第二次聖杯戦争⑨〜足下用心
「しまッた……!」
足元の床が突如開き、戦闘中だった妖狐七星将『貪狼』は自らの尾である獅子王と共にゴーストタウン化した武家屋敷の入り口にまで落とされてしまう。
「これじゃ埒が明かないわ」
金沢の武家屋敷はゴーストタウン化によって危険な絡繰屋敷に変貌していた。現象の“柱”となったオブリビオン化ゴーストは無数の脚を蠢かせ、我が物顔で最上階の間を占拠する。
名をムカデ王。
かつて銀誓館学園によって撃破された 妖狐七星将『廉貞』の尾である。
「ゴーストタウン化したことで金沢の武家屋敷は見た目からは想像もできない内部の状況に変わり果ててしまっている。攻略の際の試練はいくつかあるんだけど、順番に説明するよ」
ひとつめ、仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は人差し指を立てた。
「外観と実際の階数が違う。内部は4階まであって、隠し階段によってしか上を目指すことができない。外から飛んで回り込もうにも外観からはそんな階どこにも存在しないんだ」
ふたつめ、落とし穴。
「どうにか隠し階段を探り当て、ゴーストタウン化の“柱”であるオブリビオン化ゴーストのいる最上階へたどり着いたとしよう。そこにも罠がある。一定間隔で底が抜け、1階まで落とされる。そうしたらまた最初からやり直しだ。隠し階段の場所は毎回変わるから、毎回落とされていたらいつになっても倒せない」
みっつめ、ムカデ王。
「『なるほど、オブリビオン化するということの意味がよくわかったわ。こういう風に見知ったものと戦うこともあるのね』……この武家屋敷の“柱”がムカデ王だと知った『貪狼』の言葉だ。最上階の間に棲むムカデ王は『貪狼』と同じ妖狐七星将『廉貞』の尾だからね。高い戦闘能力を持ち、広域破壊能力を振りまくムカデ型のゴースト。前に銀誓館が撃破したのがオブリビオン化して甦ったらしい」
これら全ての条件をクリアし、ムカデ王の討伐が成功すればゴーストタウン化の解除に一歩近づける。
「現地にいる『貪狼』は共闘を喜ぶだろう。彼女の尾である獅子王は見た目の通り、機動力と攻撃力に優れる妖獣だ。うまく連携できれば、きっと頼りになるよ」
ツヅキ
プレイングが送れる間は常時受付中です。
執筆のタイミングによっては早めに締め切られる場合があります。
●第1章
ゴーストタウン化した武家屋敷が舞台です。ムカデ王がいる最上階の間は一定時間が過ぎると落とし穴が発動し、落ちるとまた1階から攻略し直さなければなりません。
妖狐七星将『貪狼』の尾である獅子王と連携して戦うとプレイングボーナスです。
第1章 ボス戦
『ムカデ王』
|
POW : 百足蹂躙
【無数の脚による蹂躙突撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 廉貞模倣体
【妖狐七星将「廉貞」を模した霊的存在】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : 天空百足嵐
召喚したレベル×1体の【巨大ムカデ】に【空駆ける足】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
イラスト:8mix
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎
ふむふむ、共闘とな!よいことであるな!よろしく頼む!
わしは霹靂に騎乗して機動力を補っておこう。
すまぬが、背後を頼めるかの?こうもムカデの数が多いとな…。
さて、UC使うて…二つになるまで合体させるか。
ああ心配要らぬ。これはあのムカデオブリビオンのみを焼くからな。獅子王がこの魔断狼の後ろから襲うこともできるのだ。
わし自身は、黒燭炎を突き主体で活用。
同時にクモの巣状結界を張っておる『疾き者』あたりからの警告が…ああ、落とし穴か!
