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Drag on Drug

#サイバーザナドゥ #お祭り2022 #クリスマス #お色気強め


 色とりどりの照明ライトが明滅する薄暗い店内。
 爆音で響き渡るは地響きじみた重低音バスドラム
 入り混じるノイズめいたメロディに合わせて踊る、諸肌露わなうら若き男女の群れ。
 踊る動きは激しくも、その表情、瞳の色は半ば現実より遊離したかの如き恍惚トリップの様相。
 周囲のテーブル、カウンター、或いはその辺の床に散る粉末、錠剤、使い捨ての注射器シリンジ。それら薬物ドラッグによって理性の箍を外した若者達が、刹那の快楽に酔い狂う宴。今宵のクラブ『ベリズベル』は、クリスマスのイヴを迎えたとあって、より一層の狂宴模様を見せていた。
 男が刺青塗れの胸筋を晒せば、女は不自然なまでの曲面を描く尻を振り。人目を憚ろうともせぬままに、身体と身体を重ね合う。
 ボックスシートは乱れた交合の場と化して久しく、今も男が女を組み敷き、或いは女が男に馬乗る最中。
 物陰に目を向ければ、白眼を剥いて痙攣を繰り返す男や女の姿がちらほら。過剰摂取キメすぎたのはさて、酒か薬か絶頂か。
 聖夜を穢して憚らぬ退廃の狂宴。朝が来るまでは未だ長い。宴の終わりは、未だ見えない──。



「……とまあ、こんなパーティやってるクラブが、サイバーザナドゥには幾つもあるんだけども」
 グリモア猟兵、ミツバ・カナメ(みんなを守るお巡りさん・f36522)は、バツが悪そうに頬を掻く。
 かの世界において、薬物というものは他世界の比ではなく身近な代物である。最下層を這いずる者達の最後の拠り所としてだけでなく、富裕層の者達にとっても、一時の快感や高揚感で日々のストレスを忘れさせてくれる手軽な手段として愛好されているのだ。
 無論、その果てに待つのは心身を損ねることによる破滅だが──かの世界に、そんな未来を考慮して日々を生きている者など早々居るものではない。サイバーザナドゥとはそういう世界だ。
「普通の薬物なら、まあ問題ない……ってより、氾濫しすぎて取り締まりが追いつかないんだよね。メガコーポの利益になるなら何でもアリ、があの世界の法みたいなモノだし」
 半ば自嘲気味なミツバの言葉は、逆説として『普通でない薬物』の存在を示す。即ち。
「でも『骸の海過剰配合の薬物』なんてモノは……流石に放っておくワケにはいかないよね」
 摂取すればオブリビオンと化してしまうことは確実な、危険極まりなき代物。此度の依頼は、その駆除だ。

 現場はサイバーザナドゥのとある歓楽街に在するクラブ『ベリズベル』。此処には既に、件の薬物を携えたメガコーポの手の者達が何人も潜入している。通常の薬物に紛れ込ませたり、クラブの者や客に売りつける等して、骸の海入り薬物をバラ撒こうとしているのだ。
「何とかして、誰かがその薬物を使っちゃう前に回収して処分して欲しいんだ」
 無論、薬物を持ち込んだ者達も妨害を受ける可能性は想定している。奴らに勘付かれない為には、一般客にうまく紛れ込み会場の空気に溶け込む必要があるだろう。
「もしかすると、他のお客さんから色々誘われたりすると思うけど……不自然にならないように、うまいことやり過ごしてね」
 場の雰囲気からいって、真っ向から拒絶するのは悪目立ちしてしまう可能性が高い。上手くいなして、場の雰囲気を保つことが求められるだろう。

「薬物を持ち込んだ連中はメガコーポでも末端の末端だから、多分どうやっても黒幕までは手が届かないと思う。それでも、こんなことは放っておけないから……ね」
 此度の事件を解決しても、薬物を作り出したメガコーポは何の痛痒も受けることは無いだろう。なれど、オブリビオンの被害が生ずる可能性あるならば、其を食い止めるは猟兵の務め。ならば、捨て置く理由もまた無い筈だ。
「それじゃ、転送始めるよ。皆、よろしくね!」
 ミツバの声に見送られ、猟兵達は行く。退廃たる電脳世界の、更なる退廃の坩堝へと。


五条新一郎
 クスリ、ダメ、ゼッタイ。
 五条です。

 当方よりお届けするクリスマスシナリオはサイバーザナドゥから。
 ドラッグパーティに忍び込まされようとしている骸の海入りドラッグを、人々の手に渡る前に回収、処分してくださいませ。

●このシナリオについて
 このシナリオは、プレイングによってはお色気強めの展開になる場合があります。
 基本的に頂いたプレイング以上の事態にはならず、また過激な行為はぼかす形での表現となります。

●目的
 骸の海入りドラッグの回収、処分。

●舞台
 サイバーザナドゥのとある歓楽街にあるクラブ『ベリズベル』。
 地上三階地下一階の大きなクラブです。一〜二階がメインホール、三階がVIPフロア。地下は一応スタッフ用区画ですが何故か客も入り込んでる模様。
 人も多く、薄暗い上にBGMの爆音が響いてるので捜索環境はかなり悪いです。

●プレイングについて
 OP公開と同時にプレイングを受け付けます。募集状況はタグにて記載します。

●備考
 プレイングで指定頂ければグリモア猟兵のミツバも同行できます。彼女なりに場へ溶け込めるよう頑張るそうです。
 本シナリオは年内完結を目標に運営の予定でおります。

 それでは、皆様のキメキメなプレイングお待ちしております。
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第1章 日常 『ドラッグ・パーティ』

POW   :    危険なドラッグを撒いている奴を締め上げる

SPD   :    骸の海入りのドラッグを目敏く見分ける

WIZ   :    何も知らない一般客からさりげなく骸の海入りドラッグを取り上げる

👑5
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夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
確かに放置とは行きませんねぇ。

『FES』の対毒結界と『FXS』の結界で漂うドラッグの影響を遮断、【幽測】を発動し『波動』を纏いますぅ。
この状態で潜入すればまず気づかれませんので、店員さんの近くを通る際に『記憶』や『情報』を奪取、『怪しい薬の所在』や『内部の情報』を入手しますねぇ。
その方が知らずとも『責任者が誰かと、その所在』が判れば、順に『情報』を辿ることで発見は可能でしょう。

ただ、入り組んだ店内で私の体型ですと、『触覚』を防げない以上『相手が動くまで通れない場所』が出そうですぅ。
該当者が動くまで『そういうシーンを見続ける状態(『波動』による情報付き)』になる可能性も?



 夜の帳が下りた街は、極彩色のネオン光に満たされる。
 昼間よりも尚明るく輝く表通り、より深き闇に沈む路地裏。虚飾の繁栄と薄氷下の破滅が同居する、末法電脳世界サイバーザナドゥの原風景。
 その一角、猥雑なる煌めきの中を人々が行き交う歓楽街。クリスマスイヴを迎えた街は、常に増して多くの人々と、彼らの発する喧騒とで溢れかえっていた。
 街路に立ち並ぶ店舗群もまた、それら人々により盛況の内にある。クラブ『ベリズベル』もまた、そうして賑わう店舗の一つだ。
「――ですが、放置というわけにはいきませんねぇ」
 紫と緑基調の毒々しいネオンが輝く店構えを見上げ、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は独りごちる。
 今宵このクラブの中で催されているのは、薬物使いキメ放題のドラッグ・パーティ。供される薬物はいずれも非合法の代物だが、それは猟兵の領分ではない。
 骸の海過剰配合の薬物。此度の任務は、明らかに危険極まりなき其の回収と処分。一人でもこれを摂取する者が現れてしまえば、この貪婪たるクラブハウスは一瞬のうちに惨劇の坩堝と化してしまうやもしれぬ。
 そうなる前に解決を。頷き、るこるは店内へ通ずる扉を潜った。
「「………」」
 入口には屈強な見目の黒服男が二人並ぶ。胡乱に過ぎる客を追い出す為のガードマンという処だろう。だが、彼らは店内へと足を踏み入れんとするるこるを一瞥すらもしない。彼女がすぐ真横を通り過ぎても、何の反応も見せはしない。
 彼らが怠慢なのではない。彼らには、るこるが『見えていない』のだ。ユーベルコードによって成す女神の波動を纏う彼女の姿は、視聴嗅覚にて知覚することは叶わない。黒服だけではない、周囲に屯する何人もの客達のうちで誰一人、豊満極めたる肢体を有する美少女の姿に目も留めない。
(どうやら、私のことを知覚できる相手はいないようですねぇ)
 万一のことを考え身構えていたるこる、なれどどうやら懸念は杞憂に終わった様子。行き交う客やスタッフの誰一人、己に意識を向けはしない。
 ならば後は任務を果たすだけだ。視線の先に、ドリンクとドラッグを運ぶクラブスタッフの姿を認める。彼らならば、店内の状況についてより詳しい筈だ。
(情報、頂いていきますぅ)
 放つは知覚遮断の波動。自身の姿を覆い隠すのみならず、他者に触れれば其が持つ情報を選択的に入手する事が可能という代物。
 すれ違いざま、波動がスタッフの身を掠めると共に。るこるの脳内に、彼が店内にて見かけたのだろう幾つもの薬物の情報が流れ込んでくる。いずれ劣らぬ危険さを孕む薬物なれど、それらは全て店側が用意した想定内の薬物。骸の海配合の代物ではない。
 だが、暫し彼の記憶の内の情報を参照するうちに『それ』は見出された。名前も効能も不明、当然店で用意したわけではない怪しい薬物。それが、いつの間にか店内のフリードラッグスポットに置かれている事実。
(恐らくこれが骸の海入りの薬物ですねぇ。フリードラッグスポットは、ええと――)
 そしてその具体的な場所もすぐに判明。1階のバーカウンター横と出た。ならば、そこへ向かって確認の上で排除するのみだ。
 早速移動を開始するるこる。だが、そこで問題が発生する。
(……な、なかなか先に進めませんねぇ……)
 何しろ、桁外れの豊満な体躯を有するるこるである。混雑した店内を移動するにおいて、大きすぎる胸と尻が他者に干渉することはどうしても避けられない。
 ユーベルコードでも触覚での感知は遮断できない故に、すれ違う相手へ胸や尻を押し付けていってしまい。何も無い空間から生ずる柔らかな感触に、すれ違う人々が訝しげな反応を見せる。
 それでも前進を繰り返するこるだが、其処で更なる問題が発生した。
(……こ、こんな処でですかぁ……!?)
 ソファとソファの間の通路。其処を塞ぐかのように、一組の男女が絡み合って事に及んでいたのだ。
 一応、人一人が通れそうな隙間は開けられているが、るこるの体型でここを通り抜けることは不可能。故に、彼らが事を終えるのを待たなくてはいけなかった。
 そして後ろも所狭しと人の行き交う状態、今更戻るわけにもいかず。結局、事が済むまで、その場での待機を余儀なくされるのであった。両者の、薬物で捻じ曲がった記憶もセットで。

 それでも、何とか骸の海入りの薬物を使われる前に回収することには成功したようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

斎藤・斎
アドリブ大歓迎

本来であればこちらの世界でも違法な薬物売買、すべて捕縛して警察の前に置いておくべきなのでしょうが、現状手一杯なのに仕事を増やしても良いことはありません。業腹ではありますが特によろしくないもののみに注力しましょう。

一階ホールのカウンターでノンアルコールのカクテルを傾けながら、騒音を隠れ蓑に行われる取引をチェックしています。ほとんどは不純物も多いドラッグの類だと分析データを網膜投影して確認していますが、躯の海に近似したデータを視界の隅で確認、確保に向かいます。

客の所持金が足りず取引は不成立、追い返した売人を急襲して昏倒させ、躯の海入りドラッグは浄火で清め無害化しました。しかし追い返された先程の客がドラッグを奪おうと戻ってきて無害化していた私の後頭部を強打、倒れた私に手持ちの薬を適当に混ぜて飲ませてしまいます。そうして意識が混濁した私を客は乱暴に犯し、また他の客にも犯させ代金を受け取っていました。
混ぜた薬物の思わぬ作用で快感が異常に強化されてしまい、抗おうと思うだけで精一杯です。



