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南瓜島に来たるは蛸の群れ

#グリードオーシャン #お祭り2022 #ハロウィン

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●ハロウィン島を守ろう
 秋も深くなってきた時期のグリモアベースにて。
「今年もハロウィンの季節だね。グリードオーシャンにあるハロウィン島について予知を拾ったんだけど、手伝ってくれないかな」
 浴衣姿のキマイラ、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)が集まった猟兵達に語り始める。
「今回予知された島の名前はカラバッサ島っていう島なんだけど、グリードオーシャンには、ハロウィンの時期になると巨大な南瓜が生える『ハロウィン島』ってのがあってね。この南瓜はハロウィンの時期にだけ封印が解かれる超強力なメガリスが出現する前兆なんだ」
 実際今回予知に引っかかった島も海賊団が出現したメガリスを確保して大いなる繁栄を謳歌しているみたいだとヴィクトルは言う。
「出現したメガリスが確保された今でも島は南瓜だらけ、住民はそれらを食べたり加工したり、仮装したりもして祭りをやったり色々楽しんでいるみたいだよ。因みに地元民かやってきた海賊や商人の影響か分からないけど文化としてはサムライエンパイアの風味が混ざってるような感じだね」
 でも、そこにコンキスタドールがメガリスを確保しようとやってくるみたいなんだ、とシャチは言う。
「超強力なメガリスだからね。やってくるのは蛸の群れとリーダーらしき龍みたいなコンキスタドールみたいだよ。メガリス確保で大賑わいの島民たちは仮装したり南瓜料理を楽しんでるけど、襲撃者を発見したらやっちまえーとばかりに迎撃にかかる。元から強いのかメガリスの影響を受けてるからか分からないけども、そう簡単には倒れないみたいだ。接近戦を得意とする人も遠距離戦を得意とする人もいるからまあ、大乱戦になるだろう。そこで皆には島民に協力してコンキスタドールの群れを迎撃して欲しい」
 ちなみに島民達は仮装しているので、猟兵達が仮装して来れば味方と判断して共闘とかやり易くなるかも、とヴィクトルは言い添える。
 そして彼は右手首に引っ掛けた鍵型のグリモアを手に取る。
「後はそうだね、島のあちこちに生えてる巨大南瓜。それを上手く迎撃に使えばコンキスタドール達に大きな打撃を与えられるかも。どんな戦法を取るにしても、乱戦に備えた準備はあった方がいいだろうね」
 じゃあ頑張ってハロウィンの島を守ろう、とヴィクトルは話を締め括り、猟兵達をハロウィン島へと向かうグリードオーシャンの鉄甲船へと転送するのであった。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 海の世界にもハロウィンはあるようです。

 このシナリオはグリードオーシャンのハロウィン島の一つ『カラバッサ島』で島のメガリスを狙ってきたコンキスタドール軍団を撃退するシナリオとなります。

 第一章は『オクトポッド』の群れを仮装した島民達と迎撃する大乱戦になります。
 島のあちこちに生えた巨大南瓜を上手く利用できれば有利に戦えそうです。
 また、仮装の指定があれば猟兵達も仮装して戦えます。

 第二章はオクトポッドを率いる『うみなりさま』との戦いになります。
 こちらは冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらをご確認下さい。

 また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。

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 プレイングボーナス(全章共通)……巨大南瓜を利用して戦う。/ 仮装して戦う。
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 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『オクトポッド』

POW   :    ポッドストライク
レベル×1tまでの対象の【頭を蛸壺の中へと押し込み、敵ごと蛸壺】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD   :    テンタクルフット
【吸盤の付いた蛸足】から【絡みつき攻撃】を放ち、【すかさず体全体で覆いかぶさる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    ピッチタール
【強い粘性と麻痺毒】を籠めた【蛸墨】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【視力と行動力】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

天王寺・七海
何なのよ、このタコ。
妙なものを撃ってくるって、飛びながら避けるに決まっている。
こうなれば、南瓜を利用していくわよ。
シャチホコファンネルを両方利用して、タコの上に持ってきて、そして落とす。
その隙にタコに接近して噛み付く。
そして、UC条件達成したタコから離れて別のタコをまた狙う。
その際は噛み付いた跡のあるタコにシャチホコファンネルRでレーザー撃って気をそらす。
「どんどんいっちゃうのね」



