無垢な鳥は破滅を望む
●死の廃ビル
カクリヨファンタズムに存在する薄暗い廃ビル。
かつて存在しただろう面影を残しながら、ボロボロに朽ち果てたビルの中で、猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』は歩いていた。
「ユリ様とシズク様は限界を迎えてるし、ぼくのやり方もとうとう通用しなかったみたいだね」
ビル内に立てかけられているのは、無数の銃火器だ。数多の兵器を量産し、しかし最後まで閻魔王獲得まで到達できなかった。
「残念だなぁ。でも世界が滅びるならそれはそれでいいね。そうだ、今からユリ様とシズク様に加勢しようかな! そうすれば、もっともっと世界の破壊につながるかも!」
猟書家といえど、本質はオブリビオン。
世界の破壊につながれば、それは目的を達成したと言える。
「ここはぼくの生まれた場所に似てたから居心地良かったんだけど、世界が消えるなら仕方ない! それじゃあ早速この武器を届けに行こう! そして、みんなで援護するんだ!」
ベンジャミンの周りにゆるキャラたちが集い、ぎゃあぎゃあと鳴き出す。
――その様子を、廃ビルに潜む研究者じみた悪霊たちが陰で見つめていた。
●ベンジャミン・バーニングバードを討て
「オウガ・フォーミュラたる『滅詩のユリと幽銃のシズク』の討伐が進む中で、他の猟書家たちも最後の行動を開始したみたいだな」
アイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)は、集った猟兵に状況を説明する。
「猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』は、カクリヨの廃ビルの迷路を制圧し、内部を『吹き荒れる銃弾と刃物の嵐』で満たしている。強力な軍用兵器の開発と量産に勤しんだベンジャミン・バーニングバードは、自身の従えるゆるキャラ軍団を更に強化してユリとシズクに加勢するつもりだ」
要するに、時間稼ぎを行うつもりなのだろう。猟書家の最後のあがきに、猟兵たちは唸る。
「廃ビルの迷宮に元々住んでいた悪霊たちと協力して、最奥にいる猟書家を撃破する。それが、今回の目的だ」
一人の猟兵が手を挙げる。
奴がオウガ・フォーミュラに加勢するつもりならば、待ち構えた方が合理的ではないか、と。
しかし、アインは首を横に振った。
「大量の軍用兵器の中には、超速ロケットエンジンのような長距離飛行兵器も存在する。待ち構えようにもこの廃ビルから逃せば、バーニングバードは確実に猟兵の待ち伏せを突破するに違いない」
廃ビルに籠もり、準備を行っている今が好機だ。
「かつて廃ビル内で軍用兵器を研究していた研究員の悪霊たちが廃ビル内にいる。兵器攻撃を透過する体を持つ彼らの先導を受ければ、廃ビル内の銃弾と刃物の嵐を効率的に突破することも可能だろう」
迅速に吹き荒れる死の嵐を突破し、ベンジャミン・バーニングバードに迫らなければならない。
アインが杖を掲げると、猟兵たちに転送のリングが纏わり付く。
転移先は廃ビルの迷宮入り口。そこに、研究員たる悪霊たちも集っている。
「カクリヨファンタズムを今一度救うためにも……みんな、力を貸してくれ!」
夕陽
ユリとシズク決戦の陰で、別の猟書家たちもなにやら計画しているかも、しれません。
OPをご覧頂きましてありがとうございます。
初めましての方は初めまして、すでにお会いしている方はこんにちはこんばんは、夕陽です。
このシナリオは、猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』撃破シナリオとなります。
以下のプレイングボーナスが存在します。
プレイングボーナス(全章共通)……戦場を最速で駆け抜ける。
廃ビルに住む研究員の悪霊たちが先導してくれますので、銃弾と刃物の嵐から効率的に逃れる方法や上手く回避する方法を教えてくれるかもしれません。
第2章は猟書家との決戦になりますが、この章でも銃弾と刃物の嵐が吹き荒れているため、何かしらの対策が必要になります。
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
第1章 冒険
『銃弾と刃物の嵐』
|
POW : 頑丈な肉体で他の仲間を庇いながら移動する。
SPD : 少しでも被弾を避ける為、全速力で移動する。
WIZ : 嵐の吹き方に法則性を見つけ出し、掻い潜る。
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ノラ・ヘルブラウ
愛らしい姿見で、機械文明のかような武器を扱うもののふとは…
油断ならぬと言ったところでしょうね…
ふふ…
ボクも少しお手伝いをしましょうか
白き霧は蜃気楼の如き、ゆらゆらと揺らぎ
現世と幽界を渡り歩く……『ボクは白霧狐さ』
妖よ(研究員の悪霊)ボクを導いてくれぬか?
