ありふれた幸せを守る為に~砕け、悪しき未来!
●それは願いの代償?
――彼女を自分だけのものにしたい。
自分はその願いは隠すことすらせず、これまでずっと彼女にアプローチを続けてきた。彼女とて自分の言動を悪くは思っていなかったはずだ。その証拠に拒否の気配は一切感じていない。自分だけでなく、周りの友人もそう言っていた。
だが彼女が伴侶として選んだのは自分ではない。花嫁衣裳を纏った彼女の隣に立っているのは自分ではないのだ。
仕方ない、これは仕方のないことだ。だって、彼女はひとりしかいないし、何より彼女が幸せなら、それを壊すことは憚られる。
自分だってそれくらいの良識はある。……ある、が。
この目の前の『惨状』は何だ?
何故、この場で『生きている存在』が自分以外に誰もいない?
あの赤い、宝石が人の形を取っているような人外の存在は……何だ? その人外の手から伸びる槍で……頭を潰されて絶命している純白の衣装を纏った人は……誰だ?
「これで……お前の願いは叶った」
「な、なに、を……」
「もう誰もお前の想い人を懸想することはない。お前が思い続ける限り、想い人は永遠にお前だけのもの」
そう言って人外の存在は右手の槍を無造作に掲げる。だらり、とぶらさがった女性の体。よく見知った体だ。ずっと追いかけてきた憧れの女性の体を間違えるはずもない。
「自分だけのものにしたかったのだろう?」
人外の存在が嘲笑った気がした。響き渡る絶叫が自分の声だと気付いた時、自分もまた赤い宝石の槍に貫かれた。
●砕くべき終焉を告げに
「お集まりいただき光栄ですわ。猟兵の皆様方」
そう告げる女性は|艶《なま》やかな微笑を浮かべながら、ふわりと頭を下げる。足元から触手が覗いているがそれは彼女の出身が関係している……が今は重要な項目ではない。
「この度、猟兵に覚醒しました。ピュアリィのエンドブレイカー、スミレ・エロイーズと申します。以後お見知りおきを」
顔をあげて改めて猟兵たちを見つめるスミレの視線には、確かな信頼が宿っている。
「|悪しき未来《エンディング》を破壊するため、力をお貸しくださいまし」
●|悪しき未来《エンディング》
事件が起こる場所はエンドブレイカー世界にある都市国家『水神祭都アクエリオ』。水神アクエリオの加護の元、無数の運河が走る水の都市国家である。
「上層ではなく、比較的下層の住宅地域なのですが、実は結婚式がございまして」
アクエリオの街において欠かせないものがゴンドラだ。だが多層でかつ入り組んでいる都市国家を進むには特殊な操船技術がいる。
それを修めたアクエリオの花形職業が『ゴンドラ乗り』である。
そのド新人の男と、アクエリオの誰もが名を知っているほどのトップゴンドラ乗りの女性とが結婚する。
「新郎の友人曰く、『何がどうなってそうなったのかマジで謎過ぎて説明できない』らしいのですが、目出度い事には変わりなく」
そんなわけで結婚式はもちろんゴンドラに乗りながら。盛大に華やかに祝われる。水路の周りにはお祝いに駆けつけた屋台なんかもあったりして、本当にお祭り騒ぎだ。
そして当然のようにゴンドラレースもある。花嫁衣裳で参加するって言ってる新婦。
「ま、まぁ、それはさておきまして」
勇ましい新婦の言動を思い出して微苦笑していたスミレが表情を引き締める。
「この結婚式が『エリクシル』に狙われているのですわ」
現れるのは無慈悲な戦いのエリクシル『戦女神ラーディス』。
「世界の瞳から行く事が出来る、小世界の神に匹敵する力を持ちますわ」
かつて魔王ゼルデギロスと戦って封印したという水神アクエリオの加護を以てしても、このエリクシルの脅威は排除しきれない。
「ですが、まだ侵入を許したのみ。|悪しき未来《エンディング》が訪れるまでにはまだ時間がございますの」
エンドブレイカーであるスミレがここでこのように話しているという時点で、|悪しき未来《エンディング》は捕捉されている。後は破壊するのみ……だが。
「現地のエンドブレイカー達だけではこの悲劇を回避する事は不可能。ゆえ、皆様方にご助力いただきたく……現地へ飛んでほしいのですわ」
●|悪しき未来《エンディング》を幸せに変える為に
悲劇の原因、エリクシルのラーディスはアクエリオの最下層にあるギガンティアに出現する。そのまま階層をあがってくるのだ。そして結婚式が行われている階層へ辿り着き、ひとりの男を残してその場に居る全ての生物を虐殺し尽くす。その男の『願望』を『歪めて叶えるため』に。
「しかし、逆に言えばギガンティアの出口で待ち構えれば確実に遭遇できますわ」
階層を上がり切る前に迎撃して倒す。
幸いにしてギガンティアの出口に当たる階層は廃墟となっている上にだだっ広い。戦闘を行うには十分な環境だ。
「これを倒して事件解決……とはならないのが、大変に申し訳ないのですが」
何が問題かというと、ラーディスは倒された瞬間に『万能の魔人』としての力を行使する。死に際に願いの力で大量のモンスター……というか、支配下に置いている怪物化した人間『デモン人間』を召喚するのだ。しかも結婚式が行われている階層に。
「これらがラーディスの目的を果たすべく、虐殺を行おうとするのですわ」
現地のエンドブレイカーがその階層に集結しているため、すぐに惨劇とはならない。ラーディスを撃破した後、迅速に移動すれば十分に対応可能だ。
「デモン人間は、見た目は人間ですが|悪魔《デモン》と呼ばれる『具現化された夜』に肉体と精神を完全に乗っ取られ、既に人としての生を潰えております」
ゆえに倒してこの世から排除するしかない。助ける方法はない。既に中身は別のモノに喰い尽くされているのだから。
「このデモン人間を倒し切れば、事件解決ですの」
新郎新婦はじめ、参加していた人々の無事を確認できれば、後はお祭りである。のんびりと参加して、楽しんできて欲しい。
「環境が少しばかり特殊、かもしれませんが、やっていただく事は敵を倒す、というシンプルな依頼ですわ」
ひと通り説明を終えて、ふぅ、とひと息ついたスミレが猟兵たちを改めて見つめる。
準備が整っているのなら。スミレが杖を掲げてその先端に転送の光を宿らせる。
「それでは皆様方に託します。|悪しき未来《エンディング》を砕き、新しい幸せを守ってくださいまし」
そう言ってスミレは猟兵たちをエンドブレイカーの世界へ転送するのであった。
るちる
まいどです。いつもありがとうございます、るちるです。
そういえばうちの子(当時のEB)、『アクエリオ様の昼寝友達』の地位得てたわ……と思い出したのが先日でござる。あと、TOPに立っているのはグリモア猟兵なので倒せません。エロイーズだけどエロくもないよ、たぶん。
●全体
3章構成の通常シナリオです。
1章、2章が戦闘、3章が日常になります。ボスをぶっ飛ばして、その残滓をなぎ払い、全部終わったら結婚式に紛れ込んで遊びましょうっていう流れです。
禁止事項:R18的な行為および公序良俗に反する行為。一般人を巻き込む行動。
●1章
ボス戦『戦女神ラーディス』。
廃棄された階層(ギガンティアの出口)で戦闘です。瓦礫や廃墟は残っていますが動物1匹いないフロアで戦闘になります。天井ありますので3次元機動できる構造です。多少ぶっ壊れても大丈夫です。
待ち受ける態勢になるので、事前準備やトラップ設置オッケーです。
●2章
集団戦『デモン人間』。
結婚式が行われている『住宅地域』の階層にぽこじゃか召喚されます。現地のエンドブレイカー(Not猟兵)が応戦して食い止めますのでその間に駆け付けてください。普通に行動すれば、被害を出さないという結果に十分に間に合います。
人が住んでいる階層なので広域破壊はご遠慮ください。少々巻き込む程度(人・物ともに)は問題ないというか仕方ありません。水路が走っていますので水は豊富にあります(戦闘の邪魔にはなりません)
●3章
日常『お祭りに行こう』ということで結婚式再開です。
その時にまた状況は説明しますが、お祝いにかこつけたお祭り騒ぎです。ゴンドラに乗ってのんびりもオッケーです。TW3で自分のゴンドラ持っている人は出してきてもいいです。
●
各章、始まる前に冒頭説明or補足説明を追加します。参考にしてください。
冒頭説明が入ったらプレ受付開始。タグでお知らせする予定です。
毎度ですが、1日の執筆人数が多いと採用できない人が出るかも? プレ受付開始や状況なども含めて、タグでお知らせしたいと思っています。
それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす!