 クラブ『ベリズベル』一階、バーカウンター。入れ替わり立ち代わり訪れる客が求めるのは、酒よりも寧ろドラッグ。カウンターの一角に、無料でドラッグを配布するスペースが用意されている為だ。
 明らかにジャンキーと見える男が半ば引っ手繰るように使い捨て注射器シリンジ入りのドラッグを持ち出し、即座に注入する。その様に、カウンター席でカクテルグラスを傾けていた斎藤・斎(人間賛歌・f10919)は柳眉を顰める。
(本来ならば、こうした手合いもひっ捕らえて警察に突き出すのが筋なのでしょうが……)
 店内で供されている薬物は、その全てがサイバーザナドゥの基準においても違法な代物。客も従業員も纏めてお縄とするべきなのだろうが、生憎とその為の警察に余力が無い。何らかのメガコーポが関わる事件に対しては見向きもせぬし、そうでなくとも秒単位で何らかの事件が発生しているのがこの世界だ。単なるドラッグ・パーティの摘発などしている余裕は無いことは、斎も理解している。
(……業腹ではありますが。今は、特によろしくないもののみに注力しましょう)
 即ち骸の海入りドラッグの摘発。オブリビオンが絡むならば猟兵の出番ゆえに。フロアに視線を巡らせれば、文字通り狂ったように踊る客達に紛れて、様々な行為に及ぶ者達の姿が散見される。喧嘩であったり、交合であったり、或いは何らかの会話であったり。――そして、薬物の取引であったり。
(あちらは純度の低い只の粗悪品。目的のものではありませんね)
 売人が手にしている薬物の成分をスマートゴーグルの内蔵プログラムが分析、結果を網膜へと直接投影する。粗悪品とはいえ薬物は薬物であるが、本命を捉えるより前に騒ぎを起こすのもうまくない。此処は敢えて見過ごし、再び店内を見渡せば。
「――む」
 店内の片隅、フロアの一番端に設えられたボックスシートの陰へと視線を向けた斎の目が細められる。その先に認めたのは、如何にも胡散臭い小男と、此処のような場に通い慣れた風の刺青男が取引と思しき会話をしている光景。小男が手にしている小袋の中に納まった白い粉、あれは――
(――当たり、ですね)
 分析の結果、あの粉末からは骸の海に近似した成分が検出された。となれば、あれが問題のドラッグか。
 すぐに制圧し回収せねば――席を立つ斎だったが、直後に彼方の様子に変化が認められた。売人の小男と、客らしき刺青男、両者の間の雰囲気が、何やら剣呑さを帯びていた。
 様子を窺いながら、斎は二人の方へ――売人の小男を目指して近づいてゆく。人混みに紛れて、あくまで自然な所作を心掛けながら。

「金無いんじゃ話にならないよ! 帰れ帰れ!」
「くそっ、守銭奴め!」
 しっしっと追い払う仕草を見せる小男を前に、青筋立てながらも踵を返す刺青男。どうやら、所持金が足りなかった為に取引は不成立となったらしい。
 刺青男を見送った小男は、次のカモを探して辺りを見回し始め――ようとして、視界が急に暗転した。
「……ぁ」
 後頭部に襲った衝撃。其に痛みを感じるより早く、小男の意識は闇に落ち。その場でどさりと倒れてしまう。
 小男の背後に居たのは斎。刺青男が去った、その瞬間のタイミングで小男の背後へ回り込み、頭部に一撃打ち込んで昏倒せしめたのだ。
 男の身に着けたジャケットを漁れば、そのポケットから次々出て来る白い粉。分析をかければ、その全てから骸の海の反応。全てが件の薬物らしい。
(この男が持っている薬物はこれで全部、でしょうか)
 小男の全身を隈なく確認し、これ以上の骸の海入り薬物が出てこないことを確かめると、斎は積み上げた粉末入り小袋の山へと手を翳す。
 直後、小袋の山に火が灯り、そのまま山全体を火が包む。だが小袋自体が燃えている様子は無く、おまけに熱すら生じない。それは浄化の霊力によって成る炎。燃やすは飽くまで不浄の力――骸の海のみ。炎消えるまで燃やし続ければ、骸の海成分は完全に燃え尽き、無害な――正確に言えば常識の範疇まで害の抑えられた薬物だけが残るはずだ。
 後は、炎の尽きるまで見守るだけ――そう判じたことで、ほんの一瞬、注意が緩んでしまっていたのかもしれない。
 突如、後頭部に重い衝撃。脳髄が衝撃に揺さぶられ、四肢へと行き届いていた意識が遠のく。全身から力が抜け、床へと倒れてしまう。
「へへっ……ヤクを横取りしやがるクソアマと思ったが、良く見りゃいい女じゃねぇか」
 どうにか視線を動かし声のする方を見れば、それは先程の刺青男。薬物を奪いに戻ってきたのだろうか、何にしても彼の接近に気付けなかったことは、斎の――致命的と言っても良い不覚であった。
「なら、ヤクの分までしっかり楽しませて貰うぜ」
 男は何やらスキットルを取り出すと、その口を斎の口元へ押し当てて傾ける。流れ込んできた液体を、斎は思わず喉を鳴らして飲み下してしまう。
 直後、斎の視界がぐにゃりと歪み、あらゆるものの輪郭が曖昧となる。四肢がまるで泥の中に囚われたかのように力が籠らず、己へ伸し掛かって来る男に対しても碌な抵抗ができない。
(これ……は……薬物……?)
 混濁した意識の中、斎は飲まされた液体の成分を悟る。様々なドラッグを適当に混ぜ合わせたと思われるそれは、如何なる偶然の悪戯か、斎の肉体も精神もまともに働かなくなる程の強烈な効果を有していた。
 だが、その薬物の効果はそれだけではなかった。
「~~~~~~っっ!!?」
 身体を貫く衝撃に、斎の口から裏返った悲鳴――というには余りにも甘ったるい声が溢れる。衝撃は己の下半身から。男に伸し掛かられ、押し潰された下腹部から。
 どうやら、あの薬に神経もやられたらしい。行われる行為に、肉体が悦び過ぎている。襲い来る刺激が思考を揺さぶり、抵抗の意志を蕩かせにかかってくる。
(駄目……駄目、で……す……)
 このような処で屈するわけにはいかない。今は耐えなくては。
 周囲に群がってくる何人もの男達、刺青男が彼らから何やら金を受け取る姿を、混濁たる視界に認めながらも。斎は、この後襲い来る狼藉に如何にか耐えきらんと、意志の力を振り絞り始めた――

大成功 🔵​🔵​🔵​

星川・アイ
WIZ アドリブ歓迎♡

そういえばサイバーザナドゥってまだ来た事なかったっけ
せっかくだし、アタシも行ってみようかな~

という訳でいつものレオタード姿で潜入。ホールでそれらしいモノを持っている人を探すよ
でも場の雰囲気に興奮して身体が熱くなった所を、お客さんと思しきお姉さんに絡まれちゃうの
服を脱がされ身体を弄られてイクんだけど、急にお尻を向けてと言いながらお姉さんも服を脱ぐと……サイボーグ化で後付けした思しきモノが
お姉さんのモノで一気に貫かれると、アタシは女の子みたいに泣き叫び、快楽のうちに果ててイクのでした

ちなみにドラッグは脱いだレオタードに忍ばせた触手ビキニにこっそり回収させてきたよ



「うわぁ、あっちでもこっちでも凄いコトしてるー……」
 右を向けばソファで折り重なって恍惚トリップする男と女の群れ、左を向けば激しく腰を振り合う交合ダンスに興じる男と女の群れ。店内に満ち満ちる退廃たる雰囲気に、星川・アイ(男の娘アイドル風プロゲーマー・f09817)は只々圧倒されていた。サイバーザナドゥを訪れるのは此度が初めてだが、話に聞いていた以上のモラルの荒廃具合だ。
「……って、いけないいけない。ちゃんとお仕事しないとね」
 だが圧倒されてばかりもいられない。任務を遂行せねば。頭を振って場に引き込まれた意識を立て直すと、再び件の薬物らしき代物を探しフロアを歩き始める。
(……でも、やっぱりこのお店、すごいよぉ……)
 なれど、店内に満ち満ちる男と女の性の臭い、そして気化したドラッグの成分。飛び交う極彩色の照明ライトと響き渡る重低音バスドラが織りなす催眠じみた作用が相まって、アイの五感全てに揺さぶりをかけてくる。
 己の体温が上がってくるのを、アイは自覚せずにいられなかった。薄手の黒いレオタードのみを纏った、まるで女性のように柔らかな曲線を描く肢体が、切なげに甘くくねってしまう。
「ねえ……そこのキミ?」
「ふえっ!?」
 そこにかけられる声。と同時に細い肩を抱く、柔らかくも力強い感触。思わず頓狂な声を上げてしまいながらアイが振り向いた先には。
「うふふ、可愛い男の子……♪ 私とイイコト、しましょ……?」
 豊満な肢体をこれでもかと強調するPVCワンピースを身に纏った妙齢の女性がその声と手の主であった。顔立ちは充分に美人と言える範疇だが、その瞳は薬物や諸々の作用により濁りきっている。
「え、や、アタシそれどころじゃ……ひゃうんっ!」
 何とか女性の手を逃れようと身じろぎするアイだが、胸を撫でられてしまえば思わず甘い声が漏れてしまう。レオタード越しだというのに、凄まじい刺激が伝わって来る。
「あは、敏感なのねぇ。大丈夫、いっぱい気持ちよくしてあげるから……♪」
 そんなアイの反応に気を良くした女性は、その勢いのままアイのレオタードを脱がしにかかる。あっさりと生まれたままの姿を晒されたアイを守るものは最早無く、公衆の場で裸身を晒すという異様な状況すらも肉体の興奮を煽る薬と化してしまう。
 昂る肢体に、女性の手指が躍る。注がれる刺激に翻弄されるまま、アイは心身を共に蕩かされていき、やがて高く喘ぎ鳴きながら果ててしまう。
「はぁ、本当に可愛い……♪ 私のとっておきで、もっと気持ちよくしてあげるわね……♪」
 女性の方も興奮しきりといった様子で、ワンピースの裾を捲り上げる。其処へ目を向けたアイ、現れたる代物を前に思わず息を呑む。
「ええ……あなたみたいな子を目一杯可愛がるために付けたの。凄いでしょ♪」
 本来ならば女性が持ち得るものでない『それ』は、然しサイバネティクスが当たり前となった世界においては増設も容易。人造の代物故に、下手な男のそれを圧倒する威容を見せつける。
 アイの戸惑いが、悦楽混じりの悲鳴に変わるまで、長い時間はかからなかった。それはまるで、本当の少女の如き有様であったという。

 一方で。
 脱ぎ捨てられたアイのレオタード、その布地の下から黒い触手が伸び出ていたことに、店内に居た者は誰一人として気付かなかった。
 無論、その触手が、周囲にさりげなく忘れ物の体で放置されていた骸の海入りドラッグの回収を、主に代わって遂行していたことにも。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
猥雑、退廃……まるで背徳の都のようですね

バニーガールの姿に変身
給仕をする側になれば、違和感なく飲食物に近づける筈

注文された酒を届けながら、こっそり薬草を煎じたものを混ぜ、【癒天使の治療】で【浄化】
摂取量からすれば微々たるものですが……しないよりはマシでしょう

席に座らされたら接待を
骸の海入りを浄化済みとさり気なく入れ替え、客のグラスに注ぐ
色々と触ってくる輩がいても、場所が場所なので多少は許容するしかない
笑顔で【受け流し】て機嫌を取り、もっと飲むように【誘惑】【お誘い】

もっとも、調子に乗り過ぎたら……密着状態から【グラップル】で絞め落とす
暗がりに転がしておけば、明日の朝には目を覚ますでしょう



「お待たせ致しました、ご注文の品は此方で宜しかったでしょうか」
 引き締まりながらも胸元と臀部には確かなるボリュームを宿した抜群のプロポーション。其を存分に引き立てる漆黒のバニースーツを纏った女性が、ボックスシートのテーブルへ注文された酒を並べてゆく。
「おうよぉ……っほぉぉっ♪ たまんねぇっ♪」
 注文者である男はオリヴィアへの返事もそこそこに裏返った声を上げる。下を見れば、何やら足元に一人の女性が潜り込んでいるのが見えた。
 其を目にしたバニー姿の女性、眼鏡越しの金瞳をじとりと細めつつも踵を返し席を離れる。トレイの上に、テーブルにて未だ手つかずのまま置かれていたボトルがいつの間にか移動していたことには、当の女性以外の誰も気づかず。
(……聞きしに勝る猥雑さと退廃ぶり、ですね)
 バックヤードへと足を向けつつ、バニー姿の女性――オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は心中にて不快感を言葉にする。誰も彼もが肉の欲と薬物の織り成す破滅的な快楽に陶酔する様は、まるでかの背徳の都の如き様相。
 とはいえ。神の怒りの炎に沈むならば彼らの業とが招いた因果とも言えようが、骸の海に歪められるは捨て置けるものではない。故にこそ、オリヴィアは今此処に在るのだ。
 回収してきたボトルに、煎じて粉末状とした薬草とユーベルコードを注ぐ。ボトルの酒に溶け込んだ薬物と其が含有する骸の海を浄化する為だ。気休めかもしれぬが、何も為さぬよりは確実に良い。これを為す為に、オリヴィアは臨時の従業員としてこのクラブへ潜り込んでいた。給仕をする側であれば、不特定多数の飲食物へ近づくのも違和感は無いが故に。
 作業を終えて程なく、別のテーブルからの注文が届く。流石にこれだけの人の入りとなれば、スタッフもまた多忙を極めよう。ユーベルコードの行使で疲労した身体に気合を一つ入れて、注文された酒の用意に取り掛かる。

