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銀河帝国攻略戦㉓~怪奇! 暗黒大戦艦

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #一人称リレー形式 #フォー・シンボルズ号

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●スペースシップワールドにて
 解放軍の高速戦艦『フォー・シンボルス号』。
 そのブリッジのメインスクリーンに戦艦が映し出された。
「相手に不足はない……と、言いたいところだが、我が艦だけでは勝ち目は薄いな」
 スクリーンを見据えて、艦長が呟いた。弱気な発言であるにもかかわらず、口許が不敵な笑みに歪んでいる。
「確かに我が艦だけでは勝てないでしょうな」
 と、副長が言った。『だけ』の部分に力を込めて。
「しかし、こちらには――」
「――最高の戦士たちがいる!」
 艦長が副長の後を引き取ると、すべてのブリッジ要員が一斉に叫んだ。
「YEAHHHHHHHHH!」
『最高の戦士たち』であるところの猟兵に期待を込めて。

●グリモアベースにて
「さーて、激しい宇宙戦に備えて、ブルーミルクで栄養をつけとこうかな」
 伊達姿のケットシーが猟兵たちの前で、青い液体に満たされたジョッキをぐいと呷った。
 グリモア猟兵のJJことジャスパー・ジャンブルジョルトだ。
 JJはジョッキを一気に空にすると、白い口吻についた青い雫を拭いもせずに本題に入った。
「今も言ったように今回の任務は宇宙戦だ。クソッタレな帝国軍の『白城』艦隊のうちの一隻――『ブック・オブ・タリエシン号』を墜としてくれ。ドカーンと派手によ! あ、そうそう。宇宙服が必要な奴は言ってくれよな。ちゃんと貸し出すから」
『白城』艦隊に挑むのは猟兵たちばかりではない。解放軍の艦隊が艦砲射撃によって掩護をしてくれる。ただし、あくまでも掩護だけだ。『白城』艦隊は損傷を徐々に回復する能力が備わっているため(銀河皇帝の力によるものらしい)、解放軍の与えるダメージだけでは損傷回復の速度に追いつけないのである。
「つーことで、解放軍の戦艦はサポートのみだ。ちなみにおまえさんたちの援護をしてくれるのは『フォー・シンボルス号』って名前の艦で、艦長以下クルーの面々はけっこう優秀な奴ららしい。誤射とかはありえないから、同士討ちなんて恐れずに自由に飛び回ってくれ」
 そして、JJは空のジョッキを掲げた。
「そんじゃあ、行こうか! 帝国のボロ船なんざ、宇宙の海の藻屑にしてやろうぜ!」


土師三良
 土師三郎(はじ・さぶろう)です。

 本件は、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 解放軍の戦艦から艦砲射撃の援護を受けながら、敵の戦艦を攻撃しまくって沈めるという内容のシナリオです。援護射撃がある以外は通常の戦闘シナリオと同じですが、せっかくの大宇宙が舞台ですし、敵もでっかいので、いろいろとダイナミックにやっちゃってもよろしいかと。
 なお、「これ、宇宙空間で使うのは無理があるんじゃね?」というようなユーベルコードでも問題なく使用できるものとします。細かいことは気にしなーい。

 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。

 ※章の冒頭にあるPOW/SPD/WIZのプレイングはあくまでも一例です。それ以外の行動が禁止というわけではありません、念のため。

 ※基本的に一度のプレイングにつき一種のユーベルコードしか描写しません。あくまでも『基本的に』であり、例外はありますが。
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第1章 ボス戦 『帝国宇宙戦艦』

POW   :    フルバースト・コズミック
【全砲一斉射撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    デストロイレーザー
【10秒間のエネルギーチャージ】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【主砲からのレーザー砲撃】で攻撃する。
WIZ   :    インペリアル・マカブル
【自身の稼働可能時間】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【帝国式鏖殺形態】に変化させ、殺傷力を増す。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ショコラ・リング
勇敢なる皆様の期待に応えるのもボク達のお役目でございます
そして相手が戦艦といえど、射手として射撃戦で負けるわけにはまいりませんね!
対物に対する技も心得ているのですよ
迷彩を利用しながらフォー・シンボルス号さん達からの砲撃に併せ【神の杖】を使用する事で相手の索敵及び攻撃を躱しつつ攻撃するのです
第六感で敵艦の弱点を探しつつ、兵器やブースターの類を破壊する事での誘爆や、艦橋を破壊することで機能停止を狙ってみますね
前者の比較的装甲が薄い箇所は矢を束ねた範囲攻撃を、後者の装甲が硬そうな所は一撃の威力重視の鎧無視攻撃を行うのです
相手の修復能力を上回る為に、可能であれば2回攻撃による連続射撃もしますよ


