3
銀河帝国攻略戦㉓~留まること無き行進曲~

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦


0




「さぁさぁまたまた語ろうか。今回の舞台もスペースシップワールド、時は銀河帝国攻略戦は佳境に差し掛かり。悪の皇帝の居住へ進軍を進める者達と共に戦った英雄の話を――」

●それならば、進んでいける
「真の同士というのは、多くを語らぬものだ。傍目には何を言っているのか分からないかもしれないが、ただの一言だけで全てを語る」
 四枚の翼を青と黒の混じる色に変えながらはためかせる、女の楽しそうな声がグリモアベースに響いた。
「何? 私とは対極? よろしい。間違ってない」
 満足げに集まった猟兵達を見回すと、グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは心底楽しそうに手帳を開き、グリモアを輝かせた。

「さぁ語ろうか。今回の舞台もスペースシップワールド、君達にはインペリウム護衛軍と戦う解放軍への援軍を行って貰いたい」

 銀河帝国が旗艦「インペリウム」を守る艦隊と解放軍の戦いが行われているそうだ。
 悪の本拠地への道を開くべく、彼等は必死になってそこを守る精鋭たちと激戦を繰り広げているそうだ。
 しかし敵は曲がりなりにも本拠地を守る最精鋭の艦隊などの超兵器や、二大巨頭を除けば最高峰の指揮官たちの跋扈する危険地帯だ。
「しかもその上、解放軍の攻撃は皇帝の力で強力な自己修復能力を与えられている」
 グリモアを輝かせ示した映像には、解放軍による強力な砲撃を受けても損傷を回復していく艦船の姿が映し出される。
 ただでさえ防御力に優れているのにも関わらず、自己修復まで備えるとあっては、これは流石の解放軍も易々と突破はできないだろう。
「そこで君達には、護衛艦の一隻の近くまで行って貰いたい。そしたらまた解放軍がとっておきの大砲撃を放ち、中枢部までの道を作ってくれるだろう」
 ただし、と指を立てて羽ペン型のグリモアを手に取ると、また新たな映像を映し出す。
 そこには全身を鮮やかな青に輝かせる巨大な機械の騎士がいた。
 青い稲妻の名を持つ伝説の少佐の機体であり、かつて伝説の解放軍の戦艦を単身で六隻も沈めるほどの、帝国軍にとっては英雄の如き戦士だ。
「そいつが即座に砲撃で開けた穴から出撃してくる。こいつがいる限り開けた穴を通り、中枢を破壊することはできないだろう」
 逆に言えば、こいつを倒せば中枢までの妨害は無くなり簡単に護衛艦を落とすことができるのだと語った。
「戦場は宇宙空間となる。あの透明な宇宙服を纏えば地上と何ら変わらない……しいて言えば、四次元的な動きが出来るだろうがね。まぁ、戦闘には何の支障もないだろう」
 ちなみに解放軍の戦艦は護衛艦自体の砲撃や増援戦力を叩くための砲撃に集中していることとなる。
 機動騎士への援護射撃は期待できないが、機動騎士も猟兵を最優先で狙うので解放軍の戦艦を気に掛ける必要も無いと補足し。
「大宇宙の中、戦艦と戦艦の砲撃が飛び交う中で機動騎士との戦いを制してくれたまえ。然るのちに中枢を落として帰ってきて欲しい」
 退路などは転送を行うので心配はいらないよ、とも告げて。
 そうして一頻り語り終えると、今度は彼女は青と黒から眩い純白に変えて、上機嫌にはためかせて告げて、グリモアを輝かせて転送結界を作り上げ。
「敵は強力だが、君達なら何の心配は要らないと確信している。宇宙空間の中の華麗なる戦い、見事に制してくれたまえ」


裏山薬草
●注意!!
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 どうも、裏山薬草です。
 OPに目を通して頂きありがとうございます。
 またまた戦争シナリオをお送りさせていただきます。
 今回は通常通りの難易度ですので、宇宙空間で機動騎士との戦いを楽しむぐらいの気持ちで来てください。
 しかし敵は強敵ですので、手を抜き過ぎると危険なのでご注意を。
 OPでも説明したように宇宙空間での戦闘となります。
 四次元的な軌道で動いたり、戦艦同士の砲撃を背景に楽しむ感じで来てください。
 会話や呼吸などは、あの透明な宇宙服で何とかなるのでその辺りはあまり気にしないでください。

