第二次聖杯戦争㉒〜生命賛歌、いつかの未来で
――歌が、聞こえる。
十年前の戦い……その最終決戦で、銀誓館学園の能力者達はある『答え』に辿り着いた。
――生命とは可能性であり……。
――可能性とは運命である……。
――故に生命ある限り、運命はつながっていく。
――無と死で満たされた静謐よりも、有と生が乱雑に存在する喧噪をこそ望み、運命の糸は繋がっていくから……。
――かつての『|銀の雨の降る時代《シルバーレイン》』は完遂されたのだ。
だからこそ、世界の運命を決めるこの戦い……『第二次聖杯戦争』の最終局面にて、『その現象』が起きたのは不思議な事ではない。
――猟兵達は聴いた。耳でなく、己の有する『生命体の埒外』を以て感じ取る。
――金沢市で能力者達が市民を守る為に協力し合う言葉を聴いた。
――金沢市の外で、世界結界にさえぎられようとも金沢市の住民を無意識に思う者の祈りを聴いた。
――新世代ゴーストが人間に手を差し伸べる時の声を聴いた。
――新たなる能力者が戸惑いながらも己の『運命』を理解した時の高揚を聴いた。
――銀誓館学園の能力者達が金沢市に向かう際の激励し合う絆を聴いた。
――彼らの『運命』が重なり合う、心臓の鼓動を聴いた。
――つまりは『生命の誕生を感じた』、という事だ。
生命とは運命、故にこの宇宙から生命を根絶しようとした異形は度し難い存在である事に変わりはなく……。
神秘とは運命、故に幾ら神秘を消し去って生命を守ってもそこには何も無くて……。
だからこそ、紡ぎ続けなければならない。
この『|銀の雨の降る時代《シルバーレイン》』にて、生命、神秘、運命を――『生命賛歌』を謳うのだ。
「話は簡単だ。オブリビオン・フォーミュラ『聖杯剣揺籠の君』と対峙し、勝利するだけの依頼だ」
良い物を見た、と言わんばかりにブリュンヒルデ・ブラウアメル(蒼翼羽剣ブラウグラムの元首たる終焉破壊の騎士・f38903)は喉を鳴らして金沢城公園にて猟兵達に『第二次聖杯戦争』の最終決戦の舞台へと誘う準備をしていた所、彼女は『|生命賛歌《エンディング》』を見据えた。
「舞台は金沢大学……であった場所だ。そこにかかる陸橋「アカンサスインターフェイス」の直上で『聖杯剣揺籠の君』は猟兵を待ち受けている」
彼女のオブリビオン・フォーミュラとしての能力は強大だ。
全身から、あらゆる生物を「死の絶頂」に至らしめる催淫効果を持つ「いんよくのかぜ」を巻き起こしているのに加え、最上位のメガリス『聖杯』を変化させた『聖杯武器』を有する。
「今回は「いんよくのかぜ」を抑え、そのリソースを『聖杯武器』に回しているようだ」
聖杯武器は三つの種類に分けられる。
あらゆる物質を引き寄せる黄金の篭手「神の左手」。
突き刺した対象に宇宙の終焉まで癒える事のない毒を注ぐ「リリスの槍」。
そして射程距離無限かつ命中した対象のユーベルコードを全て奪う「聖杯剣」の3つだ。
通常の攻撃手段の他に、聖杯武器にはこれらの効果が追加されるという厄介で強大な力をこのオブリビオン・フォーミュラは振るう。
「それに加えて絶対先制攻撃権によって先制攻撃を凌がなければならないんだが……どうも、我ら猟兵だけに任せられっぱなしのままでいる程、このシルバーレインの世界は弱くなかったらしい」
ブリュンヒルデの5年のエンドブレイカーとしての活動……。
その中でも、この『|生命賛歌《エンディング》』は相当に『美しい』ものであったようだ。
何せ、その『エンディング』を見据えた後にひとしきり笑い転げた程だ。
「今回の戦場では、ただ『生命賛歌』を謳うがいい。銀誓館学園の能力者達ならばかつてのメガリス破壊効果を思い浮かべるも、かつての最終決戦の時に抱いた力を、想いを想起するも自由。その他の猟兵も『生命を讃える』様な戦い方をしてみるといい」
そう言ってブリュンヒルデは己のヴァルキリーの翼……グリモアを展開していく。
「さぁ、見せてくれ『|銀の雨が降る時代《シルバーレイン》』を生き抜いた学生達――我は、貴殿らこそ『真なるシルバーレイン』だと思うぞ」
黒代朝希
最終決戦はこういうシナリオにする予定でした。
ここまで圧勝していると、個人的には其れすらも『生命賛歌』の一環にすら思えてきます。
プレイングボーナス……聖杯武器の追加能力に対処する/揺籠の君の先制ユーベルコードに対処する。
に加えて、
プレイングボーナス……『生命賛歌』を謳う。
が存在します。
それでは――『|銀の雨の降る時代《シルバーレイン》』の再演。
その第一部の終幕を務めさせてもらいます。
どうぞ、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『聖杯剣揺籠の君』
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POW : うずまくいんよく
【神の左手】による近接攻撃の軌跡上に【いんよくのたつまき】を発生させ、レベルm半径内に存在する任意の全対象を引き寄せる。
SPD : せいはいうぇぽんず
【あらゆる物質を引き寄せる「神の左手」】【癒える事なき毒を注ぐ「リリスの槍」】【対象のユーベルコード全てを奪う「聖杯剣」】を組み合わせた、レベル回の連続攻撃を放つ。一撃は軽いが手数が多い。
WIZ : みだらなひとみ
【揺籠の君の淫靡な眼差し】が命中した部位に【淫欲に満ちた思念】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
イラスト:飴茶屋
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
空桐・清導
POW
アドリブや連携も大歓迎だ
神の左手の吸引に身を任せて突っ込む
いんよくのたつまきを[気合い]で耐える
振りかざされる聖杯剣をヒーローの直感で回避し、
突き立てられるリリスの槍をアインで受け止めて
[怪力]でもって弾き飛ばす
「小難しいことは言わねえ。
オレの生命賛歌とは!他者を、そして自分を愛すること!
