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銀河帝国攻略戦㉗~銀河皇帝の戦力を削れ!

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #オブリビオン・フォーミュラ #銀河皇帝

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「戦争も、ついに大詰めですね……。」
 きゅっとグリモアを抱きしめながら言うのはファータ・カンタータ(遥か彼方の花びら・f02060)。
 彼女曰く、ついに【『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー】との戦いが来るとのことだった。
 戦争の大将である彼の周りには数々の敵が取り巻いている……かと思いきや、そうでもないらしい。
「なんだか、信用出来ない部下に任せるより自分で倒してしまおうという魂胆らしく……【増援に現れた配下達を吸収し、自らの力に変えて強化しています】。」
 なお、インペリウム内への解放軍艦艇のワープ突入は行えていないらしい。恐らく銀河皇帝が封じているのだろうとのことだ。
「仮にスペースシップワールドの戦艦が全力砲撃を行ったとしても、インペリウムを外から破壊するのは1週間以上かかるでしょう」
 勿論、スペースシップワールドの艦隊も、インペリウムへの攻撃が可能なように最善を尽くしているそうだが、それでもカタストロフ開始までにインペリウムの撃破が可能かは不明瞭な状況だそうだ。
「つまり、銀河皇帝の撃破は、グリモア猟兵の転移によって、インペリウム内に侵攻が可能な『猟兵』達の活躍にかかっていると言える状態です」
 その言葉に猟兵たちにぴりっと緊張が走る。
 真剣な目つきの猟兵たちを見やり、ファータは小さく息を飲むと、自身が見た予知の内容をゆっくりと話し始めた。
「銀河皇帝は帝国旗艦『インペリウム』内の全てを掌握している為、銀河皇帝は、侵入した猟兵達に対して、転移による奇襲攻撃を行う事が可能です。……飛び込んでいった猟兵さん達が、その奇襲にやられていく姿が見えました。」
 言うならば、相手は必ず【先制攻撃】を仕掛けられてしまう状況だということ。
「どうか、その【奇襲攻撃に対し】、【しっかりと対策、反撃策を用意した上】で戦闘に臨んでください。そうでないと、今回の戦いは苦戦を強いられざるを得ないです。」
 先制攻撃の内容は、【猟兵が使用してくるユーベルコードと同じ能力(POW等)のユーベルコードを使用してくる】とのことだ。
 銀河皇帝のユーベルコードは、彼女が紙に纏めておいてくれた。猟兵たちはそれをしっかりと受け取る。
「あと私に出来ることは、みなさんを転移することのみ。強力な敵です。どうか、どうか、無理をしないでください……」
 ファータはそう言うと、抱いているグリモアをゆっくりと手放し、ゲートを作成していくのだった。


苗木 葉菜
 ☆☆☆☆☆☆
 銀河皇帝は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
 ☆☆☆☆☆☆

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは。はじめましての人は初めまして。苗木です。
 リプレイ執筆は遅いほうかもしれません。すみません。
 普段は全採用をモットーにしていますが、今回の戦争はシナリオの成功本数が重要なため、成功度に達したらある程度のプレイングはお返ししてしまいます。
 先着順ではありませんので、送れるときに送って頂けたらと思います。
 どうかご理解とご了承をお願いいたします。

 プレイングを書く際余裕がある人はマスターページを見てからプレイングを書いて頂けると嬉しいです。
 ご同行者様がいらっしゃる場合はなるべく冒頭に【わかりやすい表記で】お願いいたします。
 今回ついにラスボス来ましたね。OPや上記の文章、そしてリプレイ序章(これから書く予定)をよく読んでからプレイングを書いて頂ければと思います!
 判定は難易度が【難しい】のため【かなり厳しめ】です。
 プレイングが多ければ成功率は相対的に上がります(他の人のフォローや良いプレイングも多くなる可能性があるという意味で)
 ちなみに【皇帝に質問する】のはオススメしません。皇帝が答える理由もないので基本的に回答は得られないと思っててください。
 ちなみにソロ希望の人はしれっと判定を更に厳しくして行こうと思います。
 ソロ希望と書いてなければ適当に連携になると思っててください。
 こんなところでしょうか。皆さん怪我には気をつけて下さいね。
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第1章 ボス戦 『『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー』