 それでは熱いプレイングをお待ちしております。
 裏山薬草でした。
150




第1章 ボス戦 『少佐専用の青の突撃騎士』

POW   :    見せてもらおうか、新しい相手の実力とやらを!
【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    …ついてこれるかな、蒼い稲妻と呼ばれたこの私に!
【新人類とも呼べる胸囲的な感応能力】に覚醒して【リミッターを解除した高機動モード】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    これ以上はやらせんと言っている!
【自身の強い意志】から【感応波】を放ち、【戦慄するプレッシャー】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は春日・釉乃です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 深く暗き闇と、瞬く星々が燦然と輝くこの偉大なる大海の中。
 その海を悠然と闊歩する帝国の旗艦と、それを守るように浮かぶは帝国軍の精鋭部隊、それに抗い彼等と無数の光線と爆撃を交わし合うのは我らが解放軍の戦艦達だ。
 大宇宙の闇と静寂を、対立しあう軍勢の光と爆炎の応酬が照らし賑やかしていた。
 だが激しい応酬を経ても守る側の艦は一向に敗れる気配はなく、攻める側の渾身の砲撃が悪の艦首を蒸気に変えても、ほどなくして修復される。

 その終わりなきループを繰り広げる護衛艦の一隻の近くにグリモアの結界を通してやってきた猟兵達の姿があった。
 内の一人が解放軍の一隻に合図を送ると、その戦艦は力強いシークエンスを己が艦内に流す。
『コードFG発動、総員対ショック用意!! 主砲リミッター解除、収束装置起動、収束率タイプP!! エネルギー充填120%、ターゲット・ロックオン!! ファイア!!』
 戦艦の主砲が展開し、その砲口に極限以上に収束された粒子が輝き、見るも鮮やかな光の帯が帝国軍の放つ光線とミサイルを一瞬で蒸気に帰しつつ、猟兵達の待ち構える護衛艦の一点を盛大に打ち抜いた。
 その先が護衛艦の中枢――それを落とせばいい。
 だがその穴からやってきたのは鮮やかな青の機体――全長5メートルにも及び、その手には戦艦の主砲にも匹敵するライフルを構えたそれが、雷の如く猟兵に立ちはだかった。
「見せて貰おう、伝説の解放軍の真の実力とやらを!!」
 帝国と解放軍の、再び始まった光と爆炎の応酬をバックグラウンドに、青き稲妻を制する宇宙英雄譚が始まろうとしていた――!!
三影・サイ
機動騎士が相手の実戦は初めてです。
どれ程対応できるか、私の性能を試す良い機会と考えます。

ユーベルコードを使用し敵を撃ち抜きます。
技能の空中戦、第六感や見切りを応用し、空間戦闘で敵味方の砲火を交わしつつ目標を捕捉。
スナイパーを利用して敵機の機動を予測しての偏差射撃を実行。
相手が接近してくるなら懐に飛び込んで零距離射撃を叩き込むつもりです。

他にも味方に射手がいらっしゃるならお互いに射撃時の隙を補うようにして、敵への射撃を間断なく行いたいです。


ダビング・レコーズ
空間戦闘に対応する為SF-2エウロスに騎乗
増強した速力を以って高機動戦闘を開始します
互いに高速機動する敵機は無視できない存在となるでしょう
当機が注意を引き付けられれば友軍の攻撃機会捻出にも繋がります