『銃弾と刃物の嵐』とは…危のうございますな…?
はてさて…如何しましょうか…
時を止めて回避するとしましょう
『権能解放:白霧』
白霧を発動しながら、簒奪者の鎌『デスサイズ』で斬り払い先へ進んでいきます
ボクは地獄(タルタロス)への往来を何度もしている
今更死など、恐れる事は無い…当然、ユーベルコードの効果は存分に使わせてもらおう
さあ、戦いの幕開けだ。
「愛らしい姿見で、機械文明のかような武器を扱うもののふとは……。油断ならぬと言ったところでしょうね……」
廃ビルの入り口前で、ふむ、と思案していたのは、ノラ・ヘルブラウ(奇蹟探究の彷徨える少女『白霧狐』・f32770)だ。
オウガ・フォーミュラである『滅詩のユリと幽銃のシズク』との因縁もあり、ノラにとってはその下につく猟書家の思惑も他人事ではない。
そして、ノラはふふ、と薄く笑った。
「ボクも少しお手伝いしましょうか」
白い霧は蜃気楼の如き。ゆらゆらと揺らぎ。
現世と幽界を渡り歩く。それこそがノラ・ヘルブラウという存在。
――ボクは白霧狐さ。
入り口前には、白衣を纏った悪霊が立っている。
「妖よ。ボクを導いてくれぬか?」
霊物質と化した存在。ノラを見ると研究員じみた悪霊はこくり、と頷く。
一歩踏み出せばそこは死地。
ビル内には、恐ろしいまでの嵐が吹き荒れている。
そう、銃弾と刃物の嵐が。
しかし、ノラは怖気づいたりすることはない。
「なるほど、銃弾と刃物の嵐とは……危のうございますな……?」
はてさて、と思案したのは数秒。
ノラは運命天秤のフラスコ『ユースティミス』を構える。
時を操ることができると言われる神器から、白い霧が妖しく広がっていく。
「――時を止めて回避するとしましょう」
『権能解放:【|白霧《はくきり》】』
たちまちに拡散した白霧は、廃ビル内の時間を過去へと飛ばし、その全てを停止させた。
ノラは簒奪者の鎌『デスサイズ』を振るうと、空間に固定化された銃弾と刃物を切払う。
空間に満ちる死は、ノラの前では無意味だった。
「ボクは|地獄《タルタロス》への往来を何度もしている。今更死など、恐れる事は無い……当然、ユーベルコードの効果は存分に使わせてもらおう」
悪霊は最短ルートへとノラを導く。
停止した時の中を征くノラは、そうして小さく呟いた。
「さあ、戦いの幕開けだ」
大成功
🔵🔵🔵
バロ・ヴァッハ
【バルタン分隊】
アドリブ〇
僕はアレクセイおじちゃんの先導の元でついて行くよ
最悪鉄砲に当たりそうになったら「オーラ防御」で防いじゃえば大丈夫!
あとアレクセイおじちゃんから「なのましん」っていうのもらったから付けてみるね!
でも、ベンジャミン・バーニングバードって初めて会うけど強いのぉ?
アレクセイ・マキシモフ
【バルタン分隊】
ベンジャミン・バーニングバード……奴とは一度戦ってみたかった。
その実力、見せてもらおう。
まぁ、奴に近づかなければ話にならんが。
土地勘があるやつに案内を頼むのが楽だろう。研究員の悪霊にコンタクトを取ろう。
「最も安全な最短ルートで先導を頼めるか?俺たちは後ろからついていく」
先導を依頼する悪霊、そして同行する俺、バルタン、バロの計4人に指定UCでナノマシンを付着させよう。これで誰かがはぐれてもすぐ合流可能だ。
バルタンの防護を受けつつ悪霊の後に続き、推奨される最短ルートを進行する。INT-BOYでナノマシン反応は逐次把握。
悪霊に迫る危険は後方からカービンで撃ち落とす。
迅速に向かうぞ。
バルタン・ノーヴェ
【バルタン分隊】
アレクセイ殿&バロ殿と共に出撃デース!