過去を、今を、未来を胸に抱いて生きることだ!
そして、お前がそれを阻むのであれば!
オレはお前の前に立ち塞がる!
それがヒーロー、いや、空桐清導が成すべき事だ!」
彼女の領域を割いて輝く太陽が昇る
そして、多くの声が、祈りが響く
多くの人の願いと祈りと共にUCの出力を[限界突破]
轟々と燃える焔で彼女と聖杯武器を砕く
酒井森・興和
揺籠は物のように命を摘むけれど
ありふれてもそう軽い物では無いはずだねえ
さても懐かしく頼もしきは生命賛歌
【覚悟】と共にあの感覚を思い出そうか
>先制UC
【第六感、気配感知、集中力】で躱すにも被弾は免れないか
【受け流し、毒耐性】少しでも負傷を軽減
UCを無くしても戦える
手に馴染んだ武器と住処を守り敵を狩る鋏角衆の矜恃がある
引き寄せられた地点から即反撃へ
飛斬帽で敵から表情を遮り逆鱗と共に【2回攻撃、投擲】
追随し三砂の射程に踏み込み【怪力で重量攻撃、なぎ払い】返し【早業の追撃】嘴で掻き【切断】
攻撃入れば距離詰め拳か三砂で生命賛歌の記憶のもと力任せに【捨て身の一撃】
揺籠の世界殺し阻止の為
僕も微力ながら一助を
「揺籠は物のように命を摘むけれど、ありふれてもそう軽い物では無いはずだねえ」
「ああ、そこまでだぜ……オブリビオン・フォーミュラ『聖杯剣揺籠の君』!」
最初にオブリビオン・フォーミュラの前に立ち塞がったのは空桐・清導(ブレイザイン・f28542)と酒井森・興和(朱纏・f37018)の猟兵二名。
まず最初に『聖杯剣揺籠の君』は先制攻撃として『聖杯武器』の一つである『神の左手』による近接攻撃の軌跡上――そこに発生するは『いんよくのたつまき』。
更に三種の『聖杯武器』を組み合わせたユーベルコード『せいはいうぇぽんず』を発動。
空桐と興和を『聖杯武器』を組み合わせたコンビネーションで封殺しようとする。
「さて……懐かしく頼もしきは『生命賛歌』、か」
「これが……成程な、名前通りの効果って訳か!」
振りかざされる聖杯剣をヒーローの直感で回避し、突き立てられるリリスの槍を『アイン』で受け止めていく空桐はユーベルコードの喪失を代償としようとした興和をもフォローしながら迫り来る『聖杯武器』を二人で対処していく。
「すまないね」
「良いって事よ!――小難しいことは言わねえ。オレの『生命賛歌』とは! 他者を、そして自分を愛すること! 過去を、今を、未来を胸に抱いて生きることだ!」
「なら……僕の『生命賛歌』は、住処を守り敵を狩る鋏角衆の矜恃だ」
そこに二人は『生命賛歌』の効果を更に活用し、戦闘不能にならないよう迫る『聖杯武器』に対する回避率を更に上昇。
興和は手に馴染んだ武器を『聖杯剣揺籠の君』へと振るい、飛斬帽で敵から表情を遮り逆鱗と共に投擲。
空桐はそこへ輝く太陽が昇らせながらオブリビオン・フォーミュラのリリスへと突撃していく。
「お前がそれを――『生命賛歌』を阻むのであれば! オレはお前の前に立ち塞がる! それがヒーロー、いや、空桐清導が成すべき事だ!」
多くの声が、祈りが響く――ユーベルコード『サンシャイン・フレア』によって人々の声援や願い、共に戦う者達の協力によって威力を倍増させる『太陽の光と熱を吸収して増大した炎』が、リリスの女王を焦がしていく。
「報いは受けるべきだよ――何もかも忘れて、何かを得ようとする事は出来ないよ」
そこに鋏角衆の猟兵が拳を『生命賛歌』の記憶の元、力任せに『聖杯剣揺籠の君』に叩きつける。
「揺籠の世界殺し阻止の為……僕も微力ながら一助を」
「ああ! 共に世界を救うんだ!」
堅実にかつての戦いを知る者として効率的に拳を振るっていく興和と、人々の祈りや願いを太陽の如き炎へと変えていく空桐。
対照的ながらも同じ『オブリビオン・フォーミュラによる|世界の破滅《カタストロフ》を阻止する』という目的と――
