禁軍猟書家〜卑劣の定義
●乗っ取られた村
封神武侠界にある、人口百人足らずの小さな村。
『あらゆる客人は我らの友』という教えが代々伝承されてきたこの村には、門を叩いた者すべてを大切な友人として、宴を開き、手厚くもてなすという文化があった。近隣の住民や旅人から、少しお人好しすぎると揶揄われながらも愛されてきた村は――ある日を境に、変わってしまった。
いつからだっただろう。村外れの道場に、ゴロツキが出入りし始めたのは。そのゴロツキが徐々に増え、とうとう村で略奪を始めるようになったのは。男は、平和だった遠い日を想いながら、荒らされた畑を呆然と眺めていた。遠くから泣き叫ぶ少女の声が聴こえる。
「おい、金になる果物だけ先に運んどけよ。――お嬢ちゃんは、俺らの道場で組手しようねえ」
リーダー格の兄弟のうち一人が、ゴロツキの集団に指示を出す。
「お前は本当に餓鬼が好きだねェ。なァにが良いんだか」
「女の指をゆーっくり斬り落とすのが大好きなお兄ちゃんにだけは、言われたかねえなあ。……さて」
二人の外道に舐めるような目で眺められた、村人たちは。
「……こんな時、法正さまがいれば」
「あの方のお知恵さえ借りられたら、あんな奴ら!」
嘗てこの村に訪れ、そして既に去ってしまった客人を思い、嘆くのであった。
●
金沢市・卯辰山公園。
第二次聖杯戦争を終え、周辺を調査していた猟兵達は、精神を強く集中した時にだけ見える、直径5m程の「超空間の渦」を発見した。
「これは間違いなく、『ハビタント・フォーミュラ』が使用した次元の門……『|全能計算域限界突破《エクスマトリックス・オーバーロード》』の入口。でも、ちょっと待ってほしい」
飛び込もうとした身体をはたと止めて、鷹野・つくし(天架ける鋼糸・f38792)は、猟兵たちを引き留めた。超空間の渦に飛び込んだ先では、その存在を秘匿されていた精鋭たち――『禁軍猟書家』が罠を張り待ち受けているのだという。ハビタント・フォーミュラは、追跡さえも見越して二重に対策を施していたのかもしれない。だが、ここで禁軍猟書家たちをうまく倒せば、いずれ猟書家の壊滅を狙える好機が訪れるかもしれない。
「渦の先は、『封神武侠界』の小さな村。悪い道場に村を荒らされて、困ってるみたい」
まずは困っている村人を助けてあげてほしいのだと、つくしは云う。
「……道場の中には、ゴロツキがうじゃうじゃ。殴り込めば、集団で襲い掛かってくるはず。そいつらを率いるリーダー格の兄弟二人は、特に武術に長けてる。……でも、ここまで沢山の戦いを乗り越えてきた猟兵の敵じゃない。派手にぶっ飛ばそう」
道場に直接殴り込んでもよし、村に隠れ、誘き寄せて戦ってもよし。略奪の被害に遭った村人の避難を手伝ったり、ケアをしてあげるのも良いだろう。
「その後は、禁軍猟書家『恩讐の策士・法正』との戦い。法正の性格は、加虐趣味で狡猾で陰湿……やな奴ばっかりだね」
つくしは首を竦めてから、ふと思いついたように呟く。
「……その割に、村人から慕われてるみたいだったのは、少し気になるけど」
『禍根には報復を、恩に大恩を』――それが彼の信条なのだという。敵として相対した状態で恩を売るというのは難しいように思えるが、攻略の鍵となるかもしれない。
「私もそっちに行けないの、歯がゆいけど。みんな、頼んだよ」
最後にぺこりと頭を下げてから、つくしは猟兵たちを送り出した。
TEN
TENと申します。
今回は2章構成で、禁軍猟書家・法正とのバトルをお届けします。
●第1章『悪党の道場をやっつけろ!』
悪党たちは、猟兵であれば何の苦労もなく倒せる程度の強さです。
「村人を助ける」目的に沿っていれば、戦闘以外の行動もOKです。
頂いたプレイングによって、舞台や状況が変わります。
やりたい行動をご自由にやっていただければ幸いです。
●第2章『恩讐の策士・法正』
禁軍猟書家。陰湿で恨みを忘れないドSな性格です。
信条は『禍根には報復を、恩に大恩を』。
●受付期間
プレイングはOP公開以降、常時受付中です。
2月中の完結を目指します。採用の順番が前後したり、早めにプレイングを締め切ったりする場合がございます。ご容赦ください。
(締め切る際はMSページで告知します)
●???
