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嘘つきの花の色

#アリスラビリンス #戦後 #ハビタント・フォーミュラ #エクスマトリックス・オーバーロード #禁軍猟書家

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#禁軍猟書家


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 突然転移されたアリス達が見たのは、色とりどりの花が咲き誇る庭園だった。
 そしてその手前には、一人の女性が立っている。
「ごきげんよう、アリスの皆さん。私はあなた達がおうちに帰れるよう、試練を与えにきました」
 女性は柔らかな微笑みを浮かべつつ、優しく言葉を紡ぐ。
「この花園を越えられたら、おうちに帰してあげますわ。私はゴールで皆さんを待っています。さあ、頑張ってちょうだいね」
 そう話を締めくくり優雅に進む女性の背中を見送りつつ、アリス達は意気込む。
 おうちに帰してもらえるんだ。
 花園を抜けるだけならきっと難しくないよ。
 あの人、優しそうだったもんね。
 アリス達は安堵の笑みを浮かべつつ、早速出発の準備を行う。

 そんな楽しげな言葉を背中で受け止めつつ、その女性――禁軍猟書家の一人、『雪の女王』はくすりと微笑む。
 ああ、可哀想なアリス達。誰もここから抜け出せないのに。
 みんなみんな、ハートの女王の糧になるだけなのに。
 愚かで可愛いアリス達。早くその身を裂かれ、無念と怨念に溺れる様を見せてちょうだいな。


 いつものグリモアベースではなく、シルバーレインの金沢市、卯辰山公園にて。自転車のような跡と不可思議な渦の前にて、レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)は猟兵達へと笑顔を向ける。
「この渦はハビタント・フォーミュラの逃走経路『|全能計算域限界突破《エクスマトリックス・オーバーロード》』の入り口みたいだね。彼女は急いで逃走したから、この経路を隠すことしか出来なかったみたいだけど……それでもこの先には罠が張ってあるみたいだ。渦の内部は別の場所に繋がっていて、そこにはブックドミネーターの精鋭である『禁軍猟書家』とやらが潜んでいるみたいだよ」
 ハビタント・フォーミュラはいざという時のリスクを見越し、禁軍猟書家の元に進行先を繋いだようだ。これは危険な状況でもあるが、大きなチャンスでもある。
「もし禁軍猟書家を上手く倒すことが出来れば、猟書家達を一網打尽に出来るかもしれないね。ハビタント・フォーミュラの行く手も気になるし、今回はここに飛び込んでみようか」
 罠があったとしても、事前にその存在を知ることが出来たのなら危険は回避できる。第二次聖杯戦争で猟兵達が掴んだチャンスを、今こそ活かす時だろう。

「この渦の先はアリスラビリンスを模した『偽物の世界』に通じているよ。そこでは禁軍猟書家の一人『雪の女王』が多くのアリスを捕らえ、理不尽な試練を課している。彼女は『試練にさえ合格すれば元の家に帰してあげる』なんて言ってるけど、それは嘘っぱちだ。『雪の女王』はアリス達に未練や無念を抱かせて死なせて、自分の力に変えるつもりなんだ。だから皆もこの試練の場に飛び込んで、まずはアリス達を助けてほしい」
 レンは話を続けつつ、グリモアで目的地を映し出す。そこは鮮やかに花が咲き誇る庭園だが、漂う雰囲気はどこか不穏だ。
「試練は『この花園を越えること』なんだけど……ここにある花は全て食人花だ。通り掛かる生き物全てを食らおうとする獰猛な花だよ。だから皆はアリスを守り、花の対処をしつつ庭園を抜けて欲しいんだ」
 花は危険で獰猛だが、性質や耐久力は普通の花と変わりない。猟兵ならばアリスを守りつつ対処することも難しくはないだろう。

「庭園を抜けたら『雪の女王』との戦いだ。彼女は今まで殺してきたアリスの無念を使い『ハートの女王』という存在を纏いつつ戦いを挑んでくるよ。ここまでの道のりでアリスを守れていれば、その出力も落ちるはずだ。それでもユーベルコード一つ分のパワーはあるみたいで、彼女本来のユーベルコードに加えて『オウガ・ゴースト』も使ってくるよ。気をつけて戦ってほしい」
 『雪の女王』は『ハートの女王』と連携しつつ戦いを挑むだろう。
 そんな相手にどう立ち向かうか。それは猟兵次第だ。

「今回は危険な状況だけど、大きなチャンスでもあるからね。みんなが無事にアリスを救い、禁軍猟書家を倒すのを待っているよ」
 話を締めくくりつつ、レンは改めて笑顔を浮かべる。
「それじゃあ気をつけて。いってらっしゃい」


ささかまかまだ
 こんにちは、ささかまかまだです。
 禁軍猟書家戦です。

●一章『食欲旺盛なお花畑』
 アリスラビリンスを模した偽物の世界、花の咲く庭園に多数のアリスが囚われています。アリス達は「この庭園を越えられたら家に帰してあげる」と言われていますが、それはオウガの嘘です。
 薔薇に似た花は全てを食人花であり、アリス達が乗り越えようとしても無惨に食らってしまうでしょう。
 オウガの企みを阻止すべく、まずはアリス達を守り花の対処をしつつ庭園を越えましょう。

●二章『雪の女王』
 禁軍猟書家です。
 彼女は今まで殺してきたアリスの力を使い『ハートの女王』を纏いつつ戦いを挑んできます。
 通常のユーベルコードに加えて『オウガ・ゴースト』も使用してくるので気を付けましょう。
 詳細は断章にて。


 どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
 進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
 締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。

