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道場破り、斬り捨て御免

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●戸平流道場
 とん、
 ころり。
 なぁんて、
 猫が鈴鞠を弄ぶように軽やかな音立てて、戸平流道場の中央から師範戸平正三朗の首が転がった。
 鮮血にて黒装束に彩り咲かせた男は一切の感情の揺らぎなく、首切りした侭短刀をぴくりとも動かさない。
 本当に一瞬の出来事であった。
「……ひ、ひぃ!」
「お師匠さんがぁ」
 震え上がる弟子どもを前に、同じ黒装束を幾人も連れた深紅の鎧武者は呵呵と大笑する。
「なんだなんだぁ? 1対1の手合わせなんて生ぬるいやり方にあわせてやったらこの体たらく! 天下太平堕落恥ずかし」
 刀身剥き出し幅は通常の三杯はある刃を床に刺せば、屋台のかるめやきの如く砕け散る木片。
 嗚呼、やけに量が多いと思ったら弟子等の身体四散無惨。武力の放つ衝撃波にて、生ある者は其れを無理矢理強奪された。

●グリモアベースにて
「お主ら、よう来てくれたのう」
 ざんばらの白髪は朽ち木のように水気失い、眼帯無き側の眼光は厳かさ醸し出す、明らかに殺伐が似合う老人の声はしかし見目からの印象より遙かに穏やかであった。
 久礼・紫草(死草・f02788)は黙礼を1回、集まった仲間への感謝を示すと予知の中身を語り出す。
「サムライエンパイアのある町に剣術道場があってのう、そこの師範の戸平正三朗は、大層礼儀正しく弟子達にも慕われておる人格者であった」
 ――その命が、絶たれる。
 ――弟子達もついでに、鏖(みなごろし)
「まぁの、例えば武人の某が茶屋でおなごに絡んだ所をきまじめさから窘めれば恨みを買った、それで道場破りと称しての殺り合いなら嘴を挟みはせぬ。そんな生き死にごとはよくある話じゃ」
 物騒な話を泰然自若、立て板に水の如く口にする老人は、髭に隠れた口元に、にぃと確かに弧を描いた。
「そんなものでお主らを呼びたてはせぬ。この『道場破り』は過去からのならず『オブリビオン』の仕業じゃよ」
 ならば看過できぬ。
 狩らねばならぬ、猟兵ならば。
 紫草の眇めた眼差しには羨望が滲む――斬りにいける皆が羨ましい、と。後顧の憂いなく戦場に行けるよう前には出れぬから。
「敵はまずは『妖魔忍者』じゃ。1対1でやりおうてくれるようじゃからのう、つきおうてやるがよい。
 お主らであれば、其奴らを打ち倒し此度の騒動を仕掛けておる『戦国武将』の滝丸を戦いの場に引きずり出せるじゃろう」
 滝丸は、身の丈五尺もあろう巨漢の武将だ。
 その体躯で振り回す愛刀は一騎で百を狩ったとか、寄るもの全て葬る無敗の武将と謳われたそうな。
「骨が折れるやもしれぬが、お主らの力をあわせ注げば必ずや討ち取れる」
 ここで老人はふ、と気配を緩める。
「晴れて斃すこと叶ったならば、年始の祭りで羽根を伸ばすのもよいのう」
 賑やかに立つ屋台で飲み食い愉し。
 雪がまるで桜吹雪の如くつもる樹があり、まだ遠い春を寿ぐのもよかろう。

「人様の御命頂戴と斬り掛かれるのは、負けたら斬り捨てられると覚悟ができておる者だけじゃ」
 忍者たちは人の心置き忘れ覚悟すらできぬ。
 滝丸は奢り高ぶりやはり覚悟など縁遠い。
「……そうは思わぬか?」
 そう締めくくり、老兵は戦い望む者たちを戦場へと送り出す。


一縷野望
 オープニングをご覧いただきありがとうございます、一縷野です。
 さて「純戦」「純戦」「お祭りお楽しみ」の3章構成でお送りいたします。
 全ての章、提示される「POW、SPD、WIZ」に囚われず、あなたらしく愉しんでください。
 登場したい章にだけの参加大歓迎!

●全ての章で共通『誰かと一緒に描写希望』
 複数で一緒に戦いたい・お祭りに行きたい場合は、それぞれのプレイングの冒頭に【】で囲ってのお相手の名前かチーム名をお願いします。
 例)【久礼紫草】と参加/【雪花】の皆で 等。

●第1章
 妖魔忍者との1対1の戦いです。
 基本的におひとりずつ描写しての一人一殺、格闘ゲームのイメージが近いかもしれません。
(友人やグループと一緒に戦いたい場合は、上記にのっとって【】でご記載願います)

●第2章
 ボス戦国武将相手の戦いです。
 おひとりおひとりかある程度まとめて書かせていただくかは、皆さんのプレイングを受け取ってから決定します。

●第3章
 年始の屋台が出るお祭りでのお楽しみです。
 飴細工作ってもらったり、雪花見したり……。
 屋台はサムライエンパイア世界らしいものであれば大抵あるので、プレイングでご指定いただければと思います。
 こちらは三日間で書けるだけの人数を描写できればと考えています。
 1、2章目の戦闘不参加の方も、気兼ねなく遊びにきてください。
(ただ書いてみないとどれだけいけるかわからないので、流れてしまったら本当にごめんなさい)
 紫草は祭りで熱燗飲みつつ雪桜を眺めております。なにかあればお声がけください。
(PCさんからの絡みがなければ紫草の描写はありません)

 以上、それでは良き戦(と、愉楽)を。
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第1章 集団戦 『妖魔忍者』

POW   :    忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

田抜・ユウナ
●心
タイマン、ね。戦ってやろうじゃないの。

●戦
黒革ジャケットの胸元が裂かれ、お気に入りの伊達メガネが砕けるのを見て舌打ち。
速い!
忍者のスピードについていけない。真の姿が使えれば見切ることも可能だろうが……やるしかない、か。
背負っている妖刀を封印する呪帯の留め金を外し、爆発的な妖気をまとう。
互いに目視の及ばぬ超加速。無人に見える空間で、足音や剣戟だけが鳴り響く。
「チェストッ!」
上段回し蹴りが敵の斬撃と衝突。
ハイキックは軸足が狙い目と言われるが……その”軸足”で蹴り上げる。
「飛び二段足刀斬り!」
 倒せたら、血の混じった咳をしながら妖刀の再封印を。

●他
徒手空拳
妖刀の怨念に蝕まれ、時間経過とともに吐血



電光石火とはこの事であろうか。
 田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)の仰向けの視界では、透の欠片が赤の翼で羽ばたいている。
 より事実に即した言い方をするならば、伊達メガネが砕け衝撃による裂傷は夥しい出血を強いている、である。
 死合い開始直後、先程まで両手を足して伸ばしても届かぬ位置にいた黒装束は、今は此方の顎を突かんと刃を天上へと向けている。
「……ちッ」
 その侭逆立ちに手をついて宙返りで距離を取る。刹那ユウナの身体が異様なる妖気に包まれた。
 其処からはもう彼女も人外の速度へ至り、道場は傍目には無人。
 たまに床に散る血液と、素材の違う黒の衣だけが、彼らの激闘を語り示す。
 ――さぁ、人生を狂わせた怨念が命の助けとなる皮肉。あと何度経験すれば解放されるのだろう?
「チェストッ!」
 平行に平然と斬りつける刃を踵で止るユウナは、忍びの左手が低空攫い軸足を掻き潰しに来ているのを察知する。
「ハァッ!」
 ガンッ!
 だが軸足は床を離れその腕を跳ね上げ駆け上り、奴の頭へ痛打を見舞う。
 飛び二段足刀斬り、決まる。
 玩具人形の首の表裏を違えてつけたようにねじれ斃れる忍びの傍ら、咳こみ喀血。戦いではない血で汚れた柄を握りしめ、ユウナは妖刀を鎮めた。
 ――勝負あり! ユウナ!

成功 🔵​🔵​🔴​

シエラ・アルバスティ
「Hey汝! 剣術道場の娘としてこの件は見過ごせないね! そうだ、君の名を聞いておこう!」

 多分名前とか無いんじゃないかなと思いつつ返事の後にユーベルコードを発動

 『天狼牙』の重力操作で剣を軽くして重さより速さを重視する
 途中から相手にこちらの戦闘スタイルに慣れさせない様に『天狼牙』の中心を分離させ二刀流

 靴の『ザ・クロノス』の停止能力を駆使して攻撃や突撃に時間差を作り敵に対応させ辛くするよ!
 『エーテル・ストリングス』では障害物の有る所では罠にしたり壁にしたりする
 遠距離では地味に『ダガー』を投げて牽制!

 ここぞという時にユーベルコードの羽を一枚ずつ連続で飛散させて六連撃で一気にカタをつける



「Hey汝! 君の名を聞いておこう!」
「んー? ワシの名は……」
「汝には聞いてないよ!」
 得意満面で割り込む赤武者鎧はにべもなく断絶、シエラ・アルバスティ(自由に生きる疾風の白き人狼・f10505)が見つめる先は此度の死合い相手の忍びだ。
 しかし黒装束は予想通り声無く鬼火で返す。
 はたり、はたり。
 衝撃に耐えられず裂ける脇腹、あと数分で絶命か。
「その技を汝の名として憶えよう」
 だから敢えて肉を斬らせ両の二の腕痛もうが躊躇わずの肉薄。
 忍びからは即座、
 シエラからは鈍重、
 機をずらされたかの如くしこたまの蹴打を喰らう忍びは、血が溢れる部位に手首を突っ込み腸引き出し振り回す。
 ぶ、
 風切り音たて血飛沫抱き粘ついた空気は再び、シエラの外枠を細かに幾重にも引き裂いた。
「つッ」
 忍者に比べて豊かな感情浮かべる娘は咄嗟にダガーを投げた。
 無造作に振り回される腸にぷすりぷすり、刺さるがもはや痛みなど感じちゃいないのだろう。
 自分の命すら厭えぬ彼の姿は反面教師。
 胴体薙がれたシエラだが、そこに既に姿はない。ただ羽根が『ひとつ』残るのみ。
 ふたつめ、
 命の塊を羽根と変じ忍びの喉を斬り裂く、それが敵の仕舞いとあいなった。
 ――勝負あり! シエラ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ボドラーク・カラフィアトヴァ
裏合わせの生と死がある故に愉しいでしょうに。
恐るるに足りない相手を斬り捨てるだけなぞ、なんとまあ、つまらないのでしょうか。

