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第二次聖杯戦争⑬〜慟哭のライスメキア

#シルバーレイン #第二次聖杯戦争 #神将『睡藍』

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#神将『睡藍』


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●神将『睡藍』
 戦ってきた。
 幾度となく、戦いに身を投じてきた。
 その事自体に感慨はない。戦うことは好きだ。戦いこそが己の人生であるといえるだろう。
 けれど、これは『ない』。あってはなら『ない』ことだ。
 目の前に広がるのは銀の雨の降る世界。
「は……、ははっ」
 思わず乾いた笑いがこみ上げてくる。
 戦いに生きて、戦いの中に死んだ。その事自体に悔いはない。

 だが、これは!

「おのれ……おのれ|『鴻鈞道人』《こうきんどうじん》!」
 神将『史・睡藍』は咆哮する。
 許されぬ仕打ちである。
 故郷たる銀の雨降る世界にて、生命に仇なす侵略者として戦うこと。
 それがオブリビオンである己の身に課せられた使命であるというのならば、到底許せることではなかった。
 過去の化身であり、過去に歪み、変容しているのだとしても、許容できぬことはあるのだ。これが、そうである。
 故に彼は咆哮する。
 今だ儘ならぬ身であれど、この戦いを生き延びたのならば。

「必ずお前の元に戻ってやる」
 そしてどうするというのだろうか。
 己の力は、おそらく『鴻鈞道人』を殺すことはできないだろう。
 わかっている。
 封神台を操るかの『鴻鈞道人』をどうこうすることなど彼にはできはしない。
 けれど、それでもなお、やらねばならない。

「生命と時を弄ぶお前に、雪辱の一撃を……!」
 そう、叩き込むのだ。これは意地の話だ。誇り、矜持などではない。ただの意地の話だ。
 かの『鴻鈞道人』は己を弄んだのみならず、生命と時を弄ぶ。
 それは戦いにならずとも許せぬことだ。
 怒りに震えながら、しかして、彼は迫る猟兵たちを見据える。
「だが、来るがいい猟兵。……僕は傭兵だ。何があろうと、一度請け負った仕事は完遂する。けじめはつけさせてもらうよ」
 それが己の矜持。
 意地ではない。
 ただの在り方だ。故に『史・睡藍』は、みなぎる闘気を発露させ、蛇のように飛空する鎖の音が響き渡らせる――。

●第二次聖杯戦争
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。かつてメガリス『封神台』より『開神』され、銀誓館学園の能力者たちと対峙した神将『史・睡藍』がオブリビオンとして蘇り、長土塀青少年交流センター周辺地域に布陣しています」
 ナイアルテの言葉に嘗て能力者であった猟兵は頷く。
 神将としての彼を知る者もいるのかもしれない。傭兵として義理堅き性格。それは例え、己が死ぬことになろうとも曲げられることのない信念であったし、また同時にオブリビオンになり、過去に歪んだとしても変わらぬ気質であったのだろう。

「彼はオブリビオンとなった今でも『傭兵』として、義理立てを行っているようです」
 それは忠義というものではないのだろう。
 神将『史・睡藍』とはそういう存在であるというだけなのだ。ならばこそ、彼を打ち倒さなければならない。
「彼は通常のユーベルコードとは別に、戦場の何処かに『小型の疑似封神台』を設置しているようです。この場所までは予知できませんでした……」
 つまり、それは『史・睡藍』をどれだけだとしても幾度となく立ち上がって猟兵たちに向かってくるということを示している。
 言わずとも解かることだろう。
 これは長期戦となる。

 だが、あくまでも復活した時、『ある程度』しか回復しない所を見るに何度も彼を打倒し続ける事による負傷の蓄積によって撃破も可能であるということだ。
「膨大な長期戦、もしくは『疑似封神台を発見、破壊』を為す事ができれば、彼を殺すことができるかもしれません」
 だが、前者も後者もあまりに現実的ではない。
 長期戦は膨大な戦いが必要となるであろうし、また『疑似封神台』が簡単に見つかる場所に設置されているとも限らない。

 それ以上に、神将としての『史・睡藍』の力は強大である。
 彼の猛攻をかいくぐり、『疑似封神台』を見つけ出しても破壊されるという愚を彼自身が犯すとは考えにくい。
 どちらにせよ、覚悟しなければならないということには違いはない。
「はい。神将としての力、その矜持。いずれもが油断ならぬ相手であることは言うまでもありません。覚悟を決めていただきます」
 ナイアルテの瞳が爛々と輝いている。
 どれだけ困難な道行きであったとしても、これを超えなければ届かぬものがある。
 ならばこそ、猟兵たちは示さなければならない。

 敵ながら義理堅き者を討つ代価を。
 その代価によって開かれる道の先に待つものをこそ、真に打倒すべき者であると―――。


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『第二次聖杯戦争』の戦争シナリオとなります。

 シルバーレイン世界の長土塀青少年交流センター周辺地域に現れた神将『史・睡藍』。
 彼と戦い、これを打ち倒すシナリオになります。

 ですが、彼は神将。
 戦場の何処かに設置された『疑似封神台』によってどれだけ打倒されても、『ある程度の負傷』でもって復活し続けます。
 これを打倒するためには、何度でも彼と戦う覚悟を決めるか、『疑似封神台』を見つけ出し、破壊するしかありません。

 プレイングボーナス………何度でも睡藍と戦い、撃破する/疑似封神台を見つけ出し、破壊する。

 それでは『第二次聖杯戦争』、嘗ての強敵『史・睡藍』に立ち向かう、皆さんの死と隣合わせの青春の続き、その物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 ボス戦 『神将『史・睡藍』』

POW   :    邪気虎牙紋
攻撃が命中した対象に【白虎の紋様】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【白虎が本物の獣のように肉体を食い破ること】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    神気絶命旋
【高速で振り回される鎖鎌の分銅】で触れた敵に、【呼気により練り上げられた「気」】による内部破壊ダメージを与える。
WIZ   :    神将従霊群
自身が【詠唱兵器である鎖鎌を振り回して】いる間、レベルm半径内の対象全てに【小妖怪の群れの呪詛】によるダメージか【小妖怪の群れの祝福】による治癒を与え続ける。

イラスト:えの

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん?
武器:漆黒風

さて…あなたの『傭兵』としての矜持はわかりますからね。これでも忍びですし。
ですから…何度でも戦いいきましょう。猟兵は、一人ではないのですから。

UCを使っての長期戦を。呪詛は甘んじて受けましょう。何せ悪霊ですし…受けた方が力になりますから。
そして、私の方は漆黒風による投擲攻撃を。近寄られたのならば、四天刀鍵による斬りつけを。
真っ直ぐいくが、ある種の礼儀。

