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銀河帝国攻略戦㉗~銀河に座する絶対強者

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #オブリビオン・フォーミュラ #銀河皇帝 #挿絵

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●その男、宇宙最強
 帝国旗艦『インぺリウム』。星々の煌めきが届くその地に惨状が広がっていた。
 六本腕の人型に撃たれ、斬り捨てられ。
 強烈な思念に戦う意志を、抗う力を封じられ。
 飛来する突撃戦艦に一帯もろとも突き崩され。
 倒れ伏す猟兵達を睥睨しながら、その男は語った。
「かつて、銀河帝国は我一人から始まった」
 悠然と歩む男。その身から溢れるサイキックエナジーは規格外。
「オブリビオン・フォーミュラとなりこの世界に蘇った時も、我は一人であった」
 駆け付けた配下達を吸収し、宇宙最強の超能力者は一人で全てを相手取る。
「本質は何も変わっていない。我一人がいれば、それが銀河帝国なのだ」
 男の名はリスアット・スターゲイザー。

 またの名を、銀河皇帝。

●凶報を覆せ
「これが私の見た予知の内容よ」
 神妙な面持ちで、イデア・ファンタジア(理想も空想も描き出す・f04404)は言葉を切った。その口から描かれた未来はあまりにも暗い。
 銀河帝国との戦いは最終局面へ移ろうとしていた。これからインぺリウム内に転移し、銀河皇帝を討ち取る作戦が始まる。その矢先の出来事である。
「もちろんこんな未来、皆なら変えられるって信じてる。詳しく説明するね」

「今回の戦いは今までと決定的に違うことがあるわ。待ち伏せが出来ないの」
 白騎士に黒騎士、それにドクター・オロチとの戦いでは、敵の復活地点で待ち伏せする作戦だったため、事前準備として有利な状況を作ることが可能だった。だが今回はこちらから攻め込む。インぺリウム内の全てを掌握している銀河皇帝は猟兵達が侵入すれば即座に気付き、そして転移能力を駆使して奇襲を仕掛けてくるだろう。
「攻撃は三種類。さっきの話でも少し出てたよね」
 人型兵器『マインド』。銀河帝国の二大巨頭、白騎士に匹敵する性能のそれが、皇帝と二人掛かりで襲ってくる。自律兵器ではないのか未来を操る能力は持っていないのが唯一の救いか。
 銀河帝国への従属を迫る洗脳念波。一度術中に嵌ればさらに深みへ落ちていく悪循環。対策になりそうなユーベルコードは、それ自体が封じられるという始末。
 衝角による特攻、『黒き槍の船』。高い隠密性を生かした急襲で、槍とは名ばかりの鉄塊が敵をインペリウムごと粉砕する。召喚から『着弾』までは若干の間があるが、そもそも召喚の感知自体が困難。
「どれもこれも強力よ。相手を見据えた対策を立てないと、きっと手も足も出ないわ」

 イデアが転送の準備を終える。開かれたゲートに飛び込めば、その先はもう戦場だ。
 世界の命運を賭けた戦いが始まる。


渡来あん
 初めまして、あるいはお久しぶりです、渡来あんです。
 本シナリオはルールが特殊です。以下を必ずお読みください。

●特殊ルール
 銀河皇帝は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

●ルール補足
(この補足は本シナリオ専用です。他所での再現は保証されません)

 チーム参加の場合、全員の能力に対して先制攻撃が行われます。
 例:PC1がPOW、PC2とPC3がSPDの場合、PC1にPOW、PC2とPC3に纏めてSPDで先制。

 使用できるユーベルコードは基本的に1つです。
 対抗用と攻撃用で別々に使用できるかはプレイング次第です。
 その場合、提出時には対抗用を選択してください。

●説明
 本シナリオは高難度です。判定はかなり厳しく行います。
 これまでの感触としてはシナリオ失敗となる可能性の方が高いです。
 覆すには皆様の力が必要です。ダイスは振りません、完全アイディア勝負です。

 それでは、ご参加をお待ちしています。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦 『『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー』

POW   :    マインド・クリエイション
【銀河皇帝を不老としている生命維持機能】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【白騎士と同性能の人型兵器『マインド』】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    フォース・インベイジョン
【銀河最強のサイキックエナジー】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【意志とユーベルコードを奪う洗脳念波】で攻撃する。
WIZ   :    ワープドライブ・ペネトレーション
【外宇宙から、知られざる『黒き槍の船』】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑14
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニィ・ハンブルビー
ねえねえイデア、ちょっとお願いしていい?
サイズ違いのダンボールを20箱くらい入れ子にして、
ガッチリ梱包した状態でボクを転送して貰えるかな!
ホラ、敵のサイキックが視認した対象を攻撃するらしいからさ!
多重梱包すれば時間を稼げるかなって!