●蛸壺タコ vs 大海の覇者
 グリードオーシャンの荒波を越えて、タコのコンキスタドールの大群がカラバッサ島へと向かっていく。
 狙いはハロウィン島であるこの島に眠る超強力なメガリスーーコンキスタドールの略奪と蹂躙が平和な南瓜の島を襲おうとしていた。
 島の住民達は血気盛んに海岸付近で迎撃準備を整えているが、その前の海域でタコの群れへのファーストアタックが行われる。
 島を目指す蛸の群れの進路上、水面に白黒模様の大きなシャチの頭が突き出した。
(「何なのよ、このタコ」)
 スパイホップを行ってコンキスタドールの群れを見るシャチの猟兵は天王寺・七海(大海の覇者・f26687)。
 天敵というか、食物連鎖の上位というか。彼女を認識したオクトポッドは一斉に彼女に蛸墨を放ち視界と行動力を奪おうとする。
 しかし、そんな明らかに怪しいものにわざわざ当たろうとするはずもない。
 海の覇者ともされるシャチである七海をそんな攻撃が捉えられるはずもなく、ざぱーんと大きく水面を飛び出した彼女は念動力でその身を支えつつ、鯱を模した遠隔操作兵器を伴って空からオクトポッドたちに近づいていく。
 空飛ぶ彼女に付き従うように飛行する一対のシャチホコファンネルには既に島で採れた巨大南瓜を乗せていて、念動力で操ってタコの群れの上へと飛ばし、空から南瓜を落とす。
 シャチである七海にも見劣りしないサイズの巨大南瓜が海面で弾けると、タコの群れは戸惑ったように動きを止め、そこに七海が口を大きく開けてタコに噛みついた。
 蛸足数本齧られたタコは海に潜り逃れつつ蛸墨を放つが、しかし七海はシャチホコファンネルRからのレーザーをそちらに向けつつも、彼女自身は既に次の得物に標的を切り替えて次々に噛みつき噛み傷を蛸に付けていっていて。
 ――噛み傷、それは彼女のユーベルコードの発動条件で、
(「ハンティング開始なのね」)
 次の瞬間、シャチの群れがタコの群れに襲い掛かり、七海が噛み跡をつけた個体を集中的に狙って食らいついていく。
 突然の襲撃に陣形を崩したタコ達を容赦なく食い散らすシャチ達は、彼女の群れの仲間で連携は抜群だ。
「どんどんいっちゃうのね」
 七海の合図にシャチの群れは次々に彼女の傷つけたタコを襲い、島を目指すタコの群れの数を大いに減らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

島津・有紗(サポート)
絡み・アドリブ歓迎
「じゃあ、始めましょうか」
戦闘前にイグニッションカードから装備を展開して装着します。
味方と連携しつつ索敵しながら行動し、相手との距離に合わせてなぎなた、強弓、ガンナイフを使い分けて戦います。
味方と連係する場合は、攻撃より味方の支援を優先します。
UCは状況に合わせた物を選択して使用します。



●浜より射抜く
 沖合でシャチがコンキスタドールの群れの数を減らす中、それでも数の利を活かし多くのオクトポッドが島へと近づいていく。
 波を蛸と蛸壺の色に染め上げながら迫る敵の存在を察知した島民は、仮装した姿のままに砂浜で血気盛んに迎撃態勢を整え始める。
 しかしコンキスタドールの速度は想像以上の速さ、その上で蛸墨を海から飛ばして島民達の動きを縛り、応戦の準備を妨害してきて。
(「まずは数を減らさないと……」)
 この地にやってきた猟兵の一人、島津・有紗(人間の戦巫女・f04210)は冷静にオクトポッドの攻撃、そして接近の様子を観察。
 放物線を描くように砂浜に着弾してくる蛸墨の攻撃を躱しながらイグニッションカードを取り出し、
「|起動《イグニッション》!」
 その一言と共に収納していた装備を瞬時に展開し装着、愛用の強弓に矢を番える。
「じゃあ、始めましょうか」
 この距離なら強弓で狙うのが容易。腕輪型の小型回転動力炉を稼働させて強く張られた弦を一杯に引き絞り、
「――逃がさないわ!」
 ユーベルコードを起動して矢を放つ。
 放たれた矢は1210本もの破魔矢、弓から放たれたとは思えぬ幾何学的な模様を描く軌道で飛翔し、100メートル以上沖合のオクトポッドの群を取り囲むようにして着弾する。
 やわらかなタコの体、頑丈な蛸壺。どちらも有紗の放った弓の前では容易く貫通され、タコの血が海を濁らせた。
 しかし後から後からオクトポッドの群れは迫ってくる。休んでいる暇はない、そう考えて有紗は次の矢を番え海に向かって矢を放つのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです



●貴婦人は光の加護を授け
 海のコンキスタドールを射抜く矢の雨により蛸墨の攻勢が弱まり、その隙に島民達は態勢を整えていた。
 仮装した島民達と上陸したオクトポッドの群れの真っ向対決、投げつけられる巨大南瓜や蛸墨の飛び交う海辺の戦い。
 接近してきたオクトポッドの蛸壺が一人の島民の頭に被せられ、そのまま持ち上げられて砂浜に叩きつけられ負傷する島民もいた。
 蛸壺から放り出された衝撃に目を回した島民の傍にオラトリオが一人、上空からふわりと降り立った。
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
 丁寧な所作で挨拶をした響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)という名の猟兵は、負傷した島民にユーベルコードを起動する。
「大丈夫です、皆様はあのコンキスタドールに負けることはありません」
 その言葉は説得。荒々しくも勇ましい彼らの心にも僅かな恐怖はあったのだが、それを拭い去るようにはっきりとした言葉でリズは告げる。
 劣勢に陥りかけていた島民達の瞳に闘志の炎が再び燃え上がる。
「――皆様に戦神のご加護がありますように……」
『負けちゃられねえ! 押し返すぞ!』
 リズの言葉に同意した島民達の体が光のオーラに覆われ、その戦闘能力を増強する。
 原因となったオラトリオを討たんとオクトポッドはその蛸壺を彼女に被せ投げ飛ばそうとする。
 だが、蛸壺が彼女に届く前に空より降下してきたグリフォンーーリズのペットであるアーティアの背へとリズは飛び乗って上空へと離脱する。
 砂浜を見下ろせば強化された島民達がタコのコンキスタドールの群れへと反撃し、徐々に押し返し始めていた。
 しかしまだ戦況は拮抗状態、押し返すにはもう少し猟兵達の助勢が必要なようだ。
 アーティアを操って空より戦況を観察しつつ、リズは島民を援護する為に次の行動を開始するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

政木・朱鞠(サポート)
確かに集団相手の対応は厄介だけど悩む時間が勿体ないし、困っている人をほったらかしにしてたら、あっと言う間に未来が過去に喰い潰され無いように、今は目の前のターゲットを倒すことに集中しないとね…。
死ぬこと以外はかすり傷とまでは言わないけど、ここで退くわけには行かないよね。

戦闘
相手は多勢…手数で押し負けないようにしないとね。
武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして、『咎力封じ』を使用して動きを封じて、【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い【傷口をえぐる】でダメージを与える戦法を取ろうかな。

