#けものマキナ
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「ナンダッテメッコラーッ!」
「ヤンノカコラーッ!」
「ジョートーキメテンジェネーゾコラーッ!」
「スカシテンジャネッコラーッ!」
恐ろしい怒号の飛び交う戦場。西と東に布陣する二つの集落同士の抗争だ。
「一触即発、と言うか開戦秒読み段階と言った所か……ミッションの概要を説明する」
(自称)レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)がいつもの如くゆったりと椅子に座って手を組んでいる。
「現場はけものマキナ。二つの集落の抗争に介入……する事自体が目的と言う感じだな。別に抗争を止めろと言う話では無いし、どっちかを勝たせろと言う訳でもない」
西の集落は獣人、動物の特徴を強く持つケモノだがヒトに近い骨格をした者達。
東の集落は同じ動物の特徴を持っていても半身が馬だったり、蜘蛛だったり、腕が翼だったりするモンスター種。
「ケモナーVSモンスター、と言った所か。まあ、別にどっちが勝っても誰かが困る事は無い。これは、お祭りのような物だ。だから止めようとするのも野暮って物だな……参加する分には別に構わんだろうがな」
実際に殺傷能力を伴う攻撃が入り乱れるのがお祭りだという。どったんばったん大騒ぎだ。
「けが人は出て当然だが、負傷を治すデモンズコードは当然確保しているのだろう。だが、死者を蘇らせる事は出来ない。だから、倒れた相手に止めを刺すのは厳禁だ。最も、本気で殺そうとしなければ死なない程頑丈だから手加減する必要も無い。好きにやれ」
マキナ種も二脚人型が西、それ以外は東に分れているようだ。
「どっちの陣営に加勢するかは好きにしてくれていいぞ。まあ、相手陣営に見える種族だと紛らわしいからなぁ……自分がどっちが近いかは自己申告でいい」
猟兵の大半の種族は西のケモノ陣営の様な気もするが、東のモンスター陣営とて少なくは無い筈である。
「当然だが、猟兵同士の激突もあり得る」
猟兵が二つの陣営に分かれて戦う以上、それは普通に起こり得る事だ。
「さっきも言ったが、どっちが勝っても特に問題はない。何なら自分で第三陣営作っても……ややこしくなるからあまり推奨はしないが……まあ、好きにするがよい」
椅子に深く座って偉そうに手を組むレイリス。
「私は見えた事件を解説するだけ……今回は、本当にそれだけだ」
そして、けものマキナへと繋がる転送用のゲートを開く。
「では、往くがよい」
Chirs
ドーモ、Chirs(クリス)です。戦争も終わったのでぼちぼち再開な。
今回はPVPアリの抗争シナリオとなっております。東西どちらの陣営に付くのかはプレイングで明記してください。基本的には猟兵が多く参加した陣営が勝つ感じにはなると思いますが、プレイング次第では少数で逆転もあり得るでしょう。お誘いあわせの上ご参加ください。
なお、私はモンスター派閥です。
ヘルシーは諦めたのでいつも通りアドリブも連携もマシマシになります。ある程度の人数が集まってから書き始めます。皆さんにケモノVSモンスターの人外癖大戦を提供出来れば良いなと思う所存でございます。
第1章 日常
『プレイング』
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POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
イラスト:仁吉
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
木霊・ウタ
心情
介入自体が目的…
今後の布石ってカンジ?
それはともかく参加するからには
勿論勝つつもりで行くぜ
ところで東西で争っているのは
何か特別なワケがあんのかな?
行動
紛らわしいとアレなんで西の集落で
今回も獣耳カチューシャを装着
獄炎纏う焔摩天を振るって
東陣営を薙ぎ払う
色々と特性のある敵が多そうだから
爆炎ブースターでの加速や跳躍、位置どり
迦楼羅の炎翼で空中戦など
適宜対応する
西陣営で倒されそうな奴がいれば庇う
頑丈みたいだけど
倒されないで済むならその方がいいもんな
相手が猟兵でも手加減なしだ
胸を借りるつもりで挑む
勝っても負けても経験値にする
勝敗が決した後ギターを奏でる
どっちもお疲れさん
●色々気になる事
「介入自体が目的……今後の布石ってカンジ?」
「別にそういう訳でも無いが、けものマキナの文化を知るにはいい機会だろう」
出撃前のグリモアベースでの一幕。
「文化を知る、か。確かに他の世界は発見されると同時にある程度の情報が入るよな」
「グリモア猟兵ならなんか何となくどんな世界か分かるんだよなぁ……」