 それでは今回もよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『食欲旺盛なお花畑』

POW   :    食人花をなぎ払いつつ助けに行く

SPD   :    道具などを駆使して助ける

WIZ   :    巧みに指示を出して脱出させる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 渦を潜り抜けた猟兵達を出迎えるのは、早速花園へと足を踏み入れようとするアリスの集団だ。
 アリス達は10代前半の子供ばかりのようで、猟兵達には驚きつつも敵意がないことはすぐに理解してくれた。

「みんなもアリス?」
「この花園を抜けたらおうちに帰してもらえるんだって! みんなも一緒にいこう!」
 アリス達は無邪気に試練を始めようとしているが、このまま放っておけば食人花の餌食になってしまうだろう。
 まずはアリス達を守りつつ、この美しくも危険な庭園を超えていかなくては。
御簾森・藍夜
【晴翡】

ほら見ろなんてこった活きのいい食人花だ!!
…なぁ
なぁ、あれってやはり切ったら死ぬのか?いやでも切っても動いてる可能性だってワンチャンあるきっとある
はーーーー堪らんな????この訳の分からない世界!!
…切ったら痛いとかいうのか?いや攻撃的になる?それとも切断面を凍らせればもしかすれば生きたまま…ん?
おっと仕事だったなUC

UCの狼はアリスに同伴させ守護役遠吠えで連携を

…一つ、気になることがある
ハートの女王とは?あの“禁軍猟書家”をも凌ぐ何か
この世界における絶対なのか
他の域にも何か及ぼせるものなのか…未知数だな

ま、いい
さて先輩、アリスはか弱いがアンタは違う
狼はつけんぞ、だが派手に行こう


虹目・カイ
【晴翡】

えっなにこの|後輩《こ》こわい
……つか何で『当事者』の私より|藍夜くん《きみ》の方が乗り気なんかねぇ……

まぁいいや
取り敢えず人命救助な?

(アリスたちにはにっこり、平素の営業スマイルでやわらか丁寧に)
ご機嫌よう、アリスの皆様方
おっと、一旦ストップでございます
ここのお花の皆様は、皆様方と遊びたいようですが
ちょっと皆様方には刺激が強すぎでございますね

というわけで、皆様方はそちらの騎士様たちからどうか離れませんよう
(氷月狼を指し)

……で、私はユーベルコードの花弁で狼たちが討ち漏らした花を焼いていこうな
か弱い女の子らいじめようとするからこうなんのよ、因果応報だ

はいはい解ってますよっと!




 転移した先で感じたのは、強烈な花の香り。
 虹目・カイ(虹に歪む自己・f36455)はざっと周囲を見回し、アリス達の姿を探す。
 そんな彼女の隣では、御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)が好奇心で瞳を輝かせていた。
 彼はそのまま適当な花に歩み寄り、手を伸ばして――すぐに引っ込める。正体を現した花が牙を向き、黒革の手袋に覆われた指を噛み千切ろうとしてきたからだ。
 それは恐ろしい光景のはずなのに、藍夜の瞳は更に輝く。
「ほら見ろなんてこった活きのいい食人花だ!!」
「そうですね。見た目より遥かに獰猛なようで。アリス達も心配ですね、早く合流しましょう」
 カイは周囲を見回した際に、四阿のような建物を見つけていた。アリス達もきっとそこにいるだろう。
 二人並んで目的地を目指す傍らでも、藍夜の好奇心は止まらない。
「……なぁ」
「なんでしょう?」
「なぁ、あれってやはり切ったら死ぬのか? いやでも切っても動いてる可能性だってワンチャンあるきっとある」
 手近な花をさっと引っこ抜き、まじまじと観察して。最初は牙を剥いていた花も、根から離されればどんどん弱っていくようだ。
「……切ったら痛いとかいうのか? 思っていたより攻撃性は低いのかもしれないな、切断面を凍らせればもしかすれば生きたまま……」
「えっなにこの|後輩《こ》こわい」
 ぶつぶつ呟く藍夜に対し、カイが向けるのは苦笑い。
 『当事者』である自分より乗り気な|藍夜くん《きみ》に、なんとも言えなくて。
「はーーーー堪らんな???? この訳の分からない世界!!」
「きみが楽しんでるのは十分に分かるし、偽物の世界とはいえおとぎの国は愉快だね」
 ハイテンションな藍夜の肩をポンと叩いて、カイは緩く笑みを浮かべて。
「まぁいいや。取り敢えず人命救助な?」
「おっと仕事だったな。なら先に呼んでおくか」
 少しテンションを落ち着かせた藍夜は氷月狼の群れを呼び起こし、自分達の側を歩かせる。
 元気な後輩と氷の狼を引き連れて、カイは足早に四阿へと向かっていく。

 アリス達は出発しようとしていた直前のようで、そこにすかさずカイは姿を晒す。
「ご機嫌よう、アリスの皆様方。一旦ストップでございます」
 後輩に向けていたのとは違う、スマートな笑みを浮かべての柔らかな言葉。カイの様子はアリス達の注意を引き付けるには十分だった。
「ここのお花の皆様は、皆様方と遊びたいようですが……ちょっと皆様方には刺激が強すぎでございますね」
「ほら、見てみろ」
 カイの後方では、藍夜が食人花に手を伸ばしていた。先程のように牙を剥かれれば、すぐに腕を引っ込め氷月狼に凍らさせて。その光景を前にすれば、アリス達は小さく息を呑む。
「ご覧の通り。面白い花だが、アリス達には危険だろう」
「という訳で、私たちと騎士様たちが皆様方を案内します。どうか離れませんよう」
 紹介を受けた氷月狼が小さく吠えれば、アリス達も素直に頷く。
 自分達に危機が迫っているという状況、頼りになる大人がいるという状況。それらを理解したアリス達は、きっと素直に従ってくれるだろう。
「それじゃあ、行こうか」
 藍夜が氷月狼と共に先導しつつ、その後ろをアリス達がとことこ歩く。一番後ろでは、カイが皆を見守りつつのサポートだ。
「誰も置いてはいきません。必ず皆様方を庭園の出口まで――いいえ、安全な場所まで連れていきますから」
 こうして美しくも危険な転園散策が始まった。