POW   :    マインド・クリエイション
【銀河皇帝を不老としている生命維持機能】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【白騎士と同性能の人型兵器『マインド』】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    フォース・インベイジョン
【銀河最強のサイキックエナジー】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【意志とユーベルコードを奪う洗脳念波】で攻撃する。
WIZ   :    ワープドライブ・ペネトレーション
【外宇宙から、知られざる『黒き槍の船』】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑14
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 銀河皇帝の元へ、配下が群がる。
 たくさんの、たくさんの、オブリビオン。
 我らがお護りいたします、我らが敵を退けて見せましょう。
 口々にそう言う配下達に向かって、銀河皇帝はすっと手を出した。
 次の瞬間、
 その手に吸い込まれるように、その手に喰われるように、たくさんのオブリビオンは"消えた"。
 否、消えたという表現は適切ではないだろう。吸収されたのだ、配下のオブリビオンが持つ、その力だけを。
「銀河帝国は、我一人から始まった」
 ぽつりと、銀河皇帝が言う。もう誰もいない空間で、ぽつり言う。
「オブリビオン・フォーミュラとなり、この世界に蘇った時も我は一人であった」
「銀河帝国が巨大になるにつれ、多くの配下が付き従うようになったが銀河帝国の本質は変わっていない」
「我一人がいれば、それが銀河帝国なのだ」
 そこまで言うと、インペリウムの窓から広い広い宇宙を見た。
 これから破壊するであろうこの宇宙を、無機質な金の瞳で見つめた。
 このまま増援が続けば、きっと銀河皇帝を止められる者はいなくなってしまうだろう。
 止められる者がいるとすれば、それは解放軍ではない。オブリビオンを倒す者たち、猟兵だ。
 銀河皇帝は、それを知っていた。
 それ故に、銀河皇帝はその身ひとつで、猟兵たちを倒しに掛かる。
 配下に任せてはいられない。
 帝国旗艦であるインペリウム内であれば銀河皇帝はすべてを掌握出来るため、こちらからの奇襲は絶対的に不可能だろう。
 そしてグリモア猟兵の情報によれば、猟兵が使うユーベルコードの能力に合わせ、皇帝も同じ能力のユーベルコードを使ってくる。
 それも、猟兵たちより圧倒的に早い速度で。
 皇帝の先制攻撃に、ユーベルコードを使用して対応する事は出来ない。
 連携し、己の技術を、経験を、情報を駆使してこの攻撃を凌ぎ、反撃に繋げるにはどうすればいいのか。
 猟兵たちの技量が求められる。
メルティア・サーゲイト
【チーム:ストライクバック】
 レイリスちゃん、殺戮者=サン! 最終決戦だ!
 ……しかしまあ、なんとも大胆だが、上手くいったら儲け物ではあるか。『対策を用意しない事が対策』とはね。成程、そりゃ私向きだ。装備は右手ガトリング、左手火炎放射器、右肩レドーム、左肩巡航ミサイル、両足56連ミサイル。出し惜しみは無しだぜッ!
 白騎士同等のスペックなら先読みの先制攻撃だよなァ。ああ、お前誰かを庇える様な仕様じゃないよなァ? 良かったぜ、黒い方よりは楽でよォ! 先制攻撃で銃器はいくつか駄目になるだろうが皇帝に向けて撃てる奴を撃てるだけブチ込んでやる!
「パーティタイムだぜ、銀河皇帝さんよォ!」


フォーネリアス・スカーレット
【チーム:ストライクバック】
 お前が誰だろうが知った事ではない。こんな所で立ち止まっている暇はないからな。早く殺して次のオブリビオンを殺しに行かねばならん。
 ……姉の名を悪戯に騙るお前の指図は受けたくはなかったが……確かに、試す価値はある。それに、やった事もある。
 そうだな、あの金色はメルティアにくれてやる。私は白騎士モドキを足止めする。少なくとも、三人分。装備は丸盾と炎剣。隙を見て腰に下げたリニアブレードか撃ち杭。コイツに隙があればの話だが。下手に攻撃UCは使わん。
 何体でも出せばいい。全て殺す。殺せるだけ殺す。

♡♥▽▲


紅月・美亜
【チーム:ストライクバック】
 知っているだろうが、こんなUCがある。敢えて不利な行動する事で身体能力が増大するという奴だ。この二人はたまたまだそれを持っていたのでな。確実な先制攻撃、無策の突撃は無謀と言われている相手に、あえて込み入った手を使わずに正面から堂々と攻撃を仕掛ける……中々に不利な状況だと思わないか?
 何とも不便な物だな。こうして立ち向かってくる敵全てにいちいち生命維持機能を代償にしてしまうというのは。そうだ、お前を倒すのに込み入った策は必要ない。力押しで仕掛け続ける、それだけでお前は勝手に自滅するしかない。
 このドプケラドプスはお土産にでもして死ぬがよい。

♡♥▽▲



 一人静かに佇む銀河皇帝の元へまずはじめにやってきたのは、紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)。
 自身を『大いなる始祖の末裔 レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット』と呼称する彼女は、目線だけこちらに向けた皇帝に向かってぽつりと言った。
「やあ皇帝。貴様は敢えて不利な行動をすることで身体能力が増大するユーベルコードがあるのを、知っているか?」
 続いて転送されたのは美亜の仲間であるフォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)だ。
「……姉の名を悪戯に騙るお前の指図は受けたくはなかったが……」
 フォーネリアスは最愛の姉を想っているのか、どことなく声を低くしながらそう言うと静かに顔を上げる。
 試す価値はある、と。
「まー、私ら向きの作戦ではあるよな」
 その後ろを、メルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)が武器の動作確認をしながら歩いていた。
 皇帝は目線だけ動かし三人を一瞥すると、再び窓の外を見やる。
「……身体能力が上がる程度で、我に対抗しうるとでも思っているのか」
 皇帝が背後の生命維持装置に、手をかざす。
 それが眩い光となり、分裂し、
「さあな、上手くいったら儲け物ってやつだよ!」
 それぞれが、騎士へと形を取っていく。
「私はお前が誰だろうが知ったことはない。お前がオブリビオンだから殺す。殺す。殺すだけだ」
 フォーネリアスがそれに対し、静かに“殺戮衝動”に身を任せていこうかという時、
 三本のレーザーが彼女を貫いた。
「――っ、!!」
 フォーネリアスのブレスから、こふっと少量の血が噴き出る。
 しかし彼女はレーザーを目視したとでも言うのだろうか、驚くべき身体能力で急所を外していた。
「ああ! ああ! 楽しいなァおい! 今まであれこれ結構考えてたからさァ!! なんっも考えずブッ放したかったんだよ!」
 メルティアはそんなフォーネリアスには目もくれず、左手の火炎放射器で皇帝を焼き尽くそうとする。
 しかし距離が離れていたせいか、敵のサイキックエナジーにより軌道を捻じ曲げられてしまった。
「ははっ! いいぜ、こっちは出し惜しみなしだからな。パーティタイムだぜ、銀河皇帝さんよォ!」
 撃ちたくて撃ちたくてしょうがないメルティアは確実に射程圏内へと入るべく、皇帝と距離を詰めていく。
 美亜――レイリスは、そんな二人の後方で静かに戦況を見つめていた。
 身体能力が増大した二人の動きはかなりのものだ。
 だがフォーネリアスのほうはかなり厳しい戦いを強いられている。未来を予測して放たれるレーザー、予想以上に厄介だ。
 マインドの対応が彼女でなければとうの昔にこちらの陣形は崩壊していただろう。
 しかしそれも長くは持たない。無重力を舞うフォーネリアスの血が、音もなくレイリスの頬に付いた。
 一刻も早くこのユーベルコードを、封じなければ。
「……なんとも不便なものだな、こうして立ち向かってくる敵全てにいちいち生命維持装置を代償にしてしまうというのは」
 じりじりと背筋に緊張の汗を感じながら、レイリスが口を開く。
「そう、お前のユーベルコードの弱点は、『生命維持装置を代償としてしまうこと』だ。お前を倒すのに込み入った策は必要ない。力押しで仕掛け続ける」
 それで、この皇帝は勝手に自滅するはず。するはずだ。
 なのになぜだろう、どうしようもない焦燥感を感じる。
 レイリスのユーベルコード“Operation;NIGHTMARE(オペレーションナイトメア)”。
 対象のユーベルコードの弱点を指摘するとそのユーベルコードを封じることが出来るものだ。
 どこからともなく現れた赤く、醜い生態兵器が、皇帝の技を封じようと襲い掛かる、が。
「――小賢しい」
 メルティアの相手をしているにも関わらず、それは皇帝の手刀により真っ二つにされた。
「この装置は我を不老にしているに過ぎない。その程度の代償、我の障害にすらならぬ」
 無残に切り裂かれた生態兵器を見て、レイリスは「馬鹿な……」と膝を突く。
 突如首を傾ける皇帝。彼の頭があった場所に、メルティアの巡航ミサイルが過ぎ去っていった。
「……お喋りする余裕があるたァ、驚きだぜ」
 疲労が垣間見えるメルティアを一瞥し、そのまま鳩尾に拳をねじ込む。
「ぐっ……」
 彼女の背後では、フォーネリアスがマインドの頭部に杭を打ち込んでいた。
 その後凄まじい勢いで放たれた蹴りに飛ばされたマインドが、しゃらくさいと言わんばかりにメルティアと皇帝の真横を通り過ぎる。
「……だからどうした。お前から作られたオブリビオンを模した思念体。すなわちこれもオブリビオンだろう。これも、お前も、殺すだけだ」
 その足元には、既に二体のマインドが床にひれ伏していた。
 フォーネリアスの言葉を聞いたメルティアが、自身の鳩尾に入っている拳に左手でしがみ付く。
「相変わらず、だな……殺戮者=サンはよォ……!」
 お前のそういうとこ、嫌いじゃねえけどな!
 その言葉と共に敵の頭に突き付けたのは、右手に装備しているガトリング。
 零距離射撃。
 三人がかりでつけられた傷は、肩と、首の付け根、ほんの少しの銃創。
 まだ、戦いは終わっていない。レイリスも顔を上げると、二人を援護する準備を始めた。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

琥珀川・れに
【依頼掲示板前広場】チーム
カガリf04556と一緒

『黒き槍の船』…黒いというからには無色透明では無いだろうが…やれるか?カガリ

胸の前で十字を切り精神統一をして【聞き耳】を行う
怪しいと感じたらアイテム「メダリオン」を【投擲】してみよう。
当たるか風を読み気配があったなら【逃げ足】で振り返ってからの【カウンター】を試みよう。
基本的にカガリに防御を任せる。

僕のUCは一度空中に発動させて少し時間差で落ちるものでね。
カガリや他の猟兵を回復してあげよう。

転移した奴が近ければ皇帝を、もしくは
確か船は五感を共有しているんだったな?
カガリが一瞬でも動きを止めていてくれたなら【範囲攻撃】の【気絶攻撃】を仕掛ける!


出水宮・カガリ
【依頼掲示板前広場】れにー(f00693)と

黒くないものを、黒い、ということもあるからなぁ
まあ、壁しかできんカガリだ
任せてくれ

れにーの壁として動く
転移直後からオーラ防御と【鉄門扉の盾】の盾受けで備える
【拒絶の隔壁】【不落の傷跡】の覚悟と共に盾を強固に
その後も周囲を警戒しながら、連携して不意打ちを避ける
腕での動作が間に合わなければ念動力で盾を操る
攻撃はれにーに一任

盾が邪魔だと思われるなら好都合(おびき寄せ・挑発)
れにーのメダリオンで『槍』の大体の方角がわかれば、その方角へ盾受け
真正面からではなく、形をなぞり受け流すように
形がわかれば、脅威では無い!
「…されど、亡都の扉は此処に在り!」
♡♥▽▲



 続いてインペリウムの床を踏んだのは琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)と出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)だ。
 突入前、グリモア猟兵から繰り出されるであろうユーベルコードを聞いた二人は、『黒き槍の船』が見当たらないか、辺りを見回しながら会話をする。
「黒いというからには無色透明では無いだろうが、極めて発見されにくいらしいな……やれるか? カガリ」
 れには【鉄門扉の盾】を構えるカガリにそう問うが、彼は片手を顎に当て「黒くないものを黒い、ということもあるからなぁ」しばし考えると、
「まあ、壁しかできんカガリだ。任せてくれ」
 と言い切った。
 彼と彼女の周りには、既にカガリによるオーラ防御が展開されている。
 彼に背中を預けているれには、胸の前で十字を切るとふっと目を伏せ耳を澄ませた。
 黒き槍の船の、位置がわからないだろうか。動作音や移動音、些細なものでもいい。
 しかし何の気配も感じることはできなかった。
 れには怪訝な顔で目を開けると、再び辺りを見渡す。
 するとそれは、そこにいた。
 いや、正確には自分たちが今探しているものではない。
 探しているものを操っている、倒すべき相手だ。
「銀河皇帝……!」
 黒き槍の船をまだ見つけられていない不安はあるが、目の前のそれを放っておくこともできない。
「防御は任せたぞ、カガリ!」
 れには【エペ ド ルーン】を構え皇帝へと走っていく。
 刀身にルーンがあしらわれているそれが切りつけたのは皇帝ではなく、自分の腕。
 切りつけた腕を天高く上げた時、それは現れた。
 ――黒き槍の船。
「れにー!」
 カガリが叫ぶ。距離的に彼がれにの元へ行くには不可能だ。
 しかしカガリは諦めない。盾を念動力で飛ばすと、彼女の横っ腹を貫く位置にいた船を間一髪で受け止めた。
「っ!」
 しかし念動力のみでは力が足りなかったのか、あっという間に弾かれる盾。軌道が逸れたそれは、れにの太腿を掠る。
 完璧に守り切るのは厳しかったか。カガリは奥歯を噛み締めると、急いで彼女の傍へと駆けた。
 船は体制を持ち直すと再びれにへ向かって突進してくる。が、今度はそこに、しっかりとカガリが付いていた。
 盾でなぞるように突進を受け流すと、カガリの周囲に城壁が現れる。
「形がわかれば、脅威では無い!」
 発動されたのはカガリのユーベルコード“追想城壁”。相手のユーベルコードを打ち消す効果のあるそれは見事黒き槍の船に命中したものの、完全に相殺することまでは出来なかったようだ。
 しかし動きの鈍くなった船の隙を、れには見逃さない。
「これ、確か皇帝と五感が共有されているんだったな?」
 そう言いながら氷を纏った剣を振るい、船に攻撃をした、はずだった。
 ふと、先ほどまであったはずの船が消えているのがわかる。
「共有される前に、消せば問題はない」
 目の前に迫る、皇帝の拳。
「ぐっ!」
 それを間一髪で受け止めたカガリ。絶対的にれにを護るという意思は強いものの、皇帝の力は凄まじい。
 このままでは押されてしまうと焦るカガリだったが、そんな彼の元へぽたりと雫が垂れる。
 それはれにの血で、先ほど黒き槍の出現前に蒔いたものだった。
 ぽたぽたと雨のように降りそそぐそれは、れにの腿、そしてカガリの疲労を回復する。
「発動まで少し時間が掛かってしまったね。ここから巻き返そう」
 れにはそう言いながら皇帝の背後を取り剣を振るった。彼がれにに気を取られた一瞬の隙を付いて攻撃を受け流したカガリは、強く頷く。
「この世界は、カガリたちが護らなければな」
 そう言って再び、盾を構えたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

新納・景久
「やったー! 大将首じゃー!!」
嬉しそうに叫びながら、鬼吼丸を引っさげて突撃してゆく
後ろから黒鬼号を追随させる
また、左手には火縄銃を持つ
「会いたかったど銀河皇帝!!」
以前一度見ているので、白騎士を召還してくることは把握済み
こちらの未来位置を把握してレーザーを撃ってくることも
「撃つなあば撃てェ!」
トンと地を蹴って跳躍
空中では回避できないと踏んで砲撃してくるはず
マインドがレーザーを照射するタイミングを計り、後方に火縄銃を撃つ
射撃の激しい反動により、体が前へすっ飛ぶ
これを使って回避
黒鬼号はマインドに突撃させる
自身は勢いそのままに皇帝に飛び掛る
「チェストォォッ!」
【蜻蛉一之太刀】で勝負


ンァルマ・カーンジャール
♡♥遂に大詰めですね・・・!
何としてもこの戦いで勝ちを掴んで参りましょう!

まずはファータさんの予知にもある先制攻撃を防いでから、ですね!

風の精霊魔法で周囲に風を起こしますよー
下からの奇襲にも注意し土の精霊魔法で微震も発生させます!
返ってくる気流の乱れや振動を電脳魔術で分析しソナーの要領で敵さんの攻撃に備えます!

距離があれば土の剣を飛ばして迎撃、近距離であれば自身を加速させて回避に専念です

先制攻撃を凌いだらこちらの番ですね!

土の盾を生成し攻撃に備えて土の剣で攻めますよー
仲間と連携しながら仲間の攻撃の隙間を埋めるように動きます
背後等の死角を狙って攻撃です!

チャンスを見つけたらUCで一気に削ります!



「やったー! 大将首じゃー!!」
 意気揚々に転移されてきたのは新納・景久(未来の親指武蔵・f02698)。楽しそうに跳ねた景久の髪が舞い、そこから羅刹の証拠である小さな角が垣間見える。
 その後ろからは彼の装備という扱いとなっているのだろうか、【黒鬼号】と呼ばれてる馬が無事転送され、かぽかぽとついてきていた。
「何としてもこの戦いで勝ちを掴んで参りましょう!」
 彼、失礼。彼女の馬の影に隠れて入ってきたのはンァルマ・カーンジャール(大地と共に・f07553)で、はしゃいでいる様子の景久を気にかけていた。
 グリモア猟兵の話によれば先制攻撃があるという話だ。あまり浮かれてしまうのは良くないのではないかと心配するものの、景久の目を見てそれは杞憂だと気付く。
 透き通った緑のその瞳は、ぞっとするほどの真剣さが滲み出ているのがわかった。
 仲間の心配も大事だが、自分のこともしっかりやらなければ。
「風の精霊さん。お願いしますね。土の精霊さんも」
 ンァルマは気を取り直してエレメンタルロッドを振るうと、彼女の周囲に風が巻き起こった。
 更には彼女の周囲の床だけ、微かに揺れる。土の精霊によるものだろうか。それは少し離れればわからない程度の揺れだが、彼女はそれを電脳魔術で拾い上げ、しっかり分析を施していく。
 知られざる『黒き槍の船』。極めて発見が困難であれば、無理やりにでも位置を割り出す。
 恐らくこの調子であれば、黒き槍が発見され、破壊されるのにそう時間はかからないだろう。
 そんなンァルマを背に、景久は左手に持つ火縄銃を投げ、くるんと一回転させ持ち直すと、その銃口を目の前にそれに向ける。
「会いたかったど銀河皇帝!! 今度こそおまんの首貰うでなァ!!」
 銀河皇帝。一度彼と対峙したことがあるという景久は、相手がどんな攻撃をしてくるか、既に把握していた。
 未来位置に照射されるレーザー。実際に受けたことはないが、仲間が受けていたのを見ていたことがある。
「撃つなあば撃てェ!」
 皇帝がマインドを顕現させると同時に、高く跳躍する景久。
 身動きの取れない空中へと飛び出た絶好の的。マインドがそれを逃すはずもなく、最高到達点へ向けてレーザーを放つ。
 それは発射されると同時に景久の胸を射貫く――はずだった。
 直後に聞こえたのは、銃声。
 火縄銃の大きな反動を利用し、空中で位置を急激に変えた。
 舞い上がった髪が、レーザーを掠る。だがそれは景久にとって些細なことだった。
「黒鬼号ゥ!」
 景久が叫ぶと、馬は真っ直ぐとマインドへ突撃していく。
 元々臆病な性格の馬が多い中、この黒鬼号の気概はなかなかのものだ。格上であろうマインドにも果敢にいななき突進した。
「援護いたします!」
 その馬の周りをンァルマが投げた土の剣が飛ぶ。彼女の足元には既に黒き槍の船が転がっている。
 景久は携えていた【鬼吼丸】を勢いに任せて抜くと、そのまま大きく振りかぶり皇帝へと切りかかった。
「チェストォォッ!」
 直後響くのは、鬼の咆哮。これは景久の鬼吼丸が気魄と共に振られた時に出る音だ。
 しかし、その気魄虚しく、掌で受け止められた景久の“蜻蛉一之太刀”。
「ぐ、ぅううう……!」
 それでも彼女は諦めない。両腕に力を込め、体重をかけ、少しでもその刀を押し進めようとする。
「今度は私の番ですね!」
 そんな景久の背後から、可愛らしい声が聞こえた。
 皇帝と彼女の周りに漂っているのは、ンァルマが創り出した大地の剣。
「複合接続(マルチアクセス)! 電磁気学制御! 強磁界(ローレンツフィールド)展開! ──母なる大地の御剣よ! 仇なす者に凄惨なる斬撃を!」
 それは彼女の電脳魔術によって超加速しながら、百を超える剣が雨のように降りかかる。
 彼女の綿密なコントロールによって、うまく景久を避けながら降ったそれは、
「……っ、そんな……!」
 皇帝に傷一つ付けられなかった。景久の刀を受け止めている手とは別の手では、サイキックエナジーが作動しているのがわかる。それらが剣の雨を避けたのだろうか。
「……土というのか、これは。脆いものだな」
 皇帝が腕を振れば景久はいともたやすく吹っ飛ぶ。
 上手く受け身を取り着地した景久は距離が離れた皇帝を見ながら、苦い顔で「そう一筋縄ではいかんか……!」と奥歯を噛み締めたのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ジロー・フォルスター
「くく…そうだな、銀河皇帝。生まれる時も死ぬ時も1人だ」

・偶然気味の対UC
【オーラ防御】を周囲に広げ仲間を支援
召喚に違和感を感じねえかな

聖者の特性、体内からの光で猟兵仲間を癒してると…黒いモンが目に入る
光の中の黒い染みほど見易い物はねえな
『黒き槍の船』を【見切り】、【ロープワーク】の銀の鞭で絡め取る

・反撃
【カウンター】で鞭の先の船を【ロープワーク・地形の利用】で壁に叩きつける
皇帝と感覚を共有してるなら触覚(=痛覚)も伝わるだろう
『生まれながらの光』を強め仲間を癒し皇帝の視覚を光で眩ます
聴覚は…俺の声を届けろ

「笑えるよな。その孤独を一番に理解してくれそうな嬢ちゃんを、あんたは殺そうとしたんだ」


ベール・ヌイ
(「さぁ…派手に行こうか!」)「皇帝相手でもボクは護理雷に頼ることを止めない」

ゴリラは喋らず、内心思うか筆談で会話、ヌイはやる気なので一人称がボクになってます
二人揃ってやる気満々です
『マインド』への対応としてヌイは『殺気』『クイックドロウ』『援護射撃』『二回攻撃』などで意識をこっちに向けさせます、攻撃に関しても『武器受け』で攻撃を受け、『激痛耐性』で無理やり耐えます
ヌイに意識を向いてもらってる間にゴリラに皇帝へ突撃してもらいます
攻撃に関しては『激痛耐性』で耐え、ただまっすぐ皇帝へ、ジャーマンスープレックスをかけにいきます
ここまで来たんだ、せっかくだから皇帝へ一発ぶつけたいよね
♡♥ ▽▲


メルト・プティング
発見困難な先制攻撃とかもう被弾覚悟しかないじゃないですか!痛いの嫌だって言ってますよね!?
今回も【オーラ防御】+【激痛耐性】+【覚悟】の技能複合で受けます!そして初撃を耐えたら『黒き槍の船』を見失わないよう目を離さず、【逃げ足】+【見切り】の技能複合で逃げ回りつつ【妨害念波】を発動して無効化を行います!
一度無効化に成功したらこっちのもの、反撃開始です!…といってもボクは引き続き【妨害念波】で皇帝さんのお邪魔に専念して、攻撃は仲間任せなのですが!
皇帝さんは仲間を信じず一人で戦うようですが、ボクは違います!
ボクは、ボク達を、ボクの仲間達を信じていますので!
この連携こそが、ボク達の「力」なのですよ!


ベアータ・ベルトット
ケモノに堕ちたわね、皇帝
良いわ。存分に奪い合いましょ!

味方との連携のもと、一先ずマインドと対峙
覚悟を決め突入すると同時、機脚でブースト加速。残像を纏い撹乱しながらダッシュで接近
勘と視力で先制レーザー攻撃の捕捉を試み、機腕装着の盾で受け被害を軽減
命中しても痛みに耐え、脚を止めず駆ける
「宣告」される前にBEAの一撃を与えられれば…!
…届けッ!
直撃時の衝撃波で皇帝に向けマインドを吹き飛ばす
砲台から発射した特大レーザービームもおまけよ!

続いて皇帝との近接格闘戦に移行
見切り回避に専念し、隙を突いてのカウンター連撃でじわじわ体力を削る
血肉は機腕で都度吸収
露出部位を爪で裂き、傷口をえぐるように再びBEAを!



「自分一人いれば銀河帝国、ねえ……くく……そうだな、銀河皇帝。生まれる時も死ぬ時も一人だ」
 そう言いながら転送されてきたのはジロー・フォルスター(現実主義者の聖者・f02140)、そして続いて来たのはメルト・プティング(夢見る電脳タール・f00394)だ。
「痛いのは嫌なんですけど、今回ばっかりは覚悟を決めるしかないようですね……!」
 グリモア猟兵の予知情報により事前にユーベルコードの内容を知っているメルトは、今回の攻撃について回避は難しいと判断したのか苦い表情をする。
 もっとも、その表情のほとんどは大きなゴーグルによって見えないのだが。
 ジローがオーラ防御を展開し攻撃に備える中、もう一人転送されてきた猟兵がいた。
 その猟兵はなんと金のゴリラ。ではなく、その物陰に隠れている小柄な少女。
 それは少女の召喚獣である雷獣護理雷(ゴリラ)と共に転送されてきたベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)である。
 金の毛を持つゴリラは派手に行こうか!と言わんばかりにドラミングをしていた。
「皇帝相手でもボクは護理雷に頼ることを止めない」
 なんとも頼りになるとは言い難いセリフだが、彼女はいつになくやる気に満ち溢れているらしい。
 普段とは違う一人称の彼女を、物珍しそうにゴリラが見つめた。
 そして目の前にいるのは、銀河皇帝その人。
 皇帝は無言で一人と一匹を見つめると、自身の背に携えている生命維持装置に手をかざした。
 それは光り輝くと、そのまま形を変え、やがて騎士となる。
 これが白騎士と同性能の強さを持つマインドか。
 しかも、二体。
 ヌイが殺気をこめてそれを見つめていると、横から声が掛かる。
「私も加勢するわ」
 それはやや遅れて転送されてきたベアータ・ベルトット(餓獣機関BB10・f05212)で、凛とマインドたちを見つめると、そのまま駆けていく。
 ベアータが動き出したと同時にヌイは素早く双銃を引き抜き、マインドらに向けて連射した。
 その勢いは凄まじい。後衛であるにも拘わらず、自分が敵を引き付ける勢いだ。
 しかしその素早い銃撃は、まるで十秒先を見てきたかのように造作もなくかわされてしまう。
「……むぅ」
 不満そうに口を尖らせる彼女だったが、マインドの気がこちらに、そしてベアータに向いてるのなら好都合だ。
 ヌイの本命はこの銃撃ではなく、ゴリラ。
 マインドの横を通り過ぎるゴリラ、それはマインドの後ろ、つまり銀河皇帝に向かって駆けて行っていた。
 それさえも予知していたのか、マインドは進路方向にレーザーを放つ。それはゴリラの腕を貫いたが、それは止まらない。
「ゴリラ……その一撃を……叩き込め……!」
 ベアータへ援護射撃をしながらも、小さく、力強く言う少女。
 しかし次の瞬間瞳に映ったのは、
「……この程度か。詮無いな」
 皇帝の腕に胸を貫かれた、ゴリラの姿。
 ゴリラが、ヌイの召喚獣が、目線だけこちらを見ていた。
「っ……ゴリラ、」
 主、ごめん。
 ゴリラは主を、ヌイを申し訳なさそうに見た後、皇帝によって投げ飛ばされる。
 投げ飛ばされた先にはベアータがいた。機脚でブースト加速をしていた彼女は間一髪でそれを避ける。
 避けた拍子に、皇帝と目が合った。どこまでも、どこまでも冷たい、無機質な金の瞳。
「……堕ちたわね、皇帝」
 その無機質さはまるで、この人自身が一つの星、惑星、――世界そのもののようだ。
 この皇帝を倒さなければ、この世界は滅亡してしまう。
 しかし、まずはこのマインドをどうにかしなければ。
 ヌイと連携しなんとか一体倒したものの、マインドはもう一体残っていた。
 ベアータは右目を覆っている眼帯を外すと、光に対しぐっと距離を詰めていく。
 超加速をしながら残像を残し、フェイントを交えながら突撃していく様は、通常ならば見切れないだろう。そう、未来を見据えるマインドの力がなければ。
 走った先に、マインドのレーザーが“あった”。しかしそれを直感で感じ取っていたベアータは機腕に装着された盾を反射的に構える。
 軌道が逸れたそれは床に叩きつけられ、今が勝機と言わんばかりにブーストを最大出力にした。
 ぶわっと近付く距離、ベアータの視界が、マインドの光だけになっていく。
「さっきは熱烈なプレゼントありがとう。――お返しよ!」
 次の瞬間、マインドが宙を舞った。摩擦が少ないこの空間でそれは軽々と皇帝に向かって飛んでいく。
 が、それは直撃の瞬間ただの生命維持装置に戻り、銀河皇帝の元へと帰っていった。
 さすがに上手いことダメージは与えられないか。ベアータは苦い顔をすると、先ほど吹き飛ばされたゴリラをちらりと見やる。
 かなり重症のようだが、物凄い執念だ。よろめく身体に鞭を打ち、胸から噴き出るエネルギーを手で押さえながらもずりずりと主の元へ帰ってきていた。
「……いくよ」
 ヌイはそんなゴリラを見て、ぽつりと言うと小さく唇を噛んだ。
 皇帝へ駆けていく、二人と一匹。

 一方、『黒き槍の船』の気配を探っていたジローとメルト。
 オーラ防御を展開し感知できないかと思っていたが、それは少し気が逸れた瞬間に起こった。
 先ほど皇帝によって壁に叩きつけられたゴリラ。それに二人は一瞬目がいってしまう。
 ずぷり。
 異様な音に振り向いたジロー。そこには、背後から腹部を貫かれたメルトがいた。
「……いっ、だ……!!」
 黒い船は既にいないが、居場所はメルトの目線が物語っている。
「すぐに回復する!」
 ジローはメルトの目線に注意しながらユーベルコード“生まれながらの光”を発動させた。
 みるみるうちに塞がっていく穴。元々ブラックタールであるメルトは自分の腹部を見て一息つくと「ボクのスゴイカワイイ衣装が……」とぼやいた。
 しかしそうも言ってられない、黒き槍の行方を探さなければ。
 だが、ジローはメルトを治療している途中、既に見つけていた。
 治癒の光の中に在る、ただ一つの黒い点を。
「光の中の黒い染みほど見やすいモンはねえな」
 再び向かってくるそれを、自身の装備【銀の鞭】で絡め捕ると、ぐるりと一回転させ勢いのまま壁に叩きつけた。
「一度見させてもらいましたからね! “妨害念波”も成功するハズです!」
 そこにすかさずメルトが“妨害念波”を放つ。黒き槍の船はもがくように動き回ったが、やがてそれは小さく振動するまでになった。
 ジローがちらりと皇帝を見やる。この船は皇帝と五感が共有されていると聞いた。ならば先ほど壁に叩きつけられたダメージが多少なりとも入っているはずだ。
 が、皇帝はそんな様子を微塵も感じさせず、ベアータ達と応戦している。
 都合よく向こう側からのアクセスを遮断できるのか、それとも大したダメージになっていないのか。
 どちらにせよ、やはり一筋縄ではいかないかとジローは苦笑した。
 二人は目を合わせると頷き、皇帝のもとへと走っていく。
 ベアータ、ヌイ、そしてゴリラ。三人がかりで皇帝となんとか渡り合えるというところだろうか。
 皇帝は最小限の動きでベアータの猛攻を防いでいた。首をかしげ彼女の爪を躱すと、それを裏拳で弾く。ベアータは弾かれた勢いを利用し回転するとそこからハイキックを繰り出した。
 しかしそれさえも容易く受け止める皇帝。ちらりと目線だけ見れば、新たな猟兵が近付いてきているのがわかる。
「お待たせしました! 加勢しに来ましたよ!」
 再びマインドを召喚しようとする皇帝に対し、再び“妨害念波”を放つメルト。
 しかし、宇宙最強のサイキックエナジーを持つ皇帝に対し、完全に相殺しきるということは難しいようだ。
 白騎士の力を引き出せないまでも、思念体となったマインドが再び猟兵達へと襲い掛かる。
 つくづくチートじみてるわね、というベアータの横を、ヌイの砲弾が通り過ぎた。
 未来が見えないであろうそれならば、抑えることは容易い。
「……ゴリラ……今度こそ……」
 マインドを氷の弾と火の弾で牽制しながらヌイが言う。我が主のためといわんばかりに駆けるゴリラ。
 しかしこのまま向かっても、また先ほどのように捉えられてしまう。しかし、今度皇帝へと向かうのは、彼一匹ではないのだ。
「餌食となってもらうわ!」
 ゴリラと共に再び猛スピードで駆けていくのはベアータ。
 そしてその一人と一匹を、ジローの“生まれながらの光”が包んだ。目が眩むほどの光に、皇帝も目を細める。
 光はベアータとゴリラの傷を癒しながら、一層その光を強めていった。
「笑えるよな。あんたは自分の血族さえも殺して、自ら孤独になろうとしているなんて」
 本当は、一人ではないのに。自ら一人でいようとするなんて。
 複数に渡って疲労する技を使用したジローは膝を突きながらぽつりと言う。
 その声は皇帝に届いているのか、いないのか。彼は表情を変えずゆっくりと光に手を突き出し、彼らの意志を奪おうと洗脳念派を放とうとする。
 しかし皇帝の腕に絡みついたのは、また別の光だ。
「皇帝さんは仲間を信じず一人で戦うようですが、ボクは違います!」
 それはメルトのサイキックエナジーである【キラメキ☆オーラ】だ。
「ほう、銀河最強である我のサイキックエナジーに、その程度の力で対抗しようと言うのか」
 その言葉と同時にメルトの光が、サイキックエナジーがぶれていく。銀河皇帝が自分よりも格下であろうサイキックエナジーを掻き消すのは造作もないだろう。
 だが、その一瞬、ほんの一瞬でいいのだ。
「っ、もちろんです! ボクは、ボクたちを――」
 その一瞬で、光から出てきた金のゴリラが、銀河皇帝の腰を掴む。
 技を仕掛けるまでとはいかないまでも、それは銀河皇帝の動きを止めた。
「ボクの仲間たちを……信じていますので!」
 続いて出てきたのは、ベアータ。
「こんにちは銀河皇帝。――存分に奪い合いましょ?」
 生命をね。
 挨拶するがごとく飛び出したのは、右目の義眼から伸ばされた舌。
 “Bugbear's Eye A-type”。
 先ほどマインドを吹き飛ばした技を、同様に皇帝陛下へと繰り出す。
 それは先の猟兵が付けた、小さな銃創だった。
 ぐじりと肉の抉れる音が響く。響くと同時に、噴き出たのは真っ赤な、真っ赤な、赤い血。
 思わずそれを押さえながら膝を突く皇帝。しかし大量の血は収まらず、急激な血圧低下によりそれは倒れ込んだ。
 うつ伏せのまま、それでもぎょろりとした無機質な目が、猟兵達を睨む。
 やがてそれは、骸の海へと溶けていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月23日


挿絵イラスト