目標を有効射程内に捕捉次第マイクロミサイルを一斉射
誘導弾を以って追い立てメガ・ガトリングカノンの掃射を浴びせます

敵の高出力ライフルは極めて脅威です
直撃を受ければ無事では済まないでしょう
よって攻撃よりも回避運動を優先
特に一斉射の兆候が見られた場合回避に専念します

目標が高機動形態に移行次第ユーベルコードを発動し対抗
振り切らせはしません
接近戦時は敵の近接攻撃に合わせメタルステークでのカウンターを試行します



●白銀と青紫
 大宇宙の暗闇を、青と白銀の二つの帯が彩るようであった。
 その正体は背からブースターを吹かし光の銃弾とデブリの中を潜り抜けていく青い機動騎士と、騎乗する小型戦闘機の推進器を噴き上げてそれを追う、青よりも一回り小さい白銀のウォーマシン、ダビング・レコーズ(RS01・f12341)だ。
 そうして高速機動を実現した機体は徐々に、徐々に距離を詰めていき。
「目標補足。有効射程内に入りました。マイクロミサイル発射」
 白銀の機体から白煙を噴き上げて放たれる、幾つもの小型の誘導弾が光線とデブリの中を潜り様々な角度から騎士を追い詰めるように飛来していく。
 だがそれを騎士は盾の裏側にマウントされた棒を取り出すとスイッチを起動させ――そこから放たれた光学の刃が宇宙の塵を燃やし輝く。
 その光の刃でダビングの放ったミサイルを熟達した剣客のように華麗に切り払っていく。
 慌てることもなく、追撃の為に中型のガトリング砲を構えるがそれよりも早く、青い騎士はライフルを構えその砲口に光を灯していた。
 だがその光が放たれるよりも尚早く、まるで瑠璃唐草(ネモフィラ)のように色鮮やかな青紫の光線が、ライフルの光線とぶつかり合い相殺された。
 その光線を解き放ったのは、両手で小型の拳銃を構えているスペースノイド、三影・サイ(火力支援兵・f14159)であった。
 彼女は青と白銀のチェイスを無重力の空間を蹴り、光線と破片が超速で飛び交う中を見切り潜り抜けながら彼等を追い機会を狙い澄ましていたのだ。
 味方の射撃の隙が出来たら、それを補うように――その狙いは正しく、光線を相殺されライフルを掲げるように弾かれた騎士の視界には、大型銃の機構を起動させていた白銀のウォーマシンの姿があった。
「準備完了。メガ・ガトリングカノン……発射(ファイア)」
 大型の弾倉に込められた機銃の弾丸が火を噴き、青き騎士を銃弾の嵐の中に呑み込み、その鮮やかな青の装甲にシルバーストリークを刻んでいく。
 流石にこの弾丸の嵐を全て喰らうのは不味いようなのか、騎士は再びブースターを噴き上げて上方へ飛翔し離脱を試みる。
「ついてこれるかな? 青き稲妻と呼ばれた、この、私に……!!」
 頭部の角に何かが弾けたような光を輝かせると、リミッターを解除したように今まででは考えられない常識外れの速度で離脱を試みる。
 その間も背中のパックから独立起動する遠隔操作型のビーム兵器を射出すると、サイとダビング目掛けて光線のシャワーを浴びせるようにしていく。
 尤も、それをダビングは光線が放たれる前に潜り抜け、サイは超人的な第六感と空間把握能力で光線の間隙を縫いつつ躱し。
 藍色の瞳を鋭くかの騎士の機動に向けると、その先に置いておくように青紫の高出力光線を放つ。
 その間もダビングは騎士を逃がすまいと、理論の限界を超えた騎士の機動に呼応して己の持つ制御装置を外していく。
「コードODG承認。全システム、リミッター解除」
 高機動を以て敵の高機動に対抗し、注意を引き付けることこそ己が役目。
「オーバードライブギア、スタンバイ」
 機体の摩耗も厭わない大出力を発揮するように、搭載するあらゆるジェットエンジンを吹かし騎士に追いすがる。
 青き騎士は彼の速度に驚愕しつつも、その機動に置かれてきた青紫の光線を、下方へ急降下することで躱しつつ、己の持つ全ての武装を解き放つ。
 高出力の光線と大火力の小型ミサイル、そして誘導型の兵器の光線が解き放たれるもダビングはジェットを吹かし、時に己の火器で撃墜していなしていき。
 だがその発射の隙へジェットを噴き上げながら、光の刃で切りかかる――が、ダビングの極端に射程が短いことを犠牲に極限までの爆発力と貫通力を備えた杭内で腹部を貫かれて吹き飛ばされて。
 だがその先がサイであったのは僥倖――否、不幸。
 刃を振り上げ迫らんとする騎士に、逆に宇宙の虚空を蹴って懐に飛び込むと、杭打機に入れられたヒビへその銃口を押し当てて。
「この光が、いつか誰かを許しますように」
 ――トリガーが引かれると、そのヒビから入り込んだネモフィラの如き輝きが星天に鮮やかな軌跡を残し。
 青き騎士の腹部へ星々の覗き穴を刻み込むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・クロト
F(※氷の魔力によるブースターエンジン的なのです)