まだ見ぬ世界の筈なのに、何故かよく知っている世界が出てきたような妙な気分だ。
「けものマキナはそうじゃなかったって事か?」
「観測しているグリモア猟兵が少ない事に起因しているのかもしれん。情報自体はいつもより多い位なんだがな」
他の世界と比べると、ワールドガイドの情報量は実際多い。そこまで事細かに説明する事があるのかと言うとそうでも無かったりはするのだが。
「アライアンス、と呼ばれる世界はそういう傾向にあるな」
「アライアンス?」
「最近、そういう呼び名で統一された」
「じゃあ、前はなんて呼ばれてたんだ?」
「……その質問は、世界の機密に触れる」
厨二語で誤魔化したが……まあ、メタい話は置いておこう。他のアライアンス世界も興味はあるんだが、いかんせん手が回らん。
「そうか、なんか言っちゃいけない事があるんだな」
「うむ、未来が見えるというのはそういう事だ」
ぶっちゃけると、言っちゃいけない事はそこまで多くは無いんだが……むしろ、少なさに驚くレベルで。グリモアを持てば分かる。
「ところで東西で争っているのは何か特別なワケがあんのかな?」
「ああ、それか? えーっと、確かこれだな」
動画をスワイプして、スクリーンを表示させる。
「結局よぉ、お前らは動物もどきだよなぁ?」
「何ぃィ!?」
どこかの酒場のようだ。獣人とモンスターが言い合っている。
「確かに、二足歩行で馬より早く走るのは無理があるわね」
「背中から翼生えてるより、腕が翼の方が早いにゃー」
「ニンゲンみたいに手足一本ずつだしね」
「なんだとコラァ!」
「多けりゃいいってもんじゃねぁねぞ!」
「下半身馬とか下半身蜘蛛の方が色々無理あるだろ!」
言い返す狼男と熊男。
「手足一対の方が色々バランスがいいんだよ!」
「アナタたち、着れる服少ないでしょ?」
「ほんっと、服って言うかボロキレ巻き付けてるだけよねぇ?」
ケットシーと妖狐が嘲笑する。
「アーッ! テメーそれ言ったら戦争だって分かってんのかコラァ!」
「チョーシコイテジョートキメテンジャネーゾコラーッ!」
「ワドルナックンコラァー!」
「このような具合で始まった」
「特別な訳は無さそうだな」
酒の席の口論でそのまま集落間抗争になるの知能指数が低くないか? と、思わないでも無いが。
「要はお祭りだ。神輿が担げれば担ぐ神輿は何でもいいのだ」
「そういう物か」
「そういう物だ。そろそろ、行った方がいいんじゃないか?」
「ああ、行って来るぜ」
●開戦
「「「「「ウオオオオオオォォォーーーッ!!」」」」」
鬨の声を上げながら沢山のケモノとモンスターが西と東からぶつかり合う。
「凄い光景だな」
獣耳カチューシャを付けた木霊・ウタはそれを上空から迦楼羅の背の上で見た。勇ましく突っ込んで行く者達、様々な銃を構える者達、大砲を担ぐ者達、何機かのキャバリア。
原始的な肉弾戦から、高度な機械を用いた砲撃まで、全てが混然一体としている。その光景はある種幻想的ですらあった。
猟兵は定期的に戦争をしてはいるが、実の所大戦力同士が正面からぶつかり合う機会は滅多にない。シルバーレイン出身の猟兵の中にはそう言った大規模戦闘を経験した者も居るようだが。
「こりゃ、確かにお祭りだ」
この一戦は世界の命運を左右する物でも何でもない。皆が集い、酒の肴に大暴れするだけ、ただそれだけだ。背負う物など何もない。
にも拘らず真剣に実銃にキャバリアまで持ち込むのは大分イカれているとは思うが。
「お祭りなら楽しまないとな!」
ウタは迦楼羅を羽ばたかせて、敵陣上空へと突っ込んだ。
「敵襲!」「敵襲!」「なんか火の鳥が突っ込んで来る!」「迎撃!」「迎撃!」
器用にも足で銃を持ち、飛びながら銃弾を浴びせて来るハーピー達。
ウタは銃弾を獄炎で溶かし払いながら反撃を入れようとする。
「早いな!」
相手の動きが早い。爆炎ブーストを込みでも一足一刀の位置取りが出来ない。
「囲めー!」「弾丸の味はどうだー!」「もっと銃弾を受けるがいいよ!」
BTATATATATATATA!!
|サブマシンガン《短機関銃》よりは重く、|ライトマシンガン《軽機関銃》よりは軽い、運用的にはPDWだろうか。器用にも鳥の脚でリロードまでしている。
相手は産まれた時から空で生きる事が決まっている生き物だ。空中戦は分が悪い。
「害鳥駆除はこっちに任せろ!」
「こっちが相手だ!」
ウタが追い回している間に味方のバードマン達がコンバットショットガンを手に合流して来た。空対空なら散弾銃が有効だ!
「ピィィー!」「何のよさ!」「逃げろ逃げろー!」
「逃がすかこんにゃろー!」「マテッコラーッ!」
ハーピーPDW隊は一目散に散開。バードマンの方が装備が重い分追撃は困難。だが、一先ずの航空優勢は取れた。
「次はこっちだぜ!」
だから、ウタは大上段から獄炎纏う焔摩天を振り下ろしながら着地した。
「グワーッ!」
その場にいたアラクネ無残!