アドリブ連帯歓迎



●狐火は蛸壺を焼くように
 蛸と島民の大乱戦、猟兵達の援護によって状況は改善されている。だが蛸のコンキスタドールは次から次へ息つく間もなく上陸を試み島民達を蹴散らさんとする。
 水中でなくともオクトポッドの動きは機敏だ。島民が投擲する巨大南瓜や射掛けられた矢を躱し、反撃の蛸墨を次々に放ってくる。
 混沌とした状況で降り注ぐ強烈な麻痺毒を含んだ蛸墨の雨――それを、政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)という妖狐の化身忍者はその身軽さで躱しつつ蛸墨を放ってくるオクトポッドへと距離を詰めていく。
 集団相手の対応は非常に厄介、混戦ならば猶更だ。
 だが一々悩んで足を止めてしまうのは時間が勿体ない。過去は未来をあっという間に食い潰してしまうものなのだから、それを阻止するために、
(「今は目の前のターゲットを倒すことに集中しないとね……」)
 音もなく砂浜を走り携えた拷問具『荊野鎖』を振るい、オクトポッドに振るう。
 蔓薔薇のようなスパイクのついた鎖の一撃は命中すれば黒蛸の柔らかい体をズタズタに引き裂くだろう。それを恐れオクトポッドは咄嗟に蛸壺へと隠れ、鎖は弾かれてしまう。
 だが即座に朱鞠はユーベルコードを起動、すると130もの狐火が生じ、個別に散開してオクトポッドに襲い掛かる。
 命中、炎上。頑丈な蛸壺とはいえ熱を遮断する事は出来ない。
 蒸し焼きにされつつあるオクトポッドが香ばしい香りを漂わせ、耐えきれずに飛び出した個体を振るわれた荊野鎖がズタズタにし絶命させていく。
 周囲の個体の掃討を粗方終えた朱鞠は、周囲を見渡しすぐさま次の標的を見定める。
 この砂浜の防衛線が崩されればこの島の住民に逃げ場はなく、つまり退く事はできない。
 少しでも早く倒し切る――そのために、褐色の狐忍者は見出した次の標的へと向かい砂浜を駆けていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ(サポート)
鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、『鎖の鞭』等装備してる物を使います

UCは指定した物をどれでも使用

普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)

処刑人として敵と戦います
同行者がいれば協力
メインは鉄塊剣等大剣で敵を攻撃
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では刀剣をメインにし敵を攻撃
拷問具や鞭を使い敵の行動を阻害、鉄塊剣や刀剣で敵群を倒す
守護対象がいれば武器受けでかばい、敵をおびき寄せ注意を惹いたりします
キャバリアを操縦したり生身でも戦います



●錆色の嵐吹き荒れて
 猟兵達の加勢により、島民達は勢いを盛り返してきた。
 だがオクトポッド達も意地か命令か、退く事はなく果敢に襲い掛かってくる。
 水中でもないのに機敏に動くオクトポッド達は、至近距離に迫り刀を振り下ろそうとした島民にその蛸足を絡ませてそのまま覆いかぶさって動きを封じる。
 このまま放置すれば窒息は免れない状況、そこにやってきたのは仇死原・アンナ(地獄の炎の花嫁御 或いは 処刑人の娘・f09978)。
 彼女は伝説の処刑人の名を冠したサーベルで蛸の足を切断、本体部分に鎖の鞭を巻き付けて引っぺがすようにして空へと放り上げる。
 そしてアンナはオクトポッドから解放された島民の無事を確認しつつ、周囲を見渡す。
 砂浜は少々動き辛いが戦闘に支障のでる程ではない。問題なく処刑人としての戦いを行う事は可能。
 そして敵の状況はと言うと、
「数が多い……けどこれで全部、ね」
 アンナがそう呟く。
 オクトポッドの退く事を考えていないかのような猛攻、既に海にいた個体は倒されるか上陸するかしていて、この砂浜にいる個体で全てのようだ。
 ならば此方も出し惜しみは必要ないだろう。島民達に俊敏に忍び寄ってくる黒い蛸をサーベルから持ち替えた鉄塊剣で庇いつつユーベルコードを起動。
「錆色の嵐が、貴様らの骨身を粉砕する……!」
 瞬間アンナの鉄塊剣が巨大化、それが振るわれれば彼女の周囲に迫り来ていたオクトポッド達が両断されていく。
 それはさながら錆色の嵐、島民が近くにいる状況で巻き込まないために少々小規模ではあるが、その嵐は頑丈な蛸壺もものともせずコンキスタドールの群れを粉砕していく。
 ――錆色の嵐が止んだ後には島民と猟兵達、そして蛸壺の残骸と黒蛸の死骸が残るだけ。
 一時静まり返った砂浜が歓喜に包まれる前に、海の方で大きな飛沫が上がる。
 ばしゃばしゃと、空に吹き飛ばされた水が海面に落ちて音を立てるその向こうで、憤怒に満ちた巨大な海竜がその威容を露にしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『うみなりさま』

