「喧嘩祭りって知ってるか?」
本来は、神輿等がぶつかり合う様が喧嘩のように見える、勇壮かつ派手な祭りのことを指すはずなのだが。
「だよな。普通はそれを思い浮かべるよな」
サムライエンパイアのとある農村で行われる「喧嘩祭り」は、少々違うらしい。
力仕事が多い農村故に腕っ節を競いあっていたのが祭りという形をとるようになった。そういえば聞こえは良いのだが、若者の多くが華やかな都を目指してしまったせいか、祭りそのものが盛り下がり気味となっているのだとか。
「そりゃあ、腕っ節自慢なんて奴は年寄りがやっても周りがハラハラするだけだしな……ってところで、盛り上げ役を買ってやってくれないか?」
収穫が終わったあとのちょっとした羽目外しといったところなので、最終的に勝者を選ぶわけではない。そして、実際殴りあいや取っ組み合いも行われるが、あくまでも祭り。本気で戦りあう必要は無い。
「気の合うやつと軽くやり合うってぇのが、丁度いい塩梅だろうな」
猟兵同士であればユーベルコードのぶつけ合いでも派手な賑やかしとして見てもらえるだろう。勿論、参加する側でなく、応援でも問題はない。
「で、喧嘩祭りで一頻り発散した後も、祭りだ」
荒々しい祭りの後は、賑やかに。
一年の実りに感謝する祭りなので、屋台での食べ歩きは勿論、その年の収穫を賑々しく寿ぐための祭り櫓を囲んで踊り騒ぐ村人たちに交じることもできる。
おまけに、陽が落ちたあとは、数は少ないが花火も上がるらしい。
「南瓜が名産らしいからな。屋台も南瓜を中心にした芋類を中心に多彩らしいぞ」
で、そんな祭りのプレゼンをするお前は行かないのかと、話を聞いていた猟兵の一人に問われたグリモア猟兵――稲護・狐燐(護りの狐火・f35466)は苦笑いで答えた。
「折角なら俺も行ってオンナノコ達の注目を浴びたいところなんだが……嫁の目が怖いんでな。俺は大人しく留守番だ」
そう言うと、狐燐は猟兵達を送る準備を始める。
「まあ、俺の分まで楽しんで来てくれ」
白神 みや
お世話になっております、|白神《しらかみ》です。
お祭りごとにはいっちょかみしたい! と、言うことで、一章と二章で、大分とノリの違う|秋祭り《ハロウィン》なぞ、如何でしょうか。
どちらもフラグメントにとらわれず、ご自由に楽しんでいただければとおもいます。
●一章
時刻は昼。腕っ節を競う「喧嘩祭り」です。
ユーベルコードのぶつかり合いでも、徒手や武器でのぶつかりあいでも、ご随意に。
ソロ参加の方は、勝手にカードを組まさせて頂くか、集団戦、ソロ演武等いい感じになるよう、白神が頑張ります。
●二章
時刻は夕方からあまり遅くない夜ごろ。夜祭りです。
南瓜屋台に祭り櫓、ささやかながらもにぎやかに。
●お願い
MSページはお手数ですが必ずご一読ください。
受付期間については、都度タグにて告知いたしますので、参照ください。
基本的には、期間中にいただいたプレイングで進行予定ですが、締切後🔵状況等によっては追加を受付る可能性があります。
第1章 冒険
『喧嘩祭りで勝ち上がれ!』
|
POW : 圧倒的なパワーを見せつけて参加者の戦意を削ぐ
SPD : 素早い動きで参加者を圧倒し棄権へ持ち込む
WIZ : 他参加者同士で戦わせるなど、策をめぐらせる
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ルクス・キルクルス
アドリブ連携◎
喧嘩祭り! 良いねぇ、祭りの華ってやつじゃん!
私も飛び入り参加しちゃおうか。
武器は……一応サムライブレイド《月光静》だけにしておくか。 銃ぶっ放すのは危ない。
というわけで剣術でお手合わせお願いするぜ!相手は誰でも大歓迎! 複数でも良いぜ!
大丈夫大丈夫、峰打ちにしとくから!
鹿村・トーゴ
えー腕比べの祭り?
それは!もう、羅刹としては!参加したい!