「お待たせ致しました」
 注文の品を持参したオリヴィアは、テーブルに視線を巡らす。テーブル上に数種類置かれている酒のボトル、その一つから骸の海の気配。例の薬物を仕込まれたか。
 持参した酒をテーブルに置くと共に、さりげなく骸の海入りのボトルへ薬草粉を投入しユーベルコードを充填。これで何とかなれば、と願いつつ。
「おっと姉ちゃん、そのまま帰るより俺に付き合ってくれよ」
 そのまま立ち去ろうとしたオリヴィアにかけられる声。振り向けば、酒と薬ですっかり泥酔した風な男が、自身の隣の席を示す。座れ、ということか。そしてこの状況で座れ、ということは。
「――畏まりました」
 そうした接客も、このクラブの従業員の業務の一つであるという。ならば、断ることは場の空気に沿わぬ行いだ。男の呼ぶに応え、オリヴィアは席につく。
「それではお近づきの印に、早速一杯」
 自身の持ってきた酒――骸の海の含有されていないことは確認済み――を男のグラスに注ぐ。
「おう、気が利くねぇ」
 酌を受けた男は早速注がれた酒を飲み下す。呑み切ったとなればオリヴィア、更に追加の酒を注ぐ。
「はっはっは! 積極的で良いことだ!」
 そんなオリヴィアの行動に一人納得しつつ、男はオリヴィアを抱き寄せにかかる。一瞬眉を顰めるオリヴィアだが、この場で迂闊に拒めば確実に悪目立ちしてしまう。これくらいは許容するしかない。
 オリヴィアの腰を抱き、自分に密着させにかかる男。オリヴィアはあくまでも微笑を保ちつつ応じる。
「俺のコトをああも酔わそうってことは、俺に気があるってコトだろ、ん?」
 どうやら何かを勘違いしているらしい。抱き寄せたオリヴィアに唇を寄せつつ、腰に回した手をバニースーツに包まれた胸へ伸ばしにかかっている。
「そうですね――」
 オリヴィアの腕が男の首へ伸びる。そのまま、彼へと抱きつきにかかる――と見せかけて。両腕が、男の首を締め上げにかかった。
「!!??」
 男の視点では、己の気を惹こうとしていた女が、いざ抱いてみたら突然豹変し己の首を締めにきたという状況。故に驚きのあまり声が出ないらしい。
「――流石に、これ以上はご遠慮願います」
 オリヴィアはその間に、一気に首筋を締め上げにかかる。絶妙な力加減にて締め上げられれば、窒息に至ることもなく。男はそのまま意識を失った。
 店内の片隅、柱の影の暗闇に、意識を失った男の身体を転がす。朝には目覚めるだろう、と算段のもと、オリヴィアは再び接客へと戻ってゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

風祭・未久
ウェルカムドリンクに混ぜられてた薬で前後不覚状態になったあたしは、ボックスシートに組み敷かれ、男達に代わる代わる好き放題使われちゃうかもね
その時に一回終わる度に、口移しで錠剤を飲まされたり、身体の色んな所に注射されたりしてお薬を追加されていく

あたしが色んな液を垂れ流しながら反応しなくなった所で、ターゲットの新しいお薬が使われ始めるかもね
拒絶反応で再び悶える様に反応したのを良い事に、面白がってまたあたしはじゃんじゃん薬を使われながら穴という穴を使われる
つまりターゲットの回収処分先があたしの身体だったって訳だね

祭りの後あたしはすっかり頭がバカになってお薬の為なら何でもする肉奴隷堕ちしてるかも



 猥雑なネオン煌めくクラブ『ベリズベル』の店構えを見上げ、風祭・未久(ツンデレ7:3娘・f38069)は涼しげと見える表情に僅かな緊張を滲ませる。何しろこの店内で行われているのは、薬物飛び交う退廃の宴。下手に巻き込まれれば、大変な目に遭うことは間違いない。
「ま、気を付ければ何とかなる……かな」
 振る舞いには細心の注意を払いつつ、目標の薬物を発見、回収する。任務目的を改めて確かめ、未久は自動ドアの開いた店の入口へと踏み出してゆく。
「いらっしゃいませ~♪」
 際どい部位をギリギリで隠しただけの極小レオタードを纏ったバニーガールが未久を迎えつつ、一杯のグラスを差し出してくる。
(ウェルカムドリンクってやつかな)
 にこやかなバニーガールの笑みと、グラスの中で揺れる飲料――どうやらノンアルコールカクテルのようだ――の鮮やかな色合いを前とすれば、何処か緊張感の解れる感覚を覚える未久。促されるままにグラスを受け取り。
「ありがと、じゃあ早速頂くよ」
 そして一気に呷る。――その様子を眺めるバニーガールの、陶然と淀んだ瞳には気付くことの無いままに。
「……あれ……?」
 グラスを返却して一歩店内へと踏み出した未久、然しその足元が急にふらつく。視界が歪み、頭の中が霞がかったように意識が朦朧とする。
 覚束ない足取りで数歩歩いた先、何かにぶつかって視線を上げれば、客と思しき男の粘ついた笑みが見える。その表情の意味する処も今の未久には理解できず、只ぼんやりと見上げることしかできぬ。
「おっとお嬢ちゃん、随分体調悪そうじゃねぇか」
「そこの席に寝かせてやろうぜ」
 言葉こそ心配している風だが、声色には隠しきれぬ好色さを滲ませて。未久の身を抱き留めると、傍らのボックスシートに寝かせようとする。
 どうやら、近くに別の男も居るようだ――今の未久にはそれを認識するだけでも精一杯で。ソファに寝かされて数秒も経たぬうちに、その意識は混濁たる闇に呑まれていって――

「――あ、れ」
 次に未久が目覚めた時、視界に映ったのは何人もの男達。何故か全員が裸か、それに近い格好。
 己自身も全身に粘つく感触を感じる。腹が何か温かいもので満たされている感覚も。どれも不快とは感じない。
 ――それが、意識を失っている間に散々投与された何種類もの薬によって植え付けられた感覚だとは気づかぬままに。
「反応が薄くなってきたな。よし、さっき貰ったこの薬使ってみようぜ」
 男の一人が一本の注射器シリンジを取り出して、未久の腕へと注射してくる。直後、未久の全身を駆け巡るは、全身を灼熱のマグマが循環するかのような強烈に過ぎる熱い感覚。
「―――!!?」
 其は強烈なまでの拒絶反応。悶絶しながら悶え跳ねる未久の有様を前に、男達がさも愉快そうに下卑た笑い声を上げる。一人が全身を使って未久を抑え込むと共に、別の男が更に注射器を押し付ける。
「~~~~!! ~~~~~!!」
 上げる悲鳴は言葉にならず、苦悶によるものか快感によるものか区別が殆どつかぬ。其を良いことに、男達は彼女の反応を楽しむかの如く薬を投与し続ける。
(この感覚……まさか、これ……)
 再び混濁しだした意識の中で、未久は己に注射された薬物の正体を悟る。オブリビオンと同様の反応が感じられる薬物、つまりこれが骸の海配合のドラッグということ――
 どうやら男達は、手に入れた骸の海入りドラッグを自分ではなく未久に投与したらしい。結果的に言えば任務目的は果たせたことにはなるが――代償は、あまりにも大きかった。
(はあ……あは、これ……すっごい、気持ちイイ……♪)
 投与され続ける薬物が思考を破壊し、代わって破滅的ですらある快感が染み込んでくる。この狂宴の終わった後、果たして彼女は正常な思考を保つことができるだろうか……?

大成功 🔵​🔵​🔵​

浅見乃・ヤコ
調子に乗ってドツボにハマるタイプ
でもへこたれない

酒じゃ酒!こういう場所に溶け込むには酒に決まっとろう!いっちゃん強いやつじゃ!
んぐっんぐっ、プハーッ!!

いい飲みっぷりだなんだと周囲に持て囃され
調子に乗って飲み続けたヤコは既にべろんべろん状態
そのままダンスショーに参加して注目を集めると
更に気持ちよくなってアレコレやらかし始める

酔いから醒めた時には何も覚えていない
何故脱いどるのか、身体がベタベタしとるのか、
脱いだ服の中に結構な金が挟まれとるのかも
まあ、その中にドラッグも挟まれとったから結果オーライじゃろ!



「酒じゃ酒! 酒持ってこーい! この店でいっちゃん強いやつじゃ!」
 クラブ『ベリズベル』の二階席、下階を見渡す吹き抜けに面したテーブル席から、古めかしい女性の声が響き渡る。
 やがて届いた酒をジョッキに注ぎ、一気に呷るは浅見乃・ヤコ(半可通・f38476)。こういう場に溶け込むなら酒が一番、そう判断した彼女は、只管に酒豪ぶりをアピールするという手段を選んだらしい。
「んぐっ、んぐっ……ぷはーっ!! うむ美味い! じゃがもう一杯!」
 瞬く間に飲み干せば即座におかわりを要求、これも一気に飲み干してゆく。その挙動には一切の迷いが無く思いきりが大変良い。
「姉ちゃん良い飲みっぷりだなぁ! よし、こいつも飲んでくれよ!」
「こんな強い酒を飲めちまうなんて、姉ちゃん酒豪だなぁ!」
 気付けば、ヤコの周囲には何人もの男達が集まり、彼女の飲みっぷりを褒め称え、或いは煽る。
「ふはは、我はまだまだこんなモノではないぞぉ! もっともっと酒持ってこぉい!」
 褒めそやされれば調子に乗りやすいのがヤコである。既に随分と酔いが回っているのも気にせずに、更に酒を注文しては片っ端から飲みまくってゆく。そんな飲み方をしていれば、結果は当然の如く――

「おいおい姉ちゃん、もう完全にベロンベロンじゃねぇか」
「らりをぉ、わえはまらまらのめうろ~!」
 最早前後不覚とすら見える程の泥酔状態と化したヤコ。本人は未だ平気なつもりでいるが、呂律も全く回っていないが故に説得力は皆無。
「……おぉ?」
 と、そこで店内に流れるBGMがグルーヴ感溢れるダンスナンバーに変わると共に、一階のステージへ次々と客が上がってゆく。同時に店内に響くアナウンスからすると、どうやらダンスショーが始まるらしい。
「よぉひ! ちゅぎはわえのらんふをみへてやうお!」
 ならば己のダンスを見せつけるべき時、とばかりに立ち上がると、ステージ目掛けて走りだす。完全な千鳥足なのにやたら速かった、と、彼女の様子を見ていた男は後に語ったらしいとか。

「ほぉえ! ほぉえ! みうがいい! わえのかえいならんふを!」
 そしてステージに上がったヤコは早速、音楽に合わせてダンスを踊り始める。だが実際のところは全く音楽には合っておらず、本人は華麗な動きのつもりではあるようだが、実際のところは華麗とは程遠い代物。
 尤も、この場で踊る者達は薬漬けの者が大半の為、皆ダンスの技術はお世辞にも高いとは言えない。故に、この場ではダンスの巧みさよりもノリの良さこそが重要視される。
「ろうじゃ! ろうじゃ! わえのらんふにみいうがよいわぁ!」
 その点で言えば、自信満々に踊り回るヤコの踊りぶりは、現在のこの状況に十全な適合を見せていると言えた。故に、観客達の視線は必然的にヤコへと注がれて。
「ふはははは! よいお、よいお! もっとわえのことをみうがよいわぁぁぁ♪」
 注目の的となったことで更に高揚したヤコ、その勢いのまま徐に跳躍。ステージ下で押し合いへし合いする観客達の中へ――飛び込んだ!
 興奮と熱狂の渦が巻き起こるステージ。その中心で、ヤコは歓喜の声を上げて――

「――お……?」
 やがて空が白み、ベリズベルも閉店の時間が迫ってきた頃。ヤコは瞳を瞬かせながら、殆どの客が退店したホールを見回していた。
「……うーむ、我は何をしておったのじゃ……? 強い酒を注文したところまでは覚えておるんじゃが……」
 酒の酔いは醒めたが、酔っていた間のことは全く覚えていない。何故、今の己は裸なのか。何故、全身あちこちにベタベタする感触があるのか。何故、傍らの脱ぎ捨てられた服に結構な額の金やドラッグが挟み込まれているのか――
「……まあ、どうやらうまくいったようじゃから結果オーライじゃろ!」
 そのドラッグの中には、骸の海成分入りのものも少なからず含まれていた。ならば任務目的には一定の貢献ができたということ。ならばよし、とヤコはそれ以上深く考えることをやめた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

堂島・アキラ
NGなし

薬物クスリくらいで大げさだな。骸の海入りってのも猟兵って立場に縛られてなきゃ一発キメてみてえもんだ。
隠れてキメてもいいが報酬が没収でもされたら嫌だから今回は我慢してやる。

まずは「薬売ってるヤツ知らねえか」って感じに客から聞き込みだ。
情報料代わりにちょっとした”サービス”を提供すればすぐ喋るだろうよ。
こんなとこでヤる事なんざ一つしかねえけどな。