なんかこーな、こういう『専用機』と殴り合いてェよな。男だし。
【氷戒装法『貪狼の狩人』】と【七天の氷製】をそれぞれ【高速詠唱】。
【七天の氷製】では『氷戒剣:狼顎』を複製して行動開始。

相手の行動を見ながら、複製を相手の機体に
【マヒ攻撃】【鎧砕き】【属性攻撃】で強化してから突き刺していく。
できれば【メカニック】の知識活かして弱そうなところから。
上手く相手の行動を制限できたら
上記に加えて【2回攻撃】も織り交ぜた連続攻撃で押し込む。

「なァに、オブリビオンじゃなきゃ俺だって参考にしたさァ」
「……だって、そういうの格好良いに決まってんじゃんか」


レクシア・ノーレッド
―人型決戦兵器…いいね、楽しませてよ?

【SPD/口調:真剣】

戦闘機や戦艦、というのはきっと今までにも堕とし飽きただろう?
なら、廃材の竜なんてものでも相手にしてみないか?

…私の竜、「リベラ」とワタシでUC【黒液流動】を使って合体する…
が、それだけじゃ面白くないだろう?そうだね、その背中のブースターだけ借りようか。
【選択UC】で相手の機体のブースターだけ複製する。応急処置だが『武器改造』でそれっぽく取り付け、機動力を増そう。