かつての世界を救った『生命賛歌』を謳いながら戦っている点は同じだ。
「さぁ、行こうか」
「これが命の声だ!」
交差する様に『聖杯剣揺籠の君』へと挟撃を仕掛け、鋏角衆の拳とヒーローの焔が……オブリビオン・フォーミュラを滅ぼすべく叩き込まれるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
儀水・芽亜
『生命賛歌』の元で戦うのは何年ぶりでしょうか? 銀誓館学園のメガリス破壊効果であり、破壊効果は陣営によって変わるもの。銀誓館学園は、まさに『生命使い』として『|銀の雨の時代《シルバーレイン》』を駆け抜けました。
その奇跡をもう一度、ですね。
いいでしょう、歌の歌い手として、あの時代の武勲とその後の平和を、大切な生命を守るために歌いましょう。
先制攻撃は、「読心術」で攻撃の予兆を探り、「見切り」かわします。戦場での駆け引きまで『聖杯』に注ぎ込んだんじゃないですか?
竪琴を小脇に抱え、「歌唱」「楽器演奏」「範囲攻撃」「全力魔法」でアンチウォーヴォイス。
攻撃を封じたら、アリスランスで「貫通攻撃」一閃!
「……ああ、本当に懐かしい。『生命賛歌』の元で戦うのは何年ぶりでしょうか?」
銀誓館学園のメガリス破壊効果――強大な権能を持つメガリスを破壊する事により、メガリスを破壊した能力者集団は特定の効果を授かる。
銀誓館学園のメガリス破壊効果の名こそ『生命賛歌』――少しの休憩で万全の態勢を維持する事が出来るだけでなく、一度は死すらも覆せるという権能だ。
「銀誓館学園は、まさに『生命使い』として『|銀の雨の時代《シルバーレイン》』を駆け抜けました――その奇跡をもう一度、ですね」
だからこそ、儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)はフリッカースペードの能力者として歌を紡いでいく。
「いいでしょう――歌の歌い手として、あの時代の武勲とその後の平和を……大切な『生命』を守るために歌いましょう」
繰り出される『聖杯剣揺籠の君』の絶対先制攻撃権によるユーベルコード『せいはいうぇぽんず』を、自らの肉体が引き寄せられながらもそのまま攻撃の予兆を探っていく芽亜。
彼女は不敵に笑いながらも、『リリスの槍』と『聖杯剣』の双撃から決して瞳を逸らさない――。
「戦場での駆け引きまで『聖杯』に注ぎ込んだんじゃないですか?――『|起動《イグニッション》』!」
イグニッションカードから取り出した吟遊詩人向けの小脇に抱えて演奏出来る簡素な竪琴『Playland In Sleeping』を抱え、歌唱しながら二つの『聖杯武器』を紙一重で回避していく芽亜。
そのまま絶対先制攻撃権を凌いだことから自身もユーベルコード『アンチウォーヴォイス』を発動。
「――さあ、爪牙を収めましょう。刃は鞘の中、銃砲は蔵の中。偃武の心で、平和を築くのです」
フリッカースペードが奏でるは『聴く者の精神を揺るがし、戦いに対する疑問と戦意の喪失をもたらす効能を持つ平和の喜びを歌い上げる歌』……そしてその真価は『聞いた者のユーベルコードを封印する』という事にある。
「つまり、同系統のユーベルコード……と言う訳です!」
然りとオブリビオン・フォーミュラのユーベルコードを封じた事を確認し、目亜はアリスランス『ディヴァイン・ユニコーン』を振るってリリスの女王を串刺しにする――
大成功
🔵🔵🔵
ウォルター・ウェパル
【ドヴェルグ】アドリブ歓迎!
イクシア様、カレン様、エリザベス様、ラウラ様と出撃!
船の悪魔たる自分ならば、UCを使わずとも飛空艇状態に変形可能!
むしろ人型が変形中の姿なので!
22m級の飛空駆逐艦になり、皆様を搭乗させて抜錨!
