第二次聖杯戦争⑳〜其れはまるでAM装置のような
何がその男を変えてしまったのだろう。
骸の海の中で生命に絶望した男は生命を生み出す創造主『ディアボロスランサー』の主という立場を利用し、その槍で生命を滅ぼすという暴挙に出ようとするほどに。
「……槍よ、汝は怒るであろうな」
それが分かっていてなお、男――『|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》』は全生命に対する“敵”として金沢港に顕れた。
青白き雷鳴と共に、神気みなぎる一柱のオブリビオンとして。
「彼が持っているのは小型化されたディアボロスランサーそのものだ。それが巨大な宇宙船であった頃、新宇宙へ旅立った時に乗せた当時の能力者たちを内部に閉じ込めたまま、元々の持ち主である『|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》』の手に戻ったようだね」
仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は、彼ら能力者が槍の内部で時間を止められた状態で保存され、『|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》』を倒せばそれまでの損傷具合に関係なく完全に修復されて元の状態に戻るだろうということを告げた。
「その槍持つ男、骸の海で見た何かに絶望しての行動だという話だけど……動機はどうあれ、彼が強敵だということは間違いない。なにしろかつての記録にも殆ど存在せず、名前とディアボロスランサーの持ち手であるということ以外は全て謎。その槍使いは荒々しく、無造作に振るうたびに生み出された新生命体が異形の攻撃能力をもって襲いかかる」
『新生命体』は槍持つ男の神気に触れて発狂しており、知性らしきものは欠片も見られない。そういう意味では純粋なる兵器と言ってもいいだろう。
「それらはまるで空間を走るプログラムそのものみたいに掴みどころがない。そのままでは攻撃しようがないものの、『新生命体』の方から君をスキャンし、その場で作り出した複製物に対しては攻撃が通る。そう、3Dプリンターみたいに元の形を読み取って造形するんだ。ただし、違うのは見た目だけではなく武器の性質やユーベルコードの内容といった性質までそのまま写し取れるところだね。造形された複製体は君とまったく同じ攻撃を仕掛ける。同時に槍持つ男を相手にしなければならないことを考えると、かなり難儀かな」
ただし、複製体を破壊すれば『新生命体』にもダメージが入る。複製自体を防いでしまうと手の出しようがないため、何らかの方法で複製体を倒す手段を講じてほしい。
「なにしろ見た目も戦法も自分と全く同じ相手だ。まあ、発狂している新生命体と同じで会話などは行えないみたいだけどね。君が強ければ強いほど、相手もそうなるというわけ。どうかな、突破口は見えた?」
ツヅキ
プレイングが送れる間は常時受付中です。
執筆のタイミングによっては早めに締め切られる場合があります。
●第1章
槍持つ男『|都怒我阿羅斯等《つぬがあらしと》』がディアボロスランサーによる猛攻と異形の攻撃方法を持つ新生命を引き連れて襲いかかります。
都怒我阿羅斯等の先制攻撃に対処する/新生命体の群れに対処するとプレイングボーナスです。
第1章 ボス戦
『都怒我阿羅斯等』
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POW : 天地開闢の祝詞槍
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【純粋生命力 】属性の【ディアボロスランサー】を、レベル×5mの直線上に放つ。
SPD : 舒弗邯閼智(ソブルハンアルチ)
【全身に生えた七本の蒼き角 】を纏い空中高く舞い上がった後、敵めがけて急降下し、[全身に生えた七本の蒼き角 ]が尽きるまで【ディアボロスランサー】で攻撃し続ける。
WIZ : 魂よわだつみに還れ
【ディアボロスランサーから生命の奔流 】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
イラスト:いもーす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私 冷静沈着
武器:白雪林
助手:陰海月
陰海月ごと複製しますよね。まあ、そうしないとUCが使えませんからね。
『槍の男』の攻撃は、見切って避けましょう。たまに結界を挟みます。
UCは…どちらも陰海月ですから、楽しみますけどね?
氷雪属性矢を射かけるようにして…。
そして、ここからは…頼みます。
※早業交代
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎
交代後、素早く炎属性つきの薙ぎ払いをするかの。
場によって適切に切り替える。それがわしらの戦いだからの。
その場で応用するのは難しいぞ?
※
W陰海月だと、すっごく輝く戦場になる
金沢港――青白き稲妻のような神気を纏う都怒我阿羅斯等とも新生命体の耀き違う、もっとカラフルでポップでエンタテインメント風の“光”がゆらゆら蠢いている。
その色数、実に1680色。
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は鼻歌を歌うような素振りでこの光景を楽しんでいた。一方の都怒我阿羅斯等は目もくれずに全身から角を生やし、ディアボロスランサーを豪腕にも振るう。
「最初の一撃に比べれば、随分と手ぬるい攻撃ですね」
「うぬ……!」
そう、相対した瞬間の一刀だけはさすがに見切るのもぎりぎりであった。だが今は結界で凌ぐ回数もあの時とはかなり減っている。
なぜ、と彼は思うだろう。
理由は簡単。
虹のように色を変えながら輝く陰海月のダンスを楽しむ者のみがいつも通りの力を発揮できるのだから。
「これならば、いくら複製されても怖くはありませんよ」
義透は空中を漂う新生命体と彼らによって複製された陰海月を連れた自分自身に告げた。まるでこちらの陰海月を真似るように踊り始め、ゲーミングなカゲクラゲが2匹に増える。
そこへ射かける白雪林の矢が到達するか否かといったタイミングで義透は――『静かなる者』が言った。
「……頼みます」
「では、参るかの」
一瞬にして入れ替わった『侵す者』は黒燭炎を一息に薙ぎ払う。
さっきまで氷雪の矢に襲われていたにも関わらず、今度は突然の炎だ。踊るのに夢中だった陰海月だけでなく、義透本人すらも即座には対応できまい。
「ユーベルコードはともかく、その狂った状態では人格の切り替えまでは複製できぬだろうて」
義透はさらに一歩を踏み出し、たとえ自分が相手であろうと惑うことなく攻撃を繰り返した。それこそ、相手が消えるまで。
何度か薙ぎ払ううちにそれは炭素みたいに燃え尽きる。陰海月が一匹に戻ったせいで戦場の明るさが半分に戻ったことが名残惜しいといえば名残惜しくもあった。
大成功
🔵🔵🔵
フィッダ・ヨクセム
俺様は、過去にそれでこの世界の外に出たバス停なんだよ
しかも色々あって武器だけ遭難なんつー、最高に酷い目にもあッて今此処に居るわけ、……あーあ、お陰様で災難体質だよ畜生。小型だろうが全ての運命の分岐点、遭難先を改めて見ると思わなかッたわ。すげえ呆れてるッての
つーわけで、だ
俺は武器である以上、逃げの一択なんて考え持ッてない
怪我も、恐れない……痛えのはそれなりにヤだけど、激痛態勢で我慢する
突き刺す?貫かれる?イイ、そんなことは
UCで、引き寄せて全力魔法で行う炎のブレス攻撃で焼いてやろうか
化け物の相手に化け物でよかッたと、こーいうとき思うわ
バス停は避雷針代わりに、火狐だぞ、炎を恐れるわけねえだろうが!
戦う前に少しだけ、|フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)《俺様》について語ろうか。
どうしてバス停だけ遭難するはめになッたのか、その絡繰りがあれなんだ。
だッて、|世界の外に出る《・・・・・・・》なんて芸当はそう簡単にできやしない。だからこれは本当にあッた昔話。
話せば長くなるぜ?
とにかく色々あッたんだ。
しまいには武器だけ遭難するとかいうとんでもない事態に陥ッたしな。
――断言していい。
「最高に酷い目にもあッた……思えば、あれば俺様の災難体質のきッかけになッたわけだよ畜生。あーあ、こうして見ると改めて凄ェ槍だぜ。懐かしい? 呆れてんだよ心底からなッ」
|あれ《・・》こそが全ての運命の分岐点なのだから。
小型だろうが、誰かの手にあろうが無関係。
まさか今さらこの眼で遭難先とご対面することになろうとは、これだから人生何が起こるか分からない。
「……しかも持ち手の元に戻った|槍《ヤツ》と武器だけの|バス停《ヤツ》が死合いするッてんだから笑えねェ。羨ましいのか? いや、正直わからねェよ。だって|お前は《・・・》こんな使われ方を許す気はねェんだろ。それに俺だって、逃げの一択なんて端から頭にねェ」
それは武器である以上、逃れられない闘争本能。
戦うために作られたのだから、怪我など怖がらいでか。
「その意気やよしである」
――男の身に生えた角こそ突撃の合図。
都怒我阿羅斯等はディアボロスランサーを手にフィッダへ向けて降って来る。高みよりもの凄い速度で迫る刃はやはり怖いとは思えなかった。
(「……原点、だからなァ」)
腹を刺され、腕を貫かれる。
まったくやりたい放題だが、構わないと歯を食いしばった。痛みなら耐えればいい。負傷も死なない程度ならいくらでも。
目の端で新生命体とやらがどういう理屈なんだかわからないが|自分《フィッダ》を複製しているらしい。やれやれと肩を竦め、――次元絶爪。目の前の空間を掻きむしるように引き裂いて完成した自分ごと手元まで引き寄せて。
焼く。
最高にシンプルな方法だ。
フィッダのブレスは全力魔法で生み出す火炎となって都怒我阿羅斯等ごと複製を焼き払う。ざん、と打ち立てるように置いたバス停が避雷針代わりだ。
「我の角が、燃やされる……だと……!?」
全く同じことを複製体はやり返すが、まったくもって無意味極まりない。見た目だけ真似をしたお前と違って、フィッダは根っからのファイアフォックス。
「炎を恐れるわけねえだろうが! どあほう!」
効かぬ、退かぬ、畏れぬ。
(「化け物でよかッた」)
だから守れる、だから抗える、だから生きられる。
とくと味わえ。
これが化け物だ。
「新生命体がやられたか……!」
「化け物の相手をするにはもってこいの相手だろ?」
呟くフィッダの瞳に映り込む炎。
灼熱の、紅蓮の、強くて繊細なそれが金沢港を染め上げてゆく――……。
大成功
🔵🔵🔵
ロラン・ヒュッテンブレナー
・アドリブ絡み歓迎
過去の生命の守護者が、新しい生命で今の生命を滅ぼす…
未来と戦うみたいだけど、ぼくたちだって負けられないの
ぼくは今を守りたいから、あなたと戦うよ
あの槍の力なら、ぼくの全てが写し取れるんだろうね
結界を張りルプスを生成して宙に構えるの
でも、ぼくの戦術まではわかるかな?
相手もルプスを複数作ってUC準備をするはず
でも、そのUCはオブリビオンじゃないぼくには効かないよ
ぐ、生命の奔流、負けない!
結界を何度も張り直して猛攻をできるだけ我慢
周囲にルプスやコピー結界が散らばるのを待つの
いまっ!
敵のルプスや結界を自身の痕跡として魔力リンク、魔術陣を構築
『今の輝きの為に!』
全魔力を使ってUC発動!
金沢港の空には稲妻が走り、青白き神気を纏う都怒我阿羅斯等が戦場の主として仁王立つ。その手には生命の創造主――ディアボロスランサー。
「あなたは、罪深いことをするの」
「承知の上だ」
「……させない。この世界は、ぼくたちが守るの!」
ロランは周囲に魔法陣を構え、都怒我阿羅斯等はディアボロスランサーを振るい新たな生命の輝きで戦場を満たしてゆく。
新生命体はその名に違わぬまったく新しい構造と方法をもってロランの情報を読み取り、瓜二つの複製体を創り上げた。
「魔剣を使うのであるか」
「ルプス、っていうの」
都怒我阿羅斯等の発する光の奔流に耐えながら、ロランは彼に教えてあげた。
もうひとりのロランはその間に攻撃準備を進め、周囲に|天狼の魔剣《ルプス》を宙に浮遊展開する。ひとつ、またひとつと張り巡らせた結界が破られた。
それでも、継ぎ足して――耐える。
微かな呻きが漏れた。
膝が震える。
だが、負けない。
……過去の生命の守護者が、新しい生命で今の生命を滅ぼす……なんて見過ごせるわけがなかった。なんだか未来と戦うみたいだな、とロランは思う。
ひとつ間違えば、|彼ら《・・》もまた新しい宇宙でその命を伝播する使命を負っていたかもしれないのだから。
「――でも、こうなった以上は……倒すの。ぼくは今を守りたいから、戦うよ。あなたと」
「受けて立つのである!」
言外で勝つのはこちらだと言い含み、都怒我阿羅斯等は最大出力の奔流を投げかけた。だが、戦場を支配したのは彼ではなくロランの魔術陣であった。
「なに!?」
一瞬にして、敵のルプスや結界までをも己の痕跡として|連結《リンク》を果たした時、都怒我阿羅斯等は前後左右を挟み込まれる形でそれらに取り囲まれていたのである。
「しまっ……」
「今の輝きの為に!」
青白き稲妻のような神気を駆逐する黒い雷が天より彼を貫き、ロランとルプスの姿をとった新生命体もろとも灼かれていった。彼の狂気に触れたことでオブリビオンとしての気をも纏っていたのかもしれない。
「……これはオブリビオンの存在のみを浄化する閃きの軌跡。だから――」
消え去る寸前、同じユーベルコードを使いロランを撃とうとした黒雷はその身をすり抜けて地面に吸い込まれていった。
「ぼくには効かないよ。表面だけ真似ても、……駄目なの」
大成功
🔵🔵🔵
神崎・零央
ディアボロスランサーは聞いたことあるけど、
都怒我阿羅斯等、って授業に出てきたっけ?
(シルバーレイン近代史)無いよね、たぶん……
素早くキングの背に跨ってダッシュ。
キングに合わせて自分も動き、
急な方向転換でもバランスを崩さない。
人獣一体で駆けまわり槍の攻撃を躱す!
複製はやっぱりキングと俺。
「背中に乗って戦うのも同じ、か」
でも、わかっていれば何とかなる。
姿形は真似れても心の繋がりまでは真似出来ないよ。
な、キング!
複製に向かって突撃し、目の前で急制動。
俺は宙に放り出されるように飛び、上からスリングショットを連射。
同時にキングが突っ込んで複製を薙ぎ倒し
そのまま走り抜けて俺をキャッチ。
これが俺たちの絆だ!
黄金の獣は電子の海から生まれた。
だから、そうやって形もなく空間を漂うだけの新生命体には、ほんの少しだけ親近感を覚えなくもないのだけれど。
「さあ、正念場だキング」
「ガルルッ」
神崎・零央(百獣王・f35441)は成体の姿を取るキングに寄り添って槍持つ男を見据えた。やはり見覚えがない。
(「あの槍の方は知ってるけど……」)
もしも授業に出てきたのなら、都怒我阿羅斯等という名前くらいは聞き覚えがあってもよいはずだった。にも関わらず、初めて聞いたのだとしたら――いったい何者?
「って、聞いても教えてはくれないんだよね?」
「ふっ。ディアボロスランサーの主である以上に重要な身の上などありはせぬ。我にとってこれはかけがえのない武器であるがゆえにな」
その身に生える角が突撃の前触れだ。
キングの鬣を掴んだ零央は、鋭く「いけ!」と声を発してその背に跨る。ブォン、と頭上から振り下ろされる槍をワンステップで回避。
零央も跳ぶ方向に身体を傾け、キングが動きやすいようにアシストする。ひとつ攻撃を躱すごと、彼の角が消えていった。
「あと3つ!」
「ぬ……ッ」
ドリフトみたいに戦場を駆け回り、零央とキングは人獣一体となって都怒我阿羅斯等を逆に翻弄するのだった。
「ならば新生命に相手をさせよう」
「……きた、やっぱりキングと俺だ」
相手の出方を窺うように、キングが頭を下げて威嚇するように喉を鳴らす。それに呼応して複製のキングも同じく唸った。
互いに様子を見ながら、零央はキングに囁いた。
「大丈夫、俺たちなら――な、キング!」
「オォウ!」
解き放たれたようにキングが地を蹴った。
零央は敵の眼前で急制動をかけ、その勢いを利用して宙へ身を躍らせる。長い滞空時間をめいっぱい使い、スリングショットから弾を弾き出した。
「白燐蟲を宿らせた弾丸だ、かなり効くよ」
一瞬で狙いを定め、都怒我阿羅斯等の胸元にあらんかぎりの玉を叩き込む。
「ぐッ――」
彼は胸元を抑え、よろめいた。
その足元をキングが駆け抜け、複製に体当たりをくらわせる。そのまま走り抜けたキングの背に見事降りた零央は弾む声で褒めた。
「よくやった、キング!」
たとえ姿と技は真似られようと、培われた連携までは再現できない。これが絆だった。零央を再び乗せたキングが嬉しそうな咆哮を上げる。
大成功
🔵🔵🔵
鈴鹿・小春
敦賀市で槍探してた神将だよね?
そんな力あるなら使えばよかったんじゃ…隠されてたから使えなかったの?
ともかくそこに旅立ったセンパイ達がいる。
絶対助けるよ!
複製は僕そっくり…当前攻撃法も同じ!
敵の剣は集中して見切り呪剣で受け流し生命力吸収を阻止、寧ろカウンターで逆に奪っちゃおう!
同じだから格上よりはやり易い…!
蜘蛛童召喚には結界術でオーラ防御強化してガード固め対応、都怒我阿羅斯等の急降下攻撃は飛んだら警戒開始、落下地点見切って回避し生えてる角を狙い呪剣で出来るだけ生命力奪いつつへし折るよ!
UC準備できたら発動、何体呼べるか分からないけど複製体優先で数で押し切る感じに攻めるね!
※アドリブ絡み等お任せ
鈴鹿・小春(万彩の剣・f36941)は「そうだ」と思い出したように手を打った。どこかで聞いた名前だと思ったのだが、やはり――あの時の。
「敦賀市で槍を探してた神将だ。槍ってディアボロスランサーだったの? うわー、まさかだけどその中には旅立ったセンパイ達がいるんだ。助けなくちゃ!」
待ってて、と小春は呪剣を手に勝負を挑んだ。
目の前には自分を|読み取った《スキャン》した新生命体産の自分が同じ剣を手に立ちはだかる。鏡映しのように鍔迫り合い、互いの生命力を呪われた刃で奪い合った。
「おっと」
技量も力も全く同じなら、あとは集中力の差が物を言う。
都怒我阿羅斯等の狂気に触れた新生命体と自らの意思を持って敵の攻撃を受け流そうと試みる小春ではどちらに軍配が上がるかは明白であった。
(「それに、格上の“僕”とやり合った今は同じ方がずっとやりやすいしね」)
塗り箱を手に自分の力に酔っていた姿を思い出し、ぶるっと震える。一向に押しきれないことに業を煮やしたのか、小春の複製体は蜘蛛童・爆の幻影を召喚してこちらを取り囲もうとしてきた。
「我も忘れるでないぞ!」
まったく、即席の連携にしてはよくやっている。
蜘蛛童で逃げ場を塞いだところへ急降下する都怒我阿羅斯等の攻撃を同時に躱すのは至難だ。小春は防御を固め、守りに専念する。
――見切るのは、落下地点。
「それ!」
蜘蛛童を飛び越え、とっさに脇へ退いたところをディアボロスランサーが薙ぎ払った。間一髪で難を逃れてもまだ油断はできない。
「ぬっ!?」
「よし、斬れた!」
狙いは彼の角だ。
呪剣は期待通りにそれを斬り落とし、力を削ぎ生命力を奪い取る。これがカースブレイドたる小春の戦い方だった。
「それじゃ、僕の方もいくよ。在りし日の姿を――ここに!」
相手の呼んだ数を上回る蜘蛛童・爆が行軍し、複製体に齧りついて破壊する。一体ずつの力はそれほどでなくとも、数の暴力は新生命体を凌駕して都怒我阿羅斯等の元へ迫った。
「なんと……!」
「ここまでだね。そのディアボロスランサーの中には絶対に助けたい人がいるんだ。さあ、手放してもらうよ!」
「ぬう――ッ」
蜘蛛童に牙を突き立てられた右腕から槍が離れ、彼が斃れると槍は自らを修復しながら宇宙へ昇ってゆく。
「さよーならー!」
またどこかで会えることがあるかもしれないし、ないかもしれない。旅立ちを見送る小春の顔は晴れ晴れとして、満面の笑顔を浮かべていた。
大成功
🔵🔵🔵