『やだーウルサイわね』
(相棒の鸚鵡ユキエが呆れた目つきで見てるが気にしない)
オレも普段は飴行商してるが(身分は)農民なんだ
(祭なので武器、念動使わず徒手
相手が刃物持ちなら防御【武器受け】にクナイ使う)
常時相手を【聞き耳、視力】注意
【忍び足】と速さを活かし撹乱と背後取り
掴んで投げる/足払いから浮かせ蹴る、投げる/正面から拳を振り上げ【だまし討ち】膝蹴りで腹か腰狙い
げんこつ殴りは苦手なので(布巻いてないしー)掌底打ちか肘打ち
組み合いになっても首や足は極めない
あ、ヤバいなーと思ったら降参
怪我しても楽しそう
勝負より乱闘や対戦が出来れば満足だねェ
●一戦目:ルクス・キルクルス(36の世界の果てまで・f38588)対鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)
「喧嘩祭り! 良いねぇ、祭りの華ってやつじゃん!」
祭りの話を聞いて、そう言いながら目を輝かせて飛び入りで参加したルクス。
そんな彼女に相対したのは、羅刹の血が騒ぐまま同じように飛び込み参加を決めたトーゴ。トーゴの相棒である鸚鵡のユキエは、安全な所から呆れたように見守っている。
「腕比べの祭りって言われたら無視できないしな!」
「わかるわかる! お互い猟兵みたいだし楽しませてもらうぜ!」
既に意気投合といわんばかりに笑いあった後、ルクスは刀を構える。
「おっと、刃物持ちか。オレもこいつを使わせてもらおう」
「大丈夫大丈夫、峰打ちにしとくから!」
トーゴがそう言いながらクナイを取り出して構える様に、ルクスは明るく言い放つ。向かい合い互いに間合いを図る二人に、村人たちも固唾をのんで見守っている。
最初に地を蹴ったのはトーゴ。忍者ならではの足捌きと素早さで、ルクスの懐へと入り込む。
「……ッ、とぉ?!」
迫る掌底を寸での所で躱すルクス。愛用のサムライブレイドを振り上げるが、体勢を崩したまま繰り出したそれはトーゴに容易に避けられた。
(……銃でもよかったんじゃないか、これ? いやでも流れ弾は怖いもんな)
徒手で迫られるのであれば、刀よりもそちらの方が有利だったのではと、ルクスは思うが、流れ弾が村人や村人が思いを込めた祭り飾りに当たるのは本意ではない。盛り上げる為に自分達はこうして手合わせしているのだ。
見た目からはやや離れた物言いと豪快さでサムライブレイドを振り上げるルクスと、それを軽業師のようにいなし躱すトーゴに村人たちは歓声を上げながら、いつの間にか御贔屓を定めて応援を始める。
一しきり武器と拳を交わし、二人は満足そうに笑いあった。
そんな様も、村人たちは歓声と拍手で包み込む。
『……ワタシにはわからない世界ね。まあ楽しそうだからいいけど』
そんな様を、|トーゴの相棒《ユキエ》が呆れたように、呟いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
真宮・響
娘の奏(呼び方はそのまま「奏」f03210)と参加
そういえば数年前に喧嘩好きなオブリビオンとこの世界で戦ったね。あの時から奏も大分背が伸びたし、随分強くなった。一つ、手合わせと行こうかね。
スピードはアタシの方が早い。【怪力】【グラップル】で拳を突き出すが、奏にばっちり受け流される。流石。でもまだまだ甘い。奏の全力の拳を【残像】で回避し、炎の拳で突きを入れた後、【足払い】で転倒させる。
はっはっは。捌きの技術はアタシを超えたようだが、捌いた後の返しの技術はまだまだのようだね。奏。まあ、凄く強くなったのは認めるよ。(手を貸して立たせる)これからも宜しく頼むよ。(肩を叩く)
真宮・奏
母の響(呼び方は「お母さん」f00434と参加)
ああ、この世界で喧嘩好きのオブリビオンと戦いましたね。懐かしい。その時より背は伸びましたし、実力もついてきた自信があります。お母さん、胸をお借りします!!
攻撃のスピードはお母さんが上なので、どうしても先手は取られてしまいますね。お母さんの強烈な拳を【受け流し】【ジャストガード】で受け流します。勢いに乗じて全力の信念の拳を繰り出しますが、お母さんに避けられて、転倒させられてしまいます。うう、やっぱりまだお母さんの方が上手だ・・・
でもお母さんに褒められて照れながらお母さんの手を取ります。はい、これからも頑張って、家族全員守り抜いて見せます!!
●二戦目:真宮・響(赫灼の炎・f00434)対真宮・奏(絢爛の星・f03210)
続いての対決は親子対決と聞いて、村人たちは「お墨付きをもらう人達は違うなあ」等と囁いていた。反面、戦舞台に現れた響と奏の母娘はといえば、かつて今日は此処に居合わせてはいない家族と共に、この世界で喧嘩の絡む一件に関わったことを思い出して、時の流れを実感していた。
あの折はまだ少女だった娘の奏は背丈も伸びて最早成人も近い。さらに、猟兵として力もつけた。
「奏。一つ、手合わせと行こうかね」
「お母さん、胸をお借りします!!」
年齢を感じさせない母、響が、構えを取れば、奏も頷いて籠手で覆われた拳を構えた。村人たちも息をするのも憚られそうなくらいに、空気が張り詰める。
無言で地を蹴ったのは、場慣れした響。その勢いを殺さぬまま、一切の容赦のない拳を振るう。しかし、奏も先手を取られる事は織り込み済み。拳が迫るタイミングに合わせて、籠手で受け止め流す。
(やっぱり、お母さんの拳は重い……っ けれど……!)