「さあ、始めようぜ!」
「はーい、緊急車両通りまーす」
「道を開けてくださーい」
「おっと」
サイレンを鳴らしながら赤い十字マークの帽子をかぶった別のアラクネが現れると、周囲は一斉に武器を下ろした。
「いってぇー! 脚が! 脚が二本位飛んだ!」
「同じアラクネなんだから後六本も残ってるしへーきへーき」
「ちゃんとくっ付けますからねー」
「……やっちまってからで何だけど、本当に大丈夫か?」
斬った本人であるウタはやや不安げに声をかける。
「あ、おにーさん気にしなくていいっす。いい|奇襲《アンブッシュ》だったっす」
斬られた側からも大げさに痛がっちゃったけど悪い事したかなー感が出ているので本当に大丈夫なようだ。
「何だにいちゃん、イクサ初めてか?」
「その割にやるじゃねぇか」
「ああ、ありがとな。戦うのは慣れてるんだけどな」
蜘蛛糸で怪我人を担ぎ上げて、あっという間に退散していく。なんか、知っている戦いとは少し違う。
「「「スッゾコラーッ!!」」」
即座に戦闘再開! 何とも奇妙な光景ではあるが、致命傷を負った者が出るとあのように救護班が出動して回収していく。その間は一切の戦闘行為は禁止となる。これは明確なルールであり、誰も居反する気は無いようだ。誰も自分が回収される時に邪魔されたりはしたくない。
「炎使いはマズいって!」
「それが分かってるから飛び込んだんだぜッ!」
アラクネと言う種は半身が蜘蛛であり巨躯ではあるが、その戦い方は主に糸を使って行う。四対八本の脚は蛸のように自由自在に動かす事は出来ないが、生体機織機めいて糸を使った物ならば誰よりも巧みに操る。壁や木に張り付き、立体起動すら行うが広い所での開戦を行うには正直向いていない。それでも参加したのはこれがお祭りだからだろう。
普通の炎ならば受け付けない程の耐火性を持った繊維を編む事も可能だが、流石のアラクネ種でもそれを織るには時間がかかる。ましてや戦場で使い捨てる等論外だ。
炎使いであるウタはアラクネにとって天敵と言える。
「単なる大剣使いならむしろ得意なんだけどなぁ!」
幾重にも重ねて投射される網。粘着性が高く、ただの近接武器使いなら容易に無力化できただろう。だがウタの獄炎は容易に網を焼き祓う。
「どけぇい!」
「言われなくても!」
だからこそ、西陣営は早急に違う相手をぶつける必要があった。ウタに勝てる相手を。ウタ以上の武器を扱い、ウタ以上に炎への適性を持つ者を。
それは数あるモンスター種の中でも希少性が高い、モンスターの王。
「こわっぱめ! 俺が相手だ!」
ドラゴンだ。入れ替わるようにしてアラクネ達は跳躍して離脱する。
「デカいな!」
丘が丸ごと動いているような威圧感だった。もちろん、ウタはドラゴンと戦うのは初めてではない。それ所か幾つもの名のあるドラゴンと戦った事さえある。
目の前の相手はただのドラゴンだ……多少はそういう驕りがあったのは否定できない。
「突っ込んで、ブッ倒す!」
爆炎の跳躍、焔摩天を大きく振り回し、刀身も爆炎による加速を行う。乾坤一擲の一太刀。
「効かねぇなぁ!」
だがドラゴンの硬い鱗はそれを弾いた。無傷ではない、確かに傷は付いたし何度か繰り返せば大きな|痛痒《ダメージ》にもなる得るだろう。
山のような巨体が動く。巨大な物はゆっくりと緩慢に動いているように見えるが、それは大きな間違いだ。大き過ぎてゆっくりに見えるだけで近くに居れば恐ろしい速度で防ぎようのない質量が動く。
「あた、るかよっ!」
ウタは爆発で自身を上空に飛ばし、大質量の尾撃をなんとか躱した。まともに貰えば致命打だ。相手はただ一発当てれば良く、こちらは何発か当ててようやく痛いと言わせる程度。
「強いな、この世界の奴は!」
確かにオブリビオンではない。だが、脅威度としては大差が無い。このドラゴンに限ればボス級オブリビオンと同程度と言えるだろう。単独で戦って勝てる相手ではない。
そんな事を分からないウタではない。これは、ただの時間稼ぎだ。
大成功
🔵🔵🔵
バッファロー・バイソン
俺様も参加させて頂くのじゃ。
陣営はケモノな…俺の姿見てればわかるが、|野牛《バイソン》だから、完全な動物に入るのじゃ。
単純な戦いなら、俺様にも勝機ってのがあるんじゃな。
そりゃあなぁ…思い知ることになるぜ。
何故ならば…
(ここでUC使用して、モンスターの群れに突進【頭突き】して吹き飛ばす)
こうなるからじゃ。
ケモノ共、俺様も加勢させていただくのじゃ。
モンスター陣営を次々と吹き飛ばしてケモノ陣営を勝利に導こう。
●さあ牛だ!
「俺様も参加させて頂くのじゃ」
バッファロー・バイソン(猛牛・f38640)は|野牛《バイソン》である。当然、ただの|野牛《バイソン》ではなく賢い動物の|野牛《バイソン》だが、牛である。賢い動物はケモノ陣営が大半だ。動物がケモノじゃなかったら何がケモノだと言うのか。100%ケモノである。
バッファローの戦い方は実に|単純《シンプル》だ。
「ブモォォォーッ!!」
突っ込んで蹴散らす。ただ、それだけだ。シンプルにただそれだけの事を突き詰めた存在なのだ。
「突撃が来るぞ!」「パイクだ!」「突撃を止めろ!」
大盾に|対騎兵槍《パイク》を構える前衛と、その後ろから|軽機関銃《ライトマシンガン》で銃撃を浴びせる対突撃防壁。
物事には相性がある。水は火を消し止めるが、土に吸い取られる。神羅万象、相性の悪い相手と言う物は必ず存在する。相剋の関係だ。だが、本来相性が悪い筈の相手が、強すぎるが為に逆に凌駕するケースが存在する。これを五行思想では相乗と呼ぶ。
本来相性が悪い大盾、|対騎兵槍《パイク》、|軽機関銃《ライトマシンガン》。バッファローはこれら一切を突撃にて粉砕した。正しく、鉄道殺戮カラテバッファローめいて!