 氷月狼達は遠吠えで連携しつつ、次々に行く手の花を凍らせていく。
 そうして出来上がった氷の道は藍夜がどんどん進んでいって。その最中に想いを巡らせるのは、この世界の主であるオウガのことだ。
 禁軍猟書家である『雪の女王』は『ハートの女王』という存在と共に戦うのだという。
 書架の王の精鋭であるオウガが大切にする何者か。もしかすると、その相手はこの世界における絶対的な存在なのだろうか。
 そのような存在が他の域にも何か及ぼせるものなのだとしたら。
 考えるだけでもゾッとする話だ。オウガの企みは、絶対に打ち砕かなければならない。
 そうやって次々に考えを生み出す最中、ちらりと見えたのは――熱を伴う向日葵の花弁。
 その花弁の正体は知っているから、警戒をする必要はない。後ろを振り返れば思った通り。向日葵を舞わせているのはカイだ。
 彼女の視線は鋭く、矢のように食人花へと向けられている。
「……か弱い女の子らいじめようとするからこうなんのよ、因果応報だ」
 ぽつり呟くその顔は、真剣そのもので。きらきら輝く瞳には、炎に呑まれる食人花が映っている。
 これだけの強い怒りは、彼女がアリスを思うからこそ。カイのアリス達に向ける思いの強さは、藍夜もよく理解していた。
 だからこそ、向ける言葉には信頼を乗せて。
「さて先輩、アリスはか弱いがアンタは違う。狼はつけんぞ、だが派手に行こう」
「はいはい解ってますよっと! アリスの皆様方はきちんと守りますから!」
 猟兵達が形作るのは氷と熱。相反するそれらでも、乗せる心は同じで。
 アリス達を救い、オウガを倒し、禁軍猟書家を止める。そのために、二人はやってきたのだから。
 そんな二人の様子にはアリス達も安心しているようで、猟兵達、特にカイは内心強く安堵しているようだ。
 こうして先輩後輩は、誰も傷つけることなく目的地へと向かっていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ニーニアルーフ・メーベルナッハ
見た目は確かにとても美しい花園…ですが、とても危険なのですよね。
アリスの皆さんが食べられてしまわないよう、食人花にはしっかり排除していきませんと。

ヴァイス・リートを介し【蟲使い】で操る蟲達を広範囲に展開、アリスの方々を狙う食人花の存在を【情報収集】。発見次第、片っ端から食べさせていきましょう。
私自身も周囲に気を配り、襲われようとしているアリスの存在を【瞬間思考力】で早急に察知。発見次第、蟲達を向かわせます。

食人花が多いようなら、白燐拡散弾で纏めて吹き飛ばしにかかります。
誰一人、食べさせはしませんから…!




 広がる花園は、確かに見た目だけは美しい。
 小さく息を吐きながら、ニーニアルーフ・メーベルナッハ(黒き楽園の月・f35280)はアリスの元を目指していた。
 花は少し近付くだけでも此方に向かって牙を剥き、ヒトを喰らおうとしてくる。
 その程度の攻撃ならば白燐蟲に払わせることが出来るが、それはニーニアルーフが猟兵だから。
 幼いアリス達がこの庭園を進んでしまったら。その先に訪れる未来は、簡単に想像出来る。
「……食人花はしっかり排除していきませんと」
 ぐっと拳を握りしめ、目指すは小さな四阿。そこには出発しようとしているアリス達の姿があった。

「こんにちは、アリスの皆さん。私も一緒に進ませてください」
 そう言って穏やかに微笑むニーニアルーフの様子は、すぐにアリス達を安堵させることが出来た。
 彼ら彼女らも年上の女性が引率してくれるとなれば一安心だろう。
「それでは出発……と行きたいのですが。この花畑は大変危険です。だから少し、道を開けましょう」
 ニーニアルーフはヴァイス・リートを構え、美しい音色を奏でていく。その音に合わせて姿を現すのは、ふわふわと浮遊する白燐蟲だ。
 蟲達は庭園の中に散らばっていくと、目にした情報をニーニアルーフの元まで届けてくれて。
 ゴールになる地点までは子供でも歩ける距離だが、やはり道筋には食人花が多いようだ。そこでニーニアルーフは更に笛を奏で、蟲達を散らばらせていく。
(数が多いのなら、一度焼き払ってしまいましょう!)
 ニーニアルーフの気合に応じるように、蟲達はあっという間に進行ルートに散らばっていき――凄まじいエネルギーを解き放つ!
 圧倒的な力は次々に花を飲み込んで、進むべき道は切り開かれた。これで少しは安心出来るだろうか。
「……準備はできました。皆さん、出来る限り私の近くを歩いて下さいね」
 アリス達はこくりと頷き、ニーニアルーフの側に集まってくる。
 そんな彼らにそっと微笑みを向け、ニーニアルーフも目的地への歩を進めた。

