいしサクッと終わろうかね
あちらさんもそうしたい様だし
でもなんで|ココ《桜嵐市国》を再現したのさ
彼処は闘争らしい闘争が現状少ない反面
|ナマモノ側《怪獣映画的》には最高のロケ地だけど?
戦後のオクスリ処方は何人分必要かね…
◆戦闘
ナマモノの横槍は常時警戒
交戦規定は遵守するも交渉時間を活用して
オペ143番【アンタレス・ワン】開始
【カイルス】の追尾と《瞬間思考力》の分析を用い
『絶凍剣』同等の氷結弾を【ブレイクショット】で射出
射抜かれ凍った鉤爪の天命も対因果狙撃術により氷結
結果、彼に理不尽な『悲劇』が?(内容一任)
カシム・ディーン
てめーふざけんなよ!?
極限の闘争を求めてるんだろ!?
戦いの狂気を孕んだ得るのがオブビリオンマシンだろ!?
ならあれうってつけじゃねーか!寧ろ大喜びで戦えよ!?(酷い
「ご主人サマー☆メルシーかぎ爪君とやりたいぞ☆」
…やらないとおめーの相手はあの怪獣か
仕方ねぇ!僕が生物の足止めだ!
UC発動
対怪獣
【属性攻撃】
光属性である映像を映す
シン・仮◎ライダーの映画を生物と一緒に見る!
以後メルシー
「ねぇねぇカギ爪君ー?君の名前って若しかして…オーディン?ヴォーダン…?ヘルメス?それとも…メルクリウス?」
【念動力・弾幕・スナイパー】
神速で飛び回りながら念動光弾を乱射して動きを止め
【二回攻撃・切断】
神速鎌剣連続斬撃!
ノーラン・ハイドリヒ
※アドリブ連携歓迎
少しだけ同情するが、やっぱり元凶はお前だろう!
慈悲はない。
【アモルファス】を起動。毎秒の課金と引き換えに、機体前面にエネルギーシールドを集中展開。
射撃をシールドで防ぎつつ、推力全開で肉薄する。
鉤爪攻撃は右腕の装甲で「盾受け」し、電撃を喰らう前に装甲をパージする。
削れた|正気度《SAN値》。
社用トレーラー爆発四散。
毎秒溶けていく貯金。
あとついでに、|獣人戦線《俺の地元》にさらなる混沌を持ち込もうと企んだこと。
怒りを全部込め、左腕に装備したパイルバンカーで|刺突《腹パン》を試みる。
このカオスに振り回された者のよしみだ。
きっちり幕を引いてやる。
というか、終わりにさせてくれマジで。
メンカル・プルモーサ
…三つ巴の戦い…いやこれ三つ巴か?
あの生物ただのステージギミックなのでは?
…触れると一発で画面外(?)まで吹っ飛ぶタイプの…
……さて、腐っても猟書家…その高速移動は驚異だね…(デスワーを強引に無視してシリアス面)
…なので地形を利用して術式組紐【アリアドネ】でスネアトラップを仕掛けて転倒させてしまおう…
…そしてぐるぐる巻きにして一時拘束…勿論すぐに脱出されるだろうけど…
…その僅かな時間が欲しかった…デスワーの足下に【支え能わぬ絆の手】を発動…
…摩擦係数を限りなく0にして転倒させてしまおう…ぐるぐる巻きになってる鉤爪の男が下敷きになるように…
…あ、桜嵐市国の事とか聞きたかったけど…まあいいや…
●しょうもない流れで明かされた真実
すでにしっちゃかめっちゃかでカオスな状況に、影華はポカンとして呟く。
「……はて、|我々《猟兵》が守るべき平穏は何処へ?」
「んなもん最初からなかったんだよ、ここには」
誰にとも無く放たれた問いかけに頬杖つきながら答えたのはリーゼロッテである。ぶっちゃけ「勝ったほうが巨大不明|生物《ナマモノ》の敵になるだけです」という展開になったらそれはそれで色々とヤバい。とっとと片付けたいなーと考えるのは自然な流れである。戦後には恐らく大量の胃薬や頭痛薬を処方することになるだろう。もちろん株式会社UAIとアイスエイジクイーン一味から金は出させる。
「そういえばなんで桜嵐市国なんだろうね……」
「あ、そうそう、なんで桜嵐市国なのさ。彼処は闘争らしい闘争が現状少ない反面、|ナマモノ側《怪獣映画的》には最高のロケ地だけど?」
