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疾雷バトルチェイス

#サイバーザナドゥ #ハイウェイスター #迅雷運輸

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#サイバーザナドゥ
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#ハイウェイスター
#迅雷運輸


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♪~
 義体疾走らせ 戦車のごとく
 暴力 破壊 早くて 安い
 疾風 迅雷 届くよ パーツ
 運ぶ輝き 機械の輝き
 あゝ 迅雷運輸 迅雷運輸

●違法パーツの運び屋さん
 とんでもない社歌を流しながら、ハイウェイを疾走するものがある。
 その名は迅速ハコベールくん。迅雷運輸というメガコーポ製の頭脳戦車だ。
 彼らは今、改造サイバーザナドゥのパーツを運んでいた。
 それは正義のハイウェイスターが悪のメガコーポから奪取したものだ。改造パーツは一見、極普通の義体部品のように見えるが、一度人体に組み込めば最後。その人物の心はAIに掌握され、ただ使い潰されるだけの機械人間に変わってしまうという恐ろしいものだった。
 一度は奪取されて廃棄されるべきものだったが、正義のハイウェイスターがハコベールくんの奇襲を受けたことで違法改造パーツが奪い返されてしまった。ハコベールくん達はそのまま道路を疾駆していき、今回の主である『ジンライ・ウォーカー』の元に向かっている。
 このままでは違法パーツは裏で出回ってしまい、新たな犠牲者が出るだろう。

●疾風迅雷ハイスピードハイウェイ
「――というわけで、猟兵の出番ってことだ」
 グリモア猟兵のひとり、ディイ・ディー(Six Sides・f21861)はサイバーザナドゥの事件について語る。
 目標は改造違法パーツの奪取。
 そして、今回の運びを担当しているジンライ・ウォーカーの撃破だ。
「違法パーツを処分しようとしていたハイウェイスターは怪我をしているが、無事に近くの病院に運ばれていったぜ。だからまずは、ハイウェイを走っている迅速ハコベールくんを追跡してパーツを奪ってくれ」
 ハコベールくんは複数体いるようだ。
 彼らは戦闘能力も有しているが、猟兵が協力すれば倒せない相手ではない。
「その後に首魁を倒せばパーツが出回ることを防げる。それにこっちにはこれがあってな。猟兵仲間が手に入れてきたハコベールくんの制御チップだ」
 ディイが取り出したのは頭脳戦車の指揮系統の核となるパーツだ。以前に起こった事件の際にパーツを調べる猟兵や、チップを入手した者が多かったので解析が叶った代物らしい。
「ハコベールくんを倒した後にこれを頭部に繋げてやれば、猟兵の指示や操作に従うようになる。見た目に反して結構なスピードが出るものみたいだからな、高速でハイウェイを駆けるジンライ・ウォーカーにも追いつけるぜ」
 無論、自前の乗り物がある場合はそちらを使用してもいい。
 もし乗り物がなければハコベールくんを利用しても構わない、ということだ。
「纏めると、まずはハコベールくんを倒してパーツを奪取。その後に制御チップを取り付けたハコベールくんや、自前の乗り物でハイウェイを走る。だが、必ず進路妨害が行われるだろうな。それを潜り抜けてジンライ・ウォーカーの元に向かって、撃破!」
 以上が今回の流れだと告げ、ディイは説明を終えた。
 迅雷運輸は以前から暗躍しているメガコーポであり、次々と強力な幹部や運び手も現れている。少しずつでも悪事を暴いていかなければ、更に非道なことが行われるかもしれない。
「頼んだぜ、皆。今回の活躍も期待してるからな!」
 そして、ディイはサイバーザナドゥのハイウェイに続く転送路をひらく。
 その道の先によりよい未来が続いていることを願って――。


犬塚ひなこ
 今回の世界は『サイバーザナドゥ』
 ハイウェイに蔓延る悪の運び屋を倒し、違法パーツが世に出回るのを防ぎましょう。

 今回の戦場はハイウェイ。ハイスピードバトルです!
 こちらのシナリオはできる限り速い執筆を心掛けて参ります。場合によってはサポートさんをお呼びすることもございますので、ご理解くださると幸いです。

●第一章:👾『迅速ハコベールくん』
 迅雷運輸の運び屋頭脳戦車。社歌を流すスピーカー付き。たまに喋ります。
 各機体に違法パーツが積まれているので撃破して奪取しましょう。倒した後、オープニングにある制御チップを使うと二章から乗り物として使うことが出来ます。

●第二章:⛺『ハイウェイチェイス』
 ハコベールくん、または自前の乗り物に乗ると成功度ボーナスが付きます。
 頭脳戦車がやられた反応を知ったジンライ・ウォーカーが遠隔で妨害機体を放ってきます。ハイスピードでハイウェイを駆けながら妨害機体を蹴散らし、首魁のもとまで迫りましょう。

●第三章:👿『ジンライ・ウォーカー』
 二章を突破すればいよいよボスとの戦いです。
 敵はメガコーポ『迅雷運輸』の擁するエージェント。高性能な義体を支給された働き蟻であり、タフで会社に忠実。義体化脚部による攻撃が得意で、かなり素早い動きをします。

●その他
 違法改造パーツはシナリオの後に廃棄されます。処分プレイングは特になくても大丈夫です。

 ハコベールくんのスピードは自由自在。
 一体を一人ずつ使っても、一体に複数人が乗っての行動も問題ありません。機械知識や操縦機能がなくても自動運転モードにすれば最適な動きをしてくれます。
 機体の上に乗るもよし、内部に乗り込んでも良し。内部にいても魔法系や遠隔系のユーベルコードは問題なく使えます。近距離系の攻撃をする場合は機体の上からどうぞ!

 制御チップは以下のシナリオから派生したものですが、知っていても知らなくても問題ありません。
 https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=45527
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第1章 集団戦 『迅速ハコベールくん』

POW   :    強制お荷物お預かり機能
【モノアイから放つトラクタービーム】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【装甲内部の格納スペース】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
SPD   :    超スーパーお急ぎ便機能
【最適な脚部に換装し、衝突上等走行ルーチン】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    安心安全お届け機能
全身を【脚部を引っ込めた対衝撃防御形態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。

イラスト:三上空太

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

新田・にこたま
ミニパトと自身を有線接続。運転席ではなく車体の上に乗って現場に急行しますよ。
義腕と軽機関銃も有線接続。UCを使用しミニパトの運転・操縦に使用する思考の処理速度を上げつつ、軽機関銃の命中率を上げます。

ハコベールくんたちに追いついたら命中率の上がった軽機関銃でハコベールくんに自動射撃。メカニック知識から頭脳戦車のどこを撃ち抜けば効率的に動きを止められるか分かるのでそこを撃ち抜きますよ。
ハコベールくんからの攻撃は思考の処理速度が上がった運転・操縦技術で回避。元々の瞬間思考力にも自信があります。

私は自前のミニパトがありますが、移動手段のない人もいるでしょうからね。なるべく壊さないようにしましょう。


山路・紅葉
🐰ふぇ…聞いただけで大変な物が奪われたんだってわかるよぉ…
そんな物を広めちゃったら大変だよね
うん、私も頑張って止めるよっ!

あ、ちょっとかわいい
で、でも倒さなくちゃ…ご、ごめんね?

🐺…とはいえ武器を取られると拙いし、ワタシがやるわね紅葉(🐰あ、お願い織子ちゃん)
黒犬のオーラで"オーラ防御"してビームで装備を取られるのを防ぎつつ、『Black Bind』で敵をつかむ
こうすれば移動したって関係無いわ
あとは繋いだオーラを引き寄せつつ"ダッシュ"で接近、オーラの籠った拳でぶん殴るわッ!

さぁて、この後は出番少なそうだしこの場は暴れさせてもらうわよ!(🐰や、やり過ぎないようにね)

※協力・アドリブ歓迎


ニア・マシュマリー
よし!初めてのお仕事いっしょに頑張ろうね、シャルル。
えっと確か……。今回のハコベールくんはこの後も使えるかもしれないから壊しちゃダメ……。なんだよね?
ちゃんと加減していかないと……!