『天照甲』とエリザベス様の施術と合わせれば、聖杯武器の直撃は逸らすことができます!
本艦や搭乗している皆様に当たらぬようオーラ防御を張って守りつつ、全速前進!
神の左手といんよくのたつまきは好機と判断!
引き寄せられる勢いを利用してUC発動!
ゴルディオン装甲を纏い、『斬貫刃』で突貫します!
悪魔であろうと、いえ! 悪魔であるからこそ!
日常を生きるということの尊さを理解しているのです!
カレン・クレイソン
【ドヴェルグ】
SPD判定
アドリブ歓迎
■心情
聞きしに優る色気の洪水
睡眠も食欲も忘れ「第三の欲」に溺れる……
古の”滅び”を体験するのは御免
私は「エンドブレイカー」
貴女が望む結末を破壊する為、仲間と共に
■戦術
ウォルターの飛空艇に同乗して突入
初手は「せいはいうぇぽんず」に対応
「見切り」で「カウンター」して、あわよくば「グラップル」で「武器落とし」させる
少しでも聖杯武器の制御を甘くさせ、仲間への攻撃を緩和したい
凌いだら【インフィニットゼロ】発動
目標を視界に捉えたら、彼女の直上に次元扉を開き瞬間移動で肉薄
戦闘指針は上記と同様、僅かでも聖杯武器の制御を乱したい
私一人の闘いじゃない
仲間の血路を開く、その為に
ラウラ・シュトラウス
【ドヴェルグ】
聖杯剣揺籠の君はとんでもないことを考えるね
骸の海を滅ぼすなんてことの為に、誰の命も使わせるつもりは無いよ
一筋縄でいかない相手だけど、皆と協力して必ず止めてみせる
聖杯武器は厄介だ
まずはウォルターに乗せてもらって先制攻撃は[見切り]と[第六感]で回避
神の左手の吸い込みはMGLを撃ち込んで[爆破]しよう
自分から当たってくれるのは楽だ
凌いだらエリザの箒に同乗するよ
回避しつつ攻撃して接近してくれるから、あたしは“The Pickpocket”で神の左手を引っこ抜いて盗めたらそれを味方の射線上に放り投げよう
ついでにMGLでの攻撃も続行する
取り戻そうとする間に一斉攻撃を喰らえば痛いはずだ
エリザベス・ファールバッハ
【ドヴェルグ】
有史以来、力を増し続ける近隣国家を上回る為にもがいて来たから今の人類があるのよ
あなたに頼らずとも骸の海はいずれ脅威でなくなる
聖杯剣揺籠の君、想い出を枕に、ヒトの血塗られた歴史に眠って頂戴
変身したウォルターに乗せて貰って近付くわね
君の攻撃は厄介だけど、特に聖杯剣を[封印術]で何度でも止め続けるわ
[浄化]を付与した[結界術]をウォルターのシールドと本体の間に行使、防御強化と異常対策しておく
先制攻撃を乗り切ったら、[槐の魔箒]にラウラと同乗、飛行制御は魔箒に任せ、急速接近よ
私は封印術に集中、[プシュケー]と[ロゼ]に仲間と連携して【清輝蒼嵐】を撃たせ、味方を襲う全部浄化して貫いてあげる
イクシア・レイブラント
【ドヴェルグ】
ウォルターさんが変形した飛空艇で現場へ向かう。
艦の周りにドローンを展開して敵を観測、[気配察知、索敵、撮影、情報収集]で先制攻撃の情報を伝えてみんなに対処してもらう。不測の事態にはアドリブでフォロー。
凌いだら船から飛び降り[推力移動、滑空]で飛翔し【強襲支援】を実行。カレンさんの邪魔にならないタイミングを狙い突撃、大型フォースブレイドで[空中戦、鎧防御無視]の一撃離脱を繰り返す。防御面は[空中機動、武器受け、見切り]で対応、避けきれないなら[脱衣]でパージした鎧装を囮に難を逃れる。ウォルターさんの突撃の際にはカレンさんを抱えて離脱するね。
かけがえのない命。あなたに奪わせはしない。
――『聖杯武器』を携え、金沢大学跡地にて猛威を振るうオブリビオン・フォーミュラ『聖杯剣揺籠の君』。
彼女へと接敵する為に――とある猟兵達は『船』に乗っていた。
「船の悪魔たる自分ならば、UCを使わずとも飛空艇状態に変形可能! いえ、むしろ人型が変形中の姿なので!」
デビルキングワールドの船の悪魔、すなわち魔界産まれのガレオノイドであるウォルター・ウェパル(船の悪魔の飛空駆逐艦・f34061)は『|船《ガレオン》の悪魔』として22m級の飛空駆逐艦に変身。
カレン・クレイソン(神に愛された格闘天女・f38954)、ラウラ・シュトラウス(|狼《ルプス》・f32573)、エリザベス・ファールバッハ(旧き善き魔女・f32574)、イクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)の四名を自身に乗せてオブリビオン・フォーミュラへと接近していく。
「有史以来、力を増し続ける近隣国家を上回る為にもがいて来たから今の人類があるのよ――あなたに頼らずとも骸の海はいずれ脅威でなくなる」
封印術を駆使しながらエリザベスはウォルターへと結界術を展開。
どれも厄介な特性を持つ『聖杯武器』の内、ユーベルコードを全て奪う『聖杯剣』を優先的に凌ぎながら施行を進めていく。
「――『天照甲』とエリザベス様の施術と合わせれば、聖杯武器の直撃は逸らすことができます!」
「分かったわ……『聖杯剣揺籠の君』、想い出を枕に、ヒトの血塗られた歴史に眠って頂戴」
冷徹な瞳でリリスの女王をエリザベスは見つめ、西欧は裏社会に名高き魔女の名家の呪詛を己の産声だけで祓った稀代の魔女は奇跡を練り上げていく――。
「聞きしに優る色気の洪水。睡眠も食欲も忘れ「第三の欲」に溺れる……古の”滅び”を体験するのは御免」
続いて迫り来る『聖杯武器』に挑むのは、城塞都市ランスブルグの騎士団で長らく格闘技指南役を務めるイノセントのエンドブレイカーであるカレン。
「私は「エンドブレイカー」……貴女が望む結末を破壊する為、仲間と共に」
金沢大学跡地の上空へと身を躍らせ、あえて『聖杯武器』の猛攻へと飛び出すスカイランナー。
目的は少しでも聖杯武器の制御を甘くさせ、仲間への攻撃を緩和する事である。
「私一人の闘いじゃない……仲間の血路を開く、その為に!」
一つでも些細なミスがあれば『聖杯武器』のコンボを喰らうという極限状況の中、カレンは見事に空を舞い続ける。
さしずめ、異名通り『格闘天女』の如く――。
「聖杯剣揺籠の君はとんでもないことを考えるね……骸の海を滅ぼすなんてことの為に、誰の命も使わせるつもりは無いよ」
呆れた声でラウラは対UDC用のサブマシンガンを構えると同時、リボルバー式グレネードランチャーで『神の左手』の吸い込みを利用して砲弾を叩き込む。
自分から当たってくれるのは楽だ――そんな言葉を残しながら、サブマシンガンの銃口から放たれる弾丸を用いて残り二つの『聖杯武器』の軌道をラウラは逸らしていく。
「かけがえのない命……あなたに奪わせはしない」
真摯な声でイクシアは翔剣士でもある鎧装騎兵として空を舞い、ドローンを展開しての『聖杯剣揺籠の君』に対する観測情報を得て算出した『聖杯武器』による攻撃を対処。
其れだけでなく適切な対処方法をドローンを介して他の皆にも伝えていく。
「これで大分、『聖杯武器』に対しては対応が楽になると思います」
「ええ、良くやったわ」
「エリザ、箒に乗るね」
「私は引き続き『聖杯武器』の制御を乱す事に専念するよ」
「『神の左手』と『いんよくのたつまき』は好機と判断――このまま突撃します」
そして――絶対先制攻撃権を凌いだ猟兵達による、反撃が始まっていく――。
「ウォルター・ウェパル、ゴルディオンモード!――『|黄金飛空駆逐艦《ゴルディオン・デストロイヤー》』!」
全身を魔界の金塊から鋳造したゴルディオン装甲で覆った|飛空駆逐艦《ウォルター》は、先端から生える突撃用の衝角を起動させて『聖杯剣揺籠の君』へと突撃。
その突撃に『聖杯剣揺籠の君』が目を向けている間に、花や蔦で彩られた魔法の箒に乗ったエリザベスとラウラがユーベルコードの|詠唱《のりと》を唱えていく。
「自然に、穏便にね――『The Pickpocket』」
「あなたは澄み渡った天より注ぐ光、あなたは澱みを押し流す輝ける清風。そう……あなたは須く清め流す、煌めく光の嵐――『清輝蒼嵐』」
瞬間、1130の技能レベルの『盗み』が――『聖杯武器』の一つである『神の左手』を『聖杯剣揺籠の君』から『盗む』形で引っこ抜かれ、味方の射線上に放り投げられる。
次に射線上に放り投げられた『神の左手』を活用し、エリザベスは555本の浄化属性を宿す貫通力の高いレーザーを一点集中させて『聖杯剣揺籠の君』へと叩きつけていく。
「中々の『盗み』でしょ」
「ユーベルコードとは使い方が物を言うのよね……!」
引っこ抜かれた『神の左手』が無くなった生身の『聖杯剣揺籠の君』の左腕――其れが集束されたレーザーによって貫かれて浄化。
そのままリリスの女王は左腕を失う。
「好機だね――『インフィニットゼロ』」
「邪魔にならない様に……『|強襲支援《アサルトコマンド》』、エクスターミネイター展開、索敵完了。強襲支援を実行する」
そこにカレンとイクシアがユーベルコードを発動。
