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交響曲第五番「革命」そして「運命」

#ダークセイヴァー #殺戮者の紋章 #闇の救済者 #怪物に堕ちた黒騎士の群れ #『滅亡卿』ヴォルフガング #『戦争卿』ブラッド・ウォーデン #第五の貴族 #夕狩こあら

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『――佳い風が吹いている。闘争の風だ』
 高さ10mもある城壁に立ち、地上より接近する一部隊を俯瞰する。
 鏘々と甲冑の響きを連れて迫る彼等こそ「|闇の救済者《ダークセイヴァー》」――常闇に閉されたこの世界にようやく現れた、人類によるレジスタンス組織だと烱瞳を眇めた男は、千人程度で構成される武装集団を品定めするように視た。
『扨て、この中で領主の首を斬り落とし、英雄と成り得る者は居るだろうか』
 全身を鎧を纏った勇ましき人間か、その躯に吸血鬼の血を流すダンピールか。
 或は人狼か、黒騎士か、咎人殺しか、それとも。
 どの者も物語の主人公と――「英雄」と成り得るのだと佳脣に弧を描いた男は、間もなく領主ヴォルフガングが迎撃の兵を配備するに合わせ、サッと城壁から退散する。
 領主を援けるつもりは無い。
 己はあくまでも「物語」が組み上がる瞬間を観に来たのだ。
『素晴らしい物語は、赫々と流れる血によって記される。そうでなければ、美しくない」
 英雄の物語に惹かれるのは、彼等が血の大河より生まれるからである。そして血の大河に還っていくからである。
 而して英雄には成れなかった“物語の残滓”たる黒鎧の群れを眺めた男は、軈て突き上がる喊声に胸を昂ぶらせるのだった。


「力を増した|闇の救済者《ダークセイヴァー》達が、複数の組織を纏めて勢力を築き始めてる」
 猟兵の支援があってこその動きだと、淡く頬笑むニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)。
 少しずつながら人類砦を築き上げて勢力を増した彼等は、今や複数の組織が一丸となって、吸血鬼に対する大々的な反攻作戦を展開しようとしていると彼女は言う。
「絶望に覆われたこの世界に現れたレジスタンス組織は、複数が一体となった事で優れた戦闘集団を形成し、地方の小領主程度なら圧倒できる程の力を得たの」
 ユーベルコード使いこそ殆ど居ないが、『|闇の救済者《ダークセイヴァー》』は数に勝り、ダンピール等の他種族とも融和して、黒騎士や咎人殺しも集結した優秀な部隊となっている。
「吸血鬼を打倒できる力を得た彼等は、次に或る地方の城郭都市を攻め、反抗の拠点を大きくしようとしているのだけど、ちょっと此処は難関のようね」
 交通の要衝に位置する大規模な城郭都市だからか。それもある。
 領主が徹底的な殲滅と殺戮を行う強敵だからか。それもある。
 ユーベルコード使いでない彼等には、まだ堅牢な城郭都市を攻めて領主の首を獲るのは難しいので、猟兵による支援が必要だとニコリネは言う。
 だが、それだけでは無い。
 彼女は柳眉を顰めて言を継ぎ、
「第五の貴族が、紋章を持つ吸血鬼を派遣したみたいなの。『戦争卿』ブラッド・ウォーデンという男よ」
 支配者より叛逆者を、好意より憎悪を好む破滅主義者、ブラッド・ウォーデン。
 この男は、領主ヴォルフガングが|闇の救済者《ダークセイヴァー》によって倒される――謂わば英雄譚を見るのを愉しんでおり、領主に与する事は無い。
 だが、多くの物語が英雄の末路も記すように、物語には必ず結末があるべきと、「殺戮者の紋章」の力を使ってレジスタンスの壊滅を――「|人族鏖《じんぞくみなごろし》」を行おうとしているので、彼を撃破せねば反抗の篝火が絶えてしまう。
「|闇の救済者《ダークセイヴァー》達は、領主を倒してこの城郭都市を制圧するのが一旦のゴールとなるけれど、皆は街外れにある廃教会を目指して、第五の貴族と繋がりのある『戦争卿』をやっつけて頂戴」
 ここで猟兵が敗北すれば、|闇の救済者《ダークセイヴァー》と住民は、彼奴が描いた物語の通り「全滅」する。
 ようやく燃え上がった希望の光を消されてはならないと語気を強めたニコリネは、然し幾度と死地に活路を見出した猟兵なら、戦争卿が理想とする「物語」を覆す事が出来ると信じている。
「私達猟兵こそ物語の舞台装置となって、反抗の篝火を燃え上がらせましょ!」
 |闇の救済者《ダークセイヴァー》と共に城郭都市を攻め、領主館までの道を切り開く。
 領主館で『滅亡卿』ヴォルフガングと戦い、市民を解放すると共に、この地を反抗の拠点とする。
 而して英雄となった|闇の救済者《ダークセイヴァー》達を抹殺に掛かる『戦争卿』ブラッド・ウォーデンを倒す。
 休む間もなく激闘が続くが、今の猟兵なら十分凌げる力があると言を添えた花屋は、ぱちんとウインクするやグリモアを召喚し、
「“英雄はその光をも|永久《とわ》にして”――って言うもの。そうでなくっちゃ!」
 終わりなき物語を始めようと、精鋭を送り出すのだった。


夕狩こあら
 オープニングをご覧下さりありがとうございます。
 はじめまして、または、こんにちは。
 夕狩(ユーカリ)こあらと申します。

 こちらは、ダークセイヴァー(※上層ではありません)で結成されたレジスタンス組織『闇の救済者(ダークセイヴァー)』の反攻作戦を支援し、人類による吸血鬼打倒の篝火を燃え立てる三章構成のシナリオです。

●戦場の情報
 ダークセイヴァー、交通の要衝に位置する城郭都市。
 領主館のある第一層、市民が生活する第二層、耕地が広がる第三層と、三重の城壁に守られています。
 舞台は城郭都市(第一章)を攻略した後、中央の領主館(第二章)へ、街外れの廃教会(第三章)に移行します。

●敵の情報
 第一章『怪物に堕ちた黒騎士の群れ』(集団戦)
 千人近くの戦闘集団となった「闇の救済者」達と共に城郭都市を攻略します。
 彼等だけではとても倒しきれないような大軍ですが、猟兵達が最前線で戦い、敵を次々と駆逐して城壁を突破すれば、頼もしい猛者達が続いてくれるでしょう。

 第二章『滅亡卿』ヴォルフガング(ボス戦)
 三重構造の城壁を攻略し、中央部の領主館へ突入します。
 領主は自らを「吸血鬼に仇為す者たちを滅ぼす暴力装置」と定めた『滅亡卿』ヴォルフガング。
 猟兵達を最大最強の天敵と認識し、恐れも侮りも油断もなく、徹底的な殲滅と殺戮を行います。

 第三章『戦争卿』ブラッド・ウォーデン(ボス戦)
 領主を倒せば、闇の救済者達にとっては作戦成功なのですが、猟兵はもう一人の敵に気付いています。
 一連の人類の抵抗を、「大好きな英雄譚を読む子供」のように喜んで見ていた者が、これまでの死闘を物語のように組み上げ、また終わりを導こうとしています。猟兵の力だけでやっつけましょう。

●リプレイ描写について
 フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)をお書き下さい。呼び方があると大変助かります。
 団体様は【グループ名】を冒頭に記載願います。

 以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
 皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
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第1章 集団戦 『怪物に堕ちた黒騎士の群れ』

POW   :    リピート・ナイトアーツ
【正気を失いなお残る、磨かれた騎士の武技】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    無数の飢牙
【鎧】から【無数に伸びる蛇や狼、竜の首】を放ち、【噛み付きによる攻撃をし、拘束】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    鎧装転生・鋼獣群集
自身の【五体と生命力】を代償に、【吸収してきた生命の形をした鋼の生物たち】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【鋭い探知能力の下、生命力を吸収する牙や爪】で戦う。

イラスト:にこなす

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 ――その男は。『戰爭卿』ブラッド・ウォーデンは、物語を紡ぐように語った。
『吸血鬼による百年の支配に、闇の救済者達が立ち上がる――』
 銃と劍、そしてユーベルコードによる反抗作戰がこれより始まる。
 黑騎士や咎人殺しなど、優れたユーベルコード使いを百人隊長とした戰闘部隊は、先ず最も外側にある第三層の城門の破壞に掛かり、そこから一気に突撃して第二層へ、最終的には第一層を突破して領主館を目指す。
 城壁の被害を最小限に止めんとするのは、今後、交通の要衝である此處を拠点として確保する爲だ。
『而して殲滅と殺戮を好む領主ヴォルフガングは、喜んで殺戮の舞台を用意するだろう』
 残虐なる領主は、吸血鬼に仇爲す者達を、徹底的な殲滅と殺戮で饗應する。
 滅亡卿は、嘗て反撃の狼煙を上げて散った黑騎士達を配下にしており、闇の救済者達に勝るとも劣らぬ力を以て鬪爭の限りを尽させる。謂わば仲間同士で戰わせるのだ。
『――さぁ、英雄達よ。城壁を砂に、門を塩にして進むがいい』
 己が血で砂を押し流し、傷に塩を浴びながら越えてゆけ。
 そして美しき銀の皿に、領主の首を取り上げよ。
 嬰児が血を抱いて胎より生まれる樣に、英雄は血塗られた鬪爭によってしか生まれぬと嗤笑した男は、間もなく城門に響く大きな衝撃と戰鬪音を、兩手を広げて歡迎するのだった。
七那原・望
開戦、ですね。大丈夫、皆さんは強いですし、わたし達も付いてます。
だから必ず勝てます。いえ、勝ちましょう!

みんなを鼓舞しながら果実変性・ウィッシーズアリスに変身。更にアマービレでねこさんを大量に召喚。

まずはねこさん達の範囲攻撃全力魔法でわたし達を視認出来ず、広範囲を滅ぼすような眩しい閃光の大魔法で仲間の大多数が消し飛んだ上、消し飛んだように見えた仲間がわたし達にすり替わる幻覚を見せ、同士討ちを狙います。

同士討ちしている間にねこさん達の全力魔法で味方全員の能力を限界突破させて強化。更に多重詠唱の結界も全員に纏わせましょう。

今です、攻め込みましょう!

わたし達は遠距離からの魔法の援護射撃でサポートを。



「――開戰、ですね」
 ギシギシと車輪を唸らせる攻城兵器と共に、ユーベルコードの使い手達が城門を抉じ開けに掛かる。
 凄まじい衝撃が閂を搖らす、その音を死鬪の幕開けと受け取った七那原・望(封印されし果実・f04836)は、純白の翼を広げると、透徹と澄む聲で一同を鼓舞した。
「大丈夫、皆さんは強いですし、わたし達もついてます。だから必ず勝てます。――いえ、勝ちましょう!」
 長き抑圧の歴史に終止符を打つ。
 その爲の力は充分に育まれたと確言した少女は、【|果実変性《トランス》・ウィッシーズアリス】――アリスカラーが可愛らしいエプロンドレス姿に變身すると、召喚した四匹の猫が戰塵に塗れぬよう抱き抱えて飛翔した。
「敵兵の攻撃が城門付近に集中しないように、“的”を散らすべきでしょうか」
 云って、10mもある城壁まで翔ける。
 然れば守衛の兵士達が一斉に望へ飢牙を差し向けるが、頂に至るなりリン、と鈴を鳴らしてタクトを揮った彼女は、大量の魔法猫を喚び召すと、影を灼く程の閃光を放たせた。
『眩……ッ!! 何處だ!?』
 黑騎士や彼等の鎧から生じた魔獸達は、猫が紡ぐ光に何を見せられたろう。
 常闇を搔き消さんばかり灼光に仲間が消し飛んだかと思えば、仲間の位置に代わって立つのは、アリス――?
『ッ、魔女め!!』
『……おをッッ!!』
 黑騎士らは望を討たんと飢牙を伸ばすが、絞られる悲鳴が仲間のものとは思うまい。
「……嘗て吸血鬼の支配に抗った者達。志を同じくする者を殺めてはいけません」
 望が差し出した「的」は、闇の救済者でも無ければ自身でも無い。
 同士討ちをさせる事で攻め手の被害を抑えた少女は、この混亂の中で更に猫達に魔法を紡がせると、城門を攻める者達を結界に包んで防禦力を強化した。
「今なら岩も矢も降り注ぐ事はありません。さぁ、攻め込みましょう!」
「にゃぁお」
 毛色の異なる四匹の猫と、今も生まれる大量の猫達が尻尾をフリフリ、絶えず魔法を掛けて攻城部隊を支える。
 而して望自身も歌うように祕呪を詠唱し、同士討ちする黑騎士達を更に撹亂して、自軍を援護するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サエ・キルフィバオム(サポート)
アドリブ歓迎

基本的には情報収集が得意かな
相手が何かの組織だったら、その組織の一員になり切って潜入して、内側から根こそぎ情報を頂いちゃうよ
そうじゃなければ、無害で魅力的な少女を演じて、上手く油断させて情報を引き出したいね
効きそうな相手なら煽てて誘惑するのも手段かな♪

戦いになったら、直接力比べの類は苦手だから、口先で丸め込んだりして相手を妨害したり、糸を利用した罠を張ったり、誘惑してだまし討ちしちゃうかな
上手く相手の技を逆に利用して、手痛いしっぺ返しが出来ると最高♪
敢えて相手の術中に陥ったふりをして、大逆転とかも良く狙うよ



 ――時に。
 強烈な光に眩惑された黑騎士達は、仲間と擦り代わる猟兵の他に、更なる“悪夢”を見させられたろう。
「おいっ、攻撃を止めるんだッ!! 味方を減らしてどうする!?」
『ッ……仲間、か……!?』
「然う。――“向こう側”だけどね」
『ッッ、ッ!!』
 突如として變わる聲色と口調に喫驚する間も無く、懷に嚙みつく蹴撃に黑鎧を砕かれる。
 全き同じ黑鐵の兜からチョイと|眉庇《バイザー》を持ち上げた、その者こそサエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)――望が魔法を解き放つと同時、敵の仲間に成りすましていた猟兵だ。
「仲間を猟兵に見せる一方で、猟兵が仲間に扮していたら、もっと面白いでしょ?」
『ぐッ……嗚乎ッッ!!』
 佳人を黑騎士と全き同じ姿にさせたのは、【ミラード・クローゼット】。
 まるで鏡に映し取ったように黑鎧を纏ったサエは、敵方が同士討ちを始める混亂に乗じて潜伏し、言葉巧みに虚實を紡いで罠に嵌めていく。
「力較べの類は苦手だから、騙し討ちしちゃう♪」
 而して其こそ手痛いとは知っていよう。
 サエは気持ち良くしっぺ返しさせて貰おうと、黑兜に隱した緋瞳を煌々と輝かせつつ、騷亂の渦中を華麗に踊った。

成功 🔵​🔵​🔴​

杼糸・絡新婦(サポート)
関西弁口調。
とある忍者が使っていた武器・鋼糸【絡新婦】のヤドリガミ。
白い女物の着物を着用しているが、
名前沿った姿なだけで、オネエとかではなく中身はれっきとした男。

子供や親子中心に一般人には愛想よく接するが、
敵とみなしたら容赦なく叩く。
日常でも戦場でも自分のペースを崩さず、
フェイントや挑発、相手の動きを拘束するように阻害したり、
あえて誘い出してこちらに攻撃を仕向け、
自他へのすきを作り出したりする、戦闘スタイル。
また使えるものはなんでも使う。
元の持ち主の影響で、忍者らしい動きも見せる。

所持する黒い狩衣を着た狐獣人の姿をしたからくり人形は、
かつての主人が作ったものを模したもの、名前はサイギョウ。



「……千人か。少うし心許ないな」
 烈風の怒り叫ぶ戰場を擦り抜ける、穩やかなテノール・バリトン。
 西の訛り、やや古風な物言いで自軍の戰力不足を指摘した杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)は、然し対策はあると余裕の|微咲《えみ》を崩さず。
「ほんなら一個隊増やそか」
 優秀なユーベルコード使いを隊長とした百人部隊が十。
 合計で千人程度の戰鬪部隊に、更に兵員を増やさんとゲームデバイスを――見た目はレトロな携帯ゲーム機を袖から取り出した絡新婦は、ピコピコとボタンを操作して【バトルキャラクターズ】を召喚した。
「この子ら足したら一割増しや」
 橫スクロールゲームに登場する樣々な敵キャラクターが133体。
 個性豊かな彼等を、操り絲ならぬコントローラーで操作するのが絡新婦だ。
「さ、ちょいと暴れようか。革命のお手伝いや」
 佳脣を滑る科白が飄とそう云ったなら、キャラクター達はハンマーを投擲したり、身ごと戰槌となって突進したり、闇の救済者達と共に城門の破壞に取り掛かる。
 而してミシミシと悲鳴を上げる城門を仰いだ絡新婦は艶笑ひとつ、
「攻城戰は数が大事や。きばっていこか」
 此度は聢と隊長を務めて見せようと、一同に発破を掛けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像やフェイントで目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ



「ならば私は手数を増やそう。城壁の上にいる連中の攻撃を止める」
 絡新婦が人数を補ったのに對し、更なる力添えを提案したのは水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)。
 数多の戰場を駆け抜けた“実戰刀”ならでは、極限の鬪爭ならではの立ち回りがあると往時の殺氣を迸った真峰は、【錬成カミヤドリ】――己そのものである太刀を135体、朦々たる戰塵の中に複製召喚した。
「試合ではないからな。大手搦手、奇襲挟撃、諸有る手を使って斃す。そして勝つ」
『――ッ!!』
 城壁の上、黑騎士らの鎧から伸びる魔獸の首の数々を、先ずは百程度の刀鋩に迎え撃つ。
 自在に躍る複製刀が獸の喉や首に次々と刃を突き立てる中、残りを城壁より上に浮かべた真峰は、術者たる黑騎士の背後を襲わせると同時、攻城塔を駆け上った自身の手で斬撃を差し込んだ。
「――まあ最後は斬るがな」
『ぉぉを嗚乎ッ!!』
 纎手に握れる複製刀に綺羅と光を彈きつつ、黑鎧の隙間を刺突する。
 須臾に噴き上がる血飛沫が眼路を赫く染め上げる儘、更に刃を沈み入れた真峰は、ぐうらと崩れる巨躯を斬り捨て、直ぐさま別なる個体へ――城門に集まる友軍を攻撃し続ける騎士達を、凄然と打ち倒していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シキ・ジルモント
闇の救済者達との共闘を意識
敵軍の間合いギリギリまで駆けて踏み込み、ユーべルコードで範囲攻撃を仕掛ける
視界に捉えた黒騎士を攻撃対象と定めると同時に、敵陣から目を離さず攻撃続行か回避に移るかの判断材料にしたい