第1章 ボス戦
『戦女神ラーディス』
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POW : 願望実現武装
自身の装備武器を【願望実現武装】に変え、【必中】能力と【防御貫通】能力を追加する。ただし強すぎる追加能力は寿命を削る。
SPD : エリクシルウェポン
【願望宝石エリクシル】から、対象の【戦いに勝ちたい】という願いを叶える【エリクシルウェポン】を創造する。[エリクシルウェポン]をうまく使わないと願いは叶わない。
WIZ : 戦女神の武器
レベル×1個の【願望宝石エリクシル】を召喚する。各々、「投擲武器、時限爆弾、自身の立体映像」のどれかに変形できる。
イラスト:そは
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
『それ』はゆっくりと形を成していく。ギガンティアという、凶悪なモンスターが跋扈する領域においてなお、忌避されるほどの脅威。この世界にどうやって|侵入《はい》りこんだのかはわからないが、確実にこの場に姿を成した。
『戦女神ラーディス』
「ああ、良い、良いぞ。『願望』を感じる……」
それは『エリクシル』としての本能か、性能か。並々ならぬ、されど表に出していない秘された感情を、微かにしか零れて出ていないその気配をラーディスはしっかりと捉えていた。
後は辿るのみ。道を間違える要素もない。
だが。
ラーディスは足を止める。複雑な構造の領域を抜けてだだっ広いフロアに出たその瞬間である。
そこにいたのは敵。自身と敵対する意思を持つ生物。
知性ある生物はエリクシルの餌ともいうべき存在だが、目の前の生き物はそういう類ではないことを察知するラーディス。
「ならば滅ぼしてくれよう。糧とならぬ生物など邪魔なだけ」
両の手に赤い宝石の槍を生み出して、しかしラーディスは歩を止めない。
対するは猟兵たち。エンドブレイカーの力によってこの場に参上した、世界を救う存在である。
※シナリオ補足※
戦場についてはオープニングやマスターからのコメントに記載があります。残念ながらこのフロアには水路はありますがゴンドラを使えるような十分な水量がありません。水路を障害物として利用するのはアリです。
その他は特段の注意事項はありません。純戦です。
エリクシルは強大ですが、エンドブレイカーでなくても猟兵であるなら倒し切れる力があります。エンドブレイカー以外の方も遠慮なくご参加ください。
●
願望を『歪めて叶える』ことが万能の魔神エリクシルにとっては重要だ。
だが逆に言えば、エリクシルのしていることは『願いを叶えている』だけなのだ。ゆえにその願いを持つ者に対して、敵意も無ければ悪意も無い。攻撃を加える事すらしないだろう。
ただ……絶望させるだけだ。
『こんなことなら、叶えてくれなんて言わなかった!!』
後悔とは、後で悔いると書く。知っていればこんなことには……だが事前に知ることが出来ないから、望みを絶たれ、後悔する。
ならば、|絶望の未来《歪んだ叶え方》を事前に知ることが出来るならば。
それを為すのが|エンドブレイカー《終焉を終焉させる者》。|悪しき未来《エンディング》を破壊する力を持つ者たち。
未来を知り、的確に妨害してくる者たちをエリクシルは無視できない。すなわちエンドブレイカーも猟兵も。
彼らの存在こそが万能の魔神に対する|対抗策《カウンター》なのだから。
久遠寺・遥翔(サポート)
UCでフレアライザーや派生形態に変身するか
イグニシオンに【騎乗】して戦う
死角を突いたりといった戦法に躊躇はない
戦いでは取れる手を全力でとる
ただ人質を取ったりなんて義にもとる真似はしないけどな
救助対象がいる場合それ優先で動くぜ
変身・騎乗どちらの場合でも基本的に【空中戦】を仕掛ける
飛行系UCの速度やワイヤーを使った【地形の利用】【ダッシュ】による高速機動戦闘だ
相手の攻撃は【第六感】【視力】を駆使した心眼で【見切り】ながら【残像】でかわし
避けきれない攻撃を【オーラ防御】や【各種耐性】で受け流しながら【カウンター】の
【生命力吸収】する黒焔で対象を【焼却】する【2回攻撃】を叩き込む戦術になる
●
在りし日の名残が崩れ落ちた遺跡として連なっている階層。
『滅せよ』
万能の魔神エリクシルの『戦女神ラーディス』が呪いを紡ぐ。乳房の間に埋め込まれている赤い宝石――願望宝石エリクシルが輝き、ラーディスの眼前にエリクシルウェポンたる無数の宝石で出来たナイフを形成する。
間髪を入れず放たれるナイフの弾幕。それは階層を埋め尽くすほどの物量にして押し寄せる津波のようなものだ。
「『|焔の黒剣《イグニス》』ッ、行くぜ!! |原初起動《イグニッション》!!」
押し寄せる赤い津波に対して、久遠寺・遥翔(焔の機神イグニシオン/『黒鋼』の騎士・f01190)は黒き焔の神剣を振るう。迸る黒炎が渦を巻いてナイフの弾幕を砕きながら、一方で遥翔の体を包み込む。そして黒き焔が形を成す。その姿は異形の騎士。
「フレアッ、ライザァァァァァ!!!!」
裂帛の気合が炎と同時に周囲にあった全てを吹き飛ばす。
焔黒騎士フレアライザー、オブリビオン・イグニスの骸魂を宿した遥翔のもう一つの姿である。
『小賢しい』
再び願望宝石が明滅する。形成される6本のエリクシルウェポン。赤い宝石で出来た武器が怪しげに煌めき、直後、弓から宝石の矢が数条放たれる。
「芸が無ぇな!!」
得物が違うとはいえ、同じ攻撃だ。それは読めていたと言わんばかりに、アームドフォート『フェンリル』からワイヤーアンカー『プロミネンスチェイン』を放つ。鋭い先端の錘が天井に食い込み、ワイヤーを巻き取る勢いで宝石の矢を回避しながらフレアライザーの体が上昇する。
「くらえっ!!」
体を反転、天井に着地した瞬間にプロミネンスチェインを回収、間髪を入れずに天井を蹴ってラーディス目掛けて突っ込むフレアライザー。同時に腰に構えた黒き神剣が昏き焔を迸らせる。
一閃。空を切って放たれた焔の斬撃波がラーディスを真っ二つにする軌道で直撃。
『この程度か』
否、当たる直前に宝石の斧に叩き斬られ、折れた衝撃波を宝石の剣による横薙ぎの一閃で散らされる。
「……っ?!」
その結果をフレアライザーが視認した、一瞬後。宝石のジャベリンが真っ直ぐフレアライザーの眉間目掛けて投擲されていた。
「ちっ……!」
その高速の一撃をフレアライザーは見切ってはいる……が、空中であるために支点がなく回避しきれない。
(なら……っ!)
遥翔の思考がそのまま|焔の黒剣《イグニス》の行動になる。フレアライザーの纏った黒き鎧から立ち上がる焔。それが一瞬にしてフレアライザーの全身を包み、その業火で以て盾のようにジャベリンを溶かし、弾く。
着地。素早く距離を取って態勢を整えるフレアライザー。
『なるほど。悪くはない。糧にはならぬ。されど、贄にはなろう』
ラーディスがゆっくりと歩き出す。その手にある刺突槍と剣、そしてハルバード。弓による牽制が放たれる。
見えている、反応は出来ている。しかし、状況をひっくり返すには……少々力が足りないようだ。
「ならこうするまでだ」
フレアライザーが|焔の黒剣《イグニス》を両手で構える。再び立ち上がる昏き業火。それは矢を弾く守りであり、そして新たなる力。
「更なる同調を。完全融合術式・真焔(コード・イグニス)」
厳かに告げた遥翔の声に応えるように、焔がフレアライザーを包み込む。そのまま表面を這い、纏い付き、同化していく焔。
【完全融合術式・真焔】――骸魂【イグニス】と合体し、一時的にオブリビオン化する強力なユーベルコード。その分代償も大きいが、その前に決めてしまえばいい!
「いくぜッ!!」
ぐっ、と力を篭めた足が地を蹴れば、弾丸のようにラーディスへ突っ込むフレアライザー。
『……!』
その勢いのまま叩きつけられる黒剣をラーディスの赤い剣が受け止める。直後、フレアライザーの腹目掛けて突き出される刺突槍。
だが遥翔の第六感がその攻撃を捉えている。突進の勢いを殺さないように受け止められた剣を起点に跳び上がる。前転するようにラーディスを飛び越え、振り向き様に黒剣を一閃。今度は赤き斧とぶつかり合って、双方弾き飛ばされる。
『くっ……』
「遅ぇ!!」
弾き飛ばされた衝撃が予想以上に重かったのだろう。斧に振り回されそうになった体を硬直させたその隙へ、遥翔が地を蹴って再度突撃。イグニスと同化した今、反応速度はフレアライザーの方が上だ!
『遅くとも、見えてはいる』
だが冷静に。ラーディスが剣と刺突槍を繰り出す。的確にフレアライザーを迎撃する位置へ切っ先と穂先を置いて、突っ込んでくるフレアライザーに直撃させる動き。
それでも。
フレアライザーは速度を緩めない。エリクシルウェポンの切っ先と穂先がフレアライザーの鎧を貫く。
「狙いが甘いな!」
そう、反応が遅れた分だけ、攻撃の精度が甘い。貫いた場所は肩口と脇腹。致命傷ではなく、さらに言うなら『突き刺さっている分』だけラーディスの動きが鈍る。防御に使える腕と武器が残っていようとも、長柄物はこの間合いでは使えない。つまり。
「隙だらけなんだよっ!!」
『チッ……!』
上段に振りかぶった黒剣が真っ直ぐラーディスに向けて振り下ろされる。防御することもできず、その一撃を喰らうラーディス。
『貴様ッ!!』
頭を覆う願望宝石エリクシル製の兜を黒き焔の神剣が粉砕するのであった。
成功
🔵🔵🔴
メサイア・エルネイジェ
人のお結婚式を邪魔するすっとこどっこいは!わたくしにぶん殴られて天に召されるのですわ〜!
エリクシルの仕業なんて言い訳で済んだら警察は要りませんのよ〜!
戦女神がなんぼのもんですわ
こちとら戦闘民族クロムキャバリア人で超天極光アンビシオンの戦乙女ディバインメサイアですわ〜!
見敵必殺ネメジスト!
ビームをおシュート!
間合いを詰めて剣で勝負するなら望む所ですわ
王笏ハンマーでぶん殴り…と見せかけましてネメジストでカウンターエッジ!
腕をぶった斬ってご自慢の武器を使えなくして差し上げますわ〜!
そこへ王笏ハンマー!脳天をかち割って中身を…あら?
この御方よく見たら上がすっぽんぽんではありませんの!
風邪引きますわよ!
●
『星霊建築』――日光や月の光すらも再現する恐るべき技術であるが、技術である以上メンテナンスという意味で手が入らなければ、徐々に劣化していくのが通常だ。ゆえに下層の、棄てられた領域は薄暗く寂れている。だからこそ、ならず者や犯罪者、あるいはモンスターといったものたちの根城になることもある。
この領域は幸いにして生き物の気配は無いが……戦う者たちがこの場に降り立っている。
『チッ……!』
吐き捨てるように舌打ちして、願望宝石エリクシルの力を開放する『戦女神ラーディス』。エリクシルとは彼女らの種族の名前にして、その力の源あるいは根源そのものともいえよう。
ラーディスの目的は上の階層にあるのだから。この階層を突破するという願望のもと、ラーディスの装備が復元していく。
『厄介なものだ。猟兵。だが、この程度でエリクシルの力は……ぐはっ?!』
最後まで言えなかった。
何故かって、地面を這うような低空飛行かつ超高速飛行で何かが突っ込んできたからである。文字通り突っ込んできたからである。
「人のお結婚式を邪魔するすっとこどっこいは! わたくしにぶん殴られて天に召されるのですわ?!」
いやぁ、もうぶっ飛んでるけどなーとは誰もツッコまない。あまりにも華麗にラーディスが吹っ飛んで壁にめり込んでいるからである。
「エリクシルの仕業なんて言い訳で済んだら警察は要りませんのよ?!」
その存在は中空にホバリングしながら、ラーディスを見下ろす。自身の大型機械鎧から吐き出すダウンバースト、そして神々しい輝き。その姿を目にしたものは『女神か?』と思っても遜色ないほどの存在感。
「戦女神がなんぼのもんですわ。こちとら戦闘民族クロムキャバリア人で超天極光アンビシオンの戦乙女ディバインメサイアですわ?!」
名乗りがいろいろ台無しなんだよなぁ、とか思ってはいけない。
ぶっとび系ポジアクティブ|お姫様《ヒロイン》、メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)の参上である!
『舐めた真似を』
メサイアの名乗りの間に復帰してきたラーディスが願望宝石エリクシルで形成した武器を構える。馬上槍と投擲槍。突っ込んでくるメサイアに対して迎撃するならこの武器が最適とラーディスは自信をもって……。
「見敵必殺ネメジスト! ビームをおシュート!」
そんな常識、メサイアさんに通じるわけないじゃないですか。宙に浮いたまま、というか、さらに距離を取って『収束率可変式荷電粒子砲・ネメジスト』からチャージショットをかますメサイア。
『くっ……』
ちょっと予想と違った攻撃にラーディスが身を捻って回避する。若干、態勢が崩れたところへメサイアがネメジストからビームを連射する。
それを咄嗟に作り出したハルバードの斧部分と幅広の刃で受け止め、弾き返すラーディス。
「む……なかなかおやりになりやがるのですね」
遠距離でのビーム射撃は直線的な動きにやりやすい。ゆえにラーディスも対応してきているのだろう。ビームを弾き返しながら徐々に距離を詰めてくるラーディス。
『ほら。もうすぐこの刃がお前に届くぞ』
「望む所ですわ!」
こういう時の切り替えは早い。メサイアは銃剣付きビームライフルを仕舞い込んで飛翔突撃。素早く手にした武器は『エルネイジェの王笏』――メサイアの国で王族に代々受け継がれし変幻自在の杖である。
「王笏ハンマーーーッ!! おクラッシュですの!!」
それ、ウィザードロッドじゃねぇのかよ!! とか言ってはいけない。とある博士に魔改造されてるから大丈夫。
全力で振りかぶった王笏ハンマーを振り下ろすメサイア。
だが。
『さっきから直線すぎる。読み易い』
強烈な一撃だが、真っ直ぐすぎる一撃はラーディスにとってカウンターのチャンスだ。6本もの腕と武器があるのだから。武器を幾重にも重ねて受け止め、その次の瞬間貫けば終わり。
その通りの動きを為そうと、ハルバードと剣、弓と棍を重ねて盾とし、2本の槍を突き刺さんを構えるラーディス。そう、『受けようと構えた』その瞬間。
「……と見せかけまして! お踏み込みが足りねぇんですのよ!」
メサイアの動きが回転する。アンビシオンによる逆噴射&急制動、そしてその場で高速回転。数瞬先でも未来が読めるもので無ければこの動きは捉えれない。何故なら相手が動く前に攻撃を叩き込む――先の先。【反撃の刃】が叩き込まれる。構えようと動きが止まったその瞬間へ、だ。
メサイアの手にはいつの間にかネメジスト。その先端にある剣でラーディスの手首を斬り落としていく。
「ここで改めて王笏ハンマーですのよ! 脳天かち割りおクラッシュ!!」
何がどう動いているのかわからないが、たぶんメサイアもわかっていない。アンビシオンの性能が成せる業である、が、メサイアの武器は的確にラーディスに叩き込まれている。すなわち、願望宝石エリクシルが覆う脳天に王笏ハンマーが直撃する!