HAHAHA! 合流などさせマセーン!
ここで食い止め、討ち果たさせていただきマース!
現地まで到達するために速度は必要デスガ、今回はチーム!
悪霊の方に案内してもらい、仲間を守って安全に向かいマショー!
「六式武装展開、金の番!」
先頭を行くアレクセイ殿に適応した、モーラット用の装甲鎧に変形!
吹き荒れる銃弾も飛び交う刃物も、この身を挺して守りマース!
ナノマシンの効果もあって、お互いの死角は全面カバー!
側面から展開する銃器で援護しマース!
ベンジャミン……幹部猟書家として多様な側面を見せて来た新しい妖怪のオブリビオン。
ここが年貢の納め時であります!
時を止めて突き進んでいった猟兵の後から、別の猟兵たちも行動を開始する。
時間停止のユーベルコードの持続は2分弱が限界だ。再び銃弾と刃物の嵐が満ちる領域へと形を変えた廃ビル内を、アレクセイ・マキシモフ(歴戦のもふもふ傭兵ファーリー・ラット・f36415)は睨みつける。
「ベンジャミン・バーニングバード……奴とは一度戦ってみたかった。その実力を見せてもらおう……と言いたいところだが、奴に近づかなければ話にならんか」
「HAHAHA! 合流などさせマセーン! ここで食い止め、討ち果たさせていただきマース!」
猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』と因縁を持つ猟兵、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は、アレクセイの言葉にイエス、と頷く。
「うわー! ビルの中すごいね! このまま入ったらひとたまりもないよ!」
そうして星の神たる猟兵、バロ・ヴァッハ(「星」を司る小さな聖神・f34828)はふわふわと浮いてビル内を覗き見た。
もちろん、このままでは猟兵の身が保たない。
そして、3人の猟兵に同行する悪霊は案内はすれども、透過する体を持つが故に猟兵たちをその嵐から守る術を持っていない。
しかし、今回はチーム。一人で対策するよりも、更に行動しやすくなっている。
「最も安全な最短ルートで先導を頼めるか?俺たちは後ろからついていく」
その言葉に研究員の悪霊は頷く。ビル内に入っていこうとする悪霊と、周囲の仲間たちに、アレクセイはユーベルコードを発現させた。
「道案内を見失うわけにはいかないからな」
アレクセイが悪霊とバルタン、バロに装着したのは発信機ナノマシンだ。
逐一ナノマシンの座標を確認し、たとえはぐれてもすぐに合流可能となる、【Nano Machine Tracer】である。
「オー! ありがとうございマース! ではワタシもこの嵐を突破するために一肌脱ぎマショー!」
燦々と閃いたバルタンの双眸は、ユーベルコード発現の兆しだ。
「六式武装展開、金の番!」
瞳に輝いた輝きは転じて全身を包み込み、バルタンそのものを変質させる。
【|金城鉄壁《インバルナラブル》】は、バルタン自身を防具に変質させて他者を防護する。それは、チーム戦だからこそ扱えるユーベルコードだった。
『後は頼みマース、アレクセイ殿!』
「僕もオーラ防御でカバーするよ! 任せて!」
「ああ、頼もしいな。バロには潜入の何たるかを教えるとしよう」
おー!と目を輝かせるバロを庇うように、アレクセイは悪霊の背を追って廃ビル内を突き進む。
吹き荒れる死の嵐は防具と化したバルタンに弾かれ、バロの強靭なオーラによって全てが無効化されていく。
最短ルートを突き進むながら、先から感じる強烈な力の気配に、アレクセイのみならず、バルタンとバロもそれを肌で感じていた。
(ベンジャミン……幹部猟書家として多様な側面を見せて来た新しい妖怪のオブリビオン。ここが年貢の納め時であります!)