奏は、受け止めた拳の威力と重さに、危うく流されそうになるが踏みとどまり、その勢いを自分の力へと変える。
「行きます……ッ!!」
受けた力と自分の力を込めた拳が、音に迫る速さで振り抜かれた。それは奏のユーベルコード「信念の拳」。至近距離の相手にしか使えないが、単体には効果的なもの。
しかし。
「まだまだ甘いね、奏」
その拳は響を捉えることは無かった。いや。捉えたと思った響は、残像だったのだ。勢いを殺し切れずに、奏は鈩を踏む。そんな奏を赤熱の拳が襲う。それは奏のそれと相似するユーベルコード。
容赦なく赤焔の拳が奏を打ち据え、更に足払いの追い打ちで、奏は背を地に付ける事となった。
「うう、やっぱりまだお母さんの方が上手だ……」
「捌きの技術はアタシを超えたようだが、捌いた後の返しの技術はまだまだのようだね。
まあ、凄く強くなったのは認めるよ」
倒れたまま、悔しそうに声を漏らす奏に、響は豪快に笑いながら手を差し出す。その笑いは、賞賛と感嘆、そして娘の成長を喜ぶ笑い。
母に戦いの強さを褒められた。そのことが少し照れくさい気持ちで、母の手を取る。
「これからも宜しく頼むよ、奏」
「はい、これからも頑張って、家族全員守り抜いて見せます!!」
母に助け起こされ、肩を叩かれながら、娘は頷いた。
そんな二人を村人の拍手が暖かく包んだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と戦う
浴衣姿で歩み出る
お年寄りには子供に見えて心配されちゃうかも
でも俺は能力者で猟兵だ
年齢も見かけとは違う
陸井とずっと戦って来た
演武を全力で見せよう
祭の寿ぎに華を添えられるように
堂々と
「いい?」
ただ一言聞いて
「起動!」
大鎌装備の戦闘姿で
空中機動で全力疾走し大鎌を振りかぶる!
いなされたら飛び退り
「ククルカン!」
大鎌につけた蟲笛から蟲を呼び
陸井を指す
彼らに突撃を任せもう一度虚空を走る
ククルカンの奔流に一瞬だけ絶対に反応は鈍る…
そこへ一撃!
…寸止めするけどね
その後も超ギリギリの寸止め戦闘を繰り返す
終ったら遺恨が無い事を示す為にガッチリとハグ
いい戦いだったね!ありがと陸井!
凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と参加
祭りだし浴衣姿で、狐面も揃いの黒面を付けて参加
本気の戦いで無く盛り上げて楽しませる為に相棒と演舞を
「いつも全力の戦いだし、たまにはこういうのもな」
「勿論、いつでも来い…起動」
何時もの和服になって『護身』を構え
勿論短刀としてのみで、攻撃を受け流して、弾いて
ククルカンは優しく手刀の腹ではたくように
「ふふ、どんどん来い、相棒」
楽しくて、全力で受けに回って
相棒とククルカンの全力相手にはもう余裕もない
汗を散らして、全力で対応して寸止めの攻撃をして
受けて、いなして、その上で勝てるかは運試しだ
終わったら勿論ハグを返して
「ふふ、こちらこそ、ありがとうなんだからな。時人」
●三戦目:葛城・時人(光望護花・f35294)対凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)
続いて戦舞台に上がったのは白と黒の狐の面が映える、浴衣姿の青年二人。共に成人男子なのだが、縺れ繋がった運命の糸の悪戯により実年齢よりも幾分年若くなった姿ゆえか、冷静かつ落ち着いた雰囲気を纏う陸井が兄、朗らかに表情を目まぐるしく変える時人が弟のようにも映る。
「坊主、兄ちゃんに負けるなよ!」
「俺、そんなに子どもに見えるかなあ?!」
村人の一人が上げた野次のような声に返す時人の声に不快の色はなく、村人たちは肯定するようにどっと笑いを返す。
「……もう。陸井、いい?」
「勿論、いつでも来い」
長く共に背を預けあう二人故に、合図は短く簡潔に。
「……|起動《イグニッション》」
「|起動《イグニッション》!」
それは猟兵となる前、|ここではない別の世界《銀の雨降る世界》で戦っていた頃からの、開戦のことば。それと共に二人は浴衣姿から、馴染んだ戦装束へ。村人たちも「手妻か?」等とどよめいて、二人の姿に目を奪われた。
先に動いたのは時人。大鎌を手に地を蹴って距離を詰める。対する陸井は愛用の短刀銃の刀身で、鎌を攻撃を柳のようにいなしていく。
「ククルカン!」
再び距離をとった時人は、鎌に取り付けている蟲笛を使い、もうひとりの相棒――|白羽の白燐蟲《ククルカン》を呼び出す。主に示された相手に、一瞬首を傾げるような素振りを見せた後、|白羽の白燐蟲《ククルカン》達は陸井へと向かっていく。
「……っと、時人も全力だな」
口調こそいつもと変わらない泰然としたものだが、陸井も全力で時人の攻撃を対処していることがわかる声音で、舞うように|白羽の白燐蟲《ククルカン》の奔流をいなしていく。そんな中でも、二人は敢えて決定打からずらした攻撃を繰り出すという、見る人が見れば難度の高い応酬を繰り広げる。
舞のような演武の最後は、互いに相手に武器を突き付けあう形に。二呼吸程そのまま静止した後、二人は互いに武器を引いた。
「いい戦いだったね! ありがと陸井!」
「ふふ、こちらこそ、ありがとうなんだからな。時人」
どちらからともなく賞賛を交わす。
そんな二人を賞賛する村人の声の中には「うちの孫の婿にあんな人が、いやむしろ彼が来ないものか」等という声も混じっていたとか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
比良坂・彷
【導雨】
※勝敗お任せ
やったー藍夜とヤりあえるー
ふふふ今日はァ俺の隠し技見せちゃう♪だァいじょうぶ、死にたいとかないからあ
UC使用
喧嘩祭り
壊していいもん置いてんだろ?