※
霹靂、獅子王にビックリしつつもクエクエ!と元気一杯に駆ける。
「よろしく頼むぞ! 獅子王殿!」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の挨拶に景気の良い咆哮が返った。ところは金沢市の武家屋敷。こういう場所は義透に似合う。着物姿で霹靂に跨り、獅子王と連れ添う姿はとても様になっていた。
「クエクエ!」
霹靂は獅子王と鼻を合わせ、意志疎通しているようだ。最初は驚いていたものの、どうやらすぐに慣れたらしい。
彼の機動力があれば隠し階段を見つけるのはわけなかった。問題があるとすればムカデ王が召喚するムカデ達の対処であろうか。
長い階段をゆき、たどりついた最上階の間はまるで天守閣のよう。ムカデ王は我が物顔で天井付近に張り付いている。
ここぞ、と義透は獅子王に背後を頼んだ。
「ルルル……!」
任せろと言うかのように唸る獅子王は霹靂と背中合わせになってその爪と牙を存分に振るい始める。これで義透も後背を気にせず、戦いに専念できるというものだ。
「出でよ、魔断狼!」
敵が強いことを考え、数は二に絞ることにした。
「大丈夫だ、これはあの敵のみを焼くからな。さあ、ゆくぞ!」
オブリビオンを燃やす炎の中、義透の突き出す黒燭炎の穂先がムカデ王の眷属を貫き落とし、本体にも迫る活躍をみせた。
「ん!?」
まずは一突きを与えたところで『疾き者』からの知らせが入る。とっさに霹靂を床から離し、落とし穴の罠を回避。
足下に張り巡らされた蜘蛛の巣状の結界が察知してくれたようだ。
「まずは一難去ったか。では、獅子王殿。本番と参ろうか!」
大成功
🔵🔵🔵
冴島・類
吃驚忍者屋敷みたいだな
頂上に待つ相手を考えれば遥かに厄介だけど
獅子王さん、機動力も力強さも頼りになりそう
よろしくです
隠し階段を探すなら…古典的でも
壁を叩いてみて返る音の違いを探ったり
術による隠匿を考え、封印を解く時とにた手口で
魔力を流し探り、不自然に他の魔力が集中しているところを探す
到着後は、獅子王さんと連携
僕が破魔の薙ぎ払いで気を引き
此方へ攻撃が放たれた瞬間をついて攻撃をお願いできたら
瓜江は相縁で離し手繰り
獅子王さんの側について行動
穴は、六感で床の変化を探りたいが
自分も瓜江も鍵縄を用意しておき
落ちた瞬間に梁などに放ち命綱がわり
獅子王さんも掴んで縄結び留め引き上げたい
…さて、どこまでできるかな
ああ、これは凝っている――冴島・類(公孫樹・f13398)はゴーストタウン化した武家屋敷の精緻な絡繰りに感心と呆れがない交ぜとなった感情を彷彿させられた。
大きな仕掛けは隠し階段のようだが、他にも猟兵なら問題なく攻略できるたぐいの細々とした罠があちらこちらで類をおどろかせてくれる。
「まるで吃驚忍者屋敷かな?」
ひらりと小さな落とし穴を飛び越える瓜江はいつものことながら、今回は貪狼の尾である獅子王が随行するのが頼もしかった。
「よろしくです、獅子王さん」
好意的な唸り声に微笑み返した類は呼吸を整え練り上げた魔力を屋敷中に|流して《・・・》いった。己の魔力が満ちる程に別の魔力は水と油のようにその存在を浮かび上がらせるから。
「ほら、見つかった」
どんでん返しと思しき壁を軽く叩けば、思っていた通り音が異なる。
隠し階段は少し狭く、類は身体の大きな師子王を先に行かせることにした。殿は瓜江が務め、一行はムカデ王の待つ最上階へ。
「我と百足王に仇成したるか」
出迎えたのは妖狐七星将『廉貞』の幻影とそれに操られこちらを威嚇するムカデ王。操るものと操られる者の信頼関係は類と瓜江に似通う絆があった。
「なら、負けてはいられないね。さあいこう瓜江、獅子王さん!」
巨体をくねらせ、鋭い牙を剥くムカデ王の鼻先へ枯れ尾花を抜刀一閃。銀杏色の組み紐飾りが揺らぎ、呼び起こす風が破魔を纏って敵の気を挫いた。当然こちらを反撃したくなるだろうが、それは罠。