鴻鈞道人を殴りたいのもわかりますよ。あまりにも踏みにじってますから。
…私だって、私情で暗殺したい相手はいるんですよ。鴻鈞道人なんですが。



 神将は封神台が破壊されぬ限り、不死の存在である。
 だが、一度封神台が破壊されたのならば、その死は不可逆のものとなるだろう。
 神将『史・睡藍』は嘗てそうであったように、戦場の何処かに封神台を設置し、ただ傭兵としての矜持をもって猟兵と相対するのだ。
「いざ、尋常にとは言わないよ。僕にとって戦いとはそういうものだ。どれだけ雇い主が気に食わない者であったとしても、義理というものを通すのが筋というものだ」
 だからこそ、『史・睡藍』はオブリビオンとして生き残る。
 そのために戦わねばならぬ存在を猟兵であると正しく認識している。
 相対すれば解かる。

 あれこそが己が滅ぼすべきものであり、また同時に己を滅ぼしうる存在であると。
 手にした鎖鎌を振り回し続ける。
 彼の足元から溢れ出す小妖怪の放つ呪詛が戦場に満ちていく。
「さて……あなたの『傭兵』としての矜持はわかりますからね。これでも忍びですし」
 その言葉に、『史・睡藍』は頷く。
 忍び。
 かつて彼が戦った銀誓館学園にも忍びと名のつく能力者がいた事を記憶の中で想起させる。

「ですから……何度でも戦いましょう。猟兵は、一人ではないのですから」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『疾き者』が走る。
 煌めくユーベルコードの瞳は、その細まった瞼の奥に隠れている。
 しかし、迫る呪詛を前にして彼は甘んじて受け止める。
 呪詛は確かに肉体を蝕むものであったことだろう。しかし、彼らには関係がない。
「そうか、君は悪霊というやつか」
「ええ、ですから、呪詛というものは私の力に変わるものですから」
 放つ棒手裏剣を鎖鎌の刃で切り払いながら『史・睡藍』が『疾き者』と激突する。
 手にした刀と鎖鎌が火花をちらしながら、空中で打ち合う。

「真っ向から僕と打ち合うとはね。忍びというのは、不意打ちだまし討ちが本領ではないのかな?」
「確かにそのとおりでしょう。ですが」
 打ち据える刃が『史・睡藍』を吹き飛ばす。
 大地に土煙が上がり、しかし、その中から鎖鎌の分銅が空を走るように『疾き者』n胸を穿つ。 
 だが、即座に己の体を再構築しながら悪霊の呪詛で覆っていく。
 痛みはある。
 けれど、その痛みこそが己達の呪詛を強化し、益々強大なものとしていく。
 鎖の繋がる先へと棒手裏剣を投げ放ち、さらに間髪入れずに飛び込む。

「真っ直ぐいくが、ある種の礼儀」
「そういうことか。君等にも君等の流儀と礼儀があるというのか」
 土煙の中で切り結ぶ両者。
 互いに不死。
 ならばこそ、これは千日手のようなものだ。どちらかが消耗し倒れるまで続く戦い。
 個としてオブリビオンの力に猟兵は及ばない。
 けれど、『疾き者』が言ったように、これは猟兵としての戦いであればこそ、己はただ一人ではない。
 内包する悪霊だけのことを差しているのではないのだ。

 ともに並び立ち、戦う者がいる。
 嘗て能力者たちがそうであったように。
「鴻鈞道人を殴りたいのもわかりますよ。あまりにも踏みにじってますから」
「だからどうしたというのだ。これは矜持の戦いだ。それは意地の戦いだ。今は!」
「ええ、そのとおりでしょう」
 心に灯る思いがある。
 それはともに同じ標的を示していたことだろう。
 時と生命を弄ぶ者。

 ならば、この戦いの勝者がそれを為せばいいだけのことだと、『史・睡藍』は言う。
「あなたを倒させていただきますよ」
 振るう刃が鎖鎌の刃をかち上げ、放つ棒手裏剣が『史・睡藍』の体に叩き込まれる。
 土煙が晴れた時、そこにあったのは互いに消耗仕切りながらも、それでもなお戦い続ける両者の姿だった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニーニアルーフ・メーベルナッハ
…睡藍さん。
昔も今も、そういうことになってしまうのですね…。
ならば、実力を以てお止めするのみ。

睡藍さんに真っ向からの殴り合いを挑みます。
UCを使ってきたら此方も白燐傀儡法を発動、小妖怪を操り効果の反転を狙います。
12秒で解除しますが、それまでに鎖鎌の旋回は止めるでしょうから一応の目安として。
後はブレンネン・ナーゲルによる斬撃と炎を放っての【焼却】を主体に攻撃を。

一度倒しましたら、【蟲使い】で白燐蟲を戦域内に展開、睡藍さんの居場所を探します。
発見したら其処へ向かうと共に、その周辺を更に探索。
封神台は彼の復活地点の付近にある筈ですので。
発見次第、交戦の流れに乗じてそこへ接近、破壊を試みれればと。



 土煙が晴れた時、其処にあったのは神将『史・睡藍』の姿であった。
 打ち込まれた棒手裏剣の数は知れず。
 太刀傷もまた同様であった。これが神将である。
『封神台』が破壊されない限り、不死を体現する者。しかし、オブリビオンとして歪んだ結果かそうでないのかは定かではないが、その負傷は蓄積しているように思えたことだろう。
「だが、まだ戦えるということだ。僕は。ただ消耗しただけにすぎない」
 彼の瞳は未だ戦意に満ちていた。

 そんな姿の『史・睡藍』をみやり、ニーニアルーフ・メーベルナッハ(黒き楽園の月・f35280)はやはり、と思うしかなかった。
 過去にありし戦いの時もそうであったように。
 彼は『傭兵』としての矜持を捨てない。
 捨てないからこその結末であり、今自身の目の前にいるのだということをニーニアルーフは実感していた。
「……睡藍さん。昔も今も、そういうことになってしまうのですね……」
「変わらない、ということだろう。それをよく知っているはずだ、銀誓館の能力者……であったもの、と言うべきかな。猟兵」
 その瞳を見やる。
 手にした鎖鎌が振り回されると同時に、その肉体に打ち込まれた棒手裏剣が抜け落ちていく。

 負傷を回復すると同時に小妖怪たちが呪詛を撒き散らしながらニーニアルーフへと迫る。
 交渉など無意味。
 そういうかのように、互いに戦って、戦って、勝敗を決するしかないのだと『史・睡藍』の瞳が言っているようにニーニアルーフは感じたことだろう。
「ならば」
「ええ、ならば、実力を以ってお止めするのみ」
 彼女の瞳がユーベルコードに輝き、即座に戦場に溢れ返るのは白燐蟲の群れであった。
 一瞬で戦場に拮抗する白燐蟲と小妖怪の様相は、互いの力の縮図そのものであった。
 互いに激突するしかないというのならば、加減など必要ない。
 あるのは、互いの力の優劣のみだ。