ご自慢の”注射器”をオレにぶっ刺してえんだろ?
遠慮はいらねえからお楽しみと洒落こもうじゃねえか。

――少し時間はかかったが売人の居場所は判明した。あとはこっそり”片付ける”だけだ。
なあに、こんなとこで人一人消えたとこで誰も気にしやしねえさ。



 店内に一歩踏み込めば、そこに広がるのは馴染みの光景。我を忘れたかのように踊り狂う連中と、その合間で激しくチークダンスする男と女、片隅の床に転がって恍惚と痙攣を繰り返す中毒者ジャンキーどもで満ち満ちた光景。
「おーおー、どいつもこいつもキメッキメじゃねーの」
 鈴を転がすような愛らしい声音で紡ぐは、ある種この場には似つかわしい荒っぽさを宿す楽しげな言動。その主もまた、愛らしい美少女の肉体を有してこそいるが頭脳は粗暴な中年男性。それが彼、堂島・アキラ(Cyberサイ×Kawaiiかわ・f36538)である。
「ったく、薬物クスリぐらいで大袈裟だな」
 自身も薬物を愛好――薬物中毒であるアキラにとって、薬物が蔓延るサイバーザナドゥの現状を憂う猟兵の言動には今一つ共感を覚えられぬ。寧ろ、その現状に好ましさすら覚えている程だ。
「骸の海入りの薬物クスリってのも強烈に刺激的キクだろうし、一発キメてみてぇモンだ」
 此度の回収目的たる薬物に関する認識すらこの通りである。それでも真っ当に任務へ臨むのは、あくまでも猟兵という立場に縛られているが故。尚、隠れて接種キメることも考えたが、それが原因で報酬没収等のペナルティを受けるリスクを嫌った模様。
(――さて)
 いずれにせよ、まずは件の薬物を見つけ出さねば始まらない。どのように探し出すか。アキラが選んだ手段はシンプルであった。
「よう、お楽しみ中のトコ悪ぃな」
 フロアの片隅で絶賛トリップ中の女へと声をかける。女は然程間を置かずして、焦点の合わぬ瞳をアキラへと向けてくる。この程度の反応速度なら一応会話は可能だろうと踏んで、アキラは話を切り出す。
「今日このクラブに、新作のドラッグを持ち込んでる売人がいるらしいんだがよ、お前知らねぇか?」
 薄笑みを浮かべて話すアキラの姿は、どう見てもそのドラッグを欲する中毒者の様相。事実として其方の意味での興味も抱いている点が、その態度に真実味を持たせていた。
「あー……そいえば、二階にそれっぽい人がいたかも……」
 ゆらりと差し上げられる女の手、その指が二階への階段を指差す。ならば行ってみるしかあるまい。アキラは階段を上り二階へ。

 二階でも同様にして情報収集を試みるアキラ。見た目屈強そうな男に、同様に尋ねてみるが。
「あぁ? 俺に何の得があって教えてやらなきゃいけねぇってんだぁ?」
 淀みきった瞳でアキラを見下ろしながら、さもうんざりといった風で男は言い放つ。タダでは教えてやらない、そんな姿勢が見目からも十二分に伝わって来る。
「そう言うなよ、ちょっとばかり『サービス』してやるからよ」
 尤も、男のそんな反応はアキラも想定の上だ。着衣の胸元を肌蹴てみせれば、上着との間に垣間見えるは白く滑らかな裸身。
「ご自慢の『注射器』、オレにブッ刺してみてぇだろ……?」
 その上で甘く囁けば。最早、男に溢れる誘惑を抑える術は持ち得なかった。

 スーツ姿のその男は、階段を降りて再び一階で『仕事』をしようと試みる。
 携えたアタッシェケースには未だ大量の薬物。骸の海入りの危険なヤツだ。
 効果はとんでもなく劇的だと聞いているが、そこまで強烈な薬物なら此処の薬物中毒者共が接種したらどうなるやら。見てみたいような見たくないような――
 などと考えながら階段を降りた売人、一歩踏み出そうとして――視界がずれて、そして闇に閉ざされた。
「やれやれ、もうちょっと時間かけてたらヤバかったな」
 物言わぬ骸と化した売人を引きずりながらアキラがぼやく。その身からは、何処かイカだの栗だのと例えられそうな匂いが滲み出ている。
 男に思った以上に引き留められ続けたので、少々時間はかかったが。こうして、売人の排除には成功した。
 後は、路地裏に適当に転がしておけば平気だ。この世界、路地裏に死体が転がってても珍しくない。売人の死体も、ただそのうちの一つとなるだけだ。
 裏口から路地裏へ売人の肢体を放り出して、アキラは再び店内へ。次なる獲物を探し出す為に。

大成功 🔵​🔵​🔵​

新田・にこたま
露出の激しいミニドレス姿で参加。
ジャンキーの好き者の【演技】で場に溶け込む。
薬物を摂取したら人工心臓を活性化させて【浄化】し、根は素面に。
他の客に誘われたら「好みじゃない」と本番は避けつつ「ちょっとだけ」と少しだけ相手をしてトラブルを回避。過激めなスキンシップも受け入れるし、する。
サイバーアイで怪しい動きをしている者を【見切り】、そいつに自分から誘いをかけながらUCを弱めに叩き込み意識と体の自由と薬物を奪う。そのまま疑似的に行為。他の客からは交合に見えるように。
そんなことを怪しい連中にどんどん仕掛け、男を食い漁ってるだけと周りに思わせる。


手っ取り早く皆殺しにしてしまいたいです…(内心では辟易)



「あははぁ、すっご~い♪」
 クラブ『ベリズベル』の店内、右を向いても左を向いても中毒者共が乱痴気騒ぎを繰り広げる光景を見て、新田・にこたま(普通の武装警官・f36679)はネジの外れた喜声を上げる。当然ながら、演技である。
(手っ取り早く皆殺しにしてしまいたいです……)
 どいつもこいつも一人残らずどうしようもないジャンキー共。本来であれば問答無用に纏めて一層してしまいたい――それを良しとするのが彼女の正義観である。が、此度の目的を考えれば派手に暴れることは避けねばならない。
 故に、辟易する本心には一先ず蓋をして。この場に相応しい好き者ビッチを演じながら地道に本命を探す手段を選んだのである。
 均整取れたるプロポーションは露出激しいミニドレスで惜しげもなく晒け出される。歩けば形良い臀部が周囲へのアピールじみて揺れ躍る。
「へへっ、いいカラダしたお嬢ちゃんじゃねぇか。一発どうよ?」
 其に誘われたかの如く、上半身の厳つい機械化義体サイバーザナドゥをこれ見よがしに晒け出した男が声をかけてきた。
「え~、あたしお兄さんみたいな人は好みじゃないんだけど~」
 唇を尖らせてみせながらも、視線は値踏みするかのように男の全身を這い回らせる。其は相手がターゲットであるか否かを見定めるだけではない。一線を越えず、トラブルも避ける。双方の要件を満たす為の妥協点を、にこたまは心得ている。
「……ちょっとだけならシてあげる♪」
 そして男にしなだれかかる。男の方から伸ばされる手も拒まないし、自分からも男の腰へと手を伸ばす。妥協点を守る為の、最低限の交わり。
「あんっ♪ すっごぉい、がっちがち……♪」
 さも歓喜しているかのような声を上げた、その直後。肩へと突き刺される注射器シリンジ。男が持っていた、この店で供されるドラッグの一種だ。
「ふぁぁぁぁぁぁ♪ キ、クぅぅぅ……♪」
 全身を震わせて、クスリが齎す快感に身悶えする――演技。人工心臓による浄化機能が、真に薬物が全身に行き渡る事態は阻止している。
 だらしなく弛緩した表情を晒し、男と愉楽を貪りあいながらも、にこたまの眼はあくまで冷静にフロアを見渡し、行き交う人々とその挙動を観察し続ける。
 演技を続けること暫し。男が呻き漏らすとほぼ同時、にこたまは瞳を細める。視線の先に見出した、その人物を射抜かんばかりに。

 猫背気味のその小男は、注意深く辺りを見回し機会を窺っていた。己の持ち込んだ薬物を、誰かに押し付けるその隙を。故に、だろうか。
「お兄さぁんっ♪ あたしとイイコトしましょ☆」
 などと甘ったるい声で宣いながら飛び掛かってきた、如何にも色狂いと思しき娘からは逃れることができなかった。
 そして、最早逃れることは不可能と悟った。娘の左手が肩に乗ったその直後、全身から力が抜け、呼吸が苦しくなり、そして意識が遠のいてゆく。娘の左手から発されたEMPが、己の機械化義体サイバーザナドゥの機能を一時的にダウンさせたのだと悟る前に、男は意識を失った。
「あっ、んっ、はぁぁぁっ♪ お兄さんのっ、すっごぉい……♪」
 そのまま男の腰の上に馬乗ったにこたまは、さも蕩けたかのような声を漏らしながら腰を振る。それもまた演技。実際には一つとての繋がりも持っていない。
 男を強引に貪るという行為を演じながら、にこたまの手は愛撫を装って男の着衣を漁る。薬物入りの袋を見出す。間違いない、骸の海入りのドラッグだ。
(まずは一つ確保。どんどん仕掛けて片っ端から回収していくとしましょう)
 男の上で腰を躍らせながら、尚も周囲へ意識を巡らすにこたま。その様はまさしく、獲物を狙う雌豹じみていた――傍目には次の男を、実際にはそいつが持つ薬物を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリゥム・ヒュプノシア
ほうほう、アブナイおクスリ、ですか
それは……確かに、ダメです
なので、リリゥもこのクラブに、潜入してきます

そうしてホールを歩いてると、若い子達に連れられて、ステージで辱めを受ける事に……
あうあう……そんなに見られると、恥ずかしい、です……

しかし、リリゥには、都合がいいのです
UCの秘薬でみなさんを虜にして、リリゥに欲求をぶつけさせます……(誘惑・催眠術)
身体を触られ、ナカに出されながらも、リリゥはみなさんの精気を奪っていきます(生命力吸収)

そうして、動けなくなった所で、おクスリは回収しておきますね
それにしても……ステージで晒しものになりながら犯されるのも、なかなか……悪くなかったです。ふふふ



 クラブのホールを、ふわふわと歩む一人の娘。小柄な体躯と、其に反比例するかの如き豊艶なる肢体も相まって、リリゥム・ヒュプノシア(万年寝不足の夢魔・f28940)の姿はとても目立っていた。
(アブナイおクスリ、確かに、ダメです)
 ぼんやりと周囲を見回すその様相は危なっかしさを感じさせるが、此度の任務を遂行せんとする意志に紛いは無く。如何にして問題の薬物を発見し回収するか――フロアを見渡し算段せんとするリリゥムであったが。
「ひゅー、こいつは上玉だぜ」
「よう嬢ちゃん、あっちで俺達と遊ぼうぜ」
 そこにかかる声。振り返れば、何人もの若い男達がいつの間にかリリゥムを取り囲んでいた。いずれもが、にやにやと下卑た笑みを浮かべている。
「ええと……リリゥは、他にやることが」
「そんなのどうでもいいって。ほら、行こうぜ」
 何とか拒もうとするリリゥムだが、男達には其を慮る意志など微塵も無いと見え。リリゥムの手を取ると、そのままステージの方へと引っ張り込みにかかる。
 碌な抵抗もできぬまま、ステージの上へと上げられれば。左右から伸びた男達の手が、リリゥムの身体をまさぐりにかかる。
「あうあう……そんなに見られると、恥ずかしい、です……」
 ステージの下には何十人もの客達が殺到し、男達に弄ばれるリリゥムの豊かな肢体へ視線を突き刺してくる。羞恥に身悶えするリリゥムの反応さえ、男達にとっては興奮を煽る結果にしかならぬ。
 だが、しかし。
(……この状況、リリゥには、都合がいいのです……)
 羞恥心を覚えることは事実だが、利用できる状況であることは確か。リリゥムが心中にて小さく頷くと共に、ステージの周囲を桃色の霧が満たしてゆく。
 それはリリゥムのユーベルコード。夢の世界を介して創造された薬液を、霧と化さしめて周辺へ散布したものだ。
「……あぅんっ! ぁ、激しい、です……っ」
 直後、ステージ上の男達が次々とリリゥムの身へ荒々しい手を伸ばしてきた。薬液は極めて強い快楽作用を持ち、其をまともに浴びた男達は元々の薬物の作用も相まって、完全に理性を飛ばしてしまっていたのだ。
 組み伏され、押し入られ、喘ぎ悶えるリリゥム。その様は観客達に余すところなく見つめられ、リリゥムはその身の全てが白日の下のものとされてしまった事実に身震いする。羞恥と、――或いは快楽によって。
 男の欲望が爆ぜ、リリゥムは其を身の内にて浴びせられて。やがては観客達も、この狂宴に参加したいとばかりに次々ステージへと上がってきて――

 数時間後。
「――はふ。お腹いっぱい、です……」
 周囲には何十人もの男達がぐったりと倒れている。全員、衰弱はしているようだが、とりあえず命に別状は無さそうである。
 其を為さしめたのは、行為の合間にリリゥムが仕掛けていた生命力吸収の業。男達からゆっくりと確実に、その生命力をかすめ取っていたのだ。
「では、おクスリを回収、です」
 立ち上がったリリゥムは、当初の目的――骸の海入り薬物を回収する為に行動を開始。倒れた男達の懐や所持品を漁り、薬物群を次々と発見、回収してゆく。
(――それにしても)
 ふと、先程までのステージ上での事態を思い返す。晒しものとされながら、弄ばれるその行い。それを経たリリゥムの感想は。
(……なかなか、悪くなかったです。……ふふふ)
 これもまた確かな快感。小さく微笑みを浮かべて、リリゥムは引き続き回収作業を進めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クレア・トーチ
オブリビオン化する薬はアカンな!             
OKや!ほんなら頑張って回収してくんで!!             
                       