黒騎士の攻撃が発動し場合、回避に専念
常に付近の黒騎士の行動を確認し、初動を見逃さず回避につなげたい
回避後、相手が体勢を立て直す前に反撃を試みる

回避はするが、後退はせず最前線で戦闘を続行
自分を狙わせる事で闇の救済者達の危険を減らしたい
黒騎士達の武技は確かに脅威だ、友軍へ接近される前に押し留める

しかし必ずしも自分が守る側とは思わない
ここまで敵陣に踏み込めるのは背後に友軍がいるという信頼あってこそだ



(「……戰塵に血の臭いが混じり始めた」)
 砂埃と轟音が入り亂れる城門前、シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)の鋭い嗅覺が戰況を捉える。
 烈しい攻防戰で敵味方共に負傷が出始めていると、咥内に入り込む砂を嚙み締めた彼は、騎兵と砲兵に合圖すると、己は更に前進してハンドガン・シロガネを構えた。
「此方側から閂を破壞する」
 告ぐと同時、全集中して銃爪を引いた撃手は、【ブレイズ・ブレイク】――城門の裏、頑丈な鐵の受座に差込まれた閂めがけて連続射撃し、固く閉されていた門を撃ち彈いた!
『ッ、城門が破らル……!!』
「今だ、破壞槌を押し込め!」
 敵兵が喧々と叫ぶ中、攻城兵器が城門を抉じ開け、闇の救済者達が一斉に雪崩れ込む。
 彼等と共に城内へ突入したシキは、|手槍抜刀《てやりぬきみ》を引っ提げて迎撃に掛かる黑邪を捉えるや、一陣の風となった。
(「――初撃は回避するが、後退はしない。後ろの者達に危険が及ばぬよう、ギリギリで反撃する」)
 練磨された斧技が閃く直前、敵が振り被った瞬間に軌跡を読んで躱す。
 而して力の抜けた隙に|握把《グリップ》を叩き付けたシキは、敵が体勢を立て直す前に零距離で鐵鉛を撃ち込み、黑鎧の隙間からどぶりと血を噴かせた。
「友軍へ接近される前に――押し留める」
『ぐ、ぉ……っ!!』
 己を狙わせる事で闇の救済者を守り、第二層の城門へと向かわせる。
 間近で返り血を浴びたシキには、彼を脅威と受け取った弓兵が直ぐにも鏃を射掛けるが、彼は月色に煌く髪も白皙も赫く染めながら、世界を覆さんとする者達と共に踏み進んだ。
「|進軍《あゆみ》を止めるな。より狙われる」
「おう! この儘、領主館まで進み続けるぞ、ジルモントさん!!」
「――噫、往こう」
 血濡れた拳を突き上げて云う勇士らに、聢と頷くシキ。彼は必ずしも己が“守る側”とは思っていまい。
(「ここまで敵陣に踏み込めるのは、背後に友軍がいるという信頼あってこそだ」)
 己が歩みもまた彼等に支えられていると佳脣を引き結んだ男は、墨色の|波濤《なみ》の如く押し寄せる黑騎士の軍団めがけ、また銃聲を哮った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ディルティーノ・ラヴィヴィス
おっけーおっけー、道を作るのは得意だから
大勢での争いなんて、嫌でも慣れちゃったもんね

思い切り暴れていいんだよね?ならまずは戦場を荒らさせて貰おう
【槍地獄改-怨-】。これで足元から無数の槍を召喚させるよ
槍で貫かれる奴がいれば、ま、それまでって事で!
逃れた奴がいても、突き立つ槍達で動きにくくなるはずだ

僕の武器は、今作ったこの戦場全部!
その場その場で槍をへし折っては薙ぎ払い、遠くの相手には投擲したり…どうにだって使えるからね
回避が難しそうな時は【槍地獄改-怨-】で槍を自分の足元に召喚
突き出た勢いに乗って大ジャンプ。そのまま頭上から奇襲できないかな?

芸達者でしょ?武芸者だからね、カッコ良く戦わなきゃ!



 領主ヴォルフガングは反逆者たちを徹底的な殲滅と殺戮で饗應して呉れるそうだが、ディルティーノ・ラヴィヴィス(黄昏の獅子・f38911)には願ったり叶ったり。
「思い切り暴れていいんだよね? おっけーおっけー、得意分野だよ」
 大規模戰鬪は嫌でも慣れたと、猛然と押し寄せる黑い|波濤《なみ》を迎える塊麗の微笑。
 最外壁の城門を突破した|闇の救済者《ダークセイヴァー》達を連れて第二の城門を目指した佳人は、眼路いっぱいに迫る黑騎士に向かって烱瞳を結ぶと、【槍地獄改-|怨《ノロイ》-】――連中の足元から無数の槍を突き出させ、黑鎧を串刺しにした!
『!! ぐォォヲ嗚乎ッ!!』
「槍衾に塞がれる奴がいれば、ま、それまでって事で」
 十字架の如き槍に突き掲げられる姿は、宛ら鵙の速贄。
 こうなれば兵士達が持つマスケット銃でも充分仕留められる。
「後の連中は――!」
 而して己は鑓床を逃れた者を始末せんと、黑翼を羽搏かせて翔けたディルティーノは、無数に突き立つ槍に機動力を弱めた処へ侵襲すると、近場にある槍を圧し折って刺突――! 今度は手ずから地に突き立てた!
『ぜぁぁ嗚呼ッ!!』
「便利なものだよ。どうにだって使えるからね」
 疾ッと噴き上がる返り血が頬を叩くも、黄金色に灼える獅子の艶笑は一縷と翳りなく。
 征く先々に生え出でた槍を取りつつ、時に薙ぎ払い、時に投擲して遠方の敵に血飛沫を噴かせたディルティーノは、兩側より挟撃に掛かる黑邪の群れにも|微咲《えみ》を崩さなかった。
「僕の武器は、今作ったこの戰場全部だ!」
『ッ、上――!!』
 黑騎士が振り下ろした戰斧が鈞ッと音を響かせたのは、地より突き出た槍の“柄”。
 軌跡に捉えた筈の佳人は、槍衾が天を衝くのに合わせて跳躍すると、高みからハルバードを一閃して首を狩ッた!
「どう、芸達者でしょ?」
『ッ、――!!』
「武芸者だからね、カッコ良く戰わなきゃ!」
 重力に鎖がれながら、天地を自在に躍るのが格好良かろう。
 こうありたいと思う自分をその儘に表現したディルティーノは、気高く勇敢な獅子の姿を以て友軍を鼓舞した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

司・千尋
連携、アドリブ可

おお、何か盛り上がってるな
俺もまぜてくれよ


攻撃手が足りているか敵に押され気味なら防御優先
無理なら敵の数を減らす事に注力
闇の救済者と協力して戦う


攻防は基本的に『子虚烏有』を使う
範囲内に敵が入ったら即発動
範囲外なら位置調整
近接や投擲等の武器も使い
範囲攻撃や2回攻撃など手数で補う

鋼なら気兼ねなく壊せるから楽で良いな
『子虚烏有』と鴗鳥で片っ端から破壊していこうか
厄介な牙や爪には当たらないよう気を付ける


敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
回避や迎撃する時間を稼ぐ
間に合わない時は双睛を使用
闇の救済者への攻撃は最優先で防ぐ



「進め、進め!!」
「領主の首を見るまで、誰一人死んではいけない!!」
 最外壁の城門が破壞され、|闇の救済者《ダークセイヴァー》達が一斉に城内へ侵入する。
 全軍一斉に銃射し、雄々しく飜る旗幟が劍槍の怒濤を連れる中、猟兵も血煙を潜って進撃した。
「おお、何か盛り上がってるな。俺もまぜてくれよ」
 喊聲を擦り抜けるテノール・バリトン。
 聲の主は司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)。
 城門を破った一同が熱狂に包まれる傍ら、彼は飄々と、否それ以上に沈着と戰力を分析しており、彼等を領主館まで導くには、数に勝る黑騎士軍を猛烈に減らさねばと烱瞳を研ぎ澄ます。
「道を開けて貰おうか。|空洞《うろ》の傀儡たち」
 領主は嘗て吸血鬼支配に抗った同胞を差向けて|搖動《ゆさぶり》を掛ける|心算《つもり》か。
 成程、人の心が理解っていると皮肉を置いた千尋は、|器物《モノ》たる己が|人形《モノ》の始末を預らんと、纎指を嫋かに動かした。
「鋼なら気兼ねなく壞せるから樂で良いな」
 忽ち麗人の白皙を白ませたのは、【子虚烏有】――戰塵を切り裂いて躍る1190本の光劔。
 射程に入った個体から順番に平等に光刃を突き立てた千尋は、手足を捥がれた黑騎士らが、鋼の魔獸を差し向けるのを烱瞳に捉えるや、鴗鳥を一揮ッ、四つ脚で飛び掛かる邪獸の顎を砕いて地に轉がした!
「子虚烏んぞ有らんや、ってね」
『ゲェァアア嗚呼ッ!!』
 道を塞ぐ厄介者は、空間ごと存在ごと消して仕舞おう。
 今は唯、城内の者達の希望ともなる闇の救済者達を、第二の城門に進ませたいと佳脣を引き結んだ千尋は、鴗鳥を握れる逆手を前方に掲げ、鳥威を複数展開して攻撃を阻んだ。
「邪魔なら割って御覧よ。直ぐに次を用意するし、いざという時には双睛で禦いで見せる」
 烈々と灼え上がる篝火を守るに、千尋は力を出し惜しまず。
 彼等は常闇を切り裂く“希望の灯”になるべきだと守りを固めた千尋は、烱々と研ぎ澄まされる翠瞳に第二層の城門を捉えると、
「さぁ、行こう。派手に戰って、何が起きているか城内の人々に知って貰うと佳い」
 と、前進する友軍を励ますのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴェルンド・ラスリス
※アドリブ、連携歓迎

燻っていた復讐心は、集い、希望を糧に更なる大炎へと燃え上がる…
いいだろう!お前らの復讐に手を貸そう。それが復讐鬼たる俺の矜恃だ。

最前線にて、大剣『黒焔』を振るい敵をなぎ倒そう。如何なる鎧の怪物だろうが、溶断してみせよう。

この世界なら俺の復讐に共感する者も多いだろう。

UC『揺るがない覚悟の焔』を発動させ、傷ついた「闇の救済者」達を回復させよう。

心火を燃やせ!復讐を終えてこそ、お前たちは前に進めるはずだ!



 眼前に広がる耕作地に人の気配は無い。
 戰鬪の気配を察した彼等は、おそらく、街の大きな建物等に避難したのだろう。
「次の城門を突破すれば、居住区……其處には領民も居る」
 彼等を救いに行こうと、|闇の救済者《ダークセイヴァー》を鼓舞する聲がひとつ。
 熱く勇ましいバリトンの主は、ヴェルンド・ラスリス(獄炎の復讐鬼・f35125)その人だ。
 革命軍の最前線を駆けた彼は、不斷に押し寄せる黑騎士めがけて大劍『黒焔』を一閃ッ! やや大振りな刃撃に敵の片腕を斬り落とせば、ごとりと大地に転がった黑鋼が魔狼となってヴェルンドに嚙み掛かる――!
「ッ……ちょろちょろ動かれるよりはマシだ」
『グルァァ嗚呼ッ!!』
 腕当に牙を立てた鋼狼を愧ッと睨んだのも一瞬。刃を差し入れて溶斷する。
 憎悪を薪に蒼炎を迸らせた彼は、傷口を灼いて激痛ごと塞ぐと、間もなく見えた第二の城門を指差して云った。
「燻っていた復讐心は、今こそ集い、希望を糧に更なる大炎へと燃え上がる……」
 久しく虐げられていた者達が立ち上がり、反旗を翻す。
 常闇に閉された此の世界では、己の復讐に共感する者も多いだろうと烱瞳を巡らせば、彼は傷を負って猶も奮い立つ闇の救済者達と、彼等を迎え入れんとする人々の聲を聽いたろう。
「城壁の向こうから聲が聽こえる……俺達を迎え入れようしている」
 戰鬪音を聽き拾った人々が呼應している。
 領主を倒して欲しいと叫んでいる。
 今は壁に隔てられているが、圧政に苦しむ彼等の想いを聢と受け取ったヴェルンドは、大聲して應えた。
「いいだろう! お前らの復讐に手を貸す。それが復讐鬼たる俺の矜恃だ」
 力強く拳を掲げ、【|揺るがない覚悟の焔《ユニゾン・フレア》】を示す。
 魂の鼓動と共に膨れ上がる復讐の炎は、刃傷を負い、しとど血を浴びた者達を大いに回復させた。
「怒れ、嗔れ、心火を燃やせ! 復讐を終えてこそ、お前達は前に進める筈だ!」
 これより第二の城門を攻略する――!
 ヴェルンドの聲に導かれた旗幟は勇敢に翻り、其に続く軍靴の音を高らかに響かせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
 スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
 普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 居住区と耕作地を隔てる城門は、外敵を阻む最外壁の城門に較べれば高さも低く、敵方も守るには嚴しかろう。
 而して闇の救済者達の士気は充分、大いに彼等を援けようと意気込んだ高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)は、纎手に持てる書杖『ブライク』を高く掲げると、城門に向かって本を開いて見せた。
「……黑幕の方は、英雄譚がお好きだとか」
 ならばこれは如何だと、祕密図書館の司書が示すは【童話の披露会】。
 誰にでも分かり易い、文字なき「絵本」を開き掲げた茉莉は、ブライクに宿れる書物の精霊を喚ぶと同時、紙面から禍々しい悪魔の爪を飛び出させた。
「私が好きな物語は、全てが解決されるハッピーエンドです。今からお見せ致しますよ!」
 漆黑の巨爪が幾重に裂傷を疾らせ、凄まじい衝撃を叩き付ける中、絵本は更に登場人物を喚ぶ。
 次いで顕現れたのは、美しき天使――純白の衣を纏った者が淸らかな祈りを捧げれば、目下、銃砲劍槍を衝き入れる者達の傷がみるみる塞がった。
「此處に居る皆さんで、ハッピーエンドを導きましょう!」
「噫、そうだ! 誰一人欠くことなく領主館に向かおう!」
 傷を癒され、痛みを慰められた皆々は、より大きな雄渾を得て城門を搖らすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
オブリビオンを駆逐すれば良いのだな
いつも通りか

状況は『天光』で逐一把握
守りは煌皇にて
纏う十一の原理を無限に廻し害ある全てを世界の外へ破棄
要らぬ余波は『無現』にて消去
全行程必要魔力は『超克』で骸の海すら超えた“世界の外”から常時供給

破界で掃討
対象は戦域のオブリビオン及びその全行動
それ以外は「障害」故に無視され影響皆無

原理を廻し高速詠唱を無限に加速、循環
瞬刻で天を覆う数の魔弾を生成、斉射
更に射出の瞬間を無限循環。戦域を魔弾の軌跡で埋め尽くす

創世し最古の理に例外はなく、全知の原理が逃すことはない
怪異の類となってまで留まることもあるまい
早々に退場するが良い

※アドリブ歓迎



 |闇の救済者《ダークセイヴァー》達と共鬪し、三つの城門を突破せよ――。
 その間に立ち|塞《はだか》る軍勢は撃破せよとの|依頼《たのみ》だが、ならば“いつも通り”だと、男の麗顏に特段の色は無い。
「――俺が代わろう」
 嘗て志を同じくした者を殺めれば、心が搖らぐ。
 尊ぶべき人の絆、憧憬を抱くのみだった其を知るに至ったアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は、彼等に城門の攻略に専念せよと言伝ると、己は門前を守る黑騎士達めがけて“蒼光の魔彈”を放った。
「掃討する」
 既に敵数と戰力は把握している。
 万象を根源から消去すれば反撃も無し、一射で675發を撃ち出す【破界】は、男の鼓動が時を刻む毎に鋼の鎧を穿ち、切り離された瞬間に生み出される魔獸をも制圧した。
『反逆者も猟兵も、鏖殺――ゼァ嗚乎ッ!!』
『グルルルルッ!!』
 万一にも鋼獸の爪牙が闇の救済者達を狙おうものなら、彼が纏う十と一の原理が無限に輪転し、害ある全てを世界の外へ破棄しよう。
 猶も増援に來る軍勢に對峙したアルトリウスは、ぽつり、冷嚴を零した。
「嘗て抗わんとした者に從えられ、怪異の類となってまで留まる事もあるまい。二度と巡らぬ疆域へ行くが良い」
『ッ、ッッ――!!』
 人の肉体と精神を纏って駆動する彼は、謂わば機関。
 影をも灼かんばかり魔彈を不斷に放射した彼は、その力を“世界の外”から常に汲み上げて攻撃を緩めず、遂には天を覆う程の魔彈を生成し、戰場一帯を蒼白く輝かせた。
「対象は戰域のオブリビオン及びその全行動――それ以外に影響は與えまい」
 神や悪魔を気取って全てを滅ぼす|意《つもり》は無い。
 唯だオブリビオンを駆逐するだけだと、當初の依頼を捺擦ったアルトリウスは、城門の上で迎撃にあたる黑騎士らに烱瞳を結ぶと、一斉放射――蒼き魔彈の軌跡で埋め尽くした。
「例外なく畢らせる」
『……ァァアア嗚呼ッ!!』
 今際の絶叫が空を滿たし、次いで訪れた沈默が、間もなく響き渡る音を際立たせる。
「其方も了ったか」
 ドヲォンッ!! と地を搖らす大振動が、「第二の城門」の崩壞を伝えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

壽春・杜環子
【空環】

わたくし、物語をなぞる行為ほど決まりきっていて間抜けなことは無いと思いますのよ

だって、頭の中に思い描けるほどの代物は恐らくいつかの誰かが語ったもの
ゆえに浮かぶのです
それは想像ではなく経験
自分で“創る”など…あぁなんて悍ましい口をきくのかしら
UC
|目の前の偶像《鏡写しのアナタ》はさぞ活きの良いことでしょう
殺意に満ち溢れ活き活きと
さぁさ壊しなさいな
さぁさ啜ってしまいなさい
きっと貴方の糧になり得ましょう…ねぇ?傀儡の皆々様

全て海神の泪の生み出す水鏡を敵へ向け
救済者達と双良くんへ水の全力魔法で防御と反射の呪詛、オーラ防御を纏わせる
酣春の魚型折り紙式神で誘惑を時間稼ぎで敵の視線を一瞬でも逸らす