法正との戦闘中、ある言葉を叫ぶと、何かが起こるかもしれません。
第1章 冒険
『悪党の道場をやっつけろ!』
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POW : 真っ向から殴り倒す!
SPD : 技巧の差を見せつける!
WIZ : 策を講じて罠に嵌める!
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●廃道場にて
村外れ。看板さえ朽ちた木造りの道場は、いまや悪党どもの塒となっている。
「それにしても暇だな。奪ってきた酒と女。一つぐらいつまみ食いしても許されるんじゃねえの」
「やめとけ。頭領達の機嫌を損ねたらどうなるか……」
不在の兄弟二人組のことを思い、ゴロツキ二人は揃って身震いした。
溜息ひとつと、それから欠伸をふたつほど。
油断しきった男たちは、暇そうに天井を眺めるのであった。
●突入
渦の中に転送された猟兵たちは、目の前に広がる道場を見遣った。
中から、がやがやとした話し声が聞こえる。入口近くには、村から奪ってきたのであろう――酒や食料が入った木箱が、乱雑に積み上げられていた。
複数人の人間の気配は感じるが、入口に見張りなどはいないようだ。
気付かれずに突入することは容易だろう。さて、どうしようか。
ソルレ・ベルナルディ
……誰でも受け入れ過ぎるのも考えものだけどさあ……だからといって踏みにじられていい道理はないよねえ……?
おじさんさすがにこれはどうかと思うよ? 見てて胸糞悪いったら。
という訳で、助太刀に入らせてもらおうかな。こういう時はたのもーって言うんだっけ?(へらり
ま、堂々と姿は見せてやらんけどね。
【シルフィード・クローク】で隠れて放題しちゃおう。
竜巻飛ばして暴漢たちを吹き飛ばしたり、ライトバブル使って光の泡を呼び出して【目潰し】したりしようかな。
ほら、僕がこうしてる間にお逃げよ。(被害者にそっと声をかけて
一陣の風が、門戸を開いた。
「こういう時はたのもーって言うんだっけ?」
へらりと笑って、ソルレ・ベルナルディ(夕凪の・f38999)は、道場の中へと足を踏み入れた。夕日を浴びた海のような橙の髪がふわりと波打って、ソルレの全身が静かな風を纏う。それはやがて色無き竜巻となり、彼と周囲との境界を曖昧にさせた。
「あ……?」
扉の音に反応したゴロツキが、入口へ注意を向けた、その時。突如出現した竜巻の渦が――訓練場の中央を陣取っていた集団を、吹き飛ばした。
(「——ま、堂々と姿は見せてやらんけどね」)
ゴロツキ達は突風の原因を確かめるべく、立ち上がって周囲を見回した。だが、竜巻纏うソルレの姿を、彼らは感知することができない。
ソルレは悪戯っぽく微笑むと、更なる竜巻を巻き起こす。道場の四隅から。集団の中に割り入るように。横薙ぎに殴り倒すように――次々に、ゴロツキ達を吹き飛ばしてゆく。
この村の、誰でも無差別に受け入れるという姿勢は、確かに手放しで褒められるものではないかもしれない。
——けれど。
「だからといって踏みにじられていい道理はないよねえ……?」
善良な村人の平穏な暮らしを壊す権利など、どこの誰にもありはしないのだ。
ソルレの腕輪が煌く。生み出された光の泡は、彼が掲げた方向目掛けて、ふわふわと飛び――ゴロツキ達の顔のまわりを覆った。
「!? なんだ、何にも見えねえぞ!」
「馬鹿、殴るな! 俺だ!」
泡が放つ夕陽よりも強い輝きは、敵の視界を奪ってゆく。
大混乱の続く中――ソルレは、道場の隅で小さく震えていた少女にそっと近寄った。
「ほら、僕がこうしてる間にお逃げよ」
悪党共の注意が完全に騒動へ向いていることを確認してから、はっと息を吞む少女を安心させるように、少しだけ体を出して囁く。近くで少女の姿をよく見てみれば、逃げようとした際に転んだのだろうか――服の裾は裂け、擦り剝いたような傷跡が覗いていた。
