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銀河帝国攻略戦㉗~帝国の創始者

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #オブリビオン・フォーミュラ #銀河皇帝

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●落日を前に
 かつて、銀河帝国は宇宙を支配していた。
 果てしなく広がる星の海をその手中に収め、しかし今や解放軍に押されて支配領域はそれに比べ僅かなもの。
 その艦内にいるのはただ一人、銀河皇帝。
「――銀河帝国は、我一人から始まった」
 一人、呟く。
「オブリビオン・フォーミュラとなり、この世界に蘇った時も我は一人であった」
 そう、それはかつてと同じ状況。
「銀河帝国が巨大になるにつれ、多くの配下が付き従うようになったが銀河帝国の本質は変わっていない」
 多くを束ねあげ、全宇宙を支配し、それ以降も変わらなかった本質。
「我一人がいれば、それが銀河帝国なのだ」
 増援として参じた配下は既に、自身のエネルギーへと変えた。
 たった一人、彼のみが銀河帝国そのものであり、最強なのだから。
 銀河皇帝は一人待つ。土足で領地に踏み込まんとする猟兵に銀河帝国最強の威を示すために。

「さあ、遂に『銀河皇帝』との決戦だ」
 クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)がそう切り出した。
「銀河皇帝は増援として駆けつけた配下を吸収し、自らの力とした上で猟兵達を迎え撃とうとしている」
 下手に配下の力に頼るより、自分の力を高めて戦う方が勝率が高いと考えたんだろう、とクーナは推測を口にする。
「ちなみにインペリウム内への解放軍艦艇のワープ突入はできていないし、仮に戦艦が全力砲撃しても外から破壊するには一週間以上かかるだろう」
 スペースシップワールドの艦隊も最善を尽くしてくれているが、それでもカタストロフ開始に撃破が間に合うかは分からないのだと、クーナは言う。
「だからカタストロフの確実な阻止は、転移でインペリウム内に侵攻が可能な『猟兵』達の活躍にかかっている」
 この世界を守る為に力を貸してほしい、そう言ったケットシーは説明を開始する。
「銀河皇帝は艦内の全てを掌握している上、転移による奇襲攻撃が可能なんだ。つまりキミ達がインペリウムに転移しても向こうが確実に先制攻撃を仕掛けてくる」
 その攻撃に何とか対処した上で反撃し、撃破して欲しいのだとクーナは言い、
「攻撃については……銀河皇帝は銀河最強の超能力者で、その能力をフルに活かして超能力と兵器で攻撃してくる。非常に強力な攻撃揃いだけど、必ずどこかに隙はあるはずだ」
 そこまで説明した騎士猫は真剣な瞳で猟兵たちを見つめる。
「……とにかく銀河皇帝は強い。けれど勝てなければスペースシップワールド自体が存亡の危機に晒されてしまう」
 そうさせない為に頑張ってほしい。そう言ってクーナは転移の準備を始めた。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
=============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 銀河皇帝は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
====================
 このシナリオでは銀河最強のサイキッカーである銀河皇帝と戦って頂きます。
 敵は非常に強力、失敗も十二分にありえます。
 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
 ご武運を。
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第1章 ボス戦 『『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー』

POW   :    マインド・クリエイション
【銀河皇帝を不老としている生命維持機能】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【白騎士と同性能の人型兵器『マインド』】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    フォース・インベイジョン
【銀河最強のサイキックエナジー】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【意志とユーベルコードを奪う洗脳念波】で攻撃する。
WIZ   :    ワープドライブ・ペネトレーション
【外宇宙から、知られざる『黒き槍の船』】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑14
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●唯我独尊
 インペリウムへと転移し、猟兵達は艦内を走る。
 この場は敵地、いつ銀河皇帝が転移し襲撃してきてもおかしくない状況だ。
 そして不意に、誰も目を離してもいないのに突然黄金の姿が現れる。
 背に巨大な装置を背負い、全身から溢れ出す息も詰まるような威圧感。
 この場にいる猟兵の誰もが悟った。
 このオブリビオンこそが間違いなく、銀河帝国最強の存在なのだと。
春日・釉乃
不可視の『黒き槍の船』…けど、あたしの【求道の聖刻】ならっ
眼に見えないし、知覚できない攻撃だろうとこのあたしの身体に触れた瞬間に捕えることができる!

あたし自身をトラップにすることで、銀河皇帝の先制攻撃が身体の刺青へ触れた瞬間に【求道の聖刻】の効果で『黒き槍の船』を捕縛・封印してみせるね

あとは[ダッシュ][空中戦]にて機械鎧『鶴姫』のプラズマジェットで銀河皇帝に吶喊!
そして愛刀の『白雲去来』による[カウンター]攻撃!
[早業][鎧無視攻撃]で相手を一刀両断にするよ!

この世界の明日の為に…銀河皇帝、あなたを討つ!



「この世界の明日の為に……銀河皇帝、あなたを討つ!」
 銀河皇帝の圧に圧されることなく、白雲去来を抜き放った春日・釉乃(”CHIPIE”・f00006)が銀河皇帝に宣言する。
 一方の皇帝は何の感情も抱いていないかのように、ただ目の前の人間を見ていた。
(「不可視の『黒き槍の船』……けど、あたしの【求道の聖刻】ならっ」)
 彼女のユーベルコードは躯に刻まれしタトゥーが発光し浮上、それに触れたモノを捕縛するというもの。だから衝突でそのタトゥーに触れたのであれば不可視の攻撃でも捕える事ができるはず。
 ただ一つ、計算違いだったのはその勢い。
 触れて、それを察知した瞬間発動しても僅かなタイムラグがある上、捕縛されたからと言ってその瞬間に慣性がゼロになるわけではない。
 その間にその衝角はどれだけの距離進むのだろう。
 結果、釉乃は激しく弾き飛ばされた。衝撃に口から血が零れるがまだ闘志は消えない。弾き飛ばされ空中にあるまま武者甲冑型の機械鎧から噴出するプラズマジェットで強引に体勢を整え、銀河皇帝に突貫。
 合口拵の太刀が銀河皇帝の頸を狙うが、
「遅い」
 生命維持装置を盾に、その刃を銀河皇帝は防ぐ。体勢を崩されたラグがなければ、或いは十全な状態で吶喊できれば間に合ったかもしれない。
 けれど、この瞬間、それは果たされなかった。
 釉乃の肩に強烈な衝撃。再召喚された黒き槍の船の攻撃と理解した時にはもう、皇帝が視界から消える程の速度で吹き飛ばされていて。
 体勢を整える間もなく彼女は隔壁に叩きつけられ、意識を失った。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ヴェスター・アーベント
目的/銀河皇帝の撃破
「その輝きは他者を踏み躙る輝き、悪しき光は漆黒の闇で塗り潰してやる…」

対先制攻撃/皇帝と呼び出される人型兵器マインドの攻撃を聖剣と魔剣の二刀で『武器受け』し切り払いながら斬り込んでゆく。
「白騎士では、漆黒の騎士には勝てん…」

戦術/UC【聖魔二刀流】で攻撃
2対1に対応する為、重視は攻撃回数。
『怪力』を以って振るう攻防一体の剣技。 二刀の『武器受け』で攻撃をいなしながら、『鎧砕き』の暗黒を纏う剣で斬りつけて『吸血』し『生命力を奪い』受けた傷を癒しながら敵を倒すまで戦う継戦能力と破壊力に長ける戦術。
2対1、マインドは未来を読む、ならば二刀同時斬撃で2人を同時に攻撃しそれを超える。



「その輝きは他者を踏み躙る輝き、悪しき光は漆黒の闇で塗り潰してやる……」
 銀河皇帝の恐ろしい圧。後光にすら見えるその姿は、騎士であるヴェスター・アーベント(漆黒の騎士・f09560)にとって滅ぼさねばならぬもの。
 皇帝の生命維持機能が動作を止め、同時に人型兵器『マインド』が主君に侍る騎士の様に姿を現す。
「斬り捨てよ」
 皇帝の言葉にマインドは左に刃を展開、ヴェスターへと斬りかかる。
「白騎士では、漆黒の騎士には勝てん……」
 それを受けるのは地を啜る魔剣、即座に逆から切り返された刃を父の形見の聖剣で受けた漆黒の騎士は魔剣をマインドへと振るい、その膂力を乗せた一太刀を刻み、白の装甲を砕く。
 即座に皇帝へと距離を詰め斬りかかろうとするが、マインドはそれを許さない。踏み込もうとした足、その位置を刃で切り払う。即座に飛び退いた為足は守られたが肝心の距離は遠いまま。
 そして数合、漆黒の騎士と白木氏は切り結ぶ。
 数の不利に対し、二刀流で手数を補うのは状況によっては有効に作用するだろう。
 だが、今回相手にするのはいずれも圧倒的強者。一つの体で両者を同時に対応するには聊か厳しすぎた。
 さらに銀河皇帝自身はマインドの後方、距離を取っているため同時に攻める事も難しい。
 魔剣がマインドへと何度目か命中する。けれどヴェスターの方も既に満身創痍。その上、切り結んでいるマインドはあくまで兵器、血を流さず生命力を奪う事も難しい。
 何とか活路を見出そうと、ヴェスターがその二刀を強引に振るう。。しかしマインドはその軌道を読んでいた。魔剣を切り払うと右のレーザーを至近距離から放ち、ヴェスターを貫きその意識を刈り取った。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