 大部分の花は消し去ることが出来たが、それでも取りこぼした分は存在している。
 そんな花も白燐蟲と共に薙ぎ払いつつ、ニーニアルーフは子供達と進んでいく。
 不安げな表情を浮かべつつも、自分を信頼してくれる小さな子供達。その様子には安堵の気持ちと共に、強い使命感も湧き上がってくるようで。
「誰一人、食べさせはしませんから……!」
 強い想いは蟲達にも伝わり、皆を守り切る力となったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベロニカ・サインボード
【行動】
・自分が真っ先に花畑に飛び込み、食人花の危険を伝える
・フォースオーラ『ワーニン・フォレスト』で花に攻撃。猛スピードの打撃で、射程内(半径2m)の花を叩きのめし狩り尽くす
・アリス達には『ゴムの看板』を配り、盾として利用してもらう

【心情】
猟書家だろうと何も変わらない
アリスは殺させない、殺させたくない
だからこの花畑は…私が先導する!

『ワーニン・フォレスト』ッ!
くらえくらえくらえくらえ
くらえくらえくらえくらえ
くらえくらえくらえくらえ

アリス…この花畑が『なんなのか』見たわよね
私が先導するわ

これ使って、『ゴムの看板』よ
タネ飛ばしとか、果実投げとか、色々な攻撃が予想できるけど…ひとまず盾になるはずよ




 いざ庭園を進もうとするアリス達の前に、白い影が一つ飛び込む。
 その影――ベロニカ・サインボード(時計ウサギの道しるべ・f35983)はゴムの看板を数枚呼び出すと、すかさずアリス達の前へと投げ込んで。
「これ使って、『ゴムの看板』よ。それから、花には近づかないで」
 アリス達は驚きつつも指示には従ってくれそうだ。ゆっくり彼らに事情も説明したいけれど、今は。
 視線を周囲へ向ければ、目に飛び込むのは本性を現した食人花達。
 彼らは牙を剥き、ベロニカへと食らいつこうとしているが――。
「――『ワーニン・フォレスト』ッ!」
 ベロニカが叫ぶと同時に、彼女の背後から狼女の姿をしたフォース・オーラが姿を現す。
 そのオーラ『ワーニン・フォレスト』は構えを取りながら、ベロニカ達を守るように敵の元へと飛び込む。
 そのまま放つのは――凄まじい拳のラッシュ!
「くらえくらえくらえくらえくらえくらえくらえくらえくらえくらえくらえくらえッ!」
 ラッシュの度にベロニカが叫べば、ワーニン・フォレストが放つ拳もより鋭く激しいものへと変わっていく。
 そうしてあっという間に周囲の花を薙ぎ払えば、これでひとまず安心だ。

 落ち着いたところで、ベロニカは改めてアリス達の元へと向き直る。
「自己紹介が遅れてごめんなさい。私はベロニカ、時計ウサギの案内人よ」
 アリスの中には時計ウサギと出会った事のある子もいた為、お互いの立場はすぐに理解してもらえたようだ。
 その様子から、改めてこの子達が本物のアリスであることを痛感し、ベロニカはぐっと胸を張る。
 相手が猟書家であろうと、ここが偽物の世界であろうと。アリスは殺させない、殺させたくない。その想いは、いつも同じだから。
「アリス……この花畑が『なんなのか』見たわよね。私が先導するわ」
 ベロニカのその提案に、反対する者は誰もいない。その様子に安心したのなら、更に数枚の『ゴムの看板』を呼び出して。
「この看板は、ひとまず盾になるはずよ。食人花も何をしてくるか分からないものね、それで出来る限り身を守って」
 もちろん危険があればベロニカはすかさず飛び込み、アリスを助けるつもりだ。
 けれどアリス達を助けられる可能性は、少しでも増やしておきたい。その想いが籠められた看板は、きっと頼もしい盾になるはずだ。
「それじゃあ、行きましょう」
 ベロニカは『ワーニン・フォレスト』と共に、庭園の中に足を踏み入れる。
 アリス達と合わせるようにペースはゆっくり。その分丁寧に花を追い払えるよう、常に神経は集中させて。
 そうしてベロニカが先導する道程は、安心安全のものとなるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
POW重視
絡みアドリブ可

年端も行かぬ子らを罠に嵌めんとするは外道の極みぞ
試練で試すのであれば実力を行使するまでじゃ

「ありす達や、この花畑を抜けるのならばわらわにも同行させてたもれ」
警戒心を抱かせぬようにありすの子らに同行を求めつつ、UC「即興足軽兵招集」発動にて子らにあった草刈鎌や枝切り鋏などの植物伐採に向いた刃物類を配布
花が襲い掛かれば孤立せずにできるだけ纏まって応戦するように鼓舞しつつ、わらわはこの手の薙刀で子らを身を挺してでも護る大立ち回りを演ずる