 しかし、ニーニアルーフは能力者であった。
 それはもう過去のこと。故に、彼女が手繰るのは、ユーベルコードである。
 千差万別。
 その力のほとばしりは、白燐傀儡法(エントフューァト・フォスフォール)。呪詛放つ小妖怪すら操り、その呪詛は反転し『史・睡藍』へと放たれる。
「何をしている、妖怪共。僕に呪詛を……そうか、君のユーベルコーか!」
「思い通りにはやらせませんから……!」
 迫るニーニアルーフの姿に『史・睡藍』は振り回していた鎖を止め、その鎖鎌の刀身を持って迎え撃つ。
 ニーニアルーフが放つ赤手の一撃が、炎と斬撃を伴って『史・睡藍』へと叩き込まれる。
 焼却の炎は、膨れ上がりニーニアルーフと『史・睡藍』を取り囲む。

 炎が満ち、互いの間に繰り広げられる斬撃の応酬はすでに十数を超える。
「だが、無駄だ。知っているだろう。僕たち神将の力を。不死性を。これはただの徒労だ」
「ですが、わかっているのです。一度倒してしまえば、あなたは確かに復活すれど、『封神台』より再び舞い戻る。ならば、そここそが!」
「なるほど。僕の急所であると。だけど、それは僕を倒せたらの話だろう!」
 放つ斬撃がニーニアルーフの体を吹き飛ばす。

 だが、ごぼり、と『史・睡藍』は血を吐き出す。
 ニーニアルーフのはなった斬撃が先行した猟兵の攻撃と合わせて、打倒したのだ。しかし、それで終わりではない。
 即座にニーニアルーフは『史・睡藍』の姿を探す。
 復活するのは解っている。
 ならばこそ、見つけなければならない。
「面白い作戦だ。確かに僕を倒し続け消耗させる長期戦よりは現実的と言えるだろう。後何度君たちは僕を殺せるだろうか」
『史・睡藍』の声が聞こえた瞬間、ニーニアルーフは赤手でもって斬撃を受け止める。

「何度だって諦めはしませんよ」
 ニーニアルーフは、その瞳でもって迫る『史・睡藍』の凄まじき斬撃を受け止める。
 そう、諦めはしない。
 幾度となく続く戦いの中で、死と隣り合わせの青春の中で、ニーニアルーフたちは確かに得てきたのだ。
 諦観に屈することのない心を。
 ならばこそ、ニーニアルーフは己の赤手でもって『史・睡藍』を打倒し、更に『封神台』との距離を詰め、後に続く猟兵たちに戦いの軌跡を示すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神臣・薙人
鴻鈞道人…なんて惨い事を…!
史・睡藍
それでも貴方が戦うというのなら
私も全力をもって挑みましょう

私が神将たる睡藍の猛攻をしのげるとは思えない
ならば持久戦と行きましょう

睡藍が射程に入った時点で
白燐桜花合奏を使用
睡藍が攻撃の射程から外れないよう
立ち位置はその都度調整します
呪詛による攻撃には
立ち位置を変える・素早く移動する等
可能な範囲での回避行動を取ります
回避行動で睡藍が攻撃範囲から外れた際は
可能な限り早く位置を調整

蟲笛の演奏が途切れない事を優先して動きますが
演奏が中断された場合は、速やかに再開
攻撃と自己回復を継続します

私が演奏を止めない限り
負傷は蓄積されて行くでしょう
どちらが先に倒れるか
根比べですね



『鴻鈞道人』、その名を猟兵たちが聞くのは二度目であったことだろう。
 封神武侠界の大いなる戦いの際に現れた存在。
 骸の海そのものであると語る存在は、時と生命を弄ぶ。神将『史・睡藍』が怒り狂いながらも、しかして『傭兵』の矜持でもって義理立てする存在に神臣・薙人(落花幻夢・f35429)は怒りをにじませる。
 己の故郷にて、己が生命を殺す侵略者として戦わされるという仕打ち。
 それを理解するからこそ、薙人は憂うのだ。
「……なんて惨いことを……!」
 だが、しかし。
 それでもなお『史・睡藍』は猟兵と戦うのだという。
 
 ある意味で当然であるとも思えたことだろう。
 何処まで行っても猟兵とオブリビオンは滅ぼし、滅ぼされる間柄でしかない。
 嘗ての彼らのように交渉という余地はないのかもしれない。
 だからこそ、幾度打倒されてもなお『史・睡藍』は戦う。
「理解したか。猟兵。僕にとっての最終的な目的は、『鴻鈞道人』に雪辱の一撃を与えることだ。だが、それとこれとは今は違う問題だ。僕は傭兵として、君たちを滅ぼす」
 手にした鎖鎌が回転する。
 唸りを上げる度に、風を切る度に小妖怪たちが溢れかえり、呪詛を撒き散らすのだ。

 その光景に薙人は己がこの猛攻をしのげるとは思えない。
 ならばこそ、持久戦に持ち込む。
 しのげないまでも、つなぐ戦いをする。
 それが猟兵としての己の在り方であると言うように薙人の瞳がユーベルコードに輝く。
「貴方が戦うというのなら、私も全力を持って挑みましょう。決して、途切れぬ音色を奏でましょう」
 蟲笛に息を吹き込めば、白燐桜花合奏(ビャクリンオウカガッソウ)の旋律が戦場を満たしていく。
 桜の花吹雪が薙人を中心に解き放たれ、『史・睡藍』へと迫る。

「範囲攻撃というやつか……! だが!」
 互いのユーベルコードの煌めきが激突する。 
 桜の花吹雪と小妖怪の呪詛。
 それらがせめぎ合うように戦場に在りて、互いにぶつかりあっては消滅していく。薙人は己の演奏が途切れぬように立ち回る。
 息を継ぐ度に、肺が悲鳴を上げるようであった。
 これは根比べだ。
 どうしようもないことだ。他の猟兵たちが紡ぎ、つないできた戦いを、己という存在の楔でもってつなぎとめる。

 敵は神将。
 オブリビオンとなったのだとしても、翳りがあるのだとしても、その不死性は予断を許さない。
 放つ桜の花吹雪が渦を巻くようにして『史・睡藍』へと迫る。
「……私、は」
 思い出せない。
 嘗て在りし戦いの記憶も。
 けれど、ただ一つのことだけが彼の中にある。
 大切な人。ただそれだけが己の中にある。このシルバーレイン世界を大切に思う心の最初は、そこにあるのだ。

 ならばこそ、『史・睡藍』が『鴻鈞道人』に対して怒ることもまた理解できる。
 己がもしもそうであったのならば、と思うだけで臓腑が煮えくり返る思いであった。だからこそ、『史・睡藍』を放置してはおけない。
 悲鳴を上げる胸。
 痛む肺。
 息を継ぐ喉さえひりつく。
 けれど、それでも。
「私、は!」
 許せないのだ。生命を弄ぶ行いを。そして、それを為す存在も。
 故に渾身と万感を持って薙人は蟲笛を鳴らす。切なる願いは旋律となって、世界に響く。