或いは死を覚悟すれば、窮鼠が猫を噛む事もありましょう。
けれど、此奴等の剣にはそれがない。命を賭けぬ技は最早、峰で打つのと同じ。
ならば、それが私を脅かすこともまたないのです。
此奴等の如何様な攻撃も、見切り、躱し続けて。ええ、壁際にでも追い詰められてから、初めて“無銘”を抜いて。
一太刀で決めましょう。

斯様な手合ならば、纏めてお相手したほうが斬り甲斐があるというものですが……愚かにも武士道精神の真似事をしている様子。
ならば、これくらい手緩くしなければ――わたしは愉しめませんから。



閉ざされた瞼の向こうの光景は、寸分違わず把握できている。
 くるり、るりるり。
 猫が動き知るじゃらしに飽いて躱す余裕の拍子で、ボドラーク・カラフィアトヴァ(さまよえる微笑み・f00583)は抜刀もせずに避け続けた。
 死線を意識せぬ太刀筋はまるでナマクラ。峰打ちと同意の其れで彼女が落命することはあり得ぬ。
 つまらない、と、心が消沈する。
 せめてそこいら有象無象纏めてお相手できるなら、まだしも命の危機が昂ぶりをくれるだろうに。
 壁を背に追い詰められた傍目すら算段含み。
 だが流石に完全無傷とはいかぬよう。薄目を灼き照らす鬼火の群れが、肩を腋を太ももを焦し、周囲には鼻つまみたくなるような独特の臭気がたちこめた。
 しかしボドラークは一歳の苦を漏らさない。彼女の関心は高みの見物しゃれ込む滝丸へ。
「恐るるに足りない相手を斬り捨てるだけで満足されるなぞ、なんとまあ、つまらないのでしょうか」
 世間話をするような柔和な揶揄に隠れ彼女の手元の鞘がほんの少しブレた。
 ちん、と、慎ましやかな音。
 ざすり、と、忍びを一刀両断するは、所作からは窺えぬほどに力ののった技。
 ……生き残るために、殺す技。
 此で仕舞いと娘は屍に目もくれずに踵を返す。
 ――勝負あり! ボドラーク!

成功 🔵​🔵​🔴​

リリサレナ・ハイヴァーン
POW
死ぬ覚悟なんてあるわけ無いでしょ
死にたくないから必死に食らいつくのよ
無駄に体力を使わないよう手を抜いて、相手の動きをよく見て立ち回る。
私の槍は生き残る槍よ。

あんたが道場主を斬った技。随分と強力な様だけど、その間合いじゃ私には届かないわ。

攻撃回数重視の戦術槍で相手の間合いの外から槍の素早い連撃で牽制するわ。
相手の動きをよく見て。刀を弾いたり、相手の動きたい方に槍を刺し込み、相手のペースを作らせない。
そして隙を見て攻撃力重視の一突きで仕留める。
【早業、視力、見切り、野生の勘、カウンター】

ふぅ……

親玉も控えてるし、危なげなく勝つわよ。




 死ぬ覚悟などないと確固たる信念抱きしリリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)
 その堅牢なる意志は彼女に人としての形を取らせるに至った。
 紫草の語りから察知した相手の距離、忍びが詰めようものなら黒百合は容赦なく咲き誇る。
 敵の爪先穿ち、引く。
 振り下ろされる刀は弾き上げ、無様にあいた胴体一薙ぎ。
「その間合いじゃ私には届かないわ」
 銀糸翻し危なげなく槍振う娘は息も乱さずそう吐いた。優美な余裕は目の前の忍びとは別の方向の物品めいた清逸を感じさせる。
 ……がらん。
 そんな相手に対して、黒頭巾は無造作に忍者刀を投げ捨てた。唐突な無法にリリサレナの眉が跳ね上がるが、不快は警戒へすぐに変化する。
 す、と……忍びの姿がかき消えたからだ。
 目視できぬなら頼るは、勘。
「――そこっ!」
 黒百合反転、背中越しの一撃。それは忍びの頬を掠めたに過ぎないが、敵の手刀の勢いは確実に削いだ。
 背骨越しの内臓叩かれて、唇の端から伝う血筋は1本。1本で済み故に即座にくるり振り返り渾身の一撃を見舞えたのは『そういうこと』である。
 火の中に放り込まれた虫の如く痙攣していた忍が止まったところで、リリサレナは構えを解く。そうしてたっぷり染みた血の赤を半目で見据え、嘆息。新たなる赤は、また黒百合の花びらと為り、恐れを呼ぶのだろう。
 ――勝負あり! リリサレナ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

直枝・月冴
律儀な忍者もいたものだ

【コミュ力】を駆使して戦う気の無い素振りを見せる
無論こんな異世界の服では警戒するだろうけどね

「やあやあ。異国から来た者でね、驚いたよ。これが噂に聞く忍者とやらか。僕にも忍びの術をご教授願いたい」

と、賞賛しながら【催眠術】をかける
敵は色々と仕込んでいるようだからね
敏捷な【盗み攻撃】を仕掛け
手裏剣とか忍び刀とか
相手の武器になりそうな物を奪おう
奪取に成功したらそのまま使わせてもらう

それに気付くのが忍法鎌鼬発動後なら理想的だ

少しでも相手の表情に疑問の色が伺えたら
体内に眠る触手を放ち相手を拘束する

仕事は1秒でも早く片づけたいのでダガーで相手の急所を徹底的に狙う
慈悲は無い



透明な箱の中に殺伐が充ちる中、其の笑みは奇異なまでに柔和であった。
「驚いたよ。これが噂に聞く忍者とやらか。僕にも忍びの術をご教授願いたい」
 直枝・月冴(人間のUDCエージェント・f10120)の友好的な立ち振る舞いに忍びは無情の鬼火を浴びせる。
「なるほど、身を持って喰らい盗んで会得しろ、か」
 流石と褒めそやす月冴の唇滑らかに、手袋と袖の内側に夥しい火傷を喰ろうても変りは、しない。
 忍びもまたお喋り男へ侮蔑も浮かべずにまた焔、更には腰へと手を伸ばす。
 が。
 一瞬、硬直。
 あるべきものが、其処にない。
「お探しのものはこれかな?」
 すらり、鞘から抜いた忍者刀を翳し悠然。忍びは答える代わりに背に隠した鎖鎌へ手を伸ばす。
「それともこちら?」
 がとん。
 重たい音たて月冴の足元に転がったのは、まさに手が求めた己の得物。
 言葉の拍子や視線の動きにて幻惑し隙を作り、盗む、それが月冴のやってのけたこと。
「鎌鼬は鎖鎌なくと……」
 も、発動可能――とでも続く筈だったのだろう。だが臍で一直線に上と下が物別れであれば、それも叶わぬ。
 息を止めるのが此度の仕事であれば一瞬で為される、それが月冴の道理。
 口元には相も変わらず微笑みが張り付いている。
 さぁ其れなのだが、果たして今息の根を止められた使い捨てで任務のみを頭に詰める忍びと、相違は何処にあるのだろうか。
 ――勝負あり! 月冴!

大成功 🔵​🔵​🔵​

月凪・ハルマ
こう見えて、俺も忍の端くれだったりするんだよね
なんで忍者が相手となると、ちょっと負けてられないな

とはいえ、まともにやりあうのはちょっと面倒だな

なのでまず初っ端に【大神召喚】でこちらの戦力を増やしてから
召喚した黒狼との連携で相手を仕留めにいこう

序盤は相手の脚を集中的に狙い、機動力を削ぎにいく
上手く動きを鈍らせたら、後は相手の【忍法瞬断】を喰らわない様
一定の距離を取りつつ手裏剣で急所狙い(【暗殺】持ち)
に徹するつもりだけど、大きな隙を見せるようなら
魔導蒸気式旋棍で一気にフルボッコにします

相手からの攻撃に対しては【武器受け】【見切り】で回避を試みる
遠距離攻撃も豊富だからな、離れていても油断はしない




 月凪・ハルマ(ヤドリガミの化身忍者・f05346)へ振り下ろされる刃に散りしは血だけではない、硬く黒い獣の毛が大半だ。
「まともにやりあうのはちょっと面倒だしな」
 ハルマを庇い傷ついたのは招聘した黒狼。
 唸る獣の影から射出する手裏剣こそが本命。足元へと重ねて機動力を奪う策である。
「……ふっ」
 忍びは手元に呼んだ焔に息を吹きかける。さすれば数多に増えし其れら多方よりハルマを焼き炙る。
 ギリギリで身を直角に沿わし避け、横目の焔も刻み払う。だがそれが全てではなく、道場には肉の焼ける匂いが充ちた。
「ちっ、キリが無いな」
 タタッと床を蹴る音を聡く拾い手裏剣で牽制し距離を取る。
 ハルマもまた忍び。
 油断はせずに丁寧に技を重ねることを怠らない。
 先に焦れたのは敵忍者、斯くなる上はと加速し大技を見舞い、結っする!
 と、ととん、とん。
 ぱ、ぱたた、ぱたり。
 足の拍子は軽やかに、自ら削いだ腸捨てて身軽に一気にハルマへ肉薄。
 背中の忍者刀の鍔がこすれ啼いた刹那、ハルマは奴の顎へトンファを捻り込んだ。
「ぬ」
 どったん。
 バランス崩して忍者刀が叩きつけられた場所には既にハルマは、いない。
 黒狼にまたがり放射線状に離れ即座に直線で、戻る。
 ゴッ。
 移動の勢いのせた打撃が道場全体を打つ太鼓の如く響くこと、しばし。
 音が止んだなら、膨れひょっとこのように打撃で人相を変えた忍びだったモノが転がるのみ。
 ――勝負あり! ハルマ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

スーリア・マクスティス
忍者怖いですね。
むむぅ。一対一ですか。緊張します。

武器はドラゴンランスです。
付きが主体の武器です。相手の機動力に負けないように槍で敵の攻撃を防ぎつう上手く当てなくてはいけないですね。
むう、劣勢になりそうですね。そうなったら【ライオンライド】用いてライオンさんに期待です!
ライオンさんにのってそこから攻撃するのです。
うまく攻撃を合わせられたら良いですね。連携大切です。
助っ人呼んだと思われたら応援が来たらピンチですが此しか手が無いのです。
頑張りますです。