そう、目下のところリーゼロッテとメンカルにとって最大の謎は「何故桜嵐市国が再現されたのか」ということだった。鉤爪の男は闘争の世界を望んだのだ。それが余計な茶々によって歪みこんな事になったのだが。
「それはむしろ私が聞きたいくらいだ。桜嵐市国なんぞそもそも再現するつもりはなかった。あそこはクロムキャバリア世界においては珍しく『平和ボケ』した国家だからな」
「……どういうことだ?」
夜野が首を傾げる。それに答えるのはメンカルとリーゼロッテだ。
「……桜嵐市国は元々サクラミラージュから神隠しで転移してきた豪商が故郷を想って建国した国なんだ……だから建国当時はサクラミラージュの帝都と瓜二つだったんだけど……クロムキャバリア世界だから、周辺諸国から技術が流入して近代化が進んでいったんだ……」
「で、結果的にアース系世界の日本国東京都23区と地名も見た目もほとんど共通の街になったわけ。周辺諸国とはレアメタルを中心とした資源の輸出で早々に友好関係を築いて戦火を回避したみたい。だから戦争らしい戦争も無いんだよね。キャバリアの民生化が進んでるせいか、オブリビオンマシンが『犯罪目的』で使われたりすることが多いけど」
と、ここで鉤爪の男がはっと顔を上げる。
「……もしや、あの会話はそういうことだったのか?」
「おや、何か知ってるようですねぇ」
るこるが先を促す。鉤爪の男は何かを思い出すように話し始めた。
「確かにあの時ビデオチャットしていた相手側は『それならわたくしと絶晶が巨大化して大暴れすれば解決ではございませんの』とか言っていたが、その時グリモア猟兵がこんなことを言っていた。『それならいっそ大都市ですわねぇ、わたくしにも馴染みがあるような』……と」
その時、何かの表紙で看板の破片が転がってきた。カシムが反射的にそれを足で止める。ビルの看板と思しきそれにはこう書いてあった。
『暮らしを創る、明日を創る 南六条建設』
「……ねぇねぇご主人サマ、これって」
「……まさかっ」
メルシーがおずおずと声をかけ、カシムは嫌な予感がして周囲を見回す。近くにあったカーディーラーのエンブレムには「MINAMIROKUJO MORTORS」の文字が燦然と輝く。切れた電線に刻印されているのは「南六条電力」の文字。そう、この街は「南六条グループ」と呼ばれるコングロマリットが幅を利かせていたのであった。
「……まさか、この街を作った豪商って」
「グリモア猟兵の血縁だったというわけか……!」
影華が呆然と呟き、ノーランが重々しく頷く。リーゼロッテは乾いた笑いを上げながらナインス・ラインのコンソールパネルに突っ伏したかと思うと、思いっきり拳を叩きつけた。
「こんな形で桜嵐市国の真実を知りとうなかったわチクショウ……ッ!!」
「え、でもあのグリモア猟兵ってスペースシップワールド出身だったはずですよぉ」
るこるが戸惑いながらも疑問を呈するが、メンカルは首を横にふる。
「……あの人前にでかい声で言ってたのが聞こえたんだけど……先祖がクロムキャバリアにいたんだってさ……」
「そういえばアンサーヒューマンだったなアイツ……!」
夜野が忌々しげに頭を抱えた。
真相はかくして明かされたのである。全員が「うっわどうでもいい真実だった」と思うくらいにはしょうもない真相であった。
●オールトンチキ総進撃
「……つまりアレか? 結局この世界もあのナマモノも馬鹿2名の産物だったと?」
「そういうことになりますねぇ」
そう、結局のところ、鉤爪の男のプランは最初から瓦解していたのである。横で呑気にビデオチャットしてたグリモア猟兵とアイスエイジクイーンのせいで。鉤爪の男もまた膝から崩れ落ちた。
「ははは……馬鹿な、まさかこの私が完全にあの馬鹿2名の手のひらの上でタップダンスする道化だったとは……」
「……あー……」
「正直流石に少しは同情できるな……」
「ここまで理不尽ですと、抵抗はしたいですよねぇ」
男泣きを始める鉤爪の男に夜野、ノーラン、るこるは流石に同情を禁じえない。とは言え、だ。
「元はと言えば鉤爪君が元凶だよね☆」
「そもそも侵略蔵書を広げたのが悪い……」
そう、メルシーとメンカルの指摘通り、全ては鉤爪の男がオウガ・フォーミュラとしてこの世界を滅ぼそうと思ったことが全ての始まりなのである。故に猟兵的には慈悲を向ける必要は全く無いわけで。
「というかさぁ、てめーふざけんなよ!? 極限の闘争を求めてるんだろ!? 戦いの狂気を孕んでんのがオブビリオンマシンだろ!? ならあれうってつけじゃねーか! 寧ろ大喜びで戦えよ!?」
カシム、ついに鉤爪の男に無茶を言い出す。しかし鉤爪の男は涙を拭い、半笑いで言った。
「ひとつ教えてあげようかカシム君。一方的に蹂躙されるのは闘争とは呼ばんのだよ」
「そんなん……やってみなきゃわかんねーじゃねーか!?」
「あのねぇ……ドランギムをチョップ一発で粉砕し、殲禍炎剣の砲撃を迎撃して相殺するバケモンに勝てるのか? 無理だろう? ん?」
「……お、おう」
有無を言わさぬ鉤爪の男の正論に、カシムは黙らざるを得なかった。そりゃ無理だ。
「あの|生物《ナマモノ》、ただのステージギミックなのでは? 触れると一発で画面外(?)まで吹っ飛ぶタイプの……」
メンカルの指摘はもっともだった。何しろオウガ・フォーミュラですら手出しできないアンタッチャブルな存在だ。
「いえいえ、対抗手段はありますよぉ」
るこるは微笑みながら言った。
「バケモンにはバケモンをぶつける……という王道の対抗手段がございますぅ」
次の瞬間、海側から出現したのはもう一体の巨大不明|生物《ナマモノ》であった。るこるが『FVS』の「『FPS』に情報が刻まれた物の再現」を使い『生物の再現体』を形成したのである。エネルギーはユーベルコード「豊乳女神の加護・瀾粮」を使いギガエナジーゼリーから摂取して確保。結果的に始まるのは巨大不明|生物《ナマモノ》同士のプロレスである。ビルを盛大になぎ倒しながら殴り合い、つかみ合いを演じる2体の巨大不明|生物《ナマモノ》。
「よぉしメルシーは鉤爪君とやりたいぞ☆」
「あぁ、うんあの2体の戦いにお前が割って入るのはアレだもんな、行って来い」
「おっしゃー☆」
メルシーは勢いよく飛び出しながら鉤爪の男に容赦ない攻撃を加えていく。
「ねぇねぇカギ爪君ー? 君の名前って若しかして……オーディン? ヴォーダン? ヘルメス? それとも……メルクリウス?」
「ご想像にお任せするとしようか!」
鉤爪の男も全力の抵抗を試み始めた。そこへさらに仕掛けようと夜野が構える。
「さぁあんたとこっちの狂気、どっちが上かのチキンレースと洒落込もうj…」
その時、ナマモノ同士のプロレスの余波で飛んできた瓦礫が夜野を吹っ飛ばす。
「おぶゥゥゥ!?」
「ザマァねぇなぁ?」
ラスティバーゲストに搭載されたlostからは煽りが入り、夜野の怒りの導火線に火がついた。
「るせぇぞチクショウ!」
「はっ! 温いんだよ! 殺意が!」
lostも参戦し、さらに混沌とした状況に陥っていく。ノーランもやけっぱち気味に続いた。
「ええいこちらだってなぁ! 色々と鬱憤は溜まっているんだ! いいや鬱憤だけじゃない……削れた|正気度《SAN値》! 社用トレーラー爆発四散!! 毎秒溶けていく貯金!!! あとついでに、|獣人戦線《俺の地元》にさらなる混沌を持ち込もうと企んだこと!!!!」
「流石にアレを持ち込むつもりはなかった!!」
「あのまま界渡りしたら獣人戦線にもあのナマモノの襲来があったかもしれないんだぞ!?」
「ぐっ……正直すまんかった!!」
「今更謝られてもなァァァァァァ!!!」
ノーランの怒りの叫びと共にパイルバンカーの一撃が飛んでいく。メルシーや夜野、lostの猛攻の前に疲弊していたところへこの一撃はかなり効いた。なんでか身を投げ出すように吹っ飛んだかと思うとそのまま顔面から墜落するという、ある種芸術的な喰らい方を披露する。
「ぐふぅ……い、今のはかなり効いたぞ……!」
「まだ息があるのかコイツ……!?」
目を白黒させる影華に、E.N.M.A.が囁く。
「ねぇ影華ちゃん、この際肩の力を抜こう?」
「……――そうしましょうかぁ。後は姉さん(っぽい思考)に委ねるのでE.N.M.Aは|私《姉さん》を上手く誘導してください」
「あいよー」
次の瞬間、一瞬スイッチが切れたように影華がうつむいたかと思うと、すぐさまハイテンションに高笑いを始める。
「くふふ……鈴乃宮・光華お姉ちゃんが華麗に見惨にゃぁーッ! 怪獣も猟書家も召喚された悪魔も──何もかもこの暴風に飲み込まれてしまうがいいにゃー!」
ユーベルコードによって表出した人格・光華が荒れ狂う暴風を叩きつける。鉤爪の男は援護のために召喚した悪魔をまとめて飲み込まれ、暴風で再び吹き飛ばされた。
「味方はサイクロンの方にするのよ~。諸々の機動はこっちでやっとくから~」
「了解にゃー♪」
E.N.M.A.が上手く味方に回復のサイクロンを当てるように光華を誘導する。さらに仕掛けるのはリーゼロッテとメンカルだ。
「はい足元注意……」
足元に仕掛けられたスネアトラップが鉤爪の男を捉えた。そのまま簀巻きにされる鉤爪の男。
「ぐっ……」
「リリー先生任せた……」
「では理不尽をご馳走しようか」
オペ143番「アンタレス・ワン」。『絶凍剣』同等の氷結弾が射出され、鉤爪の男の因果を凍りつかせる。そして結果、彼に理不尽な『悲劇』が襲いかかるのだが、それは単純であった。
「ぎゃあああ来るな、来るなァァァァ!!」
ナマモノ同士のプロレスに巻き込まれてしまったのである。
混沌はまだまだ続き、終わりは見えない。
大成功
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久遠寺・遥翔
連携アドリブ歓迎
あぁうん、敵ながら正直あれには同情するわ
けどまぁああなった原因はあんたのせいじゃないけど、やろうとしたことそのものは捨て置けないし、あんたを倒せばあれもなんとかなるからしっかりと倒させてもらうぜ
等身大オブリビオンマシンっていうならこっちもキャバリアで文句はないよな?
というわけでこの戦闘も最も気を付けるべきはあのナマモノだ
オーバーロード、イグニシオン・ソーリスに[騎乗]
ここまでの大暴れで獲得した[戦闘知識]から奴の攻撃を予測し[心眼]を伴った[見切り]で……
っとアブね! あのナマモノ理屈じゃないな
いざというときは[第六感]フル動員で冷凍光線はしっかり避けないと
ついでにワイヤーアンカーと[地形の利用]も駆使した立体的な機動で追い込む感じで鉤爪をあれに巻き込めると御の字だな
奴の左腕はしっかりと[残像]で避けつつ帝竜から学んだUCで低空をダッシュし一気に潰しにかかる
「さっさとやられな……さい!」
いのちの輝きを乗せた焔の掌で骸の海に還ってもらおう
フレッシュトマト?知らない子ですね
数宮・多喜
【アドリブ超改変・連携大歓迎】
【魔法少女?姿】
お前な?
アタシもちっとは同情するよ?
理不尽な事態に予定をぶっ潰されるとかさ。
そうさ、よくある事なんだ。
だからこの姿見ても笑うんじゃねーよ!!
責任って言うんならお前ら3人全部だよ!!!
この戦場に来てからずっと、珍獣が今か今かと出待ちしてたんだよ!?
他の二人にはあとでキッツく抗議しとく!
手前ェにゃ今しかぶつけられねぇからな!!
やけっぱちで『電撃』魔法の『マヒ攻撃』をぶっ放して、
鉤爪の男の動きを鈍らせて暴れる怪獣の攻撃が当たりやすくなるようお膳立てする。
アタシらへも飛んでくるかもしれないけれど、珍獣が因果を何やかやして鉤爪の男に逸らしてくれるだろ!
●日曜日のノリ
「あぁうん、敵ながら正直あれには同情するわ」
「アタシもちっとは同情するよ? 理不尽な事態に予定をぶっ潰されるとかさ。そうさ、よくある事なんだ」
増えたナマモノ同士のプロレスに巻き込まれて土煙の彼方に消えた鉤爪の男を見て思わず同情してしまう遥翔と多喜。もう、早いところトドメを刺して楽にしてやるのが人情なのではないかとすら思う。というかどのみち鉤爪の男を処さないとこの世界がヤバい。
「やろうとしたことそのものは捨て置けないし、アイツを倒せばあれもなんとかなるからしっかりと倒させてもらう」
「あぁ……そしてここまでのトンチキ事態を前に珍獣が今か今かと出待ちしててな……」
「珍獣?」
「ボクの事かな? ひどいなぁ珍獣だなんて」
突如出現したのは仮面とマントを装着した額にハートマークの模様が描かれている哺乳類らしき小動物。やれやれ、とニヒルな表情を浮かべている。
「さて多喜ちゃん。この事態を収めるためにはもうどうすればいいかわかってるだろうね?」
「圧が強い」
「ボクは君のことを思ってだねぇ」
「うるさいよ珍獣!! あぁもうやりゃあ良いんだろやりゃあ!!」
と、その時、よろよろと這い出してきた鉤爪の男。あんだけナマモノ同士の戦いに巻き込まれたにしては着衣の裾がボロボロになってあちこちに青あざ作っているだけで済んでいる辺り結構タフらしい。さすがはオウガ・フォーミュラといったところか。
「ひ、ひどい目に合った……だが私はまだ死なん、こんなところで理不尽に死ぬわけには……!」
「いい加減くたばれ!! だいたいな、責任って言うんならお前ら3人全部だよ!!!」
「私もか!?」
「当たり前だ手前ェが侵略蔵書を広げたからこうなってんだ!! 安心しろ、他の2人にはあとでキッツく抗議しとく! 手前ェにゃ今しかぶつけられねぇからな!!」
きゅぴーん、という音と共に多喜がポーズを決めて一声叫ぶ。
「変身ッ!!!」
次の瞬間始まったのは変身シーケンス。多喜の姿が光に包まれたかと思うと足から順に虚空からポンっと小気味の良い音をさせながらフリフリのドレスっぽい服に身を包んでいく。
「あのねぇ多喜ちゃん、変身の時にドスを効かせて叫びながらポーズ取るのはむしろヒーロー特撮の方だと思うんだよ」
「文句あっか!? もともとアタシはバイク乗りなんだよ!!」
「職業病かぁ」
変身シーケンスの最中に小動物がダメ出しを入れるが多喜は一喝して黙らせる。
一方遥翔はイグニシオンのコンソールにコマンドを打ち込む。
「アイツは等身大オブリビオンマシンだしな、それにあんなんでもオウガ・フォーミュラだ、本気で行くしかねぇ」
──OVERLOAD
限界突破の8文字を入力すると、イグニシオンは蒼き炎にその身を包む形態となる。イグニシオン・ソーリス、イグニシオンの強化形態である。
「よし、経験則上ヤツの攻撃は──」
\デスワァァァァァァァ!!!/\デスワァァァァァァァ!!!/
「おわっ?!」
絶賛格闘中の2体のナマモノから飛んでくる冷凍ビームの流れ弾を辛うじて避けるイグニシオン・ソーリス。遥翔は相手がどうやら理屈で動いているわけではなさそうだと認識を改める。
「何しろあっちはあっちで取り込み中だもんな……」
「一気に本体を叩くしか無い! アタシが足止めするから一気にトドメを刺すんだ!」
「了解!」
制御不能の戦場で、まず動きだしたのは多喜である。ステッキを掲げると雷雲が立ち込めて鉤爪の男の直上に雷を落とす。すでに先行する猟兵のユーベルコードによって鉤爪の男はあらゆる理不尽を引き受ける状況となっており、落雷を鉤爪に受けてしまった結果──。
「う、動け、我が左腕……何故動かん!?」
「今ので電気系統が完全にお釈迦になったようだねぇ! 自慢の鉤爪ももう使えないよ!」
「っ……やってくれる!」
鉤爪が機能不全に陥り、ついに万策が尽きてしまった。さらにイグニシオン・ソーリスのワイヤーを駆使した立体機動が鉤爪の男を逃げ場のない状況に追い込んでいく。
「っ……もはや、これまでか……!」
「ここからいなくなれ! さっさとやられな……さいっ!!」
イクリプス・バスター、発動。帝竜より学びを得たことで体得した「圧縮された炎」を手のひらに纏い、鉤爪の男を叩き潰す。
次の瞬間、鉤爪の男も、2体の巨大不明|生物《ナマモノ》も、偽りの桜嵐市国も、全てが消えて無くなっていく。まるでテクスチャーが剥がれ落ちるかのように全てが動きを止め、ノイズのように乱れたかと思うと、本来のアイスの国の光景が戻ってきた。
時刻はすでに夜になっており、満天の星空が見える。
「大きな星が点いたり消えたりしている…… 彗星かな? いや、違うな。彗星はもっと、バァーって動くもんな、それにしても寒いなぁここ」
多喜は夜空を見上げてブツブツ呟いている。魔法少女化の結果色々と精神的に疲弊しちゃったらしい。
「いや、お前が持っていかれる方かよ!?」
その後、どうにかして多喜や他の疲弊した猟兵たちをどうにか立ち直らせ、猟兵たちはこの狂乱の依頼を完了させ、せめてグリモア猟兵だけでも一発殴らせろと鼻息荒くグリモアベースへと帰還していく。
猟兵も、猟書家も、皆等しく疲弊していた。誰も彼もが疲れていた──。
大成功
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