 倒れてなるものかという意地と意地とがぶつかり合う。
 そんな戦いの中であっても、薙人の瞳に映るのは花吹雪の美しさ。
 ユーベルコードの光が明滅する。
 己は楔にして鎹。
 過去の化身に穿つは楔。
 そして、今と未来とをつなぐのは鎹。
 ともに立つ仲間がいるからこそ、あの使徒隣り合わせの青春の日々を駆け抜け、そして、今此処に居るのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
貴方とは初対面でしたわね、睡藍
愛した世界を、故郷を、滅ぼさなければならないなんて
人の想いや願いすら捻じ曲げ滅びを強いる鴻鈞道人の所業
わたくしとて到底許せるものではありません

だけど貴方はきっと、甘い同情など望まないでしょう
最期まで武人としての生き様を貫くなら、わたくしもそれに応えるまで

平和への祈り込め歌う【不屈の歌】
幸せな未来を望む人々の願いがある限り
わたくしたちは決して諦めない
例え地に倒れ己の血と泥に塗れても、何度だって立ち上がる

覚悟と共に、睡藍の胸に『浄罪の懐剣』を突き立てる
おやすみなさい
鴻鈞道人の齎す悪意は、わたくしたち猟兵が必ず終わらせる
貴方の無念と想いは、確かにこの胸に



「明けぬ夜はない。止まぬ雨はない。いかな試練が我らを阻むとも、大地に根差し光を望む大樹の意志はけして折れること無し」
 それは不屈の歌(ヒュムネ・クラージュ)であった。
 不屈の覚悟を込めた歌声。
 ユーベルコードの歌声は、それを聞く者にとって活力みなぎるものであったことだろう。
 誰もが傷つく。
 誰もが倒れる。
 それが戦いであるというのならば、ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)はも誰も泣くことのない世界を手に入れるためにこそ歌うのである。

 神将『史・睡藍』とはこれが初めての邂逅である。
 けれど、ヘルガは理解を示す。
 愛した世界を、故郷を滅ぼさねばならぬオブリビオンとしての性。
 その慟哭の如き叫びが聞こえるようだと彼女は思ったかも知れない。けれど、それを捻じ曲げている者がいる。
「人の想いや願いすら捻じ曲げ滅びを強いる……その所業、わたくしとて到底許せるものではありません」
 その言葉に『史・睡藍』は首を鳴らしながら手にした鎖鎌を振り回し、小妖怪たちを溢れかえらせる。
 
 壁、と捉えることができたかもしれない。
 それほどまでに溢れ出る呪詛は濃密であった。
「許せる許せないであったとしても、これが現実だ。僕がオブリビオンであり、君たちが猟兵である以上」
「はい、きっと貴方は甘い同情など望まぬでしょうことも」
 わかりきっている。
 己の中の本能が告げている。
 そんなもので互いが止まらぬことを。滅ぼし、滅ぼさる間柄でしかない。ならば、止まってはいけないのだ。
 時が止まることがないように。

「幸せな未来を望む人々の願いがある限り、わたくしたちは決して諦めない」
「そうだろうね。だけど、言葉で何が守れる!」
 振るう鎖鎌が飛ぶ。 
 呪詛が走る。
 歌声だけでは到底防げぬ苛烈なる攻勢がヘルガを襲うだろう。これが武人としての生き様を貫き、また同時に傭兵としての矜持を持つが故の力であった。
 痛烈なる痛みがヘルガの意識を奪いさろうとする。
 
 それでも彼女は立っている。歌っている。
「例え、地に倒れ己の血と泥にまみれても、何度だって立ち上がるのです!」
 覚悟を見せなければならない。 
 捻じ曲げ、弄ぶ敵がいるのならば、それを討たねばならぬ。
 彼女の手にした水晶の刀身に沙羅双樹の花が埋め込まれた罪在りし者を贖うために短剣が揮われる。
 どれだけ呪詛が身を打つのだとしても、届けるという覚悟がある。
 それこそが彼女のユーベルコード。

 この一打が例え、神将として復活する『史・睡藍』を終わらせることができなくとも。
「『鴻鈞道人』の齎す悪意は、わたくしたち猟兵が必ず終わらせる」
「それができるというのならばやってみるがいいさ」
 貫いた刃が血に濡れる。
 また再び復活するだろう。けれど、それでも消耗は強いることができる。消耗戦はむしろ望むところであったことだろう。
 何故ならば。

「貴方の無念と想いは、たしかにこの胸に」
 歌う。
 歌い続ける。 
 それだけがヘルガにできるただ一つのことだというように、その不屈の覚悟は戦場に伝播していくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ディルティーノ・ラヴィヴィス
僕はキミとはお初なんだよね
だからこそ遠慮しない。ボロボロになっても戦うさ!

今までの経験と戦闘知識を活かして相手の動きをよく見ながら、
蛇腹剣に変形させた影閃で相手の攻撃を弾き飛ばそう
隙を見て影閃を槍に変形させて攻撃に転じるよ

つまらない戦い方だって?僕もそう思ってた頃さ!
じゃ、戦場を変えさせてもらうね!
槍を地面に突き刺して【槍地獄改-怨-】を展開するよ
串刺しになるか、無数の槍が足場の邪魔となるか。どちらにせよ動きは制限されるはずだね
あとは蛇腹剣に戻した影閃で相手を斬撃や斬撃波で攻めるだけだ

何度も串刺しになるのが嫌なら、最後は僕が墓標を立ててあげる
槍地獄の一本をへし折って刺してやるよ。祈らないけどね



 打倒された神将『史・睡藍』が復活する。
 彼にとって、戦いとは己の生き様そのものであった。強くなければ生きてはいられない。弱い者には生きている価値すらない。
 それが戦いの常であったからだ。
 故に彼は神将として『封神台』を破壊されぬ限り、復活し続ける。
「猟兵、君たちが僕を滅ぼすのだろう。そういうものだと理解している。だからこそ、僕は戦うのだろう。そういう宿命の元に自分がいるという自覚がある。ならばこそ」
 その言葉に、ディルティーノ・ラヴィヴィス(黄昏の獅子・f38911)は終焉を見ただろうか。
 勇猛であること。
 気高き心を持つこと。
 それが己の中にある力の源であったのかもしれない。

「神将と呼ぶにふさわしい力であると思うよ、僕は」
 ディルティーノは戦場を駆け抜ける。 
 迫る『史・睡藍』は確かに強い。オブリビオンとはかくも個として猟兵に勝る力量を持ち続けるものである。
 強烈なる打撃も、ユーベルコードも、彼の体を食い破るような虎の文様も、全てがディルティーノを追い詰めていくだろう。
 そして、何度打倒してもなお、彼は復活し続ける。

