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Rising Pumpkin Moon

#クロムキャバリア #お祭り2022 #ハロウィン #日出国 #鬼面党

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●東より月昇る|南蛮奇祭《ハロウィン》の夜にて

「……では、クラウディアにもよろしくと伝えてください。それでは……」
 ガチャリという音を立てさせずに受話器を下ろすと、青年は深い溜息を吐きながら椅子へともたれ掛かる。

「何時に増して随分と長い電話じゃったないかい?」
 落ち着きながらも格式高い装飾が施された執務室にハスキーがかった女性の声が響く。栗毛の髪をした青年は視線を送った先では、濡れ場色の長い髪を纏め上げて着飾った女が退屈そうにキセルを燻らせていた。

「待たせたかな、マリー。手短に済ませるはずだった本社への定例報告でしたが、ついお父様やお祖父様とのお話がつい弾んでしまって……」
「だから、ふたりっきりでも容易くその名前で呼ぶんじゃないって言ってるだろ」
 彼女の名は、アクィラ・ルーベル。だがそれは今の身分証上の名に過ぎず、本名はマリー・マシュヴァー。かつて、荒くれ者である海賊たちを纏め上げていた女傑であり、『赤鷲』の二つ名を持つ海賊の首魁であった。
 本来であれば罪人として処刑を受ける身であったが、|傭兵国家《ヘキサ》にパイロットの腕を買われて司法取引による亡命を果たし、名うての傭兵として再出発を図った。昨年のトリアイナ本国において発生したハロウィン・ドールズのテロ事件を、猟兵たちとキュクロプス隊の面々とで未然に防いだ後に、新たな任地である極東の島国『|日出国《ひのでくに》』へと辿り着く。
 任務は先程までに海底ケーブル経由で電話に弾んでいた目の前の青年、トリアイナ日出国支社の若き頭取でありトラヴィス家の嫡男である『ルキウス・トラヴィス』の護衛である。当然ながら彼女の部下である元海賊たちも極東の島国へと渡り、表向きは秘書を務めている彼女同様に日出国支社の各部署の社員として赴任している。

「ですけど、アクィラも良い名前ですが、マリーの方が良くお似合いですよ?」
「ハッ! まったく世辞が上手い小僧だよ。……で、『鬼面党』からパーティにちょっかいを掛けようって予告状が届いているけども、あたしらは|出なく《出撃》てもいいのかい?」
「ええ、マリーたちは今夜トリアイナ支社に併設されている迎賓館で行われるハロウィンパーティの運営に専念してください。下手にこちらが打って出て市井への二次的被害を及ぼせたくないですし、海外資本を快く思っていないこの国の商人や公家たちに付け入られせる隙を作りたくないですしね? お祖父様からのご紹介で、この手に関しては専門家の方々に依頼のコンタクトを取っているよ」
「了解。去年の本国でやらざるを得なかったハロウィンのどんちゃん騒ぎが素晴らしかったとかで、是非ともうちの国でもやってくれって御所から連絡が来た時には呆れちまったさ。あたしゃあ、ハロウィンにでも縁のある女なのかねぇ……」
 アクィラが機嫌を悪くさせながら溜息を吐くように紫煙を燻らせる姿にルキウスがクスリと笑うと、席から立ち上がる。そして、面倒くさそうに愚痴を零す彼女の元へと近寄ると手を差し伸べた。

「でも、それがあったからこそ、こうしてマリーの綺麗なドレスを見ることが出来て僕は嬉しいよ。さ、お手をどうぞ……」
「……ふん。あたしよりも若くて肌に張りのある女が会社に居るってのに、どうしてこんな年増に入れ込んで色気を出すんだか、この御曹司は。……ま、いいさ。言ったからには、しっかりとエスコートをするんだよ?」
「分かってるとも、マリー……おっと。ここからはアクィラだったね」
 やれやれだと思いながらも、まんざらではない笑みを浮かべながらアクィラは差し伸べられた手を取って立ち上がる。そうして手を引かれながら支社長室から出れば、遠くから陽気なハロウィンにお誂えな和風の調べが聞こえてくる。
 ここから先は公の場となるが、まだ迎賓館までに辿り着くまでには時間がある。名残惜しそうに彼女側から寄り添うと、それに応じるようにルキウスはアクィラの腰へと手を回して身体を引き寄せる。そしてふたりは先程までの歯に衣を着せないやり取りが嘘だったかのように沈黙したまま、月明かりが差し込む廊下を進んでいくのであった。


●グリモアベースにて
「Happy Halloween。今年も楽しいハロウィンとなりましたが、やはりと言いますかクロムキャバリアで事件が起きようとしています」
 ハロウィンムードが高まりつつあるグリモアベースに集まった猟兵たちを前に、秋月・信子(|魔弾の射手《フリーシューター》・f00732)は軽く会釈すると、端末を取り出してホログラム表示される資料を読み上げて行く。

「|依頼者《クライアント》は、海洋貿易国の企業国家であるトリアイナを代々取り仕切るトラヴィス家の者で、現|CEO《国主》のお孫さんにあたりますルキウス・トラヴィスさん。今は東国の島国、日出国の支社長をお務めになられていますが、彼から反政府組織『鬼面党』からのハロウィンパーティ中止を要求する『テロ予告』が来たとの内容です」
 ──鬼面党。それはトリアイナを始めとする海外からの進出企業や|夷人《外国人》を日出国から実力行使で排斥することを理念に掲げた、いわゆる排外主義の攘夷派である。事の発端は長年に渡って東の武家政権、西の公家政権とで関ケ線を境に対立する打開策に西側が海外製のキャバリアを輸入したことに始まる。
 オブリビオンマシンであった機体は猟兵たちの活躍によって破壊されて事件は解決したかのように見えたが、それが海外国家への不信感として広がっていった。そして程なくして事件は起きた。珍しくも雪が降る日の早朝の都にて、開国を推し進めていた有力公家が|暗殺《チェスト》されたのだ。下手人は明らかになっていないが、目撃者が語るには顔を隠すためか憤怒に満ちた鬼の面を被っていたことから、人々が次第に『鬼面党』と呼び始めたのが由来とされている。

「それで済めば良いのでしたが、活動は広がりを見せて今も暗殺は絶えていません。まるで、オブリビオンマシンによる狂気の伝播のように」
 つまり、オブリビオンマシンはトリアイナから輸入した機体以外にもあったということだ。特に西側の九国と呼ばれる主要島はトリアイナとの縁を深める以前よりから南蛮貿易が盛んであり、諸藩を納める大名が秘密裏に輸入していないとは限らない。
 今現在においては鬼と呼ばれるジャイアントキャバリアが主戦力である日出国であるのだが、そんな彼らだからこそ舶来のキャバリアが戦の勝敗を左右する戦力となりえると自覚しているだからこそであろう。

「そして、予知でもオブリビオンマシンがトリアイナ支社の迎賓館を襲撃するオブリビオンマシンの姿を観測できました。よって猟兵が出動する案件となりましたので、皆様のご協力をお願いすることになりました」
 ただ問題は、鬼面党の狼藉に屈しないという意思の表れでハロウィンパーティは開かれた状態での戦闘となる。幸い予告通りに鬼面党は襲撃するので迎撃すれば良いだけなのだが、彼らはパーティ会場の蹂躙を優先するだろう。それを如何に防ぐかが今作戦の要となる。

「難しい依頼でしょうが、皆様のお力添えをよろしくお願いします」
 信子は改めて深くお辞儀すると、自らの影を操ってゲートを展開する。
 かくして猟兵たちはハロウィンパーティ前日となる日出国、トリアイナ支社へと転送されたのであった。


ノーマッド
 ドーモ、ノーマッドです。
 今年もハロウィンの季節となりましたが、今回はカボチャ頭のテロリストは出ないようですね。
 少しばかし寂しい気もしますが、その時その時のネタを全力で楽しめればなと思う限りです。

●シナリオ概要
 とある小国家のセレブや裕福な市民が集うハロウィンパーティに、反政府組織からの「テロ予告」がありました!
 予告を受けてパーティを中止や延期にすれば、おそらくこのテロリスト達は更なる要求を次々に突きつけてくると考えられる為、パーティの主催者でもある小国家の要人は何があろうとパーティを断行する構えです。
 そしてそれは同時に、このパーティが単なる季節のお祭りではなく、「何らかの政治的意図」を含めて開かれていることも示しています。
 ですが、テロリスト達の操るキャバリアがオブリビオンマシンであると予知で判明している以上、そうした事情や、パーティ主催者とテロリストのどちらに義があるのかといった話も猟兵には関係ありません。やるべきことはただ、会場の護衛任務を受諾し、襲来するオブリビオンマシンを全機破壊することのみです。

 第一章は【集団戦】フラグメントです。
 猟兵が配置についてしばらくすると、予告通りにテロリスト達のオブリビオンマシンが襲撃してきます。迎え撃つのはもちろんのこと、パーティ会場に流れ弾を飛ばさないようにも戦わなければいけません!

 第二章は【ボス戦】フラグメントです。
 テロリストのリーダーとの決戦となり、敵は明確に「猟兵の相手よりもパーティ会場の蹂躙を優先」します。何とか敵機を取り囲むなり何なりして、護衛対象に近付けないように戦いましょう!

 プレイングボーナスは特にありませんが、これらの情報を元に行動して頂ければ自然と派生しますので、余裕があれば狙ってみてください。

 OP内でも語られた経緯は以前出したシナリオの設定が入っていますが、特に知らなくても楽しめるようになっています。
 もしお気になるようでしたら、下記のリンクから過去のシナリオをご参考くださいませ。
( https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=29832 )
( https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=38428 )

 それでは、テロにも屈しないハロウィンパーティの気概にも負けない熱いプレイングをお待ちします。
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第1章 集団戦 『量産型サイキックキャバリア『武甲・数重』』

POW   :    |数重《かずしげ》達による多段強襲攻撃
【短距離虚空潜航からの強襲斬撃】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    関節・急所への斬突や体勢を崩す体当たり
【虚空】に消え、数秒後に出現し【介者剣法】による素早い一撃を放つ。また、【RX長巻を使い捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    囲んで長巻で斬る
【短距離虚空潜航を使い、数重で相手を囲む事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【出現からの強襲袋叩き】で攻撃する。

イラスト:イプシロン

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メディア・フィール
WIZ選択。
他PCとの絡みOK。
プレイング改変・アドリブOK。
専用キャバリア「ネオン」には2連装ビームキャノンはあるものの、自身が遠距離戦は苦手なので、ロングレンジアームと火炎放射を駆使し、敵をとにかく近寄らせないようにして牽制しながら警護します。
また、流れ弾が迎賓館に飛ばないように氷炎魔拳で防御力を高めつつ、体を張って止めます。

「遠距離攻撃は苦手だから! やっぱり当たらないかっ!」
「悪いけど、ここを通すわけにはいかない!」
「氷炎魔拳で防御力を上げる! 流れ弾でも当たらないように、限界まで防いでみせる!」
「白兵戦闘の間合いなら、アームと火炎放射でボクのほうが有利なはずだ!」



 夜の帳が下りてガス灯に火が灯る。夕闇に包まれ雲ひとつ無い晴れ渡る秋空には、赤みを帯びてオレンジ色に染まった|中秋の名月《ハンターズムーン》がゆっくりと昇り、妖しくも美しく輝いている。
 まだハロウィン当日には程遠いが、こういうロケーションとなれば宴も映えるとのことであろう。極東の果てに浮かぶ島国の小国家『|日出国《ひのでくに》』は、戦乱の絶えない大陸とは程遠く平穏に見えるが、その実は列島を東西に分断する形で内戦の最中である。とは言え、現在は関ケ線と呼ばれる軍事境界線を境にこの状況を生み出した日出ずる処の君主たる天子さまと武家の棟梁である将軍さまは既に没しており、両軍ともにそれらの遺言に従い慣習的に対立しているといった状況である。
 政治的にも文化面の交流も、人の流れも途絶えてしまった状況を現すように、国策も互いに相違している。具体的には、海を越えた先の大陸から渡ってきた異人との交流が盛んであるかどうかが、わかりやすい例となろう。西国は昔より大陸との貿易が盛んであったためにそうではないが、東国は西国からしてみれば奥の辺境に位置している。そのため、海外貿易の機会が乏しい良港に恵まれておらず、また軍事政権的な性格が強い武家側にとっては島国の外からやって来る異人は異質な存在に他ならないものである。
 そんな価値観の相違がこの状況を生み出したとも噂のように囁かれているが、それはもう誰も知る由のない話だ。しかし、日出国との通商関係が昔より深いトリアイナの支社周辺を見れば彼らの気持ちも幾分か分かるかもしれない。支社ビルをランドタワーにする形で取り囲んでいる集落は赤レンガ様式の建物が並んでおり、木造家屋が主流である日出国においては異質な企業城下町として形成されてる。これを侵略的行為と見ればゆくゆくの脅威と捉え、排外主義の攘夷派が生まれる土壌が既にあったということでもあろう。

「うう~……。まだ夜になったばかりなのに、結構冷えてくるなぁ……」
 |人気《ひとけ》のない赤レンガ様式の建物を影に、メディア・フィール(人間の|姫《おうじ》武闘勇者・f37585)が搭乗する格闘戦に特化されたクロムキャバリア『ネオン』が身を潜ませている。鬼面党と呼ばれる攘夷派のテロ集団が襲撃するとの情報をトリアイナ支社の保安部が情報を掴んでいたということで、住民の大半も迎賓館に招かれるという無礼講的措置によって避難済みと聞かされていたが、こうも不気味なまでの静けさだと余計寒さを覚えてしまう。
 メディアはパイロットスーツ越しに手で身体を擦りながら、まだかまだかと襲撃者の搭乗を待っていた最中、センサーが何かを捉えて警告音を鳴らす。物陰からネオンの頭部を覗かせると、武者鎧然めいたキャバリアたちが突如として虚空より出現していた。

「うわ!? 何処からやってきたんだ!?」
 メディアが驚くのも無理のない話だ。街の外からやってきたのは確かだが、まるでワープしてきたかのように突然と姿を現したのだ。今まで振動感知や熱源感知などのセンサーで察知できなかったところを見ると、新たな光学迷彩技術を搭載したキャバリアなのであろうか。
 ……考えていても仕方ない。テロリストが向かう先は、街の中心部である支社ビルの隣に併設されたハロウィンパーティ会場の迎賓館だと既にわかっている。
 それならば、近づける前に殲滅あるのみだ。

「悪いけど、ここを通すわけにはいかない!」
 突然キャバリアが現れたことに驚きはしたが、相手はハロウィンの夜に現れる幽霊でもお化けでもない、オブリビオンマシンによる汚染を受けたキャバリアだ。自身の動きを|同調《リンク》させ、さながら彼の国では『鬼』と呼ばれるジャイアントキャバリアと遜色ない動きでネオンは大地を蹴り上げて跳んだ。
 こちらと同様に相手方も伏兵が居たということに今初めて気づいたのか、手にしている長巻状の白兵戦装備で機体を防御させながら、メディアの奇襲をかろうじて躱して見せたのであった。

「強そうな外見だけど、見かけだけみたいだね! ……あ、あれ……?」
 だが、メディアはその直後に我が目を疑うことになった。一機だけかと思われた鬼面党のキャバリアは、影も姿もなく虚空よりネオンを取り囲む形で数機姿を見せたのだから。
 このキャバリアの正体は、量産型サイキックキャバリア『武甲・数重』。短距離ながらの|虚空潜航《ワープ》能力を持つ機体であって、先に現れたのは跳躍先の様子を探る斥候であって、そこから得られた情報を元に後続が跳躍してきたに過ぎない。
 しかし、メディアとしてはそこまでに理解が及ばず、結果的に奇襲を与えるつもりが逆に奇襲を受ける形となってしまったのだ。

(どうする? 今からRXキャバリアトライデントを取り出すにも遅すぎるし、ロングレンジアームで薙ぎ払おうにも範囲が……ッ!)
 刹那の中、メディアの脳裏に取るべき行動が駆け巡る。アレでもないコレでもないと徐々に迫りつつある白刃の長巻を前に自問自答した果てに、彼女は本能的な自衛行動でもある|炎《ユーベルコード》を身体の内から噴出させる。

 ──ガキィイイイインッ!!
 キャバリアの素っ首を切り落とすべく振り落とされた長巻の刃が、キャバリアの装甲よりも硬い物に当たったかのような刃鳴りを散らす。

「熱を操れば、こういうことだってできるんだ!」
 ネオンから吹き出した青い炎が冷たく輝く氷の炎と化し、極低温の冷気が瞬時に氷の鎧を形成されたのだ。次々と振り下ろされる長巻が氷鎧に食い込み、瞬く間に刀身が凍結していく。武甲・数重らが長巻を凍結したネオンより離そうとしても刃が氷漬けとなればそうそう容易く取れる訳でもなく、氷鎧を砕かせながらネオンが身を翻せば巻き添えを食らう形で強固に鍛造された刀身ですら砕け散るのみ。

「これでお互いに拳で殴り合えるね。白兵戦闘の間合いなら、アームと火炎放射でボクのほうが有利なはずだ!」
 戸惑う武甲・数重らを他所に、すかさずメディアはネオンの蛇腹状に延びた腕をオブリビオンマシンの頭部に叩き込んでモノアイを力の限り潰しあげる。同時に拳から放射された炎が機体を飲み込み、松明となって奇祭の夜を照らしあげるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!

バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?

戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!


徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写戴けると嬉しいです。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的に「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。
よく使う武器は「大天狗正宗・千子村正権現・鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせです!



『伏兵か!?』
『馬鹿な、|鬼《ジャイアントキャバリア》はおろか鉄の|機野把吏阿《キャバリア》の護りは無いとの知らせがあったはずだ!』
 次々と無人の城下町に鬼面党が操縦する量産型サイキックキャバリア『武甲・数重』が転移してくるが、彼らは伏兵が待ち構えていたという事実に狼狽える。
 だが、彼らとして名うての侍。立ちはだかる障害は只々斬り捨てるのみなのだが、それが瞬く間に返り討ちとなれば無理のない話か。

「ハーッハッハッ!!」
 次第に戦闘の喧騒に包まれつつある赤レンガ街に、高笑いが響き渡る。
 何奴と長巻を手に武甲・数重らが笑い声がした方角に機体を向ければ、そこには月明かりを背にして異形の影が伸びている。

「ひとつ、人の世の不安を煽り」
「ふたつ、不埒な闘争三昧」
「みっつ、醜い浮き世の|鬼《オブリビオンマシン》を退治てくれよう……|妾ら《猟兵》がな!」
 かのような口上を述べながら大見得を切り、月明かりに照らし出されるはハロウィン仕様できらびやかな衣装を身に纏った『妾がいろんな世界で怪人どもをボコってみた』の配信主たる御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350。その隣には特別ゲストとして現地で急遽招かれたサムライエンパイアの江戸幕府の将軍、徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)である。

「いやぁ、突然のご参加となりましたが……どうでしたか?」
「はっはっは、上様も中々とノッておったぞ。尤も、妾の方がひとつ上であるがな?」
 ふたりの周囲には菘の撮影用ドローンが浮遊しており、さながらTV番組のロケ風景である。だが、目の前に聳え立つは鋼鉄の巨人。それに臆すること無くこの様に振る舞えることは、歴戦の猟兵でならばこそであろう。

『ぐっ、愚弄するか! バケモノ共!!』
 普段なら世界の補正というもので、下半身が蛇で上半身も所々が悪魔的な見てくれとなっているキマイラたる菘もその世界に合わせた人間として人々から見られるのだが、オブリビオンとなれば別である。ましてや、クロムキャバリアにおいてはオブリビオンマシンにオブリビオンではない一般人が乗っている事情もあり、彼らが彼女の姿を見るや否やバケモノ呼ばわりされるのは至極当然の反応とも言えよう。

「これは新鮮な罵りじゃ。だが、お主らも罪なき者を問答無用に斬り捨てて来たテロリストと聞き及んでおる。鬼の面を被って素顔を隠しておるとも聞くが……うむ。想像するだけで中々な様ではないか」
「まぁ、他の世界から見れば、僕たちのような種族はハロウィンの夜でも現れそうな怪物に見えるかもしれません。ですが、鬼にも劣る醜い怪物に心を支配されている貴方がたの方が相応しいと言っても良いでしょう」
 心に巣食う鬼の正体とは、オブリビオンマシンの狂気。だが、眼の前の数重らは首謀者たるオブリビオンマシンによる汚染を受けて、一時的にオブリビオンマシンと化しているだけでもある。

『ええい、問答無用! 貴様らを斬り捨て、南蛮の奇祭を催す者どもへの天誅をまかり通らせて貰う!!』
 その瞬間、鋼鉄の巨体がふたりの視界から一瞬の内に消えた。いや、跳躍したのだ。月明かりの光を受けてレンガ道に照らし出される巨大な影が突如として浮かび上がり、目を上に向ければ巨大な長巻を振りかざした武甲・数重らが強襲しようと迫りつつあった。

「はっはっは! 頭に血が昇って高く跳び上がったか! こう容易く妾の挑発に乗るとはうつけ者よ!!」
 笑い声とともに、カッと目を見開いた菘の金眼が眩い光を発するとともにユーベルコードを顕現させる。アンダーフレームまでの大きさに迫ろうとする蛇身で大きく伸びた影に紫電が疾走り、それらが|風雷の鎖《禁鎖・千鳥落とし》となって頭上の武甲・数重らの四肢に絡みつく。

『うぉおおおっ!?』
 ましてや、風雷の鎖が菘の影に戻ろうとすれば、体高5メートルにも匹敵する|鋼鉄の巨人《キャバリア》といえども引き寄せられ、激しい衝突音とともに地面へと激突すれば磔状態となってしまう。逃れようとモーター音を鳴らしながら藻掻くが、強固な装甲をミシミシと鳴らしながら潰しあげようとする風雷の鎖の方が力が上か。

「さて、先程のようにワープされては面倒なので……暫くの間、眠って頂きましょうか」
 ──キィィイイイイイン……。
 家光が腰に下げた大小二振りの刀のうち、朱色に塗られた鞘に収められた妖刀『千子村正権現』の鍔を鳴らす。彼は刀を全て抜くことはせずに刀身の峰が反り返り始める付近で止めると、そっと人差し指の先で這わせれば僅かな刃鳴り音が周囲に響き渡ると同時に|現象《ユーベルコード》が姿を見せる。
 ……|胡蝶酔月《バタフライエフェクト》。彼が対象して聞いた者を眠らせる、月をも酔わす刃の囀りだ。例えそれは喧騒に包まれようとも、甲高い駆動音が激しく鳴らされようとも、澄んだ音色の刃鳴りは確かに鋼鉄のコックピットの内部にまで浸透していく。そして程なくすれば鬼面党のパイロットらは意識が遠のいて沈み、キャバリアすらも眠ったように鎮圧されるしかない。

「ここは大丈夫なようですね。さ、次へ向かいましょうか」
「何時に見ても鮮やかなお手前よのぅ。妾もこう、スタイリッシュに決めたいものじゃが派手に暴れてこその『妾がいろんな世界で怪人どもをボコってみた』じゃからなぁ……」
 余裕の現れか、そんな配信のやりとりとトークしつつふたつの影が夜のレンガ街へと消えていくが、|百鬼夜行の奇祭《ハロウィンの戦い》はまだまだ続いていくのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写戴けると嬉しいです。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的に「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。
よく使う武器は「大天狗正宗・千子村正権現・鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせです!


グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)



「これはこれは中納言様。ようこそいらっしゃいました」
「うむ。昨年、海を越えて貴君の国元へ招かれた節はかたじけなかった。して、麿の我儘を聞き届け、魑魅魍魎に仮装する奇祭を彼の国でも催してくれたことに感謝を述べるでおじゃる」
 戦闘が白熱する市街地の傍ら、迎賓館では恙無くハロウィンのパーティが華やかに催されていた。|吸血鬼《ドラキュラ》風の仮装をしているルキウスの目の前で、この日出国では『天狗』と呼ばれるトリアイナ周辺では|妖精《フェアリー》とも呼ばれる存在に近い妖怪の姿に扮しているのは、都の代理で公卿を務める麻倉卿。天狗は本来だと顔は朱いのだが、顔面いっぱいに白粉が塗られているのは貴族たる公家の習わしである。

(何度か顔を合わせてはいるが……何時見てもバケモノみたいな面だねぇ)
 ルキウスの傍らには、淑女然の佇まいで彼の秘書としてサキュバスと呼ばれる夢魔の仮装をしたアクィラが控える。とは言え、支社長の身辺警護も担う都合上、ただ単に角飾りと小さなコウモリの羽飾りを背負っているドレス姿であるのだが。

「して……ふむ。何やら遠くで雷が落ちたかのような音が聞こえおるが……。さては、麿が感銘に感銘を受けた『アレ』が始まっているのでおじゃるな?」
「流石は中納言様。お気付きがお早いですね……アクィラ」
「はい……」
 ルキウスに促されるままアクィラは小さなリモコンをドレスから取り出してスイッチを押せば、壁に設置されている巨大モニターに映像が浮かび上がる。何が始まったのかと招かれた日出国の人々が見上げれば、驚嘆が入り混じった歓声で会場内が沸いた。

「おお、これでおじゃる。このバトリング、|鬼《ジャイアントキャバリア》の御前試合とはまた別の趣がありおるわ。ホホホホ!」
 中納言は思わず端なくニカッと口を開けてお歯黒で真っ黒になった歯を剥き出しにしそうになったが、思い出したように手にしていた扇子で口元を隠して雅な笑い声を上げた。この映像は今現在、猟兵と鬼面党との戦闘を監視カメラを通して中継されているものだから、手に汗握る臨場感は観るものによっては堪らないものであろう。

「皆さん、これが昨年に我がトリアイナ本国で盛大に催されたハロウィンの宴に行われた余興……バトリングです。楽しんでご鑑賞ください」


「……とか言ってるんだろうねぇ、まったく!」
 ──ズギャァン!!
 空気を切り裂く破裂音とともに月夜に閃光が疾走る。ブラスター銃を手にしながらキャバリア相手に生身のゲリラ戦を仕掛けているのは、今年で御年104歳を迎えて年齢3桁に到達した本当の|婆《ババア》。グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)。
 やれ敵の頭をザクロ的な雰囲気に変えるのを得意としていたとか、やれかつては反帝国の宇宙海賊として名をはせた過去を持つとか囁かれているが、その真実を知るものは長い年月の経過でもはや片手で数えるぐらいであろう。しかし、その様に噂されてもおかしくない鮮やかな腕前で、有人型大型ウォーマシンともいえようキャバリア相手にブラスター銃とフォースセイバーのみで戦うのは流石としか言いようがない。

「数は減りつつあるのは確かです。もうひと踏ん張りですよ」
「おや、上様。あの蛇女との生放送はもうお済みかい?」
「いえ、今まで固まって集団を作っていた敵が散開したので、手分けする形で別れたと言ったところです。おそらく彼女は今、拳で殴り合っていると思いますよ……っと!」
 何の前触れもなく空間が僅かに歪むと、鬼面党が操るサイキックキャバリア『武甲・数重』がRX長巻を振りかざしながら姿を現して強襲する。だが、数機やりあえば、敵の癖がおおよそと掴めてくる。先程に家光が察知した空間の歪みもそれで、神出鬼没の短距離虚空潜航にも対処のしようが出来つつある。

「身は空、心は虚にて、柳流鉄を穿つ……!」
 確かに空間を超越しての奇襲は成功したかに見えたが、家光は持ち主の覚悟に合わせて成長するという天下の名刀『大天狗正宗』を左手に携え直すと、ユーベルコードを顕現させる詠唱を口ずさむ。
 すると、巨大な長巻の側面に右手を押し当て、身長が倍近くもある|鋼鉄の巨人《キャバリア》の力を利用し華麗に受け流す。そして、身を翻しながら『|無刀取り《カウンター・エア》』が発現し、RX長巻の柄に刃を振って切断する。
 だが、相手もさることながら、RX長巻が破壊されれば即座にサブウエポンであるRX無敵介錯剣と呼ばれる刀を抜刀しようとするが、既にこれもユーベルコードで対策済みであった。

「おっと。抜こうとしても無駄さ。ちょうとばかり細工して貰ったよ」
 サンライズがブラスターを片手に呟けば、何がされたかは一目瞭然。電子制御で鞘と鍔が固定されたRX無敵介錯剣が抜けないのだ。
 それを可能としたユーベルコードの名は『サイバーリンクシステム』。目にも留まらぬ早業で、家光に襲いかかった武甲・数重へ自らの有線接続型電脳とキャバリアの整備用端子を|接続《ジャック》したサンライズの手により、制御不能の細工が即座になされたのだ。仕掛け人を睨みつけるようにモノアイが|婆《クソババア》に向けられたが、黙れと言わんばかりにブラスターの閃光が瞬時に貫く。

「これでだいたい一段落、でしょうかね?」
 視界が喪ったことで動作が緩慢になった隙を突き、家光は関節部の狙ってキャバリアをかく座させる。死屍累々さながらに武甲・数重の残骸が赤レンガ街の至るところに転がるが、後はこの襲撃事件の首謀者であるオブリビオンマシンを討ち取るだけだ。
 しかし、ここには姿を見せていないとすれば……ワープ機能によって別の場所に現れるのかもしれない。そうすれば、大凡の出現ポイントは……警護の者が身を隠しやすい城下町ではなく、ハロウィンパーティの会場となっている迎賓館の付近か。
 かくして、猟兵たちは残敵の掃討と首魁の捕縛の二手に分かれたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『武甲・飛翔数重』

POW   :    |変剣《ハヤワザ》
【超高速三次元機動状態】に変形し、自身の【受け流し技能】を代償に、自身の【攻撃回数と回避性能】を強化する。
SPD   :    |柔剣《カウンター》
【RX刀で攻撃を受け流し、超高速三次元機動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【カウンターの一撃】で攻撃する。
WIZ   :    |剛剣《セツダン》
【受け流しや防御ごと叩き斬る斬撃】が命中した対象を切断する。

イラスト:イプシロン

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は廿鸚・久枝です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!

普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイル:白兵射撃の物理系

各種武装の中から敵に有効なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!

アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!

指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!


コノハ・ライゼ(サポート)
使用UCはPOW/WIZの内でお任せ。

態度口調、一人称までも気分次第、嘘吐きで気紛れなお調子者。
オブリビオンは喰らうもの、猟兵業は餌場で狩場。悪食で酒好き。
楽しい事と人の笑顔が好きで戦闘中も飄々と笑みを絶やさない。
敵に対しては嫌味や挑発もよく吐く。

※妖孤だが耳と尻尾は晒さない

・以下PC口調
接近戦と術を併用した戦い方が得意だねぇ、怪我とか気にしないタイプ。
敵へ言葉掛ける時は呪詛や誘惑目的が多いンじゃないかしら。
得意なのは懐へ飛び込んで『2回攻撃/傷口をえぐる/生命力吸収』の流れ、負った傷分喰らってやるわ。
自分の価値観が一番ダケド、公では公序良俗には反しないようにしてるヨ。
敵を喰らう事以外は、ネ。


櫟・陽里(サポート)
『操縦が上手いは最高の誉め言葉!』

乗り物が活躍できる場と
レースとサーキットが得意分野
どんな乗り物も乗りこなしてみせる

走りこそが俺の武器!
乗り物と操縦者の総合力で戦う
サイバーアイで路面、相手の動きなど幅広い情報収集
集中力・傭兵の経験・判断速度で攻め所を見極める

シールド展開バイクで体当たり吹き飛ばし
走り回って撹乱・誘導
仲間を運ぶ足になるのも好き
バイクは機動力のある盾にもなる
壊れたらほら、直すついでに新パーツ試せるし!

明るく話しやすい先輩タイプ
補助仕事もドンと来い
乗り物が無い戦場では手数が少ない
普通の拳銃射撃や誘導、挑発など小技を利かせるしかなくテヘペロしてる

過去は過去に還すべき、その辺割と無慈悲



『ぐぅ……! 同志たちは散って行ったが……まだ勝機は残っているッ!』
 サイキックキャバリア『武甲・数重』を駆る鬼面党。それを率いる指揮官機たる鎧武者量産型サイキックキャバリア『武甲・飛翔数重』は、短距離虚空潜航と呼ばれるワープによる長距離航行機能の再チャージがまだ出来ないのか、背部メガスラスターを噴射させて一気に迎賓館へと詰め寄ろうとする。
 だがしかし、神出鬼没のサイキックキャバリアとて、グリモアの予知による待ち伏せは防ぎようもない。猟兵の待ち伏せは赤レンガの街中だけには限らず、街から支社ビルまでの間で既に猟兵たちは防衛線を築いていたのだ。

「所属不明の高速飛翔体が接近中デース! ミニ・バルタン小隊、ファイアー!!」
「「「バルバルバルーー!!」」」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)もそのひとりで、彼女の指揮号令のもとで15cmくらいの大きさな二頭身量産型バルタン……『ミニ・バルタン』らが据え付けられた重火器を引き金を引く。

『ちぃ、ここも待ち伏せか。南無八幡大菩薩!!』
 大口径機関銃、対空機銃座、自動擲弾発銃などなどが織り成す|歓迎委員会《バルタンズ》による盛大な花火を前にして、白兵装備が主である武甲・飛翔数重は決死の思いで軌道変更を余儀なくされる。

「左舷、弾幕が薄いデース。相手は絶えず動いていマスので、なまじ狙らわず派手に撃つんデース!」
 伝令役のミニ・バルタンへそのように|下達《かたつ》すると、バルタン自身も自身の六連葬式グレネードランチャーを構えて迎撃を敢行する。リボルバー式のグレネードランチャーは単発式と比べて連射性に優れるが、その分弾の装填に時間がかかるのが短所だ。それを打ち切れば投げ捨て、ミニ・バルタンたちがせっせと再装填して並べ直すとの手順で克服はしているが、弾幕を切らさずに射撃を行い続けるスピード勝負なので弾は何が入っているかまで確認する時間はない。
 しかしながら、闇を切り裂く眩い閃光弾が炸裂したかと思えば次には榴弾が炸裂したりと、相手にどの弾種であるかの予想を与えないという棚ぼたな効果は元に得られている。とにかく敵機をハロウィンパーティの会場たる迎賓館へと近づけさせないため、消費期限間際な弾丸弾薬の山を使い切るのも兼ねての歓迎はまだまだ続きそうである。

「念には念にと耳栓を付けていっけど、それでも頭の奥までガンガン響くな!」
 そんな激戦区さながらな十字砲火の流れ弾を縫うように、櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)は愛車の|一輪バイク《モノホイール》『ライ』を駆って、頭上を銃弾の雨あられに抑えられ低空機動を余儀なくされる武甲・飛翔数重を追跡する。

『おのれ、面妖な伴天連の悪魔が!』
 このままでは埒が明かないと判断したのか、武甲・飛翔数重は大地を削りながら遮蔽物で射線から逃れる地点へと強行着陸を敢行すると二対の刀を抜き出す。

「──取ったわ。さぁ、アタシの焔で足元を照らしてアゲル」
 だが、待ち伏せていたのはこのふたりだけではない。物陰に身を潜めていたコノハ・ライゼ(空々・f03130)が張り巡らしたクモの糸に獲物が掛かったと笑みを浮かべ、自らの|神通力《ユーベルコード》を顕現させる。着地した武甲・飛翔数重の周囲には熱無き月白の焔が|数多《あまた》に灯され、鎧武者姿なサイキックキャバリアの足元を照らし出せば生命啜る|瑠璃《ラピスラズリ》の結晶が強固な装甲を破って地面より突き刺さる。

『これは……ッ!?』
「このまま飛んでいればヨカッタのに、のこのこ降りるだなんて……オマヌケさんね」
 薄氷の瞳を細め、この後に訪れる顛末を予兆させるように、コノハは口元を歪ませながら再び闇の中へと消える。彼と行き違うように甲高い駆動音を鳴らしながら一輪の宇宙バイクが動きを封じられた武甲・飛翔数重の元へと追いつく。

「火花散るレースを楽しみたがったが……これも仕事なんでな。恨むなよ!」
 本来であれば高速機動するキャバリア相手に白熱するレースを楽しみたがったが、その結果ハロウィンパーティ会場に到達されてしまえば元も子もない。心を鬼にし、武甲・飛翔数重を折り返し点に見立てての一輪ドリフトによるアクセルターンを決めさせた。
 その際に火花が散れば、それらを|触媒《キー》として|超常《ユーベルコード》が発動される。

『なっ!? 炎だと……ッ! ぬわーーっっ!!』
 火の元は線香花火のように儚く消えていくだけの火花であったが、ユーベルコード『|Side by side(《サイド・バイ・サイド》』によって業火となって武甲・飛翔数重を瞬く間に呑み込んでいく。
 炎は残されたタイヤ痕にも辿りより激しさを増していくが、その光景はハロウィンの起源となったとされる古代ケルトの夏の終わりと冬の到来と放牧の終わりを告げる祭礼。季節の移り変わりを世界の法則が乱れて現世と異界が繋がると捉えていたことへの恐怖心から、数多くの|人身御供《いえにえ》が捧げられてきた。そのうちのひとつ、高さ10メートルにまで木を編んで組まれた巨大のヒトガタな人形の中に生贄を押し込めて焼き殺すという儀式『ウィッカーマン』を彷彿させるものであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ティエン・ファン(サポート)
シルバーレイン出身の除霊建築士です。
明るく善良な性格で、できることがあるならば、できる限りを全うしようとします。
除霊建築士というジョブに拘りがあるため、その知識や技術が活かせそうな場面では、積極的にそれらを使って問題解決に取り組みます。
戦闘時は主武器のT定規と副武器の浄銭貫を用いて、近距離戦も遠距離戦も行います。
キャバリアが有効な場面では、『蚩尤』を使用します。
『蚩尤』は普段イグニッションカードに収納しています。
ユーベルコードは『蚩尤』搭乗時は”蚩尤”とついたものを、そうでないときはその他のものを状況に応じて使用します。

以上を基本として、シナリオに合わせて思うままに動かして頂ければと思います。


仇死原・アンナ(サポート)
鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、『鎖の鞭』等装備してる物を使います

UCは指定した物をどれでも使用

普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)

処刑人として敵と戦います
同行者がいれば協力
メインは鉄塊剣で攻撃
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では刀剣をメインにして相手をします。
拷問具や鞭を使い敵の行動を阻害、鉄塊剣や刀剣で敵を攻撃します。影朧にはできる限り説得しますが説得不能と判断すれば容赦なく屠ります
キャバリアを操縦したり生身でも戦います


エドゥアルト・ルーデル(サポート)
『ヒャッハー!頭ねじ切ってオモチャにしてやるでござる!!』

口調:拙者、名字+氏、~でござる、~ですぞ
属性:混沌・悪

弱きを困惑させ強きを嫌がらせの果に弄り倒す正義なんてどこ吹く風なゴーイング・マイ・ヒャッハー系

シリアスな空気だと破壊するか自分が爆発する
可愛い女の子を見れば興奮する変態
エンジョイ&エキサイティングをモットーに好きなように生きて好きなように死ぬギャグキャラ
オタクらしく戦闘中でも状況に有ったセリフやパロ技を適当にぶっ込みながら戦う様はイカレポンチすぎて敵味方問わず困惑と驚愕させることに定評がある
公言しないが空軍のパイロット


月詠・莉愛(サポート)
『あの……宜しくお願いしますね。』
 オラトリオのシンフォニア×聖者の女の子です。
 普段の口調は「丁寧口調(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
 独り言は「普通かな(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

大人しくて口数が少ないですけど、心優しく
動物や植物などの自然が好きな少女。
争い事は苦手ですけど、依頼の成功の為なら戦う事も厭わないです。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより


ティエル・ティエリエル(サポート)
◆キャラ特徴
ボクっ娘で天真爛漫、お転婆なフェアリーのお姫様です。
王家に伝わる細身のレイピアを使った空中からのヒット&アウェイで戦うのが得意な女の子です。
・冒険大好きお姫様
・珍しいものにも興味津々
・ノブレス・オブリージュの精神で弱者を放っておけないよ
・ドヤ顔がよく似合う
・困ったら動物さんに協力を!

◆戦闘方法
・背中の翅で羽ばたいて「空中戦」や「空中浮遊」で空から攻撃するよ
・レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でチクチクするよ
・対空攻撃が激しそうなら【ライオンライド】
・レイピアでの攻撃が効かない敵には【お姫様ビーム】でどかーんと攻撃


杼糸・絡新婦(サポート)
関西弁口調。
とある忍者が使っていた武器・鋼糸【絡新婦】のヤドリガミ。
白い女物の着物を着用しているが、
名前沿った姿なだけで、オネエとかではなく中身はれっきとした男。

子供や親子中心に一般人には愛想よく接するが、
敵とみなしたら容赦なく叩く。
日常でも戦場でも自分のペースを崩さず、
フェイントや挑発、相手の動きを拘束するように阻害したり、
あえて誘い出してこちらに攻撃を仕向け、
自他へのすきを作り出したりする、戦闘スタイル。
また使えるものはなんでも使う。
元の持ち主の影響で、忍者らしい動きも見せる。

所持する黒い狩衣を着た狐獣人の姿をしたからくり人形は、
かつての主人が作ったものを模したもの、名前はサイギョウ。


久遠寺・遥翔(サポート)
UCでフレアライザーや派生形態に変身するか
イグニシオンに【騎乗】して戦う
死角を突いたりといった戦法に躊躇はない
戦いでは取れる手を全力でとる
ただ人質を取ったりなんて義にもとる真似はしないけどな
救助対象がいる場合それ優先で動くぜ

変身・騎乗どちらの場合でも基本的に【空中戦】を仕掛ける
飛行系UCの速度やワイヤーを使った【地形の利用】【ダッシュ】による高速機動戦闘だ
相手の攻撃は【第六感】【視力】を駆使した心眼で【見切り】ながら【残像】でかわし
避けきれない攻撃を【オーラ防御】や【各種耐性】で受け流しながら【カウンター】の
【生命力吸収】する黒焔で対象を【焼却】する【2回攻撃】を叩き込む戦術になる



『ぐぬぬぬ……おのれおのれぇ!!』
 パイロットの怒声に呼応して、ユーベルコードによる炎で燃え盛る武甲・飛翔数重のバイザーが妖しく光る。機体の背中に背負った|噴射筒《ブースター》に蒼い炎が甲高いジェット音を奏でながら推進させ、脚部に突き刺さった瑠璃の結晶を強引に引き抜いて飛翔をしたのだ。

『我が魂魄尽きようとも、この身を代えようとも! 南蛮の祭りを断じて赦しはせぬ!』
 武甲・飛翔数重はより加速を強め、鬼面党の|破壊《チェスト》対象である迎賓館へのカミカゼを強行しようとしている。

「こ、こっちに近づいてきておる!?」
 ハロウィンパーティ会場の巨大モニターにも武甲・飛翔数重が加速しながら迫る姿が映し出され、その映像に公家や商人たちが慌てふためこうとするのを制するようにルキウスは声を張り上げて説明をし出す。

「皆さん! お静かに! アレが当館に激突することはございません。改めて御覧ください。私イチ、ニ、サンと数えましたら、姿を忽然と消しましょう。では、イチ……ニ……サン!!」
 ──パチンッ!
 ルキウスがカウントダウンが告げ、最後に指を鳴らすと同時に武甲・飛翔数重は影も形もなくなり、辺りは静寂に包まれた。

「こ、これはどういうことおじゃるか? まさか、お主……猟兵なる者どものように奇術をお使いになられるのか!?」
「まさか。私はご覧の通り、ただの商人にすぎません。それより中納言様、御覧になられてください。先程の機体はこのように、別の|会場《リング》に移動しただけに過ぎないのです」
 恐れ慄く麻倉卿らを宥めるようにルキウスが示した巨大モニターの画面が変わり、ハロウィン色全開な異様なる空間に武甲・飛翔数重は確かに居た。勿論、手品をしたととても種も仕掛けも無いわけではない。それを行った張本人こそ、猟兵である。

「トリック・オア・トリート♪ お菓子をくれなきゃ……イタズラしちゃうもんねぇ!」
 この|イタズラ《ユーベルコード》を行ったのは、小悪魔風な仮装姿であるティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)。いたずら好きとしても名高い彼女がやったイタズラの正体は『フェアリーランド』。小さな壺に触れた抵抗しない対象を吸い込み、ユーベルコード製のフェアリーランドへと移してしまうユーベルコードである。
 予めオブリビオンマシンがどのような行動に移るかを綿密な計算と検討を重ねた結果、彼女のイタズラは見事に成功したのだ。そして、武甲・飛翔数重がティエルのフェアリーランドにやってくるよりも早く、既に先客はハロウィンの準備を完遂している。

「うう……本当は私の番組なのに、どうしてキマイラフューチャーでなくて|こっち《クロムキャバリア》で放送なのよ……」
 まず、このフェアリーランドの内部を中継しているのは、キマフュで人気の実況猟兵生放送番組『鬱るな! 鬱詐偽さん』の人気ネガティブアイドルアイドル、音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)。本来は彼女が数々の無理難題をこなす内容だが、今回はお休みでユーベルコード『グッドナイス・ブレイヴァー』によって召喚された動画撮影ドローンが映し出す主役はオブリビオンマシン。仮に武甲・飛翔数重応援を受けたとしても、その応援による強化作用は鬱詐偽自身に向けられたものでなければ効果は発揮されない安心設計だ。

「ヒャッハー! 皆の衆、ノッてるでござるかぁ~!?」
 フェアリーランドを自らの電脳魔術でハロウィン一色な空間と演出しているのは、エンジョイ&エキサイティングをモットーに好きなように生きて好きなように死ぬおっさん、エドゥアルト・ルーデル(|黒ヒゲ《誰このおっさん》・f10354)だ。
 ダンボールにただ『Cavalier』と書き殴っただけの、分かる人間には分かるネタ仮装姿で展開しているユーベルコードの名は『事故は起こすさ』。
 場を電脳魔術で再現した事故事例の世界に交換する能力を持ってして、普段は穏やかで平和なフェアリーランド空間をカクリヨファンタズムでは日常茶飯事すぎて誰もが『はいはい、また起きたのね』と慣れきってしまっているカタストロフを再現させているのだ。そして、上書きされたこの世界には『マーフィーの法則』が定義づけられており、これに抗う違反者、即ちハロウィンの宴を楽しまない者の行動成功率は低下する。

「ふふ、エドゥアルトはんも楽しんおるわなぁ」
 彼の傍らで不敵に微笑んでいる黒いシスター服の仮装をしておる美丈夫の名は、得物としている鋼糸『絡新婦』から拝命したヤドリガミの杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)。彼もまたエドゥアルト同様に相手の動きを制限するユーベルコード『|お遊戯の時間《レッツプレイ》』を展開済みである。
 このユーベルコードの恐ろしさは、絡新婦が『遊戯』を提供している間、遊戯を楽しんでいない者すべての行動を著しく鈍らせることだ。遊戯、それはハロウィンの遊びで即ち仮装を意味する。この場に居る者すべて、オブリビオンマシンとそのパイロットを除けばハロウィンの仮装しているのだ。

『な、何だ……この得体のしれぬ空間は!? ど、どうした武甲・飛翔数重! なぜ満足に動こうとしない!?』
 エドゥアルトと絡新婦が展開してるユーベルコードは確かに、超高速三次元機動を必殺戦法とするよう設計された武甲・飛翔数重の動きを阻害させていた。こうなってしまえば、もはやこの魔改造フェアリーランドより脱出するしか機体は自由とならない。
 そしてだが、日出国は海外との貿易を行いつつも近代化を密かに進めているのだが、民衆は未だに迷信を深く信じている。ルキウスに恐る恐る訪ねた麻倉卿も迷信深く、日々の行動はお抱えの陰陽師とこの国では呼ばれる占い師によって下された結果を頑なに信じている。ともなれば、このオブリビオンマシンのパイロットも例に漏れず、彼の脳裏では『ここは地獄か、または魔界か』と彼なりに理解できる事柄や言葉を並べて恐れ慄いているのだ。

「そう言えば……中納言様。このようなことをお教えにしましたでしょうか?」
「な、何をいきなり……申してみよ」
「はい。僭越ながらハロウィンとはお盆のようなもの、と先程にご説明させて頂きましたが、これはこの国の文化に照らし合わせたものでございます」
「ほぅ……。して、本当はどのようなものでおじゃるか?」
「はい。簡単に申しませば、ハロウィンとは『この世に存在せぬ者たちが一夜限り、この世に混ざる夜』でございます。骸骨や屍の仮装が多くされる理由も、ひとえに死者が蘇って帰ってくるという訳ではございません。そして……」
「ま、また何かあるのでおじゃるか……?」
(始まったようだね。坊っちゃんの悪い癖が)
 ふたりの様子を隣の席でまじまじと眺めているアクィラが見る光景は、顔一面に塗りたくった白粉から冷や汗を吹き出さんとばかりに怖がる麻倉卿と、その様子をさも面白がって楽しんでいるように見えるルキウスの姿だ。ああやって人の反応を楽しむのが、彼の趣味である。
 執務の傍らに聞いた他愛も無い身の上話だと、年端も行かない妹に社員である船乗りたちから聞いた奇想天外な与太話を語るのが楽しみであったそうだが、今は離れ離れとなっているのもあって内心寂しいと零していた。そんな妹の代わりとして格好の話し相手になってるのが、日出国支社の大口取引相手である中納言、麻倉卿である。

「な、なんと……。麿はてっきり、思い思いに仮装して宴を楽しむものかと思っていたでおじゃる。ハロウィンとは、そのような恐ろしいものだったとは……」
「ご安心を、中納言様。そうやって仮装し楽しむからこそ、かのような妖かしを世に出さないようとする|呪《まじな》いがハロウィンなのです。しかし、今夜のように『本当のハロウィンの夜よりも前』にハロウィンを行えば……出るのですよ。コレが」
「ひぃいいいいい!?」
 ルキウスの話術に食い入っていた麻倉卿は思わず叫び声をあげるが、その姿が滑稽すぎてアクィラは笑ってしまうのを必死に堪える。ただ単に日出国では幽霊を意味する『うらめしや仕草』をしただけでこれだから、笑わないほうがどうかしていると彼女は言葉にせず呑み込むだけだ。

「お遊びでも呪術の儀式に変わりありませんので、『本物』がうっかりこの世に出てきたらば、『|その日《ハロウィン》』でなければ為す術もなく異界へと引き摺りこまれてしまうのです。ですが、ご安心を。当社が扱いますハロウィンの催し物は、そのような妖かしを招かないよう祝福が与えられております。現に、この会場には妖しいモノなどはおりません」
「う、うむ……。確かにそうでおじゃる。麿が都で執り行うハロウィンの催しは、そちが取り扱うものを頼むでおじゃる!」
「日頃からのご贔屓、誠にありがとうございます。でしたら、私と中納言様の仲と言うことで幾らかお勉強を差し上げますので……」
(……商談は上手く行ったよだね。ま、全部坊っちゃんの作り話だろうが、バケモノたちはとっくに姿を現してるさね)
 アクィラ・ルーベル……いや、マリー・マシュヴァーは巨大モニターで繰り広げられるバトリングと偽られたオブリビオンマシンと|猟兵《この世ならざるモノ》の激闘を映す中継に目を細めて睨みつける。
 彼女もモニターで生命の埒外たる存在の猟兵と、元オブリビオンマシン乗りであった。本来であれば海賊家業の右腕であり姐御と慕っていた弟分、彼らとの戦闘の果てに散っていったフョーノヴと同様な末路を辿ってもおかしくない熾烈な戦いがマリーの瞼に鮮やかとなって蘇ってくる。
 だが、運命というのは残酷なもので、悪運がめっぽう強いと自らも自負している彼女はこうして生きながらえている。そして、数々の試練や旅路を経て、この東の果ての島国へと流れ、隣で熱心に商談を進めているルキウスと出会った。そして、いずれは彼と……。

(……な、何考えちまってるんだよ、あたしゃあ! 毎日のように口から砂糖を吐いちまうまでに甘い言葉を聞かされ続けて、どうかしちまったのかい!?)
 きっと顔は、今の愛機である高機動型ピースメーカーと同じ様に真っ赤になっていることだろう。幸いなのは、ルキウスに今の姿をみられていないことか。きっと見られたら、当分の間ネタにされ続けるに違いない。
 ひとまずは、飲み干した不気味な色味のハロウィンカクテルが注がれていたグラスを身体の近くに置き、酔って寝てしまったような素振りで机にうつ伏せとなるのが最善か。熱を帯びた額が冷たい机に触れるとなんとも言えない心地さを感じつつ、マリーはオブリビオンマシンと猟兵との戦いに耳を傾けるのであった。

『ぐうぅうう! おのれ、魑魅魍魎の悪鬼らめがッ!!』
 ユーベルコードによって動きに制約をかけられてもなお、武甲・飛翔数重は一対のRX無敵斬艦刀を果敢に振り乱す。

「無駄よ……。吼え狂う混沌よ……邪魔する者に襲い掛かれ……!」
 UDCアース風の女子高生姿となって仮装している仇死原・アンナ(地獄の炎の花嫁御 或いは 処刑人の娘・f09978)が、屍蝋のように真っ白な肌を地獄の炎に包まれた翼が生えた名もなき悪魔らによって煌々と照らし出す。
 ユーベルコード『|失楽園《ライク・フォールン・リーブズ》』によって召喚された獄炎の翼を生やした悪魔の群れは、秋の葉の如く空から落ちてきてオブリビオンマシンへとしつこく纏わりつく。如何なる剣豪であろうとも、空をふわりふわりと漂うように落ちる落ち葉を斬るのは容易くない。剣風により舞い上がり、悪魔たちはオブリビオンマシンのパイロットを嘲笑うようにケタケタと嗤っては挑発して隙を作り出す。

「形だけとは言え、バトリングの最中だから余所見は厳禁よ!」
 日本生まれで日本育ちなベトナム人、ティエン・ファン(除霊建築学フィールドワーカー・f36098)はアオザイと呼ばれるベトナムの民族衣装姿に仮装しながら、イグニッションカードを取り出す。ついでとばかりに投げ放った『八卦浄銭弾』で相手の注意をこちらに向ければ、イグニッションと叫んで謎のサイキックキャバリア『蚩尤』をこの場に召喚する。フォールドに掛けられたユーベルコードの効力によって動きが緩慢なオブリビオンマシンがこちらへと向かえば、既にティエンは機体へと搭乗し終えている。

「動きはこっちが有利だけど、悪く思わないでよ!」
 蚩尤の両腕に搭載されたRX-Aインパクトパイルによって、杭打ち機のような機構によって激しい衝撃音を奏でながら拳が打ち込まれる。その衝撃でオブリビオンマシンのパイロットは激しく揺さぶられ、武甲・飛翔数重の武者鎧を象った装甲が大きく凹んでいるのが蚩尤が持つ破壊力を悠然と物語る。