ナナ・モーリオン
戦争……たくさんの命が、消えていく……。
キミにも、聞こえてるよね?
志半ばで、散って行った人たちの、無念の声が。

……往こう、大狼。
彼らが、安心して眠れるように。
彼らの想いを乗せて、このソラを、一緒に。

大狼に『騎乗』して肉薄する。
デブリを蹴り、宇宙を駆け、援護射撃を背に受けながら。
迎撃は、『野生の勘』で捌く。多少掠めたくらいなら、纏った遺志で『オーラ防御』
十二分に近づいたら、渾身の勢いと『怪力』で、黒炎槍を『槍投げ』。

装甲程度で止められはしない。
この黒い炎には、この戦いで散ったみんなの無念……『呪詛』に変えて、全部乗せる。
もう一度……骸の海に還るといいよ。


モリオン・ヴァレー
大型の相手との戦いは苦手なのよね
一応手はあるけれど……

行くわよ
マルカジット
【グラビティ・チェーンソー】発動
<騎乗>起動キーは……コレの筈よね

<ダッシュ>一気に加速して距離を詰めるわ
<情報収集><暗視>眼帯を取り霊力による視界を確保

<殺気>出鱈目な軌道でしかも減速しないで近付く様に
向こうも焦ってるのかしら?
……一旦こうなったら減速したくてもあたしにも出来ないのよ
<見切り>砲撃は当たったらまずそうだしそこは避けるわ……気合で

肉薄できる距離まで接近
<ロープワーク><鎧砕き><2回攻撃><オーラ防御>
左人差指から伸ばした重力を纏う糸を鞭の様に撓らせ
擦違い様に斬り付けるわ

はぁ……毎回この技は心臓に悪いわ


ファラン・ウルフブラッド
死は避けられない。アンタも死ぬし、俺だって死ぬ。皆いつか死ぬ。……『だが今日じゃない』

【行動:POW】

炎を纏った宇宙バイク『スキッドブラドニール』に【騎乗】し、宇宙空間を駆け抜けます。気分はゴーストライダー!
・敵の攻撃には【第六感・見切り・残像・フェイント】を使用します。
・攻撃を掻い潜ったら、王剣を戦艦に深々と突き刺しUCを起動。【鎧無視攻撃・怪力・衝撃波・範囲攻撃・属性攻撃・マヒ攻撃】を全部乗せした極太雷を戦艦内部へダイレクトに叩き込みます。

アドリブ・絡み・連携歓迎します。



●ショコラ・リング(キマイラのアーチャー・f00670)
『YEAHHHHHHHHH!』
 極薄型の宇宙服に備えられた通信機が咆哮を伝えてきました。
 解放軍の高速戦艦フォー・シンボルズ号の乗組員たちの叫びです。
 それを聞きながら、眼下の銀河帝国のブック・オブ・タリエシン号めがけて降下していくボクたち。
 ……ん? 宇宙に上下の概念などありませんから、『眼下』や『降下』という表現は正しくないのかな? でも、やっぱり、降下しているということにしておきましょう。ブック・オブ・タリエシン号の視点で見れば、ボクらは上の方向から迫っているわけですから(艦橋のある位置が上だとすればの話ですが)。
 銀河帝国との一連の戦いにおいて、ボクは様々な場所で様々な敵に挑んできました(ドクター・オロチや黒騎士アンヘルや白騎士ディアブロとも戦いました)が、宇宙空間で戦艦を相手にするのは初めての体験。
 なので、圧倒されてます。
 見渡す限りの星の海に。
 広大無辺の世界に。
『死は避けられない』
 通信機から聞こえてきたのはファランさんの声。大きな宇宙バイクに乗って、ボクの斜め前方を走って(飛んで?)います。
『アンタも死ぬし、俺も死ぬ。皆、いつか死ぬ。だが、それは今日じゃない』
 誰に語りかけているのかよく判りませんが……とにかく、戦意が燃え上がっているのは間違いありませんね。
 おや? ブック・オブ・タリエシン号の艦橋にある対空(対宙?)銃座が動き始めました。ボクたちを迎撃するつもりなのでしょう。
 しかし、それが火を噴く前に――
『露払いだ! 華麗ながらも勇猛なる紳士たちと淑女たちのためにぃーっ!』
 ――フォー・シンボルズ号の艦長の声が通信機越しに響き、いくつもの光がブック・オブ・タリエシン号の船体のそこかしこで明滅しました。
 それは着弾と爆発が生み出した光。そう、フォー・シンボルズ号が後方から援護射撃をしてくれたのです。
『紳士』とか言われると、ちょっと照れますね。ボク、まだ六歳なんですよ。