戦闘ではまず私とシャルルに翼を生やして最高速度で飛び回ります。
まずは私から最高速度を維持したままでハコベールくんに頭からぶつかることで牽制……。しようと思ったんですが……。痛い……。しかもダメージになってなさそう……!
シャルルの爪ならどうかなって思ったけど……。シャルルもダメージを与えれてなさそう……。
でも動かないなら今のうちに制御チップを入れられるかな……。
どう思うシャルル……?

(アドリブ・連携大歓迎です)



●高速攻勢
 ハイウェイを走る頭脳戦車達。
 軽快な音楽が聞こえる方を目指し、新田・にこたま(普通の武装警官・f36679)は前を見据える。
 彼女は今、自身とミニパトを有線接続している。普段乗っている運転席ではなく、車体の屋根に立つにこたまが目指すのは現場への急行。
「速度をあげます!」
「ふぇ……了解しました」
「お願いします!」
 にこたまが呼びかけたのは、後部座席に乗っている山路・紅葉(白い兎と黒い犬・f14466)とニア・マシュマリー(光を歩む少女・f39619)の二人。
 同じ事件に挑む仲間として、にこたまが彼女達を同乗させている状況だ。
「聞いただけで大変な物が奪われたんだってわかるよぉ……そんな物を広めちゃったら大変だよね」
 紅葉は人工UDC刻印兵器『黒犬』、通称織子に呼びかける。ワタシも力を尽くすわ、と答えた織子に紅葉が頷きを返す中、ニアも気合いを入れていた。
「よし! 初めてのお仕事いっしょに頑張ろうね、シャルル」
 ニアは腕に抱いた黒猫のシャルルに声を掛ける。
 少女と星月の魔力を共有する黒猫も、やる気に満ちているような雰囲気を纏っている。
「うん、私も頑張って止めるよっ!」
 紅葉もニアの言葉に同意を示し、これから始まる戦いへの思いを強めた。
 にこたまは前方を示し、もうすぐ標的に追いつくと告げる。現在のにこたまは義腕と軽機関銃も有線接続しており、攻撃の準備は万端だ。
 大丈夫ですか、と仲間に問いかけたにこたま。するとニアがそっと首を傾げる。
「えっと確か……。今回のハコベールくんはこの後も使えるかもしれないから壊しちゃダメ……。なんだよね?」
「なるべく壊さないようにしましょう」
「はいっ! ちゃんと加減していかないと……!」
 ミニパト上部にいるにこたまに返事をしたニアもまた、狙いを定めている。
 そして、ミニパトはいよいよ迅速ハコベールくんの背後にまで迫った。向こうも此方の接近に気がついたらしく、急旋回して応戦体勢を取る。
「――妨害者、認識」
「あ、ちょっとかわいい」
 その姿を見た紅葉はハコベールくんのフォルムに興味を持った。しかし、相手はこちらを敵として認識したらしく、戦闘モードに移行し始めている。
「――コード迎撃」
「で、でも倒さなくちゃ……ご、ごめんね?」
 紅葉は首を横に振り、身構える。それと同時に窓からミニパトの屋根へと上った。
 同様にニアも窓から飛び出し、ユーベルコードを巡らせる。天使のような白い翼の生えた姿と、黒い翼の生えた猫に変身したニアとシャルルはハコベールくんへと立ち向かってゆく。
「一緒ならもっともっと頑張れるから!いくよシャルル!」
 ――君と一緒なら僕はもっともっと羽撃ける。誰よりも強く。君のために。
 視線を交わしあったニア達は最高速度で飛び回り、ハコベールくんを撹乱していった。其処に続いたにこたまは、ミニパトを操縦しながら軽機関銃を構える。
 サイバーリンクシステムが発動している今、命中力は格段に上がっていた。
「撃ち抜きます」
 ハコベールくんへと自動射撃をはじめたにこたまはは、周囲を見渡す。持ち前のメカニック知識から導き出したのは、あの頭脳戦車のどこを撃ち抜けば効率的に動きを止められるか。
 容赦なく射撃を続けるにこたまの傍ら、紅葉は黒犬のオーラを広げていた。
「……とはいえ武器を取られると拙いし、ワタシがやるわね紅葉」
(あ、お願い織子ちゃん)
 織子と意思を交わしあった紅葉は、ハコベールくんが用いるトラクタービームに注意をしていた。あのビームで装備を取られまいとして防ぎつつ、伸ばした黒犬を模したオーラで噛みつきにかかる。
「こうすれば移動したって関係無いわ」
 後は繋いだオーラでハコベールくんを引き寄せて接近。
 其処から跳躍した紅葉と織子は強いオーラを込めた拳で頭脳戦車を殴り抜いた。更に其処へ、制御チップを手にしたニアが翔けていく。
 最高速度を維持したまま、ハコベールくんに頭からぶつかることで牽制――しようと思っていたのだが、痛い。先程に行動したことはダメージになっていなさそうだと感じたニアは、シャルルの爪での攻撃を行っていた。
「ううん。でも、これなら――」
 紅葉とにこたまの攻撃によって動けなくなっている個体は多い。ニアは仲間がいてくれるありがたさと頼もしさを抱きながら、今のうちに制御チップを入れようと決めた。
 そして――。
「できたよ、シャルル」
 ニアは見事にチップをハコベールくんに組み込むことに成功する。これで後は乗り込んで操縦するか、自動運転モードにしていけばいい。
 紅葉、もとい織子はニアの活躍に称賛の視線を向け、まだ攻撃態勢を取っている頭脳戦車を見渡した。
「さぁて、この後は出番少なそうだしこの場は暴れさせてもらうわよ!」
(や、やり過ぎないようにね)
 紅葉が織子に呼びかける最中、にこたまはハコベールくんからの攻撃を避けていく。思考の処理速度が上がった運転と操縦技術を用いれば、回避も容易い。
「このままの勢いでいきましょう」
「はい!」
 にこたまの声にニアが答え、紅葉達も違法改造パーツの奪取に向かう。
 そうして、猟兵の活躍によって周囲のハコベールくんは見事に倒されていく。ハイウェイに蔓延る悪意は摘み取られ、正義の意思が此処から広がっていった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御簾森・藍夜
【朱雨】

ハロウィンの時以来じゃないか、なぁ心音
そういえばあの時拾ったチップって使えるのか?
後で試すか…

さて
もう何も聞かん!
試したい気持ちはあった…が!
試すべきは木端程度のこいつらじゃない、するならお前らの上司ってとこだ―!

心音と息を合わせて戦う
けれど、
おいで、心音(手をつなぐ
とUC前に心音を俺の傘の下へ

いつもの約束通り、な
愛しいお前を守れるように
敵の突進は心音を抱え差した傘で往なす
避ければどうと言うことはない
おっと、ありがとう心音

又は突進する足元に鐵雨を擲ち転倒を狙う
小狐達が敵に当たられないよう注意しUCの弾雨でハコベールを穿つ
その際に試してみたかった(禁呪を乗せて

対話できないなら、呪いは?


楊・暁
【朱雨】
ああ、こいつらあの時の…!
ディイの話だと、倒した後に頭に繋げりゃ良いって事だけど
まずはこいつらぶっ壊さねぇとな…!

ああ、問うならこいつらじゃなくて親玉だな
藍夜の傘の裡に入り先制攻撃
UCで2回攻撃連発してやる
喚ぶのは鎧無視攻撃100Lvの小狐達
よし、お前ら。ぶちかまして来い…!
至近距離からの狐火、どこまで耐えられるだろうな?

藍夜と息合わせ
俺もオーラ防御しつつ
藍夜に抱えられたら高さ活かして敵の動き注視
次の攻撃先読みして藍夜へ声掛け
藍夜!右から来るぞ!