もちろん、ただ走り抜けただけではない。的確に致命銃弾を逸らし、槍を躱して盾をかち上げ、突撃を推し通したのである。
「続けぇ!」
「ブモォォォーーーッ!!」
バッファローが破った所を馬獣人と牛獣人の突撃部隊がこじ開ける。
「突撃なら負けるか!」
「押し返すぞ!」
|半馬人《ケンタウルス》の突撃部隊が入り乱れる様に押し返す。敵と味方が入り乱れれば|軽機関銃《ライトマシンガン》は用を成さない。
銃撃戦の間合いから剣戟線の間合いに押し上げたバッファローだが、それはただの通関点だった。
「逃げ回るだけかこわっぱ!」
「生憎、一発貰うと危ないんでな!」
ウタはドラゴンを相手に只管飛び回っていた。ウタは炎を操る。それは、相手の吐いた炎ですら自分の支配下に置ける可能性がある事を意味する。ドラゴンはそれを理解しているのか|火の息《ファイアブレス》を一切使わなかった。
一方ウタは攻撃より回避に獄炎を使わざるを得ない。高温の|火の息《ファイアブレス》を吐く相手なら当然炎に強いのは自明だ。
一見すると膠着状態だが、実際はウタの体力の方が消耗が早い。|徐々に不利《ジリー・プアー》だ。それでもウタはこの状態を強いて保ち続けた。
遠方にそれが聞こえたからだ。
「おい、ドラゴンのおっさん! 時間をかけ過ぎだ!」
「何を! こわっぱ一人容易くひねりつぶし」
「ブモォォォーーーッ!!」
丘のようなドラゴンの巨体が、宙に浮いた。
「は?」
突然の事過ぎて、対応が出来ない。
やった事に目を向ければ事実|単純《シンプル》だ。突っ込んで吹き飛ばす。バッファローはそれしかするつもりが無い。例え相手が丘のような巨体であろうとも、万の大群であろうとも。突っ込んで吹き飛ばす。ただ、それだけだ。|単純《シンプル》であればあるほど突き詰めていれば|勝機《チャンス》はある。
そもそも、突撃と言う物は基本相手の虚を突いて行う物だ。機動力を生かして側面や背面に回り込んで後衛を蹂躙するのが伝統的な騎兵突撃だ。己の体積その物を武器とする体当りは拳法にもあるが、いずれもただぶつかるだけではない。虚を突いて質量をぶつける物だ。
だからバッファローもそうした。山のような|巨竜《ドラゴン》を相手に、【プロミネンスドライブ】で八倍に引き上げた攻撃力で突っ込んだ。
「こうやって引き付けておけば誰かしらがカバーに来るだろ?」
確かにウタは歴戦の猟兵であり高い攻撃力と機動力を兼ね備える。だからこそ苦手な相手も存在する。
バッファローは突撃しかしない。対応できない状況は多いが、出来る状況なら強い。
戦いと言う物は常に、いかに自分の得意を相手に押し付けるかにある。
◆戦局状態
現在の戦況は西陣営に猟兵二名が介入した事により西ケモノ陣営が有利に傾いているようだ。
……凡そ、想像通りの結果ではある。何せ、西陣営の方が猟兵の間口は広い。東モンスター陣営は広いようでいて、案外狭い。
このまま西陣営の勝利で終わるか……それはまだ、分からないが。
大成功
🔵🔵🔵
静音・涼香
トレーニングしてきたらちょっと遅刻しましたね。え?私の所属ですか?
私の『群れ』は西陣営ですよ。
私の群れはヒトに近い骨格で、私に至ってはほぼヒトみたいな見た目ですし。
猟兵が西陣営にばかり偏るのは不平等な気もしなくはありませんが、
私は元々この世界の出身なのでこればかりは致し方ありませんね。
とりあえずウマ特有のスピードで相手を翻弄しつつ、【一撃必殺】で相手を打ち倒します。
死なない程度なら後でいくらでも治療は効きますし、全身全霊でやらせて貰いますよ!
涼音・静香
とりあえず、東側……モンスター陣営に加勢するよ。
西側……ケモノ陣営に偏りそうな予感がするからね。
本来の腕に翼を付けてモンスターといいはる雑さだけど、まあ僕は本来混じりっ気無しの人間なわけだし仕方ないよね?
僕はアスリートアース出身だから、
殺さずに本気の戦いをするやり方は慣れているよ。
普段は『ワケあって』錘を付けて戦ってるけど、相手はケモノっていうくらいだから錘は要らないよね?
腕を翼にしちゃったから投げ技は使えないけど、
プロレス特有の空中殺法と蹴りは健在だよ。
【オリジナル・スタイル】で呼吸を整えつつ、ひたすらドロップキックで蹴りまくってあげるよ!