●ファラン・ウルフブラッド(深淵を歩く剣王・f03735)
 俺が宇宙戦艦と戦うのこれで二度目。
 一度目の敵に負けず劣らず、今回の敵も大きい。
 だが、あくまでも物理的な大きさの話だ。魂に大小があるとすれば、オブリビオンの幽霊船もどきのそれなど塵も同然。
 もうすぐ、無駄に大きいだけの船体も塵に変わるがな。
 俺たちの手で。
 とはいえ、敵もおとなしく塵と果てるつもりはないらしい。フォー・シンボルズ号の砲撃を受けながらも、光線だの実弾だのを次々と撃ち出してきた。
 俺は宇宙バイク『スキッドブラドニール』を蛇行させ、それらを素早くかい潜り……といきたかったが、何発か食らってしまった。
 しかし、この程度で墜ちるものかよ。『スキッドブラドニール』の破片と自分の血の滴を周囲に撒き散らしながら(この極薄型の宇宙服は血を排出する機能があるようだ。そうでないと、流血した際に宇宙服の内部が血で満たされて窒息してしまうからな)、俺はブック・オブ・タリエシンへと肉迫した。
 当然のことながら、敵に接近しているのは俺だけじゃない。
 視界の隅に、黒い炎で纏った大きな狼が見える。その背に乗っているのはミレナリィドールのナナ。外見の年齢は、あのキマイラの男児――ショコラと同じくらいか?
『戦争……たくさんの命が、消えていく……キミにも聞こえてるよね? 志半ばで散った人たちの無念の声が……』
 狼に語りかけるナナ。
『行こう。彼らが安心して眠れるように。彼らの想いを乗せて、このソラを一緒に!』
 先程の砲撃で砕け散ったブック・オブ・タリエシンの破片を蹴り、その先で別の破片を蹴り、ベストな位置に破片が浮かんでいない時には四本の足で宙をかきながら、狼はブック・オブ・タリエシンに近付き、艦底に回り込んだ。その間、何度か攻撃を受け、前面で爆発が起きた。もっとも、前面だけで留まり、ナナも狼も無傷だったが。オーラのような障壁で防御しているらしい。
 その一人と一体とは別の軌道で(しかし、互いに視認できる位置で)俺も艦底に接近していた。ちなみに『スキッドブラドニール』はまだ破片を撒き散らしているが、俺の血は止まっている。例の宇宙服が自動的に傷口を圧迫してくれているからな。
「受けろ! これが、我が剣の力だ!」
 俺は『スキッドブラドニール』から身を乗り上げ、王剣『カラドボルグ』を艦底の一角に突き刺した。

●ナナ・モーリオン(眠れる森の代理人形・f05812)
『受けろ! これが、我が剣の力だ!』
 ファランが宇宙バイクに膝立ちになって、二メートルほどもある大きな剣をブック・オブ・タリエシンに突き刺した。
 しかも、突き刺しただけでは終わらなかったみたい。刃が電光を放つのが見えたよ。
 次はボクの番。
 槍の形に練り上げた黒い炎を思い切り投げる。
 それは一直線に飛び、ファランの剣が突き刺さった場所(ファランはもう剣を抜いて離れていた)の傍に命中し、柄の中程までめり込んだ。
 そう、どんなに装甲が厚かろうと、止められやしない。あの黒い炎には、銀河帝国との戦いで散った人たちの無念を乗せたんだから。
「もう一度、骸の海に還るといいよ」
 と、ボクが呟いてる間に大狼がくるりと体を翻し、ブック・オブ・タリエシン号から離れ始めた。
 後ろから風が追ってきた。ボクの槍とファランの剣が命中した場所が爆発したんだ。
 大狼に乗ったままの状態で体を捻り、爆風で吹き飛ばされてきた炎の槍をキャッチ。
 そして、前方に向き直ると、こちらに向かってくる宇宙バイクが見えた。ファランのバイクじゃない。かなり危なっかしい操縦。
『一旦こうなったら、減速したくてもできないのよ』
 暴走バイクの乗り手――クリスタリアンのモリオンの声が通信機から聞こえてきた。でも、姿はすぐに見えなくなった。猛スピードで走り過ぎたから。
 ボクはまた体を翻して後ろを見ようとしたけど、その前に大狼が方向転換してくれた。
 ブック・オブ・タリエシン号の大きな艦底が再び視界に入った。それにモリオンのバイクも。
『霊力調整。戦闘モード起動』
 バイクの上で左腕を伸ばすモリオン。指先からなにか出てる。あれは……糸?
『行くわよ、マルカジット!』
 モリオンが更にバイクのスピードを上げた。たぶん、『マルカジット』というのはバイクの名前だね。そのマルカジットはかなりのじゃじゃ馬みたい。それとも、モリオンの操縦技術に問題があるのかな? どちらが原因なのか判らないけど、マルカジットの軌道はジグザグというかデタラメなものになってる。今まで以上に危なっかしい。
 それでもモリオンはブック・オブ・タリエシン号にぶつかることなく、艦底の曲線に沿ってカーブし、艦の側面を駆け上り、またデタラメの軌跡を描いて離脱した。
 数秒後、艦底の一部が断ち切れ、その隙間から光が漏れ出ててきた。
 そして、爆発。
 モリオンはあの糸みたいなもので擦れ違いざまに攻撃してたんだね。
『はぁ……』
 通信機の向こうからモリオンの溜息が聞こえてきた。
『この技は心臓に悪いわ』