皆様強いのかなぁ?応援とかいいかな?
皆さんがんばれー。雰囲気的にだめそうでも心の中でがんばれー。
でも皆さんの戦いで動きとかきちんと学びます。




 猟兵仲間が戦っている間は心の中で全力の応援、勝ちが決まれば自分のことのように大喜び。そんなスーリア・マクスティス(人狼のビーストマスター・f10916)の番がとうとうやってきた。
「むむぅ」
 緊張で唇を切り結び、ぎゅうと握った槍の切っ先を前方に構える。
 一方の忍者は同じ姿の者どもが血祭りにあげられようが怯みなく。スーリアを袈裟に刻む。
「……これは、中々」
 ビリリと頬から瞳の横にかけて刻まれた刺激を得る、殺気が与えた幻痛。終ればどちらかは息の根が止まる戦いのみせる殺意。
 今まで戦った皆もこれを踏み越えてきたのだ。
「くっ」
 加速の鎌鼬を辛うじて弾き避け、反動で後ずさって距離を稼ぐ。次の一打が来る前に起死回生を計らねば!
「ライオンさん、お願いしますです!」
 百獣の王を招聘し、スーリアはすぐさま飛び乗った。前方から放たれる無数の焔をものともせずに、輝く鬣靡かせ獣は征く。
 鋭い爪は忍びの胴を掻き取り、忍びは其れすら利用し引きずり出した腸にて軽くなった身で衝撃の波を放った。
「……ッ! ありがとうございます、ライオンさん」
 庇ってくれた黄金の背を踏みきり跳躍。落下の勢い任せにまず突きたったドラゴンランスを、引き抜き獣の爪痕をなぞり斬り裂いた。
「……ッ」
 敵の刀を握る腕が引きつるのにスーリアは槍を盾代わりに構え供える。
 しかし痛みが来ることは、なかった。
 ――勝負あり! スーリア!

成功 🔵​🔵​🔴​

神々廻・夜叉丸
忍びの、恐らくは乱波の類いか
おれはお前達の在り方に是非は問うことはしない
だが、自然の道理を歪めるその振る舞い……在り方までをも見過ごす事はできない
それはおれが猟兵であるが為。故に、斬る

相手の攻撃を【見切り】、ひたすらに好機を待つ
対応できない動きには【第六感】を用る
敵が精神を研ぎ澄ませた必殺の一撃を放つことがあれば、それを避ければ隙も生まれよう

隙を見せたなら【忍び足】で死角へと周り、【暗殺】と【鎧無視攻撃】を用いて、一刀のもとに斬り伏せる

おれは誇り高き武士という訳ではない
故に、死合うのであればその過程など気にしない
如何な振る舞いも、卑怯と糾弾することはない
一方が生き、他方が死ぬ。ただ、それだけだ




「忍びの、やはり乱波の類いか」
 と、神々廻・夜叉丸(終を廻る相剋・f00538)が宣うた時には既に、三度相手の切っ先を躱した後であった。
「おれはお前達の在り方に是非は問うことはしない」
 ならば何故? そう返す精神性の欠片は、彼らには残されてはいない。速が通じぬならば力と、肩肉なますに斬らせ詰め寄るのみ。
「ならば何故しゃしゃり出る? この小童が」
 代わりに喚くは滝丸。
 少年の姿をした者の達観は時に見下しと取られることもあり、此度は奴に刺さった模様。
 ……どん。
 力任せに床へと押される夜叉丸に場外の其れに喜色が浮かぶ。
「自然の道理を歪めるその振る舞い……在り方までをも見過ごす事はできない」
 さぁところで、この刀技は相手を押し倒す柔道めいたものだったか? 切断の手応えなき刀身に呑まれた息は至近距離、即ち、夜叉丸の領分。
 ふ、と。
 更に消えてしまった手応えに忍びは狼狽える。先程まで頭領と生意気な口を効いてい餓鬼が、いない。
 とす。
 背中から鎧の隙間を縫って通る細い刃、肉にめり込み急所に達する音は、さながら雪の上に落ちる枯葉のようだ。
 柔らかく、乾ききっていて、生への渇望は潰えた後の祭り。
 ちなみに、一連の所作行う夜叉丸の足音は、雪一片より無音であった。
「それはおれが猟兵であるが為」
 其処に武士の誇りはない。
 死合いと相成ったのであれば、一方が生き、他方が死ぬ。ただ、それだけだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユエ・イブリス
一対一だなんて中々に潔い、気概は悪くないね
でも、すまないね。私は力仕事は向いていないんだ
それに飛び道具なんて小賢しいじゃないか?
炎はあまり好きではないんだよ

「さあ出番だ。我が同胞、我が愛しき銀の姫」
【雪姫顕現】で氷姫を喚びだそう
目映く美しいだろう? 故郷の伝承だ
地上に降りて人を愛し、人に裏切られた氷雪の娘
天に帰った後は心閉ざし、涙と吐息さえも生命を凍らせるという
「君が私でないものを抱くのは、些か癪に障るけれど」
あれを凍らせてくれないか。私の願いだ、叶えてくれるね

この【呪詛】はおまけだよ
身体が端から凍り付き、身動きならぬ末砕け散る
我がことながら、心が狭い自覚はあるんだよ
(優雅にアドリブOKです)




「勝負あり!」との直前の死合いの殺伐をまるで雪が全てを覆い隠すように、その貴人が佇むだけで血生臭い道場は清浄なる地に変じた。
 そんな、錯覚。
 ユエ・イブリス(氷晶・f02441)の傍らに咲く雪花一輪は、寂莫と不信で頑なに心閉ざす姫君。
 愛し人に掌返され天に出戻ったと流々語る間に、忍びは血で曇った刀を額に翳し焔を寄せる。
「君が私でないものを抱くのは、些か癪に障るけれど」
 穏和な声音の嫉妬に送り出された雪白の姫は男の元へ。焔増やす額の辺りへ静々と凍えた指を伸ばした。さすれば焔は全て氷に綴じられ、落下。
 封印の呪詛はおまけと口元に弧を描く貴人はなぁんにもしない。
「飛び道具なんて小賢しいじゃないか?」
 厭う侭に焔は作るそばから氷粒となりて降り積もる。
 頭巾から覗く目元に霜が降りガチリガチリと歯が鳴るのを制御できぬ。
 ……ガヂリッ。
 舌を噛み戻した正気にて忍びは衝撃波を放った。衣裂かれ出来た傷はまるで雪に不作法に轢いた車輪の跡。
 ユエの形良い眉直下、暖か色の柘榴は氷点下に冷えすさぶ。
「本当に無粋な。我が愛しき銀の姫、抱擁も彼には過ぎる」
 刹那、雪姫はふぅっと諦観と不信孕む眼差しで忍びを見据え、口元に笑みをつくった。
 其れは其れはユエと似た、凜然にして微笑みに相反する拒絶を提示する、微笑。
「……ふ」
 吐息は狂気にして凶器。
 肉体から氷という物体へ変じた忍びがゴトリ横倒しになるのを背に、姫はユエの元へと還るのであった。
 ――勝負あり! ユエ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

玖・珂
紫草が申しておった例えが理由であったとしても
料簡が狭いと断じるが
己の欲を満たすため、力に任せて奪うものは虫酸が走る

羽雲を手元へ呼び寄せ、片目に花を咲かせたならば
――先ずは其処の先鋒、覚悟せよ

第六感が告げれば楽な事はないがそうもいくまい
視力、情報収集で敵の動きを観察
ジャンプやダッシュ、クライミングで出来るだけ攻撃を避け距離をとるぞ

操作というのは集中力を使う
鬼火が集まり視界塞がったなら好機
あちらにも私は見得ておらぬのだろう?
少しだが火炎耐性もある、一息に炎の壁を破り接近
長杖の石突で忍者の鳩尾を穿つぞ

防がれたら2回攻撃の続きだ
体躯を翻す勢いのまま長杖の手元側でこめかみを叩伏せるまで

――次は大将だな




 己の欲を満たすため、力に任せて奪うものは虫酸が走る。
 玖・珂(モノトーン・f07438)の鴉羽の瞳が向いたのは果たして場外の滝丸か。其れとも矮小な誇り護る為に命奪う『ありがち』な輩へか。
 すり足で距離詰める敵を眼前に、珂は悠然と掲げた指に白き翼持つモノを止まらせる。
 初手から全力、全身を刀と化して力のせた忍びの一振りは、だがしかし白き花を散らすに留まった。
 黒曜の脇に咲く花は未だ咲き誇る、夢幻の花。
「羽雲」
 ひゅと猛禽だった杖を振い空間作りて観察に入る。
 距離を取るのならばと、忍びは自らの腹を掻っ捌き腸を引きずり出した。蛇腹にのたくるそれを振えば命数削り、同時に珂の花抜け額へ十字の傷を刻みつける。
(「成程、速い」)
 だが腸という奇異な技遣いに呑まれなければ羽雲の拍子で軽減可能。
 忍びもそれを悟ったか、人差し指を眉間に沿わせた。
 1が4、4が7、7が12……出鱈目に増えた鬼火で視界が塞がったその時を、誰が好機と踏むだろう?
 忍びだと皆は言うだろう。
 だが、好機と踏むは、珂。
 鬼火が肩から腕、太ももと自分の外殻灼くのも厭わず駆け抜け、真っ直ぐ石突きを突きだした。
 がづ。
 柄で止めるも衝撃より指の骨が破砕、更に容赦など一切せず珂は踊る。虚空に最小限の弧を描き、握り込むよう素早く持ち替えた手元をこめかみに捻り込んだ。
 線香花火めいた儚さで消える鬼火が敵の絶命物語る。
 ――勝負あり! 珂!