蓮見・双良
【空環】

初めての世界
聞きしに勝る敵の屑っぷりに反吐が出ると同時
幼少から英雄譚に心動かぬ理由悟る

英雄以外にも居たであろう、抗い立ち向かった人
その想いを潰す行為は僕が最も嫌うもの
彼らを描かぬ英雄譚も、また同じ

裡の憤りは隠し
いつも通り品行方正に

…傲慢な人ほど愚かで、ものの本質と価値を理解していないものです
杜環子さんには同意込め

彼女のUCで弱った所にトドメのUC
効果範囲ずらして2回攻撃
…もう夢を見る事もないんでしょうけど
最期に眠りを

彼女の防御へはお礼の笑顔を
彼女に向かい来る敵いればかばう

城壁が進行の妨げならUCで爆撃
抗う彼らは子供の頃の僕のようで
間怠いなら手を貸したくなるし
邪魔する輩は―徹底的に排除を



「――これは」
 第二の城門を突破した猟兵達が見たのは、凄惨な殺戮の庭。
 領主麾下の黑騎士は、奔流となって吶喊する|闇の救済者《ダークセイヴァー》達を迎撃すると共に、彼等に呼應して蜂起した市民にも攻撃を始め、居住区一帯が銃聲と劍戟、硝煙と血臭に滿ち滿ちる。
(「……幼少から、英雄譚に心を|搖動《ゆさぶ》られた事はないけれど。その理由が|悟《し》れた気がする」)
 初めて踏み入れた世界を前に、凛と佳脣を引き結ぶ蓮見・双良(夏暁・f35515)。
 人々の反抗を物語と|娯《たの》しむ男にも反吐が出るが、英雄以外にも居たであろう、抗い立ち向かった人達――彼等の想いを潰す行爲は、己が最も嫌うもので、其を描かぬ英雄譚もまた同じだと胸裡に瞋恚が沸る。
 蓋し麗顏は嚇怒の色を滲ませず、隣する金絲雀の囀聲を靜かに聽こう。
「わたくし、物語を|捺擦《なぞ》る行爲ほど決まりきっていて浮薄なことは無いと思いますのよ」
 佳聲の主は壽春・杜環子(懷廻万華鏡・f33637)。
 畢竟、頭の中に思い描けるほどの代物は、多分に幾つかの誰かが語ったものに過ぎぬと歎聲を添えた佳人は、目下、市民へと|抜刀《ぬきみ》を振り翳す一團を認めるや、纎手に握れる魔杖を掲げた。
「ゆえに浮かぶのです。其は想像ではなく経験」
『――!!』
「自分で“創る”など……噫なんて悍ましい口をきくのかしら」
 黑劍を振り下ろすより疾く連中を囲繞したのは、【|万華千篇魔鏡《カレヰドスコヲプフタマワシ》】。
 優に百を越す小魔鏡に敵影を映した杜環子は、市民が被る刃撃を鏡に代らせると、無数に砕けた破片に綺羅と爲手を映しつつ、氷の如き|鋩子《きっさき》を突き立てた。
『ずゥ、ッ!!』
 黑騎士が痛撃に二の足を踏めば、双良は須臾を埋めるように首肯ひとつ、而して銀鋏の音色を響かせる。
「……傲慢な人ほど愚かで、ものの本質と価値を理解していないものです」
 金蒼の二重星が紡ぐは【悪夢クラスター】――“悪夢”を実体化した暗黑クラスター爆彈で、閃くや渾沌の闇を広げた衝撃が、鏡の破片に防禦力を削られた黑鎧を悉く塵と化していく。
 やや爪先を外側に、方向を變えて二度目の爆彈が炸裂すれば、より苛烈に兩者の髪が巻き上がろう。
「闇の救済者達と市民の命。守るものが増えましたが、付き合って貰っても?」
「勿論です。共に負えば荷も輕くなりましょう」
 朦々と爆風が渦巻く中、二人、小気味佳く一瞥を交す。
 数歩先も戰塵に隱される視界不良が続くが、杜環子は聽覺鋭く馬蹄の|響動《どよみ》を捉えるや、黑鋼の馬軍めがけて超常の異能を解き放つ。
 折に殺意は瀲灔と|橫溢《あふ》れ、活き活きと咲む芙蓉のかんばせを輝かせよう。
「|目の前の偶像《鏡写しのアナタ》はさぞ活きの良いことでしょう」
 さぁさ壞しなさいな、と。
 さぁさ啜って仕舞いなさい、と。
「|必定《きっと》、貴方の糧になり得ましょう……ねぇ? 傀儡の皆々樣」
 馬軍の眞の姿は、鎧装転生した鋼獸。
 即ち黑騎士より別たれた四肢。
 古き鏡眼に睨められた其が元の姿を取り戻せば、双良は本体ごと射程に入れ、爆撃と夢寐に招き入れた。
「……もう夢を見る事もないんでしょうけど。今際に極上の|華宵《ねむり》を」
『ッ……を嗚乎ッッ……!!』
 既に|空虚《うろ》とはいえ、嘗て志を同じくした者に手を掛けるのは辛かろう。
 友軍は城門の攻略に専念すべきと黑邪の猛攻を預った双良は、反抗の篝火を消さんとする輩を徹底的に排除した。
(「何せ抗う彼らは、宛で子供の頃の僕のようで――」)
 つと過去の記憶が過った瞬間、透徹と澄んだ防壁が眼路いっぱいに広がる。
 見れば杜環子が海神の泪を嫋々一揮、水の魔力と海の叡智が己と闇の救済者を包んでおり、また逆手の纎指に挟める酣春は、万一の奇襲にも刹那の時を|鹵掠《うば》う用意がある。
 この時、双良は彼女の周到に淡く咲んで、
「――では、杜環子さんに向かい來る攻撃は、僕が全て|加護《かばい》ます」
「それは頼もしいですわ」
 と、佳人に先立って血烟の戰場を進むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)

私と露は隊の最前列で進軍。
見切りと第六感に野生の勘で攻撃を回避しつつ魔術行使。
ん。相手は騎士か。まず全身鎧の『無効化』を試みよう。
そうすればダークセイヴァー達の戦闘が多少は楽になるだろう。
全力魔法で【腐食侯】を行使。範囲と貫通攻撃を付与する。

私が魔術で生み出したこの蛇達は全て濃硫酸でできている。
濃硫酸というのは岩石や金属に対して強い腐食性を示す。
相手の防具は見たところ金属のようだから効果があるだろう。
まあ防具が魔力強化されているなら効果は望めないが…。
それならそれで隙間から浸透したモノが皮膚を焦がすはず。

もしダークセイヴァー達が苦戦しているようなら再度魔術行使。
露とも連携して対応するし殆ど問題はないだろう。


神坂・露
レーちゃん(f14377)
あたしとレーちゃんは一番前で突撃するわ♪
オーラ防御で身を固めて相手の攻撃は見切りと野生の勘で対応よ。
頑丈そうな全身鎧さんであたしの攻撃が効果なさそうだけど…。
そのまま行くわ。レーちゃんがなんとかしてくれるはず!

あたしの攻撃は人数多いみたいだから【蒼光『月雫』】よ。
全力魔法と継戦能力に継続ダメージを加えてごーよ♪
なるべく隙作らないように高速詠唱でどーってしちゃうんだから。
それからタークセイヴァーさん達の進路に影響ないように考えるわ。
あたしの魔法はレーちゃんの魔法の後に使うわね。
……わー…。…やっぱりレーちゃんの魔法って…容赦ないわよね…。

二振りの剣はレーちゃんとかダークセイヴァーさん達との連携で使うわ。
あたしだと鎧ごと斬ることはできないけど受けたり防ぐことならできる。



 最外壁の城門や第二の城門は力尽くで抉じ開けたが、領主館を|囲繞《かこ》む最後の門は少し違った。
 |闇の救済者《ダークセイヴァー》達が掲げる旗幟を見た居住区の市民が、門を破壞すべく軍に加わったのだ。
「これは叛逆じゃない 革命だ!!」
「領主を倒せ!! 引きずり降ろせ!!」
「彼奴に死を!! |破滅《ほろび》を!!」
 第二の門から破片を飛び散して雪崩込んだ軍勢を、領民は拳を突き上げて歡迎した。
 彼等は闇の救済者達に呼應して一斉に蜂起し、領主の配下に刃を向けられようと、大聲疾呼して城門に集まる。
「レーちゃん! 人が……続々と集まってくるわ……っ!」
 彼等の熱狂が肌膚を灼くようだと目を瞠る神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)。
 戰鬪中、城の中心へ向かうほど進撃の気勢が烈しくなっていくのを実感していた佳人は、最後の門を前に大きな感情の|長濤《うねり》が愈々荒ぶり、銃聲や劍戟の|響動《どよみ》を高めていると訴える。
「露、私から離れるな。足を止めず最前線を征け」
 ややもすれば呑まれると、露の繊手を引くシビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)。
 雪嶺の如き鼻梁を眞直ぐ前に、常に先陣を走っていた彼女も、ここに來て異樣な熱氣に包まれるのを感じていようか――頬を灼いて走る熱気を手の甲に拭いつつ、視界は広く敵の動きも捉えている。
「黑騎士らも城門に兵を集め始めた樣だ。連中は友軍も領民も見境なく殺めるだろう」
「そうね、この門を破られたら“最後”だもの。向こうも必死になるに違いないわ」
 兩軍共に、此處が正念場。
 この気勢を削がれてはならぬと、凛と|星眸《まなざし》を結び合った二人は、先ずは領民の命を危ぶむ黑騎士軍団を撃滅すべく、片や魔導杖を、片や二振りの劍の|刃尖《きっさき》を向けた。

「頑丈そうな全身鎧さん……あたしの攻撃は効果なさそうだけど……」
 此度の相手は“相性が悪い”と、露も自覺している。
 クレスケンスルーナとグランドリオンの二刀流は、刀身と形状の異なる刃を活かした俊敏な劍技が持ち味なのだが、この大混亂の中で一体一体と對峙し、鎧の隙間に刃を突き立てていては効率が悪かろう。
 墨色の|波濤《なみ》の如く押し寄せる軍団に、きつく櫻脣を結んだ露は、然し花のような|微咲《えみ》は崩さず。
 佳人は戰塵と血斑に汚れた装束を輕やかに翻しつつ、二振りの劍を連れて敵群に突入した!
「そのまま行くわ! だって、レーちゃんが何とかしてくれる筈だもの!」
「――露」
「鎧ごと斬ることは出來ないけど、受けたり防いだりは出來るわ!」
 云った瞬間、劍戟が猛火を潜って煌々と閃く。
 敵の黑刃が闇の救済者や領民に届かぬよう、露は「感」と「勘」を鋭敏に劍筋を往なしつつ、更には月白のオーラを纏って猛攻を阻んだ。
 斯くして彼女が劍戟の渦中を進めるのは、シビラを信用しているからだが、果してシビラも彼女に應えよう。
 鏘鏘たる刃撃の響きを麗瞳に追った凄艶は、纎手に握れる杖を一揮して云った。
「ん。相手が騎士なら、その|防禦《まもり》を――全身鎧の『無効化』を試みよう」
 花車に祕める半人半魔の血を魔力に變え、その全てを溢れさす。
 杖の先を敵群に向けたシビラは、【|腐食侯《レラジェス》】――喊聲の谺する空より茶褐色の翼蛇を降らせると、次々と黑騎士らに巻き付いては嚙みつかせた!
『何だ、この蛇どもは……離れない……ッ!!』
「私が魔術で生み出したこの蛇達は、全て濃硫酸でできている。濃硫酸というのは、岩石や金属に對して強い腐食性を示し、鍛えられた黑鐵の鎧も例外では無い」
『……鎧が……溶けていく……!?』
 腐食の進行が怖ろしく迅いのは、シビラの魔力が勝るからか。
 銃も劍も受け付けぬ筈の黑鎧は、忽ち襤褸布のように綻び始め、これを好機と見た露は劍刃閃々、蒼白く煌めく劍と赫々しく染まった短刃をここぞと突き付け、黑騎士達を次々と塵に還していった。
「……わー……。……やっぱりレーちゃんの魔法って……容赦ないわよね……」
「だが樂になったろう」
「うんっ! とっても助かるわ~♪」
 戰塵と血烟に滿つ戰場で一瞥ひとつ。その連携は妙々。
 黑騎士達も死力を尽して反撃に出るが、連中が四肢や生命力を代償にして放つ鋼獸も、二人には届くまい。
「ちゃあんと見えてるわよ!」
『グルァァアアッッ!!』
 黑い爪牙の接近に逸早く気付いた露は、蒼光【月雫】――水晶の如く蒼白く澄める棘を地中から生え出でさせると、四つ脚で駆ける鋼獸を絡め取り、未だ士気軒昂たる闇の救済者達に始末を預けた。
 ――そして。
「腐食の蛇よ、最後の扉も溶かしてしまえ」
 闇の救済者達と領民に協力せよと、シビラが効果範囲を最大まで広げたのは間もなく。
 無数の翼蛇が最後の門にその身を寄せれば、鐵の巨扉はみるみると赤錆を纏って腐り落ち、ここに露が二振りの劍を刺突すれば、固く閉されていた扉はグラグラと搖れ――遂に開かれた。
「領主館が……見えたわよ!」
 佳聲が高らかに告げた瞬間、闇の救済者が雄々しく哮って突入する。
 天地に滿つ歡聲が耳を劈くようだと顏を見合わせた二人は、こくり、首肯を揃えて進撃するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『滅亡卿』ヴォルフガング』

POW   :    滅び歌え轟砲連打の葬送曲
【処刑斧による大地割り砕く全霊の一撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を敵対者を自律砲撃する攻城兵器群に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    怒りの日
【世界焼き払い死者蘇らせる忌まわしき呪炎】を降らせる事で、戦場全体が【滅亡卿の操る屍兵が溢れる死者の帝国】と同じ環境に変化する。[滅亡卿の操る屍兵が溢れる死者の帝国]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    常闇の信徒
自身の【生身と相手の記憶の“自身に関する情報”】を捨て【影という影を瞬時に渡る闇そのもの】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。

イラスト:赤井 夕

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はレナ・ヴァレンタインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 次々と城門を破って進撃した|闇の救済者《ダークセイヴァー》達の気勢が、遂に領主館に迫る。
 今や領民をも味方につけた彼等は、大きな歡聲と鼓聲に押されて館内へ進攻を始めるだろうが、其を迎える領主――『滅亡卿』ヴォルフガングに|危惧《おそれ》は無い。
『……反抗勢力の一割が死傷し、その三割が救護に回り……最終的に第三の門を突破したのは二割を切ったようだが、連中にしてみれば戰果は充分。この勢いの儘、領主の首が獲れると思っているだろう』
 |淺果敢《あさはか》な、と零れる靜かな痛罵。
『私と会する者は十にも足るまい』
 抑も黑騎士達を幾ら殺しても、己の首が獲れる訳で無し。支配者たる己が呪炎を降らせば、彼等は再びこの地に、屍兵となって蘇ると――正に今、|その通りにする《・・・・・・・》。
 而して館内を黑騎士集団で滿たした滅亡卿は、それでも猶、ユーベルコードの使い手を此處まで連れてくるであろう“最大最強の天敵”たる猟兵を、恐れも侮りも油斷もなく迎えようと決める。
『……なにやら私が革命に斃れるのを愉しみにしている者が居る樣だが、精々見ておくが佳い』
 無論、滅亡卿もブラッド・ウォーデンの存在には気附いている。
 第五の貴族が紋章を持つ吸血鬼を派遣したそうだが、彼奴等の思惑など知る由も無し、己は己の矜持を示すだけだと処刑斧を取った滅亡卿は、「徹底的な殲滅と殺戮を行う暴力装置」と成る。
 かの|吸血鬼《おとこ》は、其すらも物語の一部として愉しもうか。噫、構わぬ。
 牛骨の面貌、虚の双眼に殺氣を迸らせた異形は、間もなく響き渡るであろう軍靴の音を待つのであった。
七星・龍厳(サポート)
『俺に挑むには10年早いな。』
 羅刹の魔法戦士。
 普段の口調は男性的、仲間にはフレンドリー

行動の基準は戦闘が楽しめるか又は興味を持った事柄に積極的に関わる。
パッと見た印象では自信過剰に見えるかもしれないが戦場を渡り歩いてきた経験からの発言

戦闘は戦場で技術を覚えて自身が扱えるものに昇華させるため戦場を探してる竜殺し。
戦場では弱肉強食、故に弱者に手を差し伸べる者への優しさと敬意は無くしていない。
力押しから技術比べまで多彩な戦闘スタイル。
多彩な戦闘スタイルを理屈でも説明できる。
猟兵の妻と二人の娘がいる。
 
怪我は厭わず行動します。
依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。



「領主館が屍兵で溢れたと。――民間人で滿たされるより良かったじゃないか」
 |闇の救済者《ダークセイヴァー》達が絶望を過らせる中、小気味佳い微笑を浮べたのは七星・龍厳(紅蓮の竜殺し・f14830)。
 領主館の広い廊下や階段を這い擦った呪炎が、床から屍兵を――黑騎士を召喚すれば、泥のように隆起して大群を成す連中に堂々正對した龍厳は、一縷と怯まず、露聊かも恐れず、強く握り込めた兩拳を胸の前で突き合わせた。
「――道を開けよう」
 言って直ぐ、爪先を蹴る。
 此度の獲物は竜で無し、バルムンクは鞘に祕めたまま廊下を駆けた龍厳は、目の前に迫る黑騎士が抜劍するより迅く懷へ侵襲すると、劍夾に向かう腕ごと押し込むように“手”を差し入れたッ!
「聽けばお前達は、嘗て領主に抗った人間だとか」
『――ッ!!』
「己が成し得なかった事を拓こうとする後輩を殺めるのは止せ」
 領主に鎖がれた黑騎士を解放せんと閃く、【因果干渉】――別なる因果律へと結ぶ手。
 本懷を遂げられずに散った彼等の因果ごと變えんと肉薄した龍厳は、彼等を元の呪炎へ、|隱現《ちらちら》と舞う火粉にして進んで行く。
「領主の首を獲りたい奴は、俺に続け」
 背越しに掛けられる聲に雄渾を得た友軍が、続々と領主館へ踏み込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんけどぉ、だからと言って乱発すればいいってものでもないですよねぇ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談すればいいでしょうかぁ~?
けどぉ、非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
大丈夫ですよぉ~、手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
荒事以外の御用ならめいっぱい楽しんじゃいますよぉ~。
特に読み物なんかは好きですねぇ~。
※アドリブ・連携歓迎



「道が屍兵で塞がれているんですねぇ~? それじゃお手伝いするのですよぉ~」
 ゆるゆる、おっとりとした口調で前に進み出たのは、向・存(葭萌の幽鬼・f34837)。
 これより進む廊下にも屍兵が黑々と溢れていたが、己とて死を潜った僵尸だと矜持を示した佳人は、滅亡卿が敷いた“死者の帝國”で巧く立ち回ってみせようと、兩の纎手を振り被った。
「全力で參らせて戴きますねぇ~」
 紅脣を滑る佳聲は穩やかに、而して間もなく閃く【連続斬奥義】は凄惨苛烈に。
 玉臂に巻かれた繃帯をしゅるしゅると伸ばした向存は、躯を巡る霊氣を流して只の白布を白刃に、嫋やかに舞っては靭やかに斬る、見事な劍技で黑騎士を圧倒した。
「多少の損耗は大丈夫ですよぉ~」
『くッ、お嗚乎!!』
「手足の二・三本くらい捥げてもなんとかなりますのでぇ~」
 向存は嘗て劉璋の麾下、東州兵として選ばれた歴戰の将。
 敵が一撃を衝き入れる間に、二回、三回と刃を躍らせて武器を彈き、鎧の隙間に鋩を沈める絶技も妙々たるもの。
 葭萌の戰いも斯くありなんという強靭さで屍兵を撃破した佳人は、そのまま館内を先行し、
「さぁ~、領主を探しましょうねぇ~」
 と、輕やかに跫音を響かせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコード使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?