ってことで稼いだ時間で【虚像と本質の魔法】を発動!
敵が視認できないボクのコピーを大量生成だ!
全裸なのは衣擦れの音が立たないからむしろプラス!
【ダッシュ】や【ジャンプ】で動き回って撹乱しつつ取り囲み、
あらゆる方向から自慢の【怪力】で皇帝をぶん殴らせる!
余裕があれば目潰しも!
あ、一人は本体の運搬お願いね!

かなりセコいけど、これがボクの思いつく最善の戦法だ!覚悟しろ皇帝!



 インぺリウムに侵入者あり。計器の反応を受け即座に転移した銀河皇帝が見たものは、地面にぽつんと置かれたダンボール箱だった。
「……なんだこれは」
 面食らうのもつかの間。計器から送られてくる情報は、その中に生命体の存在を示している。この状況でこんな事をする者など限られている。
「猟兵か、くだらん。思念波が通らぬのならば、直接叩き潰すまで」
 サイキックエナジーを滾らせ近づく皇帝。と、その顔が突如しかめられる。何者かにみぞおちを殴られた。気が付けば計器は彼の周囲に不可視の存在を多数感知している。言うまでもなく猟兵の攻撃だ。

「ねぇねぇ、ボクをダンボール箱でガッチリ梱包して貰えるかな!」
 出撃前のグリモアベースでニィ・ハンブルビー(怪力フェアリー・f04621)が提案した内容は突拍子もない物だった。ドン引きする視線に構わず説明を続けるニィいわく、敵の視線を遮りつつこちらから攻撃するために必要なのだと言う。
 かくして、何重にも梱包された箱入りフェアリーがインペリウムに投げ入れられたのである。

(かなりセコいけど、これがボクの思いつく最善の戦法だ!覚悟しろ皇帝!)
 箱の中でニィが発動したのは虚像と本質の魔法、自身の複製体の召喚だ。ただし装備は除く。繰り返すが装備は除く。つまり全裸だ。だが敵には不可視なので問題ない。
 いかに皇帝と言えど見えない相手に数で押されては分が悪い。戦いは終始ニィのペースで進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

コトト・スターチス
辻ヒーラーのぼくですが、今は殴りヒーラーとして世界のためにがんばりますっ

急いでインぺリウム内のレーダー、気圧、温度、監視カメラなどの探知系システムを『ハッキング』し『情報収集』でこのあたりの空間の熱源や空気の流れ、空間の異常などの情報をすばやく探知します
少しでも情報を得たら、そこから「黒き槍の船」の出現や接近する方向・速度を推測して動きを『見切り』、直撃を避けるように逃げます!
あわせてねこきゅーとを発動っ
しろにゃんさんの防壁に隠れて追撃から身をまもって、皇帝には土属性の弾丸を叩きこみます!
できれば『吹き飛ばし』て、皆さんの攻撃チャンスをつくります

銀河は、宇宙はだれかひとりのものじゃありません!



 コトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)は転移すると同時に、急いでインペリウムのハッキングを開始した。かの黒船は隠密性が高いというが、だからといって帝国旗艦の目より優れている訳がない。そう当たりをつけたコトトはインペリウム内の熱源や空気の流れなどを探り――インペリウムの外に、それを見つけた。
「方角はあっちから……けどこの大きさは……っいけない!」
 慌てて駆け出すコトト。そんな彼女を銀河皇帝は高みから見下ろす。
「来たれ、黒き槍の船」

「しろにゃんさん、お願いしますっ!」
 この場所が一番危険が少ない、そう判断したコトトは姿勢を低くし、召喚した白猫型ドローンに防壁を展開させる。その方向は自身の背後、なぜなら前を見上げれば。
 艦が、堕ちてきていた。周囲に建ち並ぶ高層建築物に勝るとも劣らないそれがコトトの頭上を通り過ぎ――後方に着弾する。吹き飛ばされてきた瓦礫が防壁にぶつかる。