POW   :    生まれ故郷
【海水のブレス】を降らせる事で、戦場全体が【太古の海】と同じ環境に変化する。[太古の海]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD   :    至る道
戦場全体に、【激しい海流】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    加護の歌
【加護を与える鳴き声】を披露した指定の全対象に【この声を聴き続けていたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はサフィリア・ラズワルドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●かつての海神はメガリスを求め
 海より姿を現した竜が吼え、呼応するように大量の海水が上空に吹き上げられる。
 酷く美しい声は何やら不思議な響きで聞いた島民は不思議な加護を得たような感覚を覚える。
 しかしそれは加護ではあったが、今や呪縛に等しいもの。
 ――うみなりさま。
 大昔船乗りに加護を与えていたとされる竜は、儀式の不完全さにより人々に加護を与え続けやがて肺呼吸を奪ってしまう悪神と成り果ててしまった。
 コンキスタドールに零落したとはいえ、海に属する神であった力は未だ強大。その力を以て、この繁栄を謳歌するハロウィン島のメガリスを奪い更なる力を得ようとしているのだろう。
 その余波で島が海水に洗い流され甚大な被害があろうと構わずに。
 そんな悲劇の結末を迎えさせないために、猟兵達は海竜を迎撃する為に武器を構えるのであった。
青原・理仁(サポート)
人間
年齢 17歳 男
黒い瞳 金髪
口調 男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)