「人々の希望と成り得る|闇の救済者《ダークセイヴァー》達を、領主の處へ送る。――邪魔をしないでくれるかな」
 呪炎に紡がれた屍兵の大群を、硝子を隔てた黑瞳に睨める筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)。
 己が役儀を果しに行こうとする革命軍の勇士を守るべく、身ごと盾の如くして進み出た黑髪の少年は、纎手に握れる魔法劍の鋩を敵群に結ぶと、我が身に宿れる魔力を|迸發《ほとばし》って其の輪郭を解いた。
「特段の面識がある訳じゃないけど。皆が傷付けば仲間が悲しむし、この街の人々も胸を痛めると思うから――」
 實の處、誰かと戰うのは好きじゃない。
 でも、誰かが傷附くのはもっと好きじゃない。
 眼鏡の奧に隱した漆黑の虹彩を、刹那、煌々と輝く黄金色に變えた少年は、【|極楽鳥花嵐《ストレリチアストーム》】――鮮やかな色彩を放つ花片を亂舞させ、細刃の嵐を叩き付けた。
『ッこれは……グ嗚嗚ッ!!』
『此方は削られるのに、斬れもせぬ……ッ!!』
 一瞬だけ意識を兆したのはトール。魔法を得意とした双子の兄。
 白磁の纎指を眼鏡に添えるや、再び黑瞳を見せたトオルは、肩越しに聲ひとつ。
「ここは任せて。皆は急いで領主の處へ」
 と、凛と澄むテノールに一同を送り出すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

七那原・望
アマービレでねこさんの数を増量しながら突入。
先と同様にねこさん達の全力魔法で味方全員の能力を限界突破させて強化。
更に浄化と水と光の属性を付与した多重詠唱の結界も全員に纏わせます。これで敵の遠距離攻撃対策も万全です。

長引かせるつもりはありません。即座に決着を着けます。
第六感と心眼と気配感知で敵の行動を見切り、会敵の瞬間すぐにアマービレで敵の全身を拘束。
次にねこさん達の全力魔法の念動力で敵を高く浮かせます。

その斧は厄介ですね。でも振れなければ、そして地面に当たらないならただの斧です。

背中の翼で飛び上がりながらスタッカートを使い、絶・蘇威禍割で斧を粉砕。更に2回攻撃でそのまま滅亡卿も砕きましょう。



 猟兵の支援によって領主館の最奥部「謁見の間」に至った|闇の救済者《ダークセイヴァー》は、4名のユーベルコード使いと、隊長格の彼等に從う12人の戰士達。突入時に再編成された、比較的損耗の少ない精鋭部隊だ。
 此處まで辿り着けなかった者も居るが、彼等は館の内外に出現した屍兵の掃討や負傷兵の救護、また領民を安全な場所に避難させる等しており、皆々が場所を違えて戰っている事は全て「音」が教えてくれる。
「長引かせるつもりはありません。――さぁ、雌雄を決しましょう」
 勇士らを連れて先頭を歩き來たのは、七那原・望(封印されし果実・f04836)。足元には沢山の魔法猫。
 鳴聲の代わり魔法を紡いで闇の救済者達の能力を底上げした猫達は、道すがら水と光で構築した結界を張り巡らせ、攻城兵器の対策も万全にしていた。
『……來たか』
 連中だけでは辿り着けなかったろうと、望を虚瞳に射た滅亡卿は、己が認めた最大最強の天敵に巨斧一揮ッ!
 地面を斧刃に削り取るや、海嘯の如くせり上がる衝撃で先制を仕掛けた!
『その者達に私の首を取らせると?』
「それだけの支援はしました」
 轟然と迫る衝撃を挟み、短く言を交す。
 然し次の瞬間、颯ッと白翼を広げて舞い上がった望は、衝撃波を超えて高みに躍り出るとへ、黑刀と白劍を抜きざま【|絶・蘇威禍割《アブソリュートリィ・ディバイド》】――超高精度かつ神速の一刀を振り払った!
「ねこさん達、今です!」
「にゃーお」
 滅亡卿が巨斧を構えた瞬間、力強く踏み込む両脚が掬い上げられる。
 佳聲を合圖に尻尾をピンと立てた猫達は、一斉に念動力を操って邪の巨躯を拘束すると同時、双刃が紡いだ斬撃波の射線まで持ち上げたのだ。
「その斧は厄介ですね。でも振れなければ、そして地面に当たらなければ、只の斧です」
『力が……入らん……ッ!!』
 大きな処刑斧を振るうには、相應の溜めが要る。
 会敵の瞬間から心眼を烱々と敵の挙動を見極めた望は、初撃を慥かに命中させると、その激痛にギリッと齒嚙みした「音」の方向へ、今度は無数の劍閃を浴びせた。
「この場に処刑者は居ません。だから絶対に砕きます」
『ッ……ぐッッ……!!』
 足も踏み込めず、地形の有利も得られぬ滅亡卿は、盾で守るのが精一杯。
 蓋しその盾も今に破砕して遣ろうと望は冱刃を一閃、二閃ッ! 新たなるせかいの夜明けを拓かんと、“夢奏”の響きを奏でるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルトリウス・セレスタイト
続きもあるので手短に行くぞ

状況は『天光』で逐一把握
守りは煌皇にて
纏う十一の原理を無限に廻し害ある全てを世界の外へ破棄
要らぬ余波は『無現』にて消去
全行程必要魔力は『超克』で骸の海すら超えた“世界の外”から常時供給

絢爛を起動
起点は目の前の空気
破壊と因果の原理で戦域の空間を支配
オブリビオンのみを対象に、破壊の原理を斬撃に変換し解放
戦域全てを隙間なく、同時に、その場に直に現れる斬撃で覆い尽くす

万象一切に終わりを刻む破壊の原理に例外はない
闇も影も等しく終わるのみ
潜んでも結構。朽ちるまで継続し斬滅するまで

どうせ次の黒幕気取りも滅ぼす
骸の海で戯れる相手には困らぬ故、安心しろ

※アドリブ歓迎



 而して床面を削りながら迫る斬撃の海嘯は、血を見るより疾く掻き消される。
 |淡靑《ほのあお》い光膜『無現』を敷いて|闇の救済者《ダークセイヴァー》達の負傷を“否定”したアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)が、代わりに吹き渡る風に前髪を梳らせつつ、その奧に祕める藍彩の瞳を烱々とさせていた。
「――手短に行くぞ」
 滅亡卿は、その名の通り此の場で滅亡するのが|任務《しごと》で、己達には“続きがある”。
 互いに早く竟らせるべきだと、我が身に宿れる十一の原理を急速に励起させた彼は、己と巨邪の間に存在する空気を起点と捉えると、【絢爛】――戰域たる「謁見の間」の全てを、“破壞と因果の原理”で支配した。
 その原理は間もなく事象として|顕現《あらわ》れよう。
「骸の海を潜り來た者のみに、破壞の原理を斬撃に變換して解放する」
『――ッ!!』
「|閃爍《きらめ》け」
 ザワ……と波立つ何かに触れたヴォルフガングが、咄嗟に闇となって柱陰に遁れるも、間に合うまい。
 斬撃は半径136m圏内を隙間なく埋め、覆い尽し、影という影を伝い渡る闇を絶つ――!
「生身を棄てたのは正解だ。でなければ輪郭以上を喪失っていた」
(『ッッ……常闇に潜らねば……ッ』)
「遁げるも隱れるも結構。朽ちるまで繼続し斬滅するまで」
 原理を司るには厖大な魔力を必要とするが、其は世界を超えて届く『超克』が無限に汲み上げてくる。
 手短にとは云ったものの、長引いた処で劣勢にもならぬと、烱瞳を冷然と眇めたアルトリウスは、次いで靜かに交睫すると、長い睫を持ち上げて云った。
「どうせ次の黑幕気取りも滅ぼす。その末路に違いは無い」
(『……気附いていたか……っ』)
 闇と化し影に溶けた滅亡卿の聲は聽こえまい。
 猟兵が何處まで把握しているか――滅亡卿には万象を見通す瞳がブラッド・ウォーデンを視ているとは知るまいが、アルトリウスは今の戰いを愉しげに傍觀する|吸血鬼《おとこ》に向けて、冷然と口を開く。
「骸の海で戯れる相手には困らぬ故、安心しろ」
 聽いているのだろう、と。
 含みある言に、「何處かで」「誰かが」|嗤笑《わら》った気配がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マグラ・ユメノミヤ(サポート)
「木戸銭は結構――貴方がたの苦痛と骸さえ頂ければ、十分ですから」
◆口調
・一人称は私、二人称は貴方。持って回ったような物言いで、敵にさえ敬語を用いるものの内容は悪辣
◆癖・習性
・コワモテに反してぬいぐるみや人形を好む
・苦痛を受ける度に気分が高まる性癖
◆行動傾向
・妻と部下をオブリビオンに殺された経験から生命の埒外に到達した悲しみの猟兵。胸中に渦巻くのは、復讐心と愛する者を護れなかった罪悪感……
・見えざる魔力のからくり糸で、凶器を仕込んだ球体関節人形を自在に操ってあらゆる試練に挑む。ダークセイヴァーを出自とするだけあって、そのスタイルは冷徹で老獪
・死霊術士であることから、魔導にもいちおう通暁している



「領主の首に刃を突き立てるのは、私でもルーチェでもなく、あなた方が|相應《ふさわ》しい」
 |闇の救済者《ダークセイヴァー》達を背に護りつつ、肩越しに渋味あるバリトンを添えるマグラ・ユメノミヤ(堂巡魔眩の人形師・f35119)。
 戰爭卿とやらは、領主の首が銀の皿に取り上げられる革命劇を待ち望んでいるようだが、彼に肩入れする訳で無し、この死鬪を畢らせる「演者」が必要だとは、皮肉にも賛同を示す彼である。
 影を飛び渡っていた闇が、間もなく人型に戻る――その気配に触れた彼は、舞台を整えるべく節ばった繊指を操った。
「時を創りましょう」
 猟兵相手なら刹那でも宜しかろうが、彼等には然う……“十三秒”。
 十三秒あれば、彼等の咆哮が猛々しき銃砲劍戟となろうと嗤笑を浮べた老紳士は、|処刑操法「狂気地獄祭文」《エクスキューション・グランギニョール》――滅亡卿が輪郭を取り戻した瞬間を支配した。
「戰功を競う|年齢《とし》でもありません。絞られる苦痛だけ受け取りましょう」
『――!!』
 刹那、見えざる魔力の絡繰り絲が領主の四肢に絡み、その躯を傀儡とする。
 熟練の人形師が命じたのは“|靜止《ポーズ》”――闇の救済者達が其々に攻撃を命中させられるよう領主の挙動を止めた彼は、虚しく生き残ったこの身、残された|寿命《とき》など呉れて遣るとばかり、熱く|迸発《ほとばし》る血の色を眺めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

壽春・杜環子
【空環】
そのつまらないお決まりな物語に、わたくし達が光をあげる

蓮見くんの後に即UC
始めましょう?ほら、|わたくし《万華鏡》の世界へようこそ

さ、本当はどこ?欲しいものは?
探して見つけて、救済者の皆々様
その身はわたくし達が守ります…ね?蓮見くん

救済者や蓮見くんへの攻撃は酣春の式神で誘惑して逸らし、泡沫の落涙の光を光属性にし、海神の泪の全力魔法で増幅
この物語に欠けているのは輝き
ゆえに燈しましょう
大丈夫、恐れないで
お前の知らなかった“煇”はここに

あらあら怖いお顔
わたくし涙が出てしまいそう…
そう、浄化の雨でも降らせましょう?泪のように…
海神あの泪で床を一突き高速詠唱に乗せた全力の魔法で出し惜しみなく


蓮見・双良
【空環】

僕自身が英雄になりたい訳じゃない
なるのはあくまでも|救済者達《彼ら》
僕はただ彼らを後押しするのみ
理由が必要なら"敵が気にくわないから"
ここではそれで十分でしょう

UCで先制攻撃
生むのは"今"見える景色と同風景
故に敵は気づかない
自分達が悪夢に喰われ始めたことに
それに、このUCは杜環子さんのと相性が良いでしょうし
くすりと笑み

ええ、杜環子さん
UCが切れても高速詠唱で再発動
治癒も攻撃も途切れさせません

ナイトメアの裡から蝕む精神攻撃に
敵はどこまで耐えられるでしょうね
喰らう滓すらなければ、その仮初の命を頂くまでです

常に杜環子さんを守るよう前に立ち
彼女への攻撃はかばう
あなたの光は、僕が途絶えさせません



「領主に死を!! |泯滅《ほろび》を!!」
「彼奴に代わって賽を振れ!! 鐘を鳴らせ!!」
 マグラが寿命を削って差し出す時の間に、次々と銃彈劍戟を突き立てる|闇の救済者《ダークセイヴァー》達。
 領主館を搖らす喊聲も彼等の背を押していようか、革命の氣運を目の當たりにした蓮見・双良(夏暁・f35515)は、増援を喚ばんとする滅亡卿に先んじて鋏音を――淡白く燦けるAlbireoを鏘々と鳴らした。
「僕自身が英雄になりたい訳じゃない。なるのはあくまでも|救済者達《彼ら》で、僕は唯だ其の後押しをするのみ――」
 透徹と澄むテノールが連れるは、【ファントム・ドリーム】。死者の帝國を上書きする夢現の世界。
 床面からズルリ……と屍兵が滲出する、滅亡卿が次に招くであろう景色と同じ映像を生んだ双良は、彼奴に黑騎士らを配下と思わせた儘、瑠璃色の玉瞳を|眼眦《めじり》に流す。
 瞶める先の芙蓉一花、壽春・杜環子(懷廻万華鏡・f33637)は彼の流眄に嫣然ひとつ。而して次の瞬間を預った。
「お願い出來ますか」
「勿論ですとも。――ほら、|わたくし《万華鏡》の世界へようこそ」
 玉を轉がす樣な佳聲が瀲灔と光を溢れさせ、【|万華万斛域鏡《コエ》】を紡いだのは間もなくの事。
 双良が生成した「偽りの死者の帝國」を燦爛たる|芬華《かがやき》に際立たせた杜環子は、瞬時に影を伝い渡る闇の機動を明らかにすると同時、闇の救済者達に狩るべき首の――『滅亡卿』ヴォルフガングの座標を差し出した。
(「滅亡卿は悪夢に喰われ始めたことに、まだ気附いていないでしょう」)
(「|救済者達《彼ら》が當初の目的を、記憶を|喪失《うしな》う前に……ですわね」)
 こうなれば二人が戰場に塵を立てる必要は無い。
 双良は杜環子を庇うように前に立ちつつ、而して杜環子は頼もしい背に護られながら、滅亡卿を打倒せんと奮起する闇の救済者達に呼び掛けた。
「さ、|眞當《ほんとう》はどこ? 欲しいものは? 探して見つけて、救済者の皆々樣」
 狙うは、影を滑る闇が輪郭を得た瞬間。
 防禦力と再生力が戻る人型なれば、埒外の異能を持たずとも攻撃を通す事が出來ると勇士を支えた二人は、背越しに小気味良く一瞥を交す。
「その身はわたくし達が守ります……ね? 蓮見くん」
「ええ、杜環子さん」
 くすりと口角に|微咲《えみ》を添える双良こそ、互いのユーベルコードの相性の良さを實感していよう。
 仮初に生み出された屍兵の大群は、闇の救済者ならぬ領主を攻撃し、そうして滅亡卿が混亂にある裡に降り注ぐ光が闇の救済者達に|瞭然《ハッキリ》と標的を差し出す――この攻守を支える支援は、治癒を併行して一瞬も途切れぬ。
 初めて踏み入れる世界、其々の勇士が抱える悲劇すら知らぬものの、斯くも肩入れするに理由があろうか。
(「理由が必要なら、“敵が気にくわないから”――此處ではそれで十分でしょう」)
 緩く|頭《かぶり》を振ったのも一瞬。
 闇の救済者達の猛攻を拒まんと、滅亡卿が幾度と屍兵を召喚すれば、双良はその度に同樣の別風景を生み出して攻撃させ、処刑斧の軌跡を翻弄する。
「扨て、どこまで耐えられるか……喰らう滓すらなければ、その仮初の命を頂くまでです」
『猟兵……ッ!! お前達が奇術を弄して手助けしている事は理解っている……!!』
「ええ、理解れば破れる、という訳で無い事も御存知でしょう」
『ッ、ッ!!』
 忌々しげに齒嚙みしたヴォルフガングが、血漿を引き擦りながら床面に消える。
 闇そのものに姿を變えれば、常闇が手厚く庇護してくれたろうが、杜環子を背に凛乎と構えた双良が、佳人が紡いだ光を途絶えさせる事はあるまい。
「あらあら怖いお顏をなさって。わたくし涙が出てしまいそう……」
 背越しに届く金絲雀の囀聲。
 その美しきこと麗しきこと。
「淨化の雨でも降らせましょう? 然う、泪のように……」
 ころころと佳聲を轉がした佳人は、魔杖をひとふり、杖鋩に戴ける靑玉を煌々と輝かせて|守護《まもり》を厚く、逆手に提げた角燈より溢れる光と併せ、闇の救済者達と双良を守る光をより一層際立たせた。
 而して佳人は出し惜しむまい。
「その|徒然無《つまらな》いお決まりな物語に、わたくし達が光をあげる」
 この物語に欠けているのは「輝き」。
 故に燈しましょうと、花車の躯に祕める厖大な魔力を|迸發《ほとばし》った杜環子は、謁見の間に切り出される影を灼かんばかり光を溢れさせ、闇と化す滅亡卿の逃げ場をどんどん狭めていく。
「大丈夫、恐れないで。お前の知らなかった“煇”はここに――」
『――ッ!!』
 佳聲は變わらず|優美《しとやか》に|閑雅《しとやか》に。
 数多幾多の世界へ遍く悉く広がる光が、翳陰に隱れる“闇”を追い詰めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

司・千尋
連携、アドリブ可

お前が滅亡卿?
その首貰いに来たぜ


攻撃は基本的に『翠色冷光』を使用
回避されても弾道をある程度操作し追尾させる
近接や投擲等の武器も使い
早業、範囲攻撃、2回攻撃など手数で補う
斧や攻城兵器群は優先的に狙う
武器破壊出来たら楽になるんだけどな
関節部等も狙い目か?


敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
回避や迎撃する時間を稼ぐ
間に合わない時は双睛を使用
闇の救済者への攻撃は最優先で防ぐ

攻撃回避時は斧が地面に当たるまで
鳥威を展開させ続ける
勢いを殺せば全霊の一撃じゃないよな?
瓦割りみたいに景気良く割って良いんだぜ?
サービスしてやるよ



 目下、蜂起した市民が領主館前に集まり、革命が果されるよう叫んでいる。
 領主の首が銀の皿に取り上げられる瞬間を待ち望んでいるのだと、天地を撼す喊聲を聽いた司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)は、聽覺は勿論、視野も広く“別なる變化”を捉えていた。
「血臭を嗅ぎ附けたか、|鵶《カラス》が集まってきた」
 翠緑の瞳は「謁見の間」で繰り広げられる死鬪を視る一方、血斑に濡れる窓景も聢と見ている。
 死肉を食む鵶が戰場に群がる光景はよくあるが、とまれ、気になったのは間違い無い。
「……まぁ、|眞當《ホンモノ》の鵶かどうかも怪しいけど」
 常闇に滑る漆黑の翼に烱瞳を結んで幾許、交睫ひとつして視線を戰場に戻す。
 而して雪嶺の鼻梁を眞直ぐ前へ――影から影へと伝い渡っていた「闇」が、領主ヴォルフガングの輪郭を得た瞬間を捉えた千尋は、刹那、白磁の如き麗顏を蒼白く輝かせた。
「その首貰いに來たぜ、滅亡卿」
『ッ、――!!』
「無闇に欲しがる訳じゃない。使う|目的《アテ》があるんだ」
 空虚な眼窩に飛び込むは、【翠色冷光】――冷月の如く燦く光彈。
 曲線も螺旋も自在に描ける冱撃だが、直線が何より樂……いや望ましいと飄然を覗かせた彼は、綺羅と光の尾を引く光彈が領主の太腿を貫き、どぶり噴き上がる鮮血が|津々《しとど》床を濡らすのを見た。
『くっ……おを雄雄乎ッ!!』
「その斧も破壞出來たら樂になるんだけどな」
 激痛を靴底に踏み拉いて処刑斧を振り被る巨邪の前、距離を取りながら光彈をもう一發ッ!
 体勢を崩せば渾身の一撃は出まいと臂関節を射抜いた千尋は、ぐうらと傾く斧刃が振り下ろされる先、床面スレスレに逸早く鳥威を滑らせた。
「おっと、餘り壞して呉れるなよ。此處は|闇の救済者《ダークセイヴァー》達の拠点になる」
『!! |命中《あた》らせぬと……!』
「代わりにサービスしてやるよ。瓦割りみたいに景気良く割って良いんだぜ?」
 全霊の斧撃が地面に當たらなければ、攻城兵器が生まれる事も無い。
 勇士らの命を最優先にする彼は、床を這うように鳥威を複数展開すると、今度はタイミングをずらして光彈を射出!
 咄嗟に構えられる黑鋼の盾を貫通すると、その隙間に小気味良い|艶笑《えみ》を覗かせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ディルティーノ・ラヴィヴィス
誰かさんの物語の台本なんて知らない
ただ言える事は一つ。フィナーレを飾るのはあんたじゃないんだ、悪いね

とはいえ相手の強さは武器を交える前でも分かる
色々考えてもいいけど、舞台上では即興も大事だと思うんだよね

あの斧の一撃、外されても厄介そうだね
だから…いいよ、来な。真正面から勝負だ
野太刀と『右腕』を差し出して、全身で攻撃を受け止めてやる
例え足場が崩れて僕自身がボロボロになったって構わない
だってほら、僕の右腕は呪われてるんだ。僕の右腕が壊れない限りは笑って耐え切って見せるさ
それにこうすればあんたの武器、刃ごと握れちゃうもんね

捕まえた。僕の白刃の一撃、受けてくれる?
これが僕の技、【天地無双剣改-絶-】だ



「……|鵶《カラス》、ね。|何方《どちら》を觀に來たんだか」
 鼻を衝く血臭に鵶が集まってきたとは、ディルティーノ・ラヴィヴィス(黄昏の獅子・f38911)も知る処。
 窓に覗く空、常闇に羽搏く黑翼に瞥見を結んだ佳人は、蓋し見世物じゃないと交睫して|訣別《わか》れると、追い込まれて猶も立ち開かる巨邪、領主ヴォルフガングに烱瞳を結んだ。
『――成程、お互いに気附いているという訳か』
「知らないよ、誰かさんが喜ぶ物語なんて。台本を|捺擦《なぞ》る|心算《つもり》も無い」
 床に広がる赫い海に、ほたほたと零れる血滴のひとつふたつ。
 |闇の救済者《ダークセイヴァー》達の猛攻を浴びて幾許、未だ雄々しく二本の脚で立つ男に底知れぬ強さを感じるが、色々と戰略を巡らす|稟性《たち》でも無し。轟砲連打の葬送曲に即興で立ち向かうのも、舞台としては|壯快《おもしろ》いと冒険心が湧く。
 端整の脣に|艶笑《えみ》を湛えた麗人は、白銀の野太刀を構えて告げた。
「唯だ言える事は一つ。フィナーレを飾るのはあんたじゃない」
『残念だ』
「悪いね」
 二、三言の遣り取りをするのは正面から。
 呪われし右腕を差し出して手招きひとつ、冷やかなコントラルトを囀ったディルティーノは、次の瞬間、驒ッ! と床を蹴るや眼路いっぱいに飛び込む巨斧を全身で受け止めると、強く踏み込めた足場に無数の亀裂を走らせた。
『眞向勝負、挑んだなら應えて見せよ……!!』
「勿論、耐え切って見せるさ。どれだけボロボロになったって構わない!」
 外されても厄介な斧撃は、受け止めるのも手。
 刹那、凄まじい波動が放射状に突き抜けるが、抗衡する兩者にはそれ以上の衝撃が全身を駆け巡ろう。
 臓腑が捻切られそうだと嗤った佳人は、咥内に鐵の味が広がるのをその儘、まだ感覺のある右腕が勝利を摑もうと、膂力いっぱい握り込めた。
「ほら、こうすれば――あんたの武器、刃ごと握れちゃった」
『何……!!』
「折角捕まえたんだ。僕の白刃の一撃、受けてくれる?」
 たった一音で葬送曲が止まるなら、これ程の痛快は無かろう。
 寧ろ其を求めるべきだと決意したディルティーノは、【天地無双剣改-|絶《ゼロ》-】――右腕に宿れる|棘《ソーン》を斧に絡めながら、左腕に握れる野太刀を一閃ッ!
 滅亡卿の胴部へ眞一文字に刃撃を疾らせ、遂に膝をつかせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)
警戒しつつパフォーマンスで私自身の身体能力を上昇させる。
次に封印を解きリミッターを解除した上で限界突破しよう。
そして属性攻撃と破魔付与の全力魔法を高速詠唱で行使。
使うのは【禍の魔杖】だ。全力の本数を滅亡卿へ叩き込む。
回避は野生の勘と第六感と見切りで行おう。

フェイントを加えながら全ての『紅の剣』を操作しよう。
殆どの『剣』は滅亡卿へ割いて数十本は防御やフォローに。
相手も全身鎧のようだから『紅い剣』を隙間に差し込む。
もしくは眼窩。目の穴の部分に突き込む。
こうすれば壊死の効果が肉体に与えられると考えている。
鬼とか容赦ないとか言うな。露。相手は敵だろう?
それに隙や余裕を与えてやるとこちらが痛い目をみる気がする。

露の動きに合わせたかったが…技の動きが早くて難しいか。
何時も見慣れた剣技の速度の倍以上の速さのような気がする。
だがどんなに早くても慣れればあの子のタイミングは把握している。
露が滅亡卿から一時離脱したタイミングで『剣』を放つ。
これで露を追いかけて攻撃することはできないだろう?


神坂・露
レーちゃん(f14377)
リミッター解除してから限界突破して技を繰り出すわ♪
重量攻撃と破魔に残像に早業を使って【女皇の剣舞】よ。
愛剣二本で山羊骨頭さんの攻撃を捌きつつ斬るわ。
ダッシュでさらに加速して懐に入って一撃したら退って。
退く時とか懐に入る時なんかに時々フェイントかけて。
斧の攻撃に合わせてカウンターをしかけちゃうのもいいかも。
しかもそのカウンターもフェイント♪
重そうな斧だから相手の力を受け流す感じにするわね。
だってだって。あたしの腕じゃー受けるの無理だもん。
そして攻撃の回避は見切りと第六感に野生の勘でするわ。

あたしの技の速さにレーちゃんがフォローを躊躇してる感じがする。
それは仕方がないわ。だって『銀の舞』よりも早い新しい技だもの。
でもでもそれは初めのうちで段々慣れてきて何時もの感じになって。
わーい♪流石レーちゃんだわ。もうあたしのタイミング掴んでる♪
それにしても…。
レーちゃんの攻撃は慈悲の欠片もなくってすっごく容赦がないわ。
理解はできるけど…同じオブリビオンでも対応が全く違うわよね。



 |闇の救済者《ダークセイヴァー》達は竟に領主館の最奧部「謁見の間」に至り、滅亡卿ヴォルフガングと相見えた。
 館を撼がす喊聲が煽るように、彼等は領主の首を取るべく死に物狂いで銃劍を振るうが、悲願が果される|瞬間《とき》を前にシビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)の警戒は愈々強くなる。
「……気を附けろ、露。|鵶《カラス》が集まって來ている」
「血の匂いを嗅ぎつけたかしら。或いは――」
 言って、月白の玉瞳を窓外に遣る神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)。
 革命が成される瞬間を愉しみにしているであろう者が見ているのは間違いないと、共に戒心を強める。
「彼奴の思惑通りに事を運ぶのは癪だが……ここは革命を援けよう」
「そうねぇ、向こうが望む結末は描けないけれど♪」
 勇士らの革命は成功させる。
 然し彼等を畢らせはしない。
 誰を奈落に突き堕とすか、猟兵こそ舞台装置と成るべきと首肯を揃えた二人は、花車に宿せる厖大な魔力を励起し、身体能力を極限まで高めて床面を蹴った。
「全力を|打擲《ぶつ》ける」
 先に動いたのはシビラ。
 猛撃を受けた滅亡卿が生身を棄てて闇と化す――その瞬間を捉えた佳人は、【|禍の魔杖《レーヴァティン》】ッ!
 纎手に握れる魔術杖を胸元から差し出すや、1,340本の紅の劍に幾何學模様を描かせ、戰場内の影という影に突き立てては滅亡卿の逃げゆく先を脅かした!
「Dezlănțuiți cu nouă taste. 選ばれし者の理に從え」
(『――ッ!!』)
 シビラの魔力を吸って眞紅に染まった|斬鋩《きっさき》は、掠めた部位を壞死させる|呪詛《のろい》も籠められている。
 躰の輪郭を解いて闇と化すなら、その闇ごと貫いて遣ろうと緋劍を躍らせたシビラは、刹那、柱影に呪炎が搖らめくのを視認すると、目配せして次撃を託した。
「増援の対應を」
「任せてっ♪」
 云うや、シビラの脇を颯爽と疾る蘭麝の馨。
 手に馴染む二振りの愛劔に光を湛えて躍り出た露は、【|女皇の剣舞《ダンシング・クィーン》】――鈍色の疾風を纏って黑騎士の|大群《むれ》へ、刃を交えること閃々、劍戟を結ぶこと鏘々と、光と音を踊らせながら屍兵を斬り倒していく!
 刮目すべきはその|迅速《はやさ》。
 眞直ぐ屍兵に向かったと思えば、連中の武技が閃く瞬間に軌道を變えてフェイント! 己の代わりに残像を斬らせ、武器が振り切られた瞬間に二刃を衝き入れるスピードには、シビラも喫驚の色を差す。
「――銀の風、か」
(「露の動きに合わせたかったが……技の動きが早くて難しいか。普段の劍技の倍以上は速い気がする」)
 蓋しシビラが呻るのも無理は無い。
 今の露は最高速度13,400km/h、マッハ10を優に超える速度を自在に操る疾風で、シビラが幾度と目にした【銀の風】よりも速い、新しい技なのだ。
 然し如何に露が疾かろうと、置き去りは許すまい。
 幾度と軍場を共にした戰友だ、慣れれば呼吸も揃えられると金瞳を研ぎ澄ました彼女は、露が疾駆する軌道を避けて紅の劍を一斉降下ッ! 謁見の間にある全ての翳陰に劍を突き立てると同時、再び輪郭を取り戻すヴォルフガングを露に差し出した!
「|滅亡卿《こいつ》を狩れ、露」
「わーい♪ 流石レーちゃんっ! もうあたしのタイミング摑んでる♪」
 拈華微笑が快いと、露も莞爾と|微咲《えみ》を零そう。
 最初は彼女もシビラがフォローを躊躇っていると感じていたが、緋劍の鋩が游いだのも僅かのこと。あっという間に此方のスピードを把握して合わせてくる――戰鬪慣れした戰友が頗る頼もしい。
 而して己も應えようと、敵懷に肉薄するや纎躯を大きく撓らせた露は、二刃の軌跡を一つにした。
「盾が邪魔よねー♪」
『ッ、ッッ――!!』
 花車から繰り出たとは思えぬ重い斬撃は、驚異的なスピードから引き出されたものに相違無し。
 咄嗟に差し出た巨盾も構わぬと叩き付けられた衝撃は、厚みある黑鋼を硝子の如く粉砕したッ!
『ッやってくれる……!!』
「あっ、斧は重そうだからお斷りするわ! だってだって、あたしの腕じゃー受けるの無理だもんっ」
 ブンと音を掠める反撃の斧は、二刃を交差させて受け流す。其は全き「勘」。
 そして一時離脱したのも積み重ねた戰鬪勘だったろうか、轟然と迫る処刑斧の風のみを受け取って飛び退いた露は、そのタイミングで一気に飛び込む紅の劍に眼路を赫く染め上げた。
「これで露を追いかけて攻撃することはできないだろう?」
『貴樣……ッ!!』
「鎧の隙間に、目の窪に、呉れて遣る」
 千を超える紅の鋩が鎧の隙間と眼窩に差し込まれ、肉体そのものに壞死の効果を行き渡らせる。
 骸の海を潜って受肉した躯が急激に朽ちていく痛みを味わった彼は、斧を杖の如く突き立てて堪えるしかあるまい。
 その間、露は今の冱撃に瞳をぱちぱち、再び合流するシビラを喫驚に迎えた。
「レーちゃんの攻撃は慈悲の欠片もなくって……すっごく容赦がないわね……鬼だわ……」
「鬼とか容赦ないとか言うな。相手は敵だろう?」
「理解はできるけど……同じオブリビオンでも対応が全く違うわよね」
「隙や余裕を許すと、此方が痛い目をみる相手だ」
 云って、シビラが滅亡卿に烱瞳を注ぐ。
 而して彼女の言う通り、巨邪は全身から血を噴いて猶も雄渾と、「最後の砦」らしく闇の救済者達の前に立ち開かっていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
負傷した闇の救済者達には無理をさせられない
たとえ領主を倒せても、肝心の彼らが生きてくれなければ意味が無いからな

距離や攻撃方法を変えつつ、絶えず攻撃を仕掛ける
敵が対応し難い戦法や部位を探りたい
常に動き続けることで足を止めて隙を晒す事も防ぐ
力が足りなければ真の姿も出し惜しみしない(月光に似た淡い光を纏う。犬歯が牙のように変化、瞳は夜の獣のように鋭く光る )

こちらに対し全く油断の無い滅亡卿に正面からぶつかるのは分が悪い
攻撃の通りやすい部位や攻撃方法を特定次第、UC【インビジブルガスト】を発動
急加速で駆け抜け敵の視界から瞬時に外れる事で隙を作りたい

先のUCで敵の視界外へ滑り込み、続いてUC【サプレッション・バインド】で滅亡卿を攻撃
呪炎の発動を防ぐのがベストだが、発動されていた場合でもそれ以上の使用を封じる為
四肢や急所へ弾丸を撃ち込み、呪炎や屍兵の操作を維持する余裕を殺ぐ

屍兵が止まったら手を休めず滅亡卿へ追撃
闇の救済者達のおかげでここまで到達できた
彼らの流した血を無駄にしない為、引き金を引き続ける



「僕はもう進めない……だが諦めてはいない!!」
「ジルモントさん、彼を領主の処まで頼む……!!」
 噫、噫と。
 血に滑る手を強く握り、惜しむように離しては、前に進む。何度も、何度も。
 戰塵に穢れたシャツを赫く染めて館内を進んだシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は、道半ばにして斃れた者の代わりに勇士を率いて「謁見の間」へ、領主ヴォルフガングと相對するや眞の姿を解き放った。
「――首を取れ。その爲の時間は俺が作る」
 冱えたバリトンを滑らせる佳脣に、牙の如く鋭い犬齒が覗く。
 |戰友《とも》の血と涙に濡れた躯は月光に似た淡白い光を纏い、空色の瞳は煌々と輝いて獲物を射る――まるで夜の獸。
 天敵を前に|侮辱《あなどり》も|輕蔑《さげすみ》もなく立ち開かる領主に對し、覺悟か誠意のようなものを見せたシキは、出し惜しみはすまいと駆け出すなり急加速した。
「命を無駄にするな。その無理は俺がする」
 此處まで辿り着いた者達も決して無傷では無い。
 たとえ領主を倒しても、肝心の彼らが生きてくれなければ意味が無いと床面を蹴った彼は、獸めいた動きでジグザグと柱陰を疾ると、常に敵の死角へと回り込み、不斷に銃撃を仕掛けた。
(「此方に對し、全く油斷の無い相手に正面からぶつかるのは分が悪い――」)
 間合い、角度、攻撃方法。
 そのどれかに攻略の筋があると探るように駆けたシキは、速く、迅く、姿が消えたと錯覺するほど高速に移動して、滅亡卿の視覺――ひいては意識の外まで駆け走った。
『ッッ……何處に消えようと、怒りの日からは遁れられぬ。死者の帝國に馴染まぬ者は篩に掛けられよう』
 戰場中に呪炎が降り注ぎ、屍兵らが続々と床面から這い出るが、手数を増やした處で捕えられる|迅速《はやさ》では無い。
 シキは黑鋼の傀儡達に彈彈彈彈ッと鐵鉛を撃って彈き飛ばす傍ら、呪炎そのものに銃彈を呉れて空中爆発させると、烈火猛風が渦巻く中を駆けて滅亡卿に肉薄する――!
「|闇の救済者《ダークセイヴァー》達のお陰で此處まで到達できた。全て彼等の戰果だ」
『ッ――!!』
「彼等の流した血を決して無駄にしない」
 他のユーベルコードと同時に使用できる【インビジブルガスト】が齎したのは、一瞬、そして永久の|刻《とき》。
 残像すら摑ませぬ神速を得たシキは、血濡れた指で銃爪を引き続け、手首、肘関節、上腕、肩口、咽喉、そして頭部の六ケ所を捺擦るように冱彈を沈め、滅亡卿が激痛に楔打たれた幾数秒を勇士に差し出す。
 而して言葉は要るまい。

