第二次聖杯戦争⑳〜異形の扱いし武器
「シルバーレインの世界で起きている大きな戦いもいよいよ大詰めね」
君たちに声をかけた石蕗・つなぎ(土蜘蛛の白燐蟲使い・f35419)がこう切り出したということは、件の戦いの一戦場に赴いてほしいということなのだろう。
「雷鳴と共に金沢港に現れた、神気漂う1柱のオブリビオン。名前は『|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》』だったかしら?」
かのオブリビオンはどのような力によるものか、かつて「|銀色の雨の時代《シルバーレイン》」に発見された巨大槍「ディアボロスランサー」を小型化したとしか思えないものを、その手に携えているという。
「ディアボロスランサーは『シルバーレイン世界の全ての生命を創造した』創造主であり、宇宙船にもなる巨大槍よ。銀誓館の能力者達の一部を載せて次の宇宙に旅立った筈なのだけど――」
つなぎによると、かの小さな槍が「ディアボロスランサーそのもの」であり、その中には「時間を停止された能力者達」が閉じ込められているらしい。
「かつて敦賀市攻略で銀誓館学園の能力者と戦った異形の神将に同じ名をしてたひとが居たらしいけど」
そんな謎の敵ではあるが、わかっているのは紛れもない「強敵」であるという、その一点のみ。
「そうそう、件のディアボロスランサーだけど、|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》を倒せば破損状態に関わらず、完全修復状態で新しい宇宙に戻るし、中のひとたちも無事だからそこは安心して」
逆に言うなら奪い取ってしまうことも出来ないのかもしれないが、それはそれ。
「ただ、戦いになれば|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》はディアボロスランサーを更に活性化させ、全身から樹木の如き長い角を大量に生やした『生命樹状態』へと変身、先制攻撃してくるわ」
先制攻撃へのユーベルコードでの対処は間に合わず、また通常のユーベルコードに加え、|この大量の角《生命樹》は近づく対象を何万体でも自動迎撃し、戦場から弾き飛ばすそうで。
「普通に戦ったらなす術はないでしょうね。ただ」
この時、禍々しき呪いに満ちた異形の武器が降り注ぐのだという。
「それらの名称は『抗体兵器』……かつてこの世界のゴースト達が使用していた『生命と敵対する武器』よ」
生命樹の激しい輝きを消すために送り込まれたのか、それらは「生命樹を枯らせる効果」を持つ。
「抗体兵器を手に取れば、たやすく生命樹に対処する事ができるでしょうね」
また、この抗体兵器について呪いに対処できるのならば、その後持ち帰っても構わないとのこと。
「そうそう、この抗体兵器だけれどおおよそ考えつく限りの種類が存在すると思うから」
自分に合う抗体兵器がないという事態はほぼ起こりえないらしい。
「ディアボロスランサーに閉じ込められた能力者のみんなの為にも」
つなぎは宜しくお願いするわねと頭を下げたのだった。
聖山 葵
槍と聞いて「あれはディアスポラの神槍?!」とボケようとしたことがあったとかないとか。
という訳で、今回は槍持つ男を撃破していただくお話となっております。
尚、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になるようです。
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プレイングボーナス……都怒我阿羅斯等の先制攻撃に対処する/何らかの手段で『生命樹』に対処する。
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ではご参加お待ちしておりますね。
第1章 ボス戦
『都怒我阿羅斯等』
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POW : 天地開闢の祝詞槍
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【純粋生命力 】属性の【ディアボロスランサー】を、レベル×5mの直線上に放つ。
SPD : 舒弗邯閼智(ソブルハンアルチ)
【全身に生えた七本の蒼き角 】を纏い空中高く舞い上がった後、敵めがけて急降下し、[全身に生えた七本の蒼き角 ]が尽きるまで【ディアボロスランサー】で攻撃し続ける。
WIZ : 魂よわだつみに還れ