「確かに消耗しているはずなのに、まだ戦うんだね」
「それが神将というものだ。僕は戦うために、戦うことをこそ……!」
 振るう鎖鎌が飛翔するように自在にたぐられ、ディルティーノを打ちのめす。
 けれど、ディルティーノは覚悟していたのだ。
 ボロボロになってでも戦うのだと。 
 彼はガーディアンである。傷在る者を守る者。
 故に傷だらけになるのはいつものことであったのかもしれない。痛みは彼の歩みを止めない。これまで培われてきた戦いの記憶が、迫る『史・睡藍』の姿を捉えている。
 手にした蛇腹剣と鎖鎌の挙動は似ていた。
 だからこそ、二度目はない。

「つまらない戦い方をする。見ているばかりとは!」
「僕もそう思ってた頃さ! 似ているからね、その武器は僕のものと! だから、戦場を変えさせてもらうね!」
 手に居た槍を突き立てる。
 何を、と『史・睡藍』は思ったことだろう。
 彼の瞳はユーベルコードに輝く。
 突き立てた槍は、そのままに無数の槍となって、『史・睡藍』を地面から強襲する。だが、腐っても神将と呼ばれた者である。
 槍の一撃を躱す。

「ちっ……足場を崩すユーベルコードか!」
「いいや、違うさ。君が厭うのは、足場の不安定さに制限さ。だから!」
 手にした蛇腹剣が宙を走るようにして『史・睡藍』の脚を捕らえ、体勢を崩す。
 そこに迸るのは、槍地獄改-怨-(ヤリジゴクカイ・ノロイ)。
「そう簡単には逃さない、ってさ」
 その一撃は今度こそ『史・睡藍』へと走る。最初の一撃は敵の体勢を崩すための布石であったのだ。
 戦い慣れている。
 多くの戦いを経験してきたからこそできる動き。
 故に『史・睡藍』は笑ったのだ。戦いの中にこそ己の存在意義を見出すのならば、傷を厭うことどない。

 存分に戦えぬことこそを恥じるのだ。
「見事だと言っておこう! 猟兵!」
 迫る槍が『史・睡藍』の体を貫く。血反吐を撒き散らしながら崩れる体。しかし、まだだ。
 復活した彼の瞳がきらめいている。
 ユーベルコード。
 その最中、ディルティーノは地面から突き出した槍の一本をへし折って、投げ放つ。投擲の一射は、狙い過たず復活して間もない『史・睡藍』の胸を貫く。
「最後は僕が墓標を立ててあげる。祈らないけどね」
 それは戦いの中に生きたものへの手向け。
 そう願うようにディルティーノは己の槍が神将届いたことを見届けるのでたった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

戒道・蔵乃祐
【PH】月夜さんと共闘します

史・睡藍は銀の雨降る世界を出自とする武人なれば
喩えその命尽きるとも、災禍を運ぶ魑魅魍魎に類する本意無し

世界に選ばれ、守護者としての|定め《運命》を授かった猟兵
骸の海から掬い上げられ、世界から排斥される過去故に|未来《生命》に仇為すオブリビオン
両者|倶《とも》に天を戴かず

然らば来なさい敵対者
僕達が、能力者との約束を果たせなかったお前に代わり世界を守る
だから、安心して猟兵に倒されろ!!

◆破戒僧捕物帖
詠唱兵器の切先を見切り、小妖怪の間隙を撃ち抜く分銅の心眼+投擲

読心術+早業で呼吸を読み、鎖と鎖を絡ませ合う事で呪詛を制止
フェイント+怪力で体幹を崩させて睡藍を地面に縫い付ける


月夜・玲
【PH】戒道さんと
混沌氏…鴻鈞道人、骸の海そのもの
随分と悪趣味だね
しかし、オブリビオンとなってもまだまともな感性を持っているのは凄いじゃないか
…まあ、生き延びる事を考えてしまっているのはオブリビオンの性なのかもしれないけど
私たちに出来る事は無理矢理にでも止める事だけ

《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
【偽書・焔神】起動
剣の蒼炎を纏わせて接近
『なぎ払い』による一撃で斬撃と蒼炎を放ち、奴を燃やす
何度でも復活するというのなら、何度でも燃やし尽くしてあげよう

悪いけど君の願いは叶わない
けれども鴻鈞道人へのケジメは、私たちがいずれ付けてあげる
だからこれ以上、不本意な戦いをしない事だね



 槍の一撃を受けてなお、神将『史・睡藍』は倒れなかった。
 これまで数多の攻勢を受けて打倒されてもなお、幾度となく復活してきたのだ。
 その消耗の度合は凄まじいものであったことだろう。 
 これは長期戦だ。
 消耗戦であり、泥仕合と言ってもいいかもしれない。
 それほど間に神将としての『史・睡藍』はしぶとかった。神将の不死の要たる『封神台』の破壊がならぬのならば、当然の帰結であったことだろう。
 けれど、猟兵達は立ち止まらなかった。

 彼らの心には不屈の覚悟がある。
 なんとしても世界を救わねばならぬという覚悟がある。
 ならばこそ、戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)は己たちと相対する神将にこそ敬意を持つ。
「戦いこそが、僕の在り方。そこに身を置いてこそ、僕の存在意義がある!」
 体を射抜く槍のを抜き払い、血に塗れながらも彼は慟哭ではなく、咆哮する。
 オブリビオンとなって、そこに見るは意地と矜持であった。
「喩えその生命尽きるとも、災禍を運ぶ魑魅魍魎に類する本意無しと見ました。ならば、世界に選ばれ、守護者としての|定め《運命》を授かった猟兵」
「世界から排出された過去故に|生命《未来》に仇為すオブリビオンが僕だ」

 ともに言葉が交錯する。
 相容れぬ存在。
 滅ぼし、滅ぼされる間柄。
「両者|倶《とも》に天を戴かず」
 振り回した鎖鎌の空を切る音が聞こえる。小妖怪が戦場に満ちて呪詛を撒き散らし、『史・睡藍』の負傷を回復していく。
 ともに退くことはない。
「僕は必ずや生き残って見せる。このような仕打ちを僕にした『鴻鈞道人』に敵わずとも、雪辱たる一撃を叩き込むためには!」
 踏み込む。
 早い、と蔵乃祐は思った。

 しかし、その踏み込みに対応する者が居た。
 飛び込む蒼い光。残光が宙に刻まれて、放たれる鎖鎌の一撃を切り払ったのは、月夜・玲(頂の探究者・f01605)であった。
「随分と悪趣味だね」
『混沌氏』、『鴻鈞道人』、骸の海そのものと呼ばれた者の所業に玲は頭を振る。
 けれど、それでも、と思うのだ。
『史・睡藍』は、過去に歪んでなお、生前の矜持と意地を持っている。
 それは驚異的なことだと彼女は感じたのだ。
「……まあ、生き延びる事を考えてしまっているのはオブリビオンの性なのかもしれないけど」
「戦うことと生きることは同義であればこそだろう。戦い続けることこそ、僕の持つただ一つのことであるのならば、そうするのが当然だろう!」
 放つ鎖鎌の一撃が玲を襲う。
 あの一撃を受けては拙い、と本能的に理解する。

 食い破られる、とわかってしまうのだ。
 それほどまでに『史・睡藍』の戦いに対するセンスというものは凄まじかった。
「然らば来なさい敵対者」
 蔵乃祐が伸び切った鎖を掴む。
 ぎりぎりと音を立てながら、互いの膂力で持って一歩も引かぬ攻防。
「私たちにできることは無理矢理にでも止めることだけ」
 ともに並び立つ者は、その瞳をユーベルコードに輝かせる。

「僕達が、能力者との約束を果たせなかったお前に代わり世界を守る」
「僕の戦いは、これからだ! 僕の代わりなど!」
「だから、安心して猟兵に倒されろ!」
 煌めくユーベルコードは破戒僧捕物帖(ハカイソウトリモノチョウ)。手甲に仕込まれた鎖分銅が放たれる。
 それは奇しくも『史・睡藍』と同じであった。
 鎖をともに扱う者同士であるからこそわかる。ともに絶技の如き技を収めた者であると。

 蔵乃祐は呼吸を読み取っている。
 引き合う鎖。
 絡みつく互いの力。綱引きであったのならば、鎖のほうが先に音を上げるほどの応酬。
 だが、それは降着を意味しない。
「月夜さん!」
「細工は流流、大捕物を篤と御覧じろ! ってね!」
「呪詛は引きつけます!」
 蔵乃祐の足は大地に根ざす大樹の根の如く不動。そして、『史・睡藍』は見ただろう。
 己と鎖で繋がれた彼が満たす力を。

 ユーベルコードだけではない。
 己一人で戦うのではなく、他者と共に並び立つ。
 それは嘗て銀誓館学園の能力者が戦う様と重なるものであったはずだ。懐かしさを覚えなかったと言われたら、嘘になる。
 羨ましさを感じなかったというのならば、それは言葉にするべきものではない。
 成し得なかったことがる。
 果たされたなかった約束が在る。
 それは覆らない。
 時が逆巻くことがないように。だからこそ、誰かに託すのだ。誰かが己の守れなかったものを守ってくれるように。
 それは弱者の考え方だってわかっている。

 けれど。
「僕は!」
「悪けど君の願いは叶わない」
 玲が踏み込む。
 ユーベルコードに輝く瞳が『史・睡藍』を見ている。
 ああ、とも思うだろう。わかっていたことだ。かの混沌を前に己ができることなどないのかもしれない。
 そして、目の前の猟兵達こそが。
「けれども、『鴻鈞道人』へのケジメは私たちがいずれつけてあげる。だからこれ以上、不本意な戦いをしないことだね」
 振るう模造神器の刀身が浄化の蒼き炎を立ち上らせる。
 システムが切り替わる。
 起動する偽書・焔神(ギショ・ホムラカミ)は、猛り、狂い、燃やし尽くさんと力を発露する。

 斬撃が繰り出される。
 あらゆるものを燃やし尽くす浄化の炎。
 蒼き炎。
 その色は、いつかのどこかで見た最後の空の色と同じであったことだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
ご機嫌よう、『神将』史睡藍。あなたの敷いた絶陣一つくぐり抜け、ようやく目の前までやってこれたわ。ちょっと長くなるかもしれないけど、よろしく。

「範囲攻撃」で宝貝『太極図』を展開。
これでお互いに、ユーベルコードは使えなくなった。あとは地力の勝負よ、睡藍。

「式神使い」で偶神兵装『鎧装豪腕』を顕現。「盾受け」「受け流し」で万全の防御を。更に「オーラ防御」追加。これで鎖鎌は何とかする。

あたしは「斬撃波」を纏った薙刀で攻め立てるわ。「なぎ払い」つつ「貫通攻撃」で「串刺し」にしてあげる。

ユーベルコードが使えない以上、展開されるのは持久戦。
あなたにも限界はあるでしょう。そしてあたしは、その限界を超えていく!



 鎖解け、蒼炎が己の身を焼滅してなお、『封神台』により神将『史・睡藍』は復活する。
 その身に刻まれた負傷の度合いは徐々に蓄積していく。
 完璧ではないのだ。
 神将の不死性は『封神台』在りきである。
 それを破壊しない以上、一撃で殺すことは不可能である。ならばこそ、猟兵達は『史・睡藍』と長期戦に踏み込む。
 傭兵としての意地と矜持を持つ存在に対して、それは悪手であったのかもしれない。

 けれど。
「ご機嫌よう、神将『史・睡藍』。あなたの敷いた絶陣一つくぐり抜け、漸く目の前にまでやってこれたわ」
 村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)の言葉に息を吐き出すように『史・睡藍』は首の骨を鳴らしながら手にした鎖鎌を呼気によって練り上げられた気と共にゆかりに放つ。
 挨拶など必要ない。
 自らと猟兵の間にあるのは戦いだけだと示すようでも合った。
 しかし、その一撃は勢いを失って、ゆかりの眼前で落ちる。
 その様子に『史・睡藍』は驚愕するだろう。

「どういうことだ」
「ちょっと長くなるかもしれないけれど、よろしく、といったところかしら」
 彼女の瞳はユーベルコードに輝いている。
 理解が及ばない。
 ユーベルコードは確かに千差万別。
 一定の規則性はあれど、そこから派生した力の在り方は、おそらく無限のごとく存在するのだろう。
 だからこそ、眉根をしかめる。
 確かに己の呼気は練り上げられているはず。なのに。
「違う。これは……!」
「そのとおりよ。これぞ、宝貝『太極図』(タイキョクズ)。万物の基は太極なり。両儀、四象、八卦より生じし森羅万象よ。その仮初の形を捨て、宿せし力を虚無と為し、悉皆太極へと還る」
 ゆかりの首元に在る太極図のペンダントトップから放たれた終焉の冷気が互いのユーベルコードを封じたのだ。

「この戦いにおいて、ユーベルコードを、自らの首を締めるとは思わないのか!」
「地力の勝負ということよ、睡藍」
 互いの判断は早かった。
 即座に手にした鎖鎌が放たれる。頬を掠める刃に血潮が飛ぶ。
 けれど、それでもゆかりは走る。
 式神として召喚した鎧装豪腕が迫る鎖を受け流しながら、さらに飛び込む。