●誰よりも早く駆け抜けろ
「トレーニングしてきたらちょっと遅刻しましたね」
静音・涼香(異次元の逃亡者・f38022)は常識的猟兵の三倍以上を誇る脚力で戦場にエントリーする。
涼香はウマ耳とウマ尻尾があり、ウマ脚力を持つウマキマイラだ。バッファローと共に突撃した同族より、少し後方。突撃にはあえて参加しなかった。突撃をするなら長柄武器か、高い重量のどちらかを持っている必要がある。涼香はどちらも持っていない。
何より、その後の乱戦に入ってからの方が涼香には都合がいい。
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
速度を威力に乗せた【一撃必殺】。すれ違いざまに通り魔めいてただ一撃を打ち込む。これまた特化型の戦法である。
乱戦中なら体勢を崩す必要が無い。乱戦中に体勢を完全に維持する方が困難だからだ。
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
単に、体勢を崩している奴に駆け寄ってぶん殴る。地を蹴り、敵を蹴り、味方を蹴り。色付きの風となり拳を当てて行く。
●ヒミツの女性プロレスラー
「ハーピーか?」「ハーピーかな?」「同族さん?」
「そうだよ、よろしくね」
涼音・静香(ヒミツの女性レスラー・f37854)は腕を作り物の翼を付けて東モンスター陣営に潜り込んだ。
彼女(間違いではない、いいね?)は実際は人間だ。そういう機能を持たせた装備ならともかく、単なる飾りの翼で空を飛べるはずはない。
だが、ハーピー種にも飛べない種族は居るのだ。全ての鳥が空を飛べる訳ではないのと同じように。飛べないとは言っても、多少滑空する程度の事は出来るのではあるが、多くは強靭な脚力を持ち強烈な蹴りで応戦する。
普段はとある理由から付けている錘を外し、本気モードでの参戦だ。
「突撃だぁー!」
主戦場はやはり乱戦となった最前線。先鋒は|半人馬《ケンタウルス》に任せての乱戦要員として殴り込む。
モンスター種は乱戦は得意ではない。人間とはかけ離れた骨格をした彼等には格闘技は使えないし、手に近接武器を持って戦うのなら獣人種の方が優位だ。
「かこめかこめ!」
「ドケオラーッ!」
だからこそ、モンスター種は己の体格を生かして無差別に暴れるのが乱戦中の最適解となる。それが出来る種ならば、であるが。
ミノタウルスは戦斧を手に暴れ、コカトリスは走りながら尻尾を叩き付ける。スキュラの触腕が獣人を掴んでは投げ、ラミアが絡み付き締め上げる。
静香はと言うと、
「オリャーッ!」
「グワーッ!」
ドロップキック一択だった。
「スゥーッ! ハァーッ!」
【オリジナル・スタイル】で呼吸を整え、
「オリャーッ!」
「グワーッ!」
片っ端からドロップキック! 一呼吸一蹴りの勢いで。
●必然の邂逅
何せ、同じ戦線に居るのだからこうなる事は必然だ。
「イヤーッ!」
涼香はドロップキック後の崩れた体制を狙って拳を振るった。
「オリャーッ!」
静香は両手を地面に付け、ウィンドミル旋回! 拳と足では当然足のリーチが勝つ! だが、涼香は冷静に繰り出された足に拳を当て相殺!
この二人、共に主戦場をアスリートアースにした猟兵である。こうなるより以前に面識があるかどうかは定かではないが、一瞬で互いをアスリートと認識した。ここで倒さねばならない障害として!
「イヤーッ!」
涼香は素早いバックステップから脚力を生かして回り込み槍めいた跳び蹴りを放つ!
「オリャーッ!」
静香は体勢復帰をせずに、プロレスラー腕力に物を言わせて地面を押し飛ばすスクリュードロップキック!
「ンアーッ!」
キックとキックがぶつかり合えば、重い方が勝つ。即ち、静香のドロップキックだ。だが、涼香は決断的であった。蹴り返された足の反動を利用し、静香の懐に飛び込む!
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
鳩尾に強烈な一撃! だが、静香のプロレスラー耐久力はこれに耐える! そして!
「オリャーッ!」
「ンアーッ!」
懐に飛び込んで来た涼香を抱き抱え、締め上げる! 作り物の翼を付けたままであっても、腕で締め上げる事は可能! だが、ホールドとしてはやはり不完全だった。
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
涼香が顔面を思いっきり殴りつける! だが、静香は放さぬ!
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
涼香が続け様に左フック! だが、静香は放さぬままに立ち上がった!
「オリャーッ!」
静香のフェイバリットアーツ【体幹まで響くスープレックス】! 抱えたままに相手を頭上から落とすジャーマン・スープレックス・スタイルだ!
「ンアーッ!」
強かに地面に頭を打ち付けられた涼香は、その技の反動によって脱出!
「まだ、やる?」
「当然ッ!」
二人のアスリートが再び! ぶつかり合う!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
◆戦局状態
以前、西陣営有利の状況が続いている。このまま押し切って決着か? 押されたままに終わるのかモンスター陣営!
ゴリラ・シャーク
シャーク『ハッハー!面白そうなことしてるじゃねえか!食いモンがないのが少し残念だが、いっぱい暴れられそうだぜ!』
ゴリラ「うーん、おいらは気乗りしない部分もあるけど……うん、やるからには全力だな。おいらはケモノ陣営かな?」
シャーク『どう見てもモンスターだろ!ゴリラにサメが刺さってるなんて普通の動物じゃありえねえよ……まぁ敵味方関係なく暴れればいいがなぁ!』
モンスター陣営で参加。
ケモノ陣営が多い場所に移動してUC【森と海の王者】を使用。(使用前にモンスター陣営に一声かけておきます。)
敵味方関係なく3回攻撃を行い、周りを蹴散らします。
アドリブ・他キャラとの絡み歓迎です。
ナヴァリア・エキドナ
モンスター派閥
アドリブ連携歓迎じゃあ!
(まだ時間があると油断して昼寝していたら抗争が佳境に至ってて慌てるババア)
真打は遅れてやってくる! わしが来たぞ!
ここから巻き返してやろうかえ、東陣営の者どもよー!
形勢不利という苦境を力に変える、バイオミック・オーバーロード!
ふぇっふぇっふぇ! 巨大化したこのわしの、この圧倒的なパワーで一気に逆転じゃあ!
者共、わしに続けぇ! 突撃じゃあ!
(勝てれば調子に乗って有頂天になるのですが、無策で勝てる訳がないのでたぶんボコボコに負けます)
ぐえええ!?
ば、馬鹿な、このわしがああああ!?
あいたっ、待って痛ぐえええ!?