ソルレはそれを覆い隠すように、薄い絹布をそっと掛けた。自身の体と同様に不可視の魔力を纏ったこの布は、少女の身を悪党から隠してくれるだろう。
――さあ、早く。
我に返った少女は、こくりと頷いて立ち上がった。
(「どうにか間に合った、かな。あんな胸糞悪い悲劇、見たくないからね」)
逃げる少女を見送って。後続の味方を助けるべく、ソルレは陽動に戻るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アヤメ・アインラッシュ
NG:未成年(っぽい奴含め)に酒を飲ます行為
全部お任せ。
傾向:
酒くせー息を吹きかけ対象となる相手にだる絡みして酒を飲ます。とりあえず飲ます。有無を言わせず飲ます。もう自分がすげえ飲んでるもんだから遠慮とかはない。
情報収集系の選択肢なら飲んで友好関係を作って何か聞きだす。この場合に限ってはある程度節度は保ちたい気持ちだけはある。
戦闘だったら敵を酔い潰して制圧する。
究極的には酒が飲めればいいのだ。今日も酒がうめえ。
●良い子も悪い子も真似しないでくださいね
「ひでえ目に遭った」
一陣の竜巻が去り、しばらく経った後。ゴロツキ達は、疲弊した目で床にへたり込み、天を仰いでいた。
「俺、もう帰ろうかな……」
「だな。酒も女も、何のおこぼれも貰えねえしよ」
「うんうんツラかったねぇ。そんなツラい時は酒を呑むに限るわ。ささ、まずは一杯。遠慮なく」
「おっ、これはどうもご丁寧に……」
いつの間にやら手にしていた枡。銀髪の美女になみなみと酌をされれば、さしものゴロツキも反射的に頭を下げ、礼を言う。
……ん? 銀髪の美女?
「誰だお前!? どこから入った!?」
「あは、そんなんどーでもいいじゃない。一緒に酒飲みゃ飲み友、つまり私らお友だちって寸法よ」
美女――もといアヤメ・アインラッシュ(ダブルブリッド・f33052)は、そう言ってへらりと笑った。表情の乏しい顔からは分かりにくいが、どうやら既に――だいぶ出来上がっている。
はじめは困惑していたゴロツキ達だったが、酒に美女が揃うならば悪い気はしないとばかりに、俺も俺もとアヤメのもとへ近寄ってきた。
「とりあえず1杯。話はそれからよ」
アヤメはゴロツキ達の行列を笑顔で捌き、一人ひとりに明らかヤバい量の酒を飲ましてゆく。とりあえず飲ましてゆく。有無を言わさず飲ませてゆく。拒否すれば注ぐ、口に直接。
飲んだくれモードとなったアヤメに一切の遠慮はない。まして今回は、遠慮の必要がある相手ではないのだ。
「助け…………モゴ」
逃げようとする男の首に、白磁の如き細腕が絡み付く。
口から酒瓶を逆さに突っ込まれて仰向けに倒れ伏す、男。
「つれないなーーー。私の酒が飲めねーってか? ああ?」
その男に酒臭い息を吹きかける、アヤメ。
一方的な宴会は、まだまだ続くのであった。
――体感、数時間後。
辺りには、酔い潰れたゴロツキ達が、文字通りゴロゴロと転がっていた。
そんな背景は意にも介さず、アヤメは平然と仕事終わりのビールを呷る。酔って火照った体に染み込む、キンキンに冷えたビール――特にひと仕事終えた後に呑む一杯は、格別だ。……などと理屈を捏ねてみたところで、結局は、兎にも角にも酒が飲めればいいだけなのだが。
アヤメは、ジョッキ一杯を一息で飲み干すと、ぷはぁ、と息を吐いた。
「――ああ、今日も酒がうめえ」
大成功
🔵🔵🔵
鳴上・冬季
「この地の揉め事を見逃すと、後で師にどんな無理難題を押し付けられることか」
「何事も中道を尊ばねば身を滅ぼす。良い教訓ではありませんか」
嗤う
「身の丈に合わぬものごと滅ぼせば、少しは風通しも良くなりましょう…鏖殺せよ、黄巾力士火行軍」
・砲頭から制圧射撃で敵の行動阻害45体
・砲頭から火行の徹甲炸裂焼夷弾射撃し鎧無視・無差別攻撃で敵を蹂躙する45体
・上記2隊をオーラ防御で庇う44体