 この間合では鎖鎌は意味をなさない。振り降ろされる一撃をゆかりは薙刀で切り払う。
 そこにぐるりと体を回転して放たれる『史・睡藍』の後ろ足刀蹴りがオーラで覆われたゆかりの腹部を貫かんばかりの衝撃でもって襲う。
 吹き飛ぶ体。
 追撃に飛ぶ『史・睡藍』に『鎧装豪腕』の一撃が弾き飛ばす。
「ユーベルコードを封じたのならば!」
「展開されるのは持久戦ってことよ!」
「馬鹿なことを!」
 ユーベルコードを封じてなお、『史・睡藍』の地力は凄まじいものであった。ユーベルコードだけに依存した力ではない。神将としての不死性を頼みにするものでもない。
 鍛え上げられ、練磨された躯体あればこそ。

 故にゆかりは立ち向かう。
「どれだけ鍛え上げても、これまでの消耗は蓄積していることでしょう! なら、きっと限界だってある。そして、あたしは、その限界を!」
 薙刀の一閃が袈裟懸けに『史・睡藍』の体を切り裂く。
 踏み込む。
 立ち止まることも、退くことも許されない。
 この戦場に踏み込んだ以上、止まることは許されないのだ。あがくように。もがくように。一歩を踏み出すことをしなければ、つかめぬ未来があると知っているからこそ、ゆかりは踏み出す。

 それは限界を超える一つの方法であったからだ。
「超えていく! あなたも!」
 薙刀の柄で振り払う『史・睡藍』の拳と交錯するようにゆかりは薙刀の突きでもって、その体を貫き、その矜持をこそ讃えるように斬撃を叩き込むのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルファ・オメガ
【理緒と】
がう、神将とかなつかしー
まぁボクのご主人様はラーラにご執心だったから
睡藍とはほぼ接触なかったけど
これも縁だ、お話くらいはしよーよ
理緒ー、ボク接近戦仕掛けるから手伝ってくれると嬉しいかもー

【すーぱー・もふもふぱわー!】で仕掛けるよ
フフフ、ボクが猫だからって虎に食われると思ったら大間違いだよ
素早いフットワークで回避するね

ねぇねぇ睡藍
キミの矜持はよくわかってるつもりだよ
かつてのキミもそうやって戦い抜いて銀誓館学園との戦いの果てに力尽きたし
でもこの戦いの果てにそんな満足があると思う?
鴻鈞道人を許せない理由はボクたちにだってある
それなら一緒にやった方が確率高いよ
一時的でも手を組まない?


菫宮・理緒
【アルファさんと】

神将……わたしはまた聞きになっちゃうんだけど、
大いなる力には逆らえない……いえ、逆らわせない。
そのことを知らしめた事件だったんだよね。

ま、それでもそれに逆らおうとしたから、
能力者さんたちは今ここにいるんだけど。

それを思うと『睡藍』さんの言うことは解るんだけど、
オブリビオンと猟兵という、スタート地点の違いはどうしようもないね。

攻撃はUCで完全防御して、アルファさんをフォロー。

アルファさんもこう言ってるし、敵対しないなら、今は見逃すよ。
でも敵になるならしかたないかな。

それでも……あなたの矜持だけは持っていかせてもらうよ。

鴻鈞道人、だっけ?
そいつはわたしたちが倒してくるからね。



 戦いとは己の存在意義である。
 世界にあって強者こそが生きるべき存在であり、弱者とは淘汰され強者の礎になるべき存在である。
 シンプルだ。
 だからこそ、神将『史・睡藍』は戦う。
 戦って、戦って、戦いの先にこそ求めるものがあるのならば、立ち止まることは意味をなさない。
「僕は戦う。そのために居るのだから。そして!」
 己には意地がある。
 矜持がある。
 全ては、あの『鴻鈞道人』。生命と時を弄ぶ者に雪辱の一撃を叩き込むために。

「猟兵! 君たちは僕を滅ぼす存在だ。僕もまた君たちに滅ぼされるべき存在だ。だったら!」
 道は交われど、共にゆくことはない。
「がう」
 その言葉に茶トラのケットシーたるアルファ・オメガ(もふもふペット・f03963)は、共に戦った自身の主人のことを思い出す。
 あの人はもうひとりの神将にご執心だった。
 だから、『史・睡藍』と自分はほぼ接触らしいことはなかった。
 けれど、これも縁だ。
 多くの世界を渡り歩き、多くを経験してきたからこそ、アルファは知っているのだ。結ばれた縁が、例え良縁であれ悪縁であれ、それは縁でしかない。

 ならば、躱すのは言葉と刃である。
 鎖鎌の一撃を受け止めながらアルファの瞳がユーベルコードに輝く。
「すーぱー・もふもふぱわー!(モフモフハセントウリョク)フフフ、ボクが猫だからって虎に食われると思ったら大間違いだよ」
 身を覆う謎のパワーでもってアルファは俊敏に鎖鎌の刃を躱す。
 至近距離であればこそ、届けられる言葉があるはずなのだ。

「神将……わたしはまた聞きになっちゃうんだけど,大いなる力には逆らえない……いえ、逆らわえない。そのことを知らしめた事件だったんだよね」
 大陸妖狐。封神台。
 それらが示したのは儘ならぬ現実というものであったのならば、きっとあの死と隣り合わせの青春は、何もかもが無駄ではなかったことの証左であろう。
「けど、それでもそれに逆らおうとしたから、能力者さんたちは今此処にいるんだけど」
 そう、菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は呟く。
 誰もが傷つかずにはいられなかったし、求めるところの全てを得られたわけではない。
 けれど、きっと良い未来に繋がっていると信じていたからこそ、戦ってこれたのだ。

「それを思うとあなたの言うことは解かるんだけど」
「ああ、だが僕はオブリビオンで」
「わたしたちは猟兵というスタート地点の違いはどうしようもないね」
 だからこそ、理緒はアルファをフォローする。
 同位を検索し、具現化する。
 それは電脳世界の情報を元に具現化した等価存在。目の前に迫る小妖怪の呪詛を相殺し、打ち消すのだ。
「……消されている……同じものを、僕のユーベルコードと同じことしているというのか」
「等価具現(トウカグゲン)、わたしはそう呼んでいるけれどね」
 拮抗している。
 神将たる己の力をそっくりそのまま鏡返しのようにして打ち消す存在。
 それが猟兵というものであったのならば、『史・睡藍』は笑う。それは諦めの笑いではなかった。
 戦いというもの楽しむのならばこそ、笑う。
 強者との戦いだけが戦いだ。
 弱者はただの礎にしかならない。だからこそ。

「それを超える意味がある!」
 迫る『史・睡藍』の咆哮にアルファは尋ねる。
「ねぇねぇ睡藍。キミの矜持はよくわかっているつもりだよ」
「理解したからといって、僕と君等が相容れぬ存在であるということは変わらないだろう。君の本能が言っているはずだ。僕らは滅ぼし、滅ぼされる間柄でしかないのだと!」
「かつてのキミもそうやって戦い抜いて銀誓館学園との戦いの果てで力尽きた」
 その結末を知っているからこそ、アルファは叫ぶ。
 届くのではないかと思ったのだ。 
 あの結末で届かなかった物が、今ならば届くのではないかと。