※祭盛り上げる物品は一切壊さず戦う
攻撃は案山子に喰らわせ相殺
ぶん投げ【驚かせ】引っかかってくれたら行幸
しゃがみ足払い
翼に穴開いたら哀しくない?
…ッあっぶねやべぇとこ当たってる?!弾見えねェ!
被弾して「壊していい古屋」に派手につっこむ
…いってぇ
あはっ!
でもさァ武器がいーーっぱい出来たわァ
藍夜いっくよー
瓦礫掴んで羽ばたきぶん殴り3回
弾の狙い【見切り】壁材投げ相殺を狙う
「ああ、藍夜が遊んでくれるから“生き生きしてる”よ」
「あはっ!上等!」
御簾森・藍夜
【導雨】
※勝敗お任せ
俺もお前とこういうことしたかった
ばぁか死なないのは当たり前
こんな所でンなこと言うなら素手で殴るからな
お前の戦い方は知っているつもり
幸運不運言われると勝てん
なら先手必勝、飛ぶなら足を掴んで
飛ばないなら間合いに踏み込んで掌底
…やたら抵抗が無いのは何だ?
どうせ俺のやり方だって知ってるんだ【戦闘知識
飛来物、回避不可は【激痛耐性で歯を食いしばる
…はあ!?なんだと!?
おま、ばか!そンなん聞いてない!
ああもうっ俺が狙うのはお前だけ―!
「極東の冬を―
はフェイク実際は雨垂…ゴム弾だ
翼…はだめ
体?くそっ撃ちにくい!痛くても泣くなよ!
「―彷、“楽しく生きてる”な?
「いいな、撃ち落とし甲斐がある!
●四戦目:比良坂・彷(冥酊・f32708)対御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)
「喧嘩祭?」
「え、飛び入りできるの? やったー藍夜とヤりあえるー」
祭りが盛り上がってきた最中にふらりとやってきた男性二人。喜々とした彷に、同道する藍夜は窘めるのかと思いきや。
「俺もお前とこういうことしたかった。丁度良い、飛び入りだ」
涼し気な風貌と裏腹に、不敵な笑みを浮かべて頷いた。
「ふふふ今日はァ俺の隠し技見せちゃう♪」
足取りも軽やかに、楽し気に踊るように彷が戦舞台に上がる。対する藍夜は、この男の性質はよく知っているが故に眉を顰める。
「だァいじょうぶ、死にたいとかないからあ」
「ばぁか」
そんな表情を察したのか、彷がへらりと笑って言うが、そんなことは当然のことなのだ。特にこの、身の裡の何処かに希死願望を隠し持つ男の場合は、油断がならない。
「 こんな所でンなこと言うなら素手で殴るからな」
「ジョークの一つも言わせろよ」
そう言って肩を竦めた彷へ、藍夜は応えの代わりに地を蹴って掌底を叩きこもうとする。
「うぉっと……?! いきなりおっ始めちゃうのかよ」
「お前の戦い方は把握している積もりだ。
運勝負にでも持ち込まれたらこちらが圧倒的に不利になるじゃないか」
故に、藍夜がとった戦法は先手必勝の、筈だったのだが。言い知れない感覚が抜けきらない。
(……やたら抵抗が無いのは何だ?)
