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銀河帝国攻略戦⑳~未来に立ちはだかる白い巨兵

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #白騎士ディアブロ

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●スペースシップワールド とある戦艦
 もはや誰もいなくなった戦艦に現れる白い影。
「やはり来たか」
 銀河帝国「二大巨頭」のひとり、ウォーマシンの鎧装騎兵『白騎士ディアブロ』は誰に言うでもなく呟く。ディアブロ直属の艦隊はほぼ壊滅しており、また、解放軍も彼を倒すこと叶わず、別の戦場へと向かっていった。戦争の趨勢に彼が影響を与えることはないだろう。
「ここで私を見逃すほど、甘くはないだろうな」
 彼を見逃せば、新たな『オブリビオン・フォーミュラ』となってこの世界に脅威をもたらすことは確実だ。それを放っておくほど猟兵は甘くない。
「ならば、迎え撃つまでだ」

●グリモアベース
「皆様、来ましたわね」
 グリモア猟兵の中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)はいつもと雰囲気が違った。
「裕美ですと、話の聞き逃しがあるからしれませんので、今回はわたくし、シルヴァーナが説明させていただきますわ」
 優美な所作で一礼をし、説明を始めるシルヴァーナ。
「ついに『白魔』艦隊、『白城』艦隊を壊滅させ、白騎士ディアブロに手が届くようになりました。あなた方には、ディアブロの討伐のお願いしたいんですの」
 オブリビオンである限り、何度倒しても本来であれば蘇る。だが短期で何度も倒すことができれば、復活を不可能にすることが出来るという。
「ですので、この作戦がうまく行けば今後の脅威もなくなるわけなのですわ。でも、ここからが本題ですわ」
 裕美…シルヴァーナは一息つくと、真剣な表情で語り出す。
「すでにドクターオロチや黒騎士アンヘルと戦ったことのある方々なら分かっているかもしれませんが、ディアブロも未来を操り『全ての攻撃を逃れ』『絶対に命中する攻撃』を『最大の効果を発揮する』ユーベルコードを使う強敵ですの。おそらくこちらに先んじて攻撃をしてくるでしょうから、対策を怠れば為す術もなく倒されてしまいますわ。そして、最初の攻撃をしのいだ後のことも考えないと、ろくな手傷も与えることなくおしまい…なんてこともありますわ」
 シルヴァーナは宙に浮かんでいるグリモアを撫でる。
「わたくしはグリモア猟兵として皆様を戦場に転送して、危なくなったら引き戻す役割があります。そして、一度に使える力にも限りはありますわ。いたずらに戦力を送り続けて、対策もできずに戻してしまうことが繰り返されれば、倒し切る前に猟兵を送り出せなくなる可能性もあります」
 そして彼女は言葉を続ける。
「ですので、もう一度言いますわ。ディアブロの攻撃にしっかり対策を立てておくこと。そして、その後の戦闘で彼に有効打を与える戦術を考えておくこと。これが出来なければ、彼を倒すことは出来ませんわ」
 そこまで言うと、彼女は表情を崩し、微笑みかける。
「ですが、貴方達ならきっとやり遂げてくれると思いますわ。オブリビオンから、この世界の未来を守ってくださいまし」
 そう言うと彼女は準備のできた猟兵から順に戦場へ送り出してゆくのだった。


麦門冬
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは、麦門冬(むぎとふゆ)です。
 今回は戦争シナリオ「⑳白騎士ディアブロ」を行わせていただきます。未来を勝ち取るために頑張ってください。

●先制攻撃のルール
 白騎士ディアブロは、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 それでは皆様の、世界を未来へと繋ぐプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『白騎士ディアブロ』

POW   :    収束する運命の白光
【対象の未来位置に向け放たれるレーザー】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    ホワイトライト・トゥルーライト
【10秒先を見たかの様に的確な攻撃を行い、】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    デストロイマシン零式
戦闘力のない【66機の動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【正確無比な未来予想シミュレーション】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フロッシュ・フェローチェス
来たか白騎士、やってやる。アタシの速さで未来操作をも超えてやる!