【ディアボロスランサーから生命の奔流 】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
イラスト:いもーす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
やはり凄まじい相手ですが、やってみましょう。
『FAS』を使用し飛行、『FMS』のバリアで攻撃に備えまして。
『祝詞槍』は『直線攻撃』、『FIS』を使用した転移による『射線外への退避』が有効ですぅ。
直前での狙い変更で狙われない様、『FPS』の概念探査で狙う方向を察知出来るようにしますねぇ。
そして『榴弾砲型抗体兵器』を手に取り【瀰祿】を発動、『抗体兵器』自体を『祭器化』すれば、問題無く扱えるでしょう。
元々「当たれば終わり」の率が高い相手、或る程度の強化は可能でしょうから、不足分を『反動(胸の増量)』で補い、最大火力の[砲撃]による『|連続攻撃《2回攻撃》』を叩き込みますねぇ。
「やはり凄まじい相手ですが――」
転送されるや相手を見て夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)がそう感想を漏らしたのは、|謎の槍を持つ男《都怒我阿羅斯等》が既に一度交戦した相手であったからだろう。
「やってみましょう」
怯むことはない。言葉とともに|3対のオーラの翼《FAS》で空へ舞い上がり、|浮遊する12枚の円《FMS》で囲んだ範囲内にバリアを展開し。
「汝が我を討たんとする者か」
るこるに気づいた|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》は全身から樹木の如き長い角を大量に生やしながら左腕の前に浮かべた生命の槍『ディアボロスランサー』を掲げると詠唱を開始し。
(『祝詞槍』は『直線攻撃』、『射線外への退避』が有効ですぅ)
一度戦った相手であるからこそ、るこるは有効な戦法を把握していた。
「ぬっ?!」
詠唱が終わり、放たれたディアボロスランサーはるこるがつい先ほどまでいた場所をただ通り抜け。
「仕損じたか、我としたことが、だが」
体中から生えた|大量の長い角《生命樹》による迎撃がおいそれと自身を害せない確信があるのだろう。攻撃を外したことは微かに眉を動かすにとどめ。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その神宝の理をここに」
「なに?」
周囲を見回しそこで見る、降り注ぐ抗体兵器の中から榴弾砲を選び掴んだるこるが手にしたそれを祭器と化す姿を。
(元々『当たれば終わり』の率が高い相手、或る程度の強化は可能でしょうからぁ――)
るこるの胸が急速に膨らみだす。膨胸と言う反動を代償に祭器へ変じた抗体兵器は力を得て禍々しい唸りをあげる。生命根絶のためのものであるという本質は祭器となっても変わらぬのか、あるいは。
「それは、生命を絶」
|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》に言葉の先を言わせるより早く、元抗体兵器は火を噴いて。
「ぐおおおおっ」
砲撃は|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》を覆う生命樹を枯らしながらその身へ炸裂し、着弾の爆発が|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》を呑み込み。
「次ですぅ」
「があああっ」
連続で、全く同じ軌道で撃ち込まれた二発目の砲撃がさらにそこへ命中、晴れぬ爆炎の中、|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》の絶叫tが上がったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
お前の絶望に付き合ってやる。
お前を壊すまで!!
敵への【闘争心】で以って禍々しき呪いと同調!
乾坤圏型抗体兵器を2つ取り、片方を【念動力】超速回転を加え、
ディボロスランサーから放たれる生命の奔流へと投げつける!!
回転が発する【斬撃波】で生命の奔流を【なぎ払い】
都怒我阿羅斯等へ【切断】攻撃!!
斬れ!断て!!壊せ!!!
【追撃】『零距離回点』
退化退行の|右目《魔眼》で都怒我阿羅斯等の反撃の動きを退化させ、
その間隙にもう片方の乾坤圏を都怒我阿羅斯等の懐へと投げ入れ、
|人工魔眼《左目》の超能力で乾坤圏を念動力【操縦】!
都怒我阿羅斯等を滅多切りにする!!
八つ裂きにしろ!!!抗体兵器ぃいいいいイイイッッ!!!!