とは言ったものの一人で行くんは流石に怪しいっていうか…       
なんでミツバさんに同行してもらって潜入するわ!        
ミツバさんよろしくな!                  
                
お誘いにはこの人おるんで~みたいな感じで上手く躱しつつ…   
うん、色々聞こえる声とか音とか匂いでアソコが大きく…   
上手いこと場に溶け込んで(内容おまかせ)誤魔化しつつな   
最終的にはなんとか薬を回収して離脱や   
       
NGなし・お色気絡みNGでしたら普通な感じで大丈夫です



 摂取した者をオブリビオンと化さしめるという薬物ドラッグ。尋常のドラッグの時点で法を逸した代物ではあるが、斯様な代物であれば尚更だ。
「そないなモンをバラ撒かせるワケにはいかへんな!」
 意気高く己の意志を示すのはクレア・トーチ(闇夜を照らす灯火の騎士・f32464)。闇夜の世界に平和齎すべく戦う騎士の少年である。故郷からは遠く離れたここサイバーザナドゥにおいても、その意志に陰りは無い。
「……んーと、カッコはこないな感じでええやろか」
 潜入に先立ち、己の服装を確かめる。実家のしきたりにより成人するまでは女装せねばならないクレア、潜入の装いもケミカルな色合いのジャケットにキャミソール、フレアスカートという女物で纏めている。
「うん、大丈夫っ。ばっちり決まってると思うよ!」
 そんなクレアに太鼓判を押すのはグリモア猟兵のミツバ。明らかに大人の社交場と言うべきクラブに14歳の少女――に見える少年が一人で入店するのは悪目立ちしかねぬ、と判じたが故に同行を依頼したものだ。
「そか、良かった。ほんなら、頑張って回収していこか!」
「おっけー! 頑張っていこうね!」
 問題無しと分かれば不安は無い。クレアは頷き、ミツバと共に問題のクラブへと足を踏み入れてゆく。

 クラブ『ベリズベル』の店内は何十人もの人々が行き交い、薄暗い中に照明ライトが煌めき爆音でBGMが轟き渡る、混沌とした活気に満ちていた。
 そんな中を巡りながら、骸の海入り薬物を探して店内を見回すクレアとミツバ。場の雰囲気に溶け込むような装いはしているものの、あどけなく可憐な少女と、はち切れそうに豊かな肢体の女性の二人連れ。やはり、ある程度は人目を引いてしまうようで。
「ようお嬢ちゃん、オレらと一発気持ちイイやつキメていこうぜ?」
 早速とばかり、欲望と薬物の作用とで瞳をギラつかせた男が迫ってきた。とはいえ、こうなる可能性はクレアの想定の内。ミツバの腕を取って寄り添いつつ。
「や、ウチにはこの人おるんで~……」
 と、既に相手がいることで引き下がらせようとする。
「そうだよ、あたし達はあたし達で楽しむもんねー?」
 ミツバもクレアに合わせ、彼の身を抱き寄せて演技してみせる。その様を見た男は、渋々といった様子ではあるが引き下がっていった。
「ふう、何とかなったね。それじゃ、続けていこっか」
「あ、う、うん。せやな……」
 男が去ってゆくのを見送り、ミツバはクレアに声を掛けるが。何故かその反応はやや鈍い。首を傾げながらも探索を再開する二人。

(……うわぁ、あっちこっちえらいことになっとる……)
 フロアを巡り、発見した骸の海入り薬物を回収する事幾度か。時折、先程同様に男――或いは女――が声をかけてくることはあったものの、大きな問題も無く回収は順調に進んでいた。
 然し、クレアの心中は困惑と動揺の内にあった。先程ミツバに抱き寄せられた際、彼女の豊かな双房が押し付けられる形になったのが、場の雰囲気を意識するきっかけとなったのだろうか。右から響く湿った水音と女の甘い声、左から漂う饐えた臭い。弱冠14歳のクレアには、些かならず刺激の強い退廃の場の環境。
(……っ、あかん、むずむずしてきてまう……っ)
 己の肉体に生じる変調を自覚してしまえば、クレアの動揺はより増して。太腿がもじもじと擦り合わされ、歩みも徐々にぎこちなくなってくる。
「……ん? クレアくん、どうし――」
 気付けば、隣のミツバの身へと身体を寄り添わせていた。声をかけられた際の誤魔化し方を踏まえた場への溶け込み方――そこまで考える余裕はあったかどうか。いずれにせよ、ミツバにその意図は伝わったらしい。
 クレアの、少女のように細い肩を抱き寄せ、演じる関係性をより明確な形で示してみせる。
「もうちょっと、我慢してね……どうしても我慢できないって時は、早めにあたしに言ってね」
 ミツバの囁きに、クレアは何を思ったか。いずれにせよ、そのまま二人は無事、任務を終えて退廃満ちたるクラブハウスを出ることには成功したようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

相馬・雷光
アドリブOK
純潔を奪うのみNG

アングラな場所はニンジャの十八番
【忍び足】で【闇に紛れて】潜入、【早業】で次々に骸の海入りドラッグを【盗む】わ
ふふん、面目躍如ってやつね

VIPフロアだって【鍵開け】と【ハッキング】で楽々侵入……やっば、調子に乗ってたら客のおっさんと鉢合わせたわ
【電撃】で気絶させ……ようとしたけど、ラリって私を娼婦と勘違いしてるみたいね?
都合がいいわ、話を合わせておく
こんなトコじゃなくって、部屋で、ね?(誘惑)

骸の海入りは処分したけど、代わりにえげつない媚薬を飲まされる
理性を失って初めてを散らす気もないし、騒ぎを起こすわけにもいかない
口や手で満足して速攻で寝てもらうわよ(気絶攻撃)



 クラブのフロアに、ふと風が吹く。空調によるものとは明らかに違う風だが、薬物と性感に酔った客達には些細な違いでしかない。
 首を傾げたのは僅かに数瞬、改めて携えた薬物を取り出さんと懐を探り――
「……ん? な、無い……!?」
 直後、それが無いことに気付く。このクラブでバラ撒くべく持ち込んだ、骸の海入りのドラッグが。

「ふふん、ニンジャの面目躍如ってやつね」
 慌てふためく客――を装ったメガコーポの手先共を二階席から見下ろし、相馬・雷光(雷霆の降魔忍・f14459)は自慢げに呟く。その手に、幾つものドラッグの包みを弄びながら。
 それは奴らからスリ取った骸の海入りドラッグ。薄暗い店内、人出の多い状況、何よりこうしたアングラな場は、ニンジャにとってはその技能を最大限に活用できる、十八番とすら言える場所だ。
 雷光もまた、己の持てる技能を最大限に発揮。こうして、骸の海入りのドラッグを片っ端からスリ取ってみせたのである。
「さて、こっちはこんなモンで良いでしょ。次は……」
 一通りフロアを回って、分かる範囲の薬物は回収した。ならば後は、と、雷光の視線は上り階段へと向けられた。

 三階、このクラブの顔役と言うべき者達が利用するVIPフロア。静かに、しかし素早くこのフロアへと侵入を果たした雷光、早速手近な扉へと張り付く。
 中からは男達の獣じみた声や女達の甘い嬌声が聞こえてくる。中で何が行われているかなど、想像するまでもなかろう。
「……中から施錠できるのね。でも、この程度のロックなら」
 ドアに手をかけても開かない。だが、錠前破りの技能もまたニンジャとしての必修科目。物理的な錠前は勿論、電子錠であろうと雷光は其を解除する術を有している。
 鍵開け道具を駆使して物理錠に、迸る電流を以て電子錠にそれぞれ対処。暫しの格闘の末、ロックが解除される。
「よし、それじゃ早速……ってぇ!?」
 早速室内への潜入を試みんとドアに手をかけた雷光、だが彼女が引くより先にドアが開いた。
「……うん? なんだね、君は?」
 ドアの向こうには、部屋の利用者であろう中年の男の姿。微妙に焦点の合わぬ瞳は、既に結構な量の薬物を使用している為であろう。
(やっば、調子に乗って気配探るのサボってたわ。ともかく気絶させなきゃ……)
 もう少し注意していれば、ドア向こうの人の気配に気付けていただろう、と反省する雷光だが。見られた以上は実力行使しかあるまい、と拳に電撃を纏わせ男を気絶させようとする。
「……ああ、頼んでいた娼婦のデリバリーかね? 思ったより早かったな」
(……え? こいつ、もしかして……?)
 だが男の意外な一言に、思わず瞳を瞬かせる雷光。もしやこの男、ドラッグがキマりすぎたせいで勘違いしている?
 であれば、と雷光の頭の閃くひとつの考え。
「……ええ、思ったより速く到着できたものだから。でもまあ、予定時間までの利用代金はサービスさせて貰うわね」
 即ち彼の考える通りの娼婦の振り。これならば穏便にVIPルームへ入ることができる。
「こんな場所で立ち話も何だし、奥で……ね?」
「お、おう、そうだな。楽しもうじゃないか……」
 雷光が促せば、すっかり鼻の下を伸ばしながら男も応じ。共にVIPフロアへ足を踏み入れる。
(さて、骸の海は……っと)
 そして視線を巡らせれば、部屋の片隅へ幾つか。あれを回収して、後は適当に理由を付けて部屋を出るだけ――だったが。
「ほれ、お近づきの印にこいつを一杯」
 その間に男から勧められた飲み物を飲めば、一瞬で全身に伝播する奇妙な熱。まずい、と雷光は心中呟く。これは、媚薬――
(しまったわね……ここで騒ぎを起こすワケにもいかないけど)
 猛烈な身体の熱と疼き、突きつけられる男を感じながら、雷光は心中にて呟く。このまま流されてしまえば純潔を失いかねない、しかし暴れるのは面倒なことになる可能性が高い。
(――ええい、こうなったら!)
 逡巡すること数秒、意を決して雷光は男に手を伸ばす。この手の技巧もニンジャとして心得はある、以て速攻で終わらせるのみだ。

 そうして雷光が業の限りを尽くした結果。どうにか男を早々に果てさせることに成功したらしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋月・信子
【ファルマコン】
※アドリブ歓迎

リリー先生と姉さんからパーティのお知らせを頂いて来ましたが…
『人手が居る案件だし、こうでもしないと信子は来ないでしょ?』

返す言葉もなく、身体のラインがはっきりと出るボディコン風のサンタなミニドレス姿で恥ずかしさを堪えながら違法薬物回収に励みます
『何時もの性格が間逆な双子の姉妹で通して行きましょ。この人混みでリリー先生とはぐれちゃったけど…信子の初々しい反応もここじゃウケがいい感じねー』

そんな事でリリー先生から預かったお薬を見ず知らずな方々に配っていきます
お尻を触られたり抱きつかれたりしますが、声を押し殺しつつ怪しまれないよう抵抗せず笑顔で返していきますね


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ファルマコン】
※アドリブ歓迎セクハラ大歓迎

折角医者だし【アイス・ミルク】を多数持参
この場で不審がられない程度には十分キマるけど
触法成分は程々だし骸の海は当然抜きさ♪

後はトリップ中の奴らから没収…でも説得は面倒
ココは【インモラリティ・ゲーマー】で色仕掛けかな
『真の姿』で年齢相応の爆乳レディになって
【ゴールド・セキュア】を積んでVIP待遇確保♪

『競技力』を活かすセクシードレスを着て
同行してる信子さん(の影)共々ナンパされるよ
一緒に踊り狂ったり膝上で彼方此方揉まれたり…ひゃんっ♡

ま、そうして接近した隙にヤクをすり替えるんだけどね
信子さんは順調かな…きゃふっ♡
もう、アタシにイタズラしてどうするのさ?