色々試す藍夜には苦笑
ったく…
こんな時でも愛おしくて

倒せたら制御チップ繋げてみる
お。大人しくなったか…?
なんだ。意外とこいつらも可愛いじゃねぇか



●雨降る路の先へ
 違法改造パーツを乗せ、ハイウェイを走る頭脳戦車達。
 事態の解決に訪れた御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)と楊・暁(うたかたの花・f36185)には、亀のようなフォルムをしたこの機体に覚えがある。
「ああ、こいつらあの時の……!」
「ハロウィンの時以来じゃないか、なぁ心音」
 視線を交わしあい、ハロウィンの夜のことを確かめた二人は身構えた。
 聞いた話によれば既にあの日に拾ったチップの解析と使い方は判明している。倒した後――即ち、現在の命令を消滅させた後。それを頭部に組み込めば、味方として再起動するらしい。
 今回、こうしてハコベールくんを利用できるようになったのも、以前の夜に藍夜達がパーツに興味を持ち、チップを入手したり調べる機会を得られたからだ。
 ただ倒すだけの展開にならなかったのは、藍夜や暁達の功績と言っても過言ではない。
「あの時のチップの使い時か」
 倒した後で試すと決めた藍夜の傍ら、暁は戦意を抱く。
「まずはこいつらぶっ壊さねぇとな……!」
「――妨害者排除」
「――戦闘モード以降。コード、ジンライ」
 対するハコベールくんは合成音声を響かせていた。喋ることはあるが、今回の機体は命令に忠実かつ対話が不可能なものらしい。彼らが運んでいる違法改造パーツを人間に組み込むと、おそらくこのようになるのだろう。
「さて、もう何も聞かん! 試したい気持ちはあった……が!」
「問うならこいつらじゃなくて親玉だな」
「試すべきは木端程度のこいつらじゃない、するならお前らの上司ってとこだ―!」
 藍夜と暁は意思を重ね、地を蹴った。
 その際に藍夜は暁の真の名を呼び、手を差し伸べる。
「おいで、心音」
「ああ」
 藍夜と暁は手を繋ぐ。そして、藍夜は暁を己の傘の下へと招いた。
「いつもの約束通り、な」
 愛しいお前を守れるように、力を尽くす。
 その宣言通り、藍夜は暁を抱いて地を蹴った。暁も防御陣を巡らせながら藍夜の身を守護する。突進してきたハコベールくんに対し、藍夜は差した傘で攻撃を往なした。
 避ければどうと言うことはない、と言葉にした藍夜に頼もしさを感じ、暁はしかと目を凝らす。
 藍夜に抱えられている今、何も不安はない。高さを活かして敵の動き注視した暁は、次に迫ってきた機体の攻撃を先読みしていた。
「藍夜! 右から来るぞ!」
「おっと、ありがとう心音」
 その声に反応した藍夜は即座に身を翻す。暁も彼に強く掴まり、己の力を発動させていった。
「……頼んだぞ、お前達」
 暁が喚んだのは九体の黒い子狐達だ。尾獣は主である暁を守るように前方に布陣し、次の命令を待っている。そして、暁は一斉突撃を願った。
「よし、お前ら。ぶちかまして来い……!」
 其処から放たれるのは至近距離からの狐火。相手がどこまで耐えられるかとして、双眸を細めた暁。それに合わせて藍夜は敵が突進してくる足元に鐵雨を擲ち、転倒を狙っていった。
 その際に暁の小狐達が敵の突撃に巻き込まれないように注意しつつ、ユーベルコードを巡らせる。篠突く雨の如き弾丸が頭脳戦車を穿っていく中、藍夜と暁は深く頷きあう。
 弾雨、更には黒い子狐達が素早くハコベールくんを攻撃していった。
「対話できないなら、呪いは?」
 試してみたかったことを実行するべき、藍夜は禁呪を乗せた一撃を放つ。機械といえど影響は出ているのか、相手の動きが大きく鈍った。
 その反応を見て興味を抱いている藍夜は、更に色々と試行しているようだ。
「ったく……」
 思わず苦笑しながらも、暁の心の裡には愛おしさが満ちていた。
 こんなときでも、きっとどんなときでも彼への想いは変わらない。どのような彼であっても、常に自分を隣に置いてくれるのだと思えば心に温もりが宿った。
 そうして、雨の弾丸と尾獣の連撃が敵を貫く。見事にハコベールくんを打ち倒した藍夜と暁は構えを解き、機能を停止したハコベールくんを見下ろした。
「お。大人しくなったか……?」
「違法パーツの方は回収しておくか」
 動かなくなった機体に歩み寄った二人はそれぞれの行動に移る。藍夜は違法改造パーツを仕舞い込み、暁は制御チップを取り出して頭脳戦車の頭部に繋げてみた。
「――命令を入力してください」
「――任務遂行、絶対に! 絶対に!」
 くるりと機体を回して起き上がったハコベールくんは可愛らしくも思える音声を響かせる。暁は静かに笑み、ハコベールくんの頭部を軽く撫でた。
「なんだ。意外とこいつらも可愛いじゃねぇか」
 ハコベールくんの操作はそれほど難しくはなさそうだと判断した藍夜と暁は静かに笑いあう。
 後はこの頭脳戦車に乗り込み、首魁の元へ走っていくのみ。
 ハイウェイでの戦いは未だ続く。されど隣に愛しい者が居れば、どんな困難も乗り越えていけるだろう。
 暁を抱いた藍夜は真っ直ぐに路の先を見つめ、此処からも巡る戦いに思いを馳せた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベティ・チェン
「こっちに、来るんだ。…当てやすい、かな」
「ドーモ、ハコベール・カメ=サン。ベティ、デス。ゴートゥ・アノヨ!イヤァアア」
ロケットエンジン搭載ハイスピードバイクを走らせながら自分の身長ほどある大剣(偽神兵器)振り回し秘剣乱打
寄ってくる敵を秘剣で串刺し貫通する
周囲に寄ってくる敵がいなくなるまで秘剣乱打続行
「寄ってくる相手を、そのまま切る、だけで済む。ベイビー・サブミッション」
「やっつけるのは、簡単だった、けど。ここからパーツ探し、するんだった…ブッダミット」
戦闘後スクラップ掻き分け違法パーツ探し
見つけたパーツはどんどん自分のバイクの後ろに積む
「えと、えと。これ、このままで怒られない、よね」
おどおど



●神殺しの疾風
 現在、ハイウェイで運ばれているのは違法改造パーツ。
 もしあのパーツが出回れば大変な事態が引き起こされる。罪なき人々の意識がAIに乗っ取られ、人の尊厳が奪われてしまうだろう。
 ベティ・チェン(|迷子の犬ッコロ《ホームレスニンジャ》・f36698)はロケットエンジン搭載ハイスピードバイクを走らせながら、ハイウェイを疾駆していく。
 その気配に気付いたらしい頭脳戦車、迅速ハコベールくんはベティに向き直った。
「――障害物、排除」
「こっちに、来るんだ。……当てやすい、かな」
 どうやら逃げるよりも応戦を選んだらしいハコベールくんは此方に向かってくる。好都合だと判断したベティはクラッチを握り、一気にスピードを上げた。
「ドーモ、ハコベール・カメ=サン。ベティ、デス。ゴートゥ・アノヨ!」
 イヤァアア、と掛け声をかけたベティ。
 彼女が振り回すのは自分の身長ほどある大剣だ。偽神兵器でもある剣を振り回し、秘剣を発動させた。それは神殺しの刃であり、途上の全てを貫通して目標まで到達する斬撃だ。
 その攻撃は乱打と呼ぶに相応しく、寄ってくる敵は次々と秘剣によって串刺しにされていく。
 圧倒的かつ強力な攻撃はあっという間にハコベールくんを蹴散らしていった。ベティは一切の容赦も隙も見せず、周囲に寄ってくる敵がいなくなるまで秘剣の乱打を続行していく。
 対するハコベールくんはベティとの戦いに最適な脚部に換装しており、衝突上等走行ルーチンを発動していた。だが、それは一度回避してしまえば空を切るだけの攻撃になる。
「寄ってくる相手を、そのまま切る、だけで済む。ベイビー・サブミッション」
 一気に辺りの敵を倒したベティはこくりと頷く。
 だが、問題は次だ。
「やっつけるのは、簡単だった、けど。ここからパーツ探し、するんだった……ブッダミット」
 割と派手に打ち倒してしまったため、辺りにはスクラップが散らばってしまった。それらを掻き分けていくベティは地道に違法パーツ探しを始める。
 これがもし何処かに流れてしまえば元の木阿弥。最初にパーツを奪取して破棄しようとしていた正義のハイウェイスターの努力も水の泡になってしまう。
 ベティは次々とパーツを発見していき、それらを自分のバイクの後ろに積んでいく。
「えと、えと。これ、このままで怒られない、よね」
 戦いの最中の凛々しさとは裏腹に、可愛らしい様子でおどおどしはじめるベティ。
 多分だけど大丈夫だと判断したベティは周囲にパーツが残っていないことを確認した後、そのままバイクを疾走らせていく。この先に待っているであろう、運び屋の首魁の元へ辿り着くべく――。
 エンジン音は激しく、ハイウェイに響いていった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『ハイウェイチェイス』

POW   :    邪魔する奴を体当たりで跳ね返す

SPD   :    最高速度でかっ飛ばす

WIZ   :    敵の移動ルートを読み、別ルートから攻める

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ジンライ・ウォーカーの妨害
「チッ……面倒なことになりがやったようだね」
 猟兵達が迅速ハコベールくんを倒し、主導権を自分達に移行したのと同時刻。ハイウェイの遥か先にいるジンライ・ウォーカーが何かを察して顔を上げた。
 どうやら配下のハコベールくんの反応が上手く拾えないことに気が付いたらしい。
「アイツらが倒されただけなら立て直せたが、アタシの命令が届かない状態にされたなんて……」
 厄介な相手がいると判断したジンライ・ウォーカーは肩を竦めた。
 違法改造パーツの回収もしたいが、其処までしてくる相手を自分に近付けるのも危険だ。逃げるか、それとも応戦するかを悩み始めたジンライ・ウォーカーは頭を振った。
「考えても仕方ないね。ひとまず追跡を振り切るか、ぶっ倒す! その時に決めりゃいい!」
 そして、ジンライ・ウォーカーは背負った荷物からある物を起動させた。

「――行け、ジンライ自爆ドローン達!」
 其処から解き放たれたのは何十、或いは百を超える程の小型ドローンだ。
 その名の通り、自爆機能を持つドローン達はハイウェイを逆走しはじめる。ドローン達は道路を走るものを標的として、素早く張り付いて爆発することで、都合の悪い物品や証拠を消し飛ばす役目を持っていた。
 何もせずにドローンから接触されれば爆発が起こる。
 だが、こちらから攻撃したり空中で打ち落とせば爆発は起こらない。
 たとえるならばスクロールアクションゲームの如く、ドローン達は迫ってくる。その間にジンライ・ウォーカーは更に先へ走っていくだろうが――それならば、こちらも高速でハイウェイを駆け、ドローンを次々と打ち落としながら進めばいい。
 攻撃と疾駆の両方を同時に行うための機体、迅速ハコベールくんも利用できる。
 どのようにハイウェイを駆けていき、どうやって自爆ドローンに対処するか。その選択と行動は今、此処に居る猟兵達に委ねられている。
 
山路・紅葉
🐰次は追いかけなきゃ、だね!
この可愛い子達を使うのもいいかもだけど…やっぱり、慣れた物の方が良いよね
それじゃあ、すぐに追いかけよう

|Bullet400UDC《バイク》を使って走り抜けるよーっ!
…何か追いかけてくる!さすがにこのまま射撃は危ないから…お願い織子ちゃん!

🐺ハイハイ、なんだかんだで出番ありそうね…『Black Bash』|浮遊篭手《フロートガントレット》ッ!
宙に浮く篭手を造り出し、それで寄って来る奴をぶん殴って追い払うわよ
…直接殴ってるわけじゃないから、そこまで楽しくないんだけど

🐰迎撃は織子ちゃんに任せて私は運転に集中、絶対に追いつくよっ

※協力・アドリブ歓迎


新田・にこたま
引き続き愛車で走ります。

ドローンにはドローンです。
敵の自爆ドローンに対抗するためにこちらもUCでドローン9機をミニパトから発進させます。100レベルで使用する技能は衝撃波。
敵のドローンが迫ってくるようであればこちらに接触する前にショックウェーブで弾き飛ばしてしまいましょう。衝撃波に特化したドローン9機による範囲攻撃なら撃ち漏らしはしません。

追跡の方も私のサイバーアイであれば敵の走った痕跡を見切りつつ、敵よりもシビアなコース取りを見極めることができます。こちとら|ミニパト≪装甲車≫です。多少の無茶は効きます。

ハイウェイの真の覇者は武装警官です。そのことを蒙昧な走り屋に思い知らせてやりましょう…!


ベティ・チェン
「Botを、Somethingにする作業?…チャメシ・インシデント」
ハイスピードバイクかっ飛ばしながら咆哮
空中のBotを音波で叩き落としながら高速走行する

「湖の魚は地引き網で取るべからず、だった?こんな場当たりで、足止めとか。考えなしにも、程がある」

「急いだヒキャクはカローシする。急がば回れ、急げば死。もうすぐキミに、死が追いつく」
うっすら笑う



●追撃ドローン撃墜戦
 ハイウェイの遥か遠くに位置しているという此度の首魁、ジンライ・ウォーカー。
 事件を拡大させないためには彼女を倒さなければならない。
「次は追いかけなきゃ、だね!」
 先を見据えた紅葉は次への思いを言葉にした。そして、先程に倒した迅雷ハコベールくんの残骸を見下ろす。
「この可愛い子達を使うのもいいかもだけど……やっぱり、慣れた物の方が良いよね」
「引き続き、私もこの愛車で走ります」
 紅葉が|Bullet400UDC《バイク》で走り抜けることを決めたのと同じように、にこたまもミニパトを使ってハイウェイを往くことを宣言した。
 同じくベティもジンライ・ウォーカーへの道筋を見据えながら、バイクのクラッチを握る。
「Botを、Somethingにする作業? ……チャメシ・インシデント」
「それじゃあ、すぐに追いかけよう」
「逃しはしません」
 ロケットエンジン搭載ハイスピードバイクをかっ飛ばしていくベティに続き、紅葉とにこたまもそれぞれの愛車を走らせていく。敵を追う為の速度はまさに疾風の如きものだ。
 勢いをつけて咆哮するベティが視線を向けた先には、此方に向かって進む――否、逆走してくるドローンの群が見えた。紅葉はベティが敵の接近を知らせてくれたのだと知り、気を引き締める。
「……何かが前から迫ってくる!」
「ドローンのようですね。明らかな道路交通法違反です」
 紅葉が声を上げると、にこたまは双眸を鋭く細めた。反対車線から来るのならば兎も角、猟兵達の真向かいから訪れるドローンはかなりの違反を侵している。
「空中のBot――それなら、こうするまで」
 ベティは音波を巡らせ、迫ってくるドローンを叩き落としながら高速走行していった。此処でドローンに気を取られてスピードを落とせば相手の思うツボに違いない。
 紅葉もそのことに気付いており、速度を弱めることなく進んでいった。
「さすがにこのまま射撃は危ないから……お願い織子ちゃん!」
「ハイハイ、なんだかんだで出番ありそうね」
 黒犬の織子を呼んだ紅葉は呼吸を整える。次の瞬間、膨大なオーラが周囲に広がった。
 ――Black Bash。
「浮遊篭手フロートガントレットッ!」
 織子は言葉と同時に浮遊する篭手を造り出し、寄って来るドローンを殴り抜く。自爆される前に追い払い、打ちのめすという単純かつ的確な戦法だ。
 直接殴っているわけではないのでそこまで楽しくない、というのは織子談。されどそのお陰で紅葉は難なくハイウェイでスピードを保つことが出来ている。
 紅葉達の動きが見事な連携だと感じつつ、にこたまも敵ドローンに狙いを定めた。
 目には目を、歯には歯を。それならば――。
「ドローンにはドローンです」
 にこたまは敵の自爆機に対抗するため、素早くユーベルコードを放つ。翁丸ドローンと名付けられた九機は一気にミニパトから発進していた。
 衝撃波を放ちながら飛び交うドローン達は敵機を穿つ。いくら自爆するものだとしても、接触する前にショックウェーブで弾き飛ばしてしまえば問題はない。
 それによって一体、また一体と敵ドローンが地面に撃ち落とされた。
「衝撃波に特化したドローン九機の動き、いかがでしたか?」
 その際、にこたまはまだ辛うじて飛んでいる敵機に向かって問いかける。そうした理由はきっと敵がドローンを通して此方の動きを見ていると判断したからだ。
 メッセージを送った後、にこたまは残っている一体も即座に打ちのめした。
 無論、追跡の方もぬかってはいない。にこたまのサイバーアイであれば敵の走った痕跡を見切りながら、敵よりもシビアなコース取りを見極めることができる。
「こちとら|ミニパト《装甲車》です。多少の無茶は効きます」
「頼もしい限りだね」
 にこたまの言葉を聞き、紅葉は称賛の言葉を送った。
 織子の攻撃が更に激しさを増していく中、ベティも人狼咆哮によってドローンを破壊している。これまでに爆発した機体がゼロであるのも、ベティが逸早く敵を発見して倒しているからだ。
「湖の魚は地引き網で取るべからず、だった? こんな場当たりで、足止めとか。考えなしにも、程がある」
 思いを言葉に変えたベティは次の一体に狙いを向けた。
 ドローンの数は相当なものだが、猟兵達が怯むような力は持っていない。
「急いだヒキャクはカローシする。急がば回れ、急げば死。もうすぐキミに、死が追いつく」
 うっすらと笑ったベティはハイウェイの先にいるジンライ・ウォーカーへの言葉を紡いだ。そして、紅葉は引き続き迎撃を織子に任せ、更に運転に集中していく。
「絶対に追いつくよっ」
「ハイウェイの真の覇者は武装警官です。そのことを蒙昧な走り屋に思い知らせてやりましょう……!」
 にこたまもミニパトを走らせ、最短距離を進んでいった。
 あと数分もしないうちに彼女達は首魁の元へと辿り着くことになる。その瞬間こそがハイウェイスピードバトルの終焉に続くことなる、幕開けのとき。
 即ち、終わりの始まりだ。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御簾森・藍夜
【朱雨】
おぉ
なるほど素直で可愛いな
さて乗って追うか
心音、一緒で

声をかけ心音と一体の上に乗る

邪魔ものは……――そうだな、撃ち落とすか
雨降らせたり凍らせてハイウェイで滑る訳にもいかんし純粋に撃ち落とす
心音すまん、俺ちょっと両手離す
認識されないなら余裕を持って撃ち落とす

駆動音からして数が多いと予測し、誘導弾、音響弾、跳弾等でドローンの標的を自分や心音は勿論、ハコベールからも逸らしながらUC
ナメたことなんざさせてたまるか

しかし……自爆ドローンか
あれどうにか撃ち落したら不発処理してパラし――……
ぐぅ。分かった
心音分った、ごめんしない、しないから……!
うくぐ
わかってる危なすぎることはしないって約束したんだ


楊・暁
【朱雨】

よっしゃ!ハコベールくん、頼んだぞ!
他の車にはぶつかんねぇようにな
おう!
俺が前での2人乗りでハイウェイかっ飛ばす

道路走るものが標的なら…UC発動
これで視認はできねぇな
さすがに熱感知とかまではねぇと思いてぇ…

藍夜に尻尾絡め支え

自爆ドローンだか何だか知らねぇけど、先に打ち落とせばいいんだろ?
藍夜の攻撃で落ちなかった奴を優先的に狙って
戦場全体への敵への電攻撃
聞き耳と気配感知で先制攻撃して、相手からの不意打ちも防ぐ
ハコベールくんにも攻撃して貰って、一気に片付ける…!

…藍夜?(にっこり
また改造してぇとか危ねぇこと考えてねぇよな?と視線に籠め
なら良し
じゃあ、ジンライ・ウォーカーとっ捕まえに行くぞ!



●不可視の進撃
「よっしゃ! ハコベールくん、頼んだぞ!」
「――任務遂行。たとえこの身が壊れどモード」
 暁の呼びかけに答えた機体、迅速ハコベールくん。猟兵の命令を聞く状態になっている頭脳戦車は従順な仕草を見せ、何処にでも乗って欲しいという視線を示した。
「おぉ、なるほど素直で可愛いな」
「他の車にはぶつかんねぇようにな」
「さて追うか」
「――了解」
 暁と藍夜の言葉に返答したハコベールくんは、高速移動モードに変形している。颯爽と其処に残った藍夜は暁を呼び、体勢を整えていた。
「心音、一緒でいいよな?」
「おう!」
 暁が前、藍夜が後ろへ陣取り、二人は一体の上に共に乗り込んだ。それと同時にハコベールくんが発進していき、ハイウェイを猛スピードで駆け始める。
 前方を見れば、此方とは逆に疾駆してくる幾つもの影が見えた。
 暁はあのドローン達の標的は道路を走るものだと判断し、己の力を発動させる。
 それは同伴者共に透明空間で包みこむもの。
「これで視認はできねぇな」
 藍夜に尻尾を絡めて支えた暁は双眸を鋭く細めた。此方が視認した以上、前方にいたドローン達は大まかな位置を見抜かれているかもしれない。
「さすがに熱感知とかまではねぇと思いてぇ……」
「邪魔ものは……――そうだな、撃ち落とすか」
 僅かに懸念を抱いた暁の後ろで、藍夜は的確な判断を下した。此方に向かってきている数体さえ即座に撃破すれば、後続の自爆ドローンは此方を認識すらできないはず。
「心音すまん、俺ちょっと両手離す」
「大丈夫、ずっと支えてる」
 雨を降らせて凍らせ、ハイウェイで滑る訳にもいかないので純粋に撃ち落とすしかない。そう告げた藍夜は先程から巻いてもらっている暁の尾にそっと触れた後、宣言通りに手を離した。
 其処から轟いていったのは幾重もの弾。
 駆動音からして数が多いと予測していた藍夜が繰り出すのは誘導弾に音響弾。更には跳弾を利用した連続攻撃。ドローンの標的を逸らすためにも弾幕が繰り広げられていく。
 自分や暁は勿論、ハコベールくんすら狙わせないという考えだ。尾に力を込めた暁は藍夜の攻撃で落ちなかった個体を狙い、雷を巡らせる。
「自爆ドローンだか何だか知らねぇけど、先に打ち落とせばいいんだろ?」
 既に先陣の自爆ドローンは地に落ちていた。耳をぴんと立てた暁は次々と迫ってくる敵機を見つめ、ハコベールくんにも攻撃を願った。
「前方の敵は頼む。あとは一気に片付ける……!」
「――迎撃開始」
「ナメたことなんざさせてたまるか」
 藍夜も更に攻撃の圧を強くしていき、ドローンが爆発する前に仕留めていく。
 そのままハイスピードで駆けるハコベールくんもフルパワーを出そうとしてくれていた。その際、ふと藍夜の視線がまだ倒していない機体に向けられる。
「しかし……自爆ドローンか」
「藍夜?」
 彼の呟きを拾った暁は首を傾げた。
「あれどうにか撃ち落したら不発処理して――……」
「……藍夜?」
 彼の思惑を察知して、にっこりと笑った暁の視線には或る思いが込められていた。
 ――また改造してぇとか危ねぇこと考えてねぇよな? と。
 暁の眼差しを受け、藍夜は一瞬だけ固まってしまう。自分がやりたいことを見透かされていたこともそうだが、暁の目が笑っていない。顔はこんなに笑顔であるのに、だ。
「ぐぅ。分かった」
「本当だな?」
「心音分かった、ごめん。しない、しないから……!」
 念押しするように振り向いた暁は、藍夜に顔を近付けた。その距離は額が触れ合うほどに近い。
 危なすぎることはしないと約束したゆえ、藍夜は衝動と興味を抑え込んだ。それこそが暁からの信頼や心配にしかと応えることだとして、藍夜は顔をあげる。
「なら良し」
 暁は納得した様子で、藍夜と同じ方向を見つめた。
 周囲のドローンは数少なくなっており、後は今までと同様に蹴散らしながら進むだけ。
「じゃあ、ジンライ・ウォーカーとっ捕まえに行くぞ!」
「ああ、行こうか」
「――全速前進」
 暁の呼びかけに藍夜が答え、ハコベールくんが更にスピードを上げていく。風の抵抗を減らすために屈んだ暁は機体をそっと撫で、それに倣って姿勢を低くした藍夜も前方の気配を探った。
 疾風の如くハイウェイを進む彼らの行く先。其処には、最後の戦いが待ち受けている。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニア・マシュマリー
せっかくだから私達はハコベールくんに乗ってみようかな!
えっと……。制御チップは入れてあるからあとは指示をすれば動いてくれる……。はず……。
それじゃあ、ハコベールくん。ジンライ・ウォーカーさんを追いかけて全力で走ってください!