 その様子を睥睨する皇帝、そこへ結果を確認する間もなく弾丸の嵐が叩き込まれた。出所は黒猫型ドローン、名をくろにゃん。ドローン越しに対峙する辻ヒーラーと皇帝。
「何故この場所が……そうか、先ほどのハッキングか」
「銀河皇帝!銀河は、宇宙はだれかひとりのものじゃありません!ぼくたちが止めてみせます!」
 辻ヒーラーも、今だけは世界の為に殴りヒーラーとなる。二人の激突は次発の着弾直前まで続いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

北条・喜夏
【出水宮・カガリ(f04556)と参戦】

なぁに、奴さんが勝手に出向いてくれるっちゅうなら、それを迎え撃ったればええんや。
幸い、ウチには最強の盾がついとる。せやろ、カガリはん?

『貪り喰らえ、海神の顎門』ッ!
インペリウムの中やと流石に喚べへんやろから、「リュツ夫」は艦の外に。
んまあ、この艦ごと黒い槍とやらはぶっ壊すんやろ?そしたら風通しもようなって、この子も少しは使いやすうなるかなあ。

ウチらへの防御はカガリはんにお任せ!
「リュツ夫」は守りきれんやろうけど。
……砲塔の一個でも生き残ればそれでええ。そいつで皇帝サマを撃たせてもらいまひょ。――【一斉発射】!


出水宮・カガリ
【北条・喜夏(f13043)と参戦】

よしか、よしか。上げ過ぎだ
盾は元より攻撃を迎え撃つもの
そこに艦砲が備わるなら、これほど頼もしいことは無い

よしかの傍を離れない
転移後すぐにオーラ防御と【鉄門扉の盾】での盾受けで防御の体勢を
【拒絶の隔壁】【不落の傷跡】の覚悟で更に盾を強固にしておく
常に周囲を警戒し、皇帝の奇襲や、それ以外の変化を逃さぬように目もこらす(視力)
インペリウムごと粉砕するような槍なら、音もなく、という事は無理だろうが油断は禁物

『槍』が来たなら、迷わずよしかを背に盾受け
側面で、彼女に当たらない程度なら
怪力と念動力も使って、せめて数秒もちこたえる(勇気)

一度見て形がわかったなら、追想城壁を



 『黒き槍の船』。秘密裏に忍び寄るその巨体は危険極まりない存在だ。
「なぁに、奴さんが勝手に出向いてくれるっちゅうなら、迎え撃ったればええんや」
 だが、北条・喜夏(武装召喚JKよしかちゃんとはウチのことやで!・f13043)は気負うことなく自然体でいられた。その理由は隣に立つパートナー。
「幸い、ウチには最強の盾がついとる。せやろ、カガリはん?」
「よしか、よしか。上げ過ぎだ」
 出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)。本体である鉄門扉の盾を持つヤドリガミ。
「盾は元より迎え撃つもの。そこに艦砲が備わるなら、これほど頼もしいことは無い」
 カガリが守り、喜夏が攻める。それぞれが得意とする分野を担当する作戦は、首尾よく進めば大きな戦果を上げられるだろう。
「『貪り喰らえ、海神の顎門』ッ!」
「さぁ、どこから来る」

 経過したのは数十秒か、あるいは数分か。
「……来ない、のか?」
 張り詰める彼らとは対照的に、辺りは静まり返ったままだった。ふと緊張が緩む。あるいはそれが敵の狙いだったのか。
「ウチの『リュツ夫』でこの辺全部吹き飛ばしたろか」
「――待った、あれだ!」
 見上げた時には、既に暴威が目前まで迫っていた。進路は当然、直撃コース。
「っ、されど亡都の扉は此処に在り!」
 刹那、二人の周囲に城壁がせり上がる。それは幻影にして幻影にあらず。戦艦の先端が押し上げられる。
 だがそこまで。僅かにずれた突入角は着弾地点を二人の後方へ移したが、至近。咄嗟にカガリが相棒を抱え込んだ直後、凄まじい衝撃波が二人を弾き飛ばした。