後は【接続/解放】で機体に電流を流し、敵の攻撃を躱しつつ渾身の『捨て身の一撃』を喰らわせてやる。

「…こちらレクシア。対象の殲滅を開始する。」

アドリブ、共闘歓迎



●氷と流動
 腹部に風穴を開けながらも、機動騎士の出力は衰えを見せることはなかった。
 機体の消耗も厭わずに、全身の装甲の隙間から排熱が空間を歪ませるような光景が映し出されていた。
 その騎士の前に立ち、二人の男女が各々のロマンスを語り合う。
「なんかこーな、こういう『専用機』と殴り合いてェよな。男だし」
「ああ……人型決戦兵器。楽しみたいね。女だけど」
「私も解放軍の化け物と相まみえたかった。帝国軍人だが」
 三者三様。
 霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)の言葉にレクシア・ノーレッド(『侵喰者』、紅きドレッドノート・f01101)が、同様の楽しみに理解を示す言葉を告げれば、続いて当の敵本人すらもそれに同意した。
 同じ宇宙を抱いて、同じ楽しみを共有しながらも、二者と一者は決して交わることはない――立場が違えば、どうなのかも決して分かりはしないが。
 口火を切ったのは騎士だった。
 彼は即座にライフルを構えると、黄金に輝く光の帯を放つ――放たれた高熱と電離層が宇宙の塵すらもまた蒸気に帰していくそれをクロトとレクシアの間に放ち、二人を分断させて。
 このまま一旦体勢を立て直し遠距離から狙撃するつもりで、背中のジェットを吹かして彼等から距離を取らんとしていた。
 だがそれは間違い――何故なら、彼等にもこの騎士の機動に対抗する手段はあるのだから。
「我が身に北天に座す『貪狼』の加護を。そして北天に座す七天よ、我が許に冷たき加護の刃を授けよ」
 クロトは一瞬の早口で力ある言葉を紡ぐと、その身体に極寒の魔力を纏う。
 続き決して溶けぬ永久氷壁から取り出したような、神殺しの狼をどこか思わせる氷の魔剣を彼自身の周囲に浮かべ。
 纏った魔力とパワードスーツのブースターから噴き上げる氷河の噴出が、浮かぶ塵を凍てつかせ弾ける、幻想的な青白い帯を残しつつ追いすがる。
 静寂の空に更なる静寂以外を許さないような、凍てつく波動の気配を新人類の感覚で青い騎士は躱しつつも、クロトの速度に驚愕するが。
「戦闘機や戦艦、というのはきっと今までにも堕とし飽きただろう? なら、廃材の竜なんてものでも相手にしてみないか?」
 何、と驚く前に屑鉄ながらも鋭い爪が振り返らんとした騎士の胸部装甲を薙いだ。
 その先にはその身を屑鉄の飛竜と一つとしたレクシアの姿があった。
 いや、それだけではない。
 その飛竜の背には。
「こ、これは、私のブースターではないか……」
「借りさせてもらった。応急処置だが、中々良い」
 そう、爆発的な機動力を実現するかの騎士のブースターを密かに複製し廃材の飛竜に取り付けることで、騎士に追い付いていたのだ。
 こうなれば最早、距離を取り大火力の砲撃で攻める作戦は意味を為さず――ライフルを構える前に、クロトの生成した氷の剣が排気孔に突き立てられる。
 彼の優れた機工知識と、術力に上乗せされた凍結の魔力が刻まれたシルバーストリークに吸い込まれ、装甲の意味を為さぬほどに深く突き刺さり。
 流し込まれる極低温が騎士の機動を完全に封じると。
「……こちらレクシア。対象の殲滅を開始する」
 その時既に、レクシアはその拳を薬物と蓄えていた魔力によって自らの身を削る勢いで爆発的な高圧電流そのものに変えていた。
 そして凍てついた青の騎士目掛けて、開けられた風穴に思い切りその拳を自らの身に襲う反動も厭わぬ勢いで叩きつけ。
 極低温によってもたらされた超伝導が雷の浸食を促し、青き騎士の身体を内部から弾けさせ白煙を噴き上げていった。
 その廃材の飛竜と化して、浪漫溢れる機体のブースターを取り付けた姿を見るクロト。
 すごいな、という声に彼女はそうか?と答えると、
「なァに、オブリビオンじゃなきゃ俺だって参考にしたさァ……だって、そういうの格好良いに決まってんじゃんか」
 ――男の子はこういうのが大好き。
 それは例えサイボーグであろうと変わらない一つの真理なのかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ユーイ・コスモナッツ
帝国の「蒼い稲妻」が相手となれば、
退くわけにはいきません
宇宙騎士の名にかけて!

宇宙空間での高速機動戦なら、
私も後れはとりません
愛用の反重力シールドに乗って、
ユーベルコード「流星の運動方程式」を起動

私の得意技能である
「騎乗」「ダッシュ」「空中戦」を活かして
接近戦に持ち込むことを狙います

高機動モードに変身しても、
銃の射程と銃弾の速度までは変わらないはず
銃口の向きに注意しながら
有効射程ぎりぎりの距離を保ちます

タイミングをはかって一射を誘い、
紙一重で避けつつ急加速
一気に間合いを詰めて、突撃槍の一撃!

槍が刺さって動きが鈍ったならチャンスです
槍を手放し剣に持ち替え、
再び間合いを放される前に勝負をつけます


甚五郎・クヌギ
いざ往かん、星の海!我輩たちの働きが明日の宇宙へ繋がるように、張り切って参ろうか!

なぎなたを妖剣解放して戦うぞ
宇宙空間で円を描くように体ごとぐるり回ってなぎなた振るい、生み出す衝撃波で攻撃を仕掛けていく
あちらの光線、爆炎、ライフルの一撃さえも、この衝撃波にて散らしてやるぐらいの勢いで斬りかかってゆこう
重力に囚われない刃の動きは我輩にとっても実に不規則なものとなろう
だがしかし、我輩とて空中戦には慣れたもの
敵のプレッシャーごと薙ぎ払ってやるのみよ

この太刀筋、はたして見極め切れるかな!

・連携、アドリブ歓迎です


トルメンタ・アンゲルス
青い稲妻、伝説のエース機体。
面白いじゃあないですか。
過去の伝説、叩き落してやりますよ!