戦い慣れぬし怖かろう?
じゃが己の身は己で守らねばならぬ時がある
そうした中で最後に生き残るは己を信じた者のみじゃ
己の中に勇気という心の武器を持て




 集められたアリス達は幼い子どもばかり。そんな彼らが残酷な企みに巻き込まれているという事実は、やはり胸が痛むもので。
 だからこそ鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)は強い決意と共に、アリスの元へと足を運ぶ。
 『雪の女王』が試練で試すというのなら、真っ向から実力で乗り切ってやろうではないか。
 小百合子はアリスの元までたどり着くと、勇ましく笑顔を浮かべる。
「ありす達や、この花畑を抜けるのならばわらわにも同行させてたもれ」
 アリス達は最初こそ古風な装いの小百合子に驚いていたが、彼女に敵意がないこと、むしろしっかりと守ろうとしてくれていることはすぐ理解してくれた。
 なら皆で一緒に行こう。そう話が纏まれば、小百合子はユーベルコードを発動しだす。
「我は誓う、全ての者を守ると……ありす達、我に続くが良い!」
 勇ましい叫びに呼応するように現れるのは、草刈鎌や枝切り鋏といった刃物類。
 それらはアリス達の手の中に収まると、鋭く光を放った。
「お姉さん、これは……?」
「これから進む道には、危険な花が沢山生えておるのじゃ。わらわも出来るだけ刈り取るつもりじゃが、できれば皆にも戦って欲しいのじゃ」
 小百合子が一足先に庭園へと足を踏み入れれば、食人花はすぐに正体を現す。
 美しい花弁からは鋭い牙が見え隠れし、一瞬で小百合子へと食らいつこうとするが――それより早く、竜王御前がその首を切り裂いた。
「……これがこの庭園の正体じゃ。恐ろしいが、皆は進まねばならない。戦い方はわらわが教える、一緒に付いてきてくれたもれ」
 最初は怖がっていたアリス達だが、小百合子の言葉に励まされ一人、また一人と前に歩き出して。
 なるべく皆で纏まって行動し、誰一人孤立させないように。
 そうして組み上がった陣は、庭園の終わりを目指して進んでいく。

 小百合子はアリス全員を守れるように大立ち回りしつつ、常に彼ら彼女らを励まし続けた。
「戦い慣れぬし怖かろう? じゃが己の身は己で守らねばならぬ時がある。そうした中で最後に生き残るは己を信じた者のみじゃ」
 小百合子から受けた言葉を胸に、アリス達も出来る限り武器を振るって。
 皆が振るう刃は、確かに恐ろしい花を次々に切り落としていく。
「ああ、そうじゃ。己の中に勇気という心の武器を持て。それこそが皆を支えてくれる力になろうぞ!」
 勇猛な戦士でなくとも、勇気があれば困難には立ち向かえる。
 そうした小百合子の教えと、彼女の勇ましい戦い。それはアリス達の足を進める、確かな標となっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『雪の女王』

POW   :    侵略蔵書「クイーン・オブ・ハート」
【「ハートの女王」の怨念】と合体し、攻撃力を増加する【絶対処刑の呪いが付与されたギロチンの刃】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【トランプ兵団】が使用可能になる。
SPD   :    スノウ・キングダム
戦場全体に【あらゆる事象と存在を凍結させる極寒の吹雪】を発生させる。レベル分後まで、敵は【吹き荒れる猛吹雪と鋭い氷の礫】の攻撃を、味方は【雪の魔力】の回復を受け続ける。
WIZ   :    アイシクル・ステップ
【敵の認識外からの空間転移】で敵の間合いに踏み込み、【触れた存在を瞬時に凍結させる冷気】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。

イラスト:大目に見て

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はベリル・モルガナイトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達は誰一人アリスを傷つけることなく、庭園の終わりまで導くことが出来た。
 庭園の終わりにあったのは、巨大な氷の玉座。そこには『雪の女王』が鎮座していた。
「おのれ、猟兵……お前達のせいで力が足りませんわ」
 雪の女王は立ち上がると同時に、不気味な力を纏っていく。
 その正体は理不尽な試練に殺されてきた、アリス達の怨念。女王はこれまで多くのアリスを殺し、自分の糧としてきたのだ。
 そうして出来上がるのは――一人の女性の姿を模した、ユーベルコードの形だ。

「紹介します。彼女は『ハートの女王』、オウガ・オリジンの戯れによって殺された私の主。不完全な形ではありますが……あなた達を殺し、その力で改めて彼女を蘇らせますわ!」
 雪の女王は身勝手な理由で人々を殺し続け、猟書家の立場すら利用して願いを叶えようとしていたようだ。
 その妄執を終わらせられるのは、猟兵達しかいない。
 ハビタント・フォーミュラの足取りを追うため、オウガを止めるため。
 偽物の世界での、戦いの幕が上がる。


 アリス達は戦闘に巻き込まれない位置に退避しており、雪の女王も猟兵優先で狙います。
 また、雪の女王は通常のユーベルコードに加え『オウガ・ゴースト』を使用します・

 『オウガ・ゴースト』
 自身の【肉1ポンド(約450g)】を代償に、【自身に憑依するオウガ】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【青白き炎】で戦う。
ベロニカ・サインボード
【行動】
『m'aider』という言葉で古びたリボルバーを召喚
その弾丸に『ワーニン・フォレスト』を憑依させ、発射
雪の女王の体内に弾丸ごと『埋まる』事で吹雪を防ぎつつ攻撃
炎も吹雪も恐れない
たとえベロニカ自身が凍結しても、意志の力でワーニン・フォレストを操る

【心情・発言】
…『助け』が要るのは私じゃあない、アリスよ
今を生きるアリス、これから呼ばれるアリス。彼らは絶望だけを与えられようとしている
だから…アリスのため、アリスを…
|『m'aider』《助けて》

