|鋼《シュタール》の物語 鵬程万里
●ダークセイヴァー
夜と闇の世界。|吸血鬼《オブリビオン》が支配するダークセイヴァーと猟兵達が呼ぶ世界。
この世界に『|鋼《シュタール》』と名乗る者達がいる。
彼等は吸血鬼の支配に対して叛旗を翻した人類の反抗勢力『|闇の救済者《ダークセイヴァー》』の幾つかが集結して形成された集団だ。
その戦力はなかなかのもので昨年には小領主が支配する街を陥落させて拠点としていた。
勿論、その動きを座視する吸血鬼達ではなく大規模な討伐軍が『鋼』を襲った。
しかし、『鋼』はこれを猟兵の助力を得て撃退する。この成功は行商人や吟遊詩人により静かにだが確実に広まり、『鋼』に合流する『闇の救済者』が新たに現れて彼等の勢力はますます盛んになっていた。
●『鋼』の拠点 『|第一都市《エアスト・シュタット》』
「食糧が足りなくなる」
食糧不足。これが現在の『鋼』最大の問題であった。『鋼』に新たな『闇の救済者』達が合流する。
それ自体は歓迎すべきことだ。『闇の救済者』になる様な者達は人類にとって絶望しかない世界においてなお諦めない意志を持ち、それを覆すべく行動に移した同志である。だが、合流が続いた結果、『鋼』の拠点、今では『第一都市』と呼ばれている都市の許容人口を超えてしまった。
今は備蓄食糧があるので何とかなっているが、このままでは飢える事となるのは確実だ。
飢えてしまえば人は戦う事もできない。だからと言って合流を拒むのは悪手である。
吸血鬼の討伐軍を一度撃退したと言ってもこのまま放置されることはないだろう。第二の討伐軍襲来は確実にあると考えるべきだ。また『鋼』の戦力は猟兵に鍛えられ戦闘経験を積んだとはいえ吸血鬼達全体の勢力に比べれば蟷螂の斧だ。戦力拡大は必須でもある。
「新たな拠点を。生産力のある土地をとるしかないな」
『鋼』の指導部の決断は勢力地の拡大。
これは新たな大規模襲撃の引き金となりかねないが彼等には進むしか道はないのだった。
●グリモアベース
「勢力地を拡大することを決断した彼等ですが、その動きは堅実です」
そう青髪のグリモア猟兵、ステラ・リデルが語る。
『鋼』は生産力に余裕がある小規模な村を徐々に解放していっている。
その際、吸血鬼の駐屯戦力を殲滅する事で領主への情報を遮断。上手く問題の顕在化を防いでいる。
時間の問題ではあるが、一日でも長く時間を稼いで戦力の拡大をしたいというのが『鋼』の本音だ。
「今回、皆さんに行ってもらいたいのはそんな軍事行動の一つです」
順調に村々を解放している『鋼』だが、今回の目的地である村の駐屯戦力はなかなかの精兵なのだ。
『鋼』の戦力だけでも勝利はできる。
だが、少なくない犠牲を払う事になる上に殲滅には失敗することになる。
これは領主への情報封鎖の破綻を意味しており、第二の討伐軍襲来へと繋がるだろう。
「それは時期尚早と考えます」
猟兵達にはこの軍事行動に介入、駐屯戦力の殲滅を成功させて欲しいとステラは言う。
ついでに『鋼』の戦士達を鍛えてくれるとなお良いとも。
説明を終え、宜しくお願いしますと頭を下げるステラ。応じた猟兵達はダークセイヴァーへと転移する。
淵賀
初めまして。またはお久しぶりです。
今回はダークセイヴァーを舞台とした物語となります。上層じゃなくてノーマルな方です。
『鋼』の物語の二作目ですが、前回を知っている必要は全くありません。
登場するNPC達は共通していますので前回関係を築いた方は勿論連続性がありますが、今回の本筋の成功不成功に影響はありません。
全三章構成。冒険→集団戦→日常となります。
それでは今回のシナリオに関して纏めます。
第一章について。
『鋼』の一部隊が目的地へ向かう途上で皆さんは合流します。
猟兵であることを示せば歓迎して貰えるでしょう。
合流後に『飢えた鼠の群れ』に遭遇します。『鋼』の者達だけでも対処可能ですが、皆さんが協力すれば迅速に片付けることができるでしょう。また、『鋼』の者達への訓練の教材として鼠の群れを利用するのも良いかもしれません。
第二章について。
目的地の村に到着。解放するために吸血鬼の駐屯戦力との戦いが始まります。
【『鋼』の戦士達と協力する】と【プレイングボーナス】がつきます。勿論、単独行動でも不利になるということはありません。
第三章について。
第二章を首尾よくクリアできれば村が解放されます。
村人たちは疲弊していますので何らかの行動で希望を見せてあげると良いかもしれません。
『鋼』の統治下に入るので『鋼』の人たちにそっち方面の指導をしてあげてもいいかも。
以上です。
プレイングは各章全て受付開始のタグを入れてからとなります。
今回は〆切もタグにてお知らせいたします。
それではお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。
第1章 冒険
『飢えた鼠の群れ』
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POW : 噛み付いてきた鼠達を全身で振り払う
SPD : 鼠から足の速さを生かして逃げる
WIZ : 地形や道具、魔法を使って鼠たちの動きを牽制する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●状況説明
『鋼』は拠点である『第一都市』の近隣の村々を少しずつ解放してその勢力範囲を広げている。
この動きを近隣を支配する大領主に知られれば間違いなく第二次討伐軍が編成されるだろう。
それを防ぐ為に村を解放する際には細心の注意を払い、村に存在する吸血鬼の勢力を殲滅する事で今日まで大領主に気づかれずに勢力範囲を広げていた。
入念に下調べをして駐屯する戦力を把握してから襲撃を行う事でこれまで成功してきたのだが、今回殲滅に失敗すると予知されている。それは大領主の広大な領地を巡回している戦力が運悪く滞在していた為に起こることだ。現在、進軍する『鋼』の軍勢はそれを知らない。
村の解放の為に向かう『鋼』の軍勢は四百。その内にUC使いが四人。
三十人程と確認されている下級吸血鬼相手には十分と考えられていた。
士気高く行軍する彼等だがこの後すぐに飢えた鼠の大群に襲撃されることになる。
予想外の襲撃に少しの損害を出す事になるが、これは先行きを暗示した出来事となっただろう。
猟兵の介入がなければだが。
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NPC紹介
ヘルフリート:今回の軍勢の指揮官。長剣を使う眉目秀麗な青年。UC使い。LV37
フリッツ:小隊長。ちょっと気弱な感じの槍使いの少年。UC使い。LV37
ロミルダ:ヒーラー。物静かな聖者の少女。UC使い。LV40
レギーナ:参謀。冷静沈着な小柄な少女。UC使い。LV39
NPCのLVは言及して鍛える事で上昇します。(フレーバーで特に意味はないです)
ブラミエ・トゥカーズ
無理な行軍は控えさせれば良いわけであるな。
ついでに訓練であるか。
折角の勝利する資格を持つヒトの群れであるしな。ここは一つ協力をしてやろうか。
UCを用いて鼠に感染し『鋼』と合流する
吸血鬼に似た病状を発症した鼠による『鋼』を襲う鼠への共食い
駆除後、感染した鼠を吸血により渇死させ実体化する
吸血鬼であることは隠さない
恐怖と驚きが妖怪としての糧であるため
NPC達に攻撃されても受け入れる
UDCアースの古典的な方法以外
貴公等、吸血鬼を滅ぼすのは良いがその後の事は考えておるのか?
敵がいなくなれば次は何処から敵が湧いてくるであろうな?
飢えというのは恐ろしい敵であるぞ。
先の鼠のように共食いを行う程度にな?