行くぞNoChaser!
変身!
『MaximumEngine――Mode:Formula』(ベルトの音声)

マシンベルトを起動し、アクセルユニゾン始動!
相棒を攻撃力重視の装甲として、変身合体!
最初から最高速でダッシュします!

さぁ、速さ勝負だ!
コアマシン最大出力!ブースター全開!
超音速を超え、物理法則を無視した軌道で追い詰めていくぞ!

早業や第六感、見切りなどを生かし、超高速戦闘を挑む!


貴方は、絶対にこの宇宙(ソラ)からは逃がさない!
追撃のブリッツランツェで、その期待を蹴り貫く!

墜ちろォォォォォ!!!



●鎧装騎と聖騎士と武士
 少佐の機体は白煙を噴き上げ、装甲もいくつか剥がれ落ち内部のフレームが剥き出しになり火花を散らしている。
 僅かな身じろぎからは弱弱しい駆動音が響いてきそうな気すらし、無重力の中に揺蕩うように立ち尽くす――その目の輝きは失われてもいる。
 しかし猟兵達は透明な宇宙服越しの肌で感じていた。
 完全に倒し切るまでこの騎士はこの有様でも何ら変わらない高い戦闘力で戦うと。
 だからこそ、彼等はその闘志を強く燃え上がらせていた。
「青い稲妻、伝説のエース機体。面白いじゃあないですか。過去の伝説、叩き落してやりますよ!!」
 それは、己が速さに誇りを持ち稲妻の速さに立ち向かう者であったり。
「ええ。帝国の『蒼い稲妻』が相手となれば、退くわけにはいきません。宇宙騎士の名にかけて!!」
 それは、古き騎士の誇りを胸に騎士に立ち向かう者であったり。
「うむ。いざ往かん、星の海!! 我輩たちの働きが明日の宇宙へ繋がるように、張り切って参ろうか!!」
 そしてそれは、武士(もののふ)としての道を胸に道を切り開く者であったり。

 誰よりも速さに拘る鎧装騎、トルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)
 ガイアの時代の誇りを抱く聖騎士、ユーイ・コスモナッツ(宇宙騎士・f06690)
 その一刀にて未来阻む岩をも裂く武士、甚五郎・クヌギ(左ノ功刀・f03975)
 ――ここに集いし三人の勇士に依る最後のスペースオペラが今まさに始まろうとしていた。