その感覚がぬぐえないままにもう一撃。今度は綺麗に顎先へと入り、彷が体勢を崩し、戦舞台からもんどり打って落ちた。やり過ぎたかと藍夜が思わず駆け寄ろうとするが。
「いやあ、いい感じに壊していいもんの所へ落ちて助かったぜ。
武器がいーーっぱい出来たわァ」
祭りの準備で出た廃材置き場へと「運良く」落ちた彷が笑みを浮かべて戻ってくる。その手にもてる限りの廃材を持って。
「さあて、俺の番かね! いっくよー」
運に愛されてしまった男は己が落ちた場所を認識すると同時に、ユーベルコードを起動していた。そうなれば、手にした瓦礫は彷の得物である。その背の翼をはためかせ、手にした瓦礫での三連撃。
「……はあ!? なんだと!? おま、ばか! そンなん聞いてない!」
三連撃をきっちり喰らった藍夜は、痛みを捻じ伏せて彷を見据えながら、狙撃銃を構える。
「極東の冬を――……」
その口が紡ぎ出した詠唱に、彷が咄嗟に地を蹴って射程から逃げようとする。が、その実、放とうとしたのは、氷の牙ではなく、弾を殺傷力の低いゴム弾にした|別のユーベルコード《雨垂》。しかし、藍夜自身が彷の個性だと思っている翼は、狙えない。となれば身体となるが、静止する的ではない上、たとえゴム弾でも当たり所を考えるのは至難だ。
「痛くても泣くなよ!」
そうして撃ちだされた藍夜の弾は、逡巡の間に狙いを読んだ彷が手にした廃材で器用に相殺する。
瓦礫の盾や廃材の槍と、ゴム弾の応酬は数合続いたが、二人の表情は疲労よりも、充足感にも似たものに彩られていた。
「――彷、“楽しく生きてる”な?」
「ああ、藍夜が遊んでくれるから“生き生きしてる”よ」
互いに武器――狙撃銃と瓦礫を構えたまま、二人はそう言い交わして笑いあった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 日常
『そして迎える大団円』
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POW : 力の限り、やりたいことをする。
SPD : きびきびとやりたいことをする。
WIZ : よく考えてやりたいことをする。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●稔りと感謝を彩り寿ぐ
時間は移り夕刻。村人たちの話題は未だ昼の喧嘩祭りの話で持ち切りだった。
「いやあ、今年の祭りは飛び入りさんたちのおかげで賑やかになったよな」
「来年の収穫もこれならきっといいものになるだろうよ」
村人たちが口々にそう言い交わしながら、祭りの空気は喧嘩祭りから稔りを寿ぐ空気へ。
こじんまりとした屋台がいくつか立ち並び、収穫した秋の味覚を使った鍋や焼き物に、素朴なお菓子が並ぶ。勿論、芋を使った酒なんかもちゃんとおさえられている。
広場で、昼は喧嘩祭りの舞台になった場所とそう離れていない場所にはこちらも大きくはない櫓があり、太鼓が据えられ浮かれ騒ぐ準備も万端である。
「花火はもうちょっと日暮れてからになるし、小さい祭りだが楽しんでいってくれ」
猟兵達を見慣れない祭りの参加者と見た準備にいそしむ村人が気さくに笑って言った。
鹿村・トーゴ
お祭りだって、ユキエ(相棒の鸚鵡に声掛け。ユキエは人語で返事)
『人間て秋にお祭り好きね』
お、偉いじゃん、季節覚えてたんだ?
『ユキエは十七歳だから物知りよ』
そいやオレのいっこ下だったねェお前
『せっかくなら行こ。美味しい物あるかもー』
南瓜とかお芋さんがあるって。ユキエ、かぼちゃのなんか貰おーよ
『そうね~』
南瓜を薄めに切り軽く焼いた物を冷ましてユキエに(足で掴んで器用に食べる
あ、嘴かぼちゃだらけじゃん
無言で食べてる。気に入った?
『ウン』
オレは南瓜を天ぷらにして貰ったんでそれを頂こ
あっ熱ちち(猫舌
やぐらの周りで踊る村人をのんびり見て(歌や踊り苦手なので見る専
肩に止まったユキエと花火も楽しもう
アドリブ可
●
「お祭りだって、ユキエ」
鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は、腕に留まる相棒の白鸚鵡へと語り掛ける。
『人間って秋にお祭り好きね』
白鸚鵡――ユキエは、首を回し周囲を見回しながら人の言葉で応える。その様に、トーゴは笑みを浮かべる。
「お、偉いじゃん。季節覚えてたんだ?」
『ユキエは十七歳だから物知りよ。それに、一緒にいろんな所を巡ってるじゃない』
そいやオレのいっこ下だったねェと、応じながらユキエの首下あたりを優しく撫でてやれば、赤茶の眼を細めながらユキエはその手に身を寄せる。
「おや、さっきの兄さんじゃないか。折角ならこっちも楽しんでいってくれよ。今年は南瓜も芋を良いのが出来たんだ」
喧嘩祭を観戦していたらしき村人が、ユキエと散策をしていたトーゴにそう声を掛けながら、その収穫と思われる南瓜を慣れた手で調理している。
『美味しい物が探しに行く前に来てくれたみたいね』
「かぼちゃのなんか貰おーか」
トーゴとユキエの言葉に村人は笑いながら、少し待っててくれと言って調理を始める。そうして一人と一羽に供されたのは、トーゴには焼いた南瓜と天ぷら。ユキエには蒸かした南瓜。
「鸚鵡の嬢ちゃんにはこっちのほうが口にあうんじゃないかと思ってな」
『あら、ありがと』
ユキエは村人の気遣いに感謝すると、トーゴの腕から降りて早速南瓜にありつき始める。その様子につられるようにトーゴも天ぷらにありついて。
「…… あっ熱ちち」
猫舌のトーゴが舌鼓を打つより前に熱さに苦戦をしている傍らではユキエが無心に南瓜をつついてその嘴を南瓜まみれにしている。
そんな様を花火の光が優しく彩った。
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
娘の奏(f03210)と参加
祭りが盛り上がってよかった。元々は収穫祭だからね。身体も温まった所で腹ごしらえしようか?胃袋ブラックホールの奏には魅力的過ぎる匂いがするんじゃないかい?