大成功 🔵​🔵​🔵​

白銀・小鳥
「斬りたくなるのは刀を持つ者の呪いですね」
愛刀の柄に触れてそう口にする小鳥の顔にも隠し切れない感情が滲み出ている。

「私の刃がどこまで届くか試してみましょうか」
身長23.9cm、大太刀の刀身30cm、フェアリーでありながら飛行は苦手。
羽が使えないわけではないので跳躍で回避もするが地に足をつけての戦闘で、出来る限り低い位置を保つ。
小さな体を活かして密着するほど接近することで敵が技の狙いを付けにくくする。
回避に専念しつつ隙があれば手の届きやすい足を狙って斬り付ける。
相手の体勢を崩ずして確実な隙が出来れば回避を捨てて跳躍「剣刃一閃」で首筋を狙う。
「人の首くらいならばこの小さな刃でも届くのですよ」




「斬りたくなるのは刀を持つ者の呪いですね」
 例え生きる為だとしても、血で染まる恍惚が生まれた時点で呪いでしかない。
 白銀・小鳥(フェアリーの剣豪・f07052)が手にするのは、育て親が戯れに作った刀。身長を上回る七寸九分、忍びの顔より少し長い程度だ。
「私の刃がどこまで届くか試してみましょうか」
 膝丈ほどの相手だろうが、忍びは一念不動の心持ちでドスリドスリと刀を突き立てる。
「くっ」
 肩から串刺し、傍目は必殺。しかし小鳥はそれしきで壊れる程柔な心身をしてはおらぬ。
 纏わり付き敵の足すら盾にして二振り目は躱し、同時に腱を傷めるように斬り抜けた。
 疎ましさまじりの忍びが口元で呪詛を丸め形為すは、鬼火。執拗に追う焔にて必死にはためく羽根は焼け焦げた。
 だが転んでもただでは起きない。でんぐり返りで足につかまり、再びふくらはぎに小さくも深い疵を穿つ。
「参ります」
 焔をパッと斬り割りて、その隙間へ飛び込んだ。腰にさした二振り目の柄に華奢な血印つけて、更に跳躍。
「!」
 見開いた瞳に映るは、己より大きな刀を構え躰を捻る小さき者の姿。
 くるり。
 発条が離されまわりだすように振われた刀は、忍びの喉仏を斬り裂いた。
「人の首くらいならばこの小さな刃でも届くのですよ」
 ――勝負あり! 小鳥!

成功 🔵​🔵​🔴​

美星・アイナ
悪いけどあんたに構ってる時間はないの
御用があるのは御大将ただ独り

「・・・我が死出の舞、赤水晶の煌めきと共に。冥府への土産にご覧あれ!」
ペンダントに触れて死出の舞を司る踊り子に人格シフト

軽く二、三度拍子を取る様にステップを踏んだ後
舞い踊る様な足取りで蹴撃しつつユーベルコード詠唱
攻撃時はフィールドの地形効果を有効に使い燃え走る炎の様に
縦横無尽に駆ける

序盤赤水晶の欠片は複数操作
遠近どちらからの攻撃が来た場合可能な限り相殺出来る様に対応

相手の体力が3分の2以下目処で欠片を収束し射撃
自分も脚元への【スライディング】からの【2回攻撃】でダメージ付与

さっさと出て来な、総大将
次は、あんたよ(冷たく笑んで)




 燃えるような赤毛の娘美星・アイナ(インフィニティアンロック・f01943)は、滝丸へ鋭い視線を飛ばしペンダントを握りしめた。
「……我が死出の舞、赤水晶の煌めきと共に。冥府への土産にご覧あれ!」
 踊るのは、好きだ。
『私』がダンスなら、踊り子は『舞踏』だ。
 馴染ませるように床を叩く踵、身を全て舞踏に傾ける。
 くるり。
 踊りの相方誘うよにのべられた腕は肩をつかみ、耳元で囁くは――。
「地に落ちた血涙達、姿を変えて此処に集え……」
 ユーベルコード。
 忍びが放つ焔がケダモノならば、踊り子が持つ焔は宝石。それぞれに食い合い相殺しあう。あぶれた焔を浴びれば、娘の舞踏はますます高ぶる。
 キリが無いと焦れた忍びは鞘を捨てて刀をすらり。
 たっ、
 露わになった刃に踊り子は飛び乗り攻撃封じ、
 ととん、
 脳裏の音楽に合わせ宙返り爪先で顎を掬い上げて酩酊へ。
 ――優美な夢の舞台も必ず幕がおちる。
 音楽は拍子を速め、踊り子の周囲を漂う宝石達は頭上に翳された掌へ収束する。
 打ち払いに掛かる忍びだが、片足抜かれた人形のように、傾いだ。
 足払いは踊り子から、背中越しにパチンと指を弾けば宝石が眉間に打ち込まれ、終焉。
「はっはっはぁ! こりゃあなまめかしくて見事なもんを!」
 目尻を下げた滝丸の拍手へ、
「さっさと出て来な、総大将。次は、あんたよ」
 冷たく返すは果たしてアイナか踊り子か。
 ――勝負あり! アイナ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

涼風・穹
【心情】
……まあ、自分が強いと"思い込みたい"のなら、誰かを斬るのが手っ取り早いわな…
だけど、撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけ…ってね

【戦闘】
サムライブレイドを構えて正面から斬り掛かる
……ある程度斬り合って剣術で勝負にならなさそうなら、出来るだけ無様に映るように相手の攻撃を受け続けて体勢を崩して止めの一撃を誘う
そこで相手が勝ちを確信して斬る瞬間にレプリカクラフトで俺の服を着た丸太でも作成して身代わりにして、相手の動きが止まった一瞬を狙って斬る
忍法変り身の術…ってね
圧倒的な強者相手に、使えるものは何でも使って機転を利かせて作った僅かな勝利への糸を手繰り寄せるのが探索者流の戦い方ってやつだ




 そこにおわす総大将は随分強いと讃えられたそうだが、態々此方に顕現し自分より力が劣る者を斬らずにおられぬ模様。
 涼風・穹(人間の探索者・f02404)は呆れを潜めた嘆息の後、サムライブレイドを上段に構え斬り掛かった。
 正道の軌跡を邪道の忍びは鎖鎌で止め、至近距離で全身を焔にして爆ぜた。
「くっ」
 何が起こるかわからぬのは探索者と為った時点で散々に思い知ってはいるが、身を削ぎ焼き焦す痛みは厄介だ。
 歯を食いしばり斬り返すが、向こうは痛覚なんてどこかへ置き忘れたか、腸が見える深手にもかかわらず更に命を加速し穹の傍へぴたりと寄り添う。
「なっ?! 俺では足りないのか……」
 喘ぎ吐く弱音ごと斬り伏せられて、ドタンと床が無様を響かせる。転がり逃げる拍子に精一杯伸ばした切っ先で足首を払うのがやっとだ。
 以後、一方的に忍びが穹を害する展開がしばし続く。
 最初は痛みを堪えていたが今や床に転がり身を丸め鳴を喚く穹は、もはや外す方が難しい恰好の的である。
 ぶ……。
 上昇する刀が断絶し空気が啼いた、渾身込め振り下ろされた刀身は穹を縦一直線に、割いた。
 ず……。
 嗚呼しかし、なんということか、胴体真横に物別れは忍びの方であった!
「忍法変り身の術……ってね」
 縦割りされた『身代わり』は一目で偽物とわかる代物。しかし穹が執拗に仕込んだ『無様』という伏線にて本物に、化けた。
 機転、それが探索者の勝利の法則。
 ――勝負あり! 穹!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『戦国武将』

POW   :    合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●滝丸
 全ての手駒を片付けられた所で、山が、動く。
「ほうほう、律儀に全部片付けおったか! 良かろう良かろう」
 忍びの死体が有象無象に転がり片付さぬ侭の中央に駆け出たる偉丈夫、否異丈夫は左右に構える刀を見せつけるようにふりまわす。
 ず、
 男の性根のように曲がった刀より遙か離れた先の入り口へ、薄らと一本線。
 ずず…………!
 性根の割りに真っ直ぐ斜めに割られた建物中程、おがくずをまき散らし屋根側は滑り落ち、どおっと地面と激突した。
 建物の半分は青天上、寒空ではあるが本日は晴天なり!
 ――嗚呼、道場主が戻ったらどんな顔をするであろう? はた迷惑な厄災この上なし。
御剣・神夜
道場破り
何と心躍る言葉でしょう。そんな度胸のある殿方はいないと思っていましたが、まだいたのですね
て、オブリビオンですか。残念です。それ位の事ができる気骨のある方だと思ったのですが

合戦具足で巨大化されたら足を攻撃して高さの利を奪います
倒れたら胸や頭に攻撃を集中します
乱世斬を放とうとしたら勢いが乗り切る前に距離を詰めて受け止めようと試みます
戦国兵団で霊を呼ばれたら火縄銃は手早く倒しますが、弓矢だったらそんな邪魔にならないなら放置します
「火縄銃の一斉射でもされたら洒落になりませんからね。まぁ、そんな知恵はないでしょうが、念のため、です」


白銀・小鳥
「これは……生き残る事を優先すべきですね」
滝丸を見上げて弱音に聞こえるように声にする。

長い刀は味方の邪魔になるので手放してから足元に張り付きます。
丸腰なので攻撃はしません。
滝丸の足運びを観察しながら脅威ではないと判断されるよう逃げ続けます。
【乱世斬】の発動に合わせて【機甲武者「鉄」】を使用して滝丸の膝裏に突撃(ひざかっくん)します。
体勢を崩すことに成功したらすぐに鉄を消して仲間の邪魔にならないよう退避、攻撃は仲間に任せます。

【合戦具足】
「完全に私の手に負える大きさではないですね」

【戦国兵団】
「ますますここから離れられませんね」
外側には味方の足もありますから滝丸の足元にいる限り安全と判断します。


涼風・穹
【心情】
……ん
確かに死ぬにしても蒼穹を眺めて太陽の光を浴びながら、というのは悪くなさそうだな
……まあ、道場主にしてみれば戻ってみれば家は屋根が無くなって死体がごろごろしていた、なんてのはたまったものじゃないだろうけど…

【戦闘】
……こういう純粋に力技でくる相手ってのは搦め手も効き辛いしやりにくいんだよな…
その辺りに転がっている忍者達が使っていた鎖鎌を拝借
戦国武将の手か足を狙い鎖を投擲、鎖を絡みつかせて動きを阻害します
但し、力比べで敵いそうになければ、戦国武将が鎖を強く引いた瞬間に鎖を斬るか手放して体勢を崩させます
一瞬でも構えが崩せたのなら一気に突っ込んで【剣刃一閃】サムライブレイドで斬りつけます


ボドラーク・カラフィアトヴァ
漸く。漸くのお出ましですね。
早速道場を両断とは。奢って久しく、腕が鈍っているのではと思いましたが、そうでもないようで。
――ええ。安心しました。これならわたしも存分に、あなたと死合うことができそうです。(薄目を開けて、頬を歪めて)

出来るのならば、こんな手練とはずっと打ち合い続けたいものですが……程々にしておきましょう。
彼の二刀流に対し、私は飽くまで一刀流。手数の上では、どうしても不利ですから。それに、他の方々の邪魔にもなります故。

隙をみて、“疾風”で一撃を。
いかにかの鎧が硬くとも、我が“無銘”は折れぬ刀。
一点を突き、【鎧を砕き】さえすれば、彼に致命の一撃が届くようにもなるでしょうから。


パシュ・パティ
オブリビオンの道場破りとは
殺し合いを楽しむ手合いと見受けるぞ
ならばこちらも相応にお相手しよう
その腐った性根に我が雅を刻んで御覧に入れる!
存分に楽しまれるが良い!