 けれど、過去が逆巻くことがないように。
 オブリビオンは存在するだけで世界に破滅を齎す。 
「でもこの戦いの果てにそんな満足があると思う?」
「僕はもう終わった存在だ。僕はあの時、あの瞬間、あの決断を恥じてもいなければ、それを覆そうとも思わない」
「鴻鈞道人を許せない理由はボクたちにだってある。それなら一緒にやったほうが確率高いよ」
「そうだろうな」
 そうだろうとも、と『史・睡藍』は頷く。
 だが、しかし。

 それとこれとは話が別だ。
 これは己の意地と矜持の問題なのだ。膨れ上がる重圧にアルファは即座に己のユーベルコードのちからをまとい、飛ぶ。
「だが、これは僕の傭兵としての意地だ! 責務を全うする! そのためには!」
 アルファは言葉を告げなかった。
 一時的にも、と告げようと思った言葉、『史・睡藍』の意地によって吹き飛ばされる。
「そうだね……仕方ないね。それでも……」
 理緒のユーベルコードがアルファに迫る一撃を弾き飛ばす。
 何度繰り返しても同じ結果になるのかもしれない。
 けれど、手を伸ばさない理由にはなっていないのだ。

 だからこそ、理緒は告げる。
「……あなたの矜持だけは持って行かせてもらうよ。アルファさん!」
「がう!」
 アルファのサムライブレイドの黒い刀身が煌めき、その斬撃でもって『史・睡藍』の体を切り裂く。
 わかっていたことだ。
 だから、これはアルファの矜持になる。
 己の意地をもって貫かねばならぬことがあるのならば。

「鴻鈞道人、だっけ? そいつは」
「がう、ボクたちが倒してくるからね――」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大町・詩乃
この世界は銀誓館学園が平和を勝ち得た世界。
故に銀誓館学園に敬意を表して学生服で戦いに臨みましょう。
(単にセーラー服を着たいだけともいう)

睡藍さんは悪い人では無さそうなので敬意を以って戦いますよ。

破魔・浄化・結界術・高速詠唱・呪詛耐性で生み出した対呪詛結界で神将従霊群を封じ、鎖鎌による攻撃は第六感で読んで、見切り・ダンスで舞うように回避。
オーラ防御も纏います。

《慈眼乃光》で周囲を見渡し、無機物や自然現象まで味方にして、隠されている『疑似封神台』が目に付くところに押し出されるようにします。
天耀鏡の盾受け・シールドバッシュで睡藍さんを押し留めている間に念動力で『疑似封神台』を引き寄せ、破壊しますよ。



 戦いとは残酷なものである。
 どんなに願ったとしても相対する両者を、両者の思うままにすることはできはしない。
 必ず勝敗が決するように。
 明暗が別れるように。
 必ず訪れる別離というものがある。
 これが何度目の別離であるのかなんて神将『史・睡藍』は考えない。
 オブリビオンとなった彼にとって、最期の戦いというのは、やはりあの時、あの場所の戦いであったのだから。

 だからこそ、猟兵との戦いが終わりを告げようとしている。
 この戦いを生き延びて、かの存在に雪辱の一撃をと願う心があったのは、意地があったからだ。
 けれど、此処には己の矜持を見届けるものがいる。
 回る鎖鎌の回転。
 生み出される小妖怪たちの呪詛を取り囲む結界が、その流出を抑えるように取り囲んでいる。
 大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は敬意を持って一礼する。
 その姿は銀誓館学園の制服ではなかったけれど、それでもあの学園のことを想起させるには十分であったことだろう。

「あなたは悪い人のように思えないのです」
 詩乃にとって、『史・睡藍』とはそういう敵であった。
 猟兵である以上、オブリビオンは滅ぼさなければならない。
 オブリビオンである彼にとっても猟兵は滅ぼさなければならない存在でしかない。
 けれど、相通じるものがあったのならば、その垣根すら超えるのかもしれない。けれど、この場において戦いが優先される。
 意地よりも。
 矜持が優先されるからこそ『史・睡藍』は、その瞳に宿るユーベルコードを止めはしない。
「それはどうも。だけど、僕は傭兵だ。傭兵は戦ってなんぼだろう? ならさ!」
 放つ鎖鎌の一撃が詩乃に迫る。
 だが、彼女の瞳、そのユーベルコード、慈眼乃光(ジガンノヒカリ)があらゆるものを見つめる。
 暖かく慈しむ視線。

 神将と神性。
 個々にあるのは神の字を持つ者同士。
 相容れぬと知りながらも、しかして戦うしか無い。
 これまで幾度となく『史・睡藍』は猟兵たちに打倒され、その度に復活してきた。その身に刻まれた負傷の度合いは、あと一歩という所まで来ていたのだ。
 だからこそ、詩乃は微笑む。
「憐れむのか、僕を」
「いいえ。そうではありません」
 迫る『史・睡藍』の一撃を天耀鏡でもって受け止め、一対の鏡でもって押し込める。
 彼女の瞳はあらゆる生命体、無機物、自然現象をもって彼女に有効的なものを引き出す。

 戦いのさなかにあって、その慈愛たる瞳を彼は見ただろう。
 だからこそわかる。
 これは幾度となく、あの日、あの時願われたことなのだと。
 何度言われただろうか。
 どれだけ救いの手を伸ばされただろうか。
 願ってくれただろうか。
 生きていほしいと。しかし、それは叶わなかったのだ。どんなにあがいても、時が逆巻くことがないように。覆ることのない事実なのだ。

「……そうか。僕は、今度もまた」
 負けるのだな、と呟いた。
 けれど、詩乃は頭を振る。
「いいえ、あなたは負けたのではありません。絆された、というのかもしれません。確かに貴方と彼らの間には、絆というものがあった。だから」
 詩乃は見やる。
 彼の背後から現れる『疑似封神台』。

 なるほど、と『史・睡藍』は思った。
 自然現象すら有効的に行動させるユーベルコード。
 それによって、『疑似封神台』を引き寄せたのか、と。
「なら、そういうことだろうね。僕は……」
 ああ、何も言うことがない。
 あの日あの時と同じように。あの最期の瞬間に投げかけられた言葉を思い出す。

 それがオブリビオンとなって滅びる己に対する唯一の……。
 砕けた『疑似封神台』と共に最期の一撃が詩乃より落とされる。
「さようなら、神将……いえ、『史・睡藍』」
 見上げた空は、あの日の青空。
 尽きることのない思いは、その青色に溶けて消えていく。
 あの最期と同じように――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月07日


挿絵イラスト