カレンが『静止した時の世界』に突入して残された『リリスの槍』と『聖杯剣』に対処し、イクシアが周囲に浮遊させたエクスターミネイターを用いて一斉砲撃をオブリビオン・フォーミュラへと仕掛けていく。
「悪魔であろうと、いえ! 悪魔であるからこそ!――日常を生きるということの尊さを理解しているのです!」
かつて真の邪悪である『ガチデビル』によって善良な悪魔達は命の危機に陥った。
そしてオブリビオン・フォーミュラとして蘇った『ガチデビル』が撃破されて以降、悪魔達は『ワルい』から『タノしい』生活を求めるようになる。
その変遷は、悪魔達が『楽しい日常』を何よりも好む証であろう。
「皆様、どうかご準備を!」
ゴルディオン装甲で覆われた|飛空駆逐艦《ウォルター》が、一斉攻撃を他の四名へと通達する。
「ええ、任せて――全部浄化して貫いてあげる」
エリザベスが『宝石・軽重金属・硝子による媒質と光共振器を有した魔法の杖となる大地の精霊』である『ロゼ』と『循環する生命を司る精霊達』である『プシュケー』を従え、再び『清輝蒼嵐』を発動。
「取り戻そうとする間に一斉攻撃を喰らえば痛いはずだ」
そこにラウラがレーザーから身を捩らせたオブリビオン・フォーミュラへ、今度は攻撃としてリボルバー式グレネードランチャーを叩き込んでいく。
「さぁ、反撃も迎撃も防御もさせはしない――!」
スカイランナーの極致である『静止した時の世界への突入』を活用し、二つの『聖杯武器』を鍛え上げた肢体によって振るわれる格闘術で封殺していくカレン。
「――決着を、付けます」
同じく主砲を分離し、思念操作でビットのように扱えるアームドフォートを展開する事で味方全員の行動成功率を若干増やし、オブリビオン・フォーミュラの成功率を若干減らし『聖杯武器』を封殺していくイクシア。
彼らの連携が、個々を結んで『聖杯剣揺籠の君』の致命へと至る――。
……残された二つの『聖杯武器』を抑えられ、飛空駆逐艦に搭載された突撃用の衝角と浄化属性のレーザーによって、リリスの女王であるオブリビオン・フォーミュラは胸を二重に貫かれるのであった。
大成功
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アリス・セカンドカラー
お任せプレお好きに
|化術肉体改造、封印を解く、リミッター解除、限界突破、オーバロード《エネルギー生命体たる『夜』としての真の姿を解放》し、|非物質《エネルギー》化することで物質の引き寄せは受け付けない。
|高速詠唱早業先制攻撃多重詠唱拠点構築結界術封印術身体部位封じマヒ攻撃気絶攻撃影縛り闇に紛れる《タイムフォールダウン、時間質量を解放し時を凍結した『夜』の異空間を構築し一切合切の活動を禁じる》。『夜』の異空間は光も閉ざすため眼差しも通さない、私は気配感知や心眼や第六感で索敵できるけど。
空間の切断解体から切断部位の接続で空間ジャンプ回避し、仙術や禁呪も駆使して位相ずらしや量子的可能性から回避の可能性への収斂での回避。
凌げたら|混沌神の戯れ《アリスゲーム》の開催よ。この混沌神の棘は|化術肉体改造武器改造防具改造《物質組成を改竄するわ》、聖杯武器もゆりゆりも|廃棄された時間質量《オブリビオンの構築物質》を改竄されて玩具を持った無力な女の子に。
では|料理、大食い《えっちなのうみそおいしいです》❤
「――エネルギー生命体たる『夜』としての真の姿を解放」
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)は『|超克《オーバーロード》』を発動……その形態とはエネルギー化、即ち物質から非物質へと変化するという事。
そう――『物質ではなくなる』のだ。
「即ち……『神の左手』による物質の引き寄せは受け付けないって事」
発生した『神の左手』による万物誘引現象を|非物質《エネルギー》化した事により悠々と回避し、アリスは反撃として『タイム・フォールダウン』を発動。
オブリビオン・フォーミュラの視線その物のユーベルコード『みだらなひとみ』は『揺籠の君の淫靡な眼差しが視認した事象に淫欲に満ちた思念を注ぎ込み、内部から爆散する』という邪視の権能。
対してアリスは時間質量を解放し時を凍結した『夜』の異空間を構築し、オブリビオン・フォーミュラ『聖杯剣揺籠の君』の活動を一切合切禁じていく。
「先に言っておくけれど、『夜』の異空間は光も閉ざすから……眼差しも通さない。私は気配感知や心眼や第六感で索敵できるけどね」
更に念には念を入れて空間を切断――その切断した空間を別の空間に接続し直す事で瞬間移動を成しながらアリスは仙術や禁呪を駆使し位相をずらし続けて『みだらなひとみ』に自らが視認されない様に対処していく。
これにより、アリスは『みだらなひとみ』を『界』のレベルで回避し受け流す事に成功した。
「凌げたなら――『|混沌神の戯れ《アリスゲーム》』の開催よ」
そして反撃が始まる――アリスの半径135mは混沌神の棘で『夜』に堕とす領域へと変貌。
領域内の法則とは『ダメージを伴わない全ての行動の強化』及び『その逆のダメージを与える全ての行動の弱体化』の二つである。
「この混沌神の棘は物質組成を改竄する……『聖杯武器』もゆりゆりもオブリビオンの構築物質……『廃棄された時間質量』そのものを改竄する事だって可能♪」
投げキッスの形で混沌の性質を宿す|棘《ソーン》を『聖杯剣揺籠の君』に差し向け、オブリビオンとしての根底を成す物質そのものを書き換えていくアリス。
しかしゆりゆり……『聖杯剣揺籠の君』も流石はオブリビオン・フォーミュラ。
リリスとしての力を注ぎ込み、左腕を肉体的に無くして制御が不安定だった『神の左手』以外の『聖杯武器』を死守する事に成功する。
「中々頑固ね、まぁ良いわ……」
かの魅了の極致にあるオブリビオン『パラダルク』の如く、アリスは『神の左手』を己の眷属……玩具を持った無力な女の子へと書き換えた。
「では、えっちなのうみそおいしいです」
相対しているオブリビオン・フォーミュラの代名詞と言えるセリフを口にしながら、アリスは女の子を抱き寄せた直後にグリモアで金沢城公園へと戻されるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
河崎・統治
【POW】
チーム【烈火】
絡み・アドリブ歓迎
「身体の奥から力が漲って来るこの感覚。懐かしいな。」
久々の生命賛歌の感覚を感じつつ、かつての戦いの日々に思いを馳せる。
「ゆりゆりに聖杯剣だと?厄介な奴に厄介な物が重なるのは勘弁して欲しいぜ全く。」
ま、やる事はいつもと変わらん。有紗、援護宜しく。
引き寄せ攻撃に便乗する形で【推力移動】でこちらからも距離を詰める。
接近しつつ【誘導弾】【砲撃】【レーザー射撃】の【弾幕】で攻撃。
聖杯剣と槍の攻撃は【第六感】【心眼】【瞬間思考力】を駆使した【見切り】【空中機動】と【武器受け】【オーラ防御】で回避又は防御。
近接武器の間合いまで接近した所で水月を抜刀し大型回転動力炉の【リミッター解除】をした上でUCを発動し【切り込み】【鎧無視攻撃】で【切断】する。
「不利な状況でも決して諦めずに勝利を掴み取る。これこそが銀誓館のクラッシャーの矜持。貴様は大人しく骸の海に帰りやがれ!」
島津・有紗
【POW】
チーム【烈火】
絡み・アドリブ歓迎
「この力が満ちて来る感じも懐かしいわね。河崎先輩、援護はしますけど無理しないで下さいね?」
身体の中から力が溢れて来る特有の感覚を懐かしみつつ、目の前の帰って来ちゃった厄介事の塊に目を向けます。
相手の引き寄せ攻撃に乗る形で【推力移動】でこちらからも接近しつつ
UCで雷雨を発生させて攻撃ついでに相手の行動を妨害し、河崎先輩を援護します。
「その汚い風を私の嵐で消し飛ばしてあげますから!」
槍と聖杯剣の攻撃は【心眼】【第六感】【瞬間思考力】を使った【見切り】と【空中機動】による回避と【武器受け】【オーラ防御】で切り抜け、【カウンター】でなぎなたの【斬撃波】で反撃します。
白兵戦距離まで接近したら、なぎなたによる【切り込み】で【切断】【浄化】します。
「あなたと骸の海の間に何が有るのかは知りませんけど、他人を巻き込むのはやめてもらえません?皆、自分の人生を生きてるんですから邪魔をしないで!」
「身体の奥から力が漲って来るこの感覚。懐かしいな……」
「河崎先輩、援護はしますけど無理しないで下さいね?」
そうして……最後にこの『第二次聖杯戦争』を勃発させたオブリビオン・フォーミュラ『聖杯剣揺籠の君』の元に辿り着いたのは、銀誓館学園の能力者二名。
河崎・統治(帰って来た能力者・f03854)と島津・有紗(人間の戦巫女・f04210)は久しぶりの『生命賛歌』の感覚を懐かしみながらも、目の前の帰って来ちゃった厄介事の塊……。
このシルバーレイン世界のオブリビオン・フォーミュラであるリリスの女王へと二人は向かい合う。
「ゆりゆりに聖杯剣だと?……厄介な奴に厄介な物が重なるのは勘弁して欲しいぜ、全く」
「ただでさえ過去に相対した『聖杯剣』も厄介だったのに……」
かつて『生命絶滅』を目論んでいた異形の侵略に対抗するべく、かつての巡礼士の|総帥《リーダー》であったランドルフ……聖杯のメガリス・アクティブであった巡礼士は『神秘根絶』を遂行しようとし、銀誓館学園の能力者とぶつかり合う中で『聖杯剣』へと至った。
その果てに聖杯剣ランドルフは倒れ、銀誓館学園の能力者は2012年7月22日に『二つの三日月』と交戦。
異形の祖にしてシルバーレイン世界における宇宙の創造主である存在を撃破。
これによって世界は救われた――。
「ま、オブリビオンが出てきたが……やる事はいつもと変わらん。有紗、援護宜しく」
「了解しました!」
瞬間、二人はオブリビオン・フォーミュラがなけなしの力によって起動させた『神の左手』による万物誘引を逆利用し、他二種類の『聖杯武器』をそれぞれが受け止めていく。
癒える事なき毒を注ぐ「リリスの槍」は統治がレーザーの弾幕を張る事で矛先をずらして回避。
対象のユーベルコード全てを奪う「聖杯剣」は有紗が薙刀を振るい、ユーベルコードを略奪する刀身に直接触れない様立ち回り受け流していく。
「……何とか凌げたが、あぶねー」
「流石に、彼と同等に近い能力に加えてオブリビオン化していますからね……」
唸る『聖杯武器』による絶対先制攻撃権を凌ぎ切った二人。
去れども、触れるだけで致命的な事態に陥る槍と剣は未だ健在。
だからこそ……二人はそれぞれ全力で己のユーベルコードを起動させていく――。
「風よ!吹き荒れなさい!――『|浄化の嵐《ピュリフィケイション・ストーム》』!」
「焼き斬れ!――『フェニックススラッシュ』!」
二人の扱うユーベルコードはそれぞれが『継続ダメージを与える不死鳥の炎を纏った白兵攻撃を繰り出す』ものと『敵は大粒の雹を含んだ猛烈な雷雨の攻撃を受け、味方は状態異常と負傷を癒す優しい風で回復させる光を纏った嵐を発生させる』というもの。
「その汚い風を私の嵐で消し飛ばしてあげますから!」
統治に再び迫る『いんよくのたつまき』を雷雨で吹き飛ばし、ついでに雹を叩き込んで反撃する有紗。
その隙に統治は不死鳥の焔を纏わせた『水月』を抜刀――大型回転動力炉のリミッターを解除し、リリスの女王に対して焼き切る様な居合切りを放つ!
「あなたと骸の海の間に何があるのかは知りませんけど……他人を巻き込むのはやめてもらえません?」
ダメ押しとして有紗は薙刀を振るって『聖杯剣揺籠の君』の残っていた右腕を切り付け、健を断ち切る。
「不利な状況でも決して諦めずに勝利を掴み取る。これこそが銀誓館のクラッシャーの矜持だって事を、オブリビオン化した際に忘れたか?」
そして――統治が燃え上がる不死鳥の焔を滾らせ、切っ先を『聖杯剣揺籠の君』の胸へと突き刺していく!
……敗北を悟ったのだろう。
せめて、と言わんばかりに『第二次聖杯戦争』のオブリビオン・フォーミュラは残った己に存在する『全て』を聖杯に捧げ――『聖杯武器』を稼働させていく!
「往生際の悪い!」
「なら、どうする?」
そんなものは決まっている。
――起動せよ、詠唱兵器!
「「――『|超克起動《オーバーロード・イグニッション》』!」」
統治と有紗は、己の『生命体の埒外』を『生命賛歌』へと注ぎ込む――
それは――己も含めた、この『|銀の雨の降る時代《シルバーレイン》』における生命が、抗いながらも鼓動を刻む意志。
彼ら二人は、その『意志』をその身に宿し――オブリビオン・フォーミュラ『聖杯剣揺籠の君』へと詠唱武器を以て、叩きつける!
「皆、自分の人生を生きてるんですから邪魔をしないで!」
「貴様は大人しく骸の海に帰りやがれ!」
詠唱武器は――オブリビオン・フォーミュラが振るう『聖杯武器』を砕いた。
砕かれた武器の主である『聖杯剣揺籠の君』の命脈と共に――
「終わりましたね」
「ああ、終戦だとよ」
やがて、このシルバーレイン世界を蝕もうとしていた『いんよくのかぜ』がオブリビオン・フォーミュラの撃破により止んだ報告を二人は受ける。
これによって……金沢市を舞台としたシルバーレイン世界の運命を決める戦い――『第二次聖杯戦争』は終焉を迎えるのであった。
大成功
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