『ぐあっ……!!』
「中身を……あら?」
びきばきっ、と割れるエリクシルの兜。その衝撃に態勢を完全に崩し、たたらを踏むラーディス。それを見下ろすメサイアが何かに気付いた……!
「この御方よく見たら上がすっぽんぽんではありませんの! 風邪引きますわよ!」
そこかよ!! そして今かよ!!
そんな感じでいろんな意味でぶっ飛んだ戦い。メサイアの勝利である。
大成功
🔵🔵🔵
ラティニア・エルティンバー
久々のアクエリオでの戦いね。気を引き締めなくちゃ。
私もかつてはこのアクエリオで、最愛の人と永遠を誓った身。
だからこそ、その神聖な場を穢し、邪魔するなんて絶対に許さないわ!
エリクシルなんて木っ端微塵になって仕舞えばいいのよ!
……って、なんかはれんちな戦女神ね。
いくら水の都だからってポロリは御法度よ!
フィーラ!出番よ!焼き尽くしてあげなさい!
とにもかくにも焼き尽くすのみね。
相手は上半身すっぽんぽんだから温まってちょうどいいんじゃない?
一通り攻撃し終えたら火は鎮火させておくわ。
いくら放棄領域とは言えど、火は危険だもの。
●
かつては人が住み、生活を営んでいたこの階層は既に人の手から離れている。ゆえに『放棄領域』――ある意味、日常と非日常の間にあるモノである。
ならばこそその下から滲み出してきた『戦女神ラーディス』は非日常の最たるものであろう。その存在はマスカレイドよりはオブリビオンに近いのかもしれない。
だからこそ猟兵たちはその前に立ち、その侵略を破壊する。エンドブレイカーならずともそれは本能であり……エンドブレイカーならば『|悪しき未来《エンディング》』に対して怒りを覚えるのもまた必然。
まだ願望宝石としてのエリクシルの力は尽きていないのだろう。猟兵に破壊された武器防具を再生させながら『戦女神ラーディス』は独り言ちる。
『許さぬ。我が目的。願望を叶える事を阻む者。全て滅すべし』
万能の魔神エリクシルに怒りはあるのだろうか。だがその言葉は猟兵たちに対する悪意に満ちている。その悪意を一身に受けながら……ラティニア・エルティンバー(銀に煌めく星のだめがみ様・f16432)はラーディスの前に立つ。
「久々のアクエリオでの戦いね。気を引き締めなくちゃ」
猟兵にしてエンドブレイカー。ラティニアは取り戻した記憶を抱きしめるようにその言葉を紡ぐ。
「私もかつてはこのアクエリオで、最愛の人と永遠を誓った身」
そう、彼女こそは『まじかるラテりん』……ごめん間違えた。『アクエリオの星の補佐』――この水神祭都アクエリオにおいて最も誉れ高い『アクエリオの星』と未来を誓い合った……いや、今もまだその|約束《未来》は有効だろう、そんなラティニアだからこそ言葉に込められる力は強い。
「その神聖な場を穢し、邪魔するなんて絶対に許さないわ!」
ラティニアの言葉――力みなぎる声によって周囲にふわりと魔力が巻き上がる。それは明らかな敵対行為。エリクシルの防御を許さないという怒り。
「エリクシルなんて木っ端微塵になって仕舞えばいいのよ!」
びしっと指さしてラティニアが宣言する。
そしてその時気付く。
「……って、なんかはれんちな戦女神ね。いくら水の都だからってポロリは御法度よ!」
だからなんで皆そこツッコむの。見逃してあげてよぉぉぉぉぉ!!!
●
『終わったか?』
ラーディスの声が響く。彼女とてラティニアの話を素直に聞いていたわけでも空気を読んでいたわけでも無い。ただただ破損していたエリクシルウェポンを再生していたのだ。今度こそ砕けぬように、今度こそ必ず貫くように、と。エリクシルが自身の力を引き出す場合はその願望は正しく実現されようとする。その願望とはすなわち、ラティニアの死。
『滅べ』
「……!
言葉が早いか、矢が早いか。ラーディスが宣言したその瞬間には赤い宝石の矢がラティニア目掛けて降り注ぐ。『逃がさない』という意志を宿した矢は広範囲に降り注ぎ、ラティニアの退路を断つ。
「くぅっ……!」
回避しようにもその動きに合わせて矢が動く。ならば、と少しはしたないがスカートの裾を使って矢を払い落すラティニア。だが手数が足りない。致命傷になる箇所は腕でガードして、その攻撃を耐え抜くラティニア。
『先ほどの勢いはどうした?』
再び遠距離から矢を番えるラーディス。合わせて2本の腕が槍を投擲しようとしている。
だが、ラティニアの瞳はまだ未来を確定していない。
「フィーラ! 出番よ! 焼き尽くしてあげなさい!」
その言葉は焔の黒猫を呼び出す言霊。【星霊バルカン・フィーラ】がラティニアの召喚に応じて姿を現わす。この子はボイコットしてないらしい安心(なんのこっちゃ)
フィーラと呼ばれた星霊がその力を解き放てば、その炎の渦が放たれたエリクシルウェポンを飲み込んでいく。
「とにもかくにも焼き尽くすのみね。相手は上半身すっぽんぽんだから温まってちょうどいいんじゃない?」
『小癪な』
刃を振るって炎を叩き斬るラーディス。しかし、星霊の力は一度きりということもない。ましてやラティニアはエンドブレイカーとして戦い続けてきた星霊術士なのだ。
「フィーラ! 全力! 全力よ!!」
燃え盛る星霊の炎。
『くっ……ばかな……』
その熱量がエリクシルで出来た武器ですら溶かし。
『くっ、おおお……!!』
激しい炎に飲み込まれ、絶叫するラーディス。
「フィーラ、戻って」
ラティニアの言葉にフィーラは『はふっ』と息を抜いて彼女の肩に戻る。
そして視界には燃え盛りすぎている炎。
「火は鎮火させておかないと。いくら放棄領域とは言えど、火は危険だもの」
ごろごろっとフィーラの喉元をくすぐるラティニア。そして炎が消える。
残されていたのは全身を焼かれ、膝をついている戦女神ラーディスであった。
大成功
🔵🔵🔵
アルジェン・カーム
アクエリオ…懐かしいですね
嘗てこの都市国家で多くの戦いがありました
彼のゼルデギロスの復活にも関わる戦いは恐ろしい物でした
そして…ゴンドラを手に入れる戦いも激しい物でした
ええ…僕もゴンドラは持っていますし…此処の水路も楽しいものです
だから…この都市の|滅びの終焉《エンディング》…破壊させて頂きます
英霊剣群展開発動
ええ、恐ろしい武器です
ですが…武器だけで趨勢は決まりませんし
僕の武器も決してまけるものではありません!
【オーラ防御】
UC強化の補助
UC発動
【切断・二回攻撃・串刺し】
高速で飛び回りながらブーメランでエリクシルウェポン狙い破壊試
ハルバードで突き刺し宝剣と聖剣で切り刻み仕留める!!
●
水神祭都アクエリオ。今もなお水神アクエリオの加護を得て様々な者が暮らすこの都市国家においても、放棄領域はどうしても発生する。これは都市国家の構造上、仕方のないことだ。
その放棄領域――生命の気配が何もないエリアにて、戦いが繰り広げられている。
万能の魔神『エリクシル』、その一角たる『戦女神ラーディス』は猟兵たちの猛攻に、膝をつき、この領域から上に上がることができない。
『いや……エリクシルの力はまだ……』
胸元の願望宝石が輝き、瞬く間に戦闘態勢を取り戻すラーディス。しかし、宝石の力も有限。その事実がラーディスに苛立ちをもたらす。
「アクエリオ……懐かしいですね」
その声は戦場において、何故かとても通った。姿を現わしたのはアルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)。エンドブレイカーにして猟兵へと覚醒した者。
(嘗てこの都市国家で多くの戦いがありました)
ゆえに都市国家に訪れれば、記憶が沸き起こる。例えば、『魔王ゼルデギロスの復活にも関わる戦い』とか。
(彼の戦いは恐ろしい物でした……し)
一方でこの都市にかかわるならば、避けて通れないもの。
(そして……ゴンドラを手に入れる戦いも激しい物でした)
アルジェンもまたゴンドラ乗り。
(ええ……僕もゴンドラは持っていますし……此処の水路も楽しいものです)
だからこそ思い入れも深い。
「この|滅びの終焉《エンディング》……破壊させて頂きます」
想いは口から言葉となって放たれ、力は顕現する。
【英霊剣群展開】――アルジェンの周囲に無数の神剣の幻影が展開される。そして放たれる剣幻。だがそれはラーディスの武器によって迎撃され、砕かれる。
『いかな武器とて、砕けば消える。だが我が刃は何度でも甦る』
刃こぼれしたエリクシルウェポンが再生する。この戦いに勝つ、というラーディスの願いがエリクシルウェポンに強い力を与えているのだ。
「……!」
気付いた時には間合いを詰められていた。瞬間に何度も繰り広げられる刺突の連打。アルジェンは咄嗟に抜き放った宝剣と聖刃にオーラの護りを纏わせて、それらを受け止めながら、しかし後退を余儀なくされる。
「ええ、恐ろしい武器です。ですが……」
態勢を立て直しつつ、アルジェンが視線を遣る。
「武器だけで趨勢は決まりませんし、僕の武器も決してまけるものではありません!」
【英霊剣群展開】の補助を以て解き放つのは真なるユーベルコード――【絶・四門開門】。直後、アルジェンの身体が蒼きオーラを纏う。
ラーディスの感知能力すら振り切る高速機動。今度はアルジェンがラーディスの懐に踏み込む。もちろん、反応などさせない。地面に縫い付けるかのごとく、ハルバードで突き刺し、そして宝剣と聖剣を構え。
「仕留める!!」
放たれる超高機動連続攻撃。二刃によってラーディスが激しく斬り刻まれるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リフィクル・ナータス
『アクエリオ』ね……またこの単語を聞くとは感慨深いというか、何というか。
ともあれ、若い二人のシアワセを邪魔するのは頂けないなぁ。
ではハジメマシテの戦女神サマ……ちょいとばかり俺の『偽善』と『贖罪』に付き合ってくれよ。
キミは見た事があるかい?虚無から生まれる邪剣の群を。
かつては『レギオスブレイド』なんて呼ばれてたんだが……ま、それはいいか。
周囲に誰も居ないのなら好都合。数えきれない程の邪剣で囲み串刺し……あられもない姿になってくれ。
身も心も鎧も武器も……思惑も、全て斬り砕いてやるよ。
せっかくならその願望武器とやらで俺を刺して貰って、刺し合う仲ってのも悪くない。
勿論、相応の対価は貰うがね。ククク。
●
――|終焉を終焉させる者《エンドブレイカー》。
その瞳に捉えた|悪しき未来《エンディング》を破壊する力を持つ者たち。
今でこそ、エンドブレイカーたちは自分たちの世界の外……小世界や骸の海を越えた他の世界へ飛び出し、万能の魔神エリクシルと戦っているが、そこに至るまでには様々な戦いがあった。
『夜の|腸《はらわた》』に塗り潰されそうになった時だって。
チリッ、とした感覚が脳裏に走る。
リフィクル・ナータス(昏き異界より出でしモノ・f22103)は首を振ってその感覚を振り払いつつ、歩を進める。
(『アクエリオ』ね……またこの単語を聞くとは感慨深いというか、何というか)
この言葉を他人が聞いたとて、その裏に在る想いを理解することは出来ないだろう。出来るとするなら最後まで共に歩いた……いや、もはや遠い昔のことだ。
今は……目の前にいる万能の魔神エリクシル、『戦女神ラーディス』を視線で射抜く。
「ともあれ、若い二人のシアワセを邪魔するのは頂けないなぁ」
『何を……願いがあるから我らが現れる。ただそれだけのこと』