3隊計134体黄巾力士召喚
道場ごと敵を鏖殺する
自分は風火輪
普段から連れ歩く黄巾力士は飛来椅子で飛行し空中から戦場俯瞰
自分は竜脈使い全黄巾力士の能力底上げし継戦能力高める
「道場ごとなくなれば2度と無頼も集まらないでしょう」
嗤う
●破壊と、再生と
「おいおい、こりゃあどういう了見だあ……?」
悪党の親玉たる兄弟が、道場の扉を開く。兄弟を迎えたのは、荒らされた室内、咽せるような酒の匂い。それから、倒れたゴロツキ達だった。村にはもはや逆らえる人間などいなかった筈だが——。
訝しむ兄弟の背後から、音もなく黒い影が差す。
「嗚呼……なかなかに惨憺たる有様だ」
背後の影――鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は、屋外から荒れた道場を眺め、云う。憂うような言葉とは裏腹に、声色は愉しげだ。
「お前がやったのか? 何が目的だ? 金か? 女か?」
「目的ですか。この地の揉め事を見逃すと、後で師にどんな無理難題を押し付けられることか……それだけですよ」
手をひらひら振って、無関係を示しつつ――くつりと嗤い、続ける。
「何事も中道を尊ばねば身を滅ぼす。良い教訓ではありませんか」
不穏な気配を感じ取ってか、兄弟はめいめいに臨戦体制をとる。
「身の丈に合わぬものごと滅ぼせば、少しは風通しも良くなりましょう……鏖殺せよ、黄巾力士火行軍」
冬季が命じるや、百を優に超える人型自律思考戦車――黄巾力士が顕現し、それらの黄金に光る砲頭が、火を噴いた。
「――なッ!?」
四十五体の黄巾力士による制圧射撃は、兄弟に、反撃どころか、息をする暇さえ与えない。続く四十五体により放たれた徹甲炸裂焼夷弾。木造の道場にまき散らされ、実に効率よく火の手を上げてゆく。高威力射撃の反動は、残る黄巾力士のオーラの護りで軽減し――黄巾力士火行軍は、休むことなく砲撃を続けた。ごうと音をたてて、無数の火柱が上がる。道場を構成する壁が、めきり、ばきりと音をたて、剥がれ、崩れ落ちてゆく。
冬季は宝貝・風火輪を用い、飛来椅を発動させる傍らの黄巾力士と共に、空中へと浮かび上がった。さながら現世へ悪戯をする神が如く、黄巾力士たちの弾幕を悠々と見下ろし、嗤った。
「道場ごとなくなれば2度と無頼も集まらないでしょう」
薄れゆく意識のなか、兄弟の耳が最期に捉えたのは、冬季の嗤い声。古ぼけた道場は、悪漢の群れごと、弾け飛んだ。
無残なまでに破壊された道場であったが、幸運なことに、梁や柱などの骨組は綺麗に残されていた。もともと壁や床の老朽化が進んでいた建物だ。一度破壊されつくしたことで、村が完全に復興した後に、新たな道場――身寄りのない子ども達を受け入れ、心身を鍛える場と成る可能性が生まれた。
……或いは、それも含めて、すべて冬季の計算のうちだったのかもしれないが。ただひとり真実を知る男は、崩れ落ちた建物を一瞥し、相変わらず不敵に嗤うのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『恩讐の策士・法正』
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POW : おのれ……覚えたぞ……
自身が【恨みや怒り】を感じると、レベル×1体の【顔を布で隠し近接武器を持った戦闘用の分身】が召喚される。顔を布で隠し近接武器を持った戦闘用の分身は恨みや怒りを与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD : この数の矢雨、避けきれますかね?
【木簡を広げると彼の頭上】から、戦場全体に「敵味方を識別する【夥しい数の矢】」を放ち、ダメージと【トラウマを見せたり、毒や麻痺や眠りなど】の状態異常を与える。
WIZ : 怨みには報復を恩義には報恩を…当たり前でしょう?
