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● 真雪に白櫻、君と心

#UDCアース #ノベル

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鵜飼・章
全てお任せします
世界(UDCアース)の指定は無視してOKです

●キャラクターについて
UCで鵜飼章のオリキャラの鵜飼章を作ったり、人間らしさを代償にあらゆる行動に成功したり、今考えた設定を生やして過去を操作したりできます
そういうキャラなので、ステシに書いてある設定には沿っても沿わなくても別にOKです

●NG
・死ぬこと(人間なので殴ったら死にます)
・恋愛描写、性描写

MS様のグリモア猟兵さんとの交流なども歓迎
ご縁がありましたらよろしくお願いいたします



 はらはらと。
 静まりかえった夜に降り積もる深雪は師走の寒さを伝えている。
 全てを一面に白く染め抜こうかと云うような。
 何か切なる思いを地に届けたいと囁くような。
 なんとも奇妙な静けさの中で指が流れる。
 一枚の絵を虚空のキャンバスに描くような精密さをもって、白くはあっても雪ではないひとひとらを掬うのだ。
「君は、友達が欲しいんだね」
 闇に溶けてしまいそうな儚くも繊細な容姿。
 そう穏やかに微笑む貌は美しく、覚束なぬ夜闇では男か女かも判別がつかない。
 響く聲で辛うじて男であるのだと気づけるぐらい。
 ああ。でも彼を人とは思えない。
 鵜飼・章という存在を取り囲むのは、優しい夢のような雰囲気だから。
 そうなのだ。

 真冬の校庭に咲き誇る百年櫻の下に佇む彼は、人の心からかけ離れている。

「解るよ」
 或いは、奇麗な悪夢の気配を携えて。
 冬に狂い咲く白櫻の峰に手をあて、そっと唇より暖かな言葉を零す。
「一年でたった一月未満しか、人に囲まれず、共にあれないなんて寂しいもんね」
 そうやって、この付近で起きた神隠しの原因である櫻に――恐らくはUDCである存在に、甘い聲をかける。
「友達が欲しいよね。人間の心に触れたいよね。君も」
 僕もそうだよと。
 長い睫を震わせて、一瞬だけ視界を閉じる鵜飼。
 人間の心が愛おしい。
 そうあればいいのにと。
 ひとに産まれてひとに共感できない鵜飼と、樹木に産まれたから抱く腕のない櫻が、雪の降りしきる中で吐息を重ねた。
 或いは、寂しさを。
「どうして――ひとは僕たちから離れるのだろう」
 縫い付ければいいのだろうか。
 或いは、結びつければいいのだろうか。
 そう問いを重ねる鵜飼は人の側を離れた彼岸の向こう、幽世の世界の住人であるかのよう。
 絆で繋がることを識らないから。
 彼は人間性の欠如したひととして生きていく。
「そして――どうしてキミと僕は友達になれないんだろうね。櫻くん」
 唇より囁く同時に閃くのは、黒い鴉の羽めいた大鉈。
 柔らかな櫻の幹を切り裂き、その奥から血液めいた深緋の液体を零させる。
 どくり、どくりと零れていく化け櫻に。
 ああ、と迂回は優しく微笑んだ。
「櫻くんは、人ではないから僕と友達になれないんだね」
 そう微笑む美貌の、なんという幽艶なことか。
 ひとと心から笑い合う人間性の欠けた、月夜や雪花に似た美しさ。
 鵜飼は絵本を描くように精緻な指使いで、再び櫻に鉈を打ち込む。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年12月21日


挿絵イラスト