(また、守れないのか――?)
 横へと落ちていく中、カガリの胸に去来したのはかつての無念。守るべき者を守れず、自分だけが逃れた破滅。今またそれが再現されるなど。
(――冗談じゃない!)
 抱え込む左腕に力を入れる。自らの内に閉じ込めるほどに強く。盾持つ右腕を掲げる。いかなる苦難からも君を守ると誓う。
 柱に激突し、打ち付けた本体が欠ける。
 壁と接触し、爪弾く摩擦に古傷が開く。
 床を転がり、歪み、捻じれ、ひしゃげていく。
 全てが収まった時、そこにいたのは軽傷の喜夏。そして、瀕死のカガリ。
「カガリはん!?なんちゅう無茶を!」
「よしか……よしか。良かった……今度は、守れ、た……」
 安堵の笑みと共に、カガリの肉体は砂と崩れ去る。

「身を挺して他者を守るか。ふん、くだらんな」
 銀河皇帝が立つ。誰も守らず、誰に守られる必要もない男が。
「その盾が本体か。すぐにそちらも破壊して「黙れや」――何?」
 静かな、しかし力強い喜夏の声。
「最強の分際で、カガリはんの覚悟を汚すんやない……!」
 そして彼女は叫ぶ。インペリウムの外を泳ぐ、己のポケット戦艦へ。
「リュツ夫おおおおおぉ!!ウチを――あたしを捧げる!!撃てええええええっ!!」
 砲撃が降り注ぐ。忌まわしい黒船を、怨敵の居城を撃滅する。鉄の雨が止んだ時に皇帝の姿は無く、しかし確かに残る血痕がその手傷を示していた。

「あーしんど。ちょお喰わせ過ぎたわ」
「にしてもカガリはん重すぎや。女子高生に何背負わせとん」
「大体命にかえてもってのがあかんねん。戻ったら説教やで」
「……はぁ。ありがとな」
 一人と一枚は帰路に着く。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

神宮寺・絵里香
≪心情≫
・銀河最強のオブリビオンか。
 まあ、相手が誰であれ関係ない。オレはオレの全力を尽くす。
≪先制攻撃対応≫
・白騎士とは2度に渡り戦闘をした、その【戦闘知識】を使い、
 戦法を組み上げマインドの抑えに入る。
・武器に【雷属性】【麻痺攻撃】の痺れる雷を付与。
・【戦闘知識】から攻撃を【見切り】、【武器受け】しつつ捌く。
 捌ききれない攻撃は【オーラ防御】と【激痛耐性】をもって
 耐えきる。
・短槍と傘の二刀流で挑む。傘で受け、短槍で【薙ぎ払い】、
 突き、【串刺し】にして内部を雷で焼く。
・皇帝に対しては基本的に味方を信用して任せるが、隙を見て
 【フェイント】からの【槍投げ】を攻撃をして【UC】発動を
 狙う。



 雷光が迸る。神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)の蛇乃目が、因達羅が、人型兵器の攻撃を受け止める度に火花を散らしていた。
「銀河最強か。まあ、相手が誰であれ関係ない。オレはオレの全力を尽くす」
 彼女は既に白騎士と二度対峙している。『マインド』とやらが白騎士と同性能だというならば恐れるに足らず。そう思っていたのだが。

(……動きが全く違う!?)
「どこを見ている。汝の相手はこの我、銀河皇帝なるぞ」
 皇帝操る『マインド』は、白騎士とはまた違う動きを見せていた。好む間合い、連撃の組み上げ方、防御姿勢。思考が違えば行動も違う、言われてみれば当然の帰結。
 もちろん、過去の経験が全く役に立たない訳ではない。その特徴的な六本腕は白騎士と同じだし、フォースセイバーやブラスターの形には見覚えがある。しかし、なまじ白騎士を強く意識していた分、予想と現実の乖離に苦しめられていた。

 光の剣が振るわれる。捌くのは困難、そう判断した絵里香は覚悟を決める。
(肉を切らせて骨を断つ!返す槍でその内部を焼き切る!)
 ――それが致命的な失策だと気づいた時には既に、凶刃が絵里香の身をオーラごと斬り捨ててていた。

 二度に渡る白騎士との戦い。出撃する絵里香にかけられた言葉が蘇る。紫髪の少女は、金髪の女性は何と言っていたか。
『装備は帝国の技術の粋を尽くしたもの』
『生半可な防御は通用しない』
(すまない、二人とも――)
 後悔の時間さえ極僅か。そのまま彼女の意識は闇へと落ちた。