銃の名は…『鍵の一つ』
…今撃った弾丸に『ワーニン・フォレスト』が取り付き、アンタの体内に潜航した

ワーニン・フォレスト|『第二の扉』《セカンドドア》




 赤茶の瞳は静かに、けれど燃える炎を宿しつつ敵を睨む。
 ベロニカ・サインボードはまっすぐに『雪の女王』を見据えつつ、頭の中では逃げたアリス達のことを考えていた。
(……『助け』が要るのは私じゃあない、アリスよ。今を生きるアリス、これから呼ばれるアリス。彼らは絶望だけを与えられようとしている)
 今唱えるべき言葉は、知っている。
 けれどその言葉はきっと、自分ではなくアリスが投げるべきもので、自分は受け止める側だ。
 それを受け止めた上で、なお叫ぶ。それがきっと、自分の役割なのだから。
「だから……アリスのため……」
「何をぶつぶつと。ウサギは絶望もしないでしょう。早くどいてちょうだいな」
 静かに意識を集中するベロニカに対し、女王が投げるのは極寒の吹雪。
 吹き荒れる風の音が、冷気が、自分自身を苛んでも。それでもベロニカは迷わない。
「アリスを――|『m'aider』《助けて》」
 その言葉を唱えると同時に、ベロニカは天に向かって手を伸ばす。
 同時に女王の後方に虚空が開き、そこから飛び出した何かが伸ばされた手中に収まった。
 ぎゅっと握って感触を確かめて。ベロニカが握りしめたのは、古めかしいリボルバーだ。
「アンタの名前は『鍵の一つ』。一緒にアリスを助けるわよ」
 寒さで震える身体を無理矢理にでも動かして、銃口を突きつけるは女王の方向。
 あとは引き金を引くだけだ。

 乾いた音が鳴り響き、ベロニカは確かにリボルバーから弾丸を放つ。
 けれどちっぽけな弾丸を阻むよう、更に吹雪は強まっていた。
「無駄ですわ。凍りつきなさい!」
 女王の嘲りに合わせるよう、少しずつベロニカの四肢が氷に覆われていく。このままでは体温も奪われ、いずれ動くことも困難になるだろう。
 それでもベロニカは変わらず、恐れずに女王を――いや、その方向を目指す弾丸を睨んでいた。
 その様子に女王も気付くかもう遅い。彼女が動くより早く、発射された弾丸が女王の胴体に『埋まり込んだ』のだから。
「なっ……」
「ワーニン・フォレスト|『第二の扉』《セカンドドア》。今撃った弾丸に『ワーニン・フォレスト』が取り付き、アンタの体内に潜航した」
「なに、を」
 次の瞬間女王の視界に飛び込むのは、拳を構える狼女の姿。
 それから次に感じ取ったのは――凄まじい痛みと衝撃。一瞬にして姿を現した『ワーニン・フォレスト』が全力のラッシュを叩き込んだのだ。
「くらえくらえくらえくらえッ! アリスは誰一人、傷付けさせないッ!」
 ベロニカの意志を受け取った『ワーニン・フォレスト』は一際大きく拳を構えると、一気に女王を空へと打ち上げる。
 その隙間から覗くのは、微かな青空。それでも確かに――誰かを傷付ける雪は止まり、道は切り開かれたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

虹目・カイ
(※今章同行者なし)

……『禁軍猟書家を探すが良い』か
まさかこんな早く、その機会が巡ってくるとも思ってなかったけど
私は伯爵に嫌がらせが出来ればそれでよかったんだが
重たいもんを遺していったなセイクリッド・ダークネス……!

――『m'aider』!

飛来した武器を手に取り形状を確認して
いつでも攻撃出来るよう、構えてから
ユーベルコード発動
ここまで同行してくれた後輩のためにも
無様な戦いなんか出来るかってんだ

視覚は死ぬが問題ないな
倍になった聴覚で敵の接近や攻撃は察知出来るし
羽は聴覚と連動して勝手に回避してくれるからな
どんなに認識外から接近しようと、オウガと連携しようと
実質自動回避だ

勿論そのことは敵に知らせず
位置を特定するため雪の女王へ挑発を
ハートの女王だか何だか知らないがご苦労なこった
私たちの介入でお前の計画は台無しだ、ざまぁ見ろ
……挑発に乗らなくても別にいい
『声』さえ聞ければ充分だからな!

そうして敵の声でその位置を特定して
手にした武器で――一息に仕留めてやるよ!

……これがはじまりの……『第一の』……!




 頬を撫でる冷気を感じつつ、虹目・カイが思い返すはシルバーレインでの戦い。
 輝く聖女を前に抱いた疑念から、掴んだ一つの言葉。確かに彼女はこう言った――『禁軍猟書家を探すが良い』と。
 その禁軍猟書家とやらは目の前にいて、何かしらの企みのために動いている。
 まさかこんなに早く相見えるとは思っていなかったし、ここまで大きな話になるとも思っていなかったけれど。
「私は伯爵に嫌がらせが出来ればそれでよかったんだが……」
 それはまた別の機会。あの男も絶対に問い詰めてやる、とは誓うけど、今は聖女の置き土産に向き合う時だ。
「重たいもんを遺していったなセイクリッド・ダークネス……!」
 けど、背負ってやる。
 ここまで同行してくれた後輩の為にも、無様な戦いなんか出来やしない。
 自分に出来る精一杯を示すため、カイは天高く腕を突き上げた。
 冷たい空気が肺を苛むことも厭わずに、思いっきり息を吸ったのなら――。
「――『m'aider』!」
 叫ぶは『雪の女王』の後方、どこかに繋がる虚空へ向けて。
 カイの叫びに呼応するよう、虚空から現れたのは細身の剣だ。
 かじかむ指でも力を込めればぎゅっと握れる。初めて持つ武器なのに、普段使ってる薙刀とは全然違うのに、しっくり収まる感覚があった。
 見様見真似で剣を構えて、カイはニヤリと笑みを浮かべる。
「ハートの女王だか何だか知らないが、ご苦労なこった。私たちの介入でお前の計画は台無しになるんだからな、ざまぁ見ろ」
「ッ……減らず口を! お前も今すぐ凍らせて、女王様の糧にしてやる!」
 『雪の女王』は冷徹そうな見た目をしているが、『ハートの女王』のこととなれば感情を剥き出しにするようだ。
 二人の女王は青白い炎と冷気を纏いつつ、カイの元を目指して走る。
 そんな彼女達を前にして――カイはあえて瞳を閉じた。