性格面:
やさぐれ、ぶっきらぼう
積極的な人助けはしないが、見捨てきれずに手を貸してしまう

戦闘:
武器は使わず、殴る・蹴る・投げるなど、技能「グラップル」「怪力」を生かしつつ徒手空拳で戦う
構え方は古武術風

雷属性への適性があり、魔力やら気やらを雷撃に変換し、放出したり徒手空拳の際に纏わせたりします


赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可

合わせ等も自由にどうぞ



●海流の迷路を越えて
 うみなりさまが一つ大きく吼えれば、急に海が荒れてうねり、海上海中に海流の迷宮が生み出される。
「海流の迷路か……」
 金の髪の青年猟兵、青原・理仁(青天の雷霆・f03611)は呟き、迷わずにその迷路へと飛び込んだ。
 彼と同時に、真っ赤なインラインスケート型のブースターレッドを履いた赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)も動き出す。
 迷路に飛び込んだ理仁を迎えるのは目も開けていられない程の激流、そして体を押し流す水流の圧力。
(「これは砕けねえな」)
 海流の迷路は頑丈で、破壊して突破できるようなものではない。それを察した理仁は激流に呑み込まれないように海流の緩やかな位置を見切りながら泳ぎうみなりさまへ距離を詰めていく。
 一方の緋色は、ブースターレッドに取り込んだ圧縮空気を駆動力にして、海面を飛ぶようにして迷路を抜けていく。
 途中幾らか海流に阻まれることはあったが、それでも前へ前へと進んでいき、うみなりさまの姿を捉えた。
 その瞬間、緋色はさらに加速。海面近くを華麗に跳ねて、ステップを踏むようにうみなりさまの懐へと飛び込む。
 ユーベルコード【薔薇の連撃】――薔薇の花弁を周囲に放ちながら、赤羊の少年の蹴撃が真紅の軌跡と共に海竜のコンキスタドールに襲い掛かる。
 瞬時に刻まれる二連撃、ぐらりと傾いたうみなりさまは三撃目が放たれる前に海流へと体を潜らせ回避する。
 四連撃喰らえば死へと直結する事実を本能的に理解していたのかは定かではないが、緋色の連撃は三撃目は掠め四撃目は完全に回避されてしまう。
 攻撃直後の隙にうみなりさまは迷路を構成する海流を操作し、緋色を激流に呑み込まんとする。
 しかし反撃の構えを取った瞬間、海流を乗り越えやってきた理仁が飛び込んでくる。
「要は慣れって奴だろ」
 ユーベルコード起動、雷霆を拳に纏わせてうみなりさまの胴体に強烈な一撃を叩き込む。
 反撃に意識を向けていたから防御は間に合わない。ユーベルコードの一撃を受け、一瞬体が電撃に跳ねたうみなりさまは海流にその身を深く沈めさせて、一旦二人の猟兵から距離を取った。
 だが、理仁はうみなりさまの癖や間合いを既に把握している。同じように距離を詰める事ができれば更に強烈な一撃を見舞う事ができるだろうとの確信がある。
 海をテリトリーとするうみなりさまと海で戦うことは厄介だろう。だが、通じないわけではない。
 そして二人の猟兵は追撃を仕掛ける為に、再び姿を現しブレスを放たんとするコンキスタドールへと飛び込んでいく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メアリアン・ダレモイマ(サポート)
 アリス適合者の闇執事×プリンセス、26歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、真剣な時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
 人間の人形遣い×ビーストマスター、13歳の女の子です。
 普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●竜鱗穿つ桜吹雪と一矢
 雷撃を受けたうみなりさまは、大きく息を吸い島に向けて海岸の猟兵や島民達に海水のブレスを放つ。
 ブレスを降らせた場所を太古の海と等しい環境――うみなりさまにとっての得意フィールドに変えるその御業は海岸をその効果のままに塗り替えていく。
 太古の海に相応しい海棲生物が現れ始めていく。
「あら、濡れてしまいますわね」
 そんな状況でも落ち着いて、メアリアン・ダレモイマ(|Nobody《誰もいません》・f31615)という召使の女は少し困った風に言う。
 このまま海に呑まれてしまうのは少々まずい、だから落ち着いて旅行鞄から魔法の豆の木を取り出して砂浜に根付かせ上へ上へと成長させる。その豆の木の名は|Dull boy《怠け者》ではあるけれども、海から一時逃れ流されないようにするには十分だ。
 島の巨大南瓜を幾つか巻き込んでいるが、それも足場には丁度よいように思えてくる。実際島民達も避難してきているようだ。
 そしてもう一人、黒いゴスロリ服の少女、禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)は無表情のままにうみなりさまを見ていた。
 荒れ狂い周囲を太古の海へと変える恐ろしい竜、そして周囲にはその環境に惹かれたらしい太古の海洋生物らしい大きな何かの姿も波間に見える。
 そこで黒絵は小型の竪琴を取り出して、その海洋生物たちに呼びかける。この環境を好む生物ならば、環境にも適応してくれるだろうという発想だ。
 近づいてきたのは太古の海に生息していてもおかしくない巨大なサメ、それに全く怯まずにビーストマスターである黒絵は無表情のまま呼びかける。
「クロエと遊んでくれる?」
 その言葉に巨大サメは横腹を見せ少し潜り、背に乗るようにと誘ってくる。少し思案しサメの背に黒絵が乗れば、急加速してうみなりさまの近くへと泳ぎ進み始めた。
 接近する猟兵を認識した海竜からは海水のブレスが迎撃に放たれたが、背に乗った黒絵を傷つけないよう巨大サメは上手く回避してくれる。
 そして十分距離が縮まって、黒絵がユーベルコード【|呪われた血桜の舞《カースド・ブラッサム》】を起動。
「鮮血に染まると良いの……本気を見せてあげる」
 彼女の狂気が桜の花吹雪の形を取って具現化され、うみなりさまに襲い掛かる。
 狂気の桜吹雪は命中した箇所を破壊する、その効果通り海也様に命中した桜花は竜鱗を砕いていく。
 桜吹雪を嫌がりよけようとするうみなりさまの様子を、程よい高さに成長した豆の木の上からメアリアンがクロスボウ『John Doe』を構え照準を定めている。
 もっとも付き合いの長い飛び道具――こんな太古の海と桜吹雪で滅茶苦茶な状況でもその狙いは正確に定めなくてはと、集中してユーベルコード【|第4の歌 教育《ガヴァネス・クロス・キル》】を起動。
「Let me show you.」
 歌うようにメアリアンが言葉を紡ぎ、名無しの矢を放った。
 太古の海の波飛沫と桜吹雪を貫き、その先の海竜の喉元へと吸い込まれるようにして矢が命中。
 襲い掛かる桜吹雪を躱す為に体勢を崩していたうみなりさまには中々に致命的な一矢、しかし、うみなりさまはまだギリギリ踏み止まって更に周囲にブレスを降らせより環境を太古の海へと変えていく。
 そして海中へ潜航。猟兵は追ってこれないだろう海中で体勢を整えようと判断したようだ。
 しかし致命傷に近い傷は確かに刻まれすぐには癒されないだろう。もう一押しをかけるべく、二人の猟兵は次の機会を伺うのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天王寺・七海
竜だって!
これは只では行かない相手なのね!
下手なことにならないように相手しないとね