すかさず遠隔操作する瓜江を回り込ませ、獅子王と挟み撃つ。左右から攻め込まれたムカデ王は逃げ場を無くして後ずさった。
「斯くなる上は」
廉貞の呟きと同時に類の勘が働いた。
「瓜江ッ」
――床の真ん中。
縦に入った亀裂がわかる。真っ二つに床が開くより僅か早く類と瓜江は鉤縄を梁にくぐらせ巻き付け落下の難から逃れた。瓜江の剛腕が獅子王の首根っこを掴み、手早く縄で繋ぎ止める。宙吊りになった獅子王がきょとんした顔なのがおかしみを誘った。
「大丈夫、瓜江は力持ちですから。落っことしたりはしませんよ」
大成功
🔵🔵🔵
真月・正人
アドリブ歓迎
隠し階段を上りムカデ王と対峙
「よりにもよってムカデ王のオブリビオンとは…」
アタッシュケースからベルト型の機械を取り出して腰に装着
カードを機械に挿入し「Eイグニッション!」
月の紋様が浮かぶベルトと連動した、エアシューズ、回転動力炉にもなっているローラーが回転して床を蹴る
獅子王と時にバラバラに動いて翻弄し、時に体に捕まって加速してムカデ王の攻撃を避けていく
落とし穴が発生したら、回転動力炉の速度を最大に、子供の時から培ってきたインラインスケートの技術も合わせて壁を道として駆け抜ける
そのまま天井付近から三日月の如き残光と共に鋭い|牙《エアシューズ》の一撃をお見舞いします
アタッシュケースを開ける音に続いてベルト型EICリーダーを腰に装着する音が真冬の武家屋敷に響いた。真月・正人(新たな『翼ちから』で月夜を翔ぶ・f35573)の吐き出す白い息が冷え込みの強さを物語る。
「Eイグニッション!」
滑り出すエアシューズの意匠はベルトと連動する月の紋様――残像を描いて疾駆するローラーは回転動力炉によって常識の埒外にまで加速。
「よりにもよってムカデ王のオブリビオン……しかも主従お揃いとは、心してかかるべきでしょうね」
隠し階段の先で迎え撃つムカデ王の隣にはあの妖狐七星将『廉貞』まである。まるで軍師のように扇で指し示し、命令を下した。
「征け」
だが、正人の側には協力な助っ人の師子王が控えている。
「頼みましたよ」
「ルッ!」
両者は互いの機動力を活かす為、戦いが始まると同時に散開を選んだ。相手は二人だが戦うのはムカデ王のみ。対してこちらは一人と一匹が戦場をフルに動いて攪乱を試みる。この速さで動かれては両方を同時に視界へ入れることは不可能、即ち正人側のチャンスだ。
顎の鋏で正人を狙うが、それが閉じるより前に敵の背後へ滑り込む。ならばと体の後部をよじって薙ぎ払おうと試みるムカデ王だが、正人は獅子王の鬣に捕まり、急加速で攻撃を回避した。
「侮り難し」
廉貞の扇が動きを変え、床が抜ける。
その瞬間、頭で考えるよりも早く身体が動いた。子どもの頃から染み付いた習慣――インラインスケートの。
刹那、豪速の軌跡を描いて壁を走り抜ける。
そのまま天井へ、つまり敵の真上だ。
ここから繰り出す技はただひとつ――EICA:Mode『月のエアライダー』。
「ッ!!」
目を眩ませるほどの残光は三日月。弧を描き、鋭い蹴撃で敵を屠るエアシューズはまさしく牙そのものであった。
深手を負ったムカデ王は這う壁からずるりと落ちかけ、何とかしがみついているような状態だった。
大成功
🔵🔵🔵
ニーニアルーフ・メーベルナッハ
今回は味方にもなり得るムカデ王と、改めて敵として対峙する。
なんだか不思議な感じです…。
ともあれ行きましょう。
獅子王さんと共に最上階を目指します。
隠し階段は【蟲使い】で白燐蟲達を操って壁や天井を探査、隙間や仕掛けが無いか探って見つけましょう。
ムカデ王との戦いにおいては土蜘蛛の檻を発動。
戦場に蜘蛛の巣を張り、ムカデ王の膂力を奪いつつ足場を確保します。
獅子王さんにもこれに乗ってムカデ王に攻撃を仕掛けて頂ければと。
蹂躙突撃で蜘蛛の巣を破られる可能性もあるので、随時張り直しを。
安定を確保しましたら私も攻撃に参加。ブレンネン・ナーゲルに奪った力と【怪力】を上乗せし殴り倒します!