大神・零児
最初はできるだけ「目立たない」よう気を付け、「第六感」「野生の勘」で防御や回避のタイミングを「見切り」ながら「残像」を伴う「ダッシュ」で縦横無尽に動き回る

攻撃は「オーラ防御」「武器受け」で防御

皇帝とマインドが一直線に並んだ時、UCの条件を満たすなら「第六感」「野生の勘」でUC発動タイミングを「見切り」、自らが囮と悟らせぬよう「だまし討ち」ぎみに「カウンター」でUC発動

攻撃が当たった時は少なからず気が緩むだろうからな

大神の始祖は皇帝とマインドの直線に対し平行になるよう配置


召喚された瞬間に始祖自身に「念動力」も使い「残像」を伴う程の超高速の「ダッシュ」から繰り出される「衝撃波」で二体に「2回攻撃」



 マインドは尚止まらない。
 残像すら見える速度で駆ける大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)へと狙いを定めると、右のレーザーで狙い撃つ。数発はどうにか見切り速度を活かして躱すが、やがて一発が足に命中すると、体勢を崩した所に追撃のレーザーが降り注ぐ。
 オーラを全力で展開し、魂喰と黒鞘で受けようとするが数発直撃を受け既にボロボロだ。
 しかし、位置だけは丁度いい。自身に狙いが定められた時点で零児はこの位置、自分と皇帝、そして銀河皇帝が一直線に並ぶ位置になる位置まで走っていたのだから。
 攻撃命中直後のだまし討ち、勘がこのタイミングが最善だと叫んでいる。だから零児は始祖召喚を発動。
 零児の瀕死という条件を満たし、銀の巨狼が召喚される。狼は一つ吼え、マインドへと加速、念動力も使ったその突撃は衝撃波を発生させ――
「温い」
 皇帝は一言だけ。
 マインドが巨狼の突撃に合わせ、進路正面に立ち塞がり刃を振るう。オーラを展開して尚、深々と銀狼は斬り裂かれる。
 それでもまだ終わってはいない。銀狼は足にぐっと力をこめ、念動力も重ねてで再加速。
 目の前のマインドに体を押し当て、眼前の兵器ごと皇帝まで一気に押し込む。
 けれど、そこまで。
 マインドが皇帝の寸前に来た時点で銀狼の体力も限界を迎え、その場に崩れ落ちる。同時に、瀕死の状態で召喚を維持していた零児の集中力は途切れ、闇へと意識を手放した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

西院鬼・織久
【POW】
呼称:ベリザリオ(f11970)と共闘
我等自身の苦痛と血肉もまた怨念の糧となる
存分に喰らい喰らわれ死合うとしよう

【戦闘】
「第六感」で皇帝のマインド発動の前兆を「見切る」
ベリザリオに無敵城塞の合図
城塞が展開中「怨鬼解放」、「怪力」でベリザリオごと皇帝に「ダッシュ」で突撃
城壁の解除に合わせマインドの「カウンター」として「殺意の炎」で周辺ごと焼き払う
炎の延焼は止めず「戦闘知識」と「第六感」で炎の不自然な揺れから敵の存在や行動を「見切る」
「影面」からの「二回攻撃」で「なぎ払い」で牽制
または「影面」の爆破に合わせ「ダッシュ」の勢いを乗せ「串刺し」
負傷箇所を狙って「二回攻撃」で「傷口をえぐる」


ベリザリオ・ルナセルウス
●目的
織久(f10350)を守る
織久は元々傷付く事を前提にした戦い方をする
だが強敵を前にして命すら度外視するのは見逃せない

●戦闘
織久の合図でマインドに対して【無敵城塞】を展開
織久を城塞の中に入れて守り、皇帝の眼から隠す
【覚悟】と【祈り】を集中して守る
織久が城塞の中で準備を済ませたら城塞を解除
マインドや洗脳は【覚悟】を決めて【オーラ防御】【呪詛耐性】で耐える
私を攻撃している間は多少なりとも織久への意識が薄れるかもしれない
【武器落とし】で相手の武器を狙うように攻撃を狙って盾と剣で受け【鈴蘭の嵐】の花弁の動きを頼りに船を撃破する
織久を守りながら【生まれながらの光】で癒して全力で動けるようサポートする



 次の標的は自分達――第六感でそれを悟った西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)は、ベリザリオ・ルナセルウス(この行いは贖罪のために・f11970)へと視線をやる。マインドが駆け出し、その刃を振るう前にオラトリオの青年は織久の前に進み出て純白の盾で受ける。オーラも合わせかろうじて防ぎ、そして次が来る前に超防御モードを取ることに成功する。次の刃が振るわれるが、べリザリオはマインドの攻撃をシャットアウト。
 更に至近からのレーザーが放たれようとする中、べリザリオは背後の織久を思う。彼は常より傷付く事を前提にした戦い方をする。
 だけれど、
(「強敵を前にして命すら度外視するのは見逃せない」)
 それが彼の動機。危うい彼を守り抜くという覚悟と祈り。それは強烈なマインドの連撃を凌ぎ切るのに十分な効果を発揮した。
 そして織久は、禍魂に宿る念を解放して荒ぶる怨鬼へと姿を変え、動けぬべリザリオを盾にその怪力でマインドを皇帝まで押し込まんとする。
 当然マインドもスラスターを吹かして抵抗するが、べリザリオの守りを破れない。織久を直接狙おうにも体勢の悪さで彼を止めるような威力の攻撃を当てる事も困難。
「我等自身の苦痛と血肉もまた怨念の糧となる」
 ――存分に喰らい喰らわれ死合うとしよう。黒衣のダンピールに見えるのは、ただ眼前の討ち滅ぼすべきオブリビオンだけ。
 そしてほんの一瞬。マインドの攻撃が途切れた瞬間を計り、ベリザリオが城塞を解除。マインドの武器を誓いの剣で払い、それに合わせ――織久が殺意の炎を発動しようとした。
 だが、そこに生じる隙をマインドは見逃さない。織久の力の緩んだ一瞬、まるで未来でも見たかのような正確なタイミングで体を翻し、急に抵抗の消えた事でバランスを崩した二人をレーザーで撃ち抜く。
 至近距離からのレーザーで、二人が受けた傷は深い。だが織久は苦痛を無視しながら殺意の炎で周囲を焼く。けれど、銀河皇帝がうっとおしそうに手を振ると、念動力で彼の周囲から炎が押しのけられてしまう。
 だが、まだだ。織久は諦めず影面でカウンターを狙う。けれど、その前に白の騎士が黒衣の鬼を斬り裂いた。
「織久……!」
 痛みに耐えながら、せめて織久だけでもと生まれながらの光で治療しようとする。けれど、それすらも発動前に不可視の衝撃に妨害されてしまった。意識を手放す前、ベリザリオの瞳に映った黒の炎の奇妙な揺らぎはそこに黒い槍の船が存在を如実に示していた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

中村・裕美
「……洗脳のユーベルコード…使い手だからこそ……対策は…心得ている」
【催眠術】や【気合】あたりで精神防御を試みるつもりだが、その努力はブラフ。裕美が洗脳念波に耐えきれなくなった所で、もう一人の人格『シルヴァーナ』に変更し、【騙し討ち】
「裕美一人では耐えられなかったでしょう。でも、わたくし達は一人ではありませんもの」
【切裂姫】で素早い動きにて斬り刻み、味方が攻撃した後であれば、その箇所めがけて【傷口をえぐる】
「一人で始まったとして、一人のままが強い…とは言い切れませんわ。そのことを、その身に刻んで差し上げますわ」

裕美は「…」が入る辿々しい喋りだが、シルヴァーナはお嬢様口調です



「次は来ぬのか?」
 黒く焦げた床に立ち、周囲を見やる銀河皇帝。その言葉に、惨殺ナイフを構えた中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)が駆け出す。
(「……使い手だからこそ……対策は……心得ている」)
 同系統の効果のユーベルコードをもつ故に、洗脳念波への対抗手段は考えついている。
 ただの少女にしか見えない、けれど猟兵ではあるからには油断もなく、銀河皇帝は裕美を冷たい視線で捉え、催眠念波で行動を支配する。裕美が予め自身にかけておいた催眠術も気合も、銀河最強の力には風前の灯。それすらもすぐに吹き消され、足は歩く程度の速さ、腕はだらりと下げられた状態となる。
 完全に無力化した。そう判断した皇帝は、裕美自身の胸にナイフを突き立てるよう念波を送り、他の猟兵へと注意を向ける。
 しかし突然、皇帝が視線を外した瞬間に裕美は跳躍、一息に距離を詰めると銀河皇帝の背に惨殺ナイフを突き立てそこから素早く切り刻む。皇帝は少し顔を歪め、背後の裕美に思念を飛ばすが、既に距離をとられていた。
「裕美一人では耐えられなかったでしょう。でも、わたくし達は一人ではありませんもの」
 普段の弱気さは消え去り、ここにいるナイフを構える彼女『シルヴァーナ』は勝気なお嬢様のよう。多重人格者であるからできる対抗策。
「一人で始まったとして、一人のままが強い…とは言い切れませんわ。そのことを、その身に刻んで差し上げますわ」
「……少々侮りすぎたか。ならば、見せてもらおう」
 抑揚なく淡々と、銀河皇帝は呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルヴィリア・ダナード
こんな星がキラキラ素敵な場所を壊すなんてしないで
平和に解決してみようなんて思わないのかな。
少しでも思ってくれたりしない、かな?
終わってからでも聞いてみたいね。

物騒なものを召喚しちゃってまぁ、勿論だけど全力で逃げるわ!
私のなけなしの第六感を全力で働かせる。
あとはカミサマだのみ、なんて効果あるかしら…?
なんて冗談っぽい本音も混ぜつつ、逃げ切れないければメリーさんの影に隠れて武器で受けて凌ぐ。

もう、怒ったんだから!
皇帝だかなんだか知らないけれどやられたらやり返すのが私の信条なの。
ということでミレナリオ・リフレクションでそっくりそのままお返ししてあげる。
あなたがやったことちゃんと悔い改めて!