ラーディスが胸に抱く願望宝石エリクシル。その力が解き放たれてラーディスが再生していく。その輝きを見据えながら、リフィクルが告げる。
「ではハジメマシテの戦女神サマ……ちょいとばかり俺の『偽善』と『贖罪』に付き合ってくれよ」
それはリフィクルが決めた『今を生きる』戦い。……過去を塗り潰すための。
●
『お前の滅びと我が願望は同じ道筋に有る。よかろう』
リフィクルの言葉に応じたラーディスのエリクシルウェポンが生成する。無限とも思える願望宝石エリクシルの力。しかしいかなエリクシルとてその力には限界がある。過去、エンドブレイカーの世界で『エリクシル』が顕現するのに大きな戦いが必要だったように。
だから。再生しているようでラーディスの力は確実に削がれている。
それを確信しながらリフィクルが左手を空へと掲げる。それと同時にリフィクルの周囲に|悪魔《デモン》の力を纏った邪剣が生まれ出でる。
「キミは見た事があるかい? 虚無から生まれる邪剣の群を」
告げながら、左手を振り下ろす。直後、複雑な軌道を描きつつ、ラーディスの左右上下あらゆる角度から迫る邪剣を次々と放つリフィクル。【血を吸う邪剣】が獲物と見定めたラーディスへと殺到する。
「かつては『レギオスブレイド』なんて呼ばれてたんだが……ま、それはいいか」
周囲に誰も居ないのなら好都合だ。熟練のレギオスブレイドがどれほどの猛威を振るうか……それは経験をしているものしかわからないだろう。アレは脅威というレベルではないのだから。
『チッ……!』
それを肌で感じ取ったのだろう。ラーディスがなけなしの願望宝石エリクシルを召喚する。これが最後と言わんばかりに全ての宝石を放ち、そして迫る邪剣の群れに対して迎撃――投擲、あるいは爆弾として放つ。
だが、|有限《エリクシル》と|無限《デモン》なら……当然『無限』に軍配があがる。魔力という限界はまだまだ訪れそうにない。ゆえに際限なく召喚される邪剣が迎撃をされてもなお、その防御を突き抜けていく。
「さぁ……あられもない姿になってくれ」
悲鳴すら許さないほどの猛攻。一方的な暴威。数えきれないほどの邪剣がラーディスを囲み、串刺し。
「身も心も鎧も武器も……思惑も、全て斬り砕いてやるよ」
『おのれ、おのれ……!!』
リフィクルの思い通りにはさせない、とラーディスが手にしていたエリクシルウェポンを投擲する。槍の形状のものから刃まで。起死回生を狙う一撃はリフィクルに迫り……。
「せっかくならその願望武器とやらで俺を刺して貰って、刺し合う仲ってのも悪くない。
勿論、相応の対価は貰うがね。ククク」
告げるリフィクル。だが……その願望は、ラーディスのエリクシルウェポンは届かない。それよりもなお強い想いが砕いたからだ。
|悪しき未来《エンディング》に怒りを抱くのがエンドブレイカーなら……リフィクルはエンドブレイカーとは呼べないのかもしれない。彼は昨日にも明日にも生きず『現在』を第一に生きて、その過程で『偽善』と『贖罪』を行っているだけなのだから。
だが、経緯はどうであろうと、終焉を終焉させたこともまた今、目の前にある事実だ。
『おの、れ……そこに我が願いがあると……イウのニ……』
レギオスブレイドが『戦女神ラーディス』を砕く。そして砕かれた赤い輝きは虚空に溶けるようにしてこの世界から消えていく。
この世界に滲み出た万能の魔神エリクシルを撃退した瞬間であった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『デモン人間』
|
POW : クリムゾンハウンド
自身の【血液】を代償に、1〜12体の【血の猟犬】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
SPD : レギオスブレイド
レベル×1体の【魔剣】を召喚する。[魔剣]は【斬撃】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
WIZ : デモンフレイム
レベル×1個の【漆黒】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
イラスト:させぼのまり
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
エンドブレイカーの世界に滲み出した|絶望の終焉《エンディング》。その源、万能の魔神エリクシルたる『戦女神ラーディス』は、猟兵たちの攻撃によって宝石のように砕け散った。ラーディスが『とある男の秘めた願い』を『歪めて叶える』未来は砕かれたのである。
だが。
『まダ、だ……。マだ、我が願イ、ハ、連なっテイる……!!』
もはや生き物の形はしておらず、砕かれた宝石の破片から執念のように響き渡る声。そして一瞬、破片たちが妖しく輝く。
光が収まった後、先ほどまで激闘を繰り広げていたこの階層に残っているエリクシルは微塵も無く。
されど、猟兵たちは次の戦いへ赴く。グリモアの予知が示したのなら、それは再現する。つまり……。
猟兵たちは必要最低限の休憩と態勢準備を終えた後、急ぎ、上の階層へと移動する。
●
変わって、上の階層。件の結婚式が行われている水神祭都アクエリオの居住区域の比較的下層。
水神アクエリオの力に満ちるこの場所は瑞々しいまでの水流が縦横無尽に流れており、いつも通り……否、アクエリオの祝福だろうか。水飛沫もまた優しく、時には激しく新郎新婦を祝っていたその場所にて。
待機していたエンドブレイカーたちは一斉に瞳を覆う。
「マジか」
「スミレの奴、何をバカな事言って『結婚できない嫉妬』かよ、とか思ってたのに……」
「やべぇなこれ」
『先ほどまで微塵も気配が無かったのに』唐突に、目の前に『|虐殺の未来《エンディング》』が映し出される。
「散開して各自で迎撃するぞ。大丈夫だ、応援もすぐ来る」
そう言ってエンドブレイカーたちが各々の瞳が見た|悪しき未来《エンディング》を砕く位置へと移動する。
直後。
地面から黒い怨嗟を形にしたような霧が吹き出てきた。それがゆっくりと人の形を取る……否、人の形はしているがそれはもはや『ヒト』では非ず。
『デモン人間』――|悪魔《デモン》に全てを乗っ取られた、ただの人の形をした悪意だ。
その悪意が、ラーディスの最後の願いを叶えんと力を漲らせる。
「新郎新婦と戦う力のない者は逃げろ!」
「ゴンドラ乗りは避難を手助けしてやってくれ!」
「やばくなったら水路に飛び込め! アクエリオ様の加護を信じるんだ!」
武器を持って戦闘態勢になったエンドブレイカーと自警団の各員を見ながら、一般の人々は速やかに退避する。過去、幾度も戦いに巻き込まれたこの都市国家で、目の前の状況と彼らの言葉を疑う者などいない。
「『じきに応援が来るし、さくっと解決する! ちょっと待っていてくれ!!』」
細かい言い回しは違えど、エンドブレイカーの皆が皆、そう告げる。
●
エンドブレイカーたちだけでは手が足りない。
急ぎ、合流してデモン人間たちを撃破するのだ!
※シナリオ補足※
住居がある階層での戦闘です。広域破壊はご遠慮ください。少々巻き込む程度(人・物ともに)は問題ないというか仕方ありません。
ゴンドラが往来する水路が走っていますので水は豊富にあります(戦闘の邪魔にはなりませんし、ゴンドラ乗りはゴンドラに乗って戦えます、プレイングボーナス)
エンドブレイカーたちが協力してくれます。彼らも彼らでデモン人間程度なら倒せる実力がありますが、とにかく数が多くて手が足りません。そして今回で言うと、猟兵に覚醒した者たちの方が実力も経験も上のようです。積極的に戦闘に参加してください。
メサイア・エルネイジェ
ワラワラと沸いて出て参りましたわね!
邪魔邪魔!お邪魔ですのよ〜!
水場ならこれですわ!
クイックドレスチェーンジ!
水着に変身して地の利を得るのですわ〜!
因みに変身中に攻撃するのはマナー違反でしてよ
ついでに手数も増やすのですわ
カモン!モサちゃんズ!
モサちゃん1号に跨って水路をすいすい移動するのですわ!水だけに
滑腔砲を撃ちまくって猟犬を薙ぎ倒して参りますのよ
数が多い時はやはりお弾幕ですわ〜!
デモンお人間はエルネイジェの海槍でぶっ飛ばしますわ〜!
おほほ!出血し過ぎてフラフラになっておいでですわね?
もちろん市井の方々にはご迷惑をお掛け致しませんのよ?
ノーキルノーデッド!
第六猟兵!誰も殺さない縛りですわ〜!
●
万能の魔神エリクシル『戦女神ラーディス』を撃破した猟兵たち。だがグリモア猟兵の予知によれば、次は上層に『デモン人間』が現れる。それを撃破しないことには、ラーディスの企みは阻止できない。
ラーディス撃破にひと役買っていたメサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)も素早く態勢を整えて(?)……いや、荷物広げてますか? あ、収まった。
「次は上層ですのね!!」
あ、はい。それではいきましょう。
そんな感じで速攻で準備を終えたメサイアさんが速攻で移動していったのである。
●
結婚式が行われているアクエリオの住宅階層。そこに辿り着いたメサイアが目撃したのは、いまだなお地面より出現するデモン人間たち。
「ワラワラと沸いて出て参りましたわね! 邪魔邪魔! お邪魔ですのよ?!」
そしてアンビシオンの低空高速飛行によってとりあえず吹っ飛ばすお姫様である。だがその一撃で滅ぶほどデモン人間は脆くも無く、また複雑な水路に沿って建物が成り立っているこの都市において空中での高速機動はちと分が悪い。
『……』
無言で。否、会話をするという機能が無いのだろう。デモン人間が先のメサイアの突撃で負った傷をさらに切り裂き、自身の血を地面にばらまく。
「わんちゃんですの?!」
召喚された血の猟犬『クリムゾンハウンド』がメサイアの着地点を取り囲む。デモン人間1体から召喚されるクリムゾンハウンドの数は大したことないが、デモン人間の数が多い。つまり掛け算で血の猟犬は増えていく。
着地点を制圧されたメサイアが目をつけたのは、清浄なる加護を漂わせる水……すなわち、水神アクエリオの力。
「水場ならこれですわ! クイックドレスチェーンジ!」
メサイアが叫ぶと同時に光に包まれる。いや、光が見ている者の視界を邪魔する。その光の中でメサイアの装備と衣装が一度光の粒子へと変換されて、おっとここから先はピンナップでご確認いただきたい!
「変身中に攻撃するのはマナー違反でしてよ」
というわけで見るだけにしていただきたい。
変身バンクを経て、そこにいたのは白銀の戦乙女。大事な所しか隠していないハイレグ水着に無数の水滴とサメ型の機巧を従える戦うお姫様。【|エルネイジェ流瞬間お着替え術《クイックドレスチェンジ》】完了です!
「わたくし、再臨でしてよ!!」
水着に変身して地の利を得たメサイアが、アクエリオの加護を纏った『エルネイジェの海槍』をデモン人間に突きつける。
「カモン! モサちゃんズ!」
メサイアの周りをゆったりと泳いでいた『モサザウラー×2《モサちゃん1号&2号》』がメサイアの言葉にきりっと態勢を整える。と同時にメサイアの股の間にするりと潜り込むモサちゃん1号。
「モサちゃん1号に跨って水路をすいすい移動するのですわ! 水だけに」
ゴンドラ乗りの皆さん、点数お願いします!!!