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ベンジャミン・バーニングバード』
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POW : あつまれ、ゆるキャラの軍団
【自動小銃やサバイバルナイフ】で武装した【人々に忘れられたゆるキャラ】の幽霊をレベル×5体乗せた【軍用装甲車】を召喚する。
SPD : 今夜はバーベキューにしよう
【自動小銃やサバイバルナイフ】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : CQ・CQ・BBQ
いま戦っている対象に有効な【軍用兵器】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
イラスト:ゆりちかお
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠バルタン・ノーヴェ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
廃ビル内最奥。吹きすさぶ銃弾と刃物の嵐の中、それはいた。
「……あれ?」
新しい妖怪、幹部猟書家。『ベンジャミン・バーニングバード』は、廃ビルの大広間へと入ってきた猟兵たちへと目を向けた。
「HAHAHA! もしかしてぼくの計画を邪魔しに来たのかな? まさかこの嵐の中を突っ切ってくるなんて!」
けらけら、と。今からユリとシズクへ加勢へ……という前にパーティーでもしていたのだろうか。簡易のバーベキューセットから、肉の焼ける匂いが立ち込めている。
「でも全部無意味さ! この世界は滅びる、ユリ様とシズク様の最期によってね!」
ばさ、と翻すのは近代兵器の数々。周りに集っていたゆるキャラたちもまた行動を開始する。
「Hey Guy's! Scout! Exclude!」
いえっさー!とゆるキャラたちがベンジャミン・バーニングバードの言葉に敬礼し、自動小銃とサバイバルナイフを構えて猟兵たちへ襲い来る。
死の嵐が満ちる中、その戦端は開かれた――!
ノラ・ヘルブラウ
他者には見せられぬ姿…
可愛らしい縫いぐるみの姿に…
底見えぬ闇の眼差し
ベンジャミン・バーニングバード
……
ふむ、実に興味深い。
……だがね、ボクには使命があるのだよ
……この世界を守るというね
では敵の様子に見るとしよう。
……
…
武装車両か。
ふむ……。
珍妙な物怪にしては現実的な戦術を取るようだな…、よかろう。
ボクも術を扱おう。
これは召喚の儀、次元を超越し星幽界より導かれし魔物の群。
権能解放:『天渦』
『石人形』……その巨体で壁となり
『不死鳥』……蘇る焔は先陣を切り
『幻妖狐』……幻にて敵を惑わし
『一角獣』……そして突撃仕掛け
開幕にはこういった余興がいいだろう。
さて…戦いを始めるとしよう。
「他人には見せられぬ姿……可愛らしい縫いぐるみの姿に……底見えぬ闇の眼差し」
猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』の本質は、結局のところ世界の破壊である。
それは、どんなに可愛らしい姿をしていても、本能はその意志に抗えない。
ノラ・ヘルブラウ(奇蹟探究の彷徨える少女『白霧狐』・f32770)は、ゆるキャラたちを操るオブリビオンを興味深そうに見つめた
「……ふむ、実に興味深い」
なるほど、と頷く。目の前の猟書家の本質を探るような眼差しは、微かに変化した。
「……だがね、ボクには使命があるのだよ。……この世界を守るというね」
「――ははっ! そんなに呑気に棒立ちしてて良いのかな? いけ、ぼくのゆるキャラたち!」
ノラが油断していると思ったのだろう。
ベンジャミン・バーニングバードは、ユーべルコードの力によって軍用車両を召喚する。
銃弾の刃の嵐が吹き荒れる戦場をゆく軍用車両は、圧倒的強靭さを秘めた防御力を持ってノラを引き殺そうとブーストをかけた。
「武装車両か。ふむ……」
そうして思案し、その双眸はユーべルコードの煌めきに閃いた。
「珍妙な物怪にしては現実的な戦術を取るようだな…、よかろう。ボクも術を扱おう」
刹那、眼前に展開したのは魔法陣。
ノラの詠唱が嵐の中に響く。
「アストラルゲート、開け。『石人形』『不死鳥』『幻妖狐』『一角獣』異界の獣達よ、ボクに力を下さい。権能解放。召喚門『天渦』」
ゆっくりと回転する魔法陣から現れたのは、4つの影。
突進してきた軍用車両が、その巨体によって弾き返される。
「!? 大きな岩!?」
「『石人形』……その巨体で壁となり」
次いで鳴いたのは炎を纏う不死鳥だ。豪熱を巻き上げて、軍用車両を地面ごと焼却する。
「『不死鳥』……蘇る焔は先陣を切り」
そうして、妖狐の瞳が妖しく輝くと、ベンジャミン・バーニングバードが視界は幻惑に覆われる。
「『幻妖狐』……幻にて敵を惑わし」
馬が啼く。
「『一角獣』……突撃せよ」
額に神秘の角を持つ幻獣が、軍用車両を貫き穿つ――!
車両が炎上し爆発した。ベンジャミン・バーニングバードはその姿からは到底予想できない程の身軽さでその衝撃から吹き飛ばされながらも離脱すると、たたらを踏む。
その姿は、苦しそうでもあった。
『|天渦《てんか》』。アストラルゲートからいずる、召喚獣の御業。
「開幕にはこういった余興がいいだろう。さて…戦いを始めるとしよう」
死闘は、始まった。
成功
🔵🔵🔴
リュカシオン・カーネーション
良し!ぶっ潰す!行くぞアロナちゃん!
《はい!行きますよ!シオンさん!》
アロナちゃんも殺る気十分だ
見切りと第六感は常に発動
私は敵の攻撃はオーラ防御と反射属性(属性攻撃)で反射してアズリエルの斬撃波で反撃する
《食らいなさい!》
炎と風と水の魔法で敵を吹き飛ばす
行くぞ…久しぶりの禁断の王!
禁断の王の重力能力で敵を押し潰しなから衝撃波と神罰と焼却で敵を攻撃する
《もう一発!》
アロナちゃんは予め魔力溜めをしていたので全力魔法で大量の敵を吹き飛ばす
吹き飛ばした敵をスナイパーと衝撃波と呪殺弾で狙い撃ちだ!
アヒルを禁断の王の環境改変で灼熱の環境にしてから衝撃波と爆破でぶん殴ってアロナちゃんの魔法で止めを刺した。
「くっ……! ぼくのゆるキャラ軍団たちが! でももう一回だ!」
「さー! いえっさー!」
装甲車に乗り、再び猟兵へ突撃してくるベンジャミン・バーニングバードだが。
「良し! ぶっ潰す! 行くぞアロナちゃん!」
《はい!行きますよ!シオンさん!》
精霊王アロナフィナと共に、リュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)はオーラを張り巡らせた。
周囲に満ちる銃弾と刃物の嵐を弾き返し、『天災邪神鎌龍アズリエル』によって迫り来る装甲車へ斬撃波を放つ。
《食らいなさい!》
炎と風が、そして水が、装甲車をその力で弾き返した。
「ぼくの装甲車が……!」
「行くぞ…久しぶりの禁断の王!」
リュカシオンに纏わりつく虹の炎が、あらゆる法則を操る力と化す。
刹那、装甲車がすさまじい音を立てて地面に沈んだ。
【虹炎覇王・|禁断の王《フォービドゥン・ルーラー》】による支配者の力。
重力を改変することで、装甲車はその自重に耐え切れずに自壊する。もちろん、中にいたゆるキャラとベンジャミンもただでは済まされない。
《もう一発!》
アロナフィナの全力魔法によって、ベンジャミンはさらにその暴威に晒された。
火が風が、水が、意志を持って猟書家の存在を削っていく――!
そうして、虹の炎は戦場の環境さえも改変する。
あらゆる生物さえも忌避する、灼熱の戦場。精霊王の魔法が、猟書家の生命力を削り続けた。
成功
🔵🔵🔴
エリュファシオン・アルティウス
残念だけど…君の計画はここで終わりだよ?
『オォォー!』
オオサンショウウオバイクのオーさんも声を上げる
自動小銃の攻撃はオーラ防御をしながらスタイリッシュ(軽業)に回避しながら跳弾で障害物や地形を利用しながら攻撃を当てる
ナイフの攻撃は反射属性(属性攻撃)を纏った結界術だけでは不安なので念動力で結界を振動させて斬撃波を喰らわせる
IT'S SHOWTIME!二人の王よ!私に力を貸してくれ!
敵は何故か二人がユリとシズク?に似ていると呟いているが二人は零と命だ…間違えるな…
命は消滅魔法弾幕で周りを攻撃し
零は幽銃で敵を撃ち抜く
二人が敵を翻弄しているうちに私は敵に近づき
ごらぁぁ!これでどうだ!
怪力で殴り飛ばす
「くっ……! 猟兵の力がこれほどなんて……!」
「残念だけど…君の計画はここで終わりだよ?」
『オォォー!』
バトラースーツを翻して、エリュファシオン・アルティウス(“やんきー”を目指す『時間逆行』を使う不思議な旅人・f39208)は自信を秘めて猟書家に告げる。
エリュファシオンの言葉に賛同するように、相棒のオオサンショウオバイクである『オーさん』が声を上げた。
「でもまだまだぼくの計画は終わらない! 今夜も……バーベキューだ!」
サバイバルナイフと自動小銃を構えて、ベンジャミンが襲い来る。
しかし、エリュファシオンの動きは洗練されている。
優雅に、そして無駄なく。
襲い来る銃弾をひらりと躱し、オーラの力によって弾き返す。
攻撃回数を上げたのだろうが、コンバットナイフの軌道を読みながら、エリュファシオンは周囲のビル柱に隠れるように回避していった。
斬、と。
オーラが斬撃波へと形を変えて、猟書家を弾き返した。
「!?」
「IT'S SHOWTIME! 二人の王よ! 私に力を貸してくれ!」
ユーべルコードは発動する。
目の前に現れるのは、水色の髪と黒いゴスロリ衣装を纏った少女『雫』と、ピンク色の髪と白ゴスロリ衣装を纏った少女『命』だ。
【|幽銃逆行王零と滅詩逆行王命《カタストロフィ・キング・レイ・メイ》】は、此処に二人の少女を呼び寄せた。
双子の少女は仮面をつけており、素顔までは掴めない……が。
「……ユリ様と……シズク様?」
「いいや、二人は雫と命だ……間違えるな」
雫と命がその力を解放する。
圧倒的な消滅魔法の弾幕と、幽銃の連射が戦場に満ちる。
防御しようと身を翻したベンジャミンだが、搔い潜るように接近していたエリュファシオンに気付かない。
弾幕を背に、エリュファシオンは拳を構える。
「ごらぁぁ! これでどうだ!」
圧倒的な怪力によってベンジャミンが吹き飛ばされ、追撃とばかりに消滅魔法と幽銃がその体に叩き込まれたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
バロ・ヴァッハ
【バルタン分隊】
アドリブ〇
覚悟しろー!ベンジャミン・バーニングバード!
僕は「トゥインクルロッド」を取り出してアレクセイおじちゃんの合図で指定UCを発動しちゃうよー!
それとベンジャミンの攻撃とかも邪魔しちゃう!
アレクセイおじちゃんに当たらないようにベンジャミンに「属性攻撃」、それと飛び交ってる銃弾とかは「弾幕」でできる限り撃ち落とすよー!
みんな頑張れー!
アレクセイ・マキシモフ
【バルタン分隊】
待たせたな、ベンジャミン・バーニングバード!
戦士として手合わせ願おうか!
バロ、やってくれ。
バロの目くらましと同時に一気にベンジャミン目掛けて急接近する。俺のアーミージャケットは防弾仕様、加えて小柄であるが故に銃弾とナイフの嵐は避けやすい!
バルタン、|援護を《カバー》!
最接近すればそこは俺の距離だ、MR1911A1とナイフを抜いてCQCを仕掛ける。
そのナイフさばきはいいセンスだ、だが実戦経験は俺の方が上だ!
ナイフを払い除けて拘束する!
今だ、バルタン! 決着をつけろ!
|こいつを撃て《Shoot him》!
バルタン・ノーヴェ
【バルタン分隊】SPD
ヒャッハー!
お待たせしマシタ、ベンジャミン!
ここでアナタとの因縁に決着をつけマース!
前衛は任せマシタヨ、アレクセイ殿!
ワタシはバロ殿と共に後衛から支援攻撃デース!
銃弾と刃物の嵐は滑走靴による空中機動で回避しつつ、グレネードランチャーで爆撃による援護射撃を行いマース!
アレクセイ殿に誤射しないよう配慮しつつ、ベンジャミンの動きを制しマショー!
そして、アレクセイ殿がチャンスを生み出してくれるその時を逃さず、UC起動!
「六式武装展開、鉛の番!」
気合いで動かす133個の複製ガトリングガンを虚空に展開!
とびっきりの弾丸を叩き込み、蜂の巣にして差し上げマース!
アディオス!