戦場内を【かつての蜀の美しい風景が広がる】世界に交換する。この世界は「【報復報恩】の法則」を持ち、違反者は行動成功率が低下する。
イラスト:柴一子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「推葉・リア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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悪漢たちの根城は崩れ、辛うじて残ったゴロツキたちも村から逃げ去った。
村を救った猟兵たちのもとへ、『恩讐の策士・法正』が姿を現す。
「聞きましたよ、猟兵。この村の住民が、貴方たちに救けられた、と。
蔓延っていたならず者を片付けたのも貴方たちですか……村人に代わり、礼を言って差し上げましょう」
法正はそう言うと、いっそ嫌味ったらしいほどに恭しく、頭を下げる。
その胡散臭さに、猟兵たちが警戒を向けると。不意に神妙な顔をして、静かに言った。
「……あの村には、俺もひとつ恩義がありましてね」
法正はぽつり、ぽつりと語り始める。
——先の戦いで、少々ヘマをしましてね。流れ着いた先に、この村は在りました。
彼らは、素性もわからぬ俺を迷わず受け入れ、あたたかい食事と寝床を与えてくれました。
俺は彼らに農作の知恵を授け、害獣を追い払う武器の作り方を教え……
それでもまだ、この恩を返すには足りなかった。
「恩を返しきれぬまま、村を去らねばならない急用ができたのが心残りでしたが——貴方がたが来てくれてよかった。子どもたちに読み書きを教える約束をしているのです。早く向かわねば。さあ、通してください」
暫し流れる沈黙。……耐えられなくなったように、法正はくすくすと笑いだす。
「ちょっと戦いづらいなとか、思いましたか? ええ、もちろん冗談ですよ」
本気で謀るのならば、こんな見え透いた嘘は吐かないし、簡単に手の内を明かしはしない。
法正の言葉には、そのような寓意が含まれていた。
「安心してください。貴方がたは、見返りも求めずかの村を助けた。
なれば、俺も俺の信念に従って——正々堂々とお相手することで、この恩に報いると約束しましょう」
つまるところ、今回村を救った猟兵に対しては、法正が得意とする、陰湿で卑劣な戦術——毒を盛ったり、騙し討ちしたり——は使わない、そういうことなのだろう。
「ああ、今しがた現れた者に容赦はしませんよ。当然でしょう?」
……だ、そうだ。
皮肉めいた笑みとともに、戦いの幕は切って落とされる。
アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」
楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気であり、根本が人でない故に残酷
神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も一応遵守しようとするが、それはそれとして楽しそう、面白そうで物事を判断し、それを優先して行動する
バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ
戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、捕食等の野性味溢れる攻撃スタイル
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる
陽環・柳火(サポート)
東方妖怪のグールドライバー×戦巫女です。
悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
戦闘では炎系の属性攻撃を交えた武器や護符による攻撃が多い。
正面からのぶつかり合いを好みますが、護符を化け術で変化させて操作したりなどの小技も使えます。
全力魔法使用後の魔力枯渇はにゃんジュール等の補給で補います
名刀『マタタビ丸』は量産品なので、もしも壊れても予備があります。
ユーベルコードは指定した物を使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動し他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。
口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。
食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆
※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。