「踊り子描きの夢よ。聖女の置き土産と共に、踊ろうじゃないか」
 意識を集中すれば、カイの大きな尾は輝く翼に姿を変える。
 翼はバサリと広がって、カイを上空へと飛ばすと同時に――さっきまで立っていた位置に、強烈な冷気が駆け抜けたのが感じられた。
 聞こえる音からも理解は出来る。急接近した女王達が攻撃を仕掛けてきたのだろう。
 けれど音と気配が掴める限り、カイの身体を冷気が貫くことはない。踊り子の夢は、カイを守る翼となったのだから。
「ほら、捕まえてみな。早くしないと大事な女王が消えてしまうよ?」
 分かりやすい笑みと言葉を向ければ、雪の女王が歯を強く噛みしめる音が聞こえる。
 これで相手はバカ正直に此方を狙い続けるだろう。
 ならば取るべき手段はシンプルに。相手が最接近する瞬間を見計らい、カウンターを叩き込んでやるだけだ。
 その瞬間に備え、ぎゅっと剣を握り締めて。
 かつてこの武器を握っていた人はどんな人だったのだろう。顔も知らない相手なのに、その人と一緒に戦ってるような感覚があった。
「……それじゃあ、力を貸してくれ」
 カイは深く意識を集中し、的確に吹雪の音を聞き分け一気にその刃を振るう。
 剣に秘められた魔力が吹雪と炎を打ち払い、刃はまっすぐ突き進み――雪の女王の胴を深々と刺し貫く!
 目を開ければ予想通り、目の前には呆気に取られる女王の顔。それ自体には驚きも何もない。
 けれどカイの顔には驚愕の色が滲んでいて。その対象は、握った剣へと向けられていた。
「……これがはじまりの……『第一の』……!」
 はじまりの猟兵の武器は予想以上の威力を誇っていた。
 伯爵の思惑、聖女の囁き、或いは様々な何か。それらが紡いだ縁が、今この手中にある。
 それがどのような結果を齎すかは、まだ分からない。けれどきっと――何かを前に進めてくれている。
 そんな実感が、カイの胸中を巡っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニーニアルーフ・メーベルナッハ
これが禁軍猟書家…成程、並のオブリビオンとは一線を画す強敵と言えそうです。
ならば今こそ、あの言葉を叫ぶ時、でしょうか。

――『m'aider』!

それで起こる出来事が、戦闘に与える影響は未知数ですが。
いずれにせよ、敵と戦っていきます。
敵は自己強化を施した上で、オウガやトランプ兵団を呼び寄せてくる。質と量、双方への対策が必要そうです。
ならばと土蜘蛛の檻を発動、敵を拘束しつつ腕力を奪います。女王自身は兎も角、オウガや兵団はある程度抑え込める筈。

吸収した腕力に【怪力】を上乗せしたブレンネン・ナーゲルでギロチン刃を掴み止めつつ、女王へと【蟲使い】で操る蟲達を集らせ【継続ダメージ】を与えて削っていきます。




「まだです……猟兵もアリスも、あの人の糧に……!」
 『雪の女王』には着実にダメージが重ねられているが、それでも彼女の気迫は消えない。
 それはとてつもない執念が理由だろうが、同じくらい保持しているポテンシャルが高いのだろう。
 これが禁軍猟書家か。ごくりと息を飲み込みつつも、ニーニアルーフ・メーベルナッハも戦意を滾らせ戦場に立つ。
「成程、並のオブリビオンとは一線を画す強敵と言えそうです。ならば、今こそ……」
 思い出すのはセイクリッド・ダークネスの言葉。彼女が教えてくれた言葉が、今こそ力になるはずだ。
 ニーニアルーフは大きく息を吸い、そして猟書家の後方に浮かぶ虚空を睨む。
「――『m'aider』!」
 その叫びに応えるよう、虚空から飛び出したのは一丁のライフル銃だ。
 銃は一瞬でニーニアルーフの元まで飛ぶと、その手の中にしっかりと収まる。馴染みのない武器だが、不思議と使い方は理解出来る気がする。
 かつてのこの銃の使用者が教えてくれているのだろうか? それとも別の理由が――気になる点は多々あるが、それを調べるのはあとでも大丈夫。
 今やるべきは、一冊の本を構える女王を倒すことなのだから。