一度斬っては詩歌を吟じ、詩歌のリズムでズバリと参るぞ!
武器で受けるも残像でかわすも、すべてリズムに乗ってみせよう

過去より来たる鎧武者 道場破り此処にあり
かっ斬るままに許すなら 残るは深紅ばかりなり
かような悲劇許さぬ猟兵 遥か遥かの世界を渡り
(即興で詩歌を吟じ、韻を踏むように軽快なリズムで斬りつけていく)

かの鬼武者に引導渡す かくも見事な居合斬り(す、と刀を鞘に納め)


――かくて希望は此処にあり(神速の居合い斬りで詩歌を結ぶ)




 はてさて、夥しく流された血潮が少しは風に散らされ薄まるであろうか?
 確かに殺伐とした足元に比べ、無理矢理に屋根が落ちいきなり現れた天蓋は何処までも澄み渡っている。
 こんな中で死ぬのも悪くなさそうだ、との涼風・穹(人間の探索者・f02404)の左右より進み出る者達、あり。
「道場破り、何と心躍る言葉でしょう!」
 御剣・神夜(桜花繚乱・f02570)の声は意中の男を見つけた如くに弾み、
「漸く」
 ボドラーク・カラフィアトヴァ(さまよえる微笑み・f00583)の微笑みは慈母、しかし声に滲む喜色は辛うじての隠匿。
「漸くのお出ましですね」
「ええ、そんな度胸のある殿方はいないと思っていましたが、まだいたのですね」
 濡れ烏と無彩色の髪色の乙女二人、物怖じせずに滝丸の眼前に陣取った。
「がぁーっはっはぁっ! おなごどもワシの妾にして欲しいか」
 色めき立つ返事の代わりに滝丸の籠手がみしり、と漬け物石を押しつけられたように撓む。
「オブビリオンに用はありません」
「奢って久しく、腕が鈍っているようでは落胆してしまいますが?」
 豪刀と詠われる身の丈程の刃と、超越科学にて生み出された銘無き刃が、揃い打つ。
 ぶんっ、と振り上げた腕にて払われた拍子に下がる乙女らの挨拶強し。
「ワシはおなごの囀りは懇願が好きじゃ」
 道場の箱を揺るがす滝丸の怒声に、白銀・小鳥(フェアリーの剣豪・f07052)は小刻みに羽先を震わせた。
「これは……生き残る事を優先すべきですね」
 比率的には神夜と同じほどある愛刀を手放して、怯えるように巨体の足元に隠れんとする――物の数に入れられず舐めてくれれば是幸い
「その腐った性根に我が雅を刻んで御覧に入れる! 存分に楽しまれるが良い!」
 すらり、
 猫でありながら伸ばした背筋に堂々たる態度で構えるパシュ・パティ(最果てを目指す獣の王・f06035)を、滝丸は一笑に付した。
「はっはっはっはっ! こりゃあけったいで腹が痛いわ! ケダモノが棒っきれでなぁにができるか」
 其れへ返るは、
「過去より来たる鎧武者 かっ斬るままに許すなら 残るは深紅ばかりなり」
 朗々とした詩歌と、
「ぬ……?」
 頬を割る確かなる『刃』からの、一閃。
 そしてまた、詩歌。
「かような悲劇許さぬ猟兵」
 ――此処に在り。


 パシュに挑発されたととったか、しばし異丈夫の二振りは猫へ向かった。
「つれぬ御方」
 とうてい目視できぬ剣戟軌跡へ難なく割り入って、ボドラークは返す刀で掬いあげた。
「わたしとも死合うてください」
 返り血ついた頬の側薄らと瞳が笑み、羅刹の瞼から顔を出した。涼し色の蒼はぎらぎらとした熱を帯びて、ボドラークはますます滝丸へ絡みつき連撃見舞う。
「はっ! 其れでは叶えてやろうではないか」
 わざと見せつけるように掲げし五尺近くの大刀、足元にてうまく逃げ動きを頭に叩き込んでいた小鳥はぐぅと拳を握った。
(「屋根を落したあの技ですね」)
 狙いは、ここ。
「ッ!」
 嗚呼しかし! 幾ら小さき躰とて、執拗に全て見出し無作為に刻む刃からは逃れることは叶わない。
 太ももと額に拳大の轍の斬り跡、痛みに小鳥は奥歯を噛んだ。
「……大丈夫か?」
 死合いと仲間が切り結ぶ間、五体満足な鎖鎌を求めあざくっていた穹は、やはり同じ傷を背中に受けなお平静の面持ちで気遣った。
「はい」
 気丈に頷き目配せする小鳥の先を確認したならば、意図を悟りて頷き返す。
「高々一撃で腰が抜けたか? やはりワシが相手をするまでもないのかよう」
 禍々しくたゆたう紫引き抜きふぅっと息を吹きかけて、増やすは有象無象。火縄銃を整然と構え一斉に火を噴いた。
「残念です、また無勢に頼るとは……気骨は口先だけですか」
 硝煙晴れた中仁王立ちの神夜は滑らかに構えへ移行し手近から血祭り送り。一斉射の知恵を見出したなら速攻仕掛るなり!
「亡霊兵団整列入れ替わり 然し二弾目は永久に機会無し」
 銃声も拍子。軽やかなる舞踏のパシュの声と切っ先が有象無象を貫いた。
「ふうん、そちらさんが搦め手か」
 気負いの抜けた穹は愛刀をゆるく振い兵団の残り滓を片付ける。
 役目果たせぬ兵どもに対ししょうもないと面が歪む。直後、滝丸は大口あけて目一杯の空を喰む。そうして膨らませた頬はしかしぱちりと風船の如くしぼんだ。
 初撃にてたわませた隙間、入り込む刃はボドラークの『無銘』――ひしり、ひしり、砕けた籠手は後の致命に至らせる下拵え。
「よそ見をなさるからですよ」
 羅刹は瞳にて微笑む、もはや完全にあいていた其れは鎖されていた。
「ちぃっ」
 唾棄と共に再び内股となったのを小鳥と穹は見逃さない。
 きゅきゅい、と滝丸がこする床が傷められし命をを憂うように、啼いた。
「……とっとききな」
 駆け出す足首に比べればか細いと言わざるを得ぬ鎖が絡みついた。だが、それで充分だった。
「我が手足となりて従え『鉄』」
 無防備となった膝裏へ、渾身の力にて小さき者と二倍であれやはり小さき者が、どっ、と渾身の力をのせて掌底打ち。
 かくん。
 なんとも間抜けな風情にて崩れる赤色鎧。
 とっとっと、
 歌舞伎役者の振るまいから持ち直し全てを苛む二歩目がくる前に、
「打たせません」
 詰め寄りからの上段で斬り掛かる神夜を、宙を泳いでいた左の剣で辛うじて受け止め堪える滝丸。
 ずぞり。
「なっ」
 神夜の豪刀は籠手失った肉を貫く、何故だ? 避けたはずだ!
「……」
 ところで、
 鎖に全力を注ぎ滝丸ずらし刻ませた穹がいた場所には、投げ捨てられた鎖鎌が所在なげに投げおかれるのみなわけだが。
「――」
 正統なる打ち筋で実直に、穹は滝丸の胴体を鎧ごと刻み割いた。
「豪奢な鎧ものともせずに 割かれ咲くは道場破りの胴」
 同じ場所に刃を重ねすかさず追い打ち、そうして調子よく詠うパシュの声に負けじと滝丸は吠えた。
「やりおるなぁ! だがまだまだよ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スーリア・マクスティス
むむぅ。強そうな武者ですね。一対一だったらとても危ない気がするですね。
でも、忍者をあっさり退けた皆さんがいるから大丈夫。

私も猟兵。皆さんと協力して頑張ります。
武器はドラゴンランス。
突出することはしないで他の方々と連携して死角にはいるなりするよう心がけて戦いたいですね。
でも先ほど家屋を破壊したとおり無差別攻撃もあるようですし間合いをとったりしないとですね。
敵の側面や背面から攻撃できるなら【ドラゴニック・エンド】を狙っていきたいですね。
基本は仲間の皆さんが攻撃しやすいように打撃にとらわれず確実にちょちょこ当てていく感じで行きたいですね。
戦国兵団が出てきたら【串刺し】によって纏めて貫きたいですね。


月凪・ハルマ
……なるほど、さっきの忍者達とは比べ物にならないな

忍者の時と同様、自身のSPDを活かす方向で
動きに緩急を付け、【忍び足】も使用し
常に相手の死角に回り込みながら戦う

同時に【見切り】【残像】【武器受け】での回避も意識

暫くは手裏剣での援護に徹することにしようか
鎧の隙間とか、防御力が低そうな箇所を【投擲】【暗殺】技能で狙う
もし傷が入らなくても、気を散らせば他の猟兵の助けにもなるだろうし

相手が大きな隙を見せたら技能の【武器改造】で
魔導蒸気式旋棍の先端をブレード状に変形させ、
更に【降魔化身法】を使用して一気に畳みかける

『自分が斬られる』なんて、考えもしなかったって顔してるな
……だから、アンタは負けるんだ


玖・珂
敵ながら太刀筋は見事
だが、ひけらかすのは見苦しいな

其れともあれは……自分も斯様に袈裟懸けにして欲しいという喧伝か?