●ブラミエ・トゥカーズ(《妖怪》ヴァンパイア・f27968)
|夜と闇に覆われた世界《ダークセイヴァー》。日中であっても薄暗いこの世界は地下世界であることが明かされた久しい。
それはそれで何故、日中に一定の明るさがあるのか謎ではあるが真実の太陽の光ではないことは間違いない。
この為、日光に弱い等の古典的な吸血鬼の性質を持つブラミエには過ごしやすい世界ではある。
陽光のある世界では必須の日焼け止めや日傘もここでは必要ないからだ。
「さて、鼠は……あそこか」
この世界に転移して来たブラミエはすぐに『鋼』に合流する事をせず、小道具として鼠を求めた。
グリモア猟兵が求めていた『鋼』への訓練、訓示に使おうという考えだ。
予想通り『鋼』を襲うであろう鼠以外にも至る所に湧いている。
「渇き飢え果て踊り狂え。知を棄て、地に這い、血を捧げよ。夜の主たる余のために」
『|災厄伝承・赤き死の夜宴《ウタゲハアサヒガノボルマデ》』の権能により霧へと姿を変えるブラミエ。
ただの霧ではない。転移性血球腫瘍ウィルスを含んだ霧。
感染者に吸血、飢餓、狂乱を与える悪夢の様な致死性伝染病へと誘う霧だ。
死病に侵されブラミエの支配下に置かれた鼠たちは『鋼』を目指す。
『鋼』の戦士達は飢えた鼠の群れに対して善戦している様だ。特に危地に陥っている様子もない。
その戦場で飢えた鼠の群れの後背からブラミエの死鼠たちが襲い掛かる。
「なんだ!?」
「新手、いや共食いをしているのか」
「守りを固めろ、此方から手を出すな」
その様子に疑問の声を上げる『鋼』の戦士達だが共食いする鼠たちへの手出しは控えられ、そんな彼等の前でみるみる内に鼠の数は減っていく。
最後に僅かに残ったブラミエの死鼠たちが彼女の意志により渇死させられると漂う霧が集結して人型をとる。
「何だ――!?」
「吸血鬼!!」
鼠たちの狂乱を警戒しながら見守っていた『鋼』の戦士達の警戒心が跳ね上がる。
霧が集まって現れた貴族然とした装いのブラミエはダークセイヴァーにおいても吸血鬼の特徴そのままだ。
『鋼』の戦士達の驚愕、恐怖、それを彼女は心地よく受け止める。
妖怪である彼女は吸血などの吸血鬼としての性質以外にも妖怪としての根本的な性質も持つ。
すなわち人間の感情を糧とするのだ。実際のところ、これが欲しくて登場を演出したところがある。
「くそっ」
「あ、待てっ」
緊張に耐えかねた『鋼』の戦士の一人が仲間の静止の声を無視して槍を突き立てる。
それを躱すことなく受け入れるブラミエ。
「まあ、慌てるな。余は敵では無い」
平静な声で告げる。「貴公等を襲っている鼠を駆除したであろう?」と続けて告げれば『鋼』の戦士達に困惑が広がる。自分に槍を刺した戦士に微笑んで見せて刺さった槍を引き抜けばすぐに再生されて戻る。
「余は猟兵。貴公等の助力をしに来た」
この発言に動揺が広がる。槍を刺した戦士に至っては顔面蒼白である。
その少し後にはその主張は受け入れられ、攻撃したことに対して何度も謝罪されながら歓迎される。
自ら嗾けたようなものでもあるのでブラミエは気にしていないが。
そもそも伝承にある方法やユーベルコードによらない普通の攻撃で彼女を倒す事は不可能だ。
「貴公等、吸血鬼を滅ぼすのは良いがその後の事は考えておるのか?」
その後、行軍を再開した際にブラミエは問いかける。
戦いの後、色々な問題が出てくるだろうが特に『飢え』の問題は深刻だ。
現在、『鋼』の戦士達が村を解放に進軍しているのも
吸血鬼支配からの民衆解放そのものよりも生産力向上による『飢え』回避が主題である。
「飢えというのは恐ろしい敵であるぞ。先の鼠のように共食いを行う程度にな?」
「理解しているつもりです」
神妙に答える若き指揮官に「忘れることなきよう」と頷くブラミエ。
『鋼』の行軍は続く。
大成功
🔵🔵🔵
西院鬼・織久
食糧の自給が容易ではないダークセイヴァーでは多くの人間を養う事は難しい。食糧を確保する事は急務とは言え少々勇み足が過ぎたようです
何らかの手立てが必要になるでしょうが、今は殲滅が先です
我等は狩る者、喰らう者
我等が怨敵を狩り血肉を喰らうのみよ
【行動】POW
五感と第六感+野生の勘で周囲の状況を把握し戦闘知識+瞬間思考力を基に常に先の流れを予測し、敵味方の行動を見切る
先制攻撃+怨念の炎を宿すUCの範囲攻撃で第一陣を焼き払いつつ、鼠の逃走経路を呼んでそちらにも延焼させ一匹も逃さないよう炎で包み込んで片付けて行く
●西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)
陽光の届かぬ地下世界、ダークセイヴァー。
何故か食糧の生育は成せているが日の光が当たり前に存在する世界と比べればその生産量はどうしても劣る。
アース系世界と比べれば文明レベルが低いという事もある。
支配者である吸血鬼にその様な事に関心を持つ者は少なく、結果どの都市も余剰生産力はあまりない。
そんな世界において『鋼』の拠点の様に急速に人口が増加すれば食糧問題が起こるのは必然であった。
「食糧の自給が容易ではないダークセイヴァーでは多くの人間を養う事は難しい。
食糧を確保する事は急務とは言え少々勇み足が過ぎたようです」
行軍する『鋼』の戦士達と合流した織久は士気の高い彼等を見て思う。
『鋼』はその食糧問題を解決する為に外征に打って出た。それ自体は避けられない事だと織久は考える。
吸血鬼の支配する周辺都市と貿易する事も食糧援助を求める事も現実的ではないし、耕作地を増やしても収穫までには時間が掛かる。だから食糧を求めて村落を解放するのは良い。
織久が勇み足と評したのは偵察、索敵の甘さだ。
聞けば既に幾つかの村々を解放しているという事だがそれは運が良かったのだろう。
今回は大領主の巡視部隊とかち合う為に失敗すると予知されたのだが、巡視部隊の存在を掴んでいなかったのだからそれがいつ起こってもおかしくはなかったのだ。
とは言えそこまで求めるのは酷かもしれない。
「何らかの手立てが必要になるでしょうが……今は殲滅が先です」
食糧問題について思考の海に沈んでいた織久だが飢えた鼠の群れの気配に顔を上げる。
予知通りに飢餓鼠の群れによる襲撃が始まった様だ。赤い瞳に殺意と狂気が宿る。
「我等は狩る者、喰らう者。我等が怨敵を狩り血肉を喰らうのみよ」
『鋼』の戦士達の集団から一歩抜け出して織久は炎を放つ。
それは怨念と殺意が宿る黒き炎だ。
一面を焼き尽くすかの様に放たれた炎は鼠を焼き、焼いた後も意思を持った生き物の様に広がる。
実際に黒炎の延焼は織久の統制下にあった。
鼠を一匹も逃さないという意志。
鼠の逃走経路すらも織り込んだ動きで黒炎が広がり、飢えた鼠の群れを囲んで行く。
大成功
🔵🔵🔵
サンディ・ノックス
俺がいつも助けに来れない以上鼠には鋼の皆の戦力を増強する教材になってもらったほうがいいね
うーん、力を持ってることが当たり前すぎて一般兵の戦い方をどう指導したらいいか悩むな
まず鋼に合流
ロミルダさんに挨拶して皆に俺を紹介してもらう
勢力を増しているということははじめましてのヒトもいるってことだもんね
皆の鼠退治をしばらく観察
攻撃が最大の防御とは思うけど普通のヒトである彼らに殲滅の力を求めるのは厳しい
ひとつしかない命だ
そのつもりはなくても捨て身で戦おうする癖のあるヒトとか
隙の多い行動のヒトとか
敵の殲滅に夢中になってしまうヒトを見つけて彼らを指導
他にも戦闘経験が薄いヒトにUCを使って成功体験をさせてあげる
●サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)
『|鋼《シュタール》』の破局。それが予知されるのは今回で二回目であり、サンディは一回目にも関わっている。
前回の破局はサンディを始めとした猟兵達の力により回避されている。今回の破局も防ぐ自身もある。
とは言え……。
「俺がいつも助けに来れない以上鼠には鋼の皆の戦力を増強する教材になってもらったほうがいいね」
行軍中の『鋼』を襲う飢えた鼠の群れ。
正直、サンディが持てる力を振るえば撃退するのは難しい話ではない。
だがそれで良いのかという思いがある。
前回も今回も予知されたことで自分は助けに来ることが出来た。
だが、|吸血鬼の支配する世界《ダークセイヴァー》において『鋼』の危難はこれからも続くだろう。
その全てが予知されるとは限らないし、自分もいつもこれるとは限らないのだ。
ここは『鋼』の戦士達に成長してもらい、自身の力で危難を跳ね除けられる様になって欲しい。
これから襲ってくる鼠を使ってそれを成せないかと考える。
「うーん、力を持ってることが当たり前すぎて一般兵の戦い方をどう指導したらいいか悩むな」
考えるが……サンディは生命の埒外たる猟兵。超常的な戦闘力を持つ。
|普通《・・》の人間をどう鍛えれば良いのか感覚的に分かりづらいところがあった。
とりあえず『鋼』に合流してから考えようかと足を向ける。
『鋼』への合流は円滑に行く。『鋼』も新顔が増えているとはいえ遠征軍の大多数は練度の関係から古株が多いのでサンディの顔を知っている者が殆どだった。
それでも見知らぬ顔が居ない訳ではないので旧知である『鋼』のUC使い、ロミルダに紹介を頼む。
ロミルダはサンディに頼まれれば否はない。
嬉しそうに『鋼』の新顔達にサンディを紹介する。
前回の戦いでの活躍を事細かに称賛しながらな話すのには少々面映ゆいものがあったが。
「もしもの時は俺がフォローするから普段通りやってくれるかな?」
「はい、分かりました。それでは皆さん、頑張りましょう」
飢えた鼠の群れの襲来。サンディはロミルダの率いる部隊の指導をすることにする。
相変わらずロミルダは双剣を持って前線に出て戦う様だ。
回復の要である彼女が最前線に出るのはどうかという思いもあるが……分け隔てなく負傷を回復する彼女の人気は『鋼』の中で高く、その彼女が前線に出る事の士気効果は侮れない。
『鋼』と鼠との戦い。『鋼』の戦士達は鼠の群れの大物量を上手く捌いているようだ。
それでも注意深く観察していれば兵士一人一人の癖が見えてくる。
勇猛果敢と言えば聞こえが良いが捨て身とも評せる者。
鼠相手ならばそこまで問題ないが同等以上の相手では隙が多くなると思われる動きをする者。
ひとつしかない命だ。
是正する事で生存率が上がると思える癖を持つ者を指導していく。
戦場の中でごく自然に割って入り、鼠を寄せ付けずに助言をするサンディ。
他にも戦闘経験が少なそうな者にはこっそり能力強化のUCを使ったりして成功体験を積ませたりもする。
鼠の襲来を撃退する頃には『鋼』の戦士達の心をがっしりと掴んでいるサンディであった。
大成功
🔵🔵🔵
リューイン・ランサード
フリッツさんも皆さんも元気そうで良かったです。
『第一都市』を中心に勢力拡大すると、いつかは吸血鬼にばれるでしょうね。
拠点を分散して『農村から大領主が籠る都市を包囲する』方式が望ましいですが、中核戦力がある程度揃わないと各個撃破されますし、バランスが悩ましい所です。
と意見も伝えます。
まずは鼠を倒しておきましょう。
UCで攻撃力を強化。
風の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・範囲攻撃で作り上げた風の刃舞う竜巻を鼠の大群の前衛部に形成。