おお、秋の味覚満載の鍋がいい湯気立ててるよ。まずこれ頂こうか。これはカボチャの甘煮。カボチャの天ぷらもあるね。おお、野菜をタレにつけて焼いたのもあるね・・鍋も数種類あるようだが、奏はいくらでも入るようだね?
流石にお菓子はお腹に入らない。奏も成人間近だが、ハムスターのように口いっぱい食べ物詰め込むのは変わらないよね。やれやれ。
まあ、これも奏らしさでもある。芋酒を飲みながら、太鼓と花火を楽しむよ。
真宮・奏
母の響(f00434)と参加
お母さんと久しぶりに手合わせ出来て嬉しかったです!!一杯動いたらお腹空きました!!う〜ん・・凄くいい匂いがする!!早く食べましょう、お母さん!!
ああ、もう秋の具材満載の鍋が幾つか湯気が出てます!!頂きます!!野菜の天ぷら、里芋の煮しめ、野菜のつけ焼き!!ああ、美味しそう!!いくらでもお腹に入ります。
仕上げにお菓子をハムスターのように頬に詰め込んで満足そうに花火と太鼓を楽しみます!!ええ、幾ら歳を重ねても一杯食べたいですし。ああ、楽しいなあ。
●
「お母さんと久しぶりに手合わせ出来て嬉しかったです!!」
先程までの凛々しさはどこへやら、真宮・奏(絢爛の星・f03210)が年齢よりも幼いくらいの満面の笑顔で言う様に、母である真宮・響(赫灼の炎・f00434)は苦笑する。
「元々は収穫祭だからね、奏。ともあれ、祭りが盛り上がってよかった。」
瞬く間に賑やかさはそのまま喧嘩祭りから秋祭りへと様相を変えた村の姿。そこかしこに収穫した南瓜や芋等の様々な屋台が並んでいる。
「……凄くいい匂いがするし、一杯動いたからお腹すきました!!」
「身体も温まった所だし、腹ごしらえには丁度良い……というより、胃袋ブラックホールの奏には魅力的過ぎる匂いがするんじゃないかい?」
当然収穫物を調理する屋台も並んでいるわけで、そんな屋台から漂う匂いに奏ではそわそわと待ちきれない様子で頷く。
「はいっ! 早く食べに行きしょう、お母さん!!」
「しょうがない子だね……」
今にも屋台へ駆け出していきそうな娘に、母はそう言いながらも穏やかな顔で肩を竦める。それを許可の合図と受け取った奏は、ステップを踏むように駆け出していく。
「お嬢ちゃん、さっきは母ちゃんにしこたまやられてたけど大丈夫だったかい?」
「あはは……大丈夫ですっ」
「これでも食べて元気だすんだよ。ほら、母ちゃんもね」
奏が匂いに惹かれて駆けていった屋台の店主は、喧嘩祭の一戦を見守っていたようで、二人に調理してた秋の味覚をふんだんに使った鍋の具をよそった器と食器を渡す。
「ありがとうございます! 美味しそう!!」
「アタシまで申し訳ないね」
奏が見つけた椅子に座り、二人で先ずは一口。素朴な味わいと温かさに、心が緩む。
「お鍋がこんなにおいしいなら、きっと……!」
あっという間に器を空にした奏はすぐに他の屋台の探索に立ち上がる。響が食を満喫するスイッチの入った奏に、自分の分も見繕うように頼めば、二つ返事で駆け出していった。奏が食べ終えて少し経った頃合いに、奏が色々と抱えて帰ってきた。
「カボチャの甘煮。カボチャの天ぷらもあるね。おお、野菜をタレにつけて焼いたのも……」
「さっきのお鍋の屋台の人みたいな人が結構いて……いっぱい頂いちゃいました」
とはいえ、“胃袋ブラックホール”の奏なので、苦労する量ではないのは、母親である響には想像に難くない。自分が食べきれないものも奏でに分けて、待っている間に手に入れた芋酒と一緒つつくことにする。
「成人間近だが、ハムスターのように口いっぱい食べ物詰め込むのは変わらないよね」
「ええ、幾ら歳を重ねても一杯食べたいです!」
花火を見上げながら餌を貯めこむように頬が膨らみそうな程のお菓子を食す娘に、少し呆れながら響がそう言うと、口いっぱいにお菓子を頬張りつつも、一定の礼儀の範囲は維持して奏は嬉しそうに応える。もう少し成人女性の物腰を身につけて欲しい気もするのだがと思いながら響は苦笑した。
大成功
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凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と参加
確かにサムライエンパイアだもんな
江戸時代のお祭りっていうのも面白い
素朴でも、きっとお祭りの空気は変わらない
確かに流石に夜になるとちょっと冷えるな
時人が見つけた甘酒を飲んで温まりつつ屋台を見て回ろうか
「ほら、時人。屋台は逃げて行かないし落ち着けー」
昔から変わらない相棒に安心するし
甘い物に飛びついて選んでくのも相変わらずだ
一緒にこの先も楽しんでいけたらって思う
「お、時人。あっちに面白そうな屋台もあるぞ」
南瓜餡を入れた揚げ饅頭…絶対においしいと思うな
きっと教えた相棒の満足な笑顔も見れる
一緒にのんびり花火を見ながら約束だ
「あぁ、本当に良いお祭りだよ…また必ず来ような?」
葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と!