大将相手に出し惜しんでは勝てぬであろう
忍び戦とは異なる花を片目に咲かせ

鎧で攻撃が通り辛いなら繋ぎ目
或いは傷で脆くなった場所へ黒爪を突き立てて鎧砕き
他の者の攻撃も通り易くなろう

裂け切れぬ攻撃は甘んじて受けるが幾らか返して貰うぞ
爪で引き裂き生命力を吸収

合戦具足で変形したら
其の大きな図体、何ぞひっくり返したくなるな

道場主には申し訳無いがずれた建物を足場にジャンプ
大将の首に糸雨を引っ掻けたら
着地の勢いに乗せて地面へ投擲してみよう

袈裟には斬れぬが、そっ首は掻けるぞ


神々廻・夜叉丸
手勢が斃れた後で腰を上げるとは、随分と悠長な事だ
だが、その剣の閃きに偽りはなく。なればこそ、油断はせずにかかろうか

生み出した刀を使い捨てながら、十に百にと刃を重ね、ただひたすらに斬り続けるのみ
その豪胆ぶりを見るに、易々と首を刎ねるまでは至るまい
【フェイント】を交えながらの連撃で距離を詰め、【鎧無視攻撃】を用いた【武器落とし】で刀を――あわよくば、その片腕ごと落とそうか
仮に武器を失った滝丸が突き立つ刀へと手を伸ばそうとも、それに触れることは叶わない

向けられた刀は至近にて、紙一重で【見切る】のみ
おれの中には、死を恐れる心など既にない

さあ、未来を喰らう悍ましき骸よ
お前が望むまま、心ゆくまで死合おうか


直枝・月冴
初手は【目潰し】を仕掛ける
頑丈な鎧を装備しているようなので
鎧の継ぎ目を狙い攻撃する
他の猟兵も剥がすのを手伝ってくれるだろう

遠距離戦では投げナイフを
接近戦ではダガーで攻撃
不利と見たら回避を優先
【催眠術】で相手を惑わせることをメインに

敵の装甲が脆くなり隙を見せたら
【シーブズ・ギャンビット】で斬りつける
余程の劣勢でもない限りは衣服(コート)は脱がない

「しぶとい奴は嫌いだな。やり甲斐はあるがね」

兵士達の霊には何も言わない
無言で殺す

大将の息の根を止めたら終わりだ
無駄に甚振ることはないし
まだ生きていたら急所を抉る


基本的に無感情、無関心だが
討伐後、寒空の下で白い息を吐く瞬間だけは無表情
寒さが好きだから




 二振りの刀で頭上に×の字を描き、滝丸の姿はふとかき消えた。
 ほぼ同時に斬撃絵巻を影にて支えた手裏剣打ち月凪・ハルマ(ヤドリガミの化身忍者・f05346)は、密かに歩調を変える。
 てん、ててん、と薙ぎ床に止る度に残されるは血痕。滝丸に最初のように無にて斬り裂き御免なる神業はもはや無理な相談。痕跡辿り躱し続けるハルマ。
「……やはり一対一だったらとても危なかったですね」
 一方、胸に斜めの太刀を受けたスーリア・マクスティス(人狼のビーストマスター・f10916)だが、顔色は良い。
 忍者を退けた心強い人達、駆け付けてくれた人達が共に征くのだ。恐れる必要が何処にある!
「敵ながら太刀筋は見事」
 此度の花も命を喰らう、だが先の忍戦が防とすれば此方は極大の攻め、故に玖・珂(モノトーン・f07438)の胴体は鮮血にて柘榴に爆ぜた。
 だが、一寸待てと言わぬばかりに漆黒の爪が甲冑の合わせ間の隙間に喰い込み掻き抉る。
「ところであれは……」
 今や完全に屋根としての体を成さない自重で砕ける其れへ視線くれ続ける。
「自分も斯様に袈裟懸けにして欲しいという喧伝か?」
「言いおるっ!」
 かぁっとあいた眼睛に映る光景に喜色、宿る。
 ――其は墓標か? その数は無限!
 刀の群れを背に袖に手を入れ瞼も伏せた少年剣士神々廻・夜叉丸(終を廻る相剋・f00538)は、腰にさした刀をすらり抜き斬り掛る。
「むん!」
 嬉々として横へ払う滝丸は手応えのなさに眉根を寄せた。
「……なんじゃい、虚仮威しかよ」
「その剣の閃きに偽りはなく。なればこそ、油断はせずにかかろうか」
 夜叉丸は躰の流れを無茶に止め、刀を落とし捨て後方へと、飛翔。
 代わり現れた黒髪の少年へ滝丸は「お前で良かろう」と臭い息を吐きだした。不遜にあがる顎は余裕綽々、何を吠えるかと一尺下の少年の微笑顔を弓に曲がった瞳に引っ掛ける。
「さぁさぁ! お前はな……」
 ――ふづり。
 滝丸の声が不意に、途絶えた。
 ところで、
 直枝・月冴(弦月・f10120)という男は実に無駄を厭う、なにより非効率さを厭う。
 つまりどういうことかというと、だ――情でもって口上を待った滝丸の瞳から、月冴の人差し指と中指が生えているのである。
 最短最善手を自動的に選択するとは、そういうことである。


 月冴は指を曲げ瞳を掻き出すよう薙いだが流石に其れは為らず。
「しぶとい奴は嫌いだな。やり甲斐はあるがね」
 ダガーを仕舞う処へ手を宛てた月冴、しゃがむ。
 背を乗り越え、えいや! と槍を突き出すスーリアへ譲る。果たして切っ先は顔を覆う滝丸の甲冑の胸元をカシャリ、突いた。
 肌へは通らず! だが関係なし! 滝丸の首は異界の竜の爪に掴まれ、無惨、だんっと床へと叩き付けられたのだ!
 好機到来!
 極限まで気配殺し潜み続けたハルマは棍の先端を握りしめ床を力強く蹴った。
 虚空より現れしハルマの襲撃に対し、滝丸は肘で頭部を反対の腕で胸元を覆った。彼の得物は打に長ける、なれば昏倒誘う部分の護りを固めるが得策。
 甲冑割かれあいた腹は衝撃に耐えると気を張るも、ずぐり、と刃沈む感触までは頭に置いてはおらなんだ。
「ぬぬ……ぬ」
 潰れた目を懸命に開く滝丸がちらと見たのは、ハルマではない妖怪の奇っ怪な肌と棍であったはずの鋭き刃と……生ぬるい血。
 はたりはたりとこめかみの内側切れた血管の産む痛みに耐えて、ハルマはより強く刃を押し込んだ。
 状態揺らすハルマへ気をもむスーリアは嗅いだことのない花の香に瞬く。
 珂だ。
「胸の感触、手応えありました!」
「わかった」
 短く答え削れる命すら爪にて回収せんと突き刺したのは、先程刮ぎスーリアが打った胸元。
 突きだした手首をぐいと掴み、滝丸は珂の躰を空中回転床へと押し倒す。
「届かねばよかろうよ!」
 ぱきり、ぱきり。
 乾いた音たて剥がれ落ちた甲冑は、心臓或る場所護るもの。
 巨大化し縦横無尽に振り回す腕にて、道場はもはや跡地と言わざるを得ぬ程に形を佚してしまった。
 でくの坊の如く肥大する間すら無駄な時間と、月冴は大きくあいた心臓めがけてダガーを放つ。
「くはぁ!」
 今はこそばゆいとせせら笑う滝丸の腕でのかっさらいに後方へ引く。
 入れ替わり怯まずのスーリアの槍は、再びの竜との決戦を結ぶ。
 巨大決戦にて散らされた木材も厭わず、夜叉丸は利き足囲むように咲いた刀を抜き、刻み、抜き、刻み……。
「其の大きな図体、何ぞひっくり返したくなるな」
 あきれ果てた嘆息は、既に地上にはない。
 大きくなると同時に追いすがり瓦礫を足場に跳ね続けた珂は、思う様撓ませ長さ稼いだ糸雨を太った首へ三筋搦め。
 そおれ!
 祭りであればあがるような声と共にどおっと仰向け赤っ恥武者。情けなくしぼむ身で歯ぎしり、どろんと再びの火縄銃を担いだ兵ども盾代わり。
「――」
 無の侭淡々と逆手握りのダガーで排除する月冴と、大立ち回りの串刺しで葬るスーリアは非常に対称的だ。
 しかし兵士も負けてはいない。練度を顕わすように音は完全に重なる1回のみ。
 かんっ――。
 一斉射撃の銃弾雨嵐、曲がる筈の無い軌道が、よれた。
 かん、かん、かかかかんっ!
 自らへ向かう弾丸を意に介さずに、夜叉丸は床に生やした刀を抜いては刃欠けさせ遮蔽とす。足取りは着実に恐れもなく滝丸へ向かう。
 急はなく、ただ緩のみ。
 辿りついたなら、手近な刀を引き抜いて、祓う。
「かゆいな」
 返す刀が脳に届く寸前、前髪斬らし夜叉丸は右に躰を降った。翳された手元には、無限の一振りが刺さり待つ。
「元より、お前が望むまま、心ゆくまで死合う所存」
 そうして抜いた一振りで、返す、返す、返す。
「く……おぅ」
 ぐしゃり庇い掴んだ肉は、スーリアと珂があけ月冴が刺した胸元。蹈鞴で下がり待ち構えるは自己の血にまみれ刃構えるハルマの姿だ。
「『自分が斬られる』なんて、考えもしなかったって顔してるな」
 ――だから、アンタは負けるんだ。
 どぉっ!
 再び床へと押しこかす怒濤を受けて海老反りの滝丸の腹へ、夜叉丸の刃が一振り二振り……。
 かしゃん。
 かしゃん。
 かしゃん。
 淡々と床に刀が放られる、虚空にてかき消える筈なのに確かに皆耳にする、夜叉丸が刺しては捨てる夢幻の刀の投げられる音を。
 とどめと握った月冴の指が解かれて、笑み続けていた口元は真っ直ぐに結ばれた。
 ――とおに、仕事は終っていた。
 音が止んだ時、道場という形を佚した空間が冬風に揺らされる。其れは其れは心地よく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『お正月!』

POW   :    ご馳走を食べる

SPD   :    凧揚げや羽根つき、カルタなどで遊ぶ

WIZ   :    初詣に行く

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●新春の祭
 ――戻った先に道場はなかった。
 目を見開き口をぽかんとさせている弟子達を横に、戸平正三朗はまずは深々と猟兵たちへ頭を垂れた。
「全ては命あっての物種。皆様、本当に感謝いたす」
 持ち上がったかんばせにのる唇は解けていた。そうして呆気にとられる弟子達をひとりひりとぽんぽんと肩を叩いて廻り言うには、
「建物がなくとも出来る鍛錬は幾らでもあるぞ。体力作りの乾布摩擦に素振りにな。お前達が立派になることには元にもどっておろうよ」
 それじゃあ遅すぎます! と悲鳴のような声があがる。
 戸平にはなんの瑕疵もない不幸。町の人に覚えも良く、良家の子息も預かる道場、見過ごされるわけもあるまい。
「そうそう、あちらの通り一帯に新年の祭りがでております。賑やかな屋台にて骨休めされるのは如何でしょう」
 お前達もまぁ今日は遊んでおいで――そう、笑う師匠へ、大小の弟子達は手放しではしゃぐ。
 そうして、猟兵たちへそれぞれきちりと礼を告げてから大通りへ繰り出していった。


======================
◆マスターより補足
 3章は極力多くの方を描写できればと考えてます。
 ご一緒する方がいる場合は【相手の名前】【グループ名】などでわかるようにお願いしますね。
 執筆開始はゆっくりめですので、できましたらプレイングは【1月9日午前8時半以降】にいただけると助かります。
 早い者勝ちではないので、あなたのやりたいことや、どんな人かを、沢山教えてくださると嬉しいです。
 その他は、オープニングや最初のマスターコメントに準じます。
 それではよき休日を。
南雲・海莉
(臙脂のコートを上に羽織り
茶屋の一席に着いたところで
近くに座っていた久礼さんと目が合い、会釈)

この世界の正月も、本当に良い物ですね
お茶も美味しい
(店主から牛蒡入りの和菓子を受け取り、目を細め)

……ここ一か月ほど
ずっと猟兵の仕事と学業に専念してたんです
そうしたら一般人のルームメイトに
「あんたは一度休んで来い!」って蹴りだされちゃいまして(苦笑)
頑張り過ぎ、だそうです

じっとしてると焦ってしまうんです
もっと強くなりたい
敵と戦う力、世界と戦う力を
そうじゃなければ、また彼に置いていかれるって

あぁ、折角のお祭りなのにすみません
良ければこの世界の見所、教えてもらえますか?