小宮・あき(サポート)
お困りの方がいる、と聞いて参りました。
スポット参戦のような形でフラリと。
◆性格・人柄
敬虔な聖職者として猟兵に目覚めた、人間の聖者。
です・ます口調の礼儀正しい少女。
ピンクの髪に、透き通る水色の瞳が特徴的。
ふふ、と微笑み愛らしい見た目で佇んでいますが、
本業は商人。ホテル経営者。冷静で非情な心も持ち合わせています。
既婚者。
神と夫に報告できない行動は、絶対に取りません。
◆戦闘
UC「神罰」
半径レベルmの【範囲攻撃】です。
強力なスポットライトのような光の【属性攻撃】で物質を透過します。
媒体は【祈り】。敬虔な聖職者の祈りは【早業】【高速詠唱】で発動。
最後衛で距離を取り戦います。
◆冒険
基本『お任せ』です。
●
『恩讐の策士・法正』。性格は執念深く、陰湿で、だが、善良な村を救おうとした。……そこに潜む彼の真意を、必ずしも理解する必要はない。
そもそも奴は、猟兵の手によって救われた世界を侵略せんと目論む猟書家の一人だ。遠慮なくぶっ飛ばす相手として、不足はない――そう判断して、陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)は、法正に向けて真っ直ぐに踏み込む。
「オラァッ!! 喰らいやがれってんだ! 折角の大盤振る舞いなんだからよ!」
威勢の良い掛け声とともに、柳火は名刀『マタタビ丸』を振るう。強大な魔力と妖力を纏った刀が、法正の身体を切り裂く。
妖刀オーバーロード――単純かつ明快なそのユーベルコードは、攻撃後の武器の破壊を代償に、斬撃の威力を増加させる。
「ありがとな、マタタビ丸」
量産品で予備もあるとはいえ、愛刀が砕け散る瞬間は、ほんのちょっぴり切ない。柳火はきわめて爽やかに、マタタビ丸へと別れを告げた。
法正は、斬られた腹の傷口を押さえ、血を流しながらよろめいた。
「……ククク。嗚呼、痛い、痛い――この痛み、覚えましたよ」
法正が嗤えば、顔を布で隠した分身体が、気配もなく柳火の背後に忍び寄る。
「おいっ、正々堂々と戦え!」
爆符による弾幕でなんとか奇襲を防ぎながら、柳火は叫ぶ。
「手数に文句を言われる筋合いはありませんねぇ」
法正はそう言うと、大袈裟に肩を竦めてみせた。
「だって――なんて卑劣な集団なのでしょう! 貴方達にだけ援軍が現れるなどと。その恨みを力に変える程度、許していただけないのは不公平ですよね?」
論点をずらしているのは、意図的なのだろうが。法正が話すあいだにも、顔を布で覆った分身たちは増殖してゆく。
――その一団が、植物の如く変形した巨大な爪に引き裂かれ、煙のように消えた。
「そうだね、沢山いたほうが楽しいよ」
アウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)は、少女らしい無邪気さでにこにこと笑いながら、法正の分体に爪を振るう。だが分体も黙ってはいない。爪の一撃を避けた分体たちは、アウルに向けて一斉に弓を番え、矢を放つ。
アウルはそれらを全て爪で叩き落してから、まるで親しい知人の冗談に応えるように、笑顔で言った。
「もう怒ったんだから!」
その言葉に、文字通りの棘はない。だが、その輝かしい笑顔の奥に――理屈では説明できぬ寒気を、法正は確かに感じ取った。アウラは地面より迸る光の槍を引き抜き、分身の群れの中央にいる法正目掛けて、投げ付けた。分身たちは法正の号令ですかさず防御の陣を張ったが、膨大なマナの魔力に押し負けて、霧散した。
「そうですか……これでも足りませんか。ならば」
ため息の後。法正は、しゃん、と音を立て、手に持っていた木簡を広げる。すると、彼の頭上から、戦場全体に夥しい量の矢が降り注ぐ。
「危ないにゃっ!」
矢は、攻撃すべくガジェットの装填準備を進めていたミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)の下にも平等に降り注いだ。ミーアはそれを、しなやかな身のこなしを以って、すんでのところで回避する。
だが、矢雨に当たらずとも効果を発揮するような毒が仕込まれていたのだろうか。
「に゛ゃーーーーーっ!?」
ミーヤの目に映ったのは、お肉やお魚、美味しそうな料理たちが降り注ぐ姿——そしてその姿は、徐々に虫やゲテモノのような姿へ変わってゆく。
(「……騙されちゃダメにゃ。あれは幻覚にゃ!」)
ぐ、と堪えて、ミーヤは攻撃の準備に戻る。
「誰か……ちょっとだけ、時間をかせいで欲しいのにゃ!」
「ええ、任せてください」
そのミーヤの声に応えて、小宮・あき(人間の聖者・f03848)が姿を現す。あきはミーヤの後ろに寄り添うように位置し、桃色の長い髪をふわりと揺らした。