江戸時代のお祭りってこんな感じだったのかな
折角だから全力で満喫するよ
浴衣一枚だと夜気が気になるけど
出てる屋台の食べるしへーき
「陸井!甘酒ある!」
すごぬくまったとこからお菓子全制覇狙い!
「あ、カルメ焼きある!」
林檎飴も見つけて嬉しくなって
俺は甘いの大好きだしそういうのばっか買うから
何時も陸井にはイイ笑顔で見られてる気がする
銀誓館入った当時は隠してたんだけど
今は何処でも大っぴら
村の人にまた坊主呼ばわりされちゃうかもだけど
好きなものは好きだから良いんだ
陸井が見つけてくれた南瓜餡の揚げ饅頭も美味しい!
ほくほく食べながら花火見て
「はー…良いお祭りだね。来年もまた来たいなあ」
●
「江戸時代のお祭りってこんな感じだったのかな」
「確かに此処はサムライエンパイアだもんな」
銀の雨降る世界が出身の凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)と葛城・時人(光望護花・f35294)は、祭りの様子や人々の様子を見ながらそう言い交わす。
銀の雨降る世界から、数多の世界を渡るようになって一年程。別の世界を巡るという感覚にも慣れてきたが、まだまだ新しい発見も学びを多くある。だが、今は祭りを全力で楽しまなければ。これだけの祭りを準備した村人たちにも失礼というものだ。
「流石に日が傾くと浴衣は冷えるな」
「出てる屋台の食べるしへーきだよ」
居並ぶ屋台への期待に目を輝かせる時人に陸井は苦笑を浮かべるが、呆れているというよりも、銀の雨降る世界の学園の生徒だったあの日々から変わらない相棒の様子故のもの。
「陸井! 甘酒ある!」
「丁度良いな。頂いていこう」
そうして手に入れた温かい甘酒二つ。両手で包むように器を持ってみれば程よい温もりで、啜れば内から優しい暖かさに包まれた。そうして二人そぞろ歩いていたところで、時人が目を輝かせる。
「あ、カルメ焼きある! 林檎飴も!」
「屋台は逃げて行かないし落ち着けー」
屋台の甘味を全制覇すると意気込んでいた時人はそのまま駆け寄っていく。一直線に走っていく様は本当に学生の頃に戻ったかのよう。
「おや、昼に演武見せてくれた兄弟さんの弟じゃないか」
「ちょっ!? 陸井と俺は兄弟じゃないよ?! あ、えっとね……」
時人が駆け寄った屋台の主が時人の顔を見てそう声を掛ける。兄弟に間違われて、悪い気はしないのだが……どうにも自分がかなり子供のように見られている気がして少し複雑な気もする。そんな気持ちを抱えつつも、欲しいものを次々と時人は頼んでいく。
「え、そうなのかい? いやあ坊主見てるとついなあ……」
屋台の主も時人に笑って応えながら頼まれたものを手際よく用意していく。演武の時に続きまた坊主呼ばわりをされているが、甘味を前にすればそれは大事の前の小事のようなもの。銀誓館へ来た頃は男子が甘味というのも……と、隠していたのだが、何時しか自分を知る人の間では甘味と言えば等と言われるようになった程には甘味には目がない時人なのだから。
「あっちに面白そうな屋台もあったから買ってきたぞ」
両手に甘味を抱えた時人と合流した陸井がそう言って別の屋台で買ってきたのは、揚げ饅頭。曰く、中に南瓜餡が入っているのだとか。
「わあ! そっちも美味しそうだね、陸井!」
差し出された揚げ饅頭に目を輝かす時人の笑顔が予想通りだった陸井も嬉しそうに揚げ饅頭を渡す。
「はー……良いお祭りだね。来年もまた来たいなあ」
「あぁ、本当に良いお祭りだよ……また必ず来ような?」
そう言い交わしながら花火を見るためにその場を立ち去った二人の様子に、やっぱり兄弟みたいだよな等と屋台の店主は苦笑しながら零していた。
大成功
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比良坂・彷
【導雨】
事前申請したら隠し球じゃないでしょ?あっかんべー
てかすげえ盛り上がって喜んでくれたしどっちも勝ち!