「俺たちも居ることを忘れては困る。行くぞ、イグニシオン! 爆ぜろ、クリムゾンフレア!」
 その追い打ちとばかりに、時計ウサギの仮装をしている久遠寺・遥翔(焔の機神イグニシオン/『黒鋼』の騎士・f01190)が|焔の機神《イグニシオン》を駆りながら、空間内で轟き叫ぶ。機体の随所から激しい炎を吹き出し、遥翔が意識を向けた先……つい先程に蚩尤が与えた亀裂が走る亀裂に|焔《ユーベルコード》、『|闇を穿つ紅蓮《クリムゾンフレア》』が発露される。
 突如として激しい焔が吹き出して激しい爆発とともに、武甲・飛翔数重の外装が爆ぜて飛散する。モニター越しで感染している迎賓館の人々には蚩尤が与えたパンチの破壊力が凄まじいものであるという演出として受け止められ、招かれた日出国の人々らは手に汗握る白熱のバトリングに喝采を浴びせる。

『これは……一体何なのだ。夢か、幻か……いや、悪夢だ。そうだ、そうに違いない!』
 理解しがたい|超常《ユーベルコード》の数々を目の当たりにし、オブリビオンマシンのパイロットは恐怖に慄き震え上がってしまう。彼ら鬼面党が風の噂で聞いたハロウィンとは、地獄の釜を開く儀式を持って魑魅魍魎の百鬼夜行をこの世に溢れかえらせ、世を混沌に導くといったものだ。得体の知れない異国の者らがオブリビオンマシン事件とは別の方法で日出国を闇に沈めんとの妄執は、海外のキャバリアと対等に渡り合えると発足したばかりの鬼面党へと商談に持ってきた『謎の武器商人』の手によって齎されたオブリビオンマシンの狂気によるののである。
 そんなことも露知らず、鬼を恨むばかりに自らも鬼となったという救いようもない話ではあるが、それを逆手に取ったのがこの『ハロウィン大作戦』であったのだ。

「そろそろ、いい感じになってきましたね。それでは多少手荒な真似となりますが、|ここ《フェアリーランド》の出口へご案内しますね」
 シスター服の仮装姿となっている月詠・莉愛(銀の月を謳う・f16320)が、首に下げた十字架型のシンフォニックデバイスを両手に握り締める。軽く祈りを捧げ終えると、邪悪なるものを退ける聖なる歌声で|聖歌《ユーベルコード》を奉唱させる。

「月よ、自然よ、森羅万象よ。私の声に従い……その力を解放せよ!」
 そして歌い上げられた聖歌に合わせ、聖なる竜巻が突如として空間内に発生する。すべてを呑み込むそれは、安々とオブリビオンマシンを捕らえてフェアリーランドの出口へと移動していくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

メディア・フィール
SPD選択
他PCとの絡みOK
プレイング改変・アドリブOK

連撃でテロリスト・リーダーに攻撃を続けます。カウンターされることが前提ですが、カウンターに手数を割かれている分はパーティ会場を蹂躙するほうに手を回せないと踏んでの攻撃です。自分がカウンターの応報でリーダーの時間と手数を稼いでいるうちに、他の猟兵たちがとどめを刺してくれることを狙った囮作戦です。

「ボクを倒さないかぎり、パーティ会場に行くことはできないぞ!」
「そうだ! 狙うんならボクを狙え! 怒りも哀しみも、全部受け止めてやる!」
「カウンターの、カウンターの、カウンターの、カウンターだ!」
「まだまだ、だ! お前の気持ち、全部吐き出すんだ!」



『……はっ!? ここは……』
 竜巻に呑み込まれ、激しく機体全体を揺さぶられたオブリビオンマシン『武甲・飛翔数重』。ユーベルコードで作り出された空間から追い出される形で脱出すれば、パイロットが周囲を見渡してここが現実の世界であると見渡す。
 まるで神隠しにでもあったかのような摩訶不思議で恐ろしい体験をしたが、それもまた現実であったことをマシンの損傷具合が物語っている。

「見つけた! ボクを倒さないかぎり、パーティ会場に行くことはできないぞ!」
 そして、メディアが駆るネオンの拳激が現実世界に戻った武甲・飛翔数重へと容赦なく叩き込まれる。エネルギーインゴットをほぼ使い果たし、また所々が刃こぼれをしているRX無敵斬艦刀と損傷を受けた機体では満足な超高速三次元機動による|柔剣《カウンター》も果たせぬまま、ただただ焔を纏った鋼の拳を受けるしかない。

『くそ、バケモノめ! バケモノめぇ!!』
「そうだ! 狙うんならボクを狙え! 怒りも哀しみも、全部受け止めてやる! そして……ボクの秘奥義、受けてみろ!」
 機体の随所が爆発したり大破状態となった武甲・飛翔数重をかろうじて動かし反撃を試みるも、メディアのUC『竜闘死連撃』による息を吐く間もない連撃の数々を避けることすらも出来ないままに遂に機体は停止に至る。|K.O.《ノックアウト》したようにバイザーの灯火が消えた武甲・飛翔数重は仰向けとなって倒れると、恐慌状態となったパイロットは脱出装置が作動したことによって開かれたコックピット・ハッチより抜け出すと、やれ怪物だの妖怪だのと叫びながら闇の彼方へと逃げ去って行くのだった。

「はぁ……はぁ……。ようやく全部のオブリビオンマシンを倒したけど、みんな捕まえなくても本当にいいの?」
「ああ、ご苦労さま。打ち合わせ通り、そのまま放っといてくれ。社長自らの願いだってさ」
 ピンバッジ型の小型無線機と補聴器状のインカムを通し、アクィラはそのようにメディアへと小声で指示を送り終えると、やれやれだよと深い溜め息を吐くと同時にバックヤードの壁へともたれ掛かる。

「お疲れ様。どうやら、困ったお客様はお帰り願えたようだね?」
「まったくだ。でも、いいのかい? とっ捕まえりゃ、攘夷派を一掃できるチャンスにもなるっていうのに」
「僕としては、深くこの国の政治には関わらないという立場を示したいからね。それに日出国は世間体とメンツを第一とする社会だし、将来的にトリアイナの顧客ともなりえる人たちを敵に回してまではどうかなって。尤も猟兵たちからお灸を据えて貰って、怖い思いをさせたけどね?」
 つまり、オブリビオンマシン騒動も攘夷派の筆頭格である『鬼面党』の襲撃も世に知られぬまま猟兵とともに処理したということになる。ルキウスとしてはトリアイナは中立の立場であるという政治的アピールを果たし、また中納言麻倉卿とのハロウィン商品の商談を纏めればそれで良いという考えである。鬼面党も、彼らを狂わせたオブリビオンマシンを破壊した今、じきに正気へと戻るであろう。もしそれでもテロを起こすとなれば、後はこの国の司法機関に任せてノータッチとすればそれで良い。

(一見ただの優男だけど、中々底の見えない坊っちゃんさね)
 アクィラが巻きタバコを燻らせながら万事丸く収まったことで穏やかな笑みを浮かべているルキウスを見やっていたが、まだトリアイナ支社が描いたシナリオはまだ終わってはいない。

「さて、最後の仕上げだ。表で活躍してくれた|彼ら《猟兵たち》を迎賓館に招き、今回の報酬受け渡し手続きとご苦労ぶりを労りながら、この素晴らしいバトリングを演じた勝者として皆にご紹介だ。もう逃げてしまっている鬼面党のパイロットたちは、君の部下たちを使って口裏合わせしてくれ」
「ふーっ……了解したよ。じゃ、無線機でこっちに来て戦いの後のパーティを楽しんで貰うように伝えておく……って、どうしたんだい? 人の顔をまじまじと見て」
「いや……さっき中納言様と商談を詰めていた時、突然顔を真っ赤にしていただろ? それを思い出して、やっぱりマリーは魅力的な女性だな……とね?」
「なっ……!? ば、バカも休み休みに言えってんだ! まったく……」
 先程のように顔を真っ赤にさせながらバックヤードより出ていくアクィラの姿を見届けると、ルキウスは大きく背伸びして強張った身体を解す。

「こっちも麻倉卿をこれ以上お待たせ出来ないね。……まだ夜は長い。今夜はとことん楽しもう」
 こうして、様々な陣営の思惑が交錯していた極東の島国で執り行われた戦いは終わりを告げ、新たな戦場となるハロウィンパーティの夜は更けていくのであったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年10月31日


挿絵イラスト