 あちらを見れば狂ったように笑いながら騒ぐ群れ、こちらを見ればダンスというには些か獣じみた腰の動きを見せる群れ。クラブ『ベリズベル』の店内は、まさに退廃と呼ぶに相応しい乱れた交わりの場と化していた。
「……パーティのお知らせを頂いて来てみれば、何ですかこれは……」
 その惨状を前に、秋月・信子(魔弾の射手フリーシューター・f00732)は唖然とする。危険なドラッグの回収依頼とは聞いていたが、それを抜きにしても随分なことになっていないか?
『人手の居る案件だし、こうでもしないと信子は来ないと思ったしね』
 信子自身のあっけらかんとした声が隣から聞こえる。其処に在るのは信子と瓜二つの女性。信子が『姉さん』と呼ぶ、彼女の影に宿る二重身だ。
「それに、パーティには違いないでしょ♪ その格好もばっちり場に合ってるしね」
 逆隣ではリーゼロッテ・ローデンヴァルト(KKSかわいくかしこくセクシーなリリー先生・f30386)があっけらかんと笑う。実年齢相応の成熟しきった豊満なるスタイルを得た彼女の装いは、其を思うさま晒け出すセクシーなドレス。
 そして信子と影の装いは、この日に相応しいと言えるミニサンタドレス。ただし身体にぴったり張り付くボディコン風のため、そのボディラインははっきりと晒け出される。
「まあ、それはそうですけれども……」
『この初々しい反応、ここじゃウケが良さそうねぇ。ともあれ、早速始めていきましょうか』
 まだ思いきりのつかない様子な信子の様子を愉しげに眺めていた影だが。そろそろ動くべきかとリーゼロッテに話を向ける。
「そうだね、きっちりお仕事ヤってイこっか♪」
 リーゼロッテも同じく愉しげな様子で笑ってみせて。以て、三人による骸の海入りドラッグ回収作戦が始まった。

 が、それから数分後。
「……リリー先生とははぐれてしまいましたね」
 途方に暮れた様子の信子。あまりの人込みに翻弄されているうちに、リーゼロッテの姿が見えなくなってしまったのだ。
『この人出じゃ仕方ないわね。何かあれば連絡はするってコトだったし、私達は私達でお仕事していきましょ』
 影がフォローじみて答えつつ、信子に幾つか小袋を渡す。それはリーゼロッテ謹製の薬物『アイス・ミルク』。この場で供するに相応しい程度には薬物としての性能はあるが、基本的には無害らしい。
「……そ、そうですね。ええと、では……」
 頷く信子、躊躇いがちながらアイス・ミルクを手に進み出る。
「……おお? 美人な姉ちゃんが二人に分裂してる?」
 早速、一人の男がふらふらと近づいていた。淀みきったその目は完全に薬物中毒の態。
『大丈夫、私達双子の姉妹だから二人いるように見えるのは仕方ないコトよ。 良かったらこれどうぞ♪』
 影が男に応対、にこやかな笑みを浮かべつつ、手元の薬を差し出す。受け取った男は早速行使し、何やらびくびくと身を震わせている。
 その有様に軽く引くものを覚えながら信子は周囲を見回す。すると手近なテーブルの上に骸の海入りのドラッグを発見。これは回収せねばと近づくが。
「よう姉ちゃん、随分とまあエロい格好じゃん」
 背後から声、同時に抱きすくめられる感触。背後から近づいてきたらしき男が、信子を抱き寄せてきたのだ。
「ふぇ!? そ、そうでしょうか……!」
 驚きながらも、何とか穏当な返答を返す信子。男はそれに気を良くしたようだが。
「そりゃもうビンビンよ。可愛い顔してるけど、お前もこういうの好きだろ?」
 などと言いつつ尻に己を押し付けて抱き締める。このままではこの場で行為が始まりかねない。
「お、お誘いはともかくこの場で致すのは……」
 何とか諦めて貰おうと説得を試みること暫し。何とか男は諦めて離れていった。
「ふう、何とかなりました……さて後は、って」
 漸く一息ついた信子、改めてドラッグを回収しようとするが。既に影によって回収された後だったとか。

 一方、リーゼロッテは。
(信子さん達とはぐれちゃったけど、あっちも大丈夫だしまあ良いか)
 彼女とて歴戦の猟兵、何かあっても充分対処はできるだろう。そう考えた彼女、今はVIPルームの一室において宴を楽しんでいた。
 座るのはこの部屋に元々居た中年男のグループの一人。この部屋に存在する骸の海入りドラッグの回収に来たは良いが。
(説得は面倒だし、この手が一番手っ取り早いよね)
 と考えて、男達を色仕掛けする方向で動いていた。腰を振れば、中年男の表情が恍惚と焦り半々といった風を見せ、熱いものを吐き出してしまう。
 ニンフォマニアでもあるリーゼロッテにとっては、その行為の反応を目にすることも行為自体も楽しく気持ちが良い。まさに趣味と実益を兼ねた行動、と言えなくもない。
 勿論、本来の目的も忘れていない。男達と絡む過程において手が届くようになり次第、骸の海ドラッグは片っ端から己のアイス・ミルクにすり替えていたのだ。
「ふふ、御馳走様……きゃふっ♪」
 男の膝上から降り、微笑みかけてみせるリーゼロッテ。だが、その胸に負けじと豊かな尻を不意に撫で上げられ、思わず驚きの声を漏らす。尤も、嫌悪の念は全く無かったが。
「あは、次はキミかな? まだ夜は長いんだし、焦らなくて大丈夫だよ……♪」
 寧ろ、男を誘惑するかの如く甘い声で身体をくねらせてみせる程。堪らずリーゼロッテを組み敷きにかかってきた。嬉々としてそれを受け入れるリーゼロッテ。

 そうして、それぞれの思うがままにクラブ『ベリズベル』店内で活動していった三人。相当数の骸の海入りドラッグを回収することに成功したようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

グラディス・プロトワン
アドリブ歓迎

おそらく奴らは既に薬物中毒になっている客を探しているはずだ
ほぼ確実に新しい薬物に興味があるだろうからな
バラ撒くのが目的ならば、そういう客を狙ってくる
既存の薬物を持っているのをチラつかせていれば、向こうから近づいてくるだろう

問題があるとすれば…俺に近寄ってくる奴がいるかという事だ
俺に近寄ってくるぐらいなら腕自慢なのだろうが、うまく接触さえできれば後は件の薬物を受け取るだけだ
ただ、その場で使わなければ怪しまれる

悪いが薬物ではなく接触してきた相手を過剰摂取させてもらおう
幸いにも店の雰囲気もあって、俺達が身体を重ねていても目立たないはずだ

事に及んだ後は速やかに撤収すれば任務完了だな



 クラブ『ベリズベル』一階ホールの片隅に佇む、漆黒の巨躯。全てが装甲とも見える容姿はレプリカントでは有り得ず、ほぼ全身を義体化したサイボーグとしても巨きすぎる姿。彼が世界の埒外たる猟兵でなければ、即座に騒ぎになっていたかもしれない。
(……流石に、俺に近づいてくる奴はなかなか居ないか)
 なれど、巨躯が生み出す威圧感は見る者に間違いなく伝わる。グラディス・プロトワン(黒の機甲騎士・f16655)は、遠巻きに己を見ている客達を眺めながら心中一人ごちる。
 その手には薬物の包みがあり、所在なさげにグラディスの手の中で揺れている。己を薬物中毒と見せ、新型ドラッグを扱う者達を引き付ける為にこうしているのだ。
(もう少し、人を探している風を出してみよう)
 グラディスは首を頻りに左右へ巡らせ、あたかも薬物を扱っている者を探しているかのように見せ付ける。その甲斐あってか、暫くして彼に声をかける者が一人。
「よう兄さん! そのクスリにも飽きたって顔だな」
 如何にもこの場に相応しそうなドレッドヘアの男が、値踏みするかのようにグラディスを見る。グラディスは一歩近づき。
「ああ、もうこの程度じゃ大して酔えん。良いクスリは無いか」
 薬物中毒者ジャンキーらしい、茫洋たる声音で応えるグラディス。その言葉を待っていたとばかり、男が得意げに取り出すのは。
「それならコイツだ。まだ世間に出回ってないとっておきの新作だぜ」
 やはりというべきか、骸の海入りのドラッグだ。後はこれを受け取るだけだが、問題は。
(この場で使わねば怪しまれるが、さてどうするか)
 猟兵ならばオブリビオン化はしないとはいえ、結構な強烈な反応があるだろうことは容易に想像がつく。ではどうするかと考えること数瞬。
「……お、おお……!?」
 驚愕するドレッド男。何故なら今、彼の身はグラディスの鋼鉄の身に抱き込まれている為だ。
「――悪いが、お前で食事とさせてもらう」
 囁くように呟くグラディス。直後、ドレッド男に対し、強烈な身体の力の抜ける感覚が襲う。まるで、グラディスの吸収されているかのような。
 否、それは比喩ではない。グラディスという機体に備わる、生命力吸収システムが稼働しているのだ。オブリビオンからであっても吸収を果たし得る力、一般人相手には過剰とも思えるが、グラディスも加減は心得ている。
 程なくしてドレッド男が動けなくなったところで、彼の身を手近なテーブルに寝かせる。その様子を見ていた者には、身体を重ねての行為に及んでいたとしか見えまい。少なくとも、今そう思われていれば問題は無い。
「――任務完了、だな」
 確保した骸の海入りドラッグを確認し、一言呟いて。そのまま、グラディスは足早に店を出て行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋葉・亜依
「ドラッグの取り締まりですね。
異世界のこととはいえ、見過ごすことはできません。
特務エージェントの私に任せてください!」

特務エージェントとしての制服でもある学生服姿で店内に入ります。
学生の格好ならどんな場所にも溶け込めるはず!

『亜依、このようなお店で学生服は逆に目立つだけかと……』

スマホにインストールされたサポートAIから警告ツッコミが入った途端、お店の中年男性たちから声をかけられて!?

「えっ、いえ、援助交際でもパパ活でもないですよっ!?」
『亜依、ここで否定すると売人に気づかれる可能性78%です』
「……えっと、こんな料金体系になってます」

仕方なく話を合わせるため、AIに指示してスマホの画面に料金表を表示させますが……

そこに表示されたのは、デートプラン(お触りなし)に、恋人プラン(キスあり)、さらには教師と生徒の禁断のラブラブコース(お持ち帰り)!?

「ちょっと、なんですか、このプランはーっ!?」

おじさまたちにお金を渡され、各プランに申し込まれ……
最後にはお持ち帰りされてしまうのでした。



 ドラッグ。刹那の快楽と引き換えに人の心身を蝕み、やがては周囲を巻き込んだ破滅へと追いやる魔性の代物。故にこそ、多くの社会において薬物は法を以て取り締まられており、ここサイバーザナドゥにおいても表面上では例外ではない。
「危険なドラッグをばら撒くなど、異世界のこととはいえ見過ごすことはできません!」
 特務エージェントとして、そして一人の人間として。秋葉・亜依(特務ドジっ娘エージェント・f33106)は意気高く任務に臨む意志を語る。
 さて、潜入捜査となれば、場に溶け込めるような装いにも気を遣う必要がある。此度の現場はクラブという話であるが、亜依は如何なる装いにて潜入を行うだろうか。
「学生の格好ならば、どんな場所にも溶け込める筈です!」
 即ち、学生服姿にてかのクラブへと入店していった。彼女の纏うグレーのブレザー、特務エージェントとしての制服でもあるらしいが。
『亜依、このようなお店で学生服は逆に目立つだけかと……』
 スマホにインストールされたサポートAIからも警告ツッコミが入る。歓楽街の只中にある店舗に訪れる学生など、どのような人物であるかは相場が決まっているもの。というのは。
「やあ、お嬢ちゃん。おじさん達と遊ばないかい?」
「お小遣いならたっぷりあげるよ。お互い楽しく遊ぼうじゃないか」
 次々と現れては亜依に声をかけてくる中年男性達。即ち、援助交際ないしはパパ活目的と認識された次第である。
「えっ、いえ、私は……」
 無論、亜依としては心外な誤認である。己は決してそういう目的ではないと否定しようとする亜依だが。
『亜依、ここで否定すると売人に気付かれる可能性78%です』
 AIからの警告が届く。そうした目的でなく此処を訪れる学生など、怪しまれても仕方ないということだろう。
「うっ」
 つまり拒絶はできない。ならば話を合わせるより他に無い。スマホを操作してAIに指示を送り、男性達に提示する。
「……えっと、こんな料金体系になってます」
 そこに表示されたのは、AIが亜依からの指示を受けて作成したパパ活の料金表。亜依としては、無難なコースにしては割高な料金設定で男性達を退かせるつもりではあったが。
「……ほほう、少々割高だがこれくらいならば」
「どころかこんなコースまであるとはお得まであるのでは!?」
「ここまでやっていいのか!? 見掛けによらず大胆な子だ……!」
「え、ええっ!?」
 スマホの画面を覗き込んだ男性達は一様に乗り気。どころか興奮を露としている始末。細かい設定をAI任せにしていた為に自分でも内容を詳しく知らない亜依、あまりにも予想外の反応に驚きと戸惑いを隠せない。
「……ちょ、ちょっとなんですかこのプランはーっ!?」
 一体どういうことかとスマホの画面を見れば、そこに表示されていた料金体系は……

『デートプラン(お触りなし)』
『恋人プラン(キスあり)』
『教師と生徒の禁断のラブラブプラン(お持ち帰りOK)』

 最初は良いとしてそれ以降は最早パパ活の範囲を完全に飛び越えている。因みに、各コースの料金設定についても確かに少々割高ではあったが、この男性達は全員富裕層に属す者達である為、割と余裕で出せる金額だったりする。
『亜依、これ以上の判断留保は売人に気付かれる可能性が90%を超えます』
 躊躇する亜依に、追い打ちじみたAIの一声。最早逃げ場は無い。
 各プランそれぞれのサービスを所望する男性達に、思い切って亜依は宣言した。
「……はい、皆さんにご一緒させて頂きます!」
 ヤケとも言う。

 ともあれ。
 デートプランを選んだ男性と共にクラブ内で過ごした際、幾つか骸の海入りドラッグは回収したものの。
 恋人プランを選んだ男性とは店の外で過ごすこととなり、教師と(中略)コースに至ってはお持ち帰りされた上での激しい事態に至ってしまい。
 最早ドラッグ取り締まりどころではなかった……と、ベッドの上であられもない姿を晒しながらアイは思っていたとか、なんとか。

成功 🔵​🔵​🔴​

霞・沙耶
NGなし
アドリブ・極ハード大歓迎

このお店が元締めと推理。
地下を捜索して、薬を回収したいな。

お店では、地下にもお客さんがいたから、
そこまでは上手く行けたのだけど、潜入がバレていて、
「お前の身体で回収させてやるよ」
と、薬を射たれてしまうよ。

効き目は凄まじく、ぺたんと座り込んでしまい、
そのままお漏らしして、その刺激でイってしまうほど。

そこからはもうどこに触れられても感じてしまい、
尋問室に引きずられていく道々に愛液の染みを作ってしまうよ。

部屋のベッドに突き飛ばされたわたしは、
そんな刺激でも愛液を噴いてしまい、男に嘲笑されると、
その「見られている」ことにまた絶頂。

男は、イきすぎて痙攣を繰り返すわたしの服を剥ぎ取り、
奥の奥まで一気に貫いて、わたしがのけぞって絶頂すると、
そのまま思い切り奥の奥まで貫かれ、絶頂に痙攣する膣を楽しまれるね。

それからはもう雌の地獄。
後ろの穴や乳首も道具で嬲られながら、お腹の形が変わるほどの突き込みをされて、
鳥肌を浮かせ、息も絶え絶えに啼かされ、絶頂させられ続けちゃうよ。


菫宮・理緒
【アイさんと】

NGなし
アドリブ・ハード大歓迎

これはお店があやしい!
そう思って、お店の人を襲って制服を奪い、
アイさんと2人で地下に潜入するよ。

でも潜入はバレていて、近づいていったわたしたちは、
あっさり捕まり、強力な媚薬を射たれてしまうよ。

何でバレたの……?
え? この制服は男用?

そのまま部屋に連れ込まれる頃には、
薬も回りきっていて、蜜を垂れ流しているよ。
そんな中、平手で打たれたら、痛さと快感で、膝から崩れ落ちてしまうね。

そこを前後一気に貫かれ、舌を出し、仰け反って震えながら見ると、
アイさんも男達に嬲られているのが見えて……。

その痴態を、お互い見てるんだ、と思ったら、
さらに昂ぶり、また愛液を噴き零してしまうね。

男達にさんざん両穴を犯されたあとは、アイさんと向かい合わせに座らされ、
前穴は双頭のディルドで深く繋がれながら、お豆まで擦り合わせられ、
後ろの穴は男達のモノ貫かれて、
動かれる度に蜜を噴き零してしまうくらいにイき続けてしまうよ。

絶頂に泣きながらアイさんと恋人繋ぎした両手だけが心の支え、だよ。


アイ・リスパー
理緒さんと
「このお店が薬物の取引現場ですね。
理緒さん、潜入しましょう」

売人たちに怪しまれないように、私たちは店のスタッフを装ってお店に潜入します。
服装は店の外にいるスタッフさんを電脳魔術で眠らせて拝借しましょう。

「理緒さん、地下がスタッフ用の区画みたいです。
スタッフも売買に関わっているかもしれませんから、まずは地下から調査しましょう」

ですが、地下に入ったところでお店のスタッフに襲われて!?
しまっ……両手を拘束されて電脳魔術が使えませんっ!?

そのまま強力な媚薬を打たれ、意識が朦朧として抵抗できなくなったところを部屋に連れ込まれてしまい。
何人ものスタッフたちに、下着を脱がされて……

「あっ、いやっ、見ないでくださーいっ!?」

懇願しますが、それは逆効果で、スタッフたちに代わる代わる犯されてしまいます。

理緒さんも同じようにスタッフに犯されていて。
そんな理緒さんを見て、私も身体が熱くなって。

最後には理緒さんと二人で絡まさせられながら、激しく絶頂してしまいます。

「理緒さん……この手だけは離しません」



 クラブ『ベリズベル』の裏口がある裏通り。油断すれば一息に呑み込まれてしまいそうな程の深い闇に包まれた其処に、二人の少女が佇んでいる。足元には、この寒空の下にあって下着姿を晒した男達が横たわっている。眠っているようだ。
「……やはり、ちょっとサイズが大きいですね……」
「男の人が着てた制服だしねー。でも、そこまで動きにくいほどでもないかな」
 身に纏った衣装――ベリズベルの制服を見下ろしぼやくアイ・リスパー(電脳の天使ドジっ娘電脳魔術師・f07909)。元の着用者は比較的小柄な男性だったとはいえ、やはり女性である自分との体格差は明確だった。
 アイのぼやきに応えた菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)もまた、袖や裾の余り具合を確認していた。手が完全に隠れる程ではないし裾も引きずるには至らない。ならば何とかなるか。
 己らの作戦方針の為、ベリズベルの制服を必要とした二人。部外者である己らが其を入手する方法といえばこれしかない、ということで、店外で休憩或いはサボっていたスタッフを襲撃、アイの電脳魔術で眠らせて制服を拝借したのだ。
「でも、これならどう見ても立派なお店のスタッフだよね」
「そうですね、作戦には支障無いはずです。それでは、早速潜入開始です!」
 理緒の確認めいた言葉にアイは自信を以て請け負う。念の為スタッフ達は傍の物置の中へと押し込み、堂々と店内へと踏み込んでゆく。

 裏口から店内へ潜入、フロアを横切ってゆくアイと理緒。周囲を見れば、あちらこちらで薬物の売買や使用が行われ、その作用で高揚状態ハイになった者達があられもなき行いに及んでいる。中には些か暴力的な行為に至っている者達もいるが、する側は勿論される側もまた楽しそうなので問題は無いのだろう。恐らく。
「このお店が薬物の取引現場とは聞いていましたが……想像以上ですね」
 そんな退廃極まる状況を見回し、アイは仄かに頬を赤らめる。
「ここまでいくとアレだね、寧ろお店が薬物取引の元締めなのかも」
 あまりにも堂々と薬物が取り扱われている状況に、理緒はそんな推測を語る。と。
「やっぱり、あなた達もそう思うよね」
「「!?」」
 不意に、横合いからかけられた声。すわ発覚か、と警戒しつつ身構える二人だが。
「ああ、ごめんね驚かせて。大丈夫、わたしは沙耶。あなた達と同じ猟兵だよ」
 二人を落ち着かせようと両手の掌を向けるジェスチャーを見せる彼女は霞・沙耶(流浪の呪符遣い・f35299)。当人の語る通り、彼女もまた此度の任務に参加した猟兵の一人である。
「び、びっくりしました。変装は完璧なのに何でバレたのかと思いました……」
「あなた達も、ってことは沙耶さんも?」
 ほっと胸を撫で下ろすアイ。一方の理緒は、沙耶が同意を示した点が気になっているようで。
「こんなに堂々と薬物の取引ができるお店なんだし、お店自体が取引に関わってるって考えるのが自然だもんね」
「そうだよね、お店があやしいとわたしも思う!」
 その理由として己の推測を語る沙耶に、理緒も同意を示し。
「スタッフも売買に関わっているかもしれないとは思っていましたが、なるほど、その可能性もありましたか」
 アイは店舗そのものが関与している可能性までは想定していなかったようで、純粋な驚きと納得を以て頷いていた。
 となれば、何処を調べるべきか。三人の思案する時間は、然程長くはなかった。
「グリモア猟兵さんのお話だと、地下にスタッフ用のスペースがあるって言ってたね」
 沙耶が切り出すのに、アイも理緒もそれだとばかりに手を打った。
「では、地下の調査に行きましょう!」
「もしかすると薬物を保管する部屋とかあるかも!」
 そうして三人は、フロア片隅の下り階段へ。真っ直ぐに地下へと向かってゆくその階段を、足並み揃えて降りてゆく。

 階段を降りてすぐ『STAFF ONLY』と書かれたドアがあったが、そこを潜っても尚、通路に横たわって天井を仰ぐ男や、自らを慰める女の姿が散見される。明らかに店のスタッフではない。グリモア猟兵の話通りではある。
「えーと、どの部屋から調べようか……?」
「そうだね、やっぱり隠しておきたいものへ奥の方に隠すものだろうし、一番奥かな……?」
 などと相談しながらスタッフ専用区画を歩む三人。やがて、大きな扉の部屋へと突き当たる。
「これは明らかに怪しい扉ですね……鍵はかかっていないようです」
「そうみたいだね。よし、じゃあ――」
 扉を調べたアイがロックや罠の有無を確かめ、安全を確認したところで。沙耶が侵入せんと扉に手を伸ばし――かけて、止まる。
「え――」
「沙耶さ――」
 其に異変を感じた理緒とアイの動きも止まる。三人の首筋には、それぞれ三人の男達が無針式の注射器を押し付けていた。
「全く、うちのスタッフの服を奪ってスタッフ専用スペースまで来やがるなんてな」
「何のつもりか知らんが、不法侵入の罪はしっかり償ってもらうぜ」
 低く笑うその男達はいずれもこのクラブのスタッフ達。注射器を離せば、即座に崩れ落ちる三人の猟兵達。いずれもが頬を朱に染め、床の上で身を悶えさせている。強力な薬物で、肉体の感覚を大幅に強化されてしまったらしい。
「な、なんで、バレたのですか……?」
 アイもまた、溢れる猛烈な疼きに悶えながら問えば、男達は一様に呆れたような顔を見せて。
「お前、女が男用の制服を着ててバレないわけないだろ」
「女用の制服はもっと露出高いからな。お前らみたいな貧相な女にゃ似合わねぇだろうけどよ」
 告げられた答えに愕然とするアイと理緒。最初の段階からミスを犯していたというのか。
「お前ら、この部屋に入りたかったんだろ。なら、連れてってやるよ」
「ま、入ったら当分出られねぇけどな」
「お前らみたいな貧相な女でも、需要は充分あるしな」
 男達は其々に目の前で蹲る少女達の身体を抱え、無理矢理立たせる。その過程の中で身体を男達の無骨な指が撫で回せば、三人の身体へ一様に猛烈な刺激が迸る。たったそれだけで、足元に水たまりができてしまう者すらも。
 そのまま、扉の開いた奥の部屋へと引きずり込まれていった三人の猟兵。その中にて繰り広げられた行為は、あまりにも過激を極めたる有様故、この場で詳細を記すことは避けるものである。

 最終的に、三人の少女猟兵達はクラブの裏口からボロ雑巾が如く打ち捨てられていた。
 着衣は一切纏っておらず、寒空の下に生まれたままの姿を晒すのみ。
 三人ともが、全身を粘つく液体に汚され、ぐったりと横たわり。その状態を何とかするだけの力も、全く残っていないのは明らか。
 只々、理緒とアイとが、互いの両手を確と握りあっていたことだけが、三者の確かな意志を示すだけの要素であった。
 そして、それも未だ一部始終でしかない、とばかりに。動けぬ彼女達のもとへと、幾つもの人影が迫り来て――

 ――果たして、彼女達は無事にグリモアベースへと帰還できるのか。その結末は、誰にも分からない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

レテイシャ・マグナカルタ
ミツバと共に場の雰囲気にあった派手で露出多めな服で潜入
一人なら絡まれても二人なら「オレのツレだぜ」って感じで、少し乱暴めに追い払っても不自然じゃなさそうという意図

人込みの中でターゲットの客に近づき、片方が注意を引きつけている間にドラッグをすり替えたりして回収
充分に回収し破棄して一段落。カウンターでミツバが頼んだドリンクを二人で乾杯して飲む…え?頼んでない?
お互いが頼んだと勘違いした謎のドリンクには睡眠薬を始め即効性高いヤバめの薬が
体がおかしくなっていくのを体内魔力の循環で必死に抑え込み、ミツバの肩を抱いて店を脱出しようと進むレテ
けれど悪意ある者が仕掛けたドリンクなら、確実に見張られていて襲い掛かるチャンスを伺っている
そうじゃなくても弱った女を見て悪い事を考える者達も居る筈で、どちらに捕まっても死ぬより酷い目に遭うのは確実だ