●ゴリラでもシャークでもない
『ハッハー!面白そうなことしてるじゃねえか!食いモンがないのが少し残念だが、いっぱい暴れられそうだぜ!』
「うーん、おいらは気乗りしない部分もあるけど……うん、やるからには全力だな。おいらはケモノ陣営かな?」
彼は一見ゴリラであり、その腹部にはシャークが生えてる。お背中からお腹にかけてシャークが突き抜けた状態で生きている。共生してる。
故に彼はゴリラではありえず、シャークでもない。ゴリラ・シャーク(森の賢者×海の支配者・f24959)なのだ! ……いや、何だコイツ……ああ、UDCか、成程な。
『どう見てもモンスターだろ! ゴリラにサメが刺さってるなんて普通の動物じゃありえねえよ……まぁ敵味方関係なく暴れればいいがなぁ!』
シャークは自らの状態を正しく認識していると言えるが、思考がシャークのようだ。
●遅れて来た真打
「真打は遅れてやってくる! わしが来たぞ!」
こちらは分かり易くモンスター陣営のラミア種に相当するナヴァリア・エキドナ(ナヴァリア婆さん・f37962)。人間に似た上半身と蛇の様な下半身。なお、上半身は人間の呪いでこうなったらしいが、人間が出没し始めたの去年の話だしどう見ても呪いの類とか使わなさそうなので周囲からも狂言扱いされている。と、言うか似たような形態のラミア種沢山居るしな。上半身人間はモンスター種には多いパターンだし。
まあ、ちょっとイカした言動のお陰でそれなりに有名人のナヴァリア。
「ここから巻き返してやろうかえ、東陣営の者どもよー!」
「「「ヤッチマウゾコラーッ!!」」」
ウタ、バッファローにより押し込まれた戦線に突っ込んで行く。
●ランペイジ・モンスターズ
「すいません、ちょっとこの辺りに失礼しまして」
ゴリラ跳躍力で押し込んでいる西ケモノ陣営に飛び込むゴリラ・シャーク。
「なんだ!?」
「味方、いや敵だ!」
「こんなモンスター見た事無いぞ!」
「どんなコンセプトで作ったんだよ! あの鮫部分何に使うんだよ!」
アックス&ウィザーズにも居るモンスター種と見た目こそ似ているが、彼らの本質はあくまでも生物兵器である。魔法的な力は一切持っていない。超テクノロジーによる魔法めいた科学はありえるが、一応科学的に存在する物である。つまり、誰かが何らかのコンセプトを持って開発したはずの物なのだ。
ゴリラ・シャークはどう見ても意味が分からない。あのシャークは一体何なのか。泳ぐのか? 腹部に口を付けて攻撃力を増そうとしたのか? ……何故腹部に!?
そういう困惑が一瞬の隙を産んだ。割と、一瞬と言うレベルではなく……ゴリラ・シャークが通って来た味方モンスター陣営からも怪訝な顔で見られてたのだが……戦場に置いて|一手番《ワンターン》があるという事は致命的状況を引き起こす物である。
「野生が……止まらないうほ……!!」
ゴリラがゴリラらしく力強く|胸を叩く《ドラミング》!
『さァ! 暴れようぜ!!』
シャークが吼える! ゴリラ・シャークは唐突に巨大化! 巨獣大乱闘!
「うほほっ!」
どんっ、と。両拳を地面に叩き付ける。その反動で周囲のケモノ達が地面から浮き上がる。
「何と言う」「パワー」「まずいぞ」
「うっほぉぉーっ!」
『薙ぎ払ってやるぜッ!』
ゴリラ・シャークの強烈なトリプルラリアット! ゴリラの右腕、左腕、シャークの尾が三重の旋回打撃を放つ!
「「「グワーッ!」」」「「「ンアーッ!」」」
「形勢不利という苦境を力に変える、バイオミック・オーバーロード!」
ナヴァリアが不利な戦況と日頃の鬱憤を爆発させ爆発的巨大化!
「ふぇっふぇっふぇ! 巨大化したこのわしの、この圧倒的なパワーで一気に逆転じゃあ!」
「こっちにもデカいのが出たぞ!」
「ナヴァリア婆さんじゃねぇか!」
「イカれ婆がまたキレてるぞーッ!」
「おぬしらぁ……」
ナヴァリアは更に大きくなる!
「イクサ場とは言え、言って善い事と悪い事があるぞーッ!」
巨大化した尾の打撃! 蛇の肉体はその殆どが筋肉と言われる程に強い。主に締め付ける時にその真価を発揮するがこれだけ大きくなれば単なる尾撃でも十分な破壊力!
「「「グワーッ!」」」「「「ンアーッ!」」」
「者共、わしに続けぇ! 突撃じゃあ!」
「戦線を上げるぞーッ!」
「押し返せーッ!」
●Revenge the Demons
「なんかだ周囲が盛り上がって来てるね?」
「いいね、ギャラリーは多い方がいい」
カラテ拮抗する涼香と静香。だが、涼香は本来高い脚力こそが武器だ。|一対一《タイマン》で殴り合うのは向いていない。しかも、静香の方は|そっち《タイマン》が本職でありこの状況を続けるのは完全に静香にとって有利な展開でしかない。
隙を見て離脱を試みようとはしているが、一度背を向ければあの強烈なドロップキックが飛んでくるのは間違いない。
|一手番《ワンターン》が欲しい。大地が大きく揺れたのは正しくその瞬間だった。
ゴリラ・シャークが強く地面をたたいた時、二人は大きく浮き上がるほど近くには居なかった。だが、突然の振動に反応は遅れようという物。条件が大きく違った訳ではない。ただ、離脱のタイミングを計っていた涼香の方が状況をよく見ていたというだけの事だ。
「イヤーッ!」
涼香は決断的に地面を蹴り、半身を捻る。
「逃がすとでも?」
その時には既に静香はドロップキックを打てる態勢だった。静香としてもドロップキックを当てられる程の大きな隙を伺っていた事は事実!