おっさんみてェな顔して呑んでら
くくっと笑いちびり
あら甘い
芋だ
ふふ
お菓子で呑んじゃう
こういうあったけえ場の食いモンっていいよな、藍夜
え、ありだよあり
…ってどれ?
あっはっは
俺はさぁ割と笑って戦ってるぜ?だってたぁのしいんだもの
藍夜グダグダだなーとお代わり注ぎ
俺を見習って酔いなさいよお兄さん(笑い上戸
(翼をちょいと広げてから)焼鳥
濃い味とあうよね、芋焼酎
うん好き
藍夜はシンプルな味付けが好き?
パァンって音に空に目が行く
あぁ花火だァ…
心地よい酔いに首傾け
「藍夜が遊んでくれて楽しかった。またやろうね」
御簾森・藍夜
【導雨】
くそう俺が勝つはずだったのに隠し玉とか狡いぞお前
そういうのは事前申請しろよ
この野郎可愛くないな…!
酒と肴は焼き芋と焼いた野菜に生胡瓜に焼鳥適当に
ん、乾杯
ああ゛ぁー…沁みる
…おっさんと言うなお兄さんと呼べっていうか一個違いだろうが
くそう大体お前あそこであれは無いだろ
というか綺麗に入ったかと思ったが、お前あれ上手いこと避けたな?
し!か!も!…―笑ってただろ
も少し隠せというか聞いてないだろー!(ぐだ絡み
酔ってない
いーの
今日は疲れたから呑むのっ
…タレの焼鳥と合うなこの酒
ん、食え
ほらそーだ焼芋お前に買ったんだ…
彷、お前甘いの好きだろ?
あ
あぁ、綺麗だ…
「…彷、今日は楽しかった。当たり前だ、またな」
●
「くそう俺が勝つはずだったのに隠し玉とか狡いぞお前。 そういうのは事前申請しろよ」
「事前申請したら隠し球じゃないでしょ?」
拗ねるように零す御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)に、比良坂・彷(冥酊・f32708)は無邪気に笑う。どちらも「それなりにいい年をした男性」なのだが、まるで「悪ガキ」のような雰囲気を纏っている。
「村の人たちがすげえ盛り上がって喜んでくれたしどっちも勝ち!」
( この野郎可愛くないな……!)
藍夜は内心で言い返しながら、屋台で適当に見繕った酒と肴を拡げる。生胡瓜には、お手製の味噌をつけてくれた。焼き鳥はタレと塩両方。それに、焼いた野菜と焼き芋は、今年の収穫物だそうだ。
「なんか多くない?」
「撒き散らしたのを片付けた分のおまけ、だそうだ」
そう、この二人、昼の「|手合わせ《喧嘩》」で廃材を派手に撒き散らした為、片付けに巻き込まれたのだ。見るからに力仕事には縁遠そうな二人なので、雑用レベルの手伝いしか出来なかったのではあるが。
そんなわけで卓の上にこれだけの肴がそろった次第である。
「楽しく喧嘩して、手伝ってコレってお得でしょ。乾杯」
「ん、乾杯。…… ああ゛ぁー……沁みる」
簡素な杯を打ち合わせ交わすと共にぐいっと杯を空にした藍夜。
「おっさんみてェな顔して呑んでら」
「……おっさんと言うな。お兄さんと呼べ……っていうか一個違いだろうが」
どこか自棄酒のような様相が混じる藍夜と、対照的に笑いながらちびりちびりと呑む彷。酔いが回ってくれば、また昼の「|手合わせ《喧嘩》」の話に話題が巡る。
「くそう大体お前あそこであれは無いだろ。綺麗に入ったかと思ったが、お前あれ上手いこと避けるし」
「え、ありだよあり」
「 し! か! も! ……―笑ってただろ」
「俺はさぁ割と笑って戦ってるぜ? だってたぁのしいんだもの」
勝ちを確信していた藍夜は余程悔しかったようで、酔いに任せて彷にぐだぐだと絡み続ける。対する彷は飄々とそれをいなしつつも、悪友のグダグダな様にけらけらと笑っているのは、こちらもまた酒に呑まれ気味のせいか。
そんなダメな大人たちがじゃれていると、大きな音と共に空に光の華が咲き始める。
「またやろうね」
「当たり前だ、またな」
大成功
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