「あれか」
爆炎が薄れゆく中、転送された朱鷺透・小枝子(|亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924)の視線は降り注ぐ抗体兵器の一つに注がれた。対になるような二つの乾坤圏。
「お前の絶望に付き合ってやる」
手を伸ばし、つかみ取る。|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》へ向けた闘争心が小枝子を禍々しき呪いと繋ぎ。
「お前を壊すまで!!」
宣言し、二つの内一つを振りかぶる。ディアボロスランサーから放たれる生命の奔流に抗する為であり。
「魂よ、わだつみに還れ」
それは|小枝子が念動力を用いて回転させた乾坤圏を投げるより早か《先制攻撃だ》った。
「ぐおおおおおっ!」
生命の奔流に呑まれながらも小枝子の手を離れた乾坤圏型の抗体兵器は回転しながら斬撃波を生じ、ボロボロの身体を斬撃波が斬り散らし幾らか奔流を減退させた場所に小枝子は潜り込む。
「ぐぅっ、まだだ!!! 止まれ」
自身の右目を退化退行の魔眼へと変えて小枝子がその眼で睨み付ければ、|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》の生やす|大量の長い角《生命樹》の動きは鈍り。
「斬れ! 断て!! 壊せ!!!」
尚も生命の奔流と抗いながら生命樹を切り倒さんと進む乾坤圏の片割れを追うようにもう一方の乾坤圏型の抗体兵器を小枝子は投じると、吠えた。
「八つ裂きにしろ!!! 抗体兵器ぃいいいいイイイッッ!!!!」
「ぐっ、なんと言う執念。があっ」
ダメージに遠のきかける小枝子の意識の中、|人工魔眼《左目》の超能力で操った乾坤圏は確かに|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》を切り裂いた。
成功
🔵🔵🔴
ロラン・ヒュッテンブレナー
・アドリブ絡み歓迎
生命の波動をビリビリ感じるの、あれが生命樹…
だめ、飲み込まれちゃ
命を引っ張られちゃうっ!
抗体兵器、だっけ…
使いたくないけど、これなら…
ルプスを生成、その破邪結界の柄を剣型抗体兵器の柄に張り付けて念動力で扱うよ
いくつもいくつも引き抜いて、そして投擲、無限の迎撃をする角を払いのけていくよ
!?何このエネルギー!
引っ張られっ…、ぐ、結界術展開
もう少しだけ、準備ができるまで耐えるのっ
抗体兵器をどんどん投擲!
もう、ここしかないの
UC詠唱
投擲した抗体兵器の柄、ルプスの柄を魔力でリンク、それを繋げて一つの魔術陣へ
『過去の生命は、今の生命の邪魔になるべきじゃないの』
全魔力を使って発動なの
クリスティアーネ・アステローペ
抗体兵器、侵略者に対する呪詛、或いは自らの領分を取り戻さんとする願いに祈り
その対象が私たちであれ、力を貸してくれるのならば貰い受けましょう
何を見たかは知らないけれど、邪魔ものにはお帰り願いましょうか
〈呪詛耐性〉も頼りに大鎌型の抗体兵器を手に取り、地面に向けた〈爆撃〉の魔法の反動で自身を〈吹き飛ばし〉て攻撃範囲外へ退避
着地際に大鎌で周囲を〈薙ぎ払い〉、周囲の生命樹を〈切断〉
〈高速詠唱〉〈無酸素詠唱〉〈多重詠唱〉で第二撃が来るより早く【咎を穿て、赫き杭】を多重に発動
元々そう遠くないであろう〈呪詛〉の方向性をさらに寄せて、杭を可能な限り抗体兵器化
槍も男も無数の樹々も、纏めて〈蹂躙〉、しちゃいましょう
「生命の波動をビリビリ感じるの、あれが生命樹……」
先の猟兵との戦いで|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》から生えた|大量の長い角《生命樹》が全て断ち切られたわけではなかった。故に健在な生命樹を見て、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は慄き。
「だめ、飲み込まれちゃ、命を引っ張られちゃうっ!」
すぐさま頭を振ると、弾みで視界の端に空から降るものが映る。
「抗体兵器、だっけ……。使いたくないけど、あれなら……」
展開した破邪結界を剣と化し、ロランは念動力で剣型抗体兵器の柄に柄を張り付ける。所謂双頭剣と化し次第、それは、それらは生命樹へと向かおうとして。
「だが、そううまくはゆかぬ!」