前衛を殲滅した後は竜巻の範囲を広げて大群の中心部を殲滅。
『鋼』の皆さんには散らばった鼠の掃討をお願いします。
密集が力となる場合もあれば弱点になる場合もある、という事です。
●リューイン・ランサード(|波濤踏破せし若龍《でもヘタレ》・f13950)
『鋼』の支配領域は『第一都市』と呼ばれている元々は小領主の城塞都市とその周辺の幾つかの村落である。
現在、周囲の強大な領主に露見しない様に注意を払いつつ村落を解放して徐々に勢力範囲を広げているのだが、ここでこの地方を俯瞰的に見てみよう。
『第一都市』はダークセイヴァー世界の辺境付近に位置している。
西に進めば吸血鬼勢力さえも支配を断念した「異端の神々」が蠢く大森林が広がっている。
北と東は先日、『第一都市』を襲撃した大領主の領土がある。大領主は『鋼』が小領主を倒したのを察知して、空白地となった『第一都市』を支配下に置かんと討伐軍を起こしたのだがリューイン達猟兵により撃退され、今は沈黙を守っている。
南は『第一都市』と同程度の小領主の城塞都市が幾つか存在している。
当然だが『鋼』は東西南北何処に向かっても困難が付き纏う。
現在は食糧対策が急務の為に付近の村落を解放する事で地盤を固め様としているところであるが、これが達成された後、何方に勢力を伸ばすのか、或いは守りを固めるのか判断を求められる事になるだろう。
ただ、大領主には存在を察知されているのでいずれ攻め込まれるのは必定と思われた。
「フリッツさんも皆さんも元気そうで良かったです」
「リューインさん! お久し振りです!」
『鋼』と合流したリューインはUC使いフリッツを始めとした既知の戦士達に歓迎される。
数ヵ月前に初めて会った時はどことなく|気弱《ヘタレ》な雰囲気を出していたフリッツだが再開してみれば柔和な感じは変わらないものの何処か芯がある様に見える。無事であり成長もしている様子にリューインの顔にも笑みが浮かぶ。
行軍途上で『鋼』の戦略について所見を述べるリューイン。
彼は武門の生まれであり、(|途中《初冒険で大魔王の分身に遭遇で》、心が折れてヘタレた時もあったけど)基本的に真面目に励んで来たので一定の戦術戦略知識を有する。
リューインの考えに自分では対処不可能と早々に白旗を上げたフリッツは指揮官のヘルフリートを呼び、そこでリューインとヘルフリートの戦略談義が始まる。フリッツは相槌役だ。
ヘルフリートから『鋼』周囲の地理情報を伝えられ、「それならば……」と話を進めていたところに鼠の群れの襲来が知らされる。
「まずは鼠を倒しておきましょう」
そう言う事になったが、結果はあっさりとしたものだった。
リューインの放った風刃鋭き竜巻が密集した鼠の群れを挽肉に変えながら蹴散らし、周囲に散った少数の生存した鼠を『鋼』の戦士達が容易に駆逐していく。戦いとも言えないような光景だ。
「密集が力となる場合もあれば弱点になる場合もある、という事です」
一網打尽。
密集陣形を行う事も多い一般の『鋼』の戦士達に理屈ではなく実感として勉強になる一幕であった。
大成功
🔵🔵🔵
ディル・ウェッジウイッター
成程今回の依頼は色々な意味が含まれているのですね
微力ながらお力添えさせていただきます
ネズミは戦場に一匹いてもたいした影響はありませんが、その後もたらす食害と病気と考えればできるだけどうにかしたいところです
これからの動きを考えれば時間もかけられません。できるだけ静かに、迅速に対処いたしましょう
ちょこちょこと動かれると大変ですのでメガリスであるドーマウスを放ち、周囲にいるネズミたちを眠らせます
寝床としてティーポットを貸しているのです。働きたくないなど言わせません
動きを止めた後は私もカトラリーで対処も致しますが、『鋼』の皆様お力もお借りします。私だけよりも効率が良いでしょうしね
●ディル・ウェッジウイッター(人間のティーソムリエ・f37834)
現在は昼過ぎ。
普通の世界であれば明るい日光が差している時間だが|ダークセイヴァー《地下世界》は仄暗い。
そんな薄暗い大地で『鋼』の戦士達が地面で動かないナニかに止めを刺して回っていた。
ナニかとは飢えた鼠の群れだ。
先程、飢餓鼠の大群が『鋼』の戦士達に襲い掛かって来た。
そこで優雅に一歩踏み出したのは「微力ながらお力添えさせていただきます」と合流していたディルだ。
「ドーマウス、起きなさい、仕事ですよ」
執事然とした装いの彼が掲げたティーポットに語り掛ければ嫌そうな顔をしたヤマネが姿を現わす。
勿論、ただのヤマネではない。
ドーマウスという名前を持つヤマネの姿をした強力な力を持った|古代の遺産《メガリス》である。
このドーマウス、普段は一日の大半を寝ている。今も寝ていたし、何なら一日中寝ていたい。
今の感情は「働きたくないんですが??」である。
「寝床としてティーポットを貸しているのです。働きたくないなど言わせません」
ニコリと微笑み断固たる意思を示すディルに絶望顔を見せるドーマウス。表情豊かなヤマネである。
ともあれ、しぶしぶとドーマウスが働いた結果が現状。
メガリスとしての権能により襲来した鼠を広範囲に渡って強制的に眠らせ、無防備になったところをディルと『鋼』の戦士達が共同して止めを刺して回るという冒頭の状況だった。
「ネズミは戦場に一匹いてもたいした影響はありませんが、その後もたらす食害と病気と考えればできるだけどうにかしたいところです」
鼠というものは人間にとって害が大きい。有名な食害はただでさえ食糧問題を抱える『鋼』に致命的なダメージを与えかねないし、様々な感染症の原因にもなる。ねずみ算という言葉もあるくらいに際限なく増えていく存在でもある。幸い此処は『鋼』の拠点でも村落でもないが広範囲を移動する鼠である。出来る限り完璧に駆除しておきたいというのがディルの考えだった。
大成功
🔵🔵🔵
霧島・絶奈
◆心情
「十分と|考えられていた《・・・・・・・》」
油断大敵ですね
勝利とは更なる勢いを齎す劇薬です
逆に言えば、振り回されれば視野狭窄を招くだけでなく、願望や希望的観測に囚われます
結果、足元を掬われては元も子もありません
◆行動
そうは思いませんか?
レギーナさん
斥候や偵察を含めた情報戦から既に闘争は始まっています
とは言え、戦場とは動的な物…
其の全てを即座に見通し続けるのは神であっても不可能でしょう
ですが、多くの状況に対抗出来る手札を用意する事で即応出来るなら…
多少の強引さも勝利の為の布石と為せます
『暗キ獣』を使用
呼び出した軍勢はレギーナさんに預け、【集団戦術】の実地訓練を行って貰いましょう
地形や彼我の情報を迅速に集約し…
その上で地形や人員をどう活かせば敵にのみ消耗を強いられるのか?
実地で学ぶ良い機会です
私は【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置
加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し援護
負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
●霧島・絶奈(暗き獣・f20096)
昨年の戦い。猟兵の助力あっての結果とは言え『鋼』は三千の大軍勢の襲撃を退けた。
これは暗闇に閉ざされ絶望が覆う世界に咲いた希望の光だ。
その光に惹かれて他の『闇の救済者』達が『鋼』と合流をするのは理解できる。
そして急速に勢力か拡大したが故の食糧問題。
これも顕在化する前に村落の解放で対処しようとしていることは評価できるだろう。
問題はその解放の為に用意された戦力だ。『鋼』の戦力はUC使い四人に一般兵四百。
これは現在の『鋼』の総戦力の三割に及ぶ。
事前の情報では三十人程の下級吸血鬼が支配する村落を解放には十分と考えられていたし、実際に同規模の幾つかの村落を問題なく解放している。
しかし、今回は失敗する。
それは巡視隊という想定外の戦力とたまたま鉢合わせてしまうことによる悲劇ではあるが……。
「十分と|考えられていた《・・・・・・・》。油断大敵ですね」
そう独り言つ様に言う絶奈の言葉を聞き、傍らに立つレギーナの相貌が色を失う。
母親から怒られた子供の様に、あるいは教師に叱責される生徒の様に。
実際に絶奈とレギーナの関係は師弟のそれだ。尤も後者から前者に向ける熱量は師弟で収まるものではないが。
「勝利とは更なる勢いを齎す劇薬です。
逆に言えば、振り回されれば視野狭窄を招くだけでなく、願望や希望的観測に囚われます。
結果、足元を掬われては元も子もありません。そうは思いませんか? レギーナさん」
「はい、|師《せんせい》。その通りです……」
レギーナの声は小さい。今回の『鋼』の戦力編成に当然ながら参謀の彼女も関わっている。
否、『鋼』全体の参謀として主導的な立場にいたと言っても良い。
それが失敗すると告げられ、失敗を回避する為に絶奈達は再びこの地を訪れたと言う。
破局を免れた事に安堵する反面、師と慕う絶奈に認められようと頑張っている少女にとっては失望されることが何よりも怖い。
とは言えレギーナは情報の大切さを知っており、今回も事前に敵戦力の把握に努めている。
|巡視隊《想定外》の存在を考慮するのは至難であろう。
頑張っていると言えるが頑張っているだけでは許されない厳しい世界でもある。
「斥候や偵察を含めた情報戦から既に闘争は始まっています。
とは言え、戦場とは動的な物……其の全てを即座に見通し続けるのは神であっても不可能でしょう。
ですが、多くの状況に対抗出来る手札を用意する事で即応出来るなら……多少の強引さも勝利の為の布石と為せます」
要は不測の事態が起きても対処できる力があれば良い、という話だが相対的弱者であるこの世界の人類には難しい話でもある。
「最初から十全の者はいません。私もあなたもです。ですから学び続ける必要があります」
とりあえずはこれから襲ってくる鼠達には教材になって貰いましょう。
実地で学ぶ良い機会ですと微笑む絶奈に見捨てられていないとレギーナは安堵の息を吐く。
この後起った飢えた鼠の大群の襲来は絶奈にとっては弟子に経験を積ませる道具。
弟子にとっては経験を積み師に成長を見せる舞台でしかなかったようだ。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『闇に誓いし騎士』
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POW : 生ける破城鎚
単純で重い【怪物じみた馬の脚力を載せたランスチャージ】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 屠殺旋風
自身の【兜の奥の邪悪なる瞳】が輝く間、【鈍器として振るわれる巨大な突撃槍】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 闇の恩寵
全身を【漆黒の霞】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
イラスト:すねいる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●状況説明
押し寄せる餓鼠の大群を危なげなく殲滅した猟兵と『鋼』の戦士達。