 三人の闘志に呼応し、光を失っていた騎士の瞳に鮮やかな輝きが戻る。
 用を為さない装甲をパージし、フレームを剥き出しにする背水の覚悟で最終の中の最終リミッターを解除すると、今までの損傷が信じられない速度で星々の間を翔けていく。
「宇宙空間での高速機動戦なら、私も後れはとりません。ブースト・オン!!」
「行くぞNoChaser!! 変身!!」『MaximumEngine――Mode:Formula』
 ユーイは反重力を生み出す大盾に足を着けると、より宇宙の機動に特化した形態に変えて彼等から距離を取らんとする騎士に白い影の帯となって追いすがり。
 トルメンタはベルトから音声を響かせると、愛車を変形させ凶悪な火器を増設した鎧に変えて纏い、流れ星のように脚甲で虚空を蹴りブースターを全開に翔けていった。
 その二人を鬱陶し気に騎士の超感覚は、後ろにも目がついているかのように高出力のビームライフルと、背中のバックパックから放つミサイルで撃ち落とさんとする。
 しかし高速移動を為そうとも武装そのものにそれは適用されない――そう踏んだユーイは射程ギリギリを保つことで躱し。
 トルメンタはそれこそ、彼女自身にも新人類の感覚を持ち合わせているかのように、物理法則を凌駕する機動で躱していく。
「その先ごと薙ぐまでよ!! ……我輩にも予測できぬ刃、故に見切りも出来まい!!」
 そしてクヌギは追い付けぬまでも逃がしはしない程に、獲物を捉えた獅子の如く高速で翔けていく。
 命を削る覚悟を以て黄金の瞳に映える瞳孔を限りなく絞り、柔らかな毛を妖しく揺らめかせ逆立たせて薙刀を構え。
 その小さな身体をゆっくりと――実際にはあまりにも速い動きが視認を置き去りにするほどに速く回転させると、放たれた衝撃の刃が距離を取り砲撃に移らんとした騎士を留まらせ、一瞬だけその動きを止める。
 無重力下に慣れていないが故にその衝撃刃の軌道は不規則、しかし空中戦自体はお手の物、不規則となる刃を敢て逆用し騎士の新人類の感覚を欺いたのだ。
 そしてその一瞬こそが命取り――ユーイとトルメンタの刃が迫り、騎士に突き立てられんとする。
「ただでやられると思うな!!」
 オーバーロードを厭わない出力を増大させ、残りの武装に費やす全てのエネルギーをぶつける勢いで内蔵された火器と、ビームライフルの一斉掃射を放つ。
 発射の反動でフレームが過負荷に堪え切れず煙を噴き上げ小爆発を引き起こしていくがそれも構わぬほどの超・大火力――しかし、その火力が三人に当たることはなく。
 白銀の天馬が如きユーイが光線と弾丸を紙一重で潜り抜けていくように躱していき、トルメンタの音を超えた速度と超感覚の見切りがその全てを躱し。
 弾幕の中に飛び込み回転しながら放たれるクヌギの衝撃刃が纏めて騎士の高火力を薙ぎ払い、撃墜し。
 今こそトドメの時だと、三人が一斉に翔け出さんとしたその瞬間、彼等を強力な精神波が押し留めた。
「……やらせはせん!! やらせんはせんよ!!」
 それは自壊を始めている騎士の最後の矜持なのだろうか。
 矢尽きた筈の騎士の衰えぬ戦意の波動が、彼等の脚を一瞬だけ留め――最後に残った光刃剣を手にした瞬間。
「なれば青き稲妻よ!! 戦場走る赤猫の、獅子にも負けぬ牙、そのプレッシャーごと薙ぎ払ってくれよう!!」
 瞳孔を収縮させ総毛を湧き立たせ。
 悪を成敗する刃を岩をも通す強き意志で動かし、今までの妖気を全て乗せる勢いで特大の衝撃波を放ち。
 思念の波動を一瞬で吹き飛ばし、その光刃剣を構えた片腕を一瞬で斬り飛ばして。
「今です!! ハァァァァアアアッ!!」
 騎乗する大盾を天馬の如く駆り、白銀の突撃槍を構え迫る姿は戦場を翔ける戦女神が如く。
 機を伺っていたユーイの突撃槍が青き機体の胸を貫き穿つ。
 そして間髪を入れずに剣を勢いよく振るい斬撃を刻みながら後退し。
「貴方は、絶対にこの宇宙(ソラ)からは逃がさない!! 墜ちろォォォォォ!!!」
 トルメンタの鎧装から放たれるプラズマの噴出が宙の塵を蒸発させて。
 音速を超えた光の速さで物理の縛りを乗り越えた軌道の蹴りが、突き立てられたランスごと騎士を貫いた!!
「ば、馬鹿なぁっ……!!」
 大宇宙の闇を白く染める勢いで爆発する騎士を後目に、それを貫く一助となったランスを掴むと持ち主である聖騎士に投げ返し。
 サングラス越しの瞳で健闘を称えるように微笑み。
 聖騎士はそれに微笑み返し、そしてその槍で武士の掲げる薙刀に交差させて。
 武士はそれに良き笑顔で頷き。
 誰一人欠けても倒せなかったであろう強敵を打倒した健闘を、暫し讃え合うのであった。

●終わりなき行進
 その後……。
 指揮官にして最高戦力を失った護衛艦に開けられた穴を通り、猟兵達は中枢を破壊しグリモアの結界を通って脱出し。
 宇宙(そら)に爆ぜる護衛艦の輝きに、解放軍は猟兵達の奮戦を称えるように一斉に敬礼をした。
 攻撃と再生と再攻撃を繰り返す終わりなき円舞はここに断たれた。
 これからは、新たに解放軍の行進が始まることだろう。
 回り回って進めない円舞よりも、前へ前へと進める行進に。
 それを為した猟兵達の見事な戦いは、逆に終わりなく語り継がれるであろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト