●廃坑は冒険と宝を秘めて
ぴちょん、ぴちょん。
うち捨てられた坑道に、水滴が落ちる音が響く。
迷宮の如く、不自然かつ複雑怪奇に入り組んだ空間に、生物の気配は、ない。
だが、その静けさを妨げるものが現れれば、すぐさま動き出すだろう。廃坑に封じられた『財宝』を守る者達が……。
●グリモアベース
タビタビ・マタタビ(猫勇者一歩手前・f10770)は、新世界への道が開通したことに、目を輝かせていた。
「『獣人戦線』! ボクにとっては他人の気がしない人達が戦っている世界だよ」
そんなタビタビの依頼は、侵略者である六大超大国。そのうちの一つである『ゾルダートグラート』に関するものだった。
「ゾルダートグラードの支配地域に、奴らの財宝を隠した場所がある、って予知したんだよ。それを手に入れられれば、ゾルダートグラードのお財布にダメージを与えられるよ!」
奪取した財宝を、各地で抗戦する獣人達に届けられれば、活動の財源になるのはもちろん、士気上昇にも寄与するに違いない。
「……あ、なんかえらい軍人さんとかが隠した昔のラブレターとか、そういう第三者的には価値のないものじゃないから、安心して財宝を目指してほしいんだよ」
頑張らねば。
だが、そこはなんといっても『隠し』財宝。肝心の在りかは、廃棄された坑道を転用したダンジョンの奥深くだという。
元々、キャバリアでの作業を想定したものらしく、坑道内は比較的広いという。
「侵入者を追い返すトラップがもちろんあるんだけど、一番恐ろしいのは、床や壁に隠されたスイッチを押しちゃうと、砲弾が飛んでくるやつだよ」
砲弾。
坑道内部の通路はかなり幅広なようだが、それでも、砲弾。
「何ミリ砲弾? 徹甲弾? とかにボクはあんまり詳しくないんだけど……とにかく、戦車とかキャバリアの装甲も傷つけちゃうくらいの威力があるみたいなんだ。気を付けて!」
ダンジョンそのものまで破壊しかねないものだが、それで侵入者を阻めるのなら、困りはしないのだろう。
敵が守るべき財宝は、深部で厳重に保管されているのだろうから。
だが、砲弾トラップ地帯をくぐり抜けても、トラップ第二弾が待っていると、タビタビは警告する。
「隠れてたオブリビオンの群れがいきなり襲い掛かってくるんだ。廃坑の中は灯りもないから、奇襲には気を付けてほしいんだよ」
タビタビによれば、敵はアリクイのような姿をした改造獣人。
しかし、わざわざ敵が姿をさらすという事は、財宝に近づいているという事でもある。
何より、財宝が実在する証拠。歩みを止めず、冒険を続行するのだ。
「その先には、もっと強力な敵がいるに違いないけど……みんななら倒せるって信じてるよ! 頑張ってね!」
しゅしゅっ。タビタビが、肉球を勇ましく繰り出した。
七尾マサムネ
獣人抗う新世界、まず立ちはだかるは、改造獣人とキャバリアの国!
●一章
ダンジョン化した廃坑を探索し、奥へと進みます。
道中、砲弾のトラップに襲われます。問答無用で飛んでくるものもありますが、あちこちに隠されたスイッチに気を付けると、被弾確率が低下するでしょう。
●二章
突如襲撃してくる『貴方の配偶者を絶対に殺すアリクイ』 の群れと交戦します。
●三章
財宝を守護するボスオブリビオン獣人と戦い、財宝を奪取します。
それでは、皆さまのご参加お待ちしております!
第1章 冒険
『砲弾の雨を掻い潜れ』
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POW : 多少の被弾は覚悟して強引に突破
SPD : 砲弾よりも速く駆け抜ければ問題ない
WIZ : 超技術や大魔術で砲弾を防ぐ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヘビィ・バッター
予知ってすごいね!センセー、昨日出したあたしの装備申請の結果がまだ来ない……!でもバットが一本あれば十分だよね。あたしは【戦闘打者】を発動してトラップを強行突破だよ!。
え、スイッチ?あやしいものは全押しするつもりで被弾は覚悟の上!曲がりくねりながらバットで飛んでくる砲弾をジャスト|ガード《ミート》、そのままカウンターに砲弾を吹き飛ばして進むよ。もしも無傷で砲弾をみんなかっ飛ばせたなら白兵打戟士としては大成功だよ!。
廃坑という名の|球場《フィールド》に入ったヘビィ・バッター(|戦闘打者《バトルヒッター》・f39997)は、ドーム……もとい、ダンジョン化した景色を見通した。
「予知ってすごいね! けどセンセー、あたしの新装備がまだ届かない……!」
今、ヘビィの元にあるのは、打者の命といえるバットのみ。
「でも、このバットが一本あれば十分だよね」
相手はオブリビオンではない。砲弾だ。
そう、飛んでくる球。ヘビィにとっては慣れた相手だ。
ぐっ、とバットを咬合打法で構えれば、ヘビィの全身が輝きだす。
ヘビィの立つ場所が、バッターボックス。
「一番、ヘビィ! 先頭はもらうよ!」
先頭打者、ならぬ【戦闘打者】となったヘビィが、廃坑ダンジョン相手に、プレイボール!
轟音とともに、初球が飛んでくる。これが噂の砲弾だ。
常人ピッチャーの剛速球とは比較にならない球速で、ヘビィに迫ってくる。
だが、打つ側も常人ではなかった。
「絶好球!」
暗がりには不釣り合いな快音とともに、砲弾を打ち返す。
打球は、キャバリア用に高く設定された天井に届き、爆発した。
さっそく安打を決めたヘビィが、それを合図に駆けだす。
曲がりくねった通路は、走者の加速を阻む。しかし、ダイヤモンドを駆け巡る打者にとってすれば、まあ許容範囲内だ。
駆けるヘビィの視界に、どう見てもスイッチらしきものが飛び込んでくる。
ヘビィは迷わなかった。
「ぽちっと!」
すれ違いざま、スイッチをタッチすると、新たな砲弾が発射された。
「ジャスト|ガード《ミート》!」
またもや、坑道内に響く快音。
カウンター気味に砲弾を|吹き飛ばす《反射する》と、ホームラン性の当たりと信じて、そのまま進撃。
スイッチやレバーも構わず進み、次々ヒットを量産していくヘビィ。
「はっ、あれは!」
ヘビィの目に飛び込んできたのは、ホームベースめいた……スイッチ。
反射的にスライディング。
ぽちっ。
壁が左右に開き、特大の砲弾が発射される。
ヘビィは、しっかりとその球を見定め……バットを振るう!
「かっ飛ばせ!」
どごぉぉぉぉん!!
生じた大爆発は、ホームランを祝福する打ち上げ花火のよう。
見事、砲弾を叩き返したヘビィの勇姿は、立派な白兵打戟士のそれであった。
成功
🔵🔵🔴
シプラ・ムトナント
戦車やキャバリアの装甲をものともしないトラップ、生身でかかるのはごめん蒙りたいですね……注意して進みましょう。
暗がりでしょうから、ヘッドライトを借りて行きますね。
無理は禁物、視認できるものはしっかり確認しながら進みます。爆破処理できるものなら、「吸着手榴弾」が役立つでしょう。
ですが、不可視のトラップなどは警戒しきれません。
最悪の場合は、この目を使うしかありませんね。
『催眠の羊眼』……この目で見たものは、僅かな時間だけ友好的になる。例え、無機物であってもです。
トラップが取れる友好的行動は……作動しないことや、わたしに当てないことでしょうか。
効果時間の約2分のうちに、落ち着いて距離を取りましょう。
シプラ・ムトナント(鋼の衛生猟兵・f39963)が足を踏み入れた坑道は、まさに廃墟。
場所としては『死んだ』状態にあるように見えた。
だが、それは見せかけ。
侵入者を阻むトラップの数々が、まもなくシプラを出迎えるはずだ。
「戦車やキャバリアの装甲をものともしない砲弾トラップ、生身でかかるのはごめん蒙りたいですね……」
ヘッドライトで行く先を照らしながら、注意深く歩みを進めるシプラ。
素直に直進できる距離は、そう長くはない。曲がりくねった道が、シプラの方向感覚を、少しずつ惑わせていく。
無理は禁物。周囲の地形、状況を確認しながら、慎重に進む。
進入からほどなくして、トラップが、シプラの行く手に現れた。スイッチという形を伴って。
爆破処理できるものは、『吸着手榴弾』を用いて対処していく。呪力による吸着性能を発揮する、特殊手榴弾。
そうして、砲弾を起動させることなく、トラップを潜り抜けていくシプラ。
が、スイッチやレバーといった、わかりやすい起動装置ばかりではない。
突如、何の前触れもなく、砲撃音が響いた。シプラへ向かって、砲弾が飛んでくる。
なんと意地の悪い。これみよがしに用意されたスイッチの類も、油断を誘うためのものだったかもしれない。
敵も財宝を守るためだ。手段など選ぶ必要はないだろう。
「ならば……この目を使うしかありませんね」
シプラの目が、開かれる。
【催眠の羊眼】。ユーベルコードの視線が、飛来する砲弾に注がれる。
僅かに、砲弾が震えた。
高速で接近する砲弾は、標的であるはずのシプラを通過する。
【催眠の羊眼】が視認したものは、定められた時間だけ友好的になる。それは、砲弾……無機物であっても例外ではない。
シプラの視線を浴びた砲弾が、自ら軌道を捻じ曲げたのだ。
破壊力の化身である砲弾が取れる友好的行動は、限られていた。シプラを傷つけないことだ。
効果時間中に逃れようとするシプラから、砲弾自身も距離をとる。
そして遥か後方まで飛んでいき……着弾した。炸裂する。
響き渡る爆発音。坑道が震え、シプラの肩に、微細な石片が降ってくる。
何と献身的な友好であろうか。いや、感心している場合ではない。
シプラは、催眠の視線でトラップを捉えていくと、起動しないようなだめすかしながら、坑道の奥へと進んでいくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
グエン・ティホァ
※アドリブ歓迎、共闘可
POW判定
・行動
UCで大蛇の姿に変身して壁際の床を這い
トラップのスイッチを避けて進む。
砲弾が飛び交い出しても
床を這っているので衝撃波の影響を最小限に出来るはず。
(技能「悪路走破、情報収集、戦闘知識」)
・セリフ
「敵の補給を潰してついでに鹵獲すればダメージは倍
嫌がらせとしては実に効果的……」
・UC演出
「ふぅっ、んん……」
(人目も気にせずおもむろに服を脱ぎ捨てる、
荷物と一緒に纏めて腰に縛り付けてからUCで変身を始める)
・脱衣を咎められたら
「戦場では風呂もトイレも男女に分ける余裕はない、いちいち気にするな」
ウォルド・ウールストン
キャバリア『オールド・ドードー』で参戦。
やれやれ。空軍のエースパイロットだった(嘘)俺がなんの因果で廃坑なんぞに……。
まあ、いいか。空を極めた(極めてない)ヒコーキ乗りは陸でも無敵だってことを証明してやろう。
ばあちゃんの口癖の『拙速は巧遅に勝る』に倣うぜ。トラップをちまちま警戒したりせず、猛スピードで一気に駆け抜ける。
強行踏破モード!
走れ、ドードー!
(揺れまくるのでエチケット袋をスタンバイしておく)
他にも走ってる仲間がいて、そいつが被弾しそうだったら、庇ってやるぜ。ドードーは頑丈だし、それに元からポンコツだから少しばかりダメージを受けたって構いやしない。
※煮るな焼くなとご自由に扱ってください。
外界からの侵入者を阻む闇の入り口に、グエン・ティホァ(|蛇紋石《サーペンタイン》・f39896)が対面する。
目的は、もちろん隠し財宝。
資金の獲得、という以上に、グエンのモチベーションとなっていたのは、ゾルダートグラードへの損害であった。
「敵の補給を潰してついでに鹵獲すればダメージは倍。嫌がらせとしては実に効果的……」
楽し気に、含み笑いをこぼすグエン。
グエンとともに、ウォルド・ウールストン(地を駆けるヒコーキ野郎・f39998)は、財宝につながる穴を見つめていた。
「やれやれ。空軍のエースパイロットだった俺が、なんの因果で廃坑なんぞに……」
エースパイロット。嘘である。
だが、平然と経歴を詐称したウォルドの歩みに、一片の迷いもない。
深淵の向こうには、光り輝く黄金が待っている。それを手に入れた栄光の前では、空か地上かなど、ささいな違いに過ぎない。
自慢の角をひと撫ですると、ウォルドは、冒険に挑む。
「空を極めたヒコーキ乗りは陸でも無敵だってことを証明してやろう」
極めてない。
グエンも、ゾルダートグラード嫌がらせ作戦に着手する。
しかしながら、財宝と対面する前に、砲弾の餌食になっては元も子もない。ならば……。
「さて、宝探しといこうか。ふぅっ、んん……」
おもむろに、服を脱ぎ捨て始めるグエン。
慌てたのは、同道するウォルドだ。
「おい、こんなとこで水浴びでもおっぱじめようってのか」
グエンは、涼しい顔でウォルドの軽口を一笑に付した。
「戦場では風呂もトイレも男女に分ける余裕はない、いちいち気にするな」
「ま、まあそうだな。空じゃ男も女もない。標的か友軍かだけだしな」
妙に格好をつけて取り繕うウォルドを見やると、グエンは『作戦』を決行した。
脱衣一式を、荷物と一緒に纏めて、腰に縛り付ける。それから、
「|変異階梯《メタモルフォーゼ》」
グエンの体が、音もなく、変容していく。
ほどなく闇の中に現れたのは、大蛇の姿だ。
ずるり、と壁際の床を這っていく大蛇・グエン。
数多隠されたトラップのスイッチを回避しながら、迷宮を進んでいく。壁に沿っていけば、幾分は迷わずに済むであろうし。
床と密着しているから、違和感にも敏感だ。鱗が、敏感に隠しスイッチらしき異物を察知すれば、すぐに離れて、起動を回避する。
が、トラップは、受動タイプと能動タイプの二段構え。
グエン達の進行に比例するように、後者のトラップが目を覚ます。
どぉん!
砲弾の発射音が、複雑な地形に何度も反射する。
やがて明らかになる音源は、飛来する砲弾。それは、一発にはとどまらず、大小のサイズも問わずに、侵入者の排除に躍起になる。
さすがは、キャバリアと改造獣人の国。罠も豪快で、容赦がない。
さては、侵入者も同様の能力・装備を以て攻略してくるだろうという想定なのか。
だが、スルスルと着弾を潜り抜けていくグエン。着弾するたび、上がる炎が、グエンがなまめかしくうねる姿を照らし出す。
床を這っている分、生じる衝撃波の影響も、抑えられている。
爆発音や爆風を背に浴びながら、グエンの進軍は、続く。
一方、ウォルドもウォルドの手段で、坑道を走破していく。鋼の相棒『オールド・ドードー』とともに。
「ばあちゃんが言ってた。『拙速は巧遅に勝る』ってな。その口癖に倣うぜ」
トラップをいちいち警戒するような臆病風とは、おさらばしている。ただ、猛スピードで一気に駆け抜ける。
「強行踏破モード!」
鋼の咆哮。
ウォルドの掛け声とともに、愛機がモードチェンジする。よりワイルドに。
「走れ、ドードー!」
ウォルドの合図とともに、キャバリアが前進した。鈍重な外観からは想像もできない速力を発揮し、坑道を駆け抜け始める。
うち捨てられたトロッコや、曲がりくねった線路を蹴散らし、あるいは踏みつぶしながら、進撃するドードー。
その様子は、空を飛び回るように優雅ではなかったが、力強く、頼もしい。
すると、どんどん、と地面を揺らす音が、何度も響いた。
踏みつぶした構造物の中には、罠のスイッチも混じっていたらしい。
起動した砲弾が、次々とウォルドたちのもとに飛来する。
迷宮という、無駄に曲がりくねった複雑な地形。
加えて、回避機動というダブルパンチが、ウォルドの三半規管をこれでもかと揺らす。
どぉん! どごぉん!
時折、グエンへの流れ弾を、庇うウォルド。
それでも、機体の損傷は、ほとんどゼロだ。一発二発喰らったところで、ドードーは頑丈。
爆風や衝撃程度では、その身体をひっくり返すことなどできはしない。
「元からポンコツだからな、少しばかり喰らったって構いやしない」
ウォルドが、クールに決めてみせた。エチケット袋をスタンバイしながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鈴乃宮・影華
財宝ねぇ……素直に金の延べ棒とかでしょうか、軍隊は「金」食い虫ですし
まぁグリモアのお墨付きなら奪って損は無いでしょう
『赫左』の先端から火炎を(ちょびっと)放射し即席の明かりとして使用
『伍光』の光線を私の上下左右に一本ずつ照射、仕掛けのスイッチに働く重力を操作し「押されてない」事にします
落とし穴回避の為私自身にも一本当て少し浮いた状態で移動
で、砲弾が飛んでくるという事ですが……鉄と硝煙の国が用意する砲弾って、有機物じゃないですよね?
という訳で指定UC起動
効果範囲内に入った弾を黒燐蟲に変換します
蟲達にケミカルライトへと変身してもらって私の周囲を飛んでもらえばもっと明るくなるかな
いざ、闇の奥底へ。
鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)もまた、灯りの元、坑道を進んでいた。
敵の気配はない。来るという予知もない。
ならば、思考を音声化しても問題はあるまい。
「財宝ねぇ……素直に金の延べ棒とかでしょうか、何せ軍隊は『金』食い虫ですし。まぁグリモアのお墨付きなら奪って損は無いでしょう」
そんな影華の周囲を照らす灯り。その正体は、左腕の『赫左』だ。
正確には、その先端から放射された、火炎である。
火炎(※小型)に照らされた壁には、不自然なものが埋め込まれているのが見えた。
「これが噂の砲弾スイッチですか」
影華は、『伍光』を起動。機巧は、光線を、影華の上下左右に一本ずつ照射。
干渉を受けたスイッチは、重力を操作され、「押されていない」状態へ強制された。
グリモア猟兵は、トラップは色々あるというように言っていた。詳細を告げなかったのは、猟兵なら難なく突破できると判断したからだろう。
実際、影華は、すいすい、と進軍していく。すいすい、は、何も比喩ではない。
影華の足は、地面から少しばかり浮いている。『伍光』のうち一本を自身に当て、落とし穴の類を回避しているのだ。
迷路のように複雑化しているとはいえ、丁寧に進んでいけば、深部へ近づくことは難しくなかった。
が、砲弾のトラップは、起こしてもらうのを待つ眠り姫ばかりではない。
飛んできた。
砲弾だ。そちらがこないならこちらから、ということであろう。
それなら最初からこうすれば、と思わなくもないが、のべつまくなしに撃っていてはさすがに地形がまずいという計算なのだろう。
すっ、と腕を掲げ、影華は、ユーベルコードを起動した。
その効果範囲に侵入した途端。あれほど狂暴に見えた砲弾は、突如軌道を変えた。
いや、変わったのは、形状そのもの。黒燐蟲。【黒燐幻想劇弾・遊撃部隊】による変換。
さすが、鉄と硝煙の国が用意する砲弾。がちがちの無機物であった。
劇団員となった蟲達に、影華が依頼したのは、道しるべとなってくれること。ケミカルライトへと変身してもらい、周囲を飛び、暗闇を駆逐してもらう。
『赫左』、オフ。
それでも……いや、それ以上の明るさが、影華の道行きを照らしてくれる。
影華を脅かすはずの砲弾は、一転、影華の頼もしい先導者となったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
風花・ゆきみ
敵の進軍を阻むだけでなく力を削ぐことも大切でありますね
価値ある財宝も戦いのためでなく、困ってる人のために使われるほうがいいのであります
頑張っていくのであります!
廃坑はキャバリアを想定してるだけあってとっても広いですね
私のように小さな猟兵だとかなりの距離を進まなければ……
ですがその分スイッチを踏む可能性は低くなるのであります!
怪しいところは飛んでいって慎重に進むのであります
気を付けなければならないのは問答無用で飛んでくる砲撃です
妙な物音や気配を感じたらすぐに回避の準備を
素早く飛んだり壁にくっついたりと砲撃に対応していきましょう
なかなか大変な道のりでありますね……
次は乗り物を用意したいところです!
廃坑……人工的な暗がりを、白い妖精が歩いていた。
陰鬱な景色には不似合いな白の正体は、風花・ゆきみ(戦場の綿雪・f39971)。
「敵の進軍を阻むだけでなく力を削ぐことも大切でありますね」
せっせと歩みゆくゆきみは、任務遂行のため、懸命な表情である。
「価値ある財宝も戦いのためでなく、困ってる人のために使われるほうがいいのであります。頑張っていくのであります!」
獣人達の喜ぶ顔を想像しながら、ゆきみは迷宮を進んでいく。
冒険の舞台である廃坑は、広かった。
探索者であるゆきみが小柄なのもあるが、元々坑道として機能していた頃、キャバリア運用を前提とした構造の名残が実感される。
しかし今はさらに手が加わり、ダンジョン化。トロッコなどで一気に距離を稼ぐ、というのも難儀しそうなほど、曲がりくねっている。
ゆきみのように小柄な猟兵だと、その体感移動距離は、他の猟兵よりも多くならざるをえない。
だが、デメリットばかりではない。小さい分、トラップのスイッチを踏む可能性が低くなるともいえる。
それに、ゆきみはシマエナガ。つまり、飛べる。
怪しげな箇所に出くわせば、地面を離れて、スルーする事もできる。
慎重に、慎重に。ゆきみは、財宝の眠る地底を目指すのだ。
丁寧な進行が功を奏して、坑道内には、静かな時間が続いた。
「ふう。だいぶ距離を稼げたと思うのであります」
くるり、来た道を振り返る。
が、脅威は、突然牙を剥いた。
どん!
「ピッ!?」
突然響いた轟音と地響きが、ゆきみをちょっぴりジャンプさせた。
「……危険が近づいてくるのであります」
予感は、現実となった。
どごぉん!
行く手を遮っていた岩壁が、内側から爆発した。
開いた穴から飛び出してきたのは、砲弾。一発目が迷宮の壁を破砕し、続く二発目が、できた穴を潜り抜けてきたらしい。
だが、音のした時点で、ゆきみは回避動作に移っていた。素早く羽ばたき飛び上がると、天井に取り付いた。
眼下を、砲弾が勢いよく通り抜けていく。今のゆきみは人間サイズとはいえ、あれを喰らっていれば、どうなっていたことか……。
「なかなか大変な道のりでありますね……」
砲撃を避けながら、ぱたぱた、てちてち進んでいくゆきみ。
「自分の足で進むのにも限界が……次は乗り物を用意したいところです!」
成功
🔵🔵🔴
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)、砲弾だって!
タイミング合わせて、飛ぶヤツかな?(リズミカルにぴょんぴょん)
トラップ探すのはアンちゃんにお願いして。
おいらは飛んできた弾を蹴り落とす準備をしようー。
次の一歩をどこにするか、アンちゃんの合図を見ながら……
姿勢が面白くなっちゃって、だんだん楽しくなってきて。
リズムに合わせてぴょんぴょんぱー♪ あっ。(踏んだ)
ひゃあー♪(後ろ宙返り半ひねりで砲弾上に着地、蹴り落とす)
あっぶなー。気をつけなきゃだね!
ひょいひょいぴゅぴゅーん♪ あっ。(同
宝物?
きっと食べると大きくなるキノコとか、炎属性のお花とかだよ!
さあ、先に進むぞー♪(ぴょいぴょい伝説な歌を歌いながら)
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
廃坑はハイコー(さいこー)的な…、ん、なんでもない。
砲弾はね(話しつつ壁に手を当てるとぽちりと音が)
飛んできたり(びゅん)
振り子になって揺れていたり(ごぉん)
坂道から転がりおちてきたりする(ゴロゴロ)
そして飛べは概ね問題ない(同意の頷き
んむ…、壁に手を付く前に【絶望の福音】を発動させて未来予知
これで回避や事前の心構えが出来てお得感あっぷ
迫る砲弾をまつりんが避け、わたしは怪力で受け止め流し進んでいこう
…まつりん、宝物ってなんだろね?
ふふ、キノコもお花も楽しそう
……ね、まつりん。お肉、入ってたらうれしいね
oh、にくー、お・に・くぅ〜♪
まつりんの歌に合わせて歌い進もう
危険に満ちた暗闇の中にあっても、猟兵の勇気は輝きを失わぬ。
元気いっぱい、探検に挑む木元・祭莉(まつりん♪@sanhurawaaaaaa・f16554)もその一人である。
木元・杏(ほんのり漏れ出る食欲系殺気・f16565)もともに、危険なピクニックに身を投じている。
時折、遠くから聞こえる爆音は、先行する猟兵と砲弾トラップの攻防だろうか。
だとしても、冒険と宝探しは、切っても切れないものだと、杏は思う。
「廃坑は|ハイコー《さいこー》的な……」
「んん??」
二度見してくる祭莉に、杏はふるふると首を横に振った。
「ん、なんでもない」
「ふーん? で、アンちゃん、砲弾だって! タイミング合わせて、飛ぶヤツかな?」
こんな感じー? と、リズミカルに、エアぴょんぴょんしてみせる祭莉。
そんな祭莉に、杏は語る。砲弾の何たるかを。
「砲弾はね」
壁に手を当てる杏。
ぽちり。
「飛んできたり」
びゅん。
「振り子になって揺れていたり」
ごぉん。
「坂道から転がりおちてきたりする」
ゴロゴロ。
畳みかけるように、次々杏達の元に襲来するトラップ砲弾。
「そして飛べば概ね問題ない」
同意の頷きとともに、杏はぴょんぴょこぴょんと飛んで、砲弾をかわした。
標的をロスト、2人の遥か後方に飛んで行った砲弾は、壁にぶつかり爆発した。
振り子に転がり。それはもはや砲弾の領域を越えてしまっている気がするが、ゾルダートグラードの科学力だと思うことにする。
ともあれ、実践によって杏理論は証明された。
予想、というより予知レベルでかわす杏は、トラップマスター(よける方)の様相。
「さっすがー♪ よっし、トラップ探しはアンちゃん任せた!」
祭莉が丸投げした。
いや何もそういうわけではなく、祭莉自身もウォーミングアップ。飛んできた弾を蹴り落とす準備だ。
「ん、任された」
に、しても。
なぜ杏が罠をことごとく起動させても、砲弾をことごとく交わすことが出来たのか?
そのひみつは、時間を巻き戻し、壁に手をつく直前に遡る。
砲弾について、意味ありげに語り始めた時。
既に杏は、ユーベルコード【絶望の福音】を発動させて、未来視を始めていたのである。
と、いうわけで、破壊スピリット溢れる砲弾を避ける事はもちろん、杏自身も事前の心構えも出来て、二度おいしい。お得感アップ。
「こんな感じで、ごー」
「おっけー♪」
次の一歩はどこ? 杏の合図を頼りにしながら、走り出す祭莉。
「次はあっち、次はそっちー♪」
ダッシュ&ジャンプ。
トラップを避けていくうち、次第に、祭莉の態勢が、不自然というか無茶になっていく。
けれど、そんな姿勢が、面白くなり始めたらしい。祭莉、だんだん楽しくなってきて。
「リズムに合わせてぴょんぴょんぱー♪ ……あっ」
ぽちっ。
足の裏に違和感ゲット。
ぼん、という破裂音というか炸裂音が、祭莉の耳に届く。
曲がりくねった道の向こうからコンニチハしたのは、新たな砲弾。
今度のやつは、先端の方に狂暴な目と歯が描かれている。なんなら腕もついている。
……何の意味があるのかと言われれば、まあ、威嚇というか、かっこいいからと答えるほかない。
「ひゃあー♪」
後ろ宙返り半ひねり披露!
すんでのところで砲弾の上に着地した祭莉は、そのまま力を込めて蹴り落とす。
意外と軽い蹴り心地。ごん、と地面にねじ伏せられた砲弾は、そのまま動かなくなった。100、という謎の数字を浮かび上がらせて。
「あっぶなー。気をつけなきゃだね!」
しゅたっ、と着地した祭莉は、額の汗をぬぐう仕草をしつつ、先を急ぐ。急いじゃう。
「ひょいひょいぴゅぴゅーん♪ ……あっ」
ぽちっ。
再放送。
こんな感じで、迫る砲弾を祭莉はジャンプでひょいひょいと避け、杏は自慢の怪力で受け止め、ひょいと受け流して進んでいく。
廃坑ステージを順調にクリアしていきながら、杏は、ふと小首をかしげた。
「……まつりん、宝物ってなんだろね?」
「きっと食べると大きくなるキノコとか、炎属性のお花とかだよ!」
連続砲弾踏みで得点を稼ぎながら、答える祭莉。
「ふふ、キノコもお花も楽しそう」
それから杏は、ちょっぴり自分の願望を混ぜる。
「……ね、まつりん。お肉、入ってたらうれしいね」
「お肉? いいね、見つけたらみんなで肉パだ! さあ、先に進むぞー♪」
ぴょいぴょい伝説な歌を歌いながら。祭莉は、財宝の元へどんどん近づいていく。
「獣人さん達もお肉を食べれば、きっと元気100倍、間違いない。oh、にくー、お・に・くぅ〜♪」
祭莉に合わせて歌いながら、冒険を続ける杏だった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『貴方の配偶者を絶対に殺すアリクイ』
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POW : 寂しいんです
【疑いの心】を感じると自動発動。それに決着をつけるかレベル分後まで「攻撃力・跳躍力・魅力」のどれかが3倍。
SPD : 一年が過ぎました
レベル×10mまでの【メール型地雷原】を、任意の形状で敷設する。使用者はこれに接近した者の【所持金の量】を感知できる。
WIZ : 決死の爪
【威嚇体制からの爪の一撃】が命中した敵を一定確率で即死させる。即死率は、負傷や射程等で自身が不利な状況にある程上昇する。
イラスト:橡こりす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
砲弾が、止んだ。
静けさが、廃坑内に戻る。
トラップエリアの踏破には成功したらしい。しかし、代わりというように、道は複雑さを増した。まさに迷路の様相。
マッピングしていかなければ堂々巡り、下層への階段へたどり着くのもままならぬ。
さあ、次は右か左か……進路を吟味する暇は、しかし、与えられなかった。
どん!
砲弾の音? いや、立ちはだかる敵の擬音。
待てのポーズをした大きな人影が、行く手を阻む。
その正体は、アリクイだった。
「貴方の配偶者を殺すまで一年を切りました……」
改造獣人の集団が意味不明。
言動が理解できずとも、これは、獣人を動員した不意打ちトラップ。
襲撃が意味するのは、近づいては欲しくないものがある、という事。いよいよ、財宝の在りかが近い。
ならば、妙なアリクイの足止めなど跳ねのけて、目指す宝物に手を伸ばすのだ。
シプラ・ムトナント
残念ですが、わたしに配偶者や許嫁はいません。
わたしも軍人一家の娘……いずれは出来ることもあるのでしょうが、今は全く。
嘘はついていませんが……まあ、退いては下さいませんよね。仕方がありません、戦闘に入りましょう。
対多数戦ならば、『C.Q.C.C』の出番です。
衛生兵のカバンはもう一つの武器。やわではありませんので、中身の心配は無用です。弾も不要ですので、【継戦能力】もあります。
それでは、接近してカバンによる打撃……【気絶攻撃】を仕掛けます。
叩きつけ、横薙ぎ、振り上げ。どれか一つでも入れば続けて攻撃出来ます。仕留めた時は対象を変え、攻勢を続けます。ムトナント家の近接戦闘術、ご覧に入れましょう。
グエン・ティホァ
※アドリブ歓迎、共闘可
WIZ判定
・行動
同行している仲間にUC予防の「呪符」を配ってから【誘惑する蛇】を使用、敵に「挑発」技能で【決死の爪】の同士討ちを唆す
・セリフ
(邂逅時)
「配偶者? そんな者、私には居ない。」
(UC使用時)
「それよりも…… そら、隣のそいつはどうなんだ
故郷に残してきた恋人や夫は居ないのか?」
「お前に隠していただけで、そいつが誰かの配偶者かもしれないぞ?」
「疑わしきは殺せ、お前たちはそうしてきたのだろう?」
(最後に残った一匹を自分の手で仕留めながら)
|未亡人作り《ウィドウメーカー》は聞いたことがあるが……
こいつらこの場にいる人間の離れた配偶者をどうするつもりだったんだ?
「残念ですが、わたしに配偶者や許嫁はいません」
「配偶者? そんな者、私には居ない」
きっぱり。ばっさり。
シプラ・ムトナント(鋼の衛生猟兵・f39963)とグエン・ティホァ(|蛇紋石《サーペンタイン》・f39896)は、相次いでアリクイ達へ回答した。
「わたしも軍人一家の娘……いずれは出来ることもあるのでしょうが、今は全く」
「いいえ、そんなことはありません」
「いるのです」
頑なに事実をねつ造しようとするアリクイ達に、再度、首を横に振ってみせるシプラ。
同様に、アイデンティティを粉砕する一言を発したグエンにも、アリクイ達は食い下がる。
「居ないはずなどありません。ほら貴方の隣に」
アリクイが指さした先には……誰もいない。
こうなると話が違ってくる。ホラーだ。
オブリビオン自体がある種のホラーだと言えなくもないので、グエン達猟兵にとってその点は、恐るるに足らないが。
「困りましたね、嘘はついていませんが……」
ずいずい、とシプラ達に迫りくる、アリクイの群れ。退く様子は、全くない。
彼らには、シプラ達の婚約者の幻想が見えている……というより、単に後には引けないタイプのアリクイなのだろう。でなければ、名前そのものに偽りが生じてしまうので。
シプラへの疑念が、アリクイ達に力を与える。
アリクイ達の全身が、輝きを帯びた。すると、腕の筋肉を中心に肥大化し、強靭さを増した。
だがしかし、アンバランスな体形は、とてもではないが愛らしいとは言えない。
ムキムキアリクイ達が、シプラに詰め寄る。
「寂しいんです……無性に!」
「聞く耳を持たないのなら、仕方がありません、戦闘に入りましょう」
アリクイパンチを受け止めたのは、シプラのカバンだった。それも、救急用の、カバン。
衛生兵のカバンは、もう一つの武器。やわではない。少々乱暴に扱っても、中身に問題はない。しかも、銃などと違い、弾などの消耗の心配は無用ときている。
ユーベルコード【C.Q.C.C】。
シプラは、相手の間合いに踏み込むと、カバンを叩きつけた。
「!?」
強打がアリクイの意識を飛ばす。
返す刀ならぬ返すカバンで、同じ標的を殴打。続けざまに振るわれたカバンは、アリクイを骸の海に沈めた。
相手を仕留めたシプラは、次なる標的を求めて、視線を動かす。
「ううっ」
「これじゃあ配偶者を殺せません」
カバンの恐るべきポテンシャル。何より、シプラの戦闘術。それを目の当たりにし、後ずさるアリクイ達。
「さあ、次の『患者』はどなたでしょうか。ムトナント家の近接戦闘術、ご覧に入れましょう」
叩きつけ、横薙ぎ、振り上げ。
いずれか一つがアリクイに決まった時点で、シプラの攻撃は連鎖する。
3倍の筋力もむなしく。アリクイ達は、次々と撃破されていく。
しかし、敵の数は多い。
「というか、しつこいな」
グエン達を、新たな敵小隊が包囲する。
殺意に満ちた爪の攻撃をしのぎながら、グエンは『呪符』をシプラに手渡す。
直後。
グエンから溢れた催眠フェロモンが、アリクイ達を魅了する。周囲にいるもの全てを包むそれは、対象を夢遊病へと誘う。
しかし、呪符を持つ者だけは、正気を保ったまま。
「私の事よりも……そら、隣のそいつはどうなんだ。故郷に残してきた恋人や夫は居ないのか?」
「えっ」
グエンに問われたアリクイが、びくん、と体を震わす。
「いた……かもしれません? でも死にました。死んでいることにします」
視線が右往左往。
思わぬグエンの問いに、アリクイはあやふやな答えを返した。
そんな迷える心に、グエンの言葉が忍び込む。
「お前に隠していただけで、そいつが誰かの配偶者かもしれないぞ?」
「えっ」
味方同士で見つめ合うアリクイ達。
つぶらな瞳は、グエンの毒で曇っている。
本来、背中を預ける味方。だがそれも、今は妙に疑わしい。
「君、まさか……」
「何言ってるんです。君こそ怪しいじゃないですか」
内輪揉めを始めるアリクイ達。
そこにグエンが、とどめの一言。
「疑わしきは殺せ、お前たちはそうしてきたのだろう? 武器ならそう、立派な爪があるじゃないか」
「……そうです!」
「配偶者の配偶者は配偶者です。死ね!!」
醜い争いが始まった。
必殺の爪が、同士を手にかけていき、戦場に骸を増やしていく。
「|未亡人作り《ウィドウメーカー》というのは聞いたことがあるが……こいつらこの場にいる人間の離れた配偶者をどうするつもりだったんだ?」
グエンは呟いた。同士討ちの末、残った一匹を、自身の手で仕留めながら。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ヘビィ・バッター
獣人には獣人、威嚇には威嚇だよ!しゃー!。
アリクイ達の威嚇体制にあたしも背後に|蛇睨みの紋章《オーラ》を描きユーベルコード【蛇睨み】で対抗。明かりもなく暗い廃坑の中……でもあたしには戦士としての、古代剣術の努力の成果がある!心眼で敵を捉えてバットを振るい応戦。あたしのユーベルコードとアリクイ達のユーベルコードがぶつかり合う様が、紋章による視覚化支援でアリクイ達のユーベルコードが魔球に見えてきたら……ぜんぶ吹き飛ばす!。(魔球をジャスト|ガード《ミート》、カウンターにアリクイ達の|ユーベルコード《影響力》ごと吹き飛ばし!)
「ご存じですか。『必ず殺す』と書いて『必殺』と読みます」
両腕振り上げ、びしっ、とポーズ。
これが、アリクイご自慢の威嚇行動。
敵は、獣人。そして、ヘビィ・バッター(|戦闘打者《バトルヒッター》・f39997)も獣人。
目には目を理論に基づき、ヘビィは……。
「しゃー!」
威嚇した。威嚇には威嚇、である。
アリクイが大した光源もないのに爪を光らせれば、ヘビィも背後に|蛇睨みの紋章《オーラ》を描いて対抗する。
竜虎ならぬ、アリクイ蛇が相まみえる。
「さあ、私達の爪が勝つか、貴方の蛇ボディが勝つか。勝負です」
「そして貴方の配偶者を殺します」
アリクイによる選手宣誓。もちろんヘビィだって、この試合に負けるつもりはない。
が、何せここは廃坑の奥深く。
ろくに明かりもなく、暗がりでの勝負となる。けれど、このアリクイは改造されているので、もしかしたら暗視持ちかもしれない。
対するヘビィは蛇。不利だ。
「確かに不利……でもあたしには戦士としての、古代剣術の努力の成果がある!」
くわっ!
敵の接近を捉えたのは、ヘビィの心眼だった。
迫りくるのは、もちろん鋭い爪。当たり所が悪ければ|死球《デッドボール》……もとい、一撃死もありうる、まさに必殺技。
しかしヘビィの心眼は、その軌道を確かに捉えていた。
絶好のタイミングでバットを振るう。
がきぃん!
ユーベルコード対ユーベルコード。ヘビィとアリクイ達の全力がぶつかり合う。
この瞬間、紋章による視覚化支援は、ユーベルコードの激突を、ヘビィに魔球として認識させていた。
打たせる気のないのが、魔の球。しかし、球には変わりない。
くわわっ! ヘビィは、心眼をいっそう大きく見開いた。
「……ぜんぶ吹き飛ばす!」
かきぃん!
魔球という名のアリクイクローを、ジャスト|ガード《ミート》!
「そんなあ!」
ご自慢の爪を受け止められたというショック。
そして、必殺のユーベルコードを無効化されたというショック。二重の心的ダメージが、アリクイを驚愕させた。
「かっとべ特大ホームラン!」
果たして、ヘビィの豪快な一打が、アリクイ達をその|ユーベルコード《影響力》ごと吹き飛ばしたのだ。
必ず殺す技……しかし、頭にこんな言葉が隠されている。『当たれば』必ず殺す技だと。
……あと、別に、必ずというわけでもない。それが、アリクイクロー。
大成功
🔵🔵🔵
風花・ゆきみ
ぴっ!?
私に配偶者はいないのでありますが……あ、皆に言ってるんですね
発言はともかく、道を塞ぐ敵なら倒していくだけであります!
相手が地雷原を設置するなら片っ端から起爆してしまいましょう
メーデー、連雀レンジャーズ!
一緒に戦うのであります!
レンジャーズにはダイナマイトで周囲を破壊してもらい、敵の地雷を破壊してもらいましょう
レンジャーズは空が飛べますから、踏んで地雷を起爆する心配はないのであります
ダイナマイトを投下したらすぐに逃げるように指示も出し、安全第一であります
私は爆発の合間を縫ってライフルで攻撃していきます
そもそも所持金がバレても別に恥ずかしくないですし……
本当によく分からない相手であります!
「貴方の配偶者……殺しますよ?」
「ぴっ!?」
目をぱちくり。
他の猟兵同様、配偶者の件で詰め寄られた風花・ゆきみ(戦場の綿雪・f39971)は、狼狽していた。素直に。
「私に配偶者はいないのでありますが……あ、皆に言ってるんですね」
ならば納得。
こういう戦法を取るタイプだと考えれば、その本質は、ただの敵兵。
「トンチキ発言はともかく、道を塞ぐ敵なら倒していくだけであります!」
「そうはいきません。逃しませんよ!」
威嚇のポーズ!
落ち着いて観察すれば、愛らしくすら見えるアリクイの仁王立ちも、ゆきみには効果があったようだ。
思わず驚いたゆきみの隙をつくという、アリクイ達はわかりやすい狡猾さを見せた。
「一年が」
「過ぎました」
「貴方の所持金が知りたいです」
携帯端末型デバイスを操作すると、アリクイ達は、ゆきみの周囲にメール型地雷を設置した。
ゆきみが目撃した地雷は、やたらファンシーな封筒形をしていた、ちょうど、ヤギの郵便屋さんが差し出してきそうな。
それはそれとして。
ダンジョン戦場は、今や地雷原と化した。迂闊に動けば、ゆきみは粉雪にされてしまうかもしれない……。
ニヤリ……アリクイ達の顔に、悪だくみをするもの特有の影が落ちる。
「そちらが地雷原を設置するというなら、片っ端から起爆してしまいましょう。メーデー、連雀レンジャーズ!」
ゆきみの合図とともに、背後から多数の鳥影が飛び出した。
100羽近くのスズメレンジャー部隊の増援。ゆきみの心強い味方達。
「一緒に戦うのであります!」
『ラジャー!』
ゆきみの合図とともに、レンジャーズは、戦場に散開した。思いのほか広い空間は、飛び回るのに都合がいい。
足で運んだダイナマイトを、相次いで投下。
レンジャーズが、その場から離脱した直後、起爆。生じるのは。爆発音の連鎖だ。
ダンジョンを構成する壁ごと、辺りに潜んだ敵の地雷を誘爆させていく。
「わわ!」
慌て、逃げ惑うアリクイ達。
何せレンジャーズは飛べる。地雷を起爆する心配はない。
「これでは殺せま……うわっ!?」
相次ぎ上がる爆煙の合間を縫って、ゆきみのライフルが、アリクイ達を狙撃した。
「所持金がバレても別に恥ずかしくないですし……本当によく分からない相手であります!」
アリクイ達を狙い撃ちながら、ゆきみは、思うところを口にした。正直に。
大成功
🔵🔵🔵
鈴乃宮・影華
仕掛けが無くなったな、と思ったら今度は兵士……兵士?
お昼のメロドラマ時空に巻き込まれてないですよね、私?
先にバカスカ撃ってきたのは其方ですから、私も屋内だからって遠慮しませんよ
E.N.M.A、『ミーレス』を出すからコントロールお願い
装備は『ウルカヌスⅡ』『ラドン』『R.I.P』で、魅力とか知った事じゃない弾幕で蹂躙してやって!
私は指定UC起動
ケミカルライトが元の砲弾に戻ってしまうので
明かりはまた『赫左』の炎に頼る事になりますが……
この剣の雨は、アリクイ軍団が登場前から持ってる|侵入者《私達》への敵意を目印にしてますので
周囲の明るさとか関係ありません――残念でしたねぇ、奇襲が無駄になって
「仕掛けが無くなったな、と思ったら今度は兵士……兵士?」
鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は、ゾルダートグラードが誇る獣人小隊を二度見した。
「一年が経ちました。なので配偶者を殺します」
「何なら貴方も殺します」
ずい、ずずい。
徒党を組んで、影華に圧を加えてくるアリクイ達。
「お昼のメロドラマ時空に巻き込まれてないですよね、私?」
「安心してください、これは全て現実です」
いっそう質が悪い。
「これまでの猟兵は『配偶者などいない』などと申しておりましたが」
「信じませんよ。貴方も虚言でもって我々の詐欺……ゲフン、主張から目を逸らそうというのでしょう」
膨れ上がらせた疑念。それに比例するように、アリクイ達のフォルムが変化を始めた。……より、愛らしく。
増大する魅力。だが、どんなに可愛い姿をとろうとも、敵意を向けるのなら、影華も応じるだけだ。
「先にバカスカ撃ってきたのは其方ですから、私も屋内だからって遠慮しませんよ」
「配偶者を殺すため、貴方を殺させていただきます!」
本末転倒を叫びながら、アリクイ達が襲い掛かった。
「E.N.M.A、『ミーレス』を出すからコントロールお願い。装備は『ウルカヌスⅡ』『ラドン』『R.I.P』で、魅力とか知った事じゃない弾幕で蹂躙してやって!」
AIへと、矢継ぎ早に指示を発する影華。
武装とともに出撃した|黒服姿《ミーレス》が、敵を迎撃する。パンプアップしたアリクイにも劣らぬマッシブさは、各種装備の運用を円滑に遂行する。
ガトリング砲、誘導弾、レーザー。各種砲撃が、アリクイ小隊を問答無用で撃滅していく。
火力は正義だ。
だとしても、先ほど影華の視界を照らしたケミカルライトは、元の砲弾に戻ってしまっている。頼るべき明かりは、『赫左』の炎のみ。
「視覚強化を施された我々精鋭獣人に、そんな灯など役に立ちませんよ」
増強された筋力から繰り出されるアリクイパンチ。
「もらいました……なっ!」
アリクイが驚愕の気配をもらす。
『黒の葬華』を模した黒燐蟲の塊が、戦場へと降臨する。そして、この剣の雨は、視覚に依存する事はない。
目印は、アリクイ軍団が、この戦場に立つ前から抱いている|侵入者《影華達》への敵意。
「――残念でしたねぇ、奇襲が無駄になって」
アリクイ達が剣雨に晒される様を眺めながら、影華が告げた。
大成功
🔵🔵🔵
ウォルド・ウールストン
ヒコーキ乗りにとっては大空こそが配偶者だぜ? 廃坑で這いずり回ってるおまえらには殺すどころか拝むことさえできやしねえよ。
疑いの心を持つとパワーアップするようだが、『空軍一の正直者』と呼ばれた(呼ばれてない。そもそも軍人じゃない)俺に疑われる要素など皆無。
たとえ疑われたとしても大丈夫。こっちもパワーアップするからな。
高速飛行モード!(飛行しない)
三倍射程を活かし、敵が爪の間合いに入る前にガトリングで掃射してやる。
どうだ、俺の華麗なる空中戦法は?(空中じゃない)
ばあちゃん曰く『天の時は地の利に如かず』。空で(空じゃない)ヒコーキ乗りに勝てるわけがないのさ。
※煮るな焼くなとご自由に扱ってください。
「俺にはいるぜ、配偶者」
ウォルド・ウールストン(地を駆けるヒコーキ野郎・f39998)の返答に、アリクイ達の目が一斉に輝いた。
「いる……いるのですね!」
「ようやく認めてくださいましたか、では話を次に進めましょう……」
ここまで猟兵に塩対応されたアリクイ達は、単純に歓喜しているらしい。
そんな敵軍に、ウォルドは、ちっちっち、と指を振った。
「おっと、ヒコーキ乗りにとっては大空こそが配偶者だぜ? 廃坑で這いずり回ってるおまえらには殺すどころか拝むことさえできやしねえよ」
「なっ……詭弁では!」
「我々をだますとは不届き千万」
自分達のことを棚に上げ、憤るアリクイ達。
「いや、本当の配偶者をかばうために嘘をついているに違いありません」
渦巻く疑念が、アリクイ達の攻撃力を3倍化させた。
この集団戦では、跳躍力は混乱の元。まして魅力など……いや、ウォルドを油断させる効果くらいは期待できるかもしれないが。
「おいおい、『空軍一の正直者』と呼ばれた俺に疑われる要素など皆無なはずだがな」
呼ばれてない。そもそも軍人じゃない。
「まあ勝手に疑ってるといいさ。こっちもパワーアップするからな。高速飛行モード!」
ウォルドのコールに従い、オールド・ドードーが、変形を開始する。
外装がスライドし、飛行状態に最適化されていく。そのフォルムはちょっと飛びそうな感じに変わっていた。だが、実際には……飛行能力などないのである!
「来いよアリクイ!」
「いきますとも! まずは貴方から殺しますよウワァァァッ!」
満ちる殺意とともに、飛び掛かるアリクイ。
増大した筋力から繰り出される爪撃は、キャバリアの装甲だろうとも削り取る威力を秘めている。
が。
悲鳴を上げたのは、アリクイ小隊の方だった。
「ぎゃっ」
「げふーっ」
ガトリングの雨が、アリクイ達をハチの巣にしていた。
3倍には3倍。モードチェンジにより3倍に延長されたドードーの射程内に敵が入り込んだ瞬間、破壊の葬送曲が奏でられたのである。
「どうだ、俺の華麗なる空中戦法は?」
「く、空中じゃありません……」
「というか、動いてすらいないし……」
宣伝文句に偽りあり。抗議を口にしながら倒れていくアリクイ達を、見送るウォルド。
「ばあちゃん曰く『天の時は地の利に如かず』。空でヒコーキ乗りに勝てるわけがないのさ」
ウォルドが勝ち誇った。暗き廃坑で。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)、ぜっころありくい、だって。
アリクイって、蟻を食べるんじゃなかったっけ?
はいぐうしゃ殺して食べるのかな?
じゃあ、配偶者って蟻?(おめめぐるぐる)
アンちゃんのへそくり、バレたー!?
あと、怪力もバレたー。(うんうん)
え、おいら?
木元村は物々交換だから、あんまりおカネ持ち歩かないしー。(懐から木の実やら色々)
え、配偶者はたまこなの!?
あー、そっか。勇気あるね?
たまこ、蟻より強いと思うよ?
こーんな風に蹴るし(蹴り)。
つつくし(ナックルどーん)。
羽ばたくし(如意な棒で旋風)。
ね、まだ諦めない?
じゃあ、呼んでみるね?
いでよ、メカたまこー!(コケコケコケー☆)
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
まつりん、はいぐうしゃって何者?
ん、殺しちゃダメ。ストップ・アリクイ
きっと決意の目でアリクイを見返し【絶望の福音】
…んむ、もしやわたしの所持金が知られてる
暴露しちゃダメ!
地雷を見切り避けつつ猛ダッシュでアリクイに近接し、その鼻と口ごと怪力で押さえつけ秘密厳守をお願い(※物理)しよう
それはともかく、はいぐうしゃとは何なのかは口を割ってもらう(※物理)
(ふんふん)
んむ…、はいぐうしゃとはまつりんにおけるたまこ(飼い鶏)のようなもの(納得
ウチのたまこも殺気はすごい、アリクイに倒せるかな
ドッグファイトも見てみたいけど、やはりここはわたし達で倒してしまおう(怪力でパンチ
謎の宣言を仕掛けてくる改造獣人達。
木元・祭莉(まつりん♪@sanhurawaaaaaa・f16554)と木元・杏(ほんのり漏れ出る食欲系殺気・f16565)は、顔を見合わせた。
「アンちゃん、ぜっころありくい、だって」
「絶対に殺されるありくい……ところでまつりん、はいぐうしゃって何者?」
杏の質問に、祭莉は、双子の兄としての威厳を見せて……首を傾げた。
「……さあ?」
「??」
2人の周りで、ハテナマークがフォークダンス。
「そういえばアリクイって、蟻を食べるんじゃなかったっけ? はいぐうしゃ殺して食べるのかな? じゃあ、配偶者って蟻?」
祭莉のおめめがぐるぐるし始めた。
すると、アリクイ達が威嚇ポーズしていた腕を振って、祭莉をなだめた。
「大丈夫です、深く考えなくても」
「どうせ殺すのでご安心を」
安心できないなだめ方。
「ん、よくわかってないけどとにかく殺しちゃダメ。ストップ・アリクイ」
きっ。決意の目でアリクイを見返す杏。
その瞳に宿るは、ユーベルコード【絶望の福音】。
が、アリクイの未来を予想しにかかる杏へと、アリクイ軍団は、恐るべき戦闘行動をとった。
取り出した携帯端末……刻まれた『Y』のロゴは、おそらくユーベルコードの『Y』……を操作すると、ダンジョンの床に、次々と封筒型爆弾が設置された。
「さあ、どうぞこちらへ」
フフフ。アリクイの意味深スマイル。しかしその視線は、杏ではなく、端末の画面に注がれている。
杏は、その画面に映る内容を察した。
「……んむ、もしやわたしの所持金が知られてる」
だっ!
「暴露しちゃダメ!」
地雷の設置位置を見切って迂回しつつも、猛ダッシュでアリクイに近接する杏。
所持金や貯金額は、乙女の秘密なのだ。……いや誰にとっても秘密だと思うが。
「貴方の所持金総額はグフッ」
アリクイの口は封じられた。その鼻と口ごと、杏の怪力で押さえつけられて。
「ふぐーふぐー!」
「秘密厳守をお願い(※物理)」
「アンちゃんのへそくり、バレたー!? あと、怪力もバレたー」
仕方ないね。うんうん、納得する祭莉にアリクイが話しかける。
「そんな貴方の所持金も発表していいですか?」
「どっちでもいいよー。木元村は物々交換だから、あんまりおカネ持ち歩かないしー」
じゃらじゃらり。
祭莉が懐からお見せしたのは、木の実やらそんなものばかり色々だった。
「村文化……!」
「なんて騙し甲斐のない……!」
アリクイの口から、ちょっぴり本音がこぼれ出た。
「それはともかく、はいぐうしゃとは何なのかは口を割ってもらう(※物理)」
強要されたアリクイは、配偶者について杏達に説明した。
辞書に書いてあるような、それでいて無駄知識も加えられた内容を、杏は、ふんふんうなずいた後、納得した。
「んむ……つまりはいぐうしゃとは、まつりんにおけるたまこのようなもの」
「え、たまこなの!? あー、そっか」
祭莉がびっくりした後、なんだか納得した。
「たまこ。それが配偶者のお名前。個人情報ゲットです」
携帯端末に『たまこ』の名前を登録するアリクイ達。
「でも勇気あるね?」
どういう事? 首をかしげるアリクイ達。
「だってたまこ、蟻より強いと思うよ?」
「なるほど。……なるほど?」
身近なものでたとえてくれたので、理解しかけるアリクイ達。
杏もちょっぴりドヤ顔で言う。
「ウチのたまこも殺気はすごい、アリクイに倒せるかな」
アリクイ対たまこ。
それはさぞかし激しい(あるいは一方的な)ドッグファイトになるであろうが、
「やはりここはわたし達で倒してしまおう」
「そんな!」
杏の必殺怪力パンチが携帯端末ごと、アリクイを壁にめり込ませた。
その有様に戦慄しつつも、アリクイは問いかける。この杏以上の恐ろしさだという祭莉の配偶者について。
「たまこさん、どう強いのですか」
「たまこはねー、こーんな風に蹴るし」
どがっ。祭莉キック!
「つつくし」
ナックルどーん。
「羽ばたくし」
如意な棒の旋風。
祭莉による、たまこ流の実演を喰らうアリクイ達。
「ね、まだ諦めない?」
「ま、まだまだ。このくらいで配偶者キラーの我々の戦意をくじくことなど……」
意外と気骨のあるアリクイ達。
仕方ないなー、と祭莉は肩をすくめた。
「じゃあ、呼んでみるね? いでよ、メカたまこー!」
コケコケコケー☆
どどど!
祭莉の合図で、戦場になだれ込んでくる、たくさんのニワトリ型メカ達。
「これが噂の配偶者たまこさん! ではさっそく殺し……」
「いや、いっぱいいすぎでは? う、うわあー!?」
アリクイ達は、身を以て、たまこの強さを思い知った。
その一方的なたまこ蹂躙劇を目の当たりにして、杏は、ほんのり勝ち誇る。
「たまこパワー、思い知ったはず。これに懲りたら配偶者殺しはもうしちゃダメ」
杏の話を、アリクイは聞いていない。それどころではなかった。
けれど杏も、この先に待ち受ける財宝……すなわち、お肉(※個人的願望)の事で頭がいっぱいだったので、それどころではなかった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『デスペラード・ジョー』
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POW : ゴリ・バズーカ
単純で重い【無反動砲】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ゴリ・アームドフォート
レベルm半径内の対象全員を、装備した【携行型固定砲台の機関銃とビーム砲】で自動的に攻撃し続ける。装備部位を他の目的に使うと解除。
WIZ : ゴリ・ドラミング
【ドラミングで発生した衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
イラスト:もりさわともひろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ティーゲル・ホルテンマイヤー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵達は、ついに辿り着いた。
廃坑の奥底、何の変哲もない壁の向こう。そこにこそ、宝物庫が隠されていたのだ。
厳重そうに保管されたのは、多数の宝箱。
だが、猟兵達が踏み出した瞬間、天井から何かが降ってきた。
「来たナ、財宝を奪う泥棒どもメ」
轟音とともに、土煙が舞いあがる。
それが薄れた時、立っていたのは、白きゴリラ型獣人だった。
ゴリラ獣人『デスペラード・ジョー』。その巨躯ぶりは、キャバリアにも匹敵する。
財宝の番人は、無反動砲を構えると、『侵入者』……猟兵達に砲口を突きつける。
「この金塊が狙いカ。だが、オレ様の仕事は、そういう連中の抹殺でナ。しっかり働かせてもらウ」
財宝の正体を暴露しながら、戦闘態勢を取るデスペラード・ジョー。
その背後で、隔壁が降ろされる。猟兵達の視界から、宝箱が隠される。
「愛しい財宝とはしばしのお別れダ! さあ、滅茶苦茶になりたい奴から前に出るがイイ!」
荒ぶるジョー。
この一戦を制したものが、財宝の主となるのだ。
シプラ・ムトナント
その体躯と威圧感……流石は財宝の番人、ですね。
財宝を守るのが貴方の仕事なら、奪取するのがわたしの仕事。
軍人として、互いに仕事を果たすといたしましょうか。
敵の武器は大口径の無反動砲、威力は推して知るべしですね。
銃口から目を離さなければ、大まかな軌道は読み取れるはず……立ち止まらずに走り続け、砲撃の間の隙に少しずつ接近します。軍隊仕込みの【|継戦能力《たいりょく》】の見せ所ですね。
近寄っても無反動砲の脅威は顕在です。
しかし、こちらの間合いに入れば、あちらの砲撃よりも……わたしの方が、速い。『近接射撃』を使います。
|散弾銃《レミー》による散弾の近距離射撃、その大きな体でで受け取って頂きます……!
シプラ・ムトナント(鋼の衛生猟兵・f39963)の視界を支配する、白き巨体。
それは最早、ゴリラの姿を取った重戦車の様相だった。
「その体躯と威圧感……流石は財宝の番人、ですね。ただ、財宝を守るのが貴方の仕事なら、奪取するのがわたしの仕事」
低く唸り声を発するデスペラード・ジョーへと、|散弾銃《レミー》を構えるシプラ。
「軍人として、互いに仕事を果たすといたしましょうか」
「望むところダ猟兵。キサマにはさぞかし壊し甲斐があるんだろうナァ!」
シプラとジョー、両者が動いたのは、同時だった。
互いに的とされぬよう、戦場を駆け回る。
ジョーの動き自体は、機敏ではない。だが、巨体ゆえにその一歩が稼ぎ出す距離は長い。何より、挙動の荒々しさは、まさに戦場の無頼漢。
シプラは、敵の暴れぶりには惑わされず、その武器を注視する。
大口径の無反動砲。威力は推して知るべし。
しかし、銃口から目を離さなければ、大まかな軌道は読み取れるはず。シプラは、足を止めずに走り続けた。
「木っ端微塵になレ!!」
ジョーの無反動砲が火を噴いた。本体性能に加え、改造ゴリラ獣人の膂力で扱われれば、確実に狙った場所に着弾する。
さながらデストロイ狂騒曲。砲弾の炸裂が、廃坑の床や壁を爆砕していく。
隔壁の役目は、戦闘の余波対策以上に、ジョーから財宝を保護する事であったかもしれぬ。
爆煙を突っ切り、荒れ地と化した戦場を走り続けるシプラ。
次弾の発射に移行するジョー。ゴーグルの奥のまなざしは読み取れぬが、油断はないようにみえた。
シプラがただ砲撃から逃げ回っているだけではなく、確実に自分へと接近していることに気づいているのだろう。
だとしても、シプラの|継戦能力《たいりょく》は軍隊仕込み。徐々にジョーの元へと近づいていく。
「近接で仕掛けるつもりカ。だが、このオレ様が、巻き添えを恐れる臆病者と思うナ!」
ジョーが吠える。
至近で砲弾を放てば、自身もただではすまぬ。それでも撃つぞ、という意思表示だ。
確かに、近寄っても依然、無反動砲の脅威は健在。
だが、シプラには勝算があった。自身の間合いにさえ入れば、敵の砲撃よりも、
「……わたしの方が、速い」
トリガーを引く。
|散弾銃《レミー》による、散弾の近距離射撃。
「私とレミーの力。その大きな体で受け取って頂きます……!」
「ッッッ!!」
ジョーの暴虐を封じるように。全弾がその身に命中した。
大成功
🔵🔵🔵
ヘビィ・バッター
これだけ厳重ならどんなに暴れても大丈夫かな?。
あたしは全身で円を、半球を描く様にその場で回転。アンプルや牙から分泌する猛毒を改造バット経由で浴びる様に撒き散らしながら。
猛毒だって使いよう。毒耐性に薬品調合があれば、摩擦で燃えやすい猛毒ドーピングだって!炎を纏い、身を削る限界突破☆【必殺打法「フレイムブリンガー」】
無反動砲を|ジャストガード《ミート》、カウンターの吹き飛ばしでかっ飛ばすよ。
自ら追い込んだ窮地!フルカウントかもね。でも、みんなかっ飛ばせば大逆転だよ!(障害排除主体で、財宝回収は余力あればor味方にお任せ方針)
場外ホームラン対策は万全。
大事な財宝と隔離された状況は、ヘビィ・バッター(|戦闘打者《バトルヒッター》・f39997)のやる気を、むしろ高めたようだ。
「これだけ厳重ならどんなに暴れても大丈夫かな?」
「余裕ぶっていられるのも今のうちダ」
ぶんぶん!
無反動砲を無暗に素振りするデスペラード・ジョー。荒くれ者っぶりを見せつけ、ヘビィの戦意をくじこうという策か。
ならば、ヘビィも打者魂を燃やして、勝利への得点を重ねて見せようではないか。
ゲームセット後のお楽しみ……財宝回収は仲間に任せる覚悟で。
「フン、まさかもう勝った気でいるのカ?」
無反動砲を構えるジョー。ゴリラ的挙動でウホウホと戦場を駆け回り、ヘビィを追い込みにかかる。
対するヘビィは、もちろんバット一本で応じた。
砲の照準を定める敵に対し、全身で円を、半球を描く様に、その場で回転し始める。
「そんな棒切れ一本で、遠心力を利用して砲弾を跳ね返そうっていうのカ? 面白イ!」
ニヤリ、ジョーが不敵な笑みをこぼす。
その間にも、ヘビィの回転は加速していた。いや、それだけではない。
アンプルや牙から分泌する猛毒を、改造バット経由で撒き散らしていたのだ。
「蛇の毒? そんなもので何をするつもりダ」
「猛毒だって使いよう、だよ!」
毒耐性に薬品調合。スキルが組み合わさって、摩擦で燃えやすい猛毒ドーピングとなった!
「正気カ!?」
「正気も正気! いくよ、炎を纏い、身を削る限界突破☆」
自身を燃え上がらせたヘビィの決死の技は、ジョーさえも戦慄させるものだった。
「砕け散レ!」
重音とともに放たれた砲弾が、直撃コースを描き、ヘビィに迫る。これが炸裂すれば、廃坑もろとも瓦礫と化す。
自ら追い込んだ窮地。まさにフルカウント状態。
「オレ様相手に後手に回ったのが運の尽きヨ!」
勝利を確信するジョー。しかしこの戦法こそ、バッター・ヘビィの真骨頂。
そして、ヘビィには確信があった。窮地によって研ぎ澄まされた感覚ならば、砲弾すらも確実に打ち返せる、と。
「|ジャストガード《ミート》!」
ヘビィの十八番、カウンターの吹き飛ばしが、砲弾の芯を捉えた。
必殺打法『フレイムブリンガー』!
炎まといし打球が、|砲撃手《ピッチャー》ジョーへと突き刺さる。
「グフゥゥッ!!」
炎に包まれた巨体が、勢いそのままに、隔壁へと叩きつけられる。
ヘビィの一打、それは、大逆転を告げる号砲となった。
大成功
🔵🔵🔵
グエン・ティホァ
※アドリブ歓迎、共闘希望
POW判定
・行動
同行者に気を引いてもらいながらユーベルコードを使用
UC発動前の無防備時間を守ってもらいながら発動する
・セリフ
(暴れるゴリに)
こんな廃坑の中なのに、地形を破壊しながら暴れるって何考えてる!
隠し財宝が見つけられたからって諸共に生き埋めになるつもりか!
(同行者に)
奴をあのままにしては置けない、大技の時間を稼いでくれないか?
準備中は無防備になるが威力は保証する
・UC演出
『終末時計』を天地上下に構え、足元に時計版型魔法陣を出現させる
時針の短剣を針が時を刻むように動かして一周させ終わった時
動きを超過速させた乱舞切りを発動させる
ウォルド・ウールストン
●
ばあちゃん曰く『一芸に秀でる者は多芸に通ず』。
このドードーも頑丈なだけのポンコツじゃない。実は多芸に通じた名機なのさ。その証拠を見せてやるぜ。
一点特化モード!
装甲五倍!(移動力半減)
ツッコミは全力で無視する。
●
敵の砲弾は避けずに(というか、鈍重&移動力半減&地形破壊のトリプル悪条件のせいでまともに動けないし避けられない)五倍増しの装甲で真正面から受け止めつつ、ガトリングで反撃。
地形破壊で生じる瓦礫や土塊はドードーの手足で払いのけたり蹴飛ばしたして除去するが、基本的にその場から動かない(動けない)。
敵からすれば良い的(まと)だろうが、それでいい。俺は囮さ。
「雑食だけあって攻撃も雑だな、エテ公」
「ばあちゃん曰く『鹿の角を蜂が刺す』。おまえの無反動砲なんざ、蜂の針ほども効きやしないぜ」
とかなんとか挑発してこっちに意識を向けさせ、砲撃の的になり続ける。もちろん、ガトリングの反撃も怠らないが。
その隙に他の猟兵が強烈な一撃を敵にぶつけて……くれたらいいなぁ。
※煮るな焼くなと御自由に扱ってください。
「キャバリアを持ち出したカ。デカさじゃオレ様の圧倒的勝利だがナ?」
ウォルド・ウールストン(地を駆けるヒコーキ野郎・f39998)の駆るオールド・ドードーへと、嘲笑を送るデスペラード・ジョー。
戦いを愉しみ、破壊をもたらすなどとは、番人にはあるまじき態度。グエン・ティホァ(|蛇紋石《サーペンタイン》・f39896)は、元凶を睨んだ。
「こんな廃坑の中なのに、地形を破壊しながら暴れるって何考えてる! 隠し財宝が見つけられたからって諸共に生き埋めになるつもりか!」
「ハハハッ、このオレ様がこんなところでペシャンコになるとでモ? 潰れるマヌケはオマエ達だけダ、猟兵!」
ジョーの大笑が、グエンの神経を逆撫でする。
本気で自分が不死身だと信じているのか。それとも、たぎる破壊衝動が正気を失わせているのか。あるいはその両方か。
だが、ジョーはともかく、グエン達がこんな場を墓所とするのは、御免被りたかった。
グエンは、傍らのウォルドにだけ聞こえるよう告げた。
「奴をあのままにしては置けない、時間を稼いでくれないか?」
そういって、『終末時計』を取り出すグエン。それを天地上下に構え、足元に時計版型魔法陣を出現させる。
仔細を説明している余裕はない。だが、ここは戦場。猟兵同士。
グエンの意図は、簡単に推察することが出来た。
「大技ゆえ準備中は無防備になるが、威力は保証する」
「それなら渡りに船だ。あ、この場合の船は飛行船な」
グエンの作戦を承諾すると、ウォルドは、ドードーを前進させた。
砲弾や改造獣人達との戦いを経て、幾分傷ついたドードーと、猟兵達との戦闘で汚れたジョーが向かい合う。
「そんなノロマな使い古しで、オレ様を倒そうっていうのカ? 笑わせるナ!」
「ばあちゃん曰く『一芸に秀でる者は多芸に通ず』」
無反動砲を担いで笑うジョーに、ウォルドは、指を立てて言った。
「このドードーもただ頑丈なだけのポンコツじゃない。実は多芸に通じた名機なのさ。今その証拠を見せてやるぜ。一点特化モード!」
OPTIMAL EVOLUTION!
ウォルドのユーベルコードをその身に受けたキャバリアは、敵を討ち倒すため、最適化を遂げた。
あまたの傷を勲章として刻むその機体が、発揮する真価とは、
「……装甲五倍!」
「……オレ様の攻撃を避ける気ないだろオマエ」
ジョーの呆れ交じりのツッコミは、全力で無視。
「いいだろウ、そんなに的になりたいならナ!」
担ぎ構えた無反動砲を発射するジョー。
デスペラードの二つ名に恥じぬ暴虐ぶりで、戦場を破壊していく。
ウォルドは、自身を狙う砲弾に対する回避行動は……取らない。というか。取れない。
ドードーの鈍重さ。ユーベルコード発動による移動力半減。そして、敵の、地形すら破壊する大火力。
トリプル悪条件のせいで、まともに動けないし避けられない。
だが、背後のグエンを傷つけさせるわけにはいかない。
五倍増しの装甲は伊達ではない。砲弾の炸裂を真正面から受け止めると、|『ヴュルガー MG324』《ガトリング》をぶっ放してやる。
火力対火力。
破壊の応酬によって荒々しく舞い上げられる瓦礫や土塊を、ドードーの手で払いのけ、時には蹴り飛ばして除去していく。
覚悟とともに、ウォルドは一か所に陣取り、敵の攻撃に対処する構えだ。もとから動けないとかいわない。
激戦の証、爆音と震動をその身に浴びながら。
グエンは、時針の短剣を、針が時を刻むように動かしていた。
「時の流れが遅く感じるな……」
グエンが、ドードーの背中を見つめる。
心苦しくはある。だが、ウォルドとその愛機が、自分を信じて踏ん張ってくれているのなら、技を完成させる事こそ、グエンの為すべき事だ。
「後ろの奴……何か企んでいるナ? そこをどけガラクタ!」
「そうはいくかよ」
ジョーの怒声を、ウォルドが跳ねのけた。
グエンから自分へと注意を向けるため、ウォルドは悪態をついてやる。
「雑食だけあって攻撃も雑だな、エテ公」
「なんだト?」
ウォルドの挑発が、ジョーの怒りに油を注ぐ。
「ばあちゃん曰く『鹿の角を蜂が刺す』。おまえの無反動砲なんざ、蜂の針ほども効きやしないぜ」
「まだ足りないようだナ。なら、望み通りお代わりをくれてやル!」
ジョーの攻撃がさらに激化する。
その砲撃の何割かはガトリングで迎撃するものの、大半はドードーに着弾し、爆発する。敵からすれば、これ以上ない、恰好の的だろう。
だが、それでいい。ウォルドが自身に貸した役目……囮なのだから。
「時は満ちた!」
グエンの声が、ウォルドの鼓膜を打つ。
遂にグエンの準備が整った。時針が一周し終わったのだ。
「感謝する!」
ウォルドに礼を送りつつ、ドードーの横を駆け抜けるグエン。
行く手を阻む爆煙を突っ切り、ジョーの元へと超加速。
「速さでオレ様を倒す事は出来んゾ!」
ジョーが、とっさにグエンをロックオン。
だが、その砲撃を掻い潜ると、ジョーの懐へ。
標的は、巨体。当てるのは……容易い!
速力と破壊力、手数。
三者を兼ね備えた乱舞斬りが、ジョーの全身を切り刻んだ。
「馬鹿ナ、オレ様の鍛えあげた肉体が……!」
重低音を響かせ、地面に倒れ伏すゴリラ獣人。
その姿をグエンが振り返ったのは、退避したオールド・ドードーの肩の上であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
風花・ゆきみ
なんと巨大なゴリラさん……!
あの金塊はきっと人々から奪ったきたものでしょうね
ゾルタートグラートの好きにはさせないのであります!
ゴリラさんのドラミングは凄まじいのであります……
これでは近付くことも難しいですね
だったら……大きく息を吸い込み【根性】のUCであります!
ぴぴーッ!!!!
衝撃波に負けない勢いで鳴いて【おどろかす】のであります!
少しでもゴリラさんのドラミングが止められれば反撃のチャンスであります
ライフルで【制圧射撃】をしてやるのであります!
闇雲に狙うのではなく腕や顔を狙って動きを効果的に止められるようにしましょう
ゴリラさんは森の賢者です、みんなの憧れであります
悪党ゴリラさんは帰って下さい!
ゴーグルに覆われてなお、敵の視線は風花・ゆきみ(戦場の綿雪・f39971)を震え上がらせるものだった。
デスペラード・ジョーが発する威圧感の源は、その肉体にこそあった。
「なんと巨大なゴリラさん……! ですけど、あの金塊はきっと人々から奪ってきたものでしょうね」
先ほど目にした財宝。それを思い出しながら、ゆきみは、細足にしっかと力を込め、宣言する。
「これ以上ゾルタートグラードの好きにはさせないのであります!」
「ハハハハ、そんな小さな体で何ができル」
ゴリラ獣人の嗜虐的な笑みが、ゆきみの戦意をねじ伏せようとする。
だが、それでも視線を跳ね返すゆきみを見て、ジョーは本気を出す事にしたようだ。
「ホウ? その度胸に免じて、全力で破壊してやル!!」
ジョーは、これまで幾多の猟兵とやりあってきた相棒……無反動砲を放り出した。
「なっ、武器を捨てたであります!?」
「ちょうど砲身が熱くなってきたところダ。それに、オマエは今からもっと恐ろしいものを喰らうことになル」
そう言い放つと、ジョーは、胸を叩き始めた。
掌による、自らをドラムに見立てた演奏。野生のゴリラのそれでさえも、遥か先まで届くほどだという。
ましてや、ジョーは改造獣人。その威力は、ユーベルコードへと昇華され、衝撃波となって周囲に破壊をもたらす音響兵器だ。
「くっ、敵味方お構いなしというわけでありますな! ゴリラさんのドラミングは凄まじいのであります……」
廃坑、空気、そしてゆきみの体を、衝撃が震わせる。それは攻撃であると同時に、不可視の防護壁とも言えた。
「どうしたどうした、財宝を狙ってきたのではないのカ!!」
「もちろんであります。そっちがそうくるなら……すぅっ」
勝ち誇るジョーに対し、ゆきみは、大きく息を吸い込んだ。
「そんな事をしてどうなるというんダ」
ジョーは、自身の肉体を武器に変えた。それと同じことが、ゆきみに出来ないはずがあろうか?
「ぴぴーッ!!!!」
「!!!?」
ゆきみの全力の鳴き声、それもまた、ユーベルコードであった。
衝撃波をかき消す勢いのそれは、ジョーを驚かすのに十分すぎる効果を発揮した。
打ち鳴らす剛腕の動きが、束の間、停止する。その瞬間、ゆきみは、すかさずライフルを撃ち込む!
「ゴリラさんは森の賢者です、みんなの憧れであります。悪党ゴリラさんは帰って下さい!」
腕や顔、動きを止める最善の箇所を狙い撃ちながら、ゆきみがジョーに言い放った。
大成功
🔵🔵🔵
鈴乃宮・影華
あ、財宝ってやっぱり「金」なんですね
そしてわざわざ隔壁を降ろしてもらってありがとうございます
おかげで財宝を流れ弾で破壊してしまう恐れが無くなって、派手に暴れられるというものです
相手の得物はわかりやすい巨砲、でも
「私の国にはこんな名言があります――『当たらなければどうという事は無い』」
指定UC起動
敵の攻撃の直撃地点から離れた場所……例えば、敵が背負ってる砲台の上とかに移動します
『伍光』の光線を浴びれば私は空を飛べますので、移動先のイメージには事欠きませんよ
後は攻撃をスカして隙を見せた敵に
『轟蘭華』に搭載した熱線銃や『パラベルム』『R.I.P』を撃ちこみます
「あ、財宝ってやっぱり『金』なんですね」
鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)のつぶやきは、デスペラード・ジョーを想定以上に驚愕させた。
「なぜ、財宝の正体を知ってル!? まさかオレ様の思考を読んデ……!」
戦闘衝動に、脳のリソースを喰われ過ぎた故か。
間の抜けた発言のジョーをスルーしながら、影華は皮肉交じりの礼を述べる。
「それと、わざわざ隔壁を降ろしてもらってありがとうございます。おかげで財宝を流れ弾で破壊してしまう恐れが無くなって、派手に暴れられるというものです」
「ハッ、それはオレ様のセリフダ。オマエ達を芸術的なミンチに出来るんだからナ!」
無反動砲を、軽々と担ぎ上げるジョー。
相手の得物はわかりやすい巨砲。こんなものが破壊力をまき散らせば、財宝もろとも影華も木っ端微塵。
だが、
「私の国にはこんな名言があります――『当たらなければどうという事は無い』」
涼やかに告げた影華の前に、黒燐蟲が舞い踊る。
「そんな虫ケラ、盾にもならんワ!」
無反動砲が火を噴いた。影華直撃コース。
炸裂する。廃坑を廃墟に造り変える威力が、構造物をあまねく捻じ曲げ、砕き、吹き飛ばしていく。
ジョーの視界に映る景色は、綺麗に、もしくは無残なものと塗り替えられていた。
「跡形もなく消し飛んだカ」
「ええ、ずいぶんと綺麗にお掃除できたようですね」
「だろウ? ……ナニ!?」
耳元近くで響いた声に、ジョーは振り返る。
が、視界に影華を収める事は出来なかった。その姿は、ジョーが背負う固定砲台上にあったからだ。ワームホールを介した瞬間転移。
『伍光』の光線を浴びる事で、影華は飛空可能。移動先のイメージに事欠くことはなく、転移先の座標に一分の狂いもなかった。
「速イ……!」
ジョーの動揺は、明らかな隙を生んだ。まして、砲撃直後。
それに対し、影華の攻撃態勢は完璧に整っていた。
二筋の光が、ジョーを貫く。影華が背負った『轟蘭華』に搭載された熱線銃。
その間に生成された『パラベルム』の矢が、敵の肩を穿つ。
止まぬ猛攻は、敵から反撃の時を奪い去る。レーザー……『R.I.P』をダメ押しとして撃ち込んでやる。
ジョーの巨体は蹂躙され、割れたゴーグルの間隙から、その目が露出する。
「ずいぶんと可愛らしい目をしているんですね」
「馬鹿にしやがっテ……がはッ」
ジョーが膝を屈した。自らの血で汚した地面に。
大成功
🔵🔵🔵
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
んむ、ジョーってばかっこいい、イケゴリ(照れる
でもお肉(宝物)隠して独り占めするという人とも思えぬ所業。許せぬ
自動攻撃は厄介
幅広の大剣にした灯る陽光からオーラ防御を掛けつつ大剣で武器受けし暫し凌ぎ戦況を観察
ん、【うさみみメイドさんΩ】
体の小ささは削れた岩場を死角にし動くには有利
メイドさんズ、分散して岩場を移動し、周囲に散らばった小岩を皆で一斉にジョニーに向けて投擲!
ジョニーに当たれば隙が出来、機関銃とビーム砲を小岩に向けさせればわたし達への攻撃を解除出来る
どちらの状況でもここからはわたしのターン
一気にダッシュしジョニーへ近接
怪力MAX、思い切り大剣で殴りつける!
木元・祭莉
あれ。
アンちゃん(f16565)、財宝はお肉じゃないみたいだよ?
薄桃色のゴリラさん出たー。
あ、コッチがお肉だ。
そっか、お肉って筋肉のコトだったのかな?
まいっか。ともかく戦いだー!
アンちゃんが小技を披露してる間に、おいらは前に進み出てゴリさんの気を引こうー。
たまこきゃばりゃを呼び出して、搭乗!(とお)(くるり)(バンクシーン展開っ☆)
ジョーの衝撃波に雌叫びをぶつけて相殺しながら突撃ー!
たまこきゃばりゃがゴリさんとがっぷり四つに組み合い、衝撃波からカバー。
よし今だ!
きゃばりゃから抜け出し、空中浮遊。
ふわり回って、舞妓さん。
扇からの白炎を衝撃波に合わせ、アンちゃんの突撃をサポート!
いっけー♪(ばき)
「グガァァ! この程度の闘いでオレ様を止めたつもりカ!!」
瓦礫を押しのけ、巨体を現すデスペラード・ジョーを、木元・祭莉(まつりん♪@sanhurawaaaaaa・f16554)は思わず指さした。
「薄桃色のゴリラさん出たー」
「これはアルビノというのダ!」
「む、なるほど」
木元・杏(ほんのり漏れ出る食欲系殺気・f16565)は、激戦を経てなお躍動するジョーの勇姿につい見とれてしまっていた。
「んむ、ジョーってばかっこいい、イケゴリ」
ぽ。
頬を染めて照れる杏に、ジョーはポーズを決めて応えた。
「オレ様の魅力が理解できるとハ。猟兵にしては見どころがあるナ」
「でも|お肉《たからもの》隠して独り占めするという、人とも思えぬ所業。許せぬ」
ぎらり。
一転、杏がジョーを睨むまなざしが鋭くなる。お肉は、憧れをも凌駕する、至高の存在なのか。食欲は止められねぇんだ。
「フン、結局は金に目がくらんだカ。いいだろウ、ミンチにしてやル!」
「お肉……!」
ゴゴゴゴゴゴゴ。
火花を散らすジョーと杏。
ちょいちょいっ、と、祭莉が、そんな杏にご指摘タイム。
「アンちゃん、財宝はお肉じゃないみたいだよ?」
「?」
「フンッ、黄金を狙う泥棒メ!」
筋肉を見せつけてくるジョーを見て、祭莉は、ぽむん、と手を打つ。
「あ、コッチがお肉だ。そっか、お肉って筋肉のコトだったのかな?」
「鍛えあげた肉体は、確かに至宝といえるだろウ……フッ」
ゴリスマイルを浮かべるジョー。
さまざまなマッスル的ポージングを披露し、祭莉達の視線を釘付けにしようとする。
だが、祭莉は。
「まいっか。ともかく戦いだー!」
「リアクションが、薄イ……!?」
ジョーは残念そうだった。
「ならば、オレ様も仕事をするまでヨ。ゾルダートグラードの技術力は六国一ィィ!!」
ジョーが背負うアームドフォートが、激しく火を噴いた。搭載された火器類が一斉に、杏へと射出されたのだ。
実弾にビーム。射撃武器の重奏が、廃坑をパーティ会場に変えていく。
爆音の中、悠然と進撃するジョー。ジョーが視線を向けた先、破壊が自動でもたらされる。
砲弾達を防ぐのは、幅広の大剣となった『灯る陽光』だ。展開したオーラが、杏自身はもちろん、大事な足場もガードする。
「反撃しないのカ? このままだとお陀仏だゾ」
大剣で猛攻をしのぐ事に徹する杏に、ジョーが嘲笑を投げつける。その態度は、紳士的とはとても言い難い。
「おっとー、おいらのことも忘れてもらっちゃ困るなー、ってやつ!」
杏が防戦に回る代わりに、祭莉がジョーの前に飛び出した。
ぱちぱち手を鳴らし、鬼さんならぬゴリラさんの注意を引き付ける。
「ええイ、こっちはこっちで……邪魔くさいワ!」
どぉん! 足元への着弾の衝撃に乗って、祭莉はジャンプ。
その背後に、一機のクロムキャバリアが、シンクロするように出現した。
「ごー! たまこきゃばりゃ!」
とお! 掛け声とともにその場でくるり、宙返りした祭莉を、コックピットに受け入れる、たまこきゃばりゃ。
ぎぃん! 光を放つカメラアイ。たまこきゃばりゃが、力みなぎるポーズを決める。
「キャバリアに乗ったくらいデ、調子に乗るナ!」
杏の相手はアームドフォートに任せ、ジョーは掌で胸を叩き始めた。
ドラミング。ゴリラの代名詞ともいうべきそのアクションは、改造獣人から繰り出されることによって、ユーベルコードとしての威力を発揮する。
周囲の全てが振動する。
圧倒的衝撃波が、祭莉へと殺到する。
だが、祭莉の発した雄叫びが、その威力を押し返した。衝撃波がはじけ飛ぶ!
「ノドの調子がいいみたい♪」
「なっ、なんだト!?」
祭莉が交戦する間に、戦況は把握した。杏が動く。
「ん、お願い、メイドさんズ」
呼び出されたうさみみメイドさん達が戦場に散開した。
1人1人は小さい。ジョーがむやみやたらに破壊し、遮蔽物が乱立する状況においては、多数の死角を利用するのに、実に適していた。
杏の指示を承り、各自、ジョーへと接近するメイドさん達。
「ちょこまかと……ウホッ!?」
ゴリラ的な声を上げるジョー。
メイドさん達が物陰から姿を見せたかと思うと、一斉に投擲攻撃を仕掛けてきたからだ。
武器は、散らばっていた小岩。ジョーが破壊の限りを尽くした副産物が、自分に牙を剥くとは皮肉。
怯むジョーだが、すぐに小岩の迎撃を開始。
「ハハハ、こんな子供だましの攻撃でオレ様を倒せると思ったのか?」
瞬く間に、小岩が芥子粒に変わる。
だが、敵の攻撃が迎撃に集中した隙に、祭莉が突撃を敢行した。
たまこきゃばりゃが、ジョーに激突。二者は、がっぷり四つに組み合う。
「これではドラミングが……できン!」
武器も筋肉も封じた。杏もまた、ゴリラ獣人へと接近。
「よし今だ!」
たまこきゃばりゃが、祭莉を解放した。ひゅんと飛び上がった祭莉は宙返り。舞妓さんの姿に変わる。
ひらり、舞わせた扇からの白炎が、突撃する杏の大剣と重なる。
「いっけー♪」
「お命とお肉、頂戴する」
ばきっ!
改造獣人すら凌駕する怪力でもって、杏は大剣を叩きつけた。
ゴーグルが砕け散り、つぶらな瞳が露わになった。
「このオレ様が力で負けタ……!? 馬鹿ナ馬鹿ナ馬鹿ナッ……!!」
ずぅん……。
重く、長く響く轟音を伴い、デスペラード・ジョーが倒れ伏した。
その敗北を解除キーとするように、隔壁が解放されていく。
再び現れた財宝、猟兵によって眠りより目覚めたその正体は、金塊であった。ジョーが口を滑らせたとおり。
実にわかりやすい宝物であった事に安堵しつつ、それらはグリモアベースへと回収された。
一部は、猟兵の報酬として。そして大半は、ゾルダートグラードに抵抗する獣人達の活動資金として分配されることになるのだろう。
敵には損害、猟兵と獣人達には利益。申し分ない戦果だった。
大成功
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