「……あれ?」
猟書家『ベンジャミン・バーニングバード』は、久しぶりに会った友人のように、声をかけるだろう。
そこに|見知った《因縁ある》猟兵がいるならば。
「そっか、追いかけてきたんだね。仕方ないなぁ」
「ヒャッハー! お待たせしマシタ、ベンジャミン! ここでアナタとの因縁に決着をつけマース!」
バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は知っている。
この猟書家を。このオブリビオンを。
「覚悟しろ―! ベンジャミン・バーニングバード!」
「待たせたな、ベンジャミン・バーニングバード! 戦士として手合わせ願おうか!」
そうして、バルタンに並ぶように現れるバロ・ヴァッハ(「星」を司る小さな聖神・f34828)とアレクセイ・マキシモフ(歴戦の|もふもふ傭兵《ファーリー・ラット》・f36415)を見て、猟書家はふふ、と笑う。
「仲間も連れてぼくを倒そうっていうんだね? でも無理さ! 君たちを倒して、ユリ様とシズク様に|会い《加勢》に行くんだから!」
「そんなことさせマセーン! 前衛は任せマシタヨ、アレクセイ殿!」
「了解した……!」
アレクセイが拳銃とナイフを構えてベンジャミンへと駆け出した。
「ぼくとCQCだって? 面白い、返り討ちにしてあげるよ!」
同じくコンバットナイフと自動小銃を構えた猟書家は、肉薄してくるアレクセイを迎え撃つ。
「――バロ、やってくれ。バルタン、|援護《カバー》を!」
「よーし、それじゃあいくよー! 輝け〜♪」
ベンジャミンのつぶらな瞳が悪に澱む。そしてバロの瞳がユーべルコードの超常に瞬いた。
構えたトゥインクルロッドから放たれたのは、敵味方を識別する眩い星の閃光だ。
「――|閃光手榴弾《スタングレネード》!?」
【|金星の幻煌《アフロディテフラッシュ》】は、バロたる神の権能の一つともいえる。
見事命中したユーべルコードは、ベンジャミンの視界を暗闇に覆い尽くした。
ベンジャミンが目を瞑る。
その隙を見て、アレクセイが猛攻を仕掛けた――!
「そのナイフさばきはいいセンスだ、だが実戦経験は俺の方が上だ!」
「実戦経験? ははっ、ぼくがどこから生まれたのか、君は分かってないね!」
目を瞑っていても、その動作は熟練の兵士そのもの。
ゆるキャラじみた猟書家なれど、それは猟書家たる者の実力を秘めている。
なぜならば、ベンジャミン・バーニングバードは民間軍事会社のマスコットキャラ。
新しい妖怪故の、その由縁からの権能を体に秘めているからだ。
ベンジャミンのサバイバルナイフとアレクセイのナイフが空間を踊る。
翻し、弾き、隙に突き刺すだろう銃口から放たれる銃弾を双方とも躱し――実力は拮抗している。
が、その拮抗を崩したのはバルタンとバロの援護だ。
「やはり侮れマセンネ!」
「みんな頑張れー!」
ベンジャミンの銃撃が、バロの属性攻撃によって撃ち落される。
次いで放たれたグレネードランチャーの爆撃が、ベンジャミンに襲い掛かった。
「ぼくのCQCを妨害するなんて……!」
爆炎と煙幕が覆う中、それをかき分けるようにアレクセイが再びベンジャミンに肉薄する――!
援護射撃によって体勢を崩している今が好機。
【|Close-quarters Combat《近接格闘術》】による、目にも止まらぬ拘束劇だった。
「今だ、バルタン! 決着をつけろ! |こいつを撃て《Shoot him》!」
アレクセイの声に、バルタンは頷いた。
「六式武装展開、鉛の番!」
ガトリングガンが133個複製され、空間に浮かび始める。その銃口は、ベンジャミン・バーニングバードに突きつけられた。
「アディオス!」
激烈な銃撃の嵐。銃弾と刃物の嵐を超える、空間に満ちる死の雨。
「ぼくは……ぼくはまだ……っ!」
飛びのいたアレクセイがいた位置に、【|無限の弾幕《アンリミテッド・バラージファイア》】は炸裂した――。
ぐったりと倒れ伏すベンジャミン・バーニングバードから血は流れない。
けれど、オブリビオンとしてその生命力を削り取られた猟書家は、霞となって消え失せようとしている。
「……なんだろう。なんだか、懐かしい匂いがしたよ」
体が塵となって消え失せるその様子を、バルタンは静かに見守った。
「……傭兵を戦場へ何度も見送った|キャラクター《自分》が、結局誰の役にも立たないなんて、皮肉だよね」
バルタンを見つめる虚空の瞳が、微かに揺れ動いた気がした。
そう嘯いて。猟書家の一人は、この世界から完全に姿を消したのだった。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2022年12月20日
宿敵
『ベンジャミン・バーニングバード』
を撃破!
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