 雪の女王は侵略蔵書を手に取ると、その力を解放させていく。
「クイーン・オブ・ハート。私達のために、立派な兵団を呼び出しましょう。そして憎き猟兵と愚かなアリスを殺しましょう」
 女王の静かな声に応じて、姿を現すのはトランプ兵団にギロチンの刃。その数はかなりのものだ。
 雪の女王も青い炎を纏いつつ、ハートの女王の力を借りて攻撃をしてくるだろう。
 相手は質も量も万全だ。半端な対策ではきっと押し負けてしまう。
 だからここは、自分もユーベルコードで。ニーニアルーフは意識を集中させ、土蜘蛛として目覚めた力を発揮していく。
「行きます……!」
 次の瞬間、ニーニアルーフを中心に展開されるのは土蜘蛛の檻だ。
 蜘蛛の糸は次々にトランプ達を絡め取り、彼らから力を奪い取っていく。
 けれど女王本体は炎を使い、拘束から逃れた様子。そのくらいは想定内だ。
 同時にギロチンが此方へ向かって飛んでくるが――ニーニアルーフは元々持っていた力と吸収した腕力、その双方で刃をしっかりと掴み取る。
「ッ……! 今です……!」
 多少刃が白い指先に食い込んでも、絶対に離さない。その痛みすら気迫に変えて、蟲達へと意志を伝えて。
 蟲達は主人の呼び声に合わせ女王の元へと接近し、少しずつ彼女達を追い込んでいく。
 これでチャンスは作った。ならば最後は――!
 ニーニアルーフは掴んだ刃を投げ飛ばすと同時に、先程手に入れたライフル銃をしっかりと構える。
「一番目の猟兵さん、力を貸して下さい!」
 確かな思いを籠めて引き金を引けば、放たれた弾丸は女王の胴を確かに撃ち抜いた。
 過去と未来が繋がり、託された思いも繋がる。その中心にいたのは、間違いなくニーニアルーフだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鍋島・小百合子
WIZ重視
他の猟兵との連携重視

ありす達を謀殺せんとした企み、見事に潰えてしもうたのう
次は貴様じゃ

真の姿たる「キメイエスの黒鋼」を身に纏いては残像を発しつつ接敵
薙刀の武技にて応戦(なぎ払い、乱れ撃ち、咄嗟の一撃併用)
敵が瞬間移動で間合いを詰めてくれば敵の攻撃間合いから瞬時に離れては懐の小太刀にて反撃一閃
4回の攻撃を一つでも喰らわぬ事を意識して回避す
使役おうがとの連携に巻き込まれぬよう使役おうがはこちらの攻撃で吹き飛ばしてくれる!
こちらからの攻撃の機が来ればUC「神鏡浄化光」発動
使役おうがごと目から放つ浄化・神罰・破壊の光で擊ち貫いてくれようぞ!(鎧無視攻撃、範囲攻撃併用)




「おのれ、せめてアリス達を殺せていれば……!」
 『雪の女王』はハートの女王と共闘しつつも、猟兵達には及ばない。
 それは彼女の企みをきちんと潰せたが故。鍋島・小百合子は竜王御前を構え、悪しきオウガを鋭く睨む。
「ありす達を謀殺せんとした企み、見事に潰えてしもうたのう。次は貴様じゃ」
 力強く前へ踏み込むと同時に、小百合子の身体を悪魔の黒鎧が覆っていく。
 これぞ彼女の真の姿、キメイエスの黒鋼を纏う戦装束。その力を借り受けて、小百合子は一気に敵との距離を詰める。
「ハートの女王様!」
 雪の女王も再現したオウガの力を纏い、アイシクル・ステップを踏み込み始める。
 彼女達の力は不完全とはいえ、相応の能力は備えているだろう。一撃たりとも食らってなるかと、小百合子は残像を散らばせながら敵襲に備えた。
 相手の纏う気配、冷気。ユーベルコードの力があっても、前兆はきっと掴めるはず。
 意識を研ぎ澄ませ、小百合子が感じ取ったのは――凄まじい冷気と熱気!
「甘い!」
 感じ取った前兆に向けて竜王御前を払えば、予想通り。その鋭い刃は出現したハートの女王を切り払い、彼女を大きく吹き飛ばした。
 けれど雪の女王はまだ至近距離にいるはず。小百合子は懐に手を入れつつ、一気に後ろへと下がっていく。
 そのままほとんど無意識に、取り出した白石局を振るって。亡き父から受け継いだ刃は、此方へ突っ込もうとしていた雪の女王を切り払う。
「くっ……!」
「貴様も使役おうがも好きにはさせぬ!」
 今の反撃で敵の足並みは大きく崩れた。
 攻め込むなら今だと確信した小百合子は、再び鋭く敵を睨む。
 その瞳には彼女の持つ強い意志だけでなく――何よりも強い浄化の光が瞬いていた。

 キメイエスからの力を借りつつ、小百合子が思うはここまで同行したアリス達。
 戦う強さを覚えた彼女達に出来る、自分の精一杯。それはやはり――目の前の邪悪を滅することだ。
 自分が全力で戦う姿を以て、あの子達を励ましたい。そう強く思うからこそ、浄化の光もより強く輝く。
「我は放つ……輝く神鏡に当てられし聖なる光の柱……」
 じっと、じっと。二人の女王を睨み、意識を深く集中させて。
 そうして放つのは――必殺の神鏡浄化光!
 小百合子の瞳から放たれた光の矢は見事にオウガ達を撃ち抜き、彼女達を偽物の世界から消し去っていく。
 それと同時にこの世界も溶けていき、残るは猟兵とアリス達だけ。
 無事を喜ぶアリス達に、小百合子は勇ましい笑顔を向けるのだった。


 猟兵達が猟書家を倒すと同時に、偽物の世界は消え去った。
 気付けば猟兵達もアリス達も本物のアリスラビリンスに降り立っているが、周囲には危険もなさそうだ。
 アリス達は猟兵に感謝の言葉を述べつつ、再び自分達の旅へと戻っていく。
 猟兵達もまた、グリモアベースへ戻っていくのだった。

 此度の戦いで、呼びかけに応じて出現した武器達。
 これらもまたグリモアベースへ運ばれることとなる。
 この武器が何なのか。ハビタント・フォーミュラの行方はどこか。
 謎はまだまだ多いけれど――ひとまずここは、勝利と無事を喜ぶ時だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年02月19日


挿絵イラスト