白燐蟲がニーニアルーフ・メーベルナッハ(黒き楽園の月・f35280)の差し伸べる手から解き放たれ、武家屋敷の隅々にまで浸透しながら仕掛けを探る。
その間、妖狐七星将『貪狼』の尾である獅子王は素直にニーニアルーフの傍に座って尾を左右に振っていた。見た目は普通の武家屋敷なのだが、だからこそ余計に|見えない《・・・・》ところは全て怪しく思えてくる。
「お願いしますね……」
ニーニアルーフの願いを叶えるため、蟲たちは隈なく屋敷を探し回った。手の届きにくい天井や屋根裏あるいは床下までも。
やがて、どんでん返しになった壁の向こうに隠された最上階へ至るための階段が発見される。
「いきましょう、獅子王さん」
「ルル……」
この先にいるものの気配を察し、獅子王は威嚇するように唸った。階段を登りきって天守閣のように開けた場所に出た途端、待ち構えていたムカデ王が無数の脚を蠢かせながら襲いかかって来たのである。
「まずは、足場を……!」
戦場を覆う蜘蛛糸が巣を編み上げ、粘着力のある糸で触れたムカデ王の脚から腕力を奪い取る。触れてはならないと気づいたムカデ王は慌てて脚を引こうとするも、飛びかかる獅子王の爪が切り裂く方が早かった。
自在な足場を得た獅子王の動きは軽快だ。
なにしろ、元々が機動力に優れる妖獣の“尾”である。土蜘蛛の檻が役に立って良かったとニーニアルーフは胸を撫で下ろした。
床が抜け、遥か下まで吹き抜ける事態となろうがこの蜘蛛糸が守ってくれる。純白の糸で撚り上げた蜘蛛の巣を従えるニーニアルーフの姿はまさしく土蜘蛛の眷属そのものであった。
自らの尾である百足王を貸し出してくれた妖狐七星将『廉貞』。例えオブリビオンであったとしても同じムカデ王と戦うことの不思議さはニーニアルーフに僅かな情けを感じさせないでもなかったが。
「いきます!」
その腕を覆う赤手を振り下ろす動きに迷いはない。ムカデ王は奪われた自らの腕力とニーニアルーフが持ち合わせる見た目とは裏腹な怪力によって装甲を砕かれ、体液を撒き散らしながら壁に叩きつけられた。
大成功
🔵🔵🔵
暗都・魎夜
【心情】
七星将の助力、本当に助かるぜ
まあ、ひとまずの平和にあると思ってたら、自分たちに陰謀の嫌疑がかかる状況になったわけだし
そりゃ必死になるんだろうが
とは言え、この状況だったら間違いなく頼れる仲間だ
【戦闘】
「索敵」「偵察」で落とし穴を捜索
通るのが難しければ、UCで足場を作って進む
ムカデ王はシンプルに力押しが手ごわい奴だ
獅子王にはしばらく、機動力を生かしてかく乱してもらう
その間に、UCの足場を「ジャンプ」して七星将を模した霊的存在を破壊
弱体化したところで、獅子王と一緒に「残像」「見切り」で高速状態からプロミネンスパンチを叩き込む
「この調子でこれからも頼むぜ!(獅子王にサムズアップ)」
「さぁて、ここが噂の武家屋敷か。お前たちの助力、本当に助かるぜ」
暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は妖狐七星将『貪狼』に右手を差し出した。ちょうど獅子王と共に上から落ちてきた矢先のことである。
「……まあね。ちょっと格好悪いところ見せちゃったけど」
手を借りて立ち上がる貪狼は照れ隠しのように腕を組み、顔を逸らした。
「で、私の“尾”を貸すんだから勝算はあるんでしょうね?」
「できる限りはやってみるさ」
「言っておくけど、今回の戦争は……」
「わかってる。今は信じるさ、間違いなく頼れる仲間なのは承知してるぜ」
獅子王と魎夜は連れ立って屋敷へ突入した。何となく似た雰囲気のある両者は会ったばかりだというのに調子よく探索を進める。
「ここが怪しいな」
偵察の要領でしらみつぶしに調査していた魎夜は強引に剥がした戸の裏に隠し階段を発見した。
「いくぜッ……」
アッパーの要領で突き上げる炎拳の足場を駆け上る獅子王。階段をショートカットし、軽やかにムカデ王の住む最上階の間に飛び込んだ。
「あれが妖狐七星将『廉貞』を模した霊的存在か」
魎夜はちらっと獅子王を見る。
一瞬のアイコンタクト。
――直後、獅子王はわざとムカデ王の気を引くよう派手に動いた。ムカデ王の攻撃は苛烈だが、機動力において勝る獅子王はうまくあしらい、逆にかく乱してゆく。その間に魎夜は炎の足場を作ってムカデ王を飛び越えて一直線に廉貞を狙った。
「もらった!」
本物には到底及ばない、霧を掴むような手ごたえと同時にその姿がかき消える。獅子王と共に駆ける足場は未だ熱く輝いていた。これならば落とし穴などあってもなくても関係ない。
「いくぜ、獅子王!」
「ルルッ」
残像で敵の目をまやかし、タイミングを見切って拳を叩き込む。当時に獅子王の爪が胴体を裂き、ムカデ王は消えていった。
「この調子でこれからも頼むぜ!」
魎夜が親指を立てると、獅子王は尾を振ってそれに応えたという。
大成功
🔵🔵🔵