「劍よ! 今こそ百年の支配に、終止符を――!」

 力強く床を蹴った一人の勇士が領主に飛び掛かり、その首に劍を差し入れる。
 咽喉を貫通した刃が赫々と飛沫を噴き上げた瞬間、“革命は成った”。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『戦争卿』ブラッド・ウォーデン』

POW   :    開戦祝え銃砲連打の凱旋歌
【異形の狙撃砲から放つ血色の砲弾の大量乱射】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を敵対者を自動攻撃する射撃兵器群に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    “血塗れ傀儡”聖堂騎士団
自身の【領地内の人間・動植物全ての生命力と精神力】を代償に、【百年前の戦死者を素材とした千人の重装騎士】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【生命力吸収能力を付与された斧槍と散弾銃】で戦う。
WIZ   :    己を見よ、汝の名は『獣』なり
【戦意、敵意、害意、殺意、哀れみ、憎悪】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【対象本人と寸分違わぬ分身と武装】から、高命中力の【対象本人の最も殺傷力が高いユーベルコード】を飛ばす。

イラスト:灰色月夜

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はレナ・ヴァレンタインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



『――革命は成った』
 鼓聲喊呼が領主館を|撼《ゆるが》す中、銀の皿に取り上げられた滅亡卿の首が愈々市民の熱狂を煽る。
 天地が震えるようだと、窓外に揚々と掲げられる旗幟を仰ぎ見た『戰爭卿』ブラッド・ウォーデンは、吃々と愉しげに嗤うと、間もなく訪れる漆黑の羽搏きに片腕を差し出した。
『カァカァ!!』
『噫、見事な光景だった』
 臂に止まれるは、|鵶《カラス》――五感を共有していた眷属。
 滅亡卿の首が刎ねられる瞬間を“特等席”で見ていた吸血鬼は、|闇の救済者《ダークセイヴァー》達が彼奴の首をこの廢教会へ、絶対支配によって廃れた権威の下に運び込む事を知っている。
 そして、万人に認められた英雄を「殺す」のが己が役儀とも心得ていよう。
 戰爭卿は英雄に相應しい幕引きをと、身廊及び側廊に千人の重装騎士を配置すると、教会の壁じゅうに異形の狙撃砲を巡らせて言った。
『百年の支配を斷ち切った今、世界はより素晴らしき渾沌へ……嘗てない破滅を迎える』
 其が最も見たい「物語」だと、彼は子供のように悪意を嗤笑に映す。
 この吸血鬼、ブラッド・ウォーデンなる男は、支配や同胞、好意よりも叛逆者と憎悪を好み、第五の貴族が“脅威”と睨む猟兵の活躍さえ喜ぶ完全破滅主義者――「世界が燃え尽きるのが見たい」と願う、完璧な戰爭狂いだ。
『血の大河より生まれし英雄よ、|汝《そなた》が生まれた|血河《ところ》に還れ』
 英雄は果ててこそ美しい――。
 朽ちた祭壇の前、神に祈りを捧げるよう兩手を広げた彼は、然し|鵶《カラス》の羽音に気附いた猟兵が此方に向かっている事も、勿論、知っている。
『……英雄より先、魔術師が來るか』
 終焉の前に素晴らしい鬪爭が望めそうだと、麗し白皙は瀲灔と微笑を湛えるのだった。
七那原・望
くだらない。大団円の直前に伏線もなくちゃぶ台返しなんて駄作もいいところ。脚本作りの才能ないですよ。

アマービレでねこさんを追加召喚。浄化と光属性の結界術を展開します。
魂人達も先に展開した結界が残っているはず。
一応万が一に備えて一部のねこさん達を残しておいたのでもしものときは掛け直してくれるはず。
これで生命力と精神力の吸い上げを防ぎます。

それでも騎士が出たら仕方ないです。オラトリオで騎士と戦争卿を縛り上げます。

第六感と心眼と気配感知で敵の行動も位置も見切り、纏めて世界で飲み込みます。

答えられるならこんなことはしないですよね。
その世界はお前の為の舞台です。主人公として存分に悲劇を紡ぐといいですよ。



「――|口駄《くだ》らない」
 微かに開いた櫻脣から零れたのは呆れ。
 傍觀者を決め込む訳で無し、大団円の直前に伏線もなく卓袱台返しなど“駄作”もいいところだと、無才の脚本家を追った七那原・望(封印されし果実・f04836)は、廢教会に向かう間にもアマービレを揮りつつ、沢山の魔法猫を召喚して結界を構築した。
「少しでも生命力と精神力の吸い上げを禦ぎたい処ですが、それでも今の命で骸を動かすと云うなら――」
 先に守護した勇士達が、血塗れの操糸に浸蝕される事は無いだろう。
 問題は、動植物――小さな命すら糧にして生まれる重装騎士の邪悪さに触れた望は、常闇に眠れる我が影、実体あるオラトリオを騎士らの足元に滑らせて縛り上げた。
『ヌ、ヲ……動ケヌ……!!』
 此度は|荊棘《いばら》と化したエクルベージュ色の影が騎士達に絡みつく中、猶も繁茂する其は教会の身廊を這って祭壇へ、待ち焦がれたように振り返る男の脚に絡んでいく。
「――稚拙な脚本作りは御終いです、戰爭卿」
『お気に召さなかったかね? それは残念だ』
 飄々と言を返す傍ら、長い手指を滑らせるように動かす吸血鬼。
 新たな下僕を生み出そうとしているのを逸早く察した望は、戰爭卿が数多の命を摘むより速く、己の経験と価値観に基づく想像を縒り合わせると、【|世界《レ・ミゼラブル》】――悪意と絶望に満ちた疑似世界に彼を招いた。
『やあ、これは――?』
「これがわたしの知る世界の在り方。今よりお前に問います」
 興味深げに語尾を持ち上げる戰爭卿に、可憐な少女の姿は見えまい。
 目下に這い寄るは、この世の諸有る悪意、苦痛、陵辱……招かれた者を引き裂く絶望の塊。
 いかに残酷な世界でも、慥かに『愛』は存在すると知る望が齎す破滅だ。
「世界に希望はあるか。それは、どのようなものか。答えられるなら――こんな事はしないですよね」
『世界の代わりに答えはしないが、果して、私が欲する破滅は正にこのようなものだ』
 素晴らしい、と頬笑む男は然し知るまい。
 全ての代償を他に代わらせる者が「痛み」を知る由も無し。己が欲する世界の破滅が、己を蝕む事など考えてもなかろう。
 望は緩く|頭《かぶり》を振って訣別を示し、
「その世界はお前の舞台です。主人公として存分に悲劇を紡ぐといいですよ」
 半端な傍觀者よ、今こそ舞台に立つべし――。
 紋章を持つだけ大長編になろうと告ぐ佳聲は、怖ろしく冷たかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七星・桜華(サポート)
『天魔流免許皆伝、更なる高みへと!』
『これが闘うための意志と覚悟だよ!』
『一か八かの勝負?必要無いね!私達の勝ちだ!』
『後は派手に騒ぐんだ!誰も倒れないようにね!』

隠れ里に伝わる『天魔流』歴代最年少で派生流派も含めての免許皆伝。

腰に挿している六振りの刀と扇子を振るう。
物理的な技術を異能のUCにまで昇華させた。
闘う姿は艶やかな舞踏が如く空中戦もできる。
殺気や覇気を残像に残し分身と勘違いさせる事も。
防御無視の内部破壊を当たり前に行う。
柔剛の技を扱い両立させる。

第六感による閃きで様々な戦場で勝利に導く。
勝利に辿り着く道筋を最短最善で進む。
優れた第六感で賭け事も強い。
家事も万能。
両親と妹も猟兵である。



「……戰艦一隻持って來ましたみたいな奴、よく寄越したもんだ」
 ずらり立ち並ぶ射撃兵器群を前に、七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)が飄然を挟む。
 第五の貴族が何故この|吸血鬼《おとこ》を派遣したかは知る由も無いが、下層への介入は無用と、赫々と鬪志を萌した佳人は、己へと照準を結んだ砲身が一斉に火を噴いた瞬間に爪先を蹴った。
「――もう一回、戰爭する|心算《つもり》なら付き合うけど」
 轟と吼ゆる砲撃音が聖堂を搖さぶる中、驚異的跳躍で眞上に躍す。
 血色の砲彈が其々に射線を結び合う光景を眼下に敷いた桜華は、爆熱が渦巻く嵐の上を舞い踊るように駆け渡ると、我が影を追って砲身を向ける狙撃砲めがけて闘気の槍を擲げ放ッた!
「當たっても外れても敵の有利になるなら、然う、撃たせなければいい」
 砲口を塞ぐように衝き入れた【|不殺捕縛槍《コロサズノヤリ》】は、形を變えて砲身ごと引き絞る。
 天魔投擲術の捕縛技は、殺さず、殺させず、射撃兵器群を無用の塊とした。
「さぁ後は派手に騷ごうか! 誰も倒れないようにね!」
 砲音の代わり、我々が劍戟を哮れば宜しかろう。
 佳人は熾えるような緋瞳を美しく輝かせて仲間を鼓舞した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
相手が強いのなら、削れる機会は逃さず、相手に隙は見せず、
長期戦を覚悟して着実に狙うのがいいわね。
勿論、隙があれば見逃したくないけど。
見切ったり足には自信があるけど、過信せずに落ち着いて戦況を見極めるわ。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.囮役としてボスの注意を引き付け、味方の攻撃を当てやすくする。
2.ボスの移動手段→攻撃手段の優先順で奪っていく。
3.仕留められそうな場合は積極的に仕留めに行く。
 (他に仕留めたい人がいればその手助け)

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎



 |鵶《カラス》を追って踏み入った廢教会は宛ら武器庫。
 四面を射撃兵器群に覆った聖堂に千人の重装騎士が犇めく――常人ならその圧倒的兵力に竦む処、ラムダ・ツァオ(影・f00001)は極めて冷靜に、最奧の祭壇にて待ち構える吸血鬼を捉えた。
(「……第五の貴族直属の刺客なら、『殺戮者の紋章』を持っている筈」)
 彼は|闇の救済者《ダークセイヴァー》達の抹殺は勿論、|人族鏖《じんぞくみなごろし》を行うだろう。
 その力の根源として紋章がある筈だと、丸サングラスに隔てた黑玉の瞳を烱々とさせたラムダは、【|危肌一髪《ダイ・ハード》】――文字通り「一肌脱いで」確かめに掛かった。
「周囲の兵装に捕われず……前へ!」
 須臾に幾千の刃が襲い來るが、眞上からの斧撃を黑の外套に代わらせ、水平に迫る槍撃には黑衣を裂かせて回避した佳人は、ほぼ下着姿でウォーデンに肉薄ッ! 彼が何處に紋章を受け取ったか――接敵した瞬間の反應を視た。
「咄嗟に右半身を退いたわね」
『癖さ』
「如何かしら」
 己が連れた風に巻き上がる銀髪の奧、影を追う右瞳――!
 虹彩に刻まれた紋様こそ『殺戮者の紋章』だと認めた佳人は、その重要を皆々に喚起した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ディルティーノ・ラヴィヴィス
フィナーレっていうのは盛大に迎えるものだ
だけど、演者も観客もいない舞台で独り最後を迎えるのは…ナンセンスだと思うよ僕は

所でこういうのはどうかな?「終焉の獣が襲い掛かる」とか
最後に残るのがお前なら、最後の驚異にも立ち向かえるだろうからね
獣の役は勿論僕さ!
(【アルティメットビースト改-狂-】。その姿は、狼の獣人に似た影の魔物)
影に潜むが如き俊足で乱射を避けながら接近。爪で引き裂いてやろう
兵器が増えてもハルバードで一緒に薙ぎ払うだけだ。大暴れだね!
それとも僕と一緒に自分の弾でも喰らってみる?
逃がさないよ。その体に爪を喰い込ませてやるからさ

あんたにお似合いなのは鎮魂歌だな。捧げる十字架すらないけどさ



 自ら神父を名乗るディルティーノ・ラヴィヴィス(黄昏の獅子・f38911)にとって、千の|白刃《やいば》と射撃兵器に覆われる聖堂は冒瀆と頽廢を窮めたろうが、それでも佳人は飄々と、これが|卿《かれ》の“趣味”かと眺める。
「これから盛大なフィナーレを迎えるのに觀客は無し、銃砲と劍刃だけとは……」
『|寂寥《さびし》いかね』
「ナンセンスだと思うよ。尠くとも僕はね」
 押しつける|意《つもり》は無いが、演者も觀客も居ない舞台は些か味気無い。
 幾許の靜寂が訪れた身廊に靴音を滑らせた彼女は、彼の物語に面白味を足さんと、佳脣の端を持ち上げて云った。
「譬えばこういうのはどうかな? 『終焉の獸が襲い掛かる』とか――」
 |翩翻《ヒラリ》と掌を飜して近附く彼女の姿影が、語る裡に變化していく。
 歩を進めるほど深く獸性に踏み込んだディルティーノは、【アルティメットビースト改-|狂《ラセツ》-】――狼の獸人に似た“影の魔物”に變容し、人ならざる強靭と俊敏を漲らせていく。
 否、或いは疾に「人」を棄てていたか。
 翻していた手に鋭い爪が生えるのを瞥た彼女は、刹那、影に潜むが如き俊足で敵前に躍り出たッ!
「最後に残るのがお前なら、最後の脅威にも立ち向かえるだろうからね。――獸の役は勿論僕さ!」
『蜂の巢になりたいかね』
「やって御覧よ。僕と一緒に|彈丸《たま》を喰らうといい」
 異形の狙撃砲を構えていたウォーデンが、須臾に緋彈を亂射するが、獸人は無数の彈道を避けながら肉薄し、怪腕を振り被る。
「その身に爪を突き立てて、中から引き裂いてやる。こうなったからには大暴れだね!」
『ッッ!!』
 |近接《ちか》い――!
 射撃兵器で撃つには餘りに己と近過ぎると、砲身を向けるでなく狙撃銃を盾に爪撃を禦いだ戰爭卿は、逆手に握れるハルバードが間隙無く首を狙いに來るのに對し、目を瞠りつつ身を反らせる。鼻梁を掠めた刃が鮮血を迸らせたのは、この時だ。
「退くかい? 距離を作れば砲撃が使えるけど、僕は逃がさないよ」
 独り|終焉《さいご》を迎える卿の爲に魔獸を演じるのだ。演じ切る覺悟は充分。
 影の魔物は未だ銃砲が凱旋歌を轟かせぬ靜謐を躍ると、前へ、前へ――烱々と燿う瞳いっぱいに獲物を映した。
「あんたにお似合いなのは鎮魂歌だな」
『ッ――!!』
「捧げる十字架すらないけどさ」
 云って間もなく。
 兩者の間に赫々と血汐が繁吹いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳩麦・灰色(サポート)
「さ、ウチも行かせてもらおかな」
「〇〇さん、そこちょーっと手伝うで」
「アンタ(敵)はそこで黙ってて」

◆特徴
普段は関西混ざり気味の標準語、相手問わず脱力した口調
独り言と敵に対しては関西弁
動き出せば早いが動くまでが遅い性格

◆行動
【ダッシュ】【クライミング】【地形の利用】で状況を問わず素早く動く

それを活かし一撃離脱や素早く突破する戦法を好む
武器の音で【存在感】を出し狙われ、速さで避ける"回避盾"戦法も選択

攻撃は主に【衝撃波】を込めた鉄パイプで叩いたり投げたり

◆UC
索敵、回避ではUC『三番』
対集団は『四番』
敵単体へは『一番』か『二番』を使用する


協力絡みセリフ自由
他おまかせ。よろしくおねがいします!



 英雄は果ててこそ美しいとか。世界が燃え尽きるのを見たいとか。
 ――随分と簡單に云って呉れる。
「積木やあるまいし、人も世界も積んで崩せるもんやない。物語だってそうや」
 まったりとした西の訛りと抑揚で、幼子に諭すように云う鳩麦・灰色(音振おおかみ・f04170)。
 狼の耳をピンと立て、藍彩の瞳を烱々と研ぎ澄ました彼女は、聖堂を搖すらんばかり砲音を哮る射撃兵器群めがけて駆け走ると、間隙無く放たれる砲彈を眼路の際ギリギリに流しつつ、纎手に握れる鐵パイプを振り被った。
「ちょっとアンタらは默っとき。五月蠅いやろ」
 鈞鈞鈞鈞鈞ッッと擦れ違い樣に音を響かせる其は、振動しやすく改造したお手製の鐵パイプ。
 銃砲連打の凱旋歌に鏘々と金属音を澄み渡らせた灰色は、【壊音 "二番"】――砲身内部で反響させた音の振動を増幅させると、幾秒置いて次々と射撃兵器を内から壞した!
「そんな歌、ウチが掻き亂したる」
 而して音を武器に扱う佳人は、己が役儀も聢と心得ている。
 鬼さんこちら、|音《ね》の鳴る方へと|標的《マト》を差し出した灰色は、須臾に飛び込む緋彈に鐵パイプを一揮!
 廢教会が兵器で滿たされるのを避けるべく、衝撃波を叩き付けて空中爆発させるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

司・千尋
連携、アドリブ可

楽しそうで羨ましいねぇ
この『物語』はどんな結末になるのかな


攻防は基本的に『子虚烏有』を使う
範囲内に敵が入ったら即発動
範囲外なら位置調整
近接や投擲等の武器も使い
範囲攻撃や2回攻撃など手数で補う


一挙一動を観察
行動を見切りや第六感で先読みし
細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
回避や迎撃する時間を稼ぐ
間に合わない時は双睛を使用

俺、『ヒト』じゃなくて『モノ』だから感情とか持ち合わせてないんだよな
行動入力した機械って感情なくても動く…みたいな?
ヤドリガミになったから
『ヒト』っぽく振る舞えるよう頑張ってるんだけど、どう?
そう見える?



「英雄は その光をも |永久《とわ》にして 放たむものぞ 疑ふなゆめ、か――」
 いつか誰かが然う云った気がするが、眼前の|吸血鬼《おとこ》は|終末《おわり》があるから美しいと云う。
 果して「物語」は如何に|人間《ひと》を|享樂《たの》しませるのだろうと、ヒトならざる司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)は皮肉気味に撞着を過らせるが、こうして隔絶を置くからこそ戰爭卿の表情が見て取れる。
「随分と|娯《たの》しそうだ」
『噫、本を一頁一頁捲るように心踊らされる』
「――羨ましいねぇ」
 歎聲を連れて零れるは、偽りなき本音。
 悠久の時を経てヒトの器を得たものの、内に滿てる情は無し、英雄や世界の破滅を見たいと言う|卿《かれ》の趣味をとやかく云う|意《つもり》も無いのだが、唯一つ戰意はあろうかと内省すれば、果して其を|捺擦《なぞ》った影が立ち塞がる。
 其は『獸』――。
 己と寸分違わぬ形姿をした具象だ。
「……へぇ、宵と暁まで映せるのか」
『気に入って貰えたかね』
「さぁ、如何だろう。この展開、この物語がどんな結末になるのか……それだけは樂しみかな」
 己の分身が念波を操って絡繰人形を嗾けるのに對し、千を超える光劔【子虚烏有】を宙空に煌々と踊らせた千尋は、巧みに|人形《モノ》を扱う『獸』に感嘆を零しつつ、刀の一振り、扇の閃きに鏘々と光刃を嚙ませていく。
 自らを敵に回す苦勞はあるが、まるで鏡を見るような酔狂も兆そう。
 千尋は一挙一動を興味深く觀察しつつ、人形の動く先々に鳥威を展開して語り掛けた。
「行動を入力した通りに動く機械みたいな? ……噫、やっぱり俺と同じか」
 刻一刻と變わる戰局、適切な位置に回り込む反應と反射。
 万一の時には双睛を用いる周到と判斷。
 そして、敵を前に憎悪も瞋恚も抱かぬ飄然。
 感情がそうさせている訳では無いと、『獸』を見て改めて實感した千尋は、同じく理念では動かぬ|器物《モノ》を探るように肉薄すると同時、燦爛と溢れる光の|波濤《なみ》を連れた。
「ヤドリガミになってからは『ヒト』っぽく振る舞えるよう頑張ってるんだけど、どう? そう見える?」
 見えると佳いのだけれど、と――己を映す翠緑の瞳を覗き込んだのも一瞬。
 雪嶺の鼻梁を突き合わせた『獸』は、無数の光劍に触れるや輪郭を解き、虚無だけを返事に置いて消えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 此度の革命で英雄と成った|闇の救済者《ダークセイヴァー》達は、彼等に呼應して蜂起した領民と新しい絆に結ばれたが、それ以前に彼等には、吸血鬼の支配から守ろうとした「家族」が居る。
 英雄が死ねば領民が希望を失うのは勿論、彼等を愛する者達も絶望に堕ちよう。
「|人族鏖《じんぞくみなごろし》……そんな事はさせません」
 云って、凛乎と櫻脣を引き結ぶスピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)。
 千刃が矢衾の如く突き立ち、朦然と砲彈が入り亂れる聖堂に踏み入った佳人は、周囲に狂熱が滿ちるほど心靜かに、大いなる森の霊力を帯びると、フォレストスナイパーに矢を番えた。
「暴悪の根源を、殺戮者の紋章を射抜きます――!」
 ひやうと空気を掠めて疾ったのは、【心鎮の一矢】。
 得意の迷彩戰術で戰場に溶け込みつつ、|標的《マト》を|瞭然《はっきり》と捉えた弓の名手は、銃砲連打に凱旋歌を轟かせるウォーデンの戰塵に搖れる銀髪の奧、烱瞳に刻まれる紋章めがけて霊氣の矢を射る――!
「殺戮を煽る邪よ、去りなさい」
『……ッッ!!』
 其は眼球を傷附けず、邪心を煽る紋章のみを攻撃する心優しき一矢。
 佳人は美し緋瞳を煌々と、第五の貴族が託した密命ごと、紋章が消えるまで矢を射る覺悟を示すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

陰日向・千明(サポート)
「このあと用事があるんで、さっさと地獄へ堕ちるッス」
◆口調
・一人称は「うち」、二人称は「あんた」、くだけた敬語をつかう
◆性質・特技
・マイペースで合理主義
・雨女
◆行動傾向
・特権階級者の車に轢かれ事故すら揉み消された女子高生の悪霊
・地元を鎮守する竜神の力を借りて受肉を果たした
・利己主義で秩序や慣習にこだわりはなく、勝つためなら手段を選ばないしたたかさを備えているが、なんだかんだで面倒見はよい
・神器化したスマホで霊界通信サービス「天孫(あまそん)」に武器を注文して戦う
・一度死んだ経験から死に対する恐怖心がなく、戦闘をゲームのようにとらえている。敵にも当然慈悲はない
・誤って買ったキャバリアは千明の切札



「そっちは如何か知らねえんすけど、うちらはこの後も用事が詰まってるんすよ」
 手早く済ませようと、気怠げな樣子で聖堂を訪れたのは、陰日向・千明(きさらぎ市の悪霊・f35116)。
 竜神の力の影響か、行く先々で雨に見舞われる「雨女」な彼女は、此度もしっとりと艶氣を帯びて|倦怠的《アンニュイ》な雰囲気を漂わせていたが、そのジンクスは建物の内外を問わない。
「あー、また降られちゃってんすけど……ちょっと付き合って貰うっす」
 聖堂内に降り込む雨こそ、【|カゲヒナタさまの加護《カゲヒナタ・フロント》】。
 竜神の神威の凄まじきこと、猛然と襲い掛かる重装騎士には烈しく紫雷を叩き付け、戰場を同じくする仲間にはやたら粘性の高い慈雨(お肌に優しいヒアルロン酸配合!)を降り注いで癒し、敵味方の明暗を分けていく。
「全身鎧だと、雷はキツイっすよね。多分」
『ッ、オオオ嗚嗚ォォ嗚嗚ヲヲ!!』
「しかも運気を奪う呪詛付きっす」
 甲冑の中から絞り出る悲鳴を耳に、千明は一縷と表情を變えず。
 鎧姿はその儘、中身を灼いて斃れゆく騎士らを瞥た佳人は、交睫ひとつ、
「さっさと地獄へ堕ちるッス」
 淡然と訣別を置くや、手元のスマホに視線を落とすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

蓮見・双良
【空環】

喧噪の中だろうと
あなたを見失ったりしません
それは僕にとって光を失うのと同義

どんな姿であれ、あなたの|彩《いろ》を損ねるものには成り得ない
それはあなたの裡にあるものだから

僕を守る彼女の為にも、敵にはとっておきの悪夢を
見せる悪夢は勿論"平和な世界"
陽と自然に溢れ、人々は笑顔で暮らす
高速詠唱で絶えず"悪夢"の恐怖を与える

英雄は果ててこそ美しいんですよね?
なら、果ててください
今この場で英雄にならんとしているのは
まさにあなたなんですから

…杜環子さん
元に戻ると言っても、大切な人が傷つくのは見たくないものなんです
それが自分にとって唯一の相手なら尚更
共闘は心強いけど傷一つ許せず
礼と、溜息交じりに苦笑を


壽春・杜環子
【空環】

英雄を殺しもまた、別面からすれば英雄たり得ましょう

あぁでも、こうも“願いに湧く場”は些か懐かしい…

この姿はあまり見せたくない
喧騒の中で良い
動乱の中で良い

世界を変える力は夢なれど
この場限り、|わたくし《万華鏡》ならば映しえる
叶えてあげる、その|悪討ち勝ち取る夢《革命の願い》をUC

痛み知らずの体で先より危険な全てから双良くんを守る
大丈夫、|我々《ヤドリガミ》はにくが壊れても、元に戻りますの

人の貴方は傷つけばすぐには戻らない
お願い、どうか傷付かないで

ん?う、うん?双良くん?
あら…大切だなんて恐悦至極
んもう、心配性さん!大丈夫でしてよ、本当だもの!
それに、わたくしの代わりなんてどこでもいるわ?



 其は人の手に愛でられ、幾多の手を渡った頃の記憶か。
 或は器を得て|百年《ももとせ》、色濃く滲む姫君の記憶か。
 ――とまれ。
 斯くも“願いに湧く場”を些か「|懷慕《なつか》しい」と歎聲を零した壽春・杜環子(懷廻万華鏡・f33637)は、胸奧に祕める痛みを纎手に抑えつつ、透徹と澄めるソプラノを囀った。
「……世界を變える力は夢なれど、この場限り、|わたくし《万華鏡》ならば映しえる」
 銃砲連打の凱旋歌が轟く中に兩の玉臂を広げた佳人は、砲勢に搖れる袖をその儘、片々と舞い上がる蝴蝶を抱くと、【|万華幻想神鏡之杜《カレヰドスコヲプカミガカリ》】――神々しき|神人《かみ》の姿となって顕現れた。
「叶えてあげる、その|悪討ち勝ち取る夢《革命の願い》を――」
 皆の想いを掬い上げるは、宿願成就を謳われる杜の万華鏡の九十九神。
 蓋し彼女は今の姿を餘り見せたくはないか、月白に縁取られる長い睫をそと伏せると、瑠璃の瞳の煌きも密やかに、喧騷の中で良いと、動亂の中で良いと、音も無く羽搏く式神を踊らせた。
「この身は痛みを知らぬ|器物《うつわ》。諸有る危険から双良くんを守りますわ」
 幾千の緋彈に貫かれようと、仮初の肉体は魂を零さない。
 己こそ盾と成るべきと身廊を進んだ杜環子は、肩越しにも悟れる凛然――蓮見・双良(夏暁・f35515)の鋭い佳聲に|瞳光《ひとみ》を結んだ。
「喧噪の中だろうと、あなたを見失ったりしません」
 其は僕にとって光を失うのと同義。
 杜環子の前、|閃々《ヒラヒラ》と舞う式神が射撃兵器群に留まっては、砲音猛々しい鐵筒を花葩と變えて散らすのを見た双良は、彼女が己を大事にする樣に、己も彼女を聢と護ろうと、丹花の脣に決意を湛える。
「どんな姿であれ、あなたの|彩《いろ》を損ねるものには成り得ない」
「双良くん」
「――其はあなたの裡にあるものだから」
 聲色に滲むは、必ず彼女を護り、支えようという|意《こころばせ》。
 杜環子に捧げる言葉は篤實に、而して祭壇の奧に怜悧な|星眸《まなざし》を結んだ彼は、子供じみた微笑を浮べる吸血鬼に對し、幾許にも皮肉を籠めて云った。
「英雄は果ててこそ美しいんですよね? なら、果ててください」
『?』
「今この場で英雄にならんとしているのは、まさにあなたなんですから」
 冷艶のテノールが然う|囁《つつや》いた當初、戰爭卿は意味を|圖《はか》りかねたろう。
 訝しげに片眉を持ち上げたウォーデンは、拈華微笑、靜かに首肯を置いた杜環子の美聲を耳にする傍ら、眼前に膨れ上がる異樣な光景に目を瞠る。
「英雄殺しも又た、別面からすれば英雄たり得ましょう」
『こ、れは……』
 肌膚にも迫るリアルな光景は、【ナイトメア・イロージョン】――双良が饗應する“とっておきの悪夢”。
 悪夢を支配した彼が此たび紡いだのは、陽と自然に溢れ、人々が活き活きと笑顏で暮らす「平和な世界」だ。
 腦裏に描く平和の燦めきを具躰的に迫眞的に現実へと映した双良は、ウォーデンの趣味とは眞逆の光景を肉薄させ、|卿《かれ》が構える狙撃砲の照準を泳がせる。
『――平和か。我々吸血鬼には陳腐なものだよ』
 戰爭卿は譏笑しながら緋彈を亂射するが、これこそ双良が狙った処。
 闇雲に放射される彈丸は、杜環子が操る式神蝶に抱かれるなり花辨と解け、瀲灔とあえかな櫻色を搖らして散る――然ればダメージを與える事も無く、射撃兵器群と化す事も無い、卿にとっての悪夢がまた訪れよう。
 異形の狙撃砲が虚しく哮る中、杜環子は少し怖い|表情《かお》をした双良に「大丈夫」と咲みかける。
「ご安心を。|我々《ヤドリガミ》はにくが壞れても、元に戻りますの」
 人の貴方は痛み、傷付く。そして直ぐには戻らない。
 だが器物たる己は、本体が毀れぬ限り再生するから、と宥める樣に告げるのは、願いを叶える万華鏡がただ一つ抱く願いが、彼にあるからだ。
(「お願い、どうか傷付かないで」)
 心配性で世話好きな、優しい|男性《ひと》。
 嫩若き双良が痛み苦しんではならぬと、佳人は想いを籠めて云うが、彼は緩く|頭《かぶり》を振って返した。
「……杜環子さん。元に戻ると言っても、大切な人が傷つくのは見たくないものなんです」
「ん? う、うん? 双良くん?」
 ――いま。今。鴇色の脣は何と云ったろう。
 長い睫を音がするほど瞬いた杜環子は、少々狼狽しつつ、年嵩らしく嫋々と咲ってみせた。
「あら、大切だなんて恐悦至極……でも頑丈なのは本當でしてよ! それに、わたくしの代わりなんてどこでもいるわ?」
 彼女は鷹揚と云ってのけるが、頭を振るより先、「否」の感情が胸を焼いて疾る。
 慥かに杜環子ほど頼もしい共鬪相手は居まいが、杜環子ほど己にとって唯一の存在は無いとも思う双良は、猶の事、傷ひとつ許せはしないのだと咽喉の奧に押し込めると、唯だ感謝のみを表層に兆す。
「……ではあと少しだけ、頼らせて下さい」
 溜息に添えられた苦笑は、怖ろしく|美麗《うつく》しかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

久遠寺・遥翔(サポート)
UCでフレアライザーや派生形態に変身するか
イグニシオンに【騎乗】して戦う
死角を突いたりといった戦法に躊躇はない
戦いでは取れる手を全力でとる
ただ人質を取ったりなんて義にもとる真似はしないけどな
救助対象がいる場合それ優先で動くぜ

変身・騎乗どちらの場合でも基本的に【空中戦】を仕掛ける
飛行系UCの速度やワイヤーを使った【地形の利用】【ダッシュ】による高速機動戦闘だ
相手の攻撃は【第六感】【視力】を駆使した心眼で【見切り】ながら【残像】でかわし
避けきれない攻撃を【オーラ防御】や【各種耐性】で受け流しながら【カウンター】の
【生命力吸収】する黒焔で対象を【焼却】する【2回攻撃】を叩き込む戦術になる



「猟兵はダークセイヴァーの上層に至ったが、下層の悲劇が無くなった訳じゃ無い」
 上層では闇の種族の気紛れ一つで魂人が蹂躙され、下層では人々の反抗の篝火が一瞬にして掻き消される。
 畢竟、この世界の常闇は何處も晴れていないと、祭壇の奧に佇む|吸血鬼《おとこ》に對峙した久遠寺・遥翔(焔の機神イグニシオン/『黒鋼』の騎士・f01190)は、胸奧にチリと掠める瞋恚を火種に『|焔の黒剣《イグニス》』を共鳴させた。
「|天焔解放《オーバーフロウ》――フレアライザー・ヘヴンッ!」
 黑焔の神劍を胸元で水平に構え、轟と|迸發《ほとばし》る黄金の燄を抱く。
 燦然と耀う焔によって際立つ闇黑を纏った遥翔は、天翔ける|焔黑騎士《フレアライザー》となると、己へと砲身を向けるや猛然と吼哮る砲彈を置き去りにした。
「――これが敵の戰鬪力を高めていると」
 己の背後で砲彈が爆ぜ合い、超高熱と爆風が渦巻くのを肩越しに瞥る。
 成程、増えては厄介だと加速した彼は、己と融合した骸魂イグニスの力を更に励起すると、黄金と漆黑に熾え上がる|炎燄《ほのお》を射撃兵器群に浴びせた――!
「與えるくらいなら、貰った方が佳い」
 目下、砲身を赫々と溶かす黑焔は生命力をも|鹵掠《うば》う。
 而して餘力を得た飛空騎士は急旋廻して、もう一回! 常闇が白むほど焔を放ち、兵器群を灼滅するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

コレット・クリスクロス(サポート)
今日も今日とて、理不尽なエンディングをぶっ壊しに行くとしますかねェ
ほな、あんじょうよろしゅうなァ
あ、報酬は金目の物でおしたら、何でもよろしおす
でも出来れば、現金以外がえェなァ
(京言葉と丁寧語が、中途半端に混じった喋り方をする)

他者の邪魔はせえへんよぉ活動
協力出来る時は、ちゃんと協力して行動しますえ
戦闘の際は、基本的には後方火力として参加
即死せぇへんのやったら、多少の無理無茶無謀は許容範囲でおす

戦闘でよく使うのは、レギオスブレイドとクリムゾンハウンドと邪眼
戦場の状況で使い分けます
抜刀・飛燕返しはボス戦等の強敵専用
デモンウイング、ファイアーボールは、その時の状況と気分次第で適当にぶっ放しますぇ



 祭壇の奧に立つ戰爭卿は、「革命を果たし英雄となった|闇の救済者《ダークセイヴァー》達を畢らせる」のが筋書と云う。
 かの|吸血鬼《おとこ》が描く終焉を終焉させるというなら、エンドブレイカーたるコレット・クリスクロス(アレイキャット・f38932)が適任だろう。
「――ほな、今日も今日とて、理不尽なエンディングをぶっ壞すとしますかねェ」
 小気味佳い艶笑を湛えた櫻脣に、そと覗く八重齒の悪戯なこと。
 聖堂内に犇めく千人の重装騎士を前に、靑瞳を烱々と強気に咲んだコレットは、ジャケットを翻しつつ纎手を翳して【レギオスブレイド】――虚無から無数の邪劍を引き出し、その場から驟雨の如く射かけた!
「はい、射出~。手で直接投げる方が命中率高いんでおすけんど、数が数やしね。ケースバイケースって事で」
『ッッオォオオヲヲ嗚嗚!!』
 今は手数と攻撃力を重視しようと、古びた身廊に足を止めた儘、鎧の群れに邪劍を突き立てていくコレット。
 而して連中が膝を折れば、次こそ邪劍を手に懷へ潜り込んだ彼女は、鎧の隙間に素早く鋭鋩を刺し、疾ッとたばしる血を浴びながら別なる個体へ――進むべき「道」に赫い絨毯を敷いていく。
「新しい結末が近付いてはる。さぁ、お気張りやす」
 佳人の云う通り、台本は今まさに書き換えられようとしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
望む幕切れは来んぞ
潰えるのはお前の存在だ

状況は『天光』で逐一把握
守りは煌皇にて
纏う十一の原理を無限に廻し害ある全てを世界の外へ破棄
要らぬ余波は『無現』にて消去
全行程必要魔力は『超克』で骸の海すら超えた“世界の外”から常時供給

魔眼・封絶で拘束
対象は戦争卿と召喚物
行動と能力発露を封じる魔眼故、捕らえればユーベルコードも霧散する
それに依って支えられる分身も無論掻き消える

魔眼行使の瞬間を無限循環し多重拘束で封殺する

相手を写し取るか
試してみると良い。俺をどこまで再現できるか
原理に届けば完全な現身も叶うやもしれんぞ

「分身」が何を仕掛けてくるか知らんが、俺の知悉する範囲に収まるには変わりない
原理へ届いていれば即ち俺そのもの故に戦争卿を討つ
届いていなければ機能不全で動きすらしまい