行軍を順調に進めて現在、解放するべき村落を目前としていた。
村落には一日前に大領主配下の巡視隊が到着しており滞在中だ。
元々村落に駐屯している下級吸血鬼と違い、全員が鍛えられた吸血鬼による精鋭騎士である。
彼等こそ『鋼』にとっての計算外であり破局の原因となる。
村落を前にどう攻めるかを考える。
『鋼』の戦士達を連れて経験を積ませつつ倒すのか。
単身攻め込み駆逐するのか。
他にも問題点もある。
情報遮断の為に殲滅が必須だが敵の逃亡をどう防ぐのか。
逃亡防止に『鋼』の戦士達を活用するか自分で動くのか。
村落で吸血鬼の支配下にある村人達。
戦闘時は家に閉じこもっているだろうが、あまりに広域破壊は彼等に影響があるかもしれない。
猟兵達はそれぞれの考えを『鋼』の戦士達に告げる。
開戦の時は近い。
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基本的に自軍の奇襲からの開戦の形になります。
『鋼』の戦士達は基本的に猟兵の要請には素直に従います。
【『鋼』の戦士達と協力する】と【プレイングボーナス】がつきます。
※ネームドNPCは万が一、相反する指示を受けた場合は付き合いが長い方を優先します。
※反しない場合はどちらも聞き入れます。
村人達は家に閉じこもっており、また吸血鬼達も人質に取るなどの行動には出ないので基本的に放置で大丈夫ですが、無差別な広範囲攻撃とかは巻き込まれる可能性はあります。
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NPC紹介
ヘルフリート:今回の軍勢の指揮官。長剣を使う眉目秀麗な青年。UC使い。LV37
フリッツ:小隊長。ちょっと気弱な感じの槍使いの少年。UC使い。LV40
ロミルダ:ヒーラー。物静かな聖者の少女。UC使い。LV43
レギーナ:参謀。冷静沈着な小柄な少女。UC使い。LV42
NPCのLVは言及して鍛える事で上昇します。(フレーバーで今回は特に意味はないです)
御梅乃・藍斗
夜闇に鎖された世界でも、逞しく生きている人々はあるのですね
生活の一助となるなら協力は惜しみません
ヘルフリートさんとフリッツさんは共に前衛を
ロミルダさんレギーナさんは後方で支援を
ただし命が危ないなら無理はせずに!生き延びるのも戦いです
僕が指定UCで敵の注意を惹きつけますので隙をついてください
なるべく民家や畑などの被害を減らすよう開けた地へ誘導しましょう
勝者のカリスマで煽り、攻撃を受け流し、居合で叩き斬る
NPCが危なければかばうことも躊躇いません
猟兵になって多少なりと丈夫になりましたからね、有効活用しないと
どうか皆さん、強く在ってください
なによりも生きてください
僕のように大切な人を失わないために
ブラミエ・トゥカーズ
騎士団を呼ぶ
彼等は吸血鬼への殺気は隠さない
UCにて縛られているため表立ってはブラミエは攻撃できない
巻き込みは可
指揮官か参謀に:
殺す相手を選ばせたければ路を教えるがよい。
余は命の区別が出来ぬ下等な生き物であるし、この者達も吸血鬼とみれば一帯全てを焼き払う者であるがゆえにな。
【浄化、対集落、対吸血鬼】属性の騎士団が吸血鬼の騎士団に突撃する
ブラミエは非戦闘員の損害を抑えるため、指定された経路を走る
騎士団はそれを追いかける
彼等は吸血鬼の区別はしない
吸血鬼騎士もブラミエも等しく正義の名の下に焼き払う
生命力に対吸血鬼属性が付与されているため吸血鬼にとって毒
もし武運拙く死ぬ『鉄』を見つけたら吸血にて介錯する
●農村
その農村は『鋼』の本拠地である『第一都市』から見て東方に存在していた。
規模としては辺境の農村としては標準的な60戸300人程度である。
支配するのは30人程度の下級吸血鬼というのが『鋼』の情報収集の結果であったが、猟兵から大領主配下の巡視隊が滞在中である事を知らされている。この巡視隊の存在は『鋼』の考慮の外であった。
『鋼』はこの農村を自らが打倒した『第一都市』の旧主である小領主の支配地だと考えており、それ故に追加戦力はないと考えていたのだが実際は大領主の支配下にあったという訳だ。
また、巡視隊も決まった巡回コースを持っておらず、隊長の気紛れで目的地が決まる。
この為に現在、この村にいるのは偶然だ。
『鋼』にとっては運が悪いとも言えるし、猟兵の介入により経験が積めるのは運が良いとも言えた。
禍福は糾える縄の如しである。
巡視隊は吸血騎士が50名程。全員が騎兵であり、精鋭。
それに元々の支配者である30名の下級吸血鬼がこの農村の敵対勢力だった。
●開戦
「敵の主力は騎兵の様です。あちらとしてもその力を存分に使えるのは開けた地となります。
ならば誘導する事も容易でしょう」
農村の民家や畑等への被害を可能な限り抑える為にそう主張するのは御梅乃・藍斗(虚ノ扉・f39274)。
黒髪赤瞳の少年だ。彼は先程、『鋼』と合流した猟兵である。
「村人達への被害を抑えるのは同意いたします。ですが、具体的にはどう動きますか?」
「まずは少数で村に接近しましょう。敵は容易に勝てると見れば攻めてくるはずです。
後は戦いながら引き付けます」
年少と言えど猟兵である藍斗に丁寧な口調で問いかける『鋼』の指揮官ヘルフリート。
藍斗の答えに頷き、賛同する。
「具体的に誰が出るかお考えがありますか?」
「あまり少なくても誘き寄せが上手く行かないかもしれません。20名程で行こうと思います。
UC使い以外の戦士の選別はお願いしますが、UC使いの中ではヘルフリートさん、フリッツさんは僕と一緒に前線に出て欲しいですね」
『鋼』の戦力強化を考える藍斗はUC使いの強化こそ肝要と考える。
まずは前線で戦う力を持つヘルフリート、フリッツに経験を積ませるという人選だ。
残りのUC使いであるロミルダとレギーナには後方支援をお願いする。
ロミルダは不満そうだが残りの一般兵達を率いる役目と聞き納得する。
レギーナはそもそも後方で指揮を執るのが自分の仕事であると心得ているので快諾した。
その後、他の猟兵との打ち合わせも終わりいよいよ戦いが始まる。
●誘引
ヘルフリート、フリッツ他20名ほどを引き連れて藍斗は農村に堂々と接近する。
それに気付いた吸血鬼騎士達が現れ、誰何の声が掛かると藍斗は農村解放を宣言。
せせら笑った吸血鬼騎士が大挙して襲い掛かる。
「無理はせずに! 生き延びるのも戦いです」
妖刀を振るい、吸血鬼騎士が馬上から突き付ける|突撃槍《ランス》を払い除けると同時に流れる様に反撃しながら藍斗が激励を飛ばす。
見たところヘルフリートとフリッツは一対一ならば吸血鬼相手にも優勢を保てる。
一般の戦士達は5人掛かりでようやく互角と言ったところか。
現在、吸血鬼騎士は20騎程出てきているので全体としては不利であり、違和感なく後退する事で誘引が出来ている。
それは良いが、このままでは一般兵士に犠牲が出る。
そう判断するや否や藍斗は気合の声を上げて複数の吸血鬼騎士に連続で斬りかかった。
「貴様ッ――!!」
藍斗の連続攻撃。複数対象を狙った手傷を与える事を目的とした攻撃は軽く、吸血鬼騎士の負った傷は僅かだ。
吸血鬼騎士の視点に立てば手強い藍斗を無視して『鋼』の戦士達を削っていくのが常道だろう。
しかし、その選択肢を取る事ができない。
湧き上がる藍斗に対する怒りを抑える事ができずに、吸血鬼騎士達が藍斗に殺到する。
『扇動スル影』。斬撃が命中した敵に復讐心を植え付けるユーベルコードを藍斗は発動していたのだ。
理性より衝動を優先した藍斗への攻撃は吸血鬼騎士達に隙を生じさせ、そこを『鋼』の戦士達が突く。
戦局が吸血鬼騎士有利から拮抗へと変わり、それを見た残りの吸血鬼騎士達が農村から出撃した。
乱戦の外からの統率が取れた騎兵集団の一撃は『鋼』を打ち砕く威力を持つはずだ。
「今です。あそこにお願いします!」
「承知した」
藍斗達の戦場から少し離れた場所で二人の女性のそんな会話がなされたのはその時だ。
●魔女狩りの騎士団
それは戦いが始まる少し前。
ブラミエ・トゥカーズは後方支援に徹する事に決まった『鋼』の参謀、レギーナにある依頼を行っていた。
「路ですか?」
「そうだ。殺す相手を選ばせたければ路を教えるがよい。余は命の区別が出来ぬ下等な生き物であるし、この者達も吸血鬼とみれば一帯全てを焼き払う者であるがゆえにな」
自身を下等な生き物と称するブラミエに何か言いたげな顔をしたレギーナだが、その後に続いた「この者達」を見て息を潜める。
ブラミエの後ろに立つ騎士と思える集団。
突然現れたその集団はブラミエが|『歪曲伝承・魔女狩りの灯』《ユーベルコード》により呼び出した存在である。
であるならば味方であるはずであり、現に直立不動を保っているのだが、レギーナにも分かる程、殺気立っている。
しかも、その殺気は召喚主であるブラミエに向けられている様に思える。
「心配はいらぬ。この者達は吸血鬼を憎む者であるが、ユーベルコードに縛られている故に余に攻撃する事は出来ぬ」
その言葉は真実である。だが敵への攻撃、それにブラミエを巻き込む様に意図する事は可能であるし、吸血鬼を憎む騎士達は積極的にそれを狙うであろうことは敢えて語らなかった。
そして今である。
藍斗達と先発隊が乱戦状態になったのを見て外から一撃を入れようとした援軍。
それを砕く様にレギーナが願う。
承知の声と共にブラミエが走り出す。それを追う様に移動を始める魔女狩りの騎士団。
●混戦
吸血鬼騎士の援軍と彼等をブラミエごと屠らんとする魔女狩りの騎士団が激しくぶつかる。
漆黒の霞と浄化の炎が絡み合い混戦状態だ。
藍斗達も奮戦を続けており、これを見た巡視隊隊長は全軍を投入する事を決める。
戦いは次の段階に移ろうとしていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
西院鬼・織久
我等西院鬼は個対多を得意としますが、逆に味方勢力と共闘する事を前提としていません
『鋼』と面識のある猟兵の計画と矛盾しないよう立ち回ります
我等が怨敵を前に滾る怨念を抑える道理なし
悉くを喰らいつくしてくれよう
【行動】POW
五感と第六感+野生の勘を働かせ周囲を把握、戦闘知識+瞬間思考力で常に先を読む
『鋼』と行動する猟兵の動きを邪魔せず、敵にも阻害させないよう間接的に協力
先制攻撃+UCで敵の視線を上空に集め周囲の家屋などに攻撃が剥かないようにしつつ、通り抜け様になぎ払い+切断
武器に宿る怨念の炎で傷口を抉り、呪詛+焼却の継続ダメージで蝕み動きに精彩が欠けて行った所を狙いなぎ払い+範囲攻撃でとどめ
●西院鬼
吸血鬼勢力からの農村の解放を目的とした戦い。
その戦いの前に猟兵達と『鋼』の指揮官達は最後の打ち合わせを行っていた。
大筋では少数が敢えて姿を見せて敵を誘き寄せてからの殲滅すること。
敵が逃亡を試みた際にそれを許さない為に監視態勢を整えておくこと等が決められた。
「西院鬼さんはどう動かれますか?」
「我等西院鬼は個対多を得意としますが、逆に味方勢力と共闘する事を前提としていません。
他の方の『鋼』の皆さんに実戦経験を積ませて今後に繋げるという方針に賛同はしますが我等は別個に戦った方が良い結果を齎すでしょう」
オブリビオン狩りを至上目的とする西院鬼一門の一人、西院鬼・織久。
個を捨て「我等」という独特の一人称を使う彼に『鋼』の指揮官ヘルフリートがその行動を訊ねてきたので全体方針に矛盾が生じない範囲で独自で動くとの答えを返す。
猟兵達は『猟兵』と括られているがその戦い方は千差万別であることを知っている『鋼』の指揮官は納得して了承を告げて離れていく。
そんな彼の後姿を見送ってから農村の方を向く織久。
あそこには村人達を支配する|オブリビオン《狩るべき敵達》がいる。
「我等が怨敵を前に滾る怨念を抑える道理なし。悉くを喰らいつくしてくれよう」
織久の赤い瞳に殺意と狂気が宿る。
●怨竜顕現
農村解放戦が始まってしばし、猟兵達の計画通りに乱戦となっていた。
そんな戦場の一角に上空を見上げる数騎の吸血鬼騎士達の姿がある。
彼等の視線の先は地上ではなく上空。そこには竜の気配を色濃く宿した織久がいた。
『|怨竜顕現《エンリュウケンゲン》』。
西院鬼の吸血鬼の血脈に宿る竜の力を根源とし、殺意と怨念の意志の強さによりどこまでも戦闘力を増し飛翔能力をも得る恐るべきユーベルコードの発現である。
空を支配する今の織久を捉える事は精鋭とは言え地上戦に特化した吸血鬼騎士達には難しい。
だからと言って織久を無視して他を狙う事もまた至難であった。
そんな隙を見せれば織久は即座に急降下して来て手に持つ黒い大鎌を振るって騎士達の鎧を斬り裂く。
それによって負わされた傷はただの傷では終わらない。
大鎌は怨念の炎を宿しており、それが消えずに吸血鬼騎士達を蝕むのだ。
呪いの様に消えない血色の炎は吸血鬼の再生能力をも上回る。そして、それにより動きが鈍れば……。
「消えろ」
大鎌一閃。超音速で飛来する織久の斬撃に対応すること能わず吸血鬼騎士がまた一騎、数を減らす事になる。
大成功
🔵🔵🔵
サンディ・ノックス
絶対に成功させなくてはいけないことは、敵を逃がさないこと
できれば成功させたいことは、鋼のヒト達の訓練
鍛えることを重視したばかりに敵を逃がしてはいけない
哨兵に戦場から逃亡を試みる敵がいたら確実に伝えるよう指示
逃亡を必ず阻止しなくてはいけないことを説き、見落とさないよう哨兵の人員を多めに割いてもらう
まず戦闘は鋼のヒトに任せる
敵の攻撃が重くて耐えられそうにないなら、魔力を高めてオーラを発生させ攻撃から庇う
無条件に庇うこともできるけど、攻撃を受けることも戦いの経験だから彼らだけでなんとかできる限りは任せたい
逃亡する敵の情報が入ったらUCを発動し切り裂く
まずは馬の足を、続いてその体を狙いトドメを刺したい
●開戦前
精鋭の吸血鬼騎士の一団が滞在している事が明らかになった農村。
此処を解放する戦いで何を最も注意するべきか。
「敵を逃がさないこと」
これが一番大切であるとサンディ・ノックスは言う。
農村の村人達を吸血鬼の圧政から解放して『鋼』の勢力圏に編入する。
農村を解放する戦いにおいて『鋼』の戦士達に戦闘経験を積ませる。
これ等は重要な事ではあるが、それにも増して絶対に成功させなければならない事として敵の逃亡阻止をサンディは主張する。
敵を一人でも逃して大領主に『鋼』の動きが知られれば再度の襲撃を招くだろう。
しかも、一度失敗しているのだ。
無能でなければ前回に増した戦力を整えて来るであろうし、敵の無能を期待するべきではない。
また、大軍襲来となれば『鋼』には籠城という選択肢しかないが、そうなれば折角解放した村々を見捨てる事になる。村人達を『第一都市』に避難させることは可能だろうがそうなれば食糧問題はより深刻となる。敵と戦う以前に崩壊しかねない。
その様な道理を説明すれば元々、『鋼』は敵戦力殲滅による情報遮断が村落解放時の基本方針である。
サンディの意見は受け入れられ、解放戦時の哨兵増員が決定される。
●未来の為に
農村解放戦。
猟兵達の作戦通り乱戦状態ではあるが上手く敵軍を誘き寄せて農地や家屋への犠牲は最小限で推移している。
『鋼』の戦士達に戦闘経験を積ませるという目的も現状は果たせているといえる。
そんな戦場でサンディは忍耐強く戦う。何に対する忍耐かと言えば己を抑えながら戦う事に対するものだ。
彼はこの戦場を『鋼』の戦士達の鍛錬の場所と考えていた。
吸血鬼騎士達は決して弱くない。
ともすれば『鋼』の戦士達の中から落命する者が出る可能性もある。
それを踏まえてもこれからも続く戦いで『鋼』が勝ち残る為には必要な経験と判断した。
それ故の忍耐だ。
自身がその力を十全に発揮すればこの場での戦いは今より有利になる事は間違いない。
でもそれは長期的には『鋼』の為にならないと力を抑えながら戦う。
尤も人命を軽視している訳では当然ない。
『鋼』の戦士達が真に危険な時はすぐに庇える様に何時でも動ける様にしながら戦っている。
それでいながら敵に逃亡者が出ないかも注意を払っているのでただ目前の敵を倒すよりも実のところ余程疲労が溜まる時間であった。
それでも『鋼』の、ひいてはダークセイヴァーの未来の為にサンディは難しい戦いを継続する。
大成功
🔵🔵🔵
霧島・絶奈
◆心情
「私程度が出来る事」は当然他者も出来るもの、と
そう考えがちなのは私の悪癖ですね
◆行動
さて…
レギーナさんはどう攻めるべきと考えますか?
敵は此方を撃滅せんとするでしょう
ですが、それが困難な場合、次善の策として情報を持ち帰る事を考えます
情報封鎖の為には敵を全滅させたい所ですが…
完全な包囲網を敷けば敵を死兵とします
そうすれば此方にも余計な被害を齎すでしょう
私ならば「頑張れば包囲を抜けられそうな綻び」を用意
その先に死地を用意します
此方への損害よりも突破を意識させ、抜け出した油断を突く形です
とは言え、正解はありません
フォローはしますので、貴女のやりたい事を試して下さい
『暗キ獣』を使用
呼び出した軍勢はレギーナさんに預け、【集団戦術】の実地訓練を行って貰いましょう
私は【罠使い】の技を活かし【目立たない】様に「魔法で敵を識別するサーメートや指向性散弾」を敵の退路に複数設置
会敵時は【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し撃滅
負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
リューイン・ランサード
シマドゥ島民さん達を想像から創造。
島民さん達と『鋼』の皆さんで「釣り野伏せ」を実施する。
兵力を3つに分け、僕とフリッツさんは囮班。
残りの2つは伏兵班として左右に分かれて埋伏。
『鋼』の皆さんは各班に均等配分。
囮班は前に出て、敵精鋭に怯えるように撤退。
追撃を受けないよう島民の何人かで入れ替わりに種子島を撃ち、主に馬を射抜いて敵を遅滞させる。
僕も風の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・範囲攻撃で、主に敵馬の脚を斬り落とす。
囮班が伏兵班の位置まで敵兵を誘引したら、反転して3方向から逃がさぬよう包囲殲滅。
僕もエーテルソードと流水剣で、光の属性攻撃・2回攻撃・鎧無視攻撃・怪力で斬っていく。
良い訓練になりましたね
●策戦
大領主の配下である巡視隊は精鋭吸血鬼『闇に誓いし騎士』で構成された騎兵集団である。
予定敵として考えられていた下級吸血鬼に比べると段違いの戦闘力を持つ。
この騎兵集団と戦う上で気をつけなければならないのは一騎たりとも逃がす訳にはいかないことだ。
大領主に『鋼』の動きを知られれば破局が待つ。
それを防ぐ為に包囲殲滅が目指されるが、もし囲みを抜けられれば騎兵だけに追いつくのは難しいだろう。
そうならない為にも戦闘前の作戦会議は綿密に行われていた。
囮班で巡視隊を釣り出し、釣り出した後に伏兵班で囲み反転した囮班とで囲み覆滅する。
リューインの提示したいわゆる『釣り野伏せ』。これが基本戦術となった。
とは言え敵戦力が全て釣り出されているかはその場では分からない。
一騎も逃さないという最重要課題を達成する為には農村を包囲しておくことも必要だ。
兵力分配は難しい。
「そう考えると四百人でも少ないですね」
『鋼』のUC使いフリッツが頭を捻る。幹部として名を連ねているが正直戦術戦略方面は明るくない。
ヘルフリートやレギーナといった得意な人にお任せしたいところだ。
「人数は二百人程は増やせますよ」
「えっ、それはひょっとして……?」
気軽に百人単位の人数を増やせるというリューイン・ランサードの言葉にフリッツは顔を引きつらせる。
フリッツは心当たりがあったのだ。リューインが呼び出す『|シマドゥ島民《首狩り族》』に。
「ええ、そうですよ」
「……心強イデスネ」
リューインの肯定を受けてフリッツは思わずカタコトになる。
シマドゥ島民。以前の大規模襲撃においてその活躍を目の前で見たので心強いのは本当だ。
ただちょっと怖いだけ……嘘です。かなり怖いです。
リューインとしては敵を釣り出す囮班は危険が大きい為に自身とシマドゥ島民主体編成するつもりであったが『鋼』に経験を積ませたい他の猟兵の意見もあり、最終的に囮班は猟兵、『鋼』のUC使いと選抜戦士で行う事となる。
そんな作戦会議の途上で霧島・絶奈が傍らのレギーナに問いかける。
「囮班が敵を釣り出す事に成功、伏兵班で囲む事もなせたと考えて……
その後、レギーナさんならどう攻めるべきと考えますか?」
「それは……今回は敵を一人も逃さずに討たなければなりません。
リューインさんの呼び出すという兵士で数は十分に用意できるでしょう。
完全な包囲を完成させてからそれを縮めて圧殺するべきかと」
絶奈からの質問にレギーナは慎重に考えて答える。
敵を逃がさない事の重要性はこの会議でも既に何度も主張されていた。
「そうですね。悪くはありません。
ですがもう一歩考えを進めてみましょう。敵の視点で考えてみるのです」
「敵の視点ですか?」
「はい。囮班を追う、この時点では敵は勝つ気でいるでしょう。
その後に包囲される。ここで罠にかかったことに気付きます。
この時点で余程愚かでなければ勝てないことを悟り、そうなれば撤退を考えます」
自分の言葉を咀嚼しながら聞いているレギーナを見つめて絶奈は続ける。
「ですが、完全な包囲網を敷かれ、撤退が不可能であればどうなるでしょう。
レギーナさん、貴女達『鋼』の方々でしたら大人しく諦めて無抵抗に負けを受け入れますか?」
勝ち目はない、撤退は不可能、そんな状況になった時、自分達はどうするか。
不倶戴天の敵である降伏はない。無抵抗に負けを受け入れる? 冗談ではない。
生きるのは諦める、だが――そこまで考えて絶奈が何を考えているのかを悟る。
「完璧な包囲を敷いた場合、敵は死兵になる。此方の被害が増える――?」
「ええ、私はそう考えます」
助からないなら一人でも多く道連れにする。極限状態でその思考に至る可能性は高い。
ならばどうするか。
「完璧な包囲は拙い、でも逃がす訳にはいかない……」
レギーナは考え考え言葉を紡ぐ。
完璧とは思わせない包囲、突破出来ると思える包囲をして見せる。敵は其処に活路見い出すだろう。
その上で突破を試みた敵を殲滅する。
「ええ、私もそう思います。『頑張れば包囲を抜けられそうな綻び』を用意するのです。
その上で綻びの先に死地を用意する。
包囲を抜け出せた、死地を逃れられたという油断を突く形ですね」
レギーナの思考が自分のそれに近づいてきたことを喜びながら絶奈は言う。
「敢えて『綻び』を作る。言うは易しですがフォローはします。
貴女のやりたいようにやって見て下さい」
作戦会議が終わり、リューインと絶奈はそれぞれのユーベルコードで軍勢を呼び出す。
リューインは想像から創造した戦闘に秀でたシマドゥ島。民絶奈は屍者と屍獣からなる軍勢だ。
囮班と二つの伏兵班、農村全体を監視する包囲網を構築して戦いが開始される。
●勝兵先勝而後戰、敗兵先戰而後求勝
農村解放の戦い。綿密な作戦を練った上でのこの戦いは順調に進んだ。
リューイン、フリッツが務めた囮班はよくその任を果たして敵を釣り出し、レギーナ達伏兵班は釣り出された敵を包囲する。その後に反攻に転じた囮班と共に攻め立てた。
吸血鬼騎士達は罠に掛ったのを悟って迅速に撤退を決意。『鋼』の包囲網突破を試みる。
包囲網の一角。手薄な個所を狙ったそれは犠牲を払いながらも成功したかに見えた。
しかし、手薄に見えた個所は計略の内であり、突破した先には更なる伏撃が待ち構えていた。
二重の伏撃の末の完全包囲に吸血鬼騎士達は最期まで奮戦するも全員が磨り潰されることになる。
吸血鬼騎士達の全滅。これを目にした農村の元々の支配者である下級吸血鬼達は逃亡を試みるも、農村周囲一帯に張り巡らされた監視網を潜り抜けることはできずに全員討ち取られることとなった。
今回の戦いを顧みれば、吸血鬼達は『鋼』の襲撃を察知できず、戦士の質も猟兵が『鋼』に加わった事で劣り、兵数も圧倒的に少ない。『鋼』の勝利は当然の帰結であったかもしれない。
完全な情報遮断を成し遂げて農村解放戦が終わる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『失うで終わらせない』
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POW : 体を動かして肉体的癒しを
SPD : 沢山料理を作ってお腹を満たす
WIZ : 知識を与えて知的好奇心を刺激させる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●状況説明
猟兵達の支援を受けた『鋼』による農村解放戦は成功に終わった。
情報遮断も成功しており大領主がこのことを把握するのには時間が掛かるだろう。
敵戦力を村外へと誘き寄せて殲滅する作戦も上手く決まり、農村の家屋や農地に損害はない。
首尾は上々と言える。
さて、解放された農村だがそこで暮らす人々の反応は鈍い。
人類が吸血鬼に敗北して長い。
生まれた時から吸血鬼に搾取されるのが当然の世界で暮らしているのだ。
そんな村人達に『鋼』の面々が話しかけ、『鋼』への協力を呼び掛けている。
力で支配するつもりは当然ない。
積極的支持ではなくとも食糧を融通してもらえる程度の友好関係は結びたいというのが正直なところだ。
猟兵達はこの動きに協力して村人達を親『鋼』、あるいは『鋼』傘下になる様に働きかけるのも良し、暇をしている一般戦士達を鍛えてあげる、または『鋼』の今後の方針に意見を言うのも良いかもしれない。
束の間の平和を好きに過ごすのが良いだろう。
=========
フラグメントは特に気にせずに行動して頂ければと思います。
ネームドNPCたちは農村の村人達と友好関係を構築するべく忙しく動いていますが、猟兵達が何か用があればそちらを優先してくれます。
大多数の一般戦士達は農村には入らずに郊外で待機しています。(村人に威圧感を与えない為の配慮です)
『鋼』の今後の方針に意見をされる方は、このシリーズの続編があった場合に参考にさせて頂くかもしれないことをご了承ください。
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NPC紹介
ヘルフリート:今回の軍勢の指揮官。長剣を使う眉目秀麗な青年。UC使い。LV40
フリッツ:小隊長。ちょっと気弱な感じの槍使いの少年。UC使い。LV46
ロミルダ:ヒーラー。物静かな聖者の少女。UC使い。LV46
レギーナ:参謀。冷静沈着な小柄な少女。UC使い。LV48
NPCのLVは言及して鍛える事で上昇します。(フレーバーで今回は特に意味はないです)
御梅乃・藍斗
村の開放が叶って良かった
今後皆が平穏な時を過ごせるように、できる限り協力をしたいところです
一般兵士の皆さんと鍛錬をしましょうか
剣使いの方にはある程度僕の技能で教えられることもあるでしょうし、そうでない方には捕縛技能で敵の動きを封じる術などを多少なりと覚えてもらえたらいいですね
それと同時に知ってもらいたいのは、徒に命を捨てることは得策ではないこと
誰かを護りたいと願うなら、たとえ敗走の憂き目をみようとも生き延びるのが大切なんだと
義務を果たしたいなら死んで楽になるより生きて苦しむべきです(多少物言いがきついのは大切な人を失った自身と彼らを重ねてしまうため)
●御梅乃教室
吸血鬼勢力が殲滅され解放された農村。
その郊外にある『鋼』の野営地で並んで素振りをする戦士達の姿が見えた。
「少し右手に力が入り過ぎていますね。力み過ぎず左手で振る事を意識してみましょう」
「はいっ」
彼等を指導しているのは黒髪赤眼の少年、御梅乃・藍斗である。
『鋼』の幹部達は現在、少数の戦士達と共に村内に赴いている。
戦士達の総数は農村の全人口を上回っており、当然ながら全員を収容できるような建物はない。
農村内を戦士達で埋め尽くす訳にはいかず、大多数の戦士は野営準備をして郊外で待機状態であった。
農村解放を無事に終えられてどの顔も明るいが野営準備を終えた後は暇でもある。
そんな戦士達に藍斗は鍛錬をしないかと声をかけたのだ。
『鋼』において猟兵の人気は高い。あっという間に希望者が殺到した。
藍斗は剣豪であり、年若いながらもその剣技は練達している。
解放戦でもその剣腕を存分に振るっており、それを目撃してた戦士達も多い。
この為、特に剣使い達に人気でその剣術を学びたいという希望があった為に素振りから教えていた。
自分がこの地を去った後も継続できるように基本的な練習方法を教えるつもりだ。
勿論、生徒は剣使いだけではない。その者達に対しては藍斗は得意とする捕縛術を中心に教えていた。
実技訓練を終えれば座学であるが此処では戦術理論というよりも心構えが説かれた。
ダークセイヴァーで吸血鬼に表立って反抗するのは命懸けである。
その為に『鋼』の戦士達も命を捨てる様に戦う者も多くいる。それではいけないと藍斗は言う。
誰かを護りたいと願うなら、一戦で命を捨てるのではなく、泥に塗れ様とも生き抜いて次の一戦に挑む。
それが駄目でも更に一戦。何としてでも生き抜いて戦い続ける。
それは命を捨てて戦うよりも余程厳しく辛い戦いであるがそれをするべきだと。
「死んで楽になるより生きて苦しむべきです」
厳しい物言いだが、これは藍斗が大切な人を失った過去を持つからこそ自然と湧き出る言葉だある。
これを聞く『鋼』の戦士達は藍斗の過去を当然知らない。
それでも言葉に籠められた藍斗の心情はしっかりと伝わっていることは彼等の表情から分かった。
野営地での時間が穏やかに過ぎていく。
大成功
🔵🔵🔵
西院鬼・織久
戻るまでの時間を無為に過ごすのも何ですし、今後の活動方針をどうするのか聞いてみるのよいでしょう
調査や偵察に問題ありと鍛えるか、食糧問題を重視するか、更なる戦果のため戦力を増強するか
一門はあれど単独で放浪し戦う我等西院鬼の知識は利用できないとは思いますが、何かの足しにはなるでしょう
【行動】
ヴァンパイアに対抗する同胞として『鋼』に関心を持ち、改めて接触
偵察を鍛えるなら他の世界からも得た気配察知や情報収集のコツ
食糧問題なら他の世界で得た知識を基に厳しい環境でも育つ作物や保存食の作り方、櫃で持ち込んだ種子や苗を分ける
戦力の増強なら自身が鍛練相手として禍炎練武で鍛えるなど方針に合わせて協力する
●西院鬼の知識
ダークセイヴァーを支配する|吸血鬼《オブリビオン》勢力と戦う『鋼』。
多数のUC使いを擁するも敵である吸血鬼勢力との戦力差は隔絶したものがある。それでもなお諦めずに抗う彼等にオブリビオン狩りを至上目的とする西院鬼一門の一員である西院鬼・織久は幾分かの関心を持って接触していた。
興味があるのは今後の『鋼』の方針である。
『鋼』は『闇の救済者』の勢力としては大きい方であるが、まだまだ足りないものは多い。
今回の農村解放も猟兵の介入がなければ情報封鎖に失敗していた。
それは巡視隊という想定外の存在故だが諜報能力に問題ありとも言える。
また、そもそも農村解放を決定したのは食糧問題である。
農村を幾つか解放して回っている様だがそれで問題は解決されるのか。
あるいは更なる勝利を求めて戦力の増強に努めるのか。
何を重視して『鋼』が進んでいくのか。それを織久は問うた。
「長期的戦略を立てる余裕がない、というのが正直なところですね」
「戦力も人材も食糧も何もかも足りないのよね」
主に織久の問いに答えたのは今回の遠征軍の指揮官であるヘルフリートと参謀のレギーナだ。
勿論、究極的な目的は吸血鬼の支配を撃ち破り、人類が平和に暮らせる世界を築く事である。
だが、その道筋は未だ見えない。そもそも道があるのかさえ分からない。
ヘルフリート曰くそもそも『鋼』の結成が泥縄的なものであるという。
ジキスムントという優れた黒騎士に集う形で『闇の救済者』の人数が膨れ上がり、それを維持する為に吸血鬼の小領主を倒して拠点を得た。
しかし、拠点を得た事により大領主に目をつけられ襲撃を招く。
規模が大きくなり拠点を得たが故に逃亡は選択できずに籠城戦を行う。
襲撃自体は猟兵の助力により勝利するが、その勝報がさらに人を呼び食糧問題が発生する。
そして、今だ。
「急流に流されて溺れない様にするのに精一杯と言った感じです。諜報も強化したいですし、食糧問題は今回で一息つけそうですがまだまだ安定とは程遠い。戦力は言わずもがなですね」
織久に助言があれば是非とも伺いたいとヘルフリート。
この言葉に織久は黙考する。
彼はオブリビオンと戦う一門の戦士であるが、集団戦の練達という訳ではない。
単独で放浪して戦い続ける個としての強さは抜群であるが集団戦略や組織運営は門外漢と言える。
とは言えその知識が役に立たないかというと決してそういう訳ではない。
数多の世界を渡り歩く猟兵の見識は一つの世界、それも吸血鬼の支配下にある人類のそれを遥かに上回る。
「そうですね。根本の戦略を助言するには情報が足りません。
ですが、今言った問題点、その改善への足し程度でしたら可能でしょう」
例えば諜報強化、偵察を鍛えるのなら織久の持つ他の世界の知識で昇華された気配察知や情報収集のコツ。
また食糧問題ならば彼が『櫃』(物理法則を無視した量が収納可能な西院鬼一門の道具)に保持する過酷な環境でも育成可能な種子や苗。また『鋼』の知識にない保存食の作り方。
戦力強化ならば指導や鍛錬相手が可能だろう。
そう告げる織久にヘルフリートの顔は喜色に輝く。
それから暫く、次の戦いに赴くまでの間、織久は自らが持つ知識や技術を『鋼』に伝えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ブラミエ・トゥカーズ
参謀、もしくはヒーラーに
余の故郷の御伽噺に良い鬼と悪い鬼の話がある。
余に乙女の血を饗するのであれば、貴公等の誉れを一つ増やしてやっても良いぞ?
契約に乗るなら『鋼』に退治され逃げ去る吸血鬼を演技する
殺さない程度に自身も力を奮う
倒されるとはいえ怖い物は怖いのだから
『鋼』の強化にも一役を買う
もしUDCアースに伝わる古典的な吸血鬼退治方法が紛れ込んでしまった場合は、本気で慌て、正当に退治され灰となってカクリヨにて再生する羽目になる
負け惜しみの台詞を吐く
吸血鬼《下等な細菌》たる自身は穢れ《不潔》を払わなければ何時でも自身は復活するのだと
1章の鼠の処理が疎かであればこっそりこの世界で復活して『鋼』を驚かす
●吸血鬼退治
農村郊外に築かれた『鋼』の野営地。
その一角に極端に白い肌に貴族然とした装いを男装の麗人が二人の『鋼』の幹部、参謀のレギーナとヒーラーのロミルダと話し込んでいる姿があった。
御伽噺の吸血鬼の様な麗人の名前はブラミエ・トゥカーズ。吸血鬼の様な、ではなく実際に吸血鬼である。
ただし、ダークセイヴァーではなくカクリヨファンタズムの出身であるが。
「貴公等の誉れを一つ増やしてやっても良いぞ?」
話の内容はブラミエによる誘いである。武勲を稼がないか、という話だ。
その話にロミルダは意味が分からないという感じだがレギーナが詳細を訊ねる。
要はブラミエがユーベルコードを用いて姿を変じて敵として『鋼』に襲撃をかける。
それをレギーナやロミルダが撃退して名誉を得るということだ。
その内容にロミルダは即拒否したがレギーナは考え込む。
「ちょっと、レギーナちゃん?」
「ロミルダ、ちょっと待ってね。ブラミエ様、それが私達に必要とお考えなのでしょうか?」
「そうだな。今回の戦いも貴公等は勝利した。だがそれは余達猟兵の力が大きい」
猟兵あっての勝利。それは事実であるが『鋼』の戦士達の士気を考えた時に「猟兵が居たから勝てた」というのはプラス要素ではない。此処で猟兵がいなくても勝てる、という自信は良い方向に働くだろう。
その為に身を削ると言っているブラミエにレギーナは感動の視線を向ける。
「勿論、代償は払って貰う。乙女の血、それを余に饗するのであればだな」
そんな視線を向けられてわざと露悪的に言う。
もっとも乙女の血を飲みたいのは本当だ。血液パックは味気がないのだ……。
結局、レギーナが応じてレギーナだけにやらせる訳にはいかないとロミルダも応じた。
吸血鬼になったりしないですよね、とは何度も聞かれたが。
「敵襲――!!」
「巨大狼です!」
「落ち着いて、敵は一体。陣形を組んで!」
他の猟兵が居ないタイミングを見計らって舞台の幕が上がる。
『|伝承解放・悪しき風と共に来たるモノ《ユーベルコード》』によって狼に変じたブラミエが野営地を襲う。
手筈通りに迎撃に出るレギーナとロミルダ。そして彼女等に指揮される『鋼』の戦士達。
勿論ブラミエは手加減して戦っているが『鋼』の戦士達の練度は想像以上に高い。
農村解放での戦いも見てはいたが自分が相対してみると良く連携が取れて油断できない動きだ。
(ちょっと待て、何故、銀の武器を持っている!)
ある戦士の持った槍が掠めた時に激痛が走り、そこでその戦士が持つ武器が銀製である事に気付く。
吸血鬼の設定については千差万別であるがブラミエはごく通俗的な吸血鬼の弱点を持つ。
すなわち「銀製の武器」は明確な弱点である。
銀製の武器で負った傷は再生が効かず動きが鈍る。
此処からでも全力を出せば『鋼』の戦士達を蹴散らして包囲網を突破する事は可能だがそんな訳にもいかず。
遂には銀の槍が心臓を貫き灰と化す。
「「えっ!?」」
この結果に焦ったのはレギーナとロミルダだ。
予定ではほどほどのところでブラミエが逃げ去る事で終わるはずだったのが、結果は灰である。
完全包囲からの銀の武器での攻撃が予想外に決まり過ぎて修正する前に決着してしまった。
勝利に湧く『鋼』の戦士達とは対照的に顔面蒼白な二人。
この後、すぐに姿を現わしたブラミエに声を掛けられるまで生きた心地がしないのであった。
「|吸血鬼《下等な細菌》たる自身は|汚れ《不潔》を払わなければ何時でも自身は復活するのだ」
灰になる瞬間は実のところ怖かったことをおくびにも出さずブラミエは自信に溢れた表情で言ったものだ。
大成功
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サンディ・ノックス
個人的には鋼に合流するといいって農村のヒトには勧めたくないんだよね
力を持つ者からの勧めって断りにくいからさ
それじゃ支配者達とやってることは変わらない
でも鋼には食糧が必要だから
それを融通して貰いやすい土壌は作りたいなあ
農村のヒトの望むとおりに働くことで誠意を見せることくらいしか思いつかないけど
力仕事なら何でも言ってくださいと人々に伝え
硬すぎる土地を耕したり
誰も手が付けられなかった不用品の運び出しをしたりする
その合間にUCを使って水晶小人を呼び出して子供達と遊ぶのは
俺、やっぱり子供が好きだから交流したくって
そういえばロミルダさんはどうしてるかな
弱ってるヒトの介護とかしてるかな
俺に手伝えることある?
●農村での日々
この度の戦いで解放された農村。
特にこれといった特色のないダークセイヴァーによくある村落だ。
直前まで吸血鬼の支配下にあった事もあり、決して豊かとは言えない。
そんな村中をサンディ・ノックスは眺めて回る。
村人達の表情は「解放された万歳」という感じではない。
勿論、「解放されて迷惑」という風でもないが、戸惑いが大きいのであろう。
今は『鋼』の幹部達と農村の代表的な者達によって話し合いが行われている。
サンディ自身はその話し合いに関わる気はない。
サンディ達猟兵は強大な力を持っている。
そんな存在に『鋼』に協力しろと言われたら内心はどうあれ協力せざる得ないだろう。
それでは|吸血鬼《支配者》達とやってることは変わらない、と考えていた。
とは言え『鋼』に食糧は必要である。
サンディとしては農村の人々が自発的に協力して欲しいところだが、その為に自分が出来る事はというと、誠意を見せて友好的な雰囲気を醸成することであろうか。
「初めまして、こんにちは」
村人に話しかける。こういう時にサンディの中性的で柔和な容貌は役に立つ。
警戒心を抱かれることなく会話を弾ませて力仕事を承る旨を伝えて回る。
どちらかというと線の細いサンディのを見て体躯を見て村人達は任せられるのかと疑問を抱くも『鋼』の戦士達が大勢いる事は知っている。御用聞き的な立場で実際の力仕事は戦士達がやるのであろうと試しに頼む者が出る。
案に相違してサンディ自身がやって見せるのだが。
「凄いな兄ちゃん」
「これくらいは楽勝だよ。他にもあるかな?」
「それじゃあ、あれも頼めるかな」
そんな感じで引っ張りだこになるサンディ。人気者である。
村人に協力しながら交流を深めている日々。
『|招集・星夜《ショウシュウ・セイヤ》』によって呼び出された二頭身の小人たちは子供達に人気であっちこっちで駆け回る姿も見える。
サンディも『鋼』の一員と見なされている為に村人達の『鋼』に対する好感度も日に日に上がっている様だ。
「ロミルダさん、忙しそうだね。俺に手伝えることある?」
「サンディさん、ありがとうございます。それではお手数ですがお願いしたいことがあります」
サンディが力仕事を通じて交流を深めている様にロミルダはその癒しの力を用いて臨時の病院の様なことをして村人達の支持を集めていた。この規模の農村に医者は居らず効くか効かないか定かではない薬草やこれまた怪しい民間療法が医療の全てだ。回復の|奇跡《ユーベルコード》を持ち、猟兵達から伝えられた多少の医療知識を持つロミルダの価値は高い。
サンディやロミルダのこうした地道な活動は『鋼』と農村を結びつける確かな絆になるだろう。
大成功
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リューイン・ランサード
WIZ
まずは周辺地域の情報や動向を教える所から始めましょう。
村人達が生き残る為にも情報を欲していると思いますし。
事前にヘルフリートさんやフリッツさん達と相談し、公開して良い情報範囲を決めて、嘘や誇張は含めないように話す。
(第三層や魂人の情報はいきなり言われても困惑しそうなので、後日でも良いかと。)
そして【世界知識・薬品調合・錬金術・メカニック】で、この村で実践可能かつ生活向上に役立ちそうな、農業・薬・鍛冶等の各知識を伝授します。
もちろん『鋼』の皆さんにも。
情報と役に立つ知識を伝える担当者を各村に配置すれば、自然と『鋼』の勢力拡大に繋がるのでは?
とヘルフリートさんとフリッツさんに助言してみます。
●農村と交渉
農村解放後の猟兵達。
ある者は野営地で『鋼』の戦士達を鍛え、ある者は農村で草の根的活動で友好的雰囲気を醸成する。
そんな中でリューイン・ランサードは農村の纏め役たちと交渉する『鋼』の幹部達に積極的に関わっていた。
「まず、嘘や誇張はいけません」
農村が『鋼』の傘下に加わる、又はそこまで行かなくても食糧取引を行う間柄になった場合、長期的な付き合いとなる。その初手で嘘や嘘と捉えかねない誇張は後々それが判明した時のことを考えると明確に悪手だ。
「あと彼等に公開して良い情報範囲を予め決めておいた方が良いでしょう」
このダークセイヴァーが地下世界であり、それも第四層であること。
現在、上層と呼ばれる第三層ではこの世界で死んだ者達が魂人として復活していること。
そして、その魂人達もここと変わらない、あるいはそれ以上の地獄を生きていること。
ダークセイヴァーに生きる人々、特に農村などで生まれた者はその大半が村を出る事無く生涯を終える。
いわば彼等の世界は村で完結しているのだ。
その様な彼等にいきなり全てを伝えても理解はし難いだろうし、正直現在の交渉に意味はない。
「確かにその通りですね」
「賛成です!」
『鋼』遠征軍の指揮官ヘルフリートが頷けば、フリッツが賛意を表す。他の幹部達も反論はない様だ。
そして交渉が始まる。
村人たちの代表と言っても吸血鬼という絶対君主の下で村人たちの纏め役をやっていた者達であり、権力権威がある訳ではない。それでも幾人かは人望がある者もいて当面は彼等を立てるのが良いと算段する。
『鋼』から伝えられる農村を取り巻く周辺知識の情報や動向。
吸血鬼支配が絶対の世界で生きていた村人たちにとっては驚天動地の情報だ。
吸血鬼の逆襲は怖い。
だが、吸血鬼の戯れで隣人や家族をいつ喪ってもおかしくない日常に戻りたいとは思わない。
『鋼』とどう関わるのかはすぐには決めれない彼等だが『鋼』も性急に答えを求めない。
交渉が重ねられ、その中で農村での草の根的活動による友好的雰囲気もあり前向きになっていく。
リューインが伝えた他の世界の知識。農村でも実践可能で生活向上に役立つそれも大いに貢献したようだ。
最終的には農村は『鋼』の傘下になることを選んだ。
吸血鬼を度外視しても魔獣が跋扈する世界でもある。
農村の安全保障上、食糧の交易だけします、というよりは傘下に入りしっかりと守って貰うことを選ぶのは常識的な判断でもあった。とはいえ嫌々それを選ぶよりも望んでそうなる方が良いことに間違いはなく、リューインたちの気遣いは正解であっただろう。
「それにしても猟兵の皆さんの知識は素晴らしいですね」
卓抜した戦闘力に目が向きがちだが猟兵の持つ知識はダークセイヴァーの人々にとって黄金以上の価値がある。
リューインもそれは理解しておりヘルフリートやフリッツに助言する。
日々変化する情報や猟兵から得た役に立つ知識を『鋼』に加わった村々に伝える者を用意して配置する。
これをすれば農村は多少なりとも豊かになり、結束も高まり、自然と『鋼』の勢力拡大に繋がるのではないかと。
この助言を受けたヘルフリートは考えて頷き、『第一都市』に戻った後、『鋼』の戦略に組み込みたいと答えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
霧島・絶奈
◆心情
「生まれて時から搾取される世界」ですか
しかし「そうデザインされている」と考えてみれば意味深長な世界に感じます
とまれ、今は考察を遊ばせるよりも目の前の事を見るべきですね
◆行動
折角ですしレギーナさんに同行しましょう
私の事は気にせずに交友を深めて頂けたらとは思います
もしも一言だけ添えるなら…そうですね
交渉が啓蒙に変わらない様に気を付けた方が良いですね
支配を目的としないならそうすべきです
…尤も、貴女ならば大丈夫でしょう
境遇に腐らず、道を切り拓かんとする貴女の想いは伝わる筈ですよ
後はそうですね
【罠使い】の知識を活かし一見【目立たない】様に緊急時用の罠を張り巡らせておきましょう
勿論『鋼』や村人にはその存在と使用法、危険性を周知徹底させます
この世界の住民に比すれば「力持つ者」である私では、情で訴えかける事は難しいでしょう
ですが、『鋼』に協力しても最低限の安全が保障され…
状況が良くなる可能性が拓けると言う実利を示してはおきたい所です
そう感じる程度には、私はレギーナさん達を好ましく思っていますので…
●鵬程万里
生まれた時から搾取される事が当然とされ、平和も自由も知らない村人達。
そんな彼等を見て歩きながら黙考する女性がいた。霧島・絶奈である。
「何か気になる事がおありですか?」
そんな彼女の様子に気付いて傍らを歩いていた少女、『鋼』の参謀であるレギーナが声を掛ける。
絶奈を師と慕う彼女の口調は深い敬慕が感じられるものだ。そんな彼女に絶奈は微笑んで見せる。
「いいえ。詮無き事です。今はこの後の事を考えましょうか」
「そうですか……農村の方達とどの様に交渉すれば良いか師にお考えはありますか?」
絶奈が言ったこの後の事とは『鋼』の幹部達と農村の代表者達との話し合いである。
吸血鬼のくびきから今回、解き放たれた農村。
彼等は今後どう生きていくのか、また『鋼』との関係はどうするのか。
話し合いは必須であるがそもそも独立独歩等今まで夢にも思わなかった人々だ。
代表を決めるのにもまごついて今日、ようやく代表達が決まって話し合いの場が持たれることになった。
二人はその場に向かっている最中である。
レギーナは『鋼』の幹部として。
絶奈は自身が交渉の矢面に立つ気はなかったが一緒に居たそうなレギーナに同行していた。
「そうですね……貴女達は力による支配ではなく交渉による友好を選択しました。
そうであるならば貴女は貴女らしく交友を深めて頂けたらいいと思いますよ」
「そうでしょうか……」
絶奈の言葉に納得しつつも何かもう一言欲しい。そんな様子のレギーナに笑みを深めて絶奈は続ける。
「もしも一言だけ添えるなら……そうですね。交渉が啓蒙に変わらない様に気を付けた方が良いですね。
支配を目的としないならそうすべきです」
「はい、|師《せんせい》。気をつけます!」
「……尤も、貴女ならば大丈夫でしょう。境遇に腐らず、道を切り拓かんとする貴女の想いは伝わる筈ですよ」
絶奈に大丈夫と言われたからかレギーナの表情が輝く。その後に行われた農村代表者達との交渉は数日に及んだが、レギーナは粘り強く役目を果たして彼等の信頼を得た様だった。
農村は最終的には『鋼』の傘下に加わる事となった。
それは『鋼』の幹部達や猟兵達が終始友好融和的態度を崩すことなく交渉を行った為に成されたと言って良いが、現実的な理由もある。農村を支配していた吸血鬼は殲滅されたが依然世界を支配するのは吸血鬼だ。
いつまた農村に吸血鬼がやってくるか分からない。それに対する恐怖。
また吸血鬼以外にもこの世界には危険が満ちている。
『鋼』が行軍中に遭遇した飢えた鼠の群れ等も村人達から見ればかなりの脅威だ。
防衛力は是非とも欲しい。
『鋼』が友好的で信頼できるというのであればその一員になるのに抵抗はなかった。
尤も友好的はともかく戦力を信頼できるのか、という問題は最後まで残っていた。
確かに農村解放戦で見事な戦果を見せたがその戦力が農村に常駐する訳ではない。
そんな問題に一定の解決を齎したのは絶奈だ。
絶奈は豊富な罠の知識を活かして緊急時用の罠による防衛網を構築して見せた。
一見すると何もない様に見えるが試験として捕まえた魔獣を放って見せれば見事に仕留めてみせる。
勿論罠があれば万全という訳ではないが、『鋼』も最低限の戦力は常駐させるのでこの絶奈の罠を活用すれば粘り強い防衛が可能であろう。その間に援軍を呼び寄せる事もできるはずだ。
この事もあって農村の傘下加入が円滑に進んだので絶奈の功績は大と言って良いだろう。
「ありがとうございました。村の方達も喜んでいます。……でもよろしかったのでしょうか?」
絶奈の厚意にレギーナが喜色満面で御礼を言いつつも、交渉に関わらないと言っていたことを気にする。
そんな彼女にかぶりを振る絶奈。
絶奈が交渉に加わらなかったのは、自身がこの世界の住民と比べれば圧倒的に「力持つ者」である為に交友を深めるのに適しないと考えたからだ。
とは言え交友を深める以外にも出来る事はあるし、それを『鋼』の為にやってあげたいと絶奈は思ったのだ。
最低限の安全保障という実利があれば農村の者達の選択も『鋼』の望むものになりやすいであろうという。
「そう感じる程度には、私はレギーナさん達を好ましく思っていますので……」
趣旨を語った絶奈が最後にそう付け加えるとレギーナは感無量といった面持ちだった。
こうして新たに農村が一つ『鋼』に加入する。それはダークセイヴァー全体から見えれば極々小さな出来事であるが吸血鬼からの人類解放。その遥かな道のりの確かな一歩であるだろう。
大成功
🔵🔵🔵