…「太古の海」?
まずいわね。普通の「海」なら、七海ちゃん達の領域なんだけど、「太古」は、違いそうなのね。
恐竜とかがいた時代のかしらね??
でも、只では行かないぜ!!
太古でも海は海だぜ!
だから、一気に仲間を呼ぶんだぜ!
シャチは、群れでクジラも狩るんだぜ!
だから、テメェも集団で襲撃するんだぜ!!

【集団戦術】を駆使して【狩猟】と行こうじゃん!!
【水中戦】【高速泳法】【水中機動】は当然使うぜ!

アドリブ歓迎



●海の王者とかつての海神竜
 うみなりさまの海水ブレスにより太古の環境へと変えられた戦場周囲の海域を、一頭の白黒ボディのシャチが泳いでいく。
 沖合のオクトポッドを殲滅した彼女、天王寺・七海(大海の覇者・f26687)はのんびりした見た目とは真逆の機敏な動きで太古の海を高速で泳ぎ進む。
「竜だって! これは只では行かない相手なのね!」
 海の王者、或いはギャングともよばれるシャチであれど、海竜を相手にするには気合を入れねばならない。下手な事にならないよう全力で相対せねばと決意を固める。
 島へ近づくにつれ、海の環境が変化している事が感じ取られる。
(「……『太古の海』? まずいわね。普通の「海」なら、七海ちゃん達の領域なんだけど」)
 現代の海ならともかく、太古の海は彼女の領域化と言えば違うように思える。実際に海水の中には恐竜や見た事もない生物らしきシルエットがちらほら見えて、ここが未知の海であることを示していて。
 うみなりさまがこの海に潜った事は確認している。恐竜などのいた時代の未知の海に潜るのは少々不安はある。
 が、
「――でも、只では行かないぜ!!」
 その不安をないもののように七海は気合を入れて、ユーベルコード【オルカライヴV2】を起動する。
「全力で協力して狩りするぜ!」
 七海の号令に彼女の仲間のシャチ達が召喚され、彼女に続いて海深くへと潜っていく。
 太古であろうと海は海、生存競争を勝ち抜き現代まで生き延びたのはシャチ、陸上などではなく海中であるなら太古であろうと構いはしない。
 仲間と共に潜り、小型恐竜や首長竜を躱しあるいは頭突きで昏倒させうみなりさまを索敵する七海たちシャチの群れは、やがて負傷したうみなりさまを発見。
「さあ、行こうじゃん!!」
 狩りの時間、姿を確認するや否やハイテンションに七海が群れの仲間に信号音を放ち、彼女を先頭にした白黒の群れは一斉に加速し零落した海神へ殺到する。
 よく知られている話だが、シャチはその巨体に加えて群れでの連携した狩りを得手とする。自身より巨大なクジラさえも群れで仕留める海のギャングたち、ましてや七海がリーダーであるなら零落した海神だろうと十分に渡り合えるというもの。
「だから、テメェも集団で襲撃するんだぜ!!」
 襲撃をかけてきたシャチの群れにうみなりさまは海水のブレスで反撃するが、この海中かつ相手が海をテリトリーとするシャチには上手く当たらず効果が薄い。
 ブレスを回避し隙を見出したシャチ達は一斉にうみなりさまに食らいつき削っていく。
 そして、
「これでトドメだぜ!」
 最後に七海がうみなりさまの首筋を食い千切り、そのまま離脱する。
 致命傷を受けたコンキスタドールはそのまま姿を海に溶けさせて、周囲の海域が太古の海から普段の海へと戻っていく。

 コンキスタドールが撃退された事を知った島民から歓声があがる。ハロウィンの強力なメガリスは守られたこの島は、これまでと同様に大いなる繁栄が約束される事だろう。
 その幸福な光景を見届け、猟兵達はグリモアベースへと帰還したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年12月18日


挿絵イラスト