(アドリブ、他PCさんとの絡み歓迎)


玖・珂
己も斬りに往きたいと瞳から覗いていた紫草が気になり
声を掛けてみる
物足りぬ、ということはないか?

私はまだまだ弱い
都合さえ良ければ手合せを願いたいところだが……
此処で仕合ては迷惑極まりないな

というワケで(小石を手に取り)此れで一勝負せぬか?
(小石を投じ、先に鳥居の上に乗せた方が勝ち)
(勝敗はお任せ致します。引き分けもあり)

折角だ、負けた方は一杯奢るというのはどうだろうか
私は甘酒を奢って貰う覚悟は出来ているぞ
紫草の覚悟はどうだ?と悪戯げに問うてみる

(遊びに付き合って貰えたら礼を伝え
勝敗の数はしっかり覚えておくぞ

雪の桜が融けたら、次は梅が綻ぶ番か


月凪・ハルマ
うーん。正三郎さん、めっちゃ良い人だった。
オブリビオンに道場壊させちゃったの、
余計に申し訳なくなってくるな……

とはいえ、こっちが変に気を回しても
それ以上に気を使われそうだしなぁ(考え込む)

……うん、此処は素直に祭りにいくか

そんな感じで一人、大通りまで
適当な屋台で温かい甘酒でも買って、
後はそれを飲みながらその辺をぶらぶらと

なんだかんだあったけど、やっぱり祭りの雰囲気は良いなー。
皆楽しそうだし




 建物が跡形もないのにも一切の怒りもなく、むしろ礼まで言われた。そんな道場主正三朗の明朗さが却って申し訳ないと月凪・ハルマ(ヤドリガミの化身忍者・f05346)は頭を掻いた。
「どおれ、私も繰り出すとするか」
 そんなハルマの手を借り瓦礫を一通り寄せ終えた正三朗はぽんっと膝を打つ。
「そうだな」
 笑顔をもらって少年ヤドリガミは祭りへと繰り出した。
「うちの団子は他とは違う! 小豆は名産地の……」
 年始のお江戸を行き交う、威勢良く小競り合う売り子の声。町人たちの纏う着物も何時もよりハレの彩。
「「甘酒を一杯頼む」」
 かぶった。
 そろりと振り返れば、そこには玖・珂(モノトーン・f07438)と紫草が並ぶ。
「ああ、お疲れ。一緒だったんだ」
 礼を述べ合って甘酒を受け取るハルマに、珂は口元を綻ばせる。
「実は紫草に勝負を挑んでな」
「そのお話、私もお聞きしていいですか?」
 一足先に茶屋でくつろいでいた南雲・海莉(コーリングユウ・f00345)は、新年祝う花びら餅を店主より受け取り、どうぞとつめた。
 紅敷きの長椅子に銘銘が腰を落ち着けた所で、珂が口火を切るには――。

 先刻、潰れた道場の脇で、珂は仕事完遂を見届ける紫草へ話しかけた。
「物足りぬ、ということはないか?」
「そうじゃのう。お主らが強うかったから退路の保持は取り越し苦労であったわ」
「やはりか。私はまだまだ弱い。手合わせを願いたいところだが……」
 和やかに祭を愉しむ人々の群れに互いに肩を窄めた。
 そこでと珂が見せたのは二粒の小石、指さしたのは鳥居だ。
「先に鳥居に乗せた方が勝ち」
 ほう、と片目を丸た爺の髭の端が持ち上がる。そして、
「さぁさぁ! 此より娘子と儂で勝負じゃあ! そこにおわす神様もしばし遊びにつきおうてくだされい!」

「……衆人の眼前で、という覚悟は出来てなかったぞ」
 運ばれてきた甘酒で喉を潤し珂は嘆息をついた。
「石が誰ぞに当たっては危ないからのう。しかし勝負は思い切りやりたい、そうじゃろう?」
 紫草は熱めの酒を受け取りしれと啜った。
「どっちが勝ったんだ?」
 ハルマの問いに手をあげたのは珂。
「三回勝ったから、三つ好きなもんを頼むがええ」
「呼び寄せた者たちにも相当ばらまいていたが、紫草の財布は大丈夫か?」
「なぁに、童の菓子など安いもの」
 海莉は力比べすら『遊び』にしてしまった二人に瞳をぱちくりと瞬いた。成程、やはり自分は根を詰めすぎなのかもしれない。
「あの、実はお祭りに来たのはですね……」
 祝い花の味噌餡の深みをサッパリとした緑茶で洗い、清々しい気持ちと共に話しだす。
「じっとしてると焦ってしまうんです、もっと強くなりたいって。だから猟兵の仕事と学業に専念してたんです」
 それはもう、脇目も振らずに。
 力が欲しい。
 世界と戦う力を。
「そうじゃなければ、また」
 置いていかれるって――囁き、きゅうと目を閉じる。
「なぁ、思い詰め過ぎもよくないんじゃないか?」
 過去がありはしたが、けろり、霞の彼方。だが思い詰めとは逆さまのハルマの言葉に海莉はこくんと首を縦に揺らす。
「ルームメイトにも似たことを言われました。それで『あんたは一度休んで来い!』って」
「それは、よい友人を持ったものじゃな。大事にしなされ」
 酒で暖まった陶器で暖をとり、老人はのたまう。
「独りだと、やがて暗中模索も過ぎて彷徨う羽目になりかねぬ。それなら祭を愉しまねばのう」
「はい! ですのでこの世界の見所、教えてもらえますか?」
「雪桜……以外じゃと、石投げをした鳥居かの。高台から見下ろす夕暮れは、雪化粧を紅さし絶景じゃ」
「ああ、綺麗な眺めだった」
 珂は飲み干した椀を置いて、紫草へと深々と礼をする。
「勝負に付き合ってくれてありがとう。勝ちの二つ分は、彼らの甘酒でどうだ?」
 それは名案!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

白銀・小鳥
「祭りの雰囲気は好きなんだけど、人混みは苦手なのですよね」
行き交う人の足元を踏まれないように歩きながら、
時折人の足にトンとぶつかって揺れてこぼれた食べ物を拾って口に運ぶ。(盗み攻撃)
持ち物は袋に入れて担いだ小銭と空の徳利のみ。
刀は持ち歩かない。
酒屋で小銭を渡して徳利を満たしてもらい途中で話に聞こえた雪桜に向かう。

紫草の姿を見かければ徳利をかざして声をかける。
「ご一緒よろしいですか?」
酒を酌み交わして刀を見せてもらい尋ねる。(刀剣愛好家)
「斬って斬って斬った先に見えた物ってなんでした?」
「私は何を見るのでしょうね?」
小鳥が斬るのは自分の為、食い扶持の為で正義はない。

【紫草との会話はアドリブ歓迎】


スーリア・マクスティス
よし、今後もこの道場が隆盛する事をお祈りしてからサムライエンパイアのお正月を楽しむことにするですよ。

神社などにお参りとかしておきたいところですね。
むむ、面白い曲(越天楽的なものがあるかな?)ですね。
楽器とか少しに気になるですね。
私も楽器使いの端くれ(武器しか無いけど)としまして触って使ってみたいと思うところです。
勿論、管楽器からを目標にします。(最終的には弦楽器や打楽器にも興味がありそうです。)
邪魔をしない程度に使わせてほしいとおねだりします。
上手く演奏できなかったら謝りますね。

それ以外はへ~と言う感じで見物しています。
何か食べ物でもあれば手を出します。

以上です。アレンジ、アドリブ大歓迎。


パシュ・パティ
雪桜、とはまた風流な
是非ともそれを肴に一献、と久礼殿と酌み交わしてみたくもあるのだが
……ぐぬぬ
此方が甘酒では興も削がれよう
恥ずかしながらこのパシュ・パティ
酒とマタタビには然程強くないのだ!
英雄豪傑と酒は切っても切れぬものであるというのに、我が身において唯一恨めしく思う点である!
いや、だがしかし……これは本当に美しい
(雪纏う桜に向けて杯を掲げて)美しき桜とめでたき新年に!