アタシの力はスピード系。十中八九、少し長めの未来予測での攻撃を見舞ってくる筈。
先手を打ってくる可能性が高い以上、此方の突撃と同時に向かって来ると見た方が良いね――軽度の防御と重度の回避で行くよ。
刻天炉・裂銃形態の斬撃モードで防御……と見せかけてフェイントで伸ばした碧穿炉で迎撃……はだまし討ちで衝角炉からの衝撃波弾を撃つ。
全部、綺麗に防がれたなら好都合。
何せ詰まる所もう既に敵のUCは作動している筈……!
本命の攻撃は最後。当たらないのは想定済みだよ。
早業で加速式超出力、激痛耐性で止まらず一歩下がり――攻撃に合わせて【選択したUC】だ!


榎戸瀬虎・真琴
未来に攻撃をする…そんなアブナイ能力、ゼッタイに見過ごせないっです!
私と相棒の頭脳プレーっていうのをみせてやるでっすよ!!

【POW】
必ず相手が先制攻撃、その上絶対に”当たる”と言うのであれば、
この際攻撃は甘んじて受ける覚悟をするっです!
可能な限り、「攻撃は受けるけれど、動けなくなっても致命傷は避ける」ことに意識するっです!
問題は…攻撃を受け私が戦闘不能になった後!!
「相棒…頼み、ましたっです…」
血を流し倒れる主人を飛び越え、無表情ながら怒りと闘志に燃えるその雄姿は自身の身の丈を越える相棒のマスコットめいた熊!!
怒りと闘志を乗せ、未来のその先へ!その巨腕を無言の威圧でたたき込むのっです!!



●未来予測を超えろ!
 猟兵達が転送された戦艦にて、佇む白い影があった。『白騎士』ディアブロである。
「やはり来たな猟兵達よ。用件は分かっている。早速始めるとしよう」
 そう言うと、フォースセイバーに刃を灯し、レーザーキャノンを構えた。
「未来に攻撃をする…そんなアブナイ能力、ゼッタイに見過ごせないっです!私と相棒の頭脳プレーっていうのをみせてやるでっすよ!!」
 まずそこに飛び込んできたのは背中にクマのぬいぐるみを背負った少女、榎戸瀬虎・真琴(超常満載エトセトラ・f10075)だった。
「…新兵の如き小娘を戦場に送るとは。情報収集の捨て駒のつもりか」
 レーザーキャノンから【収束する運命の白光】を放つディアブロ。未来の予測位置に向けて放つレーザーであり、狙いを外すことなく真琴に直撃する。手足で身体をかばい、致命傷は避けたものの、猟兵としての戦闘経験の乏しい彼女の身に、これ以上の戦闘は無理そうだった。
「相棒…頼み、ましたっです…」
 そう言い残し倒れる。
「フン、貴様は『もう戦わず』、そこで見ていろ」
 そう言い放ち、次の標的へとフォースセイバーを構えて突っ込む。
「来たか白騎士、やってやる。アタシの速さで未来操作をも超えてやる!」
 向かった先には同じくディアブロに突撃していたフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)だ。
「ならば、超えてみせろ!」
 ディアブロの瞳が白く輝く。ディアブロの斬撃をフロッシュは散弾銃『刻天炉』の裂銃形態の斬撃モードで防御。そのまま短刀『碧穿炉』の刃を伸ばして攻撃するが、胸についている2本の腕で挟み取られ、空いた腕でボディブローを受けてしまう。
「ぐ、この!」
 さらにブーツ型ガジェット『衝角炉』からの衝撃波弾を撃つが、回避しようとせずに受け止められ、ディアブロの6本腕のうち3本の腕で身体を掴まれ、零距離からレーザーキャノンの一撃を受ける。
「がはっ!」
「本命のない一撃など恐るるに足りぬ」
「知っていたのか…」
「貴様が少なくと10秒はユーベルコードを使わないこともな」
 その言葉にフロッシュは目を見開く。フロッシュの目論見としてはフェイントを織り交ぜた攻撃で敵を翻弄し、ディアブロの10秒先を見通して攻撃する【ホワイトライト・トゥルーライト】を凌ぎ、自身のユーベルコード【塵砲『ヴィシャス・バイパー』】で攻撃するつもりだったようだが、それまでの攻撃全てが身の入っていないフェイント攻撃であることを見破られていたようだ。相手が自分の攻撃を回避し切ることが前提だった作戦が崩れると共に、その身も崩れ落ちる。
「貴様に都合のいい未来合わせる必要などないのだからな。だが、さすが猟兵といったところか。ユーベルコードなしとは言え、手傷を負わせるとは」
 そうディアブロが言い、損傷状態を確認していると、突如彼の背後から何者かが襲いかかる。
「む!」
 咄嗟に右腕で攻撃を防ぐディアブロ。腕の装甲に爪痕が刻まれる。
「…」
 ディアブロの視線の先にいたのは、無表情ながら怒りと闘志に燃えるマスコットめいた熊だった。先ほど倒した真琴が背中に背負っていた熊である。
 真琴が倒されたことにより、彼女のユーベルコード【起死回生!怒りの英熊王】が発動し、こうしてディアブロに立ちはだかったのである。
「なるほど、これは面白い」
 しかし、そう言うやいなや、彼は熊の一撃を受け止め、そのまま熊の両腕を締め上げると、残った腕でフォースブレイドを振り、熊を斬り倒す。
「戦士としての力量が伴っていれば、危なかったかもしれないな」
 もし、熊の一撃がもっと重ければ、そしてディアブロが襲撃に気付けなければ、致命傷を負っていたかもしれない。
「これは猟兵という存在の未来を刈り取らねば…いや、遅かったか」
 ディアブロがそう言った時には、すでに二人はグリモア猟兵に呼び戻されていた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