わわ……。ハコベールくんのスピードすごい……。しがみ付いてるのがやっと……。って何か飛んできてます!?
しかも爆発もするみたいですけど……。攻撃したら爆発しないのかな……?
じゃあ私も……!え……。ニアはハコベールくんの上で動くと落ちそうだから僕に任せて?
うっ……。たしかにニアだと振り落とされそうだからシャルルお願いね……。
うぅ……。これだとどっちが猟兵に覚醒したのか分からないかも……。あ、そうだ!爪を使ってドローンを迎撃してるシャルルを強化することで私もちょっとでも貢献できるよう頑張ります!
これで私も少しは猟兵っぽく見えるよね……?

(アドリブ・連携大歓迎です)



●猟兵として
 ハイウェイを駆ける頭脳戦車、迅速ハコベールくん。
 元は迅雷運輸が流通させようとしている違法パーツを運んでいた子達だが、今は猟兵の言うことを素直に聞く状態になっている。此処に訪れたときのように誰かの車やバイクに乗せて貰うのも良い案だが、ニアが選んだのは頭脳戦車に搭乗すること。
「せっかくだから私達はハコベールくんに乗ってみようかな!」
 いいよね、とニアが確認したことでシャルルが尻尾をぴんと立てた。
 制御チップは既にハコベールくんに入れてあるため、後はどのように走るかの指示や操縦を行うだけ。
「えっと……」
 これで動いてくれるはずだとして、ニアはハコベールくんの上にちょこんと乗った。ニアを今回の主だと認識した頭脳戦車から可愛らしい声が響く。
「――ご命令を」
「それじゃあ、ハコベールくん。ジンライ・ウォーカーさんを追いかけて全力で走ってください!」
 モノアイの部分が明滅したことでニアは不思議な気持ちを抱いた。
 機械ではあるが、ハコベールくんにもある程度の感情が備わっているように思えたからだ。ニアの声に応じた頭脳戦車は最適な形態に装甲と足を変化させ、一気にハイウェイを駆けていく。
「わわ……!」
 ハコベールくんは自動運転モードが最良だと判断したらしく、ニアとシャルルの予想もつかないスピードと身のこなしでハイウェイを疾駆する。
「ハコベールくんのスピードすごい……」
 感心するニアは不思議なときめきを抱いていた。
 障害物があっても自動で避け、迫りくる敵のドローンにも反応して音声を響かせた。
「――敵影接近。ご注意ください」
「しがみ付いてるのがやっと……。って何か飛んできてます!?」
 警告されたものの正体が敵からの刺客だと気付いたニアは、すぐに身構える。次の瞬間、ニア目掛けて飛んできたドローンが爆発体勢に入った。
「――回避します。衝撃に備えて身を低くしてください」
「うん……っ!」
 ハコベールくんから告げられたことに返事をしたニアは、その通りにした。シャルルを抱え込みながら衝撃への覚悟をしたニア。刹那、ハコベールくんが急発進することで状況が動く。
 それまでニア達がいた射線で爆発が起こった。
 轟音と共に崩れたドローンはニアを捉えたつもりだったようだが、ハコベールくんの動きに翻弄されて何もないところで爆発してしまったようだ。
「あれ、爆発もするみたいですけど……。攻撃したら爆発しないのかな……?」
「――起動前に排除を推奨」
「教えてくれてありがとう、ハコベールくん。じゃあ私も……!」
 ニアがユーベルコードを発動しようとしたとき、シャルルがてしてしと腕を叩いてきた。どうしたの? と問いかけると黒猫はあることをニアに告げる。
「え……。ニアはハコベールくんの上で動くと落ちそうだから僕に任せて?」
 シャルルはニアを心配しているらしく、攻撃役を担うと宣言した。
 先程、しがみついているのもやっとだと感じた以上、シャルルの言い分ももっともだ。ニアはハコベールくんにしっかりと掴まりながら頷く。
「うっ……。たしかにニアだと振り落とされそうだからシャルルお願いね……」
 するとシャルルは大きく胸を張った。
 迫りくるドローンに狙いを定めた黒猫は鋭い爪を差し向け、素早く跳躍することで接近される前にドローンを切り裂いていった。その活躍は見事であり、ニアは応援に回ることにした。
「うぅ……。これだとどっちが猟兵に覚醒したのか分からないかも……。あ、そうだ!」
 ふとしたとき、ニアは名案を思いつく。
 果敢に戦ってくれているシャルルだが、接近するドローンの数は相当なものだ。このまま迎撃を続けていれば不意に一撃をくらってしまう可能性も高い。
「星に願いを。あなたに癒しを」
 ――スターライト・ヒーリング!
 ニアはキラキラと輝く星の力を巡らせていく。シャルルとニアは固い絆で結ばれているのだから、これでシャルルの力も更に増加するだろう。
「シャルル、私もちょっとは貢献できてるかな?」
 自分達だけではなく、同様にハイウェイを進む猟兵達の癒やしにもなれているはず。そう感じたニアが問うと、シャルルは「もちろんだよ!」と言うように視線を向けてきた。
 そして、シャルルは更に爪を振るうことで敵ドローンを打ち落とし続ける。ニアはシャルルの頼もしさと、仲間と共に戦う快さを感じながら星の力を拡げていった。
「もっともっと頑張ります! これで私も少しは猟兵っぽく見えるよね……?」
 気合いの入った言葉を紡いだ後、ニアは年相応の表情をみせる。
 シャルルだけではなく自分も猟兵として戦えるのだと知ったニアは、そっと自信を持った。そのとき、ニアはドローンのうちの一体が奇妙な動きをしていることに気が付く。
 その一体だけは周囲を飛び回るだけであり、なかなか飛び掛かって自爆しようとしないのだ。
 はっとしたニアはあのドローンが此方を見ているのだと判断した。おそらくではあるが、搭載されたカメラで此方の様子を確認しているのだ。
 映像を送る先はきっと――ジンライ・ウォーカーのもと。
「ジンライ・ウォーカーさんでいいのかな? 私達を見ていても何にもなりませんよ……!」
 監視されているのならば、それを利用してしまうのも手だ。敵は此方の戦力や戦い方を見て逃げるか、応戦するか考えているのだろう。しかしどちらも選ばせない。
「今からあなたのところに行きます……! えっと……首を洗って待っていてください……!」
 ニアは精一杯の挑発を言葉にしていく。
 この台詞であっているかな、と内心はドキドキだったが、おそらく上手くいっただろう。今頃ニアの映像を見たジンライ・ウォーカーは何らかの反応をみせているはずだ。
 そして――。
「シャルル、あの子を倒して……!」
 ニアの呼びかけによってシャルルが爪を振るい、監視用ドローンは地面に落とされた。
「――敵撃破、完了。任務を遂行します」
「ハコベールくんもお願い……。行きましょう!」
 更にスピードを上げていくハコベールくんに掴まり、ニアとシャルルは前を見据える。
 仲間達と共にすべてのドローンを排除した先。其処に待ち受けるのは――否、猟兵達が追いつくのは、此度の首魁。倒すべきものの元へ急ぐべく、ニアは強い意思を抱いた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ジンライ・ウォーカー』

POW   :    ブルータル・ウォーキング
単純で重い【義体化脚部】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    アンチトラフィックジャム・メソッド
自分の体を【周囲に構わず突撃させる】させる攻撃で、近接範囲内の全員にダメージと【転倒】の状態異常を与える。
WIZ   :    ブラックワーク・オーバードーズ
【休憩なしでの連続勤務】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。

イラスト:ヘッツァ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠高峰・勇人です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●疾風迅雷の戦い
 足止めと監視用ドローンが全て倒されたことで、ジンライ・ウォーカーは焦っていた。
 違法パーツは猟兵が所有しており、何体かの迅速ハコベールくんのコントロールは奪われている。
「このままだと上司にドヤされるのは間違いないな。しかしなぁ、ドローンの映像から奴らが厄介なのはわかっちまったし……ああ、もどかしい!」
 逃げるか、戦うか。彼女は迷っていた。
 どちらにしても猟兵が黙っていないことはジンライ・ウォーカーにも分かっている。それならば、と顔を上げた彼女は地を強く蹴った。
「難しいことは考えなくていいよな。アタシは逃げなから戦う。追ってくるなら返り討ちにするだけ!」
 裏切り者のハコベールくん諸共、ついでにパーツも奪い返せればいい。
 ハイウェイを走るジンライ・ウォーカーは、上手くいけば一挙両得の作戦だと考えていた。だが、彼女を追う猟兵からすればどっちつかずの作戦にも思えるものだ。
 されど、猟兵がやることは変わらない。
 このままハイウェイを駆けながら敵を追い、討ち倒す。
 そのための戦いが今此処から始まっていく。いざ、最終決戦へ――!
 
新田・にこたま
よし、追いつきましたね。
どうやらこちらへの迎撃にも意識を割いているようですが、有難い話です。
元々逃がす気はありませんでしたが、これでかなり戦いやすくなりました。
まあ、このままただ逃げ帰っても未来がないからこその選択なのでしょうが…メガコーポ勤めも大変ですね。同情しますよ。同情するだけですけど。

というのは置いといて、見える距離まで来たら後はシンプルです。
ロケットブースター展開、そのまま起動、点火…カウントダウンスタート…3、2、1…ファイア!!

UCを発動してミニパトによる低空飛行で突撃します。この加速を迎撃できるものならやってみてください。

まあ、返事はありませんよね。音も置き去りにしましたから。


山路・紅葉
🐰ま、また追いかけなきゃ…
でもどうしよう、乗ったままだと、私はあまり攻撃が出来ない感じだし…
…ここは思い切って、別の作戦を取ろうっ

ある程度進路を予測してその先にある高い位置へと移動、待機
そこから「フェンリル」を使って狙撃するね
少し位、位置が遠くても『Black Bringer』の力で届かせる!
これで少しでもスピードを遅らせられれば仲間が追いつくと思うし
上手く行けばそのまま足を奪って倒せるかもっ

※協力・アドリブ歓迎



●疾さの限界へ
 此度の運びの首謀者かつ首魁、ジンライ・ウォーカー。
 違法改造パーツの運び屋にして、此度の件を取り仕切っていた責任者とも呼べる者だ。
「よし、追いつきましたね」
 ジンライ・ウォーカーの姿を捉えたにこたまは相手の様子をしかと観察する。どうやらジンライ・ウォーカーは高速で進みながらも此方を気にしており、あわよくば猟兵を撃破しようと考えているようだ。
「ま、また追いかけなきゃ……」
 紅葉も敵影を確認しながら、戦いへの思いを抱いている。
 しかし、相手は素早い動きで此方を翻弄しようとしていた。ハイスピードバトルと銘打つに相応しい攻防が此処から巡ることは誰の目にも明白だ。
「でもどうしよう、乗ったままだと、私はあまり攻撃が出来ない感じだし……」
 ジンライ・ウォーカーは戦いやすいのだろうが、紅葉としてはこの形では後れを取ってしまうかもしれない。
 それならば――。
「……ここは思い切って、別の作戦を取ろうっ」
 決意を抱いた紅葉は、これまで共に戦ってきた仲間であるにこたまに視線を送った。すぐ後方から追いかける役は武装警官であり正義の味方でもあるにこたまに任せるのが相応しい。
 その間に紅葉は別方向へと進んでいった。
 仲間からの信頼を受け取ったにこたまは、そのままジンライ・ウォーカーを追跡していく。
 ミニパトの速さと多足の移動はほぼ同スピードだ。相手の方が先へ進んでいる以上、これよりも上の速さを出さなければいけないのだが、にこたまにはしっかりとした策がある。
「どうだ、追いつけないだろ!」
「元々逃がす気はありませんでしたが、これでかなり戦いやすくなりました」
「何!?」
 ジンライ・ウォーカーは此方を翻弄するつもりだったようだが、にこたまは全く動じていない。逆にそのことに驚いた敵を見遣り、にこたまはユーベルコードを巡らせた。
 発動、正義のROCKET DIVE。
 相手が見える距離まで来たならば後はシンプルでいい。
 ロケットブースター展開。そのまま起動させれば、点火のカウントダウンがスタートしていく。
「――三、ニ、一……ファイア!!」
「!?」
 其処から繰り出されるのはスピードに比例した激突ダメージ。素早く動くジンライ・ウォーカーであっても逃さぬ、にこたまのミニパトは激しくハイウェイを駆けた。
 その際、跳躍してきたジンライ・ウォーカーが義体化脚部の重撃を叩き込もうとしてくる。
「このっ!」
「甘いですね」
 ミニパトを操作したにこたまはその一撃を華麗に避けた。そして、彼女は相手に視線を向ける。
「まあ、このままただ逃げ帰っても未来がないからこその選択なのでしょうが……メガコーポ勤めも大変ですね。大いに同情しますよ」
「それなら見逃し――」
「ええ、同情するだけですけど」
 あくまで感情だけだと主張したにこたまは更なる攻撃を放っていく。ミニパトによる低空飛行での突撃は上手く相手にダメージを与えられているようだ。
 そして、ジンライ・ウォーカーが敵に気を取られている間に、紅葉は作戦に移っていた。
「これでいける……!」
 紅葉は此処がハイウェイであることを利用している。進行方向はひとつのみ。相手が分岐点で下りるようなこともないと読んだため、先にある交通標識の上まで移動したのだ。
 そして、其処で待機していた紅葉は大型対物ライフル、フェンリルをしかと構えた。
「――今っ!」
 近付いてくるジンライ・ウォーカーを狙った紅葉の狙撃は的確だ。位置が遠くとも黒犬のオーラを纏った弾丸は決して外れることはない。
「もっともっと、この力で届かせる!」
 これで少しでも相手のスピードを遅らせられれば、後続の仲間達も追い付いてくれるだろう。それに上手く行けば、そのままジンライ・ウォーカーの足を奪って倒すに至る。
「くっ……逃げ帰ったんじゃないのかい、お前」
 敵は紅葉からの狙撃を受け、足を負傷していた。反撃が繰り出されることを察知した紅葉は防御態勢に入りながら、ハイウェイ上の仲間達に追撃を願った。
「お願いします……!」
「任せてください。さぁ、この加速を迎撃できるものならやってみてください」
 紅葉の言葉を受け、にこたまが更なる突撃を行う。
 轟音が響き、ジンライ・ウォーカーの多脚が何本か、曲がってはいけない方向に捻じ曲げられた。だが、相手からの返答や言葉はない。
「――ッ!?」
「……まあ、返事はありませんよね。音も置き去りにしましたから」
 にこたまは静かに双眸を細め、仲間達に視線を送る。
 そして、戦いは此処からも続く。
 猟兵は果敢に進む。この攻防のスピードが落ちたとき、それが終わりの合図だと感じながら――。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

綺咲・ノア(サポート)
次世代の探偵騎士の一人だ。
皆が幸せになる解決法を提示したり、事件が起こる前に解決できるような"名探偵"を目指しているぞ。
同時に"騎士"だからな戦って人々を守る事も大切だと思ってる。

指定ユーベルコードを使いながら戦闘や推理をいい感じに行うぞ!

絶対では無いが、なにか推理をする時は
『─さて、』
からはじめてもらえると少し嬉しいな。ただ無理していれなくても大丈夫だ。

UCを使わない通常戦闘なら|複合護身術《バリツ》が得意だ。


多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●ハイスピード・バリツ
「――さて、今度の事件は」
 綺咲・ノア(人間の探偵騎士・f35956)は今、現状を整理していた。
 事件の舞台はサイバーザナドゥ。違法改造パーツを運ぼうとしていたメガコーポ、迅雷運輸による企みを事前に潰すことが目的だ。
 此度の首魁であるジンライ・ウォーカーはハイウェイ上を疾駆している。
 それゆえにノアは現在、制御チップを搭載した頭脳戦車――迅速ハコベールくんという機体に乗っていた。
「まさかこんな状況に出くわすなんて」
 荒事の只中ではあるが、探偵騎士の一人として悪は放っておけない。違法パーツをのさばらせてしまえば皆が幸せになる未来は絶対に訪れないだろう。
 それにまだ事件が起こっていない状況を華麗に解決するのが名探偵である。
「見つけた。あれがジンライ・ウォーカー……犯人だっ!」
 敵の姿を確かめたノアは身構え、高速で疾走るハコベールくんの機体を強く蹴った。そのまま跳躍したノアは|複合護身術《バリツ》で以て敵を足止めしに向かう。
「何だとッ!?」
 更なる猟兵の訪れに驚いたジンライ・ウォーカーは両腕をクロスさせて防御しようとする。
 だが、ノアはその天賦の才で以て成功率を高めていた。
「さぁ、くらうといい!」
 繰り出した一撃は敵を貫き、ノアは相手の機体を蹴ることで再びハコベールくんの上に戻る。見事な身のこなしで身構え直したノアは、周囲の仲間達を見渡した。
 今の一撃によってジンライ・ウォーカーは弱ってきている。このまま行けば勝利を掴めるはずだと感じたノアは静かに頷き、二撃目を見舞いに向かった。
 目指すは事件の解決。その瞬間は今、すぐ其処まで迫っている。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

ニア・マシュマリー
ハコベールくんすごく良い子だね!このまま連れて帰りたいくらいだけど……。ダメかな……。どう思うシャルル……?

って言ってる場合じゃなかった!?
あの人を追いかけないとだね!
ハコベールくんお願いします!

距離を詰めたら今度は私が頑張ってみるね……!
足に魔力を集めて……。あとはチャンスに一撃だけでもってこっちにジンライ・ウォーカーさんきてます!?ひゃわー!

いたた……。シャルル大丈夫!?シャルルも無事だったんだね。よかった……。ハコベールくんは……。……!ハコベールくんが……。
あんなに良い子だったのに……。ニア……。あなたを許さない……!

悪い子にお仕置きをするために……。足にぎゅって魔力を集めるの……。
キラキラ輝く星月の光……。それを刃に変えてあの人目掛けて全力で解き放つね……。

全部終わって時間があれば……。ハコベールくんにありがとうとお疲れ様を伝えたいですね……。

(アドリブ・連携大歓迎です)



●ありがとうとさよなら
 ジンライ・ウォーカーを追うハイウェイ上。
 ニアとシャルルは引き続き頭脳戦車に乗り、敵の元を目指して進んでいた。
「――全速前進」
「ハコベールくんすごく良い子だね!」
「――カーブ接近。大きな揺れに気をつけてください」
「わかった……。ありがとう!」
 共にドローンを撃退したことによってニアはすっかりハコベールくんの乗り方にも慣れている。素直に言うことを聞いてくれる状態の頭脳戦車は、先程からニアを気遣う様子も見せていた。AIとはいえど、其処に意思のようなものが感じられるのがニアにとっては嬉しいことだ。
「このまま連れて帰りたいくらいだけど……。ダメかな……。どう思うシャルル……?」
 ニアは腕に抱いた黒猫に問いかけてみる。
 しかし、その返答が紡がれる前にニア達がハッとした。
「って言ってる場合じゃなかった!?」
「――目標発見」
「そうだねハコベールくん。あの人を追いかけないとだね!」
 ジンライ・ウォーカーの背が見えたことでニアは頭脳戦車にスピードを出すように願う。その言葉に応じたハコベールくんは懸命にタイヤを回転させ、一気に敵へと近付いた。
「チッ、また追手が来やがったね。しかもあのガキ……」
 相手はニアの接近に気が付いて舌打ちをする。先程にドローンから此方を見ていたらしいジンライ・ウォーカーはニアを見るなり肩を落とした。
 十分に距離を詰めたと察したニアは掌を強く握り、懸命な言葉を敵に向ける。
「もう逃げられませんよ!」
「裏切り者が」
 しかし、ジンライ・ウォーカーが睨み付けていたのはハコベールくんの方だった。猟兵がチップを使った結果だとしても向こうにとっては配下が裏切った扱いなのだろう。
 ハコベールくんにも敵意が向いていると察したニアは、次は自分が頑張る番だとして己を鼓舞する。
「今度は私が……!」
 ニアは足に魔力を集めていき、いつでも攻撃を仕掛けられるように備えた。その間も敵も頭脳戦車も素早くハイウェイを駆けていく。後はタイミングとチャンス次第だ。
 既に他の仲間もジンライ・ウォーカーへと突撃や狙撃を行っており、相手も追い詰められかけている。
(「一撃だけでも!」)
「ぼんやりしてんなよ、ほら!」
「――危険、危険!」
「こっちにジンライ・ウォーカーさんきてます!? ひゃわー!」
 すると物凄い勢いで敵が突っ込んできた。ハコベールくんから危機が報せられたことで、シャルルとニアは大きくジャンプした。同時に鋭い衝撃がニア達に襲いかかる中、ぐらりと視界が揺れる。
 しかし、すぐにハコベールくんの機体がふたりを受け止めてくれた。
「いたた……。シャルル大丈夫!?」
 体勢を崩しそうになりつつ、ニアはシャルルを抱き寄せる。どうやら黒猫も直撃は避けたらしく、大きな傷などはないようだ。だが――。
「シャルルも無事だったんだね。よかった……。ハコベールくんは……」
「――ダメージ状態、半壊。被害は甚大」
「……! ハコベールくんが……」
 ニアは息を呑む。
 何故なら、先程まで乗っていた頭脳戦車の半分がジンライ・ウォーカーの突撃によって壊されていたからだ。しかしタイヤ部分と搭乗部位は残っており、ハコベールくんはその部分で落ちてきたニアを受け止めたのだ。
「――しかし、ますターは無事。このまま、任務ヲ続行シます」
「残念だったな、最初からアタシの狙いはそいつだったのさ! あはは!」
 ジンライ・ウォーカーは壊れゆく頭脳戦車を見遣り、高らかに笑った。裏切り者である機体を動かしておく理由などないといった様子だ。されど、ハコベールくんは最後の力を振り絞ってニアを運び続けている。音声は不明瞭になり発音もたどたどしくなっているが、何とか動いているようだ。
「ハコベールくん!」
「――会話モード、続行不可能。お気ニなさらず、どウカ任務の遂行を。――ニア、さん……」
 ハコベールくんは最後にニアの名を読んだ。
 まるで、ワタシの分まで、と告げてくれたかのような響きだった。ニアは半壊してもなお走り続けてくれているハコベールくんに礼を告げ、強い思いを抱く。
「あんなに良い子だったのに……。ニア……。あなたを許さない……!」
「許さないのはこっちもだよ!」
 ニアとジンライ・ウォーカーの眼差しが交錯した。足に集わせた魔力を解放していくニアは絶対に敵を倒す覚悟を決めている。そして、次の瞬間。
「キラキラ輝く星月の光……。星の導きの示すままに!」
 ――スターライト・エアリアル。
 ティンクルスターを足場として出現させたニアは敵まで一気に駆け抜けていく。後方では完全に壊れたハコベールくんが停止した音が響いていた。
 だが、ニアは振り返らない。この戦いを終わらせることが任務の遂行であり、ハコベールくんが最後に願ってくれたことだからだ。
 魔力を刃に変えたニアはジンライ・ウォーカー目掛けて全力の一閃を解き放った。
「この力は……ッ! 何だと!?」
「これはハコベールくんの分。それから……。これがニア達の思い!」
 ニアがシャルルと共に鋭い一撃を叩き込めば、他の仲間達の攻撃が次々と敵に与えられた。
 ノアの一撃、にこたまの突撃、それから紅葉による狙撃。すべての力が集結したことでジンライ・ウォーカーは大きく吹き飛ばされ、ガードレールに叩きつけられた。
「ぐ……あ……此処までか……」
 ジンライ・ウォーカーは観念したらしく、その場に倒れ込む。
 彼女はそのまま完全に動きを止めた。それ以上は何も語らず、動き出すこともなくなった機体。其処から光が消えたことで猟兵達は勝利を確信した。

 こうして違法改造パーツの事件は幕を下ろした。
 ハイウェイに散らばったドローンの残骸や、倒れ伏した迅雷運輸の機体達は有志によって片付けられることになるだろう。後は制御チップを搭載したハコベールくん達だが――。
「一緒に連れていくことは出来なかったね……」
 黒猫を抱いたニアは自分が乗っていた頭脳戦車の残骸を見下ろしていた。一時的ではあれど、マスターとなったニアを守護しきったハコベールくんの勇姿は見事だった。
 残っていた頭部パーツの一部を撫でたニアは涙が出そうになるのを堪える。
「ありがとう……。ハコベールくん」
 そして、お疲れ様。
 猟兵として歩む為の道標を貰えた気がしたからこそ、此処で泣くことはしたくなかった。心からの感謝を抱いたニアは立ち上がり、遠い空を見つめる。
 その瞳には、静かながらも強くて凛々しい決意が宿っていた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年02月22日


挿絵イラスト