「逃がすんだなぁ、これが!」
そう、涼香は周囲をよく観察していた。上空からこっちに向けて加速する獄炎の翼を!
|不意打ち《アンブッシュ》を当てるというより、追撃を断ち切る形で静香の目前に焔摩天を振り下ろしたウタ! もし、強引にドロップキックを放っていれば両足ケジメもありえただろう。注意は一秒、後遺症は死ぬまで。
「ロープタッチを許したか。でも、それだけだ」
静香は油断なくプロレスカラテを構える。相手が獲物持ちだろうと関係は無い!
「一切蹴り飛ばすのみ!」
「ああ、存分に戦おうぜッ!」
ウタは靴底から獄炎を放ち焔摩天を横薙ぎに払う! 涼香は大きく跳躍し回避!
「オリャーッ!」
当然、そのままドロップキックだ! 既に【オリジナル・スタイル】の強化は相当な深度に深まっている! ウタは右手に焔摩天を握ったまま左手を突き出した!
「プロレスラーと取っ組み合いをする気は無いぜ!」
獄炎の壁を噴き出す! だが、涼香は構わずそのまま踏み抜いた!
「グワーッ!」
ウタは大きく蹴り飛ばされ、地面を縦に三回転し獄炎を纏いながら三点着地! 先の獄炎は防御ではなく受け身の噴射。
「今だ!」
業ッ! 涼香の足元から獄炎が吹き上がる!
「グワーッ!」
涼香はワームムーブメントし緊急消火! 作り物の翼がイクサに耐え切れず焼失!
「あっつぅ……やっぱ、ハンディキャップマッチで勝てる相手じゃなかったか」
獣擬装を失い、本来のプロレスラーの姿……即ち、人間の姿を晒す涼香! だが、周囲の住人は気にも留めていない! 共に戦っている仲間である、それだけで十分だ。
「ラウンド3だ」
大成功
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●Ground Dasher
「ブモォォーッ!!」
「ぐええぇぇぇーッ!!?」
巨大化したナヴァリアを一撃で吹き飛ばすバッファロー! 武装鉄道粉砕カラテバッファローめいた突撃は止められない! 空中で身を捻り、体勢復帰を試みるが、地上には既に次の突撃を控えたバッファロー! ナムサン!
「ちょ、おま、出待ちは卑怯じゃぁ!」
「知らねぇなぁ! イクサに卑怯もクソもあるかよ!」
『全く同感だぜぇッ!』
ゴリラ・シャークの|割り込み《インタラプト》噛み付き!
『一頭丸齧りだぁ!』
ナムサン! 食欲を抑え切れないのか!
「させないッ!」
そこに涼香も|割り込み《インタラプト》で拳をゴリラ・シャークの横っ腹を殴り付ける!
四つのカラテが交錯した。ゴリラ・シャークがバッファローに噛み付いたまま涼香の拳が命中。ゴリラ・シャークごと真横に飛ばす。
「構わん、やれッ!」
だが、ゴリラ・シャークは地面に片手を突き出し強引に方向転換! ナヴァリアの真下へと飛ばされる!
「ええい、知らぬぞッ! キエーッ!」
空中のナヴァリアが身を捻り、巨体からの尾撃でゴリラ・シャークごとバッファローを打ち据える!
『こいつだけはここで仕留めないと面倒だ!』
「くっ……だがッ! そこまで評価して貰えるのは、嬉しいですねぇ!」
バッファローは強引に身を捻ってゴリラ・シャークの顎から脱出! 突撃の為の助走を付けに離脱する!
「イヤーッ!」
振り下ろされた尾に涼香が打撃!
「グエーッ!」
決断的に踏み込み左拳!
「イヤーッ!」
「グエーッ!」
決断的に踏み込み右拳!
「イヤーッ!」
「グエーッ!」
「ウホーッ!」
ゴリラ・シャークの圧倒的質量の拳がナヴァリアごと叩き潰す! 直撃すれば涼香は|戦闘不能《リタイア》確実! 前方に|飛び込み回避《ダイブロール》しこれを回避!
「グエエェーッ!」
結果、殴られたのはナヴァリアだけになった。まあ、さっき一発当てたしね。
桃枝・重吾
アドリブ絡み歓迎
東陣営(星振丸がマキナとして参加の巻き添え)
◼️序
ちわー!
レイリスさんにお届け物でーす!
(この時、私は良くわからない土地だけど割りといい感じの長期契約を結べて浮かれていたんだと思う。
普段、古代文明最後の一人が、とか、うるさい星振がやけに素直だったのも、怪しかった…)
ええと、御依頼主からレイリスさんから荷物(戦況情報)をこいつ(星振丸AI)にもらってナビ受けるようにうかがったんで、お願いします
◼️それから現在まで(UC使用)
え!?
なんか轢いちゃったよ!
ヤバイ、ヤバイよ、知らない土地で事故るとか、星降のナビだから人身じゃないと思うけどなぁ
(星降丸の指示でマスターキーを手に参戦の新人
●一般通過デコトラおじさん
ちなみに、マキナはどうしていたかと言うと人型かそれ以外かで分かれていた。
しかしまあ……この記録については正直どう扱っていいのかよく分からんから起こった事をそのまま記そうと思う。
どうしてこうなった。
(この時、私は良くわからない土地だけど割りといい感じの長期契約を結べて浮かれていたんだと思う。普段、古代文明最後の一人が、とか、うるさい星振がやけに素直だったのも、怪しかった……)
そう独白するのは桃枝・重吾(|スペースデコトラ使いXL《スペース食べ歩き道中》・f14213)。スペースデコトラで宇宙を駆ける運び屋だ。
「ちわー! レイリスさんにお届け物でーす!」
「……唐突に、他人のグリモアベースにデコトラで乗り付けないで貰えるかな?」
唐突に、あまりに唐突に重吾のデコトラは現れた。普段、予兆とか出してる執務室とは別に私の機体を整備する作業部屋はある……と、言うか、私のグリモアベースは実は次元空母の中にあるのでデコトラ一台位乗り付けられても困る訳じゃないんだが。
「ええと、御依頼主からレイリスさんから荷物をこいつにもらってナビ受けるようにうかがったんで、お願いします」
「私はあくまで見た事件を解説するだけで指示は出さないというスタンスなんだが」
まあ、こうするといいんじゃないかな? と言う事は言うが。
「戦況情報が欲しいだと? ……編纂前のデータだとそれなりのデータ量があるんだが」
私が|報告書《リプレイ》を書く時は取得できるデータを片っ端から集めてから書いている。何故か当人しか知らないような事まで書けるのはそういう理由だ。グリモア猟兵としての力でもあるが……相手も分からないのにそのデータを渡せと?
「まあ、いいか。欲しければくれてやる」
どうせ編纂後にこうして公開する訳だしな。私は書類にハンコを押した。
……いきなり他人の家に来て荷物を持って行くって、よく考えたら新手の詐欺か何かってレベルで意味が分からなくないか?
「アザーッス!」
まあ、いいか。ここに来れるという時点で敵ではないのだろうし。
重吾は受け取ったデータを載せた|スペースデコトラ『星降丸』《デコトラ型後方支援兼輸送機コアユニット》を運転してけものマキナの戦場に突っ込んで行った。
カーステレオではお気に入りの楽曲を流し、かすかに鼻歌を歌いながらデコトラが走る。正確にはデコトラじゃ無いらしいんだが、実質デコトラ。
どんっ、と決して軽く無い衝撃。
「え!? なんか轢いちゃったよ!」
重吾は『マスターキー』赤くて巨大な万能工具に手を伸ばす。
「ヤバイ、ヤバイよ、知らない土地で事故るとか、星降のナビだから人身じゃないと思うけどなぁ」
星降丸の指示でマスターキーを手に車外へと降りる。
『オウコラメンキョモッテンノカッテメッコラー!』
対物事故だった。対キャバリアと言うべきか。まあ、星降丸の方は凹み一つ無いが。もはやなんか轢いたってレベルじゃない。
「うわっ、ごめんなさい。え、何今度は乗るの?」
星降丸AI、示談とかする気は0である。言われるがままに星降丸に再び乗る重吾。
「何だアレ」「何なんだアレ」「えらく派手な残滓だな」「トラックだよなぁ……?」
突然のデコトラにざわつく会場。
『ワドレナックンコラーッ!』
勢い良く走り出すスペースデコトラとそれを追うキャバリア。
重吾は華麗なハンドル捌きでマークされたチェックポイントを走り続ける。
そう、周囲がどうなろうと重吾はただマークされたポイントを走っているだけだ。
「「「グワーッ!」」」
なんか、色々と轢きながら。
「俺と、勝負しようってのか?」
行く手にはバッファロー! 走るデコトラ!
「面白ぇ! いくぜぇッ!」
本日、色々な物を突撃で屠って来たバッファロー。当然、デコトラも正面から突っ込む!
「ブモォォーッ!!」
武装鉄道殺戮カラテバッファローめいた突撃! だが、デコトラは真正面からこれに挑む!
「グワーッ!?」
意外! 押し負けたのはバッファローの方だった。それもその筈【|スペースデコトラ運転手は止まる気が無い模様だ《ミチハアトカラツイテクル》】によって運転に没頭している間は完全に攻撃を受け付けない状態なのだ。本人的にはただ走ってるだけなので追撃も何も無いんだが。
「今度はこっちかー。このルート本当に合ってる?」
合ってる訳が無いというか、一体何処を目指しているのか……
●決着
これが戦争であればどちらかが消耗しきるまで戦いは続いただろう。だが、これは集落間抗争であっても本質はただの喧嘩だ。
日没と共に東西どっちもぞろぞろと自分の集落へと引き返していく。
「あ、日没で終わりなのか」
猟兵達も空気を読んで撤収。
「結局、何の為に戦ってたんだ?」
「理由も目的も最初から無ぇよ」
「そういう物か」
「そういう物だ。お前らだって、別に理由なく戦ったりするだろ?」
そう、猟兵達も旅団によっては模擬戦と言う形で実戦さながらの戦闘を行う事もある。これは、結局の所大規模になっただけの模擬戦なのだ。
「まあ、終わりだって言うなら」
ウタはギターを手に取り奏で始める。今日は鎮魂歌ではない。疲れた体に癒しの旋律と、互いの奮闘を称え合う歌を。
これは、世界にとっては何の影響もないただの日常。集まって、騒いで、暴れるだけの日常の一コマだ。
「ワドルナックンコラーッ!」
「チョシコイテンジャネッゾコラーッ!」
「今度は何だ?」
「キコノとタケノコってお菓子があってな」
「あー……」
つまりは、その程度のバカ騒ぎに過ぎなかったという話だ。
大成功
🔵🔵🔵