●モリオン・ヴァレー(死に縛られし毒針・f05537)
 砲撃しながら、こちらに近付いてくるフォー・シンボルズ号。
 それに応戦しつつ、あたしたちにも攻撃を加えるブック・オブ・タリエシン号。
 そして、ブック・オブ・タリエシン号を攻め続けるあたしたち。
 ビームが閃き、ミサイルが飛び、様々なユーベルコードが発動し、あちらこちらで爆発音が響く(宇宙服が知覚を補正してくれているので、宇宙空間では見えないはずのビームが見えるし、聞こえないはずの爆発音も聞こえるのよ)。
 これだけ激闘を経てなお、ブック・オブ・タリエシン号は健在。普通なら、とっくの昔に沈んでいるはず。でも、『普通』じゃない。銀河皇帝のなんらかの力によって、損傷が自動的に修復されていくから。
『だけど、今のところ、私たちがダメージを与えるスピードは――』
 マルカジットをなんとか操りながら、幾度目かの霊糸の斬撃を敵に浴びせる。
『――修復のスピードを少しだけ上回ってるね』
 私の後を引き取り、ナナが炎の槍を投擲。
 続いて、ショコラも武器を構えた。刃を備えた長弓。石で作られているように見えるけど……気のせいかしら?
『相手が戦艦といえど、射手として射撃戦で負けるわけにはまいりませんね!』
 弓を引き絞り、可愛いくも勇ましくも大音声を発するショコラ。
 その声が合図であったかのようにブック・オブ・タリエシン号の左舷上部で続け様に爆発が起きた。フォー・シンボルズ号からの砲撃が命中したのね。
 そして、艦尾のブースターの付近でも一際激しい爆発が起きた。今度のそれは砲撃ではなく、ただ一本の矢がもたらしたもの。
 そう、ショコラの弓から放たれた漆黒の矢が。
『誘爆しそうな場所を狙ってみました』
 その狙い通りの結果が出たみたい。ショコラの矢(きっと、ユーベルコードだったのでしょう)が生んだ爆発は次々と別の爆発を呼び、フォー・シンボルズ号の砲撃による爆発群と混じり合い、更に激しいものになっていく。
 やがて、それらは収まり、ブースターがまた露わになった。
 いえ、もうブースターとは呼べないかもしれない。
 原型を留めていないから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

セツナ・クラルス
頼もしいクルーたちの期待に応えねば
彼らは丸腰でも前線に乗り込んできそうな勢いだ
ふふ、心強いね

出方を伺ってから反撃する方が得意なのだが
今回は長期戦であればある程
此方が不利になりそうだ
的が大きいから、
でたらめに攻撃したとしても当たりそうではあるが、
無駄撃ちは避けたい
掩護射撃の弾幕に紛れながら接敵
白城の損壊箇所を確認できる位置まで近づいたら修復する隙を与えず灯火を撃ち込もう
遠慮はいらない
存分に味わうといい

攻撃をしたら一旦後方に下がる
退避中に敵の攻撃を受けそうな場合
数個残しておいた灯火をぶつけ軌道を反らし直撃を回避

自身に深刻な損傷を受けない限り
上記を繰り返す
ふふ、大掛かりなヒットアンドウェイだねぇ


三千院・操
あは! とりあえず戦艦ぶっ壊しちゃえばいいんでしょ?
JJもあぁ言ってたことだし、今回はすっげー派手にやっちゃおー!
それに、ここをどうにかしないと銀河皇帝と戦いずらくなるし!
開け――ラジエルの書架!

……今回はよく鋼の船と戦うことになりますね。
ここは宇宙、であれば加減の必要はありません。
『聖霊大樹』を使って炎の流星群をぶつけます。ソドムとゴモラ、ガブリエルの審判を再現してみましょうか。
無論、高速詠唱で呪詛を重ねがけして威力をあげることも忘れずに。

――さぁ、避けられるものならば避けてごらんなさい。
どこまで耐えるか見ものですね?

※アドリブ、絡み歓迎


ニア・スクニロトマ
【宇宙怪獣スペースゾゴンのひみつ】
宇宙を遊星のように飛び、無限の光を放つスペースゾゴンのちからの「みなもと」は、スペースシップのエネルギー炉だ。
だから、大きな船が近づくと、かれはそのエネルギーをもとめて襲いかかる。
怪獣が放つ白い光は美しいけど、それが大きく見えたときは、きみの船の終わりのときかもしれない。

……というわけで、鎧装騎兵としての技術をすべてつぎ込んだ宇宙怪獣スペースゾゴンになって出撃!
ユーベルコードでもう一匹出現させて、自分と他の猟兵たちの盾にしながら【口からビーーーーム!】で爆撃だ!
いざとなれば、生み出したジャイアントスペースゾゴンの体当たりで沈没させてやる!



●セツナ・クラルス(つみとるもの・f07060)
 艦尾が半壊したブック・オブ・タリエシン号の姿は惨めなものだった。尻尾を切られたトカゲのようだ。
 しかし、厄介なのはトカゲの尻尾と同様に再生するということ。ほら、言ってる間に艦尾が元の状態に戻っていく。
『あはっ! おもしろーい! 逆回転の映像みたい!』
 通信機の向こうで操が楽しげに笑った。
 確かにおもしろい光景だね。
 いや、敵艦の損壊部が修復されていく様のことじゃないよ。
 そこに向かって飛んでいくドワーフのニアの姿が雄々しくもおもしろいんだ。
 なにせ、彼女が身につけているのは、怪獣の着ぐるみのような宇宙服だから。
『宇宙怪獣スペースゾゴン!』
 と、その怪獣の名前らしきものをニアが叫んだ。べつに誰も訊いていないのだけれど。
『遊星のように宇宙を飛び、無限の光を放つスペースゾゴン――その力の源はスペースシップのエネルギー炉だ。だから、大きな船が近づくと、ゾゴンはそのエネルギーをもとめて襲いかかる』
 と、その怪獣の設定らしきものもニアは教えてくれた。べつに誰も訊いていないのだけれど。
『怪獣が放つ白い光は美しいけど、それが大きく見えた時は――』
 ナレーターめいた語調で解説を続けるニアの傍に別の巨大怪獣が出現した。
『――きみの船の終わりのときかもしれない』
 巨大怪獣といっても、体長は二メートルほど。にもかかわらず、なんとなく巨大な印象を受ける。同時にチープな印象も。昔のトクサツ映画(って言うんだっけ?)に出てくる怪獣というのはこんな感じなのかな? よく知らないけど。
 ニアは……いや、スペースゾゴンは大きく息を吸い込むような動作をした後、やや前のめりになって口(本人ではなく、着ぐるみの口だけど)を開いた。
 もう一頭の巨大ならざる巨大怪獣がその動きを忠実にトレース。
 そして、大小二つの口から太いビームが吐き出されて、修復途中の艦尾を抉り抜いた。
『怪獣の淑女に続け! 撃って、撃って、撃ちまくれー!』
『YEAHHH!』
 フォー・シンボルズ号の面々の大音声。
 その残響が消えぬ間にまた援護の砲撃が来た。
 ブック・オブ・タリエシンの船体のあちこちで次々と爆発が起きる。
『YEAHHHHH!』
 先程よりも大きな歓声を通信機が伝えてきた。
 ふふふ……実に頼もしい人たちだ。
 私も彼らの期待に応えないとね。

●三千院・操(ネクロフォーミュラ・f12510)
 フォー・シンボルズ号が撃ちまくり、ブック・オブ・タリエシン号が撃ち返す。あちらでドカーン。こちらでドカーン。爆発、爆発、また爆発。いやー、戦艦同士の喧嘩ってのは迫力があるなぁ。
 どちらの艦もけっこうなダメージを受けてるけど、ギンガコーテーの力によるチートな自動修復がある分、ブック・オブ・タリエシン号のほうが優勢。でも、フォー・シンボルズ号はボロボロになりながらも、ミサイルだのビームだのを威勢よく景気よく元気よく撃ち続けてる。信じてるんだろうねぇ。ブック・オブ・タリエシン号の優勢分を猟兵たちがひっくり返してくれることを。
 じゃあ、ひっくり返してあげようかな……おっと! おれより先に動いた猟兵がいるぞ。あれはセツナか? ふーん。フォー・シンボルズ号の砲撃に紛れて接近したんだね。
『遠慮はいらない。存分に味わうといい』
 二十を超える狐火を矢継ぎ早に撃ち込んでいくセツナ。宇宙版セントエルモの火……なんて、ロマンチックなものでもないか。修復途中の脆そうな部位をしっかり狙ってるし。やることがエグいねぇ。そういうの大好き!
 そのエグい攻撃を終えたら、すぐに離脱。敵のミサイル群が追ってきたけど、残していた狐火をぶつけて相殺した。
 でも、全部のミサイルは防げないんじゃないか?
 と、思ったけど――
『狙う相手を間違ってるよ! ミサイルで撃つべきは人間じゃなくて怪獣だろうが!』
 ――ニアが巨大怪獣(二メートルだけどね)を盾にしてくれた。
 その間にセツナは安全圏に退避。だけど、終わりじゃない。さっきと同じようにフォー・シンボルズ号の砲撃に合わせ、敵にまた接近していく。
『ふふふ。大がかりなヒットアンドアウェイだねぇ』
 余裕に満ちたセツナの声が通信機から聞こえてきた。
 おれも負けちゃいられない……と、言いたいところだが、戦うのはおれじゃない。
『あいつ』のほうだ。
 俺は懐中に手をやり(この極薄型の宇宙服は状況に応じて物質を透過できるみたい)、銀の鍵を取り出した。その名も『ラグエルの銀鍵』。
「開け、ラジエルの書架!」

●ニア・スクニロトマ(着ぐるみ怪獣スクニロドン・f06973)
『今回はよく鋼の船と戦うことになりますね』
 ん? 操がなにやら言ってるけど……なんだか、様子がおかしいよ。口調が変わってるじゃないか。もしかして、声も変わってる?
「どうかしたのかい、操?」
『私は操ではありません。ラジエルです』
「はぁ?」
 あたいが着ぐるみの中でまゆをひそめていると、セツナが通信機越しに教えてくれた。
『たぶん、魂の同居人にスイッチしたんじゃないかな』
 あー、はいはい。そういえば、操もセツナも多重人格者だった。変わった連中だねぇ。まあ、あたいも怪獣映画の世界にどっぷりとはまってる時は口調が変わっちまうけど、それはそれとして。
『ここは宇宙……であれば、加減の必要はありません。ソドムとゴモラ、ガブリエルの審判を再現してみましょうか』
 ガブリエルの審判? ラジエルとかいう奴、また大きくでたね。
 じゃあ、お手並み拝見といこうか。
『零を一に、一を零に』
 と、ユーベルコードの詠唱らしきものが聞こえた(高速詠唱を用いたらしく、すごく早口だった)かと思ったら、ラジエルの頭の上にでっかい火の玉が出てきた。
『さあ、避けられるものならば、避けてごらんなさい』
 火の玉がいくつにも分裂し、燃える尾を引いて、次々と飛んでいく。炎の流星群だ。派手だねえ。これをバックに据えれば、この宇宙怪獣スペースゾンゴの姿が映えること間違いなし。ああ、撮影用のカメラを持ってこなかったことが悔やまれる。
 ラジエルは『避けられるものならば云々』と言ってたが、ブック・オブ・タリエシン号は避けることなどできなかった。流星を浴びて、ズタボロになっていく。この光景もいいね。いつか撮る怪獣映画の一シーンに使いたいよ。いやいや、見とれてる場合じゃない。あたいも攻撃しよう。巨大怪獣(二メートルでも巨大なんだよ。文句あるかい?)と一緒に口からビィィィーム!
『どこまで耐えられるか見ものですね』
『もう耐えられない段階まで来てるんじゃないかな。ほら、船体のあちこちがひしゃげてるよ』
「いや、違うよ」
 あたいはビームを吐くのをやめて、操とセツナの会話に加わった。
「あたいたちの攻撃でひしゃげてるんじゃない。敵さんは自分の意思で変形してるんだ」
 そう、ブック・オブ・タリエシン号は変形していた。
『帝国式鏖殺形態』とかいうモードに。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

トルメンタ・アンゲルス
なるほど、大型戦艦ですか。
いいじゃないですか、墜とし甲斐がありますねぇ!
ここで、沈めてやりますよ。

デストロイレーザーの視認範囲より遠い位置から狙いましょうか。

やる事は一つ。
ただ只管に速さを突き詰め、ただ一撃に全てを込めて、あの戦艦に風穴を空ける――!

体内のコアマシンを最大出力に。
パワーリソースをブースターと右足に収束……!

限界まで、出力を溜め、一気に解放!
音を超え、光となり、戦艦へとダッシュし突撃します!

10秒でチャージが完了するなら、その前に着弾するまで!
迎撃の対空砲火は第六感や見切りで察知し、物理法則を無視した軌道で残像を残しつつ、肉薄!

捨て身の一撃!
追撃のブリッツランツェで、蹴り穿つ!!


城島・冬青
【地形の利用】で漂うデブリの物陰に隠れながら戦艦に接近

解放軍からの援護射撃は心強いね
この想いに応えなきゃ!
攻撃が届く距離まで接近できたら
解放軍からの攻撃が被弾して破損してる箇所を探して(無ければ射出口がありそうな部分)
そこを【衝撃波】で攻撃するよ!
さぁどんどん風穴開けちゃおうね

敵からの迎撃は【第六感】で事前に察知し
武器で受け止められそうなものならば【武器受け】
でも受けるだけで体力を大きく減らしちゃって
後の行動に支障が出るようなら【ダッシュ】で全力で避けます!
危ない危ない
まだ倒れるわけにはいかないんだからね!
アドリブ歓迎

一人称:私
二人称:あなた
仲間は苗字+さん
年上には敬語
アドリブ歓迎でーす


クーナ・セラフィン
へえ、こういう人達は嫌いじゃないな。
善良な人達…と言い切っていいかはともかくとして(きっとそうなんだろうけど)、応援したいくらい。
期待には応えないとね。この羽飾りにかけて、さ。

支援砲撃に感謝しつつ、恩を返すために切り込む。
形態が変化しても怖気づかず、冷静に射線を読んで回避。
遠距離からUCで花弁と吹雪を散らし戦艦のカメラと思われる部分、目を狙う。
殺傷力が高まってもそれを振るう場所が見えなければ、少しはね。
敵戦艦の損傷が重なってきたら更に突っ込み装甲に突撃槍を突き刺す。
そして串刺しにした上でUC、零距離からの最大の一撃を喰らわせてやる。
無事破壊出来たら友軍に礼を。信じたヒーローらしく振る舞おうか。



●城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)
 帝国式鏖殺形態とやらになったブック・オブ・タリエシン号。見た目が厳つくなって、威圧感もマシマシ。
 だけど――
『進め、進め、進め! 撃て、撃て、撃てぇーっ!』
 ――フォー・シンボルズ号は怯むことなく、前進と砲撃を続けてる。
 もちろん、私も怯んでないよ。
 それに他の猟兵たちも。
『ありがとう! あなたたちの期待と応援は無駄にしないよ。この羽飾りにかけて』
 フォー・シンボルズ号にお礼を言いながら、ブック・オブ・タリエシン号の周囲を飛び回るちっちゃな人影……いえ、猫影だね。あれはケットシーのセラフィンさんだから。
 彼女の武器は銀の槍。でも、それで直に攻撃しているわけじゃない。ユーベルコードを使って、槍の穂先から雪混じりの無数の花弁を放ってるんだ。宇宙に花吹雪が舞うなんて、なんだか素敵。
『変形して殺傷力が高まっても――』
 敵のミサイルやビームを躱しつつ、目についた場所に花吹雪を浴びせていくセラフィンさん。
 あ? 違う。『目についた場所』じゃなくて『目がついた場所』だ。
『――それを振るう場所が見えなければね』
 そう、セラフィンさんが攻撃していたのはカメラアイのあるポイント。敵の目を塞いでいたんだね。
 さすがにすべてのカメラを潰すことはできなかったみたいだけれど、心なしかブックウ・オブ・タリエシン号の動きが鈍ったように見える。
 その隙にフォー・シンボルズ号が速度を上げて突っ込んできた。体当たりせんばかりの勢いで。
『猫の淑女からの感謝に感謝を返そう!』
『怪獣の淑女』とか『猫の淑女』とか……フォー・シンボルズ号の人たちにとっては猟兵の女性はみーんな淑女なのかしらん?
 じゃあ、私も彼らに知らしめようかな。
 ニッポン生まれの淑女ここにあり、と!

●トルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)
 十字に交差しつつ、ほぼゼロ距離から撃ち合うフォーシンボルズ号とブック・オブ・タリエシン号。お世辞にもスマートな砲撃戦とは言えませんね。それ以前に砲撃戦と言えるかどうかも怪しいです。まるで、巨人の殴り合い。
 閃光に次ぐ閃光。衝撃に次ぐ衝撃。轟音に次ぐ轟音。周囲に飛び散る大小無数の破片。混沌としていますが……いえ、混沌としているからこそ、速度というものが活きるはずです。
 なれば、速度を突き詰めましょう。
 そして、ただ一撃にすべてを込めましょう。
 体内のコアマシンを最大出力に。
 ブースターと右足にパワーリソースを収束。
 そうやって俺が力を溜めている間にフォー・シンボルズ号はブック・オブ・タリエシン号から離れて半回頭。今度は敵の周囲を回るように動きながら、砲撃を加えていきます。とはいえ、往事の勢いはありません。もう満身創痍ですから。このままいけば、確実に沈むでしょう。
 もちろん、『このまま』いかせるつもりなどありません。フォー・シンボルズ号が沈む前に俺たちがブック・オブ・タリエシン号を墜としてみせます。
 さて、力は十二分にチャージできました。それを解放して、敵に風穴を――
『さあ! どんどん、風穴を開けちゃおうねぇーっ!』
 ――開けようとした矢先に、大きな破片の陰から誰かが飛び出しました。
 あれは冬青さんですね。サムライブレイドを振り、巨艦を衝撃波で攻め立て、装甲のあちこちに穴を開けていきます。
 いえ、正確には『穴を広げている』ですね。最初から穴のある場所を……そう、既に攻撃を受けた場所やミサイルの射出口などを的確に狙っているのですから。上手い攻撃です。
 でも、俺の分も残しておいてくださいよ。

●クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)
『耳元に微風を感じるか!? それは貴様らの頬に口づけしようとしている勝利の女神の息吹きだぁーっ!』
『YEAHHHHH!』
 フォー・シンボルズ号の乗組員はあいかわらずのハイテンション。
 でも、こういう人たちは嫌いじゃないよ。
 艦長が言うとおり、勝利の女神はあと少しで口づけしてくれる。敵にもそれが判ってるのか、こちらに対する攻撃が今まで以上に激しくなった。例えるなら、死を前にして猛り狂う手負いの獣。
 羽飾り付きの帽子の角度を直して(帽子を被ったまま着られるのが極薄型の宇宙服の良いところだね)、私は飛び回った。『手負いの獣』が吐き出すミサイルだのレーザーだのを躱しながら、愛槍『ヴァン・フルール』を突き出しては花弁の吹雪を浴びせていく。
 同じように敵を攻撃をしている冬青とすれ違った直後、前方からミサイルがまた飛来した。身を捻って紙一重で回避することができたけど、私を見失ったミサイルは後方――冬青のいる場所に向かっていく。
 そして、ミサイルの爆発が聞こえた。
 冬青の咆哮とともに。
『とりゃーっ!』
 振り返った私の目に入ったのは、ミサイルの破片群の中でサムライブレードを構えている冬青。武器でミサイルを受け止めたのか。
 冬青はその姿勢のままで次なる攻撃を警戒(ニッポンの武道の『ザンシン』というやつかな?)していたようだけど、新たなミサイルは飛んでこなかった。冬青だけでなく、私にも。おそらく、視界の外にいる他の猟兵たちも。
 ついにブック・オブ・タリエシン号が力尽きた……というわけではないだろう。きっと、デストロイレーザーとかいう武器のエネルギーをチャージしているんだ。
 JJの予知から推測されたデータによると、そのチャージに必要な時間は確か……。
『十秒間!』
 そう、十秒間……って、え? 誰?
『ならば、十秒が過ぎる前で命中させるまで!』
 トルメンタだ!
 声の主が判った瞬間には、もう彼女の攻撃がブック・オブ・タリエシン号が命中していた。いえ、彼女自身が命中していた。体を矢にして。片方の爪先を鏃にして。
 そう、飛び蹴りを放ったんだ。
 爪先が抉り抜いた場所から蜘蛛の巣のように無数の亀裂が走っていく。
 その蜘蛛の巣が完成する前にブック・オブ・タリエシン号が艦首の射出口から光の柱を発生させた。デストロイレーザーだね。でも、それはあらぬ方向に伸び、誰も傷つけることなく消えた。蹴りを受けて船体が傾いていたからだ。
『あの飛び蹴りの紳士に俺の妹をやってもいいぞぉーっ! ついでにおふくろもつけよう!』
 フォー・シンボルズ号の艦長が歓喜と感動の叫びを発してる。
 トルメンタは紳士じゃなくて淑女なんだけど……いや、勘違いを正している暇はない。
 傾いたブック・オブ・タリエシン号に私は突進し、紳士に見える淑女が作った蜘蛛の巣の一筋に『ヴァン・フルール』を突き入れた。
 他の猟兵たちも次々と猛攻を加えていく。
 そして、ついに――
『どっかぁ~~~ん!』
 ――という冬青の叫びに合わせるように、ブック・オブ・タリエシン号の船体が中心(トルメンタの蹴りが命中した場所だ)からへし折れた。
 次の瞬間、艦の後部が爆発して巨大な光の球体となった。
 その爆風によって、前部が吹き飛ばされていく。荒れる波間の小舟さながらにくるくると回りながら……と、言いたいところだけど、実はよく見えない。私自身もまた爆風に吹き飛ばされて、視界がくるくると回っているからだ。
 それから数十秒に渡って宇宙服のスラスター(極薄型だが、そのような物も備わっているのだ)を操作した結果、なんとか姿勢を正すことができた。
 その頃には爆発は収まり、光の球体は無数のデブリに変わっていた。前部のほうはまだ回転を続け、宇宙の彼方に遠ざかっていく。
 このままでは私(だけでなく、同じように爆風に吹き飛ばされた仲間たちも)も宇宙の彼方に消えることになるが――
『では、最後の仕事だ! 勝利者たる紳士淑女たち迎えに行くぞぉーっ!』
『YEAHHHHHHHHH!』
 ――フォー・シンボルズ号が回収してくれるようだ。
 では、私はここで彼らを待とう。
 星の海を眺めながら。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月24日


挿絵イラスト