神原・響
【WIZ】
転送と同時に周囲の艦隊の地形を利用し、白騎士の死角になる位置に予め武装機械兵団の展開を要請。デストロイマシン零式が展開されたら一斉にドローンを攻撃し破壊します。
武装機械兵団は、自爆前提でドローンに特攻を仕掛けています。彼らは、破壊されると同時に周囲のドローンを巻き込み自爆します。

また、自身はダッシュで白騎士に近寄り零距離射撃、鎧無視攻撃、クイックドロウ、2回攻撃で攻撃します。メカニックとしての戦闘知識を利用し白騎士の弱点を突きます。
白騎士の攻撃に対しては、鍛えられた動体視力と見切りで攻撃を捉え回避し、防具改造、激痛耐性、武器受けで耐えてカウンターを叩き込みます。


メイスン・ドットハック
【SPD】
未来と過去を読むとはいいヒントをくれたのー
黒騎士とお主には感謝と共にくれてやるけーのー!

血を越えて輝く叡智を発動
AI『極』に26秒間先の未来を予知させ、そのディアブロ攻撃・回避情景から過去の攻撃パターン・癖をAI「垓」に分析させる
その情報を元にAI「載」に現在に取るべき最適行動を解析させ、それに基づきディアブロの回避と反撃を行う

流血しているので長くは使えないユーベルコード
限界を迎える前に、最適回避の間にディアブロ自身に電脳魔術によるハッキング&ウィルス攻撃(ハッキング、暗号作成、破壊工作、鍵開け)
武器の暴発、自壊行動、行動阻害、回路の暴走などの攻撃手段を取る



●敵の機能を封じろ!
「第四封印術式解放承認。多重次元通路開通。機械兵団の転送を完了。これより行動を開始する」
 神原・響(黒の女王の契約者・f06317)は【武装機械兵団】を展開する。これを周囲に隠し、ディアブロの【デストロイマシン零式】による動画撮影ドローンを展開すると同時にこれらの機械兵士を向かわせ、撃破するつもりだった。だが、誤算があったとすれば…
「ふむ、予測通り何か策を練る所のようだったな猟兵」
 現れたディアブロがすでに動画撮影ドローンを呼び出し、引き連れていることだった。
(これでは計画が!)
 グリモア猟兵は『先んじて攻撃してくる』と言っていたが、ユーベルコードも先んじて使用してくる可能性を失念していた。
(ですが、相手は66でこちらは115。一機一殺でもお釣りが来ます)
「一斉攻撃!」
 響の号令と共に一斉にドローンへ向かって攻撃を仕掛ける機械兵士達。
「やらせはせんよ」
 レーザーキャノンで機械兵士を攻撃しようとするディアブロ。機械兵士がレーザーキャノンの一撃を受けて爆発し、その爆風でドローンが吹き飛ぶ。
「自爆機能付きか。それはまた厄介な」
 レーザーキャノンの第二射を撃とうとするが、そこへ対UDC50口径改造二丁拳銃を構えた響がディアブロに迫る。
「そのまま好きにさせるとでも思っているのですか?」
「で、あろうな」
 メカニックの知識を総動員し、ウォーマシンの弱点となりうる箇所めがけて銃弾の雨を叩き込む。ディアブロはそれらを回避、またはフォースセイバーや腕の装甲で弾く。
「なかなかの腕だ」
「お褒めいただき光栄ですよ」
 光の刃と拳銃による白兵戦が始まった。