法正の謳う、報復報恩――商いの世界では、知らぬ間に誰かから恨みを買うことは珍しくない。売ったつもりのない恩が、巡り巡って自分のもとへ帰ってくることも、同様だ。とはいえ、ここまで極端な主義を持つ者は、そうそう居るものではないけれど。
あきは敬虔な聖職者として、神の名に恥じぬ暮らしを送ってきた。たとえ法正の展開する報復報恩の世界が、彼に都合よく動く法則を持っていたとしても——世界が明確に彼女へ牙を剥くとは考えにくい。
あきはそっと目を伏せると、目にも止まらぬ速度で詠唱し、神に祈りを捧げた。
「神罰を与えましょう」
囁くと、強力なスポットライトのような光が辺り一面を覆う。
天より降り注いだような眩い光は、毒を纏う矢を吸収し、周辺の猟兵を守った。
「……チャージ完了、今にゃ! いっけえにゃー!!」
元気の良い掛け声と共に、ミーアの愛用する|魔導蒸気機械《ガジェット》より、青白き閃光が発射される。
チャージに時間を要するぶん高威力を誇るビームは、法正に回避の隙を与えず、体ごと吹き飛ばした。
●
土煙が巻き上がる中、法正は立ち上がる。
猟兵たちの攻撃によって受けた傷は、浅くない。だがまだ余力は残っているらしい。
「……なかなかやりますね」
法正は、腹の傷口へ乱暴に布を巻いて、けほ、と少量の血を吐き――それから、にやりと笑った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
鳴上・冬季
「莫迦莫迦しい」
嗤う
「自分が無惨に負けた時のための言い訳ですか?全力を尽くせばよろしかろう。私も奥の手を見せて差し上げましょう。…合一・黄巾力士」
2m程度の黄巾力士に融けるように融合
毒無効の鋼の身体を得る
「私には昇仙出来た恩がこの世界にある。貴方が全力を尽くせるよう貴方に勧めた恩がある。この村には悪漢を駆除した恩もある。貴方という邪仙をこの世から除く恩もある。わざわざ貴方に奥の手を見せた恩も付け加えましょうか。それで…貴方はこれだけの恩に、どう報いて下さるのでしょうね」
嗤う
仙術+功夫で縮地(短距離転移)し接敵
金磚からゼロ距離で徹甲炸裂焼夷弾放ちながら掌底や蹴り組み合わせたガンフーで攻撃
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「莫迦莫迦しい。自分が無惨に負けた時のための言い訳ですか?」
村を救った恩に報いて、卑怯な手は使わない――そんな法正の言葉を、冬季は一笑に付した。
「好きなだけほざきなさい。何と言われようと、俺は己が信念を曲げる気はありませんから」
その返事にはさして興味も無さそうに、そうですか、と呟いて、冬季は続ける。
「全力を尽くせばよろしかろう。私も奥の手を見せて差し上げましょう。……合一・黄巾力士」
冬季が唱えると、2メートルの体躯を持つ黄巾力士が召喚され――そのまま、冬季の肉体に融けるように融合した。
その様子を見、法正は肉弾戦の構えをとった。
周囲の世界が、かつて在った蜀の美しき光景に塗り替えられてゆく。
清流のせせらぎ。緑に囲まれた都。遠くから市場の賑わいが聴こえる——。
どうやら本当に、小細工は使わず真正面から戦う気らしい。
尤も、仮に毒を使ったところで、鋼の身体と融合した現在の冬季には効かないのだが。
「然様に恩へ拘泥するのであれば、お望み通りにしてあげましょうか」
嘲るような笑みとともに、冬季は、跳んだ。
縮地を用いて、一気に法正との距離を詰める。
「――私には昇仙出来た恩がこの世界にある。貴方が全力を尽くせるよう貴方に勧めた恩がある。この村には悪漢を駆除した恩もある。貴方という邪仙をこの世から除く恩もある」
矢継ぎ早に繰り出される功夫と銃弾の連撃。
掌底打ちを受け止めれば、宝貝・金磚から放たれる焼夷弾が。急所を弾から逸らせば蹴りが。報復報恩の法則により強化された法正の肉体であっても、捌くのが精一杯だ。
「わざわざ貴方に奥の手を見せた恩も付け加えましょうか。それで……貴方はこれだけの恩に、どう報いて下さるのでしょうね」
「ぐ……、屁理屈を!」
吐き捨てるような言葉に、お互い様でしょう、と嗤う。
常人ならば目で追えぬほどの攻防も、長くは続かない。
時間が経過するにつれ、躱しきれない攻撃が増えてゆき、法正の身体を、徐々に打ち砕いていった。
「村を救ったことには、感謝しています……ですが、これきりです」
息も絶え絶えに、法正は怨嗟を吐く。
「報いよと……態々云われるまでもない。貴様らの顔、この傷の意味、覚えたぞ。此処にいる俺が消えたとて、この恨み、決して――」
言い終わる前に崩れ落ちる法正の身体を、徹甲炸裂焼夷弾にて貫くと――冬季は静かに嗤った。
大成功
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