ふらふらと人込みに消える二人が無事に発出所に戻れたのか、はたまた何者かに捕まり最悪の年越しを迎える事になるのか、結末は誰にも分らない



 クラブ『ベリズベル』へと入店する、若い女性二人組。揃って豊かに熟れ実った肢体を惜しげもなく晒け出す、派手で煽情的な装いは、店内の男達の視線をほぼ例外なく引き付ける。
「よう姉ちゃん、オレと気持ちよくブッ飛ぼうぜぇ?」
 無論、中にはアタックを試みる男もいる。据わった眼をした男が一人、薬物入りの瓶をちらつかせて二人組の片方へと声をかけるが。
「悪いな、こいつぁオレのツレなんでな」
 間に割り込んできたもう一方の存在に気付けば、舌打ちしながらも引き下がってゆく。
「やっぱ二人で来たのは正解だったな。一人じゃ断りにくいトコだっただろうし」
 男の背を見送りながら呟くのはレテイシャ・マグナカルタ(孤児院の長女・f25195)。このような場に若い女性が一人で立ち入るのはリスクが伴う、と判断した彼女、此処に助っ人を連れて来ていた。
「うん、ありがと。あたしも普段は一人でこういう処来るんだけど、声かけられた時の対応が毎回大変だったからね……」
 グリモア猟兵のミツバである。メガコーポに阿らぬ数少ない警官の一人である彼女、己の可能な限りで薬物取引の取り締まりを行っているらしい。
「だろうなぁ。ところで、見つかったか?」
 そんな彼女にレテイシャは肩を竦めてみせつつ、本題を切り出す。即ち。
「うん、あっちのテーブルとそこの柱の影。とりあえず見つかった取引現場はそこかな」
 ミツバが示したポイントへ、レテイシャは視線を巡らせる。成程、其処にいる者達の所持品からオブリビオンに類似した気配。問題の骸の海入りドラッグであろうか。
 レテイシャはミツバと頷きあい、行動を開始する。

「お兄さんお兄さん、ちょっとお話よろしいですか?」
「あん? 何だ、俺と一発ヤりたいってか?」
 テーブル席についた男に、ミツバが声をかける。その表情はだらしなく弛緩し、如何にも薬物中毒と思しき様相。
「うーん、まだそういう気分じゃないと言いますかー、でもなんか物寂しいと言いますかー……」
 などとミツバが喋っている間に、男の背後を取る影がある。レテイシャである。
(よし、今のうちに……!)
 男の意識がミツバに向いている隙に、と。レテイシャは男の荷物を検める。
 すると出て来た、幾つかの錠剤の収められた袋。オブリビオンの如き気配はここから出ている。即ちこれが骸の海入り薬物だ。
「そうそう、やっぱり男の人は大きい方が良いとは思うんですが、でも小さいのもなかなか……」
 喋っているミツバの視線が向く。レテイシャはサムズアップを返し回収完了を伝えた。
「……あ。お、オクスリ……!」
「え? お、おいここで発作かよ!?」
 離れてゆくレテイシャを見届けたミツバ、薬物切れの発作を装って男の傍から離脱。作戦成功である。

 そうして骸の海入りドラッグの回収を実行すること幾度か。
「ふー、とりあえずこんなトコか?」
「はい、一通りの骸の海入りドラッグは回収・処分完了かと!」
 カウンター席で一息つくレテイシャとミツバ。目につく限りの骸の海入りドラッグは回収しきった。一先ず任務は完了だ。
 そこで丁度良く、バーテンダーが二人の前に其々グラスを並べた。杯を満たすは黄金色に煌めく液体。祝杯を上げるには丁度良さそうな飲み物である。
「よし、じゃあ折角だしここで軽く祝杯といくか!」
「はい、レテイシャさんお疲れ様でした!」
 其々にグラスを取り、軽く打ち合わせれば、涼やかな音が爆音轟く店内でささやかに響く。そして杯を傾ける二人、よく冷えたドリンクが喉を潤し、程よく熱を帯びた身体を冷やしてゆく。
「っぷはぁ、美味い! ミツバにこんなモノまで奢って貰えるなんてなあ」
「……え?」
 その味わいに満足げな笑みを浮かべるレテイシャ、だが口から漏れた言葉に、ミツバが驚き混じりの疑問の声を上げた。
「あん? 割り勘だったか? それならそれで……」
「……いえ、これ、レテイシャさんが注文したんでは?」
 その疑問の意味を知り、レテイシャの顔から笑みが消える。お互いに、相手が頼んだものと思い込んでいた謎のドリンク。では誰が――
「――あ」
 直後。レテイシャの視界が歪み、身体が座席から崩れ落ちる。強烈な眠気、全身を襲う倦怠感と脱力感、であるのに触覚は異様な程に鋭敏と化している。
 見れば、ミツバも同様のようだった。その顔には紅が散り、吐く息は熱い熱を帯びて。瞳は最早、心此処に在らずと言わんばかりに蕩けきっている。
「……まずい……!」
 間違いなく、あのドリンクに薬物が仕込まれていた。何者の差し金かは分からないが、己らに何らかの害意のある者の仕業であるのは間違いない。早く、店を出なければ。
 幸い、レテイシャは体内より溢れる魔力を全身へ循環させることでその変調を多少は抑えられる。何とか身体は動かせる。
「行くぞ、ミツバ……! 暫く、耐えてくれよ……!」
 既に薬が回り切り意識さえ曖昧な様子のミツバの肩を抱き、どうにか立ち上がらせ。店の入口へと歩き始める。
 だがその歩みは牛の如し。そして、それだけで必死なレテイシャは、背後で何人もの男達が己らを追って動き出したことに気付いていない。否、気付いていたとしても其方へ意識を向ける余裕が無い。その中に、己らへ薬を盛った張本人がいるのかどうかも。
 弱りきった女二人、いずれも豊かに熟れた肢体の持ち主。この世界に在っては、男の欲望の格好の獲物でしかない。捕まれば、待っているのは死よりも過酷な運命である。

 如何にか店を出て、夜の歓楽街の人込みへ消えてゆく二人、それを追う男達。果たして二人が無事に帰還を果たせたのか、それとも何者かに捕まり最悪の年越しを迎える羽目になるのか。結末は、誰にも分からない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サヤ・アーデルハイド
ソロ
アドリブ◎

ふしだらな行為に耽るのみならず、危険薬物を流通させようなど言語道断!
正義と秩序の元に、断固阻止です!

けれど今回は場に溶け込まねばならない状況。
「はしたない店で男性との逢瀬を求めるふしだらな恰好(=アメスク)」について調べ、変装して潜入です!

男漁りに来ている、と思われて不愉快極まりないですが、声をかけてくる男達に生真面目に対応しつつ、薬物について話を聞きましょう。
勿論、不審な行動や怪しげな物には警戒して…
いたはずが、薬物混入飲料で前後不覚に(以前も同じパターンに陥ったのに学習していない)。

『男』と『クスリ』両方を求めていると見做された私は、男達に囲まれ、薬物を打たれ。
このままではいけない、と(男曰く「さっきまでと大差な(くはしたな)い」)光凛聖姫の姿に変身すれど、薬物の影響のせいで華麗な逆転など到底叶わず、男達に敗北して強制変身解除。
時間を忘れて代わる代わる、何度もオトコとクスリ、双方の敗北の証を注ぎ込まれます。

けれど、これで一般客への被害が抑えられるなら、本望です…よね?



 薬物と劣情が織りなす退廃の闇に、光を掲げるが如く。その猟兵はクラブ『ベリズベル』へと踏み込んだ。
(ふしだらな行為に耽るのみならず、危険薬物を流通させようなど言語道断!)
 彼女の名はサヤ・アーデルハイド(光凛聖姫アーデルハイド・f32152)、風紀と秩序を守る風紀委員にして、正義の心を以て平和を守るヒーローである。
 此度の装いは、風紀委員の肩書には似つかわしくない煽情的なアメスク姿――本人曰くはしたない店で男性との逢瀬を求めるふしだらな格好――だが、此は場に溶け込む故に必要な措置。豊かな双房が半ば晒け出された胸元、油断すれば忽ち丸く張り出した臀部が露となってしまう短すぎるスカート、いずれも少なからぬ羞恥を催す装いであるが。
(正義と秩序の元に、危険薬物の蔓延は断固阻止です!)
 溢れる正義の心で以て抑え込み、堂々と店内へと踏み込んでいった。

「へへっ、オレの息子と遊んでやってくれねぇか」
「いやいや俺が先だぜ。天国見せてやるけどどうよ」
 入店するや否や、あちらこちらから男が群がり、卑猥な行為を誘ってくる。中には既に『得物』を取り出し臨戦態勢の者すら居る。
 そんな男達の余りにも露骨な様子は、己もまたそれを望んで此処に居る、と見做されているからだろう。男達の態度と認識の双方が不愉快、と柳眉を顰めるサヤであるが。
「いえ、その前に皆さんにお聞きしたいことがあります」
 応える声音は常と変わらず毅然と、生真面目に。装いとの間にギャップを覚えたか、男達は驚いた様子を見せたが、一先ず彼女の言葉を聞く意志はあるらしい。
「この店で、今まで見たことのない薬物とか、今日ここで販売開始されたという薬物があったら、是非教えて欲しいんです」
 即ち問題の薬物を見つけ出す為の情報収集。だが、サヤの言葉を聞いた男達は、皆一様に納得したような表情で頷いた。どういうことか、とサヤが怪訝な顔をするのとほぼ同時に。
「なるほど、お嬢ちゃんはそういうことか」
「随分とまあ欲張りだねぇ。いや若いからそういうモノかね」
「え!? あ、いや、その……」
 己らなりの理解を口にする男達。どうやら、純粋に問題の薬物を欲していると見做されたらしい。思わず弁明しようとするサヤだが。
(……いえ、そういうことにした方がスムーズに事が進むでしょうか?)
 否定すれば怪しまれるし、何よりこの場は薬物を欲する者の集う場所。郷に入っては何とやら、だ。
「……はい。新しいお薬の噂を聞いて、どんなものなのか気になりまして」
 そうと決めれば肯定の言葉に迷いは無く。男達が一様に「だよなー」と言わんばかりの表情で応えるのが腹立たしいが、今は我慢。
「それなら、あっちのテーブルで見慣れねぇ売人が広げてた気がするな」
「あっちですか、では早速……!」
 男の一人が答えるのを受け、駆け出そうとするサヤだが。別の男が呼び止めるのを聞き足を止める。
「まあ待てよ。色々喋って喉乾いただろ。これ飲んでから行きなよ」
 呼び止めた男が差し出すのは、爽やかな橙色の飲料が入ったグラス。このような男から供される代物、明らかに怪しいが。
「それは有難いです、ではいただきます!」
 サヤ、迷いなくグラスを受け取り一気に飲み干してしまう。不審な行動をする男や怪しげな物品には警戒していたサヤだが、目標発見で気持ちが逸ってしまったのだろうか。
「ごちそうさまで……あ、あれ、頭が……」
 そして案の定、頭の中が霞がかったように思考がぼやけ、足元がふらつき始める。以前も同じパターンに陥ったにも関わらず、そこから学べていないサヤであった。
「へへへ、あんなのじゃなくても良いクスリはここにいっぱいあるぜぇ?」
「好き者の嬢ちゃんには、たっぷりサービスしてやるからなぁ……っと」
 ふらつくサヤを取り囲み、四肢を捕らえる男達。取り出した注射器アンプルを首筋に押し付ければ、薬液が体内へと流れ込み、異様な熱が全身を苛みだす。
(こ、このままではいけません……! こうなれば!)
 何とか状況を打開せんと、その手を頭上高く突き上げる。直後、その身を光が包み、男達を驚かせる。
 光の中で、纏っていたアメスク衣装が光に溶けて混ざって形を変えて。やがて収まる光と共に、サヤの身へと纏われたその姿は。
「光凛聖姫ただいま参上……! これ以上の狼藉は、許しません……!」
 即ちヒーローとしての装いである。口上と共に身構えるサヤだが、男達の視線は相変わらず好色なもので。
「へぇ、こいつもまた随分とスケベな格好じゃねぇか」
「さっきのも良いが、こっちもエロいよな」
 そのコスチュームもまた露出度の高い代物であるが故か、先程までと大差な(くはしたな)い、というのが男達の反応であった。ヒーローとしての誇りたる衣装をそのように見られては、サヤとしては堪ったものではない。
「ふざけないでください! そんなふしだらな殿方にはお仕置きです!」
 拳を振るい、男達へと殴りかかるサヤ。だが――

「あうぅぅっ! そ、そんな、こんなことが……っ」
 男達に手近なソファへと引きずり倒されるサヤ。その身には最早コスチュームは無く、元のアメスクを胸元も下腹部も露とされた恥ずかしい姿へと至らしめられていた。
 変身前に打たれた薬物のせいで、サヤの肉体は熱く疼き、四肢には力が入らず。本来ならばオブリビオンにも通用する拳は、ただの一般人である男にすら止められる程に弱体化していたのだ。
 よって容易く敗北した彼女は強制的に変身を解除され、現状へと至らしめられたのである。
「いやぁぁっ! やめ、やめてください……っ!」
 こうなれば、彼女は最早ただの無力な少女である。どころか、成熟した肢体を無防備に晒け出す、欲望満ち満ちた男共にとっては格好の餌ですらある。
「素直になれよ、ヤク中ビッチちゃんよぉ」
「暴れられねぇように、しっかり調教してやらねぇとなぁ」
 勝手なことを宣いながら、更なる薬物を手に迫る男達。最早、サヤに抵抗の術は無く――

 そのまま、何時間となく、入れ替わり立ち代わり、男達の欲望と数多の薬物――双方に対する敗北の証を、延々と注がれ続けたのである。



 などということがありつつも、クラブ『ベリズベル』に持ち込まれた骸の海配合ドラッグはその全てが回収・処分された。
 サイバーザナドゥの聖夜に迫っていた惨劇は、こうして未然に防がれたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月03日


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト