【初詣に行こう!】みんなで初詣♪
ここは、桜塚特務部隊の基地にある会議室。
その一室を借りて、キサラとエンディカは、着物の着付けをしてもらっていた。
「……まさか、あのリズさんって人が、お金持ちだったとは、知らなかったわ……」
そう告げるのはキサラだ。
「この着物、素敵」
着物に喜ぶのは、エンディカだ。先に着付けが終わって、ちょっと嬉しそうにくるっと回っている様子。
「けど、お陰で振り袖着て、初詣に行けるのだから、感謝しないとね」
と、そこに同じく振り袖を着たリズがやってくる。
「いかがですか? 準備が済みましたら、すぐにでも行けますけど……」
「その前に、呼び出さなくてもいいの?」
「あっ!!」
キサラに指摘されて、リズはあたふたと会議室を出ていったのだった。
「……というわけで、帝都で初詣に行きませんか?」
そう告げるのは、振り袖を着たリズだ。若干、着崩れしているのは、途中で転んだらしいが……まあ、出かける直前に着付けを直すらしい。それはともかく。
「ゾンビ退治とか、リフレインとかで忙しくしていましたから、ここで息抜きするのも、大事だと思うんです。それにお参りして過ごすというのも、これから先の戦いに何かご利益があるかもしれませんし」
リズは続ける。
「帝都の神社では、お守りや破魔矢、お札なども買えるそうです。皆様の先日の働きによって、ちょっとしたおこづかいもいただいていますので、料金の方は気にしなくていいそうです。あ、おみくじも引けるそうですわ」
また、お参りに必要なお賽銭も用意してくれるという。
「キサラ様やエンディカ様……それに、海斗様、涼介様、キヨ様も参加するそうです。お声掛けいただければ、私もアス様もミーヤ様も来てくれるそうです」
それと、リズは付け加えた。
「神社では小さい規模ではありますが、出店もあるそうです。飴細工に射的などもあるそうですね……こちらを楽しむのも良いかもしれません」
にっこりと微笑みながら、リズは誘う。
「いかがですか? せっかくの機会ですし、一緒に初詣に出かけませんか?」
息抜きがてら、ちょっとした遊びも兼ねた初詣に、皆で出かけてみるのも良いのでは? 彼らとの親睦を深めるためにも……。
柚葵チハヤ
どうも、こんにちは! 柚葵チハヤです。
今回は、誰でも参加可能な日常シナリオとなります。NPC(グリモア猟兵含む)との親密度も高められるので、気になる方がいるのであれば、ぜひ、名指しでご参加ください。
今回は神社で初詣しにいくこととなります。一人で静かに行くも良し、誘い合っていくも良し。気になる人と願掛けするために向かうもよしです。お好きなように初詣をお楽しみくださいね。
願掛け参拝やお守り等のお買い物、ちょっとした出店もあるようですので、そちらを楽しむのもOKです。
おみくじは、指定がない場合はこちらでランダムで結果を選ばせていただきます。
あ、レンタルでいいのでしたら、リズが男性用袴や女性用振り袖といった着物を用意しますので、プレイングにてレンタル使用とか書いてくだされば、着物着用可能です。こちらもよければぜひ。
複数で参加する場合は、お相手の方の名前やID、グループ名……NPCであれば、名前かIDを記載ください。
また、期間内にテーマに沿ったイラストを作成していただいた方には、専用ページでも公開を予定していますので、ぜひそちらもご参加くださいね。
それでは、皆さんの楽しい初詣、お待ちしています!!
第1章 日常
『プレイング』
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POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
狐々愛・アイ
帝都に来てから戦ってばかりでしたし、息抜きの機会は大事ですね。初詣、ぼくも行かせてください!
折角なのでレンタル用の振袖をお借りしますね。着付けは自分で大丈夫です、これでもレプリカントですから!
さて、準備を済ませたら出発です。
涼介さん、良ければ初詣をご一緒しませんか?ご所望ならば袴の着付けもお手伝いしますよ!
まずはお参りから行きましょうか。
お賽銭を入れて、手を合わせたら目をつむって願い事を。
とはいえ、ぼくはヒトを愛せればそれで良いので……涼介さんの願い事が叶うようにと願っておきますね。これでご利益2倍ですよ、2倍!
それから、おみくじを引いてみましょう。今年の運勢はどうなるか、どきどき物ですね!
◆アイの初詣
「帝都に来てから戦ってばかりでしたし、息抜きの機会は大事ですね。初詣、ぼくも行かせてください!」
そういって、楽しそうにやってきたのは、狐々愛・アイ(愛は優しさ、愛は力・f36751)だ。
男の子なのだが、今回は振り袖を借りて、綺麗に自分で着付けして見せる。これもレプリカントとしての機能のお陰……なのだろうか。
かわいく着付けを終わったら、その姿で涼介と遭遇した。
「涼介さん、良ければ初詣をご一緒しませんか? ご所望ならば袴の着付けもお手伝いしますよ!」
「ああ、いいけど……袴はなくていいよ。ああいうのちょっと苦手でさ。このままでもいいか?」
英雄の軍服姿で涼介がそう尋ねると。
「そういうことなら、構いませんよ。一緒に初詣に来てくださるのでしたら」
にっこり笑顔を浮かべるアイに、涼介は少し照れながらも、アイと共に神社へと向かったのだった。
神社にたどり着いて、最初にすることは……やっぱりお参りだ。
「お賽銭を入れてっと……」
「お賽銭は大事だからな」
アイの隣で涼介も同じようにお賽銭を入れる。そして、鈴を鳴らしてから、マナー通りに手を合わせてお参りをしていく。
(「とはいえ、ぼくはヒトを愛せれば、それで良いので……」)
お参りを終えた涼介がアイに尋ねてきた。
「そういえば、アイは何を願ったんだ?」
「涼介さんの願い事が叶うように、ですね。これでご利益2倍ですよ、2倍!」
「ま、マジで!? ちょ、ちょっと待ってて!!」
すぐさま戻って、涼介がもう一度、お賽銭を入れて、お参りしている。
「涼介さん?」
「うん、これでよし!! 俺もアイの願い事が叶うようにって願っておいたぜ」
そう清々しい笑顔で言う涼介に、アイは思わず笑みを浮かべたのだった。
次に二人が向かったのは、おみくじ売り場だ。
「涼介さんは引かないんですか?」
「そういうの、あんまり得意じゃなくてさ」
ホントは、昔、凶を引いてえらい目に遭ったので、それ以降引いてはいないらしい。という涼介情報はこれくらいにして。
さっそく、アイはお金を入れて、おみくじの一つを手にした。
「今年の運勢はどうなるか、どきどき物ですね!」
アイが開いたおみくじは、吉。思わぬことで、トラブルに巻き込まれる。いつも以上に用心せよ……という助言があった。
「ううう、トラブルは嫌ですね……」
ちょっと涙目になっているアイに、おみくじを覗き込んだ涼介が付け加えた。
「けど、願事には、概ね叶えることができるってあるし、恋愛なんて、いつも遊んでる人と両想いになるって書いてあるぜ。だから大丈夫だよ」
「え? それって……」
「ん?」
首を傾げる涼介に、アイはちょっとだけ頬を染めて見つめるのであった。
※アイテム『吉のおみくじ』を獲得しました。後ほど、獲得リストをご確認ください。
大成功
🔵🔵🔵
アルフィナーシャ・ミェーチ
わたくし、帝都に移り住んで十年程になりますが、神社やお寺にはお詣りに行ったことはございませんの。と、いいますのは、わたくしの郷里で信仰されている神様とは、違う神様がおわします故、不敬にあたるのではないかと。しかし、よくよく考えてみれば、神や宗派の違いなど、気にするのは人だけで、神様はそのような些末なことを、お気になされることはないのでは?と思いまして、折角お誘いただいたので、これを好機にお詣りさせていただきますの。神社には、オミク爺と申す、運勢を占ってくれる者がいるとか…楽しみですの。甘味の出店もあると伺いまして、お詣りのあと、立ち寄らせていただきますの。
アドリブ、他PC,NPCと絡み歓迎
◆アルフィナーシャの初詣
メイドのハンナと共に、神社を訪れたのは、アルフィナーシャ・ミェーチ(美徳令嬢・f39600)だ。
「わたくし、帝都に移り住んで十年程になりますが、神社やお寺にはお詣りに行ったことはございませんの」
「そうなんですか?」
アルフィナーシャの言葉にそう、声を上げるのは振り袖姿のリズだ。アルフィナーシャもハンナに言われるがままに、初めての振り袖を着ていたりする。
「と、いいますのは、わたくしの郷里で信仰されている神様とは、違う神様がおわします故、不敬にあたるのではないかと。しかし……よくよく考えてみれば、神や宗派の違いなど、気にするのは人だけで、神様はそのような些末なことを、お気になされることはないのでは? と思いまして、折角お誘いただいたので、これを好機にお詣りさせていただきますの」
「それは良い考えだと思いますわ。ご一緒に楽しみましょう」
そういって、二人は微笑みあい、ハンナに作法を聞きながら、お参りをしていく。
(「……リズさんって」)
このとき、アルフィナーシャは気づいた。
「まあ、こうやるんですのね。ようやく分かりました」
リズもハンナに教わりながら、お参りしていた。
(「意外と天然さん……なんですわね?」)
「アルフィナーシャ様? どうかなさいました?」
「いえ、なんでもありませんわ」
丁寧にお辞儀をして、アルフィナーシャもまた、お参りを終えるのであった。
「神社には、オミク爺と申す、運勢を占ってくれる者がいるとか……楽しみですの」
そういうアルフィナーシャに、ハンナはそっと耳打ちする。
「お嬢様、それはもしかして……おみくじの事でしょうか? でしたら、あれのことですよ」
「…………」
思わず凝視してしまった。おみくじは、占ってくれるオミク爺ではないことに。
「では、アルフィナーシャ様。おみくじ引きましょうか」
気づいていないのか、リズはにこにこと、おみくじの箱にお賽銭を入れて、自分のおみくじを引いていった。
続いて、アルフィナーシャもおみくじを引いていく。
二人でぱらりと同時に、中身を見ていくと……。
「半吉……他人と比較して思い悩む。比べても意味がないので、自分に自信を持って行動を……ですか」
「それと、願事は、努力あれば叶う。|開運場所《ラッキースポット》は、初詣ですから、良いじゃありませんか」
もうここに来ていますしと、ハンナに言われて、アルフィナーシャはふふっと笑みを浮かべた。
「リズ様はどう……リズ様?」
と、リズに尋ねれば。
「あ、その……私、半凶を引いてしまいました……」
「いまは我慢のとき。焦らず無理せず、コツコツと努力せよ……とありますね。願事は、無理な願いは、早々に諦めよ、ともありますね」
「で、ですよねっ!!」
涙目のリズに、アルフィナーシャは続ける。
「大丈夫ですわ。今は無理しないようにという助言ですし、無理なことはしないと分かれば、今後も動きやすくなりますわ」
「アルフィナーシャ様……」
傷心なリズを元気づける……つもりではなかったのだが、二人はそのまま、神社にある甘味処で、美味しいぜんざいをいただいたのであった。
※アイテム『半吉のおみくじ』を獲得しました。獲得リストをご確認ください。
大成功
🔵🔵🔵
ベスティア・ジェヴォーダン
ベスは日本人じゃないので、『ハツモーデ』のことは知らない。
カレンがニコニコして手招きするので行ってみたら、きゅうくつでヒラヒラした服を巻き付けられた。
苦しいし動きにくいので袖や裾を破ろうとしたら、すごい勢いで止められたので、仕方なく今日一日だけ我慢する。
グラウェルも来て、みんなで『ジンジャ』とか言う家に向かった。
「たのもー!」玄関のドアを叩いて中に入ろうとしたら止められた。
よく分からないが、玄関の外で手を合わせるだけで、中の住人には顔をあわせないらしい。おかしなルールだ。
みんなの真似をして小銭を投げ込むと、何か小さな紙きれをくれた。こんなものより食べるものが欲しい。
※アドリブ・絡み大歓迎です。
◆ベスティアのハツモーデ
金髪の野生児こと、ベスティア・ジェヴォーダン(羞恥心ゼロ・f39599)は、日本人ではないので、初詣もとい、『ハツモーデ』の事は知らなかった。
「これは……ベスティアさん! せっかくの機会ですから、着ましょう、この晴れ着を!」
ニコニコしているカレン(ちょっと迫力ある?)が、頑張って着付けしてたが、初めてだったらしく、結局、リズのメイドさん達にやり直しされていた。
ベスティアとカレンが着つけ完了した頃には、「わかりました!」と、着つけをマスターしていたようだが……。
「……苦しい、動きにくい」
ジト目でベスティアが、さっそく晴れ着を破ろうとしたのを。
「今日はそのままで! 今日だけですから!!」
カレンとメイドさんにステイされて、ベスティア、大いに不満そうである。
「……仕方ない、我慢する……」
その言葉に、カレン達がほっと胸を撫でおろしたのは言うまでもなく。
と、そのときだった。
「こここ、これは! 残業していた間に可愛らしいお姫様がいるではありませんかっ!!」
さっそく、パシャパシャと持っていた小型モバイルで、写真を収めながらやってきたのは、親バカ……いや、グラウェルだった。
「……気持ちは分かりますが、そろそろ抑えましょう」
「……もう十分」
カレンとジト目のベスティアに諫められて、グラウェルはちょっぴり残念そう。
こうして、揃った三人は『ジンジャ』へと向かうことになった。ちなみに、グラウェルは着つける時間が勿体ないと、いつもの服装で同行している。
「まずはここで一礼するんですよ」
カレンがどでかい『赤いモン』の端に立って、一礼する。どうやら、真ん中は『カミ』さまが通る道らしく、そこは通ってはいけないらしい。
それにしても、歩きづらい草履に、ベスティアは、なんだかちょっと不服そうだ。
「それから……」
手を清めた後、いよいよ参拝というところで。
「たのもー!」
と、社殿を開こうとしたベスティアを、カレンとグラウェルが間一髪で食い止めた。危なかった。
「そこは神様のいるところなので、そんな風にしちゃダメなんですよ!」
(「よく分からないが、玄関の外で手を合わせるだけで、中の住人には顔をあわせないらしい……」)
「……おかしなルールだ」
心の中で首を傾げつつも、カレンと同じことしてお参り。
最後に、もう一度、お賽銭を入れたら、小さな紙きれを持っていくように言われた。
「……?」
これまた首を傾げつつも、捨てる訳にも行かず、かといって中を見る気も起きない。そっと懐にしまって、帰っていった。
ちなみに終始、不機嫌だったベスティアのために、晴れ着を脱いだ後、ステーキ屋さんに行ったのは言うまでもなく。
こうして、ちょっと変わった(?)ベスティアの『ハツモーデ』は無事(?)に終わったのである。
※アイテム「小さな紙きれ(実は大吉)」を獲得しました。後程、獲得リストをご確認ください。なお、グラウェルは着物姿のベスティアさんの写真を隠し持っているようです。
大成功
🔵🔵🔵
役所・太助
山田・ふわ(f39711)さんと一緒
妻のふわ、男女の双子(共に五歳)で娘の太美(たみ)、息子の和(かず)を伴って初詣へ。
二礼二拍手一礼は折り目正しく
でも、道中は賑やかに
一見正反対の二人が夫婦で作り上げた楽しい家庭の姿
太助の神頼みは毎年「帝都の平和」「家内安全」
神頼みやおみくじの内容で楽しく盛り上がっていると、都民がお困りごとを言ってきて、対応する太助。
区切りが着き戻ると双子の姿がない。
少し離れた所で泣く迷子に声をかけ励ます双子に、妻と一緒に目を細めつつ、最寄りの警察署に助力を求める算段を開始
・双子のこと
太美
明るさと押しの強さは両親譲り
身体能力は母譲り
和
優しさと気づかいは両親譲り
調整能力は父譲り
山田・ふわ
役所太助さんと一緒に行動。
ふわの旦那の太助さんと男女の双子を伴って初詣へ。
女性用振袖をレンタルして着用。髪の色と同じ桃色のもの。
ふわの神頼みは「太助さんと子供達とずっと一緒にいれますように」
(自分には鬼の血が流れていること、今まで天涯孤独だったこともあり、人並み以上に独りを恐れている節がある)
太助に「神様に何を頼んだのか」と聞かれ、それを素直に教えるふわ。
そして、じゃれつき合う双子の子供達を撫でながら、「太助さん、私よりも長生きしてね。お願いだよ」とらしくもなく太助の肩に頭を乗せ、甘えるのだった。その後、少し不安そうな自分を心配して見上げる子供達のことも優しく両腕で抱きしめる。
◆太助とふわと家族の初詣
ここは、桜塚特務部隊の基地にある会議室。
そこでは、リズの計らいで、初詣に振り袖や袴で迎えるよう、レンタルを行っていた。
「二人とも可愛いっ!」
そう嬉しそうな声をあげるのは、山田・ふわ(人間のデスブリンガー・f39711)だ。ふわの目の前には、可愛らしい双子の幼い子供達が、子供用の可愛らしい振り袖と袴に裾を通していた。ちなみにふわも、髪色に似た桃色の明るい柄の振り袖を借りて着ている。
それと、双子の大人しそうな男の子が|和《かず》で、元気いっぱいの女の子が|太美《たみ》だ。
「フィルムが無くなってしまうくらい、写真を撮ってしまうでござるよ!」
パシャパシャと借りたカメラで子供達の姿を写真に収めるのに、かなり忙しそうなのは、役所・太助(人間の公務員・f39613)。太助は、万が一に備えて、袴は断っていた。
「それに、ここの袴は立派過ぎるでござるよ」
と太助は言う。
「太助さん、似合ったと思うよ? 着ればよかったのに……」
「きればよかったのにー」
「のにー!」
ふわに手をつながれて、和と太美も母親の声真似をしている。それでも、いつもとは違う着物を着ているせいか、子供達はいつにも増して大人しくしているようだ。そのまま、初詣の神社へと向かう。
「二礼二拍手一礼でござるよ!」
「「はーい!」」
太助に教わりながら、子供達は可愛らしい仕草でお参りをしていく。
それが終わった後、太助とふわもそれぞれ、お参りを済ませていった。
「かみさまに、なにたのんだの?」
太美に言われて、和が答える。
「いいことありますように……」
「たみはね、おいしいごはんが、いっぱいたべれますようにっ!!」
にこにこと子供達が頼みごとを披露する。
「二人はそんなことを頼んだのでござるか。叶うといいでござるな」
二人の頭をくしゃくしゃに撫でながら、太助が言う。
「それじゃ、おとーさんはなにたのんだの?」
太美が元気よく尋ねる。和も興味深そうに太助を見上げていた。
「それがしでござるか? いつものように、『帝都の平和』と『家内安全』でござるよ」
それは太助が毎年願うことだ。
「……じゃあ、おかあさんは?」
和は興味深そうに、今度は、ふわを見上げる。
「ふふ、ふわはね、太助さんと太美ちゃんと和ちゃんとずっと一緒にいれますように、だよ♪」
「わーいっ!」
「おかーさんらしー!!」
ぎゅっと三人抱き付いて、幸せそうな笑顔を見せる。じゃれてくる双子を撫でながら、ふわは側にいる太助に声をかけた。
「太助さん、私よりも長生きしてね。お願いだよ」
その言葉は、ふわの不安から出てきたもの。自分には鬼の血が流れていること、今まで天涯孤独だったこともあり、人並み以上に独りを恐れているようだ。
ふわはそのままらしくない様子で、太助に頭を預けて甘えるように見上げる。
「ふ、ふわ殿!? そ、それがしも、ふわ殿には長生きして欲しいって思ってるでござるよ!」
急に甘えてきたふわに慌てながら、太助はそう答える。
その様子を肌で感じたのか、双子たちが不安そうに太助とふわを見上げてきた。それに気づいたふわは。
「大丈夫だよ。まだまだ先の話だからね」
安心させるかのように二人を優しく、両腕で抱きしめてやるのであった。
もう少し家族との時間を過ごしたかったのだが……。
「ああ、太助さん!! 丁度よかった……」
と、困りごとを太助に持ち込んできた都民によって、遮られてしまった。
「ちょっと行ってくるでござるよ。すぐに戻ってくるでござる」
どうやら、それほど時間はかからなさそうだ。
「じゃあ、ここで待ってようね」
邪魔にならなさそうなところに移動すると、ふわは気になるのか太助の方を見て、戻ってくるのを待っていた。子供達はしばらくふわの周りでくるくる回って遊んでいたが……。
「ちょっと待たせたでござるよ」
「お休みの日にも大変だね、太助さん」
そうふわが声をかけていると。
「あれ? 太美と和は?」
「え? あれ!? さっきまでここにいたのにっ!?」
あわあわと慌てふためくふわを他所に、太助は落ち着いた様子で辺りを見渡す。と、すぐに見つけた。
「ふわ殿、あそこにいるでござるよ」
「あ、ホントだ! よかったぁ~!!」
すぐに駆け寄ろうとするが、太助に少し止められてしまった。どうやら、双子は二人っきりではないようだ。
「ひっく、ひっく……」
「きみ、まいごさんだね! どこからきたの? おなまえいえる? けがとかしてない?」
「そんなにいっきにきいたらだめだよ、たみ。やさしくゆっくりだよ。ぼく、おとーさんよんでくる」
と、そこで太助とふわと合流を果たした。
「二人ともえらいね!」
「後はそれがしに任せるでござるよ!」
太助は慣れた手つきで、迷子の子を肩車すると、さっそく迷子の呼びかけを始めた。
すると、あっという間にその子の両親が現れ、無事、迷子の子は帰ることが出来たのである。
「太助さん、また……来ようね」
「もちろんでござるよ!」
こうして、ちょっと賑やかな二人の……いや、四人の初詣は幕を下ろしたのであった。
※称号「二人はらぶらぶ!」を獲得しました。後ほど、獲得リストをご確認ください。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