失敗 🔴​🔴​🔴​

スターリィ・ゲイジー
視力暗視、と勘で赤外線領域(動力等の熱源)を捉えて、なるべく早期に接近を感知したい
UCを船に当て、ここと違う場所と誤認させる
皇帝に感覚が繋がっているのであれば僅かでも混乱を招くはずじゃ
無論その場に留まってたら直進しただけで巻き込まれるから、稼いだ時間で急ぎ致命的な座標から外れねば…
外宇宙のモノとはいえ、慣性とかこの世界での理も受けるはず
世界知識に当てはめルート・想定される瓦礫被害を演算、しながら全力で逃げるとするぞ

ある程度直撃コースを外れたら、降る瓦礫を崩すのと船経由で皇帝にダメージを与える為、光・炎属性の魔法攻撃じゃ
同じ手は二回も通用しないじゃろう
なれば撃てるうちに限界まで多くを撃ち込む!



 星を見上げるスターリィ・ゲイジー(ほしをみあげるスターリィ・f06804)。襲撃者を目を凝らして探し続ける彼女は、ふと星が消えたことに気付いた。常人ならば気づかないほどか細い光だったが、天文学者である彼女は見逃さない。消えた理由は明白だ。遮られているのだ、その黒に。
「光鍵にて門開きし。顕現せよ逢魔の景!」
 スターリィの手鏡が、星々の煌めきに乗せて魔力を放つ。受けた槍がぐらつくのが確認できた。銀河皇帝には今頃、不可思議な風景が見えている事だろう。
「さて、急ぎ致命的な座標から外れねば。とりあえず後ろが駄目なのは分かるのう」
前方へ駆け出しながら、着弾の被害の広がり方を演算するスターリィ。槍とすれ違い、十分な距離を取って振り返った彼女は、槍の方を見る銀河皇帝の存在を視界に捉えた。
「なるほど、直接自分の目で確かめに来たのじゃな。好都合じゃ」

 着弾、衝撃、轟音。
 騒ぎに紛れスターリィは魔法を放つ。光が、炎が、瓦礫を迎撃し皇帝を急襲する。それらを展開するのは日輪の魔導書だ。太陽など恒星の一つに過ぎなくなったこの世界で、失われた威光が失わせた張本人に罰を下す。
「撃てるだけ撃ち込む!同じ手が二回も通じる相手ではないじゃろうからの」
 次弾が来るまで後どれ程か。二種の攻撃を織り交ぜながら、残された猶予を計算する。平行作業はお手の物だ。
 そうして十分な打撃を与えたスターリィは、悠々とその場を離脱するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコラ・クローディア
囮のアンフィス、バイネイン。本命のオレサマ。判りやすい役割分担だ。
接触まで常に竜人降臨を展開し、最初から3人いるように見せかける。オレサマと双子竜の外見はほぼ同一…初見で見抜けるか?
代償としてオレサマは攻撃できんが、それも使い方だろう?
「さぁ来いよ銀河皇帝! ちょいと世界を治める術を教授してくれや」
双子竜とはテレパス交信。何か喋る時は全員一緒。攪乱だ。
本体に攻撃が来たなら回避と防御に専念し双子竜に攻撃命令、衝角着弾までの僅かなラグ狙い。テレパス命令で此方の行動ラグはほぼないはずだ。
双子竜狙いならギリギリで双子竜召還を解除し、本体から雷咆のブレス攻撃。
「これぞ三位一体、持って行け!」



 ニコラ・クローディア(世界を渡る龍賢者・f00091)の傍らには、彼女によく似た二つの影が存在していた。ニコラの使い魔たる双子竜、アンフィスバエナの変化である。
 方々へ飛び立った彼女達が囲むのは銀河皇帝。互いに遠く離れ、三方から対峙する。
「なるほど。ここまで距離があっては纏めて貫くことは出来んな」
『囮のアンフィス、バイネイン。本命のオレサマ。初見で見抜けるか?』
 言葉は一つ、されど発した口は三つ。テレパスによる完全同期だ。三位一体の竜人達は見下ろし見下し啖呵を切る。
『さぁ来いよ銀河皇帝!ちょいと世界を治める術を教授してくれや』
「そのような術は存在しない。我こそが世界ゆえに」