「未来と過去を読むとはいいヒントをくれたのー。黒騎士とお主には感謝と共にくれてやるけーのー!」
 そう言いながら電脳空間を展開するのはメイスン・ドットハック(引きこもり志望ハッカー・f03092)だ。
「出血はするけー、手早く決めてしまおうかのー!」
 そう言うと彼女はユーベルコード【血を越えて輝く叡智】を発動。敵の過去の定石を分析する電脳AI『垓』、現在の最適な行動を解析する電脳AI『載』、26秒間の未来を予知する電脳AI『極』が起動する。
 未来予知で得た情報を元に、敵の定石を分析、最適な行動を解析することで、ディアブロの攻撃を回避した上で有効な反撃ができるようにと組み上げたAI達だ。流血するので長くは使えないだろう。そう思っていたのだが…。
(なんじゃーこれは)
 叡智とも呼べる電脳AIを起動し続けるには血を超えた代償が待っていた。すなわち、自身のコンピュータウィルスに侵され徐々にシステムがダウンしてゆく『毒』、そして脳への過負荷が起こす身体能力の低下という『呪縛』だ。
 それらの代償に蝕まれながらもディアブロの砲撃を回避し、ディアブロへのクラッキングを行い続け、最終的に身体が動かなくなったところをディアブロに叩かれる。そうした行動が予測できた。
(これは予想以上にキツい代償じゃのー)
 だが、これが導き出した最適行動であるならば、実行に移すしかない。代償を恐れて解除してしまえば、敵の攻撃は避けられない。考える時間が惜しい。すぐさまディアブロへの…正確にはその装備へクラッキングし、ウィルスを流し込む。
 異変を感知したのか、ディアブロはメイスンにレーザーキャンを撃ち込むが、あらかじめ予測していた動きだったため、まだ容易に回避できる。だが、次に彼の放った言葉は予測にはないものであった。
「ワクチンプログラムは使わないのか?」
「!?」
 ディアブロも【ホワイトライト・トゥルーライト】で先の展開を予測し、よりよい未来へ変動させようとしているのだろう。
(ちゅーことは、未来予測で最適となる行動が更新されとる?確かにワクチンならあるけどな…)
 自分のウィルスに対策しないハッカーなど三流も甚だしい。だが、最適行動はウィルスを除外しないこと。ならば、ディアブロの言葉の目的はこちらにワクチンプログラムを使用させることである。
(じゃが、向こうの予測がこちらと違った場合の意図としてはどーじゃ?それならば使わせないようにするのが正解じゃが)
 電脳ゴーグル『KONOMI』からはノイズが聞こえ始め、ウィルスに侵されてきているのが分かる。未来予測、行動の最適化の精度は当初ほどではなくなっているだろう。
 ディアブロは響の攻撃をいなしつつ、更にもう一発レーザーキャノンを放つ。これも難なく回避する。そして生まれる疑念。
(僕が攻撃を予測していることを予測しているなら、攻撃の仕方を変えても良かった。じゃけんども、それをしなかったのは…!)
 そして周囲を確認して気づく違和感。そして罠使いの勘。
「間に合え!」
 武器へのクラッキングと並行して咄嗟に響の機械兵士へハッキングをかける。機械兵士は一斉に今まで狙っていたのとは別のドローンを攻撃して撃ち落とす。いきなりの変化に対応できず、ドローンは撃墜させる。
「気づいてたか」
「最初の予測より、ドローンが多う残っとったわ。学んでたんやろ?機械兵士の行動パターンを」
「何!?」
 メイスンの言葉に驚きを隠せなかったのは響だった。そう、響の機械兵士に追い回される度に、ディアブロの武装の一つであるドローンは学習してパワーアップし、機械兵士の攻撃を徐々にかわせるようになっていたのだ。
 そして、メイスンにハッキングされ、先程と違った動きで攻撃されたためにドローンは反応できずに撃墜されたのだ。
「そして、さっきのレーザーは僕を攻撃だけじゃのーて、僕を観察するドローンを守るために機械兵士へ撃ってたんじゃろ?僕の動きを観察して、武器の対電子戦性能を上げるために。ワクチン云々も、使ってれば、その動きから武器を強化、そうせんでも徐々にデータを集められる。どっちでもえー選択肢に気を取らせて本当の狙いを隠すつつもりだったんじゃろが、バレバレじゃけーの」
「…心というものはやはり難しいものだ」
 ディアブロはふぅ、とどこか人間臭くため息をつく。
「だが、ここまでだ」
 ディアブロは大上段から響めがけてフォースセイバーを叩き込む。
「そのような攻撃!」
 その攻撃を響きは二丁拳銃の片方で受け、その衝撃をこらえる。そして、もう片方の拳銃でディアブロにカウンターとばかりに銃弾を浴びせようとする。
「データは揃い、その動きは読めていた」
 引き金を引かれる前に空いている腕で響の手を払い、銃口の向きをそらす。そしてレーザーキャノンを持っていた腕からキャノンを放り、自由にすると、空いたその腕で響の肩を掴んで固定し、超重量級の膝蹴りを食らわせる。
「ぐあっ!」
 壁に打ち付けられ、崩れ落ちる響。白兵戦での撃ち合い、斬り合いの負傷の重なりもあり、もう戦えないだろう。ディアブロはパチパチとショートし始めたレーザーキャノンを拾い上げるとメイスンに向き直る。
「予想よりもウィルスの進行が遅かったのが心残りじゃけんども、よー戦った方じゃろー」
 メイスンの電脳空間のシステムはいくつか落ちかけており、呪縛も体を巡ってほぼ動けない。そして、ディアブロの攻撃を受けていないのに流血でボロボロだ。
「ああ、そうだな。できればもう二度と戦いたくないものだ」
 白騎士ディアブロはそう言い放つと、メイスンにトドメの一撃を叩き込んだ。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

カイジ・レッドソウル
「目標ヲ視認攻撃開始」
必ず先制されるならば先に攻撃を【武器受け】【オーラ防御】し相手の懐に入り近距離による【天獄の雷】による攻撃と黒剣、呪剣ヲ構え【串刺し】【生命吸収】を試みる
【串刺し】したまま戦い続けたい
もし連携を取れるならば
この状態のまま自分ごと攻撃するようお願いしたい
「攻撃開始せよ。本機ガこのまま維持スル」
「たとえ本機ガ壊、レテモ、誰カノ明日ヲ守レルナラ構ワナイ」

アドリブ、連携歓迎


オーガスト・メルト
【POW】アドリブ歓迎
最初のレーザーは必中か。仕方ない、それは甘んじて受けよう。
レーザー自体のダメージは【オーラ防御】で軽減する。最低限、急所は焔迅刀で【かばう】さ。
ルール宣言は…もしも、俺の行動を封じるのならば、【真竜顕現】でデイズ、ナイツを竜化させて一撃を叩きこむ。
封じられるのは俺であって、こいつらじゃないからな。【鎧無視攻撃】の【属性攻撃】だ。
だが、それを予知してデイズたちの使用を禁じるのなら、俺自身が【ダッシュ】で飛び込み、渾身の【2回攻撃】を叩きこむ。

生憎と俺たちの未来はひとつじゃないんだ。
俺たちは三竜一体の騎士だからな。


モティアナ・クロスウィート
「むぅ、できればお餅のほうがいいが……」
肉を取り出し摂取することで自己強化を図ろうとし、収束する運命の白光を誘発
武器で受け残像と迷彩でできれば避けたいが、当たることを前提で動く
ルールを破ればダメージなのだから、破らなければ問題ない
攻撃するなや近寄るななら味方をかばい盾となり味方への白光を代わりに受ける
肉を食べるなの場合はコード使用を断念
「たとえ一人が何もできなくなるとも、わたしには味方がいる」
一人ぼっちのおぬしとは違うのだ
「これで制約など気にせず戦えるだろう。後は頼むのだ」
簡単に守れないルールならユーベルコードで強化された自分を信じあえてダメージを受けつつ攻撃する
連携、他者との絡みは歓迎


トリテレイア・ゼロナイン
白騎士ディアブロ…人々を護る紛い物の騎士として銀河皇帝に仕える騎士に勝負を挑みます!

相手は圧倒的格上、死力を尽くして臨みます

白光への対処
ディアブロから常に自分を「かばう」ように機械馬を遠隔「操縦」し、接近
機械馬が操作不能になれば「盾受け」技能を使い自分の移動先で常に大盾が敵の攻撃を遮るようにしながら接近、もしくは投擲してレーザーを遮ります
自分がどの様に移動するか意識して動き、向けられている銃口の角度から着弾点を「見切る」ことで対処できれば…!

攻撃はUCを発動し、「武器受け」「怪力」「カウンター」を活かした接近戦を挑みます
剣の刀身を持ち、柄をハンマーよろしく叩きつける「鎧砕き」で痛打を与えます


テリブル・カトラリー
白騎士ディアブロ…
今の私の性能でどこまで、かの白騎士とやりあえるか、
試すとしよう。

情報収集、戦闘知識を併用、敵のレーザーの射出タイミングを見切り、
先制のレーザー射出を素早く換装(早業・残像)した
邪神腕で受ける(武器受け)

発動を防ぐ事はできない。
回避も困難。なら避ける事は放棄。

換装と同時に封印を解放、命中するより先んじて機能の解放がかなえば
レーザーのエネルギーを吸収する事で攻撃の無力化、
失敗だろうとなかろうと、
白騎士の生命力・エネルギーを吸収し(生命力吸収)
自身のダメージを回復、敵の戦闘力を削ぎつつ、邪神の力と吸収した力で
強化した身体(怪力)と機械刀(属性攻撃)を使用し戦闘続行。

戦いを、続けよう



●『白騎士ディアブロ』を倒せ!
 猟兵達を退けたディアブロは戦艦の中をさまよい歩く。デストロイマシンは壊滅状態、白銀の装甲にはいくつもの傷があり、銀河帝国の技術の粋で作り上げられたフォースセイバーやレーザーキャノンも、敵のハッキング攻撃で著しいダメージを受けている。
「ここで倒れるわけには、いかぬのだ。全ては銀河帝国の為」
 そんな彼の前に現れた猟兵達。その姿を見てディアブロは自嘲するように笑う。
(ここに来て、戦う相手が同族とは。なんと因果なものか)
「目標ヲ視認攻撃開始」
「白騎士ディアブロ…人々を護る紛い物の騎士として銀河皇帝に仕える騎士に勝負を挑みます!」
「白騎士ディアブロ…今の私の性能でどこまで、かの白騎士とやりあえるか、試すとしよう。」
 まず目に入ったのが三人のウォーマシン。カイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)とトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)、そしてテリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)だ。
「ああ、それでは始めようか。『ユーベルコードの使用を禁ずる』!」
 ディアブロはレーザーキャノンを即座に構え、【収束する運命の白光】を放つ。
「むぅ、できればお餅のほうがいいが……」
「最初のレーザーは必中だ。仕方ない、それは甘んじて受けるぞ」
 相手のレーザーを誘発する意味合いを込め、【フードファイト・ワイルドモード】で肉を食べ始めるモティアナ・クロスウィート(ブラックタールのパラディン・f02000)にオーガスト・メルト(竜喰らいの末裔・f03147)が声を掛ける。
 相手の未来位置に放つレーザーがそのまま薙ぎ払われる。だが、事前にその情報を知っていた5人は回避よりも防御することに専念する。
 カイジ、オーガスト、モティアナ、テリブルはそれぞれの武器でレーザーを受け止め、防御する。カイジは呪剣『アオス・シュテルベン』に、オーガストは小太刀『焔迅刀』に守りのオーラの力を込め、モティアナはできるだけ光を弾くような迷彩を体表に浮かばせる。
「UDCアーム、限定解放……」
 テリブルはユーベルコード【換装・邪神腕】により、換装された邪神腕で受け、エネルギーを吸収することを試みる。相手のユーベルコードの効果を無効化することまでは出来ないが、吸収分でダメージを相殺することには成功する。
 そして、トリテレイアは自身の機械白馬『ロシナンテⅡ』を盾にしてレーザーを凌ぐ。トリテレイアを乗せることが出来るサイズの馬だ。この4人の中で一番ビームを防ぐことが出来た。
(ああ、まただ)
 だが、トリテレイアの気持ちは沈む。彼の目指す物語の騎士であれば、愛馬を盾にするような行為は唾棄すべき行いだろう。しかし彼は冷徹さを以て、この方法が最も有効であると判断し、そして実行してしまった。実際、ロシナンテⅡの犠牲により、彼はダメージを受けることがなかった。
(やはり私は騎士としての心を持てない紛い物なのだろうか)
 ふと、目の前の白騎士に、古代の帝国のウォーマシンに自分の姿を重ねてしまう。
 そして、そんな風に見ていると、白騎士に異変が起きる。

 ボガンッ!

 持っていたレーザーキャノンを投げ捨てたかと思うと、直後に突如火を吹いて爆発する。
「やはり、ここまでが限界だったか」
 燃え上がるレーザーキャノンを冷静に見据え、呟くディアブロ。
「強すぎる力に武器が耐えきれなかったのか?」
 焼けたお餅のように赤熱しつつ、そう分析するモティアナ。
「いや、分からん。だが、チャンスはチャンスだ」
 白兵戦用に武器を持ち換え、そう答えるオーガスト。彼らは知る由もなかったが、レーザーキャノンは先の戦いでハッキングによるウィルス侵食を受けており、自壊、暴発をするように仕組まれていたのだ。
 だが、レーザーキャノンは壊れても、レーザーを受けた者達の未来を封じる能力が消えてしまったわけではない。
「改めて宣言だ。『ユーベルコードの使用を禁ずる』」
 レーザーを受けた者達にルールが課せられる。守ることは可能だが、ディアブロという強敵を前に簡単に守り通すことが出来るかと言えば、難しいラインだ。
(相手の戦術を分析した後、個別に有効なルールに上書きしたかったところだが、今更どうこう言っても仕方あるまい)
 思いは心にしまい、目下迫る存在へと目を向ける。
「条件設定ヲ確認。作戦運用ニ支障ナシ」
「受けたダメージの分、奪い取れば問題ない」
 攻撃を受けた直後からディアブロに肉薄していたカイジと、それに追従するテリブルがそう宣言する。
「【天獄の雷】始動」
 ダメージを受けることを無視してカイジがユーベルコード【天獄の雷】を放つ。
「させるか!」
 高圧電流がディアブロの身を焼き、雷炎をまとわせる。カイジが消去可能な炎が燃え盛る間、炎以上のダメージがカイジを蝕むが、それでも構わず呪剣と黒剣を振るう。
「そちらの攻撃も受ける訳にはいかんな」
 フォースセイバーでそれらの攻撃を受け、いなす。
「では、こちらはどうだ」
 その隙を突き、テリブルが邪神腕でディアブロに殴りかかる。
「させるか」
 右腕で、その攻撃を弾くようにして防ぐ。接触時間を最小限にするようにして攻撃を防ぐが、邪神腕は僅かながらもディアブロの生命力を吸い取る。
「デイズとナイツの力を封じたみたいだが、そうはいかないぜ!」
 ドラゴンランス『デイズ』を手に、竜核バイク『ナイツ』を駆ってそこから更に迫りくるのはオーガストだ。彼は本来であれば【真竜顕現】でデイズとナイツを真の姿にして戦うつもりであったが、ユーベルコードを封じられたため、武装の形態のままの彼らと戦うように切り替えたのだ。
「生憎と俺たちの未来はひとつじゃないんだ。俺たちは三竜一体の騎士だからな」
「ならば、その未来すべてを叩き伏せるまで」
 オーガスト渾身の連続攻撃にディアブロは胸にある副腕で攻撃を払い、越にある副腕でカウンターの一撃を浴びせようとする。
「たとえその未来を叩き伏せようとしても、わたしという味方がいる。攻撃など気にせず戦うといい」
 後部座席からにゅるりと現れ、ディアブロの攻撃を防いだのはモティアナだ。彼女も制約を受けたことでユーベルコードの使用は中止することにした。
「一人ぼっちのおぬしとは違うのだ」
「一人ぼっちか。…艦隊を失った今、たしかに私は一人なのだろう。だが、銀河帝国のためにも私は一人だけになろうと戦わなければいかないのだ!」
 モティアナの言葉にディアブロが吠える。
「たった一人になろうとも、国を背負い戦う。それこそまさに私が私が目指した騎士の姿です。だからこそ、私は」
 そして最後にトリテレイアが【鋼の騎士道】を発動させて迫る。
「格納銃器強制排除、リミット解除、超過駆動開始……これが私の騎士道です…!」
 限界を超えた駆動で警護用の儀礼用長剣を鞘から抜かず、刀身部分を持ってハンマーのように振り下ろす!
「なかなかやる!」
 ディアブロは残った腕で攻撃を受け止めるが、衝撃が身体を突き抜ける。

 ここからの戦いが長かった。未来を操る騎士の名は伊達ではなく、6本の腕を巧みに操る彼はあらゆる攻撃や見切り、防ぎ、払い、時には逸らして同士討ちを狙ったりなどもした。だが、最善の選択を続けようとも少しずつダメージは蓄積し、綻びは生まれる。そして、大きな綻びが生まれることとなった。
「むっ!」
 ディアブロのフォースセイバーがバチバチとスパークを発する。プログラムの侵食に耐えていたようだが、それも限界を迎えたようだ。
「ならば!」
 ディアブロはフォースセイバーを握ったままの左腕でトリテレイアへ殴りかかる。暴発の衝撃をそのまま攻撃に転化しようというのが目論見か。
「そうはさせない」
 それにいち早く気づいたモティアナが素早くディアブロの腕に取り付き、包み込む。
「あとは頼むのだ」
 彼女がそう言った直後、フォースセイバーが暴発。しかし、モティアナが包み込んだことで衝撃は外部出ることがほとんど無く
「ぐぬぅ!」
 衝撃は左腕内部を駆け巡り、左腕を崩壊させる。
「好機ッ!」
 カイジはディアブロの背後に回り込み、ガラ空きになった左肩のあたりへ呪剣を突き立て、串刺しにする。そして呪剣の力で生命力を奪う。
「させるか!」
 ディアブロは右腕でカイジを引き剥がそうとするが、
「それはこちらのセリフだ!」
 オーガストが『ナイツ』による加速とともに『デイズ』による突きを右腕に叩き込む。ダメージの蓄積されていた腕は、その一撃によって、熊の爪痕のような部分から裂け始め、ちぎれ飛ぶ。
「ぐおお!」
「感謝スル!」
 カイジはそう言うと今度は黒剣を右肩へ突き立てる。
「攻撃開始せよ。本機ガこのまま維持スル」
 そして再び【天獄の雷】による高圧電流を流し込む
「たとえ本機ガ壊、レテモ、誰カノ明日ヲ守レルナラ構ワナイ」
 カイジの身体がスパークする。例えディアブロからエネルギーを吸収しようとも、制約を無視してユーベルコードを使い続けてきたダメージは計り知れない。彼も長くは保たない。
「了解、戦闘を続行する」
「貴方の騎士道に報いましょう」
 カイジの言葉に応えたのは同族のテリブルとトリテレイア。二人も寿命を削るような戦闘モードで戦ってきて、限界が近い。
「ならば、来るがいい。帝国より生まれ出て、それでも牙を向ける反逆者共よ!」
 ディアブロは残った4本の副腕で迎撃の姿勢を取る。
「帝国?アレはもうただの残骸だ」
「私の今は騎士の道と共にある」
 テリブルは機械剣『超高熱サムライブレイド』で、トリテレイアは儀礼用長剣でディアブロを防御ごと、斬り払い、打ち砕く。
「…見事」
 胸の大きな穴が穿たれ、銅を斜めに切り裂かれたディアブロはそのまま倒れる。
「アンタ等、怪我は大丈夫か?」
 オーガストは爆発の直撃を受けたモティアナとディアブロごと攻撃を受けたカイジの状態を確認する。
「お餅がなければ即死だったもちぃ」
「生命活動ニ支障はナイ」
 ダメージはあるようだが、どうやら無事のようだ。
「で、こっちは」
 そう言ってオーガストがディアブロを見やると、骸の海へと戻るところなのか、その肉体は徐々に崩壊している。
「見事だったぞ。バイクの竜騎士、ブラックタールの少女、現代を生きるウォーマシン達…それに、ここまでで戦ってきた猟兵達よ」
 ディアブロを追い詰めることが出来たのは、おそらくはここにいる5人だけでなく、多くの猟兵達が努力と覚悟を積み重ねてきた結果だろう。
「今回の所は、貴様らの勝利だ。だが、私は何度でも蘇る。私が…そして皇帝陛下がいる限り帝国は不滅だ。そして、同じことが通用するとは限らないことを努々忘れることなかれ…だ……」
 そう言ってディアブロは塵となり、消えたいった。

 彼はオブリビオン。いずれすぐ蘇り、この世界の未来に立ちはだかってくるだろう。だが、猟兵達は今だけは、無事に生き残ったこと、そして此度の勝利を噛みしめるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月21日


挿絵イラスト