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【日常β版】河辺でのBBQ、良き肉と共に

作者：黒代朝希

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「さて、希島ここでは初めましての者もいるだろう」
　そう言って尊大ながらも礼節の行き届いた所作で君達を出迎えたのは、アドナ・セファルワイド（セファルワイド初代にして最後の皇帝・f33942）。
　彼女は『希望峰きぼうほうアース』という世界に纏わる依頼を紹介する猟兵……希島がある世界とは全く異なる世界からやってきた『異世界人』の一人であり、今回は歓迎会として希島の自然地区において河川でのBBQが開かれるとの事だ。
　アドナがホログラフを虚空に浮かべると、そこには緑豊かな河川敷……日本信州地方を思わせる爽やかで涼し気な雰囲気を醸し出す風景が広がっている。
　ここでBBQが開かれるのだ。
「希島は気候的には熱帯圏に近く、常夏の初夏の南国であるから冬場のBBQとはならない。爽やかな気分を味わえる事であろう」
　当然、用意される食料も並みのものではない。
　舞台となる自然地区にて飼育された高級な肉質の牛肉、豚肉、鶏肉に加えて新鮮な魚介類にご飯やパン等、様々なBBQに纏わる食材や料理が取り寄せられており、それらをBBQに参加する者達は楽しむ事が出来る。
「その他にも河川で水遊びをしたり、日陰のある木々にかけられたハンモックなどで寛ぐのもありであろう。なんにせよゆっくりとBBQ等を楽しむと良い」
　水遊びについてはアドナが商業地区から取り寄せた様々な水着を借りることも、自前の水着を身に着けるのも自由だ。
「後は水遊びの道具についてか？　それらも望めば取り寄せよう」
　何にせよ、今回はBBQ等を通してゆっくりと寛ぐ事が目的の依頼だ。
「休暇と滋養に励むと良い。妾もこういった祭りごとは嫌いではないのでな」

第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動 SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動 WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「自然地区の河原のあたりでBBQですか？　ぜひカフェも参入したいですね！」
　アドナから紹介されたこの依頼に対してルネ・ロッサ（ブラック・メイドナイト・f27104）は自身が率いる旅団『ルネ・カフェ』として参加していく。
「特にBBQなど飲食のイベントであれば、カフェは調理で貢献できるでしょうね。そう言う訳なので……皆さん、たくさん食べていって下さいね？」
　カフェの方で下拵えしたBBQ用の肉類、魚介類、野菜、きのこ等を鉄板で焼いていくルネ。
　肉や魚介等が焼けていく芳ばしい香りが、周囲を包み込んでいく。
「いずれも希島の特産品であり、カフェのタレかスパイスで味付けした絶品です。どうぞご堪能下さい」
　ルネは食品関連に従事する猟兵として、このBBQの依頼に参加した者達に鉄板焼きを披露していく。
　カフェを営んでいるだけあって、その手際は淀みないものだ。
「どれどれ……よし、ちゃんと火が通っていますね」
　豚肉や生食用でない魚介類に火が通っていなければ食中毒に繋がってしまう為、ルネがちゃんと火が通ったかを味見しながら確認する。
　無論の事火を通し過ぎて焦がしたり味を劣化させるような不手際ともパーラーメイドであるルネは無縁の腕前を持っている。
「皆さんのこれからの希島生活や学園生活に幸あれ、です」
　そう言って焼けた肉類、魚介類、野菜、きのこ等を皿に盛り付け、鉄板焼きを注文した者達に差し出していくルネ。
　箸を取って鉄板焼きを口に含むと、溢れ出す肉汁等の旨味が口の中に広がっていく。
「我ながら良い仕事をしましたね」
　そう評価しながら、ルネも自身の皿に盛られたきのこを口に含み笑みを浮かべるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「BBQ！おそらく年長組になるでしょうから、お肉やお野菜を焼くポジションになりましょうか」
　そう言ってベルカ・スノードロップ（【中将】少女を愛に染め救済せし夜の王・f10622）は甲斐甲斐しく島の一般人……主に少女や幼女？を世話していく。
　ちなみに麗しい見た目とは裏腹に、ベルカは30代初頭の年齢だ。
「お野菜7割、お肉3割くらいで……玉ねぎとかピーマンとか、BBQのお野菜は美味しいですよね」
　やがて焼き係の役割を交代し、休憩に入ったベルカは皿に盛られた料理を食していく。
　肉は勿論肉汁があふれて美味なのだが、野菜も甘味や食感が噛むたびに口内に広がっていくのがたまらない。
　機嫌良く箸を進めていくベルカは、ふと視界にある者の姿を捉える。
「……アドナさんとは、そういえば話したことないですよね」
「そうだな。こちらも貴様の名は聞いているが、こうして腰を据えての対話は初めてという事になるな」
　それは此度のBBQを立案したアドナである。
　彼女はアース系世界におけるスペインの地ビール……アドナは見た目は幼女であるが、実年齢は数世紀レベルの超人である。
　ブルーアルカディアの皇帝の座を握り取って贅沢も一頻り味わった彼女であるが、酒の旨さはどの世界でも不変である様だ。
「宗教家と聞いて戒律に反するか判断がつかなかったから、代わりにクラフトコーラを注いできた」
「ありがとうございます。そつのないお方ですね」
　ベルカはアドナからコーラの注がれたグラスを受け取り、喉を潤していく。
　有名ブランドのものとはまた異なる爽快感が口内と喉を癒す感覚において、コーラ程優れた飲料水は存在しないだろう。
「そう言えば……アドナさんはそっちの方面にも詳しいとか」
「そちらもな……」
　両者、妖しい笑みを浮かべる。
　どちらも性において卓越した偉業を成す猟兵でもあるからだ。
「ま、ここではなんだ……という事にしよう」
「それもそうですね」
「クリスマス以降は、手すきが出来そうだ」
「そうですか……」
　そんなやり取りを繰り広げながら、宗教家と皇帝はそれぞれコーラとビールで喉を潤していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「河川敷でBBQ？　そうだ、そうういうシチュエーションなら……水着2021の水着の様なビキニウェイトレス風の格好がいいかもしれないわねぇ」
　豊満な肉体をウェイトレス風のビキニ――流石に河川敷故にローラースケートは脱いでいるが、ともあれ露出度は高いが給仕作業には似合う水着を纏う豊原・フィリス（セクシー系バーチャルキャラクター・f15722）は、肉を焼き野菜を焼きBBQを円滑に進めていく。
「あつつ、やっぱりビキニじゃBBQは向いて無いかしらぁ……あら、くれるの？　ありがとう」
　学生からフランクフルトを貰い、モグモグと可愛らしい咀嚼音と共に味わうフィリス。
　そんな彼女だが、出自はキマイラフューチャーの複数のＨゲームの開発データを基に構成されたバーチャルキャラクター。
　故に肉体が豊満なのはそれに由縁する所なのだろう――だからこそ、セクシーなビキニ姿でBBQを楽しむ姿は、周りから大いに視線を集める。
「(身体の特定の場所に視線は感じるけど……皆紳士なのねぇ)」
　ここはそういう場面ではない、という事を理解している少年と青年達はここで不埒な事はしない。
　よって恥ずかしさ耐性が達人マスターのレベルまで獲得しているフィリスは特に気にしないでBBQを続け、給仕と食事をしていく。
「はーい、次はサーロインステーキですよー」
　鉄板の上で焼かれていく上質なサーロインの焼ける音と香しい肉の薫り。
　それに加えて汗を流して給仕に勤しむフィリスの豊満なウェイトレスビキニに包まれた姿が見れるこの河川敷は、正に極楽浄土と言えるだろう。
　だが、誰も不埒な事はしない。
　繰り返すが、この河川敷でのBBQは『そういう事』をする為の場所と機会ではない。
　故に、眼福と悶々とした気持ちを抱えながら、河川敷のBBQ会に集まった少年と青年達はただ上質な肉を噛みしめ、肉汁を堪能していく――

　後日、フィリスは希島にてそれなりに知られているセクシー系女優として活動していた。
　それなりという事は知名度はあるという事で、ネット上では彼女のファンサイトも開かれて少なくない固定層がいる程だ。
　そんなフィリスについてだが、十二月初頭にてウェイトレスビキニという水着でBBQをやる姿がSNSにアップされていた。
　故にネットでの彼女に纏わるサイトは大盛り上がり……だが、炎上はしていない。
「なら、実害はないからいいよね」
　そう言ってフィリスは『祭り』を自身のパソコンで確認し、肩を竦めた後セクシー系女優としてグラビアの撮影へと赴くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「常夏のBBQ、楽しそうやん！　それじゃあ、あたしはーっと……ちょっと魚獲って来るなー！」
　そう言って河川の深めな所に入って、息止めて魚を探していくのは有山・優音（あまはん・f39297）。
　真のオーシャンハンターを目指すオーシャンフロンティアから来た海女見習いの少女だ。
　その腕前は猟兵になった今、ユーベルコードの域に昇華されている。
「ワイヤーハープーンも一応持って来たから、ええサイズのいたら突いて仕留めたる！」
　有言実行、優音はヤマメやイワナ等を銛で仕留めていく。
　そこから仕留めた川魚を軽く切って絞める。
「絞めないで放置したら鮮度落ちるねん」
　生き締めとは魚を美味しく食べる為の処置であり、狩猟に成功した人類が魚に施さねばならない慈悲。
　魚を即死させて苦痛から解放し、鮮度を落とさない様にすることが重要なのだ。
「そうしたらBBQ開始や！　野菜は～……あたしトウモロコシとピーマンは嫌いやからタマネギオンリーでええか！」
　川魚をBBQの運営委員に渡し、タマネギを黙々と食べていく優音。
　そのまま魚が焼けるのを待ち、やがて火が通ったのを確認する。
「ほな、美味しそうに焼けたから頂こか！」
　内臓を抜き塩を振った川魚の串焼きを手に取り……そのまま彼女は白身を齧り、咀嚼して味わっていく。
「んま～！やっぱり魚は何の調理法にも合うで～！」
　頬っぺたを抑え、溢れんばかりの笑顔で川魚を食べていく優音の姿は、BBQ運営委員の心を癒していく。

　やがてBBQ会場は日が落ち、閉会の時間となる。
　こうして、希島での日常は始まりを告げるのであった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2022年12月30日