 睨み合いが続く。皇帝が狙いを外せば、直後に龍詞の雷咆を叩き込める公算は大きい。さぁ早く落とせ――その時、皇帝が振り向いた。ニコラの方へと。
「オブリビオン・フォーミュラたるこの我が、猟兵を見誤るとでも思ったか」
 全てのオブリビオンが持つ、猟兵を一目で見抜く本能。ユーベルコードによる囮が通用するかは賭けだったが、如何せん相手が悪すぎた。
 ニコラの頭上に迫る槍。己に構うなと攻撃命令を出し、回避行動に移るニコラ。だが、直前になってから避けられるほど、耐えられるほど、その槍は生易しい物ではない。
「だあっ、チクショウ!このオレサマが……!」
 皇帝への攻撃はそこそこに、兄弟は主人の救出へ向かわざるを得ないのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

蒼汁之人・ごにゃーぽさん
ふむ、未来予知のマインドかなるほど。
ボクのサイドエフェクト(第六感、野生の勘)が告げている、ああこれは回避出来ん。
ならば、自らにギャグ漫画属性攻撃の呪詛を放とう、我この時より不条理なるギャグ漫画世界の住人なり。
後出しじゃんけんでシリアスブレイカーを展開、【理不尽なギャグ補正】で例え原子レベルで分解されようとも即座にリポップしてみせよう。
コメディ展開に持ち込んで強敵を撃破する、かのヴァイオリン勇者も使った由緒正しい戦法だよ。
銀河最強大いに結構、ああいい、いいねそのセリフ、条件は整ったキミのそれはこの【混沌としたコミカルフィールド】おいて【不条理な概念改変】により負けフラグとして改変し回収しよう。



 蒼汁之人・ごにゃーぽさん(戦慄の蒼汁(アジュール)・f10447)は斬り捨てられた。フォースセイバーを無防備に受けて崩れ落ちるその姿を、銀河皇帝はつまらぬ様に眺め、そして踵を返すのだった。
「おいおい、どこへいくんだい?」
 だがその背に声が掛けられる。振り返ると、たった今殺した筈の猟兵が無傷でその場に立っているではないか。
「ごにゃーぽ☆シリアスパート終了のお知らせ♪」

 我、不条理なるギャグ漫画世界の住人なり。おどろおどろしく告げるごにゃーぽさん。その言葉通り、銃撃を、斬撃を、思念波を、果ては戦艦をその身に受けて、彼女は不滅であった、無敵であった。
「ありえん。我は銀河皇帝、宇宙最強の存在なり」
「あっはっは!ああいい、いいねそのセリフ。宇宙最強大いに結構!」
 手を叩くごにゃーぽさん。その手の肩書は彼女にとってはただの獲物だ。なぜなら。
「負けフラグって言うんだよ、そういうの。ボクがそう改変した。さぁ、フラグ回収の時間だよ!」

 そして一瞬の交差の後、立っていたのは――銀河皇帝だった。
「あれ……おかしいな、シリアスがギャグに勝てるわけ……」
「汝の言葉で言うならば、『そのフラグは回収済みだ』。そうだ、思い出したぞ」
 補正が切れ今度こそ倒れ伏す彼女を、銀河皇帝は気にも留めない。最早その目に猟兵は映っていない。
「何処へなりとも行くがいい。我はこれより真の敵を滅ぼさねばならぬ」

苦戦 🔵​🔴​🔴​


●最強を討つ者達
「かつて、我は宇宙最強であった」
 帝国旗艦『インペリウム』。誰もいなくなった中で、その男は語った。
「滅びる前も、蘇った後も、それは変わっていない」
 数百年に渡り宇宙を支配し、そして滅びた男。その名は銀河皇帝。
「だが、我は討たれた」
 最強である筈の銀河皇帝が敗れたのは何故か。より強い存在が現れた?いや違う。
「我の敵は、覚悟を決めた下々の者共。それを忘れていたとはな」
 最強の者に打ち勝つのは、最高の者達に他ならない。
「来るがいい、解放軍。今度こそ帝国を滅ぼさせはせぬ。滅びるのは汝らの方だ」
 打倒帝国を掲げ、人々は今も道を切り開いている。

最終結果:失敗

完成日:2019年02月24日


挿絵イラスト