 こんな星がキラキラ素敵な場所を壊すなんてしないで、平和的に解決できないのか。
 ルヴィリア・ダナード(嘘つきドール・f01782)はそう問おうと考えていた。より争いの少ない方に収めようとするのは彼女のやさしさ故か。
 けれど、銀河皇帝の瞳を見た瞬間悟ってしまう。この強烈な意志はそんな解決をを許しはしないだろう、と。
 同時に、第六感が危険を告げる。
 見えはしない、けれど黒き槍の船が召喚されたのだろうと理解した。
「物騒なものを召喚しちゃって!」
 くるりと反転し、ルヴィリアは走り出す。その直後、彼女のいた場所の床が派手に砕け散る。
 なけなしの勘をフルに働かせ、逃げる彼女を見えない何かが追尾してくる気配だけがある。
「あとはカミサマだのみ、なんて効果あるかしら……っと!」
 冗談のようにも聞こえるが、聖職者の彼女にとっては本音である。船の速度は早く、そう経たぬうちに壁際へと追い詰められる。辛うじてアイアンメイデン『メリーさん』の影に隠れ凌ぐルヴィリアに、やがてふつふつと怒りが湧いてくる。
「もう、怒ったんだから!」
 相手が皇帝であろうとやられたらやり返すのが私彼女の信条、ユーベルコードを発動し、今彼女を襲っている不可視の黒き槍の船と全く同じ物を召喚。正面衝突させて相殺した。既に見た事がある為、再現に何とか成功したのだ。
 銀河皇帝も流石にそれは予想外だったのか、少しだけ表情に驚きが見える。
「あなたがやったこと、ちゃんと悔い改めて!」
 ミレナリィドールの聖職者は色白の指で皇帝を指し、そう言い放った。

成功 🔵​🔵​🔴​

キギ・レインメーカー
この世界にはまだ興味があるんでね、潰させる訳にはいかないよ
【行動方針】
スペースシップワールドの「世界知識」を基に「迷彩」の精度を上げて「目立たない」様にする。いくらワープドライブでも見つからなければ狙いづらいはず…
「毒使い」で触覚と視覚の機能を失わせる事を目的とした毒を予め用意して「零れる雨」で周囲に降らせる
「高速詠唱」「2回攻撃」で絶えず「零れる雨」を持続、見えなくても広範囲に降らし続ければ船には当たるんじゃないかな
狙われるようなら「逃げ足」で回避
雨のおかげで発生の瞬間は見つけやすいだろうし少し避けやすい筈
俺の目的は「時間稼ぎ」、攻撃らしい攻撃は誰かに任せるよ
【その他】
連携、アドリブ歓迎


シャルロット・リシュフォー
艦内に居るだけで恐ろしい程の存在感です…
これが銀河皇帝、きっと私一人では何もできません
――でも、せめて一太刀。一緒に戦う仲間の為に!

潜伏・奇襲狙いは無意味
なら突入後は常に声を発し歌い続けるです
勇気の出る勇ましい歌が良いですね!
私は歌い手だから
音の反響で気配を探る程度の事はできます!(【歌唱】【第六感】)

皇帝の出現を察知したら、不可視の黒槍艦を警戒して
歌による探査に集中しますですぅ
目に見えなくてもそこに『在る』なら必ず音を反射か吸収するです!

黒槍艦を見つけたら必死に回避しつつ
【ハーモニックワールド】を起動です
持てる技術を全部使って皇帝に斬りかかりますっ
「シャルロット・リシュフォー、参ります!」


エルシー・ナイン
「帝国製ウォーマシンのワタシが、こうして皇帝陛下と対峙することになるとは思いませんでした。せめて臣として、陛下の暴走を止めさせて頂きます」

人型兵器『マインド』が生み出されたら、その攻撃を【見切り】、【残像】で回避します。避けきれないようなら【覚悟】を決めて【オーラ防御】【拠点防御】で耐えきります。

初撃を凌いだら出し惜しみは無しです。

【範囲攻撃】で【LC式全武装一斉射撃】を放ち、マインド諸共皇帝陛下にブラスター、ガトリング、ミサイルを【一斉発射】して攻撃します。

もし継戦できる余裕があれば【援護射撃】で他の猟兵を支援しますが、そこまでの余裕があるかどうか……。今回は一撃当てられれば上出来ですね。



 そして黒き槍の船が相殺されたと同時、三人の猟兵が動き出す。
 歌声が戦場に響く。勇気の出る、勇ましい歌を歌い続けるのはシャルロット・リシュフォー(歌声アステリズム・f00609)。
 水晶の共振で拡声される彼女の歌声は、猟兵達に勇気を与える。
(「艦内に居るだけで恐ろしい程の存在感です……」)
 シャルロットが転移してずっと懐き続けていた感覚は今や全力で警告を鳴らしている。
 これが銀河皇帝、きっとシャルロット一人では何もできない。そんな圧倒的な存在。
 それでも歌はやめない。橙の瞳を逸らさない。
(「――でも、せめて一太刀。一緒に戦う仲間の為に!」)
 そんな彼女に並走するかなり大柄な女性はエルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)。
(「こんな形で皇帝と対峙するとは思ってもいませんでしたね」)
 帝国製ウォーマシンである彼女がかつての主君に銃を向けるとはなんという因果か。
 けれど、目の前にいるのはオブリビオン。過去の存在である。
(「せめて臣として、陛下の暴走を止めさせて頂きます」)
 決戦仕様のその重装甲、大火力の砲を構えその挙動を見落とさぬようゴーグルに意識を集中させ、携行ガトリングガンの引き金を引く。
「この世界にはまだ興味があるんでね、潰させる訳にはいかないよ」
 霧がかった外套に迷彩を施すことで目立たぬようにしていたキギ・レインメーカー(オラトリオの探索者・f02371)がフラスコに蓄えられていた怪しい液体を杯へと移し替え、
「みんな、巻き込まれないでね」
 その言葉と共に、雨が降り始める。宇宙で、艦内でもあるのに降り始めた雨は毒の雨。床を、そして再召喚された見えない船の装甲を雨粒は叩き、その輪郭を浮き上がらせる。
 広範囲に降らせるその雨は銀河皇帝も射程に収め、視覚と触覚を徐々に失わせていく毒の雨。
 けれど、銀河皇帝もさる者。感覚を鈍らせながらも的確に黒き槍の船を操作し、雨を降らせているキギを狙う。
 しかし、雨で大体の位置と姿が分かるならば幾分かは逃れやすくなっている。逃げ足で不可視の船の突撃を回避しつつ、彼は雨降らしと時間稼ぎに専念していた。
 なぜなら、攻撃は仲間に任せているのだから。
 彼に気を取られている隙に、シャルロットが銀河皇帝へと距離を詰めていく。歌声の反響で黒槍の船の位置を把握しようとしていた彼女は、雨粒の音も利用し船の位置を把握していた。そしてキギを追尾し皇帝から十分離れた瞬間を狙い、毒の雨を掻い潜って飛び込んだのだ。
「大地と星と祈りの名において! 世界よ、私に共鳴して!」
 祈るようなシャルロットの叫びと同時に、小ぶりな金と銀の双剣に属性が宿る。
「シャルロット・リシュフォー、参ります!」
 クリスタリアンの少女が皇帝に斬りかかる。魔法を宿す刃の波状攻撃、そして唇より紡がれる浄化の歌声により、皇帝の動きが停止した。
 そしてエルシーは、その瞬間を逃さず一斉射撃の構えをとる。身動きが取れない銀河皇帝はマインドを呼び出し彼女へと斬りかからせる。けれど毒の雨の影響かはたまた連続で強烈な衝撃を受けた事によるものか、僅かに動きは鈍り動きが分かりやすくなっている。それを上手く見切り、スラスターを吹かせマインドの攻撃をエルシーは回避。そして、
「マルチプルミサイル、ロック解除。ブラスター、ガトリング照準セット……対象を完膚なきまでに殲滅します」
 シャルロットは既に範囲から外れている。なら、出し惜しみなし、決戦仕様の全火力。
「オールウエポン、フルファイア!」
 一斉に、解き放つ!
 連射モードのガトリング、腰部ミサイルポッド、そして大型のブラスターの広域制圧用の暴力の嵐を皇帝は回避しようとしたが、範囲が広すぎる。ならばマインドを動かし砲手を止めようとレーザーを撃たせる。
 けれどエルシーは避けない。
 今回は一撃与えられれば上等、なら躱す為に動くのではなく、覚悟を決め防御し砲撃を継続することが役割と判断したからだ。オーラを展開しかつ弾薬を使い切った武器でレーザーを防ぎ、残りの全てを銀河皇帝へと撃ち切った。
 程なくして破壊の嵐により立ち上った煙が晴れる。
 けれど、それでもなお銀河皇帝はそこに存在していた。
 無傷ではない。片膝を付き、明らかに消耗している様子。
 しかし、その目はまだ勝ちを諦めていない。完全に消滅する時まで猟兵と戦い続ける意志が、そこにはあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

浅葱・シアラ
友達のリコリス(f02296)と一緒に戦うよ
戦争を終わらせるカギ……銀河皇帝、あなたを倒すこと……!
スペースシップワールドの世界を救うために、シアたちは戦うよ!