生命樹が動いた。否、|大量の長い角《生命樹》を生やす|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》が動いたのだ。
「えっ!? 何、あのエネルギー!」
ロランが攻撃するよりも先に|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》はロランへとディアボロスランサーを向け、今にも放出されんとする生命の奔流を見て驚きの声を上げた直後。
「引っ張られっ……、ぐ」
咄嗟に結界を展開した判断が、ロラン自身を助けた。
「も、もう少しだけ、準備ができるまで耐えるのっ」
放たれた生命の奔流をまともに受け止めた結界は、術者の声に応えるかの如く、僅かたりとも|生命の奔流《そ》を通さず。
「マジカスキャン、座標確定。各『マジカ反応』リンク。術式転送、転写。エネルギー充填、完了」
無機質な人工が音声の如く言葉を紡いだロランは、告げる。
「過去の生命は、今の生命の邪魔になるべきじゃないの」
「ぬっ、どうい」
既に準備は整っていた。生命の奔流が結界に阻まれるうちに生命樹へと向かわせた剣型抗体兵器たちの柄、ルプスの柄を魔力で|リンクさせ《繋げ》て作られた魔術陣が起動、|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》の言葉を遮り、オブリビオンの存在を浄化する黒い雷は|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》へと降り注いだ。
「がっああ゛あああっ」
苦痛の声を|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》があげる間も抗体兵器は降り注いでいた。
「あ、クリスさん」
だから、転送されてきたクリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)へ気づいたのはロランの方が早く。
「あら、こんなところで奇遇ね。せっかくだから――」
抗体兵器の存在を侵略者に対する呪詛、或いは自らの領分を取り戻さんとする願いと受け取り、祈りを捧げていたクリスティアーネもロランに気づけば、私も混ぜて貰えるかしらと断りを入れ。
「その対象が私たちであれ、力を貸してくれるのならば貰い受けましょう」
伸ばした手の中に落ちてきたのは、大鎌型の抗体兵器、そに満ちた禍々しき呪いを耐性をもってクリスティアーネが凌げば。
「また一人、我を斃さんとするものが現れたか」
ならばと|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》はディアボロスランサーを前に浮かべた側の腕を振り上げようとし。
「っ」
魔法を回避のために転用しようとするクリスティアーネの想像よりはやく、ディアボロスランサーは|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》の手を離れた。
「クリスさん、いけない!」
故にクリスティアーネに突き刺さる筈だったディアボロスランサーの往く手を塞いだのはロランだった。
「あ」
ロランの身体が放物線を描き、弾き飛ばされる。その代わりに地面を爆発する反動でクリスティアーネも跳んでいて。
「ぬうっ」
「何を見たかは知らないけれど、邪魔ものにはお帰り願いましょうか」
尚も迎撃せんとする|大量の長い角《生命樹》をクリスティアーネは|抗体兵器《大鎌》で薙ぎ払い。
「生者は止まれ。己が過去を枷として、過去ならば瓦解せよ。骸の海へと立ち返れ。汝を裁くは顕世の法理。贖え、己が血潮と痛苦を以て」
開けた視界の中、地面から血と呪詛と祈りで作られた無数の杭が顔を出す。いや、顔を出したかと思った次の瞬間には一気に飛び出した。
「っがぁぁっぁぁっ」
降り続ける抗体兵器が引っ掛かったのか、抗体兵器の呪いが杭に伝播したのか。生命樹っも折り枯らしながら杭たちは|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》を磔としたのだった。
大成功
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朱鷺透・小枝子
まだ、壊してない!
呪瘡包帯型抗体兵器を【念動力】で身に纏い自身を補強【継戦能力】
【闘争心】で戦闘続行。呪いを纏う事で生命樹を枯らし、
両目の人工魔眼の【動体視力】で祝詞槍を視認、
【早業】反射と【瞬間思考力】思考で
槍を最小限の動きで躱し【カウンター】
戦えこの生命を断て!!
『惨禍抗体兵器』発動。
【発狂耐性】【激痛耐性】抗体兵器の禍々しき呪いと強く同調
【呪詛】生命と敵対する武器フォースセイバーを創造し片腕へ【切断】攻撃
【フェイント】念動力で先に使ってた乾坤圏型抗体兵器を射出、弾かせ、
|壊せ《殺せ》朱鷺透小枝子!!!
【追撃ロープワーク】呪瘡包帯を都怒我阿羅斯等の首へ絡ませ【怪力】で絞殺しに掛る。
「まだ、壊してない!」
無理やりに沈みかける朱鷺透・小枝子(|亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924)の意識を引き上げたのは、自身の闘争心かそれとも未だ降る抗体兵器たちが生命樹を根絶せんとする執念にも似た禍々しき呪いか。
「おぉおぉオオッ!!!」
満身創痍の身体で空へと手を伸ばし、届かぬ先にある呪瘡包帯型の抗体兵器を念動力で引き寄せれば、そのまま自身の身体に巻き付け。
「馬鹿な、その身体でまだ戦うというのであるか?!」
磔にされながら驚愕に目を見開く|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》を小枝子は視界の内に。
「壊してなイッ!! 壊してなァイッ!!!」
巻き付いた抗体兵器の声が身体を通じ漏れ出たか、絶えぬ闘争心がその身体を突き動かしてか。
「……我は、槍持つ男『|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》』、|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》なるぞ!」
気圧されまいとするかの如く槍持つ男は名乗りを上げ、杭の刺さった部分から血が噴き出すのにも構わず、片腕を掲げる。手の上に浮かぶは、生命の槍。
「往け、槍よ!!」
千切れんばかりに|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》が腕を振れば、ディアボロスランサーは小枝子目掛け一直線に飛んで行く。
「まダぁッ!」
「な」
傾ぎ、倒れかけただけに見える僅かな半身の動き。小枝子がまさに最小の動きで生命の槍を躱したことに驚きの声が|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》の口から洩れた時。
「戦えこの生命を断て!!」
前へ、前へと小枝子は駆けだしている。禍々しき呪いとの同調を代償に片手の中には|一振りの武器《フォースセイバー》を作り出しながらだ。
「させ、ぬ?!」
接近を阻むべく槍持つ男は生命樹を伸ばすも、小枝子の身体に巻かれた|抗体兵器《呪瘡包帯》へ近づいたとたん、しなび、枯れて折れ曲がり。
「ぐあっ」
小枝子の振るったフォースセイバーが、一閃。は槍を投じたままの形の片腕を斬り飛ばされ。
「壊してな゛いッ!! 壊してなイッ!!」
敵は磔になったまま動けぬにも拘わらず、小枝子は念動力で地に刺さった乾坤圏型抗体兵器を受かせ、射出する。
「我に二度同じモノが通じると――」
|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》の残った片腕がこれを弾き散らすが、小枝子からすればそれでよかった。|囮《フェイント》に引っかかり注意が逸れた一瞬で肉薄した小枝子は|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》に抱き着くように腕を回し。
「ぐがっ」
身体に巻いた|抗体兵器《呪瘡包帯》を|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》の首に巡らせ、全力で締め上げる。
「|壊せ《殺せ》朱鷺透小枝子!!!」
「ぐ、ぎっ、槍よ……汝は哂うか、このような……ぐ、う」
苦し気な|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》の独言も耳には入っていまい。ただ小枝子の目に入るのは首に食い込む|抗体兵器《呪瘡包帯》のみ。下になった敵が動かなくなっても、自身が意識を失うまでただただ縊り続け。こうして戦いは猟兵たちの勝利で幕を閉じたのだった。
大成功
🔵🔵🔵