さておき、血の猟犬が飛び込んでこれない水路を移動しながら、滑腔砲を撃ちまくって血の猟犬を薙ぎ倒していくメサイア&モサちゃんズ。
「数が多い時はやはりお弾幕ですわ?!」
アクエリオの加護付きの周囲の水滴を弾丸のように射出していたりして、もはや弾『幕』というか、弾『嵐』である。その弾の暴力の前に血の猟犬たちは成す術は無い。
『……!』
クリムゾンハウンドではどうにもならないと判断したのだろう。デモンの力を開放しつつ、デモン人間がメサイアに肉薄する。デモン人間ほど『堕ちて』いればアクエリオの加護など無視して突き抜けることも可能だ……が。
「おほほ! デモンお人間の皆様は出血し過ぎてフラフラになっておいでですわね? ぶっ飛ばしますわ?!」
飛んで火にいる……いや、水路にダイブか。そんなデモン人間を容赦なくエルネイジェの海槍でぶっ飛ばしていくメサイア。モサちゃんの動きがいい仕事してますよ。やはり暴力は全てを解決する!
器用にデモン人間とクリムゾンハウンドだけを撃破していくメサイア&モサちゃんズ。
「もちろん市井の方々にはご迷惑をお掛け致しませんのよ?」
それは当たり前のノブレス・オブリージュ。
「ノーキルノーデッド! 第六猟兵! 誰も殺さない縛りですわ?!」
そんな感じでアクエリオの街中を駆け抜けていくお姫様たちでした。
大成功
🔵🔵🔵
リフィクル・ナータス
ああ、麗しのアクエリオ。花形のゴンドラ乗りも在りし日のままに。
こんな美しい都市での結婚式を邪魔するだなんて……おイタが過ぎるんじゃないかな!
おっとエンドブレイカーなら『棘』とか『仮面』とか見えるだろ?
俺は正真正銘、キミ達の味方さ。【かばう】事も吝かじゃないよ。
かつて対峙したかも知れない者達と轡を並べる……これってロマンじゃないかな?
この体躯が邪魔にならないようなるべく広場で戦うつもりだが、無理だったら【空中浮遊】して【空中戦】にて【生命力吸収】する邪剣の群を降らせよう。
なぁに、昔取った杵柄なのか敵味方の区別は上手なんだ。【索敵】ってヤツ。
さぁ、カワイソウな『出来損ない』達……オシオキの時間さ!
●
――『ソレ』は静かに舞い降り。
一瞬ではあるが、その場に居た全ての者の視線と警戒を一身に集め、戦場を支配した。
だが、当の本人は懐かしむようにアクエリオの街を見渡す。
「ああ、麗しのアクエリオ。花形のゴンドラ乗りも在りし日のままに」
その視線も仕草も懐かしむような穏やかなもの。……だが、穏やかだからと言って。
警戒はさらに色濃くなる。『ソレ』の動きが緩慢だからこそ、次の動きが……恐ろしい。
そして、『ソレ』が動く……!
「こんな美しい都市での結婚式を邪魔するだなんて……おイタが過ぎるんじゃないかな!」
腕を振るう。その軌道から生み出される幾百という呪剣が飛翔し……『デモン人間』だけを喰らい尽くしていく。
「『こっち』側か?!」
「いや……しかし……」
現地のエンドブレイカーたちが呟きをこぼしつつ、だが警戒は解けない。何故なら彼らの目に映る姿は、かつて敵対した『マスターデモン』の姿をしていたからだ。
「おっとエンドブレイカーなら『棘』とか『仮面』とか見えるだろ?」
明確に。背中をエンドブレイカーたちに預けながら。
マスターデモンの姿となっているリフィクル・ナータス(昏き異界より出でしモノ・f22103)は笑いかける。
「俺は正真正銘、キミ達の味方さ。かばう事も吝かじゃないよ」
リフィクルの言動、戦い方。そしてエンドブレイカーたちが視た|棘《ソーン》や|仮面《マスカレイド》の有無、さらには|未来《エンディング》。
その全てが指し示す。
「かつて対峙したかも知れない者達と轡を並べる……これってロマンじゃないかな?」
「どうやらそういうことらしいな」
「味方なら何でもいい。とにかく蹴散らすぞ!」
リフィクルの言葉が確証となったようだ。エンドブレイカーたちがリフィクルの横に並び、同時にデモン人間たちに攻撃を仕掛けていく。
「それでは盛大に行くとしよう。色んな意味で言祝ぐためにも」
リフィクルが気前よく力を振るう。それによって薙ぎ払われるのはデモン人間と彼ら彼女らが生み出した血の猟犬たち。一切の接近を許さず、そのマスターデモンはかつての叛乱とは異なる道を……ロマンを体現する。
リフィクルの【魔刃・魔人覚醒】は彼の中に在った力を解放するものだ。神である彼の中に何故『この力』があるのかは……他人が語るべきものではない。だが、エンドブレイカーの世界に再び触れたことでその力がより活性化したのは間違いない。『俺のハニーには見せられない姿だが』というリフィクルの言葉はさておき?
リフィクルの、俺の中の『私』が覚醒する。
「少し、高度をつけた方が戦いやすそうだ」
ふわり、と背中の翼がはためく。地を迫りくるクリムゾンハウンドたちをエンドブレイカーたちに預け、リフィクルは空から邪剣の群れを降らせる。幾百幾千という邪剣の群れが空から雨のように降り注ぐが。
「あっぶね!?」
「巻き込むなよ!!」
エンドブレイカーもまとめて射程範囲内にいたりするのでそんな声も上がる……まぁ敵意も狙った雰囲気も無いし、何より邪剣が当たる気配は微塵もない。ゆえに冗談みたいな声だが。
「なぁに、昔取った杵柄なのか敵味方の区別は上手なんだ。索敵ってヤツ」
口端に笑みを浮かべながら、リフィクルはさらに邪剣の群れを降らせる。
近接周辺をエンドブレイカーたちが、その外周をリフィクルが。一掃という言葉がこれほどまでふさわしい状況もあるまい。周辺にいたクリムゾンハウンドが一斉に蒸発する。
ついでに生命力吸収で相手のデモンの力を回収しているリフィクルは永久活動機関に等しい。
血を代償に力を振り絞るデモン人間とは格が違う。
「さぁ、カワイソウな『出来損ない』達……オシオキの時間さ!」
黒き夜がデモン人間たちの間を駆け抜ける。後から来るのは絶叫と滅ぶ音。
マスターデモンになり得なかった者たちが夜に粛清されていく。
大成功
🔵🔵🔵
ユーフィ・バウム
旅団の戦友、アルジェンさん(f38896)と共に戦います
アルジェンさんのゴンドラに乗り
感じる不思議な既視感を払拭するように首を振り
デモン人間との戦闘に入る
敵からの攻撃は見切り、その上で
自慢のオーラ防御でしっかり受け
距離を詰め武器での鎧砕きの一撃をねじ込み粉砕、
次の目標に挑んでいきます
アルジェンさんとの連携は意識
互いに死角を作らないようにして攻めていきましょう
協力してくれるエンドブレイカー達が見てくれているなら
見せたいところですね、A&W出身の猟兵の力を!
この既視感、そしてEBへの対抗心めいたもの
なぜかはわからないまま――《四門「麒麟」》を発動!
理性を失うも構わず、怪力を生かし殲滅していきます!
アルジェン・カーム
同行
ユーフィさん(f14574
本日は手助け感謝します
僕も猟兵としてはまだ未熟故勉強させて頂きますね
【戦闘知識】
EB達の能力の把握
そして何より敵の位置捕捉
貴方方の齎す終焉エンディング…破壊させて頂きます
自分のゴンドラ使用
昔はこれでレースもしたものです!
ユーフィさんにも乗ってもらい
敵の多い場所へ水路を利用して急行!
英霊剣群発動
ユーフィさんも含め支援
【オーラ防御】
己とユーフィさん守護
UC発動
間近の敵に格闘連撃
【弾幕・切断】
空気の断層による不可視の刃の弾幕により遠距離の敵を切断
【空中戦】
高速で飛び敵に接近して宝剣で切り裂く
基本ユーフィさんと連携
エンドブレイカーがいるなら息を合わせ
攻撃を合わせながらも戦い方を観察
……(この子の戦い方…それに…あの武器は…!
…!(あの技は理性を失っていく…ならば!)
猛攻を仕掛けながらも彼女の死角から迫る敵の迎撃も行いフォロー!
僕が合わせます!ユーフィさんは思うまま戦ってください!
オーラも利用して敵の攻撃や接近も察知!
必要なら躊躇いなく身をもって庇います!!
●
戦いの激しさを増す水神祭都アクエリオの一角。放棄領域に現れた万能の魔神エリクシル『戦女神ラーディス』の最期の願いは具現化し、今この階層には『デモン人間』が溢れかえっていく。応戦するエンドブレイカーたちに、駆け付けた猟兵たちも獅子奮迅の活躍を。
そしてまたひとつ。ゴンドラが戦闘区域に突入してくる。
「昔はこれでレースもしたものです!」
操っているのはアルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)。その言葉の通り、昔よりゴンドラ乗りであったエンドブレイカーで。
その告げる言葉は同乗者たるユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)に向けられていた。
「……」
既視感。それはとても不思議な、淡い幻想のような、それでいて自身の経験のような。
「どうしました?」
「……いえ」
アルジェンの言葉に、はっとしたユーフィはその不思議な既視感を払拭するように首を振って、視線を前に遣る。そこにいるのはデモン人間、そして彼ら彼女らが呼び出した血の猟犬。
「本日は手助け感謝します。僕も猟兵としてはまだ未熟故勉強させて頂きますね」
そう告げながらアルジェンもまた周囲に目を配る。状況把握。既に戦闘に入っているエンドブレイカーたちの能力を視認しながら、何よりもデモン人間の位置を捕捉する。
その間にユーフィも戦闘態勢(主に心理面)を整えたようだ。ならば、後は……突撃するのみ。ゴンドラがアルジェンの意志に従ってデモン人間が多くの集う場所へと二人を運ぶ。
「いきましょう!」
拳を打ち合わせて気合を入れるユーフィ。
「貴方方の齎す|終焉《エンディング》……破壊させて頂きます」
無数の神剣の幻影を呼び出しながらアルジェンもその言葉に応えるのであった。
●
アルジェンとユーフィの周囲を無数の神剣の幻影が旋回する。それらが飛翔してきた魔剣の群れを迎撃して叩き落していく。
「互いに死角を作らないようにして攻めていきましょう」
「ええ」
ユーフィとアルジェンが背中合わせに戦場に降り立てば、それを囲い込むようにクリムゾンハウンドたちが生まれ出でる。血の猟犬たちの合間を縫って飛翔する魔剣。神剣の幻影が迎撃しているとはいえ、それでもその防御を突き抜けてくる本数が少なからず在る。
「……!」
その軌道を見切ったユーフィが、自慢のオーラを纏った腕の外側で魔剣を受け止める。そのまま払い落すような仕草と共に一歩踏み出し、間近に迫っていたクリムゾンハウンドに『ディアボロス』の一撃を叩き落す。バシャッ、と血が液体に戻って猟犬が消失する。
「……次!」
大剣の形をした鈍器を引き抜くと同時に横薙ぎに振り抜く。血の猟犬が血の霧となって消滅していく。
飛び出したユーフィの背中はアルジェンが守ってくれている。
「風よ、世界を巡る風よ……我が武としてその力を示せ……白虎門……開門!」
【白虎門開門】――叫びとともにユーフィの後ろにあった空間へ飛び込んだアルジェンが風を纏った拳と脚の連撃で、ユーフィに迫っていたクリムゾンハウンドを叩き落す。いや、その動きだけで止まらない。流れるように踏み込み、次の標的に攻撃を叩き込み、ユーフィの周りからクリムゾンハウンドを排除していく。大きく間が空けば、空気の断層による不可視の刃を弾幕のように放ち、切断していく。
もちろん敵味方の配置は押さえている。巻き込むようなことはしない。
周囲のエンドブレイカーたちの視線というか注目を浴びるユーフィとアルジェン。
(見せたいところですね、アックス&ウィザーズ出身の猟兵の力を!)
クリムゾンハウンドを蹴散らし、デモン人間に迫るユーフィの体に力が漲る。――この既視感、そしてエンドブレイカーへの対抗心めいたものとともに。
それが何故だかはわからないけれども……沸き起こる力は出口を求めて解放される!
「四霊門……『麒麟』・開門! 今獣類の長となりて、あなたを制しましょう!」
言葉を紡ぐと同時にユーフィの髪を結っているリボンが解け、アンクレットが外れる。それがスイッチだったのか。装飾具が外れた箇所から清浄ながらも力強くオーラが溢れ、ユーフィの体を包み込む。【四門「麒麟」】――黄色のオーラがもたらすのはあらゆるものを砕く怪力。大きく振りかぶった拳が肉薄したデモン人間を紙屑のように吹き飛ばす。
ユーフィが理性を失うも構わず、怪力を生かした攻撃でデモン人間を殲滅していく。デモン人間を一撃で仕留めるユーフィの荒々しくも力強い姿。それを見ているエンドブレイカーからは喝采が起こるが、アルジェンだけは反応が違った。
「……!」
既視感。何故知っているかはわからないが、アルジェンはこの戦い方とあの武器の存在を知っている。
(あの技は理性を失っていく……ならば!)
攻撃の手は止めず、否、先ほどまでよりも激しく攻撃を繰り出しながら、ユーフィとの距離をぐっと詰める。
さっきまでは死角をカバーとはいえ、お互いの拳が届く範囲は控えていた。だが理性の喪失とともにカウンター能力が下がるというのなら。
「僕が合わせます! ユーフィさんは思うまま戦ってください!」
後顧の憂いを断つべく、ユーフィに合わせて立ち回るアルジェン。アルジェンの纏っていたオーラの護りがユーフィにも伝播していく。
「わかり……ましたっ!」
溢れる力を一瞬押し留めて言葉を紡ぐユーフィ。そうでもしなければ言葉も紡げない、と言わんばかりに。そして次の瞬間には再び、デモン人間に飛び掛かっていく。そんなユーフィが背後から攻撃されないように、続き、後ろを守るアルジェン。
デモン人間の一角が大きく崩れて滅んでいく立役者となった二人に、エンドブレイカーから賞賛が飛んだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラティニア・エルティンバー
ま、まじかるはもう卒業したから!(???)
さてと、今度は居住地階層だって言うわね。
急ぎゴンドラで向かうわ。
とりあえず、飛び込んだ人達をゴンドラに引き上げましょう。
普段から水難事故に備えて、泳ぎも救助活動も身に付けてるわ。
…物凄い数ね。
(現地のエンドブレイカーたちを見渡して)
地元だけに知った顔も多いわね。
みんな!ステラマリスのリコよ!助太刀するわ!
怪我した人は私の近くにいて!
ゴンドラに乗ってる人はしっかり捕まっててね!
リーファ、お願いね!敵を眠らせて!みんなを癒して!
(ヒュプノス召喚)
この辺りはあらかた片付いたようね。
(救助した人たちを岸に下ろしつつ)
他の場所の援護に向かいましょう。
●
放棄領域にて万能の魔神エリクシル『戦女神ラーディス』を撃破した猟兵たち。いかな猟兵たちとて、潤沢なバックアップが無ければそのまま連戦とはいかない。
呼吸を整え、傷を癒し、そして態勢を立て直す。
だが、この間にも……『エンドブレイカー』の力を持っている猟兵には、上の階層――結婚式が行われている階層での|悪しき未来《エンディング》が見え始めている。
「ま、まじかるはもう卒業したから!」
何言ってるんすかラティニア・エルティンバー(銀に煌めく星のだめがみ様・f16432)さん???
なんか不思議な声が聞こえたらしいラティニアさんが叫ぶが、たぶん誰も納得していないし『ほんとでござるかぁ~?』って顔をしている。よーし、それはこれからの活動で証明いただこうか。スピカのキュラさんも見守っておられるよ?(?)
さておき。
「さてと、今度は居住地階層だって言うわね」
きりっとシリアスを取り戻したラティニアが自身に言い聞かせるように呟きながら、素早く駆け出す。
この放棄領域では水神アクエリオの加護も少ないが、すぐ上の階層まであがれば。
そこには加護たる水の流れが麗しくも潤沢に在る。
自分のゴンドラを確認して飛び乗るラティニア。この水神祭都においてゴンドラ以上の移動手段は存在しない。だからこそ生活基盤となり得るし、花形職業でもあるのだ。
彼女の相方はそのゴンドラ乗りの頂点、アクエリオの星にもなったことがある。その補佐たるラティニアもまたゴンドラ乗りとして名を馳せているのだ!
水の流れが優しくも確実にラティニアを戦場へと導く。
「乗って!」
デモン人間の攻撃から逃れるために水路へ飛び込んだ一般人たちを引き上げつつ、ラティニアは人々をゴンドラの上に匿う。
(……物凄い数ね)
アクエリオの地を埋め尽くす勢いのデモン人間と彼ら彼女らが呼び出した血の猟犬たち。放置すれば瞬く間にこの地を埋め尽くすであろう、エリクシルの力にラティニアが気を引き締める。
だが希望もある。
その歪み切った悪意を真正面から叩き潰す存在――エンドブレイカー。現地のエンドブレイカーたちが懸命にデモン人間たちを倒し、自警団たちが人々を避難させる。その中には、人だけではなく、アクエリオに人々と住んでいるバルバやピュアリィの姿も見える。
「地元だけに知った顔も多いわね」
ふっ、と微笑みをこぼしてラティニアが安堵の息を吐く。なるほど、この陣容なら。きっと『この|名《名誉》』は届く。
「みんな! ステラマリスのリコよ! 助太刀するわ!」
ステラマリス――アクエリオにいてその名を知らない者はいるだろうか。ゴンドラ乗りたちの憧れ、アクエリオの星が在籍するステラマリスの名に、戦場には希望の風が吹く。ゴンドラ乗りは何も『ゴンドラに乗っているだけ』ではない。ゴンドラ乗りこそがこのアクエリオで一番強いといっても不思議ではないのだから。
「怪我した人は私の近くにきて! ゴンドラに乗ってる人はしっかり捕まっててね!」
ラティニアがそう告げれば、その意志に応えてゴンドラが速度を上げる。ゴンドラとはただの乗り物ではない。乗り手とともに成長する『相棒』なのだ。
ラティニアの登場に、デモン人間たちの注意が一斉に向けられる。同時にけしかけられる空を覆い尽くさんとする数のレギオスブレイド。
だが。
「聖なる銀の星の鍵よ!」
ラティニアが手をかざす。同時に幾多のレギオスブレイドが空中で動きを止める。【シャドウロック】――物質化していれば影がある。一時的に動きを止めればいかなレギオスブレイドとてただの的だ。周囲のエンドブレイカーたちが一声に叩き落していく。
しかし、デモン人間たちが健在なら、血の猟犬もレギオスブレイドも無限に現れる。その起点を叩く一手は、ラティニアの手の内にいる。
「リーファ、お願いね! 敵を眠らせて! みんなを癒して!」
召喚された【眠りの星霊ヒュプノス・リーファ】――ふわふわもふもふな眠りの星霊が周囲に眠りをもたらす。敵であるデモン人間たちは体力を奪われながらも眠りに落ち、リーファが吸い上げた生命力は癒しの力となって傷ついた人々へと分け与えられていく。
この地点を侵攻していたデモン人間たちが抗いがたい眠りに落ちていけば、後は血の猟犬とレギオスブレイドを片付けるのみ。そこまでいけば、エンドブレイカーたちに軍配があがるのは必定だ。
「この辺りはあらかた片付いたようね」
救助した人々を岸へと下ろしつつ、ラティニアの視線は次なる場所へと向く。
「他の場所の援護に向かいましょう」
リーファを抱えながら、ラティニアがゴンドラを操る。そしてゆっくりと、しかし悠然と力強く。ゴンドラが前に進む。
水神祭都アクエリオでの戦いが収束するまであと少し。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『お祭りに行こう』
|
POW : 物怖じせずに現地の人々と交流する
SPD : 出店や屋台を見て回る
WIZ : 祭りの由来や歴史を教えてもらう
イラスト:純志
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
※ ※
※ 大変お待たせしました。状況説明追加します。プレ受付再開です ※
※ (既に送っていただいたプレも有効です。ご安心ください) ※
※ ※
●訪れた|明るい未来《しあわせ》
「こいつで!」
「終わりだ!」
「終わりよ!」
「ですわ!!」
猟兵たちとエンドブレイカーたちの声が響き渡る。各々が放つ渾身の一撃が、その場に残っていたデモン人間たちを屠り、この場に静寂が訪れる。……否。
湧き起こるのは喝采だ。
突如訪れた|悪しき未来《エンディング》はこの場にいる全員の協力で砕かれた。
もちろん、功労者というならば万能の魔神エリクシルを撃破した猟兵たちということになるのだろうけども。
今日は元々祝いの日だ。それも結婚式という。
なので申し訳ないのだが……宴の主役は新郎新婦に譲って欲しい。
だが祝いの場や宴を盛り上げたり、楽しむ分には遠慮はいらない。
各々が自由に楽しむもよし、周りを巻き込んで何か催しをするもよし、ひたすら食べて飲んででもオッケーだ。
もちろんゴンドラ乗りは別の意味でも歓迎される。
ゴンドラという素敵な乗り物を提供してくれるという面もあるが。
「さぁ、勝負よ!!!」
新婦がね。めっちゃレースしたがってるんですよ。旦那は若干引いてるが気にしないで欲しい。たぶんその内、新婦によって水路へ投げ込まれる。
そんなわけで、華やかにして賑やかな結婚式というかそれにかこつけた祝いのお祭りが再開されたのである。
※シナリオ補足※
できること。
屋台や広場に全力展開されている祝いの料理を食べる、飲む。
あるいは料理を作って提供する。
現地のエンドブレイカーたちと交流する。
ゴンドラレースに参加する。
新郎新婦に祝いを届ける。
のんびりまったり楽しむ。
現地は大きな広場になっています(何かあると人々が集まる交流広場)
それを取り囲むように水路が走っていますが、いずれも橋がかかっていて往来に不自由はありません。
ゴンドラレースは広場を出て、階層を一周してくるコースになります。
攻略ポイントは、狭い水路、急こう配があって水流が早くなる場所、水路が合流するハブポイント(レースに参加していないゴンドラ乗りがいる可能性があります)、ラストの直線での加速、となります。
ゴンドラレースは出来るだけ皆さんの合わせで書きたいと思っていますので、28日までにプレを頂けると助かります。
ラティニア・エルティンバー
ゴンドラレース?
参加するしかないでしょ!
あ、その前に…。
水色のゴンドリエーラの服装に着替えておくわ。
結婚式だもの。花嫁以外は白は避けなきゃね。
さてと…。
キュラ、行くわよ!(傍らのスピカに声をかける)
馬力とスピードはそこまでだけど、共鳴力で勝負よ!
(歌って最適なコーナリングルートを辿る…も、歌に夢中でハブポイントでレース非参加者のゴンドラに気づかず接触しかける)
きゃあっ!ごめんなさいっ!わわわっ!
(バランスを崩し盛大に落水。よじ登ったところをキュラが金盥を落とし脳天にクリーンヒット)
ふぎゃっ!
(人目を気にしたキュラが頭をなでなでして癒す)
ねえキュラ、マッチポンプって言葉知ってる?
椀種・クルトン
恋人のf22103と
アドリブ歓迎
新郎新婦へ
ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに
ゴールの瞬間、前の勝者へと叫ぶ
リフィクル、宝石さんとの戦闘お疲れ様
ほんとに花嫁さんがご無事でよかった
アクエリオの水路は宝石に勝るとも劣らぬ美しさですわね
(屋台のドラジェやらを食べつつ)連れてきてくれてありがとう
さぁゴンドラレース
大丈夫、花嫁さんにはアクエリオ様の勝利のご加護があるわ
だからリフィクルも本気の櫂捌きでスピードあげてね
きゃーはやーい
もっと速くー!
…え、スピード狂?まさかぁ(くすくす
一緒に高速のゴンドラに乗りたかっただけよ
だってわたくしが吹き飛ばされないようにしっかり掴んで(妖精)守ってくれるでしょ?
メサイア・エルネイジェ
おゴンドラレース?
わたくし乗り物大好きですわ〜!
挑まれた勝負と喧嘩は買うのが我が王家流!
お新婦が相手だからと言って手加減は致しませんのよ?
勝負は本気でやらねば名誉が傷付くのですわ〜!
ところでゴンドラとはなんですの?
わたくし全然存じませんわ〜!
ドラゴンの間違いではなくて?違う?
なら多分おボートみたいなものなのでしょうけれど…
ですが心配ご無用!わたくしにはこの海槍がございましてよ!
これを水中に突っ込んで水流を操るのですわ
狭かろうとも坂道だろうとも水の流れを味方に付けてしまえば勝ったもの同然ですわ!おほほのほ!
テクニックとか存じませんわ〜!
ハイスピードで駆け抜けるだけがわたくしの人生ですわ〜!
リフィクル・ナータス
恋人のf00365(クルトン)と参加
ああ、華々しい式に楽しい催し……愛する姫君と共に楽しみたいと奮闘した甲斐があったものだ
●ゴンドラレースに参加
花形と競い合えるとは光栄の至りと言うべきかな?
実際に運転するのは初めてだが……技術を力で押し通せるか、試してみようか!
(だが主役を履き違えるような無粋な真似はしない。そもそも勝てないのも理解している)
右手一本での力任せの櫂の運転で最初からとにかく速度を上げての運転、左手には恋人のフェアリーであるクルトンを離れないように胸元に添えて固定。
さぁ飛ばしていくぜ。しっかり捕まっててくれよ?俺のハニー。まぁもちろん俺も掴まえて離さないけどな?(ククと楽しそうに)
●ゴンドラレースはアクエリオの華
ばしゃぁぁぁあんっ!!
何かが激しく水路に投げ込まれた音がする。そして。
「よっしゃぁぁぁ! ゴンドラレースの時間だぁぁぁぁぁ!!」
テンションハイマックス(?)な声が響き渡る。そう、ゴンドラレースの時間だ。開催の掛け声は新婦の声でお届けしております。
お間違えなく。『新婦』の掛け声である。もちろん人を運んでいる時はこんなことないよ? よ? レースの時は性格が変わる人なんです。あと、投げ込まれたモノは新郎である。なむなむ。
●少し前
|悪しき未来《エンディング》をもたらそうとしていた外因を完全に排除したエンドブレイカーたちは、何事も無かったように結婚式および披露宴および無礼講の宴を再開しようと動き出す。
水神祭都アクエリオはエンドブレイカーが何度も活躍した場所だ。彼ら彼女らが宴をしだしたということはもう何も心配いらないのだろう。そんな信頼感によって、人々もまた祝いと騒ぎと解放感に包まれた結婚式という名のお祭りへと戻っていく。
だが限界だった。
「レース……」
「ん?」
「レースが! したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!!」
「まだ式終わってない!?」
「うるさぁぁぁいっ!」
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!!」
あまりの緊張感。そして死を意識するような恐怖。それに晒された新婦のストレスは限界だった。ただでさえ、式の間は大人しくしていたのだから。そしてその犠牲になる新郎。仕方ないよね。世の中は理不尽であふれている。エンドブレイカーが砕けない|未来《不運》だってあるのさ。
新郎が水路に投げ込まれた音に、その場に居た皆がそちらに注目する。そして新婦の宣言である。
ゴンドラレース。
「ゴンドラレース? 参加するしかないでしょ!」
真っ先に反応したのはラティニア・エルティンバー(銀に煌めく星のだめがみ様・f16432)であった。当然だ、彼女はかつて――本人はやめたつもりは無いのだが色んな諸事情でブランクがある――この地でゴンドラ乗りとして活躍していたのだから。ステラマリス、の名を知らないものはいないだろう。
「おゴンドラレース? わたくし乗り物大好きですわ?!」
そして勢いに完全に飛び乗ったメサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)である。なお。
「ところでゴンドラとはなんですの? わたくし全然存じませんわ?!」
とか周りの人に聞いてる段階である。
「ドラゴンの間違いではなくて? 違う?」
まぁ間違いではない。そういう感じで乗れるし、生きてるし成長するし。ドラゴンライダーくらいのテクニックとか選ばれし感がある。あれ、ゴンドラはドラゴンだった……?(錯乱)
「くく……」
その様子を見てリフィクル・ナータス(昏き異界より出でし|モノ《デモン》・f22103)は楽しそうな笑みを口端に浮かべる。
「ああ、華々しい式に楽しい催し……愛する姫君と共に楽しみたいと奮闘した甲斐があったものだ」
そう、言葉を口に乗せた直後、耳元に風が起こる。リフィクルが視線を遣れば、肩に乗っかってきたのは小さく薄い丸翅のフェアリーにして彼の姫君、椀種・クルトン(憂き実・f00365)がいた。
「リフィクル、宝石さんとの戦闘お疲れ様。ほんとに花嫁さんがご無事でよかった」
「ああ」
若干思っていたような花嫁ではないかもしれないが、まぁさておき。
そんなわけで新婦の宣言通り、ゴンドラレースの時間なのです。
●ゴンドラレース、スタート!
荒ぶる新婦。これに挑む|挑戦者《命知らず》はこの場にいる現地人にはいない。だって死ぬかもしれないもの。唯一、問答無用の命知らずだった新郎は既に水路に浮かんでいた。ぷかーって感じである。
だからこそ、このレースを盛り上げるのは猟兵たちしかいない……!
「花形と競い合えるとは光栄の至りと言うべきかな?」
「ふふ、お褒めの言葉も嬉しいけど、勝負に乗ってくれたことがもっと嬉しいわ」
クルトンを腕に抱いたリフィクルの言葉に、新婦が笑む。なお、花嫁衣装姿であるよ新婦。
「挑まれた勝負と喧嘩は買うのが我が王家流! お新婦が相手だからと言って手加減は致しませんのよ?」
びしっと『エルネイジェの海槍』の穂先で指すメサイアさん。なお、ゴンドラレースに合わせてまた水着姿にクイックドレスチェンジしております。眼福ですよ眼福!!
「勝負は本気でやらねば名誉が傷付くのですわ?!」
「そうよね! わかる! 全部ぶっ飛ばしていかないと!」
「気が合いそうですわ~~~」
こんな人らが同じ場所に二人いちゃいけないと思うのだが、そんな奇跡が起こってしまったからには仕方ない。
ちなみに、さっきまで『ゴンドラ? なにそれ?』みたいなメサイアだったが、ゴンドラが『おボートみたいなもの』と理解したのでばっちりである。
そして。
水色のゴンドリエーラの衣装を纏ったラティニアが新婦の前に現れる。
「結婚式だもの。花嫁以外は白は避けなきゃね」
「あら。お気遣いありがとう。勝利も譲ってくれるの?」
「まさか」
「よね」
このレースの参加者で本当に『ゴンドラ乗り』を名乗れる者は新婦とラティニアしかいない。ゆえにお互いの情報がそれとなく『知れている』。
(馬力とスピードはそこまでだけど、共鳴力で勝負よ!)
作戦を頭の中で立てて、レースコースを確認する。大丈夫、よく知った|道《水路》だ。
4隻のゴンドラがスタートラインに並ぶ。そして……号砲。ゴンドラが一斉に動き出す!
●
最初は一直線のストレート。水路の幅も広く、水の感覚を掴むには最適な開始地点。
(実際に運転するのは初めてだが……)
ちりちり、とリフィクルの脳裏にうずく『何か』。その言葉に嘘は無いが、メサイアのように『全てが初めて』かと言われれば? そんな感覚すらもゴンドラレースではプラスになる。
「技術を力で押し通せるか、試してみようか!」
リフィクルの櫂をこぐ手に力を込める。馬力重視のゴンドラが水と他のゴンドラを押しのけて、先に立つ。
「ふっ……」
「やるじゃない!」
まずは先頭を譲りながらも、新婦はしっかりと先と勝利を見据えている。それを横目にリフィクルが笑うが……その笑みの後ろに想いもある。
――主役を履き違えるような無粋な真似はすまい。
そもそも勝てないのも理解している。『ゴンドラ乗り』とはそういうものだとわかっているのもリフィクルなのだから。
「大丈夫、花嫁さんにはアクエリオ様の勝利のご加護があるわ。だからリフィクルも本気の櫂捌きでスピードあげてね」
胸元でささやく声。クルトンの愛らしい声。彼女は今、リフィクルの胸元におさまっている。リフィクルの櫂捌きは右手のみで行われ、左手は恋人であるフェアリーのクルトンを離れないように胸元に添えて固定しているのだ。ある意味抱き込んでいるともいう。
そんな状態――右手一本での力任せの櫂の運転で速度を上げていくのだから、リフィクルの櫂捌きに歓声があがらないわけがない。
「きゃーはやーい。もっと速くー!」
「……もしかしてスピード狂なのか?」
「……え、まさかぁ」
リフィクルの問いに胸元で楽しそうに鈴が鳴るように笑うクルトン。
「一緒に高速のゴンドラに乗りたかっただけよ」
そう言ってクルトンがリフィクルの胸にしがみつく。
「だってわたくしが吹き飛ばされないようにしっかり掴んで守ってくれるでしょ?」
「それはもちろん」
クルトンの言葉にリフィクルの櫂を握る手により力が入る。いや、想いといえるかもしれない。
そしてその想いに、ゴンドラが|一時《いっとき》の主の振る舞いに応える。
猛スピードのまま、華麗に先頭で。第一コーナーを回っていったのはリフィクル&クルトンであった。
だが、力――馬力だけがゴンドラの魅力ではない。
歌が響く。いや、澄み渡る。
「さてと……。キュラ、行くわよ!」
傍らの相棒・星霊のスピカに声をかけるラティニア。【苦労人スピカのキュラ】によって呼び出されたスピカのキュアは前からの相棒にしてツッコミ役である。ストライキしたこともあるよ。さておき。
ゴンドラ乗りが花形と言われる所以。それはこの歌だ。
ゴンドラ乗りのゴンドラは乗り手ともに成長する。それはお互いを相棒として認め合う行為にして、共に歩むということだ。
ゆえにゴンドリエーラのラティニアの歌に反応するのは彼女のゴンドラのみ。共鳴力――ゴンドラとともに征くその想いが彼女のゴンドラに最適なルートを導き、ゴンドラは迷うことなくその|道《水路》を突き進む。
(いけるわ……!)
目を瞑って歌い続けるラティニア。目を閉じていても周囲の雰囲気は手に取るようにわかる。ゴンドラがもたらす何かなのか、あるいは彼女のゴンドリエーラとしての実力なのか。
惜しむらくは……若干ポンコツなんですよね。
「きゃあっ! ごめんなさいっ! わわわっ!」
ざっぱーん!
歌に夢中になっていたせいか、水路のハブポイントで待機していたゴンドラ(レース観戦者)に接触しかけるラティニア。もう少しでリフィクルのゴンドラを抜かすところまで来ていたのだが、慌てて急ブレーキしたものだから。その勢いでバランスを崩し、盛大に水路へダイブする。
「うう……」
よじよじとどうにか自分のゴンドラに復帰しよう……としたところで、何故か真上から金だらいがゴーンと脳天にクリーンヒット。
「ふぎゃっ?!」
もっかいざぶーんと沈むラティニア。
しばらく後にゆーっくりと浮上してきたラティニア……の目が怖い。じーっと見ているのは相方のキュラである。
『……』
そっと。ラティニアの頭をなでなでして傷をいやすキュラ。星霊スピカの能力である。……が。
「ねえキュラ、マッチポンプって言葉知ってる?」
『……』
ラティニアの言葉に、キュラがそっと視線を逸らすのであった。
そんなわけでレースは終盤。リフィクルを追いかける新婦の形。だがまだ我々には彼女がいる。
そう! お姫様さ!!
「おほほのほ! お・い・つ・き・ましたわーーー!!!」
メサイアが爆走してきた。
最初はやっぱり操作等々に戸惑っていたらしい。ゴンドラにも意志があるから。でもそこはメサイアさんの|力技《テクニック》でカバー。
「ですが心配ご無用! わたくしにはこの海槍がございましてよ!」
とエルネイジェの海槍を水路に突き立てれば。
水が彼女の意志に沿う。後は簡単だ。
「狭かろうとも坂道だろうとも水の流れを味方に付けてしまえば勝ったもの同然ですわ!」
まぁそこに辿り着くまでに前が全力で突き放しているけれども。
まだだ、まだ間に合う!
「テクニックとか存じませんわ~!」
そんなメサイアがゴンドラで爆走してきたわけですよ。ゴンドラが水をかき分けるその水飛沫をドレスにして、ラストの直線で真横に並ぶ3隻。
「来た……!」
「ちっ……!」
クルトンとリフィクルが。
「負けるかぁぁぁぁ!!」
新婦が。
「ハイスピードで駆け抜けるだけがわたくしの人生ですわ~!」
メサイアが疾走する。
そして。
純白のウェディングドレスが真っ先にゴールを駆け抜ける。
「ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに!」
新婦がゴールした瞬間、クルトンが彼女に向けて叫ぶ。
それは勝利と結婚を祝う言葉。
こうしてレースは新婦の勝利で幕を下ろしたのであった。
※この4人のエピローグがもうちょっとだけ断章で続きます※
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
●ゴンドラレースを終えて
ウィニングラン(?)を終えた新婦が船着場から陸に戻ると、そこで待っていたのは新郎(着替え&濡れた部分は乾かしました)であった。
「やったーーー! 私、勝利!」
「おっと」
そう言って駆けながら飛び込んでくる新婦を抱き留めて、くるんとダンスを踊るように回る新郎。この包容力が彼女を射止めたのかもしれない。
そんな幸せで楽し気な光景を。レースを終えた4人と1匹――ラティニア・エルティンバー(銀に煌めく星のだめがみ様・f16432)と星霊スピカのキュラ、メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)、リフィクル・ナータス(昏き異界より出でし|モノ《デモン》・f22103)と椀種・クルトン(憂き実・f00365)が見守る。
「さあさ、レースを盛り上げた勇者様たちの凱旋だ! 食べて飲んで食ってくれ!」
「食べるのがだぶってるーーー?! にぎゃっ!?」
ツッコミを入れたらなぜかまた金だらいのツッコミを受けたラティニア。
「……キュラ?」
『……』
キュラさんが訴えています。金だらいツッコミは一般人にはやっちゃダメって。代わりにしたんだって。
「つまり……もうひとつ飲めばおバランスが良くなるということですの……?」
違うそうじゃない。しかしメサイアさんが不思議そうに告げれば、エンドブレイカーたちが一斉にサムズアップする。
つまり、戦いが終わった後は騒げってことさ!
現地の人とエンドブレイカーたちに飲み込まれていくラティニアとメサイアを見送りながら。
リフィクルとクルトンは二人そろって、水路沿いを散策する。
結婚式の祝い事に水神アクエリオが反応しているのだろうか。水路の水はきらきらと瞬いて、時折水飛沫が祝福のように煌めく。
「アクエリオの水路は宝石に勝るとも劣らぬ美しさですわね」
あむあむと、屋台で買ったドラジェを食べつつ、その合間にほっとひと息ついて。
クルトンは水路を見遣って、次に自分が乗っている男の顔を見上げる。
一般的な恋人……とは違うのかもしれないが。この男との関係性はとても居心地がイイ。
「連れてきてくれてありがとう」
「どういたしまして。我が姫君」
表舞台には立たないけれども。
あの純白の番いにも負けはしないと。
リフィクルとクルトンは静かに微笑みあって。
水神祭都アクエリオは彼らもまた祝福で包み込むのであった。
アルジェン・カーム
同行
ユーフィさん(f14574
本日は協力ありがとうございました
未熟ながら僕もゴンドラ乗りではあります
此度は遊覧を楽しんで頂きますね?
アクエリオの魚料理もとても良いものですよ
是非ともご堪能下さいね?
食べれるときにはしっかり食す
うん…戦士としての在り方をしっかり実践されてますね
ユーフィさんも素晴らしき戦士です
緩やかに遊覧モードで水路を進み光景も楽しみ
うん…懐かしいものです
こうして妻と小さな娘をアクエリオの催事の時に乗せたものです
あの時は緊張しました
僕も多少ゴンドラ乗りの経験はありましたがレースよりも気合が入りましたね
ああ…長女で…旭姫といいます
今もあの子は生きていると信じているんですよ
ええ…エリクシルとの闘いで我が故郷が巻き込まれ…あの子は異界へと飛ばされました
あの子もまたエンドブレイカーとしての力は持っていた
己の終焉のエンディングは破壊していると…信じています
希望…ですがね
だから今も探しているんですよ
…ありがとうユーフィさん
僕と妻の希望に根拠はない
でも…信じ…僕らもまた手を伸ばします
ユーフィ・バウム
アルジェン(f38896)さんと
ゴンドラに乗せていただきながら
結婚式、再開出来たようで何よりです。
共に戦っていただき此方こそ
安心して後ろを任せられたのは有難くです
遊覧し景色を楽しみながら
魚料理を堪能ですっ、大食いなのですから、ええ!
不思議な既視感を吹き飛ばすように声を張り食べます、が
アルジェンさんのご家族の話が出れば聞き入ります
今もあの子は生きている……ということは、今は離れて?
名前は旭姫――
何か染み入る名前に、目を閉じ
小さく頭を振って
幼い頃、こんな素敵な光景をその子は見ていたのですね
…多くの人は3つ頃までの記憶は残らないといいます
私も、森に住む父母に拾われるまでのことは記憶はないです
ただ口にしていたユーフィと言う名前だけ
けれど、こんな素敵な景色。優しいアルジェンさんとお母さん
頭でなくてもどこかで必ず”覚えて”いると思います――きっと
ある予感がありますが
けれどそれを認めることは出来ません――
想いに蓋をして目を開く
きっときっと、旭さんも戦っているのでしょう
父母の想い出を大切に体に宿し、今も
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盛大に賑やかに、それでいて厳かに。
新しい人生の旅出を祝う宴は続いていく。
それを祝福するように清らかな水が優しく流れ続ける。水神祭都アクエリオは水神アクエリオの加護を戴く都市。その水こそが恵みであり、加護なのだ。
そんなアクエリオの水路を1隻のゴンドラがゆったりと進む。アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)のゴンドラだ。
「本日は協力ありがとうございました」
そう言って微笑む先にはユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)が座っている。
「いえ」
アルジェンの声に視線を戻すユーフィ。先ほどまで見つめていたのはゴンドラレースを終えて弾けるような笑顔を見せていた新婦とそれを抱き留めていた新郎の姿。
「結婚式、再開出来たようで何よりです」
ふふ、と微笑むユーフィ。視線の先にアルジェンを見据えてユーフィが言葉を紡ぐ。
「共に戦っていただき此方こそ。安心して後ろを任せられたのは有難く、です」
ユーフィの言葉を受け取って、アルジェンが櫂を握る手へわずかに力を込める。それによってゆっくりと水路を進むゴンドラ。
「未熟ながら僕もゴンドラ乗りではあります。此度は遊覧を楽しんで頂きますね?」
「はい♪」
楽しそうに笑うユーフィを一度視界に収めながら、アルジェンはゴンドラへと意識を集中する。
ゆっくりと、景色と風が流れていく。
そんなゆったりとした時間を邪魔するように……くぅ、と少しばかりお腹が鳴る。慌ててお腹を押さえたユーフィ。そういえば、と視線を落とせばそこには用意されている料理がある。
「アクエリオの魚料理もとても良いものですよ。是非ともご堪能下さいね?」
ゴンドラを漕ぎながらアルジェンが勧めれば、ユーフィは早速と料理を口に運ぶ。とても美味しい料理で食が進む。……だけれども、どうしても……どうしてもユーフィの脳裏に何かがよぎる。
「食べれるときにはしっかり食す。うん……戦士としての在り方をしっかり実践されてますね」
「……ええ、堪能ですっ、大食いなのですから、ええ!」
アルジェンの笑みに、不思議な既視感を吹き飛ばすように声を張り食べるユーフィ。
「ユーフィさんも素晴らしき戦士です」
アルジェンもまた、緩やかに遊覧モードに。主の意を読み取ったか、ゴンドラの動きが少し緩やかになって、その速度は泉に揺蕩う木の葉のごとく。
「うん……懐かしいものです」
「……」
アルジェンの呟きにユーフィが手を止める。止めてはいけないと思いつつも止まってしまう。
「こうして妻と小さな娘をアクエリオの催事の時に乗せたものです」
あの時は緊張した、とアルジェンが独白する。多少ゴンドラ乗りの経験はあったものの、レースよりも気合が入ったという。
そんな、つらつらと零れ出るように話すアルジェンの家族の話をユーフィは聞き入る。
「ああ……長女で……旭姫といいます」
ちりっ、と。アルジェンの声がユーフィの脳裏を刺激する。『名前は旭姫』――何か染み入る名前に、ユーフィは目を閉じて。
それに気付かないアルジェンは言の葉を紡ぎ続ける。
「今もあの子は生きていると信じているんですよ」
「……今もあの子は生きている……ということは、今は離れて?」
「ええ……エリクシルとの闘いで我が故郷が巻き込まれ……あの子は異界へと飛ばされました」
沈黙が帳のように降りてくる。
その帳は少し重くて、どちらも振り払うことが出来ない。それでも……ユーフィは小さく頭を振って、一度目を開ける。
「幼い頃、こんな素敵な光景をその子は見ていたのですね」
「……」
ユーフィの告げた言葉にアルジェンはゆっくりと周囲を見渡す。景観は変わっているけれども、確かにあの子はこの景色を見ていたはずだ、と。
「……多くの人は3つ頃までの記憶は残らないといいます」
アルジェンを見つめて、ユーフィが言葉を紡ぐ。……いや、言葉というよりは、記憶だ。
「私も、森に住む父母に拾われるまでのことは記憶はないです。ただ口にしていたユーフィと言う名前だけ」
それが『今の彼女』の『|最初《生まれ》』――そこからユーフィはここまで自分の足で歩いてきたのだ。記憶が無くとも、だ。……でも。
「けれど、こんな素敵な景色。優しいアルジェンさんとお母さん……頭でなくてもどこかで必ず“覚えて”いると思います――きっと」
そんな想いがユーフィの内から沸き起こる。それをそのまま言葉にして外に出せば、それを受け取ったアルジェンが目を見開く。
再び、いつもの表情に戻ったアルジェンが呟く。
「あの子もまたエンドブレイカーとしての力は持っていた。己の終焉のエンディングは破壊していると……信じています」
それは『希望』という名の何か。
「だから今も探しているんですよ」
そう言ってアルジェンはユーフィに向き直る。
「……ありがとうユーフィさん。僕と妻の希望に根拠はない。でも……信じ……僕らもまた手を伸ばします」
そう言うアルジェンの顔を見て、ユーフィは頷き。そしてもう一度目を閉じる。
先ほどから脳裏でざわついている何か。何かが『ある』――それはあえてカタチにするなら『予感』だ。
(――けれどそれを認めることは出来ません――)
その想いに蓋をして目を開くユーフィ。
「きっときっと、旭さんも戦っているのでしょう。父母の想い出を大切に体に宿し、今も」
そうとだけ告げて。
ユーフィもまた視線を空へと遣る。
水と空と……様々な青が。二人を包み込むのであった。
大成功
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