…!
おお、これはこれは!
(ひらりと舞い入る雪の花びらを飲み干して)雅は我が内にあり
これは今年も良い年になりそうだ

さて
戸平殿ひとり道場に残っているのであれば、勿体ない
酒でも土産に買って帰らねばな


※アドリブ・他の猟兵との絡み歓迎




 石投げ遊びが掃けた後、鳥居をくぐっておりてきたのはスーリア・マクスティス(人狼のビーストマスター・f10916)である。
 お祈りしたのは『戸平道場のますますの繁栄』だ。
 人柄良き師範も、慕う弟子も、命救えてなにより。過去に喰われず救えた彼らの未来も幸いなれ。
 そんなスーリアの耳をひこりと震わせたのは、厳かさの中にも新年寿ぐ楽の混じる雅な音色。
 動物と意思の疎通をはかる楽器を扱う者として踊る心、人混みをかき分け辿りついた賑わいにとうとう破顔。
「姉さん、楽器をやんなさるのかい」
 一曲終った所でスーリアに気づいた一人が声をかける。
「はい。あの邪魔をしませんから……吹いてみてもいいですか?」
 顔を見合わせた後で、取り仕切る女性がにぃと笑って手招き。
「此方へおいで」

 そんな賑やかな人混みの足元を、踏まれぬように苦心して歩く小さき人は白銀・小鳥(フェアリーの剣豪・f07052)だ。
「祭りの雰囲気は好きなんだけど、人混みは苦手なのですよね」
 羽織靡かせおっとっと、時折のぶつかりは実はわざとだ。そうするとほぉら――蹴躓いた若けぇのが団子の小豆をころりんこ。
 そうやってお腹を膨らませていたが、人通りがますます混み合いするのに閉口する。
 それが冷え込み厳しさの褒美、ちらつきから牡丹へと変わる雪が魅せる純白桜の見物客とは、まだ小鳥は知らない。
「これはたまらないですね」
 空の徳利ぶら下げて、酒屋を見つけてそちらへ転がり込んだ。

 近くから響く雅楽が調子を外したが、それとて侭ならぬ自然を顕わすと言ったのは誰だったか。
 寒気の悪戯、ビュウと吹き上げる風は下から桜の枯れ木に色気を与える。その度に「おお!」と騒ぐ江戸っ子に、パシュ・パティ(最果てを目指す獣の王・f06035)はよしよしと頷いた。
「これは風流な」
「そうじゃろう? すぐ溶けてしまう雪は、咲いてすぐに散って仕舞う桜とよう似ておる」
 パシュと紫草、それぞれが持つ椀にはあたたかな『酒』が充ちてはいるが、前者が持つのは『甘い』が足されている。
「……ぐぬぬ、此方が甘酒では興も削がれよう」
「苦手であれば仕方あるまいて」
 しかし詩歌吟じる旅人は、己の体質に不満顔。黄金と焦げ茶の毛がけばっと逆立つのは寒さのせいではない。
「英雄豪傑と酒は切っても切れぬものであるというのに、我が身において唯一恨めしく思う点である!」
 マタタビにもにゃあんってゴロゴロ、誠不甲斐ない。
「ご両人、ご一緒よろしいですか?」
 そこに財布を叩いて酒をたんと詰めてもらった徳利掲げる小鳥が現れる。
「おお、勿論であるぞ! 丁度よい、久礼殿も見ておられたか? この白銀殿が奴めの膝を崩してくれたであろう? あれで完全に勝負の流れを決めたのである」
 此方へと呼び寄せた彼らの背は近く、故に小鳥の活躍はパシュには非常に鮮やかに映ったと身振り手振り。
 やや照れた小鳥は紫草が帯びる刀へ琥珀をきらり。ひらけた場所にてしゃがむ紫草の膝にある刀を矯めつ眇めつ、
「斬って斬って斬った先に見えた物ってなんでした?」
「よう見えぬ」
 眼帯をつつき老武士。
「見えたものがつまらぬと思うたら、儂は見えてはおらなんだ」
「だから悪を斬り続けられるのですか?」
 次の問いにはあいた側の瞳を指さす。
「私は何を見るのでしょうね?」
 自分の為に斬り続けた先に。
 会話を神妙に見守っていたパシュは「おお!」と黄金を瞬かせた。刹那の散り花が一片ひらり。
「さあさ、お二方もご一緒に、美しき桜とめでたき新年に!」
 花か雪か何れでもある一片をもろとも飲み干し、はふり。
「雅は我が内にあり、今年も良い年になりそうだ」
 ぴんとたった髭にめでたさ見出し、三人は改めて「乾杯」と椀をあわせる。同時に音楽も慣れ往くように滑らかに、景気よく皆の鼓膜を震わせた。
「姉さん、うまいもんじゃないか!」
 懸命にふうっと息吹吹き込むスーリアが、黄金から奏でる音色には「幸いあれ」という願いが、宿る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マリス・ステラ
ユート・エルスフォード(f07769)と参加

「ユートはサムライエンパイアに来るのは初めてでしたか?」

感動を隠せないでいる彼とお寿司を頂いています
私の見た目は金髪碧眼ながら着物を着て馴染んだ雰囲気です

「おせち料理もあるようです。これは黒豆と言って縁起物ですね」
腐っているわけではありません
邪気払いの意味と、黒く日焼けするほどマメに、勤勉に働けるようにとの願いが込められているのです

わさびに驚き、悲鳴を上げる彼に、

「それは山葵と言ってこの国のハーブのようなものです」

少し刺激が強過ぎたようです

「お寿司は生ですから、臭みを消すだけではなく殺菌効果としても意味があります」

温かいほうじ茶を差し出しましょう


ユート・エルスフォード
マリス・ステラ(f03202)と参加


サムライエンパイアには初めて来た。
かつて本で読んだ極東の世界そのものの光景に少し感動している。

「……マリス先生、魚が生で……寿司、成程これが…」

食生活についても、未知のものが沢山あって新鮮だ。
色鮮やかかつ、食材そのものを活かした味わい…故郷にはなかったな。


一つ一つ確かめながら味わっていく。
誘ってくれた先生には感謝しなければ…、おや、この緑のものは?
鮮やかな色合いだ、これも一つ…ぐああツーンときたああ!?

山葵?涙が止まらな…くっ、サムライエンパイア、
ハーブひとつとってもなんと恐ろしい所なんだッ…!!

でもお茶も香ばしくて美味しかった。
この世界にはまた来よう。




 極東の島国は訪れることの叶う距離ではない、だから紙に綴られた中で眺めていた。
 しかしどうだろう?
 鱗めいた瓦葺きいた屋根が並ぶ元、行き交う人々は皆着物。素材の色形を生かした食べ物など、全ては実在し手の届く距離にある。
 ユート・エルスフォード(亡霊甲冑・f07769)の橙が、とにかくあれもこれもと目移りする様子が微笑ましくて。
「折角だから食べてみましょうか」
 金髪のまとめ髪にて着物に馴染むマリス・ステラ(星を宿す者・f03202)は教え子つれて寿司屋へ。
「へい、お待ちどう!」
 白い皿にちょこなんと並ぶは、マグロ、イカ、イクラ、鮭などが露帯びめいた煌めき魅せるにぎり寿司。
「……マリス先生、魚が生で……寿司、成程これが……」
 跳ね返る弾力を宥めるように噛みしめれば、ますますしみ出す旨味分。
「……口の中で、味がどんどん……美味しくなってる」
「そうですね。まさにゆっくり味わって食べるのが似合います」
 普段は何処か厭世めいた少年の瞳が輝くのに、マリスが浮かべた嬉しさを彼は言葉にした。
「先生、誘って頂きありがとうございます!」
「どういたしまして……」
 あ、とマリスが止める前に、ユートの箸は緑の雪めいたものへと伸びる。
「……ッ! ぐああ、ツーンときたああ!?」
 寿司の調子でぱくりといったなら、そりゃあもう辛みが腹から頭へと駆け抜ける。涙目のユートへマリスは湯飲みを差し出す。
「それは山葵と言ってこの国のハーブのようなものです」
「……くっ、サムライエンパイア、ハーブひとつとってもなんと恐ろしい所なんだッ……!!」
 臭み消し、腐敗防止の役目もあると添える前に言った方がいいことがあるようだ。
「お茶もゆっくりですよ、熱いですからね」
「わかった」
 やや落ち着きを取り戻したユートとマリスの間に、ことりと置かれた小鉢は黒色。丁度良かったと勧めるマリス。
「これは黒豆と言って縁起物ですね。甘く煮てあります」
「へぇ……こんな色だけど、綺麗に見えるもんだな」
 砂糖の素直な甘さが菓子ともおかずとも言える収まりの良さを醸し出す。
「邪気払いの意味と、黒く日焼けするほどマメに、勤勉に働けるようにとの願いが込められているのです」
 小まめに接客をこなすおかみの小気味良さにどちらからともなく頷きあった。
「新年から願いが叶ってるな」
「そうですね」
 継ぎ足されたほうじ茶の香ばしさは〆にぴったり! ご馳走様でした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

直枝・月冴
【久礼紫草】に声をかける

任務を終え、早々に帰ろうとするが
見慣れぬ樹に目を奪われる

これは……雪、だろうか

運良くグリモア猟兵の彼がいる
エンパイア出身のようだし何か知っているかもしれない
声をかけてみよう

この樹は一体何と言うのかな

雪桜……そうか
僕の世界によく似ているが、やはり違うようだ
持ち帰りたいのは山々だが、枯れてしまうのだろうね
ああ、そうだよ
僕は雪が好きなんだ

僕が好きな数少ないものの一つ
何故かって
雪国の出身だから、それだけだよ
もっとも、故郷の記憶など殆ど残っていないのだがね

紫草さんと言ったか
あなたも雪が好きならば
また、雪の見える場所を教えてはくれないか

(いつも通りの微笑だが、少しだけ柔らかい模様)




 祭の喧噪に関心も向けず帰路につく直枝・月冴(弦月・f10120)の足が止る。骨に染みる冬天めいた瞳が捉えたのは、季節外れに春花咲かせる樹だ。
(「これは……雪、だろうか」)
 皆見送り一人残る紫草は此の世界住民だ、何か知れればと話しかける。
「この樹は一体何と言うのかな」
 此度の勝利に礼を告げた老武士は答える。
「雪桜と謂う、枝振りで溶けず積もりやすいのかのう」
「雪桜……そうか」
 そう呟いたきり見上げる横顔へ「お好きかな」との問い。
「ああ。雪は僕が好きな数少ないものの一つ」
「うむ、好きなものがあるのは良かったわい」
 ぽつりと語る孫ほどの少年へ頷く声は鞠のように弾んだ。
「……雪国の出身だから、それだけだよ」
 故郷の記憶など殆ど残ってない――故に全て佚した老人のような笑い方をするのか。
「過去が人を絶望へ追い込むが世の仕掛け。然れど其れと此とは話も違うのう」
 何が切欠か知らぬがとの憂いに枝の花につかぬギリギリに指を置き返す。
「今目の前の枝を持ち帰りたいぐらいには」
 そのように望むのは『現在』だ。
「でも、枯れてしまうのだろうね。紫草さんと言ったか、あなたも雪が好きならば、また、雪の見える場所を教えてはくれないか」
 何時もよりほんの僅かに柔を抱いた微笑みで『未来』を求める少年に、老武士は「勿論」と快諾する。


 町の片隅の道場が惨く血にまみれたならば、此の祭りの寿ぎも一転、遠からず暴虐に侵されたであろう。
 無辜の民が零す涙を未然に拭い、無事笑顔をある今をもたらした猟兵達よ、誠に天晴れなり!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月14日


挿絵イラスト