使用するユーベルコードは「地獄蝶」
銀河皇帝から放たれる先制攻撃となる「ワープドライブ・ペネトレーション」を防ぐために、シアの身体から呼び出した地獄の炎で作られた蝶々達をシアの身体の周りに沢山飛び回らせるよ

発見しづらいなら、目視をやめて、シアの身体全体を守っちゃえばいいよね


先制攻撃の防御に成功したら、リコリスと連携して反撃するよ
リコリスの攻撃を手伝ったり、彼女に迫る攻撃を防いだりするよ!


リコリス・ミトライユ
シアラさん(f04820)と一緒に行きますね。
この人が、原因なのなら、あたしたちで止めて見せるしかない、ですねっ!
一人じゃ怖くて立てないけれど、お友達と一緒なのなら、きっと出来るはず、です。

シアラさんに一瞬でも気を取られたのなら、接近する隙があるはず!
見られちゃいけないなら、そのあたりのがれきとかも盾にできる……はずですし。

まずはシアラさんの近くでくっついてる、蝶を踏んで浮かせてもらって、
そこからは【スカイステッパー】で跳躍して、視線に入らないように、
他のものを盾に接近していきますね。

皇帝のそばまでいければ、リーチ的には届きます!
拳のほうが早いですし!
顔面に、拳を叩きこみます!



 ふたりの猟兵が前にでる。
 戦争を終わらせるカギは銀河皇帝を倒す事。フェアリーの浅葱・シアラ(黄金纏う紫光蝶・f04820)はそれをしっかりと認識していた。
 けれど本来引っ込み思案で泣き虫な彼女には少々重荷であるかもしれない。
 そして、リコリス・ミトライユ(曙光に舞う薔薇・f02296)の心にも不安がある。目の前にいるのは圧倒的な存在、一人では怖くて立てない程の相手。
 けれども、友達が一緒にいるのであれば。
「きっと出来るはず、です」
 リコリスの言葉にシアラは過剰な緊張を緩める。そして、その手の胡蝶蘭の如き華やかな魔法剣を銀河皇帝へと向け、
「スペースシップワールドの世界を救うために、シアたちは戦うよ!」
「この人が、原因なのなら、あたしたちで止めて見せるしかない、ですねっ!」
 リコリスもシアラに続けて構えをとる。
「どれ程か、見せてみよ」
 銀河皇帝がそう言った瞬間、何かの気配が生じる。これが不可視の黒き槍の船だろう。
「お父さん、お願い、シアを守って……!」
 その言葉と共にシアラの周囲に黄金の色をした地獄で形作られた蝶の群がシアラの体より出で舞い始める。不可視の船であるなら視認を諦めて周囲全体を覆えばいいと考えたのだ。
 実際それは効果を発揮、死角から突撃してきた船に蝶が触れ、他の蝶も一斉にその船に殺到し相殺した。
 その瞬間リコリスは飛び出す。狙うのは銀河皇帝本人。
 瓦礫などは周囲にあるが、銀河皇帝の周囲には身を隠せるような大きさの物はない。それにリコリスの戦闘スタイルではどう頑張っても銀河皇帝に接近しなければならない。
 シアラが展開した地獄の蝶がリコリスの眼前を舞う。それを足場として跳躍、更にスカイステッパーにより空中をインラインスケートで蹴って跳び跳ね、銀河皇帝の視界に入らないよう高速で移動する。
 そして後方に回り込み、最後のステップで銀河皇帝へと一直線に加速。殴り難くはあるがこの距離ならこちらが速い、そうリコリスは確信しレザーグローブに包まれた拳を握り込む。
 だが、皇帝は前に大きく足を踏み出す。急な移動に即座には対応できず、地面へと一旦着地し殴りかかろうとするが、その時に見上げた皇帝は、此方を見ていた。
「ッ、リコリス!」
 シアラの声が遠い。そもそも何のためにここに来たんだったっけ。意志を奪われだんだん色々な感覚が曖昧になってくる。
 リコリスが銀河皇帝に見られたと判断した瞬間、シアラは魔法剣を収め代わりの金炎魔杖へと意識を集中、銀河皇帝へと全力の魔法を放つ。
 皇帝は一瞬其方に意識を取られ、防ごうとする。意識が逸れた事で洗脳念波が不完全に終わったのか、リコリスは意識を取り戻す。
 その時間は数秒程度、けれどそれだけで、どうしようもない不快感とふらつく感覚が体から抜けない。このままでは戦闘続行も不可能と判断したリコリスは、全力魔法により生じた爆風に紛れシアラの近くまで一気に後退した。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

緋月・透乃
いよいよ皇帝だね!
二大巨頭もなかなか強敵だったけれど、それ以上なんだよね!楽しみだね!

マインドにまともに付き合っていると皇帝どころではなさそうだね。
UC一発入れる間だけなんとかどかしてみよう。
まずはすぐに皇帝に向かってダッシュで接近!
多分マインドは行く手を阻むようにでてくると思うから、そのままぶつかって掴みかかって怪力でなんとか投げ飛ばして、皇帝までの道を空けたいね。
上手くいったら皇帝へ向かって再び猛ダッシュ!
後ろからマインドの攻撃がくるかもとか考えずに、気合いで耐えると意気込んでダッシュ!
重戦斧を握ってこいつで攻撃すると思わせるような構えでダッシュしてそのままの勢いで罷迅滅追昇をぶちこむよ!



「いよいよ皇帝だね! 二大巨頭もなかなか強敵だったけれど、それ以上なんだよね!」
 どこまでも楽しそうなのは緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)。その手の重戦斧を握りしめ、強敵との戦いに胸を躍らせる。
 彼女に対応すべく、銀河皇帝は生命維持機械を停止させ、マインドの封印を解く。白騎士が皇帝を守るように透乃の前に立ちはだかる。
 彼女はそれを確認し、真っ向からダッシュで突撃する。マインドにまともに付き合えば皇帝相手どころではない、そう考えた彼女はマインドに掴みかかって、自慢の怪力で投げ飛ばして隙を作って捨て身覚悟で銀河皇帝に一撃喰らわせてやろうとの結論に至ったのだ。
 だけれど、それは少々認識が甘い。
 未来を見るかのような正確な演算を行う白騎士、それと同性能のマインドがその程度見切れないはずが無いのだ。
 腰を落とし、掴みかかってくる透乃にそマインドは刃を振るう。刃を持つ腕を掴み怪力で抑え込もうと一瞬考えるがこの速度では無理。かといって無策なら致命傷だろう。そう判断し、即座に緋月を盾にして斬撃を防いだ。
 しかし次の瞬間、マインドより放たれたレーザーが透乃の体を撃ち抜く。気合で耐えようにもこれだけの深手ではカバーできる限界を超えていた。
 目の前の強敵に一太刀入れられなかった無念を抱きつつ、透乃の意識は闇へと落ちた。

失敗 🔴​🔴​🔴​

シーザー・ゴールドマン
【POW】
>先制攻撃対策
真紅の[オーラ防御]を全開、これだけでは防げないだろうが防御を貫くまで刹那の間は稼げるはず。
その間に[第六感][見切り][戦闘知識]を活かして反応、攻撃を回避或いは受け流す。
>戦術
初撃を凌いだら『シドンの栄華』を発動。
<破壊の魔力>を纏ったオーラセイバーを振るい銀河皇帝を斬ります。
攻撃面は先制攻撃、怪力、鎧無視攻撃、2回攻撃、フェイントを活用して
防御面は第六感、見切り、カウンターを活用
傷は<創造の魔力>で癒し、オーラ防御は<維持の魔力>で強化

「皇帝陛下、君は最強の超能力者かもしれないが戦士ではないな。
 黒騎士の方が手強かったぞ」

アドリブ・連携歓迎


シャノン・ヴァールハイト
他参加者との連携やアドリブ歓迎

当方は、左手に剣を持ち、右手にナックルガードを装備して戦う。
先制対策
【POW】:『武器受け』で、可能な限り横に受け流しにいく。
【SPD】:意思を奪われる僅かな間に口の中を噛み切るか、剣で左腕を刺すなどして抗う。
【WIZ】:『怪力』と『武器受け』を利用して可能な限り防ぐ。

後は、前衛として味方の援護を『激痛耐性』と『武器受け』の二種の技能を使用して守りながら接近する。
味方が別方向から奇襲を行ったならば、意識が一瞬でも逸れたのを利用し、技能値100以上の『怪力』任せの脚力で一気に踏み込んでUCを叩き込む。
その顔、カートゥーンみたくペラペラにしてやると言う気持ちで•••