いずれにせよ戦争卿を捕らえたら打撃で始末
破壊の原理を乗せ塵も残さず砕くまで


○真の姿
本人の背後に僅か裂けた空間の向こう、果てなく続く透明な“全なる空虚”がその本質

※アドリブ歓迎



 ブラッド・ウォーデンは第五の貴族直属の刺客であるが、忠犬の如く命令の鎖に繋がれるような男では無かろう。
 殺戮者の紋章を授かった|卿《かれ》は、|「人族鏖」《じんぞくみなごろし》の指令通りに|闇の救済者《ダークセイヴァー》達を殲滅するだろうが、その中にも「物語」として|娯樂《たのし》めるよう趣向を添えんとする。
『如何だろう。君達も表舞台に立ってみないかね』
 何も舞台装置に留まる事は無い、と艶笑を添えたウォーデンが、右の手掌を猟兵に向けて翳す。
『私は君達を買っていてね。物語が大団円を迎える前に、より血腥い鬪爭があると佳いと思う』
 嬉々と咲みつつ召喚したのは、『獸』――写し取った猟兵と寸分違わぬ分身を前に置いた戰爭卿は、この者の心眼で捉えた全員の行動と能力の発露を封じる【魔眼・封絶】を発動させ、廢教会に流れる|時間《とき》を止めた。
「……よく再現したものだ」
 この間、喫驚か感嘆に似た溜息を零した者は唯一人。
 己が有する埒外の異能を写し取られたアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)だ。
 術者たる戰爭卿、そして『原理』を同じくする本人のみが“世界の外”より迫る束縛を遁れたか、諸有るものが沈默する中、低く冷たい二・三言が両者の間を行き交う。
『お気に召して貰えるかな』
「俺で俺を禦せるか。試してみると良い」
 戰爭卿は面白い展開だと咲むが、本人の表情は變わらず。
 領主館で傍觀者の気配を捉えていた『天光』が万象を見通し、光輝を束ねて刃とする『煌皇』が鎧となって身を守るのだろうと、『獸』の挙動に我が戰法を重ね見たアルトリウスは、眼路に迫る淡靑い原理、其の脅威を『無現』なる繭に包んで消去した。
 互いに十一の原理を転輪させて戰う異次元の鬪爭には、二人を舞台に招いたウォーデンが滿足げに微笑もう。
『終焉を近くして役者が揃ったものだ。鏡合わせに更なる|戰爭《たたかい》を見せて欲しい』
「――鏡、か。更なる『原理』に届けば、|完全な《・・・》現身も叶うやもしれんが――」
『然うでは無いと?』
「直ぐに判然る」
 目下に鼻を突き合わせる『獸』は、己を完璧に映した訳で無いと言外に示す麗人に對し、戰爭卿が訝しげに語尾を持ち上げた、正にその瞬間――彼の背後が漣のように波立ち、幾筋かの波紋が虚空に刻まれる亀裂を露わにした。
「その獸とやらが今の俺を映すなら、俺の知悉する範囲を超える事は叶わない」
『これは――』
 彼は。アルトリウスは。
 嘗て何処かに在った誰かが、骸の海の更に外――虚空に揺蕩う『原理』に触れ溶けて消えた残滓が、其の端末となったもの。
 己の背後に僅かに裂けて覗く空間の向こう、|際涯《はて》なく続く透明な“全なる空虚”がその本質であると「眞の姿」を暴いたアルトリウスは、獸が認識できる領域を遙かに超越した存在となって立ち|開《はだか》った。
「人型では原理を齎す規模と精度に大きな制約を受けるが、全なる空虚に枷は無い」
 それが如何云う事であるかは、具象で示そう。
 今こそ『超克』を澎湃と灼輝させた彼は、骸の海を超えた我が原点から厖大な魔力を汲み上げると、眞の【魔眼・封絶】を解き放ち、獸と、獸が操るユーベルコードを捕捉した。
『――!!』
「天光も無現も使えまい。一切の発露を封じた」
 目下、射撃兵器群と重装騎士の挙動を止めているのはアルトリウス。
 原理を支配する権能を失った『獸』は、眞の力を解放した彼を映す事は叶わず、儚く霧散してしまう。
 矢張り機能不全を起こしたか――想定内の事象に交睫ひとつ置いたアルトリウスは、再び睫を持ち上げると、藍彩の瞳を煌々と、怖ろしく冷かに輝かせた。
「……望む幕切れは來んぞ。潰えるのはお前の存在そのものだ」
 二度目の『獸』は作れまいとは、“魔眼”を行使する瞬間を無限に循環させているから。
 時間を止めたように拘束された吸血鬼を冷嚴と見据えた麗人は、破壞の原理『討滅』を励起させ、彼の物語を畢らせるべく、幾重にも打撃を閃かせる。
 吸血鬼は塵となって消えるのが定石だが、彼にはその塵すら残す気概は無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)
「先に行け。…何があっても君は攻めろ」
露を戦争卿の元へ行かせつつ再度自分の身体強化を行う。
まず身体のパフォーマンスを上昇させて封印を解く。
そしてリミッターを解除し継戦能力付与から限界突破。

範囲攻撃付与し全力魔法の高速詠唱で【熄術呪】を行使。
この術で戦争卿が行う私を害する全ての術は封殺させて貰おう。
露へ向かう攻撃は『私にも害を及ぼす』はず…発動可能だろう。
私のこの術は時間制限があるから二秒間か三秒間だけ使用する。
経過時間と残り時間には十分に注意して術を行使しよう。
戦争卿の術を行使する度に一回ずつ消滅させる形になるか。
ふふふ…。戦争卿はどんな表情をするだろうか。とても楽しみだ。
自分の術(WIZ)が理解が及ばずに消滅するんだ。余裕は無かろう?
「どうかしたのか? …何か困ったことでもあったか?」

もし術の消滅原因が私の術の所為だと理解した時は回避に専念しよう。
見切りと野生の勘に第六感を駆使し避けつつ露や他猟兵の位置を把握。
私は周囲を警戒して回避しつつ自分の術を行使していればいい。


神坂・露
レーちゃん(f14377)
「うん!」
山羊頭卿の時と同じで自分の身体とかの強化をもう一度するわ。
えっと。リミッター解除してから限界突破しながらダッシュ。
重量攻撃と破魔に残像に早業を使って戦争卿に【女皇の剣舞】よ♪

あれ?一瞬あたしが現れてから…消えた?気のせいかしら??
よくわからないし戦争卿も慌ててるみたいだけど二本の剣で斬るわ。
戦いの最中に何度もあたしが現れるけどやっぱり直ぐに消えちゃって。
あたしはレーちゃんの言われたよーに戦いに集中して戦争卿と戦って。
戦争卿の攻撃?は見切りとか野生の勘とか第六感で避けるわ。
レーちゃんへの攻撃はなるべくさせないようにしたいわね♪
連携と協力は必須よね。

…。…。…あ!レーちゃんが何かしてるのかしら。レーちゃんの術?
戦争卿もレーちゃんの方を睨んでイライラしてるみたいだし…正解?
よくわからないけど戦争卿への嫌がらせみたいな術使ってるのかしら。
それにしてもあたしレーちゃんが笑うところを初めてみたわ。
不敵というか自信に満ちてるとゆーか。…もっと可愛く笑えばいいのに。



 |闇の救済者《ダークセイヴァー》達の成長はこの瞳で見た。
 今ならば地方の小領主程度は圧倒出來ると、領主館の|露臺《バルコニー》、銀の皿に乗せた山羊の頭蓋を掲げ見せる彼等と別れた猟兵は、湧き上がる歡聲を背に|鵶《カラス》の羽搏きを追って廢教会へ向かう。
 ――果して其處に居たのは。
 第五の貴族直属の刺客、『戰爭卿』ブラッド・ウォーデンなる|吸血鬼《おとこ》だった。
『英雄を仕立てた魔術師よ、よく來た』
 整然と竝ぶ射撃兵器に銃砲の凱旋歌を歌わせ、死屍の騎士に銃聲劍戟を響かせ。|卿《かれ》は英雄が死ぬ直前の物語として、魔術師の死を描くに相應しい“舞台”を整えている。
 彼奴は戰爭狂いの亂人にて、更なる演出を望むだろうと警戒したシビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)は、共に翔ける爽風、神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)に烱瞳を注いだ。
「先に行け。……何があっても君は攻めろ」
「うん! |背後《うしろ》は任せたわっ」
 云うや否や、蘭麝の馨がふうわと鼻梁を掠めて先行する。
 先刻は滅亡卿の巨盾を硝子の如く破砕した露は、聖堂に至るまでに身体能力を際限なく底上げしており、スピードはシビラも呻る程、今や神域に達している。餘程の事が無ければ、露自身の反應と反射が脅威を避けよう。
(「そして万一には、私が……私を害する全てを封殺させて貰う」)
 紅脣をきつく結んだシビラが、ヒリつく程の殺氣を帯びた|瞬間《とき》だった。
『――勿論、君達の活躍も見ていたとも。實に素晴らしい劍舞だった』
 先行する露に咲みかけたウォーデンが、彼女に向かって掌手を翳す。
 身廊を眞直ぐに駆けて來る彼女との間に、『獸』を――写し取った露と寸分違わぬ分身を置いた卿は、鈍色の疾風を纏って躍り掛かる二刃に、露本人を殺めんとした。
「――ん? あれ? あたし?」
 鋭く襲い掛かる白光二条は、然し露が交睫した瞬間に霧散する。
 刹那、鏡を挟まれたように己の姿影と瞳を合わせた露は、儚く戰ぐ劍風に颯ッと前髪を梳った。
「今、あたしが現れて、消えたような……気の所爲かしら??」
『……? ……如何云う事だ』
「よくわからないけど、このまま斬るわね!」
『ッ――!!』
 可怪しい、と疑問を抱いたのは寧ろ術者たる戰爭卿だろう。
 そのまま疾駆した露が二振りの愛劔を踊らせる中、其を辛うじて躱した卿が訝しげな表情をするのを見たシビラは、端整の脣に淡く|艶笑《えみ》を湛えた。
「露を写し取る行爲は、露への攻撃は『私にも害を及ぼす』。矢張りと云うべきか、巧く消えてくれた」
 身廊の後方で魔力を無尽蔵に励起させていた彼女が唱えたのは、【|熄術呪《アンチ・ゼロ》】。
 雪白の纎指をぱちんと彈くや、己が足元から放射状に漆黑の空間を広げたシビラは、聖堂に滿つ諸有る脅威を無力化する。
 露の分身を造られる事も、勿論、己に害を及ぼす行爲なのだが、其を露に説明するほど餘裕は無いし、本人に云った処で仔犬のように尻尾を振って嬉しがるだけ。――今ベタベタとくっつかれては色々と困るのだ。
 故に|手品《タネ》は明かすまいと咲むに留まった佳人は、戰爭卿がユーベルコードを発動する瞬間をピンポイントで狙って、虚像を紡いでは忽ち掻き消える不思議で卿を翻弄した。
「vă rog să împrăștiați……」
 詠唱は短く、二・三秒間。
 而して効果は、悪趣味な脚本家を狼狽させるに充分。
『馬鹿な、莫迦な……慥かに敵意は抱いていように……』
「如何した? ……何か困った事でもあったか?」
 思い描いた「物語」が描けぬ戰爭卿に對し、シビラは愉しげに語尾を持ち上げよう。
 忌わしき吸血鬼にも親身に、いや幾許にも悪戯めいて訊ねる彼女の聲色に気附いた露は、二刃を鋭く叩き付けた反動で後方へ退くがてら、|仕掛人《シビラ》に問い質した。
「あたしが現れては消えるのって……もしかしてレーちゃんの術?」
「何故そう思う」
「だって、戰爭卿もレーちゃんの方を睨んでイライラしてるみたいだから……」
「成程、佳く觀察している」
「……正解?」
「噫、彼奴の|表情《かお》にも書いてある。露もよく見ると良い」
 實に面白い顏をしていると、雪嶺の鼻梁を敵に結んだ橫顏の美しきこと妖しきこと。
 玻璃と澄める佳聲は、普段は抑揚なく單調に滑り出るが、此度は幾許か小悪魔的な色を帯びており、其を囀る紅脣も艶々と口角を持ち上げている。
(「……あたし、レーちゃんが笑うところを初めて見たわ」)
 不敵というか、自信に満ちてると云うか。
 とまれ、もっと可愛く笑えばいいのにと玉瞳を瞬いた露は、次の瞬間、スッと|眼眦《めじり》に送られる流眄に背を押された。
「露の劍舞、あれだけの|迅速《はやさ》を写されては、私も直ぐに対処出來ないからな」
「先刻は少ししたらもう合わせてくれたけど……」
「扨て、戰爭卿は如何だろう」
「――そうね、試してみましょ♪」
 彼女が“嫌がらせ”をするというなら、露もとことん附き合おう。
 再び身廊に靴音を置いた彼女は、【|女皇の剣舞《ダンシング・クィーン》】――卿が|模写《うつ》そうとして終ぞ果せなかった超速の劍舞を閃かせるや、クレスケンスルーナの鋩を卿の右瞳へ、虹彩に刻まれる『殺戮者の紋章』を斬ッた!

『っく……ぉぉおおお嗚嗚嗚嗚ッッ!!』

「――見事だ、露」
 シビラが塊麗の微笑を見せたのは、正にこの|瞬間《とき》。
 鋭い痛撃に躯を大きく傾けたウォーデンが、聖堂に絶叫を響かせる。
 第五の貴族より授かった「|人族鏖《じんぞくみなごろし》」の力は忽ち血汐を噴き上げ、祭壇を眞紅に染め上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
闇の救済者達はもう大丈夫だろう
浴びた血を拭う時間すら惜しい、真の姿もそのままで急ぎ『戦争卿』の元へ攻め込む

戦闘開始後、まずは重装騎士の足止めを図る
エンチャント・アタッチメント【Type:I】を拳銃に装着
ユーベルコードで周囲の敵を攻撃する
視界内はもちろん、見えていない位置でも重装騎士であれば装備の金属音や、散弾銃の火薬の匂いも頼りに位置を特定
可能な限りの敵に弾丸の纏う氷の魔力での凍結を狙っていく
近寄れなくても散弾銃は射程内だろうが、足の止まった重装騎士を遮蔽物として利用し戦争卿が射程に入る位置まで駆け抜けたい

戦争卿の様子はどうだろう
足止めが完全でなくても、駆け続けてそのまま射撃

弾が切れたら獣人の姿に変じて、勢いを乗せて突進しつつ渾身の力で爪を叩き込む
先の戦いを見ているのは分かっていた、だから一度もこの姿を見せず銃で戦った
予想外の戦法に切り替える事で不意を突ける事を狙って

…支配を断っても永遠に平和が続くとは限らない
革命を成し遂げ英雄となった者達にもいつか終わりは訪れる
しかし、それは今ではない



「ジルモントさん、一緒に|露臺《バルコニー》に出てくれ!!」
「領主の首を掲げ、革命の成功を示そう!!」
 領主館の内外が熱狂に湧く中、冱々と照る鋭眼が窓外の|鵶《カラス》を追う。
 彼奴が死肉を喰みに來た訳で無いとは、もう理解っていた。
「……済まない。直ぐに戻る」
 市民に英姿を見せて欲しいと集まる|闇の救済者《ダークセイヴァー》達の前、緩く|頭《かぶり》を振って固辞したシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は、|凱歌《かちどき》と喝采を擦り抜けて郊外へ。
(「今の彼等なら街は守り切れる。然し紋章を持った相手には|一耐《ひとまたり》も無いだろう」)
 返り血を拭う時間すら惜しいと、眞の姿もその儘に走った先は――街外れの廢教会。
 悪趣味な脚本家によって武器庫か火藥庫の如くとなった聖堂に至るや、休む間もなく突入したシキは、扉を蹴りざまサイドグリップで水平射撃ッ! 散彈銃で迎撃する重装兵を薙ぎ払った!
「――止まれ」
 低く鋭い佳聲に被さるは【ヘイル・ストーム】。凍てる雹彈の嵐。
 移動中、相棒のハンドガン・シロガネに|生命の水《アクア・ヴィテ》で出來たアタッチメント【Type:I】を装着していた彼は、氷れる魔彈を連続掃射し、幾百の銃兵の|時間《とき》を凍てさせる。
「一体一体を仕留める時間は無い」
『ォォ……ッヲヲ嗚嗚――!!』
「足の止まった者から遮蔽物として使わせて貰う」
 求めるべきは迅速。
 厚みある板金鎧を撃ち抜くより効率的だと、戰鬪勘鋭く身廊を駆けたシキは、五感も頗る鋭敏に、優れた聽覺に鏘々たる甲冑の響きを拾う傍ら、嗅覺は犀利に火藥の匂いを辿って敵兵の配置を見極める。
 而して視覺も冱々と、祭壇の奧、片目を失った戰爭卿を認めた彼は、より狭められた視界の死角へ攻め掛かった。
「成程、殺戮者の紋章は破られたか」
『ッ……右、かッッ!!』
 流血に塞がれた右瞳から迫る銃撃に對し、咄嗟に轉身するウォーデン。
 血濡れた右手を振り上げ、後衛が構える散彈銃の筒先をシキへと集めさせるも、これほど近接されては己も被彈すると舌打ちした|卿《かれ》は、射撃の合図は出さず、暫し回避に専念する。
『フ、フ……君の腕前は知っているが、その銃、無限に彈がある訳ではあるまい』
 狙うは彈切れ――。
 このヒリつくような鬪爭も永遠には続かないと嗤笑した卿は、然し、「読みが外れた」と痛打を以て知らされよう。
「先の戰いを見ているのは分かっていた。だからこそ“この姿”は見せなかった」
『な、に――』
「武器はひとつと限らない」
 鼻梁を突き合わせる兩者の間に迸ったのは、鮮々しく繁噴く眞紅。吸血鬼の血。
 月光を纏う獸人が爪撃を繰り出したのだと、赫く染まった鋭爪と、血滴と共に躍る骨肉臓腑を仰いだ戰爭卿が喫驚に震える。
 ぼたぼたと頬を叩いて張り付く鮮血を受け取ったシキは、言葉を失った卿に代わって時間を――物語を進めた。
「支配を斷っても永遠に平和が続くとは限らない。革命を成し遂げ英雄となった者達にも、何れ|終焉《おわり》が訪れる」
『……っっ……っ!!』
「だが、其は今では無い」
 吸血鬼の心臓に獸の爪を突き立て、嚴然と、冷然と、告ぐ。
 今日より英雄となった闇の救済者達は、永遠と続くとは限らぬ平和の爲に進み続けるだろうと、彼等の顏を思い浮かべながら爪を沈めたシキは、拍動が止まり、熱が冷めるまで――卿の終焉を見届ける。
 而して全てが沈默に包まれた時。
 シキの聡い狼の耳は、街中から溢れる人々の歡喜に滿たされるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年03月31日


挿絵イラスト