 マインドは他の猟兵へと視線を向ける。その先に居たシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)とシャノン・ヴァールハイト(死者の声を聞き、招く者・f10610)は迎撃態勢。。
 シーザーはその身に纏うスーツによく似た真紅のオーラを前進に纏い、ほんの僅かの時間耐える事を選ぶ。それ自体は貫通されるだろう、けれど勘や見切り、そして戦闘知識を活かせば少しは回避できるとの算段だ。
 そしてそれは何とか成功。それと同時に横合いからシャノンがマインドにだ吟の剣を振るう。それを回避する為一旦バックステップで距離を取ったマインドは、標的をシャノンへと変更、その刃を振るう。
 シャノンはというと、腰より取り出し右手に装着したナックルガードでマインドの刃を受け、自身の体から離していくように太刀筋を流す。
 返す刃は左の堕銀の剣で受ける。相当な力で刃は押し込まれるが、シャノンの力も相当なもの。レーザーが続けて放たれるが白騎士の懐に潜り込み右の拳を胴体に叩き込みマインドの体を吹き飛ばした。
「やるな」
 シンプルな銀河皇帝の賛辞。本意かは知らないがその意を汲む余裕もないと、シャノンは再び接近してきたマインドを迎撃する姿勢をとる。
 それだけの時間を稼げば、シーザーの準備も整っている。
「私に勝てるかね?」
 創造、維持、破壊。三柱の魔力で自身を強化し、破壊の魔力を纏ったオーラセイバーを振るう。
 銀河皇帝がマインドを呼び戻そうとするがその前に返す刀で斬り裂く。
 マインドとの交戦で負った傷は創造の魔力で既に塞がっている。真紅のオーラも維持の魔力で強化されそう簡単には抜かれない。
 シーザーによる銀河皇帝への攻撃で一瞬マインドの制御が甘くなった。その瞬間を待っていたシャノンは、全力で脚に力を込め爆発的な加速でマインドを振り切る。そして拳を握り込むと、単純に重い一撃を叩き込む。生命維持機械と念動力でそれを阻止しようとするが、防ぎきれない。
 コレはただの暴力だ、シャノンの呟きと同時に右手のナックルガードが銀河皇帝の顔面にめり込み、皇帝を壁まで殴り飛ばした。
 壁に叩きつけられた皇帝を中心に壁にびしりと罅が入り、その向こうの部屋まで見通しが良くなってしまう。けれど、皇帝は再び立ち上がる・
 流石にカートゥンのようにぺらぺらに、とまではいかないが立ち上がった銀河皇帝の顔には大きな傷が刻まれている。
「皇帝陛下、君は最強の超能力者かもしれないが戦士ではないな。黒騎士の方が手強かったぞ」
「そうかもしれないな」
 端的に事実を述べるようなシーザーの言葉に皇帝はあっさり返す。
 否定する意味もない事だからかもしれない。
 それ以上問うことも出来ぬまま、銀河皇帝は次の攻撃へと移る。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エミリィ・ジゼル
【芋煮艇】で参加

問題は船です
それさえ対処出来れば活路が見いだせます
なにせ船は五感を皇帝と共有しているのですから
そこを乱せば隙が出来るはずです

基本の流れは船の発見>船への対処>隙をついて皇帝に攻撃

開幕にインクシューターの範囲攻撃で周囲に大量のインクを発射
他の方の発見方法も合わせて船の位置を特定
即時、一郷様とコシイ様に伝達します

念のため突撃してくる船を見切りと第六感で回避する準備も

皇帝に隙が出来たら総攻撃開始
UCで巨大ロボに変身し、一斉発射や捨て身の一撃の技能を駆使して
マルチミサイルやロケットパンチを一斉に発射

必ずや皇帝に引導を渡してやりましょう

「ぎゃふんと言わせたるわい!」


バルディート・ラーガ
【芋煮艇】で出撃

周囲に煙幕が満ちたら【這いずる朽縄】で感覚を共有した蛇を落とし、即座に戦場を走らせて周囲を警戒。敵味方問わず目が効かねエ状況下ですが、蛇ってエのは熱を視るコトができやしてねエ。ヒヒヒ。サーチドローンがぶっつかってる敵船を補足したら「コミュ力」でできる限り的確な位置伝達を仲間へ。視覚だけでなく「第六感」も研ぎ澄まし、誰かが危険域と見えたらあっし本体が「ダッシュ」、抱えて「逃げ足」で緊急回避です。

足止めで皇帝サンの動きが鈍ったらそっちにありったけの毒ダガーを「投擲」して「マヒ攻撃」でさらに足止めを援護しますぜ。
後はやっこさんをぶっ飛ばせるよな一撃を、頼みやしたぜエ!


一郷・亞衿
【芋煮艇】の皆で出撃!

必ず先にUCを使ってくるとの事だけど、敵のWIZ技はあくまでも“船を召喚する”って効果、だよね?
なら、防御にUCを使って受ける事は出来ると思うんだ。攻撃は他の皆に任せた!

船の来る方向を全力で探知して貰い、そちらに向かってユキさん(f00919)と共に全力<ダッシュ>!
黒き槍の船をユキさんに攻撃して貰って、動きが抑えられ始めたのを<見切り>つつあたしもUCを使用。
手元に生成した異空間に繋がる鏡を翳し、突撃して来る黒き槍の船そのものを“防御”!上手くいけば永遠に続く鏡地獄にご招待!

“五感を共有”してるなら、船を封じたら驚かせられるかな?
隙あらば横取りした船を逆にぶつけてやる!


ユキ・コシイ
【芋煮艇】の皆と出撃

世界の命運をかけた戦い…これほどの大舞台に立つのは初めて
観客は一人だけだけど…十分。銀河皇帝…貴方の根源を、私の魂の歌で揺さぶってみせる

服の迷彩を起動させ景色に同化
更に皆の塗装攻勢による視覚化と蛇の通知から船の動きを予測し
一郷さん(f00351)と共に船の封じ込めに動く

私は全体に響くよう【The Purple】を歌唱
船の攻撃よりも早く、歌が皇帝に…そして場にいる全ての「船」に届くはず
そして五感を共有している皇帝を幾重もの「歌」に曝し…一時的に、しかし確実に…動きを抑える

さあ、あとは皇帝攻撃班、そして…一郷さん、頼んだよ…!
(その時点で私も無事なら、援護射撃でフォローします)


明石・真多子
【芋煮艇】

タコも姿を消すことができるからね、見えない敵への対処法はバッチリだよ!

対処法はずばり着色しちゃうこと。
まずは『タコ墨』を霧状にして周囲を満たすよ。
タコスミはセンサー類に付着するからカメラは[目潰し]できたはず!
さらに、深海も見通す[暗視]で霧の動きから敵を捕捉するよ!

敵の突撃攻撃には『タコスミデコイ』に[おびき寄せ]るけど、それでもダメなら『触手』と『吸盤ボディ』での[グラップル]で相手にしがみついてダメージを押さえるよ!

奇襲を防いだら今度はこっちの番。
[暗殺]とは不意を打つこと、皇帝に向けてタコスミケンを投げて【軟体忍法墨潜りの術】でワープ。
不意打ちの[なぎ払い]を喰らわせるよ!


エドゥアルト・ルーデル
チーム【芋煮艇】として行動/

やはり皇帝相手ならこれを言わざるを得ませんな…くたばれカイザー!/

索敵用にサーチドローンを起動し上下左右に展開、使い潰すつもりで敵艦にぶつけてやる勢いで索敵させますぞ!/
また敵艦が突っ込んできそうなら【爆撃機部隊】を召喚し、しがみついて【空中戦】【操縦】で回避を行う等避ける方向でござる

味方が敵艦を拘束し終えたら隙かさず皇帝に攻撃開始!明石氏の為にも派手に攻撃し皇帝の目を引きますぞ/
絶え間なく爆撃することで爆風による【なぎ払い】【衝撃波】や閃光による【マヒ攻撃】で足止め、自身も手持ちのライフル、ヌカランチャー、パンジャンドラム等全ての火器を叩きつけてやりますぞ!



 次撃の準備をする銀河皇帝の前に、六人の猟兵達【芋煮艇】が現れる。
 そして銀河皇帝は目の前の敵に向け、不可視の黒き槍の船を召喚した。
 周囲の気配が変わった事を察し、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)がサーチドローンを周囲に展開、縦横無尽に空中を飛び回らせる。それは視認不能の黒き槍の船を索敵する為の物。当然カメラなどで観測できるような存在ではないが、ぶつかればそこに存在しているという証明になる。元より長期戦は想定せず、使い潰すつもりで操作しているが、どうやら上手く隙間を縫って移動しているのか何かに衝突したドローンはない。
「必ずや皇帝に引導を渡してやりましょう」
 メイド服姿のバーチャルキャラクター、エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)が【芋煮艇】の仲間達にメイドらしく丁寧に呼びかけた。
 まず対処すべきは船、それさえ対処できれば活路が見いだせるとエミリィはそう考える。
「煙幕行くよー!」
 考える彼女の近くで元気に宣言したのはタコのキマイラである明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)。タコらしく、彼女も姿を消す事が出来る。だからこそ、見えない相手への対処は心得ている。
 真多子がタコスミを霧状にして周囲に散布。シンプルであるが突撃してくる船であるなら攻撃の為に近くに来る必要がある。タコスミの煙幕に入れば揺らぎが生じる為、察知には有効だろう。
 船のセンサーを潰せる可能性もある。勿論それのみに頼って動かしているのではなさそうだが、それでも感覚器の片方潰せる事は大きい。
 一気にタコスミの煙幕で暗くなった視界、その中で真多子は霧の動きをじっと確認する。
 更にエミリィが水鉄砲から大量のインクを放ち、周囲に色を付ける。まき散らされたインクは猟兵達に忍び寄っていた黒き槍の船に偶然命中、その輪郭を複数浮き上がらせる。
 どうやら黒き槍の船は人数分召喚されたようで、今回インクでマークできなかった船が他にいるようだ。幸い視界が不明瞭になっている為すぐに全特攻仕掛けて来る様子はないが、その内煙幕が薄れるか散らされるなどすればその限りではないだろう。
 他の船を探るべくドローンの操作を続けるエドゥアルトに、滑らかなグリーンの鱗が蛇を連想させるドラゴニアンのバルディート・ラーガ(影を這いずる蛇・f06338)が近づく。
 視界は最悪、視界を潰されたことで船の動きも止まっている。けれど彼はそれを気にせずに、
「……何をするにもまずは足を使って情報を稼がにゃですぜ」
 片腕を構成する地獄の炎、その一部を切り離し黒炎の蛇として煙幕の下を走らせる。蛇は熱を感知する器官があり、熱を視る事が出来る。そして黒炎の蛇と感覚を共有するバルディートは、この煙幕の中でも船の熱を感知して捕捉。
「右前方距離は五十、高さは二十五ぐらいに姿が見えねェのが」
 バルディートが補足した位置をエドゥアルトに伝え其方へのドローンの密度を上げると一気のドローンが何かに衝突し墜落。それを認めたエミリィがインクを其方へと放ち目印をつけた。
「一郷様、コシイ様、お願いします!」
 インクにより不可視でなくされた黒き槍の船、どれも速度は相当なものであるが、大まかな形と位置が分かるなら見切る事はできる。
「ユキさん行くよ!」
 さらにマスク姿の女子高生、一郷・亞衿(奇譚綴り・f00351)が船へと全力で駆け出す。
 相手のユーベルコードは黒き槍の船を召喚するという効果。
 迷彩で姿を隠していたユキ・コシイ(失われた時代の歌い手・f00919)もその言葉に続く。
(「……これほどの大舞台に立つのは初めて」)
 いま彼女の肩にかかっているのは一つの世界の命運、その意味を感じながらもユキはただ一人の観客、銀河皇帝を見る。
(「……十分。貴方の根源を、私の魂の歌で揺さぶってみせる」)
「ただ、ただ君に会いたかっただけ――」
 そしてユキは歌を歌い始める。スタンドマイクをはじめとしたサウンドデバイスで増幅されたすれ違う二人の心情を込めた歌が戦場に響き渡る。
 彼女のバーチャルキャラクターとしての設定は歌で人や機械を洗脳する、というもの。だから
「……止めぬか。」
 皇帝が船をユキへと向けようとするが、船は思うように動かない。見えずとも五感があるのであれば聴覚もある。ならば音、歌で心を奪い動きを封じてしまうのであれば見えるかどうかは関係ないだろう。
「休んでいる暇はないぞ出撃だ!」
 更にエドゥアルトが檄を飛ばすと、百体以上の小型の戦闘用爆撃機部隊が召喚され、やや動きを鈍らせつつ突っ込んでくる槍の船を迎撃。サイズの差に加え一撃でも喰らえば消滅してしまうという弱点はあるが、数の暴力はそれすらも凌ぐ。半数程度まで数を減らしながらも、しがみついた爆撃機部隊により四機の槍の船の軌道はあらぬ方向へと向けられ空を切る。
 その間に一つの槍の船が煙幕の中に人影を一つ補足、その全速度で突撃し貫く。
 けれどそれはタコスミによるデコイ。人型をしたタコスミは抵抗もなく崩れる。そしてその傍に潜伏していた真多子が四本の触手と手足についた吸盤で船にしがみつき、船の動きを妨害する。
 そして最後の一つが人影の一つ、亞衿を狙い速度を上げる。しかし彼女はそれを読んでおり、船に向けて手を翳す。その手の内には一枚の鏡。それを盾にし黒き槍の船の突撃を防御した瞬間、黒き槍の船は忽然と姿を消失させた。
「こんな噂を聞いたことはある? 深夜0時ちょうどに、合わせ鏡を覗き込むと──」
 亞衿が語るのはある怪談。UDCアースでなら割とメジャーなものである。彼女のユーベルコードはそれに纏わるもので永遠に続く鏡地獄、その中に敵のユーベルコードを封じ込めてしまうのだ。 五感を共有する制御対象が突如消失したことを受け、感覚の変化に戸惑う様子の皇帝に手裏剣が投げられる。視界が悪くとも最強の超能力者である皇帝はそれを回避、背後の壁へと手裏剣が当たり、タコスミでできたそれはびちゃりと壁に付着。そして、突然皇帝の背に強烈な衝撃。墨を通し皇帝の背後に移動した真多子の触手を束ねた一撃だ。住の上で強化された力に加え、完全なる不意討ちに皇帝も体勢を崩した。そこにバルディートが投擲した毒塗りのダガー、右の牙が命中、皇帝の手足に痺れを与え動きを阻害する。
 皇帝を吹っ飛ばすような火力はない、だけれど自分にできる事をよく理解した『蛇』は、
「さあ、頼みやしたぜエ!」
 攻撃を、仲間に託す。
「やはり皇帝相手ならこれを言わざるを得ませんな」
 がちゃり、と黒ひげの戦場傭兵が手持ちの武器を構える。ライフルにミサイルランチャー、それに加えどこに隠していたのかよく分からない巨大なロケット推進式の陸上爆雷パンジャンドラム。それらは全て皇帝へと向けられ、
「くたばれカイザー!」
 言葉と共に一斉砲火。残りの爆撃機部隊が天井付近から絶え間なく爆撃、動きを封じている間にエドゥアルト自身の火器が炸裂。
 全火力を叩き込み咆哮を上げるエドゥアルトに普段のやたらフレンドリーな面影はない。戦場の悪鬼、そう呼ぶのが相応しい姿であった。
「かじできないロボ、出撃!」
 更にエミリィが巨大メイドロボへと変身すると、その全武装を銀河皇帝へと向け狙いを定め、
「ぎゃふんと言わせたるわい!」
 一斉に発射する。スカートの下マルチミサイルやロケットパンチが銀河皇帝へと殺到し、背中の装置や念動力で幾許かは直撃を防がれるが被害は大きい。
 ユキのポップスはサビにかかり、火力集中の間、銀河皇帝の動きを制限していた。超能力者で耐性があるのかもしれないが、幾重にも重ねればほんの僅かに、けれど確実に動きを抑える事もできると、ユキは信じ歌い続けていて。
 そして、動きを止めたのであれば。ユキが亞衿に視線を向け合図を送る。
 よろめく皇帝が猟兵達を睨みつけるが、その瞬間真横に吹き飛ばされる。見えない巨大な何かに衝突されたような動きは、亞衿が合わせ鏡の世界に封じた黒き槍の船を解き放ったことによるもの。
 激しく弾き飛ばされるが、皇帝はまだ膝をつかない。念動力で強引に傷だらけの体の体勢を立て直し、改めて眼前の猟兵達を傲岸に睨みつける。
 一人一人では、連携が曖昧ならここまで上手くはいかなかっただろう。けれど、彼らの分担と黒き槍の船への対策に絞った戦法がこの状況にこれ以上なく嵌った結果であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高柳・零
POW
【遺跡酒場】で参加

生命維持装置が壊れれば皇帝は死ぬはず。
それならとことんそこを攻めます。

「防御は引き受けますが、受け切れない可能性もあるので、各自備えてください!」
盾役なので前に立ち、かばうで味方を守ります。
マインドクリエイションをの攻撃を見切りで読み、盾にオーラを全力で被せて盾受けで極力攻撃の勢いを削ぎつつ、最後は無敵城塞で受け止めます。痛みも激痛耐性で耐えます。
受け切れれば、反撃に鎧砕き付き2回攻撃を入れます。
仲間への繋ぎです。

「自分の攻撃は弱いですが、これで終わりではないので」
「皆さん、後は頼みますよ」

アドリブ、絡み歓迎です。


備傘・剱
遺跡酒場で参加【SPD】

仲間と居る以上、下手な所は見せられないな
おう、任せたぜ、高柳!
俺も、彼奴の手を削ぐとするぜ

こっちの意識を刈り取りに来るってんなら、話は早い
口の中は血まみれになるが、気付け変わりだ
下をかみ切るつもりで痛みを与えりゃ、少しは意識が残るだろう?
意識がある内にバトル・インテリジェンスを使って鎧砕きを皇帝に食らわせてやるぜ

高柳が物理的な攻撃を引き付けてくれるなら、俺は精神的な攻撃から皆を守ろう
あ、俺に近づくんじゃねぇぞ?
多分、目の前の敵を攻撃するのに意識が云って、周りは見えて無いからよ
皇帝を倒す事、それだけ、意識できてれば大きな問題はない

絡み、アドリブ、好きなように動かしてくれ


摩訶鉢特摩・蓮華
へぇーあれが銀河皇帝か~威圧感がハンパないね…でも負けないよ!絶対に倒す!…それか、一撃だけでも与えてみせるよ!

【遺跡酒場】で参加。
POW
申し訳ないけど最初は零さんの盾に隠れてるね。
マインドが零さんにレーザーを放った瞬間に飛び出て、マインドに突撃するよ!
その際、銃口に対してサイコキネシスを一点集中!狙いを付けさせないようにするからね!
接近できたら蓮華の怪力で鉄塊剣の渾身の一撃をお見舞いするよ!

洗脳念波を受けてる仲間がいたらビンタしてでも解くよ!
「しっかりして!皇帝を倒すんでしょ!?」

最後は皇帝に突撃だよ!
念動力では敵わないけど、ほんの少しでいい。
剣でも拳でも届くだけの風穴を開けられれば!


山梨・玄信
【遺跡酒場】
もう、皇帝が復活出来る回数も少ないしのう。そろそろ引導を渡したいところじゃ。

【POWを使用】
零殿は麗華殿のカバーを頼むぞい。そして、マスター(備傘さん)が動く前に仕掛けるのじゃ。
こちらに来るマインドの攻撃は見切りと第六感で予測して体を躱しつつ、衝撃波を床にぶつけて、その反動で大きく移動するのじゃ。それでも躱し切れなければ、オーラ防御でガードするぞい。

そのままカウンターで皇帝の懐に飛び込み、もう一度衝撃波を床に撃つ…と見せかけて顔に向かって撃ち、目眩ましをするのじゃ。
そして零殿が叩いた所に灰燼拳を鎧無視攻撃付きで叩き込むのじゃ。

「これが…絆の力じゃ!」

アドリブ、絡み歓迎じゃ。



 そして、そんな満身創痍の銀河皇帝の前に【遺跡酒場】の四人の猟兵達が立つ。
「もう、皇帝が復活出来る回数も少ないしのう。そろそろ引導を渡したいところじゃ」
 山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)は冷静に淡々と口にする。
 そう、皇帝もかなり弱っているのだ。ここで確実に倒し、復活の回数を減らす。
「へぇーあれが銀河皇帝か~威圧感がハンパないね……」
 摩訶鉢特摩・蓮華(紅蓮眼・f09007)は少し呑気に、けれどその圧に畏怖を感じながら鉄塊剣を構える。
「でも負けないよ! 絶対に倒す!…それか」
 一撃だけでも、と蓮華は為すべき事を定める。
「防御は引き受けますが、受け切れない可能性もあるので、各自備えてください!」
「おう、任せたぜ、高柳!」
 備傘・剱(絶路・f01759)が高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)に返す。
 マインドにより代償にされる生命維持機能、それをとことん攻める事を零は狙いとしていた。
 彼の役割は盾。三人の仲間を庇い機会を作る事だ。オーラを全力で被せた天霧の盾は、彼自身の見切りの技術もあり、マインドの剣戟にも破壊されず何とか耐えている。
 零のテレビウムの小柄な体に傷が刻まれているが、それをおくびにも出さず彼は仲間を庇い続けている。その姿は騎士らしく、
 そして零が無敵城塞を発動し攻撃をシャットアウト。それに対し更にレーザーを撃ち込もうとしたが、それとレーザーと同時、零の影に隠れていた蓮華が飛び出しマインドの砲に不可視のサイキックエナジーを放つ。破壊は困難、けれど銃口の向きを変える位なら一点集中で行けば、との狙いは無事成功、あらぬ方向に銃口を向けられ体勢を崩されたマインドに対し、蓮華が鉄塊剣を叩きつける。その怪力は防ごうとしたマインドの体を宙に持ち上げるほど強烈なもの。
 さらにマスターである剱が動く前に玄信が動く。マインドの剣がその動きに合わせて振るわれるが、それを読んでいた玄信は地面に衝撃波を叩きつけ自身の体を大きく弾き飛ばす。けれどマインドはそれにすら対応し、次の刃を振るう。オーラ防御で直撃は何とか防いだものの、ダメージはある。何度も使える手段ではないのう、そんな事を思いながら玄信はマインドへと向き直る。
 マインドを抑えている間に剱は皇帝へと向かう。狙うは本体、洗脳を阻止しようとし、その前に皇帝の洗脳念波が届く。それを受けた剱の口から血が零れる。舌をかみ切る程の強さで痛みを与え、僅かに意識が残るはず。だけれど想像以上に侵食は厳しい。
「しっかりして!皇帝を倒すんでしょ!?」
 蓮華が唐突に剱の頬を張る。その痛みは、叩いてくれた仲間という存在を強く意識させる。
(「仲間と居る以上、下手な所は見せられないな」)
 そう、仲間がいる。痛みとその事実が剱の意識を繋ぎ止め、辛うじてAI搭載型戦術ドローンを召喚させたのだ。
 ドローンに操られたまま剱がエアブーツで床を踏み込み銀河皇帝との距離を詰め、鋼鉄のハンマーを銀河皇帝に振るう。洗脳で対抗するが、既に操られている彼を止める事はできない。できても時間がかかると念動力で対抗、直撃する直前に食い止める。
 そして皇帝に玄信が突撃、懐に飛び込み、下を向く。先程の交錯で地面に衝撃波を撃つのかと身構える皇帝だが、玄信は突然真上を向き、衝撃波を顔へと打ち込んだ。
 さらに皇帝の後方に剱のハンマーが叩きつけられ、その背に強烈な一撃を加える。
 操られている間相手にのみ意識が向かい、周囲を認識できない可能性を考えていたから仲間と逆の側から彼は攻める。
 横に並んで戦えないけれど、今回は皇帝を倒すこと。それだけを意識し彼はハンマーを容赦なく振るう。
 さらに蓮華が正面から皇帝に剣を振るう。
 超能力ではまずかなわないだろう。けれど、剣なら、拳なら。彼女自身が磨いてきた技術なら勝ち目はある、そう彼女は信じ、仲間の攻撃を届かせる僅かな隙間をこじ開ける為の怪力の一撃を銀河皇帝に叩き込んだ。
 さらに無敵城塞を解除した零が皇帝を二度斬りつける。守りに回した装置を砕きはしたが、本体に与えられた傷は浅い。
「弱いな」
「自分の攻撃は弱いですが、これで終わりではないので」
 皇帝の言葉に零はそう返す。振り向きはしない。そこに仲間がいると確信しているから。
「皆さん、後は頼みますよ」

「これが…絆の力じゃ!」
 そして、零が傷つけた所に玄信の灰燼拳が突き刺さり、皇帝は苦悶の声を漏らした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

月宮・ユイ
SPD

孤高の絶対王者…今一度積み重ねる思いの強さ、示しましょう

▼武装
要塞内用に換装した[コメット]:超射程への反撃
[星剣]核と共に強化変形した[ケイオス]の黒い突撃槍

”視力、暗視、聞き耳、第六感”
感覚を研ぎ澄まし、戦闘中も敵の動きを”見切り、情報収集。学習力を基に戦闘知識”・経験を蓄積・利用

転移直後の奇襲も警戒。”騎乗”済で転移
”高速詠唱、全力魔法”【縛鎖】
黒・銀鎖:牽制と周囲を囲い盾にし攻撃を減衰相殺吸収
金鎖:体に巻き影響を封印拘束し抑制

防ぎきれなくとも構わない、ただ一手に今持てる全てを費やす”覚悟”
無理してでも召喚を続けバイクごと突撃
”吸血、生命力吸収の呪詛”血と力、僅かでも良い喰らい削る


百目鬼・明日多
どんなに小細工を仕掛けても、きっとそれは通じないと思います。
だから真正面から突進して攻撃を仕掛けます。
でも小細工をしないだけで無策では有りません。
敵の先制攻撃はペンダントに混ぜた『ダミーメダル』で耐えます。
一度きりの防御手段ですが、一度でも防げれば後は速度勝負。
第2打が来るまでに必ず先制攻撃での『電脳化身の拳』を
叩き込みます。
失敗するとか、間に合わないなんて考えません。
絶対の覚悟と意思を持った拳が間に合わない訳が無いですから。
それが刹那、那由多の彼方の数瞬でも拳が先に触れれば
後は本体がどうなろうと、必ずアバターは殴りきってくれます。
…もう二度と負けたりしませんよ。
これが僕が信じた「強さ」です。



(「孤高の絶対王者……今一度積み重ねる思いの強さ、示しましょう」)
 要塞内用に換装したバイクに騎乗した月宮・ユイ(死ヲ喰ラウ連星・f02933)が戦場を駆ける。銀河皇帝の念波は速い。けれど視界に入らなければ発動しない。ならばこのようにバイクで駆けまわって時間を稼ぎ、此方の準備を整えてから反撃する。という思考だ。
 瓦礫や崩れた壁等の地形を縦横無尽に利用しかけ巡り、やがて最早視界を塞ぐ物がない位置まで辿り着いて。
 けれど彼女のユーベルコードも何とか間に合った。彼女から展開された鎖が銀河皇帝とユイの間に拡がり視界を防ぐ。そしてそれと同時に百目鬼・明日多(一枚のメダル・f00172)が駆けだす。
(「どんなに小細工を仕掛けても、きっとそれは通じないと思います」)
 彼は少々悲観的ではある。けれど、だからこそ彼の選んだ戦法は真っ向勝負、ダメージを一度だけ肩代わりしてくれる特殊なメダルで耐え、後は速度勝負に持ち込むといったもの。
 駆けだしてきた猟兵の気配を察した銀河皇帝が明日多へと振り向き、催眠念波が彼に届いてしまう。
 それは精神を侵し、支配するもの。――つまり、肉体的なダメージではない。それに気づくか気づかないかの段階で彼の意志は急速に遠のいていった。
「させないわ!」
 明日多と真逆の方向から女の声が響く。振り向いた皇帝が目にしたものは黒い突撃槍を構え突撃してくるユイの姿。その前面には黒の鎖を盾のように張り巡らせ、彼女本体は金の鎖でバイクと本体を縛り付けて洗脳念波の影響を抑制している。それでも思考にかかる不快感に、完全に封じる事はできていないとユイは悟ったが、動けるならば問題ない、と眼前の銀河皇帝へと突撃を敢行。
 今から再洗脳しても間に合わぬ、そう想ったのか銀河皇帝は念動力で突撃を押しとどめる。けれどそれでも、だだ一手に全てを費やすユイの『覚悟』を完全に止めるには至らなかった。
 先端が銀河皇帝の腹部に刺さり、その生命力を僅かに奪う。けれどそこで念動力とバイクの動力の拮抗が崩れ、反作用で両者がそれぞれ反対方向へ吹き飛ばされる。
 弾き飛ばされ空中で軌道転換、転がることなく着地に成功したユイだがその消耗は激しい。息を吐いて銀河皇帝を睨みつける。
 そしてその銀河皇帝はというと、背後へと大きく弾き飛ばされた。そしてそこには念波に侵された明日多が佇んでいた。
 ――否、明日多の瞳には一つの意志が灯っている。
 弾き飛ばされた衝撃か、メダルの効果でかかりが悪くなったのか。眼前にいる、銀河皇帝に拳を叩き込むという意志は未だ強く、その通りに彼は為そうとする。
 その殺気を感じた銀河皇帝は念動力で防ごうとする。けれど、殆どすべての意識を奪われようと尚抱き続けるような強烈な意志。失敗など考えもせず、ただの一瞬だけでも早く拳を触れさせようとするそれを、阻み切る事は出来なかった。
「ルゥァララララララララララララララ!!!」
 召喚された明日多の青年型アバターが猛烈な速度で銀河皇帝に連打を叩き込み始めたのを目にし、明日多は崩れ落ちる。後はアバターが殴り切ってくれると、自分がどうなろうとやってくれると信じた彼の表情はほんの僅かに安らいでいた。
「舐めるな!」
 皇帝は念動力で自身を移動、アバターから一気に距離を取り逃れる。
 だけれど表情には、明らかに疲労の色が浮かんでいた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

羽馬・正純
【POW】
人形兵器は脅威だけど皇帝の装備武器が変化したものなら攻撃手段は人形兵器かサイキックに絞られる、
そして兵器変形が生命維持機能を代償とするなら皇帝の永遠の若さを封じる…
あのサイキックの源となる活力に限界を作らせることはできるはず、

マインドが白騎士と同性能ならば回避で動くより可能な限り【無敵城塞】を早く発動して防ぎたいところだけど
間に合わなければ<オーラ防御>を集中させて発動まで耐えきる!

【無敵城塞】発動後は耐えることで皇帝とマインドの消耗を狙う、
活力に底ができたのなら皇帝と彼の操るマインドも永遠には動けないはず、
サイキックエナジーの陰りを察知したら防御を解いて<捨て身の一撃>を叩き込む!


鬼灯・ほのか
「皇帝はんも、一人で大変やねぇ。そないな苦労をしてまで国の運営って魅力的なんやろか?まぁ、皇帝はんも一度は三途の川渡りはったさかい、あの世までの道程はわかりはるよね?…成仏しいや」

うちは可能なら他の猟兵の方と協力したいどすな。「第六感」「見切り」「残像」「武器受け」の技能をつこうて回避、防御に専念したいどす。
皇帝はんがユーベルコードを使った時だけ、うちのユーベルコードで相殺を狙い、援護に専念しよか。その他の攻撃は他の方にまかせ、敵のユーベルコードを見極めることを念頭に、相殺できる可能性をあげておこうと思います。


アリス・フェアリィハート
アドリブや他の方との連携も
歓迎

『遂に…銀河皇帝さんとの決戦…この宇宙の為にも…覚悟を決めます…!』

他の猟兵さん達とも連携して
戦闘

敵さんの先制攻撃は
【早業】、【残像】、【第六感】や【見切り】を
フルに使い
UCの【アリスと不思議の国の鏡】とも組み合わせて回避・相殺
以降
敵さんの攻撃は
第六感や見切り、早業、残像等で回避

先制攻撃を防げたら
【第六感】と【早業】で反撃に転じ
自身の剣
『ヴォーパルソード』での
剣戟で戦闘
【鎧無視攻撃】や【属性攻撃】、
【2回攻撃】での時間差攻撃に
【衝撃波】で遠攻撃や
【なぎ払い】等で攻撃

『皇帝さん…強大な貴方を前に…怖くないと言えば嘘になります…でも…皆さんと力を合わせて…倒します!』



「皇帝はんも、一人で大変やねぇ。そないな苦労をしてまで国の運営って魅力的なんやろか?」  痛々しい姿になってもなお戦意を失わぬ銀河皇帝の姿に、鬼灯・ほのか(羅刹の剣豪・f14083)はつい、問いかけてしまう。
「さあ、今はどうだろうな」
 皇帝はつれなく答える。実際、この存在するだけで破滅を齎すオブリビオンには国の運営など不可能なのだから。
 サイボーグの青年、羽馬・正純(雷刃の代行者・f02626)はゴーグル奥の藍の瞳を眇め、思案する。マインドは脅威だが、それを使用している間の攻撃手段はそれかサイキックに絞られる。そして、
(「変形が生命維持機能を代償とするなら永遠の若さ、つまりサイキックの源となる活力に限界を作らせる事が出来る?」)
 しかしこれまでに皇帝は何度もマインドを使い猟兵達を薙ぎ払っている。だが、未だ翳りのような兆候は観察できない。ただ単に、それが表面に出ないよう抑え込んでいるだけなのかもしれないが。
(「遂に……銀河皇帝さんとの決戦……」)
 アリス・フェアリィハート(猟兵の国のアリス・f01939)の前にいる銀河皇帝の姿は既に痛々しい。けれどその強烈な意志と存在感は一筋縄でははいかない事を示している。
「皇帝さん……強大な貴方を前に……怖くないと言えば嘘になります……。でも……皆さんと力を合わせて……倒します!』
 オラトリオの少女の瞳に宿るのと同じように、言い切ったその言葉にも固い決意と覚悟が込められていた。
「いい覚悟だ。だが、易々とはいかんぞ」
 銀河皇帝がマインドを起動させ、猟兵達へとけしかける。標的は真正面に居た正純、彼もそれを察しオーラを展開すると、ノートゥングを腕より展開して刃を打ち合わせ初撃を防いだ。
 マインドの接近前に無敵城塞を発動させたくはあったが、やはりマインドは速い。あのままでも発動前に切り捨てられてしまっていただろう。鋼糸や砲台、武装を総て防御のために回すがマインドの恐るべき剣技は徐々に正純の体に傷を刻んでいく。
 けれどその前にアリスとほのかが銀河皇帝へと駆け出す。それに対抗し、黒き槍の船が召喚される。先程の戦闘からするとアリスとほのかの二人分。空気を斬り裂き突っ込んでくる気配を察知しほのかは高速で回避。その動きは残像を残す程で狙いを絞らせない。
 アリスも逆方向でほのかと同様に回避している。見えないけれど、何かが通り過ぎた風圧が空色のエプロンドレスの少女の頬にかかる。
 その間に正純は無敵城塞を発動、マインドの攻撃を完全に防ぎ切る事に成功する。このままでは動けない。が、仲間がいる。此方は後回しと判断した銀河皇帝は黒き槍の船の速度を上げ、ほのかとアリスを追い詰めていく。
 やがて、防御に専念していたほのかの背に壁が触れる。そしてその正面から見えない強烈な存在が突撃してくる。そう、彼女の第六感は最大警告を発していて、
「ええ技やねぇ……なぁ、うちの技で斬れるか試してみてもええ?」
 そのユーベルコードは、既に何度も見ている。だからこそ、見えずとも見切れる。
 冬桜を鞘へと納め、構え。
 ――居合十六夜、ほのかの神速の居合は不可視の黒き槍の船の船首部を両断、相殺した。
 一方のアリスもほのかをちらりとみて反撃に転ずる。
「【白の女王の鏡】に、映らないものはありません……!」
 不可視の船、そのあるだろう位置にアリスが指を向けると何か見えない巨大な存在が彼女の傍らに召喚される。見えているなら黒き槍の船と同じ形状をしているだろうそれは動きだし、そしてすぐに派手な衝突音が生じた。そして同時、アリス本人が白銀の刃で銀河皇帝に斬りかかる。軽やかな剣技はその速度を以て銀河皇帝に反撃の隙を与えない。
 そしてこのタイミングでマインドはその動きを停止させていた。消耗により此方の制御が出来なくなったのか、アリスたちのユーベルコードによる余波かは分からない。
 無敵城塞発動前に負っていた傷は深く、普段のような威力は出せないかもしれない。けれど、ここが勝負どころ。そう判断した正純は既に防御を解き、停止したマインドの横を抜けて銀河皇帝まで駆け抜ける。
「させるか……!」
 再起動したマインドが正純を追おうとする。けれど、紅の着物の羅刹が斬りかかり、阻止。さらに逃れようとした銀河皇帝自身にもアリスの時間差の攻撃が銀河皇帝の防御をすり抜け足元を深く斬り裂き体勢を崩す。
「まぁ、皇帝はんも一度は三途の川渡りはったさかい、あの世までの道程はわかりはるよね?」
 成仏しいや、後方の皇帝に向けた言葉が届くと同時に正純の捨て身の刃が黄金の皇帝にねじ込まれた。
「……見事」
 とうとう銀河皇帝はその膝を地につけ、そのまま存在を薄れさせ、やがて消滅した。
 この場の猟兵の多くは既に疲労や傷で立つ事も難しい状態だ。けれど、勝利した。
 その実感は徐々に広がっていき、直後、猟兵達の歓声が響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月27日


挿絵イラスト